(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】二次電池およびそれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20241216BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20241216BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20241216BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/105
H01M50/178
H01M50/553
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/548 301
H01M50/184 C
H01M10/04 Z
(21)【出願番号】P 2023523636
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2021017337
(87)【国際公開番号】W WO2022119220
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0165723
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨンキョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンシク・チェ
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-085962(JP,A)
【文献】特開2000-215877(JP,A)
【文献】特開2001-266842(JP,A)
【文献】国際公開第2016/157685(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-198
H01M 50/50-598
H01M 10/04-39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極タブが形成された電極シートおよび前記電極シートの間に位置した分離膜を含む電極組立体、
前記電極組立体が収納される電池ケース、および
前記電極タブと連結されて前記電池ケースの外側に突出する電極リードを含み、
前記電極リードは、前記電極リードの突出方向と平行な方向に伸縮性を有する柔軟部(Flexible part)を含み、
前記柔軟部は前記電池ケースの内部に位置
し、
前記電極リードは、前記柔軟部および前記電極タブと連結された第1部分、
前記柔軟部と連結されて前記電池ケースの外側に突出した第2部分、および
前記第1部分と前記第2部分それぞれと連結された固定部であって、前記電極組立体の膨張によって切断されることによって、前記柔軟部が延びることを妨げない前記固定部を含む、二次電池。
【請求項2】
前記柔軟部は屈曲した形状を有する、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記柔軟部は前記電極リードの前記突出方向と平行な方向に伸びることができる、請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記柔軟部は金(Au)および銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む、請求項1~3の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記電池ケースは、上部ケースおよび下部ケースを含み、
前記上部ケースのシーリング部と前記下部ケースのシーリング部が互いに熱融着し、
前記柔軟部は、前記電極リードのうち前記シーリング部が位置した部分と前記電極組立体の間に位置する、請求項1~4の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記柔軟部は、第1柔軟部および第2柔軟部を含み、
前記固定部は前記第1柔軟部および前記第2柔軟部の間に位置する、請求項
1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記固定部はガラス素材、セラミック素材、炭素(graphite)および低い柔軟性を有する合金素材のうち少なくとも一つを含む、請求項
1または
6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記固定部は一直線形状を有する、請求項
1~7の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記電極組立体は、前記電極シートが積層されたスタック型電極組立体であり、
前記電極シートが厚さ方向に膨張するときに、前記柔軟部が前記厚さ方向と垂直な方向に伸びる、請求項1~
8の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
請求項1~
9の何れか一項による二次電池を含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
【0002】
本出願は2020年12月1日付韓国特許出願第10-2020-0165723号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0003】
本発明は二次電池およびそれを含むデバイスに関し、より具体的には電極タブの断線を予防する二次電池およびそれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
