(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241216BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G03G21/18 160
G03G15/08 390A
(21)【出願番号】P 2020156776
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 聡太
(72)【発明者】
【氏名】土方 俊介
(72)【発明者】
【氏名】林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】深澤 悠
(72)【発明者】
【氏名】石川 聖也
(72)【発明者】
【氏名】西田 真一
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】河波 健男
(72)【発明者】
【氏名】福井 悠一
(72)【発明者】
【氏名】江上 恭行
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215593(JP,A)
【文献】特開2017-167350(JP,A)
【文献】特開2017-161904(JP,A)
【文献】特開2017-003974(JP,A)
【文献】特開2012-177840(JP,A)
【文献】特開2020-140096(JP,A)
【文献】特開2020-003791(JP,A)
【文献】特開2019-159083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体力付与部を有する画像形成装置本体と共に使用可能なカートリッジであって、
現像部材と、
前記現像部材を回転駆動するための駆動力を受けることが可能なカップリング部材と、
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を許容する駆動力伝達位置と前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断位置との間を移動可能な移動部と、
前記移動部が前記駆動力伝達位置へ移動することを規制して前記移動部を前記駆動力遮断位置に保持する保持部と、
前記移動部を前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動させる力を前記本体力付与部から受けることが可能な力受け部と、
を有し、
前記力受け部が前記本体力付与部から力を受けることで、前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動した後、前記力受け部から前記本体力付与部が離間した際、前記移動部は前記保持部によって前記駆動力遮断位置で保持されるように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記力受け部は、前記移動部を前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動させる力も前記本体力付与部から受けることが可能であることを特徴とする請求項
1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記力受け部は、
前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動する際、及び前記移動部が前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動する際にのみ、前記本体力付与部と接触し、
前記移動部が前記駆動力遮断位置に保持されている間、及び前記移動部が前記駆動力伝達位置に保持されている間は、前記本体力付与部から離間していることを特徴とする請求項
1又は
2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記力受け部は、
前記移動部を前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動させる力を前記本体
力付与部から受ける第1力受け部と、
前記移動部を前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動させる力を前記本体力付与部から受ける第2力受け部と、
を有し、
前記第1力受け部は、
前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動する際にのみ、前記本体力付与部と接触し、
前記移動部が前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動する際、前記移動部が前記駆動力遮断位置に保持されている間、及び前記移動部が前記駆動力伝達位置に保持されている間は、前記本体力付与部から離間し、
前記第2力受け部は、
少なくとも、前記移動部が前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動する際、前記移動部が前記駆動力遮断位置に保持されている間、及び前記移動部が前記駆動力伝達位置に保持されている間は、前記本体力付与部と接触していることを特徴とする請求項
1又は
2に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第2力受け部は、
前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動する際にのみ、前記本体力付与部から離間することを特徴とする請求項
4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
第1本体位置と第2本体位置との間を移動可能な本体力付与部を有する画像形成装置本体と共に使用可能なカートリッジであって
現像部材と、
前記現像部材を回転駆動するための駆動力を受けることが可能なカップリング部材と、
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を許容する駆動力伝達位置と前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断位置との間を移動可能な移動部と、
前記移動部が前記駆動力伝達位置へ移動することを規制して前記移動部を前記駆動力遮断位置に保持する保持部と、
前記移動部を前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動させる力を前記第1本体位置から前記第2本体位置へ移動している前記本体力付与部から受けることが可能な力受け部と、
を有し、
前記力受け部が前記第1本体位置から前記第2本体位置へ移動する前記本体力付与部から力を受けることで、前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動した後、前記本体力付与部が前記第2本体位置から前記第1本体位置へ移動した際、前記移動部は前記保持部によって前記駆動力遮断位置で保持されるように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項7】
前記力受け部は、前記移動部を前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動させる力を、前記第2本体位置から前記第1本体位置に対して前記第2本体位置とは反対側の第3本体位置へ移動している前記本体力付与部から受けることが可能であることを特徴とする請求項
6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記力受け部は、
前記本体力付与部が前記第1本体位置と前記第2本体位置との間を移動する際、及び前記本体力付与部が前記第1本体位置と前記第3本体位置との間を移動する際にのみ、前記本体力付与部と接触し、
前記本体力付与部が前記第1本体位置に位置している間は、前記本体力付与部から離間していることを特徴とする請求項
7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記力受け部は、
前記移動部を前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動させる力を前記本体力付与部から受ける第1力受け部と、
前記移動部を前記駆動力遮断位置から前記駆動力伝達位置へ移動させる力を前記本体力付与部から受ける第2力受け部と、
を有し、
前記第1力受け部は、
前記本体力付与部が前記第1本体位置と記第2本体位置との間を移動する際にのみ、前記本体力付与部と接触し、
前記本体力付与部が前記第1本体位置に位置している間、及び前記本体力付与部が前記第1本体位置と前記第3本体位置との間を移動する際は、前記本体力付与部から離間することを特徴とする請求項
7に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第2力受け部は、
前記本体力付与部が前記第1本体位置と記第2本体位置との間を移動する際にのみ、前記本体力付与部から離間することを特徴とする請求項
9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達経路に設けられる互いに同軸の回転軸をそれぞれ有する第1の回転部材及び第2の回転部材であって、互いに係合して前記駆動力を伝達可能な係合位置と、互いに離間して前記駆動力が伝達されない非係合位置とをとりえるように構成された第1の回転部材及び第2の回転部材
をさらに有し、
前記移動部は、前記駆動力遮断位置において、前記係合位置に位置する前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の少なくともいずれかに対して、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間の係合が解除される力を付与することで、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材を離間させることを特徴とする請求項
1~
10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第1の回転部材と前記第2の回転部材が前記係合位置に位置するように、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の少なくともいずれかを付勢する付勢手段をさらに有し、
前記駆動力遮断位置において前記移動部が前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の少なくともいずれかに付与する力は、前記付勢手段の付勢力に抗するように作用することを特徴する請求項
11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記駆動力遮断位置は、前記移動部が前記係合位置にある前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の間に前記付勢手段の付勢力に抗して差し込まれることで、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材を前記非係合位置に位置させる位置であり、
前記駆動力伝達位置は、前記移動部が前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の間から退いて、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材を前記係合位置に位置させる位置であり、
前記移動部は、前記付勢手段の付勢力によって前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の間で挟持された状態となることで、前記駆動力遮断位置に保持されることを特徴とする請求項
12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記第2の回転部材は、前記第1の回転部材と前記回転軸回りに係合することで、前記第1の回転部材から前記駆動力を受けるとともに、前記回転軸の方向に前記第1の回転部材と係合する係合位置と係合しない非係合位置とに移動可能に構成されており、
前記付勢手段は、前記第2の回転部材を前記係合位置に位置させるように付勢し、
前記保持部は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材であることを特徴とする請求項
12又は
13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記駆動力遮断位置にある前記移動部に対して、前記移動部を前記駆動力遮断位置に位置させる方向に作用する分力を含む付勢力を付与する第2の付勢手段をさらに有することを特徴とする請求項
12~
