(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】通信装置、情報処理装置、及び位置情報の管理方法
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20241216BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20241216BHJP
【FI】
H04W64/00 130
H04W64/00 150
H04W84/10 110
(21)【出願番号】P 2020037063
(22)【出願日】2020-03-04
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】志村 泰洋
(72)【発明者】
【氏名】仲島 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】室伏 光英
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-215305(JP,A)
【文献】特開2019-182560(JP,A)
【文献】特開2010-066149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0370454(US,A1)
【文献】特開2005-320074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
電源と、
無線デバイスを検知する検知手段と、
前記無線デバイスの識別情報を記憶する記憶手段と、
位置を特定する基準となる第一の無線デバイスに対する、前記第一の無線デバイスとは異なる第二の無線デバイスの第一の相対位置を、前記通信装置の移動量に基づいて算出する算出手段と、
前記第一の相対位置と、前記第二の無線デバイスの識別情報と、前記第一の無線デバイスの識別情報とを、関連付ける関連付け手段と、
を有し、
前記通信装置の前記電源の起動時の前記通信装置の位置を初期位置とした場合、
前記検知手段によって前記初期位置を検知した後に前記第一の無線デバイスを検知していない状態で前記第二の無線デバイスを検知した場合において、
前記記憶手段は、前記第二の無線デバイスの前記初期位置に対する第二の相対位置を記憶し、前記検知手段によって前記第二の無線デバイスを検知した後に前記第一の無線デバイスを検知した場合、前記第一の無線デバイスの前記初期位置に対する第三の相対位置を記憶し、
前記算出手段は、
前記通信装置の前記移動量を示す、前記第二の相対位置と、前記第三の相対位置と、に基づいて、前記第一の相対位置を算出することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記検知手段によって検知された無線デバイスが、前記第一の無線デバイスであるか判断する判断手段を有し、
前記検知された無線デバイスが、前記判断手段によって前記第一の無線デバイスであると判断された場合、前記記憶手段は、前記検知された無線デバイスの識別情報を前記第一の無線デバイスの識別情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記関連付け手段は、更に、前記無線デバイスを検知した時刻を示す情報を関連付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記関連付け手段によって関連付けた情報を情報端末に送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記算出された前記第一の相対位置に基づいて、前記第二の無線デバイスの位置情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置はRFIDリーダであり、前記無線デバイスはRFIDタグであり、前記検知手段はRFIDを用いて前記無線デバイスを検知することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記検知手段は、電波の放射指向性を切り替えることが可能なアンテナを用いて、前記無線デバイスを検知することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
無線デバイスを検知した通信装置から、検知された第一の無線デバイスの識別情報と、前記第一の無線デバイスの初期位置に対する第一の相対位置の情報と、を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された
前記第一の相対位置の情報
と、前記第一の無線デバイスとは異なる位置を特定する基準となる第二の無線デバイスについての前記初期位置からの第二の相対位置の情報
と、から、前記第二の無線デバイスについての前記第一の無線デバイスからの第三の相対位置を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記第三の相対位置と、前記第一の無線デバイスの識別情報と、前記第二の無線デバイスの識別情報とを、関連付ける関連付け手段と、
を有し、
前記通信装置の電源の起動時の前記通信装置の位置を前記初期位置とした場合、
前記初期位置が検知された後に前記第二の無線デバイスが検知されていない状態で前記第一の無線デバイスが検知された場合において、
前記算出手段は、
前記第一の相対位置と、前記第一の無線デバイスが検知された後に前記第二の無線デバイスが検知された場合の前記第二の無線デバイスの前記初期位置に対する第二の相対位置と、に基づいて、前記第三の相対位置を算出することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記受信手段は、前記通信装置が無線デバイスを検知した時刻を示す情報を受信し、前記算出手段は、前記第一の無線デバイスが検知された第一の時刻と、前記第二の無線デバイスが検知された第二の時刻とに基づいて、前記第三の相対位置を算出する対象となる無線デバイスを選択することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出手段によって算出された前記第三の相対位置の情報を情報端末に送信する送信手段を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記算出手段によって算出された前記第三の相対位置に基づいて、前記受信手段によって受信された識別情報が示す無線デバイスの位置情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記無線デバイスはRFIDタグであり、前記無線デバイスを検知する通信装置はRFIDリーダであり、前記受信手段は、前記通信装置がRFIDを用いて検知した無線デバイスの情報を受信することを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の通信装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項8乃至12の何れか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線デバイスの位置情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
物流、棚卸、動物の管理などにおいて、無線デバイスとしてUHF帯パッシブRFIDタグ(以降、RFIDタグと称する)を利用して、管理対象の物や動物等を管理するシステムが用いられている。RFIDタグは、RFIDリーダのアンテナから放射された電波(電磁波)を受信し、それによって発生した電力により動作するため、バッテリーが不要で薄く安価に製造できるメリットがある。しかし、RFIDタグとRFIDリーダは通信可能な距離が短いため、一度に広範囲にあるRFIDタグを検知できないデメリットがあった。
