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特許7604116電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241216BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241216BHJP
   G03B 17/20 20210101ALI20241216BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241216BHJP
【FI】
H04N23/63 110
H04N23/63 300
H04N23/63 310
H04N23/63 330
G03B17/18
G03B17/20
G03B17/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020091338
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021190739
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下里 二郎
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/031657(WO,A1)
【文献】特開2005-167701(JP,A)
【文献】特開2008-294972(JP,A)
【文献】特開2017-038246(JP,A)
【文献】特開2004-363954(JP,A)
【文献】特開2008-244789(JP,A)
【文献】特開2004-023538(JP,A)
【文献】特開2016-127498(JP,A)
【文献】特開2010-041598(JP,A)
【文献】特開2001-005087(JP,A)
【文献】特開2007-178735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G03B 17/18
G03B 17/20
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼を検知する検知手段と、
測距処理を行うことを含む撮影準備指示が可能な指示手段と、
前記指示手段による前記撮影準備指示を受け付けていないことを含む、第1の状態の場合には、撮像手段が撮像している撮像画像を表示手段に表示するものの、撮影に関する設定情報を示す第1のアイテムと、測距情報を示す第2のアイテムとを前記表示手段に表示せず、
前記指示手段による前記撮影準備指示を受け付けたことに応じて、前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムと、測距処理に応じた位置に前記第2のアイテムとを前記表示手段に表示し、
前記第1の状態において、前記検知手段が接眼を新たに検知することに応じて、前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムのうちの前記撮像手段の焦点距離を示すアイテムを前記表示手段に表示するように制御する制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記指示手段による前記撮影準備指示を受け付けてから、前記測距処理が完了したことに応じて、前記第1のアイテムと、前記第2のアイテムとを前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記撮影準備指示の受け付けの有無に関わらずに、前記電子機器の状態を示す第3のアイテムを前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第3のアイテムは、前記電子機器のバッテリーの残量を示す
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検知手段が接眼を検知していない場合には、前記表示手段を非表示にするように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記指示手段は、さらに、前記撮像画像における被写体の拡大倍率を変更する指示が可能であり、
前記制御手段は、前記拡大倍率を変更する指示を受け付けると、前記焦点距離を示すアイテムを前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記焦点距離を示すアイテムが表示されてから所定時間経過すると、当該焦点距離を示すアイテムを非表示にするように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1のアイテムが示す撮影に関する設定情報は、前記撮像手段が撮影可能な静止画の枚数の情報を含む
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1のアイテムが示す撮影に関する設定情報は、露出補正の設定値の情報を含む
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第2のアイテムは、測距エリアを示す
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御手段は、前記電子機器の異常を検知すると、ユーザへの警告を示すアイテムを前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記指示手段は、さらに、前記電子機器の電源のオンとオフを切り替える指示が可能であり、
前記制御手段は、前記電子機器の異常を検知すると、前記電源をオフにする指示以外の指示を無効にする
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
2段階の押下が可能な操作部材を有し、
前記撮影準備指示は、前記操作部材に対する1段階目の押下に対応する指示であり、