14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記第2の付勢手段は、前記駆動力伝達位置にある前記移動部に対して、前記移動部を前記駆動力伝達位置に位置させる方向に作用する分力を含む付勢力を付与することを特徴とする請求項
15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記保持部は、前記第2の付勢手段を含むことを特徴とする請求項
15又は
16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置に移動する前記移動部に対し、前記駆動力伝達位置から所定の位置に至るまでは前記移動部を前記駆動力伝達位置に位置させるように作用する付勢力を付与し、前記所定の位置を越えると前記移動部を前記駆動力遮断位置に位置させるように作用する付勢力を付与する第3の付勢手段をさらに有することを特徴とする請求項
12~
14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記第3の付勢手段は、一端がカートリッジの枠体に固定され、他端が前記移動部に固定されたトグルバネであることを特徴とする請求項
18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記保持部は、前記第3の付勢手段を含むことを特徴とする請求項
18又は
19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達経路に設けられるクラッチであって、
前記伝達経路の上流側から前記駆動力を受けて回転する入力部材と、
前記入力部材から前記駆動力を受けて前記入力部材と同軸で回転する出力部材と、
前記入力部材及び前記出力部材に対する相対回転が規制され、前記入力部材と前記出力部材と共に回転することで、前記入力部材から前記出力部材へ駆動力を伝達する伝達状態と、前記相対回転を許容し、前記入力部材から前記出力部材へ駆動力を伝達しない非伝達状態と、をとりえる伝達部材と、
前記伝達部材の前記伝達状態と前記非伝達状態を切り替えるための制御部材と、
を含むクラッチをさらに有し、
前記移動部は、前記駆動力遮断位置において、前記伝達部材を前記伝達状態にするように前記制御部材に対して作用することで、前記入力部材から前記出力部材への前記駆動力の伝達を遮断することを特徴とする請求項
11に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記伝達部材は、前記伝達状態において、前記入力部材と接触し前記入力部材との間の摩擦により前記相対回転が規制されることで前記入力部材と一体となって回転し、
前記制御部材は、前記入力部材と前記伝達部材との接触具合を制御することで前記相対回転を制御するものであり、
前記移動部は、前記駆動力遮断位置において、前記入力部材と前記伝達部材との間の摩擦力を低下させるように前記制御部材に対して作用することで、前記入力部材から前記出力部材への前記駆動力の伝達を遮断することを特徴とする請求項
21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
前記クラッチは、バネクラッチであり、
前記伝達部材は、前記入力部材の外周に巻き付けられるバネであり、
前記制御部材は、前記バネの一端と係合し、
前記クラッチは、前記入力部材と前記バネと前記出力部材と前記制御部材とが一体となって回転することで前記駆動力を伝達し、前記移動部が前記駆動力遮断位置において前記制御部材の回転を規制して前記入力部材に対する前記バネの締め付けを緩ませることで、前記入力部材から前記出力部材への前記駆動力の伝達が遮断されることを特徴とする請求項
22に記載のカートリッジ。
【請求項24】
前記制御部材は、被係合部を有し、
前記移動部は、前記制御部材の回転軸線と平行な回転軸線を有し、該回転軸線回りの移動によって、前記被係合部に係合する係合位置と、前記被係合部に係合しない非係合位置と、をとることが可能であることを特徴とする請求項
23に記載のカートリッジ。
【請求項25】
前記制御部材の回転方向と、前記移動部の前記非係合位置から前記係合位置への移動方向と、は互いに逆方向であり、
前記被係合部は、
前記係合位置にある前記移動部に対して、前記制御部材の回転方向に対向して、前記移動部と係合する第1の被係合部と、
前記係合位置にある前記移動部に対して、前記移動部の前記非係合位置から前記係合位置への移動方向とは逆方向に対向して、前記移動部に係合と係合する第2の被係合部と、
を含むことを特徴とする請求項
24に記載のカートリッジ。
【請求項26】
前記第2の被係合部は、前記制御部材の外周面であり、
前記第1の被係合部は、前記外周面から突出した爪形状部であることを特徴とする請求項
25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
前記制御部材の回転軸線又は前記移動部の回転軸線の方向に沿って見たときに、
前記制御部材の回転中心と前記移動部の回転中心とを結ぶ仮想線に垂直な仮想線であって、前記制御部材の回転中心を通る第1の仮想線と、前記移動部の回転中心を通る第2の仮想線と、で挟まれる領域において、
前記第1の被係合部の移動軌跡と、前記移動部の移動軌跡とが、交差することを特徴とする請求項
25又は
26に記載のカートリッジ。
【請求項28】
前記保持部は、前記第1の被係合部と前記第2の被係合部であることを特徴とする請求項
25~
27のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項29】
前記移動部の前記係合位置から前記非係合位置へ向かう移動を規制する規制部をさらに有することを特徴とする請求項
24~
28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項30】
前記係合位置にある前記移動部に対して、前記移動部を前記係合位置に位置させる方向に作用する分力を含む付勢力を付与する第2の付勢手段をさらに有することを特徴とする請求項
24~
28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項31】
前記第2の付勢手段は、前記非係合位置にある前記移動部に対して、前記移動部を前記非係合位置に位置させる方向に作用する分力を含む付勢力を付与することを特徴とする請求項
30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
前記保持部は、前記第2の付勢手段を含むことを特徴とする請求項
30又は
31に記載のカートリッジ。
【請求項33】
前記非係合位置から前記係合位置に移動する前記移動部に対し、前記非係合位置から所定の位置に至るまでは前記移動部を前記非係合位置に位置させるように作用する付勢力を付与し、前記所定の位置を越えると前記移動部を前記係合位置に位置させるように作用する付勢力を付与する第3の付勢手段をさらに有することを特徴とする請求項
21~
28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項34】
前記第3の付勢手段は、一端がカートリッジの枠体に固定され、他端が前記移動部に固定されたトグルバネであることを特徴とする請求項
33に記載のカートリッジ。
【請求項35】
前記保持部は、前記第3の付勢手段を含むことを特徴とする請求項
33又は
34に記載のカートリッジ。
【請求項36】
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達経路において互いに噛み合う第1のギア及び第2のギアをさらに有し、
前記移動部は、前記第1のギアと前記第2のギアのうちの一方のギアを支持し、前記駆動力伝達位置において前記一方のギアを前記第1のギアと前記第2のギアのうちの他方のギアと噛み合う噛合位置に位置させ、前記駆動力遮断位置において前記一方のギアを前記他方のギアと噛み合わない非噛合位置に位置させることを特徴とする請求項
1~
10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項37】
前記伝達経路において前記第1のギアと前記第2のギアのうちの前記他方のギアと噛み合う第3のギアと、
前記移動部を前記駆動力遮断位置に位置させるように作用する付勢力を付与する第4の付勢手段と、
をさらに有し、
前記第4の付勢手段の前記付勢力によって発生する、前記移動部を前記駆動力遮断位置に位置させるように作用するモーメントM3は、
前記移動部が前記駆動力遮断位置にあるときに、前記他方のギアと前記第3のギアとの噛み合いによって発生する、前記移動部を前記駆動力伝達位置に位置させるように作用するモーメントM1より大きく、
前記移動部が前記駆動力伝達位置にあるときに、前記モーメントM1と、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛み合いによって発生する、前記移動部を前記駆動力伝達位置に位置させるように作用するモーメントM2と、を合わせたモーメントよりも小さいことを特徴とする請求項
36に記載のカートリッジ。
【請求項38】
前記第4の付勢手段は、一端がカートリッジの枠体に固定され、他端が前記移動部に固定された引っ張りバネであることを特徴とする請求項
37に記載のカートリッジ。
【請求項39】
前記保持部は、前記移動部が前記駆動力遮断位置にあるときに互いに噛み合う前記第1のギアと前記第2のギアであることを特徴とする請求項
37又は
38に記載のカートリッジ。
【請求項40】
感光体をさらに有し、
前記現像部材の回転軸線M2の方向に沿って見たときに、
前記力受け部は、前記
感光体の回転軸線M1と前記回転軸線M2とを結ぶ仮想線N2と交わる方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項
1~
29、
36~
39のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項41】
前記力受け部の少なくとも一部は、前記仮想線N2を境に分けられた領域のうち、前記
カップリング部材の回転軸線Kが含まれない領域に含まれることを特徴とする請求項
40に記載のカートリッジ。
【請求項42】
前記力受け部の少なくとも一部は、前記仮想線N2と直交し前記感光体と前記現像部材との間を通る仮想線N3を境に分けられた領域のうち、前記回転軸線M1が含まれない領域に含まれることを特徴とする請求項
40に記載のカートリッジ。
【請求項43】
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部材をさらに有し、
前記感光体の回転軸線M1又は前記現像部材の回転軸線M2の方向に沿って見たときに、
前記力受け部は、前記回転軸線M1と前記帯電部材の回転軸線M5とを結ぶ仮想線N10と交わる方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項
1~
29、
36~
39のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項44】
前記力受け部の少なくとも一部は、前記仮想線N10の前記感光体の表面との交点のうち前記回転軸線M5から遠い方の交点MX1を通る前記感光体の表面の接線N11を境に分けられた領域のうち、前記回転軸線M1、前記回転軸線M2、前記回転軸線M5が含まれない領域に含まれることを特徴とする請求項
43に記載のカートリッジ。
【請求項45】
前記移動部と前記力受け部は、一体に構成されていることを特徴とする請求項
40~
44のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項46】
前記移動部と前記力受け部は、互いに連結されており、前記移動部に対して前記力受け部が移動することができる第1の状態と、互いに一体となって移動することができる第2の状態と、をとりえるように構成されていることを特徴とする請求項
40~
44のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項47】
前記移動部と前記力受け部とを連結する連結部は、弾性を有し、
前記連結部は、前記第1の状態において弾性変形が許容され、前記第2の状態において弾性変形が規制されることを特徴とする請求項
46に記載のカートリッジ。
【請求項48】
感光体と、前記感光体を支持する第1の枠体と、を有する第1のユニットと、
前記現像部材と、前記現像部材と前記カップリング部材を支持する第2の枠体と、を有する第2のユニットと、
をさらに有し、
前記感光体の回転軸線M1又は前記現像部材の回転軸線M2の方向に沿って見たときに、
前記第1のユニットと前記第2のユニットは、前記回転軸線M1と前記回転軸線M2とを結ぶ仮想線N2と交わる方向に互いに相対移動可能に構成されていることを特徴とする請求項
1~
