(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】クレーンゲーム機の制御システム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2024003129
(22)【出願日】2024-01-12
【審査請求日】2024-01-12
(32)【優先日】2023-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】597147094
【氏名又は名称】寶凱電子企業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ミン シャン
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-92956(JP,A)
【文献】特開2006-239179(JP,A)
【文献】特開2023-111276(JP,A)
【文献】特開2009-154006(JP,A)
【文献】特開2006-68833(JP,A)
【文献】[UFOキャッチャー][クレーンゲーム]台湾でも確率無視できるんです!,YouTube [online][video],2023年08月19日,URL: https://www.youtube.com/watch?v=sDJB-cHCiZo,[令和6年11月11日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイ空間を囲む筐体と、前記プレイ空間内に配置されるキャッチャー手段と、を有するクレーンゲーム機を制御するクレーンゲーム機の制御システムであって、
前記クレーンゲーム機の前記キャッチャー手段は、
前記プレイ空間内に移動可能に配置されると共に、制御ワイヤを巻き取って収容可能に前記制御ワイヤの上端部が取り付けられるように構成される上部支持ユニットと、
前記上部支持ユニットに接続されると共に、前記制御ワイヤの巻き取り及び放出を制御するワイヤ制御モータと、
前記上部支持ユニットから吊り下げるように前記制御ワイヤの下端部に取り付けられるキャッチャー保持部と、
前記キャッチャー保持部に取り付けられるキャッチャーアームユニットと、
前記キャッチャーアームユニットを駆動できるように前記キャッチャー保持部に配置されるアーム制御モジュールと、を有するように構成されたものであり、
前記クレーンゲーム機の制御システムは、
前記上部支持ユニットと前記キャッチャー保持部との間に介在するように前記上部支持ユニットの下側に固定されると共に、上下方向に対して直交ではない斜めになっている傾斜当接面を有する制限プレートと、
前記上部支持ユニットに配置され、前記キャッチャー保持部と前記制限プレートが有する前記傾斜当接面との相対位置を検知して対応する位置情報を出力する位置センサと、
前記キャッチャー手段にデータ接続し、前記ワイヤ制御モータ及び前記アーム制御モジュールを制御する制御コマンドを前記キャッチャー手段に出力するコントロールインターフェースと、
前記キャッチャー手段及び前記コントロールインターフェースにデータ接続し、且つ、前記位置情報に基づいて前記制御ワイヤを所定距離巻き取る強制巻き取りコマンドを前記ワイヤ制御モータに出力してからの所定時間後に、前記アーム制御モジュールに対して前記キャッチャーアームユニットの出力を緩ませるリリースコマンドを出力することができるように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とするクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項2】
前記制限プレートが有する前記傾斜当接面は上下方向に対して直交ではない斜めになっているため上下方向において最も下に位置する最低点を有し、
前記プロセッサは、前記リリースコマンドを出力した後、前記制御ワイヤの下端部に取り付けられる前記キャッチャー保持部の上端面が前記傾斜当接面の前記最低点より上の位置にならないようにするリセットコマンドを前記ワイヤ制御モータに対して出力する、請求項1に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記コントロールインターフェース及び前記キャッチャー手段にデータ接続し、前記コントロールインターフェースが前記制御コマンドを出力した後、前記キャッチャーアームユニットを所定のディレイ時間が経過してから動作させるよう前記キャッチャー手段にディレイコマンドを出力するタイミング制御部を有する、請求項1または請求項2に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ディレイ時間を決定する時間決定部を更に有する、請求項3に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記アーム制御モジュールにデータ接続し、前記キャッチャーアームユニットがキャッチを行う際の力加減を制御する出力調整コマンドを前記アーム制御モジュールに対して出力する出力制御部を更に有する、請求項1または請求項2に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項6】
