(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム、頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241216BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2024035294
(22)【出願日】2024-03-07
【審査請求日】2024-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521407050
【氏名又は名称】株式会社Berry
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】中野 裕士
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0236251(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113199760(CN,A)
【文献】韓国登録特許第2537144(KR,B1)
【文献】特開2023-094208(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113599044(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0279658(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末と、
前記対象者の頭部の形状に関する形状データに基づいて、前記対象者の前記頭蓋形状を矯正するために前記頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメットを製造する製造者が使用する製造側端末と、
前記対象者又は前記対象者の関係者が使用する対象者端末と、
前記医師側端末と前記製造側端末と
前記対象者端末との間で、前記頭蓋形状矯正ヘルメットに関するヘルメット情報と前記形状データとを入出力するサーバと、
を備え、
前記頭蓋形状矯正ヘルメットは、前記対象者の前記頭部を収容する頭部収容空間のサイズを調整可能であり、
前記ヘルメット情報は、前記形状データに基づいて生成され、前記頭部の形状を示す3Dデータと、当該3Dデータに基づいて生成され、理想とする前記頭部の形状を示す目標データと、当該目標データに基づいて生成され、前記対象者に装着される前記頭蓋形状矯正ヘルメットの形状を示すヘルメットデータと、前記対象者に適した前記頭部収容空間のサイズに関するサイズ情報と、を含み、
前記サーバは、
前記医師側端末から前記形状データを受信するとともに、受信した前記形状データを前記製造側端末に送信し、
前記製造側端末から前記ヘルメット情報を受信するとともに、受信した前記ヘルメット情報を前記医師側端末に送信し、
前記対象者端末は、前記サーバから前記サイズ情報を取得可能であり、
前記サイズ情報は、前記頭蓋形状矯正ヘルメットの装着開始時の前記対象者の前記頭部の長軸と、前記頭蓋形状矯正ヘルメットを用いた治療中の前記対象者の前記頭部の長軸と、に基づいて決定される情報である頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム。
【請求項2】
前記医師側端末は、表示部を備え、
前記サーバは
、前記対象者の前記頭蓋形状の矯正にかかる推定治療期間に関する治療期間情報を
前記医師側端末の前記表示部に表示させる請求項1に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム。
【請求項3】
前記対象者は、乳幼児であり、
前記ヘルメット情報は、現在の前記対象者の前記頭部の頭囲と、前記対象者の理想の頭部の形状を示す目標データの頭囲と、をさらに含み、
前記治療期間情報は、現在の前記対象者の前記頭部の頭囲と、前記対象者の理想の頭部の形状を示す目標データの頭囲と、乳幼児の月齢とともに変化する平均的な頭囲を示す頭囲成長曲線と、に基づいて推定される請求項2に記載の頭蓋形状ヘルメット管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
治療開始後の前記対象者の前記頭部の形状を示す3Dデータと、頭囲成長曲線と、に基づいて、報知情報を出力する請求項1に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット。
【請求項5】
前記サーバは、前記医師側端末と前記製造側端末との間及び前記医師側端末と前記対象者端末との間でのチャット形式の対話手段を提供する請求項1に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、治療者が前記ヘルメット情
報の妥当性を選択するための操作部を前記医師側端末に出力し、
前記医師側端末に出力された前記操作部を通じて選択された前記妥当性の選択結果を取得し、前記製造側端末に出力する請求項1に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム。
【請求項7】
対象者の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末と、
前記対象者の頭部の形状に関する形状データに基づいて、前記対象者の前記頭蓋形状を矯正するために前記頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメットを製造する製造者が使用する製造側端末と、
前記対象者又は前記対象者の関係者が使用する対象者端末と、
の間で、前記頭蓋形状矯正ヘルメットに関するヘルメット情報と前記形状データとを入出力させる処理をコンピュータに実行させ
、
前記頭蓋形状矯正ヘルメットは、前記対象者の前記頭部を収容する頭部収容空間のサイズを調整可能であり、
前記ヘルメット情報は、前記形状データに基づいて生成され、前記頭部の形状を示す3Dデータと、当該3Dデータに基づいて生成され、理想とする前記頭部の形状を示す目標データと、当該目標データに基づいて生成され、前記対象者に装着される前記頭蓋形状矯正ヘルメットの形状を示すヘルメットデータと、前記対象者に適した前記頭部収容空間のサイズに関するサイズ情報と、を含み、
前記入出力させる処理では、
前記医師側端末から前記形状データを受信するとともに、受信した前記形状データを前記製造側端末に送信し、
前記製造側端末から前記ヘルメット情報を受信するとともに、受信した前記ヘルメット情報を前記医師側端末に送信し、
前記対象者端末は、前記サイズ情報を取得可能であり、
前記サイズ情報は、前記頭蓋形状矯正ヘルメットの装着開始時の前記対象者の前記頭部の長軸と、前記頭蓋形状矯正ヘルメットを用いた治療中の前記対象者の前記頭部の長軸と、に基づいて決定される情報である頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法。
【請求項8】
対象者の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末と、
前記対象者の頭部の形状に関する形状データに基づいて、前記対象者の前記頭蓋形状を矯正するために前記頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメットを製造する製造者が使用する製造側端末と、
前記対象者又は前記対象者の関係者が使用する対象者端末と、
の間で、前記頭蓋形状矯正ヘルメットに関するヘルメット情報と前記形状データとを入出力させる機能をコンピュータに実現させ
、
前記頭蓋形状矯正ヘルメットは、前記対象者の前記頭部を収容する頭部収容空間のサイズを調整可能であり、
前記ヘルメット情報は、前記形状データに基づいて生成され、前記頭部の形状を示す3Dデータと、当該3Dデータに基づいて生成され、理想とする前記頭部の形状を示す目標データと、当該目標データに基づいて生成され、前記対象者に装着される前記頭蓋形状矯正ヘルメットの形状を示すヘルメットデータと、前記対象者に適した前記頭部収容空間のサイズに関するサイズ情報と、を含み、
前記入出力させる処理では、
前記医師側端末から前記形状データを受信するとともに、受信した前記形状データを前記製造側端末に送信し、
前記製造側端末から前記ヘルメット情報を受信するとともに、受信した前記ヘルメット情報を前記医師側端末に送信し、
前記対象者端末は、前記サイズ情報を取得可能であり、
前記サイズ情報は、前記頭蓋形状矯正ヘルメットの装着開始時の前記対象者の前記頭部の長軸と、前記頭蓋形状矯正ヘルメットを用いた治療中の前記対象者の前記頭部の長軸と、に基づいて決定される情報であるコンピュータのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム、頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、斜頭等の治療を要する頭蓋変形が生じた乳幼児等の対象者に対し、頭部の形状を矯正する頭蓋形状矯正ヘルメットが知られている。この種の頭蓋形状矯正ヘルメットが記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【0003】
