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特許7604034船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20241216BHJP
   B63J 2/12 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H01M8/04 J
B63J2/12 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023213702
(22)【出願日】2023-12-19
(65)【公開番号】P2024163842
(43)【公開日】2024-11-22
【審査請求日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0061621
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523477451
【氏名又は名称】コリア マリタイム ユニバーシティ インダストリー-アカデミック コーポレーション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KOREA MARITIME UNIVERSITY INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】イ ウォン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク ミン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジェ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】イ キョン ウ
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-99534(JP,A)
【文献】特開2013-8702(JP,A)
【文献】特開2017-68913(JP,A)
【文献】特開2004-66917(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110090(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04ー8/0668
B63J 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素が反応して、電力、還元水、および熱が生産される燃料電池と、
内部に流体が流動し、前記燃料電池と熱交換する熱交換ラインおよび前記燃料電池の還元水の供給を受ける第1水供給ラインを含む第1水タンクと、
前記第1水タンクから熱源の供給を受ける使用先とを含み、
前記第1水タンクは、前記燃料電池の還元水を貯蔵することを特徴とする、船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項2】
前記第1水タンクは、前記燃料電池から還元水の供給を受け続ける第1水供給ラインおよび第1水タンクの流体を排出する第1水排出ラインを含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項3】
前記使用先は、前記第1水タンクから海水の蒸発熱源を得て、清水を生産する造水器を含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項4】
前記使用先は、前記第1水タンクから熱源の供給を受けて、流入される空気の温度を制御し、前記第1水タンクの流体が噴射される水噴射部を含む空気調和装置を含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項5】
前記使用先は、前記第1水タンクから化学処理に求められる反応熱の供給を受けて、船舶の発電機エンジンが停止した状態または平衡水の温度が低い状態で、正常作動する平衡水処理装置を含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項6】
前記第1水タンクは、前記燃料電池から電気の供給を受ける第1電気ヒータから熱の供給を受けることを特徴とする、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項7】
前記使用先は、前記第1水タンクから熱源の供給を受けて、船舶内に温水を供給する液体加熱器を含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項8】
前記使用先は、オイルと熱交換する発熱装置を含み、前記第1水タンクから熱の供給を受ける第2水タンクと熱交換して熱源を得ることを特徴とする、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項9】
前記燃料電池の残りの水素の供給を受けて燃焼させ、排気ガスが排出される燃焼ガス排出ラインを含む燃焼室と、
