(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】基板、及び、基板を備える電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 1/18 20060101AFI20241216BHJP
H02P 5/46 20060101ALI20241216BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H05K1/18 U
H02P5/46 Z
B41J29/00 C
(21)【出願番号】P 2020043457
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-02-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】平田 博揮
(72)【発明者】
【氏名】菅田 光洋
(72)【発明者】
【氏名】七井 亮介
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-065486(JP,A)
【文献】特開2006-246694(JP,A)
【文献】特開2012-117730(JP,A)
【文献】特開2006-141192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H05K 1/02
H02P 5/46
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1Hブリッジ及び第2Hブリッジを有するモータ 制御回路と、
前記第1Hブリッジの出力及び前記第2Hブリッジの出力が入力される第1コネクタと、
前記第1Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第1配線及び第2配線と、
前記第2Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第3配線及び第4配線と、
前記第1配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を他のコネクタに出力する第5配線及び前記第2配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を前記他のコネクタに出力する第6配線と、
前記モータ制御回路へ制御信号を出力するCPUを有し、
前記CPUは、所定の条件に基づき、前記制御信号を、カラープリンタに対応した、ステッピングモータを制御するための制御信号に設定する、または、モノクロプリンタに対応した、DCモータを制御するための制御信号に設定する
ことを特徴とするプリンタ装置の制御基板。
【請求項2】
前記ステッピングモータは、前記プリンタ装置の現像機を駆動するためのモータ、または、前記プリンタ装置の感光体を駆動するためのモータである
ことを特徴とする、請求項1に記載の制御基板。
【請求項3】
前記DCモータは、前記プリンタ装置のファンを駆動するためのモータである
ことを特徴とする、請求項1に記載の制御基板。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記CPUが入力する信号に基づく条件である
ことを特徴とする、請求項1に記載の制御基板。
【請求項5】
前記CPUが入力する信号は、前記制御基板上に実装する実装部品によって決定する
ことを特徴とする、請求項4に記載の制御基板。
【請求項6】
前記制御信号が、前記ステッピングモータを制御するための信号の場合、前記第1Hブリッジ及び第2Hブリッジのうち、一方のHブリッジ回路の2つの出力は、互いに反転した出力であり、他方のHブリッジ回路の2つの出力は、互いに反転した出力であり、
前記制御信号が、前記DCモータを制御するための信号の場合、少なくとも前記一方のHブリッジ回路の2つの出力のうち、一方の出力は固定した出力である
ことを特徴とする、請求項1に記載の制御基板。
【請求項7】
第1Hブリッジ及び第2Hブリッジを有するモータ制御回路と、
前記第1Hブリッジの出力及び前記第2Hブリッジの出力が入力される第1コネクタと、
前記第1Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第1配線及び第2配線と、
前記第2Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第3配線及び第4配線と、
前記第1配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を他のコネクタに出力する第5配線及び前記第2配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を前記他のコネクタに出力する第6配線と、
前記モータ制御回路へ制御信号を出力するCPUにて構成される制御基板を有し、
前記CPUは、所定の条件に基づき、前記制御信号を、カラープリンタに対応した、ステッピングモータを制御するための制御信号に設定する、または、モノクロプリンタに対応した、DCモータを制御するための制御信号に設定する
ことを特徴とするプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの動作を制御するモータドライバ制御回路を備える基板、及び、その基板を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の電子機器には、負荷を制御するドライバ基板は共通化するが、機器内の負荷の一部を削除又は変更して別モデルとして販売する場合がある。
【0003】
