(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】BOX、接続用部材、取付用ナット、および接続方法
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241216BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H05K5/02 V
H05K5/02 L
F16B5/02 U
(21)【出願番号】P 2020129171
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山野 雅丈
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-320177(JP,A)
【文献】実開昭59-152777(JP,U)
【文献】特開2015-018615(JP,A)
【文献】特開2018-155668(JP,A)
【文献】実開昭56-063230(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0079894(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111130338(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
F16B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、前記開口の周囲に設けられた凹部である第1嵌合部を有する筐体と、
前記第1嵌合部に嵌合する凸部である第2嵌合部及び前記開口に挿入される挿入部を有し、前記筐体を他の筐体に接続するための接続用部材と、
を備え、
前記接続用部材の前記挿入部は、前記筐体の内部で前記筐体に固定される、
BOX
であって、
前記挿入部は、前記筐体の前記開口に挿入される第1挿入部と、前記他の筐体の開口に挿入される第2挿入部と、を含む
BOX。
【請求項2】
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との間に配置される防水パッキンを備えた、
請求項1に記載のBOX。
【請求項3】
前記挿入部を前記筐体の内部で固定するための取付用部材を備えた、
請求項1または請求項2に記載のBOX。
【請求項4】
前記取付用部材は、回転することにより前記挿入部に着脱される取付用ナットである、
請求項3に記載のBOX。
【請求項5】
前記筐体の少なくとも1つの面は、着脱可能な蓋になっていて、
前記取付用ナットは、前記挿入部に固定された場合に、前記蓋に当接する当接部を有する、
請求項4に記載のBOX。
【請求項6】
複数の筐体を接続する接続用部材であって、
前記複数の筐体のうち
第1筐体に設けられた開口に挿入される
第1挿入部と、
前記複数の筐体のうち第2筐体に設けられた開口に挿入される第2挿入部と、
前記開口の周囲に設けられた凹部である第1嵌合部に嵌合する、凸部である第2嵌合部と、
を備え、
前記
第1挿入部は、前記
第1筐体の内部で該筐体に固定され
、
前記第2挿入部は、前記第2筐体の内部で該筐体に固定される、
接続用部材。
【請求項7】
複数の筐体を接続する接続方法であって、
前記複数の筐体のうち
第1筐体に設けられた
第1開口に対して、接続用部材
の第1挿入部を挿入するステップと、
前記
第1開口の周囲に設けられた凹部である第1嵌合部と、前記接続用部材に設けられた凸部である第2嵌合部と、を嵌合させるステップと、
前記
第1挿入部を、前記
第1筐体の内部で固定するステップと、
前記複数の筐体のうち第2筐体に設けられた第2開口に対して、前記接続用部材の第2挿入部を挿入するステップと、
前記
第2開口の周囲に設けられた凹部である第1嵌合部と、前記接続用部材に設けられた凸部である第2嵌合部と、を嵌合させるステップと、
前記
第2挿入部を、前記
第2筐体の内部で固定するステップと、
を備えた接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品等を内蔵するBOX、当該BOX同士を接続するための接続用部材、取付用ナット、および接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非特許文献1に示す様に、電気部品を防水用のBOXに内蔵する構成が知られている。複数の電気部品を複数のBOXのそれぞれに内蔵し、各BOXを接続する場合、非特許文献1の構成では、コンジット等で配線を施している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】プラボックス・防水・防塵 樹脂ボックス・屋外用筐体、[online]、[令和2年7月15日検索]、インターネット〈URL:https://www.takachi-el.co.jp/main_cat/waterproof_plastic_boxes〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の構成では、複数のBOXがコンジットを介した配線により接続されるため、組み立て効率が悪い。また、BOX外部での配線スペースも必要になる。
