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特許7604039口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
A61C17/00 E
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023516117
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 KR2021013130
(87)【国際公開番号】W WO2022065951
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0125336
(32)【優先日】2020-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521524519
【氏名又は名称】プロキシヘルスケア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨン ウク
【審査官】丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1834665(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0269900(US,A1)
【文献】特表2014-526349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0283278(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0199830(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号の供給を受けて前記駆動信号に対応する電気場を生成する少なくとも一つの電極と、
AC信号とDC信号とを混合して前記駆動信号を生成し、使用者の制御に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つ変更して前記電極に供給する信号供給部と、
前記使用者の端末機と無線通信可能な通信部と、
前記通信部を通じて前記駆動信号の現在の特性情報を前記使用者の端末機に伝送する制御部と、を備えることを特徴とする口腔管理用電気場生成装置。
【請求項2】
前記駆動信号の特性は、振幅、周波数、及びDCオフセットを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項3】
前記信号供給部は、前記使用者の端末機から前記通信部を通じて伝達された設定情報に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項4】
前記設定情報は、前記使用者の性別、年齢、歯周疾患保有情報の中の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項5】
前記設定情報は、振幅設定値、周波数設定値、及びDCオフセット設定値の中の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項6】
前記信号供給部は、前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つを、既設定された期間の間、単位時間別に自動変更することを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項7】
前記信号供給部は、
バッテリー電圧の供給を受けて出力電圧に変換するDC-DCコンバーターと、
前記DC-DCコンバーターの出力電圧を利用して前記AC信号を生成する信号発生部と、
前記信号発生部により生成されたAC信号に対するフィルターリング動作を遂行するフィルターと、
前記フィルターを通じて供給されたAC信号に前記DC信号を混合して前記駆動信号を生成するキャリブレーション部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項8】
前記信号供給部は、前記DC-DCコンバーターの出力電圧を分配して前記DC信号を生成する電圧分配部を更に含むことを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項9】
前記キャリブレーション部は、演算増幅器(operating amplifier)を含むことを特徴とする請求項に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項10】
前記駆動信号の周波数は、1kHz~1000MHzであることを特徴とする請求項1に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項11】
前記駆動信号の振幅は、0.1mV~3Vであることを特徴とする請求項10に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項12】
前記DC信号の電圧値は、前記AC信号の振幅以上に設定されることを特徴とする請求項11に記載の口腔管理用電気場生成装置。
【請求項13】
駆動信号に対応して電気場を生成する少なくとも一つの電極が配置されたヘッド部と、
前記ヘッド部に連結されて使用者が把持可能な形態を有するハンドル部と、
前記ハンドル部の内部に位置し、AC信号とDC信号とを混合して前記駆動信号を生成し、前記使用者の制御に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つ変更して前記電極に供給する信号供給部と、
前記使用者の端末機と無線通信可能な通信部と、
前記通信部を通じて前記駆動信号の現在の特性情報を前記使用者の端末機に伝送する制御部と、を備えることを特徴とする口腔管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置に関し、より詳細には、口腔管理に役立つ電気場を生成する装置及びこれを含む口腔管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラーク(dental plaque)とは、歯の表面にくっついて生じるねばっこくて透明な膜であり、口の中に生きている数多くの細菌(バクテリア)が唾液内の特定成分とまとわりついて作られ、歯及びその周辺だけではなく、補綴物、矯正装置の周辺、義歯にも生じるようになる。
【0003】
非常に薄くて透明な膜形態のプラークが作られると内部の細菌が繁殖し、食物摂取時に供給される糖分を利用してプラーク内の細菌は、幾何級数的に増えて、その量も多くなる。プラーク内の細菌が作る酸性物質は歯の石灰成分を溶かすようにしてムシ歯を起こし、毒素は歯ぐきに炎症を起こす原因として作用する。
【0004】
プラーク自体は、肉眼でよく見えず、主に歯に深い谷のあるところ、歯と歯との間、歯と歯ぐきとの狭い間に多く発生する。このように狭い空間で歯及び周辺組織に問題を起こすため、まんべんなく隅々のプラークを除去することが重要であるが、既存の歯ブラシの使用だけでは、このようなプラークの効果的な除去が困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電気場提供を通じて口腔内のバイオフィルムを効果的に除去可能な口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、AC信号とDC信号とが混合されて生成された駆動信号を活用することによって、口腔管理効果を増幅させた口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による口腔管理用電気場生成装置は、駆動信号の供給を受けて前記駆動信号に対応する電気場を生成する少なくとも一つの電極と、AC信号とDC信号とを混合して前記駆動信号を生成し、前記駆動信号を前記電極に供給する信号供給部と、を備える。
【0008】
前記信号供給部は、使用者の制御に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つを変更し得る。
【0009】
前記駆動信号の特性は、振幅、周波数、及びDCオフセットを含み得る。
【0010】
前記口腔管理用電気場生成装置は、前記使用者の端末機と無線通信可能な通信部と、前記通信部を通じて前記駆動信号の現在の特性情報を前記使用者の端末機に伝送する制御部と、を更に含み得る。
【0011】
前記信号供給部は、前記使用者の端末機から前記通信部を通じて伝達された設定情報に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つを変更し得る。
【0012】
前記設定情報は、前記使用者の性別、年齢、歯周疾患保有情報の中の少なくとも一つを含み得る。
【0013】
前記設定情報は、振幅設定値、周波数設定値、及びDCオフセット設定値の中の少なくとも一つを含み得る。
【0014】
前記信号供給部は、前記駆動信号の特性の中の少なくとも一つを、既設定された期間の間、単位時間別に自動変更し得る。
【0015】
前記信号供給部は、バッテリー電圧の供給を受けて出力電圧に変換するDC-DCコンバーターと、前記DC-DCコンバーターの出力電圧を利用して前記AC信号を生成する信号発生部と、前記信号発生部により生成されたAC信号に対するフィルターリング動作を遂行するフィルターと、前記フィルターを通じて供給されたAC信号に前記DC信号を混合して前記駆動信号を生成するキャリブレーション部と、を含み得る。
【0016】
前記信号供給部は、前記DC-DCコンバーターの出力電圧を分配して前記DC信号を生成する電圧分配部を更に含み得る。
【0017】
前記キャリブレーション部は、演算増幅器(operating amplifier)を含み得る。
【0018】
前記駆動信号の周波数は、1kHz~1000MHzに設定され得る。
【0019】
前記駆動信号の振幅は、0.1mV~3Vに設定され得る。
【0020】
前記DC信号の電圧値は、前記AC信号の振幅以上に設定され得る。
【0021】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による口腔管理装置は、駆動信号に対応して電気場を生成する少なくとも一つの電極が配置されたヘッド部と、前記ヘッド部に連結されて使用者が把持可能な形態を有するハンドル部と、前記ハンドル部の内部に位置し、AC信号とDC信号とを混合して前記駆動信号を生成し、前記駆動信号を前記電極に供給する信号供給部と、を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電気場提供を通じて口腔内のバイオフィルムを効果的に除去可能な口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置を提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、AC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号を活用することによって、口腔管理効果を増幅させた口腔管理用電気場生成装置及びこれを含む口腔管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による口腔管理装置を示す図である。
