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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】新型中間体及びその調製方法と用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 489/02 20060101AFI20241216BHJP
   C07D 221/28 20060101ALI20241216BHJP
   A61K 31/485 20060101ALN20241216BHJP
   A61P 25/04 20060101ALN20241216BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20241216BHJP
【FI】
C07D489/02
C07D221/28
A61K31/485
A61P25/04
A61P43/00 111
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023515209
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2021123651
(87)【国際公開番号】W WO2022127321
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】202011504911.X
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110064494.X
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518208565
【氏名又は名称】スーチュァン ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.24 South Section 1, Yihuan Road Chengdu, Sichuan
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】チン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シュェ フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ シァォユー
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ダン
(72)【発明者】
【氏名】ホー ファン
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/103945(WO,A1)
【文献】特表2004-505091(JP,A)
【文献】特表2012-524726(JP,A)
【文献】James P. Stambuli, Shaun R. Stauffer, Kevin H. Shaughnessy and John F. Hartwig,Resonance Energy Transfer. Identification of Catalysts for Room-Temperature Heck Reactions,Journal of the American Chemical Society,米国,American Chemical Society,2001年02月22日,123(11),2677-2678
【文献】Martin A. Schwartz and Phuong T. K. Pham,Oxidative Coupling of cis -3,N-Bis( methoxycarbony1)-N-norreticuline. An Approach to the Asymmetric Synthesis of Morphine Alkaloids,Journal of Organic Chemistry,米国,American Chemical Society,1988年,53(10),2318-2322
【文献】Sandor Hosztafi, Sandor Berenyi, Geza Toth and Sandor Makleit,Morphine alkaloids, part 114. A stereohomogeneous synthesis of N-demethyl-N-substituted-14-hydroxydihydromorphines,Monatshefte fur Chemie Chemical Monthly,ドイツ,springer,1992年05月,123(5),435-441
【文献】クロスカップリング反応のためのPd 触媒・配位子アプリケーションガイド,クロスカップリング反応のためのPd 触媒・配位子アプリケーションガイド,日本,2020年03月,https://www.sigmaaldrich-jp.com/catalog/download/CHM005,検索日: 2024年5月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/CASREACT/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間体Iの調製方法であって、
S1.
【化1】
化合物18を提供し、ヒドロキシ基の保護基Rを除去する反応により、化合物19を生成し、式中、Rはヒドロキシ基の保護基Iであり、Rは第二級アミン保護基であるステップと
S2.
【化2】
前記化合物19は還元反応により、化合物20を生成するステップと、
S3.
【化3】
前記化合物20は環化反応により、中間体Iを生成するステップと、を含み、
前記化合物18の合成経路は以下のとおりであり、
【化4】
式中、Rはヒドロキシ基の保護基IIであり、Xはハロゲン原子であり、R11はヒドロキシ基の保護基I又は水素原子であり、Rはヒドロキシ基の保護基Iであり、
11がヒドロキシ基の保護基Iである場合、以下のステップを含み、
1)化合物15を提供し、
2)前記化合物15からヒドロキシ基の保護基IIを除去することにより化合物17を生成し、
3)前記化合物17は、分子内酸化脱芳香族化Heck反応により、前記化合物18を生成し、
11が水素原子である場合、前記化合物15はヒドロキシ基の保護基Iを導入した後にステップ2)及びステップ3)を行い、
ステップ3)において、前記分子内酸化脱芳香族化Heck反応は、反応剤及び塩基の存在下で行われ、
前記反応剤は、配位子IIと遷移金属触媒IIであり、
前記配位子IIは、
【化5】
前記遷移金属触媒IIはPdClであり、前記化合物17と、配位子IIと、遷移金属触媒IIと、塩基とのモル比は、1:0.05~0.5:0.05~0.15:2~4であることを、
特徴とする中間体Iの調製方法。
【請求項2】
前記第二級アミン保護基は、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、p-ニトロベンゼンスルホニル基、メチル基、ギ酸メチル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基及びトリメチルベンゼンスルホニル基のうちの一つから選択されることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項3】
前記ヒドロキシ基の保護基Iは、p-メトキシベンジル基、ベンジル基、アセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシメチレン基、メチル基、トリイソプロピルシリルエーテル基、トリエチルシリルエーテル基、及びtert-ブチルジフェニルシリル基の中から選択されることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項4】
S1において、前記ヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる除去剤は、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、エタンチオールナトリウム、チオフェノール、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、ヨードトリメチルシラン、三塩化セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、カンファースルホン酸、p-トルエンスルホン酸、オキシ塩化リン、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン及び塩酸のうちの一つから選択され、
及び/又は、S1において、前記ヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる反応溶媒はN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン及び酢酸のうちの一種から選択されることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項5】
S2において、前記還元反応の還元剤は水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム及び水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウムのうちの一つから選択され、
及び/又は、S2において、前記還元反応の反応溶媒はメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンのうちの一種又は二種から選択され、
及び/又は、S2において、前記還元反応の反応温度は-10~40℃であることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項6】
S3において、前記環化反応の反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、及び1,4-ジオキサンのうちの一種から選択され、
S3において、前記環化反応の環化剤はN,N-ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、及びN,N-ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタールのうちの一種から選択され、
及び/又は、S3において、前記環化反応の反応温度は0~130℃であることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項7】
前記ヒドロキシ基の保護基IIは、p-メトキシベンジル基、ベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基及びトリエチルシリル基の中から選択される1種であることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項8】
前記ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選択される1種であることを、特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項9】
ステップ2)において、前記ヒドロキシ基の保護基IIを除去するために用いられる除去剤は炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリフルオロ酢酸、塩酸、三塩化ホウ素、酢酸、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、臭化水素酸、フッ化カリウム及びフッ化セシウムのうちの一種又は二種から選択され、
及び/又は、ステップ2)において、前記ヒドロキシ基の保護基IIを除去するために用いられる反応溶媒はメタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン及び水のうちの一種又は二種から選択されることを、特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項10】
ステップ3)において、前記塩基はカリウムtert-ブトキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸銀、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、ナトリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、フッ化セシウム、水酸化カリウム及びピバリン酸塩のうちの一種又は二種から選択され、
及び/又は、ステップ3)において、前記分子内酸化脱芳香族化Heck反応の反応溶媒はアニソール、トリフルオロメチルベンゼン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トリメチルベンゼン、ジメチルエーテル、エタノール、tert-ブチルアルコール、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一種から選択され、
及び/又は、ステップ3)において、前記分子内酸化脱芳香族化Heck反応における化合物17の濃度は、0.05~2.5mol/Lであり、
及び/又は、ステップ3)において、前記分子内酸化脱芳香族化Heck反応の反応温度は50~160℃であることを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項11】
ステップ3)において、前記塩基は、リン酸カリウム及び炭酸カリウムであり、
及び/又は、ステップ3)において、前記反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びアニソールのうちの一種であり、
及び/又は、ステップ3)において、前記分子内Heck反応における化合物17の濃度は、0.05~1mol/Lであり、
及び/又は、ステップ3)において、前記分子内Heck反応の反応温度は60~150℃であることを、
特徴とする請求項10に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項12】
前記化合物15の合成経路は以下のとおりである、
【化6】
式において、Rはヒドロキシ基の保護基IIであり、R22はヒドロキシ基の保護基II又は水素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R11はヒドロキシ基の保護基I又は水素原子であり、
22がヒドロキシ基の保護基IIである場合、
a、化合物11を提供するステップと、
b、前記化合物11をBischler-Napieralskiにより反応させ、化合物13を得るステップと、
c、前記化合物13を不斉移動水素化反応させてキラルテトラヒドロイソキノリン型化合物14を得るステップと、
d、前記化合物14は第二級アミン保護を行い、化合物15を生成するステップを含み、
22が水素原子である場合、前記化合物11はヒドロキシ基の保護基IIを導入した後にさらにステップb、c及びdを行うことを、
特徴とする請求項1に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項13】
ステップbにおいて、前記Bischler-Napieralski反応は縮合剤と塩基の存在下で行い、前記化合物11と縮合剤と塩基とのモル比は1:0.9~1.3:1.5~2.5であることを、特徴とする請求項12に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項14】
前記縮合剤は、オキシ塩化リン、五酸化二リン、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物から選択される一種であり、
及び/又は、ステップbにおいて、前記塩基は、2-フルオロピリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ジメチルピリジン(dimethyl pyridine)及びトリエチルアミンのうちの一種から選択され、
及び/又は、ステップbにおいて、前記Bischler-Napieralski反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン及びトルエンのうちの一種から選択され、
及び/又は、ステップbにおいて、前記Bischler-Napieralski反応の温度は-50~40℃であることを、
特徴とする請求項13に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項15】
ステップcにおいて、前記不斉移動水素化反応は、キラル配位子I、水素源I及び金属触媒Iの存在下で行われ、前記化合物13と、前記金属触媒Iと、前記キラル配位子Iと、前記水素源Iとのモル比は、1:0.001~0.01:0.002~0.02:1.2~3であることを、特徴とする請求項12に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項16】
ステップcにおいて、前記キラル配位子Iは、
【化7】
及び/又は、ステップcにおいて、前記水素源Iはギ酸、ギ酸アンモニウム、及びギ酸とトリアルキルアミンとの錯体のうちの一種から選択され、
及び/又は、ステップcにおいて、前記金属触媒Iは、
【化8】
及び/又は、ステップcにおいて、前記不斉水素化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、トリフルオロエタノール、アニソール、N,N-ジメチルホルムアミド、トリフルオロメチルベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トリメチルベンゼン、エタノール、tert-ブチルアルコール、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、1,4-ジオキサン、ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノール、メタノール及びイソプロパノールのうちの一種から選択され、
及び/又は、ステップcにおいて、前記移動水素化反応の温度は-10~40℃であることを、
特徴とする請求項15に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項17】
ステップcにおいて、前記水素源Iは、メタノール及びトリエチルアミン錯体であり、
及び/又は、ステップcにおいて、前記反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、
及び/又は、ステップcにおいて、前記移動水素化反応の温度は0~35℃であることを、
特徴とする請求項16に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項18】
ステップdにおいて、第二級アミン保護は、塩基性条件下で行われ、
前記塩基性条件に用いられる塩基は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン及び4-ジメチルアミノピリジンのうちの一種から選択されることを、
特徴とする請求項12に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項19】
前記化合物11の調製方法は、以下のステップを含み、
化合物9及び化合物5を提供し、アミン酸縮合反応により化合物11Iを得て、反応式は以下のとおりであり、
【化9】
ここで、Rはメチル基又は水素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R22は水素原子又はヒドロキシ基の保護基IIであることを、
特徴とする請求項12に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項20】
前記アミン酸縮合反応は、縮合剤及び塩基の存在下で行われ、
前記化合物9と、化合物5と、縮合剤と塩基とのモル比は1~1.6:1:1~1.2:1.5~3であることを、
特徴とする請求項19に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項21】
前記縮合剤は、O-1H-ベンゾトリアゾール-N,N,N´,N´-テトラメチル尿素テトラフルオロホウ酸、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N´,N´-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのうちの一種から選択され、
及び/又は、前記塩基はトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン及びピリジンのうちの一種から選択され、
及び/又は、前記アミン酸縮合反応の温度は-10~50℃であることを、
特徴とする請求項20に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項22】
前記化合物11IにおけるRはヒドロキシ基の保護基Rで置換されて化合物11IIを得て、反応式は以下のとおりであり:
【化10】
式中、Rはヒドロキシ基の保護基Iであり、Rはヒドロキシ基の保護基IIであることを、
特徴とする請求項19に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項23】
前記化合物9の調製方法は、
【化11】
A、化合物6を提供するステップと、
B、前記化合物6はニトロメタンとHenry反応により、化合物7を生成するステップと、
C、前記化合物7は二重結合還元反応により、化合物8を生成するステップと、
D、前記化合物8はニトロ還元反応により、化合物9Iを生成するステップと、を含むことを、
特徴とする請求項19に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項24】
前記化合物9Iはヒドロキシ基保護反応によりさらに化合物9IIを生成し、反応式は以下のとおりである:
【化12】
ここで、Rはヒドロキシ基の保護基IIであることを、
特徴とする請求項23に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項25】
前記化合物5の製造方法は、
【化13】
であり、
式中、Rはメチル基又は水素原子であり、
(1)化合物1を提供するステップと、
(2)前記化合物1をハロゲン化反応させて、化合物2を生成するステップと、
(3)上記化合物2をWittig反応させて、化合物3を生成するステップと、
(4)上記化合物3を加水分解反応させて、化合物4を生成するステップと、
(5)上記化合物4を酸化反応させて、化合物5を生成するステップと、を含むことを、
特徴とする請求項19に記載の中間体Iの調製方法。
【請求項26】
モルヒネ誘導体は、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン及びナルブフィンのうちの一種を含むことを、
特徴とする請求項1~25のいずれか一項に記載の中間体Iの調製方法のモルヒネ及びモルヒネ誘導体の調製における使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物合成分野に関し、具体的には新型中間体、その調製方法及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロコドン(hydrocodone)、オキシコドン(oxycodone)、ブプレノルフィン(buprenorphine)、ナロキソン(naloxone)、ナルトレキソン(naltrexone)などに代表されるモルヒネ系薬物は、オピオイド受容体アゴニストとして臨床的には主に、重篤な創傷、火傷、骨折、癌などによる中度、重度の疼痛及びホスピスケアに用いられ、オピオイド受容体拮抗薬として呼吸抑制を治療し、オピオイド系麻薬を断薬し、そしてアルコール依存症を治療し、世界衛生組織に認定された基本薬種である。統計によると、2016年全世界の処方使用量のランク付け前200の薬物において、モルヒネ系薬物は7個の品種を占め、薬物市場に代替不可能な作用及び極めて重要な臨床的価値を有する。IQVIAデータベースより、2018年にグローバルモルヒネ系薬物の生産総量は390トン近く、製剤販売金額は145億ドルに到達した。一方、我が国のモルヒネ系薬物の臨床消費量が全世界の2%しか占めていない場合には、我が国のモルヒネ系薬物の販売規模は44億元に達していた。従って、我が国の膨大な人口基数で、癌の症例の増加やホスピスケアの進行がますます重要視され、呼吸抑制の治療、麻薬の断薬及びアルコール依存症の治療の普及に伴い、そのような薬物の市場ニーズが急速に高まっていると予想される(World Health Organization, “18th WHO essential medicines list” (Geneva, Switzerland, 2013); Seya, M. J.; Gelders, S. F.; Achara, O. U.; Milani, B.; Scholten, W. K.; Pain Palliat, J. Care Pharmacother. 2011, 25, 6)。
【0003】
モルヒネ系薬物は、モルヒネ(morphine)母核を基本骨格とし、工業生産ではケシの農業栽培によりモルヒネとテバインとその類似体を抽出し、モルヒネとテバインとその類似体から半合成してその派生薬物を生産する。統計によると、世界では毎年約10万ヘクタールのケシを合法的に栽培して800トンの原材料(主にモルヒネ)を抽出し、合法的な薬物生産と科学研究の需要を満たしている(International Narcotics Control Board, “Narcotic drugs: Estimated world requirements for 2015-statistics for 2013”, 2014)。しかし、ケシ栽培は農地の大量占用や違法栽培の問題だけでなく、病虫害や気候、政治などの要因にも左右される可能性があり、供給源には可変性や不安定性がある。このように、モルヒネ系薬物の既存の工業生産方法は、農地を大量に占有し、生産工程が復雑で、コストが高いだけでなく、管理プロセスが復雑で、管理が不十分なために深刻な社会問題を引き起こしやすい。したがって、全合成の方法に基づいてモルヒネ系薬物を工業的に生産できる新しい方法を発展させることは重要な意義がある。
【0004】
モルヒネ分子は、高度にコンパクトな5環が縮合した複雑な分子であり、分子中に、5員ジヒドロフラン環1個、含窒素橋かけ環1個、ベンジル位第四炭素中心を含む5つの連続キラル中心を含んでおり、合成化学の分野のスター天然産物分子である。モルヒネの高効率、実用的な全合成を実現し、モルヒネ系薬物の出所問題を解決するために、1952年Gates課題グループが初めてモルヒネの合成を完成して以来、現在まで全世界で40個近くのモルヒネ及び薬物の全合成に成功した研究仕事の報告がある(Reed, J. W.; Hudlicky, T. Acc. Chem. Res. 2015, 48, 674; Gum, A.; Stabile, M. In Studies in Natural Products Chemistry, Vol. 18, Elsevier, Amsterdam, 1996, pp. 43~154; Taber, D. F.; Neubert, T. D.; Schlecht, M. F. In Strategies and Tactics in Organic Synthesis, Vol. 5, Ed.: Harmata, M., Elsevier, London, 2004, pp. 353~389)。栽培、抽出、半合成によるモルヒネ系薬物の生産と比べ、これらの全合成方法はコストと工業的拡大の実現可能性の面で大きな欠点がある。多くの合成戦略の中で、モルヒネの可能な生源経路に基づいて設計されたバイオニック合成ルート、すなわち酵素の触媒作用を模倣し、オルソ型フェノ-ルの酸化ラジカルカップリング反応によりモルヒネ骨格を構築することが最も理想的で効率的な合成戦略である。しかし、このカップリング反応の領域選択性と高い収率を実現することは過去70年余りの人類が実現しにくい合成の挑戦である。1964年、Bartonグループは上記の生源合成に触発され、モルヒネのバイオニック合成を初めて実現したが、肝心のカップリング反応の収率はわずか0.02%だった(Barton, D. H. R. Pure Appl. Chem. 1964, 9, 35)。その後、SzantayグループとWhiteグループはそれぞれフェノールの酸化ラジカルカップリング策略によりモルヒネのバイオニック合成を実現したが、肝心な反応収率はわずか2.7%と21%であった(Szantay, C.; Barczai-Beke, M.; Pechy, P.; Blasko, G.; Dornyei, G. J. Org. Chem. 1982, 47, 594; White, J. D.; Caravatti, G.; Kline, T. B.; Edstrom, E.; Rice, K. C.; Brossi, A. Tetrahedron, 1983, 39, 2393)。Opatzグループは2018年になってようやく電気化学的に、希薄な反応濃度(0.01M)、58-62%の中等収率でこの重要なカップリング反応を実現した(Lipp, A.; Ferenc, D.; Ggtz, C.; Geffe, M.; Vierengel, N.; Schollmeyer, D.; Schafer, H. J.; Waldvogel, S. R.; Opatz, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57, 11055)。しかし、電気化学反応の基質構造の制限を受けて、Opatzグループは多段転化を経てカップリング産物のモルヒネ薬物の前駆体であるテバインへの転化を完成したが、後続の煩雑な多段転化過程、電気化学反応の効率及び関連設備に対する厳しい要求はこの合成方法の工業化生産における用途を制限した。
【0005】
ここ数年来、合成生物学の手段に基づいて、モルヒネ及びその関連薬物の生合成を探索することはこの分野の研究の新興ホットスポットになった。これまでのところ、モルヒネ、テバイン及びその類似物の生合成効率は工業化生産の需要を満たすには程遠かった(Galanie, S.; Thodey, K.; Trenchard, I. J.; Filsinger, I. M.; Smolke, C. D. Science 2015, 349, 1095; 王平平, 楊成帥, 李暁東, 蒋雨果, 厳興, 周志華, 有機化学,2018,38,2199)。
【0006】
モルヒネとその類似物の合成の歴史を見ると、科学者たちはモルヒネ骨格を構築する多くの新しい策略と方法を発展させたが、今まで、モルヒネとその誘導体の既存の全合成方法は依然として実用的な意義と生産価値を備えていなかった。ケシからモルヒネ、テバインを抽出してから半合成することは現在、モルヒネ系薬物を工業的に獲得する唯一の方法である。
【0007】
そのため、合成効率が高く、操作が簡単で、大規模に拡大できるモルヒネ誘導体の全合成方法が急務である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は従来技術におけるモルヒネ及びその誘導体の工業生産方法が農地を大量に占有し、生産工程が複雑で、コストが高いだけでなく、且つ管理制御過程が長く、プログラムが複雑で、管理制御が不完全で深刻な社会問題を引き起こしやすいことを克服することである。同時に全合成方法が依然として実用的意義と生産価値などを備えていない欠点を克服する。本発明は新型中間体及びその製造方法を提供し、最終生成物の収率を顕著に向上させ、反応ステップを低減させ、生産コストを低減させる。
本発明の目的は以下の技術的解決手段により実現される:
本発明の中間体は、構造式は以下のとおりである:
【化1】
式中、Rは第二級アミン保護基である。本発明に用いられる第二級アミン保護基は主に官能基の互換性に基づき、副反応を回避して選択され、例えば後続の酸化脱芳香族化Heck反応、環化反応等の過程において不要な副反応を回避する。
【0009】
特定の実施例では、上記第二級アミン保護基は、好ましくは、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、p-ニトロベンゼンスルホニル基、メチル基、ギ酸メチル基、t-ブトキシカルボニル基、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基及びトリメチルベンゼンスルホニル基のうちの一つから選択される。
本発明はさらに上記中間体の方法を提供し、以下のステップを含む:S1.
