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特許7604118非シリコーン揮発性油、非シリコーン不揮発性油及びシリコーンを含む組成物の、ひげを処置するための使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】非シリコーン揮発性油、非シリコーン不揮発性油及びシリコーンを含む組成物の、ひげを処置するための使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20241216BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241216BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20241216BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20241216BHJP
   A61K 8/892 20060101ALI20241216BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/891
A61K8/892
A61Q5/06
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020100002
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021195303
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】オリビア・イザー
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0388329(US,A1)
【文献】特開2005-187342(JP,A)
【文献】国際公開第2019/063823(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0129395(US,A1)
【文献】特開2011-132243(JP,A)
【文献】特開2011-132236(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0150811(US,A1)
【文献】特開2018-095602(JP,A)
【文献】特表2017-510601(JP,A)
【文献】特開2021-080192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/31
A61K 8/37
A61K 8/92
A61K 8/891
A61K 8/892
A61Q 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の、ひげをケア又はスタイリングするための使用であって、
前記組成物が、
(a)少なくとも1種の、炭化水素油から選択される非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の、植物油、合成トリグリセリド、及び、これらの混合物から選択される非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種の、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、及び、これらの混合物から選択されるシリコーンと、
(d)水と
を含み、
前記(c)シリコーンの量が、前記組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%ある、使用。
【請求項2】
前記(a)非シリコーン揮発性油が、イソドデカン、イソヘキサデカン、ウンデカン、トリデカン、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記組成物中の前記(a)非シリコーン揮発性油の量が、前記組成物の総質量に対して、0.1質量%~20質量%範囲である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記植物油が、ダイズ油、ヤシ油、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記合成トリグリセリドが、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物中の前記(b)非シリコーン不揮発性油の量が、前記組成物の総質量に対して、0.005質量%~5質量%範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記(c)シリコーンが、ジメチルポリシロキサンとジメチコノールとの混合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記(b)非シリコーン不揮発性油の量/前記(c)シリコーンの量の質量比が、0.5以下ある、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物中の前記(d)水の量が、前記組成物の総質量に対して、50質量%~95質量%範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、(e)少なくとも1種のポリオールを更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記組成物が、(f)少なくとも1種の増粘剤を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記組成物が口ひげ及び/又は頬ひげをケアする又はスタイリングするための化粧用組成物である、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に規定の組成物をひげに塗布する工程を含む、ひげをケア又はスタイリングするための美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の条件下で特定の成分を含む組成物の、ひげを処置するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
美容処置の分野で、美容処置の簡便化が、世界で登場しつつある消費者のトレンドである。このトレンドに沿って、ヒトの体の様々な部分、例えば毛と皮膚との両方に使用することができる「マルチユース」化粧料が、化粧品市場において急速に登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6 491 927号
【文献】EP-0 216 479 B2
【文献】米国特許第3,915,921号
【文献】米国特許第4,509,949号
【文献】FR-2 416 723
【文献】米国特許第2,798,053号
【文献】米国特許第2,923,692号
【非特許文献】
【0004】
【文献】Walter NOLL、「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Press
【文献】Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics
【文献】ASTM規格445付録C
【文献】ASTM規格D-445
【文献】「Encyclopedia of Chemical Technology」、Kirk-Othmer、第3版、1982、第3巻、896~900頁、及び第15巻、439~458頁
【文献】「Polymers in Nature」、E. A. MacGregor及びC. T. Greenwood、John Wiley & Sons刊行、第6章、240~328頁、1980
【文献】「Industrial Gums-Polysaccharides and their Derivatives」、Roy L. Whistler編、第2版、Academic Press Inc.刊行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の「マルチユース」化粧料は、化粧テクスチャの点で十分ではない。例えば、このような「マルチユース」化粧料が毛での使用に満足のいくテクスチャを付与することができたとしても、その化粧料は、皮膚での使用には満足のいかないテクスチャを付与する傾向がある。
【0006】
特に、ひげを処置するための組成物は、毛での使用と皮膚での使用との両方に満足のいくテクスチャを必要とし、その理由は、該組成物が、顔面の毛と、一般に敏感である顔面の皮膚との両方に同時に塗布されることになるためである。
【0007】
本発明の目的は、満足のいくテクスチャを付与することができる、ひげを処置する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、組成物の、ひげを処置するための使用であって、組成物が、
(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種のシリコーンと、
(d)水と
を含み、
(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%である、
使用によって達成することができる。
【0009】
(a)非シリコーン揮発性油は、炭化水素油から選択することができる。
【0010】
本発明のために使用される組成物中の(a)非シリコーン揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲であってよい。
【0011】
(b)非シリコーン不揮発性油は、植物油、合成トリグリセリド、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0012】
本発明のために使用される組成物中の(b)非シリコーン不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.005質量%~5質量%、好ましくは0.01質量%~1質量%、より好ましくは0.05質量%~0.5質量%の範囲であってよい。
【0013】
(c)シリコーンは、不揮発性であってよい。
【0014】
(c)シリコーンは、ポリジメチルシロキサン、有機変性ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物から選択することができる。有機変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチコノールから選択することができる。