【0003】
そこで、位置情報を検知可能なRFIDリーダを持ち運び、RFIDタグを検知した時の位置情報と、RFIDタグのID情報を自動的に紐づけることで、広範囲にあるRFIDタグをとりつけた管理対象の位置情報を管理する方法が提案されている。特許文献1には、GPSを利用してRFIDリーダの位置情報を検知する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらGPSを利用してRFIDリーダの位置情報を検知する方法では、屋内での利用に不向きであり、また、GPSの受信回路を設ける必要があるためRFIDリーダのコストが高くなる課題があった。
【0006】
そこで本発明は、コストの上昇を抑えつつ、広範囲にある管理対象の無線デバイスの位置情報を容易に管理することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の通信装置は、電源と、無線デバイスを検知する検知手段と、前記無線デバイスの識別情報を記憶する記憶手段と、位置を特定する基準となる第一の無線デバイスに対する、前記第一の無線デバイスとは異なる第二の無線デバイスの第一の相対位置を、前記通信装置の移動量に基づいて算出する算出手段と、前記第一の相対位置と、前記第二の無線デバイスの識別情報と、前記第一の無線デバイスの識別情報とを、関連付ける関連付け手段と、を有し、前記通信装置の前記電源の起動時の前記通信装置の位置を初期位置とした場合、前記検知手段によって前記初期位置を検知した後に前記第一の無線デバイスを検知していない状態で前記第二の無線デバイスを検知した場合において、前記記憶手段は、前記第二の無線デバイスの前記初期位置に対する第二の相対位置を記憶し、前記検知手段によって前記第二の無線デバイスを検知した後に前記第一の無線デバイスを検知した場合、前記第一の無線デバイスの前記初期位置に対する第三の相対位置を記憶し、前記算出手段は、前記通信装置の前記移動量を示す、前記第二の相対位置と、前記第三の相対位置と、に基づいて、前記第一の相対位置を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報処理装置は、無線デバイスを検知した通信装置から、検知された第一の無線デバイスの識別情報と、前記第一の無線デバイスの初期位置に対する第一の相対位置の情報と、を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記第一の相対位置の情報と、前記第一の無線デバイスとは異なる位置を特定する基準となる第二の無線デバイスについての前記初期位置からの第二の相対位置の情報と、から、前記第二の無線デバイスについての前記第一の無線デバイスからの第三の相対位置を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記第三の相対位置と、前記第一の無線デバイスの識別情報と、前記第二の無線デバイスの識別情報とを、関連付ける関連付け手段と、を有し、前記通信装置の電源の起動時の前記通信装置の位置を前記初期位置とした場合、前記初期位置が検知された後に前記第二の無線デバイスが検知されていない状態で前記第一の無線デバイスが検知された場合において、前記算出手段は、前記第一の相対位置と、前記第一の無線デバイスが検知された後に前記第二の無線デバイスが検知された場合の前記第二の無線デバイスの前記初期位置に対する第二の相対位置と、に基づいて、前記第三の相対位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コストの上昇を抑えて、広範囲にある管理対象の無線デバイスの位置情報を容易に管理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】RFIDリーダ100を運搬する移動体の説明図
【
図4】第一実施形態のRFIDリーダ100の制御フローチャート
【
図5】第一実施形態の表示部14の表示方法の説明図
【
図6】位置情報の精度を向上させるための制御フローチャート
【
図7】位置情報の精度を向上させるための制御フローチャート
【
図10】第二実施形態のRFIDリーダ100の制御フローチャート
【
図11】第二実施形態のサーバ20の制御フローチャート
【
図12】第二実施形態の表示部14の表示方法の説明図
【
図14】第三実施形態のRFIDリーダ200の制御フローチャート
【
図15】位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態における管理対象の無線デバイスの位置情報の管理方法について詳細に説明する。本実施形態の管理方法では、無線デバイスを検知することができる通信装置を、人、機械等の移動体に運搬させることによって、広範囲に存在する無線デバイスを検知する。ここで、無線デバイスは例えばRFIDタグであり、通信装置は例えばRFIDリーダである。
【0012】
図2に示すように、RFIDリーダ100は、例えば人(動物)が身に着ける方法(
図2(A))や、ドローン401や無人搬送車501等の機械に取り付ける方法(
図2(B)(C))がある。これによって、RFIDリーダ100を広範囲に移動させることができ、広範囲に存在するRFIDタグを検知することができる。
【0013】
RFIDリーダ100は、RFIDタグに対してUHF帯の電磁波を供給することで、RFIDタグの内部にあるICチップを動作させ、RFIDタグの記憶部に保存されたID情報を読み出す機能を有している。また、RFIDリーダ100と、RFIDタグは無線により数m離れた距離で通信することができる。
【0014】
本実施形態において、
図15(B)に示すように、物品や動物など管理対象に取り付けられたRFIDタグを、物品RFID40と呼ぶ。物品RFIDタグ40は、物品RFIDタグ40に記憶されているID情報によって、その物品RFIDタグ40が取り付けられた管理対象を識別するために用いる。また、
図15(A)に示すように、物品RFIDタグ40の位置を特定するための基準となるRFIDタグを、位置RFIDタグ30と呼ぶ。RFIDリーダ100は、後述する移動量検知センサ104を用いて、位置RFIDタグ30を基準とした、物品RFIDタグ40の相対位置の算出を行う。
【0015】
位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報を、
図3の表示部14に表示することで、ユーザは物品RFIDタグが取り付けられた管理対象の所在を把握することができる。各処理の詳細については、以下の各実施形態で説明を行う。
【0016】
尚、本発明の実施形態の説明においては、検知対象となる無線デバイスとしてRFIDタグを用い、無線デバイスを検知する通信装置としてRFIDリーダを用いる例を説明するが、無線デバイスと通信装置はそれぞれこれらに限られない。例えばRFIDの代わりに、例えばNFCやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信等のその他の無線通信を用いてもよい。又は、UHF帯のRFIDではなく、その他の周波数帯を用いたRFIDを用いてもよい。
【0017】
[第一の実施形態]
図1は第一の実施形態で用いるRFIDリーダ100の回路ブロック図を示す。RFIDリーダ100はCPUなどの一つ以上のプロセッサを含む演算部101によって制御されており、演算部101の制御に基づき、RF制御部110は、TX端子からUHF帯のRF出力を行う。RF出力はパワーアンプ111で増幅されたのち、Lowパスフィルタ112で不要な周波数帯域をカットする。尚、RF出力の電力は演算部101によって可変に設定できる。カプラ113は、RF電力検知部116が電力を検知するために用いる。
【0018】
