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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】電動弁制御装置および電動弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20241216BHJP
   H02P 8/36 20060101ALI20241216BHJP
   F16K 37/00 20060101ALN20241216BHJP
【FI】
F16K31/04 A
H02P8/36
F16K37/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024503552
(86)(22)【出願日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 JP2023022038
(87)【国際公開番号】W WO2023248885
(87)【国際公開日】2023-12-28
【審査請求日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2022101861
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩元 大志
(72)【発明者】
【氏名】成川 文太
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-197760(JP,A)
【文献】特開2023-084894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/04
H02P 8/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
前記電動弁と、請求項1または請求項5に記載の電動弁制御装置と、を有する電動弁装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁制御装置、ならびに、電動弁および電動弁制御装置を有する電動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、従来の電動弁の一例を開示している。電動弁は、ケースと、マグネットローターと、ステーターと、を有している。マグネットローターは、ケースの内側に配置されている。ステーターは、ケースの外側に配置されている。マグネットローターとステーターとは、ステッピングモーターを構成している。
【0003】
電動弁は、例えば、エアコンシステムに組み込まれ、冷媒の流量制御に用いられる。電動弁のステーターのコイルは、異常が生じることがある。異常には、ショート、レアショートおよび断線が含まれる。コイルに異常が生じると、電動弁の動作不良が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-179133号公報
【文献】特開2020-178500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2は、ステッピングモーターのコイルのショートを検出可能な故障診断装置の一例を開示している。故障診断装置は、コイルに流れる電流の大きさに基づいてショートを検出する。しかしながら、ステッピングモーターの駆動電圧や周囲温度の変動などによってコイルに流れる電流の大きさが変わることがある。そのため、故障診断装置は、ステッピングモーターの故障を誤検出するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、電動弁のステッピングモーターの故障をより正確に検出できる電動弁制御装置および電動弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電動弁制御装置は、電動弁を制御する電動弁制御装置であって、前記電動弁が、弁室を有する弁本体と、前記弁室に配置された弁体と、前記弁体を移動するためのステッピングモーターと、を有し、前記ステッピングモーターが、マグネットローターと、A相ステーターと、B相ステーターと、を有し、前記電動弁制御装置が、前記A相ステーターのA相コイルに供給するA相電流および前記B相ステーターのB相コイルに供給するB相電流をPWM方式によって制御し、前記A相電流に係るデューティ比(以下、「A相デューティ比」という。)と前記B相電流に係るデューティ比(以下、「B相デューティ比」という。)との比較に基づいて前記A相コイルまたは前記B相コイルに異常が生じたことを検出する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記電動弁制御装置が、A相電流目標値と等しくなるように制御された前記A相電流に係る前記A相デューティ比と、当該A相電流目標値と同じ大きさのB相電流目標値と等しくなるように制御された前記B相電流に係る前記B相デューティ比と、を比較する、ことが好ましい。
【0009】
本発明において、前記電動弁制御装置が、前記マグネットローターが回転するように前記A相電流および前記B相電流を制御しているときの前記A相デューティ比と前記B相デューティ比とを比較する、ことが好ましい。
【0010】
本発明において、複数のパルスが順番を有し、前記複数のパルスのそれぞれに対してA相電流目標値およびB相電流目標値が設定され、前記複数のパルスのそれぞれに対して設定された前記A相電流目標値と等しい前記A相電流を前記A相コイルに前記順番で供給しかつ前記複数のパルスのそれぞれに対して設定された前記B相電流目標値と等しい前記B相電流を前記B相コイルに前記順番で供給すると前記マグネットローターが回転し、前記電動弁制御装置が、前記複数のパルスのうちの一のパルスに対して設定された前記A相電流目標値と等しくなるように制御された前記A相電流に係る前記A相デューティ比と、前記複数のパルスのうちの他のパルスに対して設定された、前記一のパルスに対して設定された前記A相電流目標値と同じ大きさの前記B相電流目標値と等しくなるように制御された前記B相電流に係る前記B相デューティ比と、を比較する、ことが好ましい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の他の一態様に係る電動弁制御装置は、電動弁を制御する電動弁制御装置であって、前記電動弁が、弁室を有する弁本体と、前記弁室に配置された弁体と、前記弁体を移動するためのステッピングモーターと、を有し、前記ステッピングモーターが、マグネットローターと、A相ステーターと、B相ステーターと、を有し、前記電動弁制御装置が、前記A相ステーターのA相コイルに供給するA相電圧および前記B相ステーターのB相コイルに供給するB相電圧をPWM方式によって制御し、前記A相電圧に係るデューティ比と前記B相電圧に係るデューティ比との比較に基づいて前記A相コイルまたは前記B相コイルに異常が生じたことを検出する、ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の他の一態様に係る電動弁装置は、前記電動弁と、前記電動弁制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
電動弁制御装置は、A相ステーターのA相コイルに供給するA相電流およびB相ステーターのB相コイルに供給するB相電流をPWM方式によって制御する。電動弁制御装置は、A相電流に係るデューティ比(A相デューティ比)とB相電流に係るデューティ比(B相デューティ比)との比較に基づいてA相コイルまたはB相コイルに異常が生じたことを検出する。
【0014】