29、
36~
39のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項49】
前記移動部は、前記第2のユニットに設けられていることを特徴とする請求項
48に記載のカートリッジ。
【請求項50】
前記力受け部は、前記現像部材の回転軸線の方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項
1~
29、
36~
39のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項51】
前記力受け部は、前記現像部材の回転軸線と直交する軸に平行な軸回りに揺動可能に構成されていることを特徴とする請求項
50に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置、及び電子写真画像形成装置に装着又は取り外し可能なカートリッジに関する。ここで、電子写真画像形成装置(以降、「画像形成装置」ともいう)とは、電子写真画像形成方式を用いて紙などのシート状の記録媒体に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ(レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。カートリッジとは、上述した画像形成装置に着脱可能なユニットであり、感光体、及び又は、感光体に作用するプロセス手段(例えば、帯電部材、現像部材、清掃部材等)を有するユニットである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、ドラム及びドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置の装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらず使用者自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そのため、このプロセスカートリッジ方式は画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
ここで、例えば特許文献1には、画像形成時には現像ローラを駆動し、非画像形成時には現像ローラへの駆動を遮断する駆動切替を行うクラッチを設けたプロセスカートリッジが提案されている。また、特許文献2には、感光ドラムの表面と現像ローラが当接したまま、現像ローラへの駆動の伝達、遮断を切り替える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-337511号公報
【文献】特開2015-111221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、現像ローラ端部に駆動切替のためのクラッチが設けられており、感光体ドラムと現像ローラの接離動作と連動させて駆動切り替えをするために、回転する軸と、その回転する軸とは芯のずれた軸を結ぶ柄からなるクランク機構を用いている。しかしながら、特許文献1、2に記載された従来の技術には更なる改良の余地が残されている。そこで、本開示は、従来の技術を更に発展させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示のカートリッジは、
本体力付与部を有する画像形成装置本体と共に使用可能なカートリッジであって、
現像部材と、
前記現像部材を回転駆動するための駆動力を受けることが可能なカップリング部材と、
前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を許容する駆動力伝達位置と前記カップリング部材から前記現像部材への前記駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断位置との間を移動可能な移動部と、
前記移動部が前記駆動力伝達位置へ移動することを規制して前記移動部を前記駆動力遮断位置に保持する保持部と、
前記移動部を前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動させる力を前記本体力付与部から受けることが可能な力受け部と、
を有し、
前記力受け部が前記本体力付与部から力を受けることで、前記移動部が前記駆動力伝達位置から前記駆動力遮断位置へ移動した後、前記力受け部から前記本体力付与部が離間した際、前記移動部は前記保持部によって前記駆動力遮断位置で保持されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、従来技術を更に発展させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】実施例1に係るプロセスカートリッジの断面図
【
図4】実施例1に係るプロセスカートリッジの組立斜視図
【
図9】実施例1に係るカップリングの係合部を表す斜視図
【
図11】実施例1に係る駆動伝達時の駆動連結部各部品の構成を表す図
【
図12】実施例1に係る規制部材510の単品斜視図
【
図13】実施例1に係る規制部材510の駆動連結、遮断時の位置関係を示す図
【
図14】実施例1に係るプロセスカートリッジの装置本体への装着動作を表す図
【
図15】実施例1に係る規制部材510の配置を表す図
【
図19】実施例2に係るクラッチ部品とカップリングの係合部を表す図
【
図20】実施例2に係る規制部材1510の単品斜視図
【
図21】実施例2に係る規制部材1510の駆動連結、遮断時の位置関係を示す図
【
図25】実施例2に係る付勢部材を用いた場合の駆動連結、駆動遮断動作を表す図
【
図28】実施例3に係る規制部材3510の単品斜視図
【
図32】実施例4に係る駆動伝達時の駆動連結部の位置関係を表す図
【
図33】実施例4に係る駆動遮断時の駆動連結部の位置関係を表す図
【
図37】実施例5に係る駆動連結部の駆動連結、駆動遮断時の位置関係を表す図
【
図41】実施例6に係る駆動連結部の駆動連結、駆動遮断時の位置関係を表す図
【
図42】実施例6に係るプロセスカートリッジの分解斜視図
【
図45】実施例6に係るシャッター位置規制ピンの駆動連結、遮断時の位置関係図
【
図47】実施例7に係る駆動連結部の駆動連結、遮断時の位置関係を表す斜視図
【
図50】実施例8に係るプロセスカートリッジの分解組立図
【
図52】実施例8に係るプロセスカートリッジの側面図
【
図53】実施例8に係るプロセスカートリッジの側面図
【
図54】実施例8に係るプロセスカートリッジの側面図
【
図64】実施例11に係るプロセスカートリッジの側面図
【
図65】実施例11に係るプロセスカートリッジの分解組立図
【
図66】実施例11に係るプロセスカートリッジの装置本体への装着動作を表す図
【
図67】実施例12に係るプロセスカートリッジの分解組立図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
図1~
図16を用いて、本開示の実施例1について説明する。なお、以下の実施例では、画像形成装置として、4個のカートリッジ(以下プロセスカートリッジと称す)が着脱可能な画像形成装置を例示している。なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。また、以下説明する実施例では、画像形成装置の一態様としてレーザビームプリンタを例示している。
【0011】
[画像形成装置の概略構成]
図2は、本開示の実施例1における画像形成装置500の断面概略図である。また、
図3は、本開示の実施例1におけるプロセスカートリッジPの断面図である。また、
図4は
、本開示の実施例1におけるプロセスカートリッジPを感光体(以下感光ドラム4と称す)の軸方向(以下長手方向と呼ぶ)の一端側である駆動側からみた分解斜視図である。
【0012】
この画像形成装置500は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置500は、プロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。ここで、画像形成装置500に関して、前ドア111を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置500を正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。また、画像形成装置500を正面から見て上側を上面、下側を下面とする。
図2は画像形成装置500を非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置500の非駆動側、紙面右側が画像形成装置500の正面、紙面奥側が画像形成装置500の駆動側となる。
【0013】
画像形成装置本体502には第1のプロセスカートリッジPY、第2のプロセスカートリッジPM、第3のプロセスカートリッジPC、第4のプロセスカートリッジPKの4つのプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)が略水平方向に配置されている。第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下トナーと称す)の色が各々異なるものである。第1~第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)には画像形成装置本体502の駆動出力部(不図示)から回転駆動力が伝達される。また、第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)には画像形成装置本体502からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される(不図示)。
【0014】
図3に示すように、本実施例の第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、感光ドラム4を回転可能に支持し、この感光ドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段及びクリーニング手段を備えたドラムユニット8を有する。また、
図2で示す第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、感光ドラム4上の静電潜像を現像する現像手段を備えた現像ユニット9を有する。ドラムユニット8と現像ユニット9は互いに結合されている。プロセスカートリッジPのより具体的な構成については後述する。
【0015】
第1のプロセスカートリッジPYは、現像容器25内にイエロー(Y)のトナーを収容しており、感光ドラム4の表面にイエロー色のトナー像を形成する。第2のプロセスカートリッジPMは、現像容器25内にマゼンタ(M)のトナーを収容しており、感光ドラム4の表面にマゼンタ色のトナー像を形成する。第3のプロセスカートリッジPCは、現像容器25内にシアン(C)のトナーを収容しており、感光ドラム4の表面にシアン色のトナー像を形成する。第4のプロセスカートリッジPKは、現像容器25内にブラック(K)のトナーを収容しており、感光ドラム4の表面にブラック色のトナー像を形成する。
【0016】
第1~第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニット114が設けられている。このレーザスキャナユニット114は、画像情報に対応してレーザ光Uを出力する。そして、レーザ光Uは、プロセスカートリッジPの露光窓10を通過して感光ドラム4の表面を走査露光する。
【0017】
第1~第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)の下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット112を設けている。この中間転写ベルトユニット112は、駆動ローラ112e、ターンローラ112c、テンションローラ112bを有し、可撓性を有する転写ベルト112aを掛け渡している。第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)の感光ドラム4(4Y、4M、4C、4K)は、そ
の下面が転写ベルト112aの上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト112aの内側には、感光ドラム4に対向させて一次転写ローラ112dを設けている。ターンローラ112cには転写ベルト112aを介して二次転写ローラ106aを当接させている。転写ベルト112aと二次転写ローラ106aの接触部が二次転写部である。
【0018】
中間転写ベルトユニット112の下方には、給送ユニット104を設けている。この給送ユニット104は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ104a、給紙ローラ104bを有する。