前記出力制御部により出力される前記出力調整コマンドは、前記キャッチャーアームユニットの力加減を第1の出力に調整する第1の段階と、前記キャッチャーアームユニットの力加減を前記第1の出力より大きい第2の出力に調整する第2の段階と、を有する、請求項5に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項7】
前記出力調整コマンドは、前記第1の段階より前に前記キャッチャーアームユニットの力加減を前記第1の出力より大きい瞬時出力に調整する初期段階を更に有する、請求項6に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1の段階の長さを決定する時間決定部を更に有する、請求項6に記載のクレーンゲーム機の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレーンゲーム機に関し、特に、クレーンゲーム機の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、特許文献1に記載される従来のクレーンゲーム機の一例が示されており、図示のように、このようなクレーンゲーム機(或いはUFOキャッチャー(登録商標)、プライズゲーム機と呼ばれる。)は、複数の賞品が筐体の中に設置され、筐体の上方にはキャッチャーアームを有し且つ移動可能なクレーンが設けられる。プレイヤーは例えばジョイスティックもしくはボタンを使ってクレーンの水平移動を制御し、そしてキャッチャーアームを下ろすタイミングを決めて降下するキャッチャーアームで賞品をつかみ取り、賞品出口に移動してキャッチャーアームを開放させ、賞品が取れていたら賞品出口から賞品を取得するゲームを提供する。
【0003】
このようなクレーンゲーム機に関しては、プレイヤーがコインを投入してプレイ権を取得して賞品を取得するチャレンジとなっているため、プレイヤー側の賞品取得率とクレーンゲーム機を提供する側の収益との間にバランスを取る必要があり、従ってクレーンゲーム機の賞品取得率を左右するゲームの難易度を設定/調整することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明はゲームの難易度を調整してスリリングなプレイ体験をプレイヤーに提供して射幸心を刺激する上、ゲームを提供する側の収益の確保を図ることができるクレーンゲーム機の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、
プレイ空間を囲む筐体と、前記プレイ空間内に配置されるキャッチャー手段と、を有するクレーンゲーム機を制御するクレーンゲーム機の制御システムであって、
前記クレーンゲーム機の前記キャッチャー手段は、
前記プレイ空間内に移動可能に配置されると共に、制御ワイヤを巻き取って収容可能に前記制御ワイヤの上端部が取り付けられるように構成される上部支持ユニットと、
前記上部支持ユニットに接続されると共に、前記制御ワイヤの巻き取り及び放出を制御するワイヤ制御モータと、
前記上部支持ユニットから吊り下げるように前記制御ワイヤの下端部に取り付けられるキャッチャー保持部と、
前記キャッチャー保持部に取り付けられるキャッチャーアームユニットと、
前記キャッチャーアームユニットを駆動できるように前記キャッチャー保持部に配置されるアーム制御モジュールと、を有するように構成されたものであり、
前記クレーンゲーム機の制御システムは、
前記上部支持ユニットと前記キャッチャー保持部との間に介在するように前記上部支持ユニットの下側に固定されると共に、上下方向に対して直交ではない斜めになっている傾斜当接面を有する制限プレートと、
前記上部支持ユニットに配置され、前記キャッチャー保持部と前記制限プレートが有する前記傾斜当接面との相対位置を検知して対応する位置情報を出力する位置センサと、
前記キャッチャー手段にデータ接続し、前記ワイヤ制御モータ及び前記アーム制御モジュールを制御する制御コマンドを前記キャッチャー手段に出力するコントロールインターフェースと、
