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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】液体-機械的アイソレータ
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20241216BHJP
   F16F 15/023 20060101ALI20241216BHJP
   F16F 15/06 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
F16F15/02 L
F16F15/023 A
F16F15/06 A
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020090160
(22)【出願日】2020-05-23
(65)【公開番号】P2021038841
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】16/522,574
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワーデン, ハリー ケンドール
(72)【発明者】
【氏名】ウェザーズ, ジェフリー ウェイン
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-106573(JP,A)
【文献】特開2000-009167(JP,A)
【文献】特開2013-086702(JP,A)
【文献】特開昭54-101067(JP,A)
【文献】実開平03-015785(JP,U)
【文献】特開2004-100929(JP,A)
【文献】特開2018-083484(JP,A)
【文献】特開2013-160349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0226973(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0353098(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0375993(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/00- 15/36
F16F 11/00- 13/30
F16F 1/00- 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃及び振動アイソレータ(5)であって、
体ばねアセンブリ(12)、及び
機械的ばねアセンブリ(16)
を備え、
前記体ばねアセンブリ(12)及び前記機械的ばねアセンブリ(16)が、直列に配置され、
前記機械的ばねアセンブリ(16)が、第1のばね(50)及び第2のばね(52)を含み、前記第1のばね(50)及び前記第2のばね(52)は、前記機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力が、前記第1のばね(50)を圧縮すると同時に、中間アクチュエータ(54)を介して、前記第2のばね(52)を圧縮し、前記第1のばね(50)及び前記第2のばね(52)が並行して圧縮されるように配置され
前記機械的ばねアセンブリ(16)の前記第1のばね(50)及び前記第2のばね(52)の各々が、長手方向軸を有する圧縮コイルばねであり、前記第1のばね及び前記第2のばねは、前記第1のばねの長手方向軸(56)と前記第2のばねの長手方向軸(58)が一致するように配置される、衝撃及び振動アイソレータ(5)。
【請求項2】
前記第1のばね(50)のばね定数と前記第2のばね(52)のばね定数とが実質的に等しい、請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項3】
前記体ばねアセンブリ(12)が、体で充填されたボア(32)、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストン(34)を含み、前記ピストンが、前記ボアを第1の区画(40)と第2の区画(42)とに分割し、前記体ばねアセンブリの圧縮が、前記ピストンを前記ボア内動かし、前記ボアの前記第2の区画内の流体を圧縮する、請求項1又は2に記載のアイソレータ。
【請求項4】
前記アイソレータに加えられる前記圧縮力が、単一の圧縮ベクトル(28)に沿って加えられ、前記第1のばね(50)及び前記第2のばね(52)の各々は、圧縮コイルバネであり、前記アイソレータは、前記体ばねアセンブリ(12)の前記ピストン(34)と、前記第1のばね及び前記第2のばねのそれぞれのコイルとが、前記単一の圧縮ベクトル(28)と整列するように構成されている、請求項に記載のアイソレータ。
【請求項5】
前記アイソレータは、前記アイソレータの圧縮の間、前記機械的ばねアセンブリ(16)の圧縮限界に達する前に、前記体ばねアセンブリ(12)の圧縮限界に達するように構成されている、請求項又はに記載のアイソレータ。
【請求項6】
前記アイソレータは長手方向軸(26)を有し、前記アイソレータは、前記長手方向軸が実質的に鉛直となり、前記体ばねアセンブリ(12)が前記アイソレータの下端に配置され、前記アイソレータに加えられる前記圧縮力が前記体ばねアセンブリに対して上方に加えられるように配向される、請求項1からのいずれか一項に記載のアイソレータ。
【請求項7】
前記体ばねアセンブリに連結されたローディングケーブル(76)によって、前記圧縮力が前記体ばねアセンブリ(12)に対して上方に加えられ、前記ローディングケーブルが、前記アイソレータの長手方向軸(26)に沿って、前記アイソレータ(5)の内部で且つ前記アイソレータ(5)を通って延在する、請求項に記載のアイソレータ。
【請求項8】
アイソレータハウジング(10)をさらに備え、前記体ばねアセンブリ(12)が、前記第1のばね(50)を前記アイソレータハウジングに固定された軸受ブロック(60)に対して圧縮するように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載のアイソレータ。