RF電力検知部116の電力検知結果はRF_Detect信号として演算部101が検知できる。カプラ114はアンテナ115へのRF出力と、アンテナ部115から受信するRF入力を分岐するために用いる。アンテナ部115は、RFIDタグに電力供給を行い、RFIDタグと通信するために用いる。搬送波キャンセル部117は、CARRIER_CANNCEL信号に基づき、RF入力の搬送波の成分をキャンセルし、RF制御部110のRX端子でRF入力の信号成分を受信し、RFIDタグの識別情報であるID情報を検知できる。
【0019】
演算部101はRF制御部110が検知したRFIDタグのID情報を、記憶部102に保存し、必要なデータ処理を行った後、通信部103を介して、
図3で説明する情報端末10と通信を行っている。記憶部102はROMやRAM等の一つ以上のメモリによって構成され、各種のデータを記憶するとともに、演算部101によって処理されるプログラムを記憶している。通信部103は、イーサネット(登録商標)やUSB等の有線通信、又は無線LANや公衆無線方式等の無線通信によって情報端末10と通信可能である。
【0020】
移動量検知センサ104は、3軸の加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサを備えた、RFIDリーダ100の移動量を検知するセンサである。基準とする位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40の相対位置を算出するために用いる。尚、移動量検知センサ104は、RFIDの移動距離と方向が検知できるものであれば、その検知方法はどのような技術が用いられてもよい。本発明の実施形態においては、移動距離と移動方向(二次元又は三次元方向)を併せた情報を移動量として扱うものとする。
【0021】
RFIDリーダ100はRFIDタグのID情報を自動的に検知しながら、移動量検知センサ104でRFIDタグ間の相対位置を算出し、複数RFIDタグのID情報と、複数RFIDタグ間の相対位置の情報を関連付ける。電源供給部105は、バッテリーやDCDCコンバータなどからなる、RFIDリーダ100に電源電圧を供給するために用いる回路である。
【0022】
図3は本実施形態のシステム図である。RFIDタグは、基準位置を検知するために用いる位置RFIDタグ30(30a~30c)と、管理対象にとりつける物品RFIDタグ40(40a~40f)に分類して示している。RFIDタグの詳細については、
図15で説明する。
【0023】
RFIDリーダ100は、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30のID情報と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻を関連付ける。そして、それらの情報を情報端末10へ送信する。
【0024】
情報端末10はデータベース11、データベース12、表示部14を備えた、スマートフォンやPCなどの情報端末である。データベース11には位置RFID30のID情報と位置名称を紐づけたデータと、物品RFID40のID情報と物品名称を紐づけたデータと、を保持している。
【0025】
RFIDタグのID情報のままではユーザが認識しにくいため、表示部14に情報を表示する際には、データベース11に基づきID情報から名称に変換を行い、表示を行っている。データベース11を利用せずに、そのままRFIDのID情報を表示部に表示することもできる。
【0026】
データベース12には、RFIDリーダ100から受信した情報を保持している。具体的には、位置RFIDタグ30のID情報と、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置と、物品RFIDタグ40の検知時刻とを、紐づけたデータを保存している。表示部14には、情報端末10の不図示のインターフェースによるユーザ指示に基づき、物品の位置情報を表示する。表示部14の具体的な表示方法に関しては
図5で説明する。
【0027】
図4は本実施形態のRFIDリーダ100による、物品RFIDタグの位置情報を検知する方法のフローチャートを示している。RFIDリーダ100は電源がON状態になると、物品の位置情報検知の制御を開始する。
図4のフローチャートの各ステップは、RFIDリーダ100の演算部101が記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0028】
S101においてRFIDリーダ100は、起動時の自装置の位置を基準位置として、記憶部102の基準位置に対する相対位置の情報を0にセット(x=0、y=0、z=0)する。
【0029】
S102においてRFIDリーダ100は、移動量検知センサ104の検知結果に基づき、移動量の積分値を演算し、基準位置に対する相対位置の情報を更新し、記憶部102に保存する制御を開始する。S103においてRFIDリーダ100は、RFIDタグと通信を行うため、定期的にRF制御部110を動作させ、RFIDタグとの通信を行うための制御を開始する。
【0030】
S104においてRFIDリーダ100は、RFIDタグからRFIDタグのID情報を取得できたか判断を行う、RFIDタグのID情報を取得できた場合は、S105に進む。RFIDタグのID情報を取得できなかった場合は、S104の処理を繰り返し行う。
【0031】
S105においてRFIDリーダ100は、取得したID情報に基づきRFIDタグが、位置RFIDタグ30か、物品RFIDタグ40かを判別する。位置RFID30と物品RFIDタグ40の判別方法としては、例えば、RFIDタグのID情報の中に、位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40を判別できる識別子を設けておくことができる。また、情報端末10のデータベース11を参照して、判断することもできる。物品RFIDタグの場合にはS106に進み、位置RFIDタグの場合はS108に進む。
【0032】
S106においてRFIDリーダ100は、基準の位置RFIDタグが設定済みか判断する。RFIDリーダ100が起動した直後など、まだ基準となる位置RFIDタグを設定できていない場合はS107に進み、基準となる位置RFIDタグが設定済みの場合にはS113に進む。
【0033】
S107においてRFIDリーダ100は、物品RFIDタグ40のID情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻と、基準位置(起動時の初期位置)に対する物品RFIDタグ40の相対位置とを、紐づけたデータを記憶部102に保存する。
【0034】
S108においてRFIDリーダ100は、検知した位置RFIDタグ30のID情報を、基準の位置RFIDタグとして記憶部102に保存し、S109に進む。S109においてRFIDリーダ100は、位置RFIDタグを、RFIDリーダ100の起動後にはじめて検知したかを判断する。位置RFIDタグをはじめて検知した場合はS110に進み、2度目以降の場合はS112に進む。
【0035】
S110においてRFIDリーダ100は、S107で記憶部102に保存したデータに対して次の処理を実行する。即ち、基準位置に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報と、基準位置に対するS108で記憶部102に保存した位置RFIDタグ30の相対位置の情報に基づき、位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40の相対位置を算出する。ここでの基準位置とは、RFIDリーダ100の起動時の初期位置(S101で保存した位置)である。
【0036】