図2a】AC信号とDC信号とが混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図である。
図2b】AC信号とDC信号とが混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態による口腔管理用電気場生成装置を示す図である。
図4a】本発明の一実施形態による信号の波形を示す図である。
図4b】本発明の一実施形態による信号の波形を示す図である。
図4c】本発明の一実施形態による信号の波形を示す図である。
図5】本発明の他の実施形態による口腔管理用電気場生成装置を示す図である。
図6a】本発明の他の実施形態による駆動信号の特性が変更される様子を示す図である。
図6b】本発明の他の実施形態による駆動信号の特性が変更される様子を示す図である。
図6c】本発明の他の実施形態による駆動信号の特性が変更される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明に関連する実施形態を図面と共に例示して、これを詳細な説明を通じて具体的に説明する。しかし、発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、それぞれ異なる多様な形態に具現することができ、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は代替物を含むものと理解すべきである。
【0026】
本発明の構成要素を説明する際に、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用する。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により構成要素の本質や順序などが限定されるものではない。また、本明細書で、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、又は「接続」されると記載する場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結されるか又は接続されるが、各構成要素の間にもう一つの構成要素が「連結」、「結合」、又は「接続」され得ると理解すべきである。「連結」、「結合」、又は「接続」の場合、物理的に「連結」、「結合」、又は「接続」されることだけではなく、必要によって電気的に「連結」、「結合」、又は「接続」されることと理解すべきである。
【0027】
本明細書に記載する「~部(ユニット)」、「~器」、「~子」、「~モジュール」などの用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア又はハードウェア及びソフトウェアの結合で具現される。また、本明細書に記載する「含む」、「構成する」、又は「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、構成要素が内在できることを意味するため、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素を更に含み得ると理解すべきである。
【0028】
そして、本明細書における構成部に対する区分は各構成部が担当する主機能別に区分したものに過ぎないことを明確にしたい。即ち、以下で説明する2つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、又は一つの構成部が更に細分化した機能別に2つ以上に分化されて備えられ得る。そして、以下で説明する構成部のそれぞれは、それぞれが担当する主機能の他にも、他の構成部が担当する機能の中の一部又は全部の機能を追加的に遂行することができ、構成部のそれぞれが担当する主機能の中の一部機能が他の構成部により専担されて遂行されることは言うまでもない。
【0029】
以下、本発明の実施形態に関連する図面を参照して、本発明の実施形態による口腔管理装置について説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態による口腔管理装置を示す図であり、図2a及び2bは、AC信号とDC信号とが混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図である。
【0031】
図1を参照すると、本実施形態による口腔管理装置1は、電気場生成装置2、ヘッド部10、ハンドル部20、バッテリー30を含む。
【0032】
電気場生成装置2は、駆動信号Vdに対応して電気場を生成する少なくとも一つの電極11、及び電極11に駆動信号Vdを供給する信号供給部40を含む。
【0033】
電極11は、ヘッド部10に配置され、ハンドル部20に配置された信号供給部40に電気的に連結されて駆動信号Vdの供給を受ける。
