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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20241216BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241216BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G02B30/56
G09F9/00 366A
G06F3/14 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021052763
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150245
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】安次嶺 勉成
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/042830(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/199902(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/043673(WO,A1)
【文献】特開2018-160836(JP,A)
【文献】特開2019-101055(JP,A)
【文献】特開2017-146337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0153577(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00 - 30/60
G09F 9/00
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再帰反射部材を利用して空中に映像を表示可能な表示装置であって、
光源と、
予め設定された観察者の観察範囲から観察することができる範囲内に配置された再帰反射部材と、
前記光源からの光を前記再帰反射部材に向けて反射し、かつ前記再帰反射部材で反射された光を透過するビームスプリッターとを有し、
前記観察範囲は、前記再帰反射部材からの決められた距離における2次元的な範囲であり、
前記再帰反射部材は、長手方向および短手方向を有する矩形状の外観を有し、中央部が両端部よりも凹状に湾曲するように長手方向に延在し、前記観察範囲と前記再帰反射部材とを上方から見たとき、前記観察範囲の横方向が再帰反射部材の長手方向に向き合う位置関係にあり、
前記再帰反射部材で正反射された光が前記観察範囲内に入らないように前記光源および前記再帰反射部材が位置決めされ、前記再帰反射部材の正反射による前記光源の虚像を観察することができる方向が前記観察範囲から外れるように、前記再帰反射部材の短手方向の向きが傾斜される、表示装置。
【請求項2】
前記虚像を観察することができる方向は、空中の映像が観察されないことを想定される方向である、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記再帰反射部材の表面には、保護フィルムまたは位相調整フィルムが形成される、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源は、画像を出力する画像出力装置を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1ないしいずれか1つに記載の表示装置と、
前記表示装置によって表示された空中の映像への入力操作を検出する検出手段とを含む、空間入力装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記入力操作の3次元距離を検出するセンサを含む、請求項に記載の空間入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、ディスプレイ等の光源の画像を空中に結像させる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイに表示された画像を、再帰反射部材等を用いて空中に結像させる空中ディスプレイが提案されている。例えば、特許文献1の表示装置は、空中に形成される像をより広い角度から観察可能とするため、2つの再帰反射部材を用い、その一方の再帰反射部材を光源の出射軸上に配置している。特許文献2の画像表示装置は、画像の結像位置の調整を容易にするため、ハーフミラー、再帰反射部材、および画像出力装置をそれぞれ平行に配置し、ハーフミラーまたは画像出力装置の位置を変更し結像位置を調整可能にしている。特許文献3の画像表示装置は、画像の視認性の低下を抑制するため、光が位相差部材(λ/4板)を透過する回数を低減し、かつ再帰反射部材と位相差部材との間に埃などが入り込み難くしている。特許文献4の空中映像表示装置は、装置の薄型化を図るため、ビームスプリッターに対しディスプレイおよび再帰反射部材を平行に配置し、ディスプレイ上に偏向光学素子を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-107165号公報
【文献】特開2018-81138号公報