特許文献1には、乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、頭蓋形状矯正ヘルメットは、医師等の治療者が対象者の頭部の形状の3Dスキャンを行って取得した画像または3Dデータに基づいて専門の製造者により製造される。頭蓋形状矯正ヘルメットは、治療に行うにあたって適切な形状である必要があり、設計データに対して製造前に治療者による確認を行うことが望ましい。しかし、治療の対象者は一人ではなく、複数の対象者ごとに製造前の設計データの確認を行う必要がある。また、治療者と製造者の双方において、対象者ごとにデータを管理する必要もあり、管理の効率化という点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、治療者と製造者の間で行われる頭蓋形状矯正ヘルメットに関するデータ等のやり取り及びデータ管理を効率化できる頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム、頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、対象者の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末と、前記対象者の頭部の形状に関する形状データに基づいて、前記対象者の前記頭蓋形状を矯正するために前記頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメットを製造する製造者が使用する製造側端末と、前記医師側端末と前記製造側端末との間で、前記頭蓋形状矯正ヘルメットに関するヘルメット情報と前記形状データとを入出力するサーバと、を備える頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム、頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法及びプログラムによれば、治療者と製造者の間で行われる頭蓋形状矯正ヘルメットに関するデータ等のやり取り及びデータ管理を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムを示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムで管理される頭蓋形状矯正ヘルメットの一例を示す斜視図である。
【
図3】頭蓋形状矯正ヘルメットのシェルの形状を示す模式断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムにおける医師側端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムにおけるサーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システムにおけるサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】実際の頭部の3Dデータを含む基準3点指定画面の表示例である。
【
図8】3点基準に基づく頭蓋形状の測定方法の一例を説明する図である。
【
図9】治療経過に伴う頭蓋形状の歪みを示す指標の変化をグラフで示す表示例である。
【
図10】発注管理部によって医師側端末に表示される発注画面の表示例である。
【
図11】目標ヘルメットデータ管理部によって医師側端末に表示される目標データの確認画面の表示例である。
【
図12】目標ヘルメットデータ管理部によって医師側端末に表示されるヘルメットデータの確認画面の表示例である。
【
図13】実際の頭部の形状を示す3Dデータの頭囲と目標データの頭囲の関係を示す模式図である。
【
図14】頭囲成長曲線と目標データの頭囲の関係を示すグラフである。
【
図15】納品日を加味していない目標データの頭囲と納品日を加味した目標データの頭囲の関係を示す模式図である。
【
図16】頭囲成長曲線と納品日を加味した目標データの頭囲の関係を示すグラフである。
【
図17】頭部の成長に基づくスリット幅の算出を説明する模式図である。
【
図18】患者データ管理部によって医師側端末に表示される患者詳細データの表示例である。
【
図19】対象者端末の治療記録アプリの装着時間画面の表示例である。
【
図20】対象者端末の治療記録アプリの治療経過グラフの表示例である。
【
図21】対象者端末の治療記録アプリの3Dデータの表示例である。
【
図22】頭蓋形状矯正ヘルメットを管理する管理処理の流れの一部を示すフロー図である。
【
図23】頭蓋形状矯正ヘルメットを管理する管理処理の流れの一部を示すフロー図である。
【
図24】頭蓋形状矯正ヘルメットを管理する管理処理の流れの一部を示すフロー図である。
【
図25】頭蓋形状矯正ヘルメットを管理する管理処理の流れの一部を示すフロー図である。
【
図26】頭蓋形状矯正ヘルメットを管理する管理処理の流れの一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<システムの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1を示す模式図である。頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1は、対象者100の頭部の形状を矯正する頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造するためのシステムである。
図1に示すように、本実施形態の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1は、医師側端末2と、サーバ3と、製造側端末4と、対象者端末5と、を含んで構成される。
【0012】
医師側端末2は、対象者100に対して治療を行う治療者によって使用される情報処理装置である。治療者は、例えば、医師や医師の補助者である。医師側端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等によって構成される。
【0013】
治療者は、対象者100の頭部の形状を測定するために、対象者100の頭部の形状に関する形状データを取得する。例えば、治療者は、対象者100の頭部を様々な角度で撮影する3Dスキャン撮影を行い、形状データを取得する。形状データとしては、対象者100の頭部を撮影された複数の画像、動画、3Dデータ等が挙げられる。本実施形態では、頭部の形状の測定精度を高めるために、対象者100に識別マーカを有するキャップ6をかぶせた状態で撮影が行われる。なお、3Dスキャン撮影において、対象者100の頭部の形状測定において、キャップ6が必ずしも必要な訳ではない。撮影された形状データ(3Dスキャンデータ)は、医師側端末2からサーバ3にアップロードされる。
【0014】
サーバ3は、インターネット等の所定の通信ネットワークを介して医師側端末2、製造側端末4及び対象者端末5に接続される。サーバ3は、医師側端末2、製造側端末4及び対象者端末5に対し、頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造するための各種情報の受付(入力処理)及び提供(出力処理)を行う情報処理装置である。サーバ3は、例えば、コンピュータによって構成される。
【0015】
製造側端末4は、頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造する製造者によって使用される情報処理装置である。製造側端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等によって構成される。製造者は、製造側端末4を通じてサーバ3から対象者100の頭部を撮影した複数の画像、動画又は3Dデータをダウンロードし、当該データに基づいて対象者100の頭部の形状を示す3Dデータの生成や頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造を行う。
【0016】
対象者端末5は、対象者100又は対象者100の関係者によって使用される情報処理装置である。対象者100の関係者は、例えば、対象者100が乳幼児の場合の保護者である。対象者端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等によって構成される。
【0017】
頭蓋形状矯正ヘルメット7は、対象者100の頭部に被せることにより、頭蓋の成長に伴って頭蓋の形状が矯正されるように変形を促すものである。対象となる対象者100は、例えば、斜頭、短頭、長頭等の治療を要する頭蓋変形が生じた乳児や幼児等が挙げられる。斜頭とは、頭蓋が左右対称ではなく片側に傾斜している変形形状である。短頭とは、頭蓋の前後方向寸法が著しく短い変形形状である。長頭とは、頭蓋の前後方向寸法が著しく長い変形形状である。なお、対象者100は、乳児や幼児に限定される訳ではない。
【0018】
次に、頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1の管理対象である頭蓋形状矯正ヘルメット7の構成の一例について
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1で管理される頭蓋形状矯正ヘルメット7の一例を示す斜視図である。
図3は、頭蓋形状矯正ヘルメット7のシェル70の形状を示す模式断面図である。
図3には、上下方向で見たシェル70の水平断面が示されている。
【0019】
図2に示すように、頭蓋形状矯正ヘルメット7は、環状のシェル70と、シェル70の内側に配置されて対象者100の頭部に接触するクッション性を有するインナーライナー71と、シェル70の形状を調整するためのベルト部72と、を備える。
【0020】
図3に示すように、シェル70は、その断面形状が平面視において略C字状に形成されており、内側に頭部収容空間Spを形成する。また、シェル11は、その一側の端部73と他側の端部74の間に、スリット幅dの隙間を有する。シェル70は、スリット幅dの隙間の大きさを調整することにより、対象者100の頭部形状の変化に対応することができる。対象者100の頭部が成長により大きくなると、スリット幅dが大きくなるようにベルト部72を調整することにより、シェル70の外形を大きくなった対象者100の頭部に合わせることができる。このように、頭蓋形状矯正ヘルメット7は、対象者100の頭部の治療状況に応じて、頭部を収容する頭部収容空間Spのサイズを調整可能である。
【0021】
なお、
図2及び
図3を参照して説明した頭蓋形状矯正ヘルメット7の形状は一例であり、頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1の管理対象には種々の形状及び構成の頭蓋形状矯正ヘルメット7を含めることができる。
