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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20241216BHJP
   B65D 8/06 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B65D77/04 A
B65D8/06 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018186444
(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公開番号】P2020055583
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-08-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 申請の原因:特許出願に係る発明の公開 公開した日:平成30年8月28日~8月29日、平成30年9月4日~9月5日、平成30年9月12日~9月13日、平成30年9月26日 公開した場所: リスパックNEXT 2018 AUTUMN 平成30年8月28日~8月29日:TRC東京流通センターAホール(東京都大田区平和島6-1-1) 平成30年9月4日~9月5日:名古屋国際会議場 白鳥ホール(名古屋市熱田区熱田西町1番1号) 平成30年9月12日~9月13日:大阪国際会議場 10F(大阪市北区中之島5丁目3-51) 平成30年9月26日:岡山コンベンションセンター 3F コンベンションホール(岡山市北区駅元町14番1号) 公開者:リスパック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 重正
【合議体】
【審判長】田口 傑
【審判官】武市 匡紘
【審判官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-267434号公報
【文献】特開2009-226190号公報
【文献】実用新案登録第3134336号公報
【文献】特開2003-104351号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D77/04
B65D8/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形形状の容器本体に、内容物を収容する空間を区画する仕切りを形成した円形形状の中容器を収納する包装用容器において、
前記円形形状の容器本体の底面の中心から離れた位置に、当該底面から突出し、前記中容器の仕切りの裏面側に当接して前記中容器が回らないようにする、回り止め突起を備え、
前記中容器の外縁側の係止部が前記容器本体の側壁の一部に載置されて、前記中容器の底壁の一部が前記容器本体の底面から浮いた状態で収納されることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
円形形状の容器本体に、内容物を収容する空間を区画する仕切りを形成した円形形状の中容器を収納する包装用容器において、
前記円形形状の容器本体の底面の中心に、当該底面から突出し、前記中容器の仕切りの裏面側に当接して前記中容器が回らないようにする、回り止め突起を備え、
当該回り止め突起は、前記容器本体の底面の中心からの距離が異なる2つの部分を備える形状であり、
前記中容器の外縁側の係止部が前記容器本体の側壁の一部に載置されて、前記中容器の底壁の一部が前記容器本体の底面から浮いた状態で収納されることを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
前記回り止め突起は、2つ以上設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記回り止め突起は、平面視で前記容器本体の半径方向に延出していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項5】
前記回り止め突起は、前記仕切りの裏面側の凹部分の形状に合わせて、先端から末端に向けて幅が広がることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項6】
前記回り止め突起の先端の表面と、前記先端から下方へ延びる傾斜面との角度が90度より大きい鈍角となっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項7】
前記容器本体の底面には、複数の脚部が設けられ、
前記回り止め突起は、前記底面の脚部の間に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の包装用容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体と中容器を備える包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容した状態で中容器を容器本体に収納する包装用容器が知られており、店頭などでは、この包装用容器に蓋をした状態で、帯状ラベルを巻き付けて販売している。ただ、中容器を容器本体に収容したり、帯状ラベルを巻き付ける際に、中容器の位置がズレてしまうと、中容器に収容された食品等が帯状ラベルに隠れるなどして、内容物の見栄えが悪くなる問題があった。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1の包装用容器は、円形形状の容器本体と、当該容器本体に収納される中容器を備え、容器本体の開口縁部に設けられた凸状の係止部に、中容器のフ