前記撮像手段は、前記操作部材に対する2段階目の押下がされると、撮影を行う
ことを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
ファインダー内に設けられた表示手段と、
被写体を撮像する撮像手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至1のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項15】
接眼を検知する検知工程と、
測距処理を行うことを含む撮影準備指示が可能な指示工程と、
前記指示工程において前記撮影準備指示を受け付けていないことを含む、第1の状態の場合には、撮像手段が撮像している撮像画像を表示手段に表示するものの、撮影に関する設定情報を示す第1のアイテムと、測距情報を示す第2のアイテムとを前記表示手段に表示しないように制御する第1の制御工程と、
前記指示工程において前記撮影準備指示を受け付けたことに応じて、前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムと、測距処理に応じた位置に前記第2のアイテムとを表示手段に表示するように制御する第2の制御工程と、
前記第1の状態において、前記検知工程において接眼を新たに検知することに応じて、
前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムのうちの前記撮像手段の焦点距離を示すアイテムを前記表示手段に表示するように制御する第3の制御工程と
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至1のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1乃至1のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特にライブビュー画像と共に情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ライブビュー画像において、撮像時におけるピントの位置を示す表示や、撮影に関する情報を表示する電子機器がある。特許文献1には、ユーザがライブビュー画像の表示されているファインダーを接眼している状態で、タッチ操作によりAF枠を移動可能であり、撮影指示がされると移動されたAF枠に基づいて合焦処理を行うことが開示されている。特許文献2では、撮影前に撮影に関する設定を表示し、ユーザが表示された設定値を見ながら撮影の設定を変更可能であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-036802号公報
【文献】特開2019-071507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2では、ユーザが撮影をするためではなく、被写体をみるためにライブビュー画像を見ている場合に、ライブビュー画像に重畳して表示する表示物が視認性を低下させる可能性がある。一方、AF枠や撮影に関する情報を表示しないと、ユーザがどこに合焦をしたのか、撮影に関する設定がどのようなものなのか分からないまま撮影を行わなくてはならず、操作性が低下する。
【0005】
そこで、本発明は、撮影の際の操作性とライブビュー画像の視認性とを両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、
接眼を検知する検知手段と、
測距処理を行うことを含む撮影準備指示が可能な指示手段と、
前記指示手段による前記撮影準備指示を受け付けていないことを含む、第1の状態の場合には、撮像手段が撮像している撮像画像を表示手段に表示するものの、撮影に関する設定情報を示す第1のアイテムと、測距情報を示す第2のアイテムとを前記表示手段に表示せず、
前記指示手段による前記撮影準備指示を受け付けたことに応じて、前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムと、測距処理に応じた位置に前記第2のアイテムとを前記表示手段に表示し、
前記第1の状態において、前記検知手段が接眼を新たに検知することに応じて、前記撮像画像とともに、前記第1のアイテムのうちの前記撮像手段の焦点距離を示すアイテムを前記表示手段に表示するように制御する制御手段と
を有することを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影の際の操作性とライブビュー画像の視認性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る電子機器の外観図である。
図2】実施形態に係る電子機器の構成図である。
図3】実施形態に係る表示制御処理のフローチャートである。
図4】実施形態に係る撮影待機表示およびエラー警告を示す図である。
図5】実施形態に係るズームを説明する図である。
図6】実施形態に係る撮影準備完了の表示を示す図である。
図7】実施形態に係るプレレック表示および動画記録表示を示す図である。
図8】実施形態に係るアイテムの表示/非表示を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<実施形態>
[電子機器の構成]
まず、図1(a)~図1(d)、図2を参照して、本実施形態に係る電子機器100の構成について説明する。図1(a)~図1(d)は、電子機器100の外観図を示す。電子機器100は電子望遠鏡を示している。図1(a)は、電子機器100を上から見た上面図であり、図1(b)は、電子機器100を正面から見た正面図である。図1(c)は、電子機器100を右から見た右側面図であり、図1(d)は、電子機器100を後ろから見た背面図である。電子機器100は電子単眼鏡を例示しているが、本発明は電子双眼鏡にも適用可能である。
【0011】
表示部28は、ファインダー内に設けられており、画像や各種情報を表示する表示部である。本実施形態では、表示部28は、ファインダー内表示部である電子ビューファインダーである。
