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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019144135
(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2021027180
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若園 誠
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃弘
【合議体】
【審判長】梶尾 誠哉
【審判官】綿引 隆
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-203581(JP,A)
【文献】特開2008-130609(JP,A)
【文献】特開2019-075585(JP,A)
【文献】特開2008-198975(JP,A)
【文献】特開2017-183329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する保持体と、
前記保持体の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置された電極と、
端子部材と、
前記第1の方向において前記電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、
前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第1のロウ付け部と、
前記電極と前記緩衝部材とを接合する第2のロウ付け部と、
を備え、前記保持体の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
前記緩衝部材の熱膨張係数は、前記端子部材の熱膨張係数より小さく、
前記第1の表面に略直交する少なくとも1つの特定断面において、
前記第1の方向に略直交する第2の方向において、前記緩衝部材の前記第1の方向における端面のうち、前記端子部材に対向する端子部材側端面は、前記緩衝部材における前記電極に対向する電極側端面の範囲以内に位置しており、
前記第2の方向において、前記緩衝部材の前記端子部材側端面は、前記端子部材の前記第1の方向における端面のうち、前記端子部材側端面に対向する緩衝部材側端面の範囲より内側に位置しており、
前記特定断面における前記第2の方向において、前記電極の前記第2の表面に露出している露出面は、前記緩衝部材の前記電極側端面の範囲より内側に位置しており、
前記特定断面における前記第2の方向において、前記緩衝部材の前記端子部材側端面は、前記緩衝部材の前記電極側端面の範囲より内側に位置しており、
前記特定断面において、前記緩衝部材は、
前記端子部材側端面を一辺とする略矩形状の端子部材側部分と、
前記電極側端面を一辺とする略矩形状の電極側部分と、から構成されている、
ことを特徴とする保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置において、
前記第1の方向視において、前記端子部材の前記緩衝部材側端面の外縁は、前記緩衝部材の前記端子部材側端面の外縁を取り囲んでいる、
ことを特徴とする保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の温度(例えば、400~800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
一般に、加熱装置は、所定の方向に略直交する表面(以下、「保持面」という。)と、保持面とは反対側の表面(以下、「裏面」という。)とを有する保持体を備える。保持体の内部には、ヒータ電極が配置されている。ヒータ電極には、ビア導体等を介して電極(「電極パッド」とも呼ばれる。)が電気的に接続されている。電極は、少なくとも一部が保持体の裏面に露出するように配置されている。電極には、例えばロウ付け(以下、「ロウ付け部」ともいう)により端子部材が接合されている。端子部材および電極を介してヒータ電極に電圧が印加されると、ヒータ電極が発熱し、保持体の保持面上に保持された対象物が加熱される。
【0003】
電極と端子部材との形成材料が互いに異なると、両者の熱膨張差に起因して生ずる応力により、両者の接合部付近において保持体にクラックが発生するおそれがある。従来、このようなクラックの発生を抑制するために、電極と端子部材との間に、緩衝部材を配置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。緩衝部材を、電極の形成材料の熱膨張係数と端子部材の形成材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する材料または電極の形成材料の熱膨張係数と同じ熱膨張係数を有する材料により形成することにより、緩衝部材に、電極と端子部材との間の熱膨張差を緩和する機能を担わせることができる。
【0004】
ここで、ロウ付けの一般的な工程は、次の通りである。まず、端子部材と緩衝部材との間にロウ材を配置し、その後、ロウ材を加熱する。加熱することにより溶融したロウ材を端子部材の緩衝部材に対向する表面と、緩衝部材の端子部材に対向する表面とに浸透させ、その後、例えば室温に戻すことによって、ロウ材を凝固させる。これにより、端子部材と緩衝部材とをロウ付け部によりロウ付け接合することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-123601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術のように、単に緩衝部材を配置するだけでは、緩衝部材と端子部材との間の熱膨張差に起因する応力によって、緩衝部材と端子部材とを接合するロウ付け部にクラックが発生するおそれがある。
【0007】
なお、このような課題は、上記加熱装置に限らず、保持体と、保持体の裏面に少なくとも一部が露出するように配置された電極(例えば、ヒータ電極、RF電極、RF電極に電気的に接続された電極(電極パッド))と、端子部材と、電極と端子部材との間に配置された緩衝部材と、電極と緩衝部材との間および緩衝部材と端子部材との間を接合するロウ付け部とを備え、保持体の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
【0008】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0010】
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する保持体と、前記保持体の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置された電極と、端子部材と、前記第1の方向において前記電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第1のロウ付け部と、前記電極と前記緩衝部材とを接合する第2のロウ付け部と、を備え、前記保持体の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記緩衝部材の熱膨張係数は、前記端子部材の熱膨張係数より小さく、前記第1の表面に略直交する少なくとも1つの特定断面において、前記第1の方向に略直交する第2の方向において、前記緩衝部材の前記第1の方向における端面のうち、前記端子部材に対向する端子部材側端面は、前記緩衝部材における前記電極に対向する電極側端面の範囲以内に位置しており、前記第2の方向において、前記緩衝部材の前記端子部材側端面は、前記端子部材の前記第1の方向における端面のうち、前記端子部材側端面に対向する緩衝部材側端面の範囲より内側に位置している。
