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特許7604128補強されたパネル構成要素を形成する方法及び関連装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】補強されたパネル構成要素を形成する方法及び関連装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/52 20060101AFI20241216BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20241216BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20241216BHJP
   B32B 5/00 20060101ALI20241216BHJP
   B32B 37/16 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B29C43/52
B64C1/00 B
B29C43/18
B32B5/00 A
B32B37/16
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020122307
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2021037746
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】16/517,264
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェリル, ダニエル リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ルキーニ, ティモシー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ベルチャー, マーカス アンソニー
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-536265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0124659(US,A1)
【文献】特開2018-024097(JP,A)
【文献】特開昭53-012964(JP,A)
【文献】特開2015-131487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0048213(US,A1)
【文献】特開2001-293738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/00-43/58
B64C 1/00
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強されたパネルを形成する方法であって、
強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させることであって、前記強化構成要素が接合面を有する、強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させること、
未硬化パネル構成要素を前記プレス機の対向する第2の部分に係合させることであって、前記未硬化パネル構成要素が前記強化構成要素の前記接合面に対して相補的に構成された接合面を有する、未硬化パネル構成要素を前記プレス機の対向する第2の部分に係合させること、
前記強化構成要素の前記接合面が前記未硬化パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記強化構成要素の前記接合面を処理すること、
前記強化構成要素と前記未硬化パネル構成要素の前記接合面が圧力下で相補的に係合するように、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を互いに向けるように前記プレス機を作動させること、及び
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記未硬化パネル構成要素に関連する硬化温度であって、前記強化構成要素に関連する硬化温度未満の前記硬化温度まで加熱して、同時に、前記強化構成要素と前記未硬化パネル構成要素の前記接合面を共に共接合し、前記未硬化パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、方法。
【請求項2】
前記強化構成要素が、熱可塑性又は熱硬化性補強材を備え、前記未硬化パネル構成要素が、熱硬化性外板を備え、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、前記熱硬化性外板に関連する硬化温度まで加熱して、同時に、前記熱可塑性又は熱硬化性補強材と前記熱硬化性外板との前記接合面を共に共接合し、前記熱硬化性外板を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を互いに向けるように前記プレス機を作動させることが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分との間で、前記強化構成要素及び前記未硬化パネル構成要素に344737.8645Pa(50平方インチ当たりのポンド(psi))と1034213.5935Pa(150psi)の間の圧力を加えることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、25分と50分の間だけ121.111℃(華氏250度)と260℃(華氏500度)の間まで加熱して、同時に、前記強化構成要素と前記未硬化パネル構成要素の前記接合面を共に共接合し、前記未硬化パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記強化構成要素が、熱硬化性補強材であり、前記強化構成要素の前記接合面を処理することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記未硬化パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面に接着促進膜を付けることと、前記熱硬化性補強材の前記接合面にエネルギッシュな表面処理を実行することと、のうちの一方又は両方を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱硬化性補強材の前記接合面に前記エネルギッシュな表面処理を実行することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記未硬化パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面にコロナ処理、プラズマ処理、又は火炎処理を実行することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記未硬化パネル構成要素内に閉じ込められている空気又は揮発性物質を除去するために、前記プレス機に対して吸引を行うことを更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プレス機を予め加熱される温度まで予め加熱することを更に含み、前記予め加熱される温度が、前記未硬化パネル構成要素に関連する前記硬化温度未満である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることが、前記強化構成要素の前記接合面とは反対側の前記強化構成要素のプレス表面を、前記プレス表面に対して相補的に構成されたプレス部材に係合させることを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることが、「釣鐘」、「帽子」、「I」、「J」、又は「T」のように形作られた断面を有する前記強化構成要素を、前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
形成された強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることの前に、前記強化構成要素を形成するために、材料を成形すること又は打ち抜くことを更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記未硬化パネル構成要素の未硬化プライのうちの少なくとも1つを前記プレス機の前記第2の部分に係合させることの前に、前記プライを順に並べることを更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
補強されたパネルを形成するための装置であって、
平面的表面を有する第1の平面的プラテン、
パネル構成要素と係合するように適合された平面的表面を有する第2の平面的プラテンであって、前記第1の平面的プラテンと前記第2の平面的プラテンとの間で圧力を加えるために、前記第1の平面的プラテンと共に動作可能な第2の平面的プラテン、並びに
強化構成要素と係合するように適合された中間インサートであって、前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンの前記平面的表面と係合可能な平面的な第1の表面、及び、前記強化構成要素と係合可能であり且つ共形な反対側の第2の表面を有し、それによって、前記第1の平面的プラテンと前記第2の平面的プラテンとの間で、前記強化構成要素と前記パネル構成要素に加えられる前記圧力が、前記強化構成要素の全体にわたり均一に分散される、中間インサートを備え、
少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとが、前記パネル構成要素に関連する硬化温度であって、前記強化構成要素に関連する硬化温度未満の前記硬化温度まで加熱される、装置。
【請求項14】
少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとに関連する加熱要素であって、少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとを加熱して、同時に、前記強化構成要素と前記パネル構成要素を共に共結合し硬化させ、前記パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成するように配置された、加熱要素を更に備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記強化構成要素が、熱可塑性又は熱硬化性補強材を備え、前記パネル構成要素が、熱硬化性外板を備える、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記強化構成要素が、熱可塑性補強材である、請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記強化構成要素が、熱硬化性補強材である、請求項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、航空機向けの補強されたパネル構成要素に関する。特に、本開示は、補強されたパネル構成要素を形成するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は、一般的に、滑らかな空力外表面を形成するように外板パネルが取り付けられる下部構造とみなされ得る機体を含む。航空機の翼も、外板パネルによってカバーされる下部構造を含む。下部構造は、縦通材、構成物(former)、フレーム、リブ、スパーなどと共に構造フレームワークを形成する、ストリンガを含み得る。外板パネルは、概して、航空機の重量を最小化し、航空機のペイロード及び航続範囲を増加させるために軽くて薄い。外板パネルは薄いので、それらは、概して、可撓性であり、飛行中の外板パネルの望ましくない動き、撓み、及び振動を防止するために、下部構造と相まって強化することが必要である。
【0003】