図2における画像形成装置本体502内の左上方には、定着装置107と、排紙装置108を設けている。画像形成装置本体502の上面は排紙トレイ113としている。記録媒体Sは前記定着装置107に設けられた定着手段によりトナー像が定着され、前記排紙トレイ113へ排出される。
【0019】
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1~第4の各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)の感光ドラム4が所定の速度で回転駆動される(
図3矢印A方向)。転写ベルト112aも感光ドラムの回転に順方向(
図2矢印C方向)に感光ドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニット114も駆動される。レーザスキャナユニット114の駆動に同期して、各プロセスカートリッジにおいて帯電ローラ5が感光ドラム4の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニット114は各感光ドラム4の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Uで走査露光する。これにより、各感光ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、所定の速度で回転駆動(
図3矢印D方向)される現像ローラ6(6Y、6M、6C、6K)により現像される。
【0020】
前記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のプロセスカートリッジPYの感光ドラム4(4Y)にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色のトナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写ベルト112a上に一次転写される。同様に第2のプロセスカートリッジPMの感光ドラム4(4M)にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト112a上にすでに転写されているイエロー色のトナー像に重畳されて一次転写される。同様に第3のプロセスカートリッジPCの感光ドラム4(4C)にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト112a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色のトナー像に重畳されて一次転写される。同様に第4のプロセスカートリッジPKの感光ドラム4(4K)にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が、転写ベルト112a上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色のトナー像に重畳されて1次転写される。このようにして、転写ベルト112a上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。
【0021】
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで二次転写ローラ106aと転写ベルト112aとの当接部である二次転写部に導入される。これにより、記録媒体Sが前記二次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト112a上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に一括転写される。
【0022】
[プロセスカートリッジの全体構成]
本実施例において、第1から第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、同様の電子写真プロセス機構を有し、収容されているトナーの色やトナーの充填量
が各々異なるものである。
図3に示すプロセスカートリッジPは、感光ドラム4と、感光ドラム4に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は感光ドラム4を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ5、感光ドラム4にトナーを付着させ形成された潜像を現像する現像部材としての現像ローラ6、感光ドラム4の表面に残留する残留トナーを除去するためのクリーニング手段としてのクリーニングブレード7等がある。そして、プロセスカートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット9とに分かれている。なお、画像形成装置本体と共に使用可能なカートリッジの形態は、ここで示す形態に限定されるものではない。例えば、ドラムユニット8と現像ユニット9がそれぞれ独立して画像形成装置本体に着脱可能な構成でもよいし、ドラムユニット8は画像形成装置本体に固定され、現像ユニット9のみが画像形成装置本体に対して着脱可能な構成でもよい。
【0023】
[ドラムユニットの構成]
図3、
図4、に示すように、ドラムユニット8は、感光ドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード7、ドラム枠体15、廃トナー収納部15a、駆動側カートリッジカバー部材520、非駆動側カートリッジカバー部材521で構成される。感光ドラム4は、プロセスカートリッジPの長手方向両端に設けられた駆動側カートリッジカバー部材520、非駆動側カートリッジカバー部材521により回転自在に支持される。また、
図4に示すように、感光ドラム4の長手方向の一端側には、感光ドラム4を回転する駆動力が入力される感光体カップリング部材43が設けられている。感光体カップリング部材43は、画像形成装置本体502のドラム駆動出力部としてのカップリング(不図示)と係合し、画像形成装置本体502の駆動モータ(不図示)の駆動力が感光ドラム4に伝達される。帯電ローラ5は、感光ドラム4に対し接触して従動回転できるように、ドラム枠体15に支持されている。また、クリーニングブレード7は、感光ドラム4の周表面に所定の圧力で当接するように、ドラム枠体15に支持されている。クリーニングブレード7により感光ドラム4の周面から除去された転写残トナーは、ドラム枠体15内の廃トナー収納部15aに収納される。
【0024】
[現像ユニットの構成]
図3に示すように、現像ユニット9は、現像ローラ6、現像ブレード30、現像容器25などで構成されている。現像容器25は、現像ローラ6に供給するトナーを収納するトナー収納部29、および、現像ローラ6周面のトナーの層厚を規制する現像ブレード30を有する。現像ブレード30は厚さ0.1mm程度のシート状金属である弾性部材30bを、L字断面を有する金属材料である支持部材30aに溶接等で取り付けたものである。現像ブレード30は、長手方向一端側と他端側の二箇所を、固定ビス30cにて現像容器25に取り付けられる。現像ローラ6は、金属材料の芯金6cとゴム部6dから構成されている。現像ローラ6は、現像容器25の長手方向両端に取り付けられた駆動側軸受526と非駆動側軸受27によって、回転可能に支持されている。
【0025】
図4に示すように、現像ユニット9の長手方向の一端側には、現像ローラ6を回転する駆動力が入力される現像カップリング部材74が設けられている。現像カップリング部材74は、画像形成装置本体502の現像駆動出力部としてのカップリング(不図示)と係合し、画像形成装置本体502の駆動モータ(不図示)の駆動力が現像ユニット9に入力される。現像ユニット9に入力された駆動力は、現像ユニット9内に設けられた不図示の駆動列によって伝達されることで、現像ローラ6を
図3の矢印D方向に回転させることが可能である。現像ユニット9の長手方向一端側には、現像カップリング部材74や不図示の駆動列を支持、カバーする現像カバー部材533が設けられている。
【0026】
[ドラムユニットと現像ユニットの組立]
図4を用いて、ドラムユニット8と現像ユニット9の組み付けについて説明する。ドラムユニット8と現像ユニット9は、プロセスカートリッジPの長手方向両端に設けられた
駆動側カートリッジカバー部材520と非駆動側カートリッジカバー部材521によって結合される。プロセスカートリッジPの長手方向一端側に設けられた駆動側カートリッジカバー部材520には、現像ユニット9を揺動(移動)可能に支持するための、支持穴520aが設けられている。また、プロセスカートリッジPの長手方向他端側に設けられた非駆動側カートリッジカバー部材521には、現像ユニット9を揺動可能に支持するための、円筒状の支持部521aが設けられている。さらに、駆動側カートリッジカバー部材520と非駆動側カートリッジカバー部材521には、感光ドラム4を回転可能に支持するための支持穴部520b、521bが設けられている。ここで、一端側では駆動側カートリッジカバー部材520の支持穴520aに現像カバー部材533の円筒部533bの外径部を嵌合させる。他端側では非駆動側カートリッジカバー部材521の支持部521aを、非駆動側軸受27の穴に嵌合させる。さらに、感光ドラム4の長手方向両端を駆動側カートリッジカバー部材520の支持穴520bと非駆動側カートリッジカバー部材521の支持穴521bに嵌合させる。そして、駆動側カートリッジカバー部材520と非駆動側カートリッジカバー部材521は、不図示のビス、接着等により、ドラム枠体15に固定する。つまり、駆動側カートリッジカバー部材520と、非駆動側カートリッジカバー部材521はドラム枠体15と一体となりドラムユニット8を構成する。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8(感光ドラム4)に対して、駆動側カートリッジカバー部材520と非駆動側カートリッジカバー部材521によって揺動可能(移動可能)に支持される。ここで、駆動側カートリッジカバー部材520の支持穴520aと非駆動側カートリッジカバー部材521の支持部521aとを結んだ軸線であり、現像ユニット9の回転中心を、揺動軸Kと称す。現像カバー部材533の円筒部533bは、現像カップリング部材74と同軸で、現像ユニット9は、揺動軸Kにおいて、現像カップリング部材74を介して画像形成装置本体502から駆動力が入力される構成である。後述する構成により駆動力が遮断されると、感光ドラム4と現像ローラ6の反発力により、現像ユニット9が揺動軸Kを中心にドラムユニット8から離れる側に少し回転する。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の当接圧を下げることができる。
【0027】
[プロセスカートリッジ着脱構成]
図2、
図5、
図6を用いて、プロセスカートリッジを支持するカートリッジトレイ(以下トレイと称する)110について、図図図更に詳細に説明する。
図5は、前ドア111が開いた状態でトレイ110が画像形成装置本体502の内側に位置する画像形成装置500の断面図である。
図6は、前ドア111が開いた状態でトレイ110が画像形成装置本体502の外側に位置する画像形成装置500の断面図である。
【0028】
図5、
図6に示すように、トレイ110は、画像形成装置本体502に対して、矢印X1方向(押し込み方向)および矢印X2方向(引き出し方向)に移動可能である。すなわち、トレイ110は画像形成装置本体502に対して引き出しおよび押し込み可能に設けられ、画像形成装置本体502が水平面上に設置された状態において、トレイ110は略水平方向に移動可能に構成されている。ここで、トレイ110が画像形成装置本体502の外側に位置する状態(
図6の状態)を外側位置と称す。また、前ドアが開いた状態でトレイ110が画像形成装置本体502の内側に位置し、感光ドラム4(4Y、4M、4C、4K)と転写ベルト112aが隙間T1だけ離れた状態(
図5の状態)を第一内側位置と称す。
【0029】
トレイ110は、
図6に示す外側位置でプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)を取り外し可能に装着可能な装着部110aを有する。そして、トレイ110の外側位置で装着部110aに装着された各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、
図4に示す駆動側カートリッジカバー部材520と、非駆動側カートリッジカバー部材521が装着部110aと接触することでトレイ110に支持される。そして、各プロセスカートリッジPは、装着部110aに配置された状態で、トレイ110が外側位
置から第一内側位置への移動とともに画像形成装置本体502の内側に移動する。このとき、
