(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241216BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G03G15/00 680
G03G21/16 171
G03G21/16 152
(21)【出願番号】P 2020153584
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】原 義明
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-094205(JP,A)
【文献】特開2017-044937(JP,A)
【文献】特開2020-065020(JP,A)
【文献】特開2020-172379(JP,A)
【文献】特開2002-328584(JP,A)
【文献】特開2019-053100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0295336(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電を行う給電ユニットと、
前記給電ユニットから供給された電源により画像形成プロセスの一部を行うプロセスユニットと、
前記給電ユニットから前記プロセスユニットまでの導通経路を提供する給電経路ユニットと、を備え、
前記給電経路ユニットは、
前記導通経路の一部として前記給電ユニットまたは前記プロセスユニットとの接点を構成するコイルばねと、
前記コイルばねを保持する保持部材と、を含み、
前記コイルばねは、
コイル部と、
前記コイル部と一体的に設けられ、前記コイル部の一端から前記コイル部の径方向に沿って外側へ延びる腕部と、を有し、
前記保持部材が、前記径方向における前記コイルばねの移動を規制する規制部を有し、
前記コイルばねの腕部が、前記保持部材の一部に係合するフック部を有する、
前記保持部材は、前記コイル部の前記一端に接し、前記コイル部の前記径方向に広がる面を有する板部を有し、
前記腕部は、
前記コイル部の前記一端から、前記径方向において前記コイル部に対して外側へ延びる第1部分と、
前記第1部分の前記コイル部とは反対側の端から、第1曲げ部を介して、前記径方向において前記コイル部に向かって延びる第2部分と、
前記第2部分の前記第1部分とは反対側の端から、第2曲げ部を介して、前記径方向において前記コイル部に対して外側へ遠ざかるように延びる第3部分と、を有し、
前記第1曲げ部が鋭角をなし、かつ、前記第1部分と前記第2部分とが前記コイル部の伸縮方向において前記板部を挟みこむことで、前記第1部分と前記第2部分とが前記フック部を構成し、
前記第3部分は前記径方向において前記板部の端を超えて延びている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コイル部の、前記腕部が設けられた前記一端とは反対側の一端が、前記接点である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給電経路ユニットは、前記コイルばねとともに前記導通経路の別の一部を構成する導通部材をさらに含み、
前記コイルばねの前記コイル部の前記一端が、前記導通部材に接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記導通経路は、はんだめっき軟銅線を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスユニットは、感光ドラムを帯電させる帯電ユニットを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセスユニットは、感光ドラムに形成される静電潜像をトナーを用いて現像する現像ユニットを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の感光ドラムや現像部材等を有する各ユニットと高圧基板とを電気的に接続するために、圧縮ばね等のばね接点を用いることがある。特許文献1には、感光ドラムを有するドラムユニット、現像部材を有する現像ユニット等のプロセスユニットと高電圧を給電する高圧基板とを、導電性の線材の両端それぞれに圧縮ばねを一体的に形成したばね接点を用いて接続する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載の接続構成において、さらに簡単な構成でユニットと高圧基板との接続をさせるために、線材と圧縮ばねとを分割して構成することが考えられる。この場合、線材に対して圧縮ばねを接触させるように保持することで、簡単な構成で電気的な接続を行うことができる。
【0005】
しかしながら、上記のように接点部材を分割させる構成では、ユニットの組立時やメンテナンス時等に意図せず圧縮ばねに触れてしまった場合に圧縮ばねが脱落してしまう虞があり、組立時やメンテナンス時の作業性が悪かった。
【0006】