【0011】
本保持装置では、上記特定断面における第2の方向において、緩衝部材の端子部材側端面は、端子部材の緩衝部材側端面の範囲より内側に位置している。このため、ロウ付け接合の際に、第1のロウ付け部を形成するロウ材は、端子部材の外周面よりも、緩衝部材の外周面に這い上がりやすい。換言すれば、第1のロウ付け部は端子部材の外周面に配置されにくい。
【0012】
ここで、緩衝部材の端子部材側端面が、端子部材の緩衝部材側端面の範囲より外側に位置している場合、ロウ付け接合の際に、第1のロウ付け部を形成するロウ材は、端子部材の外周面に這い上がりやすい。ロウ付け部を形成するロウ材が、端子部材の外周面に配置される構成では、端子部材の熱膨張係数が緩衝部材の熱膨張係数より大きいことに起因して、上記ロウ付け接合におけるロウ材の凝固の際に、端子部材の収縮によりロウ材に引張応力がかかる傾向がある。これにより、ロウ付け部の表面にクラックが発生する傾向がある。一方、本保持装置のように、上記特定断面における第2の方向において、緩衝部材の端子部材側端面が、端子部材の緩衝部材側端面の範囲より内側に位置している構成では、第1のロウ付け部は、端子部材の外周面よりも、端子部材の緩衝部材側端面に配置されやすい。このため、上記ロウ材の凝固の際に、端子部材の収縮によるロウ材への引張応力の発生が抑制される。
【0013】
また、本保持装置では、上記ロウ付け接合におけるロウ材の凝固の際に引張応力の発生が抑制されるため、ひいては、当該第1のロウ付け部に残留する引張残留応力の発生を抑制することができる。このため、上記ロウ付け接合後の熱サイクル時においても、引張残留応力に起因する第1のロウ付け部へのクラックの発生や、当該クラックの伸展を抑制することができる。
【0014】
従って、本保持装置によれば、緩衝部材と端子部材とを接合する第1のロウ付け部に引張応力がかかることを抑制することができ、ひいては、第1のロウ付け部にクラックが発生することを抑制することができる。
【0015】
(2)上記保持装置において、前記特定断面における前記第2の方向において、前記緩衝部材の前記端子部材側端面は、前記緩衝部材の前記電極側端面の範囲より内側に位置しており、前記特定断面において、前記緩衝部材は、前記端子部材側端面を一辺とする略矩形状の端子部材側部分と、前記電極側端面を一辺とする略矩形状の電極側部分と、から構成されている構成としてもよい。換言すれば、本保持装置では、上記特定断面において、緩衝部材における電極側端面は、端子部材側端面より大きい構成としてもよい。当該構成を採用すれば、緩衝部材の電極側端面が端子部材側端面と同等の面積である構成と比較して、緩衝部材と電極との接合強度を向上させ、ひいては、第2のロウ付け部における引張強度を向上させることができる。従って、本保持装置によれば、電極からの緩衝部材ひいては端子部材の脱離を抑制することができる。
【0016】
(3)上記保持装置において、前記特定断面における前記第2の方向において、前記電極の前記第2の表面に露出している露出面は、前記緩衝部材の前記電極側端面の範囲より内側に位置している構成としてもよい。換言すれば、上記特定断面において、上記露出面の全面が上記電極側端面で覆われている構成としてもよい。上記露出面において、第2のロウ付け部で覆われない部分が生じると、当該部分、ひいては、電極自体が、大気雰囲気下において、酸化され、または、劣化するおそれがある。当該構成を採用すれば、電極の上記露出面が、緩衝部材の電極側端面の範囲より外側に位置している構成と比較して、上記特定断面における第2の方向において、上記露出面の全面がロウ材(第2のロウ付け部)によって、覆われやすくなる。従って、本保持装置によれば、大気雰囲気下における電極の酸化および劣化を抑制することができ、ひいては、電極からの緩衝部材ひいては端子部材の脱離を抑制することができる。
【0017】
(4)上記保持装置において、前記第1の方向視において、前記端子部材の前記緩衝部材側端面の外縁は、前記緩衝部材の前記端子部材側端面の外縁を取り囲んでいる構成としてもよい。当該構成を採用すれば、いずれの上記特定断面においても、上記ロウ付け接合の際におけるロウ材への引張応力の発生を抑制し、かつ、第1のロウ付け部における上記引張残留応力の発生を抑制することができる。従って、本保持装置によれば、緩衝部材と端子部材とを接合する第1のロウ付け部に引張応力がかかることをより効果的に抑制することができ、ひいては、第1のロウ付け部にクラックが発生することをより効果的に抑制することができる。
【0018】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、加熱装置、静電チャック、保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。
図2】本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図3】本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。
図4】本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXY断面構成を拡大して示す説明図である。
図5】各変形例における加熱装置のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図6】変形例および比較例における加熱装置のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図7】性能評価結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
A.実施形態:
A-1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。また、図3は、本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。図4は、本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXY断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
【0021】
加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400~800℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
【0022】
図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持体10と柱状支持体20とを備える。
【0023】
保持体10は、所定の方向(本実施形態ではZ軸方向)に略直交する表面(以下、「保持面S1」という。)と、保持面S1とは反対側の表面(以下、「裏面S2」という。)と、を有する略円板状の部材である。保持体10は、窒化アルミニウム(AlN)やアルミナ(Al)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、20mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲におけるセラミックス部材に相当し、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、裏面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