【0015】
(c)シリコーンは、ジメチルポリシロキサンとジメチコノールとの混合物であってよい。
【0016】
(b)非シリコーン不揮発性油の量/(c)シリコーンの量の質量比は、0.5以下、より好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下であってよい。
【0017】
本発明のために使用される組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%~95質量%、好ましくは60質量%~90質量%、より好ましくは70質量%~85質量%の範囲であってよい。
【0018】
本発明のために使用される組成物は、(e)少なくとも1種のポリオールを更に含んでよい。
【0019】
本発明のために使用される組成物は、(f)少なくとも1種の増粘剤を更に含んでよい。
【0020】
本発明のために使用される組成物は、化粧用組成物、好ましくはひげをケアする又はスタイリングするための化粧用組成物、より好ましくは口ひげ及び/又は頬ひげをケアする又はスタイリングするための化粧用組成物でありうる。
【0021】
本発明はまた、本発明による使用に供される組成物を塗布する工程を含む、ひげ、好ましくは口ひげ及び/又は頬ひげを処置するための美容方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
鋭意検討の結果、発明者らは、満足のいくテクスチャを付与することができる、ひげを処置する手段を提供することが可能であることを発見した。
【0023】
満足のいくテクスチャには、滑らかさ、指の通りが良好、くっつき感が少ない、グリース感が少ない、重みが少ない、湿った感覚、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つを挙げることができる。
【0024】
そのため、本発明は、組成物の、ひげを処置するための使用であって、組成物が、
(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種のシリコーンと、
(d)水と
を含み、
(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%である、
使用に主に関する。
【0025】
本発明による使用は、ひげを処置するときに、満足のいくテクスチャを付与することができる。
【0026】
本発明はまた、
(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種のシリコーンと、
(d)水と
を含む、ひげを処置するための組成物であって、
(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%である、
組成物にも関する。
【0027】
本発明による組成物はまた、ひげを処置するときに、満足のいくテクスチャを付与することもできる。
【0028】
更に、本発明による使用及び組成物は、良好なひげスタイリング能力又はひげの毛のための良好な扱い性を有することができる。そのため、本発明による使用又は組成物によって、ひげを所望のスタイルに形づくることは容易でありうる。
【0029】
更に、ひげの毛は、一緒にかたまることもくっつくこともなく、ばらばらになりうる。
【0030】
本発明による使用又は組成物が、顔面の毛と顔面の皮膚との両方のために良好なテクスチャを付与することができるため、顔面の毛と顔面の皮膚とのそれぞれのために複数の美容処置を実施することは必要ではない。したがって、ひげのための美容処置は、本発明による使用又は組成物によって簡便化されうる。
【0031】
更に、本発明による使用又は組成物はまた、毛(ひげだけではない)の用途と皮膚の用途との両方のために良好なテクスチャを付与することができる。そのため、毛と皮膚とのそれぞれのために複数の美容処置を実施することは必要ではない。したがって、毛と皮膚とのための美容処置は、本発明による組成物を含む化粧料を使用することによって簡便化されうる。
【0032】
以下では、本発明が、詳細に説明される。
【0033】
[使用]
本発明の一態様は、組成物の、ひげを処置するための使用、好ましくはひげを処置するための美容上の使用、より好ましくは口ひげ及び頬ひげ等のひげをケアする又はスタイリングするための美容上の使用であって、組成物が、
(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種のシリコーンと、
(d)水と
を含み、
(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%である、
使用に関する。
【0034】
「ひげ」の範囲は、口ひげ及び頬ひげ等の顔面の毛を含む。顔面の毛は、人の頭の毛を意味しない。そのため、「ひげ」は、頭髪を意味しない。
【0035】
ひげを「処置する」の範囲は、ひげの任意の取り扱い、例えばひげをケアする又はスタイリングすることを含む。しかしながら、ひげを「処置する」の範囲が、ひげをカットする又は除去することを含まないことが好ましい。
【0036】
ひげを「ケアする」の範囲は、少なくとも1つの特性、例えばひげの任意の機械的特性を改善する又は維持することを含む。ひげを「ケアする」の例には、ひげの滑らかさを改善する又は維持すること、例えばひげの触感、及びひげの指の通りを含む。ひげを「ケアする」の範囲は、ひげを着色する又は脱色することを含まない。
【0037】
ひげを「スタイリングする」の範囲は、ひげの形態をセットする又は固定することを含む。「スタイリングする」が、ここで、一時的な形成を意味し、パーマ等の恒久的又は半恒久的な再形成を意味しないことが好ましい。
【0038】
本発明による使用は、ひげを処置するときに、満足のいくテクスチャを付与することができる。
【0039】
本発明による使用によって使用される組成物は、以下に説明される本発明による組成物に相当する。
【0040】
[組成物]
本発明の別の態様は、
(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油と、
(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油と、
(c)少なくとも1種のシリコーンと、
(d)水と
を含む、ひげを処置するための組成物、好ましくはひげを処置するための化粧用組成物、より好ましくは口ひげ及び頬ひげ等のひげをケアする又はスタイリングするための化粧用組成物であって、
(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%である、
組成物に関する。
【0041】
本発明による組成物の成分(a)~(d)及び他の可能な成分、並びに他の技術的特徴が、以下に説明される。
【0042】
{非シリコーン揮発性油}
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の非シリコーン揮発性油を含む。単一のタイプの非シリコーン揮発性油を使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプの非シリコーン揮発性油を組み合わせて使用することもできる。
【0043】
ここで、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペーストの形態である化合物又は物質を意味する。
【0044】
(a)非シリコーン揮発性油が、炭化水素油から選択されることが好ましい。
【0045】
用語「炭化水素系油」(又は「炭化水素化された油」若しくは「炭化水素油」)は、炭素原子及び水素原子、並びに任意選択で酸素原子及び窒素原子から本質的に形成され又はさらには構成され、ケイ素原子又はフッ素原子を全く含有しない油を意味する。これは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミドの各基を含有しうる。
【0046】
好ましい一実施形態によれば、揮発性炭化水素油は、65℃超、なおもより良好には80℃超の引火点を有する。
【0047】
揮発性炭化水素系油は、8~16個の炭素原子を含有する炭化水素系油から、特に分枝状のC8~C16アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例としてはイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、イソデカン及びイソヘキサデカン、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
【0048】
揮発性炭化水素系油はまた、7~17個の炭素原子、特定すると9~15個の炭素原子、より特定すると11~13個の炭素原子を含有する直鎖状の揮発性アルカンであってよい。特に挙げることができるのは、n-ノナデカン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカン及びn-ヘキサデカン、並びにこれらの混合物である。
【0049】
揮発性炭化水素油は、好ましくは、イソドデカン、イソヘキサデカン、ウンデカン、トリデカン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0050】
本発明による組成物中の(a)非シリコーン揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってよい。
【0051】
本発明による組成物中の(a)非シリコーン揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってよい。
【0052】
本発明による組成物中の(a)非シリコーン揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲であってよい。
【0053】
{非シリコーン不揮発性油}
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の非シリコーン不揮発性油を含む。単一のタイプの非シリコーン不揮発性油を使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプの非シリコーン不揮発性油を組み合わせて使用することもできる。
【0054】
ここで、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペーストの形態である化合物又は物質を意味する。