【化2】
化合物18を提供し、ヒドロキシ基の保護基Rを除去する反応により、化合物19を生成する。式中、上記Rはヒドロキシ基の保護基Iである。
S2.
【化3】
上記化合物19は還元反応により、化合物20を生成する。
S3.
【化4】
上記化合物20は環化反応により、中間体Iを生成する。
【0010】
特定の実施例では、S1において、上記ヒドロキシ基の保護基Iは、p-メトキシベンジル基、ベンジル基、アセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシメチレン基、メチル基、トリイソプロピルシリルエーテル基、トリエチルシリルエーテル基、及びtert-ブチルジフェニルシリル基の一つから選択される。本発明のヒドロキシ基の保護基Iは同様に官能基の互換性に基づき、副反応を回避して選択される。
【0011】
ある実施例では、S1において、上記ヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる除去剤は、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、エタンチオールナトリウム、チオフェノール、p-トルエンスルホン酸ナトリウム(Sodium p-toluenesulfonate)、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、ヨードトリメチルシラン、三塩化セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、カンファースルホン酸、p-トルエンスルホン酸、オキシ塩化リン、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン及び塩酸のうちの一つから選択される。本発明のヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる除去剤は、主として異なるヒドロキシ基の保護基Rの除去に基づいて選択される。例えば、当業者は、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、エタンチオールナトリウム、チオフェノール、p-トルエンスルホン酸ナトリウムなどを用いてメチル基を除去することが多い。当業者はフッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いてシリコン保護基等を除去し、いずれも当分野に一般的な除去方法である。
【0012】
及び/又は、S1において、上記ヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる反応溶媒はN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン及び酢酸のうちの一種から選択される。本発明のヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる反応溶媒は主に副反応を減少させ、又はエネルギー消費を節約し、又は反応の順方向進行に有利である等の理由、及び異なるヒドロキシ基の保護基Rの除去、除去剤の適応性に対して選択され、いずれも本分野に一般的な反応溶媒である。
【0013】
及び/又は、S1において、上記ヒドロキシ基の保護基の除去の反応温度は-50~150℃である。本発明のヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる温度は上記ヒドロキシ基の保護基Rの除去に用いられる反応溶媒、除去剤等の条件に基づいて具体的に選択することができ、又は収率の向上、反応速度の加速、副反応の減少等の原因に基づいて合理的に選択することができる。例えば除去剤が臭化水素酸であり、反応溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドである場合の温度は0~70℃である。除去剤がトリフルオロ酢酸であり、反応溶媒がジクロロメタンである場合の温度は-40~0℃となるように選択することができる。
【0014】
また、本発明の他の反応に係る保護基の選択、反応剤及び配合比率、反応条件等は、当業者がそれぞれの状況に応じて合理的に選択することができ、ここでは一々説明しない。
【0015】
ある実施例では、S1において、上記化合物18と除去剤のモル比は1:3~25である。
及び/又は、S1において、上記除去剤は臭化水素酸、トリフルオロ酢酸又は硫化水素ナトリウムである。
及び/又は、S1において、上記反応溶媒はジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミドである。
及び/又は、S1において、上記ヒドロキシ基の保護基Rの除去の反応温度は-40~150℃である。
【0016】
ある実施例では、S2において、上記還元反応の還元剤は水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム及び水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウムのうちの一つから選択される。
及び/又は、S2において、上記還元反応の反応溶媒はメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、S2において、上記還元反応の反応温度は-10~40℃である。
ある実施例において、S2における化合物19と還元剤とのモル比は、1:1.8~3である。
及び/又は、S2において、上記還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。
及び/又は、S2において、上記反応溶媒はメタノール及びジクロロメタンである。
及び/又は、S2において、上記還元反応の温度は0~25℃である。
【0017】
ある実施例では、S3において、上記環化反応の反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、及び1,4-ジオキサンのうちの一つから選択される。
S3において、上記環化反応の環化剤はN,N-ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタールの一種から選択される。
及び/又は、S3において、上記環化反応の反応温度は0~130℃である。
ある実施例において、S3において、上記化合物20と環化剤とのモル比は1:2~12である。
及び/又は、S3において、上記環化剤はN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。
及び/又は、S3において、上記反応溶媒はテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又はN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを用いると反応速度が速くなる。
及び/又は、S3において、上記環化反応の反応温度は50~130℃である。
【0018】
ある実施例において、上記化合物18の合成経路は以下のとおりである:
【化5】
式中、Rはヒドロキシ基の保護基IIであり、Xはハロゲン原子であり、R11はヒドロキシ基の保護基I又は水素原子であり、Rはヒドロキシ基の保護基Iである。
11がヒドロキシ基の保護基Iである場合、以下のステップを含む:
1)化合物15を提供する。
2)化合物15からヒドロキシ基の保護基IIを除去することにより化合物17を生成する。
3)上記化合物17は、分子内酸化脱芳香族化Heck反応により、上記化合物18を生成する。
11が水素原子である場合、上記化合物15はヒドロキシ基の保護基Iを導入した後にステップ2)及びステップ3)を行う。
【0019】
ある実施例において、上記ヒドロキシ基の保護基IIは、p-メトキシベンジル基、ベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基及びトリエチルシリル基の中から選択される1種である。
【0020】
ある実施例において、上記ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選択される一種である。
【0021】
ある実施例において、ステップ2)において、上記ヒドロキシ基の保護基IIを除去するために用いられる除去剤は炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリフルオロ酢酸、塩酸、三塩化ホウ素、酢酸、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、臭化水素酸、フッ化カリウム及びフッ化セシウムのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップ2)において、上記ヒドロキシ基の保護基IIを除去するために用いられる反応溶媒はメタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン及び水のうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップ2)において、上記ヒドロキシ基の保護基IIを除去する反応温度は-20~90℃である。
【0022】
ある実施例において、ステップ2)において、上記除去剤は炭酸カリウムである。
及び/又は、ステップ2)において、上記反応溶媒はメタノールである。
及び/又は、ステップ2)において、上記ヒドロキシ基の保護基IIを除去する反応温度は40~60℃である。
【0023】
ある実施例において、ステップ2)において、上記除去剤はフッ化カリウムである。
及び/又は、ステップ2)において、上記反応溶媒はアセトニトリルと水である。
及び/又は、ステップ2)において、上記ヒドロキシ基の保護基IIを除去する反応温度は0~60℃である。
【0024】
ある実施例において、ステップ3)において、上記分子内酸化脱芳香族化Heck反応は、反応剤及び塩基の存在下で行われる。
【0025】
ある実施例において、ステップ3)において、上記反応剤は、錯体、または、配位子II及び遷移金属触媒IIである。
【0026】
ある実施例において、ステップ3)において、上記錯体は、Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(PtBu、Pd(PCy、Pd(PPhtBuCl、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]二塩化パラジウム、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]二塩化パラジウム、及び[1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]二塩化パラジウムから選択される一種である。
及び/又は、上記化合物17と、錯体と、塩基とのモル比は、1:0.025~0.5:1~3である。
【0027】
ある実施例において、ステップ3)において、上記配位子IIは式(II)に示すように、又は式(II)の立体異性体、互変異性体又は式(II)に対応するハロゲン化水素酸ホスホニウム塩である。
【化6】
式中:
及びRはアダマンチル基又はt-ブチル基から選択される一種である。
はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の中から選ばれる一種であり、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基はそれぞれ一つ又は複数のそれぞれ独立した水素原子、アルキル基、ハロゲン、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基によって置換される。
及び/又は、ステップ3)において、上記遷移金属触媒IIは[Pd(cinnamy)Cl]、[Pd(allyl)Cl]、Pd(dba)、Pd(OAc)、Pd(Tfa)、Pd(acac)、Pd(MeCN)Cl、Pd(PhCN)Cl、PdCl、Pd(Cp)(allyl)、Pd(MeCN)(BF、Pd(MeCN)(OTf)、Pd(cod)Cl、Pd(norbornadiene)Cl、Pd(TMEDA)Cl及びPd(amphos)Clのうちの一種から選択される。
及び/又は、上記化合物17と、配位子IIと、遷移金属触媒IIと、塩基とのモル比は1:0.05~0.5:0.05~0.15:2~4である。
【0028】
ある実施例において、ステップ3)において、好ましくは、上記配位子IIは
【化7】
より好ましくは、ステップ3)において、上記配位子IIは以下の化合物のうちの一種から選択される:
【化8】
【0029】
ある実施例において、ステップ3)において、上記塩基はカリウムtert-ブトキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸銀、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、ナトリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、フッ化セシウム、水酸化カリウム及びピバリン酸塩のうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップ3)において、上記分子内酸化脱芳香族化Heck反応の反応溶媒はアニソール、トリフルオロメチルベンゼン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トリメチルベンゼン、ジメチルエーテル、エタノール、tert-ブチルアルコール、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップ3)において、上記分子内酸化脱芳香族化Heck反応における化合物17の濃度は、0.05~2.5mol/Lである。
及び/又は、ステップ3)において、上記分子内酸化脱芳香族化Heck反応の反応温度は50~160℃である。
【0030】
ある実施例において、ステップ3)において、上記塩基は、リン酸カリウム及び炭酸カリウムである。
及び/又は、ステップ3)において、上記反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びアニソールのうちの一種である。
及び/又は、ステップ3)において、上記分子内Heck反応における化合物17の濃度は、0.05~1mol/Lである。
及び/又は、ステップ3)において、上記分子内Heck反応の反応温度は60~150℃である。
【0031】
ある実施例において、上記化合物15の合成経路は以下のとおりである:
【化9】
式中、Rはヒドロキシ基の保護基IIであり、R22はヒドロキシ基の保護基II又は水素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R11はヒドロキシ基の保護基I又は水素原子である。
22がヒドロキシ基の保護基IIである場合、以下のステップを含む:
a、化合物11を提供する。
b、上記化合物11をBischler-Napieralskiにより反応させ、化合物13を得る。
c、上記化合物13を不斉移動水素化反応させてキラルテトラヒドロイソキノリン型化合物14を得る。
d、上記化合物14は第二級アミン保護を行い、化合物15を生成する。
22が水素原子である場合、上記化合物11はヒドロキシ基の保護基IIを導入した後にステップb、c及びdを行う。
【0032】
ある実施例において、ステップbにおいて、上記Bischler-Napieralski反応は縮合剤と塩基の存在下で行う。上記化合物11と縮合剤と塩基とのモル比は1:0.9~1.3:1.5~2.5である。
【0033】
ある実施例において、上記縮合剤は、オキシ塩化リン、五酸化二リン、及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物から選択される一種である。
及び/又は、ステップbにおいて、上記塩基は2-フルオロピリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ジメチルピリジン及びトリエチルアミンのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップbにおいて、上記Bischler-Napieralski反応の反応溶媒はジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン及びトルエンのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップbにおいて、上記Bischler-Napieralski反応の温度は-50~40℃である。
【0034】
ある実施例において、ステップbにおいて、縮合剤はトリフルオロメタンスルホン酸無水物である。
及び/又は、ステップbにおいて、上記塩基は2-フルオロピリジンである。
及び/又は、ステップbにおいて、上記反応溶媒はジクロロメタンである。
及び/又は、ステップbにおいて、上記Bischler-Napieralski反応の温度は-30~35℃である。
【0035】
ある実施例において、ステップcにおいて、上記不斉移動水素化反応は、キラル配位子I、水素源I及び金属触媒Iの存在下で行われる。上記化合物13と、上記金属触媒Iと、上記キラル配位子Iと、水素源Iとのモル比は、好ましくは、1:0.001~0.01:0.002~0.02:1.2~3である。
【0036】
ある実施例において、ステップcにおいて、上記キラル配位子Iは、
【化10】
及び/又は、ステップcにおいて、上記水素源Iはギ酸、ギ酸アンモニウム、及びギ酸とトリアルキルアミンとの錯体のうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップcにおいて、上記金属触媒Iは、
【化11】
及び/又は、ステップcにおいて、上記不斉水素化反応の反応溶媒はジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、トリフルオロエタノール、アニソール、N,N-ジメチルホルムアミド、トリフルオロメチルベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、トリメチルベンゼン、エタノール、tert-ブチルアルコール、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、1,4-ジオキサン、ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノール、メタノール及びイソプロパノールのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップcにおいて、上記移動水素化反応の温度は-10~40℃である。
【0037】
ある実施例において、ステップcにおいて、上記水素源Iは、メタノール及びトリエチルアミン錯体である。
及び/又は、ステップcにおいて、上記反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドである。
及び/又は、ステップcにおいて、上記移動水素化反応の温度は0~35℃である。
【0038】
ある実施例において、ステップdにおいて、第二級アミン保護は、塩基性条件下で行われる。上記塩基性条件に用いられる塩基は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン及び4-ジメチルアミノピリジンのうちの一種から選択される。
【0039】
ある実施例において、ステップdにおける上記第二級アミン保護反応の温度は、-10~50℃である。
【0040】
ある実施例において、上記化合物11の調製方法は、以下のステップを含む。化合物9及び化合物5を提供し、アミン酸縮合反応により化合物11Iを得て、反応式は以下のとおりである:
【化12】
ここで、Rはメチル基又は水素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R22は水素原子又はヒドロキシ基の保護基IIである。
【0041】
ある実施例において、上記アミン酸縮合反応は、縮合剤及び塩基の存在下で行われる。上記化合物9と、化合物5と、縮合剤と塩基とのモル比は1~1.6:1:1~1.2:1.5~3である。
【0042】
ある実施例において、上記縮合剤は、O-1H-ベンゾトリアゾール-N,N,N´,N´-テトラメチル尿素テトラフルオロホウ酸、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N´,N´-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのうちの一種から選択される。
及び/又は、上記塩基はトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン及びピリジンのうちの一種から選択される。
及び/又は、上記アミン酸縮合反応の温度は-10~50℃である。
【0043】
ある実施例において、上記縮合剤は、O-1H-ベンゾトリアゾール-N,N,N´,N´-テトラメチル尿素テトラフルオロホウ酸である。
及び/又は、上記塩基はトリエチルアミンである。
及び/又は、上記アミン酸縮合反応の温度は0~25℃である。
【0044】
ある実施例において、上記化合物11IにおけるRはヒドロキシ基の保護基Rで置換されて化合物11IIを得て、反応式は以下のとおりである:
【化13】
式中、Rはヒドロキシ基の保護基Iであり、Rはヒドロキシ基の保護基IIである。
なお、上記化合物11には、上記化合物11I及び化合物11IIの構造式の全てが含まれている。
【0045】
ある実施例において、上記化合物9の製造方法は、以下のステップを含む:
【化14】
A、化合物6を提供する。
B、上記化合物6はニトロメタンとHenry反応により、化合物7を生成する。
C、上記化合物7は二重結合還元反応により、化合物8を生成する。
D、上記化合物8はニトロ還元反応により、化合物9Iを生成する。
【0046】
ある実施例において、ステップBにおいて、上記化合物6とニトロメタンとは塩基の触媒でHenry反応を行い、上記塩基はエチレンジアミン、酢酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、ピペリジン、ジエチルアミン及びモルホリンのうちの一種又は二種以上である。
【0047】
ある実施例において、ステップCにおいて、上記二重結合還元反応の還元剤は水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、パラジウム炭素+水素ガス、ラネーニッケル+水素ガス、水素化ホウ素リチウム、Red-Al、亜鉛粉末及び鉄粉のうちの一種から選択される。本発明のラネーニッケル+水素ガスは、ラネーニッケルを触媒とし、水素ガスを水素源として水素化還元を行うことを指す。パラジウム炭素+水素ガスは、パラジウム炭素を触媒とし、水素ガスを水素源として水素化還元を行い、いずれも当業者によく用いられる還元剤である。
及び/又は、ステップCにおいて、上記二重結合還元反応の反応溶媒はエタノール、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、トルエン、エチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップCにおいて、上記二重結合還元反応の温度は-10~10℃である。
【0048】
ある実施例において、ステップCにおいて、上記化合物7と還元剤とのモル比は、1:1~3である。
及び/又は、ステップCにおいて、上記還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。
及び/又は、ステップCにおいて、上記反応溶媒はエタノール及びテトラヒドロフランである。
及び/又は、ステップCにおいて、上記還元反応の温度は0℃である。
【0049】
ある実施例において、ステップDにおいて、上記ニトロ基還元反応の還元剤は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、パラジウム炭素+水素ガス、ラネーニッケル+水素ガス、水素化ホウ素リチウム、Red-Al、亜鉛粉末及び鉄粉のうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップDにおいて、上記ニトロ基還元反応の反応溶媒は、エタノール、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、トルエン、エチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップDにおいて、上記ニトロ基還元反応の温度は-10~80℃である。
【0050】
ある実施例において、ステップDにおける化合物8と還元剤とのモル比は、1:1~3である。
及び/又は、ステップDにおいて、上記還元剤はラネーニッケル+水素ガスである。
及び/又は、ステップDにおいて、上記反応溶媒はエタノールである。
及び/又は、ステップDにおいて、上記還元反応の温度は10~80℃である。
【0051】
ある実施例において、上記化合物9Iはヒドロキシ基保護反応によりさらに化合物9IIを生成し、反応式は以下のとおりである:
【化15】
そのうち、Rはヒドロキシ基の保護基IIである。上記化合物9は、上記化合物9I及び上記化合物9IIのすべての構造式を含むことに留意されたい。
【0052】
ある実施例において、上記化合物9Iのヒドロキシ基保護反応は塩基性条件下で行う。上記塩基性条件に用いられる塩基は、4-ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン及びイミダゾールのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、上記化合物9Iのヒドロキシ基保護反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン及びトルエンのうちの一種から選択される。
及び/又は、上記化合物9Iのヒドロキシ基保護反応の温度は0~40℃である。
【0053】
ある実施例において、上記化合物5の製造方法は、以下のステップを含む:
【化16】
式中、Rはメチル基又は水素原子である。
(1)化合物1を提供する。
(2)上記化合物1をハロゲン化反応させて、化合物2を生成する。
(3)上記化合物2をWittig反応させて、化合物3を生成する。
(4)上記化合物3を加水分解反応させて、化合物4を生成する。
(5)上記化合物4を酸化反応させて、化合物5を生成する。
【0054】
本発明はさらに上記中間体又は上記方法がモルヒネ及びモルヒネ誘導体の調製における用途を提供する。