【0022】
<ハードウェア構成>
次に、頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1を実現するハードウェア構成の一例を説明する。
【0023】
まず、医師側端末2のハードウェアの構成の一例について
図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1における医師側端末2のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0024】
医師側端末2は、
図4に示すように、コンピュータ26と、撮影部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、表示部25と、を含む。そして、バス264等が、これら各部を接続する。
【0025】
コンピュータ26は、プロセッサ261と、主記憶装置としてのROM(read-only memory)262及びRAM(random-access memory)263と、を含む。プロセッサ261は、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサ261は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ261は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサ261は、ROM262、RAM263又は記憶部22の一部である補助記憶装置などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、医師側端末2の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサ261の回路内に組み込まれていても良い。
【0026】
撮影部21は、被写体を撮影する装置であり、撮像レンズ211と、調整機構212と、イメージセンサ213と、A/D変換部214と、を主に備える。
【0027】
撮像レンズ211は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズで構成される。撮像レンズ211としては、例えばイメージセンサ213の受光面に被写体像を結像させるレンズや焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズ等が挙げられる。
【0028】
調整機構212は、露光時間、絞り、ISO感度、焦点距離等を調整するための機構である。
【0029】
イメージセンサ213は、行列のマトリックス状に各画素を二次元配置した受光面に被写体を結像させ、電気信号に変換する。イメージセンサ213は、例えば、CMOSイメージセンサであってもよく、CCDイメージセンサであってもよい。
【0030】
A/D変換部214は、イメージセンサ213から読み出された電気信号をデジタル信号に変換する。A/D変換部214によって変換されたデジタル信号によって画像が形成される。撮影部21によって撮像された画像は、コンピュータ26や記憶部22、表示部25等に送信される。
【0031】
記憶部22は、ハードウェア群を医師側端末2として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードディスクドライブ(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部22には、本実施形態の各機能をコンピュータ26に実行させるためのプログラム、撮影部21のイメージセンサ213のサイズ、キャップ6の識別マーカのサイズ及び形状、画像に対する後述する品質基準等が記憶される。
【0032】
通信部23は、医師側端末2がサーバ3や他の装置と通信を行うための処理を実行する。本実施形態の通信部23は、医師側端末2とサーバ3との間で無線通信可能に構成される。
【0033】
入力部24は、電気的にコンピュータ26に接続されるユーザインターフェースである。入力部24は、ボタンやディスプレイによって構成される。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイで構成されており、ディスプレイの画像表示面には、ユーザによるタッチ位置を検出するタッチパネルが設けられる。ユーザがディスプレイの画像表示面をタッチすることで情報の入力を行うことができる。
【0034】
表示部25は、電気的にコンピュータ26に接続されるユーザインターフェースである。表示部25は、ディスプレイによって構成される。表示部25には、撮影部21や記憶部22、コンピュータ26等から送信された画像や種々の情報が表示される。
【0035】
なお、医師側端末2において、撮影部21は他の構成と物理的に同じ筐体に収容されてもよいし、他の構成を収容する筐体から独立した別個の構成であってもよい。別個の構成の場合、撮影部21は有線通信又は無線通信により取得した画像情報を他の構成とやり取りする構成としてもよい。
【0036】
次に、サーバ3のハードウェアの構成の一例について
図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1におけるサーバ3のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0037】
サーバ3は、
図5に示すように、コンピュータ33と、記憶部31と、通信部32と、を含む。そして、バス334等が、これら各部を接続する。
【0038】
コンピュータ33は、プロセッサ331と、主記憶装置としてのROM(read-only memory)332及びRAM(random-access memory)333と、を含む。プロセッサ331は、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサ331は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ331は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサ331は、ROM332、RAM333又は記憶部31の一部である補助記憶装置などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、サーバ3の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサ331の回路内に組み込まれていても良い。
【0039】
記憶部31は、ハードウェア群をサーバ3として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードディスクドライブ(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部31には、本実施形態の各機能をコンピュータ33に実行させるためのプログラム、医師側端末2から取得した画像、生成した頭部の3Dデータ等が記憶される。
【0040】
通信部32は、サーバ3がネットワークを介して医師側端末2や他の装置と通信を行うための処理を実行する。本実施形態の通信部32は、医師側端末2とサーバ3との間で無線通信可能に構成される。
【0041】
本実施形態において、製造側端末4は、
図5で説明したハードウェア構成と共通又は同様の構成を有するものである。また、対象者端末5は、
図4で説明したハードウェア構成と共通又は同様の構成を有するものとする。
【0042】
<機能的構成>
次に、サーバ3のハードウェア構成によって実現される各種機能について
図6を参照して説明する。
図6に示すように、サーバ3は、データ取得部51と、重症度算出部52と、発注管理部53と、目標ヘルメットデータ管理部54と、治療期間推定部55と、目標頭囲算出部56と、スリット幅算出部57と、患者データ管理部58と、アプリ連携部59と、対話手段提示部60と、をプロセッサ(プロセッサ331)上で動作する機能部として備える。
【0043】
データ取得部51は、医師側端末2からアップロードされる3Dスキャン撮影のデータ(複数の画像)を取得し、記憶部31に構築される患者データベースに登録する。製造者は、製造側端末4を用いてサーバ3から3Dスキャン撮影のデータをダウンロードし、ダウンロードした画像データに基づいて実際の頭部の形状を示す3Dデータを作成する。データ取得部51は、製造側端末4からアップロードされる対象者100の3Dデータも取得する。
【0044】
重症度算出部52は、実際の頭部の3Dデータに対して治療者によって指定される基準3点に基づいて重症度を示す指標を算出する。
図7~
図9を参照して重症度算出部52について説明する。基準3点は、鼻の位置に基づく鼻基準点101と、左側の耳の位置に基づく左耳基準点102と、右側の耳の位置に基づく右耳基準点103と、である。基準3点は、実際の対象者100の頭部の3Dデータに対して治療者によって指定される。
【0045】
図7は、実際の頭部の3Dデータを含む基準3点指定画面の表示例である。
図7の例では、3Dデータ表示部401、六面表示部402、断面表示部403、数値表示部404が示されている。
【0046】
3Dデータ表示部401は、実際の頭部の形状を示す3Dデータを表示する。治療者は、3Dデータ表示部401上で基準3点を指定することができる。例えば、治療者は、表示画面上で基準3点を示す点をクリックしてその点を指定する部位に移動させることで基準3点を指定することができる。また、治療者によらず、プロセッサ331が自動的に基準3点の位置を特定することで基準3点を指定してもよい。六面表示部402は、3Dデータの六面図を表示する。この六面図には、治療者が指定した基準3点の表示も反映される。断面表示部403は、基準3点を含む平面を第0平面とし、その平面と平行な平面で頭頂までを10分割した際の第0平面を除いて下から3番目の平面である第3平面で切断した対象者100の頭部の切断面を表示する。第3平面は、10分割した平面の中で最も頭囲が大きくなる傾向にある。数値表示部404は、指定された基準3点に基づいて計算される各指標の数値や頭部の形状を示す数値を示す表を表示する。