【0055】
用語「不揮発性油」は、室温及び室圧で、皮膚及び毛等のケラチン物質上に残留する油を意味する。より正確には、不揮発性油は、厳密に0.01mg/cm2/分未満の蒸発速度を有する。
【0056】
非シリコーン不揮発性油として、以下を挙げることができる:
- 植物起源の炭化水素系油、例えばフィトステアリルエステル、例えばオレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィトステアリル及びグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリル;特にその脂肪酸がC18~C36の範囲の鎖長を有しうるグリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリドであって、これらの油はおそらく直鎖状又は分枝状、且つ飽和又は不飽和であり;これらの油は、特にヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、シアバター油、アロエ油、スウィートアーモンド油、モモ核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリジサ油、ブロッコリ油、キンセンカ油、カメリナ油、ニンジン油、ベニバナ油、麻油、ナタネ油、綿実油、ヤシ油、ナタウリ種子油、コムギ胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、コーン油、メドウフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、クロフサスグリ種油、キーウィ種子油、ブドウ種子油、ピスタチオ油、パンプキン油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ひまわり油、ヒマシ油及びスイカ油、並びにこれらの混合物、又は代わりにカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、若しくはDynamit Nobel社により名称Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているもの、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例としては式R1COOR2(式中、R1は、1~40個の炭素原子を含有する少なくとも1つの直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は、1~40個の炭素原子を含有する、とりわけ分枝状である炭化水素系鎖を表し、但し条件としてR1+R2≧10である)の油。エステルは、特にアルコールの脂肪酸エステルから選ぶことができ、例としてはオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルチミン酸エチル、パルチミン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピルであり、ヘプタン酸エステルから選ぶことができ、特にヘプタン酸イソステアリルであり、オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸アルコール又はポリアルコールから選ぶことができ、例としてはジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、特にC12~C15安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール、及びこれらの混合物であり、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステルから選ぶことができ、例としてはネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシルであり、イソノナン酸エステルから選ぶことができ、例としてはイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチルであり、ヒドロキシル化エステルから選ぶことができ、例としては乳酸イソステアリル及びマレイン酸ジイソステアリルである、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例としてはテトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのエステル、
- ジオール二量体と二酸二量体とのコポリマー及びそれらのエステル、例えばジリノレイルジオール二量体/ジリノール二量体コポリマー、及びそれらのエステル、
- ポリオールと二酸二量体とのコポリマー、及びそれらのエステル、
- 室温で液体であり、12~26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する脂肪アルコール、例としては2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12~C22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物、
- 2つのアルキル鎖がおそらくは同一であり又は異なる炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジカプリリル、並びに
- モル質量が、約400g/molから約10 000g/molの間、特に約650g/mol~約10 000g/mol、特に約750g/mol~約7500g/mol、より特定すると約1000g/mol~約5000g/molの範囲の油;特に挙げることができるのは、単独で又は混合物として、(i)親油性ポリマー、例えばポリブチレン、ポリイソブチレン、例えば水素化された、ポリデセンと、水素化ポリデセン、ビニルピロリドンとのコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、及びポリビニルピロリドン(PVP)コポリマー、例えばC2~C30アルケンの、例えばC3~C22アルケンのコポリマー、並びにこれらの組合せ; (ii)35~70の範囲の総炭素数を含有する直鎖状脂肪酸エステル、例としてはテトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル; (iii)ヒドロキシル化エステル、例えば2-トリイソステアリン酸ポリグリセリル; (iv)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル; (v)脂肪アルコールの又は分枝状C24~C28脂肪酸のエステル、例えば米国特許第6 491 927号に記載のもの及びペンタエリスリトールエステル、並びに特にクエン酸トリイソアラキジル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、2-トリデシルテトラデカン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリ(2-グリセリル)又は2-テトラデシルテトラデカン酸ペンタエリスリチル; (vi)ジオール二量体エステル及びポリエステル、例えばジオール二量体と脂肪酸とのエステル、並びにジオール二量体と二酸とのエステル。
【0057】
一実施形態では、(b)非シリコーン不揮発性油は、極性油、好ましくはエステル油、より好ましくは式RCOOR'(式中、RはC1~29脂肪酸残基を示し、R'はC2~30炭化水素基を示す)により表される脂肪エステルから選択することができる。
【0058】
(b)非シリコーン不揮発性油が、植物油、合成トリグリセリド、及びこれらの混合物から選択されることが好ましいことがある。
【0059】
植物油が、ダイズ油、ヤシ油、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましいことがある。
【0060】
合成トリグリセリドが、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましいことがある。
【0061】
本発明による組成物中の(b)非シリコーン不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であってよい。
【0062】
本発明による組成物中の(b)非シリコーン不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下であってよい。
【0063】
本発明による組成物中の(b)非シリコーン不揮発性油の量は、組成物の総質量に対して、0.005質量%~5質量%、好ましくは0.01質量%~1質量%、より好ましくは0.05質量%~0.5質量%の範囲であってよい。
【0064】
{シリコーン}
本発明による組成物は、少なくとも1種の(c)シリコーンを含む。単一のタイプのシリコーンを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのシリコーンを組み合わせて使用することもできる。
【0065】
(c)シリコーンが油の形態であることが好ましい。本明細書において、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペーストの形態である化合物又は物質を意味する。
【0066】
シリコーン又はオルガノポリシロキサンは、例としては、Walter NOLLにより「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressにおいて定義されている。これらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0067】
そのため、(c)シリコーンは、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、及びこれらの混合物から選択することができる。例えば、(c)シリコーンは、少なくとも1種の揮発性シリコーン油若しくは少なくとも1種の不揮発性シリコーン油のいずれか、又は少なくとも1種の揮発性シリコーン油と少なくとも1種の不揮発性シリコーン油との両方を含んでよい。当然ながら、(c)シリコーンは、2種以上の揮発性シリコーン油又は2種以上の不揮発性シリコーン油を含むことができる。
【0068】
(揮発性シリコーン)
揮発性シリコーンが油の形態であることが好ましい。
