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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】箱の開封装置及び箱の開封方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
B65B69/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024078932
(22)【出願日】2024-05-14
(62)【分割の表示】P 2019124048の分割
【原出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2024100829
(43)【公開日】2024-07-26
【審査請求日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2018144339
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年6月12日(開催期間:平成30年6月12日~6月15日)に開催された、FOOMAJAPAN2018国際食品工業展東京ビッグサイト東展示棟(ブース番号7YB-19)(東京都江東区有明3-10-1)で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000128131
【氏名又は名称】株式会社エヌテック
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】内村 宜揮
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一晃
(72)【発明者】
【氏名】中橋 明広
(72)【発明者】
【氏名】吉田 治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝昌
(72)【発明者】
【氏名】高木 克実
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-072121(JP,A)
【文献】特開2017-019042(JP,A)
【文献】特開平11-165720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の開口を閉じるフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して前記箱を開封する箱の開封装置であって、
前記箱における前記テープが貼られた開封面と交差する交差方向における当該テープの位置を検出する位置検出部と、
前記箱から離れた位置から前記開封面を検出して前記テープの切断経路の特定に必要な検出情報を取得する検出部と、
前記箱に対して相対移動して前記テープを切断するカッタと、
前記検出情報に基づいて前記テープの切断経路を特定するとともに、特定した前記切断経路に沿って前記カッタを位置制御して当該テープを切断する制御部と、を備え、
前記位置検出部は、前記交差方向における前記テープの位置を前記切断経路に沿って複数検出し、
前記制御部は、前記カッタが前記テープを切断する過程で、前記交差方向における前記テープの位置の変化に応じて前記カッタを前記交差方向に位置制御することを特徴とする箱の開封装置。
【請求項2】
箱の開口を閉じるフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して前記箱を開封する箱の開封装置であって、
前記箱における前記テープが貼られた開封面と交差する交差方向における当該テープの位置を検出する位置検出部と、
前記箱から離れた位置から前記開封面を検出して前記テープの切断経路の特定に必要な検出情報を取得する検出部と、
前記箱に対して相対移動して前記テープを切断するカッタと、
前記検出情報に基づいて前記テープの切断経路を特定するとともに、特定した前記切断経路に沿って前記カッタを位置制御して当該テープを切断する制御部と、を備え、
前記位置検出部は、前記交差方向における前記テープの位置を前記切断経路に沿って複数検出し、
前記制御部は、前記カッタが前記テープを切断する過程で、前記交差方向における前記テープの位置の変化に応じて前記テープの面に対する前記カッタの傾き角を許容範囲内に収まるように制御することを特徴とする箱の開封装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記カッタが前記切断経路に沿って前記テープを切断する過程で、前記交差方向における前記テープの位置を前記切断経路に沿って複数検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の箱の開封装置。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記交差方向における前記テープの位置を非接触で検出する非接触式の位置検出部である、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の箱の開封装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記交差方向において前記開封面における前記テープの位置を検出する第2位置検出部と、前記開封面を撮像することで前記開封面の外形を含む画像を検出する撮像部とを含む、ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の箱の開封装置。
【請求項6】
前記撮像部は前記箱の開封面を撮像可能な所定高さ位置に固定され、
前記カッタが先端部に取着されるアームを有するとともに前記制御部により制御される多関節型のロボットと、
前記箱の前記開封面が前記撮像部の焦点となる高さ位置に達するまで当該箱を上昇又は下降させる昇降機構と、を備えた、ことを特徴とする請求項5に記載の箱の開封装置。
【請求項7】
前記箱を前記テープの長手方向に沿って水平に搬送する搬送機構を更に備え、
前記制御部は、前記テープの一部が前記カッタの可動領域内にあり、当該テープの他の一部が前記可動領域内にない場合、前記カッタによる前記テープの前記一部の切断と、前記テープの前記他の一部が前記可動領域内の被切断位置に位置するまで前記箱を水平に搬送する搬送動作を伴う前記カッタによる前記テープの当該他の一部の切断とを行う、ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の箱の開封装置。
【請求項8】
箱の開口を閉じるフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して当該箱を開封する箱の開封方法であって、
前記箱における前記テープが貼られた開封面と交差する交差方向における前記テープの位置を検出する位置検出ステップと、
前記箱の前記開封面を検出して前記テープの切断経路の特定に必要な検出情報を取得する検出ステップと、
前記検出情報から前記テープの切断経路を特定するとともに、特定した前記切断経路に沿ってカッタを位置制御して前記テープを切断する制御ステップと、を備え、
前記位置検出ステップでは、前記交差方向における前記テープの位置を前記切断経路に沿って複数検出し、
前記制御ステップでは、前記カッタが前記テープを切断する過程で、前記交差方向における前記テープの位置の変化に応じて前記カッタを前記交差方向に位置制御することを特徴とする箱の開封方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱に貼られたテープを切断して箱を開封する箱の開封装置及び箱の開封方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1~3には、箱の閉じたフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して箱を開封する箱の開封装置が開示されている。特許文献1に記載された箱の開封装置(開梱包装置)は、段ボール箱のフラップの衝合部に貼られた粘着テープをカッタで切断して箱を開梱する。
【0003】
また、特許文献2、3に記載された箱の開封装置では、水平に支持された案内板と、案内板に立設されたカッタとを備え、案内板を箱のフラップの内側に挿入してフラップを少し持ち上げた状態で、コンベヤで箱を搬送することでカッタでテープを切断し、箱を開封する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-124015号公報
【文献】特開昭59-152133号公報
【文献】特開平11-91746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1~3に記載の開封装置では、箱の天面(開封面)の高さのばらつきが原因で、カッタのテープに対する差込み深さが浅くなったり、カッタがテープから離れたりすると、テープが部分的に切断されず、箱の開封不良が発生する。また、反対にカッタの差込みが深すぎると、箱の内容物を傷付ける心配もある。このため、箱の天面(開封面)の高さに多少ばらつきがあっても、テープの切断ミスに起因する箱の開封不良を低減できる箱の開封装置が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、テープの切断ミスに起因する箱の開封不良を低減できる箱の開封装置及び箱の開封方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する箱の開封装置は、箱の開口を閉じるフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して前記箱を開封する箱の開封装置であって、前記箱における前記テープが貼られた開封面と交差する交差方向における当該テープの位置を検出する位置検出部と、前記開封面を前記交差方向に離れた撮像位置から撮像して当該開封面を含む撮像画像を取得する撮像部と、前記箱に対して相対移動して前記テープを切断するカッタと、前記位置検出部が検出した前記交差方向における前記テープの位置と、前記撮像画像中の前記開封面の外形の位置から定まる画像座標系の前記テープの切断経路とに基づき決まる制御座標系の前記テープの切断経路に沿って前記カッタを位置制御して当該テープを切断する制御部と、を備える。なお、撮像画像中の開封面の外形の位置は、外形全周の位置に限らず、テープの切断経路を特定できる、外形の少なくとも一部の位置でもよい。例えば、外形が多角形であれば、外形の少なくとも2つの頂点の位置でもよい。
【0008】
この構成によれば、開封面と交差する交差方向におけるテープの位置と、開封面を撮像した撮像画像中の開封面の外形の位置とに基づき切断経路が決まるので、テープの位置が交差方向に多少ばらついてもカッタをテープに対して適切に位置制御できる。よって、箱の開封面に貼られたテープの切断ミスに起因する箱の開封不良を低減できる。
【0009】
上記箱の開封装置において、前記位置検出部は、前記箱に対して前記開封面と平行な方向に検出光を出射しながら前記交差方向に移動可能なセンサ部と、前記センサ部を前記交差方向に移動させる第1移動機構とを有し、前記センサ部を前記交差方向に移動させて前記テープの前記交差方向における位置を検出し、前記撮像部を前記撮像位置へ移動させる第2移動機構を備えてもよい。
【0010】
この構成によれば、テープの交差方向における位置検出と、開封面の撮像とを独立した移動機構で並行に行うことができる。位置検出部と撮像部とが同じ移動機構により位置制御される構成に比べ、カッタの切断経路を早く決め、テープの切断作業を高速に実現できる。
【0011】
上記箱の開封装置において、前記交差方向における前記テープまでの距離を計測する距離センサを備え、前記制御部は、前記距離センサに前記テープまでの距離を当該テープの前記切断経路に沿って複数検出させ、前記カッタを前記切断経路に沿って位置制御して前記テープを切断する過程で前記テープまでの前記距離の変化に応じて前記カッタを前記交差方向に位置制御してもよい。
【0012】
この構成によれば、箱における開封面の凹みに追従してテープを切断できる。
上記箱の開封装置において、前記第2移動機構は、前記撮像部及び前記カッタが先端部に取着されるアームを有するとともに前記制御部により制御される多関節ロボットであり、前記距離センサは、前記アームの先端部に取着されてもよい。
【0013】
この構成によれば、カッタを位置制御するロボットのアームに距離センサも取着されるので、交差方向におけるテープまでの距離の変化を切断経路に沿って計測できる。よって、箱における開封面の凹みに追従してテープを切断できる。
【0014】
上記箱の開封装置において、前記位置検出部は、前記交差方向における前記テープまでの距離を計測して当該テープの前記交差方向における前記位置を検出する距離センサであり、前記制御部は、前記距離センサに前記テープまでの距離を当該テープの前記切断経路に沿って複数検出させ、前記カッタを前記切断経路に沿って位置制御して前記テープを切断する過程で前記テープまでの前記距離の変化に応じて前記カッタを前記交差方向に位置制御してもよい。
【0015】
この構成によれば、箱における開封面の凹みに追従してテープを切断できる。
上記箱の開封装置において、前記撮像部は前記箱の開封面を撮像可能な所定高さ位置に固定され、前記カッタが先端部に取着されるアームを有するとともに前記制御部により制御される多関節型のロボットと、前記箱の前記開封面が前記撮像部の焦点となる高さ位置に達するまで当該箱を上昇又は下降させる昇降機構と、を備えてもよい。
【0016】
この構成によれば、撮像部を移動させる必要がない。また、カッタが先端部に取着されたアームの可動領域が広い高さ位置に箱の開封面がある状態で開封面に撮像部の焦点が合うように昇降機構を設定すれば、カッタがテープを切断できる箱の最大サイズを大きくすることができる。
【0017】
上記箱の開封装置において、前記箱を前記テープの長手方向に沿って水平に搬送する搬送機構を更に備え、前記制御部は、前記テープの一部が前記カッタの可動領域内にあり、当該テープの他の一部が前記可動領域内にない場合、前記カッタによる前記テープの前記一部の切断と、前記テープの前記他の一部が前記可動領域内の被切断位置に位置するまで前記箱を水平に搬送する搬送動作を伴う前記カッタによる前記テープの当該他の一部の切断とを行ってもよい。
【0018】