【0012】
接眼検知部57は、電子機器100(表示部28)への眼(物体)の接近(接眼)および離脱(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。接眼検知部57としては、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、表示部28を内蔵するファインダーへの何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(図示せず)から投光した赤外線が物体で反射して赤外線近接センサーの受光部(図示せず)で受光される。受光された赤外線の量によって、物体がファインダーからどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、表示部28(ファインダー)への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。非接眼状態(非接近状態)から、表示部28に対して所定距離以内に近づく物体が検知された場合に、接眼されたと検知するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検知するものとする。接眼を検知する閾値と、離眼を検知する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検知した後は、離眼を検知するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検知した後は、接眼を検知するまでは非接眼状態であるものとする。なお、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる眼や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0013】
接眼検知部57によって検知された眼の接近状態に応じて、システム制御部50は、表示部28の表示/非表示を切り替える。すなわち、接眼検知部57が接眼を検知している場合には、電子ビューファインダーは、画像や各種情報を表示する。一方、接眼検知部57が接眼を検知していない場合には、電子ビューファインダーは、画像を非表示とする。
【0014】
操作部70は、ユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン等の操作部材を有する。本実施形態では、操作部70は、図1(a)と図1(d)に示すように、シャッターボタン61、動画ボタン65、電源ボタン72、メニューボタン73、ズームボタン74といった操作部材を有する。操作部70が有する各操作部材の詳細については後述する。
【0015】
記録媒体200は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、電子機器100により撮像された画像等を格納する。
【0016】
スロット201は、記録媒体200を格納する。スロット201に格納された記録媒体200は、電子機器100との通信が可能であり、画像の記録や再生が可能である。蓋202は、スロット201の蓋である。図1(c)では、蓋202を開けてスロット201から記録媒体200を取り出した状態を示している。
【0017】
図2は、電子機器100の構成図である。シャッター101は、絞り機能を備えるシャッターである。撮像レンズ103は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。バリア102は、電子機器100の、撮像レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮像レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0018】
撮像部22は、光学像を電気信号(アナログ信号)に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。撮像部22は、システム制御部50に制御されることによって、被写体を撮像(撮影)する。
【0019】
A/D変換器23は、撮像部22から出力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。メモリ制御部15は、A/D変換器23、画像処理部24、メモリ32間のデータの送受信を制御する。A/D変換器23が出力する出力データは、画像処理部24またはメモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。
【0020】
フォーカスレンズ駆動部112は、撮像レンズ103のフォーカスレンズを駆動する。本実施形態において、電子機器100は、コントラスト方式でAF(オートフォーカス)制御を行う。このため、フォーカスレンズ駆動部112は、画像処理部24が画像処理をすることにより得られた撮像光学系の焦点調節情報(コントラスト評価値)に基づいて、被写体にピントが合うようにフォーカスレンズを駆動する。なお、位相差AF方式等のコントラスト方式以外のAF制御や、コントラスト方式と他の方式との組み合わせ等複数の方式を用いたAF制御が行われてもよい。
【0021】
ズームレンズ駆動部113は、ズームボタン74の押下(ズーム操作)に応じて、撮像レンズ103のズームレンズを駆動する。
【0022】
画像処理部24は、画像データに、所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。ここで、画像処理部24が処理を行うデータは、A/D変換器23から出力されるデータ、または、メモリ制御部15から出力されるデータである。また、画像処理部24では撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24は、さらに、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0023】