【0034】
電極11は駆動信号Vdの電気エネルギーを基に電気場を形成する。このような電気場は歯プラークの構造を弱化させるため、使用者は口腔管理装置1を利用して口腔内の歯プラークを効果的に除去することができる。
【0035】
また、このような口腔管理装置1は、電極11を通じて歯ぐきに微細電流を提供し、歯ぐきの炎症や痛みを緩和させることができる。
【0036】
電極11は複数個がヘッド部10に配置され、その中の少なくとも一つの電極11は駆動信号Vdの印加を受ける。この時、接地電極の役割をする電極がヘッド部10に追加設置され得る。
【0037】
また、図1では、電極11がヘッド部10から突出した形態で図示しているが、これに制限されるものではない。一例で、ヘッド部10に別途の溝やホールが形成されて、溝やホール内部に電極11が挿入される。この場合は電極11が外部に突出しない形態を有する。
【0038】
ハンドル部20は、ヘッド部10に連結されて、使用者が把持可能な形態を有する。このようなハンドル部20には口腔管理装置1の作動のための別途のボタンやスイッチ(図示しない)が配置される。
【0039】
信号供給部40は、ハンドル部20の内部に位置し、バッテリー30から供給されるバッテリー電圧Vbを利用して駆動信号Vdを生成する。
【0040】
特に、信号供給部40はAC(Alternating Current)信号とDC(Direct Current)信号とを混合して駆動信号Vdを生成する。
【0041】
それにより、駆動信号VdにはAC成分及びDC成分の両方が含まれ、AC成分及びDC成分の同時適用によるシナジー効果及び共振が発生して歯プラークの原因となるバイオフィルム(biofilm)の除去効果が上昇する。
【0042】
図2aを参照すると、DC成分による電気場は局所的な電荷量分布の不均衡を誘導してバイオフィルムの構造的なストレスを増加させ、AC成分による電気場は特異な振動発生を通じて外部保護体の透過性を増加させる。
【0043】
このようなAC成分とDC成分とのシナジー効果は図2bで確認することができる。即ち、AC成分による電気場とDC電圧による電気場とをそれぞれ単独で提供した時のバイオフィルム除去効果に比べて、AC成分による電気場とDC電圧による電気場とを重畳して同時に提供する場合にバイオフィルムの除去効果が非常に高いことが分かる。
【0044】
本実施形態による信号供給部40が供給する駆動信号Vdによって、DC成分による電気場及びAC成分による電気場が電極11から同時提供されるため、上述したバイオフィルムに関連する増幅された除去効果を達成することができる。
【0045】
また、駆動信号Vdが上述したように交流電圧と直流電圧とが重畳された形態に設定されることによって、直流電圧だけを印加させる場合と比較して身体の感電危険及び身体に誘発される痛みを減らすことができる。
【0046】
一方、バッテリー30は、ハンドル部20の内部に収容され、信号供給部40にバッテリー電圧Vbを提供する。
【0047】
例えば、バッテリー30は1次電池(Primary Battery)又は2次電池(Secondary Battery)に設定される。
【0048】
バッテリー30が1次電池である場合、使用者はバッテリー30を周期的に交換し、バッテリー30が2次電池である場合、多様な充電方式を通じて充電が行われる。
【0049】
例えば、バッテリー30はハンドル部20内に位置した状態で無線充電方式又は有線充電方式を通じて充電される、またハンドル部20から分離して別途充電装置を通じて充電することもできる。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態による口腔管理用電気場生成装置を示す図であり、図4a~図4cは、本発明の一実施形態による信号の波形を示す図である。特に、図4aではフィルターリングされたAC信号Sac’を図示し、図4bではDC信号Sdcを図示し、図4cではフィルターリングされたAC信号Sac’とDC信号Sdcとが混合されて生成された駆動信号Vdを図示する。
【0051】
図3を参照すると、本実施形態による信号供給部40は、DC-DCコンバーター41、信号発生部42、フィルター43、及びキャリブレーション部44を含み、追加的に電圧分配部45を更に含む。
【0052】
DC-DCコンバーター41は、バッテリー30からバッテリー電圧Vbの供給を受けて、バッテリー電圧Vbを所定レベルの出力電圧Voに変換して出力する。
【0053】
信号発生部42は、DC-DCコンバーター41から供給される電圧を基に動作し、DC-DCコンバーター41の出力電圧Voを利用して所定の周波数を有するAC信号Sacを生成する。
【0054】
信号発生部42は、オシレーター(Oscillator)、関数発生器(Function Generator)などのようなAC信号を生成可能な既公知となった構成を利用して具現される。
【0055】
例えば、AC信号Sacは1kHz~1000MHzの周波数に設定される。AC信号Sacが1kHz未満の低周波に設定される場合は歯プラークの除去効果が落ち、AC信号Sacが1000MHzを越える超高周波数に設定される場合も歯プラークの除去効果が落ちるためである。例えば、AC信号Sacの周波数は歯プラークの除去に適する5MHz~15MHzの周波数に設定される。
【0056】