ある実施例において、モルヒネ誘導体は、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン及びナルブフィンのうちの一種を含む。
【0055】
ある実施例において、上記中間体Iはさらに反応してコデインを生成し、以下のステップを含む:
A)上記中間体Iは酸性条件下で加水分解反応を起こし、化合物22を生成する。
【化17】
B)上記化合物22から第二級アミン保護基Rを除去し、同時にカルボニル基を還元し、化合物23を生成する。
【化18】
C)上記化合物23は還元的N-メチル化反応(reductive N-methylation)を行い、コデイン24を生成する。
【化19】
【0056】
ある実施例において、ステップA)において、上記加水分解反応における酸は、臭化水素、硫酸、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、シリカゲル、塩酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸のうちの一種又は多種から選択される。
及び/又は、ステップA)において、上記加水分解反応の溶媒は、ジブチルエーテル、クロロホルム、イソプロパノール、エタノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、メタノール、ジクロロメタン及び水のうちの一種又は多種である。
及び/又は、ステップA)において、上記加水分解反応の反応温度は-40~80℃である。
【0057】
ある実施例において、ステップB)において、第二級アミン保護基の脱離及びカルボニル基の還元反応において、使用される反応剤は、Red-Al、ナトリウム-ナフタレン、水素化アルミニウムリチウム、及びマグネシウム粉末から選択される少なくとも一種である。
及び/又は、ステップB)において、上記化合物22と反応剤とのモル比は1:2~6である。
及び/又は、ステップB)において、上記第二級アミン保護基を除去する過程及び上記カルボニル基を還元する過程において、用いられる反応剤はテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル及びトルエンのうちの少なくとも一種から選択される。
及び/又は、ステップB)において、上記第二級アミン保護基を除去する過程及び上記カルボニル基を還元する過程において、反応温度は25~80℃である。
【0058】
ある実施例において、ステップC)において、上記還元的N-メチル化反応の反応剤はパラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド水溶液及び水素化ホウ素ナトリウムにおける二種以上から選択される。
及び/又は、ステップC)において、上記化合物23と反応剤とのモル比は1:1~3である。
及び/又は、ステップC)において、上記還元的N-メチル化反応の反応溶媒はメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及び酢酸のうちの少なくとも一種から選択される。
及び/又は、ステップC)において、上記還元的N-メチル化反応の反応温度は25~60℃である。
【0059】
ある実施例において、上記中間体Iはさらに反応してオキシコドンを生成し、以下のステップを含む:
a)上記中間体Iは、オキサD-A反応により化合物25を生成する。本発明のオキサD-A反応とは、具体的にはオキサDiels-Alder反応を指す。
【化20】
b)上記化合物25は接触水素化反応により、化合物26を生成する。
【化21】
c)上記化合物26から上記第二級アミン保護基を除去し、同時にカルボニル基及びアルケニル基を還元し、化合物27を生成する。
【化22】
d)上記化合物27は還元的N-メチル化反応により、化合物28を生成する。
【化23】
e)上記化合物28は選択的酸化反応により、オキシコドン29が得られる。
【化24】
【0060】
ある実施例において、ステップa)において、上記オキサD-A反応は、光照射条件下で行われる。上記光照射条件の光源は自然光及びLED光のうちの一種から選択される。
【0061】
ある実施例において、ステップa)において、上記オキサD-A反応は、酸化剤及び光触媒の存在下で行われる。
【0062】
ある実施例において、ステップa)において、上記光触媒はテトラフェニルポルフィリンである。
及び/又は、ステップa)において、上記酸化剤は酸素、ギ酸+過酸化水素水、酢酸+過酸化水素水、tert-ブチルヒドロペルオキシド及びメタクロロ過安息香酸のうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップa)において、上記オキサD-A反応の反応溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエタン及びトルエンのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップa)において、上記オキサD-A反応の温度は0~30℃である。
【0063】
ある実施例において、ステップa)において、上記中間体Iと光触媒とのモル比は、1:0.1~0.3である。
及び/又は、ステップa)において、上記酸化剤は酸素である。
及び/又は、ステップa)において、上記反応溶媒はジクロロメタンである。
及び/又は、ステップa)において、上記オキサD-A反応の温度は10~30℃である。
【0064】
ある実施例において、ステップb)において、上記接触水素化反応の触媒は、パラジウム炭素、塩化パラジウム、及び水酸化パラジウムから選択される。
及び/又は、ステップb)において、上記接触水素化反応の反応溶媒はメタノール、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、イソプロパノール、ギ酸及び水のうちの一種又は多種から選択される。
及び/又は、ステップb)において、上記接触水素化反応の水素圧力は1~25atmである。
及び/又は、ステップb)において、上記接触水素化反応の温度は0~80℃である。
【0065】
ある実施例において、ステップb)において、上記化合物25と触媒とのモル比は、1:0.1~0.3である。
及び/又は、ステップb)において、上記触媒はパラジウム炭素である。
及び/又は、ステップb)において、上記反応溶媒は、イソプロパノール、水及びギ酸である。
及び/又は、ステップb)において、上記接触水素化反応の水素圧力は6~12atmである。
及び/又は、ステップb)において、上記接触水素化反応の温度は10~40℃である。
【0066】
ある実施例実施例において、ステップc)において、上記第二級アミン保護基を除去する過程及び上記カルボニル基及びアルケニル基を還元する過程において、用いられる反応剤はRed-Al、水素化アルミニウムリチウム、マグネシウム粉末及びナトリウム-ナフタレンのうちの一つから選択される。
及び/又は、ステップc)において、上記第二級アミン保護基を除去する過程及び上記カルボニル基及びアルケニル基を還元する過程において、用いられる反応溶媒はテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル及びトルエンのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップc)において、上記第二級アミン保護基を除去する過程及び上記カルボニル基及びアルケニル基を還元する過程において、反応温度は25~80℃である。
【0067】
ある実施例において、ステップc)において、上記化合物26と反応剤とのモル比は、1:3~6である。
及び/又は、ステップc)において、上記反応剤は水素化アルミニウムリチウムである。
及び/又は、ステップc)において、上記反応剤はテトラヒドロフランである。
及び/又は、ステップc)において、上記反応温度は40~70℃である。
【0068】
ある実施例において、ステップd)において、上記還元的N-メチル化反応の反応剤はパラホルムアルデヒド+水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド水溶液+水素化ホウ素ナトリウムのうちの一つから選択される。
及び/又は、ステップd)において、上記還元的N-メチル化反応の反応溶媒はメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及び酢酸のうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップd)において、上記還元的N-メチル化反応の温度は、25~60℃である。
【0069】
ある実施例において、ステップd)において、上記化合物27と反応剤とのモル比は、1:2~5である。
及び/又は、ステップd)において、上記反応剤はパラホルムアルデヒド+水素化ホウ素ナトリウムである。
及び/又は、ステップd)において、上記反応溶媒はメタノールである。
及び/又は、ステップd)において、上記還元的N-メチル化反応の温度は、10~40℃である。
【0070】
ある実施形態において、ステップe)において、選択的酸化反応の酸化剤は、デス・マーチン酸化剤、2-ヨード安息香酸、塩化オキサリル+ジメチルスルホキシド、無水酢酸のうちの一つから選択される。
及び/又は、ステップe)において、上記選択的酸化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル及びジメチルスルホキシドのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップe)において、上記選択的酸化反応の温度は-10~40℃である。
【0071】
ある実施例において、ステップe)において、上記化合物28と酸化剤とのモル比は、1:3~5である。
及び/又は、ステップe)において、上記酸化剤はデス・マーチン酸化剤である。
及び/又は、ステップe)において、上記反応溶媒はジクロロメタンである。
及び/又は、ステップe)において、上記温度は0~30℃である。
【0072】
ある実施例において、上記中間体Iはさらに反応してナルトレキソンを生成し、以下のステップを含む:
1、請求項53に記載の用途であって、化合物27を調製して得て、前述の化合物27とシクロプロパンカルボキシアルデヒドは還元アミノ化反応により、化合物30を生成する。
【化25】
2、上記化合物30は選択的に酸化反応し、化合物31を生成する。
【化26】
3、上記化合物31は脱メチル化反応によりナルトレキソン32を得る。
【化27】
【0073】
ある実施例において、ステップ1において、上記還元的アミノ化反応の反応剤は、シクロプロパンカルボキシアルデヒド+水素化ホウ素ナトリウム、シクロプロパンカルボキシアルデヒド+シアノ水素化ホウ素ナトリウム、シクロプロパンカルボキシアルデヒド+トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのうちの一つから選択される。
及び/又は、ステップ1において、上記還元アミノ化反応の反応溶媒は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,2-ジクロロエタン及び酢酸のうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップ1において、上記還元アミノ化反応の温度は25~60℃である。
【0074】
ある実施例において、ステップ1において、上記化合物27と反応剤とのモル比は、1:2~5である。
及び/又は、ステップ1において、上記反応剤は、シクロプロパンカルボキシアルデヒド+水素化ホウ素ナトリウムである。
及び/又は、ステップ1において、上記反応溶媒はメタノールである。
及び/又は、ステップ1において、上記還元アミノ化反応の温度は10~40℃である。
【0075】
ある実施例では、ステップ2において、上記選択的酸化反応の酸化剤は、デス・マーチン酸化剤、2-ヨード安息香酸、塩化オキサリル+ジメチルスルホキシド、無水酢酸のうちの一つから選択される。
及び/又は、ステップ2において、上記選択的酸化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル及びジメチルスルホキシドのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップ2において、上記選択的酸化反応の温度は-10~40℃である。
【0076】
ある実施例では、ステップ2において、上記化合物30と酸化剤とのモル比は、1:3~5である。
及び/又は、ステップ2において、上記酸化剤はデス・マーチン酸化剤である。
及び/又は、ステップ2において、上記反応溶媒はジクロロメタンである。
及び/又は、ステップ2において、上記温度は0~30℃である。
【0077】
ある実施例では、ステップ3において、上記脱メチル化反応に用いられる脱メチル化試薬は、三臭化ホウ素、臭化水素酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、チオフェノール、イソプロピルメルカプタン、エタンチオールナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシドのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップ3において、上記脱メチル化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエン、クロロベンゼン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップ3において、上記脱メチル反応の温度は-78~230℃である。
【0078】
ある実施例では、ステップ3において、化合物31と上記脱メチル化試剤とのモル比は、1:3~8である。
及び/又は、ステップ3において、上記脱メチル化試剤は三臭化ホウ素である。
及び/又は、ステップ3において、上記反応溶媒はクロロホルムである。
及び/又は、ステップ3において、上記温度は0~30℃である。
【0079】
ある実施例では、中間体Iはさらに反応してナロキソンを生成し、以下のステップを含む:
i、請求項53に記載の用途に基づき、化合物27を調製し、
上記化合物27と臭化アリルとがアルキル化反応により化合物33を生成する。
【化28】
ii、上記化合物33は選択的に酸化反応し、化合物34を生成する。
【化29】
iii、上記化合物34は脱メチル化反応を経てナロキソン35を得る。
【化30】
【0080】
ある実施形態では、ステップiにおいて、上記N-アルキル化反応の塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップiにおいて、上記N-アルキル化反応溶媒は、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、アセトン、水のうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップiにおいて、上記N-アルキル化反応の温度は25~80℃である。
【0081】
ある実施例において、ステップiにおいて、上記化合物27と臭化アリルと塩基とのモル比は、1:2~5:1.2~2である。
及び/又は、ステップiにおいて、上記塩基はトリエチルアミンである。
及び/又は、ステップiにおいて、上記反応溶媒は、N-メチルピロリドン及び水である。
及び/又は、ステップiにおいて、上記N-アルキル化反応の温度は50~70℃である。
【0082】
ある実施形態では、ステップiiにおいて、上記選択的酸化反応の酸化剤は、デス・マーチン酸化剤、2-ヨードキシ安息香酸、塩化オキサリル+ジメチルスルホキシド、無水酢酸から選択される。
及び/又は、ステップiiにおいて、上記選択的酸化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル及びジメチルスルホキシドのうちの一種から選択される。
及び/又は、ステップiiにおいて、上記選択的酸化反応の温度は-10~40℃である。
【0083】
ある実施例において、ステップiiにおいて、上記化合物33と酸化剤とのモル比は、1:3~5である。
及び/又は、ステップiiにおいて、上記酸化剤はデス・マーチン酸化剤である。
及び/又は、ステップiiにおいて、上記反応溶媒はジクロロメタンである。
及び/又は、ステップiiにおいて、上記温度は0~30℃である。
【0084】
ある実施例において、ステップiiiにおいて、上記脱メチル化反応に用いられる脱メチル化試剤は、三臭化ホウ素、臭化水素酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、チオフェノール、イソプロピルメルカプタン、エタンチオールナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシドのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップiiiにおいて、上記脱メチル化反応の反応溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエン、クロロベンゼン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのうちの一種又は二種から選択される。
及び/又は、ステップiiiにおいて、上記脱メチル反応の温度は-78~230℃である。
【0085】
ある実施例では、ステップiiiにおいて、上記化合物31と上記脱メチル化試剤とのモル比は、1:3~8である。
及び/又は、ステップiiiにおいて、上記脱メチル化試剤は三臭化ホウ素である。
及び/又は、ステップiiiにおいて、上記反応溶媒はクロロホルムである。
及び/又は、ステップiiiにおいて、上記温度は0~30℃である。
【0086】
本発明の全合成方法は、オキシコドン又はコデインの合成に限定されるものではなく、他の構造的に類似したモルヒネ誘導体(オピオイド)、例えば、ブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィンなどを、鍵となる中間体Iから、ナロキソン、ナルトレキソン、オキシコドン及びコデインの合成に類似した合成方法及び経路を使用して調製することができることを理解されたい。
【0087】
本発明の有益な効果は以下のとおりである:
1、本発明は中間体、及び特に代表的なコデインの全合成方法を提供し、反応基質が設計された反応条件で効果的に所望の生成物に変換することができ、化学的及び光学的収率が高い(アミン酸縮合反応から最短で合計12ステップ、総収率29%、99.9%ee)という高効率な合成効果を達成する。
2、本発明の提供する中間体は、当該中間体から、簡単な数ステップの変換だけでコデインを調製することができ、同時に調製されたコデインはさらに一ステップでモルヒネに変換することができ、反応収率が高く且つ操作しやすいという効果を達成する。
3、本発明のオキシコドンの全合成方法において、上記中間体を調製する時の分子内酸化脱芳香族化Heck反応をキー反応とし、その反応部位の反応活性が高いため、反応基質と触媒が作用した後に所望の生成物に効率的に変換することができ、収率が82%に達し、従来の報告方法より顕著に向上させる。
4、本発明の全合成方法は操作しやすく、大部分の合成中間体はさらに分離精製する必要がなく直接後続反応を行うことができ、それにより多段階反応の連続操作を実現する。具体的には、文献報告(Qin, Y. CCS Chem. 2021, 3, 1376;)と比較して、コデインの合成ステップが17ステップから12ステップに下がり、収率が14%から29%に上がり、オキシコドンの合成ステップが17ステップから13ステップに下がり、収率が11%から18%に上がった。ナロキソンの合成ステップは21ステップから14ステップに下がり、収率は5%から14%に向上し、ナロキソンの合成ステップは21ステップから14ステップに下がり、収率は5%から13%に向上した。合成効率を大幅に向上させ、合成経路を短縮し、廃棄物の排出を低減し、生産コストを節約する。本発明が提供する方法により合成されたコデインは、コストと栽培抽出のコストが同等である。合成されたオキシコドン、ナロキソン、ナルトレキソンなどの14種類のヒドロキシ基を含有するモルヒネ類薬物は従来の植え付け、抽出及び半合成の合成方式よりコストが大幅に低減される。
5、本発明の全合成方法は反応条件が温和で、反応後処理が簡便で操作しやすく、当該薬物の規模化調製に適する。
6、本発明の全合成方法はさらに他の構造が類似するオピオイド薬物の合成に用いることができ、従来のオピオイド薬物が主にケシの人工栽培に依存してテバインを取得する現状を変更することに役立ち、当該薬物の管理と安全生産に役立つ。
7、本発明の中間体は、コデイン、オキシコドン、ナロキソン及びナルトレキソンを合成する際に、用いられる試薬はいずれも一般的な化学試薬であり、特別に調製する必要がない。同時に、各反応の条件は厳しくなく、水と酸素等の物質に対する感度も高くない。また、各反応ステップの後処理が簡単であり、操作性がよい。
【発明を実施するための形態】
【0088】
以下は本発明の技術的解決手段をさらに詳細に説明するが、本発明の保護範囲は以下に限定されない。
実施例1
化合物5の調製方法であって、RがHであり、Xが臭素であることを例として、化合物5aを合成する。
以下のステップを含む:
【化31】
イソバニリン1a(150g,0.986mol,1.0equiv.)をジクロロメタン(2500mL)に溶解し、氷浴で0℃に冷却した。撹拌しながらその中にジブロモヒダントイン(155g,0.542mol,0.55equiv.)を徐々に少量ずつ添加し、続いて反応液を室温まで昇温させて反応させ、TLCで原料が完全に消失したことを検出した後(約4時間)、反応液を0℃まで冷却し、その中に飽和Na水溶液(500mL)を添加して反応をクエンチし、0℃で1時間撹拌し、沈殿が完全に析出した後、ろ過し、水でろ過ケーク(500mL×3)を洗浄し、得られた白色系固体2aを収集し、オーブン90℃で5時間乾燥した後、さらに6時間(50C)真空乾燥し、そのまま次の反応に用いる(193g、収率85%)。
PhCHOMeCl(888g,2.59mol,3.1equiv)を乾燥テトラヒドロフラン(2500mL)に分散させ、氷浴で0℃まで冷却した後、これにt-BuOK(272g,2.42mol,2.9equiv.)をゆっくり加え、反応液を橙赤色にし、45分間激しく攪拌した。前のステップで得られた化合物2a(193g,0.835mol,1.0equiv.)をバッチで徐々に当該混懸濁液に添加し、0℃から20℃まで自然に上昇して反応し、原料が完全に消失したことをTLCで観測した後(約1時間)、反応液を再び0℃まで下げ、それに水(1000mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(1000mL×3)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した後に濃縮し、赤褐色の化合物3a粗生成物を得て、精製せずに次の反応に直接使用した。
上記化合物3a粗生成物を1M HCl/acetone(v/v=1:1,3000mL)混合液に溶解し、80Cまで加熱して反応させ、TLC観察により原料が完全に消失した後(約3時間)、室温まで冷却し、アセトンを減圧除去し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し(2000mL×3)、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧除去し、茶褐色化合物4a粗生成物を得る。精製せずに後続の反応に直接使用する。
上記粗生成物4aをt-BuOH/HO(v:v=1:1,2000mL)に溶解し、氷浴で0Cまで冷却し、それにNaHPO・2HO(261g,1.67mol,2.0equiv.)をバッチ式で添加し、さらに2-メチル-2-ブテン(178mL,1.67mol,2.0equiv.)を添加し、添加終了後0Cで10分間攪拌した後、NaClO(151g,1.67mol,2.0equiv.)をバッチ式でゆっくりと添加し、激しく発熱する反応を行う。添加終了後0Cから20Cまで自然に上昇して反応し、TLCで原料が完全に消失したことを検出した後(約3時間)、反応液を再び0Cに下げる。それに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくりと添加して、気泡が発生しなくなるまで反応をクエンチする。t-BuOHを減圧除去し、トルエン(1000mL)を加え、15分間激しく攪拌し、水層を分離し、トルエン(1000mL×5)で洗浄、ジクロロメタン(1000mL×5)で洗浄を順次行う。1M HClで水層のpHを5に調整した後、酢酸エチル(1000mL×5)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をトルエン(600mL)に分散し、室温で2時間攪拌し、ろ過して固体を収集し、イソプロパノールで再結晶し、白色系固体化合物5a(87.0g,3段階収率40%)を得る。
【0089】
実施例2
化合物5の調製方法では、RがMe、Xが臭素を例として、化合物5bを合成する。
以下のステップを含む:
【化32】
PhCHOMeCl(911g,2.66mol,3.1equiv.)を乾燥テトラヒドロフラン(2500mL)に分散させ、氷浴で0℃まで冷却した後、これにt-BuOK(279g,2.48mol,2.9equiv.)をゆっくり加え、反応液を橙赤色にし、45分間激しく攪拌した。化合物2b(210g,0.857mol,1.0equiv.)をバッチで徐々に当該混懸濁液に添加し、0℃から20℃まで自然に上昇して反応し、原料が完全に消失したことをTLCで観測した後(約1時間)、反応液を再び0℃まで下げ、それに水(1000mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(1000mL×3)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した後に濃縮し、赤褐色の化合物3b粗生成物を得て、精製せずに次の反応に直接使用した。
上記化合物3b粗生成物を1M HCl/acetone(v/v=1:1,3000mL)混合液に溶解し、80Cまで加熱して反応させ、TLC観察により原料が完全に消失した後(約3時間)、室温まで冷却し、アセトンを減圧除去し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し(2000mL×3)、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧除去し、茶褐色化合物4b粗生成物を得る。精製せずに後続の反応に直接使用する。