前記キャッチャー手段及び前記コントロールインターフェースにデータ接続し、且つ、前記位置情報に基づいて前記制御ワイヤを所定距離巻き取る強制巻き取りコマンドを前記ワイヤ制御モータに出力してからの所定時間後に、前記アーム制御モジュールに対して前記キャッチャーアームユニットの出力を緩ませるリリースコマンドを出力することができるように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とするクレーンゲーム機の制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のクレーンゲーム機の制御システムは、強制巻き取りコマンドで制御ワイヤを制御してキャッチャー保持部を上部支持ユニットに固定される制限プレートの傾斜当接面に当接させてキャッチャー保持部及びキャッチャーアームユニットを一瞬横に振らせると共に、この瞬間でキャッチャーアームユニットの出力を緩ませるリリースコマンドを出力することで、キャッチャーアームユニットにつかまれている賞品が振り落とされる可能性が高まるので、ゲームの難易度を高めてプレイヤー側の射幸心を刺激してプレイヤー側がゲームを楽しめると共に、クレーンゲーム機を設置する側の収益の確保を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】特許文献1に記載される従来のクレーンゲーム機の一例が示される斜視図である。
【
図2】本発明のクレーンゲーム機の制御システムの実施例が適用されるクレーンゲーム機の構成が示される説明図である。
【
図3】本発明のクレーンゲーム機の制御システムの同実施例における位置センサとコントロールインターフェースとプロセッサのデータ接続関係が示されるブロック図である。
【
図4】同実施例において用いられる制限プレートの構成が例示される斜視図である。
【
図5】プロセッサが強制巻き取りコマンドを出力した後リリースコマンドを出力する状況が示される説明図である。
【
図6】プロセッサがリリースコマンドを出力した後リセットコマンドを出力する状況が示される説明図である。
【
図7】プロセッサにおけるタイミング制御部の機能が示されるブロック図である。
【
図8】プロセッサにおける出力制御部の機能が示されるブロック図である。
【
図9】出力制御部による出力調整コマンドにおける第1の段階と第2の段階が示されるタイムラインである。
【
図10】出力制御部による出力調整コマンドの変化例が示されるタイムラインである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2に本発明のクレーンゲーム機の制御システムの1つの実施例が示されている。図中に示されるクレーンゲーム機1には、本発明のクレーンゲーム機の制御システムの同実施例が適用されており、プレイ空間110を囲む筐体11と、プレイ空間110内に配置されるキャッチャー手段12と、を有する。
【0010】
このクレーンゲーム機1のキャッチャー手段12は、
図2および
図3に示されるように、プレイ空間110内に水平移動可能に配置されると共に、制御ワイヤ129を巻き取って収容可能に制御ワイヤ129の上端部が取り付けられるように構成される上部支持ユニット122と、上部支持ユニット122に接続されると共に、制御ワイヤ129の巻き取り及び放出を制御するワイヤ制御モータ123と、上部支持ユニット122から吊り下げるように制御ワイヤ129の下端部に取り付けられるキャッチャー保持部121と、キャッチャー保持部121に取り付けられるキャッチャーアームユニット124と、キャッチャーアームユニット124を駆動できるようにキャッチャー保持部121に配置されるアーム制御モジュール125と、を基本構成として有するように構成されたものである。
【0011】
図2と
図3を再び参照すると、キャッチャー手段12が有するキャッチャー保持部121は略円柱状に形成されており、上部支持ユニット122には、制御ワイヤ129を巻き取って収容するリールが配置され、ワイヤ制御モータ123はこのリールを制御することにより、制御ワイヤ129及び制御ワイヤ129の下端に吊り下げるキャッチャー保持部121の上下方向における動きを制御できるようになっている。
【0012】
キャッチャーアームユニット124はキャッチャー保持部121に保持されると共に、キャッチャー保持部121に内蔵されるアーム制御モジュール125により駆動されて賞品をつかんだりリリースしたりすることができる。そしてこの実施形態において、アーム制御モジュール125としては例えば電磁リニアモータを用いることができる。
【0013】
上記構成を有するクレーンゲーム機は従来技術であるため、上記各部材及び上記各部材以外の構成に関する詳しい説明を省略する。
【0014】
図2と
図3と
図4に示されるように、本発明のクレーンゲーム機の制御システムは、制限プレート2と、位置センサ3と、コントロールインターフェース4と、プロセッサ5と、を備える。
【0015】
図4に示されるように、制限プレート2は例えば金属材料により湾曲した板状に作成され、例えばねじなどの従来の固定手段を用いてキャッチャー手段12の上部支持ユニット122とキャッチャー保持部121との間に介在するように上部支持ユニット122の下側に固定されると共に、上下方向に対して直交ではない斜めになっていると共にキャッチャー手段12側に面する傾斜当接面21を有する。
【0016】