コイルに供給する電流をPWM方式によって制御する構成では、コイルの抵抗値およびインダクタンス(以下、「インピーダンス」という。)が変化すると、PWM信号のデューティ比も変化する。例えば、ステッピングモーターの駆動電圧や周囲温度が変化した場合、A相デューティ比およびB相デューティ比が共に変化する。この場合、A相デューティ比とB相デューティ比との関係は変化しない。そして、A相コイルまたはB相コイルに異常が生じた場合、A相コイルのインピーダンスまたはB相コイルのインピーダンスが変化して、A相デューティ比またはB相デューティ比が変化する。この場合、A相デューティ比とB相デューティ比との関係が変化する。そのため、電動弁制御装置は、A相デューティ比とB相デューティ比とを比較して関係に変化があったとき、A相コイルまたはB相コイルに異常が生じたと判断できる。したがって、ステッピングモーターの駆動電圧や周囲温度の変動によるコイルの異常の誤検出を抑制して、ステッピングモーターの故障をより正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る電動弁装置を有するエアコンシステムのブロック図である。
図2】電動弁装置の断面図である。
図3】電動弁装置のマグネットローターおよびステーターを説明する図である。
図4】電動弁装置のマイクロコンピューター、ステッピングモーターおよび磁気センサーを説明する図である。
図5】マイクロコンピューターのCPUおよびモータードライバを説明する図である。
図6】PWM信号の波形の例を示す図である。
図7】複数のパルスとA相電流目標値およびB相電流目標値との対応関係の一例を示す図である。
図8】A相コイルに流れるA相電流の電流波形およびB相コイルに流れるB相電流の電流波形の一例を示す図である。
図9】電動弁制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施例に係る電動弁装置について、図1図9を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係る電動弁装置を有するエアコンシステムのブロック図である。図2は、電動弁装置の断面図である。図3は、電動弁装置のマグネットローターおよびステーターを説明する図である。図3において、マグネットローターの磁極およびステーターの極歯を模式的に示している。図3において、径方向外方が上方に対応し、径方向内方が下方に対応する。図4は、電動弁装置のマイクロコンピューター、ステッピングモーターおよび磁気センサーを説明する図である。図4は、マイクロコンピューター、ステッピングモーターおよび磁気センサーの接続関係を模式的に示す。図5は、マイクロコンピューターのCPUおよびモータードライバを説明する図である。図5は、CPUおよびモータードライバの接続関係を模式的に示す。図6は、PWM信号の波形(電圧波形)の例を示す図である。図7は、複数のパルスとA相電流目標値およびB相電流目標値との対応関係の一例を示す図である。図8は、A相コイルに流れるA相電流の電流波形およびB相コイルに流れるB相電流の電流波形の一例を示す図である。図9は、電動弁制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0018】
本実施例に係る電動弁装置1は、電動弁5と、電動弁制御装置(以下、単に「制御装置100」という。)と、有している。
【0019】
電動弁装置1は、例えば、図1に示すエアコンシステム400に組み込まれる。エアコンシステム400は、配管405を介して順に接続された圧縮機401、凝縮器402、電動弁装置1(電動弁5)および蒸発器403を有している。エアコンシステム400は、エアコン制御装置410を有している。エアコン制御装置410は、外部装置である。エアコン制御装置410は、電動弁装置1(制御装置100)と通信バス420を介して通信可能に接続されている。エアコン制御装置410は、電動弁装置1を用いて配管405を流れる冷媒の流量を制御する。
【0020】
図2に示すように、電動弁5は、弁本体10と、キャン20と、駆動機構30と、弁体40と、永久磁石45と、ステーターユニット50と、を有している。
【0021】
弁本体10は、例えば、アルミニウム合金などの金属製である。弁本体10は、本体部材11と、支持部材12と、接続部材13と、を有している。本体部材11は、直方体形状を有している。本体部材11は、取付孔11aを有している。取付孔11aは、本体部材11の上面11bに配置されている。支持部材12は、円筒形状を有している。支持部材12の下部は、取付孔11aに配置されている。支持部材12は、本体部材11にねじ構造により取り付けられている。支持部材12の上部は、本体部材11の上面11bから突出している。本体部材11は、弁室14と、流路15と、流路16と、弁口17と、弁座18と、を有している。流路15は、弁室14に接続されている。流路16は、弁口17を介して弁室14に接続されている。弁座18は、弁室14において弁口17を囲んでいる。接続部材13は円環板形状を有している。支持部材12の上部は、接続部材13の内周縁に接合されている。
【0022】
キャン20は、例えば、ステンレスなどの金属製である。キャン20は、円筒形状を有している。キャン20は、上端が塞がれかつ下端が開口している。キャン20の下端は、接続部材13の外周縁に接合されている。
【0023】
駆動機構30は、弁体40を上下方向(軸線L方向)に移動させる。駆動機構30は、マグネットローター31と、弁軸ホルダー32と、ガイドブッシュ33と、弁軸34と、を有している。
【0024】
マグネットローター31は、円筒形状を有している。マグネットローター31の外径は、キャン20の内径より若干小さい。キャン20の内周面とマグネットローター31の外周面との間にわずかな隙間が形成されている。マグネットローター31は、複数の磁極(複数のN極、複数のS極)を有している。複数のN極および複数のS極は、マグネットローター31の外周面に配置されている。複数のN極および複数のS極は、上下方向に延在している。複数のN極および複数のS極は、周方向に等間隔で交互に配置されている。本実施例において、マグネットローター31は12個のN極と12個のS極とを有している。隣り合うN極とS極との間隔(角度)は、15度である。
【0025】
弁軸ホルダー32は、円筒形状を有している。弁軸ホルダー32は、上端が塞がれかつ下端が開口している。弁軸ホルダー32の上部には支持リング35が固定されている。支持リング35は、マグネットローター31と弁軸ホルダー32とを連結している。弁軸ホルダー32は、マグネットローター31とともに回転する。弁軸ホルダー32の内周面には、雌ねじ32cが設けられている。
【0026】
ガイドブッシュ33は、第1円筒部33aと、第2円筒部33bと、を一体的に有している。第2円筒部33bの外径は、第1円筒部33aの外径より小さい。第2円筒部33bは、第1円筒部33aの上端に同軸に接続されている。第2円筒部33bの外周面には、雄ねじ33cが設けられている。雄ねじ33cは、弁軸ホルダー32の雌ねじ32cと螺合される。第1円筒部33aは、弁本体10の支持部材12に設けられた嵌合孔12aに圧入されている。ガイドブッシュ33は、弁本体10と結合されている。
【0027】
弁軸ホルダー32には、可動ストッパ32sが固定されている。ガイドブッシュ33の第1円筒部33aには、固定ストッパ33sが固定されている。可動ストッパ32sと固定ストッパ33sとが接すると、弁軸ホルダー32(すなわちマグネットローター31)の閉弁方向への回転が規制される。可動ストッパ32sと固定ストッパ33sとは、ストッパ機構38を構成する。ストッパ機構38は、マグネットローター31の閉弁方向への回転を規制する。
【0028】
弁軸34は、第1部分34aと、第2部分34bと、を一体的に有している。第1部分34aおよび第2部分34bは、円柱形状を有している。第2部分34bの径は、第1部分34aの径より小さい。第2部分34bは、第1部分34aの上端に同軸に接続されている。第2部分34bは、弁軸ホルダー32を貫通している。第2部分34bには、抜け止め用のプッシュナット36が取り付けられている。弁軸34は、ガイドブッシュ33の内側および支持部材12の内側に配置されている。第1部分34aの下端は、弁室14に配置されている。弁軸34は、段部34dを有している。段部34dは、第1部分34aと第2部分34bとの接続箇所に配置されている。段部34dと弁軸ホルダー32と間には、閉弁ばね37が配置されている。閉弁ばね37は、圧縮コイルばねである。閉弁ばね37は、弁軸34を下方に向けて押している。