【0047】
重症度算出部52による各種数値の算出について説明する。
図8は、3点基準に基づく頭蓋形状の測定方法の一例を説明する図である。
図8に示すように、重症度算出部52は、鼻基準点101と頭蓋中心104を結び、後頭部側まで延びる直線である鼻中心線(頭部の前後径Lnを示す線分)から所定の角度θ1傾いた一対の第1の斜線OL1と第2の斜線OL2とを作図する。所定の角度は、例えば30度である。重症度算出部52は、第1の斜線OL1及び第2の斜線OL2と頭部の輪郭105の交点をそれぞれ算出する。重症度算出部52は、第1の斜線OL1の輪郭105の内側の長さL1を求める。重症度算出部52は、第2の斜線OL2の輪郭105内の長さL2を求める。重症度算出部52は、L1とL2との差に基づいて、頭蓋の変形度合いを計算する。
【0048】
本実施形態において、重症度算出部52によって算出される指標は、CA(Cranial Asymmetry)及びCVAI(Cranial Vault Asymmetry Index)や、CI(Cephalic Index)である。
【0049】
CAは、頭部の形状の左右差によりゆがみ(斜頭度)を示す指標である。CAは、例えば次の数式1によって算出される。単位はmmである。
[数式1]
CA=|L1-L2|
【0050】
CAVIは、斜頭率によってゆがみ(斜頭度)を示す指標である。CAVIは、例えば次の数式2によって算出される。単位は%である。
[数式2]
CAVI=(L1-L2)/L2×100
【0051】
CIは、3点基準で決まる平面における頭部の左右径Leと前後径Lnの比率によってゆがみ(短頭度)を示す指標である。CIは、絶壁度を示す指標として利用してもよい。CIは、例えば次の数式3によって算出される。単位は%である。
[数式3]
CI=Le/Ln×100
【0052】
図7の数値表示部404の例では、3点基準によって決まる平面における頭部形状(頭囲、左右径、前後径等)、CA、CVAI及びCI等の各指標、前頭部左右対称率、後頭部左右対称率の数値が示されている。また、各指標には対応する計測結果も示されている。この例では、CIの計測結果は正常を示し、CAの計測結果は中等度を示し、CVAIの計測結果は中等度を示している。
【0053】
重症度算出部52は、算出した各指標をプロットしたグラフを医師側端末2に表示させることもできる。治療者は、各指標をプロットしたグラフを参考にして対象者100の重症度を判定したり、治療方針を検討したりすることができる。
図9は、治療経過に伴う頭蓋形状の歪みを示す指標の変化をグラフで示す表示例である。
図9には、斜頭度の変化を示す第1グラフ表示部411と、短頭度の変化を示す第2グラフ表示部412と、が示されている。
【0054】
第1グラフ表示部411は、横軸が治療日数であり、縦軸がCVAI又はCAのグラフが表示される。
図9の例では、縦軸がCVAIのグラフが表示されている。第1グラフ表示部411には、CVAIの所定の範囲(例えば、0~20%の範囲)が、最重症、重症、中等症、軽症及び正常等のように計測結果に対応する診断情報ごとに複数に区分表示されている。第1グラフ表示部411にCVAIがプロットされることにより、治療者は症状や治療方針を容易かつ速やかに判断することができる。また、第1グラフ表示部411には、月1回や月2回の診察で行われる定期的な3Dスキャン撮影に基づく指標もプロットされていくので、指標の経時的な変化により治療効果も容易に把握できる。
【0055】
なお、
図9の例では、第1グラフ表示部411はCVAIがプロットされているが、表示を切り替える操作部であるグラフ表示切替部413によってCAのグラフを表示させることもできる。この場合も、CAの所定の範囲は、計測結果に対応する診断情報ごとに複数に区分表示される。
【0056】
第2グラフ表示部412は、横軸が治療日数であり、縦軸がCIのグラフが表示される。第2グラフ表示部412には、CIの所定の範囲(例えば、70~120%の範囲)が、重症、軽症及び正常等のように計測結果に対応する診断情報ごとに複数に区分表示されている。第2グラフ表示部412にCIがプロットされることにより、治療者は症状や治療方針を容易かつ速やかに判断することができる。また、第2グラフ表示部412にも、月1回や月2回の診察で行われる定期的な3Dスキャン撮影に基づく指標もプロットされていくので、指標の経時的な変化により治療効果も容易に把握できる。
【0057】
重症度算出部52は、自身が生成した情報であるCA及びCVAI等の斜頭度を示す指標とCI等の短頭度を示す指標とに基づいて、医師側端末2に対象者100の治療の完了を促す報知情報を出力してもよい。報知情報は、表示部25等のディスプレイに画像として出力してもよく、音声として出力してもよい。重症度算出部52は、算出した指標が予め設定される閾値を越えている場合、医師側端末2に頭蓋形状が重症であることを示す報知情報を出力するように構成してもよい。また、重症度算出部52は、治療開始後に、治療を受けている対象者100の斜頭度を示す指標及び短頭度を示す指標の両方が初めて正常の範囲となった場合に、次回の診察で再び両方の指標が正常の範囲であれば、治療を完了してもよい旨を伝える報知情報を医師側端末2に出力してもよい。そして、重症度算出部52は、治療開始後に、斜頭度を示す指標及び短頭度を示す指標の両方が2回の診察で連続して正常の範囲となった場合に、治療を完了するように促し、頭蓋形状矯正ヘルメット7の継続的な装着を推奨しない旨を伝える報知情報を医師側端末2に出力してもよい。これにより、治療者は対象者100の治療を完了すべき適切なタイミングを容易に把握することができる。
【0058】
図10を参照して発注管理部53について説明する。発注管理部53は、治療者からのヘルメット作成のために必要な発注情報を受け付けるとともに、受け付けた発注情報に基づいて製造者に対してヘルメット作成の依頼があったことを通知する。
【0059】
図10は、発注管理部53によって医師側端末2に表示される発注画面の表示例である。治療者は、
図10に示すような発注画面を利用して頭蓋形状矯正ヘルメット7の発注を行う。
図10の例では、発注情報入力部421、ヘルメット柄指定部422、発注書作成指示部423が示されている。
【0060】
発注情報入力部421は、患者ID、担当者名、メールアドレス、在胎週数、ヘルメットの種類、納品日、装着予定日等の発注に必要な情報の入力を受け付ける操作部分である。ヘルメット柄指定部422は、ヘルメット柄を示す画像を選択肢として提示し、選択された画像をヘルメット柄の指定を示す発注情報として受け付ける操作部分である。発注書作成指示部423は、発注情報入力部421の入力内容やヘルメット柄指定部422の選択内容に基づいて電子の発注書の作成指示を受け付ける操作部分である。
【0061】
図11及び
図12を参照して目標ヘルメットデータ管理部54について説明する。目標ヘルメットデータ管理部54は、実際の頭部の形状を示す3Dデータに基づいて作成された目標データ及びヘルメットデータを取得する。目標ヘルメットデータ管理部54は、医師側端末2からの閲覧要求に応じて目標データ及びヘルメットデータを治療者に提供する。本実施形態の目標ヘルメットデータ管理部54は、製造側端末4からアップロードされた目標データ及びヘルメットデータを取得し、医師側端末2に目標データを確認させるための確認画面やヘルメットデータを確認させるための確認画面を表示する。
【0062】
図11は、目標ヘルメットデータ管理部54によって医師側端末2に表示される目標データの確認画面の表示例である。治療者は、
図11に示すような確認画面を通じて目標データの妥当性を判断する。
図11に示す確認画面では、実際の頭部の形状の3Dデータと、理想とする頭部の形状を示す目標データと、が重ね合わせて表示される。
【0063】
図11の例では、頭部形状を視覚的に確認するために、立体表示部501、六面表示部502、断面表示部503、切断位置変更部504、データA表示部505、データB表示部506、表示切替部507、確認ポイント表示部508、修正選択部509が示されている。
【0064】
立体表示部501は、3Dデータと目標データを重ね合わせた頭部の向きを斜めから確認する表示部分であり、表示の向きを医師側端末2の操作により変更できる。六面表示部502は、3Dデータと目標データを重ね合わせた頭部の六面図の表示部分である。断面表示部503は、3点基準に基づく切断面であり、切断位置変更部504により切断面の表示位置を変更できるようになっている。データA表示部505は実際の頭部の形状(3Dデータ)の数値を示し、データB表示部506は理想の頭部の形状(目標データ)の数値を示す。
【0065】
表示切替部507は、3Dデータ(データA)の表示、目標データ(データB)の表示、透過表示を切り替えることができる表示態様を変更する操作部である。確認ポイント表示部508には、妥当性を確認するための判断基準がテキストで表示される。確認ポイント表示部508には、CIやCIAVの指標値の判断基準や目標データの形状の判断基準が示されている。修正選択部509は、治療者が医師側端末2を通じて目標データの妥当性を選択するための操作部である。治療者は、目標データが妥当であると判断した場合には修正選択部509中の「OK」を選択し、目標データに修正の必要がある場合は「要修正」を選択する。選択結果は、製造側端末4を通じて製造者が確認できる。
【0066】
図12は、目標ヘルメットデータ管理部54によって医師側端末2に表示されるヘルメットデータの確認画面の表示例である。治療者は、
図12に示すような確認画面を通じてヘルメットデータの妥当性を判断する。
図12に示す確認画面では、実際の頭部の形状の3Dデータと、製造予定のヘルメットデータと、が重ね合わせて表示される。なお、ヘルメットデータの妥当性を判断するとは、ヘルメットデータが示す頭蓋矯正ヘルメットのサイズや形状等が実際の頭部の形状を示す3Dデータから目標データへの頭部の治療に適合するか否かを判断することをいう。
【0067】