メモリ32は、A/D変換器23によりデジタル信号に変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ32は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0024】
D/A変換器13は、メモリ32に格納されている表示用の画像データ(デジタル信号)をアナログ信号に変換して表示部28に出力(供給)する。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13から取得したアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデータを表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV)が行える。以下、ライブビュー表示で表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0025】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサまたは回路からなる制御部であり、電子機器100の各機能部を制御する。システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記憶されたプログラムを実行することによって、本実施形態に係る処理を実現する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより、表示部28における表示制御を行う。
【0026】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリである。不揮発性メモリ56には、例えば、EEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56は、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等を記憶する。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0027】
システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0028】
操作部70は、ユーザ操作を受け付ける複数の操作部材を有する。操作部70は、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、動画ボタン65、電源ボタン72、メニューボタン73、ズームボタン74を複数の操作部材として有する。操作部70は、受け付けた操作に応じた指示を、システム制御部50に出力する。
【0029】
モード切替スイッチ60は、電子機器100の動作モードを切り替えるための操作部である。モード切替スイッチ60は、例えば、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60により、ユーザは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、表示された複数のモードのいずれかに、他の操作部材を用いて選択的に切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0030】
シャッターボタン61は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部である。シャッターボタン61は、第1シャッタースイッチ62と第2シャッタースイッチ64を有する。シャッターボタン61は、2段階の押下が可能であり、1段階目の押下で第1シャッタースイッチ62が押下され、2段階目の押下で第2シャッタースイッチ64が押下される。
【0031】
第1シャッタースイッチ62は、電子機器100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。つまり、第1シャッタースイッチ62の押下が、撮影準備指示に対応す
る。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等が開始する。
【0032】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理が開始する。
【0033】
電源ボタン72は、電子機器100の電源オンと電源オフとを切り替えるための押しボタンである。電源ボタン72が押し込まれている状態であれば電子機器100は電源オン状態であり、電源ボタン72が押し込まれていない状態であれば電子機器100は電源オフ状態である。
【0034】
メニューボタン73が押されると、各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面を見ながら各種操作を行うことで各種設定を行うことができる。例えば、メニュー画面が表示されている場合には、シャッターボタン61と動画ボタン65が複数選択項目の左右のカーソル移動のためのボタンとして機能し、ズームボタン74が決定ボタンとして機能することによって、各種設定が可能である。
【0035】
ズームボタン74は、ユーザがズーミングを指示する操作(ズーム操作)をするための操作部材である。ズームボタン74への操作量(押された時間や押した回数)に基づいて、システム制御部50は、ズーム駆動速度や駆動方向を演算して、その演算結果に従ってズームレンズを光軸に沿って移動させる。つまり、ズームボタン74への操作量に応じて、ズームが制御される(焦点距離が変化する)。
【0036】
電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量を検出する。電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等を有する。また、電源制御部80は、検出結果およびシステム制御部50の制御に基づき、DC-DCコンバータを制御することによって、必要な期間に必要な電圧を各機能部(記録媒体200を含む)に供給する。