最近、化石燃料の枯渇によるエネルギ源の価格上昇、環境汚染への関心が高まるにつれ、環境に優しい代替エネルギ源に対する要求が未来生活のための必要不可欠な要因となっている。そのため、原子力、太陽光、風力、潮力など多様な電力生産技術に対する研究が続いており、このように生産されたエネルギをより効率よく使用するための電力貯蔵装置についても多大な関心が寄せられている。
【0005】
特に、モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギ源としての電池の需要が急激に増加しており、それに伴い多様な要求に応えることのできる電池に対する多くの研究が行われている。
【0006】
代表的に高いエネルギ密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0007】
二次電池は正極、負極、および正極と負極の間に介在する分離膜が積層された構造の電極組立体がいかなる構造で形成されているのかによって分類されこともある。代表的には、長いシート状の正極と負極を分離膜が介在した状態で巻き取った構造のジェリーロール型電極組立体、所定大きさの単位で切り取った多数の正極と負極を分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型電極組立体などが挙げられる。最近では前記ジェリーロール型電極組立体およびスタック型電極組立体が有する問題を解決するために、前記ジェリーロール型とスタック型の混合形態として、所定単位の正極と負極を分離膜を介在した状態で積層した単位セルを分離フィルム上に位置させた状態で順次巻き取った構造のスタック/折り畳み型電極組立体が開発された。
【0008】
また、二次電池はケースの形状によって、電極組立体が円筒型のケースに内蔵された円筒型二次電池、電極組立体が角型のケースに内蔵された角型二次電池および電極組立体がラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0009】
図1は従来のパウチ型二次電池に係る斜視図であり、
図2は
図1の切断線A-A’を沿って切断した断面図である。
【0010】
図1および
図2を参照すると、従来のパウチ型二次電池10は、パウチ型電池ケース30の内部に電極組立体20を収納した後密封して製造されることができる。電極組立体20は電極および前記電極の間に配置される分離膜を含む。前記電極は電極タブ21tを含み、電極タブ21tが電極リード40と溶接などの方法で接合される。電極リード40がパウチ型電池ケース30の外部に露出することにより電極組立体20の電気的連結がなされる。
【0011】
この時、電極組立体20は、所定大きさの単位で切り取った多数の電極を分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型電極組立体であり得る。各電極から延びたそれぞれの電極タブ21tがすべて電極リード40に接合され得る。
【0012】
電極組立体20は充放電が繰り返されることにより収縮と膨張を繰り返す。
図2に示すように、電極組立体20はその厚さ方向(z軸と平行な方向)に膨張が起きる。従来の二次電池10に含まれた電極リード40は柔軟でなく、また、密封された電池ケース30の間に介在しているので電極タブ21tが接合された状態でその位置が固定されるしかない。この時、電極組立体20がその厚さ方向(z軸と平行な方向)に膨張すると、電極リード40は固定されているので電極タブ21tに張力が大きく発生する。特に、スタック型電極組立体において、最も外側に位置する電極タブ21tは電極組立体20の膨張時に張力が最も大きく作用するのではなはだしい場合断線にまで繋がる恐れがある。
【0013】
そのため、電極組立体の膨張発生時に、電極タブの断線を防止できる技術開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、電極組立体の膨張が起きても、電極タブに印加される張力を減らし、最も外側に位置する電極タブの断線を防止できる二次電池およびそれを含むデバイスを提供することにある。
【0015】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施形態による二次電池は、電極タブが形成された電極シートおよび前記電極シートの間に位置した分離膜を含む電極組立体、前記電極組立体が収納される電池ケース、および前記電極タブと連結されて前記電池ケースの外側に突出する電極リードを含む。前記電極リードは、前記電極リードの突出方向と平行な方向に伸縮性を有する柔軟部(Flexible part)を含み、前記柔軟部は前記電池ケースの内部に位置する。
【0017】
前記柔軟部は屈曲した形状を有し得る。
【0018】
前記柔軟部は前記電極リードの突出方向と平行な方向に伸び得る。
【0019】
前記柔軟部は金(Au)および銀(Ag)のうち少なくとも一つを含み得る。
【0020】
前記電池ケースは、上部ケースおよび下部ケースを含むことができ、前記上部ケースのシーリング部と前記下部ケースのシーリング部が互いに熱融着することができ、前記柔軟部は、前記電極リードのうち前記シーリング部が位置した部分と前記電極組立体の間に位置し得る。
【0021】
前記電極リードは、前記柔軟部および前記電極タブと連結された第1部分、前記柔軟部と連結されて前記電池ケースの外側に突出した第2部分、および前記第1部分と前記第2部分それぞれと連結された固定部を含み得る。
【0022】
前記柔軟部は、第1柔軟部および第2柔軟部を含むことができ、前記固定部は前記第1柔軟部および前記第2柔軟部の間に位置し得る。
【0023】
前記固定部はガラス素材、セラミック素材、炭素(graphite)および低い柔軟性を有する合金素材のうち少なくとも一つを含み得る。
【0024】
前記固定部は一直線形状を有し得る。