【0024】
図2に示すように、保持体10の内部には、発熱抵抗体であるヒータ電極50が配置されている。ヒータ電極50は、例えば、タングステンまたはモリブデン等の金属を含む材料により形成されている。本実施形態では、ヒータ電極50は、Z軸方向視で略同心円状に延びる線状のパターンを構成している。ヒータ電極50の線状パターンの両端部は、保持体10の中心部近傍に配置されており、各端部にはビア導体52の上端部が接続されている。また、図2および図3に示すように、保持体10の裏面S2には、一対の凹部12が形成されており、各凹部12の位置には、導電性の給電電極(電極パッド)54が設けられている。本実施形態では、給電電極54は、Z軸方向視で略円形であり、タングステンを含む材料(例えば、タングステンと窒化アルミニウムとの混合材料)により形成されている。また、本実施形態では、給電電極54の緩衝部材60の側の表面全体が、保持体10の裏面S2に露出している(以下、給電電極54の裏面S2に露出している表面を「露出面Se」ともいう)。ただし、給電電極54の少なくとも一部が保持体10の裏面S2に露出している限りにおいて、給電電極54の一部(例えば、端部)が保持体10の内部に埋設されていてもよい。ビア導体52の下端部は、給電電極54に接続されている。その結果、ヒータ電極50と給電電極54とがビア導体52を介して電気的に接続された状態となっている。給電電極54は、特許請求の範囲における電極に相当する。
【0025】
柱状支持体20は、上記所定の方向(上下方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、窒化アルミニウムやアルミナを主成分とするセラミックスにより形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
【0026】
保持体10と柱状支持体20とは、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とが上下方向に対向するように配置されている。柱状支持体20は、保持体10の裏面S2の中心部付近に、公知の接合材料により形成された接合部30を介して接合されている。
【0027】
図2に示すように、柱状支持体20には、保持体10の裏面S2側に開口する貫通孔22が形成されている。貫通孔22には、複数の(本実施形態では2つの)端子部材70が収容されている。端子部材70は、例えばZ軸方向視で略円形の柱状部材であり、ニッケル(Ni)含む材料(例えば、純ニッケルやニッケルを含む合金(例えばコバール))により形成されている。ここで、端子部材70の形成材料の熱膨張係数は、例えば、5K-1以上、13K-1以下である。端子部材70における緩衝部材側端面St(図3参照)の寸法については、後述する。
【0028】
また、Z軸方向において各端子部材70の上端部と各給電電極54との間には、緩衝部材60が配置されている。緩衝部材60は、例えばZ軸方向視で略円形の板状部材であり、タングステンを含む材料(例えば、純タングステンやタングステンを含む合金)により形成されている。緩衝部材60は、端子部材70と給電電極54との間の熱膨張差を緩和する機能を担う部材である。そのため、緩衝部材60の形成材料の熱膨張係数は、給電電極54の形成材料の熱膨張係数と同じ、または、緩衝部材60の形成材料の熱膨張係数は、端子部材70の形成材料の熱膨張係数より小さい。緩衝部材60の形成材料の熱膨張係数は、例えば、6K-1以下である。また、緩衝部材60の形成材料の熱膨張係数と、端子部材70の形成材料の熱膨張係数との差は、例えば、9K-1以下である。緩衝部材60の直径は、例えば4.5mm~10.0mmである。緩衝部材60の厚さtaは、例えば、2mm以上である。緩衝部材60の構成については、後に詳述する。
【0029】
図3に示すように、緩衝部材60の下面(端子部材側端面Sbt)は、端子側ロウ付け部81により、端子部材70(具体的には、緩衝部材側端面St)と接合されている。また、緩衝部材60の上面(電極側端面Sbe)は、電極側ロウ付け部82により、給電電極54の下面(露出面Se)と接合(ロウ付け)されている。端子側ロウ付け部81および電極側ロウ付け部82は、例えば、Ni系(Ni-Cr系合金等)、Au系(純Au、Au-Ni系合金等)、Ag系(純Ag等)のロウ材である。端子側ロウ付け部81は、特許請求の範囲における第1のロウ付け部に相当し、電極側ロウ付け部82は、特許請求の範囲における第2のロウ付け部に相当する。
【0030】
図示しない電源から各端子部材70、各緩衝部材60、各給電電極54、各ビア導体52を介してヒータ電極50に電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱し、保持体10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400~800℃程度)に加熱される。
【0031】
なお、本実施形態の加熱装置100では、Z軸方向に平行であり(すなわち、保持面S1に略直交し)、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る断面(図3に示す断面)および図3のIV-IVの位置(端子部材70の緩衝部材側端面Stの位置)における断面(図4に示す断面)において、次の構成が採用されている。なお、図4に示す点線は、後述の説明のために便宜上図示された点線である。また、以下の通り、本実施形態では、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る任意の断面において、以下の構成が採用されている。このため、本実施形態の加熱装置100は、Z軸方向に平行な任意の断面において、以下の構成と同様の構成となっている。
【0032】
<構成1>
X軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、緩衝部材60の電極側端面Sbeの範囲より内側に位置している。具体的には、当該断面において、端子部材側端面Sbtに対応する線分の両端点が、電極側端面Sbeに対応する線分の両端点より内側に位置している。ここで、端子部材側端面Sbtに対応する線分の長さ(端子部材側端面Sbtの直径Dbt)は、例えば、4.5mm以下であることが好ましい。また、電極側端面Sbeに対応する線分の長さ(電極側端面Sbeの直径Dbe)は、例えば、5mm以上であることが好ましい。また、端子部材側端面Sbtに対応する線分の一方の端点と、電極側端面Sbeに対応する線分の一方の端点との間の距離Lbの2倍の距離(すなわち、端子部材側端面Sbtの直径Dbtと電極側端面Sbeの直径Dbeとの差)は、例えば、端子部材側端面Sbtのロウ付け面積確保の観点から、1mm以下であることが好ましい。また、本実施形態では、Z軸方向視において、緩衝部材60の電極側端面Sbeの外縁Ebeは、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtの外縁Ebtを取り囲んでいる。なお、X軸方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。