図12の例では、頭部形状を視覚的に確認するために、立体表示部601、六面表示部602、断面表示部603、切断位置変更部604、確認ポイント表示部608、修正選択部609が示されている。
【0068】
立体表示部601は、3Dデータとヘルメットデータを重ね合わせた頭部の向きを斜めから確認する表示部分であり、表示の向きを医師側端末2の操作により変更できる。六面表示部602は、3Dデータとヘルメットデータを重ね合わせた頭部の六面図の表示部分である。断面表示部603は、3点基準に基づく切断面であり、頭部とともにヘルメットデータの切断面が表示される。この断面表示部603も、切断位置変更部604により切断面の表示位置を変更できるようになっている。また、
図12の例では、実際の頭部の形状の数値を示すスキャンデータ表示部605も示されている。
【0069】
確認ポイント表示部608には、頭部や顔の部位とヘルメットの位置関係に基づく判断基準がテキストで示されている。治療者が医師側端末2を通じてヘルメットデータの妥当性を選択するための操作部である。治療者は、ヘルメットデータが妥当であると判断した場合には修正選択部609中の「OK」を選択し、ヘルメットデータに修正の必要がある場合は「要修正」を選択する。選択結果は、製造側端末4を通じて製造者が確認できる。
【0070】
次に、
図13及び
図14を参照し、治療期間推定部55の治療期間の推定方法について説明する。本実施形態の治療期間推定部55は、現在の頭囲から目標データの頭囲になるまでにかかる治療期間を推定する。
【0071】
図13は、実際の頭部の形状を示す3Dデータの頭囲と目標データの頭囲の関係を示す模式図である。
図14は、頭囲成長曲線と目標データの頭囲の関係を示すグラフである。
図14のグラフの横軸は月齢であり、縦軸は月齢に応じた頭囲である。グラフ中の曲線は、月齢とともに変化する平均的な理論頭囲を示す頭囲成長曲線である。頭囲成長曲線は、例えば、厚生労働省等の公的機関が発行するデータを利用できる。
【0072】
図13に示すように、目標データの頭囲をMとし、実際の頭部の形状を示す3Dデータの頭囲(以下、3Dモデル頭囲ともいう)をSとすると、次の数式4のように成長頭囲Dを算出できる。
[数式4]
D=M-S
【0073】
乳幼児は、月齢によって成長具合が大きく異なる。そのため、治療期間推定部55は、目標データの頭囲Mになる月齢ではなく、医師側端末2で撮影したスキャン月齢の頭囲成長曲線上の理論頭囲Aが成長頭囲D成長するのに必要な期間を推定治療期間として算出する。
【0074】
図14の頭囲成長曲線を利用した計算方法について具体的に説明する。本実施形態では、男女の平均値の曲線をべき級数で近似した式を利用する。頭囲は次の数式5により求めることができる。数式5から月齢は数式6のように算出できる。
[数式5]
頭囲=365×月齢^t(近似係数)
[数式6]
月齢=e^(ln(頭囲/365)/t(近似係数))
【0075】
数式5の「月齢」にスキャン月齢を代入することにより、頭囲成長曲線上の理論頭囲Aが算出される。上述の通り、この理論頭囲Aに成長頭囲Dを加算することにより、頭囲成長曲線上の理論目標頭囲Btが算出される。この理論目標頭囲Btを数式6の「頭囲」に代入することにより、推定治療終了月齢が算出される。推定治療終了月齢は、頭囲成長曲線上で理論目標頭囲Btになる月齢を示す。推定治療終了月齢は治療が終了するときの月齢を示す数値であるため、推定治療終了月齢からスキャン月齢を差し引くことにより、推定治療期間が最終的に算出される。即ち、本実施形態の治療期間推定部55は、現在の頭囲の測定結果と目標データの頭囲と頭囲成長曲線とに基づいて、対象者100としての乳幼児の頭蓋形状の矯正にかかる治療期間を推定する。より具体的には、治療期間推定部55は、現在の頭囲(3Dモデル頭囲S)と目標データの頭囲(目標データの頭囲M)との間の差分(成長頭囲D)と、現在の月齢における頭囲成長曲線上の頭囲と、に基づいて、乳幼児の頭蓋形状の矯正にかかる治療期間を推定する。
【0076】
次に、
図15及び
図16を参照し、目標頭囲算出部56について説明する。目標頭囲算出部56は、頭蓋形状矯正ヘルメット7が対象者100に実際に納品される納品日までの対象者100の成長を加味した目標データの頭囲(以下、目標頭囲という)を算出する。納品日は、対象者100の装着予定日や受領予定日ということもできる。この納品日を加味した目標頭囲の算出においても、頭囲成長曲線が利用される。
【0077】
図15は、納品日を加味していない目標データの頭囲と納品日を加味した目標頭囲の関係を示す模式図である。対象者100に頭蓋形状矯正ヘルメット7が実際に届くまでには製造及び発送等の待機期間が生じる。月齢によって乳幼児の頭囲は変化するため、待機期間を約2週間としても上述のスキャン月齢よりも頭囲が変わっている可能性が高い。
図15に示すように、成長を加味した目標頭囲Tを設定することが好ましい。
【0078】
図16は、頭囲成長曲線と納品日を加味した目標頭囲の関係を示すグラフである。
図16のグラフの横軸は月齢であり、縦軸は月齢に応じた頭囲である。
図16に示すように、目標頭囲算出部56は、数式5の「月齢」にスキャン月齢を代入することにより、頭囲成長曲線上の理論頭囲Aを算出する。次に、スキャン月齢に納品日数を加算した数値を数式5の「月齢」に代入し、納品時の理論頭囲Bを算出する。なお、数式5において納品日数は、月齢に単位をあわせて算出されるものとする。
【0079】
理論成長頭囲Dtは、次の数式7により算出できる。この理論成長頭囲Dtを目標データの頭囲Mに加算することにより、納品日を考慮した目標頭囲Tが算出される。目標データの頭囲をMとし、理論成長頭囲をDtとすると、目標頭囲Tは次の数式8により算出できる。このように、本実施形態では、目標頭囲算出部56により、納品日を加味した目標頭囲Tが算出される。即ち、本実施形態の目標頭囲算出部56は、現在の月齢における頭囲成長線上の頭囲(理論頭囲A)と納品時の月齢における頭囲成長線上の頭囲(理論頭囲B)との差分と、目標データの頭囲と、に基づいて、納品日までの対象者100の成長を加味した目標頭囲を算出する。
[数式7]
Dt=B-A
[数式8]
T=M+Dt
【0080】
次に、
図17を参照し、スリット幅算出部57について説明する。ところで、頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間が長い場合、頭蓋形状矯正ヘルメット7の矯正力により、頭部の短軸A1(
図8のOL1に相当)は成長するが,長軸B1(
図8のOL2に相当)の長さは成長しない。しかしながら、頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間が短い場合、短軸A1,長軸B1が短軸A2,長軸B2に成長してしまうことがある(A1<A2、B1<B2)。
【0081】
頭蓋形状矯正ヘルメット7は、対象者100の成長を見越して製造されるため、装着時には隙間が生じないように頭部の周方向の長さが設定されていたとしても、成長に応じて頭部収容空間Spを拡げることができる(
図3参照)。
図17の例では、頭部の長軸B2の成長により、スリット幅dが生じることになる。
【0082】
スリット幅算出部57は、装着状態の頭蓋形状矯正ヘルメット7の形状に影響する頭部の長軸(B1,B2)の伸びに基づいてスリット幅dを算出する。本実施形態のスリット幅算出部57は、円周を2πrと近似し、長軸の伸びた長さに基づいて次の数式9を用いてスリット幅dを算出する。
[数式9]
d=(B2-B1)×π
【0083】
スリット幅算出部57は、自身が生成したスリット幅dに関する情報に基づいて、スリット幅dに応じた報知情報を出力する。例えば、スリット幅算出部57は、スリット幅dが予め設定される限界閾値(例えば、15mm)以上の場合に、医師側端末2や製造側端末4に頭蓋形状矯正ヘルメット7の使用禁止を伝える報知情報を出力する機能を設定することもできる。スリット幅dが閾値を越えている場合、装着中の頭蓋形状矯正ヘルメット7が成長した対象者100の頭部の形状に合致していない可能性がある。この場合、対象者100の頭部の形状を示す新しい3Dデータに基づいて頭蓋形状矯正ヘルメット7を作りなおす必要がある。治療者又は製造者は、アラートを出力する機能により、頭蓋形状矯正ヘルメット7を作りなおすタイミングを適切に把握できる。なお、スリット幅算出部57は、自身が生成したスリット幅dを報知情報として対象者端末5に出力してもよい。
【0084】
スリット幅算出部57は、スリット幅dが0以外である場合、対象者100による頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間が短い可能性がある旨を伝える報知情報及び頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着に問題がないかの確認を促す報知情報を医師側端末2及び対象者端末5の少なくとも何れかに出力してもよい。これにより、治療者は対象者100又は対象者100の関係者に対して頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間を守るように促すことや装着状況の聞き取りを適切なタイミングで行うことができる。また、対象者100又は対象者100の関係者は頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着に問題がある場合に、装着を改善する必要性を適切なタイミングで認識できる。
【0085】
サーバ3は、頭囲が目標データの頭囲M以上又は目標頭囲T以上であり、かつ、対象者100が装着している頭蓋形状矯正ヘルメット7のスリット幅dが所定の閾値(例えば、10mm)以上となった場合に、頭蓋形状矯正ヘルメット7の着用限界を迎える可能性があることを示す報知情報を医師側端末2に出力してもよい。これにより、治療者は頭蓋形状矯正ヘルメット7の交換や対象者100の治療を完了すべきタイミングが近いことを予め把握することができ、より安全な治療を行うことができる。
【0086】