S111においてRFIDリーダ100は、S107で記憶部102に保存したデータに対して次の処理を実行する。即ち、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30のID情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報とを紐づける。そしてその情報を情報端末10に送信する。送信には通信部103を用いる。
【0037】
S112においてRFIDリーダ100は、記憶部102の基準位置に対する相対位置の情報を0にセット(x=0、y=0、z=0)し、S102へ戻る。S113においてRFIDリーダ100は、検知した物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30のID情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報とを紐づける。そしてその情報を情報端末10に送信する。
【0038】
RFIDリーダ100は、以上の制御をシステムの終了要求がある(S114)まで、繰り返し行う。これによりRFIDリーダ100の演算部101は、管理対象に取り付けられた物品RFIDタグ40の位置情報を自動的に検知し、情報端末10に送信する制御を行っている。
【0039】
図5は情報端末10の表示部14に表示される表示例である。
図5に示される表示例は、データベース11及びデータベース12の情報に基づき、管理対象である物品の位置情報を表示している。
図5の表示例において、表示部14には位置RFIDタグ30は2重丸で、物品RFIDタグ40は1重丸で表示している。
【0040】
図5(A)は時刻XXの〇△ビル1F北の情報を表示するように、ユーザが情報端末10に指示した場合の、表示部14の表示例を示している。データベース12において、まず、ID情報30a(〇△ビル1F北)と紐づけられている物品RFIDタグ40のID情報40a~40c(物品a~物品c)に対して、それぞれのIDごとに時刻XXと物品の検知時刻が最も近いデータを選択する。そして、物品と位置RFID間の相対位置の情報を参照することで、表示部14に、〇△ビル1F北の位置を基準にした、物品a~物品cの位置情報を表示することができる。ユーザは表示部14の表示情報と、配置された位置RFIDタグを目印に、物品が実際に存在する位置を把握することができる。
【0041】
図5(B)は時刻XXの〇△ビル7Fの表示をユーザが指示した場合の、表示部14の表示例を示している。ここでは、物品d及び、物品eが〇△ビル7Fと別の階のフロアにある場合の表示例を示している。物品d及び、物品eと、〇△ビル7Fの位置RFIDタグ30cの高さ方向の相対位置の距離が、所定の設定値より大きい場合、物品d及び、物品eが〇△ビル7Fとは別の階にあることを検知できる。表示部14には、別の階にある物品を点線の丸で表示することで、ユーザに対して、物品d及び、物品eが位置RFIDタグ30cと同じフロアにないことを示している。位置RFIDタグ30cとの相対位置の情報に基づき、物品dは〇△ビル7Fの上階、物品eは〇△ビ
ル7Fの下階にあることを表示している。
【0042】
図5(C)は時刻YYの物品cの表示をユーザが指示した場合の、表示部14の表示例を示している。データベース12でID情報40c(物品c)と紐づけられている位置RFIDタグ30a(○△ビル1F北)と、位置RFIDタグ30b(○△ビル1F東)のデータに対して、それぞれのIDごとに時刻YYと物品の検知時刻が最も近いデータを選択する。そして、物品と位置RFID間の相対位置の情報を参照することで、表示部14に、○△ビル1F北の位置RFIDタグ30aと、○△ビル1F東の位置RFIDタグ30bの位置を基準にした、物品cの位置を表示できる。この表示方法では、ユーザは複数の位置RFIDタグを目印に、物品cの所在を把握することができる。位置RFIDタグ30を示す表示は、時刻YYに最も近い時刻に物品cを検知したデータと紐づけられている位置RFIDタグ30aを実線の二重丸で、それ以外の位置RFIDタグ30bを破線の二重丸で示している。この表示方法では、ユーザは指定した時刻YYに最も近い時間に検知した物品の位置情報を優先的に参照することができる。
【0043】
以上、説明した様に、第一の実施形態の物品の位置情報の管理方法では、位置RFIDタグ30を、物品を管理する上で用いる位置を特定するための基準として利用する。そのため、位置RFIDタグ30に定量的な位置情報を紐づけて保存しておく必要がない。そのため、ユーザは管理対象に物品RFIDタグ40を取り付け、位置RFIDタグ30を設置するだけで、簡単に位置情報の検知システム1を導入できる。
【0044】
また、ユーザが物品の位置を把握する際に、その位置を示す定量的な座標を表示部14に表示しても、直観的に物品の位置を把握することは難しい。一つ、もしくは、複数の位置RFIDタグ30の位置を基準に、物品の位置を表示することで、ユーザは物品の位置を把握し易くなる。
【0045】
また位置RFIDタグ30は、電源ケーブル等の接続も必要としない。そのため、位置RFIDタグ30を床に置く、壁に貼り付けるなど、簡単な方法で設置することができ、屋内だけでなく、屋外で利用する場合においても、簡単に位置情報の検知システムを導入できる。
【0046】
また、位置RFIDタグ30は固定した位置に配置する必要はなく、例えばトラックの荷台に設置することで、移動中のトラックの荷台内にある物品の位置情報の検知に利用できる。
【0047】
以上、説明したように、本実施形態における物品の位置情報の管理システムは、安価で簡単に屋内及び屋外に導入可能であり、広範囲にあるRFIDタグをとりつけた管理対象の位置情報を管理することができる。
【0048】
[第二の実施形態]
図9は第二の実施形態のシステム図である。本実施形態のシステムでは、RFIDリーダ100の代わりにサーバ20が位置検知に必要なデータ処理を行う点と、データベース12に位置RFIDの検知時刻も紐づけて管理する点が、第一の実施形態と異なる。尚、第一の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0049】
図9のシステム2では、複数のRFIDリーダ100(100a、100b・・・)が、サーバ20と接続されている。RFIDリーダ100は、サーバ20にRFIDタグ(物品RFIDタグ40及び、位置RFIDタグ30)のID情報、後述する基準位置に対するRFIDタグの相対位置、RFIDタグの検知時刻を紐づけて、データを送信する。尚、
図9の時刻表示は10→11→12→20→21→31の順で検知時刻が進むことを示している。
【0050】
図18に、本実施形態のサーバ20のハードウェア構成を示す。記憶部1801は、ROM、RAMの両方、または、いずれか一方といった一つ以上のメモリにより構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムや、後述するデータベースを記憶する。なお、記憶部1801として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0051】
制御部1802は、
図9に示す演算部23を含み、例えば、CPUやMPU等の一つ以上のプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等により構成される。ここで、CPUはCentral Processing Unitの、MPUは、Micro Processing Unitの頭字語である。制御部302は、記憶部301に記憶されたプログラムを実行することにより装置全体を制御する。
【0052】