上記粗生成物4bをt-BuOH/HO(v:v=1:1,2000mL)に溶解し、氷浴で0Cまで冷却し、それにNaHPO・2HO(267g,1.71mol,2.0equiv.)をバッチ式で添加し、さらに2-メチル-2-ブテン(181mL,1.71mol,2.0equiv.)を添加し、添加終了後0Cで10分間攪拌した後、NaClO(155g,1.71mol,2.0equiv.)をバッチ式でゆっくりと添加し、激しく発熱する反応を行う。添加終了後0Cから20Cまで自然に上昇して反応し、TLCで原料が完全に消失したことを検出した後(約3時間)、反応液を再び0Cに下げる。それに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくりと添加して、気泡が発生しなくなるまで反応をクエンチする。t-BuOHを減圧除去し、トルエン(1000mL)を加え、15分間激しく攪拌し、水層を分離し、トルエン(1000mL×5)で洗浄、ジクロロメタン(1000mL×5)で洗浄を順次行う。1M HClで水層のpHを5に調整した後、酢酸エチル(1000mL×5)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をトルエン(600mL)に分散し、室温で2時間攪拌し、ろ過して固体を収集し、イソプロパノールで再結晶し、白色系固体化合物5b(99.0g,3段階収率42%)を得る。
【0090】
実施例3
化合物9Iの調製:R22が水素原子を例として、化合物9aを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化33】
以下のステップを含む:
バニリン6(200g,1.31mol,1.0equiv.)をCHNO(1000mL)に溶解し、撹拌しながらエチレンジアミン(1.0mL)を加え、還流するまで加熱させる。反応終了をTLCで観測した後(約2時間)、反応液を室温まで冷却し、多量の黄色固体が析出した。ろ過し、ろ過ケークをメタノール/水(v/v=1:1)(200mL×3)、無水エタノール(200mL×2)で順次洗浄し、固体を収集し、水ポンプで減圧乾燥し、化合物7(明るい黄色微細針状結晶185g、収率72%)を得る。
化合物7(40.0g,0.205mol,1.0equiv.)をTHF/EtOHの混合溶液(v/v=1:1,480mL)に溶解し、氷浴で0℃まで冷却し、撹拌しながらNaBH(15.5g,0.410mol,2.0equiv.)をバッチで徐々に加え、0Cで3時間反応させる。原料が完全に消失したことをTLCで観測した後、これに酢酸水溶液(CHCOOH/HO,v/v=1:4,250mL)を加えて反応をクエンチする。減圧蒸留で有機溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルパッドでろ過し(溶離剤PE:EA=2:1,v/v)、化合物8(黄色油状物)を得て、次の反応に直接使用する。
化合物8をEtOH(400mL)に溶解し、Raney-Ni(約4.0g)を加え、高圧水素化窯に入れ、10atm水素圧力で、室温で10時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで観測する。反応液に大量の固体を析出し、MeOH(300mL)を加え、混合物を70℃に加熱して固体を溶解させた後、熱いうちにセライトでろ過し、ろ過ケークをMeOHで洗浄する(100mL×3)。濾液を溶媒量が残り約200mLになるまで減圧濃縮したところ、固体が多量に析出した。室温に置いて3時間冷却し、ろ過し、ろ過ケークを収集し、水ポンプで1時間真空乾燥し(40C)、さらに室温でオイルポンプで0.5時間真空乾燥し、黄褐色固体化合物9aを得る(22.2g、二段階収率55%)。M.p.:139-141℃.H NMR(400MHz,CDCl)δ6.84(d,J=8.4Hz,1H),6.72-6.67(m,2H),3.87(s,3H),2.94(t,J=6.8Hz,2H),2.68(t,J=6.8Hz,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ146.5,144.0,131.6,121.4,114.4,111.3,55.9,43.6,39.6.IR(neat):νmax=2512,1610,1496,1469,1232,1153,1128,1033,812cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C14NO ,168.1019;found,168.1025.
【0091】
実施例4
化合物9IIの調製であって、R22をTBDPSとすることを例とし、化合物9bを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化34】
化合物9a(20.0g,0.120mol,1.0equiv.)、イミダゾール(12.2g,0.179mol,1.5equiv.)を乾燥CHCl(250mL)に溶解し、室温で10分間攪拌後、TBDPSCl(34.5g,0.125mol,1.05equiv.)を加える。室温で5時間反応させた後、反応が完全であることをTLCで検出する。これに飽和NHCl水溶液(300mL)を加えて反応をクエンチし、得られた混合物をセライトでろ過し、濾液を層別し、水層をCHClで抽出し(100mL×2)、有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し(100mL×2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濾液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=6:1,v/v,0.5%アンモニア水を含む)で精製し、油状化合物9bを得る(41.3g,収率85%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72-7.70(m,4H),7.41-7.32(m,6H),6.64(d,J=8.0Hz,1H),6.59(s,1H),6.47(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),3.55(s,3H),2.88(t,J=6.8Hz,2H),2.62(t,J=6.8Hz,2H),1.11(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ150.4,143.5,135.4,134.8,133.6,132.5,129.5,127.6,127.4,120.6,120.0,113.0,55.4,43.2,38.9,26.7,19.7.IR(neat):νmax=3053,2933,2858,1587,1513,1264cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2532NOSi,406.2197;found,406.2190.
【0092】
実施例5
化合物9IIの調製であって、R22をTBSとすることを例とし、化合物9cを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化35】
合成経路は実施例4を参考にするが、実施例5ではTBSCLを添加して油状化合物9cを得る点が異なる。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.77(d,J=8.0Hz,1H),6.68-6.63(m,2H),3.79(s,3H),2.93(t,J=6.8Hz,2H),2.67(t,J=6.8Hz,2H),1.30(s,2H),0.99(s,9H),0.14(s,6H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ150.8,143.3,133.2,120.9,120.7,112.8,55.5,43.6,39.7,25.7,18.4,-4.66.IR(neat):νmax=2929,2856,1578,1463,1275,1156,1126,1034,838cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C1528NOSi,282.1884;found,282.1881.
【0093】
実施例6
化合物11の調製は、R22がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子を例として、化合物11aを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化36】
以下のステップを含む:
化合物9b(51.3g,0.126mol,1.1equiv.)、化合物5a(30.0g,0.115mol,1.0equiv.)、及びTBTU(44.3g,0.138mol,1.2equiv.)を乾燥CHCl(300mL)に溶解する。氷浴下でトリエチルアミン(40.0mL,0.287mol,2.5equiv.)を加え、室温まで昇温し4時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで検出し、飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分取し、水層をCHCl(400mL×1)で抽出し、有機層を合わせ、水(200mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×1)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物を酢酸エチル(300mL)で溶解し、0.1M HCl(100mL×2)、飽和NaHCO(100mL×2)、水(100mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×1)で順次洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v)により精製し、白色の発泡状固体11aを得る(67.1g,収率90%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71-7.68(m,4H),7.42-7.32(m,6H),6.71(q,J=8.0Hz,2H),6.56(d,J=8.0Hz,1H),6.49(d,J=2.0Hz,1H),6.29(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),6.01(s,1H),5.35(t,J=4.0Hz,1H),3.84(s,3H),3.59(s,2H),3.50(s,3H),3.38(q,J=6.0Hz,2H),2.59(t,J=6.9Hz,2H),1.10(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ170.0,150.6,146.5,143.7,135.5,133.8,132.0,129.7,127.8,127.6,122.1,120.7,120.1,112.9,111.3,109.9,56.5,55.5,43.7,40.8,35.2,26.8,19.9.IR(neat):νmax=3297,3050,2932,2857,1650,1605,1512,1488,1111,1034,700cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3439 79BrNOSi,648.1775;found,648.1778;C3439 81BrNOSi,650.1755;found,650.1763.
【0094】
実施例7
化合物11の調製であって、R22をTBDPSとし、Xを臭素とし、R11をMeとすることを例とし、化合物11bを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化37】
化合物9b(64.9g,0.160mol,1.1equiv.)、化合物5b(40.0g,0.145mol,1.0equiv.)、及びTBTU(55.9g,0.174mol,1.2equiv.)を乾燥CHCl(400mL)に溶解する。氷浴下でトリエチルアミン(50.6mL,0.364mol,2.5equiv.)を加え、室温まで昇温し反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで検出し、飽和塩化アンモニウム水溶液(400mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分取し、水層をCHCl(500mL×1)で抽出し、有機層を合わせ、水(300mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(200mL×1)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物を酢酸エチル(400mL)で溶解し、0.1M HCl(150mL×2)、飽和NaHCO(150mL×2)、水(150mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(150mL×1)で順次洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v)により精製し、白色の発泡状固体11bを得る(87.7g,収率91%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70-7.68(m,4H),7.43-7.37(m,2H),7.37-7.30(m,4H),6.93(d,J=8.0Hz,1H),6.76(d,J=8.0Hz,1H),6.57(d,J=8.0Hz,1H),6.51(d,J=1.8Hz,1H),6.31(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),5.38(t,J=4.8Hz,1H),3.820(s,3H,overlapped),3.818(s,3H,overlapped),3.59(s,2H),3.51(s,3H),3.39(q,J=6.0Hz,2H),2.60(t,J=6.8Hz,2H),1.10(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ169.8,152.8,150.5,146.8,143.6,135.3,133.6,131.8,129.6,127.6,127.4,126.3,120.7,120.5,120.0,112.7,111.5,60.4,56.0,55.3,43.6,40.7,35.1,26.6,19.7.IR(neat):νmax=3311,3052,2934,2858,1663,1512,1486,1265,1034,733,701cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C354179BrNOSi,662.1932;found,662.1930;C3541 81BrNOSi,664.1911;found,664.1922.
【0095】
実施例8
化合物11の調製であって、R22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeを例として、化合物11cを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化38】
化合物9a(2.00g,0.012mol,1.1equiv.)、化合物5b(3.00g,0.011mol,1.0equiv.)、及びTBTU(4.24g,0.013mol,1.2equiv.)を乾燥CHCl(30mL)に溶解する。氷浴下でトリエチルアミン(3.8mL,0.027mol,2.5equiv.)を加え、室温まで昇温し13時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで検出し、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分取し、水層をCHCl(20mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、1 M HCl(50mL×2)、飽和NaHCO(50mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×1)で順次洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=3:1,v/v)により精製し、白色の発泡状固体11cを得る(3.5g,収率75%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.96-6.50(m,5H),5.83(s,1H),5.52(s,1H),3.85(s,6H,overlapped),3.82-3.81(m,3H),3.60(m,2H),3.45-3.40(m,2H),2.67-2.64(m,2H).13C NMRδ169.9,152.8,146.7,146.6,144.2,130.3,127.5,126.3,121.2,120.7,114.3,111.5,111.0,60.4,56.0,55.8,43.6,40.7,35.1.IR(neat):νmax=3307,1650,1598,1523,1488,1271,1031cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C1923 79BrNO ,424.0754;found,424.0748;C1923 81BrNO ,426.0734;found,426.0731.
【0096】
実施例9
化合物11の調製であって、R22がTBSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子を例とし、化合物11dを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化39】
化合物11dの合成経路は上記の通りであり、合成操作は実施例6の方法を参照されたい。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.77-6.73(m,2H),6.67(d,J=8.0Hz,1H),6.59-6.58(m,1H),6.48-6.46(m,1H),6.09(s,1H),5.39(m,1H),3.90(s,3H),3.75(s,3H),3.62(s,2H),3.44(q,J=6.8Hz,2H),2.66(t,J=6.8Hz,2H),0.98(s,9H),0.13(s,6H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ169.9,150.9,146.4,143.6,143.5,132.0,127.6,121.9,120.8,120.7,112.5,111.2,109.7,56.3,55.4,43.5,40.6,35.1,25.7,18.4,-4.69.IR(neat):νmax=3300,2931,2855,1646,1604,1513,1488,1277,1231,1032cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2435 79BrNOSi,524.1462;found,524.1464;C2435 79BrNOSi,526.1442;found,526.1445.
【0097】
実施例10
化合物11の調製であって、R22をTBSとし、Xを臭素とし、R11をMeとすることを例とし、化合物11eを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化40】
化合物11eの合成経路は上図の通りであり、合成操作は実施例6の方法を参照されたい。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.96(d,J=8.4Hz,1H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),6.69(d,J=8.0Hz,1H),6.60(d,J=2.0Hz,1H),6.48(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),5.44(t,J=5.8Hz,1H),3.87(s,3H),3.84(s,3H),3.75(s,3H),3.61(s,2H),3.45(q,J=6.6Hz,2H),2.67(t,J=6.8Hz,2H),0.98(s,9H),0.13(s,6H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ169.9,152.8,150.9,146.8,143.5,132.0,127.5,126.3,120.8,120.7,112.4,111.5,60.4,56.0,55.4,43.7,40.7,35.1,25.7,18.4,-4.7.IR(neat):νmax=3055,1669,1512,1264,1036,731cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2537 79BrNOSi,538.1619;found,538.1622;C2537 81BrNOSi,540.1598;found,540.1603.
【0098】
実施例11
化合物12の調製であって、化合物11のR22が水素原子である場合、化合物11にヒドロキシ基の保護基IIを導入して化合物12を得る。
22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeであり、導入されたヒドロキシ基の保護基IIがBnであることを例として、化合物12caを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化41】
化合物11c(830mg,1.96mmol,1.0equiv.)、無水炭酸カリウム(540mg,3.92mmol,2.0equiv.)を乾燥DMF(8mL)に溶解し、アルゴンガスで保護し、臭化ベンジル(0.35mL,2.94mmol,1.5equiv.)を加え、室温で1時間反応させる。原料が完全に反応することをTLCで示し、水を加えてクエンチし、酢酸エチル(10mL)を加え、大量の固体を析出し、ろ過し、固体をメチルtert-ブチルエーテル(10mL×2)で洗浄する。固体を回収し、真空乾燥して化合物12ca(白色粉末状固体982mg、収率90%)を得る。M.p.:151-152℃.H NMR(400MHz,CDCl)δ7.45-7.43(m,2H),7.37(t,J=7.2Hz,2H),7.32-7.28(m,1H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),6.75(d,J=8.0Hz,1H),6.66(d,J=1.6Hz,1H),6.52(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),5.42(m,1H),5.12(s,2H),3.86(s,3H),3.84(s,3H,overlapped),3.84(s,3H,overlapped),3.62(s,2H),3.45(q,J=6.4Hz,2H),2.68(t,J=7.2Hz,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ170.0,153.0,149.9,146.9,137.4,131.9,128.6,127.9,127.7,127.4,126.5,120.9,120.8,114.4,112.5,111.6,71.3,56.2,56.1,43.8,40.8,35.2.IR(neat):νmax=3304,2936,1642,1592,1515,1487,1453,1266,1230,1034cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2629 79BrNO ,514.1224;found,514.1219;C2629 81BrNO ,516.1203;found,516.1201.
【0099】
実施例12
化合物12の調製であって、化合物11のR22が水素原子である場合、化合物11にヒドロキシ基の保護基IIを導入して化合物12を得る。
22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeであり、導入されたヒドロキシ基の保護基IIがPMBであることを例として、化合物12cbを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化42】
化合物11c(674mg,1.60mmol,1.0equiv.)、無水炭酸カリウム(442mg,3.20mmol,2.0equiv.)を乾燥DMF(8mL)に溶解し、アルゴンガスで保護し、PMBCl(0.33mL,2.40mmol,1.5equiv.)を加え、室温で3時間反応させる。原料が完全に反応することをTLCで示し、水を加えてクエンチし、酢酸エチル(10mL)を加え、大量の固体を析出し、ろ過し、固体をメチルtert-ブチルエーテル(10mL×2)で洗浄する。固体を回収し、真空乾燥して化合物12cb(白色粉末状固体788mg、収率84%)を得る。M.p.:144-146℃.H NMR(400MHz,CDCl)δ7.36(d,J=8.8Hz,2H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),6.90(d,J=8.4Hz,2H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),6.76(d,J=8.0Hz,1H),6.65(d,J=1.6Hz,1H),6.53(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),5.40(m,1H),5.04(s,2H),3.86(s,3H),3.84(s,3H),3.83(s,3H),3.81(s,3H),3.62(s,2H),3.45(q,J=6.4Hz,2H),2.68(t,J=6.8Hz,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ170.0,159.5,153.0,150.0,147.0,131.9,129.5,129.2,127.7,126.5,120.9,120.8,114.5,114.1,112.5,111.7,71.1,56.2,56.1,55.4,43.8,40.9,35.2.IR(neat):νmax=3313,2932,1646,1591,1515,1249,1033cm-1.HRMS (m/z):[M+H]calculated for C2731 79BrNO ,544.1329;found,544.1325;C2731 81BrNO ,546.1309;found,546.1306.