【0005】
そこで本発明の目的は、組み立て効率を改善し、BOX外部での配線スペースを削減したBOX、接続用部材、取付用ナット、および接続方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るBOXは、開口を有し、前記開口の周囲に第1嵌合部を有する筐体と、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部と、前記開口に挿入される挿入部を有し、前記筐体を他の筐体に接続するための接続用部材と、を備え、前記接続用部材の前記挿入部は、前記筐体の内部で前記筐体に固定される。
【0007】
この様に、本発明のBOXは、筐体の第1嵌合部(例えば凹部)に、接続用部材の第2嵌合部(例えば凸部)が嵌合する。これにより、接続用部材を容易に位置決めすることができ、組み立て効率が向上する。また、接続用部材の挿入部は、筐体の開口に挿入され、筐体の内部で固定される。したがって、本発明のBOXは、コンジットを介した配線を用いることなく、複数のBOXを接続することができ、BOX外部での配線スペースを不要とする。
【0008】
なお、BOXは、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との間に配置される防水パッキンを備えていてもよい。これにより、BOXに防水性を持たせることができる。
【0009】
なお、挿入部は、筐体内の溝等に引っ掛けられることで固定されてもよい。あるいは、BOXは、前記挿入部を前記筐体の内部で固定するための取付用部材を備えていてもよい。
【0010】
取付用部材は、くさび形状であってもよいが、回転することにより前記挿入部に着脱される取付用ナットであってもよい。
【0011】
取付用ナットを用いる場合、前記筐体の少なくとも1つの面は、着脱可能な蓋になっていて、前記取付用ナットは、前記挿入部に固定された場合に、前記蓋に当接する当接部を有することが好ましい。これにより、蓋を閉じると、取付用ナットの緩みを防止することができる。
【0012】
また、接続用部材は、他の筐体と一体になっていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のBOXを接続する際の組み立て効率を改善し、BOX外部での配線スペースを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2(A)は、接続部15を正面視した図であり、
図2(B)は接続用部材40を正面視した図である。
【
図3】
図3(A)および
図3(B)は、接続用部材40を取付済のBOX1に対して、新たに他のBOX1を取り付ける接続方法を示す斜視図である。
【
図4】
図4(A)および
図4(B)は、接続用部材40を取付済のBOX1に対して、新たに他のBOX1を取り付ける接続方法を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、取付用ナット20の正面図であり、
図5(B)は接続用部材40の正面図である。
【
図6】
図6(A)は、取付用ナット20の斜視図であり、
図6(B)は接続用部材40の斜視図であり、
図6(C)は、接続用部材40および取付用ナット20の一部拡大図である。
【
図7】蓋13を取り付けた場合のBOX1の断面図である。
【
図8】非常停止ボタン50を備えたBOX1Aと、コンジット70を備えたBOX1Bと、を接続した場合の斜視図である。
【
図9】BOX1AおよびBOX1Bにさらに安全スイッチ80を取り付ける場合の概略図である。
【
図10】
図10(A)は、非常停止ボタン50の取り付けられたBOX1Aに、通信ユニット7および操作パネル8を取り付けた例を示す斜視図であり、
図10(B)は、さらに安全スイッチ80およびスライドハンドル形アクチュエータ95を取り付けた例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、2つのBOX1を並べた分解斜視図である。なお、
図1においては、2つのBOX1は、それぞれ上下反転して図示している。
【0016】
BOX1は、筐体11、蓋用防水パッキン12、および蓋13を備えている。複数のBOX1は、取付用ナット20、取付用防水パッキン30、および接続用部材40を介して接続される。
【0017】