【0037】
電源部30(バッテリー)は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等である。
【0038】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0039】
通信部54は、無線ケーブルまたは有線ケーブルによって外部と接続して、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は、無線LAN(Local Area Network)やインターネットを介して、外部と接続することができる。通信部54は、撮像部22が撮像した画像(ライブビュー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能である。また、通信部54は、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することが可能である。
【0040】
姿勢検知部55は、重力方向に対する電子機器100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、電子機器100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。
システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、電子機器100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0041】
[表示制御処理]
以下、図3を参照して、本実施形態に係る表示部28の表示制御処理について説明する。図3は、表示制御処理のフローチャートである。電源オンにされることにより電子機器100が起動すると、本フローチャートの処理が開始する。また、図3のフローチャートは、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開して、システム制御部50が実行することで実現する。なお、図3を用いて行う後述の実施形態では、表示するアイテムを図4(a)から図7(b)に示している。図8においては、さらに多くの表示アイテムを、いつ表示するのかについてまとめた表を示している。
【0042】
S301において、システム制御部50は、接眼検知部57を制御して、接眼が新たに検知(検出)されたか否かを判定する。例えば、システム制御部50は、接眼の状態を接眼フラグに記録しておくことによって、接眼が新たに検知されたか否かを判定することができる。具体的には、システム制御部50は、接眼が検知されれば接眼検知を示す接眼フラグをTrueにして、検眼が検知されなければ接眼フラグをFalseにしてメモリ32に記録しておく。そして、システム制御部50は、接眼フラグがFalseの状態において接眼が検知されると、接眼が新たに検知されたと判定できる。新たに接眼が検知された場合にはS304に進み、そうでない場合にはS302に進む。
【0043】
S302において、システム制御部50は、接眼検知部57を制御して、接眼が継続している(維持されている)状態であるか否かを判定する。システム制御部50は、接眼フラグがTrueの状態において接眼が検知されると、接眼が継続している状態であると判定できる。接眼が継続している状態であると判定された場合にはS305に進み、そうでない場合にはS303に進む。
【0044】
S303において、システム制御部50は、表示部28を非表示の状態にする。S304において、システム制御部50は、表示部28を表示の状態にする。これは、上述した、接眼検知による表示部28の表示/非表示の切り替えが行われている。S303およびS304の処理によって、接眼されていない間では表示部28が非表示にされるため、電子機器100の消費電力を低減できる。なお、S303では、システム制御部50は、表示部28を非表示にせずに、S304よりも暗く表示するように表示部28を制御してもよい。また、非接眼であるとS302で判断がされてから、3秒や5秒といった所定時間が経過した後に、S303において表示部28を非表示にしてもいい。
【0045】
S305において、システム制御部50は、撮影待機状態に遷移させて、表示部28に撮影待機表示をする。図4(a)は、表示部28における撮影待機表示を示す。システム制御部50は、電源制御部80を介して電源部30(バッテリー)の残容量(残量)を取得して、残容量を示す表示アイテムであるバッテリーアイテム401を表示する。バッテリーアイテム401は、表示部28が表示状態であれば、電子機器100の状態(例えば、シャッターボタン61の押下の有無)に依らず常に表示される。この処理によって、被写体を観察している場合であっても、ユーザは、電源部30の残容量を常に把握することができる。なお、電源部30の残容量に限らず、例えば、電子機器100の通信状況や現在の時刻が常に表示されてもよい。また、撮影待機状態では、主被写体402に関する情報は何も表示されない。これは、主被写体を示すための表示(例えば、顔を示す枠の表示
)が行われると、ユーザにとって主被写体が見えづらいためである。
【0046】
S306において、システム制御部50は、電子機器100のエラー(異常)を検知したか否かを判定する。エラーとは、正常に電子機器100を使用できない状態のことであり、例えば、レンズのエラーや熱上昇によるエラーがあり得る。エラーを検知したと判定された場合にはS307に進み、そうでない場合にはS308に進む。
【0047】
S307において、システム制御部50は、検知したエラー(異常)の種別を判定して、図4(b)に示すように、エラー警告411(ユーザへの警告表示を示す表示アイテム)を表示部28に表示する。ここでは、システム制御部50は、エラーの発生の事実のみを表示(通知)してもよいし、エラー種別や電源を入れなおす旨のガイドを併記してもよい。また、エラー表示中には、システム制御部50は、電源ボタン72以外のすべての操作部材(ボタン)へのユーザ操作(電源オフの指示以外)を無効にすることによって、異常である状態で電子機器100の操作がされないようにしてもよい。なお、この場合には、エラー表示中に電源ボタン72が押されると、電子機器100の電源がオフになるため、本フローチャート処理は終了する。