【0029】
弁体40は、弁室14に配置されている。弁体40は、弁口17と上下方向に向かい合っている。弁体40は、弁口17を開閉する。弁体40は、弁軸34の下端に接続されている。弁軸34と弁体40とは、例えば、円柱形状のワークピースを切削加工して、一体的に形成される。
【0030】
永久磁石45は、キャン20の内側においてマグネットローター31の上方に配置されている。永久磁石45は、円環板形状を有している。永久磁石45は、1つのN極と1つのS極とを有している。N極とS極とは径方向に対向するように配置されている。永久磁石45は、支持リング35に取り付けられたガイド部材46によって支持されている。ガイド部材46は、永久磁石45を当該ガイド部材46に対して相対的に上下方向に移動可能に支持している。永久磁石45は、ガイド部材46を介してマグネットローター31の回転が伝えられる。永久磁石45は、マグネットローター31とともに回転される。永久磁石45とガイド部材46との間に支持ばね47が配置されている。支持ばね47は、圧縮コイルばねである。支持ばね47は、永久磁石45を上方に押している。永久磁石45の内側には摺動部材48が嵌め込まれている。摺動部材48は、永久磁石45の上面から突出している。摺動部材48は、例えば、摩擦係数が比較的小さいエンジニアリングプラスチック製である。
【0031】
永久磁石45は支持ばね47によって上方に押されており、摺動部材48がキャン20の内面に常に接する。弁軸ホルダー32の雌ねじ32cとガイドブッシュ33の雄ねじ33cとの送りねじ作用によってマグネットローター31が上下方向に移動しても、永久磁石45の上下方向の位置は一定である。
【0032】
ステーターユニット50は、ステーター60と、ハウジング70と、を有している。
【0033】
ステーター60は、円筒形状を有している。ステーター60は、A相ステーター61と、B相ステーター62と、を有している。
【0034】
A相ステーター61は、内周に複数のクローポール型の極歯61a、61bを有している。極歯61aの先端は下方に向いており、極歯61bの先端は上方に向いている。極歯61aと極歯61bとは、周方向に等間隔で交互に配置されている。本実施例において、A相ステーター61は、極歯61aを12個有し、極歯61bを12個有している。互いに隣り合う極歯61aと極歯61bとの間の角度は、15度である。A相ステーター61はA相コイル61cを有している。A相コイル61cが通電されると、極歯61aと極歯61bとは互いに異なる極性となる。
【0035】
B相ステーター62は、内周に複数のクローポール型の極歯62a、62bを有している。極歯62aの先端は下方に向いており、極歯62bの先端は上方に向いている。極歯62aと極歯62bとは、周方向に等間隔で交互に配置されている。本実施例において、B相ステーター62は、極歯62aを12個有し、極歯62bを12個有している。互いに隣り合う極歯62aと極歯62bとの間の角度は、15度である。B相ステーター62はB相コイル62cを有している。B相コイル62cが通電されると、極歯62aと極歯62bとは互いに異なる極性となる。B相ステーター62は、A相ステーター61と同じ(実質的に同じを含む)構成である。B相コイル62cの設計上のインピーダンス(抵抗値およびインダクタンス)は、A相コイル61cの設計上のインピーダンスと同じである。すなわち、A相コイル61cおよびB相コイル62cが正常なとき、これらのインピーダンスは同じである。
【0036】
A相ステーター61とB相ステーター62とは、同軸に配置されている。A相ステーター61とB相ステーター62とは、互いに接している。軸線L方向から見たときに互いに隣り合うA相ステーター61の極歯61aとB相ステーター62の極歯62aとの間の角度は、7.5度である。A相コイル61cおよびB相コイル62cは、複数の端子65と接続されている。
【0037】
ハウジング70は、合成樹脂製である。ハウジング70は、直方体箱形状を有している。ハウジング70は、ステーター60を収容している。ステーター60の内側およびハウジング70の内側にキャン20が配置される。ステーター60とマグネットローター31とは、弁体40を駆動するためのステッピングモーター66を構成する。ハウジング70には、横方向(軸線Lと直交する方向)に突出するコネクタ83が設けられている。
【0038】
電動弁5において、本体部材11(弁口17、弁座18)、支持部材12、接続部材13、キャン20、マグネットローター31、弁軸34、弁体40、永久磁石45、ステーター60(A相ステーター61、B相ステーター62)は、それぞれの中心軸が軸線Lに一致する。
【0039】
電動弁5において、マグネットローター31が閉弁方向に回転すると、弁軸ホルダー32の雌ねじ32cとガイドブッシュ33の雄ねじ33cとの送りねじ作用によってマグネットローター31および弁軸ホルダー32が下方に移動する。弁軸ホルダー32が、閉弁ばね37を介して弁軸34を下方に押す。弁軸34および弁体40が下方に移動して弁体40が弁座18に接する。このときのマグネットローター31の位置は、閉弁位置Rcである。この状態からマグネットローター31が閉弁方向にさらに回転すると、閉弁ばね37が圧縮されてマグネットローター31および弁軸ホルダー32がさらに下方に移動する。弁体40は下方に移動しない。そして、可動ストッパ32sが固定ストッパ33sに接すると、マグネットローター31の閉弁方向への回転が規制される。このときのマグネットローター31の位置は、基準位置Rxである。
【0040】
電動弁5において、マグネットローター31が開弁方向に回転すると、弁軸ホルダー32の雌ねじ32cとガイドブッシュ33の雄ねじ33cとの送りねじ作用によってマグネットローター31および弁軸ホルダー32が上方に移動する。弁軸ホルダー32が、プッシュナット36を上方に押す。弁軸34および弁体40が上方に移動して弁体40が弁座18から離れる。マグネットローター31が開弁方向にさらに回転すると、マグネットローター31が全開位置Rzに到達する。マグネットローター31が全開位置Rzにあるとき、弁体40が弁口17から最も離れる。
【0041】
制御装置100は、制御基板110と、磁気センサー115と、マイクロコンピューター120と、を有している。
【0042】
制御基板110は、電子部品が実装されるプリント基板である。制御基板110は、ハウジング70に収容されている。制御基板110は、キャン20の上方で横方向に沿って配置されている。制御基板110には、電線111を介してステーター60の複数の端子65が接続されている。制御基板110には、磁気センサー115と、マイクロコンピューター120と、が実装されている。
【0043】
磁気センサー115は、キャン20を介して永久磁石45と上下方向に並んでいる。換言すると、磁気センサー115は、キャン20を介して永久磁石45と上下方向に向かい合っている。磁気センサー115は、永久磁石45によって生じる磁場を検知する。磁気センサー115は、磁場の回転角度に応じた信号(アナログ信号)を出力する。すなわち、磁気センサー115は、永久磁石45(すなわちマグネットローター31)の回転角度に応じた信号を出力する回転角度センサーである。なお、磁気センサー115として、二値信号を出力する1または複数のホールICを用いてもよい。
【0044】
図1図4に示すように、マイクロコンピューター120は、例えば、中央処理装置であるCPU121、不揮発性メモリ122、モータードライバ123、作業用メモリ124、通信モジュール125、温度センサー126などを1つのパッケージに集積した組み込み機器用のマイクロコンピューターである。マイクロコンピューター120は、電動弁5の制御を司る。なお、不揮発性メモリ、作業用メモリ、通信モジュール、モータードライバおよび温度センサーは、マイクロコンピューター120に外部接続される個別の電子部品であってもよい。
【0045】