【0069】
揮発性シリコーン油は、60℃から260℃の間の沸点を有するものから、更により特定すると、以下から選ぶことができる:
(i)3~7個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7207で販売されている、又はRhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V2で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7158で販売されている、Rhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V5で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社により名称Silsoft 1217で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。次式:
【0070】
【化1】
【0071】
のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等のタイプのシクロコポリマー、例えば、Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109もまた挙げることができる。オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物等の、環状ポリジアルキルシロキサンの有機ケイ素化合物との混合物もまた挙げることができる、及び
(ii)2~9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状の揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsにおいて公表されている論文にもまた記載されている。該シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃で測定されている。
【0072】
揮発性シリコーン油は、環状シリコーンから選択されてもよく、好ましくはシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0073】
(不揮発性シリコーン)
不揮発性シリコーンが油の形態であることが好ましい。
【0074】
本発明において使用されうる不揮発性シリコーン油は、とりわけ25℃での粘度が8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)以上で800 000cSt未満、好ましくは10から600 000cStの間、好ましくは100から500 000cStの間であるシリコーン油から選ぶことができる。このシリコーンの粘度は、ASTM規格D-445に従って測定することができる。
【0075】
これらのシリコーン油の中で、それらがフェニルを含有するか否かに応じて、2タイプの油に区別することができる。そのため、不揮発性シリコーン油は、非フェニル化シリコーン油及びフェニル化シリコーン油から選択することができる。
【0076】
挙げることができるこれらの不揮発性非フェニル化シリコーン油の代表例には、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、アルキルジメチコン、ビニルメチルメチコンがあり、更には任意選択でフッ素化された脂肪族基で修飾された、又はヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基等の官能基で修飾されたシリコーンもある。
【0077】
そのため、挙げることができる不揮発性非フェニル化シリコーン油には、以下がある:
- ペンダントであり且つ/又はシリコーン鎖の末端にあり、これらの基が2~24個の炭素原子をそれぞれ含有するアルキル基又はアルコキシ基を含むPDMS、
- 脂肪族基、又はヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基等の官能基を含むPDMS、
- フッ素化基で任意選択で置換されたポリアルキルメチルシロキサン、例えばポリメチルトリフルオロプロピルジメチルシロキサン、
- ヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基等の官能基で置換されたポリアルキルメチルシロキサン、例えばジヒドロキシジメチルシロキサン(ジメチコノール)、
- 脂肪酸、脂肪アルコール又はポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、並びに
- これらの混合物。
【0078】
一実施形態によれば、不揮発性シリコーン油は、直鎖状の不揮発性非フェニル化シリコーン油から選択される。
【0079】
直鎖状の不揮発性非フェニル化シリコーン油は、特に式:
【0080】
【化2】
【0081】
(式中、
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ビニル基、アミン基又はヒドロキシル基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はアミン基であり、
n及びpは、流体化合物を有するように選ばれる整数である)
のシリコーンから選ぶことができる。
【0082】
本発明に従って使用されうる不揮発性シリコーン油として挙げることができるのは、以下である:
- 置換基R1~R6及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が500 000cStであるようなものである、例えば、General Electric社により名称SE30で販売されている製品、Wacker社により名称AK 500000で販売されている製品、Bluestar社により名称Mirasil DM 500 000で販売されている製品、及びDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 500 000 cStで販売されている製品、
- 置換基R1~R6及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が300 000cStであるようなものである、例えばWacker社により名称Wacker Belsil DM 300 000で販売されている製品、
- 置換基R1~R6及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が60 000cStであるようなものである、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 60000 CSで販売されている製品、及びWacker社により名称Wacker Belsil DM 60 000で販売されている製品、
- 置換基R1~R6及びXがメチル基を表し、p及びnが、粘度が350cStであるようなものである、例えばDow Corning社により名称Dow Corning 200 Fluid 350 CSで販売されている製品、
- 置換基R1~R6がメチル基を表し、X基がヒドロキシル基を表し、n及びpが、粘度が700cStであるようなものである、例えばMomentive社により名称Baysilone Fluid T0.7で販売されている製品。
【0083】
別の実施形態によれば、不揮発性シリコーン油は、不揮発性フェニル化シリコーン油から選択される。
【0084】
挙げることができるこれらの不揮発性フェニル化シリコーン油の代表的な例には、以下がある:
- 次式に相当するフェニルシリコーン油;
【0085】
【化3】
【0086】
[式(I)中、R基は、互いに独立に、メチル又はフェニルを表し、但し、少なくとも1つのR基は、フェニルを表す。好ましくは、この式中、フェニルシリコーン油は、少なくとも3つのフェニル基、例えば少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つのフェニル基を含む]、
- 次式に相当するフェニルシリコーン油;
【0087】
【化4】
【0088】
[式(II)中、R基は、互いに独立に、メチル又はフェニルを表し、但し、少なくとも1つのR基は、フェニルを表す。好ましくは、この式中、前述のオルガノポリシロキサンは、少なくとも3つのフェニル基、例えば少なくとも4つ又は少なくとも5つのフェニル基を含む]。
先に記載したフェニルオルガノポリシロキサンの混合物を使用することができる。挙げることができる例には、トリフェニル、テトラフェニル又はペンタフェニルオルガノポリシロキサンの混合物がある、
- 次式に相当するフェニルシリコーン油;
【0089】
【化5】
【0090】
[式(III)中、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表す]。
このようなフェニルシリコーンは、特にDow Corning社により参照名PH-1555 HRI若しくはDow Corning 555 Cosmetic Fluid(化学物質名: 1,3,5-トリメチル-1,1,3,5,5-ペンタフェニルトリシロキサン、INCI名:トリメチルペンタフェニルトリシロキサン)で製造されている。参照名Dow Corning 554 Cosmetic Fluidもまた使用することができる、
- 次式に相当するフェニルシリコーン油;
【0091】
【化6】
【0092】
[式(IV)中、Meはメチルを表し、yは1から1000の間であり、Xは-CH2-CH(CH3)(Ph)を表す]。
- 次式(V)に相当するフェニルシリコーン油;
【0093】
【化7】
【0094】
[式(V)中、化合物(V)が不揮発性油であるように、Meはメチルであり、Phはフェニルであり、OR'は-OSiMe3基を表し、yは、0であるか又は1から1000の間の範囲であり、zは、1から1000の間の範囲である]。
第1の実施形態によれば、yは、1から1000の間の範囲である。使用できるのは、例えば特にWacker社により販売されている、参照名Belsil PDM 1000で販売されているトリメチルシロキシフェニルジメチコンである。第2の実施形態によれば、yは0に等しい。使用できるのは、例えばフェニルトリメチルシロキシトリシロキサンであり、特に参照名Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidで販売されている、