しばしば、外板パネルの強化は、ストリンガを外板パネルに接合することによって実現される。しかし、ストリンガと外板パネルを接合することは、時間がかかり高価な複数の処理サイクルを必要とする。したがって、外板パネルを補強するためにストリンガが使用される場合に、部品の個数及び重量を最小にしながらも、ストリンガを外板パネルに接合するサイクル時間及び費用を低減させる必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施例は、航空機又は任意の同様な用途向けの補強されたパネル構成要素を形成する方法を対象とする。本明細書で使用される際に、「補強されたパネル構成要素」、「補強されたパネル」、及び「補強された構成要素」は、全て同じ要素を指す。特定の一実施例では、補強されたパネル構成要素を形成する方法が、補強されたパネル構成要素を形成するために、実質的に同時に(例えば、同時に又はほんのわずかな時間差で)、強化構成要素とパネル構成要素の接合面を共に共接合(co-bond)し、パネル構成要素を硬化させるように、熱及び圧力を加えることを含む。実質的に同時に、接合面を共接合し、パネル構成要素を硬化させることは、部品の個数及び部品の重量を最小にしながらも、強化構成要素(例えば、複合材ストリンガ)をパネル構成要素(例えば、複合材外板パネル)に接合する典型的なサイクル時間及び費用を有利に低減させる。例えば、一例では、オートクレーブを使用する約8~10時間の典型的なサイクル時間は、本明細書で開示される装置及び方法を使用して、約20~50分まで低減される。
【0005】
したがって、本開示は、一実施例において、補強されたパネルを形成する方法を提供する。該方法は、強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させることであって、強化構成要素が接合面を有する、強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させること、未硬化パネル構成要素をプレス機の対向する第2の部分に係合させることであって、パネル構成要素が強化構成要素の接合面に対して相補的に構成された接合面を有する、未硬化パネル構成要素をプレス機の対向する第2の部分に係合させること、強化構成要素の接合面がパネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、強化構成要素の接合面を処理すること、強化構成要素とパネル構成要素の接合面が圧力下で相補的に係合するように、プレス機の第1の部分と第2の部分を互いに向けるようにプレス機を作動させること、及び、プレス機の第1の部分と第2の部分をパネル構成要素に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、強化構成要素とパネル構成要素の接合面を共に共接合し、パネル構成要素を硬化させ、且つ補強されたパネルを形成することを含む。
【0006】
本開示は、別の一実施例において、補強された構成要素を形成する方法も提供する。該方法は、固結物から形成された第1の構成要素を加熱されるプレス機の第1の側に配置することであって、固結物が接合面を有する、固結物から形成された第1の構成要素を加熱されるプレス機の第1の側に配置すること、非固結物から形成された第2の構成要素を加熱されるプレス機の対向する第2の側に配置することであって、非固結物が固結物の接合面に対して相補的に構成された接合面を有する、非固結物から形成された第2の構成要素を加熱されるプレス機の対向する第2の側に配置すること、固結物の接合面が非固結物に対する共接合向けに有効となるように、固結物の接合面を処理すること、固結物と非固結物の接合面が圧力下で相補的に係合するように、プレス機の第1の側と第2の側を互いに向けるようにプレス機を作動させること、及び、プレス機の第1の側と第2の側を非固結物に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、固結物と非固結物の接合面を共に共接合し、非固結物を硬化させ、且つ補強された構成要素を形成することを含む。
【0007】
本開示は、別の一実施例において、補強されたパネルを形成するための装置を更に提供する。該装置は、平面的表面を有する第1の平面的プラテン、パネル構成要素と係合するように適合された平面的表面を有する第2の平面的プラテンであって、第1の平面的プラテンと第2の平面的プラテンとの間で圧力を加えるために、第1の平面的プラテンと共に動作可能な第2の平面的プラテン、並びに、強化構成要素と係合するように適合された中間インサートであって、第1の平面的プラテン又は第2の平面的プラテンの平面的表面と係合可能な平面的な第1の表面、及び、強化構成要素と係合可能であり且つ共形な反対側の第2の表面を有し、それによって、第1の平面的プラテンと第2の平面的プラテンとの間で、強化構成要素とパネル構成要素に加えられる圧力が、強化構成要素の全体にわたり均一に分散される、中間インサートを備え、少なくとも中間インサートと第1の平面的プラテン又は第2の平面的プラテンとが加熱される。
【0008】
本開示の上記の特徴、態様、及び利点、及びその他の特徴、態様、及び利点は、簡潔に後述する添付図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことで自明となろう。本開示は、本開示で説明される又は任意の1以上の請求項で挙げられる2つ、3つ、4つ、又はそれを超える数の要素の任意の組み合わせを含む。それは、かかる特徴又は要素が、本明細書の特定の一実施形態又は請求項で明示的に組み合わされるか、又は別様に列挙されているかどうかに関わらない。この開示は、全体論的に、本開示の任意の分離可能な特徴又は要素が、その態様及び実施形態の何れにおいても、本開示の文脈が別段の定めを明記しない限りは、組み合わされることが意図されていると見なされるべきであるように、読まれることが意図されている。
【0009】
上述のように、本開示の実施例を一般的な用語で説明したが、ここで、添付図面を参照する。これらの図面は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の幾つかの実施例による、補強されたパネルを示す。
図2】本開示の幾つかの実施例による、補強されたパネルを形成するための装置を示す。
図3】本開示の幾つかの実施例による、補強されたパネルを形成する方法を示す。
図4】本開示の幾つかの実施例による、補強された構成要素を形成する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しつつ、本開示の幾つかの実施例について、これより下記でより網羅的に説明する。添付図面には、本開示の実施例のうちの幾つかが示されているのであって、全てが示されているわけではない。実際のところ、本開示の様々実施例は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書に明記されている実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの例示は、この開示が包括的且つ完全なものになるように、且つ当業者にこの開示の範囲が十分に伝わるように提供されている。例えば、特に明記されない限り、何かが「第1」、「第2」などのものであるという表現は、特定の順序を暗示していると解釈すべきではない。また、(特に明記されない限り)何か別のものの上にあると説明され得るものは、その代わりに下にあることもあり、逆もまた然りである。同様に、何か別の物の左にあると説明され得るものは、その代わりに右にあってもよく、逆もまた然りである。全体を通じて、類似の参照番号は類似の要素を表わしている。