入力部1803は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部1804は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部1804による出力とは、画面上への表示や、スピーカーによる音声出力、振動出力等の少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部1803と出力部1804の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。通信部1805は、有線又は無線による通信を実行可能であり、サーバ20は通信部1805を用いてRFIDリーダと通信可能である。
【0053】
図9のシステム図には、サーバ20の記憶部1801に記憶されるデータベースが図示されている。サーバ20は、
図11の説明で後述するように、位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40の判別を行っている。そしてサーバ20はRFIDリーダ100から位置RFIDタグ30のデータを受信した場合にはデータベース21aに記憶し、物品RFIDタグ40のデータを受信した場合にはデータベース21bに記憶する。データベース21a及び、データベース21bには、どのRFIDリーダで受信したデータかを判別するため、RFIDリーダ100のID情報が記憶されている。データベース21a及び、データベース21bは、サーバ20がデータ処理を行い、データベース12を作成するために利用する、一時記憶用のデータベースである。
【0054】
サーバ20のデータベース11には、位置RFIDタグ30の位置名称に加えて、位置RFIDを設置した時刻を保存している。ここでは、ID情報30aの位置RFIDタグ30は、時刻10に〇△ビル1F北に設置したあと、時刻20に〇△ビル2Fに移動させて設置した場合のデータを示している。ID情報30bの位置RFIDタグ30は、時刻10に〇△ビル1F東に設置されたことを示している。
【0055】
データベース12には、位置RFIDタグ30のID情報、物品RFIDタグ40のID情報、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置、物品RFIDタグ40の検知時刻、位置RFIDタグ30の検知時刻を紐づけて保存している。
【0056】
データベース11の位置RFIDタグ30の設置時刻と、データベース12の位置RFIDタグ30の設置時刻を利用することで、
図12で説明するように、位置RFIDタグ30を移動させた場合に適したデータ処理が可能になる。尚、RFIDリーダとサーバ20との間は、インターネットやイントラネット等の任意のネットワークを介して通信可能となっている。情報処理装置としてのサーバ20は、1台の装置によって構成されていてもよいし、複数台の装置によって構成されていてもよい。また、クラウドのようにネットワークを介して複数の装置が連携してサーバ20を構成していてもよい。またサーバ20と情報端末10とが一体となっていてもよい。
【0057】
図10は、本実施形態のRFIDリーダ100において実行される処理を示すフローチャートである。
図10のフローチャートの各ステップは、RFIDリーダ100の演算部101が記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0058】
S221においてRFIDリーダ100は、RFIDリーダのID情報と、RFIDタグのID情報と、RFIDタグの検知時刻と、基準位置に対するRFIDタグの相対位置とを紐づけた情報をサーバ20へ送信する。
【0059】
本実施形態におけるRFIDリーダ100は、必要最小限のデータ処理だけを行い、データをサーバ20に送信し、サーバ20側で位置検知に必要なデータの処理を行っている。このように、本実施形態のシステム2では、RFIDリーダ100で必要なデータ処理が少なく済むため、演算部101を演算能力の低いものを使うことができ、記憶部102に必要なデータ容量を低減できる。
【0060】
図11は、本実施形態のサーバ20において実行される処理を示すフローチャートである。
図11のフローチャートの各ステップは、サーバ20の制御部1802が記憶部1801に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0061】
S201においてサーバ20は、RFIDリーダ100からデータが来るまで待機を行いS202に進む。S202においてサーバ20は、RFIDリーダ100が電源のオン/オフなどにより、再起動を行ったか判断する。RFIDリーダ100が再起動を行った場合、基準となる起動時の基準位置が変化しているため、再起動前のRFIDタグの検知結果と、再起動後のRFIDタグの検知結果の相対位置の情報を検知できなくなる。よって、RFIDリーダ100が再起動を行った場合には、S208~S210に進み、再起動前に検知したRFIDタグのデータ処理を完了させる。その後、データベース21の分析が完了したデータの削除を行いS201に戻る。データベース21a及びデータベース21bは、このようにデータ分析が完了した後の古いデータを削除することで、サーバ20に記憶させる必要なデータ容量を抑えることができる。
【0062】
尚、本実施例では、
図9に示す時刻12と時刻20の間、及び、時刻21と時刻31の間に、RFIDリーダ100a及び、100bが再起動した場合について説明する。
図9のデータベース21a及び、21bには、説明のため、削除すべき古いデータも表示してある。
【0063】
S203においてサーバ20は、RFIDリーダのID情報と、RFIDタグのID情報と、RFIDタグの検知時刻と、基準位置に対するRFIDタグの相対位置とを紐づけたデータを受信する。S204においてサーバ20は、RFIDタグのID情報に基づき、位置RFIDタグ30か、物品RFIDタグ40か判断を行う。位置RFIDタグ30の場合はS205に進み、物品RFIDタグ40の場合はS206に進む。
【0064】
S205においてサーバ20は、データベース21aに位置RFIDタグ30のデータとして、S203で受信したデータを記憶する。S206においてサーバ20は、データベース21bに物品RFIDタグ40のデータとして、S203で受信したデータを記憶する。S207においてサーバ20は、データベース21a及び、データベース21bのデータを分析する要求があることを確認する。サーバ20によるデータ分析は、例えばデータベース21a、21bに所定数以上のデータが溜まった場合や、定期的なタイミングや、ユーザによる指示に応じて実行されるものとする。
【0065】
S208においてサーバ20は、同じRFIDリーダ100で検知したデータの中で、データベース21aとデータベース21bから、最も近い時刻に検知した位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40の紐づけを行う。その後S208に進む。
【0066】
なお、データベース21aとデータベース21bのデータ紐づけ方法の変形例として、同じRFIDリーダ100で最も近い相対位置で検知した位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40を、紐づけて記憶する方法を用いても良い。また、データベース12に記憶可能な容量が大きい場合は、位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40の紐づけを行うデータの組み合わせを増やしても良い。例えば、物品RFIDタグ40と、最も近い時刻に検知した位置RFIDタグ30と、最も近い相対位置で検知した位置RFIDタグ30の両方を紐づけて、データベース12に記憶する方法が考えられる。
【0067】
図9に示すデータベース12の()内に示した紐づけデータ120は、最も近い時刻に検知した位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40以外のデータを、紐づけた例を示す。