- 次式(VI)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物;
【0095】
【化8】
【0096】
[式(VI)中、
- R1~R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基であり、
- m、n、p及びqは、互いに独立に、0から900の間の整数であり、但し、和m+n+qは0以外であり、好ましくは、和m+n+qは、1から100の間である。好ましくは、和m+n+p+qは、1から900の間であり、なおもより良好には1から800の間である。好ましくは、qは0に等しい]、
- 次式(VII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物;
【0097】
【化9】
【0098】
[式(VII)中、
- R1~R6は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基であり、
- m、n及びpは、互いに独立に、0から100の間の整数であり、但し、和n+mは1から100の間であり、好ましくは、R1~R6は、互いに独立に、飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C30、特にC1~C12炭化水素系基、具体的にはメチル、エチル、プロピル又はブチルの各基を表し、R1~R6は、特に同一であってもよく、加えてメチル基であってもよく、好ましくは、式(VII)中、m=1若しくは2若しくは3、及び/又はn=0、及び/又はp=0若しくは1が当てはまりうる]、
- 式(VIII)に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
【0099】
【化10】
【0100】
[式(VIII)中、
- Rは、C1~C30アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
- nは、0~100の範囲の整数であり、
- mは、0~100の範囲の整数であり、但し、和n+mは、1~100の範囲である]。
特に、式(VIII)のR基及び前に定義したR1~R10は、それぞれ、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基、特にC2~C20アルキル基、特定するとC3~C16アルキル基、より特定するとC4~C10アルキル基を表し、又は単環式若しくは多環式のC6~C14、特にC10~C13アリール基を表すことができ、又はそのアリール及びアルキル残基が前に定義した通りであるアラルキル基を表すことができる。好ましくは、式(VIII)のR及びR1~R10は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ドデシル又はオクタデシルの各基、又は代わりにフェニル、トリル、ベンジル又はフェネチルの各基を表すことができる]。
一実施形態によれば、25℃での粘度が5から1500mm2/sの間(即ち5~1500cSt)、好ましくは粘度が5から1000mm2/sの間(即ち5~1000cSt)である、式(VIII)のフェニルシリコーン油を使用することができる。式(VIII)のフェニルシリコーン油として、Dow Corning社からのDC556(22.5cSt)、Rhone-Poulenc社からの油Silbione 70663V30(28cSt)等のフェニルトリメチコン、又はWacker社からのBelsil油、特にBelsil PDM1000(1000cSt)、Belsil PDM 200(200cSt)及びBelsil PDM 20(20cSt)等のジフェニルジメチコンを使用することが特に可能である。括弧内の値は、25℃での粘度を表す。
- 次式に相当するフェニルシリコーン油、及びこれらの混合物:
【0101】
【化11】
【0102】
[式(IX)中、
R1、R2、R5及びR6は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基であり、
R3及びR4は、一緒に又は別々に、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、又はアリール基であり、
Xは、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシル基又はビニル基であり、
n及びpは、油に、200 000g/mol未満、好ましくは150 000g/mol未満、より好ましくは100 000g/mol未満の質量平均分子量を付与するように選ばれる]。
【0103】
本発明における使用に最も特に好適なフェニルシリコーンは、本明細書において上記の式(II)に、特に式(III)、(V)及び(VIII)に、相当するものでありうる。
【0104】
より具体的には、フェニルシリコーンは、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニル-トリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
【0105】
好ましくは、本発明に従って使用される不揮発性フェニルシリコーン油の質量平均分子量は、500~10 000g/molの範囲であってよい。
【0106】
(c)シリコーンは、ポリジメチルシロキサン、有機変性ポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0107】
有機変性ポリジメチルシロキサンは、少なくとも1つの脂肪族基又は少なくとも1つの官能基、例えばヒドロキシル、チオール及び/又はアミンの各基を含むPDMS、好ましくは少なくとも1つの官能基を含むPDMS、より好ましくは少なくとも1つのヒドロキシル基を含むPDMSを意味する。
【0108】
具体的には、有機変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチコノールから選択することができる。
【0109】
本発明の特定の一実施形態では、(c)シリコーンは、ジメチルポリシロキサンとジメチコノールとの混合物であってもよい。
【0110】
本発明による組成物中の(c)シリコーンの量は、組成物の総質量に対して、1.0質量%~5.0質量%、好ましくは1.5質量%~4.0質量%、より好ましくは2.0質量%~3.0質量%の範囲である。
【0111】
(b)非シリコーン不揮発性油の量/(c)シリコーンの量の質量比が、0.5以下、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下であることが好ましいことがある。
【0112】
{水}
本発明による組成物は、(d)水を含む。
【0113】
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってよい。
【0114】
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってよい。
【0115】
そのため、本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%~95質量%、好ましくは60質量%~90質量%、より好ましくは70質量%~85質量%の範囲であってよい。
【0116】
{ポリオール}
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種のポリオールを含んでよい。単一のタイプのポリオールを使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプのポリオールを組み合わせて使用することもできる。
【0117】
用語「ポリオール」は、本明細書では、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖又はその誘導体を包含しない。糖の誘導体には、糖の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、及びその1つ又は複数のヒドロキシ基中の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖又は糖アルコールが挙げられる。
【0118】
(e)ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2~5個のヒドロキシ基を含むC2~12ポリオール、好ましくはC2~9ポリオールであってよい。
【0119】
(e)ポリオールは、天然のポリオールであっても合成のポリオールであってもよい。(e)ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有してよい。
【0120】
(e)ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択することができる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール及び1,5-ペンタンジオールからなる群から選択することができる。
【0121】
(e)ポリオールが、3個以上の炭素原子を有し、且つグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましいことがある。
【0122】
本発明による組成物中の(e)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってよい。
【0123】
他方、本発明による組成物中の(e)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
【0124】
したがって、本発明による組成物中の(e)ポリオールの量は、組成物の総質量に対して、10質量%~20質量%、好ましくは5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲であってよい。
【0125】
{増粘剤}
本発明による組成物は、(f)少なくとも1種の増粘剤を含んでよい。単一のタイプの増粘剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの増粘剤を組み合わせて使用することもできる。
【0126】
(f)増粘剤は、有機増粘剤及び無機増粘剤から選択することができる。
【0127】
有機増粘剤は、以下のもののうちの少なくとも1種から選ぶことができる:
(i)会合性増粘剤、
(ii)架橋アクリル酸ホモポリマー、
(iii)(メタ)アクリル酸と(C1~C6)アクリル酸アルキルとの架橋コポリマー、