サーバ3は、頭囲が目標データの頭囲M以上又は目標頭囲T以上であり、かつ、対象者100が装着している頭蓋形状矯正ヘルメット7のスリット幅dが所定の閾値(例えば、15mm)以上となった場合に、頭蓋形状矯正ヘルメット7の使用禁止を伝える報知情報を医師側端末2に出力してもよい。これにより、治療者は頭蓋形状矯正ヘルメット7の交換や対象者100の治療を完了すべき適切なタイミングを容易に把握することができる。
【0087】
サーバ3は、治療開始後の対象者100の頭部の画像に写る頭皮の状態に基づいて、報知情報を出力してもよい。具体的には、サーバ3は、対象者端末5から取得した対象者100の頭部の画像に写る頭皮に赤みが存在すると判定した場合や褥瘡が存在すると判定した場合に、肌トラブルの状況の確認や肌トラブルの治療を促す報知情報を出力してもよい。これにより、対象者100又は対象者100の関係者は対象者100の頭部に赤みや褥瘡等の気になる症状が発生した場合に随時、治療者に症状の確認を求めることができ、治療者は迅速に症状を確認できる。
【0088】
サーバ3は、治療開始後の対象者100の頭部の形状を示す3Dデータと、頭囲成長曲線と、に基づいて、報知情報を出力してよい。例えば、サーバ3は、頭囲成長曲線から外れていない場合であり、かつ、頭囲の成長が所定の閾値以下である場合、頭蓋形状矯正ヘルメット7の使用の継続を促す報知情報を出力してもよい。また例えば、サーバ3は、対象者100の頭囲が頭囲成長曲線から外されている場合、位置的頭蓋変形症以外の可能性がないか確認を促す報知情報を出力してもよい。これにより、治療者はより正確な頭蓋形状の治療状況の情報に基づいて、治療状況の確認が必要なタイミングを容易に把握することができる。
【0089】
次に、
図18を参照し、患者データ管理部58について説明する。患者データ管理部58は、患者に関する各種の情報の取得及び提示を医師側端末2、製造側端末4又は対象者端末5に対して行う。
【0090】
図18は、患者データ管理部58によって医師側端末2に表示される患者詳細データの表示例である。
図18に示すように、患者データ管理部58は、患者に関する各種の情報を医師側端末2に表示させることができる。
図18の例では、患者情報表示部701、撮影情報表示部702が示されている。
【0091】
患者情報表示部701は、患者ID、性別、生年月日、月齢、在胎週数、ステータス表示(治療中、発注済み等)、頭蓋形状矯正ヘルメット7の納品日、装着予定日、頭蓋形状矯正ヘルメット7のカラー、初回スキャン月齢、治療開始月齢、治療月数/治療期間目安、現在頭囲/目標頭囲目安等の各種情報を表示する。装着予定日を入力すると、初回スキャンから何日経過しているかを示す情報が付加される。これらの各種情報は、アクセス制限に応じて表示項目をサーバ3側で指定してもよい。
【0092】
患者情報表示部701に表示される項目のうち、治療開始月齢は装着予定日での月齢を示し、治療月数/治療期間目安は目標データ頭囲に達する治療期間を示し、現在頭囲/目標頭囲目安等は納品日までの成長を加味した目標頭囲を示す。
【0093】
撮影情報表示部702は、撮影日、頭囲、左右径、前後径、CI、CA、CVAI、長軸、スリット幅、メモ等の各種情報を表示する。また、撮影情報表示部702は、3Dデータの画像を表示するための「スキャン」、目標データの画像を表示するための「目標」、ヘルメットデータの画像を表示するための「ヘルメット」等の表示指示部を含む。また、撮影情報表示部702は、撮影画像又は3Dデータを追加するための「+画像」を追加指示部として含む。
【0094】
次に、
図19~
図21を参照し、アプリ連携部59について説明する。アプリ連携部59は、対象者端末5にインストールされるアプリケーションと各種情報の連携を行う。以下、対象者端末5にインストールされるアプリケーションを治療記録アプリと称して説明する。
【0095】
図19は、対象者端末5の治療記録アプリの装着時間画面の表示例である。
図19の例では、装着時間表示部810、装着時間グラフ表示部811、対象者表示部812、記入部813が示されている。
【0096】
装着時間表示部810は、今日の装着時間、昨日の装着時間、装着日数、1日の平均装着時間、装着時間の合計等、対象者100の装着時間を示す数値を表示する。装着時間グラフ表示部811は、過去の所定の日数(例えば、30日間)の装着記録を日数と時間の関係を示すグラフ(例えば、折れ線グラフ)で示す。対象者表示部812は、対象者100の画像を表示する。対象者表示部812は、対象者100又は対象者100の関係者によってアップロードされた表示用画像を表示する。
【0097】
記入部813は、対象者端末5の操作者による対象者100の装着時間に関する情報の入力を受け付ける部分である。装着時間に関する情報としては、装着開始時間、装着完了時間、メモや画像等の情報が挙げられる。対象者端末5の操作者は、記入部813をタップして入力ウィンドウが立ち上げ、その入力ウィンドウに装着時間に関する情報を入力することができる。
【0098】
このように、対象者100又は対象者100の関係者(保護者)は、対象者端末5を介して頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間をサーバ3に入力できる。1日の装着時間が短い場合、治療が適切に効果を奏しない場合がある。従来技術において、対象者100の装着時間は、治療者側で把握することが難しかったため、効果を奏しない原因が装着時間か頭蓋形状矯正ヘルメット7の形状の問題かを特定できないこともあった。この点、本実施形態によれば、治療者は、医師側端末2を介してサーバ3から患者の装着時間を取得できる。
【0099】
入力された装着時間が適切ではない場合、治療者は、医師側端末2からサーバ3に装着時間が適切ではないことを入力することもできる。入力された情報は、対象者100に関連付けられて患者データベースに登録される。また、対象者100又は対象者100の関係者により入力された装着時間が適切ではない場合、サーバ3は治療者に装着時間が不適切である旨をアラート通知してもよい。更に、装着時間が適切ではないことは治療記録アプリ等を通じて対象者端末5上で対象者100又は対象者100の関係者にアラートで通知されてもよい。
【0100】
図20は、対象者端末5の治療記録アプリの治療経過グラフの表示例である。
図20の例では、斜頭度グラフ表示部821、短頭度グラフ表示部822、次回診察日表示部823、表示選択部824、記入部813が示されている。
【0101】
斜頭度グラフ表示部821は
図9で説明した第1グラフ表示部411と同様のグラフを表示し、短頭度グラフ表示部822は
図9で説明した第2グラフ表示部412と同様のグラフを表示する。次回診察日表示部823は、次回の診察日を表示する。次回の診察日は、対象者端末5を操作することにより、入力できる。表示選択部824は、治療経過を示すまとめ画面、3Dデータ画面、ヘルメット画面の中から表示内容を選択するための操作部分である。
図20では、まとめが選択されていることになる。
【0102】
図21は、対象者端末5の治療記録アプリの3Dデータの表示例である。
図21の例では、3Dデータ表示部831、撮影日選択部832、次回診察日表示部823、表示選択部824、記入部813が示されている。
【0103】
3Dデータ表示部831は、対象者100の頭部形状と目標データに基づく理想の頭部形状を重ね合わせた3Dモデルを表示する。撮影日選択部832は、撮影日に基づいて表示する3Dデータを選択するための操作部分である。撮影日選択部832の日付部分が選択されると、選択した日付の3Dスキャン撮影に基づく対象者100の頭部形状と目標データに基づく理想の頭部形状を重ね合わせた3Dモデルが表示される。次回診察日表示部823、表示選択部824及び記入部813は、
図19及び
図20の説明と同様である。
図21では、3Dデータ表示部831による実際の頭部の形状を示す3Dデータの表示が選択されていることになる。
【0104】
次に、対話手段提示部60について説明する。対話手段提示部60は、医師側端末2と対象者端末5の間でチャット形式の対話手段を提供する。対話手段提示部60は、治療記録アプリ上でチャット形式の対話手段を提供してもよい。対話手段提示部60によって提供される対話手段により、対象者100や対象者100の保護者は治療者に質問をすることもできるし、治療者は対象者100に治療の方針等を伝達することもできる。例えば、治療者は、装着時間を踏まえた患者に対する指示を入力することもできる。
【0105】
対話手段提示部60は、医師側端末2と製造側端末4の間でもチャット形式の対話手段を提供する。対話手段提示部60によって提供される対話手段により、治療者と製造者は、3Dデータ、ヘルメットの使用方法、トラブル対応等に関するやり取りを行うことができる。
【0106】
<処理の流れ>
次に、
図22~
図26を参照し、頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1による管理処理の流れについて説明する。
図22~
図26は、頭蓋形状矯正ヘルメット7を管理する管理処理の流れを示すフロー図である。
図22~
図26に示されるフローは、あくまで処理の一例であるが、それぞれ図番及びステップ番号の通り連続しているものとする。
【0107】
ステップS1において、医師側端末2は医師による患者情報の入力を受け付け、受け付けた患者情報をサーバ3に出力する。例えば、患者情報は、患者の氏名、生年月日、病歴等である。ステップS2において、サーバ3の患者データ管理部58は、医師側端末2から入力された患者情報を記憶部31に構築された患者データベースに登録する。
【0108】
ステップS3において、医師側端末2は、患者に対して行われた3Dスキャン撮影の画像データを取得する。ステップS4において、医師側端末2は、取得した3Dスキャン撮影の画像データをサーバ3にアップロードする。ステップS5において、サーバ3のデータ取得部51は、医師側端末2から入力された3Dスキャン撮影の画像データを患者に関連付けて患者データベースに登録する。
【0109】