【0025】
前記電極組立体は、前記電極シートが積層されたスタック型電極組立体であることができ、前記電極シートが厚さ方向に膨張するときに、前記柔軟部が前記厚さ方向と垂直な方向に伸び得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、電極リードに柔軟な部分を形成することによって、電極組立体の膨張が起きても電極タブに印加される張力を減らすことができる。そのため、最も外側に位置する電極タブの断線を予防することができる。
【0027】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来のパウチ型二次電池に係る斜視図である。
【
図2】
図1の切断線A-A’を沿って切断した断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による二次電池の分解斜視図である。
【
図4】
図3の二次電池が組み立てられた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4の切断線B-B’を沿って切断した断面図である。
【
図6】
図5の二次電池に含まれた電極リードをxy平面上で-z軸方向から見た平面図である。
【
図7】
図5の二次電池に含まれた電極組立体および電極リードに対して、電極組立体が膨張した様子を示す断面図である。
【
図8】本発明の変形された一実施形態による電極組立体および電極リードを示す断面図である。
【
図9】
図8の電極組立体および電極リードをxy平面上で-z軸方向から見た平面図である。
【
図10】本発明の変形された他の一実施形態による電極リードを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0031】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面で、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0032】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0034】
図3は本発明の一実施形態による二次電池の分解斜視図である。
図4は
図3の二次電池が組み立てられた状態を示す斜視図である。
図5は
図4の切断線B-B’を沿って切断した断面図である。
【0035】
図3ないし
図5を参照すると、本発明の一実施形態による二次電池100は、電極組立体200、電極組立体200が収納される電池ケース300および電池ケース300の外側に突出する電極リード400,500を含む。
【0036】
電極組立体200は電極タブ210tが形成された電極シート210,220および電極シート210,220の間に位置した分離膜230を含む。特に、本実施形態例による電極組立体200は、スタック型電極組立体、ジェリーロール型電極組立体またはスタック/折り畳み型電極組立体であり得るが、スタック型電極組立体であることが好ましい。具体的には、スタック型電極組立体は多数の電極シート210,220が分離膜230を間に置いて積層された構造であり得る。
【0037】
各電極シート210,220は電極集電体上に電極活物質が塗布されて形成されることができ、前記電極集電体の一部が突出して電極タブ210tが設けられる。電極シート210,220は正極シートと負極シートに区分でき、正極シートと負極シートの間に分離膜230が介在し得る。一例として、電極シート210は正極シートであることができ、それから突出した電極タブ210tは正極タブであり得る。他の電極シート220は負極シートであることができ、それから突出した電極タブ(図示せず)は負極タブであり得る。
【0038】
また、本実施形態による電極タブは電極リードと連結されることができる。一例として、いずれか一つの極性の電極タブ210tがいずれか一つの電極リード400に接合されることができ、他の極性の電極タブ(図示せず)が他の電極リード500に接合されることができる。このような電極リード400,500は電池ケース300の両端部から突出し得る。
図3および
図4には2個の電極リード400,500が互いに対向する方向に突出することが示されているが、突出する方向は特に制限されない。すなわち、二次電池100の一側から互いに同じ方向に2個の電極リード400,500が突出する構造も可能である。2個の電極リード400,500の一つは正極リードであることができ、他の一つは負極リードであり得る。
【0039】
一方、本実施形態による電池ケース300はパウチ型ケースであり得る。このような電池ケース300は、互いに熱融着される上部ケース310および下部ケース320を含むことができる。具体的に図示していないが、上部ケース310と下部ケース320を含む電池ケース300は樹脂層と金属層を含むラミネートシートであり得る。具体的には、上部ケース310と下部ケース320それぞれは密封のための内側樹脂層、物質の貫通を防止する金属層および最も外側の外側樹脂層を含むことができる。
【0040】
前記外側樹脂層は外部からパウチ型二次電池100を保護するために厚さに比べて優れた引張強度と耐候性を有し、電気的絶縁性を有することができる。このような外側樹脂層はポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephthalate,PET)樹脂またはナイロン(nylon)樹脂を含むことができる。前記金属層は空気、湿気などがパウチ型二次電池100の内部に流入することを防止することができる。このような金属層はアルミニウム(Al)を含むことができる。前記内側樹脂層は電極組立体200を内蔵した状態で印加された熱と圧力によって互いに熱融着され得る。このような内側樹脂層は無延伸ポリプロピレン(Casted PolyPropylene,CPP)またはポリプロピレン(PolyPropylene,PP)を含むことができる。