【文献】特開2019-66833号公報
【文献】特開2019-10155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空中ディスプレイは、特許文献1-4に例示されるように、光源(ディスプレイ)と、再帰反射部材およびビームスプリッター等の光学系とを用いてディスプレイから出力される光を空中に再結像させ、観察者の目の前の空間に映像を浮かび上がらせる技術である。空中ディスプレイを実現する表示装置において、再帰反射部材の表面に形成された保護フィルムやλ/4フィルムからの正反射(鏡面反射)による虚像が空中像に重なって見えるという問題がある。この問題を回避するために、従来の表示装置は、再帰反射部材を湾曲させて、空中像と虚像との倍率を変え、すなわち、虚像を拡大して明るさを暗くする等の対策を講じている。
【0005】
図1は、従来の表示装置の概略断面構造の一例を示し、図2は、空中像を表示するときの動作を説明するフローである。表示装置10は、例えば、矩形状のハウジング20内に、光源(例えば、画像を出力するディスプレイ)30、ビームスプリッター40、湾曲した再帰反射部材50を配置する。ビームスプリッター40は、入射光を所定の割合で反射光と透過光に分割する板状の光学部材であり、ハウジング20の表面に取り付けられる。
【0006】
光源30から出射された光L1は、ビームスプリッター40で反射され、その反射光L2が再帰反射部材50に進む(S10)。再帰反射部材50は、入射した光と同じ方向に光を反射する光学部材であり、例えば、フルキューブコーナー型再帰反射素子、三角錐型再帰反射素子、ビーズ型再帰反射素子などによって構成される。また、再帰反射部材50の表面には、例えば、保護フィルムやλ/4フィルムなどが形成されてもよい。
【0007】
ビームスプリッター40からの反射光L2は、再帰反射部材50で入射方向と同じ方向に反射され、その反射光L3が、再度ビームスプリッター40に進む(S20)。ビームスプリッター40を透過した光L4は、収束後再度拡散し、観察者の視点Uの目の前の空中に映像60が結像される(S30)。この空中像60は、ビームスプリッター40の面に関し光源30と対称の位置に形成される。ユーザーが観察できる空中像60は、ユーザーの視点Uからビームスプリッター40を介して再帰反射部材50を見ることができる範囲に限られる。
【0008】
ビームスプリッター40で反射された光L2が再帰反射部材50の表面の保護フィルム等によって正反射されると、つまり、再帰反射部材50が通常の凹面鏡のように機能して光L2を反射すると、再帰反射部材50の後方に光源30の拡大した虚像70が生成される。虚像70を拡大することで明るさを暗くしているが、ユーザーの視点Uからは、空中像60の背景に虚像70が重ねて見えるため、空中像60のコントラストや視認性が低下してしまう。
【0009】
本発明は、上記した従来の課題を解決し、空中に表示される映像のコントラストや視認性の低下を抑制した表示装置およびこれを用いた空間入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る表示装置は、再帰反射部材を利用して空中に映像を表示可能なものであって、光源と、予め設定された観察者の観察範囲から観察することができる範囲内に配置された再帰反射部材と、前記光源からの光を前記再帰反射部材に向けて反射し、かつ前記再帰反射部材で反射された光を透過するビームスプリッターとを有し、前記再帰反射部材で正反射された光が前記観察範囲内に入らないように前記光源および前記再帰反射部材が位置決めされる。
【0011】
ある実施態様では、前記再帰反射部材の正反射による前記光源の虚像を観察することができる方向は、前記観察範囲から外れた方向である。ある実施態様では、前記虚像を観察することができる方向は、観察されないことを想定される方向である。ある実施態様では、前記観察範囲は、前記再帰反射部材からの決められた距離における2次元的な範囲である。ある実施態様では、前記再帰反射部材は、前記観察範囲に対し、中央部が両端部よりも凹状に湾曲するように延在する。ある実施態様では、前記再帰反射部材の表面には、保護フィルムまたは位相調整フィルムが形成される。ある実施態様では、前記光源は、画像を出力する画像出力装置を含む。
【0012】
本発明に係る空間入力装置は、上記記載の表示装置と、前記表示装置によって表示された空中の映像への入力操作を検出する検出手段とを含む。ある実施態様では、前記検出手段は、前記入力操作の3次元距離を検出するセンサを含む。
【0013】
本発明に係る表示方法は、光源、ビームスプリッターおよび再帰反射部材を含む表示装置のものであって、前記光源からの光を前記ビームスプリッターで反射し、反射した光を前記再帰反射部材に進ませ、前記再帰反射部材に入射した光を入射方向と同じ方向に再帰反射させ、かつ前記再帰反射部材で正反射された光を予め設定された観察者の観察範囲に入らない方向に進ませ、前記ビームスプリッターを透過した光を収束後再度拡散させて空中に映像を表示させる。
【0014】