ランジに設けられた凹状の被係止部を係止させて、中容器の向きを固定するものである。また、特許文献2の包装用容器は、円形形状の容器本体と、当該容器本体に収納される中容器を備え、容器本体の底面の中心に設けられた略円柱状の契合部に、中容器の凹状の契合部を嵌合させて、中容器の位置決めをするものである。
【0004】
しかしながら、特許文献1の包装用容器では、係止部は容器本体の開口縁部に設けられ、被係止部は中容器の水平方向に広がるフランジの外周縁部に設けられているため、実際に中容器を水平面において回転させると、中容器の被係止部が容器本体の係止部を簡単に乗り越えて外れてしまい、中容器の回り止めを確実に出来るものではなかった。さらに、特許文献2の包装用容器では、中容器が容器本体内でズレないように位置決めできるものの、契合部が中容器の底面の中心に位置し、しかも円柱状であるため、中容器が底面の中心回りに回転してしまい、中容器の回り止めを確実に出来るものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3212312号
【文献】実開昭58-36275
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、中容器の回り止めを確実に出来る包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、円形形状の容器本体に、内容物を収容する空間を区画する仕切りを形成した円形形状の中容器を収納する包装用容器において、前記円形形状の容器本体の底面の中心から離れた位置に、当該底面から突出し、前記中容器の仕切りの裏面側に当接して前記中容器が回らないようにする、回り止め突起を備え、前記中容器の外縁側の係止部が前記容器本体の側壁の一部に載置されて、前記中容器の底壁の一部が前記容器本体の底面から浮いた状態で収納されることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、中容器が円形形状の容器本体内で水平面において回転しようとしても、底面の中心から離れた位置に設けられた回り止め突起が、中容器の仕切りの裏面側に当接するので、中容器の回り止めを確実に行うことができる。さらに、回り止め突起は、底面から突出するように形成されているので、中容器が容器本体内で水平面において回転しようとしても、仕切りは回り止め突起を乗り越えにくく、中容器の回り止めを確実に行うことができる。
【0009】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、円形形状の容器本体に、内容物を収容する空間を区画する仕切りを形成した円形形状の中容器を収納する包装用容器において、前記円形形状の容器本体の底面の中心に、当該底面から突出し、前記中容器の仕切りの裏面側に当接して前記中容器が回らないようにする、回り止め突起を備え、当該回り止め突起は、前記容器本体の底面の中心からの距離が異なる2つの部分を備える形状であり、前記中容器の外縁側の係止部が前記容器本体の側壁の一部に載置されて、前記中容器の底壁の一部が前記容器本体の底面から浮いた状態で収納されることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、回り止め突起が、容器本体の底面の中心に設けられると共に、中心からの距離が異なる2つの部分を備える形状をしているので、中容器が底面の中心の周りを水平面において回転しようとしても、中心からの距離が異なる2つの部分のいずれかが、中容器の仕切りの裏面側に当接して、中容器の回り止めを確実に行うことができる。さらに、回り止め突起は、底面から突出するように形成されているので、中容器が容器本体内で水平面において回転しようとしても、仕切りは回り止め突起を乗り越えにくく、中容器の回り止めを確実に行うことができる。
【0011】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、前記回り止め突起が2つ以上設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、中容器の回り止めをより確実に行うことができる。
【0013】
さらに、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、前記回り止め突起は、平面視で前記容器本体の半径方向に延出していることを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、回り止め突起が容器本体の半径方向へ延出しているため、回り止め突起は容器本体の周方向に交差する方向へ延出していることになる。そのため、中容器が円形形状の容器本体内で水平面において回転しようとする、つまり、中容器が容器本体の周方向に沿って回転しようとしても、その回転方向に交差する方向に延出する回り止め突起は、中容器の回り止めをより確実に行うことができるのである。
【0015】
さらに、本願発明の請求項5に係る包装用容器は、前記回り止め突起は、前記仕切りの裏面側の凹部分の形状に合わせて、先端から末端に向けて幅が広がることを特徴とする。
【0016】
上記特徴によれば、回り止め突起は、仕切りの裏面側に隙間を出来るだけ少なくして確実に当接できるため、中容器の回り止めをより確実に行うことができる。
【0017】
さらに、本願発明の請求項6に係る包装用容器は、前記回り止め突起の先端の表面と、前記先端から下方へ延びる傾斜面との角度が90度より大きい鈍角となっていることを特徴とする。
【0018】
上記特徴によれば、中容器の仕切りの裏面に、回り止め突起を嵌め込む際に、仕切りと回り止め突起の上下の位置が多少ずれていても、仕切りの裏面は、鈍角になった緩やかな先端に当接しながら、上下の位置が一致するように滑らかにスライドして誘導されるのである。
【0019】
さらに、本願発明の請求項7に係る包装用容器は、前記容器本体の底面には、複数の脚部が設けられ、前記回り止め突起は、前記底面の脚部の間に形成されていることを特徴とする。
【0020】