例えば、カラープリンタにおけるドライバ基板が制御するモータ(例えば、ステッピングモータ)と、モノクロプリンタにおけるドライバ基板が制御するモータ(例えば、DCモータ)とが、異なる場合がある。カラープリンタのモータドライバ基板と、モノクロプリンタのモータドライバ基板と、を作り変えればコストアップとなってしまうので、カラープリンタにおけるモータとモノクロプリンタにおけるモータとを共通基板で制御することが求められている。特許文献1には、カラープリンタのメイン基板と、モノクロプリンタのメイン基板の両方に接続可能となるようにポート数や配線構造などを工夫したエンジン基板が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のエンジン基板16には、カラースキャナ11を備える装置Aのメイン基板15と接続するためのポートP23や第2通信部61cとポートP23とを接続する配線とが設けられている。また、このエンジン基板16は、モノクロスキャナ21を備える装置Bのメイン基板25にも接続可能であるが、上記したポートP23や配線はメイン基板25に接続される場合には、利用されない。特許文献1には、エンジン基板16を装置Aにも装置Bにも接続可能なように、ポート23や配線を設けているが、1つのモータドライバ制御回路が種類の異なるモータを駆動できるようには構成されていない。
【0006】
そこで、本発明は、1つのモータドライバ制御回路で種類の異なるモータを制御することが可能な基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプリンタ装置の制御基板は、第1Hブリッジ及び第2Hブリッジを有するモータ制御回路と、
前記第1Hブリッジの出力及び前記第2Hブリッジの出力が入力される第1コネクタと、
前記第1Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第1配線及び第2配線と、
前記第2Hブリッジの出力を前記第1コネクタに入力する第3配線及び第4配線と、
前記第1配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を他のコネクタに出力する第5配線及び前記第2配線に接続され且つ前記第1Hブリッジの出力を前記他のコネクタに出力する第6配線と、
前記モータ制御回路へ制御信号を出力するCPUを有し、
前記CPUは、所定の条件に基づき、前記制御信号を、カラープリンタに対応した、ステッピングモータを制御するための制御信号に設定するまたは、モノクロプリンタに対応した、DCモータを制御するための制御信号に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリンタ装置の制御基板において、CPUは、所定の条件に基づき、モータを駆動する制御信号を、カラープリンタに対応した、ステッピングモータを制御するための制御信号に設定する、または、モノクロプリンタに対応した、DCモータを制御するための制御信号に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】カラープリンタ100Aの概略構成を示す断面図である。
【
図2】モノクロプリンタ100Bの概略構成を示す断面図である。
【
図4】カラープリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【
図5】モノクロプリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【
図6】モータドライバICの詳細を示した図である。
【
図7】(a)モータドライバICから出力されるステッピングモータの駆動波形である。(b)モータドライバICから出力されるDCモータの駆動波形である。
【
図8】モノクロプリンタかカラープリンタかを特定する構成を示した図である。
【
図9】第2実施形態のカラープリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【
図10】第2実施形態のモノクロプリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【
図11】変形例のモノクロプリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。本発明の基板をカラープリンタ及びモノクロプリンタに適用した例について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、カラープリンタ100Aの概略構成を示す断面図である。
【0012】
図1において、カセットに収納された記録紙Pは、図示しない給紙モータに接続された給紙ローラ120によって給紙される。給紙された記録紙Pは、片面搬送経路(
図1の破線)を通り、斜行補正を行うレジストローラ121を経由して、中間転写ベルト116と2次転写外ローラ119との間の転写位置に搬送される。転写位置を通過した記録紙Pは、記録紙P上の画像を定着する定着装置140を通過した後、排紙ローラ122によってカラープリンタ100の機外に排出される。
【0013】
111a、111b、111c及び111dは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色に対応するプロセスユニットである。プロセスユニットは、感光ドラム、現像機を有する。
【0014】
図2は、モノクロプリンタ100Bの概略構成を示す断面図である。
【0015】
本実施形態のモノクロプリンタ100Bは、上記したカラープリンタAからイエロー、マゼンダ及びシアンに対応するプロセスユニット等、モノクロプリンタでは不要な構成を含まない機種である。そして、本実施形態のモノクロプリンタ100Bは、カラープリンタ100Aよりも印刷速度が速いプリンタであって、モータや定着装置140の昇温がカラーモデルより大きい。そのため、モノクロプリンタ100Bは、ファンユニット150及び160を備える。上記したプロセスユニット111a、111b、111c及び111dや定着装置140は、周辺温度によって画像品質や耐久寿命に影響する。そこで、モノクロプリンタにおいては、ファンユニット150及び160を使うことによって、プロセスユニット111dや定着装置140の周辺温度を制御する。
【0016】