【0033】
<構成2>
本実施形態では、X軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置している。具体的には、当該断面において、端子部材側端面Sbtに対応する線分の両端点が、緩衝部材側端面Stに対応する線分の両端点より内側に位置している。ここで、緩衝部材側端面Stに対応する線分の長さ(緩衝部材側端面Stの直径Dt)は、例えば、4.5mm以下であることが好ましい。また、緩衝部材側端面Stに対応する線分の一方の端点と、端子部材側端面Sbtに対応する線分の一方の端点との間の距離Ltの2倍の距離(すなわち、緩衝部材側端面Stの直径Dtと端子部材側端面Sbtの直径Dbtとの差)は、例えば、端子部材側端面Sbtのロウ付け面積確保の観点から、1mm以下であることが好ましい。また、本実施形態では、Z軸方向視において、端子部材70の緩衝部材側端面Stの外縁Etは、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtの外縁Ebtを取り囲んでいる。
【0034】
<構成3>
本実施形態では、緩衝部材60は、端子部材側端面Sbtを一辺とする略矩形状の端子部材側部分61と、電極側端面Sbeを一辺とする略矩形状の電極側部分62と、から構成されている。換言すれば、緩衝部材60は、端子部材側端面Sbtを有する略円柱状の端子部材側部分61と、電極側端面Sbeを有する略円柱状の電極側部分62と、から構成されている。ここで、Z軸方向において、端子部材側部分61の厚さt1は、例えば、1mm以上であり、電極側部分62の厚さt2は、例えば、1mm以上である。
【0035】
<構成4>
本実施形態では、X軸方向において、給電電極54の露出面Seは、緩衝部材60の電極側端面Sbeの範囲より内側に位置している。具体的には、当該断面において、露出面Seに対応する線分の両端点が、電極側端面Sbeの両端点より内側に位置している。ここで、露出面Seに対応する線分の長さ(露出面Seの直径De)は、例えば、5mm以上であることが好ましい。また、電極側端面Sbeに対応する線分の一方の端点と、露出面Seに対応する線分の一方の端点との間の距離Leの2倍の距離(すなわち、電極側端面Sbeの直径Dbeと露出面Seの直径Deとの差)は、例えば、露出面Seの全面が、給電電極54と緩衝部材60との間に介在する電極側ロウ付け部82によって覆われやすくなる観点から、2mm以下であることが好ましい。また、本実施形態では、Z軸方向視において、緩衝部材60の電極側端面Sbeの外縁Ebeは、給電電極54の露出面Seの外縁Eeを取り囲んでいる。
【0036】
A-2.本実施形態の第1変形例:
図5(A)は、本実施形態の第1変形例における加熱装置100aの構成を概略的に示す説明図である。図5(A)には、上述した図3の断面に対応する第1変形例の加熱装置100aのXZ断面構成が示されている。以下では、第1変形例の加熱装置100aの構成の内、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0037】
図5(A)に示すように、第1変形例の加熱装置100aの構成は、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と比較して、緩衝部材60aの形状が異なっている。すなわち、第1変形例における緩衝部材60aは、上記構成3において、本実施形態の緩衝部材60と異なっている。具体的には、当該断面において、緩衝部材60aは、端子部材側端面Sbtと、電極側端面Sbeとをそれぞれ一辺とする略台形状である。換言すれば、緩衝部材60aは、端子部材側端面Sbtを一方の面とし、電極側端面Sbeを他方の面とする略円錐台状である。ここで、端子部材70の緩衝部材側端面Stと、緩衝部材60aの側面Saとから形成される挟角θaは、形成される端子側ロウ付け部81のフィレットの構造(例えば、形状)の安定性の観点から、例えば、50°以上、90°以下である。
【0038】
A-3.本実施形態の第2変形例:
図5(B)は、本実施形態の第2変形例における加熱装置100bの構成を概略的に示す説明図である。図5(B)には、上述した図3の断面に対応する第2変形例の加熱装置100bのXZ断面構成が示されている。以下では、第2変形例の加熱装置100bの構成の内、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0039】
図5(B)に示すように、第2変形例の加熱装置100bの構成は、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と比較して、緩衝部材60bの形状が異なっている。すなわち、第2変形例における緩衝部材60bは、上記構成3において、本実施形態の緩衝部材60と異なっている。具体的には、当該断面において、緩衝部材60bは、端子部材側端面Sbtを一辺とする略台形状の端子部材側部分61bと、電極側端面Sbeを一辺とする略矩形状の電極側部分62bと、から構成されている。換言すれば、端子部材側端面Sbtを有する略円錐台状の端子部材側部分61bと、電極側端面Sbeを有する略円柱状の電極側部分62bと、から構成されている。ここで、端子部材70の緩衝部材側端面Stと、緩衝部材60bの端子部材側部分61bにおける側面Sbとから形成される挟角θbは、形成される端子側ロウ付け部81のフィレットの構造(例えば、形状)の安定性の観点から、例えば、10°以上、45°以下である。また、Z軸方向において、端子部材側部分61bの厚さt1は、例えば、1mm以上であり、電極側部分62bの厚さt2は、例えば、1mm以上である。
【0040】
A-4.本実施形態の第3変形例:
図5(C)は、本実施形態の第3変形例における加熱装置100cの構成を概略的に示す説明図である。図5(C)には、上述した図3の断面に対応する第3変形例の加熱装置100cのXZ断面構成が示されている。以下では、第3変形例の加熱装置100cの構成の内、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0041】
図5(C)に示すように、第3変形例の加熱装置100cの構成は、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と比較して、緩衝部材60cの形状が異なっている。すなわち、第3変形例における緩衝部材60cは、上記構成4において、本実施形態の緩衝部材60と異なっている。具体的には、当該断面において、X軸方向において、給電電極54の露出面Seは、緩衝部材60cの電極側端面Sbeの範囲より外側に位置している。具体的には、当該断面において、露出面Seに対応する線分の両端点が、電極側端面Sbeの両端点より外側に位置している。ここで、電極側端面Sbeに対応する線分の長さ(電極側端面Sbeの直径Dbe)は、例えば、4mm以上である。また、電極側端面Sbeに対応する線分の一方の端点と、露出面Seに対応する線分の一方の端点との間の距離Leの2倍の距離(すなわち、電極側端面Sbeの直径Dbeと露出面Seの直径Deとの差)は、1mm以下である。また、第3変形例では、Z軸方向視において、給電電極54の露出面Seの外縁Eeは、緩衝部材60の電極側端面Sbeの外縁Ebeを取り囲んでいる。なお、加熱装置100cにおいても、第1実施形態の加熱装置100と同様に、端子部材側端面Sbtを一辺とする略矩形状の端子部材側部分61cと、電極側端面Sbeを一辺とする略矩形状の電極側部分62cと、から構成されている。