【0041】
上部ケース310と下部ケース320それぞれに電極組立体200が安着できる窪んだ形状の収納部310R,320Rが形成され、電極組立体200がこのような収納部310R,320Rに収納される。収納部310R,320Rを形成する方法は特に制限されず、加圧するパンチを用いた深絞り方式を適用することができる。
【0042】
上部ケース310と下部ケース320それぞれの収納部310R,320Rの外側周囲に沿ってシーリング部310S,320Sが設けられる。上部ケース310のシーリング部310Sと下部ケース320のシーリング部320Sが互いに熱融着され、電池ケース300が密封される。より具体的には、上部ケース310のシーリング部310Sの内側樹脂層と下部ケース320のシーリング部320Sの内側樹脂層が互いに対面した状態で熱融着され得る。一方、
図3には収納部が形成されて互いに分離された上部ケース310と下部ケース320を図示したが、上部ケースの一辺と下部ケースの一辺が一体に形成されたラミネートシートであることができ、また、上部ケースと下部ケースのうちいずれか一つにのみ収納部が形成され、他の一つは収納部が形成されない板状構造であり得る。
【0043】
以下では、
図5および
図6などを参照して、本発明の実施形態により電極リードに形成された柔軟部について詳しく説明する。重複する説明を避けるために2個の電極リード400,500のいずれか一つの電極リード400を基準として説明するが、他の電極リード500にも本実施形態による柔軟部の構造が形成できるのはもちろんである。
【0044】
図6は
図5の二次電池に含まれた電極リードをxy平面上で-z軸方向から見た平面図である。
【0045】
図3、
図5および
図6を参照すると、本実施形態例による電極リード400は、電極リード400の突出方向(y軸と平行な方向)と平行な方向に伸縮性を有する柔軟部(400f、Flexible part)を含み、柔軟部400fは電池ケース300の内部に位置する。
【0046】
具体的には、本実施形態例による柔軟部400fは屈曲した形状を有しており、電極リード400の突出方向(y軸と平行な方向)と平行な方向に伸び得る。換言すれば、本実施形態例による柔軟部400fは電極リード400の突出方向(y軸と平行な方向)と平行な方向に圧縮された形態であり得る。
【0047】
このような柔軟部400fは軟性、展性、弾性、靱性に優れた物質が好ましく、一例として、金(Au)および銀(Ag)のうち少なくとも一つを含むことができる。このような柔軟部400fは電極リード400の中間に形成され得るが、具体的には、
図5および
図6に示すように、柔軟部400fを構成する金属素材の両端部に電極リード400を構成する板状の既存の金属素材を溶接などの方法で接合することができる。すなわち、例えば銀(Ag)を含む金属部材の両端部にアルミニウム(Al)や銅(Cu)を含む金属部材を溶接することによって、柔軟部400fを含む電極リード400を製造することができる。
【0048】
図7は
図5の二次電池に含まれた電極組立体および電極リードに対して、電極組立体が膨張した様子を示す断面図である。
【0049】
従来の電極組立体(20,
図2を参照)は電極リード40が柔軟でなく、その位置が固定されているので電極組立体20の膨張により電極タブ21tに張力が大きく発生し、最も外側に位置する電極タブ21tは断線の危険性がある。反面、
図7を
図5および
図6と共に参照すると、本実施形態による電極リード400の柔軟部400fは伸縮性を有するので電極組立体200が厚さ方向(z軸と平行な方向)に膨張時、前記厚さ方向と垂直な方向に伸びることができる。すなわち、電極組立体200の膨張により、本実施形態例による柔軟部400fは電極リード400の突出方向(y軸と平行な方向)と平行な方向、中でも電極組立体200が位置する方向(-y軸方向)に伸びることができる。
【0050】
柔軟部400fの伸びにより電極タブ210tに過度な張力が発生することを防止することができ、最も外側に位置する電極タブ210tの断線を予防することができる。
【0051】
この時、上述したように、電極リード400に含まれた柔軟部400fは電池ケース300の内部に位置する。具体的には、
図5を再び参照すると、上部ケース310のシーリング部310Sと下部ケース320のシーリング部320Sが互いに熱融着するが、柔軟部400fは、電極リード400のうちシーリング部310S,320Sが位置する部分と電極組立体200の間に位置する。柔軟部400fが電極リード400のうちシーリング部310S,320Sが位置する部分の外側である外側部分に形成される場合、シーリング部310S,320Sにより固定された部分の外側部分であるから、電極組立体200の膨張時に電極タブ210tに印加される張力を減らすことはできない。したがって、本実施形態による柔軟部400fsは電池ケース300の内部に形成されることが好ましい。
【0052】
以下では、
図8および
図9を参照して、本発明の変形された一実施形態による固定部について詳しく説明する。
【0053】
図8は本発明の変形された一実施形態による電極組立体および電極リードを示す断面図である。
図9は
図8の電極組立体および電極リードをxy平面上で-z軸方向から見た平面図である。特に、
図8は
図5や
図7の切断面のように、yz平面を沿って切断した断面に該当する。
【0054】
図8および
図9を参照すると、本発明の変形された一実施形態例による電極リード400’に柔軟部400f’が形成されることについては上述した内容と同様であるが、固定部430がさらに形成されることができる。
【0055】