この構成により、制御ワイヤ129に吊り下げるキャッチャー保持部121が上昇して制限プレート2の傾斜当接面21に当接すると、傾斜当接面21の傾斜角度に応じてキャッチャーアームユニット124と共に一瞬横に振れた姿勢となると共に、キャッチャー保持部121が上部支持ユニット122に直接に当たることを防止することができる。
【0017】
位置センサ3は、キャッチャー手段12の上部支持ユニット122に配置され、キャッチャー保持部121と制限プレート2が有する傾斜当接面21との相対位置を検知して対応する位置情報を出力する。位置センサ3としては、制限プレート2が有する傾斜当接面21に隣接する位置に配置されるのが好ましく、ワイヤ制御モータ123により制御ワイヤ129が巻き取られてキャッチャー保持部121が上昇する際においてキャッチャー保持部121が傾斜当接面21に接近したことを検知して対応する位置情報を出力することができる。
【0018】
また、
図3に示されるように、コントロールインターフェース4はプレイヤーにより操作されるものであり、例えばジョイスティックやボタンを備え、プレイヤーによる操作に応じて上部支持ユニット122を水平移動させ、もしくはキャッチャー保持部121を下ろして賞品をつかみ取るプレイヤーからの指示を受けることができる。コントロールインターフェース4は、キャッチャー手段12にデータ接続し、プレイヤーによるワイヤ制御モータ123及びアーム制御モジュール125に対する指示を制御コマンドとしてキャッチャー手段12及びプロセッサ5に出力する。
【0019】
プロセッサ5は、キャッチャー手段12及びコントロールインターフェース4にデータ接続し、且つ、位置センサ3からの位置情報に応じて制御ワイヤ129を所定距離巻き取る強制巻き取りコマンドをワイヤ制御モータ123に出力してからの所定時間後に、アーム制御モジュール125に対してキャッチャーアームユニット124の出力を緩ませるリリースコマンドを出力することができるように構成される。
【0020】
プロセッサ5として具体的には予めに作成されたプログラムを実行するCPUなどで構成されることができ、本発明のこの実施形態においては、コントロールインターフェース4及びキャッチャー手段12にデータ接続するタイミング制御部51と、アーム制御モジュール125にデータ接続する出力制御部52と、タイミング制御部51及び出力制御部52にデータ接続して特定のコマンドの時間パラメータを決定する時間決定部53との3つの機能を備えるように構成されている。プロセッサ5におけるこのタイミング制御部51と出力制御部52と時間決定部53に関しては、それぞれ特定の機能を発揮するものであるが、具体的には例えばプロセッサ5が実行するプログラムにおける異なるアルゴリズム/処理プロセスとして実装されることが出来るため、物理的に異なる部材として存在する必要はない。
【0021】
図2と
図3と
図5に示されるように、キャッチャーアームユニット124が賞品をつかんでキャッチャー保持部121と共にワイヤ制御モータ123が制御ワイヤ129を巻き取ることによって上升する過程において、キャッチャー保持部121が制限プレート2の傾斜当接面21に接近したことを示す位置情報を位置センサ3から受信すると、プロセッサ5はこの位置情報に基づいてワイヤ制御モータ123に対して制御ワイヤ129を更に所定の長さ/距離分巻き取る強制巻き取りコマンドを出力し、このコマンドに応じたワイヤ制御モータ123の動作によりキャッチャー保持部121は更に上昇して制限プレート2の傾斜当接面21に当接することによって傾斜当接面21の傾斜角度に応じてキャッチャーアームユニット124と共に一瞬横に振れた姿勢となる。それから、ワイヤ制御モータ123が制御ワイヤ129を巻き取るスピードを考慮し、強制巻き取りコマンドをワイヤ制御モータ123に出力してからの所定時間後にアーム制御モジュール125に対してキャッチャーアームユニット124の出力を緩ませるリリースコマンドを出力する。すなわち、キャッチャー保持部121が制限プレート2の傾斜当接面21に当接する瞬間を予測し、その瞬間に合わせてアーム制御モジュール125に対してキャッチャーアームユニット124の出力を緩ませるリリースコマンドを出力することで、キャッチャーアームユニット124につかまれている賞品を振り落とす効果を発揮することができる。
【0022】
図5と
図6に示されるように、制限プレート2が有する傾斜当接面21は上下方向に対して直交ではない斜めになっているため、上下方向において最も下に位置する最低点211が存在し、プロセッサ5は、リリースコマンドを出力した後、制御ワイヤ129の下端部に取り付けられるキャッチャー保持部121の上端面が傾斜当接面21の最低点211より上の位置にならないようにするリセットコマンドをワイヤ制御モータ123に対して出力することで、キャッチャー保持部121が、制限プレート2が有する傾斜当接面21に当接して横に向いた状態を解除しプレイヤーの再度の操作の妨げにならないようにすることができる。