そこで、本発明は、画像形成装置に用いられるユニットと高圧基板との接続構成において圧縮ばねを用いる場合であっても、組立時やメンテナンス時の作業性が悪化してしまうことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
給電を行う給電ユニットと、前記給電ユニットから供給された電源により画像形成プロセスの一部を行うプロセスユニットと、前記給電ユニットから前記プロセスユニットまでの導通経路を提供する給電経路ユニットと、を備え、前記給電経路ユニットは、前記導通経路の一部として前記給電ユニットまたは前記プロセスユニットとの接点を構成するコイルばねと、前記コイルばねを保持する保持部材と、を含み、前記コイルばねは、コイル部と、前記コイル部と一体的に設けられ、前記コイル部の一端から前記コイル部の径方向に沿って外側へ延びる腕部と、を有し、前記保持部材が、前記径方向における前記コイルばねの移動を規制する規制部を有し、前記コイルばねの腕部が、前記保持部材の一部に係合するフック部を有し、前記保持部材は、前記コイル部の前記一端に接し、前記コイル部の前記径方向に広がる面を有する板部を有し、前記腕部は、前記コイル部の前記一端から、前記径方向において前記コイル部に対して外側へ延びる第1部分と、前記第1部分の前記コイル部とは反対側の端から、第1曲げ部を介して、前記径方向において前記コイル部に向かって延びる第2部分と、前記第2部分の前記第1部分とは反対側の端から、第2曲げ部を介して、前記径方向において前記コイル部に対して外側へ遠ざかるように延びる第3部分と、を有し、前記第1曲げ部が鋭角をなし、かつ、前記第1部分と前記第2部分とが前記コイル部の伸縮方向において前記板部を挟みこむことで、前記第1部分と前記第2部分とが前記フック部を構成し、前記第3部分は前記径方向において前記板部の端を超えて延びている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気的な接点経路に圧縮ばねを採用した場合であっても、組立時やサービス交換時の作業性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】高圧基板からドラムユニットへの給電経路を示す斜視図
【
図6】高圧経路保持部材のドラムユニット側接点の概略図
【
図8】第1の実施形態の圧縮ばねと高圧経路保持部材の概略図
【
図9】第1の実施形態の圧縮ばねの組立時の状態を示す概略図
【
図10】第2の実施形態の圧縮ばねを支持する構成を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下において、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
図1は本発明を備えた画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100の正面側には、ユーザによって操作可能なタッチパネルを有する操作部200が設けられている。また、画像形成装置100の上部には、画像読取装置150および原稿搬送装置300が設けられている。
【0012】
画像読取装置150は、不図示の読取ガラス上に載置された原稿の画像を読み取ることが可能であり、原稿搬送装置300によって搬送され流し読みガラス上を通過する原稿の画像を読み取ることも可能である。画像読取装置150によって読み取られた画像データは、不図示のコントローラ基板によって画像情報として処理される。ここで、ユーザは、操作部200を介して画像読取装置150による読取実行の指示等を行うことが可能である。
【0013】
カセット111は、画像が形成されるシートSとして紙やOHT等が収容可能となっており、画像形成装置100の正面側に向けて引き出し可能となっている。
【0014】
上述したコントローラ基板は、画像読取装置150による読取結果に基づく画像情報や、PC等の外部機器から入力される画像情報に基づいて、レーザスキャナユニット142からレーザ光を発するように信号を生成する。
【0015】
そして、レーザスキャナユニット142から発されるレーザ光によって感光体ドラム141に静電潜像が形成され、現像装置143に設けられる現像部としての現像スリーブにより感光体ドラムの静電潜像が現像されることで感光ドラム141にトナー像が形成される。
【0016】
ここで、画像形成部140は、Y,M,C,Bkの4つのステーションを有している。画像形成部140の各ステーションは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックとそれぞれ用いるトナーの色が異なるのみであり、各構成は同じである。従って、ここでは画像形成部Yの構成を説明し、画像形成部M,C,Kの詳細構成については説明を省略する。
【0017】
感光ドラム141に形成されたトナー像は、一次転写装置144により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト145上にトナー像が転写される。
【0018】
次に、中間転写ベルト145について説明する。中間転写ベルト145は、