上記特徴によれば、脚部の間に帯状のラベルを宛がい、包装用容器の回りに巻き付けた場合に、この帯状のラベルは脚部の間に位置する仕切りに重なるように巻かれることになるため、仕切りによって区画された空間に収容された食品等の内容物を、帯状のラベルによって極力隠れないようにすることができ、商品の見栄えが向上するのである。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本願発明の包装用容器は、中容器の回り止めを確実に出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本願発明の実施形態1に係る包装用容器に取り付けられる蓋体を示すもので、(a)は蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図である。
図2】本願発明の実施形態1に係る包装用容器の中容器を示すもので、(a)は中容器の平面図、(b)は中容器の側面図、(c)はA-A端面図である。
図3】本願発明の実施形態1に係る包装用容器の容器本体を示すもので、(a)は容器本体の平面図、(b)は容器本体の側面図、(c)はB-B断面図、(d)はC-C断面図である。
図4】(a)は、本願発明の実施形態1に係る包装用容器の容器本体内に中容器を収容した状態を示す平面図、(b)は、D-D端面図である。
図5】(a)は、本願発明の実施形態2に係る包装用容器の容器本体の平面図、(b)はE-E断面図である。
図6】(a)は、本願発明の実施形態2に係る包装用容器の容器本体内に中容器を収容した状態を示す平面図、(b)はF-F端面図である。
【符号の説明】
【0023】
200 中容器
230 仕切り
234 裏面
300 容器本体
310 底面
360 回り止め突起
400 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本願発明の各形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことであり、「横」とは水平方向に向かう方向のことであり、「縦」とは、水平面において「横」に対して直角の方向のことである。
【0025】
<実施形態1>
まず、図1には、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400に取り付けられる蓋体100を示す。なお、図1(a)は蓋体100の平面図、図1(b)は蓋体100の側面図である。
【0026】
図1に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、平面視で円形形状をしており、平坦な天板110と、当該天板110の縁部111から下方へ向けて連続する側壁120と、当該側壁120の下端から水平方向へ延びるフランジ部130とを備える。側壁120の一部には、商品表示シール等を貼り付けるための平坦面121が設けられており、平坦面121以外の側壁120の部分は、天板110の周囲を囲むように滑らかに湾曲している。さらに、フランジ部130の外側には、当該フランジ部130から下方へ向けて連続する凹状の蓋側嵌合部140が設けられている。そして、側壁120、フランジ部130、及び蓋側嵌合部140は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0027】
次に、図2に本願発明の実施形態1に係る包装用容器400の中容器200を示す。なお、図2(a)は中容器200の平面図、図2(b)は中容器200の側面図、図2(c)はA-A端面図である。
【0028】
図2に示すように、中容器200は上方に開口した浅皿型で、平面視で円形形状をしており、平坦な底壁210と、当該底壁210の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁220と、食品を収容する空間を区画する仕切り230とが設けられている。さらに、側壁220の上端から略水平方向へ延びるフランジ部240が設けられ、当該フランジ部240の縁部から下方へ向けて延びる係止部241が形成されており、当該係止部241は、後述する容器本体300の段部331に載置される。そして、側壁220、フラン
ジ部240、係止部241は中容器200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0029】
また、図2に示すように、仕切り230は、底壁210から上方へ膨出するように凸状に形成されており、底壁210上の食品等を収容する空間を区画している。具体的には、平面視で略Y字状の仕切り230によって、底壁210上の空間は、空間X1、空間X2、空間X3に区画されている。また、仕切り230は、後述する容器本体300の周方向に交差する方向に延出している。さらに、図2(c)に示すように、この仕切り230の長尺方向に直交する縦断面形状は、先端231から末端232にかけて次第に幅が広くなる末広がりの形状をしている。また、仕切り230をこのような末広がりの形状とすることで、中容器200をシート成形する際にアンダーカット部が出来ないようなっている。さらに、仕切り230は上方へ凸状に形成されているので、仕切り230の裏面234側は上方へ凹状となっている。そして、この仕切り230の裏面側の凹部分に、後述する回り止め突起360が嵌まり込むのである。
【0030】
なお、図2では、仕切り230は平面視で略Y字状であるが、これに限定されず、内容物を収容する空間を区画できるのであれば、どのような形状であってもよい。また、仕切り230は、先端231から末端232にかけて次第に幅が広くなる末広がりの形状をしているが、これに限定されず、内容物を収容する空間を区画できるように底壁210から突出すると共に、裏面側の一部に後述する回り止め突起360を当接させることができれば、どのような形状であってもよい。また、図2では、中容器200は円形形状をしているが、これに限定されず、円形形状の容器本体300内部に収納できるのであれば、半円形状や三日月形状等の任意の形状であってもよい。