【0100】
実施例13
化合物12の調製であって、化合物11のR22が水素原子である場合、化合物11にヒドロキシ基の保護基IIを導入して化合物12を得る。
22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeであり、導入されたヒドロキシ基の保護基IIがAcであることを例として、化合物12ccを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化43】
化合物11c(1.00g,2.36mmol,1.0equiv.)を乾燥アセトニトリル(20mL)に溶解し、アルゴンガス保護下で無水炭酸カリウム(651.5mg,4.71mmol,2.0equiv.)と無水酢酸(0.27mL,2.83mmol,1.2equiv.)を順次加え、室温で2時間反応させる。原料が完全に反応することをTLCで示し、水を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(20mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、褐色泡状固体の粗生成物を得る。メチルtert-ブチルエーテル(5mL)を加え、室温で20分間撹拌し、ろ過し、固体を回収して化合物12cc(オフホワイトの固体957mg、収率87%)を得る。M.p.:128-130℃.H NMR(400MHz,CDCl)δ6.97(d,J=8.4Hz,1H),6.88(d,J=8.0Hz,1H),6.83(d,J=8.4Hz,1H),6.72(s,1H),6.66-6.61(m,1H),5.47(t,J=6.0Hz,,1H),3.87(s,3H),3.84(s,3H),3.78(s,3H),3.63(s,2H),3.51-3.43(m,2H),2.74(t,J=7.2Hz,2H),2.30(s,3H).13CNMR(100MHz,CDCl)δ170.0,169.2,152.9,151.0,146.8,138.3,137.7,127.5,126.4,122.7,120.8,120.7,112.8,111.6,60.5,56.1,55.9,43.7,40.6,35.5,20.7.IR(neat):νmax=3290,2937,1761,1652,1597,1486,1268,1195,1031cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2125 79BrNO ,466.0860;found,466.0859;C2125 81BrNO ,468.0839;found,468.0840.
【0101】
実施例14
化合物12の調製であって、化合物11のR22が水素原子である場合、化合物11にヒドロキシ基の保護基IIを導入して化合物12を得る。
22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeであり、導入されたヒドロキシ基の保護基IIがBzであることを例として、化合物12cdを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化44】
化合物11c(1.00g,2.36mmol,1.0equiv.)を乾燥ジクロロメタン(20mL)に溶解し、アルゴンガスで保護し、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(0.66mL,4.71mmol,2.0equiv.)及び塩化ベンゾイル(0.33mL,2.83mmol,1.2equiv.)を順次加え、室温まで昇温し1時間反応させ、原料が完全に反応することをTLCで示す。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチし、水層をジクロロメタンで抽出し(20mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=10:1~2:1,v/v)により精製し、白色固体12cdを得る。(1.15g,収率92%)。M.p.:145-147℃.H NMR(400MHz,CDCl)δ8.23-8.17(m,2H),7.68-7.58(m,1H),7.54-7.47(m,2H),7.03-6.96(m,2H),6.85(d,J=8.4Hz,1H),6.77(d,J=1.6Hz,1H),6.69(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),3.86(s,3H),3.85(s,3H),3.77(s,3H),3.65(s,2H),3.54-3.45(m,2H),2.78(t,J=7.2Hz,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ170.0,164.8,152.9,151.3,146.8,138.5,137.7,133.5,130.2,129.4,128.5,127.5,126.4,122.8,120.8,120.7,112.9,111.6,60.5,56.0,55.9,43.7,40.6,35.5.IR(neat):νmax=3055,2939,1736,1665,1598,1510,1487,1264,1033,731,704cm-1.HRMS (m/z):[M+H]calculated for C2627 79BrNO ,528.1012;found,528.1016;C2627 81BrNO ,530.0996;found,530.0994.
【0102】
実施例15
化合物12の調製であって、化合物11のR22が水素原子である場合、化合物11にヒドロキシ基の保護基IIを導入して化合物12を得る。
22が水素原子であり、Xが臭素であり、R11がMeであり、導入されたヒドロキシ基の保護基IIがPivであることを例として、化合物12ceを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化45】
化合物11c(1.00g,2.36mmol,1.0equiv.)を乾燥ジクロロメタン(20mL)に溶解し、アルゴンガスで保護し、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(0.66mL,4.71mmol,2.0equiv.)及びピバロイルクロリド(0.35mL,2.83mmol,1.2equiv.)を順次加え、室温まで昇温し2時間反応させ、原料が完全に反応することをTLCで示す。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチし、水層をジクロロメタンで抽出し(20mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=10:1~6:1,v/v)により精製し、白色固体12ce(1.03g,収率86%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ6.96(d,J=8.8Hz,1H),6.97-6.91(m,2H),6.70(d,J=1.6Hz,1H),6.63(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),3.87(s,3H),3.84(s,3H),3.75(s,3H),3.63(s,2H),3.51-3.43(m,2H),2.74(t,J=6.8Hz,2H),1.35(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ176.7,170.0,152.9,151.2,146.8,138.7,137.3,127.5,126.4,122.6,120.7,120.7,112.8,111.6,60.5,56.0,55.9,43.6,40.6,39.0,35.4,27.2.IR(neat):νmax=2968,1752,1683,1598,1511,1486,1268,1114,1032cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2627 79BrNO ,528.1012;found,528.1016;C2627 81BrNO ,530.0996;found,530.0994.
【0103】
実施例16
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化46】
固体化合物11a(100.0mg,0.154mmol,1.0equiv.)を乾燥CHCl(1mL)に溶解し、0℃で撹拌しながらその中に2-フルオロピリジン(27uL,0.308mmol,2.0equiv.)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(32uL,0.185mmol,1.2equiv.)を順次添加し、添加終了後室温まで昇温し10分間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。反応液を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(1mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分離し、水層をCHClで抽出し(2mL×3)、有機層を合わせ、飽和NaClで洗浄し(2mL×1)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物13aの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
粗生成物13aを乾燥・脱気のDMF(2.9mL)に溶解し、室温で撹拌する。別の反応瓶を取り、金属触媒(1.0mg,0.0154mmol,0.01equiv.)、配位子(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミン(1.2mg,0.0308mmol,0.02equiv.)を加え、排気し、アルゴンガスで保護し、脱気した乾燥DMF(40uL)を加え、室温で30分間撹拌した後、当該混合溶液を化合物13aのDMF溶液に加え、室温で10分間撹拌し続け、続いて0℃まで冷却し、そこにHCOOH/EtN(5:2錯体)(55uL,0.385mmol,2.5equiv.)を加え、室温まで昇温させて17時間反応させる。反応は完了するとTLCで検出する。反応液を0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液を加えて反応をクエンチし、pHを9に調整する。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(1mL×4)、有機層を合わせ、水(2mL×1)、飽和NaCl(2mL×1)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して化合物14aの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
上記化合物14aをTHF/HOの混合溶媒(2mL,v/v=3:2)に溶解し、0℃まで冷却し、これにリン酸二水素ナトリウム二水和物(96.1mg,0.616mmol,4.0equiv.)、クロロギ酸メチル(0.462mmol,3.0equiv.)を順次加える。室温に昇温して1時間撹拌して反応させ、原料が消失したとTLCで示した後、HOを添加し、酢酸エチルで抽出し(2mL×3)、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=7:1,v/v)により精製し、白色泡沫状固体15ab(87mg、三段階の総収率82%、ee=95%)を得る。HPLC条件:OD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=80:20、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、2つの鏡像異性体の保持時間:tmajor=8.705min,tminor=6.352min。Optical rotation:[α] 25=-52.5(c=0.2,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.77-7.70(m,4H),7.46-7.33(m,6H),6.72(d,J=8.4Hz,1H),6.69-6.60(m,1H),6.53(s,0.8H),6.53(s,0.2H),6.46-6.44(m,1H),5.92(s,0.8H),5.87(s,0.2H),5.16-5.12(m,0.2H),5.05-5.01(m,0.8H),4.28(dd,J=13.2,4.8Hz,0.7H),3.94-3.89(m,0.3H),3.85-3.84(m,3H),3.69(s,2.3H),3.57(d,J=6.8Hz,1.4H),3.22-3.15(m,1H),3.12(s,2.3H),2.94-2.77(m,2H),2.68-2.49(m,2H),1.13(s,7H),1.11(s,2H,overlapped).13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ156.0,155.8,149.4,149.2,145.5,143.5,143.3,142.8,142.7,135.54,135.47,135.4,135.35,133.5,133.4,133.3,130.9,130.7,129.75,129.68,129.64,128.5,128.3,127.65,127.62,127.60,127.53,126.8,126.6,121.6,121.5,118.8,118.4,112.5,112.1,111.8,111.2,109.0,56.3,56.2,55.8,55.6,54.2,53.2,52.4,51.9,42.0,41.0,38.3,36.8,29.7,28.2,26.71,26.67,19.72.IR(neat):νmax=2928,2856,1692,1609,1488,1463,1262,1106,1033cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3641 79BrNOSi,690.1881;found,690.1880;C4145 81BrNOSSi,692.1861;found,692.1868.
【0104】
実施例17-21
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化47】
実施例17-21の合成ステップはいずれも実施例16と同じであり、合成の温度、時間、試薬及びその使用量等の条件はいずれも合成経路に示される。各グループの実施例の区別は以下のとおりである:合成過程において、中間体13aから化合物14aを調製する不斉水素化反応において、異なる配位子を用いた。結果は次の表のとおりである:
[表1]
【0105】
実施例22-25
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化48】
実施例22-25において、化合物15abの合成ステップは実施例16と同じであり、合成の温度、時間、試薬及びその使用量等の条件はいずれも合成経路に示される。各グループの実施例の違いは、合成過程における中間体13aから化合物14aを調製する不斉水素化反応におけるHCOOH/EtNの使用量の違いだけである。結果は次の表のとおりである:
[表2]
【0106】
実施例26-29
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化49】
実施例26-29において、化合物15abの合成ステップは実施例16と同じであり、合成の温度、時間、試薬及びその使用量等の条件はいずれも合成経路に示される。各グループの実施例の区別は以下のとおりである:合成過程中に中間体13aから化合物14aを調製するための不斉水素化反応において金属触媒及び配位子の使用量は異なる。結果を以下の表に示す:
[表3]
【0107】
実施例30-31
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化50】
実施例30-31において、化合物15abの合成ステップは実施例16と同じであり、合成の温度、時間、試薬及びその使用量等の条件はいずれも合成経路に示される。各グループの実施例の区別は以下のとおりである:合成過程中に中間体13aから化合物14aを調製するための不斉水素化反応において金属触媒の種類が異なる。結果を以下の表に示す:
[表4]
【0108】
実施例32-36
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15abを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化51】
実施例32-36において、化合物15abの合成ステップは実施例16と同じであり、合成の温度、時間、試薬及びその使用量等の条件はいずれも合成経路に示される。各グループの実施例の区別は以下のとおりである:合成過程中に中間体13aから化合物14aを調製する際の不斉水素化反応濃度は異なる。結果を以下の表に示す:
[表5]
【0109】
実施例37
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがTsであることを例として、化合物15aaを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化52】
固体化合物11a(10.00g,15.42mmol,1.0equiv.)を乾燥CHCl(100mL)に溶解し、0℃で撹拌しながらその中に2-フルオロピリジン(2.65mL,30.83mmol,2.0equiv.)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.10mL,18.50mmol,1.2equiv.)を順次添加し、添加終了後室温まで昇温し10分間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。反応液を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(100mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分離し、水層をCHClで抽出し(100mL×3)、有機層を合わせ、飽和NaClで洗浄し(50mL×1)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物13aの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
粗生成物13aを乾燥・脱気のDMF(46mL)に溶解し、室温で撹拌する。別の反応瓶を取り、金属触媒(47.2mg,0.077mmol,0.005equiv.)、配位子(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミン(56.5mg,0.154mmol,0.01equiv.)を加え、排気し、アルゴンガスで保護し、脱気した乾燥DMF(4mL)を加え、室温で30分間撹拌した後、当該混合溶液を化合物12のDMF溶液に加え、室温で10分間撹拌し続け、続いて0℃まで冷却し、そこにHCOOH/EtN(5:2錯体)(4.90mL,33.9mmol,2.2equiv.)を加え、室温まで昇温させて17時間反応させる。反応は完了するとTLCで検出する。反応液を0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液を加えて反応をクエンチし、pHを9に調整する。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(100mL×4)、有機層を合わせ、水(50mL×1)、飽和NaCl(50mL×1)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して化合物14aの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
上記化合物14aをTHF/HOの混合溶媒(150mL,v/v=3:2)に溶解し、これに室温でリン酸水素二ナトリウム十二水和物(16.57g,46.26mmol,3.0equiv.)、塩化パラトルエンスルホニル(2.94g,15.42mmol,1.0equiv.)を順次加える。室温で1時間撹拌して反応させ、原料が消失したとTLCで示した後、リン酸水素二ナトリウム固体が溶解するまでHOを添加して希釈し、酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=7:1,v/v)により精製し、白色泡沫状固体15aa(9.34g、三段階の総収率77%,ee=96%)を得る。HPLC条件:IC-Hカラム、Hexane:i-PrOH=70:30、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=27.883min,tminor=21.832minである。Optical rotation:[α] 25=-119.5(c=0.44,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl)δ7.74-7.71(m,4H),7.47-7.33(m,6H),7.30-7.26(m,2H),6.95(d,J=8.0Hz,2H),6.63(d,J=8.0Hz,1H),6.51(d,J=10.4Hz,1H),6.49(s,1H,overlapped),6.35(s,1H),5.83(s,1H),4.81(dd,J=10.0,4.4Hz,1H),3.91(dd,J=14.4,5.6Hz,1H),3.86(s,3H),3.59(s,3H),3.49-3.42(m,1H),2.80-2.71(m,2H),2.69-2.58(m,1H),2.43(dd,J=16.0Hz,2.4Hz,1H),2.31(s,3H),1.12(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ149.5,145.7,143.3,142.8,142.5,137.4,135.5,135.5,133.4,133.4,130.0,129.8,129.7,128.9,127.7,127.6,127.6,127.0,125.7,122.1,118.6,112.4,111.3,109.0,56.1,55.6,55.4,42.5,38.7,26.7,26.5,21.4,19.7;IR(neat):νmax=3431,2933,2857,1609,1513,1489,1442,1228,1154,1114,1033,702cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4145 79BrNOSSi,786.1915;found,786.1920;C4145 81BrNOSSi,788.1894;found,788.1904.
【0110】
実施例38
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCbzであることを例として、化合物15acを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化53】
化合物15acの合成経路及び反応条件は、(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンの配位子を用いて、上記の図に示す。合成手順は15abの合成を参照する。(三段階の総収率75%,ee=97%(R))。HPLC条件:IC00C3-QG035カラム、Hexane:i-PrOH=80:20、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=10.179min,tminor=8.966minである。Optical rotation:[α] 25=-69.0(c=0.68,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl)δ7.75-7.72(m,4H),7.43-7.22(m,9.6H),7.02-7.01(m,1.4H),6.61-6.42(m,4H),5.87-5.76(m,1H),5.19-5.02(m,1H),4.97-4.76(m,1H),4.41(d,J=12.4Hz,1H),4.34-3.98(m,1H),3.82-3.81(m,3H),3.68(s,2.3H),3.59(s,0.7H),3.33-3.19(m,1H),2.92-2.47(m,4H),1.13-1.11(m,9H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ155.4,155.0,149.4,149.2,145.57,145.55,143.5,143.4,142.8,142.7,137.1,136.1,135.53,135.49,135.5,135.4,133.44,133.40,133.3,130.8,130.7,129.73,129.70,129.65,128.5,128.4,128.3,128.2,127.8,127.7,127.64,127.62,127.60,127.5,126.7,126.6,121.54,121.51,118.8,118.5,112.5,112.2,111.8,111.4,109.00,108.9,66.9,66.6,56.2,55.8,55.6,54.3,53.5,41.9,41.0,38.4,36.9,28.3,28.1,26.70,26.68,19.7;IR(neat):νmax=2961,2857,1688,1487,1428,1261,1100,1031,753,700cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4245 79BrNOSi,766.2194;found,766.2194;C4245 81BrNOSi,768.2174;found,768.2187.
【0111】
実施例39
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがCOMeであることを例として、化合物15daを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化54】
化合物15daの合成経路及び反応条件は、上記の図に示されており、合成手順は、実施例16の化合物15abの合成を参照する。使用した配位子は、(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであった(三段階の総収率68%,ee=97%(S))。HPLC条件:OD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=85:15、流速0.5mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=15.247min,tminor=18.434minである。Optical rotation:[α] 25=+55.3(c=2.0,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ6.73-6.67(m,2H),6.58-6.43(m,1.7H),6.43(s,0.3H),5.99-5.91(m,1H),5.35-5.29(m,1H),4.30-4.25(m,0.7H),3.91-3.87(m,3.3H,overlapped),3.76-3.77(m,3H),3.64(s,0.8H),3.48-3.42(m,0.3H),3.35-3.28(m,0.7H,overlapped),3.26(s,2.2H),3.24-3.07(m,1H),2.98-2.84(m,1H),2.81-2.65(m,1H),1.00(s,6H),0.95(s,3H),0.16-0.08(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ156.1,156.0,149.81,149.76,145.7,145.6,143.4,143.1,143.0,142.8,130.79,130.76,128.6,127.2,127.0,121.80,121.75,119.6,119.1,112.1,111.9,111.8,111.3,109.3,109.2,56.3,56.2,55.6,54.9,53.6,52.5,52.1,42.3,41.1,39.0,37.4,28.2,25.72,25.67,18.5,18.4,-4.8,-4.8,-4.7,-4.6;IR(neat):νmax=2930,2856,1685,1512,1488,1260,1226,1033,755cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2637 79BrNOSi,566.1568;found,566.1565;C2637 81BrNOSi,568.1548;found,568.1545.
【0112】
実施例40
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例として、化合物15baを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化55】
上記固体化合物11b(30.00g,45.27mmol,1.0equiv.)を乾燥CHCl(300mL)に溶解し、0℃で撹拌しながらその中に2-フルオロピリジン(7.8mL,90.54mmol,2.0equiv.)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(9.2mL,54.32mmol,1.2equiv.)を順次添加し、添加終了後室温まで昇温し10分間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。反応液を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(300mL)を加えて反応をクエンチする。有機層を分離し、水層をCHClで抽出し(300mL×3)、有機層を合わせ、飽和NaClで洗浄し(100mL×1)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色泡沫状固体13bの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
上記粗生成物13bを乾燥・脱気のDMF(140mL)に溶解し、室温で撹拌する。別の反応瓶を取り、金属触媒(139mg,0.226mmol,0.005equiv.)、配位子(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミン(166mg,0.453mmol,0.01equiv.)を加え、排気し、アルゴンガスで保護し、脱気した乾燥DMF(10mL)を加え、室温で30分間撹拌した後、当該混合溶液を化合物13bのDMF溶液に加え、室温で10分間撹拌し続け、続いて0℃まで冷却し、そこにHCOOH/EtN(5:2錯体)(14.2mL,99.6mmol,2.2equiv.)を加え、室温まで昇温させて17時間反応させる。反応は完了するとTLCで検出する。反応液を0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液を加えて反応をクエンチし、pHを9に調整する。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し(300mL×3)、有機層を合わせ、水(50mL×1)、飽和NaCl(50mL×1)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して黒色泡沫状固体14bの粗生成物を得て、単離精製せずに次の反応に直接用いる。
上記化合物14bをTHF/HOの混合溶媒(300mL,v/v=3:2)に溶解し、これに室温でリン酸水素二ナトリウム十二水和物(48.64g,135.8mmol,3.0equiv.)、塩化パラトルエンスルホニル(8.63g,45.27mmol,1.0equiv.)を順次加える。室温で1時間撹拌して反応させ、原料が消失したとTLCで示した後、リン酸水素二ナトリウム固体が溶解するまでHOを添加して希釈し、酢酸エチルで抽出し(200mL×3)、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=7:1,v/v)により精製し、白色泡沫状固体15ba(29.9g,三段階の総収率84%,ee=96%)を得る。HPLC条件:AD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=70:30、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=5.585min,tminor=4.769minである。Optical rotation:[α] 25=-117.9(c=0.8,CHCl);H NMR (400MHz,CDCl)δ7.73-7.70(m,4H),7.46-7.28(m,8H),6.96(d,J=8.2Hz,2H),6.70(s,2H),6.50(s,1H),6.32(s,1H),4.89(q,J=4.8Hz,1H),3.88-3.87(m,1H,overlapped),3.84(s,3H),3.81(s,3H),3.58(s,3H),3.50-3.42(m,1H),2.83-2.72(m,2H),2.56-2.48(m,1H),2.41-2.36(m,1H),2.30(s,3H),1.12(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ152.2,149.5,146.2,143.3,142.6,137.6,135.5,135.44,133.38,133.3,130.0,129.74,129.71,129.0,127.7,127.6,126.8,126.5,125.6,120.7,118.5,112.2,110.6,60.4,55.8,55.53,55.46,42.6,38.6,26.7,26.2,21.4,19.7;IR(neat):νmax=2933,1513,1487,1448,1261,1155,1113,1033,701cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4247 79BrNOSSi,800.2071;found,800.2066;C2637 81BrNOSi,802.2051;found,802.2050.