【0048】
S308において、システム制御部50は、S301にて接眼を新たに検知したか(S301Yesであったか)否かを判定する。例えば、システム制御部50は、S301において接眼検知があったか否かをフラグとしてメモリ32に記録しておき、S308では、このフラグに応じて接眼を検知していたか否かを判定すればよい。S301にて接眼が新たに検知されたと判定される場合にはS314に進み、そうでない場合にはS309に進む。
【0049】
S309において、システム制御部50は、ズーム操作がされたか否かを判定する。本実施形態では、ズームボタン74が押されることによって、ズーム操作が行われる。本実施形態では、ズームにおける拡大倍率に関わる焦点距離は、非ズーム状態では100mmであり、光学ズーム状態では400mmであり、光学ズームかつ電子ズーム状態では800mmであるとする。この3つの焦点距離(ズーム状態)は、ズームボタン74が押されるたびに順番に切り替えられる(トグルされる)。ズーム操作がされたと判定される場合にはS313に進み、そうでない場合にはS310に進む。
【0050】
S310において、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62の押下操作(SW1操作)がされたか否か(撮影準備指示がされたか否か)を判定する。SW1操作がされたと判定された場合にはS316に進み、そうでない場合にはS311に進む。
【0051】
S311において、システム制御部50は、撮像部22にプレレック設定がされているか否かを判定する。ここで、プレレック設定とは、動画記録(動画撮影)の開始指示がされる前の所定期間(例えば、3秒間や5秒間)において、事前に動画を撮影(記録)しておく設定である。プレレック設定がされていると判定された場合にはS321に進み、そうでない場合にはS312に進む。プレレック設定がされている場合には、常に、所定期間の長さの動画をメモリ32に記録しておき、撮影指示がされた時点でメモリ32に記録されている部分を含めて、動画を記録媒体200に記録していく。
【0052】
S312において、システム制御部50は、動画撮影の指示の操作がされたか否かを判定する。ここで、動画撮影の指示の操作とは、動画ボタン65の押下である。動画撮影の指示の操作がされた場合にはS323に進み、そうでない場合にはS301に戻る。
【0053】
S313において、システム制御部50は、ズームレンズ駆動部113を制御して、ズームレンズを用いたズーム処理(拡大倍率の変更処理)を行う。具体的には、ズーム処理
をする際には、システム制御部50は、ズームレンズの現在のポジションとズーム操作とに基づき、ズームレンズが移動すべきズームポジションを算出する。そして、システム制御部50は、ズームレンズ駆動部113を制御して、算出したズームポジションにズームレンズを移動させる。これによって、撮像系における焦点距離(拡大倍率)が変更される。
【0054】
S314において、システム制御部50は、表示部28に焦点距離の情報を表示する。具体的には、システム制御部50は、現在の焦点距離を示す焦点距離アイテムを、ライブビュー画像(撮像画像)とともに表示する。なお、焦点距離の代わりに、ズームの状態を表す拡大倍率(ズーム倍率)を示すアイテムが表示されてもよい。
【0055】
ここで、ズーム操作が行われた場合の焦点距離アイテムの表示について詳細に説明する。図5(a)は、撮影待機表示での、非ズーム状態である場合(焦点距離100mmの場合)の表示部28の表示例である。この場合には、被写体の観察を妨害しないように焦点距離アイテムは表示されていない。この表示状態で、ズームボタン74が一度押されると、焦点距離400mmまでズームされる。
【0056】
図5(b)は、図5(a)に示す状態からズームボタン74が一度押されて、焦点距離400mmまでズームされた後の表示部28の表示例を示す。図5(b)に表示されている焦点距離アイテム501は、焦点距離である400mmを示している。そして、図5(b)に示す状態から、ズームボタン74が押されると、図5(c)に示すように、電子ズームを含むズームが行われて、焦点距離800mmまでズームが行われる。図5(c)の焦点距離アイテム502には、焦点距離が800mmを示している。再度、ズームボタン74が押されると、図5(d)に示すように、焦点距離が100mmであるような非ズーム状態に変化する。なお、図5(d)では、直前に図5(c)の状態から焦点距離を変更する操作がされたので、同じ焦点距離である図5(a)とは異なり、焦点距離アイテム503が100mmを示すように表示されている。このようにズームするたびに、焦点距離を示す値が更新されて表示されるため、ユーザが焦点距離を変更した際に、現在表示中のライブビュー画像の拡大状態が分かりやすい。
【0057】
S315において、システム制御部50は、焦点距離アイコンを表示してから、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合には、焦点距離アイテムが非表示にされて、S301に戻り、そうでない場合にはS315の処理が繰り返される。つまり、S315にて、所定時間経過すると、焦点距離アイコンが非表示にされる。これによって、焦点距離アイコンが長い間表示されることによってユーザの被写体の観察を妨害してしまう可能性を低減することができる。なお、S315において、システム制御部50は、S301において接眼検知があったか否かを示すフラグをFalseに変更しておくことによって、次回のS308において新たに接眼検知されたか否かを判定できる。なお、所定時間とは、例えば1秒や2秒といった時間である。
【0058】