CPU121は、不揮発性メモリ122に格納されたプログラムを実行し、各種機能部として機能する。不揮発性メモリ122には、CPU121の電源遮断直前のマグネットローター31の現在位置が格納されている。CPU121の電源が投入されると、CPU121は不揮発性メモリ122からマグネットローター31の現在位置を読み出す。作業用メモリ124は、機能部で用いられる変数を格納する。通信モジュール125は、通信バス420を介してエアコン制御装置410と接続される。温度センサー126は、マイクロコンピューター120の周囲の温度K(すなわち、ハウジング70の内側の気温)に応じた信号を出力する。モータードライバ123は、ステッピングモーター66と接続されている。具体的には、図4に示すように、モータードライバ123は、A相コイル61cおよびB相コイル62cと接続されている。モータードライバ123は、A相コイル61cおよびB相コイル62cに電流を供給する。
【0046】
図5に示すように、モータードライバ123はHブリッジ回路123A、123Bを有しており、ステッピングモーター66をバイポーラ方式で駆動する。
【0047】
Hブリッジ回路123Aは、A相コイル61cに接続されている。Hブリッジ回路123Aは、スイッチSW11、SW12、SW13、SW14を有している。A相コイル61cの端子A1から端子A2に電流を流すとき、スイッチSW11、SW14をONにし、スイッチSW12、SW13をOFFにする。A相コイル61cの端子A2から端子A1に電流を流すとき、スイッチSW12、SW13をONにし、スイッチSW11、SW14をOFFにする。
【0048】
Hブリッジ回路123Aは、電流検出抵抗127Aを介して基準電位(GND)に接続されている。電流検出抵抗127Aの端子には、A相コイル61cに供給する電流(A相電流Ia)に応じた電圧Vaが生じる。電流検出抵抗127Aの端子は、図示しない増幅器およびアナログ-デジタル変換器128Aを介してCPU121に接続されている。CPU121は、スイッチSW11、SW12、SW13、SW14にパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)信号を入力する。CPU121は、電圧VaがA相電流目標値Itaに応じた値となるように、スイッチSW11、SW12、SW13、SW14に入力するPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da)を調整する。CPU121は、A相電流IaをPWM方式で制御する。
【0049】
Hブリッジ回路123Bは、B相コイル62cに接続されている。Hブリッジ回路123Bは、スイッチSW21、SW22、SW23、SW24を有している。B相コイル62cの端子B1から端子B2に電流を流すとき、スイッチSW21、SW24をONにし、スイッチSW22、SW23をOFFにする。B相コイル62cの端子B2から端子B1に電流を流すとき、スイッチSW22、SW23をONにし、スイッチSW21、SW24をOFFにする。
【0050】
Hブリッジ回路123Bは、電流検出抵抗127Bを介して基準電位(GND)に接続されている。電流検出抵抗127Bの端子には、B相コイル62cに供給する電流(B相電流Ib)に応じた電圧Vbが生じる。電流検出抵抗127Bの端子は、図示しない増幅器およびアナログ-デジタル変換器128Bを介してCPU121に接続されている。CPU121は、スイッチSW21、SW22、SW23、SW24にPWM信号を入力する。CPU121は、電圧VbがB相電流目標値Itbに応じた値となるように、スイッチSW21、SW22、SW23、SW24に入力するPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db)を調整する。CPU121は、B相電流IbをPWM方式で制御する。
【0051】
PWM信号は、所定のパルス周期Tpで、ON、OFF、または、ONおよびOFFされる。PWM信号のデューティ比は、パルス周期Tpと、PWM信号のON時間Tonと、の比(Ton/Tp)である。デューティ比が0%のとき、PWM信号がパルス周期TpのすべてでOFFである。デューティ比が30%のとき、PWM信号がパルス周期Tpの30%の時間でONであり、パルス周期Tpの70%の時間でOFFである。デューティ比が100%のとき、PWM信号がパルス周期TpのすべてでONである。
【0052】
A相コイル61cに流れる電流の大きさ(絶対値)が同じであれば、電流の向きが異なっても、A相デューティ比Daは同じになる。電流の向きは、端子A1から端子A2への向き、または、端子A2から端子A1への向き、である。A相コイル61cのインピーダンス(端子A1と端子A2との間のインピーダンス)は、A相コイル61cに異常が生じると変化する。異常は、ショート、レアショートおよび断線を含む。そして、A相コイル61cのインピーダンスが変化すると、A相コイル61cに所定量の電流が流れるのに必要な時間が変化する。そのため、A相コイル61cに異常が生じると、ON時間Tonが変化し、A相デューティ比Daが変化する。例えば、A相コイル61cのインピーダンスが小さくなると、PWM信号に応じてA相コイル61cに流れる電流の立ち上がり時間および立ち下がり時間が短くなり、所定量の電流がより短い時間で流れる。そのため、ON時間Tonが短くなる。立ち上がり時間は電流が0から最大値になるまでの時間であり、立ち下がり時間は電流が最大値から0になるまでの時間である。図6Aに、ショートする前のPWM信号の波形(電圧波形)を模式的に示し、図6Bに、ショートした後のPWM信号の波形を模式的に示す。B相コイル62cについても、A相コイル61cと同じである。
【0053】
ステッピングモーター66に複数のパルスP(P[1]~P[8])が入力されることによりマグネットローター31が回転する。具体的には、ステッピングモーター66のステーター60にパルスPに応じた電流が供給されることによりマグネットローター31が回転する。本明細書において、「ステッピングモーター66にパルスPが入力されること」は、「ステッピングモーター66のステーター60にパルスPに応じた電流が供給されること」と同義である。複数のパルスPは、順番を有しており、昇順または降順で繰り返しステッピングモーター66に入力される。
【0054】
複数のパルスPのそれぞれに対してA相電流目標値ItaおよびB相電流目標値Itbが設定されている。図7に、パルスPとA相電流目標値ItaおよびB相電流目標値Itbとの対応関係を示す。図8に、複数のパルスPの順番で流れるA相電流IaおよびB相電流Ibの電流波形を模式的に示す。図8において、A相電流IaはA相電流目標値Itaと大きさおよび電流の向きが同じ電流であり、B相電流IbはB相電流目標値Itbと大きさおよび電流の向きが同じ電流である。図7図8において、符号(+/-)は電流が流れる向きを示す。「+」は、端子A1から端子A2への向き、または、端子B1から端子B2への向きを示す。「-」は、端子A2から端子A1への向き、または、端子B2から端子B1への向きを示す。「0」は、電流が流れない(OFF)ことを示す。
【0055】
本実施例において、
パルスP[1]に対して、A相電流目標値Itaとして「+I2」が設定され、B相電流目標値Itbとして「0」が設定される。
パルスP[2]に対して、A相電流目標値Itaとして「+I1」が設定され、B相電流目標値Itbとして「+I1」が設定される。
パルスP[3]に対して、A相電流目標値Itaとして「0」が設定され、B相電流目標値Itbとして「+I2」が設定される。
パルスP[4]に対して、A相電流目標値Itaとして「-I1」が設定され、B相電流目標値Itbとして「+I1」が設定される。
パルスP[5]に対して、A相電流目標値Itaとして「-I2」が設定され、B相電流目標値Itbとして「0」が設定される。
パルスP[6]に対して、A相電流目標値Itaとして「-I1」が設定され、B相電流目標値Itbとして「-I1」が設定される。
パルスP[7]に対して、A相電流目標値Itaとして「0」が設定され、B相電流目標値Itbとして「-I2」が設定される。