また、AC信号Sacの振幅は0.1mV~3Vに設定される。AC信号Sacの振幅が0.1mV未満である場合はプラーク除去効果を期待し難く、AC信号Sacの振幅が3Vを超過する場合は体液の電気分解による毒素物質が発生する恐れがあるためである。
【0057】
フィルター43は信号発生部42により生成されたAC信号Sacに対するフィルターリング動作を遂行する。一例で、フィルター43は、低域通過フィルター(Low Pass Filter)を含み、のこぎり波(Sawtooth Wave)形態のAC信号Sacをサイン波(Sine Wave)形態のAC信号Sac’に変換する。但し、フィルター43の種類は、これに制限されず、設計構造によって多様な種類のフィルターを採用することができる。
【0058】
キャリブレーション部44はフィルター43を通じて供給されたAC信号Sac’にDC信号Sdcを混合して駆動信号Vdを生成する。一例で、キャリブレーション部44はAC信号Sac’とDC信号Sdcとの合算(又は重畳)が可能な演算増幅器(operating amplifier)で具現されるが、これに制限されるものではない。
【0059】
それにより、AC信号Sac’にはDC信号Sdcに該当するオフセット(offset)が発生し、AC成分及びDC成分の両方を保有する駆動信号Vdが生成される。
【0060】
駆動信号Vdは、AC信号Sac及びDC信号Sdcの特性の両方を含んでいるため、駆動信号Vdは1kHz~1000MHzの周波数に設定され、例えば歯プラークの除去により適する5MHz~15MHzの周波数に設定される。また、駆動信号Vdの振幅は0.1mV~3Vに設定される。
【0061】
図4aを参照すると、キャリブレーション部44は、Aボルト(V)の振幅を有するAC信号Sac’の供給をフィルター43から受け、AC信号Sac’に図4bに示すようなBボルト(V)のDC信号Sdcを重畳することによって図4cに示すような最終の駆動信号Vdを生成する。
【0062】
この時、DC信号Sdcの電圧値はAC信号Sac’の振幅以上に設定される。それにより、駆動信号Vdの電圧値は0V以上に設定される。
【0063】
結局、駆動信号VdのDCオフセット値は駆動信号Vdの振幅と同一であるか又はそれよりも大きく設定される。
【0064】
一方、DC信号Sdcは電圧分配部45により生成される。例えば、電圧分配部45は、DC-DCコンバーター41の出力電圧Voの伝達を受け、出力電圧Voに対する電圧分配を遂行してDC信号Sdcを生成する。
【0065】
電圧分配部45は、出力電圧Voを分配するための抵抗ストリングで構成されるが、これに制限されない。
【0066】
DC-DCコンバーター41の出力電圧Voが駆動信号Vdの生成に直に使用されるのに適する場合、出力電圧VoがDC信号Sdcの役割を遂行する。この場合、電圧分配部45は省略され、DC-DCコンバーター41の出力電圧Voがキャリブレーション部44に入力される。
【0067】
図5は、本発明の他の実施形態による口腔管理用電気場生成装置を示す図であり、図6a~図6cは、本発明の他の実施形態による駆動信号の特性が変更される様子を示す図である。特に、図6aでは駆動信号Vdの特性の中の振幅が変更される様子を図示し、図6bでは駆動信号Vdの特性の中の周波数が変更される様子を図示し、図6cでは駆動信号Vdの特性の中のDCオフセット(DC offset)が変更される様子を図示する。
【0068】
図5を参照すると、本発明の他の実施形態による口腔管理用電気場生成装置2’では信号供給部40が使用者の制御に対応して駆動信号Vdの特性の中の少なくとも一つを変更する。また、口腔管理用電気場生成装置2’は使用者の入力に対応して信号供給部40を制御する制御部50を追加的に含む。
【0069】
例えば、駆動信号Vdの特性は、駆動信号Vdの振幅、周波数、及びDCオフセットを含む。
【0070】
即ち、使用者は、駆動信号Vdの特性を調節することによって、自分に適する最適の駆動信号Vdを設定する。このような機能を通じて、使用者の性別、年齢、歯周疾患の有無などのような個人の特性を考慮した個人化型口腔管理が可能になる。
【0071】
この時、駆動信号Vdの特性制御のための使用者の入力方式は多様に行われる。一例で、使用者が電気場生成装置2’又は口腔管理装置1に設置されたボタン又はスイッチなどを操作することによって、駆動信号Vdに対する調節が行われる。
【0072】
また、電気場生成装置2’は使用者の端末機70と無線通信が可能な通信部60を追加で備え、それにより使用者は自分の端末機70を通じて駆動信号Vdの特性を調節することができる。
【0073】
使用者の端末機70は、電気場生成装置2’に連結される通信機能及びイメージやテキストを出力するディスプレー機能を備える装置であれば特別に限定されない。例えば、使用者端末機70は、デスクトップコンピュータ(desktop computer)、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、タブレット(tablet)PC、無線電話機(wireless phone)、モバイルフォン(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、スマートウォッチ(smart watch)、スマートグラス(smart glass)、ウェアラブル装置(wearable device)などを含むが、これに限定されるものではない。