ある実施態様では、前記再帰反射部材の正反射による前記光源の虚像を観察することができる方向は、前記観察範囲から外れた方向である。ある実施態様では、前記虚像を観察することができる方向は、観察されないことを想定される方向である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、再帰反射部材の正反射で反射された光が観察者の観察範囲に入らないようにしたので、空中に表示される映像の背景に光源の虚像を見ることがなくなり、空中に表示される映像のコントラストや視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の表示装置の概略断面を示す図である。
図2】従来の表示装置の動作を説明するフローである。
図3】本発明の実施例に係る表示装置の概略断面を示す図である。
図4】本実施例の再帰反射部材を示し、図4(A)は、再帰反射部材の平面図、図4(B)は、再帰反射部材の上面図、図4(C)は、アイポイントと再帰反射部材との位置関係を模式的に示す上面図である。
図5】本発明の第2の実施例に係る空間表示装置の概略断面を示す図である。
図6】空間像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明の表示装置は、特殊なメガネ等をかけなくても3次元空間内に再帰反射を用いた映像を表示する。ある態様では、本発明の表示装置は、空中に表示された映像を利用したユーザー入力インターフェースに適用される。
【実施例
【0018】
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。図3は、本発明の実施例に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。本実施例の表示装置100は、光源110と、ビームスプリッター120と、再帰反射部材130とを含んで構成される。これらの部材は、例えば、ハウジングや筐体等に収容される。
【0019】
本実施例の表示装置100は、再帰反射部材を湾曲させることで虚像を拡大して見え難くするのではなく、設定したアイポイント(観察範囲)140から外した位置に、光源(ディスプレイ)110の虚像(反射光)を生成させ、空中像の背景に虚像が全く見えないような光学レイアウトを実現することで、空中像のコントラストや視認性の向上を図ることを特徴とする。
【0020】
アイポイント140は、表示装置100からの決められた距離(例えば、ビームスプリッター120からの決められた距離)において、観察する範囲を規定する2次元的な領域である。例えば、表示装置100が車内空間に配置された場合、アイポイント140は、運転席や助手席などに乗車した人物の目が位置する面上に設定される2次元的な領域であり、このような目が位置する面やその面上の2次元的な領域は、統計的なデータから推定することができる。
【0021】
光源110は、2次元的な表示エリアに画像を出力するディスプレイ、画像を投射するプロジェクタなどの画像出力装置を含む。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等であり、プロジェクタは、例えば、液晶プロジェクタやDLPプロジェクタ等である。光源110は、図示しないコントローラなどによって駆動され、画像を出力する。
【0022】
ビームスプリッター120は、入射光を反射光と透過光に分離する透明な光学部材である。ビームスプリッター120は、例えば、平板状のガラスまたはプラスチック等の基板の表面や裏面に誘電体多層膜や反射防止膜などを形成して構成される。ビームスプリッター120の反射光量と透過光量は、光源110の画像の輝度や生成される空中像150の輝度などに応じて適宜調整されるが、例えば、反射光量と透過光量とが等しいハーフミラーであってもよい。ビームスプリッター120は、光源120の光の出射方向に対して傾斜するように配置される。こうして、ビームスプリッター120は、光源110からの入射光L1の一部を再帰反射部材130に向けて反射する。
【0023】
再帰反射部材130は、入射光と同じ方向に光を出射する光学部材である。再帰反射部材130は、入射方向と同じ方向に光を反射することができれば、その構造や材質は特に限定されない。例えば、再帰反射部材130は、三角錐型再帰反射素子、フルキューブコーナー型再帰反射素子などのプリズム型再帰反射素子やビーズ型再帰反射素子によって構成される。また、再帰反射部材130の表面には、反射素子を保護するための保護フィルムを形成したり、表示装置100の光学系において偏光した光を取り扱う場合には、λ/4フィルムを形成するようにしてもよい。
【0024】
再帰反射部材130の外観形状は、平坦であってもよいし、湾曲されていてもよい。再帰反射部材130を長手方向に湾曲させた例を図4に示す。図4(A)は、再帰反射部材130の正面図、図4(B)は、再帰反射部材130の上面図、図4(C)は、アイポイント140との位置関係を模式的に示す上面図である。ここでの長手方向は、X方向である。
【0025】
再帰反射部材130は、例えば、矩形状の外観を有し、両端部132、134に対して中央部136が凹状になるようにX方向に延在する。図3に示す再帰反射部材130の断面は、図4のY方向の断面(例えば、Y1線断面)を示している。このように、再帰反射部材130をX方向に凹状に湾曲させることで、図4(C)に示すように、アイポイント140から観察することができる再帰反射部材130のX方向の範囲を広げることができる。
【0026】