図1中の矢印A方向へと搬送駆動される。従って、先述のY、M、C、およびBkの各ステーションにより並列処理される。各ステーションの画像形成プロセスは、中間転写ベルト145上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト145上に形成され、中間転写ベルト145の回転に伴って二次転写部130へと搬送される。
【0019】
一方、前述のカセット111に積載収納された紙やOHT等のシートSが給紙部110により一枚ずつ分離されて給送される。給送されたシートSは第一の搬送ローラ対120に受け渡され、シート搬送方向下流側に配置されたシート斜行補正装置10に向かって搬送されシートSの斜行が補正される。その後、シートSは第二の搬送ローラ対30によって二次転写部130へと搬送される。
【0020】
そして、二次転写部130へ搬送されたシートSは、中間転写ベルト145を介して二次転写内ローラ131と二次転写外ローラ132とに挟持されることで、二次転写部130においてシートS上にフルカラーのトナー像が二次転写される。
【0021】
その後、シートSは定着装置155へと搬送される。定着装置155は、略対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えてシートS上にトナーを溶融固着させる。
【0022】
このようにして得られた定着画像を有するシートSは定着後搬送部160を通過して、排紙ローラ161によってそのまま排紙トレイ170上に排出される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には排紙ローラ161を逆回転させ、1面目に画像が形成されたシートSを反転搬送装置180へと搬送し、再度第一の搬送ローラ対120によって二次転写部130へ搬送され2面目の画像形成が行われる。
【0023】
また、上記の各ユニットは後述する枠体500に保持されている。
【0024】
つぎに、
図2、
図3及び
図4を用いて本発明の画像形成装置の感光ドラム141を有するドラムユニット600への高圧給電経路について説明する。
図2は、外装カバーを取り外した状態の画像形成装置100を背面側から視た斜視図であり、(a)は枠体500に支持される高圧給電経路の斜視図、(b)は高圧給電経路の斜視図である。
【0025】
ここで、枠体500は、画像形成装置100の背面側に設けられる後側板501と、画像形成装置100の正面側であって後側板501と共に各ユニットを支持する前側板502と、後側板501と前側板502とを連結するステイ503a~cとを有している。
【0026】
高圧給電経路ユニット410は、枠体500の後側板501に固定されており、画像形成装置100の外観を構成する不図示の背面カバーによって覆われる。そして、高圧給電経路ユニット410は、高圧経路保持部材411および、画像形成装置100の内部の空気を外部へ排気するためのダクト412を有している。また、高圧給電経路ユニット410には、高圧基板ユニット400が固定されている。ここで、高圧基板ユニット400は第1のユニットの一例である。
【0027】
排気ファンユニット450は、高圧給電経路ユニット410のダクト412に接続される不図示のファンおよびダクトを備え、後側板501に固定されている。
【0028】
ドラムユニット600は、感光ドラム141を備え、枠体500に設けられるドラムレール510に支持されている。ドラムユニット600は、ドラムレール510に沿って感光ドラム141の回転軸線方向にガイドされ、画像形成装置100に対して着脱可能となっている。
【0029】
図3(a)は、ドラムユニット600、高圧基板ユニット400及び高圧給電経路ユニット410の分解斜視図である。
図3(b)は高圧基板ユニット400を画像形成装置100正面側からみた斜視図である。
図3(c)は、高圧基板ユニット400及び高圧給電経路ユニット410の分解斜視図である。尚、
図3(a)は便宜上ブラックのドラムユニット600Bkのみを示しているが、実際はイエローY、マゼンタM、シアンCについても同様のものが矢印X方向に並列に並んでいる。
【0030】
高圧基板ユニット400は、ドラムユニット600への高圧給電用の基板である帯電高圧基板402と、現像ユニットとしての現像装置143(
図1)への高圧給電用の基板である現像高圧基板403と、帯電高圧基板402と現像高圧基板403とを保持するケース401と、ケース401から基板が抜けるのを防ぐための抜け止め404とを有している。
【0031】
高圧給電経路ユニット410には、各高圧基板より給電するための導通経路を持ち、帯電高圧基板402に接続し、導通するための接点として圧縮ばね420a~d、ドラムユニット600Bk,C,M,Yに接続し、導通するための接点として圧縮ばね421a~dが設けられている。そして、圧縮ばね420a~dと圧縮ばね421a~dは、はんだめっき軟銅線(以降ジャンパー線と表記)で接続されることで導通可能となっている。圧縮ばね420a~dと圧縮ばね421a~dとジャンパー線413a~dとの接続構成についての詳細は後述する。
【0032】
また、高圧給電経路ユニット410には、現像高圧基板403と導通する接点として圧縮バネ422a~d、現像装置143Bk,C,M,Yと導通する接点として圧縮バネ423a~dが設けられている。そして、圧縮ばね422a~dと圧縮ばね423a~dとはジャンパー線414a~dによってそれぞれ接続(導通)している。