【請求項9】
前記体ばねアセンブリ(12)は、中間アクチュエータ(54)を前記第2のばね(52)に対して付勢して、前記第2のばねを前記アイソレータハウジング(10)の内表面(64)に対して圧縮することにより、前記第2のばね(52)を圧縮するように構成されている、請求項に記載のアイソレータ。
【請求項10】
前記中間アクチュエータ(54)は、シリンダー(66)であって、前記アイソレータの内部に摺動可能に配置され、前記第1のばね(50)の少なくとも一部を囲み、前記第2のばね(52)を圧縮するように、前記軸受ブロック(60)を通り過ぎて摺動可能に移動するように構成されたシリンダー(66)を含む、請求項又はに記載のアイソレータ。
【請求項11】
前記軸受ブロック(60)が、1つ又は複数の点(62)において前記アイソレータハウジング(10)に連結され、前記中間アクチュエータの前記シリンダー(66)が、前記シリンダーの長さに沿って1つ又は複数のスロット(74)を画定し、前記軸受ブロックの取り付け点を収容することにより、前記シリンダーが前記軸受ブロックを通り過ぎて摺動可能に移動することが可能である、請求項10に記載のアイソレータ。
【請求項12】
緩衝器(5)であって、
円筒ハウジング(10)、
前記円筒ハウジングの第1の端部(14)に配置された体ばねアセンブリ(12)であって、体で充填されたボア(32)、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストン(34)を含む、体ばねアセンブリ(12)、並びに
前記円筒ハウジングの第2の端部(18)において前記体ばねアセンブリ(12)と直列に配置された機械的ばねアセンブリ(16)
を備え、
前記機械的ばねアセンブリ(16)は、前記円筒ハウジングの内部で連続的に且つ整列するように配置された第1のコイルばね(50)及び第2のコイルばね(52)を含み、前記体ばねアセンブリによって前記機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力により、結果的に前記第1のコイルばねが、前記円筒ハウジングに固定された軸受ブロック(60)に対して圧縮され、前記体ばねアセンブリが、同時に、前記第2のコイルばねを前記円筒ハウジングの前記第2の端部(64)に対して圧縮する中間アクチュエータ(54)を介して、前記第2のコイルばねに対して作用し、ひいては、前記圧縮力が、並行して前記第1のコイルばね(50)及び前記第2のコイルばね(52)に加えられるように構成されている、緩衝器(5)。
【請求項13】
前記軸受ブロック(60)が、前記円筒ハウジング(10)に連結され、前記中間アクチュエータ(54)が、前記円筒ハウジングの内部で同心円状に取り付けられた摺動シリンダー(66)を含み、前記摺動シリンダー(66)が、前記軸受ブロック(60)に沿って摺動可能に移動し、前記第2のコイルばね(52)を圧縮するように構成されている、請求項12に記載の緩衝器。
【請求項14】
ロードを振動及び衝撃から絶縁する方法であって、
1つ又は複数のアイソレータ(5)を前記ロード(20)に連結すること(82)と、
前記ロードの重量が、前記1つ又は複数のアイソレータによって支持されるように、前記1つ又は複数のアイソレータ(5)をロード環境(22)に連結すること(84)
を含み、
各アイソレータが、体ばねアセンブリ(12)及び機械的ばねアセンブリ(16)を含み、
前記体ばねアセンブリは、前記ロード環境(22)から前記アイソレータに伝達された衝撃が、連続的に前記体ばねアセンブリ(12)と前記機械的ばねアセンブリ(16)とに作用するように、前記アイソレータ(5)の第1の端部(14)に配置され、体で充填されたボア(32)、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストン(34)を含み、
前記機械的ばねアセンブリ(16)は、第1のコイルばね(50)及び第2のコイルばね(52)を含み、前記第1のコイルばね(50)及び前記第2のコイルばね(52)は、前記機械的ばねアセンブリ(16)に対する前記体ばねアセンブリ(12)の移動が、前記体ばねアセンブリと軸受ブロック(60)との間の前記第1のコイルばね(50)を圧縮すると同時に、中間アクチュエータ(54)と前記アイソレータの第2の端部(64)との間の前記第2のコイルばね(52)を圧縮するように配置され、
それにより、前記体ばねアセンブリ(12)が前記機械的ばねアセンブリ(16)と連続的に圧縮されている間、前記第1のコイルばね(50)が前記第2のコイルばね(52)と並行して圧縮される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アイソレータ装置、及びシステムを衝撃と振動から絶縁する方法に関する。より具体的には、本開示は、液体ばねアセンブリ及び機械的ばねアセンブリの両方を含むアイソレータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震、交通振動、又はさらに足音に起因する振動の効果を滅するために、振動絶縁を用いて、対象のシステムを環境から絶縁することができる。代替的に、対象のシステムによって発生した振動及び音から対象のシステムの環境を絶縁するために振動絶縁が用いられ得る。衝撃は、振動とは対照的に、典型的には過渡現象であるとみなされ、鋭い動き、又はパルスを表す。衝撃絶縁は、環境から伝わった振動からシステムを保護するために使用される。
【0003】
様々な絶縁システムが存在するが、その多くは、単純なパッド又は取付台を含む場合があり、このような単純なパッド又は取付台は、テーブル又はさらに小型エンジンを隔絶するのに適した、振動を弱めたり又は鈍くしたりするエラストマー又は他の物質が組み込まれる。より大型の絶縁システムが必要とされている場合、絶縁システムは、より大型でより複雑な機械的アイソレータ(ばね取付台、空気圧取付台、吊り下げ取付台、及び/又はケーブル(ワイヤロープ)アイソレータ)を含む)を含み得る。
【0004】