【0023】
更に、
図7と
図3に示されるように、タイミング制御部51はコントロールインターフェース4からプレイヤーからの制御コマンドを受信した後、キャッチャーアームユニット124を所定のディレイ時間が経過してからプレイヤーが予期するつかむ動作を行わせるようキャッチャー手段12にディレイコマンドを出力する。なお、ディレイ時間の長さは時間決定部53により決められ、例えば0.1~0.5秒の範囲内でランダムに決定したり、予め設定されたパラメータに従って決定したりすることができる。ランダムに決定される場合、プレイヤーがコントロールインターフェース4を操作してから実際にキャッチャーアームユニット124が賞品をつかむ動作を開始するまでの間隔、言い換えれば商品をつかむタイミングはランダムとなり、これによってもゲームの難易度を調整することができる。
【0024】
図8と
図9と
図3に示されるように、出力制御部52はアーム制御モジュール125がキャッチャーアームユニット124を制御する際、キャッチャーアームユニット124の賞品に対して出力するつかみ力の強さ、即ちキャッチャーアームユニット124がキャッチを行う際の力加減をプロセッサ5側から自在に制御するものであり、出力制御部52からアーム制御モジュール125に出力調整コマンドを出力することによって、賞品の形態に合わせたつかみ力に設定されることができる。
【0025】
具体的には、出力調整コマンドはキャッチャーアームユニット124の力加減を第1の出力に調整する第1の段階と、キャッチャーアームユニット124の力加減を第1の出力より大きい第2の出力に調整する第2の段階とを有することができる。出力調整コマンドに応じてキャッチャーアームユニット124が第1の段階で所定の時間稼働してから、第2の段階に切り替えられることになるが、この第1の段階が続く時間はプロセッサ5の時間決定部53によって決められるように構成されることができる。
【0026】
また、
図10と
図3と
図8に示されるように、プロセッサ5の変化例としては、例えば出力調整コマンドは第1の段階より前にキャッチャーアームユニット124の力加減を第1の出力より大きい瞬時出力に調整する、即ちキャッチャーアームユニット124を上記瞬時出力で賞品をキャッチするようにする初期段階を有することができる。これによりプレイヤーがコントロールインターフェース4を操作する際に、第1の出力より大きい瞬時出力で賞品を少なくとも一時的にキャッチできるようにすることができるので、射幸心をより一層に刺激するだけでなく、技巧性のある操作を駆使したいというプレイヤーの要求をも満たすことができる。
【0027】
上記のように、本発明のクレーンゲーム機の制御システムは、強制巻き取りコマンドで制御ワイヤ129を制御してキャッチャー保持部121を上部支持ユニット122に固定される制限プレート2の傾斜当接面21に当接させてキャッチャー保持部121及びキャッチャーアームユニット124を一瞬横に振らせると共に、この瞬間でキャッチャーアームユニット124の出力を緩ませるリリースコマンドを出力することで、キャッチャーアームユニット124につかまれている賞品が振り落とされる可能性が高まり、更に、プレイヤーが賞品をつかむタイミングをずらしたり、賞品をつかむキャッチャーアームの出力を変化させることによって、ゲームの難易度を高めてプレイヤー側の射幸心を刺激してプレイヤー側がゲームを楽しめると共に、クレーンゲーム機を設置する側の収益の確保を図ることができるので、本発明の目的を確実に達成することができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 クレーンゲーム機
11 筐体
110 プレイ空間
12 キャッチャー手段
121 キャッチャー保持部
122 上部支持ユニット
123 ワイヤ制御モータ
124 キャッチャーアームユニット
125 アーム制御モジュール
129 制御ワイヤ
2 制限プレート
21 傾斜当接面
211 最低点
3 位置センサ
4 コントロールインターフェース
5 プロセッサ
51 タイミング制御部
52 出力制御部
53 時間決定部
【要約】
【課題】ゲームの難易度を調整して射幸心を刺激する上、ゲームを提供する側の収益の確保を図ることができるクレーンゲーム機の制御システムを提供する。
【解決手段】上部支持ユニット122の下側に固定されると共に、上下方向に対して直交ではない斜めになっている傾斜当接面を有する制限プレート2と、キャッチャー保持部121と制限プレート2が有する傾斜当接面との相対位置を検知して対応する位置情報を出力する位置センサ3と、位置情報に基づいて制御ワイヤ129を所定距離巻き取る強制巻き取りコマンドをワイヤ制御モータに出力してからの所定時間後に、アーム制御モジュールに対してキャッチャーアームユニット124の出力を緩ませるリリースコマンドを出力するプロセッサと、を有するクレーンゲーム機の制御システム。
【選択図】
図2