具体的には、本実施形態による電極リード400’は、柔軟部400f’および電極タブ210tと連結された第1部分410、柔軟部400f’と連結されて電池ケースの外側に突出した第2部分420および第1部分410と第2部分420それぞれと連結された固定部430を含むことができる。
【0056】
より具体的には、本実施形態による柔軟部400f’は第1柔軟部400f1および第2柔軟部400f2を含むことができる。第1柔軟部400f1および第2柔軟部400f2それぞれの一端部に第1部分410が接合されることができ、第1柔軟部400f1および第2柔軟部400f2それぞれの他端部に第2部分420が接合されることができる。接合方法は上述したように、溶接接合が用いられる。
【0057】
この時、固定部430は第1柔軟部400f1および第2柔軟部400f2の間に位置した状態で第1部分410と第2部分420それぞれと連結される。この時、固定部430も、第1部分410と第2部分420それぞれと溶接などの方法で連結される。
【0058】
容易に切れたり壊れたりする素材であれば特に制限なく固定部430に適用することができる。一例として、固定部430はガラス素材、セラミック素材、炭素(graphite)および低い柔軟性を有する合金素材のうち少なくとも一つを含むことができる。また、折れ曲がった形状を有する柔軟部400f’とは異なり固定部430は一直線形状を有することができる。
【0059】
柔軟部400f’が軟性、展性、弾性、靱性に優れた物質を含むので、電極リード400’に電極タブ210tを溶接する過程で柔軟部400f’の固定が行われず、溶接が円滑に行われない。そこで、本実施形態では、一直線形状の固定部430を設けて、柔軟部400f’の圧縮された形態を固定しようとした。また、固定部430が第1部分410と第2部分420の間の間隔を一定に維持できるので電極組立体200が膨張する前に柔軟部400f’が伸びることを防止することができる。その代わりに、本実施形態による固定部430は多少強度が弱い金属素材を含むので電極組立体200の膨張により切れることで柔軟部400f’の伸びることを妨げない。
【0060】
一方、
図10は本発明の変形された他の一実施形態による電極リードを示す平面図であり、具体的には変形された固定部430の位置を示す。本実施形態による電極リード400”は第1部分410、第2部分420および固定部430を含むことができる。本実施形態例による固定部430は、第1部分410と第2部分420を連結するものであれば、その位置と個数は特に制限されない。一例として、
図10を参照すると、第1部分410と第2部分420と連結される一つの柔軟部400f”が形成され、2個の固定部430が一つの柔軟部400f”を間に置いて第1部分410と第2部分420それぞれと連結される。すなわち、×軸方向での柔軟部400f”の両側に2個の固定部430が配置される。
図10に示す固定部430も、柔軟部400f”の圧縮された形態を固定することができ、電極組立体が膨張する前に第1部分410と第2部分420の間の間隔を一定に維持させることができる。
【0061】
一方、
図3および
図5を再び参照すると、電極リード400,500それぞれにリードフィルム600が位置する。リードフィルム600が電極リード400,500をそれぞれ包む形状で上部ケース310と下部ケース320の間に位置する。
【0062】
このようなリードフィルム600は電極リード400,500および電池ケース300の金属層間で短絡が発生することを防止するだけでなく、パウチ型電池ケース300の密封性を向上させることができる。金属材料の電極リード400,500はパウチ型電池ケース300の内側樹脂層に熱融着する時接触抵抗が多少大きく表面密着力が低下し得る。しかし、本実施形態のように、リードフィルム600が備えられると、このような密着力低下現象を防止することができる。また、リードフィルム600は絶縁性材料を含み、電極リード400,500でパウチ型電池ケース300に電流が印加されることを遮断することができる。
【0063】
リードフィルム600は絶縁性および熱融着性を有するフィルムからなる。リードフィルム600は例えばポリイミド(Polyimide,PI)、ポリプロピレン(PolyPropylene,PP)、ポリエチレン(Polyethylene,PE)およびポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)の少なくとも一つを含むことができる。
【0064】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0065】
前述した本実施形態による二次電池が複数集まって電池モジュールを形成することができる。このような電池モジュールは、バッテリーマネジメントシステム(Battery Management System,BMS)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0066】
前記二次電池、前記電池モジュールまたは前記電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスへの適用が可能である。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0068】
10 二次電池
20 電極組立体
21t 電極タブ
30 電池ケース
40 電極リード
100 二次電池
200 電極組立体
210,220 電極シート
210t 電極タブ
230 分離膜
300 電池ケース
310 上部ケース
310R,320R 収納部
310S,320S シーリング部
320 下部ケース
400,500,400’ 電極リード
400f,400f’ 柔軟部
410 第1部分
420 第2部分
430 固定部
600 リードフィルム