図3は、プリンタを制御するコントローラを示したブロック図である。
図3を参照して、プリンタを制御するコントローラ11の詳細について説明する。
【0017】
図3に示すように、コントローラ11は、プリンタ制御基板13および操作部12と接続されている。コントローラ11は、CPU1101、RAM1102、ROM1103、操作部I/F1105、LANコントローラ1106および電源制御部1114を備える。そして、CPU1101、RAM1102、ROM1103、操作部I/F1105、LANコントローラ1106および電源制御部1114は、システムバス1107に接続される。また、コントローラ11は、HDD1104、画像処理部1109およびプリンタI/F1113を備える。HDD1104、画像処理部1109およびプリンタI/F1113は、画像バス1108に接続されている。
【0018】
CPU1101は、ROM1103に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11で実行される各種処理についても統括的に制御する。
【0019】
RAM1102は、CPU1101が動作するためのシステムワークメモリである。このRAM1102は、画像データを一時記憶するためのメモリでもある。RAM1102は、電源がオフの場合でも記憶した内容を保持することが可能なSRAM、及び電源がオフの場合には記憶した内容が消去されるDRAMを有している。ROM1103には、装置のブートプログラムなどが格納されている。HDD1104は、ハードディスクドライブであり、プリンタを制御するプログラムや画像データを格納する。
【0020】
操作部I/F1105は、システムバス1107と操作部12と接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F1105は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス1107から受け取り操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス1107へと出力する。
【0021】
LANコントローラ1106は、プリンタと、ネットワーク60に接続される外部装置50との間の情報の入出力を制御する。
【0022】
電源制御部1114は、プリンタの各部への電力供給を制御する。
【0023】
画像バス1108は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバスやIEEE1394等のバスで構成されている。
【0024】
画像処理部1109は、画像処理を行うためのものであり、RAM1102に記憶された画像データを読み出し、JPEG、JBIGなどの拡大または縮小および、色調整などの画像処理を行う。
【0025】
プリンタ制御基板13は、プロセスユニット、定着装置、各種ローラ、及び各種モータなどの制御を行う。
【0026】
図4は、カラープリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【0027】
次に、
図4を参照して、カラープリンタ100Aに搭載されるプリンタ制御基板を詳細に説明する。
【0028】
カラープリンタ100Aのプリンタ制御基板13Aは、CPU(プロセッサ)130と、複数のモータドライバIC(モータドライバ制御回路)131、132、133及び134と、を有している。プリンタ制御基板13Aは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色に対応する現像機のステッピングモータSTM-1、STM-2、STM-3およびSTM-4を制御するモータドライバIC131、132、133及び134を有する。モータドライバICの詳細については、後述する。
【0029】
プリンタ制御基板13Aは、モータドライバIC131からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ135を有する。また、プリンタ制御基板13Aは、モータドライバIC132からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ136を有する。また、プリンタ制御基板13Aは、モータドライバIC133からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ137を有する。また、プリンタ制御基板13Aは、モータドライバIC134からの出力a、b、dおよびdが入力されるコネクタ138を有する。コネクタ135、137及び138は、4つの信号が入力可能なコネクタである。
【0030】
さらに、本実施形態では、プリンタ制御基板13Aは、モータドライバIC132からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ139を有する。
【0031】
プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC132の出力aとコネクタ136のピン1とを接続する配線P21、及び、モータドライバIC132の出力bとコネクタ136のピン2とを接続する配線P22が形成されている。プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC132の出力cとコネクタ136のピン3とを接続する配線P23、及び、モータドライバIC132の出力dとコネクタ136のピン4とを接続する配線P24が形成されている。
【0032】
プリンタ制御基板13Aには、配線P21に接続される配線P25、配線P22に接続される配線P26、配線P23に接続される配線P27、及び、配線P24に接続される配線P28が形成されている。が、配線P25~P28が接続されるコネクタ139には、負荷が接続されていない。
【0033】
上記のようにプリンタ制御基板13Aに配線P21~P28を形成することによって、モータドライバIC132からの出力a、b、c及びdの各々は、コネクタ136及び139の両方に入力される。