図5に示すように、転写ベルト112aと感光ドラム4との間に隙間T1を保った状態で各プロセスカートリッジPは移動する。よって、感光ドラム4が転写ベルト112aと接触することなく、トレイ110はプロセスカートリッジPを画像形成装置本体502の内側に移動させることができる。トレイ110が第一内側位置に位置する状態では、感光ドラム4と転写ベルト112aは隙間T1を保っている。
【0030】
ここで、
図5中矢印X方向(X1、X2)に垂直かつ感光ドラム4の軸線と垂直な方向をZ方向と称す(
図5中矢印Z1、Z2)。トレイ110は、第一内側位置から
図5中矢印Z2方向に移動して、感光ドラム4と転写ベルト112aが接触し画像形成が可能な第二内側位置(
図2の状態)に移動可能である。本実施例は、前ドア111が開いた状態から前ドア111を
図5中矢印R方向に閉める動作に連動して、第一内側位置に位置するトレイ110が
図5中矢印Z2方向に移動して、第ニ内側位置に移動するように構成されている。
【0031】
以上のように、トレイ110によって、複数のプロセスカートリッジPをまとめて画像形成装置本体502の内側で画像形成が可能な位置に設置させることができる。
【0032】
[駆動連結部の構成]
図7、
図8を用いて、駆動連結部の構成について説明する。ここで駆動連結部とは、
図7で示す画像形成装置本体502の現像駆動出力部材62から駆動を入力され、現像ローラ6へ駆動を伝達、および、遮断する機構である。
図8は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材520、および、現像カバー部材533を取り外した状態を示している。前述の通り、駆動側カートリッジカバー部材520には開口520aおよび520bが設けられている。そして、開口520aからは、現像カップリング部材74が露出する構成となっている。現像カップリング部材74は、
図7(b)に示す画像形成装置本体502の現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合し、画像形成装置本体502に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される構成となっている。
【0033】
図8に示す現像ユニット9の端部には、現像カップリング部材74と、現像カップリング部材74を介して駆動力の伝達が可能な回転部材75が回転可能に設けられている。また、詳細は後述するが、現像カップリング部材74と回転部材75は同軸で長手方向に係合可能であり、係合したときに、現像カップリング部材74から回転部材75へ駆動を伝達することができる構成になっている。回転部材75はギア801と係合し、ギア801は、現像ローラギア802とも係合している。ここで、ギア801と現像ローラギア802にはギア歯が形成され、互いのギア歯がかみ合っている。これにより、回転部材75に伝達された駆動は、現像ローラギア802を介して、現像ローラ6へ伝達される構成となっている。
【0034】
駆動側軸受526と、駆動側カートリッジカバー部材520の間には、駆動側軸受け526から順にギア801、バネ70、回転部材75、スライド部材80、現像カップリング部材74、現像カバー部材533が設けられている。スライド部材80は、駆動切替機構の一部であり、カップリングの係合解除部材である。これらの部材は、現像カップリング部材74と同一直線上に設けられている。ここで、駆動側軸受526は揺動軸Kと平行に長手方向に突出する円筒状の支持部526cを有し、現像カバー部材533は、支持部526cと嵌合する嵌合穴533cを有する。この支持部526cに、駆動切替機構の一部であり、スライド部材を規制し、後述する第1位置と第2位置を移動可能な移動部材としての規制部材510が、支持部526c中心に揺動可能に取り付けられる。詳細は後述する。なお、本実施例では駆動側軸受526の支持部526cに規制部材510を取り付
けているが、現像カバー部材533や駆動側カートリッジカバー部材520など他の部材に取り付ける構成も可能である。本実施の形態においては、駆動連結部とは、ギア801、現像ローラギア802、バネ70、回転部材75、スライド部材80、現像カップリング部材74、現像カバー部材533、で構成されている。
【0035】
図9を用いて、現像カップリング部材74と回転部材75の構成を説明する。
図9は、現像カップリング部材74と回転部材75の係合部を説明する分解斜視図である。現像カップリング部材74は、係合部(カップリング部)としての爪部74aを有し、回転部材75は係合部(カップリング部)としての爪部75aを有する。また、現像カップリング部材74は、後述するスライド部材80と接触する面74bを持ち、回転部材75は、同じく後述するスライド部材80と接触する面75dを持つ。ここで爪部74及び爪部75は、それぞれの回転中心から放射状に等間隔で配置された複数の爪部である。爪部74aと爪部75aは互いに係合可能に構成されている。すなわち、現像カップリング部材74は、回転部材75と連結可能に構成されている。これにより、画像形成装置本体502の現像駆動出力部材62と係合して駆動力を受け取った現像カップリング部材74が回転することにより、係合した状態の回転部材75が回転する。本施例においては、爪部74aと爪部75aはそれぞれ9個の爪を有するが、数はこの限りではない。
【0036】
また、
図9に示すように、回転部材75の中央には穴部75mが設けられている。この穴部75mは、現像カップリング部材74の小径の円筒部74mと嵌合し、貫通している。これによって、現像カップリング部材74は、回転部材75に対して回転可能かつそれぞれの軸線に沿ってスライド可能に支持されている。
【0037】
図10、
図11を用いて、現像カップリング部材74、回転部材75、バネ70、ギア801、スライド部材80の構成について説明する。
図10は、駆動連結部を分解した斜視図である。
図11(a)は、駆動伝達時のギア801と回転部材75を駆動側から見た図であり、
図11(b)は、
図11(a)で示したA-A位置の断面図である。なお、説明のため、
図11(a)では現像カップリング部材74とスライド部材80を不図示としている。
【0038】
ギア801は、回転部材75、およびスライド部材80と嵌合する柱部801aと、バネ70の支持部である支持部801bを有する。柱部801aは、ギア801の回転中心から放射状に形成され、F2方向に延伸している。ここで、本実施例では、柱部801aは4つを例に図示しているが、数はこの限りではない。柱部801aは、回転部材75の駆動伝達部である嵌合穴75nを貫通し、嵌合穴75より長手外側において、柱部801aの面801cとスライド部材80の円筒内面80cが嵌合する。また、バネ70の一端が、ギア801の支持部801bに取り付けられ、他端が、回転部材75の支持部75bに取り付けられることで、回転部材75が、揺動軸K方向に長手外側であるF1方向に向かって付勢される。ここで、支持部801bは、ギア801の回転中心と同軸に設けられ、F2方向に延伸してバネ70の一端に嵌合することで、バネ70が脱落しないように支持している。回転部材75の外周面75cは、ギア801の内周面801eの内側に位置し、回転部材75は、ギア801の内側において、揺動軸K方向にスライド移動が可能となっている。スライド部材80は、円筒内面80cが、柱部801aの面801cによって揺動軸K中心に回転可能かつ揺動軸K方向にスライド可能に支持され、端面80dが、回転部材75の面75dと接触している。これにより、スライド部材80は、バネ70からの付勢力を受け、F1方向に常に付勢される。スライド部材80は、カム面80aと現像カップリング部材74の面74bに対向する面80bを有し、
図11(b)で示す駆動伝達状態の時、端面80dから対向面80bの距離Hと、面74bから面75dの距離Lの関係はH<Lとなる。このため、回転部材75が、バネ70により付勢されてF1方向に移動することで、前述の爪部75aと爪部74aが、係合することが可能となる。
【0039】
図11(a)を用いて、爪部74aと爪部75aが係合し、画像形成装置本体502の現像駆動出力部材62から駆動を入力されて現像カップリング部材が回転する時の駆動伝達状態について説明する。回転部材75がV2方向に回転すると、嵌合穴75nの回転方向上流側端部にある駆動伝達面75eがギア801の柱部801aの駆動伝達面801dに当接する。駆動伝達面801dにおいてV2方向への回転力を受けたギア801はV2方向へ回転し、係合する現像ローラギア802に回転を伝達することで、現像ローラ6が駆動する構成となっている。
【0040】
[駆動連結解除構成]
図12、
図13を用いて、駆動連結解除の構成について説明する。
図12は、駆動連結を解除するため、スライド部材80の長手方向の位置を規制する規制部材510を示し、
図12(a)と
図12(b)は、説明のため、それぞれ反対側からの斜視図を示している。
図13は、
図13(a)が駆動連結状態、
図13(b)が駆動連結解除状態それぞれの、規制部材510と前述の駆動連結部との位置関係を示している。
【0041】
規制部材510は、被支持穴510a、規制レバー部510b、足部510c、足部510d、を有する。規制レバー部510bは、カム面510g、斜面510hを有し、足部510c、足部510dは、それぞれ、後述する駆動制御部材540から力を受ける面である面510e、510fを有する。規制部材510の被支持穴510aは、前述した駆動側軸受526の支持部526cと嵌合し、支持部526cの軸を中心に揺動可能となる。
【0042】
図13(a)は、駆動伝達状態の規制レバー部510bと駆動連結部の位置関係を示しており、この時、規制レバー部510bは、現像カップリング部材74とスライド部材80とは接触しない位置にある。この規制部材510の位置を、規制部材510の第一位置と称す。この位置は、現像カップリング部材74から現像ローラ6への駆動力の伝達を許容する駆動力伝達位置である。
【0043】
図13(b)に示す駆動連結解除状態の時、規制部材510は、駆動側軸受526の支持部526c(
図8)中心に揺動し、規制部材510の規制レバー部510bが、現像カップリング部材74の斜面74cとスライド部材80のカム面80aの間に位置した状態となる。この規制部材510の位置を、規制部材510第二位置と称す。この位置は、現像カップリング部材74から現像ローラ6への駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断位置である。この時、規制レバー部510bのカム面510gがスライド部材80のカム面80aと接触し、規制レバー部510bからスライド部材80に与える力Jの揺動軸K方向の分力J
Kにより、スライド部材80をF2方向に移動させている。スライド部材80がF2方向に移動することにより、回転部材75もF2方向へ移動し、回転部材75と現像カップリング部材74それぞれの爪部75aと74aの係合が外れることで、駆動連結が解除される。またこの時、規制レバー部510bは、付勢手段としてのバネ70の反力J
Sをスライド部材80の面80bからF1方向に受ける。規制レバー部510bは、現像カップリング部材74の面74bに突き当たり、F1方向へ動こうとするが、現像カップリング部材74の面74dが現像カバー部材533の面533dに突き当たり、停止する。これにより、規制レバー部510bは、スライド部材80と現像カップリング部材74に挟まれ、その係合部においてバネ70の反力を受けて挟み込まれることで抵抗を受け、外力を受けない状態ではその位置が規制される。すなわち、移動部としての規制レバー部510bは、スライド部材80と現像カップリング部材74との間に挟持された状態となり駆動力遮断位置に保持される。
【0044】
[本体装着]
図14を用いて、プロセスカートリッジPが画像形成装置本体502に装着される際の動作について説明する。
図14(a)は、プロセスカートリッジPが第一内側位置に位置し感光ドラム4と転写ベルト112aが離れた状態を駆動側から見た図である。また、
図14(b)は、プロセスカートリッジPが第ニ内側位置に位置し感光ドラム4と転写ベルト112aが当接した状態を駆動側から見た図である。
図14(a)、(b)は、説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520を省略して示す。
【0045】
画像形成装置本体502は、各プロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)に対応して、駆動制御部材540を有している。駆動制御部材540は、第一内側位置、第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPの規制部材510の下(