【0012】
本開示の実施例は、概して、補強されたパネル構成要素を形成する方法及び関連装置を対象とする。図1で示されているように、例えば、補強されたパネル構成要素100は、本明細書で開示される方法及び装置から形成される。補強されたパネル構成要素100は、特定の態様で、航空機構造物内のその用途に応じたサイズ/形状を有する断面を有する。例えば、補強されたパネル構成要素100は、フランジ(例えば、「釣鐘」形状若しくは「帽子」形状)、フック若しくは「J」形状、又は1以上の垂直若しくは水平構成要素(例えば、2つの水平構成要素の間に挟持された垂直構成要素若しくは「I」形状、一端に水平構成要素を有する垂直構成要素若しくは「T」形状)を有するか又は有さないチャネルを画定する断面を有するが、任意の他の形状、サイズ、種類などが、本開示の態様によって補われてよい。図1で示されているように、補強されたパネル構成要素は、実質的に同時に、強化構成要素とパネル構成要素の接合面を共に共接合し、且つパネル構成要素を硬化させることによって形成された、帽子形状の補強されたパネル構成要素であり、それについては、以下でより詳細に説明される。
【0013】
本明細書で説明される際に、強化構成要素は、特定の態様では、複合材補強材などの複合材強化構成要素であると考えられる。その場合、複合材強化構成要素は、複合材料を成形、打ち抜き(stamping)などすることによって形成される。強化構成要素の複合材料は、強化材料を用いて補強された樹脂から構成されるか又はそれを含む。強化材料は、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、鉱物繊維、又は他の強化材料を含む、人工又は天然繊維を含むが、それらに限定されるものではない。繊維が強化材料として使用される場合、例えば、繊維は、連続的であるか又は切り刻まれており、単方向であるか、ランダムに方向付けられているか、又は、平織り、千鳥綾織り、バスケット織り、若しくは斜文織りなどの、織られたもの(weave)の形態を採るが、それらに限定されるものではない。例えば、樹脂は、非限定的に、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミド‐イミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル‐ポリアリレート(例えばVECTRAN(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は他の熱可塑性樹脂を含む、熱可塑性材料を含む。代替的に、樹脂は、例えば、非限定的に、エポキシ樹脂、シアン酸エステル、ベンゾキサジン、ポリイミド、ビスマレイミド、ビニールエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン/ポリ尿素混合物、ポリエステル、又は他の熱硬化性樹脂を含む、熱硬化性材料を含む。同様に、パネル構成要素は、特定の態様では、複合材外板パネルなどの複合材パネル構成要素であると考えられる。その場合、複合材パネル構成要素は、強化構成要素に言及しながら説明される強化材料金属を用いて補強される樹脂、ポリマー外板を有するマトリクス複合材、ポリマー外板を有するガラスアルミニウム複合材、若しくはポリマー外板を有するチタニウムアルミニウム複合材から構成されるか又はそれらを含む、1以上の複合材料から形成される。
【0014】
幾つかの実施例では、強化構成要素が、非固結構成要素であり、一方で、パネル構成要素が、固結パネル構成要素であると考えられる。特に、実質的に同時に、強化構成要素とパネル構成要素のそれぞれの接合面を共に共接合し、パネル構成要素を硬化させること(例えば、実質的に同時に共接合と硬化の手順を実行すること)により、強化構成要素とパネル構成要素の固結がもたらされ、補強されたパネルが形成される。本明細書で使用される際に、接合面は、互いと直接又は間接に接触し、ボルト、リベット、溶接、半田付け、接合などを介して互いに連結される、2以上の表面のうちの1つである。
【0015】
したがって、本明細書で開示される方法及び装置は、軽量で硬い補強されたパネル構成要素の形成に関連する費用及びサイクル時間を有利に低減させる。これは、互いと共に動作可能な2つのプラテンを有する加熱されるプレス機の利用を介して実現され、これにより、パネル構成要素が硬化されている間にそれぞれの接合面において強化構成要素とパネル構成要素が共接合されること(例えば、実質的に同時に共接合と硬化の手順を実行すること)が可能になる。そうすることによって、パネル構成要素を硬化させることと、次いで強化構成要素と硬化されたパネル構成要素を接合することと、の個別のサイクルが、加熱されるプレス機を使用することによって単一のサイクルへと組み合わされる。
【0016】
図2は、補強されたパネルを形成するための閉じた位置にある装置であって、概して参照番号200と指定されている装置の一実施例を示している。幾つかの実施例では、補強されたパネルが、図1で示された補強されたパネル100であり、又は、幾つかの他の実施例では、別の種類の補強されたパネルである。実際、任意のサイズ、形状、材料などの補強されたパネルが、図2で示されている装置を使用して形成可能である。ある実施例では、装置200が、互いと係合するように運ばれる第1の部分と対向する第2の部分とを有する加熱されるプレス機を備える(例えば、プレス機の第1の部分と第2の部分が、開いた位置と閉じた位置との間で移動する)。
【0017】
幾つかの実施例では、装置200が、平面的表面204を有する第1の平面的プラテン202又は第1の部分を備える。第2の平面的プラテン206又は第2の部分は、第2の構成要素又はパネル構成要素210と係合するように適合された平面的表面208を有する。パネル構成要素210は、繊維(例えば、炭素繊維、粒子など)及びポリマー樹脂マトリクスから構成された複合材熱硬化性外板パネルである。パネル構成要素210の他の複合材料も考慮される。熱硬化性外板は、熱硬化性外板を硬化温度まで加熱することや、輻射などによって生じる硬化プロセスによって堅くされ、高圧によって促進される。