【0034】
また、本実施形形態のプリンタ制御基板13Aには、コネクタ139のピン3とCPU130とを接続する配線P39A、及び、コネクタ139のピン6とCPU130とを接続する配線P39Bが形成されている。
【0035】
なお、プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC131とコネクタ135とを接続する配線P11、P12、P13及びP14が形成されている。プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC133とコネクタ137とを接続する配線P31、P32、P33及びP34が形成されている。プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC134とコネクタ138とを接続する配線P41、P42、P43及びP44が形成されている。
【0036】
図5は、モノクロプリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。
【0037】
次に、
図5を参照して、モノクロプリンタ100Bに搭載されるプリンタ制御基板を詳細に説明する。モノクロプリンタ100Bに搭載されるプリンタ制御基板13Aと、カラープリンタ100Aに搭載されるプリンタ制御基板13Bとは、実装される部品以外は共通化されている。つまり、モノクロプリンタ100Bに搭載されるプリンタ制御基板13Bには、カラープリンタ100Aのプリンタ制御基板12Aに実装されていたモータドライバIC133及び134、及び、コネクタ137及び138は実装されていない。プリンタ制御基板13Bには、モータドライバICを実装可能な未実装領域、配線P21~24、配線P31~P34及び配線P41~P44が設けられている。
【0038】
モノクロプリンタ100Bのプリンタ制御基板13Bは、CPU130と、複数のモータドライバIC131及び132と、を有している。プリンタ制御基板13Bは、ブラックに対応する現像機のステッピングモータSTM-1を制御するモータドライバIC131を有する。また、プリンタ制御基板13Bは、2つのDCモータBM-1及びBM-2を制御するモータドライバIC132を有する。このDCモータBM-1及びBM-2は、ファンを駆動するモータであって、ファンユニット150及び160のそれぞれに含まれている。DCモータBM-1及びBM-2は、それぞれ3ピンのコネクタを有する。DCモータBM-1のコネクタのピン1、及び、DCモータBM-2のコネクタのピン1は、それぞれ、ロック信号を出力するためのピンである。DCモータBM-1のコネクタ140Aのピン3は、コネクタ139のピン1に接続され、DCモータBM-1のコネクタ140Aのピン2は、コネクタ139のピン2に接続される。また、DCモータBM-2のコネクタ140Bのピン3は、コネクタ139のピン4に接続され、DCモータBM-2のコネクタ140Bのピン2は、コネクタ139のピン5に接続される。DCモータBM-1のコネクタ140Aとコネクタ139とは、3本の線材によって接続されている。また、DCモータBM-2のコネクタ140Bとコネクタ139とは、3本の線材によって接続されている。
【0039】
そして、コネクタ139のピン3は、配線P39Aを介してCPU130に接続され、コネクタ139のピン6は、配線P39Bを介してCPU130に接続される。CPU130は、配線P39Aを介して入力される信号に従って、DCモータBM-1がロックしたことを検知する。また、CPU130は、配線P39Bを介して入力される信号に従って、DCモータBM-2がロックしたことを検知する。DCモータBM-1がロックすると、ロック信号がコネクタ140Aのピン1、コネクタ139のピン3、配線P39Aを介してCPU130に通知される。また、DCモータBM-2がロックすると、ロック信号がコネクタ140Bのピン1、コネクタ139のピン3、配線P39Bを介してCPU130に通知される。
【0040】
プリンタ制御基板13Bは、プリンタ制御基板13Aと同様で、モータドライバIC131からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ135を有する。また、プリンタ制御基板13Bは、プリンタ制御基板13Aと同様で、モータドライバIC132からの出力a、b、cおよびdが入力されるコネクタ136を有する。が、コネクタ136には、負荷が接続されていない。また、プリンタ制御基板13Bには、プリンタ制御基板13Aに実装されるコネクタ137及び138が実装されていない。また、プリンタ制御基板13Bには、モータドライバIC133及びモータドライバIC134が実装されていない。なお、プリンタ制御基板13Bには、モータドライバIC133及びモータドライバIC134が実装されたときに使用される配線(P31~P34、P41~P44)は形成されている。
【0041】
図6は、モータドライバICの詳細を示した図である。
図6を参照して、モータドライバICの詳細を説明する。
【0042】
モータドライバIC132は、カラープリンタ100AにおいてステッピングモータSTM-2を駆動する。モータドライバIC131、133及び134は、モータドライバIC131と同じ機能のICであるので、その説明を割愛する。また、本実施形態のモータドライバIC132は、モノクロプリンタ100BにおいてDCモータBM-1及びBM-2の両方を駆動する。
【0043】
モータドライバIC132は、制御回路200と、2つのHブリッジ回路201及びHブリッジ回路202と、を有する。Hブリッジ回路201は、4つのスイッチ(例えば、電界効果トランジスタ)SW1,SW2,SW3及びSW4を有する。制御回路200は、4つのスイッチSW1,SW2,SW3及びSW4のそれぞれに制御信号を出力する。スイッチSW1,SW2,SW3及びSW4は、制御信号に従ってオンまたはオフになる。Hブリッジ回路201は、2つの電源端子Aおよび電源端子Bを有する。電源端子Aからaが出力され、電源端子Bからbが出力される。