このように、新たに接眼された場合(S308Yes)とズーム操作がされた(S309Yes)場合には、ライブビュー画像(撮像画像)とともに焦点距離アイテムが表示部28に表示される。このため、ユーザは、焦点距離アイテムを表示させる操作を別途しなくても、観察している被写体の大きさ(拡大倍率)を確認することできる。また、焦点距離の操作後、一定時間で焦点距離アイテムが消えるため、被写体をユーザが観察するのに際して、焦点距離アイテムが視認性を低下させる可能性を低減させることができる。
【0059】
S316において、システム制御部50は、撮影準備処理(撮影準備指示)を行う。撮影準備処理として(撮影準備指示中に行われる処理として)、AF(オートフォーカス、測距処理)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF
(フラッシュプリ発光)処理等の少なくともいずれかが含まれる。なお、後述のS317では、少なくともAF処理(測距処理)を行ったものとして説明を行う。撮影準備処理としては、測光処理も含まれており、撮影準備指示に応じて測距処理を行わずに、測光処理を行ってもよい。測距処理は別の指示手段によって行ってもよい。
【0060】
S317において、システム制御部50は、撮影準備指示後に、表示部28に撮影準備完了の表示を行う。図6は、撮影準備完了時の表示部28の表示例を示す。S316の撮影準備指示の結果、AFを行った位置(測距エリア、合焦位置/エリア)を示すアイテム
であるAF枠604を表示する。これにより、フォーカスを合わせた位置が明示されている。また、撮影準備完了時では、撮影可能枚数(撮影可能な静止画の枚数)を示すアイテム601や焦点距離アイテム602、露出補正の設定値を示すアイテム603なども表示部28に表示される。このように、電子機器100は、撮影準備が完了すると、AF枠と共に静止画撮影の際に有用な設定情報や枠情報を撮影前に表示する。このことにより、ユーザは、所望の撮影条件に設定されているか否かを確認してから、撮影指示をすることができる。
【0061】
S318において、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62の押下(撮影準備指示)が解除された否かを判定する。押下が解除された場合にはS301に戻り、そうでない場合にはS319に進む。S318において撮影準備指示が解除されたと判定した場合には、S317において行った撮影準備完了の表示を停止し、アイテムを非表示にする。AF枠604、アイテム601、焦点距離アイテム602、露出補正の設定値を示すアイテム603を非表示にする。
【0062】
S319において、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64の押下(SW2操作)がされたか否か(撮影指示がされたか否か)を判定する。SW2操作がされたと判定された場合にはS320に進み、そうでない場合にはS317に進む。
【0063】
S320において、システム制御部50は、撮像部22を制御して、静止画の撮影を行う。S320での静止画の撮影が終了したら、S317で表示したアイテムは非表示にする。なお、動作モードによって、システム制御部50は、動画の撮影を開始してもよい。動画撮影の場合には、S320において動画の撮影を開始したら、後述するS324におい説明するアイテムを表示する。
【0064】
S321において、システム制御部50は、プレレック表示を表示部28に行い、撮像部22を制御して動画を撮影する。図7(a)は、プレレック表示中の表示部28の表示例を示す。プレレックを行う際には、測距処理を含む撮影準備完了表示と同様に、焦点距離アイテム703や露出補正の設置値を示すアイテム704を表示する。プレレック表示中では、さらに、動画の記録可能時間(動画記録可能時間)を示すアイテム705や、AFを行った位置(測距エリア)を示すアイテム702(AF枠)が表示される。アイテム702は測距処理を行うたびに表示される位置が更新される。また、プレレック中であることを示すアイテム701が表示されているため、ユーザがプレレック中であることを認識することができる。なお、アイテム705は、動画の記録可能時間が0である場合には、撮影待機表示においても、例えば赤字で表示されてもよい。
【0065】
このように、ユーザが動画の記録開始指示をする前の状態において、動画記録に必要な情報が表示されるため、ユーザは、所望の撮影条件に設定されているか否かを確認してから、動画の記録開始指示をすることができる。
【0066】
S322において、システム制御部50は、S312と同様に、動画撮影の開始指示の操作がされたか否かを判定する。動画撮影の開始指示の操作がされたと判定された場合に
はS323に進み、そうでない場合にはS321に戻る。
【0067】
S323において、システム制御部50は、撮像部22を制御して、動画を撮影する(撮像した動画を記録媒体200に記録する)。ここで、プレレック設定がされている場合には、システム制御部50は、動画撮影の開始指示前にメモリ32に記録された所定時間の動画も記録媒体200に記録する。
【0068】
S324において、システム制御部50は、動画記録表示を表示部28に表示する。図7(b)は、動画記録表示の例を示す。動画記録表示では、動画記録中(動画撮影中)であることを示すアイテム711と、現在の記録されている動画の時間の長さを示すアイテム712とがライブビュー画像とともに表示される。一方、焦点距離アイテム、AF枠や露出補正の設定値を示すアイテムなどは表示されない。このように、動画記録には、プレレック表示よりも少ない表示が行われることにより、動画記録中の画像の視認性の低下をより小さくしつつ、ユーザが必要な情報を確認することができる。
【0069】
S325において、システム制御部50は、動画停止指示の操作がされたか否かを判定する。動画停止指示の操作があった場合には動画の記録を停止し、S301に戻り、そうでない場合にはS323に進む。S325において動画の記録を停止した場合には、動画記録表示を非表示にする。