燃焼ガス排出ライン上に配置され、燃焼ガスから熱源の供給を受けて、前記第1水タンクと熱交換する第2熱交換器とをさらに含む、請求項1に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【請求項10】
前記燃焼室の排気ガスから動力を得て、内部に外気を供給する過給機と、
前記過給機と燃料電池を連結する第2外気供給ラインと、
前記第2外気供給ラインに配置され、外気と熱交換する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器から熱源の供給を受ける第3水タンクとをさらに含み、
前記第1水タンクは、前記第3水タンクから加熱された流体の供給を受けることを特徴とする、請求項9に記載の船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システムに関し、より詳細には、船舶内に配置された燃料電池の運用時に発生する熱を設備に供給する船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶には、生活および運転に必要な多数の設備システムが含まれる。例えば、温水を生産する温水供給装置、空気の温度および湿度を制御する空気調和装置、清水を生産する造水器、ヒータシステム、および船舶平衡水処理システムなどが含まれる。
【0003】
しかし、電気ヒータを用いた温水供給装置は、長期使用によって伝熱状態が良くなくて電気ヒータ全体を交換しなければならず、ボイラースチームを使用した場合には、水撃現象によってパイプの破孔が発生するか、バルブフランジガスケットからスチームが漏れるなどの問題が発生する。また、空気調和装置は、ボイラースチームを活用するため、前記と同じ水撃現象が発生する問題があり、ボイラースチームを使用した加湿の場合、腐食の防止のための化学薬品が含まれており、船員の健康の危害になり得る。
【0004】
造水器は、主推進機関であるメインエンジンの冷却水を海水の蒸発熱源として使用して清水を生産する。これにより、主推進機関が停止するか出力が高くない場合、冷却水の温度が高くなくて造水器の性能が低下する。既存のヒータシステムは、ボイラーのスチームを活用していたが、燃料油内の硫黄含有量の規制によって船舶で使用される燃料の粘度が低くなるに伴い、ボイラースチームの使用先が減少する。
【0005】
また、船舶平衡水処理システムの一部のタイプは、気温が低い時の正常な運転のために、発電機冷却水などの熱流体によって熱交換が行われなければならない。しかし、近い未来に発電機エンジンの代わりに燃料電池が使用されると、発電機冷却水を熱交換のための熱流体として使用することができない。前記のように、ボイラースチームの使用に関する問題および電力エネルギーシステムの入れ替えによる熱供給流体の不在を解決するための熱供給システムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、上述の従来技術の問題を解決するために導き出されており、本発明は、船舶内でボイラースチームの活用に関する問題を解決するために、船舶用燃料電池で発生する廃熱を活用した熱供給システムを提示する。
【0007】
また、電力エネルギーシステムの入れ替えによる熱供給流体の不在を解決するために、船舶用燃料電池で発生する廃熱を活用した熱供給システムを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素が反応して、電力、還元水、および熱が生産される燃料電池と、内部に流体が流動し、前記燃料電池と熱交換する熱交換ラインおよび前記燃料電池の還元水の供給を受ける第1水供給ラインを含む第1水タンクと、前記第1水タンクから熱源の供給を受ける使用先とを含み、前記第1水タンクは、前記燃料電池の還元水を貯蔵することを特徴とする。
【0009】
また、前記第1水タンクは、前記燃料電池から還元水の供給を受け続ける第1水供給ラインおよび第1水タンクの流体を排出する第1水排出ラインを含む。
【0010】
また、前記使用先は、前記第1水タンクから海水の蒸発熱源を得て、清水を生産する造水器を含む。
【0011】
また、前記使用先は、前記第1水タンクから熱源の供給を受けて、流入される空気の温度を制御し、前記第1水タンクの流体が噴射される水噴射部を含む空気調和装置を含む。
【0012】
また、前記使用先は、前記第1水タンクから化学処理に求められる反応熱の供給を受けて、船舶の発電機エンジンが停止した状態または平衡水の温度が低い状態で、正常作動する平衡水処理装置を含む。
【0013】
また、前記第1水タンクは、前記燃料電池から電気の供給を受ける第1電気ヒータから熱の供給を受けることを特徴とする。
【0014】
また、前記使用先は、前記第1水タンクから熱源の供給を受けて、船舶内に温水を供給する液体加熱器を含む。
【0015】
また、前記使用先は、オイルと熱交換する発熱装置を含み、前記第1水タンクから熱の供給を受ける第2水タンクと熱交換して熱源を得ることを特徴とする。
【0016】
また、前記燃料電池の残りの水素の供給を受けて燃焼させ、排気ガスが排出される燃焼ガス排出ラインを含む燃焼室と、燃焼ガス排出ライン上に配置され、燃焼ガスから熱源の供給を受けて、前記第1水タンクと熱交換する第2熱交換器とをさらに含む。
【0017】