この構成によれば、テープの一部がアームの先端部に取着されたカッタの可動領域内にあり、かつテープの他の一部がカッタの可動領域から外れる大きさの箱に対しても、箱を水平に搬送することでテープを切断できる。ロボットのアームの可動領域の割にテープを切断できる箱の最大サイズを大きくすることができる。
【0019】
上記箱の開封装置において、前記制御部は、前記カッタが前記テープを切断する過程で、前記テープまでの距離の変化に応じて前記テープの面に対する前記カッタの傾き角を許容範囲内に収まるように制御してもよい。
【0020】
この構成によれば、カッタが切断経路に沿って位置制御されてテープを切断する過程でテープの面に対するカッタの傾き角が許容範囲内に収まるように制御されるので、テープ切断時にカッタにかかる負荷を小さくすることができる。例えば、カッタの破損等が減り、カッタの長寿命化が可能となる。
【0021】
上記箱の開封装置において、前記箱の開封面における2つの前記フラップの境界に貼られた第1テープと、前記2つのフラップと前記箱の側面との境界に沿って貼られた第2テープとを切断対象とし、前記制御部は、前記交差方向の前記位置と、前記撮像画像中の前記開封面の外形における二以上の頂点を含む複数点の画像座標系の位置座標とから前記第1テープの切断経路を割り出し、割り出した当該切断経路に沿って前記カッタを位置制御して前記第1テープを切断し、前記交差方向の前記位置と、前記撮像画像中の前記開封面と隣の面とが交差する画像座標系エッジラインとから、エッジラインを割り出し、割り出した当該エッジラインに沿った切断経路で前記カッタを位置制御して前記第2テープを切断してもよい。
【0022】
この構成によれば、箱の開封面と側面とが交差するエッジラインに沿った切断経路でカッタが位置制御されるので、箱の側面が変形していてもその変形による湾曲したエッジラインに沿って第2テープを切断できる。
【0023】
上記課題を解決する箱の開封方法は、箱の開口を閉じるフラップの周縁に沿って貼られたテープを切断して当該箱を開封する箱の開封方法であって、前記箱における前記テープが貼られた開封面と交差する交差方向における前記テープの位置を検出する位置検出ステップと、前記箱の前記開封面を撮像して撮像画像を取得する撮像ステップと、前記位置検出ステップで検出した前記テープの前記交差方向における位置と、前記撮像ステップで取得した前記撮像画像中の前記開封面の外形位置から定まる前記テープの画像座標系の切断経路とに基づき決まる前記テープの切断経路に沿ってカッタを位置制御して前記テープを切断する制御ステップと、を備える。この方法によれば、箱の開封装置と同様に、テープの切断ミスに起因する箱の開封不良を低減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、テープの切断ミスに起因する箱の開封不良を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態における箱の開封システムを示す模式側面図。
図2】箱の開封システムを示す模式正面図。
図3】作業位置に位置決めされた箱を示す斜視図。
図4】箱の開封システムの電気的構成を示すブロック図。
図5】箱の開封面の外形から切断経路を求める方法を説明する模式図。
図6】第2テープの切断経路を求める方法を説明する模式図。
図7】第2テープを切断するカッタの動作を説明する模式平面図。
図8】テープ切断制御を示すフローチャート。
図9】(a)は高さ検出装置の変更例を示す模式正面図、(b)は第1テープのフラップに貼られた部分を示す模式正面図。
図10】第2実施形態におけるテープの切断制御を示す模式正面図。
図11】テープ切断制御を示すフローチャート。
図12】第3実施形態における箱の開封システムを示す正面図。
図13】大サイズの箱を開封するときの開封装置を示す側面図。
図14】小サイズの箱を開封するときの開封装置を示す側面図。
図15】アームに装着されたヘッドを示す一部破断した模式側面図。
図16】アームに装着されたヘッドを示す模式正面図。
図17】距離センサで鉛直方向Zの距離を計測する様子を示す模式正面図。
図18】第1テープを切断する様子を示す模式正面図。
図19】大サイズの箱に対して第2テープを切断するカッタの動作を説明する模式正面図。
図20】テープ切断制御を示すフローチャート。
図21】変更例において比較例のヘッドによるテープ切断制御を示す模式正面図。
図22】実施例のヘッドによるテープ切断制御を示す模式正面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、箱の開封装置11を備える箱の開封システム10に係る一実施形態を、図面を参照して説明する。図1図2に示す箱の開封システム10において、箱12の高さ方向をZ方向、Z方向と直交する2方向のうち箱12が搬送される搬送方向と平行な方向をX方向、X方向と直交する幅方向をY方向とする。なお、X方向のうち箱12が搬送される方向を搬送方向X1、2つの方向Y,Zを、幅方向Y、高さ方向Zともいう。
【0027】
図1図2に示す箱の開封システム10は、箱12を搬送するコンベヤ21を備える搬送装置20と、コンベヤ21上の作業位置SPに位置決めされた箱12に対してテープ17,18を切断して箱12を開封する開封作業を行う箱の開封装置11とを備える。図1に示す例では、コンベヤ21上に箱12は開封すべき開封面13を天面とする向きに配置されて搬送される。開封装置11は、箱12の開封面13に貼られたテープ17,18をカッタ53で切断して箱12を開封する。
【0028】
図1図2に示すように、搬送装置20は、コンベヤ21上の箱12を作業位置SPに位置決めする位置決め装置22を備える。位置決め装置22は、箱12を搬送方向X1に位置決めするストッパ装置23と、箱12を搬送方向X1と交差する幅方向Yに位置決めする一対のガイド装置24とを有する。ストッパ装置23は、シリンダ25と、シリンダ25のピストンロッドの先端に固定されたストッパ26とを備える。シリンダ25が収縮状態にあるとき、ストッパ26はコンベヤ21の下側の退避位置に配置され、シリンダ25が伸長駆動されると、コンベヤ21の上方に突出して箱12の搬送方向X1への移動を規制して箱12を搬送方向X1に位置決めする規制位置に配置される。
【0029】
図1図2に示すように、一対のガイド装置24は、コンベヤ21上の作業位置SPを挟む幅方向Y両側に配置され、一対のシリンダ27と、シリンダ27のピストンロッドの先端に固定されたガイド部材28とを有する。一対のシリンダ27が共に伸長駆動されると、一対のガイド部材28が箱12を両側面から挟んで箱12を幅方向Yに位置決めする。一対のガイド装置24は、図2に示すセンサ29が、ストッパ装置23により搬送方向X1に位置決めされた箱12を検知すると駆動され、箱12を幅方向Yに位置決めする。
【0030】
図1に示すように、開封装置11は、作業位置SPに位置決めされた箱12の開封面13の高さ位置を検出する高さ検出装置30と、検出された高さ位置にある開封面13に貼られたテープ17,18を切断する切断作業を行うロボット40と、を備える。
【0031】
高さ検出装置30は、箱12の天面となる開封面13の高さ位置を検出する。高さ検出装置30は、昇降機構31と、昇降機構31により高さ方向Zに移動(昇降)可能に支持されたセンサ部32とを備える。センサ部32は、作業位置SPの上方に向かって水平方向に図1における破線で示す検出光HLを出射する光出射機能と、光出射経路上で物体に反射した検出光HLを受光する受光機能とを有する検出部33を有する。昇降機構31は、高さ方向Zに延びる所定長さを有するレール34と、センサ部32をレール34に沿って高さ方向Zに昇降させる動力源となるモータ35とを備える。センサ部32は、モータ35の動力が不図示の動力伝達機構を介して伝達されることでレール34に沿って高さ方向Zに移動する。なお、動力伝達機構は、例えばベルト式、ワイヤ式およびボールネジ式のうちの1つで構成される。また、昇降機構31の動力源は、モータ35に替え、電動シリンダとしてもよい。
【0032】
図1に示すように、高さ検出装置30のセンサ部32は、箱12の開封面13と平行な方向に検出光HLを出射しながら高さ方向Zに移動(昇降)する。センサ部32は、例えば検出光HLとしてレーザー光を出射するレーザスキャナである。センサ部32は、高さ方向Zに移動する過程で検出部33が物体を検知しない状態と、物体を検知する状態との切り替わり位置を、箱12の開封面13の高さ方向の位置として検出する。すなわち、高さ検出装置30は、高さ方向Zに移動するセンサ部32から出射した検出光HLの反射光の有無によって箱12の開封面13の高さ位置を検出する。例えば、センサ部32は、想定される箱12の高さよりも高い所定の検出開始位置から所定速度で下降しながら水平方向に検出光HLを出射し、箱12からの反射光を受光するようになると、そのときの高さ位置を開封面13の高さ位置として検出する。こうして高さ検出装置30は、ロボット40が開封対象とする箱12の開封面13の高さ位置を検出する。この開封面の高さ位置は、開封面13が水平面であれば、開封面13に貼られたテープ17,18の高さ位置となる。また、高さ方向Zは、開封面13と交差(例えば直交)する方向である。この点で、高さ検出装置30は、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13と交差する方向におけるテープ17,18の位置を検出する。なお、高さ検出装置30の高さ検出方式は、検出光HLを出射しその反射光を検出する光検出方式に限定されず、音波を用いて開封面13の高さを検出する方式でもよい。
【0033】
図1に示すように、ロボット40は、床面に設置された台部41と、台部41に対して鉛直軸を中心に回転可能な回転台42と、回転台42に支持された多関節のアーム43と、アーム43の先端部に支持されたヘッド44とを備えた多関節式の産業ロボットである。アーム43は、台部41上に配設された動力源45の動力により回転台42と共に軸回転する。また、アーム43は、角度変更可能に連結された複数のアーム部43A~43Dにより構成される。複数のアーム部43A~43Dは、駆動機構46が駆動されることにより不図示の駆動リンク等を介して角度調整される。駆動機構46は、例えば電動モータ又は電動シリンダ等の不図示の動力源を含む。ヘッド44は、アーム43の先端部となるアーム部43Dが不図示のモータを動力源として軸回転可能に備える回転部48に支持されている。ヘッド44は、アーム部43Dの回転部48に対して着脱可能に装着されている。このように本例のロボット40は、回転台42及び複数のアーム部43A~43Dよりなる関節を6つ又は7つ備える、6軸又は7軸の多関節型ロボットである。
【0034】
図1図2に示すように、ヘッド44は、回転部48に支持された支持部49を有する。支持部49には、撮像部の一例としてのカメラ50と、カッタユニット51とが組み付けられている。ロボット40は、カメラ50をセンサ部32が検出した高さ位置に焦点が合う、図1図2に示す撮像位置に移動させ、カメラ50によって箱12の開封面13を撮像する。撮像位置は、作業位置SPに位置決めされた箱12の開封面13と直交する高さ方向Zにおいて開封面13よりも所定高さ上方位置に設定されている。カメラ50は、箱12の開封面13を撮像して開封面13を含む撮像画像を取得する。カメラ50が撮像した画像データは制御部60(図4を参照)へ送信される。ロボット40は、箱12の開封面13に貼られたテープ17,18をヘッド44に取り付けられたカッタユニット51で切断する開封作業を行う。
【0035】
図1図2に示すように、支持部49には、カッタユニット51を構成する円柱状の振動子52が組み付けられている。振動子52の出力軸の先端部にカッタ53が固定されている。振動子52及びカッタ53は、その軸線が例えばカメラ50の光軸方向と平行となる所定の姿勢で保持されている。カッタユニット51は、振動子52が発生する超音波でカッタ53を振動させ、その振動する状態のカッタ53でテープ17,18を切断する。なお、振動子52は、アーム43に沿ってその内部または外部を通る不図示の電力線を介して不図示の発振器と電気的に接続され、発振器から供給される周期的に変化する電圧により超音波振動する。カッタ53は、ロボット40のアーム43の動きにより位置制御および姿勢制御されることにより、箱12に対して相対移動し、開封面13に貼られたテープ17,18を切断する。すなわち、
ロボット40のアーム43の姿勢を制御してカッタ53を開封面13に沿ってX方向に移動させることにより、開封面13に貼られた第1テープ17を切断する。また、ロボット40が図2に二点鎖線で示すカッタ53を例えば約45度に傾けた姿勢にアーム43を制御して、カッタ53を開封面13の側縁に沿ってY方向に移動させることにより、開封面13の側縁に貼られた第2テープ18を切断する。ロボット40がテープ17,18を切断して開封した箱12は、コンベヤ21により搬出される。搬出された箱12は、開封システム10よりも搬送方向X1の下流側に配置された不図示の開梱装置へ送られる。なお、開梱装置は、テープ17,18が切断された後の箱12に対して、複数のフラップを外側に押し広げて箱12を内容物の取り出しが可能な状態としたり、さらに箱12から内容物を取り出す作業を行ったりする。
【0036】
次に、図3を参照して、箱12が開封される作業位置SPへの位置決め及び開封面13に貼られたテープ17,18について説明する。図3に示すように、箱12は、例えば段ボール箱であり、開封面13の中央ラインに沿って貼られた第1テープ17と、第1テープ17と交差する状態で開封面13の2つの側縁に開封面と側面とに跨って貼られた第2テープ18とにより、所謂「H貼り」により閉じられている。テープ17,18は、例えば、粘着テープである。
【0037】
ここで、図3を参照して開封対象の箱12について説明する。図3は、コンベヤ21上の作業位置SPに位置決めされた開封前の箱12を示す。図3に示す例では、箱12は、搬送方向X1にストッパ26により移動が規制されることで搬送方向X1に位置決めされ、かつ一対のガイド部材28が箱12を両側面12Aから挟むことで幅方向Yに位置決めされる。箱12は、箱本体15と、箱本体15の上側の開口12Kを閉じる状態に折り曲げられた4つのフラップ16(図3では外側の2つのみ示す)を有する。上側の一対のフラップ16の周縁に沿ってテープ17,18は貼られている。一対のフラップ16の向き合う境界に沿ってX方向に延びるように第1テープ17(中央テープ)が貼られている。第1テープ17は、箱12の開封面13における幅中心を通りX方向に延びる中央ラインに沿って貼られている。また、箱12には、一対のフラップ16の両側縁と箱12の側面12Bとの境界に沿ってY方向に延びるように第2テープ18(側縁テープ)が貼られている。開封装置11は、箱12の開封面13における2つのフラップ16の境界に貼られた第1テープ17と、2つのフラップ16と、箱12の側面12Bとの境界に沿って開封面13の側縁に貼られた第2テープ18とを切断対象とする。