より強力な衝撃絶縁が必要とされている場合、金属製コイルばねが組み込まれたアイソレータは、コイルのサイズを大きくすることによって強化することができる。残念なことに、一部のシステムの物理的制約により、システムが収容し得る衝撃アイソレータのサイズに制限がかかる場合がある。必要とされているのは、小さな設置面積を維持しながらも、強化された絶縁能力を実現する振動及び衝撃アイソレータである。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ロードを衝撃及び振動から絶縁するのに有用な衝撃及び振動アイソレータを提供する。
【0006】
本開示は、液体ばねアセンブリ及び機械的ばねアセンブリを含む衝撃及び振動アイソレータを提供し得る。液体ばねアセンブリ及び機械的ばねアセンブリは、直列に配置される。機械的ばねアセンブリは、第1のばね及び第2のばねを含み、第1のばね及び第2のばねは、機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力が、第1のばねを直接圧縮すると同時に、中間アクチュエータを介して、第2のばねを間接的に圧縮し、第1のばね及び第2のばねが並行して圧縮されるように配置される。
【0007】
本開示は、緩衝器を提供し得る。緩衝器は、円筒ハウジング、円筒ハウジングの第1の端部に配置された液体ばねアセンブリであって、液体で充填されたボア、及びボア内に摺動可能に取り付けられたピストンを含む、液体ばねアセンブリ、並びに円筒ハウジングの第2の端部において液体ばねアセンブリと直列に配置された機械的ばねアセンブリを含む。機械的ばねアセンブリは、第1のコイルばね、及び円筒ハウジングの内部で連続的に且つ整列するように配置された第2のコイルばねを含み、液体ばねアセンブリによって機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力により、結果的に第1のコイルばねが第1のコイルばねに直接作用して、第1のコイルばねが、円筒ハウジングに固定された軸受ブロックに対して圧縮され、液体ばねアセンブリが、同時に、第2のコイルばねを円筒ハウジングの第2の端部に対して圧縮する中間アクチュエータを介して、第2のコイルばねに対して間接的に作用し、ひいては、圧縮力が、並行して第1のコイルばね及び第2のコイルばねに加えられるように構成されている。
【0008】
本開示は、ロードを振動及び衝撃から絶縁する方法を提供し得る。当該方法は、1つ又は複数のアイソレータをロードに連結することと、ロードの重量が、1つ又は複数のアイソレータによって支持されるように、1つ又は複数のアイソレータをロード環境に連結することを含む。各アイソレータは、液体ばねアセンブリ及び機械的ばねアセンブリを含み、液体ばねアセンブリは、環境からアイソレータに伝達された衝撃が、連続的に液体ばねアセンブリと機械的ばねアセンブリとに作用するように、アイソレータの第1の端部に配置され、液体で充填されたボア、及びボア内に摺動可能に取り付けられたピストンを含む。機械的ばねアセンブリは、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを含み、第1のコイルばね及び第2のコイルばねは、機械的ばねアセンブリに対する液体ばねアセンブリの移動が、液体ばねアセンブリと軸受ブロックとの間の第1のコイルばねを直接圧縮すると同時に、中間アクチュエータとアイソレータの第2の端部との間の第2のコイルばねを間接的に圧縮するように配置される。結果として、液体ばねアセンブリが機械的ばねアセンブリと連続的に圧縮され、第1のコイルばねが第2のコイルばねと並行して圧縮される。
【0009】
開示されたアイソレータ及び方法の開示された特徴、機能、及び利点は、本開示の様々な実施形態で独立して実現可能であるか、又はさらに別の実施形態に組み合わせることが可能であり、そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示に係る、衝撃及び振動アイソレータの例示的な実施例を示す。
図2図1の衝撃及び振動アイソレータの断面図である。
図3】本開示に係る衝撃及び振動アイソレータを使用して、例示的なロードを衝撃及び振動から絶縁することを半概略的に示す。
図4】本開示に係る、アイソレータのための液体ばねアセンブリの断面図である。
図5】圧縮前の、本開示に係るアイソレータのための機械的ばねアセンブリの断面図である。
図6】圧縮中の、図5の機械的ばねアセンブリの断面図である。
図7】本開示に係る、ロードを振動及び衝撃から絶縁する例示的な方法を示すフロー図を提供する。
図8】本開示に係る衝撃及び振動アイソレータを使用して、例示的なロードを衝撃及び振動から絶縁することを半概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、別途明記されない限り、以下の定義が適用される。
【0012】
「実質的に(substantially)」とは、この用語によって修飾された特定の寸法、範囲、形状、概念、又はその他の態様に主に適合しており、その意図された目的又は機能に適している限り、特徴又は構成要素が厳密に適合する必要がないことを意味する。例えば、「実質的に円筒形の」物体とは、当該物体が円筒形に類似しているが、真の円筒形から1つ又は複数の偏差があり得ることを意味している。
【0013】
「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」(並びにこれらの活用形)は、交換可能に使用されて含むことを意味しているが、必ずしもこれに限定されず、追加の、列挙されていない要素又は方法ステップを除外することを意図しないオープンエンド形式の用語である。
【0014】
例えば、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」のような用語は、特定の文脈で導入されるように、ある群の様々な部材等を区別又は特定するために使用され、順序的若しくは数値的な制限を示したり、又は群の部材の固定的識別子であったりすることが意図されているわけではない。
【0015】