【0033】
また、高圧基板ユニット400は、
図3(b)(c)に示すように、帯電高圧基板402に設けられる接点402a~d(
図4)と接触しかつ高圧給電経路ユニット410の接点である圧縮ばね420a~dと接触する接点板ばね405a~dと、現像高圧基板403に設けられる不図示の接点と接触しかつ高圧給電経路ユニット410の接点である圧縮ばね422a~dと接触する接点板ばね406a~dを備える。
【0034】
接点板ばね405a~dは、高圧給電経路ユニット410を介してドラムユニット600Bk,C,M,Yへそれぞれ接続され、接点板ばね406a~dは、高圧給電経路ユニット410を介して現像装置143Bk,C,M,Yへの経路にそれぞれ接続される。
【0035】
本実施形態では、接点板ばね405aがドラムユニット600Bkの経路に接続され、接点板ばね405bがドラムユニット600Cの経路に接続され、接点板ばね405cがドラムユニット600Mの経路に接続され、接点板ばね405dがドラムユニット600Yの経路に接続される。
【0036】
また、本実施形態では、接点板ばね406aが現像装置143Bkの経路に接続され、接点板ばね406bが現像装置143Cの経路に接続され、接点板ばね406cが現像装置143Mの経路に接続され、接点板ばね406dが現像装置143Yの経路に接続される。
【0037】
高圧基板ユニット400は、高圧給電経路ユニット410に設けられたビス止め用のタップ付きボス411a、411bへケース401の取り付面401a、401bがビスによって固定されることで、高圧給電経路ユニット410へ固定される。このように、高圧基板ユニット400が高圧給電経路ユニット410へ固定されることで、接点板ばね405a~dおよび接点板ばね406a~dが圧縮ばね420a~dおよび圧縮ばね422a~dにそれぞれ当接し、接続状態となる。
【0038】
次に、ドラムユニット600と高圧給電経路ユニット410との接触状態について、説明をする。尚、ドラムユニット600Bk,C,M,Yのそれぞれの高圧給電経路ユニット410への接触構成は同じである。以下では、ブラックのドラムユニット600Bkと高圧給電経路ユニット410の接点との接触状態について説明をし、ドラムユニット600C,M,Yについては説明を省略する。
【0039】
ドラムユニット600は、ドラムレール510上を画像形成装置の前奥方向(図中Y方向)に沿ってガイドされることで画像形成装置100に対して着脱可能であり、画像形成装置100の装着位置に位置する状態においてドラムユニット600の接点600aと高圧給電経路ユニット410の接点である圧縮ばね421aが接触する。ここで、画像形成装置100の装着位置とは、ドラムユニット600に設けられる不図示のカップリングと画像形成装置100に設けられる不図示のカップリングとが連結する位置である。ドラムユニット600の感光ドラム141は、装着位置においてカップリングを介して画像形成装置100の不図示の駆動部から駆動力を受けることで回転する。
【0040】
このように、ドラムユニット600が装着位置に位置する状態において、接点600aと圧縮ばね421aとが接触することでドラムユニット600に設けられる不図示の帯電ローラが給電され、この帯電ローラによって感光ドラム141を帯電させる。
【0041】
次に、帯電高圧基板402からドラムユニット600までの高圧給電経路詳細を説明する。
図4は帯電高圧基板402からドラムユニット600への給電経路のみを示した斜視図である。
図4は便宜上ブラックのドラムユニット600Bkのみを示しているが、実際はイエローY、マゼンタM、シアンCについても同様のものが並列に並んでいる。また、現像ユニット(現像装置143)についても図示を省略しているがこのドラムユニット600へ給電経路と同様に現像高圧基板403からの給電経路を備えている。ここで、ドラムユニット600または現像ユニット(現像装置143)は、第2のユニットの一例である。
【0042】
図4に示すように、帯電高圧基板402には、ジャンパー線402a~dが設けられている。ここで、ジャンパー線402aは、ドラムユニット600Bkへ給電するために接点板ばね405aと接触する帯電高圧基板402上の接点である。また、ジャンパー線402bは、ドラムユニット600Cへ給電するために接点板ばね405bと接触する帯電高圧基板402上の接点である。また、ジャンパー線402cは、ドラムユニット600Mへ給電するために接点板ばね405cと接触する帯電高圧基板402上の接点である。また、ジャンパー線402dは、ドラムユニット600Yへ給電するために接点板ばね405dと接触する帯電高圧基板402上の接点である。尚、各ドラムユニット600Bk,C,M,Yと帯電高圧基板402のジャンパー線402a~dの給電経路については略同様の構成である。従って、以下では、帯電高圧基板402からドラムユニット600Bkまでの高圧給電経路について説明し、他のドラムユニット600C,M,Y及び現像装置143Bk,C,M,Yの高圧給電経路については説明を省略する。