【0038】
図3に示すように、箱12の開封面13に貼られた第1テープ17は、同図に一点鎖線で示す第1切断経路L1に沿って切断される。また、箱12の開封面13の側縁に貼られた第2テープ18は、図3に一点鎖線で示す第2切断経路L2に沿って切断される。なお、第1切断経路L1は、第1テープ17の幅中心ではなく、一対のフラップ16の境界線に相当する位置である。また、第2切断経路L2は、第2テープ18の幅中心ではなく、一対のフラップ16の側縁と側面12Bとの境界に相当する位置である。
【0039】
なお、例えば開封システム10の上流側には、パレットに段積みされた箱群から1つずつ箱12を取り出してコンベヤ21上に載置する段ばらし作業を行うデパレタイザが配置されている。デパレタイザは箱12に記された2次元コードを読取部で読み取って箱特定情報を取得する。開封システム10が有する図4に示す制御部60は、デパレタイザから受信して箱特定情報を事前に取得している。制御部60は、箱特定情報を基に取得した箱12のサイズに応じてシリンダ27を駆動制御して一対のガイド部材28を位置制御する。図1図2に示すコンベヤ21上には各種のサイズの箱12が搬入されるが、箱特定情報に応じてシリンダ27の突出量が制御されることで、どのサイズの箱12も幅方向Yに位置決めできる。
【0040】
次に、図4を参照して、開封システム10の電気的構成について説明する。開封システム10の制御部60には、操作盤70が電気的に接続されている。操作盤70は表示部71備える。作業者が、開封システム10に対して、各種設定データの入力操作、運転の開始及び停止等の指示を与える操作を行うときに、操作盤70が用いられる。制御部60は、設定画面や作業者にエラー等を報知する報知用画面などを、操作盤70の表示部71に表示させる。
【0041】
制御部60には、搬送装置20を構成する、コンベヤ21、位置決め装置22及びセンサ29が電気的に接続されている。また、制御部60には、開封装置11を構成する、ロボット40、カメラ50及びカッタユニット51が電気的に接続されている。制御部60は、コンベヤ21で搬入される箱12をセンサ29の検知信号に基づいて位置決め装置22を制御して箱12を作業位置SPに位置決めする。また、制御部60は、高さ検出装置30を制御してセンサ部32により開封面13上のテープ17,18の高さ位置を検出する。制御部60は、ロボット40を制御してカメラ50を撮像位置に移動させる。制御部60は、カメラ50が撮像した画像を取得する。また、制御部60は、カッタユニット51を制御してカッタ53を超音波振動させる。
【0042】
また、制御部60は、画像処理部61、演算部62およびメモリ63を備える。メモリ63には、図8にフローチャートで示される切断制御用のプログラムPRが記憶されている。なお、制御部60は、マイクロプロセッサ等のコンピュータを内蔵する。画像処理部61及び演算部62は、コンピュータがメモリ63に記憶されたプログラムPRを実行することで構成されるソフトウェアよりなる。なお、画像処理部61及び演算部62は、制御部60内の電子回路によるハードウェアで構成してもよい。また、制御部60は、ロボット40を制御するロボットコントローラと、カメラ50及びカッタユニット51を制御する開封制御系のコントローラとに分けて構成してもよい。
【0043】
制御部60は、高さ検出装置30が検出した箱12の開封面13に貼られたテープ17,18の高さ位置と、カメラ50が撮像位置から撮像した開封面13の画像CI(図5参照)とに基づいて、テープ17,18の切断経路を算出する。画像処理部61は、カメラ50が開封面13を撮像した図5に示す開封面13gを含む画像CIを取得し、画像CIに所定の画像処理を施して、図5に示すような開封面13の外形を取得する。演算部62は、開封面13の外形上の複数の点の座標から幾何学的な計算を行って、ロボット40がアーム43の制御によってカッタ53を位置制御するための第1切断経路L1および第2切断経路L2を求める。制御部60は、ロボット40を制御し、第1切断経路L1および第2切断経路L2に沿ってカッタ53を位置制御する。
【0044】
次に、開封システム10の作用を説明する。作業者は、操作盤70を操作し、運転開始の指示を与える。制御部60は、運転開始の指示を受け付けると、開封システム10の運転を開始する。制御部60は、メモリ63から図8にフローチャートで示されるプログラムPRを読み出して実行する。
【0045】
なお、制御部60は、開封システム10の上流側で箱の段ばらし作業を行っているパレタイザから、コンベヤ21へ搬入される箱12に関する箱特定情報を受信する。箱特定情報には、箱12の品番、形状およびサイズ等の情報が含まれる。コンベヤ21に箱12が搬入されたことを不図示のセンサが検知すると、制御部60は、シリンダ25を駆動させてストッパ26を退避位置から図1図3に示す規制位置へ移動させる。箱12が搬送方向X1に位置決めされ、センサ29が箱12を検知すると、一対のシリンダ27を駆動させて一対のガイド部材28によって箱12を挟んで幅方向Yに位置決めする。こうして箱12は、作業位置SPに位置決めされる。
【0046】
以下、制御部60が図8にフローチャートで示されるプログラムPRを実行し、開封装置11に行わせる開封制御について説明する。
まずステップS11では、制御部60は、テープ17,18の交差方向の位置を検出する。すなわち、制御部60は、箱12の開封面13と交差する交差方向である高さ方向Zにおける開封面13に貼られたテープ17,18の位置(高さ位置)を検出する。詳しくは、制御部60は、高さ検出装置30を制御し、センサ部32を検出開始位置から下降させて、開封面13の高さ位置を検出する。このとき検出される開封面13の高さ位置は、開封面における2つのフラップ16の境界に沿って貼られた第1テープ17の位置に相当する。なお、本実施形態では、このステップS11の処理が、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13と交差する交差方向におけるテープ17,18の位置を検出する「位置検出ステップ」の一例に相当する。
【0047】
ステップS12では、制御部60は、カメラ50を撮像位置へ移動する。すなわち、制御部60は、ロボット40のアーム43を制御し、カメラ50を開封面13の上方の所定高さの図1図2に示す撮像位置に配置する。このカメラ50の撮像位置は、箱12の開封面13から高さ方向Zにカメラ50の焦点距離に相当する距離だけ上方の位置である。この撮像位置からカメラ50が下方を撮像すると、開封面13に焦点が合う。
【0048】
ステップS13では、制御部60は、カメラ50に箱12の開封面13を撮像させる。詳しくは、制御部60は、カメラ50に撮像指令信号を出力する。カメラ50は、撮像指令信号を入力すると、撮像動作を行う。この結果、カメラ50によって箱12の開封面13が撮像される。カメラ50が開封面13を撮像した画像データCI(以下、単に「画像CI」ともいう。)は、制御部60へ送られる。なお、本実施形態では、このステップS13の処理が、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13を撮像する「撮像ステップ」の一例に相当する。
【0049】
なお、本実施形態では、ロボット40のカメラ50と、高さ検出装置30のセンサ部32は、互いに独立の移動系で駆動される。ステップS11とステップS12とは、制御部60からの別々に出された指示に基づきロボット40と高さ検出装置30とが別々に駆動される。このため、センサ部32によるテープ17,18の交差方向の位置の検出、すなわち交差方向が高さ方向Zである本例ではテープ17,18の高さ位置検出と、カメラ50による撮像位置からの開封面13の撮像とが並行に行われる。
【0050】
ステップS14では、制御部60は、開封面13gを含む画像CIを画像処理する。制御部60は、開封面13gを含む画像CIに、画像処理として例えば二値化処理を施し、開封面13gの外形を把握し易い画像を生成する。なお、箱の開封面の外形を把握できるのであれば、画像処理は省略してもよい。
【0051】
ステップS15では、制御部60は、テープ切断経路を算出する。詳しくは、制御部60は、高さ検出装置30が検出したテープ17,18の高さ位置からカッタ53の高さを制御する切断高さを求める。また、制御部60は、高さ検出装置30が検出したテープ17,18の高さ位置から、撮像位置のカメラ50から開封面13上のテープ17までの距離(「撮像距離」ともいう。)を求める。制御部60は、画像処理された画像CI中の開封面13gの外形の画像座標系の位置と、撮像距離と、カメラ50の光学パラメータを基に、画像CI中の開封面13gの外形から幾何学的な計算により、開封面13のカメラ座標系のXY平面におけるカッタ53の切断経路を求める。すなわち、制御部60は、カメラ50が開封面13を撮像したときの撮像距離と、撮像画像CIに含まれる開封面13gの位置およびサイズから、カメラ座標系のテープ切断経路を求める。さらに、制御部60は、カメラ座標系のテープ切断経路を、ロボット制御の制御座標系に座標変換する。
【0052】
ここで、開封面13gの外形を用いることで、第1テープ17の切断経路である第1切断経路L1は、第1テープ17の幅中心線ではなく、箱12の開口12Kを閉じる上側に位置する一対のフラップ16の境界線の位置として求められる。また、第2テープ18の切断経路である第2切断経路L2は、第2テープ18の幅中心線ではなく、一対のフラップ16と箱12のX方向に対向する両側の側面12Bとの各境界線の位置として求められる。これら第1切断経路L1と第2切断経路L2との計算は、制御部60の演算部62が以下のように行う。
【0053】
図5に示すように、演算部62は、画像処理後の画像CI中の箱12gの開封面13gの外形から頂点A,B,C,Dの座標(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),(x4,y4)を求める。次に制御部60は、第1テープ17の長手方向と交差する幅方向Yに対向する1組の頂点A,Bの中点E((x1+x2)/2,(y1+y2)/2)と、他の1組の頂点C,Dの中点F((x3+x4)/2,(y3+y4)/2)とを求める。これらの中点E,Fを結んだ線分EFをxy平面上の切断経路Ta1として求める。そして、演算部62は、xy平面上の切断経路Ta1を、画像座標系からカメラ座標系に座標変換し、さらにロボット制御の制御座標系に座標変換し、制御座標系のXY平面上の切断経路T1を求める。Z方向の切断位置(切断高さ)の座標は、高さ検出装置30が検出したテープ17の高さ位置の座標Hzを使用する。よって、第1切断経路L1は、XY平面上の切断経路T1(制御座標系の線分EF)とZ座標値Hzとにより規定される。なお、制御部60は、撮像画像CIにおける開封面13gの外形における二以上の頂点を含む複数の位置座標から第1切断経路L1を割り出す。開封面13gの外形における二以上の頂点は、第1切断経路L1を求められる限りにおいて、どの頂点を用いてもよいし、算出方法も適宜選択できる。
【0054】
また、図5において、演算部62は、頂点A,Bを結ぶ線分ABと、頂点C,Dを結ぶ線分CDとを、それぞれ二つの第2テープ18のxy平面上の切断経路Ta2として求める。そして、演算部62は、xy平面上の切断経路Ta2を、画像座標系からカメラ座標系へ、さらに制御座標系に座標変換し、制御座標系のXY平面上の切断経路T2を求める。Z方向の切断位置(切断高さ)の座標は、高さ検出装置30が検出したテープ17の高さ位置の座標Hzを使用する。よって、第2切断経路L2は、XY平面上の切断経路T2(制御座標系の線分ABと線分CD)と、Z座標値Hzとにより規定される。
【0055】
また、第2切断経路L2については、図6に示すように開封面13gの側縁のエッジラインELの湾曲を考慮して求めることもできる。図6に示すように、頂点AB間のエッジラインEL上に複数の点をほぼ一定ピッチでとり、演算部62は、これら点群のxy座標を、画像座標系からカメラ座標系へ、さらにロボット制御の制御座標系に座標変換し、得られた制御座標系の点群のXY座標と、Z座標値Hzとにより、図6における左側の第2切断経路L2を求める。また、演算部62は、図6における頂点CD間のエッジラインEL上の点群のxy座標を、画像座標系からカメラ座標系へ、さらに制御座標系に座標変換し、得られたた制御座標系の点群のXY座標と、Z座標値Hzとにより、図6における右側の第2切断経路L2を求める。なお、画像座標系の開封面13gの外形の座標を用いて各切断経路L1,L2を求める算出方法は、適宜変更できる。
【0056】
ステップS16では、制御部60は、ロボット40を制御してカッタ53を、テープ17,18の切断経路L1,L2に沿って位置制御し、テープ17,18を切断する。すなわち、制御部60は、ロボット40を制御してアーム43の先端部のヘッド44に固定されたカッタユニット51のカッタ53を、ステップS15で算出した切断経路L1,L2に沿って位置制御し、テープ17,18を切断する。詳しくは、制御部60は、カッタ53を第1切断経路L1の始点に移動させるとともにカッタ53を第1テープ17を切断するときの第1姿勢角に角度制御し、第1切断経路L1に沿って位置制御しながら終点まで移動させ、第1テープ17を切断する。従って、カッタ53は図3における切断経路L1に沿って移動し、第1テープ17を一対のフラップ16の境界に沿って切断する。
【0057】
また、制御部60は、第2テープ18を切断するときは、カッタ53を第2切断経路L2の始点に移動させるとともにカッタ53を第2テープ18を切断するときの図2に二点鎖線で示す第2姿勢角に角度制御し、第2切断経路L2に沿って位置制御しながら終点まで移動させ、第2テープ18を切断する。第2テープ18は、図3における切断経路L2に沿って、カッタ53が移動することで切断される。
【0058】