【0018】
特に、熱硬化性外板を硬化させることを開始するために、第2の平面的プラテン206が第1の平面的プラテン202と共に動作可能であり、それらの間に圧力を加える。例えば、2つのプラテン202、206は、互いと動作可能に係合し、又は互いと接触するように運ばれる(例えば、同時に各プラテンを動作させること、1つだけのプラテンを動作させること、又は各プラテンを異なる過程で動作させることによって)。それによって、圧力が法線方向力としてプラテンに加えられる(例えば、第1の平面的プラテン202は、法線力を第2の平面的プラテン206に加え、第2の平面的プラテン206は、反対向きの法線力を第1の平面的プラテン202に加える)。圧力は、約50と約150平方インチ当たりのポンド(psi)の間である。その場合、幾つかの事例では、加えられる法線力の量が、平面的プラテンの表面積に応じる。
【0019】
中間インサート又はプレス部材212が、強化構成要素214と係合可能である。幾つかの実施例では、強化構成要素214が、複合材熱可塑性物質又は熱硬化性複合材の補強材である。強化構成要素が、複合材熱可塑性強化構成要素である場合、複合材熱可塑性強化構成要素は、複合材熱可塑性材料に関連する溶融温度まで加熱されたときに軟らかくなり、次いで冷却されると堅くなる。
【0020】
中間インサート又はプレス部材212は、第1又は第2の平面的プラテン202、206の平面的表面204、208と係合可能な平面的な第1の表面216、及び強化構成要素214と係合可能であり且つ共形な反対側の第2の表面218を有する。それによって、中間インサート又はプレス部材212は、平面的又はプレス表面204、208に対して相補的に構成されていると考えられる。図2で示されているように、中間インサート212の平面的な第1の表面216は、第1の平面的プラテン202と係合し、一方で、第2の表面218は、強化構成要素214と係合し且つ共形である。特に、中間インサート212の第2の表面218は、強化構成要素214の起伏に対応した起伏を有する。例えば、強化構成要素214の起伏は、強化構成要素214の形状に基づく。その場合、強化構成要素214は、「釣鐘」、「帽子」、「I」、「J」、又は「T」のように形作られた断面を有する。それによって、第2の表面218は、そのように形作られている強化構成要素を相応に受け入れる起伏を有する。中間インサート212の第2の表面218に起伏を設けることによって、第1の平面的プラテン202と第2の平面的プラテン206との間で、強化構成要素214及びパネル構成要素210に加えられる圧力は、強化構成要素214の全体にわたり均一に分散される。装置200は、少なくとも中間インサート212と第1の平面的プラテン202又は第2の平面的プラテン206とに関連する加熱要素220を更に含む。加熱要素220は、少なくとも中間インサート212と第1のプラテン202又は第2のプラテン206とを加熱して、実質的に同時に、強化構成要素214及びパネル構成要素210を共に共接合し、パネル構成要素210を硬化させ、且つ補強されたパネル(例えば、図1の100)を形成するように配置可能である。
【0021】
幾つかの実施例では、中間インサート212と第1のプラテン202又は第2のプラテン206とが、装置200の電源(図示せず)との電気接続を介して加熱され、その間、中間インサート212と第1のプラテン202又は第2のプラテン206とは、互いと動作可能に係合し且つ圧力下にある。例えば、電源の作動は、中間インサート212及び/又は第1のプラテン202若しくは第2のプラテン206内に埋め込まれ、それらと一体化され、或いは別様に結合された、例えば加熱ロッドなどの加熱要素220に電流を向ける。中間インサート212と第1のプラテン202又は第2のプラテン206とは、次いで、加熱要素220によって、パネル構成要素210に関連する硬化温度まで加熱される。パネル構成要素210の硬化温度は、パネル構成要素の材料に応じる。その場合、異なる材料は、異なる硬化温度を有する。例えば、中間インサート212と第1のプラテン202又は第2のプラテン206とは、約25分と約50分の間だけ、華氏約250度(F°)と華氏約500度(F°)の間の硬化温度まで加熱される。その場合、パネル構成要素は、複合材熱硬化性物質であり、実質的に同時、強化構成要素214とパネル構成要素210のそれぞれの接合面222、224を共に共接合し、パネル構成要素210を硬化させ、且つ補強されたパネルを形成する。パネル構成要素210に関連する硬化温度は、強化構成要素214に関連する溶融温度未満の温度である。このやり方では、パネル構成要素210及び強化構成要素214を加熱することにより、強化構成要素が溶融せず、一方で、パネル構成要素210が硬化する。
【0022】
幾つかの実施例では、第1及び第2の平面的プラテン202、206が動作可能に係合される前に、強化構成要素214が処理される。特に、強化構成要素214の接合面222及び/又はパネル構成要素210の接合面224は、膜を付けることや、エネルギッシュな表面処理(energetic surface preparation)などを介して処理される。それによって、接合面222、224は、パネル構成要素210に対する共接合向けに有効となる。接合面222、224に加えられる処理の種類は、強化構成要素214の材料に応じる。
【0023】
例えば、強化構成要素214が、複合材熱可塑性強化構成要素である場合、熱可塑性膜226が、熱可塑性強化構成要素の接合面222に付けられる。それによって、接合面222は、パネル構成要素210に対する共接合向けに有効となる。熱可塑性膜226は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミド‐イミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル‐ポリアリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