【0043】
帯電高圧基板402で生成された高圧は基板上に設けられた接点であるジャンパー線402aに送られる。ジャンパー線402aには高圧基板ユニット400に設けられた接点板ばね405aが接触している。
【0044】
そして、接点板ばね405aに高圧給電経路ユニット410に設けられた圧縮ばね420aが接触する。圧縮ばね420aは高圧経路保持部材411が保持しているジャンパー線413aの一端側と接触している。また、ジャンパー線413aの他端側は高圧給電経路ユニット410に設けられたドラム側の接点である圧縮ばね421aと接触している。
【0045】
そして、高圧給電経路ユニット410に設けられた圧縮ばね421aとドラムユニット600の接点600aとが接触することで、帯電高圧基板402からドラムユニット600へと高圧を給電する。
【0046】
このように、本実施形態では、ユニット毎の境はそれぞれ圧縮ばねとなっており付勢力を利用した接触構成となっているため、ユニット間の位置関係が公差等でズレた場合であっても、安定して導通を確保することが可能となっている。
【0047】
続いて、高圧給電経路ユニット410内の高圧経路構成詳細を説明する。
図5(a)は高圧経路保持部材411にジャンパー線を這いまわした状態を高圧基板ユニット400側から見た図であり、
図5(b)はドラムユニット600側から見た図である。
【0048】
高圧経路保持部材411には高圧基板ユニット400の接点板ばね405a~dへ接触する圧縮ばね420a~dを保持する円筒ガイド415a~d、接点板ばね406a~dへ接触する圧縮ばね422a~dを保持する円筒ガイド416a~dが設けられている。
【0049】
円筒ガイド415a~dの近傍には、圧縮ばね420が着座する受け面417a~d、ジャンパー線413a~dを引掛ける引掛け部425a~d、ジャンパー線413a~dを巻き付けるボス426a~dが設けられ、円筒ガイド415a~dに隣接する位置には加工上引っかけ部425a~dを形成するための必要な開口部427a~dが設けられている。ここで、円筒ガイド415a~dは、圧縮ばね420a~dの軸線方向(伸縮方向、もしくは自由長方向)と直交する方向の圧縮ばね420a~dの移動を規制するばね規制部の一例である。
【0050】
また、円筒ガイド416a~dの近傍には、圧縮ばね422が着座する受け面432a~d、ジャンパー線414a~dを引掛ける引掛け部435a~d、ジャンパー線414a~dを巻き付けるボス436a~d、開口部437a~dが設けられている。
【0051】
ジャンパー線413a~d及びジャンパー線414a~dは、それぞれが異なる経路で高圧経路保持部材411に保持されているが、基本的な構成は略同じであるため、以下ではジャンパー線413a、414aを例に詳細な説明をし、その他のジャンパー線413b~d及び414b~dについては説明を省略する。ここで、円筒ガイド415a~d及び416a~dは、圧縮ばね420a~d及び422a~dの軸線方向(伸縮方向、もしくは自由長方向)と直交する方向の圧縮ばね420a~dの移動を規制するばね規制部の一例である。
【0052】
図5(a)に示すように、ジャンパー線413aは、ボス426aに端部を巻き付けて引掛け部425aに引掛けられた状態で、円筒ガイド415a内を横切って、高圧経路保持部材411のドラムユニット600a側に対向する面へと配線される。また、ジャンパー線414aは、ボス436aに端部を巻き付けて引掛け部435aに引掛けられた状態で、円筒ガイド416a内を横切って、高圧経路保持部材411の現像装置143に対向する面へと配線される。
【0053】
そして、
図5(b)に示すように、ジャンパー線413aは、高圧経路保持部材411のドラムユニットと対向する側の面において、高圧経路保持部材411のリブ形状に沿って、円筒部428aを横切るように配線される。また、ジャンパー線414aは、高圧経路保持部材411のドラムユニットと対向する側の面において、高圧経路保持部材411のリブ形状に沿って円筒部429aを横切るように配線される。
【0054】
図6は、高圧経路保持部材411に対して圧縮ばね421a及び423aを取り付けた図であり、(a)は圧縮ばね421a及び423a近傍の拡大斜視図であり、(b)は高圧経路保持部材411の全体の斜視図である。
【0055】
図6(a)に示すように、圧縮ばね421aは、円筒部428aの内部を通過するジャンパー線413aと接触するように円筒部428aの内側に取り付けられる。また、圧縮ばね423aは、円筒部429aの内部を通過するジャンパー線414aと接触するように円筒部429aの内側に取り付けられる。
【0056】
圧縮ばね421aは、ばねの円筒部分から径方向外側へ突出した腕部421aaが設けられている。同じく、圧縮ばね423aは、ばねの円筒部分から径方向外側へ突出した腕部423aaが設けられている。また、圧縮ばね421a~d、423a~dには画像形成装置100の枠体500へのリーク防止のため、それぞれ絶縁体であるキャップ440a~d、441a~dが取り付けられている。また、このキャップ440aは、
図6(a)に示した圧縮ばね421aの腕部421aaを抑え、キャップ441aは、