また、前記燃焼室の排気ガスから動力を得て、内部に外気を供給する過給機と、前記過給機と燃料電池を連結する第2外気供給ラインと、前記第2外気供給ラインに配置され、外気と熱交換する第1熱交換器と、前記第1熱交換器から熱源の供給を受ける第3水タンクとをさらに含み、前記第1水タンクは、前記第3水タンクから加熱された流体の供給を受けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、燃料電池で発生する廃熱を、温水供給装置、空気調和装置の熱源として活用して、既存の水撃現象の問題を解決する。
【0019】
また、空気調和装置は、ボイラースチームを活用した加湿の代わりに、廃熱システムの熱交換水を加湿剤として活用して、船員の健康の危害になることを防止する。
【0020】
また、主推進機関の運転および出力可否に関系なく、電気を生産する燃料電池を使用して、海水から清水の生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の構成図である。
図2】第1水タンクと使用先が連結された構成図である。
図3】第2水タンクと発熱装置が連結された構成図である。
図4】第1水タンクと空気調和装置が連結された構成図である。
図5】燃料電池に水素および酸素を供給する構成図である。
図6】外気および排気ガスの熱を第1水タンクに供給する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更を含むものと理解すべきである。
【0023】
他に定義されない限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味がある。
【0024】
一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的もしくは過剰に形式的な意味に解釈されてはならない。
【0025】
本発明は、アンモニアから水素を得て燃料電池に供給する。アンモニアは、化学式上、炭素原子を有していない未来の清浄燃料である利点があり、好ましい実施例として、アンモニアを基本エネルギー源として採択する。ここで、本発明は、アンモニアを介して水素を得るものに限定されず、アンモニア以外の物質を活用して、水素を得ることができる。
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例による船舶用燃料電池の廃熱を活用した熱供給システムについて詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の構成図である。図1を参照すると、アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素が反応して、電力、還元水、および熱が生産される燃料電池100と、前記燃料電池100と流体が熱交換し、流体を使用先の熱源として供給する第1水タンク200とを含み、前記第1水タンク200は、前記燃料電池100の還元水の供給を受けて流体として活用することを特徴とする。
【0028】
アンモニアが貯蔵されたガスタンク110は、改質器120と燃焼室130にアンモニアを供給する。燃焼室130では、アンモニアと空気および水素がともに点火して熱を発生し、発生した熱は、改質器120に伝達される。改質器120内では、熱とアンモニア、および触媒反応により水素を抽出する。抽出された水素は、燃料電池100のアノードに供給される。
【0029】
図面のように、本発明は、触媒を使用する方法を一例として説明し、触媒を使用する方法に限定しない。アンモニアから水素を抽出する方法は、酸化剤を使用する方法、触媒を使用する方法、電解質を使用する方法などの様々な方法があり、変形されて本発明に適用されることができる。
【0030】
燃料電池100は、アノードに水素が供給され、カソードに酸素が含まれた外気が供給される。燃料電池100内で水素と酸素が反応して電気が生成され、反応していない残りの水素は、燃焼室130に供給される。燃料電池100では、水素と酸素反応によって電気、還元水(HO)、および熱が発生する。発生した電気は、船舶の電気装置に供給される。発生した熱は、第1水タンク200に収集され、使用先に分配される。ここで、燃料電池100で発生した還元水は、第1水タンク200の流体として活用される。
【0031】
第1水タンク200は、燃料電池100から熱エネルギーの供給を受け、各使用先の熱源として活用される。使用先は、造水器210、平衡水処理装置220、空気調和装置230、発熱装置240、および液体加熱器250などを含む。
【0032】
造水器210は、燃料電池100の廃熱を熱源として海水を清水に変換し、平衡水処理装置220は、燃料電池100の廃熱を熱源として平衡水の温度を所定の温度に維持する。空気調和装置230は、燃料電池100の廃熱を熱源として室内の温湿度を調節し、発熱装置240は、燃料電池100の廃熱を熱源としてオイルをヒートするために用いられ、発熱装置により、燃料油や潤滑油が適切な粘度を有する。
【0033】
ここで、燃料電池100の廃熱エネルギーが足りない場合、第1水タンク200は、第1電気ヒータ204から熱エネルギーの供給を受ける。
【0034】