【0070】
このように、本実施形態では、接眼が検知されており、表示部28に表示がされている場合には、電源部30(バッテリー)の残容量を示すバッテリーアイテムが表示される。一方、撮影に関する設定情報である露出の設定値や撮影可能枚数を示すアイテムと、測距情報であるAF枠とは、以下の(1)、(2)の場合に表示される。そうでない場合には、撮影に関する設定情報である露出の設定値や撮影可能枚数を示すアイテムと、測距情報であるAF枠とは、表示部28に表示されないように制御される。
(1)第1シャッタースイッチ62が押下された場合(S310Yesの場合)。
(2)プレレック設定がされており、動画撮影の指示の操作前にプレレック処理がされている場合(S311Yesの場合)。
【0071】
また、接眼されている場合であって、上記の(1)、(2)および以下の(3)、(4)の場合にのみ、焦点距離が表示される。
(3)新たに接眼が検知された場合(S308Yesの場合)。
(4)ズーム操作が行われた場合(S309Yesの場合)。
【0072】
このように、本実施形態では、電子機器は、撮影準備指示がされるまでは、露出補正の設定値などの撮影設定に関するアイテムを表示せず、撮影準備指示がされると撮影設定に関するアイテムとAF枠を表示する。このように表示が制御されることによって、ユーザが撮影をしようとしておらず、ライブビュー画像を注視したい状態では、撮影に関するアイテムやAF枠が表示部に表示されないため被写体の観察がしやすい。一方、ユーザが撮影を行おうとしている状態では、撮影に関する情報を示すアイテムが表示されるため、ユーザは、撮影設定を確認した後に撮影の撮影指示操作を行うことができる。
【0073】
また、図8には、表示部28に表示するアイテムの表示タイミングを示す表を示している。図8では、撮影待機中(プレレック設定により動画を撮影していない状態、または、SW1指示前の状態)である場合、および、そうでない場合(撮影準備指示後またはプレレック中)に、各アイテムが表示されるか否かを示している。ここでは、上述した露出補正の設定値のアイテムやバッテリーアイテム以外に、AF方式を示すアイテム、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)の接続状況を示すアイテム、4G回線(電波)の接続状況を示すアイテムが例示されている。このような、AF方式を示すアイ
テムおよび接続状況を示すアイテムは、撮影待機中には非表示であるが、プレレック設定によって撮影が開始される場合および撮影準備指示後の場合には、表示される。これらのアイテムは、電子機器を用いて被写体を観察するためには、表示される必要性の少ない情報であるからである。なお、Wi-Fiの接続状況を示すアイテムは、Wi-Fiが接続されていない(接続エラーである)場合には、撮影待機中であっても表示されてもよい。
【0074】
さらに、図8では、電子機器の温度上昇の警告を示す温度警告アイテムや、動画の撮影を制限することを示す動画熱制限アイテムが例示されている。この2つのアイテムは、電子機器の温度が上昇することによって、電子機器の動作に影響が生じ得ると判定されると表示され、電子機器の温度の上昇がなければ表示されない。温度警告アイテムと動画熱制限アイテムは、電子機器の動作に影響が生じ得ることをユーザに通知するものであるため、表示部28が表示状態であれば、SW1指示等に依らずに、表示される。
【0075】
なお、本実施形態では、第1シャッタースイッチ62の押下によって、撮影準備処理と撮影準備完了処理(S316,S317)が実行されたが、他の操作部材への操作によって、これらの処理が開始されてもよい。例えば、モード切替スイッチ60の押下によって、撮影準備モードに切り替えられると、これらの処理が実行されてもよい。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【0077】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0078】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0079】
また、上述した実施形態においては、本発明を電子機器に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、表示部に表示された被写体の撮像が可能な電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明は、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータやPDA、スマートフォン、形態電話端末や携帯型の画像ビューワ、ゲーム機などに適用可能である。
【0080】
また、電子機器本体に限らず、有線または無線通信を介して電子機器(撮像装置、ネットワークカメラを含む)と通信し、電子機器を遠隔で制御する制御装置(表示制御装置)にも本発明を適用可能である。電子機器を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、電子機器を遠隔から制御可能である。また、電子機器で撮像したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0081】
なお、上記の各実施形態の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSPなどのハードウェアによって実現され
てもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリ(記憶媒体)とを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0083】
100:電子機器、50:システム制御部、22:撮像部、70:操作部、
61:シャッターボタン、28:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8