また、図6に示すエッジラインEL上の点群により第2切断経路L2を求めた場合は、図7に示すようにカッタ53は位置制御される。図7に示すように、カッタ53は、まず同図に一点鎖線の矢印(1)で示すように第1切断経路L1に沿って移動し、第1テープ17を切断する。次に、カッタ53は、図7に一点鎖線の矢印(2)で示すように曲線状の第2切断経路L2に沿って移動し、一方の第2テープ18を切断する。さらに、カッタ53は、図7に一点鎖線の矢印(3)で示すように曲線状の第2切断経路L2に沿って移動し、他方の第2テープ18を切断する。図7に示すように、箱12の側面12Bが湾曲していても、カッタ53が開封面13のエッジラインELの曲線に沿って移動することで、第2テープ18は切断される。なお、本実施形態では、このステップS16の処理が、開封面の高さ位置に基づく切断高さと、撮像画像CIにおける開封面13gの外形から幾何学的に割り出したテープの切断経路とに基づいてカッタ53を位置制御してテープ17,18を切断する「制御ステップ」の一例に相当する。
【0059】
このため、カッタ53は、第1テープ17に対して所定の深さで差し込まれた状態で図3に示す切断経路L1に沿って移動する。よって、開封面13が多少変形していても、第1テープ17は一対のフラップ16の境界で確実に切断される。カッタ53は、第1テープ17の厚みよりも少し深く入り込みつつも過度に箱12内に入り込むことがない。このため、カッタ53によって第1テープ17を確実に切断できるうえ、カッタ53が箱12内の内容物を傷付けることを回避できる。また、図3に示すように、箱12の2つの側縁に貼られた2つの第2テープ18は、カッタ53が第2切断経路L2に沿って移動することで切断される。
【0060】
図9(a)に示すように、高さ検出装置30を、開封面13と交差する交差方向である高さ方向Zに加えX方向にも移動可能に構成することもできる。図9(a)の例では、高さ検出装置30は、底部に走行台36を備え、走行台36がレール37に案内されてX方向に移動する。高さ検出装置30のセンサ部32は、検出部33から箱12の側面12Bと対向する位置側からY方向(図9における紙面と直交する方向の奥側)に向かって検出光を射出する。高さ検出装置30は、検出部33からY方向に検出光を射出しながら、モータ35の駆動により高さ方向Zに昇降可能であると共に、走行台36上に配設されたモータ38の駆動によりX方向にも移動可能である。図9(b)に示すように、センサ部32が検出部33から検出光を出射しながら高さ方向Zに移動して第1テープ17の高さ位置として高さ位置Pを検出した場合、さらに検出光を射出しながらX方向に移動しつつ高さ方向Zにも移動することで、第1テープ17の高さ位置Pよりもさらに高い高さ位置Qを検出できる。図9(b)に示すように、一対のフラップ16が浮いている場合、センサ部32により検出される第1テープ17の高さ位置がX方向の僅かな位置の違いで変化する。また、第1テープ17は非常に薄いので、カッタ53の高さが僅かにずれると、第1テープ17の切断ミスが発生する。しかし、図9(a)に示す高さ検出装置30は、センサ部32が、Y方向に検出光を出射しながら、高さ方向Z(交差方向)に加え第1テープ17の幅方向であるX方向にも走査できるので、第1テープ17の高さ方向Zにおける切断位置として適切な最も高い位置をより正確に検出できる。このため、図9(b)に示すように、フラップ16が浮いて斜めになっていても第1テープ17の切断経路の高さ位置を適切に検出して第1テープ17を切断ミスなく確実に切断することができる。
【0061】
以上詳述したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)貼られたテープ17,18を切断して箱12を開封する箱12の開封装置11を備える。開封装置11は、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13と交差する高さ方向Zにおけるテープ17,18の位置を検出する高さ検出装置30と、開封面13を高さ方向Zから撮像して開封面13gを含む撮像画像CIを取得するカメラ50とを備える。また、開封装置11は、箱12に対して相対移動してテープ17,18を切断するカッタ53を備える。さらに開封装置11は、高さ検出装置30が検出したテープ17,18の高さ方向Zにおける位置と、撮像画像CI中の開封面13gの外形の位置とに基づき決まるテープ17,18の切断経路L1,L2に沿ってカッタ53を位置制御してテープ17,18を切断する制御部60を備える。よって、開封面13と交差する高さ方向Zにおけるテープ17,18の位置と、開封面13を撮像した撮像画像CI中の開封面13gの外形の位置とに基づき切断経路L1,L2を決めるので、テープ17,18の位置が高さ方向Zに多少ばらついてもカッタ53をテープ17,18に対して適切に位置制御できる。したがって、箱12の開封面13に貼られたテープ17,18の切断ミスに起因する箱12の開封不良を低減できる。
【0062】
(2)高さ検出装置30は、箱12に対して開封面13と平行な方向に検出光を出射しながら高さ方向Zに移動可能なセンサ部32と、センサ部32を高さ方向Zに移動させる昇降機構31とを有する。センサ部32を高さ方向Zに移動させてテープ17,18の高さ方向Zにおける位置を検出する。第1移動機構の一例としての昇降機構31と、カメラ50を撮像位置へ移動させる第2移動機構の一例としてのロボット40とは別々に設けられている。よって、テープ17,18の高さ方向Zにおける位置検出と、開封面13の撮像とを独立した移動機構で並行に行うことができる。高さ検出装置30とカメラ50とが同じ移動機構により位置制御される構成に比べ、カッタ53の切断経路L1,L2を早く決め、テープ17,18の切断作業を高速に実現できる。
【0063】
(3)箱12の開封面13における2つのフラップ16の境界に貼られた第1テープ17と、2つのフラップ16と、箱12の側面12Bとの境界に沿って貼られた第2テープ18とを切断対象とする。制御部60は、撮像画像CI中の開封面13gの外形における二以上の頂点を含む複数の位置座標から第1テープ17の第1切断経路L1を割り出し、割り出した第1切断経路L1に沿ってカッタ53を位置制御して第1テープ17を切断する。また、制御部60は、カメラ50の撮像画像CI中の開封面13gの外周線から開封面13における隣の面である側面12Bと交差するエッジラインELを割り出し、割り出したエッジラインELに沿った第2切断経路L2でカッタ53を位置制御して第2テープ18を切断する。よって、箱12の開封面13と側面12Bとが交差するエッジラインに沿った第2切断経路L2でカッタ53が位置制御されるので、箱12の側面12Bが変形していてもその変形による湾曲したエッジラインに沿って第2テープ18を切断できる。
【0064】
(4)箱12の開封方法は、箱12の開口12Kを閉じるフラップ16の周縁に沿って貼られたテープ17,18を切断して箱12を開封する。箱12のテープ17,18の貼られた開封面13と交差する高さ方向Zにおけるテープ17,18の位置を検出する位置検出ステップ(S11)と、箱12の開封面13を撮像して撮像画像CIを取得する撮像ステップ(S12,S13)とを備える。位置検出ステップが検出したテープ17,18の高さ方向Zにおける位置と、撮像ステップで取得した撮像画像CI中の開封面13gの外形の位置とに基づき決まるテープ17,18の切断経路L1,L2に沿ってカッタ53を位置制御してテープ17,18を切断する制御ステップ(S15,S16)と、を備えた。よって、開封装置11と同様に、テープ17,18の切断ミスに起因する箱12の開封不良を低減できる。
【0065】
(5)ところで、撮像画像CIからテープ17を画像認識できた場合、第1テープ17の幅中心線に沿って切断する方法も考えられる。しかし、第1テープ17の幅中心が2つのフラップ16の境界線から幅方向にずれているとフラップ16を切ってしまい箱12を開封できない。本実施形態では、撮像画像CI中の開封面13gの外形から第1切断経路L1を割り出すので、一対のフラップ16の境界線に沿って第1テープ17を切断できる。よって、第1テープ17をフラップ16の境界に沿って切断し、箱12の開封ミスを一層低減できる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、図1図10図11を参照して、第2実施形態について説明する。この実施形態では、高さ検出装置30を備えていない。
【0067】
図1に示すように、ロボット40のアーム43の先端部に取り付けられたヘッド44には、カメラ50およびカッタユニット51に加え、高さ位置検出部の一例としての図1に二点鎖線で示す距離センサ55が設けられている。距離センサ55は、第1実施形態における高さ検出装置30に替わり、開封面13の高さ位置を求めるために開封面13までの距離を計測する。図10に示すように、距離センサ55は、ヘッド44の支持部49に対して角度変更可能に取り付けられている。カッタ53が切断時の姿勢になると、箱12の開封面13を向き、開封面13までの距離LZの計測が可能となっている。例えば、距離センサ55は、支持部49においてカッタ53がテープ17,18を切断するときの進行方向先の位置に配置可能に設けられている。カッタ53のテープ17,18を切断するための移動中に、所定時間経過後にカッタ53が到達して切断箇所となる開封面13上の位置において距離LZを計測する。ヘッド44が、カッタ53がテープ17,18切断するときの姿勢に傾斜する状態において、距離センサ55はその検出光HLの指向方向が高さ方向Zとなり開封面13を向く位置に配置される。
【0068】
図1に示すように、カメラ50が撮像位置から開封面13を撮像するとき、距離センサ55は、開封面13までの距離を計測し、その計測した距離から開封面13の高さ位置Hzを検出する。すなわち、距離センサ55は、第1実施形態における高さ検出装置30に替わり、箱12の開封面13の高さ位置Hzを検出する。
【0069】
また、制御部60は、距離センサ55が検出した開封面13までの距離LZの変化に応じてカッタ53を高さ方向Zに位置制御する。
制御部60のメモリ63には、図11にフローチャートで示すプログラムPRが記憶されている。制御部60内のコンピュータは、図11に示すプログラムPRを実行することにより開封装置11の切断制御を行う。以下、制御部60が図11に示すプログラムPRを実行して行う開封装置11の切断制御について説明する。
【0070】
まずステップS21では、制御部60は、カメラ50を撮像位置へ移動させる。すなわち、制御部60は、ロボット40を制御して、カメラ50を開封面13の上方に位置である撮像位置まで移動させる。撮像位置は、固定位置でもよいし、例えば、箱特定情報から箱12の高さを取得し、その箱12の開封面13の高さ位置よりもカメラ50の焦点距離だけ上方の位置を撮像位置とし、この撮像位置へカメラ50を移動させてもよい。また、距離センサ55で計測した開封面13までの距離に基づきカメラ50から開封面13までの距離が焦点距離となる位置までの移動距離を求め、この移動距離の分だけカメラ50を移動させて撮像位置に配置してもよい。
【0071】
ステップS22では、制御部60は、カメラ50に箱12の開封面13を撮像させる。カメラ50が開封面13を撮像した画像データCIは制御部60へ送られる。なお、本実施形態では、このステップS22の処理が、箱12の開封面13を撮像して撮像画像CIを取得する「撮像ステップ」の一例に相当する。
【0072】
ステップS23では、制御部60は、距離センサ55で箱12の開封面13に貼られたテープ17,18までの距離を計測する。図1に示すように、カメラ50が開封面13を撮像するときの撮像位置にあるときに、距離センサ55は、開封面13に貼られたテープ17,18までの距離Hsを計測する。カメラ50と距離センサ55の高さ方向の距離ΔHは既知なので、カメラ50からテープ17,18が貼られた開封面13までの距離Ha(=Hs-ΔH)は算出できる。図1の例では、開封面13は箱12の天面であるため、カメラ50の撮像位置は開封面13の真上である。これに対して、例えば開封面13が横向きの場合、制御部60は、ロボット40を制御してヘッド44を開封面13と対向する横向きとし、横向きの開封面13を真横からカメラ50で撮像するとともに、距離センサ55に開封面13までの距離を計測させればよい。
【0073】
ステップS24では、制御部60は、開封面13gを含む画像CIを画像処理する。制御部60は、開封面13gを含む画像CIに例えば二値化処理を施し、開封面13gの外形を把握し易い画像CIを取得する。
【0074】
ステップS25では、制御部60は、テープ17,18の切断経路を算出する。詳しくは、制御部60は、距離センサ55が計測した距離Hsを用いてカメラ50から箱12の開封面13に貼られたテープ17,18までの距離Haを求め、図5図6で説明したとおり、画像処理後の開封面13gの外形から幾何学的な計算により、図5に示す第1切断経路L1と、図5又は図6に示す第2切断経路L2とを求める。
【0075】
ステップS26では、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながらテープ17,18を切断する。
図10に示すように、制御部60は、ロボット40の制御によってカッタ53を第1切断経路L1に沿って位置制御しながら移動させて第1テープ17を切断するとともに、この移動過程でカッタ53の進行方向先の位置で距離センサ55が高さ方向Z(交差方向)に第1テープ17までの距離LZを計測する。制御部60は、カッタ53の進行方向先の位置で距離センサ55により計測した第1テープ17までの距離LZの変化に応じてカッタ53を高さ方向(交差方向)に位置制御する。この結果、図10に示すように、箱12の開封面13が凹むなど湾曲していても、その湾曲した第1テープ17の面形状に追従してカッタ53が高さ制御されるので、湾曲した開封面13に貼られた第1テープ17も適切に切断することができる。また、第2テープ18についても、同様に、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながら第2テープ18を切断する。箱12の開封面13が凹むなど湾曲していても、その湾曲した第2テープ18の面形状に追従してカッタ53で第2テープ18を切断できる。また、箱12の側面12Bが変形し、開封面13の側縁のエッジラインELが湾曲していても、カッタ53を湾曲したエッジラインELに追従して位置制御して第2テープ18を確実に切断できるうえ、カッタ53が箱12内の内容物を傷付けることを回避できる。
【0076】
以上詳述したように、第2実施形態によれば、下記の効果を得ることができる。
(6)位置検出部は、高さ方向Zにおけるテープ17,18までの距離を計測してテープ17,18の高さ方向Zにおける位置を検出する距離センサ55である。制御部60は、距離センサ55にテープ17,18の貼られた面までの距離を検出させ、テープ17,18までの距離の変化に応じてカッタ53を高さ方向Zに位置制御する。よって、箱12における開封面13の凹みに追従してテープ17,18を切断できる。