筐体11は、直方体形状であり、長方形状の面と、正方形状の面と、を有する。この例では、長方形状の面の1つが開口している。開口は、蓋用防水パッキン12を介して平板状の蓋13をネジ止めすることで塞がれる。ただし、筐体11の形状はこの例に限らない。筐体11は、例えば立方体形状であってもよい。
【0018】
筐体11は、内部に空洞を有し、電気部品等を内蔵する。筐体11の各面には、接続部15が形成されている。3つの長方形状の面は、それぞれ2つの接続部15が形成され、2つの正方形状の面は、それぞれ1つの接続部15が形成されている。
【0019】
図2(A)は、接続部15を正面視した図である。接続部15は、凹部151と、開口152と、を有する。凹部151は、本発明の第1嵌合部に相当する。凹部151は、筐体11の側面から筐体11の内部方向に向かって凹んだ部分である。開口152は、この例では円形状の開口である。凹部151は、開口152の周囲に設けられている。凹部151は、開口152と同様に正面から見て円形状の凹みからなる。円形状の凹みのうち一部(この例では4箇所)は、径方向に沿って延長された角部分を有する。この例では、4つの角部分は、90°ずつ等間隔に配列されている。
【0020】
なお、この例では、接続部15のうち1箇所だけ開口152が設けられ、他の接続部15の開口は塞がれている。しかし、接続部15のうち開口の位置の筐体の厚みは、非常に薄くなっている。したがって、接続部15に押圧を加えると、開口の位置の筐体が打ち抜かれて、開口152になる。これにより、利用者は、他のBOX1と接続したい箇所だけに、開口152を形成することができる。
【0021】
図2(B)は、接続用部材40を正面視した図である。接続用部材40は、正面から見て、凹部151と同じ形状を有する凸部401を有する。凸部401は、本発明の第2嵌合部に対応する。接続用部材40は、正面から見て円形状の部分と、径方向に沿って延長された角部分と、を有する。接続用部材40も、4つの角部分は、90°ずつ等間隔に配列されている。接続用部材40は、凸部401を凹部151に嵌合させることにより、容易に位置決めすることができる。また、角部分は、90°ずつ等間隔に配列されているため、接続用部材40は、90°ずつ任意の角度に回転させて凹部151に嵌合させることができる。
【0022】
なお、この例では筐体11に凹部151を設けて、接続用部材40に凸部401を設けている。しかし、筐体11に凸部を設け、接続用部材40に凹部を設けてもよい。ただし、筐体11に凹部151を設けることで、筐体11に突起がなくなるため、安全上好ましい。
【0023】
接続用部材40は、円筒形状の挿入部402を有する。挿入部402は、開口152に挿入される。挿入部402は、ボルト状になっていて、取付用ナット20を取り付けて回転させることで固定することができる。
【0024】
図2(C)は、2つのBOX1の一部断面図である。
図2(C)に示す様に、接続用部材40のうち凸部401は、凹部151に嵌め込まれ、挿入部402は、開口152に挿入される。挿入部402には、取付用防水パッキン30が取り付けられる。取付用防水パッキン30は、接続用部材40と筐体11で挟まれる。取付用防水パッキン30は、接続用部材40と筐体11で挟まれることで、防水性を確保しつつ複数のBOXを接続することができる。挿入部402の先端は、筐体11の内部に達する。挿入部402の先端はボルト状になっていて、筐体11の内部で取付用ナット20に固定される。
【0025】
図3(A)、
図3(B)、
図4(A)、および
図4(B)を参照して、2つのBOX1の接続方法を説明する。
図3(A)、
図3(B)、
図4(A)、および
図4(B)は、接続用部材40を取付済のBOX1に対して、他のBOX1を取り付ける接続方法を示す斜視図である。
【0026】
まず、
図3(A)および
図3(B)に示す様に、取付対象の他のBOX1の筐体11内のうち、開口152が設けられた内壁に、取付用ナット20が取り付けられる。
【0027】
図5(A)は、取付用ナット20の正面図であり、
図5(B)は接続用部材40の正面図である。
図6(A)は、取付用ナット20の斜視図であり、
図6(B)は接続用部材40の斜視図である。
図6(C)は、接続用部材40および取付用ナット20の一部拡大図である。
【0028】
取付用ナット20は、円環形状になっていて、円環の内周側面にナットの機能を構成する4つの突起204が形成されている。また、取付用ナット20は、外周の一部に平坦部201および平坦部202が形成されている。平坦部201は、取付用ナット20に固定されているが、平坦部202は、固定されておらず、移動可能になっている。平坦部202に対向する位置には、円環の中心に向かって突出する爪203が形成されている。
【0029】