パルスP[8]に対して、A相電流目標値Itaとして「+I1」が設定され、B相電流目標値Itbとして「-I1」が設定される。
「+I2」と「-I2」とは、電流の大きさが同じで、電流の向きが異なる。
「+I1」と「-I1」とは、電流の大きさが同じで、電流の向きが異なる。
「+I2」と「+I1」とは、電流の大きさが異なり、電流の向きが同じである。
【0056】
ステッピングモーター66には、パルスP[1]~P[8]が順番に入力される。
【0057】
ステッピングモーター66にパルスPを昇順(P[1]~P[8]の順番)で入力すると、マグネットローター31が閉弁方向(図3において時計方向)に回転する。具体的には、CPU121が、パルスPに対して設定されたA相電流目標値Itaと等しくなるように制御したA相電流IaをA相コイル61cにパルスPの順番(昇順)で供給し、かつ、パルスPに対して設定されたB相電流目標値Itbと等しくなるように制御したB相電流IbをB相コイル62cにパルスPの順番(昇順)で供給すると、マグネットローター31が閉弁方向に回転する。
【0058】
ステッピングモーター66にパルスPを降順(P[8]~P[1]の順番)で入力すると、マグネットローター31が開弁方向(図3において反時計方向)に回転する。具体的には、CPU121が、パルスPに対して設定されたA相電流目標値Itaと等しくなるように制御したA相電流IaをA相コイル61cにパルスPの順番(降順)で供給し、かつ、パルスPに対して設定されたB相電流目標値Itbと等しくなるように制御したB相電流IbをB相コイル62cにパルスPの順番(降順)で供給すると、マグネットローター31が開弁方向に回転する。
【0059】
なお、A相電流IaがA相電流目標値Itaと等しいとは、A相電流Iaの電流の大きさおよび電流の向きがA相電流目標値Itaの電流の大きさおよび電流の向きと同じであることを示す。B相電流IbがB相電流目標値Itbと等しいとは、B相電流Ibの電流の大きさおよび電流の向きがB相電流目標値Itbの電流の大きさおよび電流の向きと同じであることを示す。
【0060】
本実施例において、ステッピングモーター66の励磁モードは1-2相励磁である。ステッピングモーター66のステップ角は3.75度である。マグネットローター31が基準位置Rxにあるとき、可動ストッパ32sと固定ストッパ33sとが接し、マグネットローター31の閉弁方向の回転が規制される。マグネットローター31を基準位置Rxから全開位置Rzまで回転させるために必要なパルス数(初期化数)は500である。
【0061】
マグネットローター31が回転すると永久磁石45も回転し、磁気センサー115の信号が変化する。マグネットローター31が回転しないと永久磁石45も回転せず、磁気センサー115の信号が変化しない。そのため、制御装置100は、磁気センサー115の信号に基づいて、マグネットローター31が回転したか否かを判定できる。
【0062】
次に、制御装置100の処理の一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
制御装置100(具体的にはCPU121)は、電源が投入されると不揮発性メモリ122からマグネットローター31の現在位置(電動弁5の現在の弁開度)を読み出し、エアコン制御装置410からの命令を待つ。
【0064】
制御装置100は、エアコン制御装置410から、電動弁5の弁開度を指定する命令を受信する(S110)。当該命令は、電動弁5の目標弁開度に関する情報を含む。制御装置100は、現在の弁開度が目標弁開度より大きいとき(S120でY)、パルスPを昇順で入力する(S130)。制御装置100は、現在の弁開度が目標弁開度より小さいとき(S120でN、S140でY)、パルスPを降順で入力する(S150)。制御装置100は、現在の弁開度が目標弁開度のとき(S120でN、S140でN)、本処理を終了して次の命令を待つ。
【0065】
制御装置100は、パルスP[1]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「+I2」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「0」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[1])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[1])を作業用メモリ124に格納する。なお、作業用メモリ124に格納するデューティ比は、例えば、パルスPの入力期間Tplsにおけるデューティ比の平均値や、PWM信号の安定後(例えば、パルスPの入力期間Tplsの後半など、デューティ比のばらつきが小さいとき)に取得したデューティ比である。
【0066】
制御装置100は、パルスP[2]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「+I1」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「+I1」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[2])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[2])を作業用メモリ124に格納する。
【0067】
制御装置100は、パルスP[3]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「0」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「+I2」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[3])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[3])を作業用メモリ124に格納する。
【0068】
制御装置100は、パルスP[4]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「-I1」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「+I1」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[4])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[4])を作業用メモリ124に格納する。
【0069】
制御装置100は、パルスP[5]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「-I2」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「0」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[5])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[5])を作業用メモリ124に格納する。
【0070】
制御装置100は、パルスP[6]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「-I1」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「-I1」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[6])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[6])を作業用メモリ124に格納する。
【0071】