【0031】
次に図3には、本願発明の実施形態1に係る容器本体300を示す。なお、図3(a)は容器本体300の平面図、図3(b)は容器本体300の側面図、図3(c)はB-B断面図、図3(d)はC-C断面図である。
【0032】
図3に示すように、容器本体300は上方に開口した浅皿型で、平面視で円形形状をしており、平坦な底面310と、当該底面310の外周において下方へ膨出する脚部320と、底面310の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁330と、当該側壁330の上端から略水平方向へ延びるフランジ部340とを備える。さらに、当該フランジ部340から下方へ向けて連続する凸状の容器側嵌合部350が設けられている。そして、側壁330、フランジ部340、及び容器側嵌合部350は、容器本体300の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0033】
また、側壁330の上端側には、段部331が形成されており、中容器200の係止部241が載置できるようになっている。さらに、底面310には、底面310から上方へ突出する回り止め突起360が2つ形成され、各回り止め突起360は、容器本体300の中心Oから離れた位置に設けられている(言い換えると、回り止め突起360は、中心Oからズレた位置に設けられている)。さらに、各回り止め突起360は、平面視で容器本体300の半径方向に延出しているので、長手方向の幅L1は、短手方向の幅L2よりも長くなっている。
【0034】
また、図3(c)に示すように、回り止め突起360の長尺方向に直交する縦断面形状は、先端361から末端362にかけて次第に幅が広くなる末広がりの形状をしている。そして、回り止め突起360の断面形状は、図2(c)に示す仕切り230の長尺方向に直交する縦断面形状と対応する形状をしている。そのため、後述するように、回り止め突起360は、仕切り230の凹部分に無理なく嵌まり、仕切り230の裏面側に当接できるのである。
【0035】
さらに、図3(c)に示すように、回り止め突起360の先端361は鈍角になっている。より具体的には、回り止め突起360の先端361の表面と、先端361から下方へ延びる傾斜面363との角度αが90度より大きい鈍角となっている。
【0036】
また、図3(a)に示すように、容器本体300の底面310には、容器本体300の周方向に等間隔に脚部320が4つ設けられている。そして、回り止め突起360は脚部320の間に位置している。また、脚部320の間は、後述するように帯状のラベルを宛がい巻き付ける部分となるため、当該部分を指し示す目印として、中心Oの周辺には矢印が設けられている。なお、脚部320は周方向に等間隔に4つ設けられているが、これに限定されることなく、底面310の任意の位置に2つ以上の脚部320を設けることができる。
【0037】
なお、回り止め突起360は略角柱形状をしているが、これに限定されず、底面310の中心Oから離れた位置に設けられていれば、円柱等の任意の形状であってもよい。また、回り止め突起360を2つ設けているが、これに限定されることはなく、回り止め突起360を一つのみ設ける、又は、回り止め突起360を3つ以上設けても良い。
【0038】
なお、本実施形態1に係る蓋体100、中容器200、及び容器本体300は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100や中容器200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを、容器本体300の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを発泡させたものや、タルクを混ぜたものを用いることができる。
【0039】
では次に、図4を参照して、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400について説明する。なお、図4(a)は容器本体300内に中容器200を収容した状態を示す平面図、図4(b)は、D-D端面図である。また、この包装用容器400は、中容器200及び容器本体300の2つの部材から構成され、後述するように蓋体100を取り付けているが、蓋体100は必須の構成要素ではない。
【0040】
図4に示すように、仕切り230で区画された空間内に食品等の内容物を収容し、中容器200を容器本体300の開口内部に収容する。具体的には、容器本体300の回り止め突起360が、中容器200の仕切り230の裏面234の凹部分に嵌まり込むように、中容器200の向きを調節して容器本体300の開口内部に収容する。また、中容器200の係止部241が容器本体300の側壁330の段部331に載置されるので、中容器200は容器本体300内で傾かないように安定して収容されている。
【0041】
その後、包装用容器400の上から蓋体100(不図示)を被せて、蓋体100の蓋側嵌合部140を容器本体300の容器側嵌合部350に外嵌合させる。さらに、脚部320の間に帯状のラベル(不図示)を宛がい、蓋体100及び包装用容器400の回りに巻き付ければ、包装用容器400と蓋体100とが密閉された状態が強固に維持される。
【0042】
ここで、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、中容器200が円形形状の容器本体300内で水平面において回転しようとしても(図4(a)の矢印参照)、底面310の中心Oから離れた位置に設けられた回り止め突起360が、中容器200の仕切り230の裏面側に当接するので、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。