接続用部材40の挿入部402の側面には、4つの突起404が形成されている。また、挿入部402の側面には、取付用ナット20の爪203と噛み合うための爪403が形成されている。円筒形状の挿入部402の突起404を合わせた外径は、取付用ナット20の円環の内径とほぼ同一か、わずかに小さくなっている。挿入部402の外径は、取付用ナット20の突起204の内径とほぼ同一か、わずかに小さくなっている。
【0030】
挿入部402を筐体11の内部に挿入した後、取付用ナット20を斜め(例えば30°)に傾けると、挿入部402に取付用ナット20の円環を嵌めることができる。あるいは、
図3(B)に示す様に、取付用ナット20を斜め30°に傾けて筐体11の内壁に取り付けてから、
図4(A)に示す様に、取付用ナット20の円環に挿入部402を嵌めることもできる。
【0031】
そして、
図4(B)に示す様に、取付用ナット20を回転させると、突起204および突起404が楔として機能し、接続用部材40を筐体11に固定することができる。
図6(C)に示す様に、突起204および突起404は、それぞれ平面視して傾斜面を有する。突起204が挿入部402の円環に嵌められた後に回転されることで、これらの傾斜面が互いに楔として機能する。したがって、接続用部材40と筐体11とを強固に固定することができる。また、このとき、取付用ナット20の爪203が円環の外径方向に押し上げられた後に接続用部材40の爪403に係合することで、取付用ナット20の緩みを防止することができる。
【0032】
図7は、蓋13を取り付けた場合のBOX1の断面図である。蓋13を取り付けると、取付用ナット20の平坦部201および平坦部202に当接する。すなわち、平坦部201および平坦部202は、本発明の当接部に対応する。これにより、取付用ナット20の緩みを防止することができる。
【0033】
図7に示す様に、平坦部202は、断面形状がL字型になっている。蓋13を取り外し、平坦部202を取付用ナット20の外径方向に引っ張ると、爪203も外径方向に移動する。これにより、爪203と爪403の係合が外れ、取付用ナット20を回転させて接続用部材40から取り外すことができる。
【0034】
以上の構成により、BOX1は、コンジットを介した配線を用いることなく、他のBOX1を接続することができる。また、取付用防水パッキン30が接続用部材40と筐体11で挟まれることで、防水性を確保しつつ複数のBOXを接続することができる。複数のBOXを接続する配線(図示せず)は、接続部15の開口、接続用部材40、および取付用ナット20を通る。これにより、コンジットを介した配線を用いることなく、複数のBOXを接続することができ、BOX外部での配線スペースが不要になる。なお、複数のBOXを接続する配線については、上記のように複数のBOXを接続した後に配線しても良いし、配線を予め開口、接続用部材、あるいは取付用ナット等に通した後で組み立ててもよい。
【0035】
次に、
図8は、非常停止ボタン50を備えたBOX1Aと、コンジット70を備えたBOX1Bと、を接続した場合の斜視図である。BOX1Aは、底面(開口の反対側の面)に非常停止ボタン50が取り付けられている。非常停止ボタン50は、従来工作機械等の装置のパネル等に取り付けられるものであり、BOX1Aの筐体11の内部には、非常停止ボタン50に係る配線(図示せず)が施されている。
【0036】
接続用部材40および取付用ナット20は、円環状になっている。そのため、非常停止ボタン50に掛かる配線は、接続用部材40よび取付用ナット20を通じてBOX1Aの筐体11からBOX1Bの筐体11の内部にかけて施すことができ、当該配線はコンジット70を介して外部に引き出される。開口152は、平面視して円形状であり、一般的なコンジット70を取り付けることもできる。
【0037】
図8の例では、BOX1AとBOX1Bは、180°反転して接続されている。したがって、蓋13の位置が180°反対側になる。上述の様に、接続用部材40は、90°ずつ任意の角度に回転させて凹部151に嵌合させることができる。したがって、複数のBOXは、90°ずつ任意の角度に回転させて接続することができる。これにより、BOXは、パネル等への電気部品の取り付け方を任意の方向に変更することができ、配線の自由度が向上する。例えば
図8の例では、BOX1Aの非常停止ボタン50をパネルに取り付け、BOX1Bの蓋13をパネルの反対側に向けることができる。したがって、利用者は、BOX1Bの蓋13を取り外すことで、内部の配線に簡単にアクセスすることができる。
【0038】
なお、筐体11の形状は任意であるが、本実施形態に示した筐体11は、直方体形状であり、側面に複数の接続部15が同じ間隔で配列されている。したがって、利用者は、任意の位置に任意の角度で複数のBOX1を接続することができ、かつ複数のBOX1を接続した場合でも、デザイン上の統一感が得られる。
【0039】