制御装置100は、パルスP[7]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「0」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「-I2」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[7])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[7])を作業用メモリ124に格納する。
【0072】
制御装置100は、パルスP[8]の入力に対応して、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「+I1」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「-I1」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da[8])を作業用メモリ124に格納する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db[8])を作業用メモリ124に格納する。
【0073】
制御装置100は、パルスPの入力に対応して、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較する(S160)。制御装置100は、比較結果に基づいて、A相コイル61cおよびB相コイル62cに異常が生じていないことを検出したとき(S170でN)、ステップS120に戻る。制御装置100は、比較結果に基づいて、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出したとき(S170でY)、エアコン制御装置410に電動弁5の故障を示す情報を送信し(S180)、本処理を終了する。
【0074】
次に、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとの比較方法および異常検出方法について説明する。
【0075】
制御装置100は、パルスPを昇順で入力する場合、パルスP[K]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[K]と、パルスP[K]の2つ前のパルスP[J]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[J]と、を比較する。パルスP[J]に対して設定されたA相電流目標値Itaと、パルスP[K]に対して設定されたB相電流目標値Itbと、は電流の大きさおよび電流の向きが同じである。
【0076】
具体的には、
制御装置100は、パルスP[1]の入力に対応してB相デューティ比Db[1]を取得すると、当該B相デューティ比Db[1]とパルスP[1]の2つ前のパルスP[7]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[7]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[2]の入力に対応してB相デューティ比Db[2]を取得すると、当該B相デューティ比Db[2]とパルスP[2]の2つ前のパルスP[8]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[8]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[3]の入力に対応してB相デューティ比Db[3]を取得すると、当該B相デューティ比Db[3]とパルスP[3]の2つ前のパルスP[1]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[1]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[4]の入力に対応してB相デューティ比Db[4]を取得すると、当該B相デューティ比Db[4]とパルスP[4]の2つ前のパルスP[2]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[2]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[5]の入力に対応してB相デューティ比Db[5]を取得すると、当該B相デューティ比Db[5]とパルスP[5]の2つ前のパルスP[3]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[3]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[6]の入力に対応してB相デューティ比Db[6]を取得すると、当該B相デューティ比Db[6]とパルスP[6]の2つ前のパルスP[4]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[4]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[7]の入力に対応してB相デューティ比Db[7]を取得すると、当該B相デューティ比Db[7]とパルスP[7]の2つ前のパルスP[5]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[5]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[8]の入力に対応してB相デューティ比Db[8]を取得すると、当該B相デューティ比Db[8]とパルスP[8]の2つ前のパルスP[6]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[6]と、を比較する。
【0077】
そして、制御装置100は、A相デューティ比Da[J]とB相デューティ比Db[K]とを比較し、これらの差分値が所定の判定基準値以下のとき、A相コイル61cおよびB相コイル62cに異常が生じていないと判断する。判定基準値は、例えば、3~20%である。制御装置100は、差分値が所定の判定基準値を超えたとき、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたと判断し、すなわち、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出する。
【0078】
制御装置100は、パルスPを降順で入力する場合、パルスP[K]の入力に対応して取得したA相デューティ比Da[K]と、パルスP[K]の2つ前のパルスP[J]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[J]と、を比較する。パルスP[K]に対して設定されたA相電流目標値Itaと、パルスP[J]に対して設定されたB相電流目標値Itbと、は電流の大きさおよび電流の向きが同じである。
【0079】
具体的には、
制御装置100は、パルスP[8]の入力に対応してA相デューティ比Da[8]を取得すると、当該A相デューティ比Da[8]とパルスP[8]の2つ前のパルスP[2]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[2]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[7]の入力に対応してA相デューティ比Da[7]を取得すると、当該A相デューティ比Da[7]とパルスP[7]の2つ前のパルスP[1]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[1]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[6]の入力に対応してA相デューティ比Da[6]を取得すると、当該A相デューティ比Da[6]とパルスP[6]の2つ前のパルスP[8]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[8]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