【0044】
DCモータBM-1を駆動する場合は、電源端子A~Dからの出力a~dは、
図7(a)のような波形となる。2つの電源端子A及びBに電圧を印加する。制御回路200は、一方の電源端子AにDC電源の(+)を、他方の電源端子Bに(-)を接続するために、スイッチSW1及びSW4をONにし、且つ、スイッチSW2及びSW3をOFFにする。これにより、DCモータBM-1は、正方向に回転する。また、制御回路200は、一方の電源端子AにDC電源の(-)を、他方の電源端子Bに(+)を接続するために、スイッチSW2及びSW3をONにし、且つ、スイッチSW1及びSW4をOFFにする。これにより、DCモータBM-1は、逆方向に回転する。また、SW1およびSW3をOFFに、且つ、SW2及びSW4をONにすると、モータが停止する。なお、本実施形態のDCモータBM-1及びBM-2の回転方向は、正方向のみであり、逆方向には回転しない。
【0045】
DCモータBM-2を駆動する場合は、Hブリッジ回路202の2つの電源端子C及びDに電圧を印加する。電源端子Cからcが出力され、電源端子Dからdが出力される。Hブリッジ回路202は、Hブリッジ回路201と同様の構成であるので、その説明を割愛する。
【0046】
ステッピングモータSTM-2を駆動する場合、2つのHブリッジ回路201及び202を利用する。一般的に、2相のステッピングモータは、4系統のコイルA、B、A*、B*がある。Hブリッジ回路201の電源端子A及びBの各々がコイルA及びA*に対応し、Hブリッジ回路202の電源端子C及びDの各々がコイルB及びB*に対応する。コイルに流す電流の方向をステップ的に変えることによって、ステッピングモータSTM-2が駆動する。
【0047】
ステッピングモータSTM-2を駆動する場合は、電源端子A~Dからの出力a~dは、
図7(b)のような波形となる。
【0048】
図8は、モノクロプリンタかカラープリンタかを特定する構成を示した図である。CPU130の汎用IOポートP01は、プリンタのモデルを特定するために割り振られたポートである。
図8(a)に示すように、汎用IOポートP01がLowレベルであれば、CPU130はカラープリンタだと認識する。また、汎用IOポートP01がHighレベルであれば、CPU130はモノクロプリンタだと認識する。
【0049】
カラープリンタ制御基板13AのCPU130には、抵抗311が未実装であり且つ抵抗312が実装されている回路が接続されている。また、モノクロプリンタ制御基板13BのCPU130には、抵抗311が実装され且つ抵抗312が未実装の回路が接続されている。
【0050】
<第2実施形態>
第1実施形態では、モータドライバ132の出力a~dを2つのコネクタに分岐して配線を形成した。第2実施形態では、モータドライバ132の出力a及びbは分岐しない。
【0051】
図9は、第2実施形態のカラープリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。プリンタ制御基板113Aには、モータドライバIC132の出力aとコネクタ136のピン1とを接続する配線P21、及び、モータドライバIC132の出力bとコネクタ136のピン2とを接続する配線P22が形成されている。プリンタ制御基板13Aには、モータドライバIC132の出力cとコネクタ136のピン3とを接続する配線P23、及び、モータドライバIC132の出力dとコネクタ136のピン4とを接続する配線P24が形成されている。また、プリンタ制御基板113Aには、配線P23に接続される配線P25、及び、CPU130に接続される配線P29が形成されている。なお、プリンタ制御基板113Aには、配線P25と配線P29とを接続する接続回路170が未実装である。
【0052】
図10は、第2実施形態のモノクロプリンタのプリンタ制御基板の詳細を示した図である。モノクロプリンタのプリンタ制御基板113Bには、配線P25と配線P29とを接続する接続回路170が設けられている。なお、コネクタ136は、3ピンのコネクタであっても良い。
【0053】
<変形例>
上記した実施形態では、プリンタを例に説明したが、本発明の基板をパソコン、サーバなどの電子機器に適用しても良い。
【0054】
また、上記した実施形態では、現像機を駆動するステッピングモータについて説明したが、感光体等、他のアクチュエータを駆動するステッピングモータであっても良い。
【0055】
また、上記した実施形態では、ステッピングモータを制御可能な基板について説明したが、
図9に示すように、ステッピングモータSTM-2の代わりに2つのDCモータを制御しても良い。つまり、プリンタ制御基板は、2つのDCモータ及びLOCKピンを有する2つのDCモータの両方を制御可能な基板である。
【0056】
また、プリンタ制御基板13A及び13Bに、配線P39A及びP39Bの両方を形成したが、何れか1つでも良い。
【0057】
第1実施形態では、
図8に示すように、CPU130のポートP01にプリンタのモデルを特定するための回路を接続したが、CPU130はコントローラ11からプリンタのモデルの情報を受信しても良い。また、CPU130は、プリンタのモデルの情報を記憶したメモリを有していても良いし、プリンタのモデルの情報を記憶したメモリを参照できても良い。
【0058】
また、モータドライバIC132が2つのDCモータを駆動する例について説明したが、
図11に示すように、モノクロプリンタ100Bにおいて、モータドライバIC132が1つのDCモータを駆動しても良い。
【0059】
また、モノクロプリンタ100Bにおいて、コネクタ136は無くても良い。
【符号の説明】
【0060】
100A カラープリンタ
100B モノクロプリンタ
132 モータドライバIC
STM-2 ステッピングモータ
BM-1 DCモータ
BM-2 DCモータ
136 コネクタ
139 コネクタ
201 Hブリッジ回路
202 Hブリッジ回路