【0043】
また、仕切り230は容器本体300の周方向に交差する方向へ延出しているので、底面310の中心Oから離れた位置に設けられた回り止め突起360が仕切り230に当接することで、中容器200が容器本体300の周方向へ回転しようとしても(図4(a)の矢印参照)、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。
【0044】
さらに、回り止め突起360は、底面310から突出するように形成されているので、中容器200が容器本体300内で水平面において回転しようとしても、仕切り230は回り止め突起360を乗り越えにくく、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。また、仕切り230の裏面234側は、食品等を収容しにくいため今まで有効活用出来なかったが、回り止め突起360が当接する箇所として有効に活用しており、さらには、仕切り230の裏面234側を活用することで、回り止め突起360を当接させるための構造を別途設ける必要も無いため、製造コストを削減することができる。
【0045】
また、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、回り止め突起360が容器本体300の半径方向へ延出しているため、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。詳しく説明すると、回り止め突起360が容器本体300の半径方向へ延出しているため、回り止め突起360は容器本体300の周方向に交差する方向へ延出していることになる。そのため、中容器200が円形形状の容器本体300内で水平面において回転しようとする、つまり、中容器200が容器本体300の周方向に沿って回転しようとしても、その回転方向に交差する方向に延出する回り止め突起360は、中容器200の回り止めをより確実に行うことができるのである。
【0046】
なお、図4では、回り止め突起360が容器本体300の半径方向へ延出しているが、これに限定されず、回り止め突起360が容器本体300の外周部分に向けて延出していればよい。回り止め突起360が容器本体300の外周部分に向けて延出していれば、回り止め突起360は容器本体300の周方向に交差する方向へ延出していることになるので、中容器200の回転方向に交差する方向に延出する回り止め突起360は、中容器200の回り止めをより確実に行うことができる。
【0047】
また、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、図4(b)に示すように、回り止め突起360が、仕切り230の裏面234側の凹部分の形状に合わせて、先端361から末端362に向けて幅が広がる末広がりの形状をしているので、回り止め突起360は、仕切り230の裏面234側に隙間を出来るだけ少なくして確実に当接できるため、中容器200の回り止めをより確実に行うことができる。
【0048】
また、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、図3(c)及び図4(b)に示すように、回り止め突起360の先端361が鈍角になっているので、中容器200の仕切り230の裏面234に、回り止め突起360を嵌め込む際に、仕切り230と回り止め突起360の上下の位置が多少ずれていても、仕切り230の裏面234は、鈍角になった緩やかな先端361に当接しながら、上下の位置が一致するように滑らかにスライドして誘導されるのである。
【0049】
また、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、回り止め突起360が2つ以上設けられているので、中容器200の回り止めをより確実に行うことができる。
【0050】
また、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400によれば、容器本体300の底面310に脚部320を複数備えており、回り止め突起360は脚部320の間に形成されているので、図4(a)に示すように、回り止め突起360に当接する中容器200の仕切り230も、脚部320の間に位置することになる。そして、店頭等で包装用容器400を販売する際に、包装用容器400の上から蓋体100を取り付け、脚部320の間に
帯状のラベル(不図示)を宛がい、蓋体100及び包装用容器400の回りに巻き付けているが、この帯状のラベルは脚部320の間に位置する仕切り230に重なるように巻かれることなる。そのため、仕切り230によって区画された空間に収容された食品等の内容物を、帯状のラベルによって極力隠れないようにすることができ、商品の見栄えが向上するのである。なお、脚部320は容器本体300の底面310から下方へ膨出するように形成されているため、帯状のラベルを、脚部320を避けて脚部320の間を通るように巻き付けている。
【0051】
<実施形態2>
次に、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aについて説明する。この実施形態2に係る包装用容器400Aの構成は、図4に示す実施形態1に係る包装用容器400とは、回り止め突起360Aの構成が異なるだけで、その他の構成は実施形態1に係る包装用容器400と同一である。そのため、実施形態1に係る包装用容器400と同一の構成については、詳細な説明は省略する。なお、図5(a)は実施形態2に係る包装用容器400Aの容器本体300Aの平面図、図5(b)はE-E断面図である。図6(a)は、容器本体300A内に中容器200を収容した状態を示す平面図、図6(b)はF-F端面図である。
【0052】