【0042】
A-5.本実施形態の第4変形例:
図6(A)は、本実施形態の第4変形例における加熱装置100dの構成を概略的に示す説明図である。図6(A)には、上述した図3の断面に対応する第4変形例の加熱装置100dのXZ断面構成が示されている。以下では、第4変形例の加熱装置100dの構成の内、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0043】
図6(A)に示すように、第4変形例の加熱装置100dの構成は、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と比較して、緩衝部材60dの形状が異なっている。すなわち、第4変形例における緩衝部材60dは、上記構成1および構成3において、本実施形態の緩衝部材60と異なっている。具体的には、当該断面において、X軸方向において、緩衝部材60dの端子部材側端面Sbtは、緩衝部材60dの電極側端面Sbeと同じ位置に位置している。換言すれば、当該断面において、端子部材側端面Sbtに対応する線分の両端点が、電極側端面Sbeに対応する線分の両端点とそれぞれ同じ位置に位置している。すなわち、当該断面において、緩衝部材60dは、端子部材側端面Sbtと、電極側端面Sbeとをそれぞれ一辺とする略矩形状である。また、緩衝部材60dは、端子部材側端面Sbtを一方の面と、電極側端面Sbeを他方の面とする、Z軸方向に延びる略円柱状である。第4変形例において、緩衝部材60dにおける、端子部材側端面Sbtに対応する線分の長さ(端子部材側端面Sbtの直径Dbt)および電極側端面Sbeに対応する線分の長さ(電極側端面Sbeの直径Dbe)は、例えば、6mm以下である。また、第4変形例において、給電電極54の露出面Seに対応する線分の長さ(露出面Seの直径De)は、例えば、6mm以下である。
【0044】
A-6.比較例:
図6(B)は、比較例における加熱装置100xの構成を概略的に示す説明図である。図6(B)には、上述した図3の断面に対応する比較例の加熱装置100xのXZ断面構成が示されている。以下では、比較例の加熱装置100xの構成の内、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0045】
図6(B)に示すように、比較例の加熱装置100xの構成は、上述した本実施形態の加熱装置100の構成と比較して、緩衝部材60xの形状が異なっている。すなわち、比較例における緩衝部材60xは、上記構成2において、本実施形態の緩衝部材60と異なっている。具体的には、比較例では、X軸方向において、緩衝部材60xの端子部材側端面Sbtは、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より外側に位置している。具体的には、当該断面において、端子部材側端面Sbtに対応する線分の両端点が、緩衝部材側端面Stに対応する線分の両端点より外側に位置している。ここで、端子部材側端面Sbtに対応する線分の長さ(端子部材側端面Sbtの直径Dbt)は、例えば、4mm以上である。また、緩衝部材側端面Stに対応する線分の一方の端点と、端子部材側端面Sbtに対応する線分の一方の端点との間の距離Ltの2倍の距離(すなわち、緩衝部材側端面Stの直径Dtと端子部材側端面Sbtの直径Dbtとの差)は、例えば、1mm以上である。
【0046】
A-7.加熱装置100の製造方法:
本実施形態の加熱装置100の製造方法は、例えば以下の通りである。初めに、保持体10と柱状支持体20とを作製する。
【0047】
保持体10の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム(Y)粉末1重量部と、アクリル系バインダ20重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、トルエン等の有機溶剤を加え、ボールミルにて20時間混合し、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーをキャスティング装置でシート状に成形した後に乾燥させ、グリーンシートを複数枚作製する。
【0048】
また、窒化アルミニウム粉末、アクリル系バインダ、テルピネオール等の有機溶剤の混合物に、タングステン等の金属粉末を添加して混練することにより、メタライズペーストを作製する。このメタライズペーストを例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定の各グリーンシートに、後にヒータ電極50や給電電極54等となる未焼結導体層を形成する。また、グリーンシートにあらかじめビア孔を設けた状態で印刷することにより、後にビア導体52となる未焼結導体部を形成する。
【0049】
次に、これらのグリーンシートを複数枚(例えば20枚)熱圧着し、必要に応じて外周を切断して、グリーンシート積層体(例えば厚さ8mm)を作製する。このグリーンシート積層体をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製し、この成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成して焼成体を作製する。この焼成体の表面を研磨加工する。以上の工程により、保持体10が作製される。
【0050】
また、柱状支持体20の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム粉末1重量部と、PVAバインダ3重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、メタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒化し、原料粉末を作製する。次に、貫通孔22に対応する中子が配置されたゴム型に原料粉末を充填し、冷間静水圧プレスして成形体を得る。得られた成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成する。以上の工程により、柱状支持体20が作製される。
【0051】
次に、保持体10と柱状支持体20とを接合する。保持体10の裏面S2および柱状支持体20の上面S3に対して必要によりラッピング加工を行った後、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3との少なくとも一方に、例えば希土類や有機溶剤等を混合してペースト状にした公知の接合剤を均一に塗布した後、脱脂処理する。次いで、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とを重ね合わせ、ホットプレス焼成を行うことにより、保持体10と柱状支持体20とを接合する。
【0052】
保持体10と柱状支持体20との接合の後、各緩衝部材60を貫通孔22内に挿入し、各緩衝部材60の電極側端面Sbeを各給電電極54の露出面Seに、ロウ材(例えば、Ni系、Au系、Ag系のロウ材)を用いてロウ付けすることにより、電極側ロウ付け部82を形成する。また、各端子部材70を貫通孔22内に挿入し、各端子部材70の緩衝部材側端面Stを各緩衝部材60の端子部材側端面Sbtに、ロウ材(例えば、Ni系、Au系、Ag系のロウ材)を用いてロウ付けすることにより、端子側ロウ付け部81を形成する。各ロウ付けは、真空炉を用いて所定のロウ付け条件(真空中、温度:950℃~1150℃程度、時間:10分間~30分間程度)にて行うことができる。主として以上の製造方法により、上述した構成の加熱装置100が製造される。