【0113】
実施例41
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがCOMeであることを例として、化合物15bbを合成し、合成経路は実施例40を参照する。使用した配位子は(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンである。
【化56】
15bb(三段階の総収率81%,ee=96%)を得る。HPLC条件:AD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=95:5、流速0.8mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=8.100min,tminor=10.942minである。Optical rotation:[α] 25=-52.5(c=0.2,CHCl);Optical rotation:[α] 25=+53.6(c=0.8,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.76-7.70(m,4H),7.46-7.32(m,6H),6.66(d,J=8.4Hz,1H),6.62-6.61(m,2H),6.53(s,0.8H),6.49(s,0.2H),5.15-5.12(m,0.2H),5.06-5.02(m,0.8H),4.27(dd,J=13.2,4.4Hz,1H),3.84(s,2.4H),3.82(s,3.6H,overlapped),3.69(s,2.4H),3.56(d,J=8.8Hz,1.2H),3.29-3.14(m,1H),3.11(s,2.4H),2.91-2.77(m,2H),2.68-2.56(m,2H),1.14(s,7H),1.10(s,2H,overlapped);13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ155.9,155.7,152.00,149.4,149.2,146.2,143.5,143.3,135.51,135.46,135.41,135.36,133.4,133.3,130.9,130.8,129.73,129.66,129.6,128.5,128.3,127.62,127.60,127.57,127.5,126.8,126.6,126.0,121.1,120.6,118.8,118.3,112.4,112.1,110.7,60.4,60.4,56.0,56.0,55.8,55.5,54.3,53.2,52.4,51.9,42.1,41.1,38.4,36.8,28.20,28.15,26.71,26.68,19.7;IR(neat):νmax=2932,2857,1696,1593,1513,1486,1447,1260,1104,1032,701cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3743 79BrNOSi,704.2038;found,704.2037;C2637 81BrNOSi,706.2017;found,706.2018.
【0114】
実施例42
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがCbzであることを例として、化合物15bcを合成し、合成経路は実施例40を参照する。使用した配位子は(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンである。
【化57】
15bc(三段階の総収率72%,94%ee(R))を得る。HPLC条件:ADH0CE-EK072カラム、グラジエント溶離、0-5.5min、Hexane:i-PrOH=60:40から40:60まで、5.5-25min、Hexane:i-PrOH=40:60、流速1mL/min、カラム温度40oC、検出波長254nm、tmajor=11.470min,tminor=4.066minである。Optical rotation:[α] 25=-66.3(c=0.76,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.75-7.70(m,4H),7.44-7.22(m,9.5H),7.04-7.02(m,1.5H),6.68-6.46(m,4H),5.20-5.07(m,1H),5.05-4.84(m,1H),4.42-3.97(m,2H),3.80-3.79(m,3.8H),3.67(d,J=5.8Hz,4.4H),3.59(s,0.8H),3.32-3.20(m,1H),2.95-2.44(m,4H),1.13-1.11(m,9H);13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ155.3,155.0,152.04,151.99,149.4,149.2,146.3,146.2,143.44,143.37,137.1,136.4,135.51,135.49,135.44,135.40,133.4,133.3,130.79,130.76,129.73,129.66,128.5,128.4,128.3,128.2,127.7,127.64,127.59,127.54,127.45,126.8,126.6,126.0,121.1,120.1,118.7,118.5,112.4,112.2,110.72,110.68,66.71,66.65,60.4,60.3,56.0,55.7,55.6,54.2,53.6,41.9,41.1,38.4,37.0,28.3,28.0,26.9,26.7,26.7,19.7;IR(neat):νmax=2932,2857,1697,1593,1513,1486,1427,1261,1102,1034,700cm-1;HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4347 79BrNOSi,780.2351;found,780.2355;C4347 81BrNOSi,782.2330;found,782.2340.
【0115】
実施例43
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がTBSであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例として、化合物15eaを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化58】
化合物15eaは、11eを出発原料とし、中間体13e、14eを経て、さらにCbz保護基を導入して得られる。合成手順は15aaと同じである。11eから15eaまでの反応条件及び試薬使用量を上図に示す。15ea:使用した配位子は、(1S,2S)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階収率は69%,96%ee(S)であった。HPLC条件:IC00C3-QG035カラム、Hexane:i-PrOH=60:40、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=16.703min,tminor=13.134minである。Optical rotation:[α] 25=-111.8(c=0.6,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.03(d,J=8.0Hz,2H),6.82(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=8.4Hz,1H),6.46(s,1H),6.40(s,1H),5.16-5.12(m,1H),3.89-3.87(m,1H,overlapped),3.85(s,3H),3.83(s,3H),3.72(s,3H),3.62-3.55(m,1H),3.15-3.06(m,2H),2.70-2.50(m,2H),2.31(s,3H),0.96(s,9H),0.10(s,6H).13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ152.3,149.9,146.4,143.1,142.7,137.4,130.1,129.2,127.8,127.0,126.7,126.1,120.8,119.2,111.9,110.8,60.4,55.9,55.8,55.5,43.0,39.2,26.5,25.7,21.4,18.4,-4.66,-4.73.IR(neat):νmax=2931,2857,1511,1487,1259,1156,1092,1033,801cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3243 79BrNOSSi,676.1758;found,676.1752;C3243 79BrNOSSi,678.1738;found,678.1735.
【0116】
実施例44-50
化合物15の調製(Bischler-Napieralski/不斉移動水素化)である。
がヒドロキシ基の保護基IIであり、Xが臭素であり、R11がMe又はPMBであり、Rが第二級アミン保護基であることを例とし、化合物15を合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化59】
実施例44において、RがTBDPSであり、Xが臭素であり、R11がPMBであり、RがCOOMeであることを例とし、化合物15adを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は80%であり、ee=86%(S)である。HPLC条件:IC-Hカラム、Hexane:i-PrOH=85:15、流速0.8mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=21.438min,tminor=24.448minである。Optical rotation:[α] 25=+49.9(c=0.68,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.77-7.69(m,4H),7.53-7.31(m,8H),6.97-6.90(m,2H),6.74-6.45(m,4H),5.17-5.03(m,1H),4.91-4.90(m,2H),4.30-4.12(m,1H),3.85-3.80(m,6.2H),3.67-3.56(m,3.6H),3.21-3.14(m,1H),3.11(s,2H),2.97-2.77(m,2H),2.68-2.40(m,2H),1.14-1.11(m,9H).13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ159.6,159.4,156.0,155.8,152.2,149.4,149.2,145.2,145.1,143.5,143.3,135.53,135.48,135.44,135.39,133.5,133.3,131.0,130.8,130.3,130.2,129.72,129.65,129.4,128.5,128.4,127.64,127.61,127.5,126.9,126.6,126.0,121.6,121.1,118.8,118.4,113.7,113.6,112.4,112.1,110.7,74.4,74.2,56.1,56.0,55.7,55.6,55.32,55.28,54.3,53.2,52.4,52.0,42.2,41.1,38.4,36.9,28.22,28.15,26.74,26.71,19.7.IR(neat):νmax=2932,2858,1697,1612,1592,1513,1484,1447,1260,1106,1032,752,702cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4449 79BrNOSi,810.2456;found,810.2450;C4449 81BrNOSi,812.2436;found,812.2441.
【0117】
実施例45において、RがBnであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがCOOMeであることを例とし、化合物15caを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は82%であり、ee=96%(S)である。HPLC条件:IC-Hカラム、Hexane:i-PrOH=60:40、流速1.0mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=18.441min,tminor=14.962minである。Optical rotation:[α] 25=+75.3(c=0.68,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.46-7.28(m,5H),6.79-6.70(m,2.8H),6.61(d,J=12.4Hz,1H),6.37(s,0.2H),5.31-5.23(m,1H),5.14(s,1.5H),4.32(dd,J=13.2,4.2Hz,0.5H),4.34-4.30(m,0.7H),3.96-3.91(m,0.3H),3.88-3.82(m,9H),3.63(s,0.7H),3.45-3.38(m,0.3H),3.28(td,J=12.8,4.0Hz,0.8H),3.21(s,2H),3.13-3.04(m,1.2H),2.92-2.76(m,2H),2.68-2.61(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ155.91,155.87,152.14,148.5,148.4,146.4,146.3,146.2,137.2,137.1,130.8,130.7,128.6,128.5,128.3,128.2,127.9,127.8,127.2,127.1,126.8,126.7,126.3,126.2,121.3,120.6,113.2,112.9,111.8,111.6,110.9,110.8,71.4,71.1,60.5,60.4,56.1,56.02,55.98,54.7,53.5,52.5,52.1,42.3,41.2,38.7,37.0,28.2,28.1.IR(neat):νmax=2929,1695,1594,1515,1486,1448,1256,1101,1032cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2831BrNO ,556.1329;found,556.1326;C4449 81BrNOSi,558.1309;found,558.1310.
【0118】
実施例46において、RがPMBであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがCOOMeであることを例とし、化合物15cbを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は68%であり、ee=96%(S)である。HPLC条件:IC-Hカラム、Hexane:i-PrOH=60:40、流速1.0mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=30.306min,tminor=24.274minである。Optical rotation:[α] 25=+66.3(c=0.48,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ7.38(d,J=8.8Hz,1.5H),7.30(d,J=8.4Hz,0.5H),6.92-6.86(m,2H),6.78-6.71(m,2.8H),6.62-6.59(m,1H),6.38(s,0.2H),5.33-5.25(m,1H),5.05(s,1.5H),4.85(q,J=12.0Hz,0.5H),4.32(dd,J=13.2,5.6Hz,0.7H),3.98-3.91(m,0.3H),3.88-3.80(m,12H),3.63(s,0.7H),3.45-3.38(m,0.2H),3.32-3.25(m,0.8H,overlapped),3.22(s,2.3H),3.15-3.11(m,1.2H),2.91-2.76(m,1.8H),2.68-2.61(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl,アミド回転異性化現象により、ある種の信号が対になって現れる)δ159.34,159.28,155.92,155.88,152.2,148.6,148.4,146.5,146.3,146.2,130.9,130.7,129.2,129.1,129.0,128.9,128.3,128.2,126.7,126.6,126.3,126.2,121.3,120.6,114.0,113.9,113.3,113.0,111.8,111.5,110.9,110.8,71.1,70.9,60.5,60.4,56.1,56.0,55.96,55.3,55.2,54.7,53.5,52.5,52.1,42.3,41.2,38.7,37.0,28.2,28.1.IR(neat):νmax=3013,2935,1690,1613,1486,1451,1243,1102,748cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2933 79BrNO ,586.1435;found,586.1434;C2933 81BrNO ,588.1414;found,588.1420.
【0119】
実施例47において、RがAcであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例とし、化合物15ccを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は84%であり、ee=94%(S)(Ac除去後の測定)である。HPLC条件:IC-Hカラム、Hexane:i-PrOH=85:15、流速1.5mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=34.567min,tminor=44.746minである。Optical rotation:[α] 25=+87.4(c=0.88,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.40(d,J=8.4Hz,2H),7.05(d,J=8.0Hz,2H),6.80-6.69(m,2H),6.67(s,1H),6.55(s,1H),5.18(dd,J=8.0,6.0Hz,1H),3.92(m,1H),3.82(s,3H),3.81(s,3H),3.76(s,3H),3.50-3.62(m,1H),3.14-3.05(m,2H),2.73-2.85(m,1H),2.53-2.64(m,1H),2.33(s,3H),2.28(s,3H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ168.8,152.3,149.8,146.3,142.9,137.9,137.1,131.7,129.7,129.2,128.0,127.0,126.7,121.2,120.7,112.3,110.9,60.4,55.9,55.8,55.3,42.9,38.7,27.1,21.4,20.6.IR(neat):νmax=2962,1763,1596,1511,1488,1261,1155,1032cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2831 79BrNO,604.0999;found,604.1004;C2831 81BrNO,606.0979;found,606.0984.
【0120】
実施例48において、RがBzであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTs基であることを例とし、化合物15cdを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は84%であり、ee=94%(S)である。HPLC条件:AD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=80:20、流速1.0mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=15.023min,tminor=18.524minである。Optical rotation:[α] 25=+120.5(c=0.64,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ8.21-8.15(m,2H),7.67-7.60(m,1H),7.54-7.40(m,4H),7.10-7.03(m,2H),,6.79(d,J=9.2Hz,1H),6.77(s,1H,overlap),6.73(d,J=8.4Hz,1H),6.61(s,1H),5.21(t,J=7.6Hz,1H),4.04-3.89(m,1H),3.83(s,3H),3.81(s,3H),3.75(s,3H),3.66-3.54(m,1H),3.19-3.07(m,2H),2.88-2.76(m,1H),2.68-2.59(m,1H),2.34(s,3H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ164.6,152.4,150.1,146.3,143.0,138.2,137.2,133.5,131.8,130.2,129.8,129.3,129.3,128.5,128.1,127.1,126.8,121.4,120.7,112.5,110.9,60.4,55.9,55.9,55.4,42.9,38.8,27.2,21.4.IR(neat):νmax=1738,1511,1487,1450,1261,1213,1154,1025,811,729cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3333 79BrNO,666.1156;found,666.1151;C3333 81BrNO,668.1135;found,668.1135.
【0121】
実施例49において、RがPivであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例とし、化合物15ceを合成し、使用される配位子は(1R,2R)-(+)-N-p-トルエンスルホニル-1,2-ジフェニルエチレンジアミンであり、三段階の総収率は82%であり、ee=95%(S)である。HPLC条件:IC00C3-QG035、HO:MeOH=10:90、流速1.0mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=16.37min,tminor=18.44minである。Optical rotation:[α] 25=+104.3(c=0.6,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.45-7.41(m,2H),7.06(d,J=8.0Hz,2H),6.78-6.69(m,2H),6.54(s,1H),6.53(s,1H),5.18(t,J=7.2Hz,1H),3.95-3.87(m,1H),3.86(s,3H),3.83(s,3H),3.73(s,3H),3.62-3.52(m,1H),3.11(d,J=7.6Hz,2H),2.81-2.70(m,1H),2.64-2.54(m,1H),2.33(s,3H),1.33(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ176.5,152.3,150.0,146.3,143.0,138.3,137.3,131.3,129.8,129.3,127.8,127.0,126.8,121.2,120.8,112.3,110.9,60.4,55.9,55.9,55.3,42.9,39.0,38.8,27.2,27.1,21.4.IR(neat):νmax=1751,1511,1486,1449,1272,1154,1097,1030,749cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3137 79BrNO,646.1469;found,646.1469;C3137 81BrNO,648.1448;found,648.1457.
【0122】
実施例50
化合物17の調製(分子内酸化脱芳香族化Heckカップリング反応基質の調製)であって、化合物15におけるR11が水素原子である場合、上記化合物15はヒドロキシ基の保護基I(PMB)を導入した後に化合物17を調製する。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがTsであることを例とし、化合物17aabを合成し、合成経路は以下のとおりである:
【化60】
化合物15aa(10.00g,12.71mmol,1.0equiv.)、炭酸カリウム(5.27g,38.13mmol,3.0equiv.)及びTBAI(469mg,1.27mmol,0.1equiv.)を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、乾燥DMF(180mL)を加える。これにPMBCl(3.45mL,25.42mmol,2.0equiv.)を室温で撹拌しながら加える。室温で約6時間反応し、原料が完全に消失したことをTLCで示し、反応液にジメチルアミン(1.30mL,25.42mmol,2.0equiv.)を加え、室温で2時間撹拌し、さらに飽和NHCl溶液(100mL)を加えて反応をクエンチする。酢酸エチル(100mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、水(100mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL×2)で順次洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮乾固する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン/アセトン=100:100:1,v/v,0.5%アンモニア水を含む;0.5%アンモニア水を含有する石油エーテルでシリカゲルを処理した後にカラムに充填する)により精製し、白色泡状固体16aab(9.9g,収率86%)を得る。化合物16aabデータ:Optical rotation:[α] 25=-77.6(c=1.32,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.77-7.70(m,4H),7.49(d,J=8.6Hz,2H),7.43-7.25(m,9H),6.96(d,J=8.0Hz,2H),6.93(d,J=8.8Hz,2H),6.70(s,1H),6.52(s,1H),6.31(s,1H),4.93-4.90(m,1H,overlapped),4.90(s,3H),3.87-3.85(m,1H),3.83(s,3H,overlapped),3.82(s,3H,overlapped),3.57(s,3H),3.48-3.41(m,1H),2.79-2.76(m,2H),2.56-2.48(m,1H),2.40-2.35(m,1H),2.28(s,3H),1.12(s,9H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ159.4,152.5,149.5,145.1,143.3,142.6,137.6,135.49,135.47,134.8,133.4,133.4,130.2,130.1,129.7,129.71,129.69,129.1,127.73,127.68,127.58,127.56,126.9,126.5,125.6,121.2,118.6,113.6,112.2,110.7,74.2,55.9,55.53,55.48,55.3,42.8,38.7,26.7,26.2,21.4,19.7.IR(neat):νmax=2932,1513,1485,1463,1428,1248,1155,1033,749cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C4953 79BrNOSSi,906.2490;found,906.2494;C4953 81BrNOSSi,908.2469;found,908.2481.
化合物16aab(9.00g,9.92mmol,1.0equiv.)をCHCN/HO混合溶媒(210mL,v/v=20:1)に溶解し、これにKF(1.15g,19.84mmol,2.0equiv.)を室温で加え、50℃に加熱して約3時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液(100mL)を添加して反応をクエンチし、混合物は減圧蒸留によってCHCNが除去され、残渣を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v,0.5%アンモニア水を含む;0.5%アンモニア水を含有する石油エーテルでシリカゲルを処理した後にカラムに充填する)により精製し、白色泡沫状固体17aab(6.04g,収率91%)を得る。
化合物17aabデータ:Optical rotation:[α] 25=-103.2(c=0.6,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.48(d,J=8.4Hz,2H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.03(d,J=8.0Hz,2H),6.92-6.90(m,2H),6.82(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=8.4Hz,1H),6.64(s,1H),6.45(s,1H),5.46(s,1H),5.12(dd,J=9.6,4.8Hz,1H),4.92(s,2H),3.93-3.88(m,1H),3.85(s,2H),3.82(s,3H,overlapped),3.82(s,3H,overlapped),3.61-3.53(m,1H),3.17(dd,J=14.0,4.8Hz,1H),3.05(dd,J=14.0,9.6Hz,1H),2.80-2.71(m,1H),2.57-2.51(m,1H),2.30(s,3H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ159.6,152.7,145.8,145.4,143.9,143.0,137.3,130.3,129.3,128.8,127.2,126.8,124.8,121.5,113.8,112.9,110.9,74.4,56.0,55.4,43.1,39.2,26.9,21.6.IR(neat):νmax=1596,1512,1484,1462,1441,1245,1151,1029,748cm-1.HRMS (m/z):[M+H]calculated for C3335 79BrNO,668.1312;found,668.1313;C3335 81BrNO,670.1292;found,670.1298.