【0068】
S209においてサーバ20は、基準位置に対する位置RFIDタグ30の相対位置と、基準位置に対する物品RFIDタグ40の相対位置とに基づき、S208の処理で紐づけた、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置を算出する。
【0069】
このように、RFIDリーダ100からサーバ20へ送信するデータは、物品RFIDタグ40と位置RFIDタグ30が、共通の基準位置(本実施形態では、RFIDリーダ100が起動した際の初期位置)に基づき、相対位置の情報が紐づけられている。そのため、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置を、サーバ20によるデータ処理で算出することができる。
【0070】
また、共通の基準位置はRFIDリーダ100の起動した初期位置でなくともよく、例えば、RFIDリーダ100が起動後に最初にRFIDタグを検知した位置を基準位置としても良い。
図11で説明した方法は、RFIDリーダ100が検知した複数のRFIDタグの相対位置の情報を、サーバ20に送信する手段の一例であり、他の方法を用いても良い。
【0071】
RFIDリーダ100は、少なくとも、RFIDタグのID情報を検知し、基準位置に対するRFIDタグの相対位置の情報を検知する手段を有する特徴を有する。そしてサーバ20はRFIDリーダ100から送信された、複数のRFIDタグのID情報と相対位置の情報に基づき、物品RFIDタグ40に対する位置RFIDタグ30の相対位置を算出することができる。
【0072】
S210においてサーバ20は、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30のID情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻と、位置RFIDタグ30の検知時刻と、位置RFIDタグ30に対すると物品RFIDタグ40の相対位置を紐づける。そしてその情報をデータベース12に記憶する。
【0073】
以上の処理を、システム終了の要求(S114)があるまで繰り返し行う。
【0074】
図12は本実施形態における情報端末10の表示部14に表示される表示例である。
図12に示される表示例は、データベース11及びデータベース12の情報に基づき、管理対象である物品の位置情報を表示している。
【0075】
情報端末10の不図示のインターフェースによるユーザ指示に基づき、情報端末10は位置名称、物品名称、時刻などの情報をサーバ20へ送信する。これらの情報を受信したサーバ20は、表示部14の表示に必要なデータをデータベース12から選択し、情報端末10へ送信する。情報端末10は、サーバ20から受信したデータに基づき、物品の位置情報を表示部14に表示する。
【0076】
図12(A)は、時刻11における〇△ビル1F北(位置RFIDタグ30のID情報30a)を基準とし、物品RFIDタグ40の位置情報の表示した場合の表示例を示している。
図9のデータベース11から、〇△ビル1F北に位置RFIDタグ30が設置されていたのは、時刻10~時刻20の期間であることがわかる。サーバ20は、位置RFIDタグ30のID情報が30aと一致し、かつ検知時刻が時刻10~時刻20の期間で、物品RFIDタグの検知時刻が最も時刻11に近いデータを選択する。サーバ20は、選択したデータの物品RFIDタグ40の物品名称と、位置RFIDタグ30aに対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報を紐づけて送信することで、情報端末10は表示部14に
図12(A)に示す物品の位置情報を表示できる。
【0077】
ところで、サーバ20のデータ処理では、物品a及び、物品bはRFIDリーダ100aの検知結果に基づき、〇△ビル1F北と情報が紐づけられている。物品cはRFIDリーダ100bの検知結果に基づき、〇△ビル1F北と情報が紐づけられている。このように、複数のRFIDリーダ100が検知した情報をサーバ20で統合することにより、物品RFIDタグ40の検知漏れを減らすことができる。
【0078】
図12(B)は時刻21における、〇△ビル2F(位置RFIDタグ30のID情報30a)を基準とした、物品RFIDタグ40の位置情報を示している。
図9のデータベース11から、ID情報30aの位置RFIDタグ30は、時刻20に〇△ビル2Fに設置されたことが分かる。そのため、
図12(B)の表示には、時刻20以降に検知した位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40の検知結果を利用して表示を行っている。
【0079】
ここで説明した様に、位置RFIDタグ30を移動する場合に必要な、ユーザによる作業は、位置RFIDタグ30を移動した後に、新しい位置の名称と、設置した時刻をデータベース11に登録するだけでよい。そのため、ユーザは簡単な作業で位置検知システム2の利用場所を移動できる。
【0080】
また、データベース12には物品RFIDタグ40の検知時刻に加えて、位置RFIDタグ30検知時刻も記憶されている。そのためユーザが位置RFID30を新しい場所に設置して暫くした後に、位置RFIDタグ30の新しい位置の名称と、設置した時刻をデータベース11に登録した場合にも、データベース12の過去のデータに遡って、物品の位置情報を表示できるようになる。位置RFIDタグ30の移動を行う場合には、データベース12に位置RFIDタグ30の検知時刻も保存する方法が有効である。
【0081】
図12(C)は、時刻31における〇△ビル1F東(位置RFIDタグ30のID情報30b)を基準とした、物品RFIDタグ40の位置情報を示している。
図9のデータベース11に示すように、ID情報30bの位置RFIDタグ30は、時刻10に〇△ビル1F東に設置されている。そのため、
図12(C)の表示には、ID情報30bの位置RFIDタグ30と紐づけられた物品RFIDタグ40のデータの中で、時刻10以降に検知した位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40の検知結果を利用して表示を行っている。
【0082】
ここで、位置RFIDタグ30aをRFIDリーダ100aのユーザAが設置し、位置RFIDタグ30bをRFIDリーダ100bのユーザBが設置した場合について、本実施形態の制御方法の効果について説明を行う。時刻31において、ユーザBが位置RFIDタグ30bを〇△ビル1F東に設置していたため、時刻31においてもユーザAはRFIDリーダ100aで、位置RFIDタグ30bと、物品b及び物品cの相対位置を検知することができた。この様に、多くのユーザが位置検知システム2を利用し、位置RFIDタグ30を設置するほど、物品RFIDタグ40の位置検知をし易くなることが分かる。
【0083】
尚、位置検知システム2の変形例として、情報端末10を用いずに、RFIDリーダ100に表示部14を設けておき、サーバ20がRFIDリーダ100にデータを送信し、RFIDリーダ100の表示部14に表示を行っても良い。また、RFIDリーダ100とサーバ20が直接通信する代わりに、RFIDリーダ100と情報端末10を接続し、情報端末10を介して、RFIDリーダ100とサーバ20を通信させても良い。また、サーバ20は用いずに、代わりに情報端末10が本実施形態のサーバ20のデータ処理を行っても良い。
【0084】
以上説明したように、本実施形態のRFIDリーダ100は、RFIDタグのID情報を検知し、基準位置に対するRFIDタグの相対位置の情報を検知する手段を有する点に特徴を有している。そして、サーバ20はRFIDリーダ100から送信された情報に基づき、物品RFIDタグと位置RFIDタグの相対位置を算出することができる。