液体加熱器250は、第1水タンクから熱源の供給を受けて、船舶内で使用される温水を生成する。また、第1水タンクから排出される流体の供給を受けて、温水として活用することができる。
【0035】
図2は、第1水タンクと使用先が連結された構成図である。図2を参照すると、燃料電池100は、運転により、電気、水、および熱が発生する。燃料電池100は、第1水タンク200と連結され、流体が流動する熱交換ライン201を介して冷却され、熱は、第1水タンク200に移動する。ここで、燃料電池100内で反応によって発生した還元水は、第1水供給ライン102を介して第1水タンク200に供給され、流体として用いられる。第1水タンク200の流体は、燃料電池100の廃熱を介して熱エネルギーの供給を受ける。また、第1水タンク200は、第1電気ヒータを介して、さらに、熱エネルギーの供給を受けることができ、第1電気ヒータは、燃料電池100の電力供給ライン101を介して、電気の供給を受ける。
【0036】
第1水タンク200は、第1水供給ライン102を介して、燃料電池100から流体の供給を受け続け、水貯蔵量を超える場合、第1水排出ライン202を介して排出する。排出された流体は、処理されて外部に排出されるか、流体が必要な構成に供給される。
【0037】
第1水タンク200は、造水器210、平衡水処理装置220、空気調和装置230、発熱装置240、および液体加熱器250などと連結されて、熱源を供給する。
【0038】
造水器210は、低圧蒸発システムを用いて、海水を清水に転換する。
【0039】
平衡水処理システム(BWMS、Ballast Water Management System)は、船舶で使用される海洋環境保護システムである。船舶は、航路移動中に様々な用途で平衡水を積載して使用する。この平衡水は、船舶がまた海岸に近付く時に排出される。しかし、この時に排出される水は、様々な海洋生物が含まれており、輸入した海洋生物種の侵入と野生動物に影響を及ぼす可能性があり、主に、化学処理と生物学的処理方法が使用される。
【0040】
化学処理方法は、酸化力、塩化力、触媒分解などを使用して、平衡水で生物種を除去または死滅する技術である。本発明の平衡水処理装置220は、第1水タンク200から熱源の供給を受けて、平衡水の温度を所定の温度に維持する。これにより、気温が低い場合にも、正常作動する利点がある。
【0041】
図3は、第2水タンクと発熱装置が連結された構成図である。図3を参照すると、発熱装置240は、第1水タンクの流体を熱源として使用する。ここで、発熱装置240と第1水タンクとの間に第2水タンク241が配置され、間接的に熱交換が行われることを特徴とする。第1水タンク200は、第2水タンク241と熱交換し、第2水タンク241は、発熱装置240と熱交換する。
【0042】
他の装置とは異なり、発熱装置240で使用される流体は、オイルと熱交換することから、発熱装置240に破孔が生じたときに、第1水タンク200の流体にオイルが流入される可能性があり、オイルを使用する発熱装置240は、第2水タンク241を経て熱源の伝達を受ける。これにより、発熱装置240に破孔が発生しても、第2水タンク241のみにオイルが流入されて、第1水タンク200をより簡単且つ安全に管理することができる利点がある。
【0043】
第2水タンク241は、第2水供給ライン243から水の供給を受け、内部に水が多い場合、第2水排出ライン244に水を排出する。第2水供給ライン243は、第1水タンク200の第1水排出ライン202と連結されて水の供給を受けることができ、造水器210から水の供給を受けることができる。第2水タンク241から排出される水は、外部に捨てられるか、他の構成に伝達されることができる。
【0044】
第2水タンク241は、第1水タンク200から供給を受ける熱が足りない場合、第2電気ヒータ242から追加の熱源の供給を受ける。図2を参照すると、第1水タンク200は、第1電気ヒータを介して足りない熱源を得ているが、発熱装置240は、他の構成に比べて高い温度が必要であり、第2水タンク241を経て伝達されることから熱損失が発生し、第2電気ヒータ242を介して追加の熱エネルギーの供給を受けることを特徴とする。
【0045】
図4は、第1水タンクと空気調和装置が連結された構成図である。図4を参照すると、空気調和装置230には流入された空気と熱交換して加熱された空気を排出する。空気調和装置230は、第1水タンク200から熱源の供給を受け、流入された空気が通過する過程で熱交換により求められる温度の空気が排出される。
【0046】
また、第1水タンク200は、空気調和装置230と連結され、流体が排出されるノズルが形成された水噴射部203を含む。空気調和装置230は、水噴射部203から第1水タンク200の流体の供給を受け、空気調和装置230を通過する空気に流体を噴射して湿度を調節することを特徴とする。空気調和装置230に供給される流体は、燃料電池100の還元水と造水器210の清水を活用したものであり、室内汚染および健康に害のない利点がある。
【0047】
図5は、燃料電池に水素および酸素を供給する構成図である。図5を参照すると、燃料電池100は、水素と空気の供給を受けて電気を生産し、反応時に発生した熱と還元水を第1水タンク200に供給する。燃料電池100に水素が供給される方法および酸素が供給される方法について詳細に説明する。