「連結された(coupled)」とは、一方の性能が他方の性能に影響を与えるような関係性にあることを意味しており、介在構成要素を通して、直接的又は間接的であろうと、恒久的に又は解放可能に接続されていることを含んでもよく、必ずしも物理的な1又は複数の接続に限定されるわけではない。
【0016】
「圧縮力(compressive force)」とは、本開示のアイソレータによって吸収される力のことを意味する。圧縮力には、振動的衝撃、地震衝撃、衝撃派等が含まれるが、これらに限定されず、このような圧縮力は、周期的又は非周期的であり得る。
【0017】
衝撃及び振動アイソレータ、衝撃アイソレータ、及びこれらの使用の方法は、以下で説明され、関連する図面に例示されている。別途特定されていない限り、開示された装置及び/又はその様々な構成要素は、本明細書で説明され、例示され、且つ/又は組み込まれた構造、構成要素、機能性、及び/又は変形例のうちの1つ又は複数を含むが、これらを含むことが必要なわけではない。さらに、特に除外されていない限り、本教示に関連して本明細書で説明され、例示され、且つ/又は組み込まれた方法ステップ、構造、構成要素、機能性、及び/又は変形例は、他の類似のデバイス及び方法に含まれてもよく、これには、開示された実施形態間で交換可能であることが含まれる。様々な実施例の下記の説明は、本質的に例示に過ぎず、決して本開示、その用途、又は使用を限定することを意図するものではない。さらに、以下で説明される実施例及び実施形態によってもたらされる利点は、本質的に例示的であり、すべての実施例及び実施形態が、必ずしも同じ利点又は同程度の利点をもたらすわけではない。
【0018】
図1及び図2は、例示的な衝撃及び振動アイソレータ5を示す。アイソレータ5は、アイソレータハウジング10の第1の端部14に配置された液体ばねアセンブリ12と、アイソレータハウジング10の第2の端部18に配置された機械的ばねアセンブリ16とを少なくとも部分的に囲むアイソレータハウジング10を含む。液体ばねアセンブリ12及び機械的ばねアセンブリ16は、2つのばねアセンブリがハウジング10の内部で直列であるように配置される。つまり、液体ばねアセンブリ12及び機械的ばねアセンブリ16は、端と端が並ぶように配置され、それにより、アイソレータ5に加えられた圧縮力は、圧縮力の程度が変わることなく、各ばねアセンブリに加えられる。
【0019】
図3に概略的に示されているように、アイソレータ5は、典型的に、アイソレータ5の第1の端部14をロード20に連結できるように構成されており、ロードは、典型的に対象のシステムを含む。アイソレータ5の第2の端部18は、典型的に、ロード20の環境22に連結されるように構成されている。衝撃及び振動絶縁から利益を得ることができる対象のシステムには、車両サスペンションシステム及び高感度機器が含まれる。建物又は他の設備全体が衝撃及び振動絶縁を利用して、免震及び/又は地震保護をもたらすことができる。様々な軍事及び/又は航空宇宙用途は、車両サスペンションシステムを含むが、さらに武器モジュール又はシステムを含む衝撃及び振動絶縁のために存在する。ロード20は、限定することなく、あらゆる組み合わせで、1つ又は複数のビークル、建物、機器、又は武器システムを含み得る。
【0020】
使用中、1つ又は複数のアイソレータ5をロード20とロード環境22との間に配置することができ、それにより、ロード20が、ロード環境からの衝撃及び振動から絶縁又は保護される。このロード環境からの衝撃及び振動は、他の場合では、ロード20に影響を与えたり、又はさらにロード20を損傷したりする可能性がある。1つ又は複数のアイソレータ5をロード20とロード環境22との間に配置することにより、ロード環境22に由来する振動と衝撃が1つ又は複数のアイソレータによって吸収且つ/又は弱体化され、結果的に、ロード20は、振動若しくは衝撃に晒されず、又は少なくとも減弱した(弱体化した)振動又は衝撃に晒される。
【0021】
到来する衝撃又は振動は、アイソレータ5に加えられた圧縮力24として現れる。圧縮力24は、ロード20の外部、すなわちロード環境22の基準フレームから発生し得るが、圧縮力24は、周囲のロード環境22に対するロード20の運動に対応すると見なしてもよい。アイソレータ5の観点から見ると、圧縮力24は、ロード20がアイソレータ5に連結されたアイソレータ5の第1の端部14に加えられる。
【0022】
アイソレータ5は、ロード環境22に対するロード20の相対的運動を弱体化又は吸収するように構成されている。アイソレータ5は、長手方向軸26を有するように構成され得る。典型的に、アイソレータハウジング10の第1の端部14及び第2の端部18は、長手方向軸26に沿って、長手方向軸26の端に配置される。使用中、アイソレータ5は、長手方向軸26が圧縮ベクトル28と実質的に整列するように配向され得る。圧縮ベクトル28は、ロード20によって、圧縮力をアイソレータ5に加えることができるベクトルに沿ったベクトルであると定義される。アイソレータ5の長手方向軸26は、圧縮ベクトル28と実質的に一致し得るが、そうである必要もない。
【0023】
液体ばねアセンブリ12は、図4の断面図に示されているように、適切な液圧式の緩衝壷、又は緩衝器30を含む。典型的に、液体ばねアセンブリ12は、可動部分と粘性流体との間の粘性摩擦により、印加圧縮力に反応する運動に抵抗する緩衝壷又は緩衝器を含む。
【0024】
液体ばねアセンブリ12の緩衝器30は、液体で充填されたボア32、及び液体で充填されたボア32内に摺動可能に配置されたピストン34を含み得る。ピストンシャフト35を介して液体ばねアセンブリ12に加えられた圧縮力は、ピストン34を、ピストン並進軸36に沿って、第1の端部14から離すように(すなわち、内側に)付勢し、ピストン34の運動は、ボア32を充填する粘性流体38によって抵抗を受ける。図4に示すように、アイソレータ5の第2の端部18から圧縮力が緩衝器30に加えられると、ピストンシャフト35はピストン34を付勢するように構成されている。典型的に、第2の端部18から圧縮力が加えられるとき、アイソレータ5の長さに沿って延びる接続部を介して、ロード20が液体ばねアセンブリ12に連結される。代替的に、アイソレータ5の第1の端部14に向けて外側に拡大するピストンシャフト35´が、ピストン34に連結されてもよく、第1の端部14から圧縮力が液体ばねアセンブリ12に加えられ得る。