【0074】
また、通信部60は使用者の端末機70と無線接続されて使用者の端末機70とデータを送受信する。例えば、通信部60は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ワイファイ(WiFi)などのような近距離無線通信方式を通じて使用者の端末機70と無線連結される。但し、通信部60の無線通信方式はこれに制限されるものではなく、既公知となった多様な無線通信方式を採用することができる。
【0075】
使用者は電気場生成装置2’と無線接続された使用者の端末機70を通じて駆動信号Vdの現在の特性情報を確認することができる。例えば、制御部50は使用者端末機70からの要請に対応して駆動信号Vdの振幅、周波数、及びDCオフセットなどのような現在の状態値を使用者の端末機70に伝送する。
【0076】
使用者はこのような駆動信号Vdの特性情報を参照して必要時に駆動信号Vdの特性を変更することができる。
【0077】
即ち、駆動信号Vdの特性変更が必要な使用者は、駆動信号Vdの特性変更のための設定情報を、使用者の端末機70を利用して電気場生成装置2’に伝達することができる。
【0078】
例えば、設定情報は、使用者の性別、年齢、歯周疾患保有情報の中の少なくとも一つを含む。
【0079】
制御部50は、使用者の端末機70から伝送された使用者の性別、年齢、歯周疾患保有情報などを参照して、使用者に適する駆動信号Vdの特性を決定する。一例で、制御部50は、使用者の性別、年齢、歯周疾患保有情報などの設定情報及びこれに対応する駆動信号Vdの特性情報が保存された別途のテーブルやデータを活用する。
【0080】
使用者が入力した設定情報に対応する駆動信号Vdの特性値が決定されると、制御部50は駆動信号Vdが決定された特性値を有するように信号供給部40を制御する。
【0081】
一方、使用者は、自身が望みの駆動信号Vdの特性値を直接入力することによって、駆動信号Vdの特性制御を遂行することができる。
【0082】
この場合、使用者の端末機70から提供される設定情報は、振幅設定値、周波数設定値、及びDCオフセット設定値の中の少なくとも一つを含む。
【0083】
このような設定情報に対応して、制御部50は駆動信号Vdが設定情報(又は設定値)に対応する特性値を有するように信号供給部40を制御する。
【0084】
制御部50は信号発生部42を制御することによってAC信号Sacの振幅及び/又は周波数を変更する。また、制御部50はDC-DCコンバーター41及び/又は電圧分配部45を制御することによってDC信号Sdcの電圧値を調節する。それにより、最終的に駆動信号Vdの特性が変更される。
【0085】
図6aを参照すると、信号供給部40は駆動信号Vdの振幅を変更し、図6bを参照すると、信号供給部40は駆動信号Vdの周波数を変更する。また、図6cを参照すると、信号供給部40は駆動信号VdのDCオフセットを変更する。
【0086】
図6a、図6b、図6cでは駆動信号Vdの特性の中の一つだけが変わる様子を図示するが、これは例示的なものであり、駆動信号Vdの特性の中の多数を複合的に変更することができることは言うまでもない。
【0087】
また、信号供給部40は、駆動信号Vdの特性の中の少なくとも一つを既設定された期間の間、単位時間(P1、P2、P3)別に自動変更する。
【0088】
一例で、使用者は、自分に適する使用モードを決定することができ、上述した入力方式を通じて使用モードを設定することができる。この場合、制御部50は設定された使用モードに対応して駆動信号Vdの特性を時間の流れに応じて自動的に変更する。
【0089】
図6aに示すように、駆動信号Vdの振幅特性は、既設定された期間の間、単位時間(P1、P2、P3)別に自動変更され、図6bに示すように、駆動信号Vdの周波数特性は、既設定された期間の間、単位時間(P1、P2、P3)別に自動変更される。また、図6cに示すように、駆動信号(Vd)のDCオフセット特性は、既設定された期間の間、単位時間(P1、P2、P3)別に自動変更される。
【0090】
上述したように、このような自動変更モードの場合も駆動信号Vdの特性の中の多数を複合的に変更することができる。
【0091】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに、他の具体的な形態に実施することができるということを理解しなければならない。従って、以上で記述した実施形態は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、上述の詳細な説明よりは、特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると理解すべきである。
【符号の説明】
【0092】
1 口腔管理装置
2、2’ (口腔管理用)電気場生成装置
10 ヘッド部
11 電極
20 ハンドル部
30 バッテリー
40 信号供給部
41 DC-DCコンバーター
42 信号発生部
43 フィルター
44 キャリブレーション部
45 電圧分配部
50 制御部
60 通信部
70 使用者の端末機
P1、P2、P3 単位時間
Sac、Sac’ AC信号
Sdc DC信号
Vb バッテリー電圧
Vd 駆動信号
Vo 出力電圧

図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図6c