[5]の入力に対応してA相デューティ比Da[5]を取得すると、当該A相デューティ比Da[5]とパルスP[5]の2つ前のパルスP[7]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[7]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[4]の入力に対応してA相デューティ比Da[4]を取得すると、当該A相デューティ比Da[4]とパルスP[4]の2つ前のパルスP[6]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[6]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[3]の入力に対応してA相デューティ比Da[3]を取得すると、当該A相デューティ比Da[3]とパルスP[3]の2つ前のパルスP[5]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[5]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[2]の入力に対応してA相デューティ比Da[2]を取得すると、当該A相デューティ比Da[2]とパルスP[2]の2つ前のパルスP[4]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[4]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[1]の入力に対応してA相デューティ比Da[1]を取得すると、当該A相デューティ比Da[1]とパルスP[1]の2つ前のパルスP[3]の入力に対応して取得したB相デューティ比Db[3]と、を比較する。
【0080】
そして、制御装置100は、A相デューティ比Da[K]とB相デューティ比Db[J]とを比較し、これらの差分値が所定の判定基準値以下のとき、A相コイル61cおよびB相コイル62cに異常が生じていないと判断する。制御装置100は、差分値が所定の判定基準値を超えたとき、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたと判断し、すなわち、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出する。
【0081】
なお、上述した比較方法において、制御装置100は、パルスP[2]、P[4]、P[6]、P[8]の入力に対応して取得したA相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを次のように比較してもよい。パルスP[2]、P[4]、P[6]、P[8]に対して設定されたA相電流目標値ItaとB相電流目標値Itbと、は少なくとも電流の大きさが同じである。
【0082】
制御装置100は、パルスP[2]の入力に対応してA相デューティ比Da[2]とB相デューティ比Db[2]を取得すると、当該A相デューティ比Da[2]と当該B相デューティ比Db[2]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[4]の入力に対応してA相デューティ比Da[4]とB相デューティ比Db[4]を取得すると、当該A相デューティ比Da[4]と当該B相デューティ比Db[4]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[6]の入力に対応してA相デューティ比Da[6]とB相デューティ比Db[6]を取得すると、当該A相デューティ比Da[6]と当該B相デューティ比Db[6]と、を比較する。
制御装置100は、パルスP[8]の入力に対応してA相デューティ比Da[8]とB相デューティ比Db[8]を取得すると、当該A相デューティ比Da[8]と当該B相デューティ比Db[8]と、を比較する。
【0083】
本実施例に係る電動弁装置1は、電動弁5と制御装置100とを有する。電動弁5が、弁室14を有する弁本体10と、弁室14に配置された弁体40と、弁体40を移動するためのステッピングモーター66と、を有する。ステッピングモーター66が、マグネットローター31と、ステーター60(A相ステーター61、B相ステーター62)と、を有する。制御装置100が、電動弁5を制御する。制御装置100は、A相ステーター61のA相コイル61cに供給するA相電流IaおよびB相ステーター62のB相コイル62cに供給するB相電流IbをPWM方式によって制御する。制御装置100は、A相電流Iaに係るA相デューティ比DaとB相電流Ibに係るB相デューティ比Dbとの比較に基づいてA相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出する。
【0084】
例えば、ステッピングモーター66の駆動電圧や周囲温度が変化した場合、A相デューティ比DaおよびB相デューティ比Dbが共に変化する。この場合、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとの関係は変化しない。そして、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じた場合、A相コイル61cのインピーダンスまたはB相コイル62cのインピーダンスが変化して、A相デューティ比DaまたはB相デューティ比Dbが変化する。この場合、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとの関係が変化する。そのため、制御装置100は、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較して関係に変化があったとき、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたと判断できる。関係は、例えば、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとの差分値である。したがって、制御装置100は、ステッピングモーター66の駆動電圧や周囲温度の変動によるコイルの異常の誤検出を抑制して、ステッピングモーター66の故障をより正確に検出できる。
【0085】
また、制御装置100が、A相電流目標値Itaと等しくなるように制御されたA相電流Iaに係るA相デューティ比Daと、当該A相電流目標値Itaと同じ大きさのB相電流目標値Itbと等しくなるように制御されたB相電流Ibに係るB相デューティ比Dbと、を比較する。このようにすることで、A相コイル61cおよびB相コイル62cに異常が生じていないとき、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとが同じであり、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じているとき、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとが異なる。そのため、制御装置100は、簡易な処理でA相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較できる。
【0086】
なお、制御装置100が、A相電流目標値Itaと等しくなるように制御されたA相電流Iaに係るA相デューティ比Daと、当該A相電流目標値Itaと異なる大きさのB相電流目標値Itbと等しくなるように制御されたB相電流Ibに係るB相デューティ比Dbと、を比較するようにしてもよい。この場合、制御装置100は、A相電流目標値ItaとB相電流目標値Itbとの違い(比率)を考慮して、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較する。例えば、A相電流目標値ItaとB相電流目標値Itbとの比(Ita/Itb)が1/2でかつA相コイル61cおよびB相コイル62cに異常が生じていないとき、A相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとの比(Da/Db)も1/2になる。そのため、制御装置100は、A相デューティ比Daを2倍した値(Da×2)とB相デューティ比Dbとを比較する。