【0025】
ピストン34は、ボア32を第1の液体充填区画40及び第2の液体充填区画42に分割することができ、緩衝器30は、圧縮力がピストン34をピストン並進軸36に沿って内側に付勢するとき、ピストンの運動が第2の区画42を充填する粘性流体38を圧縮し、結果的にピストン34の運動が弱体化する(運動に対して抵抗が生じる)ように構成されている。
【0026】
代替的に、又は追加的に、ピストン34には、1つ又は複数の開孔44が組み込まれてもよく、ピストン34の内側に向かう運動が、第2の区画42からの粘性流体38を、開孔44を介して第1の区画40に押し出し、ピストン34の運動を弱体化させるように構成される。
【0027】
液体ばねアセンブリ12の粘性流体38は、粘度及び安定性を考えて選択してもよく、1つ又は複数の天然油、鉱油、及び/又はシリコーン油を含み得る。流体38は、任意選択的に、流体38に所望の特性を付与するように意図された1つ又は複数の添加物を含み得る。他の特性の中でも、とりわけ、流体の作動温度範囲の拡大、流体の作動温度範囲の縮小、腐蝕への抵抗、及び酸化への抵抗を実現するため、流体38に耐火性を付与するように1つ又は複数の添加物が加えられ得る。
【0028】
開示されたアイソレータの精神及び範囲から逸脱しない限り、本明細書で開示されたピストン及び液体で充填されたボア以外の、様々な代替的な緩衝壷設計及び液圧式ばね設計も液体ばねアセンブリ12において使用してもよい。
【0029】
機械的ばねアセンブリ16は、単一のばねであるとみなした場合、液体ばねアセンブリ12と直列に連結される。つまり、圧縮力が液体ばねアセンブリ12に加えられると、その圧縮力は機械的ばねアセンブリ16にも加えられる。しかしながら、機械的ばねアセンブリ16は、2つ以上の機械的ばねを含んでおり、圧縮力を機械的ばねアセンブリ16に加えると、結果的に、複数の機械的ばねが並行して圧縮される。
【0030】
このアイソレータ5の構成の有利な性質を例示するために、第1に、ばね定数kを有する液体ばねアセンブリ、ばね定数kを有する第1の機械的ばね、ばね定数kを有する第2の機械的ばねを有する液体-機械的アイソレータを検証する。アイソレータは、液体ばねアセンブリと機械的ばねアセンブリが、直列に配置され、第1の機械的ばねが第2の機械的ばねと直列に配置されるように構成される。すべての3つのばね素子が直列に配置されたら、アイソレータ全体のばね定数kは、以下の式を用いて計算することができる。
【0031】
例示を目的として、液体ばねアセンブリと各機械的ばねのばね定数が等しくなるように設定することができ、それぞればね定数kを有する。有効なアイソレータばね定数kの解は、以下の結果となる。
【0032】
これとは対照的に、本開示に係る液体-機械的アイソレータは、第1の機械的ばねと第2の機械的ばねが機能的に並列に配置された機械的ばねアセンブリを含むことになるが、全体的な機械的ばねアセンブリは、上述のように、液体ばねアセンブリと直列に配置される。本開示の液体-機械的アイソレータの場合、アイソレータ全体のばね定数kは、以下の式を用いて計算することができる。
ここでもまた、k=k=k=kと設定すると、kの解は、以下の結果をもたらす。
【0033】
したがって、2つの機械的ばねを直列に配置することよりも、並列に配置することにより、結果的なアイソレータの有効ばね定数は、アイソレータ自体の設置面積を拡大せずに倍となる。したがって、本開示のアイソレータは、より大きなアイソレータ設置面積を必要とせずに、重要な且つ/又は壊れやすいロードに対して向上した衝撃絶縁能力をもたらすことができる。
【0034】
図5及び図6の例示的な実施例に示すように、機械的ばねアセンブリ16は、第1の機械的ばね50及び第2の機械的ばね52を含み得る。第1のばね50及び第2のばね52は、機能的且つ効果的に、並列配置されており、圧縮力を機械的ばねアセンブリ16に加えると、第1のばね50を直接圧縮し、中間アクチュエータ54を介して第2のばね52を間接的且つ同時に圧縮することができる。
【0035】
第1のばね50及び第2のばね52は、それぞれ機械的ばねであり得る。機械的ばねアセンブリ16において使用されるように構成され得る任意の機械的ばねは、本開示の目的のための適切なばねであり、第1のばね50と第2のばね52は、同一である必要はなく、さらには同じ種類の機械的ばねである必要もない。典型的に、ばね50及び52は、それぞれ圧縮ばね(例えば、ねじりコイルばね)である。
【0036】
第1のばね50及び第2のばね52が圧縮コイルばねである場合、第1のばね50及び第2のばね52は、それぞれ対応する長手方向軸を画定する。第1のばね50の第1の長手方向軸56が、第2のばね52の第2の長手方向軸58と整列するように第1のばね50及び第2のばね52を配置することができ、第1の長手方向軸56及び第2の長手方向軸58は、同様にそれぞれピストン並進軸36と整列している。アイソレータ5は、第1の長手方向軸56、第2の長手方向軸58、及びピストン並進軸36が、それぞれ他方と一致するように構成され得る。典型的に、第1の長手方向軸56、第2の長手方向軸58、及びピストン並進軸36は、それぞれ互いに一致しており、アイソレータ5の圧縮ベクトル28と一致している。
【0037】
第1のばね50及び第2のばね52は、ばねの剛性を示すばね定数を示し得る。第1のばね50の第1のばね定数と第2のばね52の第2のばね定数は、実質的に同等であり得るが、必ずしもそうである必要はない。第1のばね50と第2のばね52が異なるばね定数を有するという能力のゆえに、アイソレータ5は、第1のばね50及び第2のばね52のうちの1つ又は複数を異なる強度を有するばねと交換することにより、アイソレータ5の能力及び/又は反応プロファイルを調節且つ微調整する有用な能力を提供する。
【0038】
第1のばね50は、液体ばねアセンブリ12とアイソレータハウジング10に固定された固定型軸受ブロック60との間で圧縮されるように構成されている。軸受ブロック60が第1の機械的ばね50によって加えられた力によって動かないように、軸受ブロック60は、アイソレータハウジング10にしっかり固定され得る。例えば、軸受ブロック60は、1つ又は複数の接続点62でアイソレータハウジング10に連結され得る。