【0053】
なお、緩衝部材60の作製方法は、例えば以下の通りである。緩衝部材60の形成材料で形成され、かつ、緩衝部材60における電極側端面Sbeの直径Dbeと略同径の略円柱状の柱体を準備する。当該柱体を、その長手方向において、緩衝部材60の厚さtaと略同一となるよう切断する。切断された柱体を旋盤加工により、上記形状(端子部材側部分61の直径Dbt,厚さt1、電極側部分62の直径Dbe,厚さt2)となるよう加工することにより、緩衝部材60を作製することができる。
【0054】
A-8.性能評価:
上述した本実施形態の加熱装置100および各変形例の加熱装置、比較例の加熱装置における効果を確認すべく性能評価を行った。図7は、性能評価結果を示す説明図である。
【0055】
図7に示すように、性能評価には、6個のサンプル(SA1~SA6)の加熱装置が用いられた。各サンプルは、上述した実施形態の加熱装置の製造方法に準じた製造方法で作製した。各サンプルは、緩衝部材の構成が互いに異なっている。
【0056】
具体的には、サンプルSA1では、本実施形態の加熱装置100における緩衝部材60と同様の構成を有する緩衝部材を用いた。サンプルSA2~SA6については、それぞれ、第1変形例の加熱装置100aにおける緩衝部材60a、第2変形例の加熱装置100bにおける緩衝部材60b、第3変形例の加熱装置100cにおける緩衝部材60c、第4変形例の加熱装置100dにおける緩衝部材60d、比較例の加熱装置100xにおける緩衝部材60xと、同様の構成を有する緩衝部材を用いた。
【0057】
A-8-1.評価方法について:
上記サンプルSA1~SA6を対象として、端子部材70の給電電極54への接合時(すなわち、ロウ付け時)における、端子側ロウ付け部81へのクラックの発生を評価した。ロウ付け時のロウ付け条件は、上述した実施形態の加熱装置100の製造方法に準じたロウ付け条件とした。ロウ付け時におけるクラックの発生の評価は、ロウ付け後、室温まで冷却した後における各サンプルについて行った。なお、各サンプルを複数個用意した(例えば、n個。具体的には、例えば、サンプルSA1~SA6をそれぞれ2個)。まず、当該各サンプルのうちの一部(例えば、m個)を、研磨加工して、Z軸方向に略平行な断面であって、端子側ロウ付け部81を含む断面(例えば、図3に示す断面)について断面出しを実施した。当該得られた断面について、顕微鏡観察にてクラックの有無を判定した。クラックの発生がない場合に「◎」、1本または2本である場合に「○」、3本以上である場合に「×」と判定した。クラックが発生したサンプルについては、クラックの長さを測定した。
【0058】
また、サンプルSA1~SA6を対象として、熱サイクル時における、端子側ロウ付け部81へのクラックの発生および発生したクラックの伸展を評価した。当該熱サイクルの熱サイクル条件は、温度700℃まで各サンプルを昇温した後、室温まで冷却するサイクルを1サイクルとし、当該サイクルを300サイクル行うことを条件とした。熱サイクル時におけるクラックの発生の評価は、室温まで冷却した後における各サンプルのうち、ロウ付け時においてクラックの発生の判定が「◎」であったサンプルについて行った。まず、当該各サンプルのうちの残り(例えば、n-m個)について、上記と同様にして断面出しを実施した。当該得られた断面について、顕微鏡観察にてクラックの有無を判定した。クラックの発生がない場合に「◎」、1本または2本である場合に「○」、3本以上である場合に「×」と判定した。また、熱サイクル時における発生したクラックの伸展の評価は、室温まで冷却した後における各サンプルのうち、ロウ付け時においてクラックの発生の判定が「○」、「×」であったサンプルについて行った。まず、当該各サンプルのうちの残り(例えば、n-m個)について、上記と同様にして断面出しを実施した。当該得られた断面について、顕微鏡観察にてクラックの長さを測定した。当該クラックの長さが、ロウ付け時に発生したクラックの長さに対して20%以上長い場合に「×」、20%未満であった場合に「◎」と判定した。
【0059】
また、サンプルSA1~SA6を対象として、電極側ロウ付け部82における引張強度を評価した。具体的には、端子部材70を垂直方向に引張破断する荷重の測定を実施した。この結果、引張強度が20kgf以上である場合に「◎」、引張強度が20kgf未満である場合に「×」と判定した。
【0060】
また、サンプルSA1~SA6を対象として、給電電極54における耐酸化性を評価した。具体的には、各サンプルを、所定の条件(温度:600℃、時間:1000時間)下に晒すことによって実施した。この結果、端子部材70が給電電極54から脱離した場合に「×」、脱離しなかった場合に「◎」と判定した。
【0061】
A-8-2.評価結果について:
図7に示すように、サンプルSA1では、ロウ付け時クラックの発生、熱サイクル時クラックの発生、引張強度および耐酸化性のいずれにおいても「◎」であり、良好な結果が得られた。サンプルSA1は、実施形態の加熱装置100と同様に、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置している(図3参照)。このため、ロウ付け接合の際に、端子側ロウ付け部81を形成するロウ材が、端子部材70の外周面よりも、緩衝部材60の外周面に這い上がりやすく、換言すれば、端子側ロウ付け部81が端子部材70の外周面に配置されにくい。これにより、ロウ付け時のクラックの発生および熱サイクル時のクラックの発生において良好な結果が得られたものと考えられる。また、サンプルSA1は、緩衝部材60において、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)が、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)より大きい。これにより、緩衝部材60と給電電極54との接合強度が向上した結果、電極側ロウ付け部82における引張強度において良好な結果が得られたものと考えられる。また、サンプルSA1では、給電電極54の露出面Seが、緩衝部材60の電極側端面Sbeで覆われている。これにより、露出面Seの全面が、給電電極54と緩衝部材60との間に介在する電極側ロウ付け部82によって、覆われやすく、給電電極54の大気雰囲気かにおける酸化および劣化が抑制された結果、給電電極54からの端子部材70の脱離において良好な結果が得られたものと考えられる。
【0062】
また、サンプルSA2においても、サンプルSA1と同様に、ロウ付け時クラックの発生、熱サイクル時クラックの発生、引張強度および耐酸化性のいずれにおいても「◎」であり、良好な結果が得られた。これは、サンプルSA2においても、上記サンプルSA1と同様に、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60aの端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置していること、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)が、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)より大きいこと、給電電極54の露出面Seが、緩衝部材60aの電極側端面Sbeで覆われていることによるものと考えられる。
【0063】