【0077】
(7)箱12の開封方法は、箱12の開口12Kを閉じるフラップ16の周縁に沿って貼られたテープ17,18を切断して箱12を開封する。箱12のテープ17,18の貼られた開封面13と交差する高さ方向Zにおけるテープ17,18の位置を検出する位置検出ステップ(S23)と、箱12の開封面13を撮像する撮像ステップ(S21,S22)とを備える。位置検出ステップが検出したテープ17,18の高さ方向Zにおける位置と、撮像ステップで取得した撮像画像CIにおける開封面13の外形とから決まるテープ17,18の切断経路L1,L2に沿ってカッタ53を位置制御してテープ17,18を切断する制御ステップ(S25,S26)と、を備える。よって、開封装置11と同様に、テープ17,18の切断ミスに起因する箱12の開封不良を低減できる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、図12図20を参照して、第3実施形態について説明する。この実施形態では、前記第2実施形態と同様に、位置検出部の一例としての距離センサ55をロボット40が備え、撮像部の一例としてのカメラ50は所定高さに固定されて下方に位置する箱12の開封面13を撮像する。
【0079】
図12図13に示すように、箱12の開封装置11は、前記第1及び第2実施形態と同様に多関節型のロボット40を備える。ロボット40は、前記第1実施形態と同様に、アーム43を構成するアーム部43A,43C,43Dを有する。ロボットは、例えば6軸又は7軸のヘッド44は、アーム部43Dに対して着脱可能に装着されている。ヘッド44は、アーム43の先端部に不図示のモータを動力源として軸回転可能な回転部48に支持されている。
【0080】
図12に示す箱の開封システム10は、箱12を開封装置11へ搬入する搬入コンベヤ81と、開封後の箱12を開封装置11から搬出する搬出コンベヤ82とを備える。本実施形態の開封装置11は、搬送機構の一例として昇降式のコンベヤ83を備える。昇降式のコンベヤ83は、搬入コンベヤ81と搬出コンベヤと82との間に配置される。搬入コンベヤ81と搬出コンベヤ82は、同じ高さに配置され、例えば、それぞれローラ81A,82Aを複数備えたローラコンベヤよりなる。開封装置11は、搬入コンベヤ81から搬入された開封前の箱12をコンベヤ83上に受け取り、ロボット40が開封した開封後の箱12を搬出コンベヤ82へ受け渡す。
【0081】
図12図13に示すように、コンベヤ83は、例えばベルトコンベヤである。コンベヤ83は、一対のローラ84と、ローラ84を支持する支持台83Aと、一対のローラ84に巻き掛けられた搬送ベルト85と、一方のローラ84を駆動するモータ83Mとを備える。開封装置11は、前記第1実施形態とほぼ同様の制御部60(図4参照)を備える。制御部60がモータ83Mを正転駆動させると、コンベヤ83は箱12を第1方向X1に搬送させる方向に駆動され、制御部60がモータ83Mを逆転駆動させると、コンベヤ83は箱12を、第1方向X1と反対の方向である第2方向X2に搬送させる方向に駆動される。
【0082】
本実施形態では、搬入された箱12の作業位置への停止は、コンベヤ83の駆動を停止させることにより行う。コンベヤ83には、搬送ベルト85を幅方向に挟んだ両側の位置に搬送ベルト85上の作業位置SPに達した箱12を検知する第1センサ29が複数配設されている。複数の第1センサ29は、それぞれ異なるサイズの箱12を検知し、どのサイズの箱12も搬送ベルト85上の所定の作業位置に停止させることができる。なお、本実施形態では、ロボット40がテープ17,18を切断する過程で、箱12を第2方向X2に搬送する場合があり、その場合に第2方向X2に搬送した箱12を所定の停止位置に停止させるために箱12を検知可能な第2センサ72がコンベヤ83には配設されている。第1センサ29及び第2センサ72は、例えば光学式センサよりなる。光学式センサは、発光器及び受光器を備え、発光器から受光器への光を箱12が遮ることで箱12を検知する。なお、第1センサ29及び第2センサ72は、光学式以外の非接触式センサでもよいし、接触式センサでもよい。
【0083】
昇降機構86及びロボット40を囲む組立体110は、複数の柱部111と、柱部111の上端部の間に横架された梁部112とを備える。搬送方向Xに延びる一つの梁部112には、搬送ベルト85の上面中央部から上方へ所定距離を離れた真上の位置に撮像部の一例としてのカメラ50が固定されている。カメラ50は、コンベヤ83上の作業位置SPに載置された箱12の開封面13を交差方向に所定距離を離した高さ位置から撮像する。
【0084】
また、組立体110の内側には、ロボット40を支持する組立体120が配置されている。組立体120は、複数の柱部121と、柱部121間に横架された複数の梁部122と、柱部121間に所定の高さ位置に横架された支持板123とを備える。ロボット40は、支持板123上に設置されている。
【0085】
昇降式のコンベヤ83は、箱12の搬入時および搬出時は、図12に二点鎖線で示す待機位置H0(下降位置)にあり、ロボット40が箱12の開封作業を行うときは待機位置H0から箱12の高さ寸法に応じて図12に実線で示す作業高さ位置H1まで上昇する。図12では、箱12が最大サイズであるときのコンベヤ83の作業高さ位置H1を示す。ロボット40は、箱12の開封面13に貼られたテープ17,18をヘッド44に取り付けられたカッタユニット51で切断する開封作業を行う。
【0086】
図12図13に示すように、開封装置11は、箱12をコンベヤ83ごと昇降させる昇降機構86を備える。昇降機構86は、コンベヤ83と昇降ユニット87とを備える。昇降ユニット87は、一対のガイドロッド88と、一対のガイドロッド88に沿って移動可能な一対の昇降用のスライダ89と、一対のスライダ89に固定された支持テーブル90とを備える。コンベヤ83は、支持テーブル90に複数の支持ロッド91を介して支持されている。
【0087】
また、図12図13に示すように、昇降ユニット87は、その駆動源となる昇降用のモータ92と、モータ92の回転動力を、コンベヤ83を昇降させる鉛直方向Zの直線運動に変換する動力伝達機構93とを備える。動力伝達機構93は、例えばベルト式動力伝達機構である。動力伝達機構93は、モータ92の出力軸に嵌着されたプーリ94と、回転軸95に嵌着されたプーリ96との間に巻き掛けられた駆動ベルト97と、プーリ96と共通の回転軸95に嵌着されたプーリ98と、プーリ98に対して鉛直方向Zに所定距離を離した上方に位置するプーリ99との間に巻き掛けられたタイミングベルト100とを備える。回転軸95は、ガイドロッド88が立設される底板近くの下方の位置に水平な状態で回転可能に支持されている。上下で対をなすプーリ98,99は二対設けられ、二対のプーリ98,99に巻き掛けられた二本のタイミングベルト100は、搬送方向Xに所定の間隔を隔て上下に延びている。モータ92は、例えばサーボモータである。
【0088】
二本のタイミングベルト100の一部は、支持テーブル90に固定されている。制御部60がモータ92を正転駆動すると、コンベヤ83は上昇し、制御部60がモータ92を逆転駆動すると、コンベヤ83は下降する。コンベヤ83に設けられたモータ83M及びセンサ29,72等に電力を供給する電力線や信号線をガイドするフレキシブルケーブル101が、支持テーブル90から垂れ下がる状態で設けられている。なお、動力伝達機構93は、ベルト式動力伝達機構に限定されず他の方式でもよい。
【0089】
昇降機構86は、コンベヤ83を昇降させて箱12の高さ位置を調整することで、箱12の開封面13をカメラ50の焦点位置に配置する。つまり、モータ92で制御し、どのサイズの箱12であっても開封面13を焦点位置に配置できる。昇降機構86は、箱12の開封面13がカメラ50の焦点位置となる作業高さ位置H1に達したことを検知する高さセンサ(図示略)を備える。制御部60は、高さセンサが箱12の開封面13を検知すると、モータ92の駆動を停止する。なお、制御部60が、上流側の制御系から受信した箱特定情報から箱12の高さ寸法を取得し、その高さ寸法に応じた駆動量だけモータ92を制御することで、開封面13がカメラ50の焦点位置に達するまでコンベヤ83を上昇させる制御を行ってもよい。
【0090】
図13において一点鎖線は、ロボット40の動作範囲WSを示す。ロボット40の動作範囲WSは、ロボット40のアーム43における手首の曲げ軸の回転中心をP点としたときのP点動作範囲である。作業対象の箱12の切断経路(切断線)が、動作範囲WSの中に入っていれば、切断経路に沿ったテープ17,18の切断はロボット40の切断時の姿勢によらず保証される。
【0091】
図13に示すように、動作範囲WSは、搬送方向Xから見たときの幅方向Yの広さが、動作範囲WSの上方位置と下方位置とで狭く、その間の高さで広くなる円弧状の線を描く。アーム43のうち上腕に相当するアーム部43Aの基端部付近の高さで、動作範囲WSは、幅方向Yに最も広くなる。アーム部43Aの基端部付近の高さから下方に離れるほど、動作範囲WSは幅方向Yに狭くなり、ロボット40の設置面よりも所定距離だけ下方の所定の位置よりも下方の位置では、動作範囲WSから外れる。仮に、テープ切断作業を行うときのコンベヤ83の位置が待機位置H0であると、最大サイズの箱12の開封面13は、動作範囲WS内の比較的広い領域に配置される。しかし、最小サイズの箱12の開封面13は、動作範囲WSから外れる部分が発生する。つまり、最小サイズの箱12はテープ17,18の切断ができなくなる虞がある。
【0092】
また、ロボット40がテープ切断作業を行うとき、ヘッド44は、アーム43の先端から垂下させた姿勢又は所定の角度に傾けた状態で下ろした姿勢をとる。この切断姿勢をとるときのヘッド44の鉛直方向Zにおける長さ分を考慮し、アーム43が動作範囲WSの最も広くなる高さ位置でカッタ53を用いたテープ切断作業ができるように、箱12の作業高さHFを設定している。開封面13が配置される作業高さHFは、その高さにカッタ53があるときにアーム43の動作範囲WSが最も広く確保できる高さに設定されている。つまり、アーム43の動作範囲WSを最も広く確保できる高さに対してヘッド44の高さ寸法の分だけ下方となる高さに、テープ切断作業時の開封面13の高さを設定している。
【0093】
ここで、作業高さHFとは、テープ17,18が貼られた開封面13が位置する高さ位置を指す。コンベヤ83は、昇降機構86によって待機位置H0から箱12の開封面13が作業高さHFに達するまで上昇する。このため、最小サイズから最大サイズまでのどのサイズの箱12も、常に開封面13が作業高さHFに位置するように昇降機構86によってコンベヤ83が高さ調整される。
【0094】
カメラ50は、箱12における作業高さHFに位置する開封面13が焦点となる高さ位置に固定されている。つまり、カメラ50は、箱12が作業高さHFにあるとき、カメラ50と開封面13との距離が焦点距離となる高さ位置に固定されている。このため、カメラ50は、箱12をほぼ真上から見たときの開封面13の全体を含む焦点の合った鮮明な画像を撮像する。
【0095】
カメラ50の撮像位置は、作業高さHFにある開封面13と直交する交差方向(鉛直方向Z)において開封面13よりも所定高さ上方位置に設定されている。カメラ50は、開封面13を含む撮像画像を取得する。カメラ50が撮像した画像データは制御部60(図4を参照)へ送信される。
【0096】
開封装置11は、第1実施形態と同様に図4に示す構成を有する制御部60を備える。但し、第3実施形態では、制御部60には、図4におけるコンベヤ21に替え昇降式のコンベヤ83が電気的に接続され、開封面13の高さ位置を検出するために高さ検出装置30に替え、距離センサ55が電気的に接続されている。また、制御部60に電気的に接続されたセンサ29は、第3実施形態では、箱12の作業位置への位置決めはコンベヤ83の停止制御により行うため、箱12のサイズの種類に応じて複数設けられる。制御部60は、複数のセンサ29のうち箱特定情報から決まる箱12のサイズに応じた1つのセンサ29が箱12を検知してオンすると、コンベヤ83を停止させることにより、箱12をコンベヤ83上の作業位置SPに停止させる。箱12が作業位置SPにある状態では、例えば、カメラ50の光軸が開封面13の中心に一致する。
【0097】
制御部60は、デパレタイザから受信して箱特定情報を事前に取得している。制御部60は、箱特定情報を基に取得した箱12のサイズ及び高さ寸法の情報を基に、昇降ユニット87を制御し、コンベヤ83を待機位置H0から上昇させ、コンベヤ83上の箱12をその開封面13が作業高さHFに達する位置まで上昇させる。このため、最大サイズの箱12は、コンベヤ83が図12に二点鎖線で示す待機位置H0から上昇し、図12図13に示すように開封面13が作業高さHFに達する位置に配置される。最小サイズの箱12は、コンベヤ83が図14に二点鎖線で示す待機位置H0から、その最小サイズの箱12の高さ寸法に応じた作業高さ位置H2に上昇し、図14に実線で示す箱12の開封面13が作業高さHFに達する位置に配置される。
【0098】
次に、図15図16を参照してヘッド44について説明する。
図15図16に示すように、ヘッド44は、前記第1実施形態と同様に、ロボット40の回転部48に対して着脱可能に装着される。ヘッド44は、支持部49と、カッタユニット51、距離センサ55及び一対の転動体の一例としてのローラ56を備える。カッタユニット51、距離センサ55及び一対のローラ56は、支持部49にそれぞれ組み付けられている。支持部49は、その長手方向においてカッタ53と反対側の端部となる基端部が回転部48に装着可能に構成される。
【0099】
図15図16に示すように、カッタユニット51は、前記第1実施形態と同様の構成で、円柱状の振動子52と、振動子52の出力軸の先端部に着脱可能な状態で固定されたカッタ53とを有する。円柱状の振動子52は、支持部49の凹部に収容された状態でその底部49Aに対して連結部材57を介して不図示のボルトを用いた締結によって固定されている。カッタユニット51の基端部から延びる電力線52Aは不図示の発振器と電気的に接続され、発振器から電力線52Aを通じて供給される周期的に変化する電圧によって、振動子52が出力軸に超音波振動を発生させることで、出力軸に固定されたカッタ53が超音波振動する。
【0100】