図6(a)に示した圧縮ばね423aの腕部423aaを抑えるように取り付けられており、高圧経路保持部材411から圧縮ばね421a及び423aが脱落することを抑制している。キャップ440b~d及び441b~dも同様に、各圧縮ばねの腕部を抑えるように取り付けられている。尚、キャップ423a及び424aは開口を有している。圧縮ばね421a及び423aの伸縮方向(自由長方向)における腕部421aa及び423aaと反対側の端部は、キャップ423a及び424aのそれぞれの開口から露出しており、ドラムユニット600の接点600aまたは現像装置143の接点と接触可能になっている。
【0057】
次に高圧経路保持部材411の円筒ガイド415での圧縮ばねの保持構成を説明する。まず、比較例として従来の高圧経路保持部材411xの円筒ガイド415で圧縮ばね480を保持する保持構成について説明する。
図7は、比較例である従来の圧縮ばねの保持構成であり、(a)は従来の圧縮ばね480の保持構成の斜視図、(b)は
図7(a)のA方向から見た断面図、(c)は圧縮ばね480が受け面417xから離れる方向へ引っ張られた状態を示す図である。尚、
図7(c)は、便宜上ジャンパー線413省略している。
【0058】
図7(a)(b)のように、従来の圧縮ばね480は、円筒ガイド415xで受け面417xと並行な方向(圧縮ばね480の径方向)の移動を規制し、円筒ガイド415xから径方向外側に突出するように設けられた腕部480aが引っかけ部425xの下に入ることで圧縮ばね480の受け面417xの鉛直方向の移動(圧縮ばね480の伸縮方向、圧縮ばね480の自由長方向)を規制していた。このように、従来は、圧縮ばね480の腕部480aを引掛け部425xに引掛けて保持することで、円筒ガイド415x内に配線されたジャンパー線413xと圧縮ばね480とを接触させる構成としていた。
【0059】
しかしながら、
図7(c)に示すように、圧縮ばね480が受け面417xの鉛直方向に引っ張られるような力を受けた場合、ばね円筒部の巻き線(480b)が
図7(c)のように弾性変形し、腕部480aが引っかけ部425xに対し斜めになってしまい、規制力が低減することで圧縮ばね480が円筒ガイド415xから脱落することがあった。また、圧縮ばね480が回転してしまった場合、腕部480aと引掛け部425xとの係合が解除されてしまい、圧縮ばね480が円筒ガイド415xから脱落することがあった。このような従来例のように、圧縮ばね480とジャンパー線413xとを別部材で構成する場合において圧縮ばね480が円筒ガイド415xから脱落してしまうと、圧縮ばね480とジャンパー線413xとが非接触となり、電気的な接続(導通)が為されなくなってしまう虞があった。
【0060】
そこで、本実施形態では、圧縮ばねとジャンパー線を別部品で構成する場合であっても、圧縮ばねとジャンパー線が非接触となることを抑制することができる圧縮ばね420について、説明をする。
【0061】
図8は、本実施形態における圧縮ばね420dの保持構成を示す図であり、(a)は圧縮ばね420近傍の斜視図、(b)は(a)のA方向から見た断面図である。
【0062】
ここでは、圧縮ばね420dを一例に本実施形態の説明をするが、前述した圧縮ばね420a~cや圧縮ばね422a~dも圧縮ばね420dと同様の形状を有しており、同様の構成をもって高圧経路保持部材411に係合している。
【0063】
図8(a)に示すように、ジャンパー線413dは、円筒ガイド415dの内側を通過して引掛け部425に引掛けられてボス426dに巻き付けられている。圧縮ばね420dは、円筒ガイド415dの内側に取り付けられることで、円筒ガイド415dによって受け面417dの平面方向(圧縮ばね420dの径方向)の移動が規制されている。
【0064】
図8に示すように、本実施形態の圧縮ばね420dは、コイル状に巻き回されたばね円筒部420daに対してばね円筒部420daの径方向外側に突出する腕部420dbを有している。この腕部420dbは、第1部db1、第2部db2、第3部db3、第4部db4、第1曲げ部dbm1、第2曲げ部dbm2、第3曲げ部dbm3を有している。
【0065】
腕部420dbの第1部db1は、ばね円筒部420daの自由長方向の一端部から延伸した部分である。また、腕部420dbの第2部db2は、第1部db1とのなす角度が鋭角となるように第1部db1に対して第1曲げ部dbm1にてばね円筒部420daに近づく方向に曲げられた部分である。また、腕部420dbの第3部db3は、第2部db2とのなす角度が略直角となるように第2部db2に対して第2曲げ部dbm2にてばね円筒部420daから離れる方向に曲げられた部分である。また、腕部420dbの第4部db4は、第3部db3となす角度が略直角となるように第3部db3に対して第3曲げ部dbm3にて矢印Y方向へ曲げられた部分である。本実施形態における略直角とは、90°だけを示すものでなく、部品の製造時の公差の範囲を含むものであり、本実施形態では85°~95°を略直角と定義する。
【0066】