【0123】
実施例51
化合物17の調製(分子内酸化脱芳香族化Heckカップリング反応基質の調製)であって、化合物15におけるR11が水素原子である場合、上記化合物15はヒドロキシ基の保護基I(Bn)を導入した後に化合物17を調製する。
【化61】
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11が水素原子であり、RがTsであることを例とし、化合物17aaaを合成し、合成経路は実施例48を参照されたい。化合物17aaaデータ:H NMR(400MHz,CDCl)δ7.57(d,J=7.2Hz,2H),7.41-7.37(m,4H),7.34-7.31(m,1H),7.03(d,J=8.0Hz,2H),6.84(d,J=8.4Hz,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),6.65(s,1H),6.45(s,1H),5.47(s,1H),5.13(dd,J=9.6,4.8Hz,1H),4.98(s,2H),3.94-3.89(m,1H),3.85(s,3H),3.82(s,3H),3.61-3.54(m,1H),3.17(dd,J=14.0,5.2Hz,1H),3.05(dd,J=14.0,9.6Hz,1H),2.79-2.71(m,1H),2.57-2.51(m,1H),2.30(s,3H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ152.7,145.8,145.3,143.9,143.0,137.6,137.3,130.3,129.3,128.7,128.5,128.4,128.0,127.2,126.8,124.8,121.4,112.9,111.0,110.8,74.6,56.0,43.1,39.2,26.9,21.6.IR(neat):νmax=1511,1484,1454,1271,1150,1028,750cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3233BrNO,638.1206;found,638.1211;C3335 81BrNO,640.1186;found,640.1196.
【0124】
実施例52
化合物17の調製(分子内酸化脱芳香族化Heckカップリング反応基質の調製)であって、化合物15におけるR11がヒドロキシ基の保護基Iの場合、上記化合物15から化合物17を直接調製する。
がAcであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例とし、化合物17aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化62】
化合物(S)-15cc(1.00g,1.65mmol,1.0equiv.)をMeOH(10mL)に溶解し、これにKCO(0.57g,4.13mmol,2.5equiv.)を室温で加え、攪拌しながら0.5時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃まで冷却し、水を添加して反応をクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=6:1,v/v)により精製し、白色泡沫状固体(S)-17aac(854mg,収率92%)を得る。Optical rotation:[α] 25=+83.7(c=0.84,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39(d,J=8.0Hz,2H),7.02(d,J=8.0Hz,2H),6.83(d,J=8.4Hz,1H),6.73(d,J=8.8Hz,1H),6.66(s,1H),6.45(s,1H),5.48(s,1H),5.12(dd,J=10.0,4.8Hz,1H),3.94-3.89(m,1H),3.86(s,3H),3.82(s,6H),3.61-3.54(m,1H),3.16(dd,J=14.0,4.8Hz,1H),3.04(dd,J=14.0,9.6Hz,1H),2.79-2.70(m,1H),2.57-2.51(m,1H),2.32(s,3H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ152.5,146.5,145.8,144.0,143.0,137.4,130.2,129.3,128.8,127.2,126.7,124.8,121.0,112.9,111.0,56.0,43.0,39.2,26.9,21.6.IR(neat):νmax=3428,1512,1487,1449,1265,1149,1031cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2629 79BrNO,562.0893;found,562.0893;C3335 81BrNO,564.0873;found,564.0873.
【0125】
実施例53
化合物17の調製(分子内酸化脱芳香族化Heckカップリング反応基質の調製)であって、化合物15におけるR11がヒドロキシ基の保護基Iの場合、上記化合物15から化合物17を直接調製する。
がTBDPSであり、Xが臭素であり、R11がMeであり、RがTsであることを例とし、化合物17aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化63】
化合物(R)-15ba(10.00g,12.49mmol,1.0equiv.)をCHCN/HO混合溶媒(210mL,v/v=20:1)に溶解し、これにKF(1.45g,24.97mmol,2.0equiv.)を室温で加え、50℃に加熱して約3時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液(100mL)を添加して反応をクエンチし、混合物は減圧蒸留によってCHCNが除去され、残渣を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v)により精製し、白色泡沫状固体(R)-17aac(6.67g,収率95%)を得る。Optical rotation:[α] 25=-96.9(c=0.8,CHCl).
【0126】
実施例54
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化64】
化合物17aac(200mg,0.356mmol,1.0equiv.)、塩化パラジウム(6.3mg,0.0356mmol,0.1equiv.)、ホスフィン配位子(16.8mg,0.0356mmol,0.1equiv.)及び炭酸カリウム(147mg,1.067mmol,3.0equiv.)を反応容器に入れ、排気し、アルゴンガスで保護し、これに脱気した乾燥DMF(4mL,c=0.1mol/L)を加え、80℃の油浴中で12時間反応させる。TLCで原料を観察し、反応液を室温まで冷却し、0℃で水(4mL)を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し(5mL×3)、有機層を合わせ、水(10mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×1)で順次洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン/アセトン=15:15:1,v/v)で精製して白色泡沫状の固体18aac(27mg,収率16%)を得る。18aacデータ:Optical rotation:[α] 25=+4.5(c=0.4,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.66(d,J=8.4Hz,2H),7.27(d,J=4.0Hz,2H),7.16(s,1H),6.84-6.77(m,2H),6.22(s,1H),4.95(d,J=3.6Hz,1H),3.92(s,3H),3.86(s,3H),3.74(s,3H),3.73-3.68(m,1H),3.28(dd,J=17.6,4.8Hz,1H),3.20(dd,J=17.6,1.6Hz,1H),3.04-2.96(m,1H),2.41(s,3H),2.22-2.19(m,1H),1.40-1.26(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ180.8,157.9,152.2,151.3,147.4,143.9,137.2,130.3,130.0,127.8,127.1,124.0,122.4,120.0,112.3,56.0,55.0,43.6,40.3,39.0,21.7.IR(neat):νmax=2936,1674,1649,1616,1483,1280,1213,1159cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2628NO,482.1632;found,482.1636.
【0127】
実施例55-58
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の溶媒スクリーニング)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化65】
実施例55-58における化合物18aacの合成ステップはいずれも実施例54と同様であり、合成用の試薬及びその使用量などの条件はいずれも合成経路に示されるとおりである。各グループの実施例の区別は以下のとおりである:化合物17aacから化合物18aacを調製するための反応において、異なる溶媒及び温度を使用した。結果を以下の表に示す:
[表6]
【0128】
実施例59-62
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の温度スクリーニング)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化66】
実施例59~62における化合物18aacの合成手順はすべて実施例58と同様であり、合成に用いた試薬及びその使用量などの条件はすべて合成経路に示したとおりである。実施例58との違いは下記のとおりである:化合物17aacから化合物18aacを調製するための反応において、異なる反応温度が使用される。
[表7]
【0129】
実施例63~67
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の塩基スクリーニング)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化67】
実施例63-67における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例62と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の違いは、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応に異なる塩基を使用したことだけである。結果は次の表のとおりである:
[表8]
【0130】
実施例68-69
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の触媒及び配位子当量数の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化68】
実施例68-69における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例62と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の違いは、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応に用いる塩化パラジウムと配位子の当量が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表9]
【0131】
実施例70-74
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の濃度の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化69】
実施例70-74における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例62と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の違いは、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応の濃度が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表10]
【0132】
実施例75
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の好ましい濃度適用)である。
【化70】
実施例75における化合物18aacの合成手順は実施例67と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。実施例67との相違点は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応の濃度が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表11]
【0133】
実施例76-87
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の配位子の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化71】
実施例76-87における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例75と同じであり、使用する塩基はリン酸カリウムであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応に用いる配位子が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表12]
【0134】
実施例88-97
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の金属触媒及び配位子使用量の比率の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化72】
実施例88-97における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例75と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応において塩化パラジウム及び配位子の使用量が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表13]
【0135】
実施例98-100
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の好ましい配位子と金属触媒の使用量の比率の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化73】
実施例98-100における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例81と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応において塩化パラジウム及び配位子の使用量が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表14]
【0136】
実施例101-102
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の好ましい配位子と金属触媒の使用量の比率の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化74】
実施例101-102における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例83と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応において配位子の使用量が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表15]
【0137】
実施例103-104
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の好ましい配位子と金属触媒の使用量の比率の選別)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化75】
実施例103-104における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例84と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応において配位子の使用量が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表16]
【0138】
実施例105-106
化合物18の調製(分子内酸化脱芳香族化Heck反応の配位子と金属触媒使用量の好ましい比率用途)である。
Xが臭素であり、RがMeであり、RがTsであることを例とし、化合物18aacを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化76】
実施例105-106における化合物18aacの合成手順はいずれも実施例89と同じであり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度などの条件はいずれも合成経路に示されているとおりである。各グループの実施例の区別は、化合物17aacから化合物18aacを調製する反応において使用された配位子が異なることだけである。結果は次の表のとおりである:
[表17]
【0139】
実施例107
化合物18aacの精製である。
上記実施例54-106の生成物(R)-18aacをエタノールで再結晶し、再結晶収率が80%であり、生成物ee値が99.9%(R)に向上し、M.p.:162-164℃.Optical rotation:[α] 25=+11.9(c=0.52,CHCl)。HPLC条件:AD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=60:40、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=16.632min、tminor=9.754min。
(S)-18aacをイソプロパノールで再結晶し、再結晶収率が93%であり、生成物ee値が99.9(S)に向上し、M.p.:162-164℃。Optical rotation:[α] 25=-11.3(c=0.68,CHCl)。HPLC条件:AD-Hカラム、Hexane:i-PrOH=60:40、流速1mL/min、カラム温度25℃、検出波長254nm、tmajor=9.888min、tminor=16.453min。
【0140】
実施例108
化合物18の調製である。
Xが臭素であり、RがPMBであり、RがTsであることを例とし、化合物18aabを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化77】
化合物17aab(4.00g,5.98mmol,1.0equiv.)、塩化パラジウム(106mg,0.598mmol,0.1equiv.)、ホスフィン配位子(847mg,1.794mmol,0.3equiv.)及びリン酸カリウム(3.81g,17.94mmol,3.0equiv.)を反応容器に入れ、排気し、アルゴンガスで保護し、これに脱気した乾燥DMF(80mL,c=0.075mol/L)を加え、145℃の油浴に入れて40minを反応させる。TLCで原料を観察し、反応液を室温まで冷却し、0℃で水(40mL)を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し(60mL×3)、有機層を合わせ、水(50mL×1)、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×1)で順次洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン/アセトン=15:15:1,v/v)によって精製し、白色泡沫状の固体18aab(2.07g,収率72%)を得る。18aabデータ:Optical rotation:[α] 25=+57.1(c=0.8,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.65(d,J=8.0Hz,2H),7.37(d,J=8.4Hz,2H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),7.20(s,1H),6.92-6.79(m,4H),6.17(s,1H),5.26(d,J=11.2Hz,1H),4.94-4.92(m,2H),3.88(s,3H),3.82(s,3H),3.69(dd,J=13.6,3.6Hz,1H),3.40(s,3H),3.31-3.19(m,2H),3.06-2.99(m,1H),2.40(s,3H),2.14(d,J=12.8Hz,1H),1.33-1.25(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ180.8,159.6,157.7,152.0,151.2,146.3,143.9,137.2,130.3,130.0,129.5,129.1,128.0,127.1,124.0,122.4,120.3,114.1,112.4,74.2,56.0,55.4,54.9,43.6,40.3,39.2,21.6.IR(neat):νmax=1673,1648,1613,1513,1480,1277,1248,1215,1202,1157,718cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3334NO,588.2050;found,588.2051.
【0141】
実施例109-110
化合物18の調製である。
Xが臭素であり、RがPMBであり、RがTsであることを例とし、化合物18aabを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化78】
実施例109~110における化合物18aabの合成手順は、いずれも実施例108と同様であり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度等の条件は、いずれも合成経路に示したとおりである。各グループの実施例の区別は以下のみである:化合物17aacから化合物18aacを調製するための反応において使用される配位子は異なる。結果を以下の表に示す:
[表18]
【0142】
実施例111
化合物18の調製である。
Xが臭素であり、RがBnであり、RがTsであることを例とし、化合物18aaaを合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化79】
18aaaの合成手順は実施例83と同様であり、合成に用いる試薬及びその使用量、反応温度等の条件はいずれも合成経路に示すとおりである。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.46-7.45(m,2H),7.41-7.32(m,3H),7.25(d,J=8.0Hz,2H),7.15(s,1H),6.88-6.81(m,2H),6.18(s,1H),5.30(s,1H,overlapped),5.28(d,J=12.4Hz,1H,overlapped),5.07(d,J=11.6Hz,1H),4.93(d,J=3.6Hz,1H),3.87(s,3H),3.69(dd,J=14.0,4.0Hz,1H),3.34(s,3H),3.28-3.20(m,1H),3.07-3.00(m,1H),2.40(s,3H),2.16(d,J=12.4Hz,1H),1.31(dd,J=13.2,5.2Hz,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ180.8,157.7,152.1,151.3,146.2,143.9,137.5,137.2,130.4,123.0,128.8,128.2,128.1,127.3,127.1,124.2,122.5,120.1,112.5,74.3,56.0,54.9,43.7,40.3,39.2,21.7.IR(neat):νmax=1673,1647,1615,1480,1433,1278,1215,1158,747cm-1.IR(neat):νmax=1673,1647,1615,1480,1433,1278,1215,1158,747cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C3232NO,558.1945;found,558.1940.
【0143】
実施例112
化合物19の調製である。
がPMBであり、RがTsであることを例とし、化合物19を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化80】
化合物18aab(100.0mg,0.170mmol,1.0equiv.)をCHCl(4mL)に溶解し、-40Cまで冷却し、トリフルオロ酢酸(65uL,0.851mmol,5.0equiv.)を加え、17時間反応させた後、0Cまで昇温して7時間反応を続け、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃で飽和NaHCO水溶液(2mL)を加えて反応をクエンチし、CHCl(5mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=3:1,v/v)で精製して白色泡沫状固体19(56.0mg,収率70%)を得る。Optical rotation:[α] 25=+13.8(c=1.44,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.67(d,J=8.2Hz,2H),7.45(s,1H),7.28(s,1H),6.76(d,J=8.4Hz,1H),6.60(d,J=8.4Hz,1H),6.23(d,J=15.6Hz,2H),4.96(d,J=3.3Hz,1H),3.89(s,3H),3.74-3.71(m,1H,overlapped),3.71(s,3H),3.30-3.18(m,2H),3.03(td,J=13.2,3.2Hz,1H),2.41(s,3H),2.41-2.36(m,1H,overlapped),1.31(td,J=12.8,4.8Hz,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ180.9,157.8,151.3,145.7,143.9,143.5,137.3,129.9,128.2,127.1,122.5,119.7,110.0,56.4,55.0,43.4,40.5,38.9,37.6,21.7.IR(neat):νmax=3350,2929,1670,1640,1484,1219,1158,1054cm-1.HRMS (m/z):[M+H]calculated for C2526NO,468.1475;found,468.1477.
【0144】
実施例113
化合物19の調製である。
がPMBであり、RがTsであることを例とし、化合物19を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化81】
化合物18aab(200.0mg,0.34mmol,1.0equiv.)をDMF(3.5mL)に溶解し、これに臭化水素酸(48%水溶液,0.7mL)を室温で滴下し、滴下終了後45℃に昇温して20時間反応させる。続いて反応液を室温まで下げ、臭化水素酸(48%水溶液,0.3mL)を追加し、追加終了後さらに45℃まで昇温して15時間反応する。反応液を再び室温まで降温し、臭化水素酸(48%水溶液,0.3mL)を追加し、追加終了後さらに45℃まで昇温して5時間反応し、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃で飽和NaHCO水溶液をガスが発生しなくなるまで加え、酢酸エチルで抽出し(8mL×3)、有機層を合わせ、水(5mL×1)、飽和塩化ナトリウム(5mL×1)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v)で精製して白色泡状固体19(137mg,収率86%)を得る。水素スペクトルデータは、実施例112と同じである。
【0145】
実施例114
化合物19の調製である。
がMeであり、RがTsであることを例とし、化合物19を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化82】
化合物18aac(100.0mg,0.208mmol,1.0equiv.)を乾燥N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc,7mL)に溶解し、硫化水素ナトリウム(純度68%-72%,66.4mg,0.83mmol,4.0equiv.)を加え、125℃で1時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで示す。0℃に冷却し、0.5M HCl水溶液を添加して反応をクエンチし、酢酸エチル(5mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、水(5mL×2)、飽和NaHCO水溶液(5mL×1)、飽和NaCl水溶液(5mL×1)で順次洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=4:1,v/v)で精製して白色泡沫状固体19(69.0mg,収率71%)を得る。水素スペクトルデータは、実施例112と同じである。
【0146】
実施例115
中間体Iの調製である。
RがTsであることを例とし、化合物21(すなわち中間体I)を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化83】
化合物19(510.0mg,1.09mmol,1.0equiv.)をCHCl/MeOH混合溶液(v/v=1:1,10mL)に溶解し、0Cまで冷却し、NaBH(82.5mg,2.18mmol,2.0equiv.)をゆっくり添加し、続いて反応液を室温まで昇温し、約15minで反応した後にTLCで原料が完全に消失したことを検出する。反応液を0Cまで冷却し、水を加えて反応をクエンチし、有機層を分離し、水層をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、飽和NaCl溶液(10mL×1)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、白色泡沫状化合物20の粗生成物を得て、精製せず、直接次の反応を行う。
アルゴンガスの保護で、化合物20の粗生成物を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.5mL)を加え、60℃までに加熱して約40分間反応させ、TLC観察で原料の反応が完全であることを示す。反応液を減圧して溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル,v/v=5:1から3.5:1まで)によって分離精製し、白色泡沫状固体21(418mg,二段階収率85%)を得る。Optical rotation:[α] 25=-117.8(c=0.72,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(d,J=8.0,2H),7.30(d,J=8.0Hz,2H),6.64(d,J=8.0Hz,1H),6.51(d,J=8.0Hz,1H),5.60(d,J=6.4Hz,1H),5.19(s,1H),4.98(dd,J=13.6,6.4Hz,2H),3.82(s,3H),3.74(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),3.59(s,3H),3.26(td,J=13.2,3.6Hz,1H),3.00(dd,J=18.2,6.8Hz,1H),2.89(d,J=18.0Hz,1H),2.44(s,3H),1.95(td,J=12.8,5.4Hz,1H),1.74-1.70(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ153.0,144.8,143.4,143.1,137.3,132.1,129.7,129.0,127.4,126.1,119.5,113.2,112.5,95.4,88.6,56.4,55.0,54.4,45.9,38.9,37.1,36.0,21.6.IR(neat):νmax=2922,1603,1502,1234,1155,725cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2526NO,452.1526;found,452.1519.