また、図15図16に示すように、距離センサ55は、支持部49においてカッタユニット51が組み付けられた底部49Aの反対面に組み付けられている。距離センサ55は、カッタ53の位置する先端方向に向かって、電磁波(光を含む)又は音波などの出力波OWを出力し、その反射波を電気信号として検出することで、反射面までの距離を計測する。なお、距離センサ55は、距離を検出可能であれば、その検出方式は適宜選択できる。
【0101】
また、図15図16に示す一対のローラ56は、カッタ53がテープ17,18を切断するときの移動方向にカッタ53を間に挟む両側の位置に配置された状態で支持部49の底部に軸支されている。カッタ53の先端部は一対のローラ56が箱12の上を転動するときに接触する部分での共通の接線よりも先端側に所定量だけ突出している。この所定量は、カッタ53がテープ17,18を切断する際の切込み深さに相当する。ロボット40はテープ17,18を切断するとき、一対のローラ56がテープ17,18上を転動することで、カッタ53のテープ17,18への切込み深さがほぼ一定になり、箱12の内容物を傷付けない。また、箱12の開封面13が凹みなどの原因で湾曲していても、その湾曲した面に沿って一対のローラ56が転動することで、カッタ53の切込み深さがほぼ一定になる。このため、カッタ53の切込み深さの不足に起因し、テープ17,18に切断できない箇所の発生が回避される。
【0102】
次に、箱の開封装置11の作用を説明する。
最小サイズから最大サイズまで種々の高さ寸法の箱12が搬入コンベヤ81から、待機位置H0にあるコンベヤ83へ搬入される。制御部60は、事前に取得した箱特定情報に基づき箱12のサイズ及び高さ寸法の情報を取得する。コンベヤ83は、搬入コンベヤ81から受け取った箱12を第1方向X1に搬送する。制御部60は、コンベヤ83を搬送される箱12のサイズに応じた1つの第1センサ29がその箱12を検知すると、コンベヤ83の駆動を停止する。その結果、箱12は、コンベヤ83上の作業位置SPで停止する。
【0103】
以下、制御部60は、図20に示すフローチャートに従って開封装置11を制御し、箱12に貼られたテープ17,18を切断して箱12を開封する開封制御を行う。
まずステップS31では、制御部60は、箱12をカメラ50の焦点位置へ移動させる。制御部60は、モータ92を正転駆動させてコンベヤ83を上昇させる。制御部60は、高さセンサが箱12を検知するとモータ92の駆動を停止させる。これにより箱12の開封面13がカメラ50の焦点位置に位置する作業高さHFに配置される。
【0104】
次のステップS32~S34は、前記第1実施形態における図8のステップS13~S15の処理と同様である。
ステップS32では、制御部60は、カメラ50が箱12の開封面13を撮像する。カメラ50は開封面13gを含む画像CI(図5参照)を取得する。制御部60は、カメラ50が撮像した画像CIを取得する。カメラ50が撮像するとき、ロボット40はアーム43を箱12の撮像の邪魔にならない待機位置に退避させている。ロボット40は、例えばアーム43を正面に対して搬送方向Xの上流又は下流のいずれか一方に向けた状態で待機する。
【0105】
ステップS33では、制御部60は、開封面13gを含む画像を画像処理する。制御部60は、開封面13gを含む画像CIに、画像処理として例えば二値化処理を施し、開封面13gの外形を把握し易い画像を生成する。なお、開封面13gの外形を把握できるのであれば、画像処理は省略してもよい。
【0106】
ステップS34では、制御部60は、開封面13上の切断経路を算出する。制御部60は、図5に示す画像処理後の画像CIにおいて開封面13gの外形である四角形の頂点となる四点A~Dの座標を取得する。四点A~Dのうちの長手方向の二点ずつ、つまり点A,Bと点C,Dのそれぞれの中点E,Fを求め、中点E,Fを結んだラインを第1テープ17の計測経路として求める。制御部60は、第1テープ17の計測経路(以下、「第1計測経路」ともいう。)の画像系座標と、カメラ50と開封面13との間の焦点距離等とを用いて、第1計測経路を制御座標系のXYZ座標で取得する。また、制御部60は、左右の二点ずつ、つまり点A,Bと点C,Dをそれぞれ結んだラインを第2テープ18の計測経路(以下、「第2計測経路」ともいう。)として求める。制御部60は、第2計測経路の画像系座標と、カメラ50と開封面13との間の焦点距離等とを用いて、第2計測経路を制御座標系のXYZ座標で取得する。なお、第1計測経路と第2計測経路との各制御系座標では、Z座標値は一定値である。
【0107】
ステップS35では、制御部60は、切断経路L1がロボット40の動作範囲WS内にあるか否かを判定する。制御部60は、メモリ63に、箱12の切断経路がロボット40の動作範囲WS内にあるか否かの情報と箱サイズとを対応付けたテーブルデータを記憶している。制御部60は、そのとき対象とする箱12の箱サイズの情報を基にテーブルデータを参照することで、切断経路L1が動作範囲WS内にあるか否かを判定する。制御部60は、切断経路L1が動作範囲WS内にあればステップS36に進み、切断経路L1が動作範囲WS内になければステップS37に進む。
【0108】
ここで、本実施形態では、第1切断経路L1については、作業位置SPにある箱12は全てのサイズで、切断経路がロボット40の動作範囲WS内にあると判定される。また、第2切断経路L2については、最小サイズ以上かつ所定の閾値サイズ未満の範囲に含まれる小サイズに属する箱12は、第2切断経路がロボット40の動作範囲WS内にあると判定される。また、所定の閾値サイズ以上かつ最大サイズ以下の範囲に含まれる大サイズに属する箱12は、第2切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内にないと判定される。このように大サイズに属する箱12と、小サイズに属する箱12とで、テープ17,18の切断制御が異なる。なお、第1切断経路L1が全ての箱サイズでロボット40の動作範囲WS内にある場合は、第1切断経路L1については、ステップS35の判定処理を省略することができる。
【0109】
<大サイズの箱におけるテープの切断>
以下では、まず大サイズに属する箱12の例を説明する。最大サイズの箱12の第1切断経路L1は、ロボット40の動作範囲WS内にあるので、制御部60は、ステップS36に進む。
【0110】
ステップS36では、制御部60は、距離センサ55でテープ17までの距離を切断経路に沿って計測する。制御部60は、ロボット40のアーム43を駆動させ、図17に示すように、距離センサ55を開封面13から所定距離だけ離れた高さ位置(座標Z1)に保ちつつ、ヘッド44を垂立姿勢にすることで、距離センサ55を開封面13上の切断経路L1(図3図7参照)を計測対象に指向できる向きに配置する。制御部60は、その垂立姿勢のヘッド44を、第1計測経路(XY座標)に沿って移動させる。この移動過程で、距離センサ55は、第1テープ17までの鉛直方向Zの距離LZを切断経路L1に沿って複数点計測する。これら複数点の鉛直方向Zの距離LZは、第1切断経路L1の鉛直方向Zの位置変化を示す。制御部60は、第1計測経路(XY座標)と、距離センサ55の計測時の鉛直方向Zの位置座標Z1及び距離センサ55の計測結果である複数点の鉛直方向Zの距離LZとの情報を基に、第1テープ17の制御系座標で表される切断経路(XYZ座標)を求める。この切断経路の制御系座標(XYZ座標)は、第1テープ17の切断経路の鉛直方向Zの位置変化が反映されている。制御部60は、距離センサ55による計測を終えた後、次のステップS38に進む。
【0111】
ステップS38では、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながらテープ17を切断する。すなわち、制御部60は、制御系座標で表される第1テープ17の切断経路(XYZ座標)に沿ってカッタ53を位置制御する。このとき、第1テープ17の切断過程でカッタ53は鉛直方向Zにも位置制御される。
【0112】
図18に示すように、箱12の開封面13が凹んでいるために第1テープ17が湾曲していても、カッタ53が鉛直方向Zに位置制御されるため、カッタ53は、図18に一点鎖線の矢印で示す経路で、湾曲した第1テープ17上の切断経路に沿って移動する。この結果、第1テープ17の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第1テープ17は確実に切断される。
【0113】
なお、第1切断経路が動作範囲WS内にないとき、ステップS37で、制御部60は、箱12の搬送動作を伴って、距離センサ55でテープ17までの距離を切断経路に沿って計測する。そして、ステップS37で距離センサ55による計測を終えた後、次のステップS39に進む。ステップS39では、制御部60は、箱12の搬送動作を伴って、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながらテープ17を切断する。例えば、大サイズの箱12の第1切断経路の一部でも動作範囲WS内にない場合、以下の3つのうちいずれかの方法で第1テープ17を切断する。1つ目は、箱12をコンベヤ83上で搬送方向Xに搬送し、その搬送の前後の異なる位置で第1テープ17をその長手方向に二分した一部ずつ切断し、第1テープ17を2回に分けて切断する。また、2つ目は、箱12を一定速度で搬送しながらカッタ53を幅方向Y及び鉛直方向Zに位置制御することで、第1テープ17を切断する。さらに3つ目は、箱12を一定速度で搬送しながら、カッタ53を第1切断経路のXY座標を基に箱12の搬送方向と反対方向に移動させつつカッタ53を鉛直方向Zに位置制御することで、第1テープ17を切断する。なお、ステップS36においても、上記3つの方法で、距離センサ55による計測を行う。
【0114】
ステップS40では、制御部60は、箱12が開封したか否かを判定する。第1テープ17を切断し終わった段階では第2テープ18が切断前なので、箱12は開封していない。そのため、制御部60は、ステップS41の処理に進む。
【0115】
ステップS41では、制御部60は、次の切断経路へ切り換える。この例では、第1テープ17の切断が終わると、次に二つの第2テープ18のうち先に切断すべき一方の第2テープ18の切断経路へ切り換える。切断経路を切り換えると、制御部60は、ステップS35の処理に戻る。こうして制御部60は、ステップS40で箱12の開封を終えるまで、切断経路ごとにステップS35~ステップS39の処理を繰り返し実行する。本例では、テープはH貼りであって3つのテープ17,18を切断するための3つの切断経路があるため、制御部60は、ステップS35~S39の処理を3回繰り返し実行する。
【0116】
大サイズの箱12では、コンベヤ83上の作業位置SPでは開封面13の一部が動作範囲WSの外にはみ出る。
ステップS35では、制御部60は、一方の切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内にあるか否かを判定する。制御部60は、そのとき対象とする箱12の箱サイズの情報を基にテーブルデータを参照することで、一方の切断経路L2が動作範囲WS内にあるか否かを判定する。大サイズの箱12である場合、制御部60は、一方の切断経路L2が動作範囲WS内にないと判定するため、ステップS37に進む。
【0117】
ステップS37では、制御部60は、箱12の搬送動作を伴って、距離センサ55で一方の第2テープ18までの距離を切断経路L2に沿って計測する。まず、制御部60は、コンベヤ83を駆動して、一方の第2切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内に入るまで箱12を搬送方向Xに移動させる。本例では、箱12を作業位置SPから第2方向X2へ移動させる。この結果、箱12は、図19に実線で示す第1搬送位置に配置される。この第1搬送位置では、箱12の図19における右側の第2テープ18がロボット40の動作範囲WSに入る。そして、制御部60は、ロボット40のアーム43を駆動させ、距離センサ55を開封面13から所定距離だけ離れた高さ位置(座標Z1)に保ちつつ、ヘッド44を垂立姿勢にすることで、距離センサ55を開封面13上の切断経路L2(図3図7参照)を計測対象として指向できる向きに配置する。制御部60は、その垂立姿勢としたヘッド44を、図17のときとは進行方向の異なる幅方向Yに、第2計測経路(XY座標)に沿って移動させる。
【0118】
この移動過程で、距離センサ55は、第2テープ18までの鉛直方向Zの距離LZを切断経路L2に沿って複数点計測する。これら複数点の鉛直方向Zの距離LZは、第2切断経路L2の鉛直方向Zの位置変化を示す。制御部60は、第2計測経路(XY座標)と、距離センサ55の計測時の鉛直方向Zの位置座標Z1及び距離センサ55の計測結果である複数点の鉛直方向Zの距離LZとの情報を基に、第2テープ18の制御系座標で表される切断経路(XYZ座標)を求める。この切断経路の制御系座標(XYZ座標)は、第2テープ18の鉛直方向Zの位置変化が反映されたものである。なお、第2計測経路は、箱12のエッジよりも内側に所定のマージンを見込んだ位置に沿って計測されるのが好ましい。これにより箱12が変形していても、よほど過剰に変形していない限り箱12の開封面13を計測できる。
【0119】
次のステップS39では、制御部60は、箱12の搬送動作を伴って、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながら一方の第2テープ18を切断する。すなわち、制御部60は、制御系座標で表される一方の第2テープ18の切断経路(XYZ座標)に沿ってカッタ53を位置制御する。このとき、第2テープ18の切断過程でカッタ53は鉛直方向Zにも位置制御される。なお、第2切断経路を対象とするこのステップS39では、前のステップS37で搬送動作を行い、既に第2切断経路の全てがロボット40の動作範囲WS内にあるので、搬送動作を省略する。
【0120】
図19に実線で示すヘッド44は、一方の第2テープ18に対して斜めに傾いた姿勢で、制御系座標で表される切断経路L2に沿って位置制御される。このとき、箱12の開封面13が凹んでいるために第2テープ18が湾曲していても、カッタ53が鉛直方向Zに位置制御されるため、カッタ53は、湾曲した第2テープ18上の切断経路L2に沿って移動する。この結果、第2テープ18の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第2テープ18は確実に切断される。
【0121】