このように構成される腕部420dbは、第1部db1と第2部db2とで受け面417dを挟持している。これにより、圧縮ばね420dの受け面417dに対する矢印Y方向(圧縮ばね420dの自由長方向であり伸縮方向)の移動を規制することができる。従って、圧縮ばね420dが円筒ガイド415dに対して径方向に回転してしまったり、矢印Y方向に引っ張られてしまった場合であっても、腕部420dbによって受け面417に係合しているため、高圧経路保持部材411の円筒部から脱落することを抑制することができる。
【0067】
次に本実施形態の圧縮ばね420を高圧経路保持部材411に取りつけ方について、
図9を用いて説明する。
図9(a)は圧縮ばね420近傍の斜視図であり、
図9(b)は
図9(a)のA-A断面図であり、
図9(c)は
図9(b)の状態からさらに圧縮ばね420を取り付け位置に近づけた図である。尚、
図9(b)(c)は便宜上ジャンパー線413を省略している。
【0068】
圧縮ばね420dは、ジャンパー線413dが配線された状態の高圧経路保持部材411の円筒ガイド415dにばね円筒部420daを嵌めこむように合わせられ、受け面417dへ向けて矢印Y方向と反対方向に押し込まれていく。圧縮ばね420dは円筒ガイド415dによって受け面417dと並行な方向の移動を規制される。
【0069】
圧縮ばね420dをさらに押し込んで行くと、圧縮ばね420dの腕部420dbの第3部db3が受け面417dと受け面417dの端面418dとの稜線に当接する。
【0070】
ここで、腕部420dbの第3部db3と第4部db4との間に第3曲げ部dbm3があるため、腕部の先端が直接受け面417に突き当たって引っかかることで組付け作業性が低下することを防いでいる。
【0071】
そして、
図9(b)に示した状態からさらに圧縮ばね420dを受け面417dへ向け押し込んでいくと弾性変形により腕部420dbの第2部db2が第1部db1に対して第1曲げ部dbm1の角度が大きくなるように開いていき、第2曲げ部dbm2が受け面417dと受け面417dの端面418dとの稜線を乗り越え、端面418に沿って矢印Y方向と反対方向へ進んでいく(
図9c)。
【0072】
ここで、腕部420dbの先にばね円筒部420daの軸線から遠ざかる方向に延びる第3部db3を形成する第2曲げ部dbm2があることで、ばねを押し込んだ際に第3部db3の斜面に沿って自然と腕部が広がる。これにより、圧縮ばね420を高圧経路保持部材411の円筒ガイド415へ取り付ける際の組立作業性が向上する。
【0073】
そして、そのまま圧縮ばね420dを押し込み続けると第2部db2と第3部db3との間の第2曲げ部dbm2が端面418dを乗り越え、
図8(b)に示した状態となる。このとき、2曲げ部dbm2が端面418dを乗り越えると、弾性変形で広がっていた第1曲げ部dbm1が元の角度に戻り、第1部db1と第2部db2との位置が元の位置関係に戻るため、受け面417dの裏面419d側で端面418よりもばね円筒部420daの軸線側に近い位置に第2曲げ部dbm2が位置する状態となる(
図8(b))。
【0074】
このように腕部420dbの第2部db2が裏面419dに引っ掛かり、かつ腕部420dbの第1部db1と第2部db2とで受け面417dを挟み込むことで圧縮ばね420dの受け面417dに対する圧縮ばね420dのばね円筒部420daの軸線方向(ばね円筒部420daの伸縮方向および自由長方向)の移動を規制することができる。
【0075】
以上で説明した構成により、圧縮ばね420dのばね円筒部420daが引っ張られた場合も腕部420dbの第1部db1と第2部db2とで受け面417dを挟み込んでいること、かつ第2曲げ部dbm2が端面418dよりもばね円筒部420daの軸線に近い位置で受け面417dの裏面419dに引っかかることから
図7で示した従来例にくらべて圧縮ばね420dが高圧経路保持部材411から脱落することを抑制することができる。
【0076】
また、圧縮ばね420dが取り付けられた状態において受け面417dの上にあるジャンパー線413dを圧縮ばね420dのばね円筒部420daで踏みつけており、さらに腕部420dbで受け面417dを挟み込こみ圧縮ばね420dを固定していることと、高圧基板ユニット400が高圧経路保持部材411に取り付けられた状態において圧縮ばね420dがジャンパー線413dへ付勢されることで圧縮ばね420dとジャンパー線413dとが確実に接触し、導通が保証される。
【0077】
ここでは、本実施形態の一例として圧縮ばね420dを例に説明したが、前述した圧縮ばね420a~cや圧縮ばね422a~dも同様の形状を有している。従って、圧縮ばね420a~cや圧縮ばね422a~dについても以上の説明と同様に高圧経路保持部材411の円筒ガイド415b~dまたは円筒部416a~dから脱落することを抑制することができる構成となっている。
【0078】
以上で説明したように、ジャンパー線413a~dと圧縮ばね420a~dを別部品で構成することによって、高圧経路保持部材411に対して接点部材を取り付ける際の組立性を向上させることができる。また、圧縮ばね420a~dの形状を上述した