【0039】
それと同時に、第1のばね50が直接圧縮されると、機械的ばねアセンブリ16によって加えられた共有圧縮力が、中間アクチュエータ54を介して第2のばね52に間接的に加えられる。中間アクチュエータ54は、第2のばね52をアイソレータハウジング10の第2の端部18における内表面64に対して圧縮する。
【0040】
液体ばねアセンブリ12の圧縮力を第2のばね52に有効に伝達し得る任意の構成の中間アクチュエータ54が、適切な中間アクチュエータとなる。図5及び図6に示すように、中間アクチュエータ54は、アイソレータハウジング10の内部に摺動可能に配置されたアクチュエータシリンダー66を含み得る。アクチュエータシリンダー66の側壁68は、ハウジング10の内部で第1のばね50の少なくとも一部を囲み、中間アクチュエータ54は、図6に示すように、アクチュエータ側壁68が、アイソレータハウジング10の内部で軸受ブロック60を通り過ぎて摺動可能に移動し、第2のばね52を圧縮可能であるように構成される。
【0041】
一例として、図5及び図6に示すように、アクチュエータシリンダー66は、第1のアクチュエータ端部70で液体ばねアセンブリ12の内表面72と接触し、第2のアクチュエータ端部70で第2のばね52の内表面72と接触し得る。アクチュエータシリンダー66のアクチュエータ側壁68は、軸受ブロック60の接続点62に対応し且つ接続点62を収容するように形成された1つ又は複数の長手方向スロット74をさらに画定し得る。このようにして、アクチュエータシリンダー66は、軸受ブロック接続点62が長手方向スロット74に沿って摺動する状態で、第1のばね50を通り過ぎるように移動し得る。
【0042】
この中間アクチュエータ54の構成により、液体ばねアセンブリ12が圧縮ベクトル28に沿って移動することが可能になり、中間アクチュエータ54が第2のばね52に対して付勢され、ひいては、第1のばね50及び第2のばね52が同時に圧縮される。
【0043】
第1のばね50と第2のばね52が機能的に並列に連結されるので、液体ばねアセンブリ12によって機械的ばねアセンブリ16に加えられる圧縮力は、第1のばね50と第2のばね52との間で共有される。つまり、機械的ばねアセンブリ16に加えられる全体的な力は、第1のばね50及び第2のばね52のそれぞれに加えられる圧縮力の和である。第1のばね50と第2のばね52が並列に機能的に連結されていれば、第1のばね50及び2のばね52は、任意の適切な構成で配置されてもよい。
【0044】
アイソレータ5の機械的ばねアセンブリ16は、2つの機械的ばねを含むように示されているが、機械的ばねアセンブリ16は、追加の機械的ばねを含んでもよく、各ばねが中間アクチュエータを有するおかげで、それぞれのばねは並列に機能的に配置され、各ばねは、その中間アクチュエータと軸受ブロック又はアイソレータハウジングの端面のいずれかとの間に圧縮され、各中間アクチュエータは、適切に構成されたスロット又は他の開孔を含み、それにより、中間アクチュエータが、液体ばねアセンブリ12によって同時に付勢され、中間軸受ブロック又は任意の他の中間アクチュエータのいずれかに干渉されることなく、アイソレータ5の内部で同時に移動し得る。
【0045】
好ましくは、アイソレータ5は、任意の到来する衝撃又は振動がアイソレータの圧縮能力を越えない環境において利用することができる。しかしながら、アイソレータ5の圧縮の間、機械的ばねアセンブリの圧縮限界に達する前に、液体ばねアセンブリ12の圧縮限界に達するようにアイソレータ5を構成することが有利であり得る。つまり、液体ばねアセンブリ12より機械的ばねアセンブリ16がより大きな能力を有するようにアイソレータ5を構成することが有利であり得る。言い換えると、ピストン34との機械的相互作用により、又はボア32の第2の区画42内の粘性流体38の圧縮能力限界に達したことにより、液体ばねアセンブリ12の圧縮能力に達した場合、機械的ばねアセンブリが依然として追加の圧縮能力を保持するように、第1のばね50及び第2のばね52を選択することができる。
【0046】
用途
ロード又は対象のシステムを衝撃及び振動から絶縁するときに、本開示の液体-機械的アイソレータは特定の有用性をもち得る。様々なシステムが衝撃及び振動の絶縁から利益を得ることができ、本明細書で使用されているように、ロード20は、任意の組み合わせで、1つ又は複数の装置、設備、機器、武器システム、又は他の装備品を含み得るが、これらに限定されない。
【0047】
図7のフロー図80は、ロードを振動及び衝撃から絶縁する方法を説明するフロー図を提供する。当該方法は、フロー図80のステップ82では、1つ又は複数のアイソレータをロードに連結することと、フロー図80のステップ84では、ロードの重量が、1つ又は複数のアイソレータによって支持されるように、1つ又は複数のアイソレータをロード環境に連結することを含む。
【0048】
使用中、ロード20は、典型的に、アイソレータ5の第1の端部14に直接的に又は間接的に連結されるが、第2の端部18は、アイソレータ5の環境22に直接的又は間接的に連結され、アイソレータ5は、ロード環境22に対するロード20の相対的運動を弱体化又は吸収するように構成され得る。
【0049】
例示的な設置形態では、図3に概略的に示されているように、各アイソレータ5は、第1の端部14を最上部に、第2の端部18を最下部にして、アイソレータ5の長手方向軸26が実質的に鉛直であるように配向され得る。この構成では、各アイソレータ5の表面液体ばねアセンブリ12は第1の端部14に配向され、1つ又は複数のアイソレータ5をロード20に連結することは、ロード20を流体ばねアセンブリ12の上に置くことを含み得る。このようにして、1つ又は複数のアイソレータ5は、自動車に搭載された緩衝器と実質的に同様に機能することができる。
【0050】