【0048】
本発明の燃料電池100は、アンモニアから水素を得る。ガスタンク110には、アンモニアが貯蔵される。ガスタンク110のアンモニアは、改質器120と燃焼室130に伝達される。燃焼室130では、アンモニアと水素、空気が混合されて燃焼され、燃焼によって発生した燃焼熱を改質器120に供給する。改質器120では、供給を受けたアンモニアと改質器120の燃焼熱を用いて触媒反応が行われる。すなわち、燃焼熱を触媒反応に必要な熱として活用する。触媒反応によりアンモニアから水素を得る。生成された水素は、燃料電池100に供給され、燃料電池100に供給されてから残った水素と燃料電池100で反応せずに排出された水素は、燃焼室130に供給される。燃焼室130に供給された水素はまた燃焼熱を発生させる。
【0049】
燃焼室130では、燃焼に必要な酸素が求められ、燃料電池100では、水素と反応するための酸素が求められる。本発明は、燃焼室130で発生する排気ガスを活用して外気を供給する過給機140を運転することを特徴とする。
【0050】
過給機は、高温高圧の排気ガスによりタービンが回転して動力を得て、得た動力により外気を内部に供給する。外気は、酸素が求められる燃焼室130と燃料電池100に供給される。詳細な外気の流入については後述する。
【0051】
図6は、外気および排気ガスの熱を第1水タンクに供給する構成図である。図6を参照すると、本発明は、燃焼室130で発生する廃熱と外気の熱エネルギーを活用することを特徴とする。
【0052】
燃焼室130は、ガスタンクからアンモニアの供給を受け、改質器で発生した水素の供給を受けて、高温高圧の排気ガスが発生する。燃焼室130で発生する排気ガスは、過給機140を通過して外部に排出され、過給機は、高温高圧の排気ガスから動力を得て外気を内部に流入させる。
【0053】
過給機140は、外気流入ライン141を介して外気が流入される。外気は、第1外気供給ライン142を介して燃焼室130に供給され、第2外気供給ライン143を介して燃料電池100に供給される。ここで、外気は、酸素を含んでおり、酸素は、燃焼室130でアンモニアおよび水素の燃焼に活用され、燃料電池100では、水素と反応して電気を生産する。
【0054】
本発明の第1水タンクは、燃焼室の排気ガスと過給機により流入された外気から熱源を得ることを特徴とする。過給機140を通過した排気ガスは、外部に排出され、この際、排気ガスは、高温の熱を有しており、第2熱交換器と熱交換の後、外部に排出される。第2熱交換器は、排気ガスから熱源を得て、第1水タンクに伝達する。
【0055】
過給機によって流入された外気は、第2外気供給ラインを介して燃料電池に供給され、且つ外気は、第2外気供給ライン143上に配置された第1熱交換器150を通過する。外気から熱源を得た第1熱交換器150は、第3水タンク151に熱エネルギーとして伝達される。
【0056】
第3水タンク151は、第1熱交換器から熱源を得て、水が加熱される。第3水タンク151の加熱された水は、第1水タンク200に供給されて流体として活用される。第3水タンクは、例えば、造水器、燃料電池などから水の供給を受ける。外気は、燃料電池、排気ガス、液体加熱器と比較したときに、高い温度の熱源として活用することは困難であるが、冷水を常温の温度に1次的に加熱して、活用度を高めることができる。
【0057】
ここで、過給機によって流入された外気は、所定の温度を有しており、第3水タンクの水温度よりも低いと仮定する。
【0058】
第2外気供給ライン143に第1熱交換器150を配置して、外気を熱源として第1水タンク200に熱エネルギーを供給する。
【0059】
過給機140を通過した排気ガスは、燃焼ガス排出ライン144を介して外部に排出される。ここで、燃焼ガス排出ライン144上に第2熱交換器160が配置されて、排気ガスの残りの熱エネルギーを活用する。第2熱交換器160は、第1水タンク200の流体と排気ガスを熱交換して、第1水タンク200に熱エネルギーを供給する。
【0060】
本発明は、上記の実施例に限定されず、適用範囲が様々であることは言うまでもなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、様々な変形実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
100 燃料電池
101 電力供給ライン
102 第1水供給ライン
110 ガスタンク
120 改質器
130 燃焼室
140 過給機
141 外気流入ライン
142 第1外気供給ライン
143 第2外気供給ライン
144 燃焼ガス排出ライン
150 第1熱交換器
151 第3水タンク
160 第2熱交換器
200 第1水タンク
201 熱交換ライン
202 第1水排出ライン
203 水噴射部
204 第1電気ヒータ
210 造水器
220 平衡水処理装置
230 空気調和装置
240 発熱装置
241 第2水タンク
242 第2電気ヒータ
243 第2水供給ライン
244 第2水排出ライン
250 液体加熱器
図1
図2
図3
図4
図5
図6