図8,9の形状とすることで、各ユニットの組立時やメンテナンス時等に意図せず圧縮ばね420a~dに触れてしまったとしても、圧縮ばね420a~dが高圧経路保持部材411の円筒ガイド415a~dから脱落することを抑制することができる。これにより、各ユニットの組立時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0079】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では、圧縮ばね420の受け面に対する平行な方向(圧縮ばねの伸縮方向と直交する方向であり、圧縮ばねの径方向)の規制に対しては円筒ガイド415でばね外径を支持する構成を説明したが、他の構成で圧縮ばねを支持する構成であってもよい。
【0080】
図10は、他の支持構成で圧縮ばね420を支持する構成を示す斜視図であって、(a)は圧縮ばね420を取り除いた状態を示す図であり、(b)は圧縮ばね420を取り付けた状態を示す図である。
【0081】
図10(a)(b)に示すように、本実施形態では、高圧経路保持部材411の受け面417に十字形状のボス490を備えている。本実施形態の圧縮ばね420は、
図8で説明した圧縮ばね420dと同様の構成である。ここでは、圧縮ばね420の構成についてばね円筒部を420gaと記し、ばね円筒部420gaの径方向外側へ延びる腕部を420gbと記す。
【0082】
図10では、ボス490に対して圧縮ばね420の円筒部420gaを嵌合させることで、圧縮ばね420の伸縮方向(および自由長方向)と直交する方向への圧縮ばね420の移動を規制することができる。また、第1の実施形態の腕部と同形状の腕部420gbを設けることで、圧縮ばね420の伸縮方向(および自由長方向)の移動を規制することができる。これにより、圧縮ばね420が高圧経路保持部材411から脱落してしまうことを抑制することができる。よって、各ユニットの組立時やメンテナンス時の作業性を向上させることができる。
【0083】
<第3の実施形態>
また、第1の実施形態では、圧縮ばね420の腕部420dbの第1部db1と第2部db2の間の角度が鋭角となるように第1曲げ部dbm1を形成したが、他の形状を用いるものであってもよい。
【0084】
図11に、他の実施形態における圧縮ばね420fの断面図を示す。
図11に示す圧縮ばね420fは、ばね円筒部420faと、ばね円筒部420faから延びる腕部420fbとを有している。ここでの腕部420fbは、
図8で説明した第1の実施形態の圧縮ばね420dに対して、腕部420fbの形状が異なり、
図8で示した腕部420dbに対して曲げ部が1つ多い形状となっている。
【0085】
図11に示すように、本実施形態における圧縮ばね420fの腕部420fbは、第1部fb1、第2部fb2、第3部fb3、第4部fb4、第5部fb5、第1曲げ部fbm1、第2曲げ部fbm2、第3曲げ部fbm3、第4曲げ部fbm4を有している。
【0086】
腕部420fbの第1部fb1は、ばね円筒部420faの自由長方向の一端部から延伸した部分である。また、腕部420fbの第2部fb2は、第1部fb1とのなす角度が略直角となるように第1部fb1に対して第1曲げ部fbm1にて曲げられた部分である。また、腕部420fbの第3部fb3は、第2部fb2とのなす角度が鈍角となるように第2部fb2に対して第2曲げ部fbm2にてばね円筒部420faに近づく方向に曲げられた部分である。また、腕部420fbの第4部fb4は、第3部fb3とのなす角度が略直角となるように第3部fb3に対して第3曲げ部fbm2にてばね円筒部420faから離れる方向に曲げられた部分である。また、腕部420fbの第5部fb5は、第4部fb4となす角度が略直角となるように第4部fb4に対して第4曲げ部dbm4にて矢印Y方向へ曲げられた部分である。
【0087】
このように構成される腕部420fbは、第1部fb1と第3部fb3とで受け面417を挟持している。これにより、圧縮ばね420fの受け面417に対する水平方向(圧縮ばね420fの自由長方向であり伸縮方向)と直行する方向の移動を規制することができる。従って、圧縮ばね420fがボス490に対して径方向に回転してしまったり抜け方向に引っ張られてしまった場合であっても、腕部420fbによって受け面417に係合しているため、高圧経路保持部材411から圧縮ばね420fが脱落することを抑制することができる。
【0088】
<他の実施形態>
尚、上述した実施形態では、高圧基板ユニット400と高圧給電経路ユニット410との接点となる圧縮ばね420を例に説明をしたが、高圧給電経路ユニット410とドラムユニット600や現像装置143等の着脱可能なユニットとの接点となる圧縮ばね421や圧縮ばね423に同様の形状の腕部を備えた構成としてもよい。また、上述した実施形態では高圧給電経路を例に説明したが、本発明は上記に限定するものではなく、アース用の接点として上述した圧縮ばねを用いてもよい。
【符号の説明】
【0089】
100 画像形成装置
400 高圧基板ユニット
410 高圧給電経路ユニット
411 高圧経路保持部材
413 ジャンパー線
417 受け面
415 円筒ガイド
420 圧縮ばね
600 ドラムユニット