別の一実施例では、強化構成要素214が、複合材熱硬化性強化構成要素である場合、接着促進膜228が、複合材熱硬化性強化構成要素214の接合面222に付けられ、及び/又は、複合材熱硬化性強化構成要素214の接合面222に、エネルギッシュな表面処理230が実行される。それによって、接合面222は、パネル構成要素210に対する共接合向けに有効となる。接着促進膜は、未充填の部分的に高度なエポキシ樹脂から構成される。エネルギッシュな表面処理は、複合材熱硬化性強化構成要素214の接合面222に、コロナ処理(corona treatment)、プラズマ処理、火炎処理などを実行することを含む。それによって、接合面222は、パネル構成要素210に対する共接合向けに有効となる。
【0025】
幾つかの実施例では、未硬化パネル構成要素210内に閉じ込められた任意の空気又は揮発性物質を除去するために、装置200に対して吸引を行うために、吸引機構(図示せず)が利用される。空気又は揮発性物質を除去することによって、強化構成要素214とパネル構成要素210との間の強い共接合が保証される。その場合、任意の空気又は揮発性物質は、接合面222、224における強いしっかりとした共接合を妨げる。
【0026】
したがって、図2で示されている装置は、パネル構成要素210を硬化させると同時に、強化構成要素214とパネル構成要素210が共接合されることをもたらす。幾つかの態様では、そのようにするための期間が、従来の接合方法より短い。それによって、かなりの費用節約及び効率化が実現される。
【0027】
図3は、強化パネルを形成する方法の一実施例を示している。その場合、該方法は、概して、参照番号300によって示される。幾つかの事例では、補強されたパネルが、図1で示されているようなパネルである。更に、方法300は、図2の装置200などの装置を使用して実行される。
【0028】
ステップ302では、材料を成形(例えば、連続圧縮成形(CCM))又は打ち抜きすることが実行されて、強化構成要素(例えば、図2の要素214)を形成する。ステップ304では、パネル構成要素(例えば、図2の要素210)の未硬化プライを順に並べること(collating)が実行される。ステップ306では、装置(例えば、図2の装置200などの加熱されるプレス機)が、予め加熱される温度まで予め加熱される。予め加熱される温度は、パネル構成要素に関連する硬化温度未満である。例えば、プレス機は、華氏約225度と華氏約475度の間まで予め加熱される。
【0029】
ステップ308では、接合面を有する強化構成要素が、加熱されるプレス機の第1の部分(例えば、図2の要素202)と係合される。ステップ310では、未硬化パネル構成要素が、プレス機の対向する第2の部分(例えば、図2の要素208)と係合される。パネル構成要素は、強化構成要素の接合面に対して相補的に構成された接合面を有する。ステップ312では、強化構成要素の接合面が、共接合向けに有効となるように処理される。とりわけ、ステップ312は、任意選択的であり、強化構成要素の材料に応じる。
【0030】
ステップ314では、未硬化パネル構成要素内に閉じ込められている任意の空気又は揮発性物質を除去するために、プレス機に対して吸引が行われる。ステップ316では、プレス機は、プレス機の第1の部分と第2の部分を互いに向けるように作動される。それによって、強化構成要素とパネル構成要素の接合面は、圧力下で相補的に係合される。ステップ318では、プレス機の第1及び第2の部分が、パネル構成要素に関連する硬化温度まで加熱されて、実質的に同時に、強化構成要素とパネル構成要素の接合面を共に共接合し、パネル構成要素を硬化させ、且つ補強されたパネルを形成する。
【0031】
補強された構成要素を形成するまた更なる方法が、図4で提供される。該方法は、概して、参照番号400によって言及される。補強された構成要素は、図1で示されているものなどのパネルである。方法400は、図2の装置200などの装置を使用して実行される。
【0032】
第1のステップ、402では、接合面を有する固結物から形成された第1の構成要素が、加熱されるプレス機の第1の側に配置される。第2のステップ、404では、非固結物から形成された第2の構成要素が、加熱されるプレス機の対向する第2の側に配置される。非固結物は、固結物の接合面に対して相補的に構成された接合面を有する。第3のステップ、406では、固結物の接合面が、非固結物に対する共接合向けに有効となるように処理される。第4のステップ、408では、プレス機の第1の側と第2の側が互いに向けられるようにプレス機が作動される。それによって、固結物と非固結物の接合面が、圧力下で相補的に係合される。第5のステップでは、プレス機の第1及び第2の側が、非固結物に関連する硬化温度まで加熱されて、実質的に同時に、固結物と非固結物の接合面を共に共接合し、非固結物を硬化させ、且つ補強された構成要素を形成する。
【0033】
幾つかの実施例では、プレス機の第1及び第2の側が互いに向けられるようにプレス機を作動させることが、プレス機の第1の側と第2の側の間で固結物及び非固結物に約50と約150平方インチ当たりのポンド(psi)の間の圧力を加えることを含む。
【0034】
更なる幾つかの実施例では、プレス機の第1及び第2の側を硬化温度まで加熱することが、プレス機の第1及び第2の側を約25分と約50分の間だけ華氏約250度と華氏約500度の間まで加熱して、実質的に同時に、固結物と非固結物の接合面を共に共接合し、非固結物を硬化させ、且つ補強された構成要素を形成することを含む。
【0035】
上述の説明及び関連図面に提示されている教示の恩恵を受ける、本開示に関連する当業者には、本明細書に明記された本開示の多数の改変例及びその他の実施例形態が想起されよう。したがって、本開示は開示した特定の実施例に限定されるものでなく、変形及び他の実施例は添付の特許請求の範囲に含まれることを意図しているものと理解されたい。更に、上述の説明及び関連図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせに照らして例示的な実行形態を説明しているが、付随する特許請求の範囲から逸脱しなければ、代替実施例実行形態によって、要素及び/又は機能の様々な組み合わせが提供され得ることを認識すべきである。つまり、付随する特許請求の範囲の一部に明記され得るように、例えば、明示的に上述されているものと異なる要素及び/又は機能の組み合わせも想定される。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは、一般的且つ解説的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。
【0036】
条項1.