【0147】
実施例116
化合物22の調製である。
RがTsであることを例とし、化合物22を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化84】
反応瓶を換気し、アルゴンガスで保護し、ジブチルエーテル(2.0mL)を添加し、48%のHBr水溶液(94uL,0.555mmol,5.0equiv.)を-20℃までに冷却し、撹拌しながら化合物21(50.0mg,0.111mmol,1.0equiv.)の乾燥CHCl(2.0mL)溶液を滴下して加える。添加終了後-20℃で20時間反応させた後、-10℃に昇温し約10時間反応させ、原料が完全に消失したことをTLCで観察する。飽和NaHCO水溶液(5mL)を加えて反応をクエンチし、ジクロロメタン(5mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン/アセトン,v/v/v=15:15:1から10:10:1まで)で分離精製し、白色泡状固体22(46mg,收率95%)を得る。Optical rotation:[α] 25=-149.0(c=0.52,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.74(d,J=8.0Hz,2H),7.34(d,J=8.0Hz,2H),6.66(d,J=4Hz,1H),6.58(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),6.50(d,J=8.0Hz,1H),6.10(dd,J=10.0,2.8Hz,1H),4.72-4.78(m,1H),4.65(s,1H),3.83(s,3H),3.82-3.73(m,1H),3.09(q,J=2.8Hz,1H),2.96-2.85(td,J=12.4,4,1H),2.74-2.59(m,2H),2.45(s,3H),1.98(td,J=12.4,5.2Hz,1H),1.89(ddd,J=12.8,4.0,1.6Hz,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ193.6,146.5,144.9,143.7,142.9,137.3,133.3,130.0,127.6,127.1,124.2,120.4,115.3,87.7,56.8,52.4,43.4,40.8,39.3,33.4,28.1,21.6.IR(neat):νmax=2923,2852,1676,1505,1442,1278,1158cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2424NO,438.1370;found,438.1362.
【0148】
実施例117
化合物24(コデイン)の調製である。
化合物24(コデイン)の合成経路は以下のとおりである:
【化85】
化合物22(10.0mg,0.023mmol,1.0equiv.)を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、乾燥テトラヒドロフラン(1.0mL)を添加し、0Cまで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1M テトラヒドロフラン溶液,0.115mmol,5.0equiv.)を添加し、添加終了後室温まで昇温して反応させ、約10時間後にTLCで検出して原料が完全に反応することを示す。0Cまで冷却し、イソプロパノール(35uL)を加え、5分間撹拌し、水(5uL)を加え、5分間撹拌し、さらに15%の水酸化ナトリウム水溶液(5uL)と水(15uL)を順次加え、反応液を室温まで昇温させて30分間撹拌を続ける。得られた混合物をセライトでろ過し、ろ過ケークをジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧濃縮して化合物23粗生成物を得る。分離精製せずに次の反応に直接使用する。
上記粗生成物23をメタノール(1.0mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(11.0mg,0.115mmol,5.0equiv.)を添加し、室温で1.5時間撹拌した後、LC-MSで原料が完全に消失したこと検出し、0Cまで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(6.0mg,0.14mmol,6.0equiv.)を添加し、続いて反応液を室温まで昇温させて20分間反応させ、TLC及びLC-MSで観察して反応が完全であると示す。反応液を0Cまで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタン(1.0mL)を加えて反応液を希釈し、15%水酸化ナトリウム水溶液で水層をpH=10に調整し、有機層を分取し、水層をジクロロメタンで抽出し(3mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノールv/v=20:1から8:1への勾配溶出)により分離精製し、白色固体24(6.0mg,收率85%)を得る。Optical rotation:[α] 25=-131.0(c=0.3,EtOH).H NMR(400MHz,CDCl)δ6.66(d,J=8.0Hz,1H),6.57(d,J=8.0Hz,1H),5.71(d,J=10,0Hz,1H),5.29(dt,J=10.0,2.8Hz,1H),4.89(d,J=6.4Hz,1H),4.21-4.15(m,1H),3.84(s,3H),3.37(dd,J=6.4,3.2Hz,1H),3.05(d,J=18.8Hz,1H),2.76-2.66(m,1H),2.62(dd,J=12.4,5.2Hz,1H),2.46(s,3H),2.44-2.37(m,1H),2.32(dd,J=18.4,6.0Hz,1H),2.09(td,J=12.4,5.2Hz,1H),1.88(d,J=12.4Hz,1H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ146.3,142.2,133.5,131.0,128.1,127.0,119.6,112.9,91.3,66.3,58.9,56.3,46.5,43.0,42.9,40.6,35.6,20.5.IR(neat):νmax=3370,2929,2843,1635,1502,1452,1274,1265,1205,1120,1054,731cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C1822NO ,300.1594;found,300.1587.
【0149】
実施例118
化合物26の調製である。
RがTsであることを例とし、化合物26を合成し、合成経路は下記のとおりである:
【化86】
上記化合物21(50.0mg,0.11mmol,1.0equiv.)と、テトラフェニルポルフィリン(14.0mg,0.022mmol,0.2equiv.)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、青色LED光(40w,Kessil(登録商標))の照射下で、酸素ガスでバブリングして室温で1時間反応させ、TLCで原料が完全に消失したことを検出する。反応液にアルゴンガスを流して超音波で30分間脱気し、溶液中の残留酸素を排除する。該反応液にイソプロパノール/ギ酸/水(v/v/v=1:1:1,1.5mL)、及び10%パラジウム炭素(15mg,30%wt.)を加え、高圧水素化窯において水素圧力10atmで、室温で12時間反応させ、反応が完全であることをTLC検出で示す。反応液をセライトでろ過し、ろ過ケークをジクロロメタンで3回洗浄し、濾液を濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=3:1,v/v)で精製し、化合物26(34mg,2段階収率68%,黄褐色泡状固体)を得る。Optical rotation:[α] 25=-188.1(c=0.84,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.35(d,J=8.0Hz,2H),6.67(d,J=8.4Hz,1H),6.47(d,J=8.0Hz,1H),4.65(s,1H),4.22(d,J=6.0Hz,1H),3.87(s,3H),3.74(dd,J=12.8,4.8Hz,1H),3.23(s,1H),3.03(td,J=14.4,5.2Hz,1H),2.81(dd,J=18.8,6.0Hz,1H),2.72(td,J=12.8,3.6Hz,1H),2.57(d,J=18.4Hz,1H),2.50-2.39(m,1H,overlapped),2.46(s,3H),2.29(dt,J=14.4,2.8Hz,1H),1.96-1.88(m,2H),1.70-1.52(m,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ207.5,145.1,144.1,143.4,136.4,130.1,128.2,127.2,123.2,119.8,115.4,89.9,70.2,58.7,56.8,50.3,38.6,35.9,31.1,29.4,29.2,21.6.IR(neat):νmax=3492,2929,1726,1504,1440,1278,1157,1048,753cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2426NO,456.1475;found,456.1481.
【0150】
実施例119
化合物29の調製である。
合成化合物29(オキシコドン)の合成経路は下記のとおりである:
【化87】
化合物26(25.0mg,0.055mmol,1.0equiv.)を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、乾燥テトラヒドロフラン(2.0mL)を添加し、0Cまで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1M テトラヒドロフラン溶液,0.28mL,0.28mmol,5.0equiv.)を添加し、添加終了後40Cまで昇温して反応させ、約24時間後にTLC検出で原料反応が完全であることを示す。0Cまで冷却し、イソプロパノール(19uL)を加え、5分間撹拌し、水(11uL)を加え、5分間撹拌し、さらに15%水酸化ナトリウム水溶液(11uL)と水(33uL)を順次加え、反応液を室温まで昇温させて30分間撹拌し続ける。得られた混合物をセライトでろ過し、ろ過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧濃縮して化合物27粗生成物を得る。分離精製せずに次の反応に直接使用する。
上記粗生成物27をメタノール(2mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(30.0mg,0.33mmol,6.0equiv.)を添加し、室温で2時間撹拌した後、0Cまで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(17.0mg,0.44mmol,8.0equiv.)を添加し、続いて反応液を室温まで上昇させて20分間反応させ、TLC及びLC-MSの観察で反応が完全であることを示す。反応液を0Cまで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタン(2.0mL)を加えて反応液を希釈し、15%水酸化ナトリウム水溶液で水層をpH=9に調整し、有機層を分取し、水層をジクロロメタン(3mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物を分離精製せずに直接次の反応に用いる。
上記粗生成物28をジクロロメタン(2.5mL)に溶解し、氷浴で0Cまで冷却し、Dess-Martin酸化剤(70.0mg,0.165mmol,3.0equiv.)を添加し、室温まで昇温して1時間反応した後に完全に反応し、0Cまで冷却し、飽和Na水溶液と飽和NaHCO水溶液を順次添加して反応をクエンチし、分層し、水層をジクロロメタンで抽出し(3mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,v/v=20:1)で分離精製し、白色固体29(12.0mg,三段階収率72%)を得る。M.p.:204-206C.Optical rotation:[α] 25=-205(c=0.28,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ6.70(d,J=8.0Hz,1H),6.63(d,J=8.0Hz,1H),4.66(s,1H),3.90(s,3H),3.15(d,J=18.8Hz,1H),3.02(td,J=14.4,4.8Hz,1H),2.87(d,J=5.6Hz,1H),2.56(dd,J=18.8,6.0Hz,1H),2.51-2.36(m,2H),2.41(s,3H),2.29(dt,J=14.4,3.2Hz,1H),2.22-2.11(m,1H),1.92-1.82(m,1H),1.68-1.61(m,1H),1.61-1.53(m,1H).13C NMR(100MHz,CDCl3)δ208.5,145.0,143.0,129.4,124.9,119.4,114.9,90.4,70.4,64.6,56.8,50.2,45.2,42.7,36.1,31.4,30.5,21.9.IR(neat):νmax=3380,2926,1724,1610,1502,1438,1272,1112,1039,941cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C1822NO ,316.1543;found,316.1524.
【0151】
実施例120
化合物32の調製である。
合成化合物32(ナルトレキソン)の合成経路は下記のとおりである:
【化88】
化合物26(25.0mg,0.055mmol,1.0equiv.)を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、乾燥テトラヒドロフラン(2.0mL)を添加し、0Cまで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1M テトラヒドロフラン溶液,0.28mL,0.28mmol,5.0equiv.)を添加し、添加終了後40Cまで昇温して反応させ、約24時間後にTLC検出で原料反応が完全であることを示す。0Cまで冷却し、イソプロパノール(19uL)を加え、5分間撹拌し、水(11uL)を加え、5分間撹拌し、さらに15%水酸化ナトリウム水溶液(11uL)と水(33uL)を順次加え、反応液を室温まで昇温させて30分間撹拌し続ける。得られた混合物をセライトでろ過し、ろ過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧濃縮して化合物27粗生成物を得る。分離精製せずに次の反応に直接使用する。
上記粗生成物27をメタノール(1mL)に溶解し、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(17uL,0.22mmol,4.0equiv.)を添加し、室温で3時間撹拌した後、0Cまで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(13.0mg,0.33mmol,6.0equiv.)を添加し、続いて反応液を室温まで上昇させて20分間反応させ、TLC及びLC-MSの観察で反応が完全であることを示す。反応液を0Cまで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタン(1.0mL)を加えて反応液を希釈し、15%水酸化ナトリウム水溶液で水層をpH=9に調整し、有機層を分取し、水層をジクロロメタン(2mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して粗生成物30を得て、分離精製せずに直接次の反応に用いる。
アルゴンガス保護下で、上記粗生成物30を乾燥ジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷浴で0Cまで冷却し、Dess-Martin酸化剤(47.0mg,0.11mmol,2.0equiv.)を添加し、室温まで昇温して1時間反応した後に完全に反応し、0Cまで冷却し、飽和Na水溶液と飽和NaHCO水溶液を順次添加して反応をクエンチし、分層し、水層をジクロロメタンで抽出し(2mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,v/v=50:1)で分離精製し、化合物31(15.0mg,三段階収率75%)を得る。Optical rotation:[α] 25=-202(c=0.6,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ6.69(d,J=8.0Hz,1H),6.61(d,J=8.0Hz,1H),4.67(s,1H),3.89(s,3H),3.18(d,J=6.0Hz,1H),3.10-2.97(m,2H),2.69(dd,J=12.0,4.8Hz,1H),2.58(dd,J=18.4,6.0Hz,1H),2.47-2.37(m,3H),2.30(dt,J=14.4,3.2Hz,1H),2.13(td,J=12.0,4.0Hz,1H),1.92-1.84(m,1H),1.69-1.54(m,2H),0.93-0.80(m,1H),0.59-0.51(m,2H),0.19-0.10(m,2H).13C NMR(150MHz,CDCl)δ208.5,145.0,142.9,129.5,124.9,119.4,114.9,90.4,70.1,62.1,59.2,56.8,50.8,43.6,36.2,31.5,30.7,22.6,9.4,3.9,3.8.IR(neat):νmax=3381,2928,1726,1502,1439,1278,1258,1048,941,799,748cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2128NO ,356.1856;found,356.1857.
アルゴンガスの保護下で、化合物31(10.0mg,0.028mmol,1.0equiv.)を乾燥クロロホルム(0.6mL)に溶解する。反応液を10℃まで冷却し、そこにBBr(1M ジクロロメタン溶液,169uL,0.169mmol,6.0equiv.)のクロロホルム溶液(0.4mL)をゆっくり滴下し、この温度を維持して4時間反応させ、原料は完全に消失したとTLCで検出する。反応液を氷水に加え、アンモニア水でアルカリ化し、飽和塩化ナトリウム溶液を少量加えて希釈した後、クロロホルム(2mL×10)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。当該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,v/v=40:1)により分離精製し、白色固体32(7.5mg,収率78%)を得る。M.p.:160-162C.Optical rotation:[α] 25=-205(c=0.28,CHCl).H NMR(600MHz,CDCl)δ6.71(d,J=8.0Hz,1H),6.59(d,J=8.0Hz,1H),4.68(s,1H),3.18(d,J=6.0Hz,1H),3.09-2.99(m,2H),2.70(dd,J=12.0,5.4Hz,1H),2.56(dd,J=18.6,6.0Hz,1H),2.47-2.37(m,3H),2.32(dt,J=14.4,3.0Hz,1H),2.16(td,J=12.0,3.6Hz,1H),1.92-1.82(m,2H),1.69-1.52(m,2H),0.94-0.79(m,1H),0.61-0.50(m,2H),0.18-0.10(m,2H).13C NMR(150MHz,CDCl)δ209.8,143.4,138.7,129.0,124.3,119.9,117.8,90.6,70.2,62.1,59.2,51.0,43.6,36.2,31.3,30.7,22.6,9.4,4.0,3.8.IR(neat):νmax=3356,2924,1724,1455,1259,1015,796,757cm-1
HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2024NO ,342.1700;found,342.1702.
【0152】
実施例121
化合物35の調製である。
化合物35(ナロキソン)の合成経路は以下のとおりである:
【化89】
化合物26(25.0mg,0.055mmol,1.0equiv.)を反応瓶に入れ、換気し、アルゴンガスで保護し、乾燥テトラヒドロフラン(2.0mL)を添加し、0Cまで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1M テトラヒドロフラン溶液,0.28mL,0.28mmol,5.0equiv.)を添加し、添加終了後40Cまで昇温して反応させ、約24時間後にTLC検出で原料反応が完全であることを示す。0Cまで冷却し、イソプロパノール(19uL)を加え、5分間撹拌し、水(11uL)を加え、5分間撹拌し、さらに15%水酸化ナトリウム水溶液(11uL)と水(33uL)を順次加え、反応液を室温まで昇温させて30分間撹拌し続ける。得られた混合物をセライトでろ過し、ろ過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧濃縮して化合物27粗生成物を得る。分離精製せずに次の反応に直接使用する。
アルゴンガスの保護下で、上記粗生成物27をNMP/HO(10:1v/v,0.55mL)に溶解し、Et3N(15μL,0.11mmol,2.0equiv.)を加える。この反応液に攪拌しながら臭化アリル(7μL,0.077mmol,1.4equiv.)を徐々に加え、その後、反応液を70℃に加温して1時間反応させる。原料が完全に消失したことをTLCで検出した後に反応液を室温まで冷却し、当該混合物をジクロロメタン(2mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(1mL×3)で洗浄し、水層を合わせ、ジクロロメタン(3mL)で1回抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物33を得て、分離精製せず、直接次の反応に用いる。
上記粗生成物33を乾燥ジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷浴で0Cまで冷却し、Dess-Martin酸化剤(70.0mg,0.165mmol,3.0equiv.)を添加し、室温まで昇温して1時間反応した後に完全に反応し、0Cまで冷却し、飽和Na水溶液と飽和NaHCO水溶液を順次添加して反応をクエンチし、分層し、水層をジクロロメタンで抽出し(2mL×4)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,v/v=20:1)で分離精製し、化合物34(13.7mg,三段階収率73%)を得る。[α] 25=-190.0(c=0.36,CHCl).H NMR(400MHz,CDCl)δ.6.71(d,J=8.2Hz,1H),6.68-6.61(m,1H),5.96-5.83(m,1H),5.30-5.20(m,2H),4.69(s,1H),3.90(s,3H),3.40-2.96(m,5H),2.78-2.57(m,2H),2.56-2.42(m,1H),2.30(dt,J=14.4,3.2Hz,1H),2.20(td,J=12.0,4.0Hz,1H),1.96-1.88(m,1H),1.71-1.53(m,2H).13C NMR(100MHz,CDCl)δ208.3,145.1,143.1,134.0,129.2,124.3,119.5,119.1,90.3,70.3,62.2,57.6,56.8,50.5,43.7,36.0,31.5,30.1,22.8.IR(neat):νmax=3386,2925,1725,1607,1503,1440,1276,1112,1047,940cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C2024NO ,342.1700;found,342.1700.
アルゴンガスの保護下で、化合物34(10.0mg,0.029mmol,1.0equiv.)を乾燥クロロホルム(0.5mL)に溶解する。反応液を10℃まで冷却し、そこにBBr(1M ジクロロメタン溶液,176uL,0.176mmol,6.0equiv.)のクロロホルム溶液(0.5mL)をゆっくり滴下し、この温度を維持して2時間反応させ、原料は完全に消失したとTLCで検出する。反応液を氷水に加え、アンモニア水でアルカリ化し、飽和塩化ナトリウム溶液を少量加えて希釈した後、クロロホルム(2mL×10)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得る。当該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,v/v=20:1)により分離精製し、白色固体35(7.2mg,収率76%)を得る。M.p.:176-177C.[α] 25=-195.0(c=0.5,CHCl).H NMR(600MHz,CDCl)δ6.74(d,J=8.0Hz,1H),6.61(d,J=8.0Hz,1H),5.90-5.75(m,1H),5.35-5.10(m,2H),4.69(s,1H),3.30-2.92(m,6H),2.77-2.51(m,2H),2.50-2.36(m,1H),2.31(dt,J=14.4,3.2Hz,1H),2.17(td,J=12.0,3.6Hz,1H),1.94-1.85(m,1H),1.73-1.48(m,2H).13C NMR(150MHz,CDCl)δ209.7,143.5,138.9,120.0,135.0,128.9,124.0,119.9,118.1,117.9,90.5,70.4,62.2,57.6,50.9,36.1,31.2,30.3,22.8.;IR(neat):νmax=3362,2925,1721,1616,1503,1315,1280,1111,1055,940cm-1.HRMS(m/z):[M+H]calculated for C1922NO ,328.1543;found,328.1543.
上記は本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明が本明細書に開示された形態に限定されず、他の実施形態、特に中間体Iからの他のモルヒネ系薬物の合成を排除するものとみなされるべきではなく、様々な他の組み合わせ、修正及び環境で使用することができる。本明細書に記載された構想の範囲内で、上記の教示又は関連分野の技術又は知識によって変更することができることを理解されたい。当業者による修正及び変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、本発明に添付されている請求項の保護範囲内にあるものとする。