また、サンプルSA3においては、ロウ付け時クラックの発生が「○」である以外は、熱サイクル時クラックの伸展、引張強度および耐酸化性のいずれにおいても「◎」であり、良好な結果が得られた。これは、サンプルSA3においても、上記サンプルSA1と同様に、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60bの端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置していること、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)が、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)より大きいこと、給電電極54の露出面Seが、緩衝部材60bの電極側端面Sbeで覆われていることによるものと考えられる。また、ロウ付け時クラックの発生が「○」である結果については、端子部材70の緩衝部材側端面Stと、緩衝部材60bの端子部材側部分61bにおける側面Sbとから形成される挟角θbが小さすぎると熱応力の影響を受けやすいことによるものと考えられる。
【0064】
また、サンプルSA4においては、耐酸化性が「×」である以外は、ロウ付け時クラックの発生、熱サイクル時クラックの発生および引張強度のいずれにおいても「◎」であり、良好な結果が得られた。これは、サンプルSA4においても、上記サンプルSA1と同様に、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60cの端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置していること、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)が、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)より大きいことによるものと考えられる。また、耐酸化性が「×」である結果については、給電電極54の露出面Seの一部が、緩衝部材60cの電極側端面Sbeで覆われていないことによるものと考えられる。
【0065】
また、サンプルSA5においては、引張強度が「×」である以外は、ロウ付け時クラックの発生、熱サイクル時クラックの発生および耐酸化性のいずれにおいても「◎」であり、良好な結果が得られた。これは、サンプルSA5においても、上記サンプルSA1と同様に、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60dの端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置していること、給電電極54の露出面Seが、緩衝部材60bの電極側端面Sbeで覆われていることによるものと考えられる。また、引張強度が「×」である結果については、上記断面において、X軸方向において、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)と、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)とが同等であることによるものと考えられる。
【0066】
また、サンプルSA6においては、引張強度および耐酸化性は「◎」である一方、ロウ付け時クラックの発生および熱サイクル時クラックの伸展は「×」である結果となった。引張強度および耐酸化性については、サンプルSA6においても、上記サンプルSA1と同様に、上記断面において、X軸方向において、給電電極54と接合する電極側端面Sbeの直径Dbe(電極側端面Sbeの面積)が、端子部材側端面Sbtの直径Dbt(端子部材側端面Sbtの面積)より大きいこと、給電電極54の露出面Seが、緩衝部材60xの電極側端面Sbeで覆われていることによるものと考えられる。一方、ロウ付け時クラックの発生および熱サイクル時クラックの伸展については、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60xの端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より外側に位置していることによるものと考えられる。
【0067】
A-9.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の加熱装置100は、保持体10と端子部材70とを備え、保持体10の保持面S1上に半導体ウェハW等の対象物を保持する装置である。保持体10は、Z軸方向に略直交する保持面S1と、保持面S1とは反対側の裏面S2とを有する部材である。保持体10の裏面S2に露出するように給電電極54が配置されている。Z軸方向において給電電極54と端子部材70との間には、端子部材70の熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有する緩衝部材60が配置されている。また、本実施形態の加熱装置100は、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部81と、給電電極54と緩衝部材60とを接合する電極側ロウ付け部82とを備える。また、本実施形態の加熱装置100では、上記断面において、X軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、電極側端面Sbeの範囲以内に位置している。さらに、X軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置している。
【0068】
本実施形態の加熱装置100では、上記断面におけるX軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置している。このため、ロウ付け接合の際に、端子側ロウ付け部81を形成するロウ材は、端子部材70の外周面よりも、緩衝部材60の外周面に這い上がりやすい。換言すれば、端子側ロウ付け部81は端子部材70の外周面に配置されにくい。
【0069】
ここで、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より外側に位置している場合、ロウ付け接合の際に、端子側ロウ付け部81を形成するロウ材は、端子部材70の外周面に這い上がりやすい。ロウ付け部を形成するロウ材が、端子部材70の外周面に配置される構成では、端子部材70の熱膨張係数が緩衝部材60の熱膨張係数より大きいことに起因して、上記ロウ付け接合におけるロウ材の凝固の際に、端子部材70の収縮によりロウ材に引張応力がかかる傾向がある。これにより、ロウ付け部の表面にクラックが発生する傾向がある。一方、本実施形態の加熱装置100のように、上記断面におけるX軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtが、端子部材70の緩衝部材側端面Stの範囲より内側に位置している構成では、端子側ロウ付け部81は、端子部材70の外周面よりも、端子部材70の緩衝部材側端面Stに配置されやすい。このため、上記ロウ材の凝固の際に、端子部材70の収縮によるロウ材への引張応力の発生が抑制される。
【0070】
また、本実施形態の加熱装置100では、上記ロウ付け接合におけるロウ材の凝固の際に引張応力の発生が抑制されるため、ひいては、端子側ロウ付け部81に残留する引張残留応力の発生を抑制することができる。このため、上記ロウ付け接合後の熱サイクル時においても、引張残留応力に起因する端子側ロウ付け部81へのクラックの発生や、当該クラックの伸展を抑制することができる。