図14中Z2方向)に配置される。駆動制御部材540は、本体力付与部として、プロセスカートリッジPに向かって突出する制御部540aを有し、制御部540aは、第1本体力付与部としての第一力付与面540bと、第2本体力付与部としての第二力付与面540cと、を有する。駆動制御部材540の制御部540aは、第一内側位置に位置するプロセスカートリッジPが有する、
図12で説明した面510eと面510fで挟まれた空間Q1の下面より下(
図14中Z2方向)に配置される。さらに、駆動制御部材540は、プロセスカートリッジPが第一内側位置に位置するとき(
図14(a))、規制部材510との間に隙間T5が空くように配置される。つまり、上述したように外側位置から第一内側位置に移動するトレイ110によって画像形成装置本体502の内部に挿入されるプロセスカートリッジPの規制部材510は、駆動制御部材540に接触せずに画像形成装置本体502に挿入される。そして、上述したように前ドア111を閉めることでプロセスカートリッジPが第一内側位置から第二内側位置に移動すると、
図14(b)に示すように、空間Q1に制御部540aが侵入する。
【0046】
図15に、画像形成装置本体502に設置されたプロセスカートリッジPを
図14(b)の矢印VW方向から見た図を示す。
図15は、説明のため、駆動制御部材540は、制御部540a以外を省略して示す。また、プロセスカートリッジPを構成する部品の一部を省略して示す。
図15に示すように、規制部材510の退避力受け部である足部510cと挿入力受け部である足部510dは、現像ユニット9の揺動軸Kに沿った方向において、一部が重なるように配置されて、空間Q1を形成する。さらに、プロセスカートリッジPが第二内側位置(画像形成可能位置)に設置され、空間Q1に制御部540aが侵入したとき、制御部540aは揺動軸Kに沿った方向において、足部510cと足部510dとに重なるように配置されている。ここで、
図14(b)に示すように、プロセスカートリッジPが画像形成装置本体502の第二内側位置に装着され、規制部材510が第一位置のとき、足部510cの面510eと第二力付与面540cとの間に隙間T3があり、足部510dの面510fと第一力付与面540bとの間に隙間T4がある駆動制御部材540の位置をホーム位置と称す。
【0047】
[駆動連結解除動作]
図1を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材510の第一位置から第二位置への移動動作、つまり、前述した駆動連結を解除する動作について説明する。
図1は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520は省略して示す。
【0048】
図1(a)は、規制部材510が第一位置で、駆動制御部材540がホーム位置(第1本体位置)の状態を示す。ここで、前述したように、
図1(a)の駆動制御部材540のホーム位置において、第一力付与面540bと第二内側位置に装着されたプロセスカートリッジPの退避力受け部である足部510dとの間に隙間T4がある。また、第二力付与面540cと挿入力受け部である足部510cとの間に隙間T3がある。本実施例の駆動
制御部材540は、ホーム位置から
図1(a)中矢印W51方向に第2本体位置に向かって移動可能に構成されている。
図1(a)の状態から、駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bと規制部材510の足部510dにある面510fが当接し、規制部材510は駆動側軸受526の支持部526c中心に、
図1(b)中矢印B1方向に揺動する。駆動側軸受526の支持部526cは、現像カバー部材533の嵌合穴533cに同軸で嵌合し、その軸線は、揺動軸Kと平行な軸線である。規制部材510が、
図1(b)中矢印B1方向に回転する時、規制部材510は、第一位置から第二位置方向へ移動する。この時、前述の通り規制部材510の規制レバー部510bが、
図13に示すように、現像カップリング部材74とスライド部材80の間に挿し込まれることで、スライド部材80がF2方向へ移動し、爪部75aと爪部74aの係合が外れることで駆動連結が解除される。さらに、
図1(c)に示すように、駆動制御部材540がW52方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは規制部材510の足部510cにある面510eと隙間T6を有し、当接しない。つまり、規制部材510は、駆動制御部材540から外力を受けない。また、前述の通り規制レバー部510bがスライド部材80と現像カップリング部材74に挟み込まれているため、規制部材510は第二位置を維持されたままとなる。これにより、スライド部材80がF1方向にスライドできないため、駆動解除状態が維持される。
【0049】
[駆動連結動作]
図16を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材510の第二位置から第一位置への移動動作、つまり、駆動を連結する動作について説明する。
図16は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520は省略して示す。
【0050】
図16(a)は、規制部材510が第二位置で、駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。本実施例の駆動制御部材540は、ホーム位置から
図16(a)中矢印W52方向に第3本体位置に向かって移動可能に構成されている。
図16(a)の状態から、駆動制御部材540がW52方向に移動し、第二力付与面540cと規制部材510の足部510cにある面510eが当接すると、規制部材510は駆動側軸受526の支持部526c中心に、
図16(b)中矢印B2方向に揺動する。前述のとおり、支持部526cは現像カバー部材533の嵌合穴533cと嵌合しており、規制部材510の回転軸は揺動軸Kと平行である。規制部材510が矢印B2方向に揺動することで、規制部材510は第二位置から第一位置方向へ移動する。この時、
図13で説明した規制部材510の規制レバー部510bが現像カップリング部材74とスライド部材80の間から抜けることで、
図11で説明したバネ70の付勢力を受けた回転部材75がF1方向に移動し、駆動が連結される。さらに、
図16(c)に示すように、駆動制御部材540がW51方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは、規制部材510の足部510dにある面(第1力受け面)510fと隙間T9を有し、当接しない。さらにこの時、制御部540aは、規制部材510の足部510cにある面(第2力受け面)510eとの間に隙間T8を有しているため、制御部540aと規制部材510が接触しない状態が維持される。このため、規制部材510は第一位置を維持されたまま、駆動連結状態が維持される。
この状態から、再び、駆動連結解除動作をすることが可能である。この場合、駆動制御部材540がW51方向に移動し、
図1(b)に示す状態となり、それ以降は上述の駆動連結解除動作と同様の動作となる。
【0051】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540がホーム位置から移動することで、規制部材510の第二位置と第一位置を切り替え、駆動連結状態を切り替えることが可能となる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切
替が可能となる。
【0052】
なお、本実施例では、現像カップリング部材74から現像ローラ6への駆動力の伝達経路において、駆動の伝達と遮断とを行う、互いに係合可能な同軸の第1の回転部材と第2の回転部材の一例として、現像カップリング部材74とスライド部材80とを例示した。第1の回転部材と第2の回転部材としては、互いに回転軸回りに係合して駆動力を伝達可能な係合位置と、互いに回転軸方向に離間して駆動力が伝達されない非係合位置と、をとりえる、上記伝達経路の他の箇所における2部材であってもよい。すなわち、本実施例の構成に限定されるものではい。
【0053】
(実施例2)
図17~
図25を用いて、本開示の実施例2に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0054】
[駆動連結部の構成]
図17は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材520、および、現像カバー部材533を取り外した状態を示している。駆動側軸受526と、駆動側カートリッジカバー部材520の間には、ギア1801、伝達解除機構を有する駆動伝達切り替え装置であるクラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材533が設けられている。また、実施例1と同様、駆動側軸受526の支持部526cに規制部材1510が揺動可能に取り付けられる。本実施の形態においては、駆動連結部は、ギア1801、クラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材533、で構成されている。なお、本実施例では駆動伝達切り替え装置180について、バネクラッチを例に説明することから、以降バネクラッチ180と表記する。
【0055】
図18を用いて、バネクラッチ180の概要について説明する。本実施例でのバネクラッチ180は、制御環180a、出力部材180b、入力内輪180c、伝達内輪180d、伝達バネ180eで構成される。入力部材としての入力内輪180cが現像カップリング部材174と係合して伝達経路上流側からの駆動力を受けて回転する。入力内輪180cと、その外周に巻き付けられた伝達バネ180eとは、伝達部材としての伝達バネ180eの締め付け力(摩擦)により互いに相対回転することが規制された状態となっており、入力内輪180cから伝達バネ180eに駆動力が伝達される。入力内輪180cと伝達バネ180eとの間も伝達バネ180eの締め付け力(摩擦)により互いに相対回転することが規制された状態となっている。したがって、伝達バネ180eに伝達された回転が、伝達バネ180eの締め付け力により伝達内輪180dへ伝達される。伝達内輪180dは、出力部材180bと係合しており、さらに出力部材180bが後述するギア1801との係合部において、実施例1と同様に駆動を伝達する。制御部材としての制御環180aは、伝達バネ180eの一端と係合しており、バネの締め付け方向と逆向きに制御環180aを回転させることで、バネの締め付け(各内輪に対する接触具合)を緩めることが可能な構成となっている。以上により、駆動伝達時には、バネクラッチ180を構成する部品は全て一体となって回転している。駆動伝達の遮断は、制御環180aの回転を停止させることによって伝達バネ180eを入力内輪180cから緩ませ(伝達バネ180eと各内輪との間の摩擦力を低下させ)、入力内輪180cからの駆動力を伝達バネ180eが伝達内輪180dに伝達しなくなることで遮断する構成となっている。
【0056】
なお、バネクラッチ180の構成はこれに限らず、内輪が1つでも構わない。その場合、伝達バネ180eの制御環180aと係合する一端とは逆端が、出力部材180bと直
接係合し、回転を伝達すれば良い。また、駆動伝達切り替え装置としてバネクラッチ形態以外でも良く、一部の回転を停止させることで、回転伝達部が半径方向に広がる、もしくは周方向に移動して駆動を遮断する構成の装置でも構わない。すなわち、駆動力を伝達する部材間の相対回転の規制により、駆動力を伝達する伝達状態を形成し、相対回転の許容により、駆動力が伝達しない非伝達状態を形成することができる構成ではれば、従来周知の種々の構成を採用してよい。
【0057】
図19を用いて、ギア1801、バネクラッチ180、現像カップリング部材174の組み付けについて説明する。
図19(a)は、バネクラッチ180と現像カップリング部材174の組み付けを示し、
図19(b)は、バネクラッチ180とギア1801の組み付けを示す。バネクラッチ180の入力内輪180cは入力溝180fを有し、現像カップリング部材174は爪部174aを有する。爪部174aと入力溝180fが係合することで、現像カップリング部材174が回転した時、入力内輪180cが回転し、駆動を伝達できる。バネクラッチ180の出力部材180bは出力爪180gを有し、ギア1801は伝達溝1801aを有する。出力爪180gと伝達溝1801aが係合することで、出力部材180bが回転した時、ギア1801が回転し、駆動を伝達できる。これにより、現像カップリング部材174に入力された駆動力が、ギア1801に伝達し、現像ローラギア802を回すことで現像ローラ6が駆動される。なお、本実施例では爪部174a、入力溝180f、出力爪180g、伝達溝1801aがそれぞれ3本の場合を図に示しているが、数はこの限りではない。
【0058】
[駆動遮断構成]
図20、
図21を用いて、駆動遮断の構成について説明する。