(iv)非イオン性ホモポリマー、並びにエチレン性不飽和エステルモノマー及びエチレン性不飽和アミドモノマーのうちの少なくとも1種を含むコポリマー、
(v)アクリル酸アンモニウムホモポリマー、及びアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー、
(vi)多糖、並びに
(vii)C12~C30脂肪アルコール。
【0128】
(i)本明細書で使用されるとき、「会合性増粘剤」という表現は、親水性単位と疎水性単位との両方を含む、例えば、少なくとも1つのC8~C30脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む、両親媒性増粘剤を意味する。
【0129】
使用されうる代表的な会合性増粘剤は、
(aa)少なくとも1つの脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性両親媒性ポリマー、
(bb)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含むアニオン性両親媒性ポリマー、
(cc)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含むカチオン性両親媒性ポリマー、及び
(dd)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含む両性両親媒性ポリマー
から選ばれる会合性増粘剤であり、
ここで、脂肪鎖は、8~30個の炭素原子を含有する。
【0130】
(aa)少なくとも1つの脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性両親媒性ポリマーは、例えば、以下から選ぶことができる:
(1)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース、挙げることができる例には、以下がある:
- アルキル、アリールアルキル及びアルキルアリールの各基から選ばれる少なくとも1つの脂肪鎖を含む基(ここで、アルキル基は、例えばC8~C22である)で変性されたヒドロキシエチルセルロース、例えば、Aqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330 CS(C1~6アルキル)、及びBerol Nobel社により販売されている製品Bermocoll EHM 100、並びに
- ポリアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル基で変性されたセルロース、例えばAmerchol社により販売されている製品Amercell Polymer HM-1500(ポリエチレングリコール(15)ノニルフェニルエーテル)。
(2)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグアー、例えばLamberti社により販売されている製品Esaflor HM 22(C22アルキル鎖)、及びRhodia Chimie社により販売されている製品Miracare XC95-3(C14アルキル鎖)及びRE205-1(C20アルキル鎖)。
(3)少なくとも1つの脂肪鎖、例えばC10~C30アルキル基又はアルケニル基を含むポリエーテルウレタン、例としてはAkzo社により販売されている製品Elfacos T 210及びElfacos T 212、又はRohm & Haas社により販売されている製品Aculyn 44及びAculyn 46。
(4)ビニルピロリドンと疎水性脂肪鎖モノマーとのコポリマー、挙げることができる例には、以下がある:
- I.S.P.社により販売されている製品Antaron V216及びGanex V216(ビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー)、並びに
- I.S.P.社により販売されている製品Antaron V220及びGanex V220(ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー)。
(5)C1~C6アクリル酸アルキル又はC1~C6メタクリル酸アルキルと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えばGoldschmidt社により名称Antil 208で販売されているオキシエチレン化メタクリル酸メチル/アクリル酸ステアリルコポリマー。
(6)親水性アクリレート又はメタクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーとのコポリマー、例えばメタクリル酸ポリエチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー。
【0131】
(bb)少なくとも1つの親水性単位と少なくとの1つの脂肪鎖単位とを含むアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位と、エチレン性不飽和アニオン性モノマー単位、例えばビニルカルボン酸単位を含む少なくとも1つの親水性単位とを含むものから選ぶことができ、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物に由来する単位から選ぶことができ、ここで、脂肪鎖アリルエーテル単位は、次式(I):
CH2=C(R1)CH2OBnR (I)
(式中、R1はH及びCH3から選ばれ、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロ及び1~100の範囲の整数から選ばれ、Rは、10~30個の炭素原子、更に、例えば10~24個の炭素原子、更に、例えば12~18個の炭素原子を含有する、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキルの各基から選ばれる炭化水素系基から選ばれる)
のモノマーに相当する。
【0132】
一実施形態では、式(I)の単位は、例えば、R1がHであってよく、nが10に等しくてよく、Rがステアリル(C18)基であってよい単位である。
【0133】
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、特許EP-0 216 479 B2に記載され、そのエマルション重合方法に従って調製される。
【0134】
一実施形態では、アニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、20質量%~60質量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、5質量%~60質量%の低級(メタ)アクリル酸アルキル、20質量%~50質量%の式(I)の脂肪鎖アリルエーテル、並びに0質量%~1質量%の、周知の共重合性不飽和ポリエチレン性モノマーである架橋剤、例えば、フタル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸(ポリ)エチレングリコール及びメチレンビスアクリルアミドから形成されるポリマーである。
【0135】
このようなポリマーの例は、メタクリル酸とアクリル酸エチルとポリエチレングリコール(10 EO)ステアリルエーテル(ステアレス-10)との架橋ターポリマー、例えばCiba社により名称Salcare SC 80及びSalcare SC 90で販売されているものであり、これは、メタクリル酸とアクリル酸エチルとステアレス-10アリルエーテルとの架橋ターポリマー(40/50/10)の30%水性エマルションである。
【0136】
アニオン性両親媒性ポリマーは、更に、例えば、不飽和オレフィン性カルボン酸タイプの少なくとも1つの親水性単位と、不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステル等のタイプの少なくとも1つの疎水性単位とを含むものから選ぶことができる。不飽和オレフィン性カルボン酸タイプの親水性単位は、例えば、次式(II):
【0137】
【化12】
【0138】
(式中、R1は、H、CH3及びC2H5、即ちアクリル酸、メタクリル酸及びエタクリル酸の各単位から選ばれる)
のモノマーに相当する。不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステル等のタイプの疎水性単位は、例えば、次式(III):
【0139】
【化13】
【0140】
[式中、R1は、H、CH3及びC2H5(即ちアクリレート、メタクリレート及びエタクリレートの各単位)から選ばれ、例えば、H(アクリレート単位)及びCH3(メタクリレート単位)から選ばれ、R2は、C10~C30アルキル基、例えば、C12~C22アルキル基から選ばれる]
のモノマーに相当する。
【0141】
不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステルの例には、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、及びアクリル酸ドデシル、並びに対応するメタクリレートであるメタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル及びメタクリル酸ドデシルが挙げられる。
【0142】
好ましい一実施形態によれば、これらの増粘性ポリマーは架橋されている。
【0143】
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、米国特許第3,915,921号及び同第4,509,949号により開示され、調製されている。
【0144】
使用されうる代表的なアニオン性両親媒性ポリマーは、以下を含むモノマーの混合物から形成されるポリマーから更に選ぶことができる:
(i)アクリル酸、
(ii)上記の式(III)(式中、R2はH又はCH3を示し、R3は、12~22個の炭素原子を有するアルキル基を示す)のエステル、並びに
(iii)周知の共重合性ポリエチレン性不飽和モノマーである架橋剤、例えばフタル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、スクロースのアリルエーテル、ペンタエリスリトールのアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸(ポリ)エチレングリコール及びメチレンビスアクリルアミド。