補強されたパネルを形成する方法であって、強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させることであって、前記強化構成要素が接合面を有する、強化構成要素を加熱されるプレス機の第1の部分に係合させること、未硬化パネル構成要素を前記プレス機の対向する第2の部分に係合させることであって、前記パネル構成要素が前記強化構成要素の前記接合面に対して相補的に構成された接合面を有する、未硬化パネル構成要素を前記プレス機の対向する第2の部分に係合させること、前記強化構成要素の前記接合面が前記パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記強化構成要素の前記接合面を処理すること、前記強化構成要素と前記パネル構成要素の前記接合面が圧力下で相補的に係合するように、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を互いに向けるように前記プレス機を作動させること、及び、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記パネル構成要素に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、前記強化構成要素と前記パネル構成要素の前記接合面を共に共接合し、前記パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、方法。
条項2.
前記強化構成要素が、熱可塑性又は熱硬化性補強材を備え、前記パネル構成要素が、熱硬化性外板を備え、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、前記熱硬化性外板に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、前記熱可塑性又は熱硬化性補強材と前記熱硬化性外板との前記接合面を共に共接合し、前記熱硬化性外板を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、条項1に記載の方法。
条項3.
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を互いに向けるように前記プレス機を作動させることが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分との間で、前記強化構成要素及び前記パネル構成要素に約50と約150平方インチ当たりのポンド(psi)の間の圧力を加えることを含む、条項1又は2に記載の方法。
条項4.
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、約25分と約50分の間だけ華氏約250度と華氏約500度の間まで加熱して、実質的に同時に、前記強化構成要素と前記パネル構成要素の前記接合面を共に共接合し、前記パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
条項5.
前記強化構成要素が、熱可塑性補強材であり、前記熱可塑性補強材の前記接合面を処理することが、前記熱可塑性補強材の前記接合面が前記前記パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記熱可塑性補強材の前記接合面に熱可塑性膜を付けることを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
条項6.
前記熱可塑性補強材の前記接合面に前記熱可塑性膜を付けることが、前記熱可塑性補強材の前記接合面に、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミド‐イミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル‐ポリアリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は任意の組み合わせの膜を付けることを含む、条項5に記載の方法。
条項7.
前記強化構成要素が、熱硬化性補強材であり、前記強化構成要素の前記接合面を処理することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面に接着促進膜を付けることと、前記熱硬化性補強材の前記接合面にエネルギッシュな表面処理を実行することと、のうちの一方又は両方を含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
条項8.
前記熱硬化性補強材の前記接合面に前記エネルギッシュな表面処理を実行することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記パネル構成要素に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面にコロナ処理、プラズマ処理、又は火炎処理を実行することを含む、条項7に記載の方法。
条項9.
前記未硬化パネル構成要素内に閉じ込められている任意の空気又は揮発性物質を除去するために、前記プレス機に対して吸引を行うことを更に含む、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
条項10.
前記プレス機を予め加熱される温度まで予め加熱することを更に含み、前記予め加熱される温度が、前記パネル構成要素に関連する前記硬化温度未満である、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
条項11.
前記強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることが、前記強化構成要素の前記接合面とは反対側の前記強化構成要素のプレス表面を、前記プレス表面に対して相補的に構成されたプレス部材に係合させることを含む、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
条項12.
前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、前記パネル構成要素に関連する前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の部分と前記第2の部分を、前記パネル構成要素に関連する前記硬化温度であって、前記強化構成要素に関連する硬化温度未満の前記硬化温度まで加熱することを含む、条項1から11のいずれか一項に記載の方法。
条項13.
前記強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることが、「釣鐘」、「帽子」、「I」、「J」、又は「T」のように形作られた断面を有する前記強化構成要素を、前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることを含む、条項1から12のいずれか一項に記載の方法。
条項14.
形成された強化構成要素を前記加熱されるプレス機の前記第1の部分に係合させることの前に、前記強化構成要素を形成するために、材料を成形すること又は打ち抜くことを更に含む、条項1から13のいずれか一項に記載の方法。
条項15.
前記パネル構成要素の未硬化プライのうちの少なくとも1つを前記プレス機の前記第2の部分に係合させることの前に、前記プライを順に並べることを更に含む、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
条項16.
補強された構成要素を形成する方法であって、固結物から形成された第1の構成要素を加熱されるプレス機の第1の側に配置することであって、前記固結物が接合面を有する、固結物から形成された第1の構成要素を加熱されるプレス機の第1の側に配置すること、非固結物から形成された第2の構成要素を前記加熱されるプレス機の対向する第2の側に配置することであって、前記非固結物が前記固結物の前記接合面に対して相補的に構成された接合面を有する、非固結物から形成された第2の構成要素を加熱されるプレス機の対向する第2の側に配置すること、前記固結物の前記接合面が前記非固結物に対する共接合向けに有効となるように、前記固結物の前記接合面を処理すること、前記固結物と前記非固結物の前記接合面が圧力下で相補的に係合するように、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を互いに向けるように前記プレス機を作動させること、及び、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を前記非固結物に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、前記固結物と前記非固結物の前記接合面を共に共接合し、前記非固結物を硬化させ、且つ前記補強された構成要素を形成することを含む、方法。
条項17.