図20は、駆動を遮断するため、バネクラッチ180の制御環180aの回転を停止させるための規制部材1510を示し、
図21は、駆動側から見た図であり、駆動伝達状態、駆動遮断状態それぞれの、規制部材1510とバネクラッチ180との位置関係を示している。
【0059】
図20を用いて、規制部材1510の構成について説明する。規制部材1510は、被支持穴1510a、規制レバー部1510b、足部1510c、足部1510d、を有する。規制レバー部1510bはバネクラッチ180の制御環180aを停止させるための規制面1510gと、バネクラッチ180の外周面180jに当接する当接面1510hを有する。また、実施例1同様、足部1510c、足部1510dはそれぞれ、駆動制御部材540から力を受ける面である面1510e、1510fを有する。実施例1と同様に、面1510fが第1力受け面、面1510fが第2力受け面である。また、実施例1同様、被支持穴1510aは駆動側軸受526の支持部526cと嵌合し、支持部526cの軸を中心に揺動可能となっている。
【0060】
図21(a)を用いて、駆動伝達状態の規制部材1510とバネクラッチ180の位置関係を説明する。バネクラッチ180の制御環180aは、規制部材1510と係合する被係合部としての制御部180hを有する。制御部180hは、制御環180aの外周面から突出した爪形状部である。ここで、バネクラッチ180が駆動力を受けてV2方向に回転する時の、制御部180hの半径方向先端部が動く軌跡をr
bとする。バネクラッチ180の中心(揺動軸K)から見て規制部材1510がr
bより外側に位置する時、制御環180aはV2方向に回転することができ、駆動が伝達される。この規制部材1510の位置を、非係合位置としての規制部材1510の第一位置とする。
【0061】
図21(b)を用いて、駆動遮断状態の規制部材1510とバネクラッチ180の位置関係について説明する。規制部材1510は、制御環180aの回転軸線と平行な回転軸線回りの移動として、駆動側軸受526の支持部526c(
図17)中心にB1方向に揺動し、規制面1510gが軌跡r
b内に進入すると、駆動力を受けてV2方向に回転して
いた制御部180hが規制面1510gに突き当たる。ここで、制御部180hと規制面1510gが接触する面において、規制面1510gが制御部180hから受ける力を回転力J
Bとする。V2回転方向に働く回転力J
Bが、被支持穴1510aの軸中心Nと、バネクラッチ180の回転中心でもある揺動軸Kを結んだ仮想線に垂直な範囲Q2内で発生するように、規制レバー部1510bの長さと制御部180hの長さが調整することが望ましい。そのように調整することで、規制面1510gに突き当たった制御部180hが規制レバー部1510bをV2回転方向に引き込み、規制部材1510をB1方向に回転させる。これにより、B1方向に回転した規制部材1510の規制レバー部1510bに設けた当接面1510hを、バネクラッチ180の外周面180jに突き当てることができ、B1方向の位置が規制できる。この時、規制部材1510は、当接面1510hで、第2の被係合部としてのバネクラッチ180の外周面180jと、規制面1510gで、第1の被係合部としての制御部180hと、それぞれ突き当たる。バネクラッチ180の揺動軸Kを通る第1仮想線と、規制部材1510の軸中心Nを通る第2仮想線と、で挟まれた領域である範囲Q2において、第1の被係合部としての制御部180hの移動軌跡と、移動部としての規制部材1510の移動軌跡とが交差する。これにより、規制部材1510は、回転力J
Bを受けている間、他から外力を受けない限り、位置が固定される。このように規制部材1510でバネクラッチ180の制御部180hを停止させる、つまり制御環180aの回転を停止させることで、画像形成装置本体502から入力される駆動力を遮断することが可能となる。この規制部材1510の位置を、係合位置としての規制部材1510の第二位置とする。
【0062】
[駆動連結解除動作]
図22を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材1510の第一位置から第二位置への移動動作、つまり、前述した駆動解除の動作について説明する。
図22は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520は省略して示す。
【0063】
図22(a)に示すように、規制部材1510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置のとき、制御環180aはV2方向に回転することができ、駆動が伝達される。
図22(a)の状態から、駆動制御部材540がW51方向に移動し、第一力付与面540bと規制部材1510の足部1510dにある面1510fが当接すると、規制部材1510は、
図22(b)中矢印B1方向に揺動する。つまり、規制部材1510は第一位置から第二位置方向へ移動する。第二位置では、
図21(b)に示すように、規制部材1510の規制レバー部1510bがバネクラッチ180の制御部180h先端の軌跡r
b内に挿し込まれることで、規制面1510gにより制御部180hの回転が停止される。これにより、制御環180aの回転が停止され、バネクラッチ180のバネ180eが緩むことで、駆動が解除される。さらに、
図22(c)に示すように、駆動制御部材540がW52方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは規制部材1510の足部1510cにある面(第2力受け面)1510eと隙間T6を有し、当接しない。制御部540aと面(第1力受け面)1510fとの間にも隙間が形成されている。このため規制部材1510は、
図21に示すように、規制レバー部1510bが制御部180hによりV2方向に引き込まれているため、第二位置を維持されたままとなり、駆動解除状態が維持される。
【0064】
[駆動連結動作]
図23を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材1510の第二位置から第一位置への移動動作、つまり、駆動を連結する動作について説明する。
図23は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520は省略して示
す。
【0065】
図23(a)に、規制部材1510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。
図23(a)の状態から、駆動制御部材540がW52方向に移動し、第二力付与面540cと規制部材1510の足部1510cにある面1510eが当接すると、規制部材1510は、
図23(b)中矢印B2方向に回転する。つまり、規制部材1510は第二位置から第一位置方向へ移動する。この時、
図21で示すように、規制レバー部1510bが制御部180hによりV2方向に引き込まれた状態からB2方向へ回転するため、回転力J
Bが負荷として駆動制御部材540に加わる。ここで、負荷となる回転力J
Bはバネクラッチ180の制御環180aを停止させる(押し返そうとする)力のため、制御環180aを元の位置に戻そうとするバネ180eのバネの弾性力と同一である。そのため、回転力J
Bを低減したい場合は、バネ定数を変更するとよいが、クラッチ自身の必要な伝達性能とバランスを取って決定するのが望ましい。
図23(b)の状態では、軌跡r
bから規制レバー部1510bが抜け、駆動が伝達される。さらに、
図23(c)に示すように、駆動制御部材540がW51方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは、規制部材1510の足部1510dにある面1510fと隙間T9を有し、当接しない。このため、規制部材1510は第一位置を維持されたまま、駆動伝達状態が維持される。
この状態から、再び、駆動連結解除動作をすることが可能である。この場合、駆動制御部材540がW51方向に移動し、
図22(b)に示す状態となり、それ以降は上述の駆動連結解除動作と同様の動作となる。
【0066】
[その他の構成]
図24、
図25を用いて、本実施例のその他の構成について説明する。本実施例では、規制部材1510との間に隙間を有するときの駆動制御部材540の位置を、ホーム位置と称したが、必ずしも隙間を有する構成に限るものではない。ホーム位置において、規制部材1510と駆動制御部材540が当接している構成の一例として、規制部材1510に付勢部材1511を取り付けた構成がある。規制部材1510に付勢部材1511を取り付けた構成を、
図24、
図25を用いて説明する。
【0067】
図24(a)、
図24(b)を用いて、付勢部材1511の概要について説明する。付勢部材1511は、先端部1511a、圧縮コイルバネであるバネ1511bで構成される。
図24は、付勢部材1511のバネ1511bを、先端部1511aと、規制部材1510の面1510eに設けられた支持部1510iから取り外した状態を示している。付勢部材1511のバネ1511bは、両端に座巻部が設けられており、一端の座巻部内径に規制部材1510の支持部1510iを圧入することで固定されている。他端の座巻部は、付勢部材1511の先端部1511aに固定されている。また、付勢部材1511のバネ1511bの弾性部内径には、規制部材1510の支持部1510iよりも小径の突出部1510jが通っており、バネ1511bの収縮方向をS1方向またはS2方向に規制する。本構成においては、先端部1511aの表面が第2力受け面に相当する。
【0068】
図25を用いて、画像形成装置本体502の内部における、駆動伝達状態の切り替え動作について説明する。本構成は、ホーム位置において、駆動制御部材540の第二力付与面540cと、付勢部材1511の先端部1511aが当接した構成である。
図25(a)は、規制部材1510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示している。
図25(a)の状態では、付勢部材1511のバネ1511bは、僅かに圧縮しており、さらに、規制部材1510の規制レバー部1510kが、現像カバー部材533の外周面533fに当接している。このため、規制部材1510は、規制レバー部1510kが現像カバー部材533の外周面533fに当接した位置で固定され、確実に駆動伝達状態が維持される。
【0069】
ここで、駆動制御部材540がW51方向に移動すると、
図25(b)のように、規制部材1510は、第一位置から第二位置方向へ移動し、規制部材1510の規制面1510gとバネクラッチ180の制御部180hが突き当たる。これにより、バネクラッチ180の制御部180hの回転を停止し、駆動が遮断される。
図25(b)の状態では、駆動制御部材540の第二力付与面540cと、付勢部材1511の先端部1511aは離間している。なお、駆動制御部材540による規制部材1510の制御に影響を与えないのであれば、付勢部材1511の先端部1511aの表面(第2力受け面)が駆動制御部材540の第二力付与面540cと接触するような構成とすることも可能である。すなわち、第二位置においても付勢部材1511の先端部1511aの表面(第2力受け面)と駆動制御部材540の接触が維持されるような構成であってもよい。
【0070】
続いて、
図25(c)に示すように、駆動制御部材540がW52方向に移動して、ホーム位置に戻ると、駆動制御部材540の第二力付与面540cと、付勢部材1511の先端部1511aが当接し、バネ1511bが圧縮する。そのため、規制部材1510は、バネクラッチ180の制御部180hから加わる力J
Bによる、駆動側軸受526の支持部526cを中心としたB1方向のモーメントM
Bと、付勢部材1511のバネ1511bから加わる力J
Sによる支持部526cを中心としたB2方向のモーメントM
Sを受ける。しかし、
図25(c)の状態では、M
B>M
Sであるため、規制部材1510は第二位置から動かない。つまり、先端部1511aの表面(第2力受け面)が駆動制御部材540に接触していても、駆動解除状態が維持される。
【0071】
さらに、駆動制御部材540がW52方向に移動すると、M
B<M
Sとなり、
図25(d)に示すように、規制部材1510は第二位置から第一位置へ移動し、駆動が伝達される。
【0072】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540がホーム位置から移動することで、規制部材1510の第一位置と第二位置を切り替え、駆動伝達状態を切り替えることが可能となる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる。
【0073】
(実施例3)
図26~
図30を用いて、本開示の実施例3に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例2と同様とし、後述するロック部材550とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0074】