【0087】
また、制御装置100が、マグネットローター31が回転するようにA相電流IaおよびB相電流Ibを制御しているときのA相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較する。このようにすることで、制御装置100は、通常処理(電動弁5の弁開度を指定された目標弁開度にする処理)において、A相コイル61cまたはB相コイル62cの異常を検出することができる。
【0088】
また、複数のパルスPのそれぞれに対してA相電流目標値ItaおよびB相電流目標値Itbが設定される。複数のパルスPに対して設定されたA相電流目標値Itaと等しいA相電流IaをA相コイル61cに複数のパルスPの順番で供給しかつ複数のパルスPに対して設定されたB相電流目標値Itbと等しいB相電流IbをB相コイル62cに複数のパルスPの順番で供給するとマグネットローター31が回転する。制御装置100が、複数のパルスPのうちの一のパルスPに対して設定されたA相電流目標値Itaと等しくなるように制御されたA相電流Iaに係るA相デューティ比Daと、複数のパルスPのうちの他のパルスPに対して設定された、当該一のパルスPに対して設定されたA相電流目標値Itaと同じ大きさのB相電流目標値Itbと等しくなるように制御されたB相電流Ibに係るB相デューティ比Dbと、を比較する。このようにすることで、制御装置100は、簡易な処理でA相デューティ比DaとB相デューティ比Dbとを比較できる。また、制御装置100は、通常処理において、A相コイル61cまたはB相コイル62cの異常を検出することができる。
【0089】
本実施例の制御装置100は、通常処理において、A相コイル61cまたはB相コイル62cの異常を検出する構成を有するが、本発明はこのような構成に限定されない。制御装置100は、電源投入直後の初期化処理において、A相コイル61cまたはB相コイル62cの異常を検出する構成を有していてもよい。例えば、制御装置100は、初期化処理において、A相コイル61cに供給するA相電流Iaが「+I2」になるようにHブリッジ回路123AにPWM信号を入力し、B相コイル62cに供給するB相電流Ibが「+I2」になるようにHブリッジ回路123BにPWM信号を入力する。制御装置100は、Hブリッジ回路123Aに入力したPWM信号のデューティ比(A相デューティ比Da)と、Hブリッジ回路123Bに入力したPWM信号のデューティ比(B相デューティ比Db)と、を比較する。そして、制御装置100は、比較結果に基づいて、A相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出する。
【0090】
本実施例の制御装置100は、電動弁5(ステッピングモーター66)を電流制御するものであったが、電動弁5を電圧制御するものであってもよい。電圧制御の構成において、制御装置100は、A相ステーター61のA相コイル61cに供給するA相電圧およびB相ステーター62のB相コイル62cに供給するB相電圧をPWM方式によって制御する。制御装置100は、A相電圧に係るデューティ比(A相電圧デューティ比)とB相電圧に係るデューティ比(B相電圧デューティ比)との比較に基づいてA相コイル61cまたはB相コイル62cに異常が生じたことを検出する。
【0091】
また、電圧制御の構成において、制御装置100は、A相電圧目標値と等しくなるように制御されたA相電圧に係るA相電圧デューティ比と、当該A相電圧目標値と同じ大きさのB相電圧目標値と等しくなるように制御されたB相電圧に係るB相電圧デューティ比と、を比較してもよい。
【0092】
また、電圧制御の構成において、制御装置100は、マグネットローター31が回転するようにA相電圧およびB相電圧を制御しているときのA相電圧デューティ比とB相電圧デューティ比とを比較してもよい。
【0093】
また、電圧制御の構成において、以下の構成を採用してもよい。複数のパルスPが順番を有し、複数のパルスPのそれぞれに対してA相電圧目標値およびB相電圧目標値が設定される。複数のパルスPのそれぞれに対して設定されたA相電圧目標値と等しいA相電圧をA相コイル61cに複数のパルスPの順番で供給しかつ複数のパルスPのそれぞれに対して設定されたB相電圧目標値と等しいB相電圧をB相コイル62cに複数のパルスPの順番で供給するとマグネットローター31が回転する。そして、制御装置100が、複数のパルスPのうちの一のパルスPに対して設定されたA相電圧目標値と等しくなるように制御されたA相電圧に係るA相電圧デューティ比と、複数のパルスPのうちの他のパルスPに対して設定された、前記一のパルスPに対して設定されたA相電圧目標値と同じ大きさのB相電圧目標値と等しくなるように制御されたB相電圧に係るB相電圧デューティ比と、を比較する。
【0094】
なお、A相電圧がA相電圧目標値と等しいとは、A相電圧の電圧の大きさおよび電圧の向きがA相電圧目標値の電圧の大きさおよび電圧の向きと同じであることを示す。B相電圧がB相電圧目標値と等しいとは、B相電圧の電圧の大きさおよび電圧の向きがB相電圧目標値の電圧の大きさおよび電圧の向きと同じであることを示す。
【0095】
電動弁5を電圧制御する制御装置100においても、上述した制御装置100と同一(実質的に同一を含む)の作用効果を奏する。
【0096】
本実施例において、制御装置100が電動弁5を制御するものであったが、エアコン制御装置410が直接的に電動弁5を制御してもよい。この場合、エアコン制御装置410が、電動弁制御装置である。
【0097】
本明細書において、「円筒」や「円柱」等の部材の形状を示す各用語は、実質的にその用語の形状を有する部材にも用いられている。例えば、「円筒形状の部材」は、円筒形状の部材と実質的に円筒形状の部材とを含む。
【0098】
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…電動弁装置、5…電動弁、10…弁本体、11…本体部材、11a…取付孔、11b…上面、12…支持部材、12a…嵌合孔、13…接続部材、14…弁室、15…流路、16…流路、17…弁口、18…弁座、20…キャン、30…駆動機構、31…マグネットローター、32…弁軸ホルダー、32c…雌ねじ、32s…可動ストッパ、33…ガイドブッシュ、33a…第1円筒部、33b…第2円筒部、33c…雄ねじ、33e…貫通孔、33s…固定ストッパ、34…弁軸、34a…第1部分、34b…第2部分、34d…段部、35…支持リング、36…プッシュナット、37…閉弁ばね、38…ストッパ機構、40…弁体、45…永久磁石、46…ガイド部材、47…支持ばね、48…摺動部材、50…ステーターユニット、60…ステーター、61…A相ステーター、61a…極歯、61b…極歯、61c…A相コイル、62…B相ステーター、62a…極歯、62b…極歯、62c…B相コイル、65…端子、66…ステッピングモーター、70…ハウジング、83…コネクタ、100…電動弁制御装置、110…制御基板、111…電線、115…磁気センサー、120…マイクロコンピューター、121…CPU、122…不揮発性メモリ、123…モータードライバ、123A…Hブリッジ回路、123B…Hブリッジ回路、124…作業用メモリ、125…通信モジュール、126…温度センサー、127A…電流検出抵抗、127B…電流検出抵抗、128A…アナログ-デジタル変換器、128B…アナログ-デジタル変換器、400…エアコンシステム、401…圧縮機、402…凝縮器、403…蒸発器、405…配管、410…エアコン制御装置、420…通信バス、Ia…A相電流、Ib…B相電流、Ita…A相電流目標値、Itb…B相電流目標値、Da…A相デューティ比、Db…B相デューティ比、L…軸線、Rc…閉弁位置、Rx…基準位置、Rz…全開位置

図1
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図9