再帰反射部材130は、ビームスプリッター120から入射した光をそれと同じ方向に反射し、その反射した光を再びビームスプリッター120に進ませる。そして、ビームスプリッター120を透過した光は、収束後拡散し、観察者のアイポイント140の目の前の空中に映像150を表示する。空中像150は、ビームスプリッター120の面に関し光源110と対称の位置に形成される。観察者が観察することができる映像140は、アイポイント140の視点から再帰反射部材130を見ることができる範囲に限られる。
【0027】
次に、再帰反射部材130の正反射による虚像について説明する。再帰反射部材130の正反射とは、入射する光と同じ方向に光を反射する再帰反射とは異なり、再帰反射部材130の光軸に関し入射角θ1で入射した光を出射角θ2で反射することである(但し、θ1=θ2)。再帰反射部材130に入射する光は、ビームスプリッターで反射された光源110からの光であり、この入射した光の一部が再帰反射部材130の表面で正反射される。例えば、表面に保護フィルムやλ/4フィルムが形成されていると正反射が生じやすい。
【0028】
再帰反射部材130の正反射による光源110の虚像160は、図3に示すように、再帰反射部材130の面に関し空中像150と対称の位置に生成される。破線120Aは、再帰反射部材130の面に関しビームスプリッター120と対称の位置を示す。本実施例では、再帰反射部材130の正反射による虚像160が観察者のアイポイント140から見えなくなるように再帰反射部材130のY方向の向きを傾斜させる。つまり、虚像160を観察することができる方向170がアイポイント140から外される。虚像160を観察できる方向170は、観察者が表示装置100を観察しないと想定することができるエリアである。例えば、表示装置100が車内空間に配置された場合、方向170は、ユーザーが観察をしないと想定できる範囲(例えば、天井など)に向けられる。
【0029】
このように本実施例によれば、従来の表示方法と異なり、虚像を拡大して見え難くするのではなく、見ることを想定しない位置からしか虚像が見えないように光学設計またはレイアウトすることで、空中像のコントラストや視認性を大幅に向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、第1の実施例の表示装置をユーザー入力インターフェースに適用した空間入力装置に関する。図5は、第2の実施例に係る空間入力装置の概略構成を示す図である。空間入力装置200は、第1の実施例で説明した表示装置100を収容するハウジング210と、空中像150への物体(例えば、ユーザーの指など)を検出する3次元距離センサ220と、3次元距離センサ220からの検出結果に基づき光源110の画像出力等の制御を行うコントローラ230を含んで構成される。
【0031】
ある態様では、コントローラ230は、光源110の画像出力を制御し、図6に示すような空中像150を表示させる。空中像150は、例えば、左右のスクロールキー310、320、入力を指示するための画像320~370を含む。ユーザーは、アイポイント140の目の前に浮かんだ空中像150を見て、所望の入力を指示するために指をその表示位置にかざす。例えば、画面を左側にスクロールさせたいのであれば、指をキー310にかざし、あるいは、画像320の入力(例えば、音声再生の指示)を行いたいのであれば指を画像320にかざす。
【0032】
3次元距離センサ220は、ユーザーの指の3次元の距離を検出し、これをコントローラ230に出力する。3次元距離センサ220は、例えば、ステレオカメラ等の画像データを利用したセンサ、赤外光やLED等の発光素子と受光素子とを組み合わせたセンサ、などを用いることができる。
【0033】
コントローラ230は、3次元距離センサ220の検出結果に基づきユーザーの指の位置を算出し、例えば、ユーザーがキー210の入力を操作したこと、あるいは画像320の入力を操作したことを判定する。コントローラ230は、このような入力の判定結果に基づき光源110を制御して次の画像を出力させたり、あるいは、図示しない外部の電子機器へ判定結果を出力する。
【0034】
このように本実施例によれば、空間に映し出された映像を利用してユーザー入力をセンシングすることができ、ユーザー入力の利便性の向上を図ることができる。さらにユーザー入力は、空中の映像に対して行われるため、ユーザー入力を非接触とすることで接触感染等を回避した安全な入力を実現することができる。
【0035】
本実施例の空間入力装置200は、あらゆるユーザー入力に適用することができ、例えば、コンピュータ装置、車載用電子機器、銀行等のATM、駅等のチケットの購入機などに適用することができる。
【0036】
なお、図3に示す表示装置100の光学レイアウトは一例であり、本発明は、このような光学レイアウトに限定されるものではない。要は、再帰反射部材130の正反射による虚像が観察者の観察範囲(アイポイント)140から観察することができないような光学レイアウトであればよい。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0038】
100:表示装置
110:光源
120:ビームスプリッター
130:再帰反射部材
132、134:端部
136:中央部
140:アイポイント(観察範囲)
150:空中像
160:虚像
200:空間入力装置
210:ハウジング
220:3次元距離センサ
230:コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6