前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を互いに向けるように前記プレス機を作動させることが、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側の間で前記固結物及び前記非固結物に約50と約150平方インチ当たりのポンド(psi)の間の圧力を加えることを含む、条項16に記載の方法。
条項18.
前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を約25分と約50分の間だけ華氏約250度と華氏約500度の間まで加熱して、実質的に同時に、前記固結物と前記非固結物の前記接合面を共に共接合し、前記非固結物を硬化させ、且つ前記補強された構成要素を形成することを含む、条項16又は17に記載の方法。
条項19.
前記非固結物が、熱可塑性又は熱硬化性補強材を備え、前記固結物が、熱硬化性外板を備え、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を前記硬化温度まで加熱することが、前記プレス機の前記第1の側と前記第2の側を、前記熱硬化性外板に関連する硬化温度まで加熱して、実質的に同時に、前記熱可塑性又は熱硬化性補強材と前記熱硬化性外板との前記接合面を共に共接合し、前記熱硬化性外板を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成することを含む、条項16から18に記載の方法。
条項20.
前記非固結物が、熱可塑性補強材であり、前記熱可塑性補強材の前記接合面を処理することが、前記熱可塑性補強材の前記接合面が前記固結物に対する共接合向けに有効となるように、前記熱可塑性補強材の前記接合面に熱可塑性膜を付けることを含む、条項16から19のいずれか一項に記載の方法。
条項21.
前記熱可塑性補強材の前記接合面に前記熱可塑性膜を付けることが、前記熱可塑性補強材の前記接合面に、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミド‐イミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル‐ポリアリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は任意の組み合わせの膜を付けることを含む、条項20に記載の方法。
条項22.
前記非固結物が、熱硬化性補強材であり、前記非固結物の前記接合面を処理することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記固結物に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面に接着促進膜を付けることと、前記熱硬化性補強材の前記接合面にエネルギッシュな表面処理を実行することと、のうちの一方又は両方を含む、条項16から21のいずれか一項に記載の方法。
条項23.
前記熱硬化性補強材の前記接合面に前記エネルギッシュな表面処理を実行することが、前記熱硬化性補強材の前記接合面が前記固結物に対する共接合向けに有効となるように、前記熱硬化性補強材の前記接合面にコロナ処理、プラズマ処理、又は火炎処理を実行することを含む、条項22に記載の方法。
条項24.
未硬化固結物内に閉じ込められている任意の空気又は揮発性物質を除去するために、前記プレス機に対して吸引を行うことを更に含む、条項16から23のいずれか一項に記載の方法。
条項25.
前記プレス機を予め加熱される温度まで予め加熱することを更に含み、前記予め加熱される温度が、前記固結物に関連する前記硬化温度未満である、条項16から24のいずれか一項に記載の方法。
条項26.
補強されたパネルを形成するための装置であって、平面的表面を有する第1の平面的プラテン、パネル構成要素と係合するように適合された平面的表面を有する第2の平面的プラテンであって、前記第1の平面的プラテンと前記第2の平面的プラテンとの間で圧力を加えるために、前記第1の平面的プラテンと共に動作可能な第2の平面的プラテン、並びに、強化構成要素と係合するように適合された中間インサートであって、前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンの前記平面的表面と係合可能な平面的な第1の表面、及び、前記強化構成要素と係合可能であり且つ共形な反対側の第2の表面を有し、それによって、前記第1の平面的プラテンと前記第2の平面的プラテンとの間で、前記強化構成要素と前記パネル構成要素に加えられる前記圧力が、前記強化構成要素の全体にわたり均一に分散される、中間インサートを備え、少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとが加熱される、装置。
条項27.
少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとに関連する加熱要素であって、少なくとも前記中間インサートと前記第1の平面的プラテン又は前記第2の平面的プラテンとを加熱して、実質的に同時に、前記強化構成要素と前記パネル構成要素を共に共結合し硬化させ、前記パネル構成要素を硬化させ、且つ前記補強されたパネルを形成するように配置された、加熱要素を更に備える、条項26に記載の装置。
条項28.
前記強化構成要素が、熱可塑性又は熱硬化性補強材を備え、前記パネル構成要素が、熱硬化性外板を備える、条項26又は27に記載の装置。
条項29.
前記強化構成要素が、熱可塑性補強材である、条項26から28のいずれか一項に記載の装置。
条項30.
前記強化構成要素が、熱硬化性補強材である、条項26から29のいずれか一項に記載の装置。
図1
図2
図3
図4