【0145】
より具体的には、このタイプのコポリマーの中で使用されることになるのは、上記のもの等の、95~60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4~40質量%のC10~C30アクリル酸アルキル(疎水性単位)、及び0~6質量%の架橋重合性モノマーからなるもの、或いは98~96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1~4質量%のC10~C30アクリル酸アルキル(疎水性単位)、及び0.1~0.6質量%の架橋重合性モノマーからなるものである。
【0146】
上記ポリマーの中で、本発明に従ってきわめて特に好ましいのは、アクリレート/C10~C30アクリル酸アルキルコポリマー(INCI名:アクリレート/C10~C30アクリル酸アルキルクロスポリマー)、例えばLubrizol社により商品名Pemulen(登録商標)TR1、Pemulen(登録商標)TR2、Carbopol(登録商標)Ultrez 20 Polymer、Carbopol(登録商標)1382及びCarbopol(登録商標)EDT 2020で販売されている製品である。
【0147】
アニオン性両親媒性脂肪鎖ポリマーの中で、例えば、Amerchol社により名称Viscophobe DB 1000で販売されている、メタクリル酸/アクリル酸メチル/アルキルジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートのエトキシル化コポリマーもまた挙げることができる。
【0148】
使用される(cc)カチオン性両親媒性ポリマーは、例えば、四級化セルロース誘導体、及びアミノ側基を含むポリアクリレートから選ばれる。
【0149】
四級化セルロース誘導体は、例えば、
少なくとも8個の炭素原子を含む、アルキル、アリールアルキル及びアルキルアリールの各基等の少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性された四級化セルロース、及びこれらの混合物、並びに
少なくとも1つの脂肪鎖、例えば少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル及びアルキルアリールの各基、及びこれらの混合物を含む基で変性された四級化ヒドロキシエチルセルロースから選ばれる。
【0150】
アミノ側基を含む四級化及び非四級化ポリアクリレートは、例えば、疎水性基、例えばステアレス20[ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール]及び(C10~C30)イタコン酸アルキルPEG-20を有する。
【0151】
上記の四級化セルロース及びヒドロキシエチルセルロースにより保持されるアルキル基は、例えば8~30個の炭素原子を含有する。
【0152】
アリール基は、例えば、フェニル、ベンジル、ナフチル及びアントリルの各基から選ばれる。
【0153】
C8~C30脂肪鎖を含む四級化アルキルヒドロキシエチル-セルロースの例は、Amerchol社により販売されている製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529-18B(C12アルキル)、及びQuatrisoft LM-X 529-8(C18アルキル)、並びにCroda社により販売されている製品Crodacel QM、Crodacel QL(C12アルキル)及びCrodacel QS(C18アルキル)である。
【0154】
アミノ側鎖を含むポリアクリレートの例は、ポリマー8781-124B又は9492-103、及びNational Starch社製のStructure Plusである。
【0155】
(dd)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマーの中で、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/C10~C30メタクリル酸アルキルのコポリマーを挙げることができ、ここで、アルキル基は、例えばステアリル基である。
【0156】
組成物中の会合性増粘剤は、例えば、溶液中又は分散体中に、Rheomat RM 180レオメータを用いた25℃での測定で、200s-1のせん断速度、1%水中活性材料の濃度で、0.1ps超の粘度、更に例えば0.2cp超の粘度を有することができる。
【0157】
(ii)挙げることができる架橋アクリル酸ホモポリマーの中では、糖シリーズのアリルアルコールエーテルで架橋されたものがあり、例えばGoodrich社により名称Carbopol 980、981、954、2984及び5984で販売されている製品、又は3 VSA社により名称Synthalen M及びSynthalen Kで販売されている製品である。
【0158】
(iii)(メタ)アクリル酸とC1~C6アクリル酸アルキルとの架橋コポリマーは、例えばCoatex社により名称Viscoatex 538Cで販売されている、38%の活性材料を含む水性分散体としてのメタクリル酸とアクリル酸エチルとの架橋コポリマー、及びRohm & Haas社により名称Aculyn 33で販売されている、28%の活性材料を含む水性分散体としてのアクリル酸とアクリル酸エチルとの架橋コポリマーから選ぶことができる。メタクリル酸とアクリル酸エチルとの架橋コポリマーには、NOVEON社により名称CARBOPOL AQUA SF-1で販売されている、30%の活性材料を含む水性分散体が挙げられる。
【0159】
(iv)エステル及び/又はアミドのタイプのエチレン性不飽和モノマーを含む非イオン性ホモポリマー又はコポリマーの中で、挙げることができるのは、Cytec社により名称Cyanamer P250で販売されている製品(ポリアクリルアミド)、US Cosmetics社により名称PMMA MBX-8Cで販売されている製品(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸エチレングリコールコポリマー)、Rohm & Haas社により名称Acryloid B66で販売されている製品(メタクリル酸ブチル/メタクリル酸メチルコポリマー)、及びKobo社により名称BPA 500で販売されている製品(メタクリル酸ポリメチル)である。
【0160】
例として、少なくとも1種の水溶性又は水分散性の、少なくともアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)モノマーを含む、架橋又は非架橋ポリマーもまた挙げることができる。
【0161】
AMPS(コ)ポリマーは、好ましくは、完全に中和されていてもよく又は実質的に完全に中和されていてもよく、即ち少なくとも90%中和されていてもよい。
AMPS(コ)ポリマーは、架橋されていても架橋されていなくてもよい。
【0162】
挙げることができるAMPS(コ)ポリマーの例には、以下がある:
アクリルアミド/ナトリウムアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート架橋コポリマー、例えば市販製品Sepigel 305(INCI名:ポリアクリルアミド/C13~C14イソパラフィン/ラウレス-7)中のコポリマー、又はSEPPIC社により商標Simulgel 600(INCI名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/イソヘキサデカン/ポリソルベート-80)で販売されている市販製品中のコポリマー;
AMPSとビニルピロリドン又はビニルホルムアミドとのコポリマー、例えば、Clariant社により名称Aristoflex AVCで販売されている市販製品中のコポリマー(INCI名:アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/V-Pコポリマー)であるが、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで中和されているもの;
AMPSとアクリル酸ナトリウムとのコポリマー、例としてはSEPPIC社により名称Simulgel EGで販売されている市販製品中のコポリマー(INCI名:アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(及び)イソヘキサデカン(及び)ポリソルベート-80)等のAMPS/アクリル酸ナトリウムコポリマー;並びに
AMPSとアクリル酸ヒドロキシエチルとのコポリマー、例としてはSEPPIC社により名称Simulgel NSで販売されている市販製品中のコポリマー(INCI名:アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(及び)スクアラン(及び)ポリソルベート-60)等のAMPS/アクリル酸ヒドロキシエチルコポリマー。
【0163】
AMPS(コ)ポリマーが、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーであることがより好ましいことがある。
【0164】
(v)挙げることができるアクリル酸アンモニウムホモポリマーには、Hoechst社により名称Microsap PAS 5193で販売されている製品がある。
【0165】
アクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーには、Hoechst社により販売されている、名称Bozepol C Nouveau又は製品PAS 5193で販売されている製品が挙げられる(これらは、文献FR-2 416 723、米国特許第2,798,053号及び米国特許第2,923,692号に記載され、調製されている)。
【0166】
(vi)多糖は、例えば、グルカン、変性又は非変性デンプン(例えば、例えば穀物に由来するもの、例としてはコムギ、コーン又はコメ、野菜に由来するもの、例としてはイエローピー、及び塊茎に由来するもの、例としてはジャガイモ又はキャッサバ)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、及びそれらの誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸及びペクチン、アルギン酸及びアルギネート、アラビノガラクタン、カラゲナン、寒天、グリコサミノグルカン、アラビアガム、トラガカントガム、ガッティガム、カラヤガム、カロブガム、ガラクトマンナン、例えばグアーガム、及びそれらの非イオン性誘導体(例えばヒドロキシプロピルグアー)、及びキサンタンガム、並びにこれらの混合物から選ばれる。