【0085】
[第三の実施形態]
図13は、第三の実施形態のシステム図である。本実施形態のシステムでは、第一の実施形態のRFIDリーダ100と、情報端末10が一体となったRFIDリーダ200を用いている。そして、データベース12に物品RFIDタグ40のID情報と、基準位置からの相対位置の情報のみを紐づけて保存している点が第一の実施形態と異なる。尚、第一の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
【0086】
図13に示す、RFIDリーダ200は、第一の実施形態におけるRFIDリーダ100に、表示部14と、データベース11及びデータベース12の機能を追加している。代わりに通信部103は無くてもよい。
【0087】
また、本実施形態のシステム3は、位置RFIDタグ30が一つだけのシステムであり、データベース12に位置RFIDタグ30のID情報を、物品RFIDタグ40のID情報及び、相対位置の情報と紐づけて保存する必要がない。また、データベース11の位置RFIDタグ30と、位置名称を紐づけて保存する必要もない。位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40の判別を行うため、位置RFIDタグ30のID情報のみ、データベース11に保存してある。
【0088】
また、表示部14には、最新の位置情報の検知結果のみ表示可能なシステムであり、データベース12に物品RFIDタグ40の検知時刻を紐づけて保存する必要がない。それぞれのIDごとに、最新の物品RFIDタグ40の検知結果に更新して保存している。
【0089】
図14は、本実施形態のRFIDリーダ200で実行される処理を示すフローチャートである。本フローチャートでは、
図4で説明した第一の実施形態のフローチャートに対して、S105で位置RFIDタグを検知できた後に、物品RFIDタグのデータの更新を開始する点が異なる。また、S314で物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報のみを保存する点が異なる。
図14のフローチャートの各ステップは、
図4での説明と同様に、RFIDリーダ200の演算部101によって実行される。
【0090】
本実施形態の制御では、RFIDリーダ200は、S105で、位置RFIDタグ30の検知を行うまで、RFIDタグのデータの更新を行わない。そのためS301では、位置RFIDタグ30を最初に検知するまでの間、ユーザが位置RFIDタグに近づくように促す表示を表示部14に表示させる。
【0091】
また、RFIDリーダ100が制御を開始してから所定期間、位置RFIDタグ30を検知できなかった場合に、表示部14による表示や、ブザーなどを用いることで、ユーザに対して、位置RFIDタグ30の検知を促す制御を行うことができる。これは第一の実施形態及び、第二の実施形態の場合においても同様に実施することができる。
【0092】
S314においてRFIDリーダ200は、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30aに対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報に関して、データベース12を更新する。表示部14に位置RFIDタグ30aに対する物品RFIDタグの相対位置を表示する。
【0093】
以上の処理を、システム終了の要求(S114)があるまで繰り返し行う。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の位置管理システム3では、位置RFIDタグ30のID情報と、物品RFIDタグ40の検知時刻を記憶する必要がないため、データベース12に必要なデータ容量を更に低減できる。そのため、RFIDリーダ200の記憶部102のデータ容量が少ない場合にも適用可能なシステムとなっている。また、情報端末10やサーバ20と通信する必要がないため、通信部103が必要なく、RFIDリーダ200のコストを低減できる。
【0095】
本実施形態のデータベース12で管理するデータは、物品RFIDタグ40のID情報と、位置RFIDタグ30に対する物品RFIDタグ40の相対位置の情報だけである。そのような場合であっても、安価で簡単に屋内及び屋外に導入可能な、広範囲にあるRFIDタグをとりつけた管理対象の位置情報を管理することができる。
【0096】
[位置RFIDタグ及び、物品RFIDタグの説明]
実施例1~3で利用可能な、位置RFIDタグ30と物品RFIDタグ40の一例として、
図15にRFIDタグの説明図を示す。
【0097】
図15(A)に示す位置RFIDタグ30は、物品RFIDタグ40が取り付けられた物品の位置情報を管理するための基準の位置として用いる。保持部材32は位置RFIDタグ30を保持するために用いる外装である。
【0098】
図15(B)に示す様に、物品RFIDタグ40は、物品に取り付けられたRFIDタグである。
【0099】
ところで、位置RFIDタグ30と、物品RFIDタグ40は、RFIDリーダ100のRF制御部110と通信可能な、同一の原理で動作するRFIDタグである。そのため、第一から第三の実施形態で説明した位置情報の管理方法では、物品の検知と、位置の検知のため別々に検知回路を設ける必要がなく、RFIDリーダ100のコスト低減、サイズダウンや、低消費電力などのメリットが得られる。
【0100】
[物品の位置検知の精度改善の方法]
図6、および、
図7の制御フローチャートは物品RFIDタグ40の位置情報の精度をより向上させるための方法を示す。これらの処理は、第一から第三の実施形態それぞれにおいてRFIDリーダが位置RFIDタグを検知した際に適宜実行するようにしてよい。
図6及び
図7のフローチャートの各ステップは、RFIDリーダの演算部が記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0101】
図6の制御はRFIDリーダ100が位置RFIDタグ30を検知すると開始される。
【0102】
S401においてRFIDリーダ100は、検知した位置RFIDタグ30のID情報を記憶部102に記憶する。S402においてRFIDリーダ100は、RFIDリーダ100のRF制御部110のRF出力(Tx信号)のレベルを弱くする。S403においてRFIDリーダ100は、S401で記憶した位置RFIDタグ30と再度通信することができたか判断する。通信できた場合、S402に進み、更にRFIDリーダのRF出力を弱くし、S403で通信不能になるまで繰り返し処理を行う。通信できなかった場合はS404に進む。
【0103】
S404においてRFIDリーダ100は、位置RFIDタグ30と通信に成功した最低のRF出力を、位置RFIDタグ30のID情報と紐づけて保存しておく。S405においてRFIDリーダ100は、同じID情報の位置RFIDタグ30と通信成功した履歴の中で、所定期間内で最も低いRF出力値であるか判断する。S405で、最も低いRF出力値である場合S108に進み、検知した位置RFIDタグ30のID情報を、記憶部102に保存し、S112に進み、相対位置を0にセットする。S405で、最も弱いRF出力値でない場合は、位置RFIDタグの検知結果を無効とし、相対位置の0セットを行わない。
【0104】
図6に示す制御フローチャートでは、RFIDリーダ100が、弱いRF出力で位置RFIDタグ30を検知できた場合に、位置RFIDタグ30とRFIDリーダ100が近い位置にあることを判断する。そして、そのタイミングで相対位置の0セットを行うことで、弱いRF出力で位置RFIDタグ30を検知できたデータと、物品RFIDタグ30の検知データを、紐づける点に特徴を有している。
【0105】