ステップS6において、製造側端末4は、サーバ3から3Dスキャン撮影の画像データをダウンロードして取得する。ステップS7において、製造側端末4は、3Dスキャン撮影の画像データに基づいて作成された3Dデータを取得する。3Dデータは、例えば、製造側端末4上で作成される。ステップS8において、製造側端末4は、作成された3Dデータをサーバ3にアップロードする。ステップS9において、サーバ3のデータ取得部51は、アップロードされた3Dデータを取得する。取得された3Dデータは、対象者100に関連付けて患者データベースに登録される。
【0110】
ステップS10において、医師側端末2は、3Dデータに対して基準3点(鼻基準点101、左耳基準点102及び右耳基準点103)を指定した指定情報をサーバ3に出力する。例えば、治療者は、サーバ3に対して3Dデータの閲覧要求を行うことにより、
図7の基準3点指定画面を医師側端末2に表示させる。治療者は、医師側端末2を操作して基準3点指定画面を指定する。これによって基準3点がサーバ3の患者データベースに登録される。ステップS11において、重症度算出部52は、治療者によって指定された指定情報に基づいて重症度や各指標を算出する。重症度算出部52によって算出された重症度や各指標は、対象者100に関連付けて患者データベースに登録される。
【0111】
ステップS12において、医師側端末2は
図7の基準3点指定画面の数値表示部404や
図9の指標を示すグラフ等の判断を行うために必要な情報を表示する。治療者は医師側端末2に表示された情報を確認して対象者100に対して頭蓋形状矯正ヘルメット7が適応するか否かを判断する。治療者は、頭蓋形状矯正ヘルメット7を適応すると判断した場合、ステップS13において、医師側端末2に
図10の発注画面を表示させ、当該発注画面で患者情報、色、納期等の頭蓋形状矯正ヘルメット7の発注に必要な入力する。ステップS14において、サーバ3の発注管理部53は、受け付けた発注情報に基づく電子契約に関する情報を製造側端末4に出力する。
【0112】
ステップS15において、製造者は、製造側端末4で発注情報や実際の頭部の形状を示す3Dデータに基づいて目標データを作成する。ステップS16において、製造者は、製造側端末4上で目標データに基づいてヘルメットの形状を示すヘルメットデータを作成する。ステップS17において、製造側端末4は、サーバ3に目標データ及びヘルメットデータをアップロードする。ステップS18において、サーバ3のデータ取得部51は、製造側端末4によってアップロードされた目標データ及びヘルメットデータを患者に関連付けて患者データベースに登録する。
【0113】
ステップS19において、医師側端末2は、サーバ3に閲覧要求を出力し、
図11の目標データの確認画面や
図12のヘルメットデータの確認画面を表示する。確認画面では、治療者により確認結果が入力される。ステップS20において、サーバ3の患者データ管理部58は、医師側端末2からの目標データやヘルメットデータの確認結果を受け付け、当該確認結果を患者データベースに登録する。確認結果は、サーバ3から製造側端末4にも出力される。
【0114】
確認結果がNG等の修正を必要とする場合、ステップS21において、製造者は製造側端末4で目標データやヘルメットデータの修正を行う。ステップS22において、製造側端末4は、修正された目標データやヘルメットデータをサーバ3にアップロードする。ステップS23において、サーバ3のデータ取得部51は、修正後の目標データ及びヘルメットデータを患者に関連付けて患者データベースに登録する。
【0115】
ステップS24において、医師側端末2は、サーバ3に閲覧要求を出力し、修正後の目標データやヘルメットデータの確認画面を表示する。確認画面では、治療者により確認結果が入力される。ステップS25において、サーバ3の患者データ管理部58は、医師側端末2からの目標データやヘルメットデータの確認結果を受け付け、当該確認結果を患者データベースに登録する。確認結果が問題ない場合、ステップS26において、治療期間推定部55は治療期間の推定を行うとともに、目標頭囲算出部56は目標頭囲を算出する。
【0116】
ここで、実際に製造される頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造から受け渡しまでの流れについて説明する。頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造から受け渡しまでの流れは、
図24の破線で囲まれるブロックを参照して説明する。製造者は、治療者から確認がとれた目標データ及びヘルメットデータに基づいて頭蓋形状矯正ヘルメット7を実際に製造する。頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造は、例えば、3Dプリンタによって行われる。次に、製造者は頭蓋形状矯正ヘルメット7を治療者に発送し、治療者は頭蓋形状矯正ヘルメット7を実際に受け取る。治療者は、対象者100に対し、来訪時の手渡しや発送により頭蓋形状矯正ヘルメット7を渡す。対象者100は、受け取った頭蓋形状矯正ヘルメット7を装着する。
【0117】
ステップS27において、サーバ3のアプリ連携部59は、対象者端末5に各種情報を連携するためのQRコード(登録商標)を作成し、医師側端末2に出力する。ステップS28において、医師側端末2は、サーバ3から入力されたQRコードを不図示のプリンタによって印刷する。印刷されたQRコードは、頭蓋形状矯正ヘルメット7と同様に手渡しや発送により対象者100に渡される。
【0118】
ステップS29において、対象者100は、対象者端末5を操作して治療記録アプリのダウンロードを行う。ステップS30において、対象者端末5に治療記録アプリがインストールされ、治療記録アプリに患者情報が登録される。ステップS31において、対象者100は、対象者端末5を操作し、治療者から渡されたQRコードの読取作業を行う。
【0119】
ステップS32において、対象者端末5は、QRコードの読取により、治療記録アプリの連携処理が行われたことを示すアプリ連携情報をサーバ3に出力する。ステップS33において、サーバ3のアプリ連携部59は、対象者端末5から入力されたアプリ連携情報を登録し、治療記録アプリとサーバ3の患者データベースに登録される各種情報の連携を行う。ステップS34において、対象者端末5は、連携後の治療記録アプリによって重症度や各指標を表示可能な状態となる。ステップS35において、対象者端末5は、連携後の治療記録アプリによって目標データやヘルメットデータを表示可能な状態となる。
【0120】
ステップS36において、対象者端末5は、対象者100の頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着時間や装着状態や非装着状態を撮影した画像等の情報を受け付けると、受け付けた情報を治療記録アプリに登録するとともにサーバ3に出力する。装着状態の画像は、例えば、治療者により、対象者100の頭蓋形状矯正ヘルメット7のかぶり方の確認に用いられる。非装着状態の画像は、例えば、治療者により、皮膚が赤くなっている等の対象者100の異常を確認するために用いられる。
【0121】
ステップS37において、対象者端末5は、治療記録アプリによって装着時間や画像を表示可能な状態となる。ステップS38において、対象者端末5は、治療記録アプリによって治療に関するまとめデータ(
図19参照)を表示可能な状態となる。ステップS39において、サーバ3の患者データ管理部58は、対象者端末5から入力された装着時間や画像等の情報を患者に関連付けて患者データベースに登録する。
【0122】
ステップS40において、医師側端末2は、月1回の診察で患者に対して行われた3Dスキャン撮影の画像データを取得する。ステップS41において、医師側端末2は、取得した3Dスキャン撮影の画像データをサーバ3にアップロードする。ステップS42において、サーバ3のデータ取得部51は、医師側端末2から入力された3Dスキャン撮影の画像データを患者に関連付けて患者データベースに登録する。
【0123】
ステップS43において、製造側端末4は、サーバ3から3Dスキャン撮影の画像データをダウンロードして取得する。ステップS44において、製造側端末4は、ステップS43で取得された3Dスキャン撮影の画像データに基づいて新たに作成された3Dデータを取得する。ステップS45において、製造側端末4は、作成された3Dデータをサーバ3にアップロードする。ステップS46において、サーバ3のデータ取得部51は、アップロードされた3Dデータを取得し、患者データベースに関連付けて登録する。ステップS47において、アプリ連携部59は、治療記録アプリと連携し、対象者端末5上で新たに作成された3Dデータを表示できるようにする。
【0124】
ステップS48において、医師側端末2は、3Dデータに対して基準3点を指定した指定情報をサーバ3に出力する。ステップS49において、重症度算出部52は、治療者によって指定された指定情報に基づいて重症度や各指標を算出する。算出された重症度や各指標が患者データベースに登録される。ステップS50において、アプリ連携部59は、治療記録アプリと連携し、対象者端末5上で新たに作成された重症度や各指標を表示できるようにする。ステップS51において、患者データ管理部58は、治療経過を示すグラフを作成する。ステップS52において、アプリ連携部59は、治療記録アプリと連携し、対象者端末5上で新たに作成されたグラフを表示できるようにする。ステップS53において、スリット幅算出部57は、想定されるスリット幅dを算出する。ステップS54において、アプリ連携部59は、治療記録アプリと連携し、対象者端末5上で想定されるスリット幅dを表示できるようにする。
【0125】
ステップS55において、患者データ管理部58は、所定の書式に基づいて治療経過レポートを作成し、作成した治療経過レポートを製造側端末4に出力する。ステップS56において、製造側端末4は、サーバ3の患者データ管理部58によって作成された治療経過レポートをプリンタによって印刷する。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