代替的な及び例示的な設置形態では、図8に概略的に示されているように、アイソレータ5の長手方向軸26が実質的に鉛直であるように各アイソレータ5を配向することができるが、この設置形態では、第2の端部18が最上部に配置され、第1の端部14が最下部に配置される。この構成では、各アイソレータ5の液体ばねアセンブリ12は、アイソレータ5の下端部に配向され、1つ又は複数のアイソレータ5をロード20に連結することは、ローディングケーブル76を各液体ばねアセンブリに連結し、各ローディングケーブル76を、アイソレータ5の長手方向軸26に沿って、各アイソレータ5の内部を通して上方に延ばし、関連付けられた滑車78に掛けることを含み得る。各ローディングケーブルは、次いで、吊り下げられたロード20に連結され得る。このようにして、ロード環境22に対するロード20の相対的運動は、ローディングケーブル76によって上方に加えられる圧縮力として発せられ、この圧縮力は、液体ばねアセンブリ12を介して、アイソレータ5に加えられる。
【0051】
実施例、構成要素、及び代替例
以下の番号付きの段落は、開示された衝撃及び振動アイソレータの選択された態様、及びロードを振動及び衝撃から絶縁する方法を説明する。これらのセクションの実施例は、例示を目的としており、本開示の範囲全体を限定するものと解釈するべきではない。各セクションは、1つ若しくは複数の個々の実施形態若しくは実施例、並びに/又は、文脈上の又は関連する情報、機能、及び/若しくは構造を含み得る。
【0052】
A1
衝撃及び振動アイソレータであって、液体ばねアセンブリ、及び機械的ばねアセンブリを備え、前記液体ばねアセンブリ及び前記機械的ばねアセンブリが、直列に配置され、前記機械的ばねアセンブリが、第1のばね及び第2のばねを含み、前記第1のばね及び前記第2のばねは、前記機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力が、前記第1のばねを直接圧縮すると同時に、中間アクチュエータを介して、前記第2のばねを間接的に圧縮し、前記第1のばね及び前記第2のばねが並行して圧縮されるように配置される、衝撃及び振動アイソレータ。
【0053】
A2
前記第1のばねのばね定数と前記第2のばねのばね定数とが実質的に等しい、段落A1に記載のアイソレータ。
【0054】
A3
前記機械的ばねアセンブリの前記第1のばね及び前記第2のばねの各々が、長手方向軸を有する圧縮コイルばねであり、前記第1のばね及び前記第2のばねは、前記第1のばねの長手方向軸と前記第2のばねの長手方向軸が一致するように配置される、段落A1に記載のアイソレータ。
【0055】
A4
前記液体ばねアセンブリが、液体で充填されたボア、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストンを含み、前記ピストンが、前記ボアを第1の区画と第2の区画とに分割し、前記液体ばねアセンブリの圧縮が、前記ピストンを前記ボア内に動かし、前記ボアの前記第2の区画内の流体を圧縮する、段落A1に記載のアイソレータ。
【0056】
A5
前記アイソレータに加えられる前記圧縮力が、単一の圧縮ベクトルに沿って加えられ、前記第1のばね及び前記第2のばねの各々は、圧縮コイルバネであり、前記アイソレータは、前記液体ばねアセンブリの前記ピストンと、前記第1のばね及び前記第2のばねのそれぞれのコイルとが、前記単一の圧縮ベクトルと整列するように構成されている、段落A4に記載のアイソレータ。
【0057】
A6
前記アイソレータは、前記アイソレータの圧縮の間、前記機械的ばねアセンブリの圧縮限界に達する前に、前記液体ばねアセンブリの圧縮限界に達するように構成されている、段落A4に記載のアイソレータ。
【0058】
A7
前記アイソレータは長手方向軸を有し、前記アイソレータは、前記長手方向軸が実質的に鉛直となり、前記液体ばねアセンブリが前記アイソレータの下端に配置され、前記アイソレータに加えられる前記圧縮力が前記液体ばねアセンブリに対して上方に加えられるように配向される、段落A1に記載のアイソレータ。
【0059】
A8
前記液体ばねアセンブリに連結されたローディングケーブルによって、前記圧縮力が前記液体ばねアセンブリに対して上方に加えられ、前記ローディングケーブルが、前記アイソレータの長手方向軸に沿って、前記アイソレータの内部で且つ前記アイソレータを通って延在する、段落A7に記載のアイソレータ。
【0060】
A9
アイソレータハウジングをさらに備え、前記液体ばねアセンブリが、前記第1のばねを前記アイソレータハウジングに固定された軸受ブロックに対して直接圧縮するように構成されている、段落A1に記載のアイソレータ。
【0061】
A10
前記液体ばねアセンブリは、中間アクチュエータを前記第2のばねに対して付勢して、前記第2のばねを前記アイソレータハウジングの内表面に対して圧縮することにより、前記第2のばねを間接的に圧縮するように構成されている、段落A9に記載のアイソレータ。
【0062】
A11
前記中間アクチュエータは、シリンダーであって、前記アイソレータの内部に摺動可能に配置され、前記第1のばねの少なくとも一部を囲み、前記第2のばねを圧縮するように、前記軸受ブロックを通り過ぎて摺動可能に移動するように構成されたシリンダーを含む、段落A10に記載のアイソレータ。
【0063】
A12
前記軸受ブロックが、1つ又は複数の点において前記アイソレータハウジングに連結され、前記中間アクチュエータシリンダーが、前記シリンダーの長さに沿って1つ又は複数のスロットを画定し、前記軸受ブロックの取り付け点を収容することにより、前記シリンダーが前記軸受ブロックを通り過ぎて摺動可能に移動することが可能である、段落A11に記載のアイソレータ。
【0064】
B1