ステップS40では、制御部60は、箱12が開封されていないと判定するため、ステップS41において次の切断経路へ切り換える。すなわち、他方の第2テープ18の切断経路L2へ切り換える。そして、制御部60は、ステップS35の処理へ戻る。
【0122】
ステップS35では、制御部60は、他方の切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内にあるか否かを判定する。制御部60は、そのとき対象とする箱12の箱サイズの情報を基にテーブルデータを参照することで、他方の切断経路L2が動作範囲WS内にないと判定するため、ステップS37に進む。
【0123】
ステップS37では、制御部60は、箱12の搬送動作を伴って、距離センサ55で他方の第2テープ18までの距離を切断経路L2に沿って計測する。まず、制御部60は、コンベヤ83を駆動して、他方の第2切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内に入るまで箱12を搬送方向Xに移動させる。本例では、箱12を第1搬送位置から第1方向X1へ移動させる。この結果、箱12は、図19に二点鎖線で示す第2搬送位置に配置される。この第2搬送位置では、箱12の図19における左側の第2テープ18がロボット40の動作範囲WSに入る。そして、制御部60は、ロボット40のアーム43を駆動させ、距離センサ55を開封面13から所定距離だけ離れた高さ位置(座標Z1)に保ちつつ、ヘッド44を垂立姿勢にすることで、距離センサ55を開封面13上の切断経路L2(図3図7参照)を計測対象として指向できる向きに配置する。制御部60は、その垂立姿勢のヘッド44を、図17のときとは進行方向の異なる幅方向Yに、第2計測経路(XY座標)に沿って移動させる。
【0124】
この移動過程で、距離センサ55は、他方の第2テープ18までの鉛直方向Zの距離LZを切断経路L2に沿って複数点計測する。制御部60は、前述した一方の第2切断経路のときと同様に、距離センサ55の計測結果である複数点の鉛直方向Zの距離LZの情報を用いて、第2テープ18の制御系座標で表される切断経路(XYZ座標)を求める。この切断経路の制御系座標は、第2テープ18の鉛直方向Zの位置変化が反映されたものである。
【0125】
次のステップS39では、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながら他方の第2テープ18を切断する。すなわち、制御部60は、制御系座標で表される他方の第2テープ18の切断経路(XYZ座標)に沿ってカッタ53を位置制御する。このとき、第2テープ18の切断過程でカッタ53は鉛直方向Zにも位置制御される。
【0126】
図19に二点鎖線で示すヘッド44は、他方の第2テープ18に対して斜めに傾いた姿勢で、制御系座標で表される切断経路L2に沿って位置制御される。このとき、箱12の開封面13が凹んでいるために第2テープ18が湾曲していても、カッタ53が鉛直方向Zに位置制御されるため、カッタ53は、湾曲した第2テープ18上の切断経路L2に沿って移動する。この結果、第2テープ18の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第2テープ18は確実に切断される。
【0127】
なお、第2切断経路L2を対象とするとき、ステップS37において、距離センサ55が第2テープ18の箱12の側面12Bに貼られた部分までの搬送方向Xの距離を、鉛直方向Zの距離に替え又は加えて計測し、その計測結果を用いて、第2テープ18の搬送方向Xの位置変化が反映された制御系座標で表される切断経路L2を求めてもよい。この切断経路L2に沿ってカッタ53を位置制御することで、箱12の側面12Bが凹んでいたり膨らんでいたりするために第2テープ18が湾曲していても、カッタ53が搬送方向Xに位置制御されるため、カッタ53は、湾曲した第2テープ18上の切断経路L2に沿って移動する。この結果、箱12の側面12Bが湾曲していても、第2テープ18の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第2テープ18は確実に切断される。
【0128】
こうして3つのテープ17,18が切断されると、大サイズの箱12が開封される。このため、ステップS40において、制御部60は、箱12が開封されたと判定し、当該テープ切断制御を終了する。
【0129】
<小サイズの箱におけるテープの切断>
次に、小サイズに属する箱12の例を説明する。図14に示すように、小サイズの箱12である場合、作業高さ位置H2にあるコンベヤ83において作業位置SPにある箱12は、開封面13の全てがロボット40の動作範囲WS内に位置する。図20におけるステップS35では、制御部60は、切断経路L1がロボット40の動作範囲WS内にあると判定するため、ステップS36に進む。
【0130】
ステップS36では、制御部60は、距離センサ55で第1テープ17までの距離を切断経路L1に沿って逐次計測する。この計測方法は、大サイズの箱12のときと同様であり、制御部60は、ロボット40のアーム43を駆動させ、小サイズの箱12である場合も、距離センサ55を開封面13から所定距離だけ離れた高さ位置(座標Z1)に保ちつつ、計測対象を下方に指向する姿勢で、第1計測経路(XY座標)に沿って移動させる。制御部60は、第1計測経路(XY座標)と、距離センサ55の計測時の鉛直方向Zの位置座標Z1及び距離センサ55の計測結果である複数点の鉛直方向Zの距離LZとの情報を基に、第1テープ17の切断経路の鉛直方向Zの位置変化が反映された、制御系座標で表される切断経路(XYZ座標)を求める。
【0131】
次のステップS38では、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながらテープ17を切断する。すなわち、制御部60は、制御系座標で表される第1テープ17の切断経路(XYZ座標)に沿ってカッタ53を位置制御する。このとき、第1テープ17の切断過程でカッタ53は鉛直方向Zにも位置制御される。
【0132】
図18に示す大サイズの箱12のときと同様に、小サイズの箱12である場合も、箱12の開封面13が凹んでいるために第1テープ17が湾曲していても、カッタ53が鉛直方向Zに位置制御されるため、カッタ53は、図18に一点鎖線の矢印で示す経路で、湾曲した第1テープ17上の切断経路に沿って移動する。この結果、第1テープ17の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第1テープ17は確実に切断される。
【0133】
次に、対象を第2切断経路へ切り換えた(ステップS41)後、ステップS35において、制御部60は、第2切断経路L2がロボット40の動作範囲WS内であると判定する。このため、ステップS36では、制御部60は、距離センサ55で一方の第2テープ18までの距離を切断経路L2に沿って計測する。制御部60は、箱12がコンベヤ83上の作業位置SPにあるまま、ロボット40のアーム43を駆動させ、距離センサ55を開封面13から所定距離だけ離れた高さ位置(座標Z1)に保ちつつ、ヘッド44を垂立姿勢にすることで、距離センサ55を下方の計測対象を指向できる向きに配置する。制御部60は、その垂立姿勢のヘッド44を、図17のときとは進行方向の異なる幅方向Yに、第2計測経路(XY座標)に沿って移動させる。
【0134】
この移動過程で、距離センサ55は、一方の第2テープ18までの鉛直方向Zの距離LZを切断経路L2に沿って複数点計測する。制御部60は、距離センサ55の計測結果である複数点の鉛直方向Zの距離LZの情報を用いて、第2テープ18の鉛直方向Zの位置変化が反映された、第2テープ18の制御系座標で表される切断経路(XYZ座標)を求める。
【0135】
次のステップS38では、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながら一方の第2テープ18を切断する。すなわち、制御部60は、制御系座標で表される一方の第2テープ18の切断経路(XYZ座標)に沿ってカッタ53を位置制御する。このとき、第2テープ18の切断過程でカッタ53は鉛直方向Zにも位置制御される。
【0136】
図19に示す大サイズの箱12の例では、箱12が搬送方向Xに位置の異なる2つの搬送位置で2つの第2テープ18を切断したが、小サイズの箱12では、2つの第2テープ18が共にロボット40の動作範囲WS内に位置する。このため、コンベヤ83上の作業位置SPにあるままで、ヘッド44は、一方の第2テープ18に対して斜めに傾いた姿勢で、制御系座標で表される切断経路L2に沿って位置制御される。このとき、箱12の開封面13が凹んでいるために第2テープ18が湾曲していても、カッタ53は、鉛直方向Zに位置制御され、湾曲した第2テープ18上の切断経路L2に沿って移動する。この結果、第2テープ18の長手方向の全域でカッタ53に必要な切込み深さが確保され、第2テープ18は確実に切断される。
【0137】
そして、他方の第2テープ18についても、他方の第2切断経路がロボット40の動作範囲WS内にあると判定される(ステップS35で肯定判定)。ステップS36において、制御部60は、距離センサ55で第2テープ18までの距離を切断経路L2に沿って計測する。次のステップS38において、制御部60は、距離センサ55の検出距離に応じてカッタ53を高さ制御しながら他方の第2テープ18を切断する。
【0138】
こうして箱12のテープ17,18が全て切断され、箱12が開封されると、制御部60は、昇降ユニット87のモータ92を駆動させてコンベヤ83を作業高さ位置から待機位置H0まで下降させる。そして、コンベヤ81~83が駆動されることで、開封後の箱12がコンベヤ83から搬出コンベヤ82へ搬出されるとともに、次に開封すべき箱12が搬入コンベヤ81からコンベヤ83上へ搬入される。以下、同様にコンベヤ83上に搬入された箱12が1つずつ開封される。
【0139】
この第3実施形態によれば、第1実施形態における対応する効果の他、さらに以下の効果が得られる。
(8)開封装置11は、カメラ50(撮像部の一例)と、カッタ53が先端部に取着されるアーム43を有するとともに制御部60により制御される多関節型のロボット40と、箱12の開封面13がカメラ50の焦点となる高さ位置に達するまで箱12を上昇させる昇降機構86と、を備える。カメラ50は箱12の開封面13を撮像可能な所定高さ位置に固定されている。よって、開封面13を撮像する際にカメラ50を移動させる必要がない。また、カッタ53が先端部に取着されたアーム43の可動領域が広い高さ位置に開封面13が位置するときにカメラ50の焦点が開封面13に合うように昇降機構86を設定すれば、カッタ53がテープ17,18を切断できる箱12の最大サイズを大きくすることができる。
【0140】
(9)開封装置11は、箱12をテープ17,18の長手方向に沿って水平に搬送するコンベヤ83(搬送機構の一例)を備える。制御部60は、テープ17,18の一部がロボット40の動作範囲WSから決まるカッタ53の可動領域内にあり、テープ17,18の他の一部が可動領域内にない場合、次の切断制御を行う。すなわち、カッタ53によるテープ17,18の一部の切断と、テープ17,18の他の一部がロボット40の動作範囲WS内に位置するまで箱12を水平に搬送する搬送動作を伴ってカッタ53によるテープ17,18の他の一部の切断とを行う。例えば、第1切断経路L1の一部がロボット40の動作範囲WSから外れるときは、第1テープ17の長手方向でもある箱12の搬送方向Xへの搬送を伴って、カッタ53により第1テープ17を切断する。また、例えば、第2切断経路L2の一部がロボット40の動作範囲WSから外れるときは、箱12をコンベヤ83により搬送し、箱12を第1搬送位置と第2搬送位置との異なる二位置に配置した状態で、2つの第2テープ18をそれぞれ切断する。よって、テープ17,18の一部でもカッタ53の可動領域から外れる大サイズの箱12に対しても、箱12を水平に搬送することでテープ17,18を切断できる。ロボット40のアーム43の可動領域の割にテープ17,18を切断できる箱12の最大サイズを大きくすることができる。すなわち、開封できる箱の最大サイズの割に、開封装置11をコンパクトに構成できる。
【0141】
(10)サイズ閾値よりも大きい大サイズの箱12では、制御部60は、第1テープ17を切断するとき、コンベヤ83により箱12を第1テープ17の長手方向である搬送方向Xに搬送する。ロボット40のアーム43の可動領域の割にテープ17,18を切断して開封できる箱12の最大サイズを大きくすることができる。
【0142】
(11)開封面13には互いに交差する方向を長手方向とする向きに1つの第1テープ17と2つの第2テープ18とが貼られている。サイズ閾値よりも大きい大サイズの箱12では、制御部60は、コンベヤ83による搬送を伴って箱12を二つの異なる搬送位置に配置し、二つの異なる搬送位置でカッタ53は2つの第2テープ18をそれぞれ切断する。ロボット40のアーム43の可動領域の割にテープ17,18を切断して開封できる箱12の最大サイズを大きくすることができる。
【0143】
前記実施形態は、上記に限定されず、以下のように変更してもよい。
図22に示すように、ローラを有しないヘッド44の構成において、制御部60は、カッタ53がテープ17,18を切断する過程で、カッタ53の軸線がテープ面に対してなす角度であるカッタ53の傾き角を制御してもよい。距離センサ55がテープ17,18の切断経路に沿って移動して計測したテープ面までの距離に応じたテープ面の鉛直方向Zの位置の変化に基づきテープ面の水平面に対する傾き角を求め、そのテープ面の傾き角に応じて、テープ面に対するカッタ53の傾き角が適切な許容範囲に収まるようにカッタ53の傾き角を制御する。カッタ53の傾き角の制御は、制御部60がロボット40のアーム43を制御し、ヘッド44の傾き角を制御することにより行う。また、ヘッド44にカッタ53の傾き角を変更するアクチュエータを設け、制御部60が、アクチュエータを制御することにより、カッタ53の傾き角を制御してもよい。なお、カッタ53の傾き角をテープ面とのなす角度が常に一定になるように制御してもよいし、カッタ53のテープ面とのなす角度が許容範囲から外れた場合に、その許容範囲内に収まるようにカッタ53の傾き角を制御してもよい。
【0144】
図21は、制御部がカッタ53の水平面に対する傾き角θhが一定のままテープ17,18を切断する比較例である。図21に示すように、カッタ53の傾き角θhが一定であると、同図に示すように、テープ17が貼られた開封面13の湾曲により、テープ17,18が水平面に対して大きく傾いた部分では、カッタ53とテープ面17Aとのなす角度θtが適正範囲よりも小さくなり過ぎて、テープ切断時のカッタ53に大きな負荷がかかる心配がある。この場合、カッタ53によるテープ17,18の切断性が低下するうえ、カッタ53の早期摩耗や破損等に起因する寿命の低下が心配される。