【0071】
従って、本実施形態の加熱装置100によれば、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部81に引張応力がかかることを抑制することができ、ひいては、端子側ロウ付け部81にクラックが発生することを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態の加熱装置100では、上記断面におけるX軸方向において、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtは、緩衝部材60の電極側端面Sbeの範囲より内側に位置している。また、上記断面において、緩衝部材60は、端子部材側端面Sbtを一辺とする略矩形状の端子部材側部分61と、電極側端面Sbeを一辺とする略矩形状の電極側部分62とから構成されている。換言すれば、本実施形態の加熱装置100では、上記断面において、緩衝部材60における電極側端面Sbeは、端子部材側端面Sbtより大きい。このため、緩衝部材60の電極側端面Sbeが端子部材側端面Sbtと同等の面積である構成と比較して、緩衝部材60と給電電極54との接合強度を向上させ、ひいては、電極側ロウ付け部82における引張強度を向上させることができる。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、給電電極54からの緩衝部材60ひいては端子部材70の脱離を抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態の加熱装置100では、上記断面におけるX軸方向において、給電電極54における保持体10の裏面S2に露出している露出面Seは、緩衝部材60の電極側端面Sbeの範囲より内側に位置している。換言すれば、上記断面において、上記露出面Seの全面が上記電極側端面Sbeで覆われている。上記露出面Seにおいて、電極側ロウ付け部82で覆われない部分が生じると、当該部分、ひいては、給電電極54自体が、大気雰囲気下において、酸化され、または、劣化するおそれがある。本実施形態の加熱装置100では、給電電極54の上記露出面Seが、緩衝部材60の電極側端面Sbeの範囲より外側に位置している構成と比較して、上記断面におけるX軸方向において、上記露出面Seの全面がロウ材(電極側ロウ付け部82)によって、覆われやすくなる。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、大気雰囲気下における給電電極54の酸化および劣化を抑制することができ、ひいては、給電電極54からの緩衝部材60ひいては端子部材70の脱離を抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態の加熱装置100では、Z軸方向視において、端子部材70の緩衝部材側端面Stの外縁Etは、緩衝部材60の端子部材側端面Sbtの外縁Ebtを取り囲んでいる。このため、いずれの上記断面においても、上記ロウ付け接合の際におけるロウ材への引張応力の発生を抑制し、かつ、端子側ロウ付け部81における上記引張残留応力の発生を抑制することができる。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部81に引張応力がかかることをより効果的に抑制することができ、ひいては、端子側ロウ付け部81にクラックが発生することをより効果的に抑制することができる。
【0075】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0076】
上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで例示であり、種々変形可能である。例えば、本実施形態において、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る少なくとも一つの断面において、上記構成が採用されてもよい。また、本実施形態において、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通らない少なくとも一つの断面において、上記構成が採用されてもよい。
【0077】
本実施形態の加熱装置100において、給電電極54の表面の内、緩衝部材60の電極側端面Sbeに対向する表面(以下、「給電電極54の下面」ともいう)の一部が、保持体10の裏面S2に露出している構成が採用されてもよい。このような構成において、露出面Seは、当該給電電極54の下面の内の保持体10の裏面S2に露出した部分に相当する。
【0078】
また、上記実施形態における各部材の形状は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、給電電極54はZ軸方向視で略円形であるとしているが、給電電極54のZ軸方向視での形状は略円形以外の形状であってもよい。緩衝部材60や端子部材70についても同様である。
【0079】
また、上記実施形態の加熱装置100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態における加熱装置100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
【0080】
また、上記実施形態では、ヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54と、端子部材70と、給電電極54と端子部材70との間に配置された緩衝部材60と、緩衝部材60と端子部材70との間を接合する端子側ロウ付け部81と、緩衝部材60と給電電極54との間を接合する電極側ロウ付け部82と、を備える加熱装置100について詳細に説明したが、本明細書に開示された技術は、保持体の裏面に少なくとも一部が露出するように配置されたヒータ電極、RF電極またはRF電極に電気的に接続された給電電極等の電極と、端子部材と、電極と端子部材との間に配置された緩衝部材と、緩衝部材と端子部材との間を接合する端子側ロウ付け部と、緩衝部材と電極との間を接合する電極側ロウ付け部と、を備え、保持体の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、静電チャック等)にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
10:保持体 12:凹部 20:柱状支持体 22:貫通孔 30:接合部 50:ヒータ電極 52:ビア導体 54:給電電極 60:緩衝部材 60a:緩衝部材 60b:緩衝部材 60c:緩衝部材 60d:緩衝部材 60x:緩衝部材 61:端子部材側部分 61b:端子部材側部分 61c:端子部材側部分 62:電極側部分 62b:電極側部分 62c:電極側部分 70:端子部材 81:端子側ロウ付け部 82:電極側ロウ付け部 100:加熱装置 100a:加熱装置 100b:加熱装置 100c:加熱装置 100d:加熱装置 100x:加熱装置 S1:保持面 S2:裏面 S3:上面 Sa:側面 Sb:側面 Sbe:電極側端面 Sbt:端子部材側端面 Se:露出面 St:緩衝部材側端面 W:半導体ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7