緩衝器であって、円筒ハウジング、前記円筒ハウジングの第1の端部に配置された液体ばねアセンブリであって、液体で充填されたボア、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストンを含む、液体ばねアセンブリ、並びに前記円筒ハウジングの第2の端部において前記液体ばねアセンブリと直列に配置された機械的ばねアセンブリを備え、前記機械的ばねアセンブリは、第1のコイルばね、及び前記円筒ハウジングの内部で連続的に且つ整列するように配置された第2のコイルばねを含み、前記液体ばねアセンブリによって前記機械的ばねアセンブリに加えられた圧縮力により、結果的に前記第1のコイルばねが前記第1のコイルばねに直接作用して、前記第1のコイルばねが、前記円筒ハウジングに固定された軸受ブロックに対して圧縮され、前記液体ばねアセンブリが、同時に、前記第2のコイルばねを前記円筒ハウジングの前記第2の端部に対して圧縮する中間アクチュエータを介して、前記第2のコイルばねに対して間接的に作用し、ひいては、前記圧縮力が、並行して前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねに加えられるように構成されている、緩衝器。
【0065】
B2
前記軸受ブロックが、前記円筒ハウジングに連結され、前記中間アクチュエータが、前記円筒ハウジングの内部で同心円状に取り付けられた摺動シリンダーを含み、前記摺動シリンダーが、前記軸受ブロックに沿って摺動可能に移動し、前記第2のコイルばねを圧縮するように構成されている、段落B1に記載の緩衝器。
【0066】
B3
前記緩衝器が、前記円筒ハウジングの前記第1の端部が、前記緩衝器の最下端部に配置されように、垂直に吊り下げられるように構成され、前記緩衝器の前記最下端部で前記液体ばねアセンブリに連結され且つ前記緩衝器を通って上方に延在するローディングケーブルをさらに備えている、段落B1に記載の緩衝器。
【0067】
B4
前記ローディングケーブルが、第1のコイルばね、第2のコイルばね、中間アクチュエータ、及び円筒ハウジングの長手方向軸に沿って延在する、段落B3に記載の緩衝器。
【0068】
C1
ロードを振動及び衝撃から絶縁する方法であって、1つ又は複数のアイソレータを前記ロードに連結することと、前記ロードの重量が、前記1つ又は複数のアイソレータによって支持されるように、前記1つ又は複数のアイソレータをロード環境に連結することを含み、各アイソレータが、液体ばねアセンブリ及び機械的ばねアセンブリを含み、前記液体ばねアセンブリは、前記環境から前記アイソレータに伝達された衝撃が、連続的に前記液体ばねアセンブリと前記機械的ばねアセンブリとに作用するように、前記アイソレータの第1の端部に配置され、液体で充填されたボア、及び前記ボア内に摺動可能に取り付けられたピストンを含み、前記機械的ばねアセンブリは、第1のコイルばね及び第2のコイルばねを含み、前記第1のコイルばね及び前記第2のコイルばねは、前記機械的ばねアセンブリに対する前記液体ばねアセンブリの移動が、前記液体ばねアセンブリと軸受ブロックとの間の前記第1のコイルばねを直接圧縮すると同時に、中間アクチュエータと前記アイソレータの第2の端部との間の第2のコイルばねを間接的に圧縮するように配置され、それにより、前記液体ばねアセンブリが前記機械的ばねアセンブリと連続的に圧縮されている間、前記第1のコイルばねが前記第2のコイルばねと並行して圧縮される、方法。
【0069】
C2
前記1つ又は複数のアイソレータを前記ロード環境に連結することは、前記液体ばねアセンブリが前記機械的ばねアセンブリの下方に配置されるように、前記1つ又は複数のアイソレータを固体表面に取り付けることを含み、前記1つ又は複数のアイソレータを前記ロードに連結することは、前記ロードを1つ又は複数のローディングから吊り下げることを含み、前記1つ又は複数のローディングケーブルは、上方に且つそれぞれの滑車部材を越えて延在し、次いで、各アイソレータの中心を通して下方に延在し、そのアイソレータの前記液体ばねアセンブリに取り付けられる、段落C1に記載の方法。
【0070】
C3
前記1つ又は複数のアイソレータを前記ロード環境に連結することが、各アイソレータの前記液体ばねアセンブリが最上部になるように、各アイソレータを固体表面上で実質的に垂直に配置することを含み、前記1つ又は複数のアイソレータを前記ロードに連結することが、前記ロードを前記1つ又は複数の流体ばねアセンブリの上に置くことを含む、段落C1に記載の方法。
【0071】
C4
1つ又は複数のアイソレータを前記ロードに連結することが、1つ又は複数のアイソレータを、ビークル、建物、機器、武器システムのうちの1つ又は複数を含む対象のシステムに連結することを含む、段落C1に記載の方法。
【0072】
利点、特徴、恩恵
本明細書に記載された衝撃及び振動アイソレータの種々の実施形態及び実施例、並びにこれらの使用の方法は、以前のアイソレータ設計を取り入れたものに比べて幾つかの利点をもたらす。
【0073】
上述のように、機械的ばねアセンブリの2つの機械的ばねを直列に配置するのではなく、並列に配置することにより、アイソレータ自体の設置面積を拡大することなく、結果的なアイソレータのバネ定数を実質的に増加させることができる。したがって、本開示のアイソレータは、高感度又はクリティカルなシステムを保護するために衝撃及び振動の絶縁の強化をもたらすことが可能なだけではなく、より大型のアイソレータを必要とせずにかようなシステムの保護を強化することが可能であり、これは、空間が極めて重要である既存のシステムを修復又は改造するときに特に有利である。
【0074】
結論
上述の開示は、個別の有用性を備えた複数の個々の例を包括し得る。これらの各々の開示は、好ましい形態(複数可)で開示されているが、本明細書で開示且つ例示されたそれらの特定の実施形態は、数多くの変形例が可能であることから、限定的な意味で捉えるべきではない。本開示内で使用されている限り、項の見出しは構成上の目的のものに過ぎない。本開示の主題は、本明細書に開示された様々な要素、特徴、機能、及び/又は特性の、すべての新規且つ非自明のコンビネーション及びサブコンビネーションを含む。下記の特許請求の範囲は、新規且つ非自明と見なされた特定のコンビネーション及びサブコンビネーションを特に指し示す。特徴、機能、要素、及び/又は特性のその他のコンビネーション及びサブコンビネーションは、本出願又は関連出願からの優先権を主張する出願において特許請求され得る。かかる特許請求の範囲は、出願当初の特許請求の範囲よりも広いか、狭いか、等しいか、又はそれと異なるかに関わらず、さらに本開示の主題の中に含まれると見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8