【0127】
以上説明した実施形態及び変形例によれば、以下のような効果を奏される。
【0128】
(1)頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1は、対象者100の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末2と、治療者によって撮影された対象者100の頭部の複数の画像に基づいて、対象者100の頭蓋形状を矯正するために頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造する製造者が使用する製造側端末4と、医師側端末2と製造側端末4との間で、頭蓋形状矯正ヘルメット7に関するヘルメット情報と複数の画像とを入出力するサーバ3と、を備える。
【0129】
これにより、治療者は医師側端末2を通じて対象者100の頭部を撮影した画像をサーバ3にアップロードすることにより、製造者は製造側端末4を通じて容易に対象者100の頭部を撮影した画像をダウンロードできる。また、製造者は対象者100の頭部を撮影した画像に基づいて作成した3Dデータ、目標データ、ヘルメットデータ等のヘルメット情報をサーバ3にアップロードできる。これによって、治療者は製造前段階の頭蓋形状矯正ヘルメット7の形状をクラウド(サーバ3)上で確認できるので、修正等の製造者への指示も容易にできる。更に、医師側端末2や製造側端末4によってアップロードされたり、入力されたりした情報は、サーバ3で管理できるので、医師側端末2や製造側端末4が独自に対象者100の情報を管理するためのデータベースを構築しなくてもよくなり、管理コストも低減できる。このように、本実施形態の構成により、治療者と製造者の間で行われる頭蓋形状矯正ヘルメット7に関するデータのやり取り及びデータ管理の効率化を実現できる。
【0130】
(2)(1)に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、サーバ3は、医師側端末2と製造側端末4との間で対象者100の頭蓋形状の矯正にかかる推定治療期間に関する治療期間情報を入出力する。
【0131】
これにより、治療者や製造者は、サーバ3から出力される情報に基づいて自ら計算することなく推定治療期間を取得できる。推定治療期間を利用することにより、治療期間における成長に伴う頭部の変化の推測も容易となり、頭部の将来の形状変化を織り込んだ形状の頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造を効率化できる。
【0132】
(3)(1)に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、対象者100は、乳幼児であり、治療期間情報は、現在の対象者100の頭部の頭囲と、対象者100の理想の頭部の形状を示す目標データの頭囲と、乳幼児の月齢とともに変化する平均的な頭囲を示す頭囲成長曲線と、に基づいて、推定される。
【0133】
これにより、頭囲成長曲線を考慮して治療期間を推定するので、治療対象者が短期間で頭囲が変化する乳幼児であってもより正確な治療期間を推定し、共有できる。
【0134】
(4)(1)~(3)のいずれかに記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1は、対象者100が使用する対象者端末5を更に含み、頭蓋形状矯正ヘルメット7は、頭部を収容する頭部収容空間Spのサイズを調整可能であり、ヘルメット情報は、対象者100に適した頭部収容空間Spのサイズに関するサイズ情報としてのスリット幅dを含み、対象者端末5は、サーバ3からサイズ情報を取得可能である。
【0135】
これにより、診察等を行わなくても適切なスリット幅dを対象者100や対象者100の関係者が把握できるので、適切なスリット幅dでの頭蓋形状矯正ヘルメット7の装着を容易に実現できる。
【0136】
(5)(4)に記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、サイズ情報としてのスリット幅dは、対象者100に装着される頭蓋形状矯正ヘルメット7の形状を示すヘルメットデータと、治療開始後の対象者100の頭部の形状を示す3Dデータと、に基づいて決定される情報である。
【0137】
これにより、治療開始後(所定期間経過後)の頭部の形状に基づいて正確にスリット幅dを算出でき、より高い装着性を実現できる。
【0138】
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、サーバ3は、取得した情報又は自身が生成した情報に基づいて、報知情報を出力する。
【0139】
これにより、治療者や製造者、対象者100又は対象者100の関係者等は、頭蓋形状矯正ヘルメットや治療について適切なタイミングで状況を把握できる。
【0140】
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、対象者100又は対象者100の関係者が使用する対象者端末5を更に含み、サーバ3は、医師側端末2と製造側端末4との間及び医師側端末2と対象者端末5との間でのチャット形式の対話手段を提供する。
【0141】
これにより、治療者と製造者との間で行われる頭蓋形状矯正ヘルメット7に関する情報や治療者と対象者100又は対象者100の関係者との間で行われる治療に関する情報の共有及び意見交換をリアルタイムで行うことができる。
【0142】
(8)(1)から(7)のいずれかに記載の頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1において、サーバ3は、治療者がヘルメット情報及び形状データの少なくともいずれかの妥当性を選択するための操作部を医師側端末2に出力し、医師側端末2に出力された操作部を通じて選択された妥当性の選択結果を取得し、製造側端末4に出力する。
【0143】
これにより、治療者は製造者がサーバ3上にアップロードした形状データや製造前段階の頭蓋形状矯正ヘルメット7等の妥当性をクラウド(サーバ3)上で選択でき、製造者は治療者による選択結果、即ち治療者からのデータの修正の要否等をクラウド上で確認することができる。よって、治療者と製造者との間でのメール等でのやり取り等の煩雑な工程が不要となり、スムーズにデータ確認、製造へと作業を進めることができる。
【0144】
(9)頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法は、対象者100の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末2と、対象者100の頭部の形状に関する形状データに基づいて、対象者100の頭蓋形状を矯正するために頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造する製造者が使用する製造側端末4と、の間で、頭蓋形状矯正ヘルメット7に関するヘルメット情報と形状データとを入出力させる処理をコンピュータ(サーバ3)に実行させる。
【0145】
(10)プログラムは、対象者100の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末2と、治療者によって撮影された対象者100の頭部の形状に関する形状データに基づいて、対象者100の頭蓋形状を矯正するために頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造する製造者が使用する製造側端末4と、の間で、頭蓋形状矯正ヘルメット7に関するヘルメット情報と形状データとを入出力させる機能をコンピュータ(サーバ3)に実現させる。
【0146】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
【0147】
例えば、サーバ3は、重症度算出部52、治療期間推定部55、目標頭囲算出部56、及びスリット幅算出部57の少なくとも何れかを備えていなくてもよい。例えば、サーバ3が治療期間推定部55を備えていない場合、治療者が対象者100の頭蓋形状の矯正にかかる推定治療期間を算出し、医師側端末2を介してサーバ3に算出した推定治療期間を入力してもよい。これにより、対象者100又は対象者100の関係者は、対象者端末5を用いてサーバ3から推定治療期間を取得でき、治療者との間で治療期間に関する情報を容易に共有できる。また例えば、サーバ3がスリット幅算出部57を備えていない場合、治療者が対象者100に適したスリット幅dを算出し、医師側端末2を介してサーバ3に算出したスリット幅dを入力してもよい。これにより、頭蓋形状矯正ヘルメット7の製造者又は対象者100若しくは対象者100の関係者は、製造側端末4又は対象者端末5を介して、サーバ3からスリット幅dに関する情報を取得できる。
【符号の説明】
【0148】
1 頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム
2 医師側端末
3 サーバ
4 製造側端末
5 対象者端末
7 頭蓋形状矯正ヘルメット
Sp 収容空間
d スリット幅
【要約】
【課題】治療者と製造者の間で行われる頭蓋形状矯正ヘルメットに関するデータ等のやり取り及びデータ管理を効率化できる頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム、頭蓋形状矯正ヘルメット管理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】頭蓋形状矯正ヘルメット管理システム1は、対象者100の頭蓋形状を治療する治療者が使用する医師側端末2と、対象者100の頭部の形状に関する形状データに基づいて、対象者100の頭蓋形状を矯正するために頭部に装着される頭蓋形状矯正ヘルメット7を製造する製造者が使用する製造側端末4と、医師側端末2と製造側端末4との間で、頭蓋形状矯正ヘルメット7に関するヘルメット情報と形状データとを入出力するサーバ3と、を備える。
【選択図】
図1