図5(a)に示すように、回り止め突起360Aが、底面310Aから上方へ突出するように、容器本体300Aの中心Oに形成されている。この回り止め突起360Aは、略四角柱形状をしており、その横断面(水平方向に沿った断面)は略長方形をしている。そのため、回り止め突起360Aは、短手方向の側部364Aと長手方向の側部365Aを備え、水平面における中心Oから側部364Aまでの幅L3と、中心Oから側部365Aまでの幅L4は互いに異なっている。したがって、回り止め突起360Aは、水平面における中心Oからの距離が異なる少なくとも2つの部分を備える形状となっている。
【0053】
なお、図5に示す回り止め突起360Aは、略四角柱形状をしており、その横断面(水平方向に沿った断面)は略長方形をしているが、これに限定されずに、中心Oからの距離が異なる少なくとも2つの部分を備える構成であれば、どのような形状であってもよく、例えば、回り止め突起360Aが略円柱形状をしており、その横断面が楕円形をしている構成や、回り止め突起360Aが角柱形状をしており、その横断面が多角形をしている構成や、回り止め突起360Aが角錐形状をしており、その横断面が多角形をしている構成などであってもよい。そして、回り止め突起360Aが、中心Oからの距離が異なる少なくとも2つの部分を備える構成であるとは、回り止め突起360Aが非円柱形状又は非円錐形状であることを意味しており、言い換えるならば、回り止め突起360Aが円柱形状又は円錐形状をしており、その横断面が円形をしている構成を除外することを意味している。
【0054】
そして、図6に示すように、仕切り230で区画された各空間内に食品等の内容物を収容し、中容器200を容器本体300Aの開口内部に収容する。具体的には、容器本体300Aの回り止め突起360Aが、中容器200の仕切り230の裏面234の凹部分に嵌まり込むように、中容器200の向きを調節して容器本体300Aの開口内部に収容する。その後、包装用容器400Aの上から蓋体100(不図示)を被せて、蓋体100の蓋側嵌合部140を容器本体300Aの容器側嵌合部350Aに外嵌合させる。さらに、脚部320Aの間に帯状のラベル(不図示)を宛がい、蓋体100及び包装用容器400Aの回りに巻き付ければ、包装用容器400Aと蓋体100とが密閉された状態が強固に維持される。
【0055】
ここで、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aによれば、回り止め突起360Aが、容器本体300Aの底面310Aの中心Oに設けられると共に、中心Oからの距
離が異なる2つの部分を備える形状をしているので、中容器200が中心Oの周りを水平面において回転しようとしても(図6(a)の矢印参照)、中心Oからの距離が異なる2つの部分のいずれかが、中容器200の仕切り230の裏面側に当接して、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。特に、従来の特許文献2の包装用容器では、契合部が中容器の底面の中心に位置し、しかも円柱形状であるため、中容器が底面の中心回りに回転してしまい、中容器の回り止めを確実に出来るものではなかった。しかしながら、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aによれば、回り止め突起360Aが、中心Oからの距離が異なる2つの部分を備える形状、すなわち非円柱形状となっているので、従来とは異なり、中容器200の回り止めを確実に行うことができるのである。
【0056】
さらに、回り止め突起360Aは、底面310Aから突出するように形成されているので、中容器200が容器本体300A内で水平面において回転しようとしても、仕切り230は回り止め突起360Aを乗り越えにくく、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。また、仕切り230の裏面234側は、食品等を収容しにくいため今まで有効活用出来なかったが、回り止め突起360Aが当接する箇所として有効に活用しており、さらには、仕切り230の裏面234側を活用することで、回り止め突起360Aを当接させるための構造を別途設ける必要も無いため、製造コストを削減することができる。
【0057】
また、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aでは、回り止め突起360Aが容器本体300Aの半径方向へ延出しているため、中容器200の回り止めを確実に行うことができる。
【0058】
また、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aによれば、図6(b)に示すように、回り止め突起360Aが、仕切り230の裏面234側の凹部分の形状に合わせて、先端361Aから末端362Aに向けて幅が広がる末広がりの形状をしているので、中容器200の回り止めをより確実に行うことができる。また、図6(b)に示すように、回り止め突起360Aの先端361Aが鈍角になっているので、中容器200の仕切り230の裏面234を回り止め突起360Aに嵌め込む際に、上下の位置が一致するように滑らかにスライドして誘導できるのである。
【0059】
また、本願発明の実施形態2に係る包装用容器400Aによれば、容器本体300Aの底面310Aに脚部320Aを複数備えており、回り止め突起360Aは脚部320Aの間に形成されているので、図6(a)に示すように、回り止め突起360Aに当接する中容器200の仕切り230も、脚部320Aの間に位置することになる。そして、脚部320Aの間に巻き付けられた帯状のラベル(不図示)は、脚部320Aの間に位置する仕切り230に重なるように巻かれることなるため、仕切り230によって区画された空間に収容された食品等の内容物を、帯状のラベルによって極力隠れないようにすることができ、商品の見栄えが向上するのである。
【0060】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6