図9は、BOX1AおよびBOX1Bにさらに安全スイッチ80を取り付ける場合の概略図である。安全スイッチ80は、直方体形状の筐体を有する。安全スイッチ80の側面の1つには、接続用部材40と同じ形状の接続用部材45が形成されている。接続用部材45は、安全スイッチ80の筐体と一体形成されている。無論、接続用部材45も、接続用部材40と同様に、単独の部品であってもよい。接続用部材45は、BOX1Bの接続部15に接続される。安全スイッチ80の配線(図示せず)は、BOX1Bの筐体内部及びコンジット70を介して外部に引き出される。
【0040】
安全スイッチ80は、BOX1AおよびBOX1Bを縦に連結させた形状と同じ大きさの直方体形状である。言い換えると、BOX1AおよびBOX1Bのそれぞれの縦の長さは、安全スイッチ80の縦の長さの半分になっている。これにより、安全スイッチ80、BOX1A、およびBOX1Bを連結させると、1つの直方体形状の部品の様な統一感のある外観を得ることができる。
【0041】
図10(A)は、非常停止ボタン50の取り付けられたBOX1Aに、通信ユニット7および操作パネル8を取り付けた例を示す斜視図である。通信ユニット7は、BOX1Aを2つ横に連結した大きさと同じ筐体を有する。通信ユニット7の側面にも、複数の接続部15が設けられている。BOX1Aの側面は、接続用部材40を介して通信ユニット7の側面に接続される。通信ユニット7の下方側面には、2つのコンジット70が取り付けられている。
【0042】
操作パネル8は、BOX1Aを3つ横に連結した大きさと同じ筐体を有する。操作パネル8の側面にも、複数の接続部15が設けられている。操作パネル8の下方側面は、接続用部材40を介して通信ユニット7の上方側面と接続される。非常停止ボタン50の配線および操作パネル8の配線(ともに図示せず)は、それぞれ通信ユニット7の2つのコンジット70を介して外部に引き出される。
【0043】
図10(A)に示す様に、BOX1Aの横方向の側面に通信ユニット7を取り付けて、さらに通信ユニット7の上方側面に操作パネル8を取り付けることで、1つの直方体形状の部品の様な統一感のある外観を得ることができる。
【0044】
図10(B)は、さらに安全スイッチ80およびスライドハンドル形アクチュエータ95を取り付けた例を示す斜視図である。通信ユニット7の横方向の側面には、安全スイッチ80が取り付けられる。安全スイッチ80は、パネル等のベースに取り付けられる。スライドハンドル形アクチュエータ95は、ドアパネル等に取り付けられる。
【0045】
図10(B)に示す様に、通信ユニット7の側面にさらに安全スイッチ80を取り付けることで、非常停止ボタン50、操作パネル8、および安全スイッチ80からなる複数の電気部品が1つの直方体形状の部品の様な統一感のある外観を得ることができる。
【0046】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0047】
例えば、本実施形態では、取付用ナットを回転させて接続用部材を固定する例を示した。しかし、取付用部材は、回転させる取付用ナットに限らない。例えば、取付用部材は、くさび形状であってもよい。この場合、挿入部402の側面に孔を設け、筐体11の内部で当該孔にくさび形状の取付用部材を挿入する。
【0048】
また、挿入部402が弾性部材を有し、当該弾性部材が筐体11内の溝等に引っ掛けられることで固定されてもよい。この場合、取付用部材は不要である。
【0049】
なお、上記実施形態では、蓋用防水パッキン12および取付用防水パッキン30により、BOXに防水性を持たせる例を示したが、防水性が必要ない場合、これら防水パッキンは不要である。
【0050】
なお、上述の接続用部材40は、単独の部品であるが、筐体11と一体形成されていてもよい。また、接続用部材40は、中央が開口した円環形状の中空の挿入部402を有しているが、複数のBOX1をまたがって配線を施す必要が無ければ挿入部402は中空である必要はない。
【0051】
上述の例では、複数のBOXは、接続用部材を介して接続されているが、さらに他の箇所で接続されていてもよい。例えば、筐体11に凹凸を設け、当該凹凸が嵌合することで、外力が掛かった際に接続用部材に生じる負荷を低減してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1,1A,1B…BOX
7…通信ユニット
8…操作パネル
11…筐体
12…蓋用防水パッキン
13…蓋
15…接続部
20…取付用ナット
30…取付用防水パッキン
40,45…接続用部材
50…非常停止ボタン
70…コンジット
80…安全スイッチ
95…スライドハンドル形アクチュエータ
151…凹部(第1嵌合部)
152…開口
201,202…平坦部(当接部)
203…爪
204…突起
401…凸部(第2嵌合部)
402…挿入部
403…爪
404…突起