【0145】
これに対して図22に示す実施例では、制御部60は、カッタ53がテープ17,18を切断する過程で、距離センサ55が検出したテープ17,18までの距離の変化に応じてテープ面17A,18Aに対するカッタ53の傾き角θcを許容範囲内に収まるように制御する。制御部60は、カッタ53と水平面とのなす角度θhを変化させることで、図22に示すように、テープ17が貼られた開封面13の湾曲により、テープ17,18が水平面に対して大きく傾いた部分でも、カッタ53とテープ面17A,18Aとのなす傾き角θcが適正な許容範囲内に収まる。よって、テープ切断時にカッタ53に大きな負荷がかかりにくい。このため、テープ17,18の切断性が向上するうえ、カッタ53の早期の摩耗や破損等を回避し、カッタ53の高寿命化に繋がる。
【0146】
・位置検出部は、センサ部32が高さ方向Zに移動する昇降式の高さ検出装置30に限定されず、センサ部32がX方向又はY方向に移動する移動式の検出装置でもよい。箱を横向きに配置して、開封面13と交差する交差方向におけるテープの位置を検出できる。
【0147】
・第1実施形態において、位置検出部の一例としての高さ検出装置30と、距離センサ55との両方を備えてもよい。高さ検出装置30が検出した開封面13の交差方向における位置を用いて切断経路L1,L2を求める。距離センサ55がテープ17,18までの距離を検出し、テープ17,18を切断するときにカッタ53を交差方向に位置制御する。この結果、テープ17,18を切断して箱12を開封する開封作業を高速に処理できるうえ、開封面13が凹むなどして湾曲したテープ17,18も確実に切断できる。
【0148】
・箱12の開封面13を天面とする姿勢で箱12を開封する構成に限定されない。開封面13を横向きにして箱12を開封したり、開封面13を下向きにして箱12を開封したりしてもよい。このような箱12の姿勢でも、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13と交差(例えば直交)する交差方向におけるテープ17,18の位置を位置検出部で検出し、箱12のテープ17,18が貼られた開封面13をカメラ50で撮像した画像から画像中の開封面13gの外形から開封面13上の切断経路を求める。これにより、交差方向(例えばX方向又はY方向)におけるテープ17,18の位置と、開封面13上の切断経路とにより、カッタ53を適切に位置制御してテープ17,18を適切に切断できる。
【0149】
・例えば、箱12をロボット40がアーム43で把持し、箱12の向きをアーム43で制御し、固定のカメラ50に対して開封面13を向けてカメラ50に開封面を撮像させる。また、ロボット40により箱の向きを制御し、位置検出部からの検出光に対してテープの交差方向の位置を検出可能な向きに箱を向けて、位置検出部により箱12の開封面13に貼られたテープ17,18の交差方向の位置を検出してもよい。さらに、ロボット40が箱12を把持して固定のカッタ53に対して箱12を相対移動させてカッタ53で開封面13に貼られたテープ17,18を切断する構成でもよい。
【0150】
・箱の品番等の箱特定情報を基に、所定の撮像位置の高さから撮像したときの開封面13gのサイズからカメラ50の高さ位置、つまりカメラ50から開封面13までの距離を求めてもよい。この場合、高さ検出装置30又は距離センサ55を不要にできる。この構成では、カメラ50と、カメラ50の撮像画像と、箱12の開封面13のサイズを規定する箱特定情報とを用いてカメラ50から開封面13までの距離を算出する演算部62とによって、位置検出部の一例が構成される。
【0151】
・第2実施形態において、カッタ53が第2テープ18を切断する切断過程では、距離センサ55に開封面13に替え、箱12の側面12B又は側面12B上の第2テープ18までの距離を検出させてもよい。この構成によれば、カッタ53を側面12Bの湾曲に追従させて位置制御でき、側面12Bが湾曲していても第2テープ18を適切に切断することができる。なお、距離センサを複数設け、第2テープ18を切断する切断過程で、2つの距離センサ55により開封面13までの距離と、側面12Bまでの距離とをそれぞれ計測し、カッタ53を高さ方向ZとX方向とに位置制御しながら幅方向Yに移動させて第2テープ18を切断してもよい。この構成によれば、開封面13の凹み等の湾曲にも、側面12Bの凹み等の湾曲にも追従して第2テープ18をより適切に切断することができる。
【0152】
・第2実施形態において、テープの切断前に、カッタ53をテープから離間した状態でまず距離センサ55を切断経路L1に沿って移動させて、X方向の位置とテープ17までの距離LZとの対応関係の情報を取得する。その後、その取得した情報を基にカッタ53を交差方向(高さ方向Z)に位置制御しながら切断経路L1に沿って移動させ、テープ17を切断してもよい。
【0153】
・前記各実施形態において、カッタユニット51をエアシリンダに支持し、エアシリンダに与えた微小のエア圧で付勢しながら転動体の一例としてのローラを開封面13又は側面12Bに押し当てながらカッタ53を開封面13又は側面12Bの面形状に追従させながら位置制御することでテープ17,18を切断してもよい。この構成によれば、箱12の開封面13又は側面12Bに凹みがあっても、カッタ53を開封面13又は側面12Bの凹みに追従させながらテープ17,18を切断できる。なお、転動体の一例としてローラに替え、ボール又はころを用いてもよい。
【0154】
・前記第2及び第3実施形態では、距離センサ55で第1テープ17の長手方向に沿って鉛直方向Zの距離を計測したが、第1テープ17については幅方向にも鉛直方向Zの距離を計測してもよい。例えば、一対のフラップ16が重なった状態でテープ17が貼られている場合、テープ17の幅方向に段差ができる場合がある。テープを幅方向に沿って鉛直方向Zの距離を計測することで、重なるフラップ16,16の段差を検出する。段差の部分ではテープ17が下側のフラップ16から浮き上がっているので、テープ17のこの浮き上がり部分を切断する。この場合、カッタ53がテープ17を切断し、フラップ16をあまり切断しないので、カッタ53に切断負荷がかかりにくくカッタ53の長寿命化に貢献できる。
【0155】
・開封面13の外形からその外形の四隅を4つの頂点として求める方法であると、テープ17,18の端部が箱12から外へ延びていると、画像処理でテープ17,18の端部の先端を頂点として誤検出する場合がある。この場合、誤検出した頂点から切断経路を求めると、距離センサ55による距離の計測ミス、又はテープ17,18の切断ミスの原因となる。特に第1テープ17よりも第2テープ18の切断ミスが発生し易い。また、第1テープ17は中点を結んだ直線を切断経路として切断しても開封できるが、第2テープは箱の変形によって切断できない場合がある。つまり、I貼りは、第1テープだけなので、真っ直ぐな切断経路であっても切断できるが、H貼りでは箱12が変形して開封面13の辺が湾曲していると、開封面13の四角形の頂点を結んだ直線を切断経路とすると、第2テープ18を切断できない場合がある。そこで、4つの頂点の2つずつの各中点を結んだ直線を切断経路とし、H貼りでは開封面の外形を形作る4つの辺の中央部分などの一部の直線部を延長した延長線の交点を頂点として求める。
【0156】
この場合、第2テープ18を含むH貼りと第2テープ18を含まないI貼りとで開封面13の外形を求める方法を切り替えてもよい。このため、I貼りでは、開封面13の外形からその外形の四隅を4つの頂点とし、4つの頂点のうち第1テープ17と交差する方向に対向する2つずつの頂点の各中点を結んだ直線を切断経路とし、H貼りでは開封面13の外形を形作る4つの辺の中央部分などの一部の直線部を延長した延長線の交点を頂点として求める。
【0157】
・第3実施形態において、搬送機構の一例は、昇降式のコンベヤ83に替え、昇降機能を備えないコンベヤ83としてもよい。例えばロボット40の動作範囲WSが箱サイズに比べ十分広かったり、ロボット40の動作範囲WSの最大に広くなる高さ位置近傍に最大サイズの箱12の開封面13が位置する高さ位置にコンベヤ83を配置したりすれば、昇降機能を備えなくても、箱12のテープ17,18を切断できる。
【0158】
・前記第3実施形態では、昇降機構86によりコンベヤ83を待機位置H0から上昇させることで箱12の開封面13をカメラ50の焦点位置に配置したが、昇降機構86によりコンベヤ83を待機位置H0から下降させることで箱12の開封面13をカメラ50の焦点位置に配置してもよい。この場合、待機位置H0にあるときよりも開封面13をロボット40の動作範囲WSのより広くなる高さ位置に配置することができれば、待機位置から作業高さ位置への移動は、上昇と下降とのうちどちらでもよい。
【0159】
・力学センサを設けてもよい。力学センサとしてはロードセル等を挙げることができる。カッタユニットに、カッタの挿し込み量を制限する一対のローラとは別の箇所に計測用のローラを設ける。ローラを開封面に押し付けながら開封上を転動させてローラのアームが受ける圧力又は歪みを一定に維持しつつアームでローラの高さ調整をしながら移動させることで開封面におけるテープの長手方向に沿った形状を計測する。このような接触式センサによりテープの形状を計測してもよい。
【0160】
・前記第3実施形態では、ロボット40のP点動作範囲である動作範囲WSを、ヘッド44がアームに装着されたときのカッタ53の可動領域とみなしたが、切断対象のテープの位置およびテープ切断時のロボット40の姿勢から導き出されるカッタ53の実際の可動範囲を、カッタ53の可動領域としてもよい。この場合、カッタ53の可動領域が動作範囲WSよりも広くなるので、箱12の搬送を伴わずにテープ切断作業が行われる箱サイズを大きくすることができる。
【0161】
前記第3実施形態において、第2実施形態と同様に、テープ17,18を切断する過程で、距離センサ55がカッタ53の進行方向前方の位置までの距離を計測し、その計測した距離を基に切断経路に沿ってカッタ53を鉛直方向Zに位置制御してもよい。
【0162】
・前記第1及び第2実施形態において、撮像部の一例としてのカメラ50は、開封面13よりも高い作業位置の上方の所定高さに固定してもよい。
・第1テープ17よりも先に第2テープ18を切断してもよい。
【0163】
・箱は直方体などの四角柱に限らず、三角柱など他の多角柱でもよい。
・高さ検出部はロボットとは別体の高さ検出装置に限らず、ロボット40のアーム43またはヘッド44に取り付けてもよい。この場合、開封面13の上方から検出光または音波等を開封面13に照射して、その反射した光または音波を検出して開封面13までの距離を検出して開封面13の高さ位置を検出する非接触式の検出部を用いればよい。
【0164】
・ロボット40は、垂直多関節型や水平多関節型などの多関節型ロボットに限定されず、直交座標型、円筒座標型、極座標型、パラレルリンク型などの他の機構を用いた産業用ロボットでもよい。
【0165】
・前記各実施形態の開封装置は、ロボット40を備えない構成でもよい。例えば、箱12の開封面13と交差(例えば直交)する交差方向におけるテープ17,18の位置を検出する位置検出部と、箱の開封面を撮像する撮像部と、カッタ53を移動させるアクチュエータを有する切断機構と、制御部60とを備えた開封装置11としてもよい。また、例えば開封装置11は、固定されたカッタ53と、箱12をカッタ53に対して移動させることで、箱12の開封面13に貼られたテープ17,18を切断する構成でもよい。
【0166】
・超音波振動式のカッタに限定されず、刃で物理的に切断するカッタでもよい。
・箱12は、開封面13の中央ラインに沿って貼られた第1テープ17により、所謂「縦貼り」で閉じられていてもよい。また、箱12は、開封面13の縦に延びる第1中央ラインに沿って貼られた第1テープと、第1テープと交差する状態で開封面13の横に延びる第2中央ラインに沿って貼られた第2テープとにより、所謂「十字貼り」で閉じられていてもよい。
【0167】
・テープ17,18は粘着テープに限らず、糊又は接着剤で箱12に貼られたテープでもよい。また、テープ17,18が箱12に溶着されていてもよい。
・カメラ50又は別のカメラでカッタ53を撮像し、撮像画像を基にカッタの破損の有無を検査する検査部を設けてもよい。例えば、カメラ50をヘッド44に対して傾動機構を介して撮像向きを変更可能に取り付け、定期又は不定期にカメラ50がカッタ53を撮像する。検査部は、カッタ53の画像を基にカッタ53の破損および摩耗の有無を検査する。この構成によれば、カッタ53の破損および摩耗を早期に発見できる。
【0168】
・箱は、紙製の段ボール箱に限らず、プラスチック製の段ボール箱でもよい。
【符号の説明】
【0169】
10…箱の開封システム、11…箱の開封装置、12…箱、12B…隣の面の一例としての側面、12K…開口、12g…画像中の箱、13…開封面、13g…画像中の開封面、16…フラップ、17…テープの一例としての第1テープ、18…テープの一例としての第2テープ、20…搬送装置、21…コンベヤ、22…位置決め装置、23…ストッパ装置、24…ガイド装置、26…ストッパ、28…ガイド部材、29…センサ、30…位置検出部の一例としての高さ検出装置、31…第1移動機構の一例としての昇降機構、32…センサ部、40…第2昇降機構の一例としてのロボット、43…アーム、44…ヘッド、50…撮像部の一例としてのカメラ、51…カッタユニット、53…カッタ、55…距離センサ、60…制御部、61…画像処理部、62…演算部、63…メモリ、70…操作盤、71…表示部、83…搬送機構の一例としてのコンベヤ、83M…モータ、85…搬送ベルト、86…昇降機構、87…昇降ユニット、88…ガイドロッド、89…スライダ、90…支持テーブル、92…モータ、93…動力伝達機構、97…駆動ベルト、100…タイミングベルト、HL…検出光、CI…画像(撮像画像)、A,B,C,D…頂点、E,F…中点、L1…切断経路の一例としての第1切断経路、L2…切断経路の一例としての第2切断経路、EL…エッジライン、LZ…距離、H0…待機位置、H1…作業高さ位置、WS…動作範囲、X…搬送方向、X1…搬送方向、Y…Y方向(幅方向)、Z…交差方向の一例としてのZ方向(高さ方向)。
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