図7の制御も同様に、RFIDリーダ100が位置RFIDタグ30を検知すると開始される。
【0106】
S504においてRFIDリーダ100は、RFIDリーダ100のRF制御110が受信したRF入力(Rx信号)の強度を記憶部102に保存する。S505においてRFIDリーダ100は、同じID情報の位置RFIDタグ30と通信成功した履歴の中で、所定期間内で最も強いRF入力値であるか判断する。S505で、最も強いRF入力値である場合S108に進み、検知した位置RFIDタグ30のID情報を、記憶部102に保存し、S112に進み、相対位置を0にセットする。S505で、最も強いRF入力値でない場合は、位置RFIDタグの検知結果を無効とし、相対位置の0セットを行わない。
【0107】
図7に示す制御フローチャートでは、RFIDリーダ100が、強いRF入力で位置RFIDタグ30を検知できた場合に、位置RFIDタグ30とRFIDリーダ100が近い位置にあることを判断する。そして、そのタイミングで相対位置のリセットを行うことで、強いRF入力で位置RFIDタグ30を検知できたデータと、物品RFIDタグ40の検知データを、紐づける点に特徴を有している。
【0108】
本発明の各実施形態の物品の位置管理システムでは、位置RFIDタグ30を基準位置としている。そのため、特に位置RFIDタグ30に対して、
図6や
図7で説明した制御方法を実施することで、管理する位置情報の精度をより高めることが可能になる。
【0109】
また、物品RFIDタグ40に関しても、
図6や
図7と同様の制御を行うことで、管理する位置情報の精度をより高めることができる。
【0110】
また、第二の実施形態のように、サーバ20でデータ処理を行う場合においては、RFIDリーダ100のRF入力の強度や、RF出力の強度のデータを、サーバ20のデータベース21a及び、データベース21bと紐づけて保存する。これにより
図6及び
図7と同様の制御をサーバ20で行うことができる。
図6及び
図7で説明した、位置情報の精度を改善する方法は、第二の実施形態の場合にも適用できる。
【0111】
図8は、RFIDリーダ100の充電装置300に位置RFIDタグ30の機能を内蔵することで、充電装置300を位置RFIDタグ30として利用する方法を示している。301はRFIDリーダ100と充電装置300を接続するために用いるコネクタである。
【0112】
この充電装置300を用いることで、RFIDリーダ100を充電する際に、位置RFIDタグ30を至近距離で検知することができる。特に、
図6及び
図7の制御と組み合わせることで、RFIDリーダ100の位置情報の精度を高めることができる。
【0113】
[アンテナの放射指向性制御]
第一から第三の実施形態で利用可能な、放射指向性制御機能を有するアンテナ部115を
図16に示す。基板1101及び基板1102は、基板の厚み方向であるZ軸に沿って、基板1101、基板1102の順に-Z方向に重ねて配置する。
【0114】
図16(a)は基板1101の表面である。4つのアンテナ素子1103は各々、開放端同士が重ならないよう延伸方向をX軸及びY軸に沿って90度ずつ変えて配置し、開放端とは反対側の端部である給電端はビア1104に接続する。なお、開放端の延伸方向は逆回りでも良く、素子形状をメアンダ状に折り畳んでも良い。
【0115】
図16(b)は基板1101の裏面である。4つのビア1104は各々、基板1101を貫通した上で、4つのパッド1105に接続する。
【0116】
図16(c)は基板1102の表面である。4つのパッド1106は各々、グランド1107及び4つのRFライン1108に接続する。ここで、パッド1105及びパッド1106は、導通部(非図示)である金属製のスペーサと面接触することで導通する。
【0117】
4つのRFライン1108は各々、4つのRFスイッチ1109(1109a~d)を経由して、共通のRFライン1110を通り、送受信部1111(カプラ114)に接続する。
【0118】
RFスイッチ1109は、一端をRFライン1108と、他端をRFライン1110と接続し、短絡か開放かを制御する。よって、RFスイッチ1109が短絡状態にある場合は、送受信部1111とアンテナ素子1103との間をRF信号が通過でき、開放状態にある場合は、送受信部1111とアンテナ素子1103との間をRF信号が通過できない。
【0119】
図16(d)は基板1102の裏面である。グランド1112はパッド1106と重なる領域を避けて全面に配置し、基板1102を貫通する複数のビア(非図示)でグランド1107と導通する。ここで、RFライン1108及びRFライン1110の線路幅及び線路厚みは、RF信号の周波数において概ね50ohmとなるように基板1102の層構造及び誘電率から決定する。
【0120】
4つのパッド1106を図中右上から反時計回りにA、B、C、Dとして、A、B、C、Dと送受信部1111とを接続するRFラインの総電気長をa、b、c、dと定義する。この時、4つのRFライン1108は、b=a+λ/4、c=b+λ/4、d=c+λ/4の関係性を満たし、且つ、グランド1107と重ならないようメアンダ状に配置する。なお、4つのRFライン1108の位相差はλ/4、即ち概ね90度ずつ付けば良く、位相差を与える回転方向や実装方法は問わず、線路長ではなく移相器を用いても良い。
【0121】
アンテナ部115によって送受信するRF信号は、4つのアンテナ素子1103の合成波となる場合は円偏波となり、対向する2つのアンテナ素子1103の任意の組み合わせにおける合成波となる場合は直線偏波となる。
【0122】
本実施形態において、920MHzで共振するアンテナの放射特性を
図17に示す。この時、基板1101及び基板1102は基板厚1mm・比誘電率4.3、基板1101と基板1102の間隔は7mmであり、逆F型アンテナの素子長は約λ/4である。また、RFラインの線路幅は1.6mm、線路厚みは35umである。
【0123】
図17(a)はRFスイッチ1109a~dを全て短絡させた場合における放射特性であって、+Z方向にメインの指向性を備えた円偏波のRF信号を放射する。
【0124】
図17(b)はRFスイッチ1109a、cを短絡させ、RFスイッチ1109b、dを開放した場合における放射特性であって、+X及び-X方向に直線偏波のRF信号を放射する。
【0125】
図17(c)はRFスイッチ1109b、dを短絡させ、RFスイッチ1109a、cを開放した場合における放射特性であって、+Y及び-Y方向に直線偏波のRF信号を放射する。
【0126】
以上より、+Z方向に放射する円偏波のRF信号だけでは読み取ることができないX及びY軸方向に置かれたRFIDタグを、指向性を切り替えることで読み取ることが可能となる。そして、より広範囲にあるRFIDタグをとりつけた物品の位置情報を検知することができる。RFIDリーダ100は、アンテナ部115の放射特性を複数の方向に切り替えながら、RFIDタグを検知することに特徴を有しており、アンテナ部115は第一から第三の実施形態に用いると好適である。
【0127】
[その他の実施形態]
上述した第一から第三の実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。例えば、第三の実施形態で示す表示部を備えたRFIDリーダが必ずしも自装置が備える表示部に管理対象の物品位置情報を表示する必要はなく、サーバや情報端末に情報を送信してもよい。又は、RFIDリーダに表示させるかサーバや情報端末に送信するかをユーザ操作によって適宜選択可能としてもよい。
【0128】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0129】
100、200 RFIDリーダ
10 情報端末
20 サーバ
30(30a~30c) 位置RFIDタグ
40(40a~40f) 物品RFIDタグ
115 アンテナ
300 充電装置