【0167】
例えば、使用されうる多糖は、例えば「Encyclopedia of Chemical Technology」、Kirk-Othmer、第3版、1982、第3巻、896~900頁、及び第15巻、439~458頁、「Polymers in Nature」、E. A. MacGregor及びC. T. Greenwood、John Wiley & Sons刊行、第6章、240~328頁、1980、並びに「Industrial Gums-Polysaccharides and their Derivatives」、Roy L. Whistler編、第2版、Academic Press Inc.刊行に記載されているものから選ばれ、これら3つの刊行物の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0168】
例えば、デンプン、グアーガム、セルロース、及びそれらの誘導体を使用することができる。
【0169】
使用されうるデンプンの中で、例えば、無水グルコース単位であるベース単位を含むポリマーの形態の高分子を挙げることができる。これらの単位の数及びこれらのアセンブリは、アミロース(直鎖状ポリマー)とアミロペクチン(分枝状ポリマー)とを区別することを可能にする。アミロースとアミロペクチンとの相対的比率、並びにそれらの重合度は、デンプンの植物起源に応じて変わりうる。
【0170】
使用されるデンプンの分子は、それらの植物起源として穀物又は塊茎を有してよい。そのため、デンプンは、例えば、トウモロコシ、コメ、キャッサバ、タピオカ、オオムギ、ジャガイモ、コムギ、モロコシ及びエンドウマメの各デンプンから選ぶことができる。
【0171】
デンプンは、冷水に不溶性の白色粉末の形態で一般に存在し、その基本粒径は3~100ミクロンの範囲である。
【0172】
デンプンは、任意選択でC1~C6ヒドロキシアルキル化されていてもよく、又はC1~C6アシル化(例えばアセチル化)されていてもよい。デンプンはまた、加熱処理を受けていてもよい。
【0173】
リン酸二デンプン、又はリン酸二デンプンに富む化合物、例えばAVEBE社により参照名PREJEL VA-70-T AGGL(ゼラチン化ヒドロキシプロピル化キャッサバのリン酸二デンプン)、又はPREJEL TK1(ゼラチン化キャッサバのリン酸二デンプン)、又はPREJEL 200(ゼラチン化アセチル化キャッサバのリン酸二デンプン)で提供されている製品もまた使用することができる。
【0174】
グアーガムは、変性されていても変性されていなくてもよい。
【0175】
非変性グアーガムは、例えば、Unipectine社により名称Vidogum GH 175で、並びにMeyhall社により名称Meypro-Guar 50及びJaguar Cで販売されている製品である。
【0176】
変性非イオン性グアーガムは、例えば、C1~C6ヒドロキシアルキル基で変性されている。
【0177】
挙げることができるヒドロキシアルキル基の中では、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチルの各基がある。
【0178】
これらのグアーガムは、従来技術において周知であり、且つ、例えば、ヒドロキシプロピル基で変性されたグアーガムを得るために、プロピレンオキシド等の対応するアルケンオキシドをグアーガムと反応させることによって調製することができる。
【0179】
ヒドロキシアルキル化度は、グアーガム上に存在する遊離ヒドロキシ官能基の数によって消費されるアルキレンオキシド分子の数に相当し、例えば0.4~1.2の範囲でありうる。
【0180】
ヒドロキシアルキル基で任意選択で変性されたこのような非イオン性グアーガムは、例えば、Rhodia Chimie社(Meyhall)により商品名Jaguar HP8、Jaguar HP60、Jaguar HP120、Jaguar DC 293及びJaguar HP 105で、又はAqualon社により名称Galactasol 4H4FD2で販売されている。
【0181】
使用されるセルロース及びセルロース誘導体、例えばヒドロキシアルキル基で変性されたセルロースの中で、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、並びに疎水性化されたヒドロキシプロピルメチルセルロースがある。Aqualon社により名称Klucel E F、Klucel H、Klucel L H F、Klucel M F及びKlucel Gで販売されている製品を挙げることができる。
【0182】
(vii)増粘剤として使用される脂肪アルコールは、ポリオキシアルキレン化基を含有せず、且つ例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから選ばれる。
【0183】
(f)増粘剤は、ポリマー増粘剤、好ましくは会合性ポリマー増粘剤、より好ましくはアニオン性会合性ポリマー増粘剤から選択することができる。
【0184】
(f)増粘剤は、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、キサンタンガム、及びこれらの混合物であってよい。
【0185】
本発明による組成物中の(f)増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってよい。
【0186】
本発明による組成物中の(f)増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、3質量%以下、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってよい。
【0187】
本発明による組成物中の(f)増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~3質量%、好ましくは0.05質量%~2質量%、より好ましくは0.1質量%~1質量%であってよい。
【0188】
{他の成分}
本発明の組成物はまた、少なくとも1種の任意選択の又は追加の成分も含んでよい。
【0189】
任意選択の又は追加の成分は、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー;アニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤;有機又は無機UV遮蔽剤;セラミド又はシュードセラミド;ペプチド及びそれらの誘導体;タンパク質加水分解物;膨潤剤及び浸透剤;脱毛にあらがう作用剤;ふけ防止剤;懸濁剤;金属イオン封鎖剤;染料;ビタミン又はプロビタミン;芳香剤;保存剤;共保存剤;安定剤;並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0190】
任意選択の又は追加の成分の量は限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~10質量%であってよい。
【0191】
[調製]
本発明による組成物は、上で説明した必須成分と、上で説明した任意選択の成分(必要な場合)とを混合して調製することができる。
【0192】
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は限定されない。任意の従来の方法及び手段を、上記の必須成分と任意選択の成分とを混合して本発明による組成物を調製するために使用することができる。
【0193】
[形態]
本発明による組成物は、O/W型又はW/O型、好ましくはO/W型であってよい。
【0194】
[用途]
本発明による組成物は、ひげを処置するために使用することができる。本発明による組成物が、ひげを処置するための化粧用組成物であることが好ましい。本発明による組成物が、口ひげ及び頬ひげ等のひげをケアする又はスタイリングするための化粧用組成物であることがより好ましい。
【0195】
本発明による組成物は、リーブオンタイプ又はリンスオフタイプの組成物として、好ましくはひげを処置するためのリーブオンタイプ又はリンスオフタイプの化粧用組成物として、より好ましくは口ひげ及び頬ひげ等のひげをケアする又はスタイリングするためのリーブオンタイプ又はリンスオフタイプの化粧用組成物として使用することができる。
【0196】
本発明による組成物は、ひげを処置するときに、満足のいくテクスチャを付与することができる。
【0197】
[方法]
本発明はまた、本発明による組成物をひげに塗布する工程を含む、ひげ、好ましくは口ひげ及び/又は頬ひげを処置するための方法にも関する。
【0198】
本発明による方法が、ひげが濡れている間に、即ちひげを乾かす前に、実施されることが好ましいことがある。当然ながら、本発明による方法を実施した後に、ひげを乾かすことができる。
【0199】
本発明による方法は、ひげを処置するときに、満足のいくテクスチャを付与することができる。
【実施例
【0200】
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0201】
(実施例1)
[調製]
実施例1による、ひげを処置するための組成物を、表1に示す成分を混合して調製した。成分の量の数値は、全て、活性原料の「質量%」に基づく。
【0202】
【表1】
【0203】
[評価]
(感覚評価)
実施例1による組成物を5人の男性パネリストにより試験した。
【0204】
実施例1による組成物を、ひげの毛1g当たり実施例1による組成物0.1gを使用するように各パネリストのひげに塗布した。
【0205】
実施例1による組成物のテクスチャ及びスタイリング特性を試験した。
【0206】
実施例1による組成物は、望まないグリース感又は重みを知覚することなしに、ひげに容易に広げることができた。そのため、実施例1による組成物が、くっつくことがなく、滑らかさを付与することができることが明示された。
【0207】
実施例1による組成物によって、ひげの毛を容易に形づくることが可能であった。ひげの毛は、一緒にかたまることもくっつくこともなく、ばらばらになった。そのため、実施例1による組成物が良好なセット能力を有することもまた明示された。
【0208】
結論として、本発明による使用又は組成物が、満足のいくテクスチャを付与することができること、及び本発明による使用又は組成物が、ひげの毛のために、良好なひげスタイリング能力又は良好な扱い性を有しうることが見出された。