[駆動連結部の構成]
図26は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材520、現像カバー部材3533、ロック部材550を取り外した状態を示している。駆動側軸受526と、駆動側カートリッジカバー部材520の間には、ギア1801、伝達解除機構を有する駆動伝達切り替え装置であるバネクラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材533が設けられている。また、駆動側軸受526の支持部526cに規制部材3510(移動部材の一例)が揺動可能に取り付けられる。本実施の形態においては、駆動連結部は、ギア1801、バネクラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材3533、規制部材3510、ロック部材550、で構成されている。
【0075】
図27を用いて、第2の付勢手段としてのロック部材550の概要について説明する。ロック部材550は、先端部550a、圧縮コイルバネであるバネ550bで構成される
。
図27は、ロック部材550のバネ550bを、先端部550aと、現像カバー部材3533の支持部3533dから取り外した状態を示している。ロック部材550のバネ550bは、両端に座巻部が設けられており、一端の座巻部内径に現像カバー部材3533の支持部3533dを圧入することで固定されている。他端の座巻部は、ロック部材550の先端部550aに固定されている。また、ロック部材550のバネ550bの弾性部内径には、現像カバー部材3533の支持部3533dよりも小径の突出部3533eが通っており、バネ550bの収縮方向をS1方向またはS2方向に規制する。
【0076】
[駆動連結解除動作]
図28(a)、
図28(b)を用いて、バネクラッチ180の制御環180aの回転を停止させ、駆動を遮断するための規制部材3510の構成について説明する。規制部材3510は、被支持穴3510a、規制レバー部3510b、足部3510c、足部3510d、を有する。規制レバー部3510bは、バネクラッチ180の制御環180aを停止させるための規制面3510gを有する。また、足部3510c、足部3510dはそれぞれ、駆動制御部材540から力を受ける面である面(第2力受け面、第1力受け面)3510e、3510fを有する。また、被支持穴3510aは駆動側軸受526の支持部526cと嵌合し、支持部526c(
図26)の軸を中心に揺動可能となっている。
【0077】
図29を用いて、画像形成装置本体502の内部における、駆動連結解除動作について説明する。ここで、バネクラッチ180が駆動力を受けてV2方向に回転する時の、制御部180hの半径方向先端部が動く軌跡をr
bとする。
図29(a)に示すように、バネクラッチ180の中心(揺動軸K)から見て規制部材3510の規制面3510gがr
bより外側に位置する時、制御環180aはV2方向に回転することができ、駆動が伝達される。さらに、規制部材3510は、駆動側軸受526の支持部526cの軸を中心にB1方向に揺動したときに、規制レバー部3510bが先端部550aと当接する場所に位置している。この規制部材3510の位置を、規制部材3510の第一位置と称す。
【0078】
図29(a)は、規制部材3510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示している。
図29(a)の状態から、駆動制御部材540がW51方向に移動し、第一力付与面540bと規制部材3510の足部3510dにある面3510fが当接すると、規制部材3510は、駆動側軸受526の支持部526c中心に、第一位置からB1方向に揺動し、規制面3510gがロック部材550の先端部550aに当接する。このとき、
図29(b)に示すように、規制部材3510からB1方向に働く力J
cのS1方向の分力によって、ロック部材550のバネ550bが圧縮し、先端部550aがS1方向に移動する。これにより、規制部材3510はさらにB1方向に揺動可能となり、
図29(c)に示すように、規制面3510gがバネクラッチ180の外周面180jに突き当たる。また、ロック部材550の先端部550aは、バネ550bの復元力によって、規制部材3510の規制面3510gに接した状態でS2方向に移動している。このとき、ロック部材550の先端部550aと規制部材3510の規制面3510gが接触する面において、規制面3510gは先端部550aから付勢力として力J
Bを受けている。ここで、規制面3510gが先端部550aから受ける力J
Bの向きは、駆動側軸受526の支持部526c中心としたB1方向にモーメントが働く向きである。そのため、規制部材3510は、規制面3510gがバネクラッチ180の外周面180jに突き当たった状態で位置が固定される。このように、規制部材3510は、制御部180hを停止させる、つまり制御環180aの回転を停止させることで、画像形成装置本体502から現像カップリング部材174に入力される駆動力が遮断される。この規制部材3510の位置を、規制部材3510の第二位置と称す。
【0079】
さらに、
図29(d)に示すように、駆動制御部材540がW52方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは規制部材3510の面(第2力受け面)3510
eと面(第1力受け面)3510fに対して隙間を有し、当接しない。
図29(c)と同様に、規制部材3510はロック部材550の先端部550aから力J
Bを受けているため、規制面3510gがバネクラッチ180の外周面180jに突き当たった状態で位置が固定され、B2方向に揺動することができない。つまり、規制部材3510は第二位置を維持されたままとなり、制御環180aを停止し、駆動解除状態が維持される。
【0080】
[駆動連結動作]
図30を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材3510の第二位置から第一位置への移動動作、つまり、駆動を連結する動作について説明する。
図30(a)は、規制部材3510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示している。
図30(a)の状態から、駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cと規制部材3510の足部3510cにある面3510eが当接する。このとき、
図30(b)に示すように、規制部材3510からB2方向に働く力J
cのS1方向の分力によって、ロック部材550のバネ550bが圧縮し、先端部550aがS1方向に移動する。これにより、
図30(c)に示すように、規制部材3510はさらにB2方向に揺動可能となり第一位置まで移動し、規制部材3510が軌跡r
bから外側に抜け、バネクラッチ180の制御部180hと規制部材3510の規制面3510gが離間する。つまり、制御環180aが回転できるようになり、駆動が伝達される。さらに、
図30(d)に示すように、駆動制御部材540がW51方向に移動して、ホーム位置に戻っても、制御部540aは規制部材3510の面3510eと面3510fに対して隙間を有し、当接しない。このため、回転力が生じない規制部材3510は、ロック部材550のバネによってS2方向に付勢されている先端部550aを、S1方向に移動させることができないため、B1方向に揺動することができない。つまり、規制部材3510は第一位置を維持されたままとなり、駆動伝達状態が維持される。
【0081】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540がホーム位置から移動することで、規制部材3510の第一位置と第二位置を切り替え、駆動伝達状態を切り替えることが可能となる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる。
【0082】
(実施例4)
図31~
図35を用いて、本開示の実施例4に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。本構成はトグル構成を用いて駆動連結部の連結/解除を切り替える構成である。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例2と同様とし、規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0083】
[駆動連結部の構成]
図31は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た分解斜視図である。駆動側軸受526と、駆動側カートリッジカバー部材520の間には、ギア1801、バネクラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材4533が設けられている。また、実施例2と同様、駆動側軸受526の支持部526cに規制部材4510が揺動可能に取り付けられる。そして引張バネであるトグルバネ4601の一端4601cが現像カバー部材4533のボス4533dに係合し、トグルバネ4601の他端4601dが規制部材4510のボス4510dに係合している。なお、本実施例のトグル機構については、後述する。よって本実施の形態は、駆動連結部は、ギア1801、バネクラッチ180、現像カップリング部材174、現像カバー部材4533、トグルバネ4601で構成されている。なお、本実施例ではバネクラッチ180の構成については実施例2と同様のため、説明を省略する。また、ギア1801、バネクラッチ180、現像カップリング部材174の組み付けについても実施例2と同様のため、説明を省略する。
【0084】
[本実施例のトグル機構]
図32、
図33を用いて、本実施例のトグル機構について説明する。
図32(a)は、規制部材4510がバネクラッチ180と接していない状態を表している図であり、
図32(b)は、
図32(a)の部分的な拡大図である。このとき、現像カバー部材4533のボス4533dの中心と規制部材4510のボス4510dの中心とを結んだ線M2が、現像カバー部材ボス4533dの中心と駆動側軸受526の支持部526cの中心とを結んだ線M1に対して図の左側にあるため、支持部526c中心で回転する規制部材4510はL1方向に回転する。これは規制部材4510がバネクラッチ180から離れる方向に移動するため、実施例2で記載されているように駆動伝達が遮断されることになる。また、規制部材4510は規制部材4510の面4510mが現像カバー部材4533のボス4533mに当接することで姿勢が保持される。
【0085】
図33を用いて、規制部材4510がバネクラッチ180と接している状態について説明する。このとき、現像カバー部材4533のボス4533dの中心と規制部材4510のボス4510dの中心とを結んだ線M2が現像カバー部材ボス4533dの中心と駆動側軸受526の支持部526cの中心とを結んだ線M1より図の右側にあるため、規制部材4510は駆動側軸受526の支持部526cを中心にL2方向に回転する。これは規制部材4510がバネクラッチ180に近づく方向に移動し、規制部材4510は規制部材4510の面4510nが現像カバー部材4533の面4533nに当接することで姿勢が保持される。その後、規制部材4510の面4510gとバネクラッチ180の制御部180hが当接する。このときのバネクラッチ180の動作は実施例2と同様のためここでは説明を省略する。そして、これによってクラッチが連結され、本体側の駆動が伝達可能になる。なお、バネクラッチ180の駆動遮断の動作についても実施例2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0086】
[駆動連結部の連結動作]
図34を用いて、画像形成装置本体502の内部における駆動制御部材540の動作によって、プロセスカートリッジPが本体からの駆動を遮断した状態から連結させるまでの動作について説明する。
図34(a)は、駆動制御部材540の駆動が遮断されてホーム位置にいる状態、
図34(b)は、
図34(a)から駆動制御部材540がw51方向に移動し、第一位置にいる状態、
図34(c)は、
図34(b)から駆動制御部材540がw52方向に移動し、駆動が連結されてホーム位置にいる状態を表している。実施例1と同様の詳細や記号の説明は省略する。
【0087】
図34(a)に示すように、駆動制御部材540の駆動が遮断されてホーム位置にいる状態では駆動制御部材540は規制部材4510とはT43、T44の隙間があり、接していない。この状態から駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bと規制部材4510の足部4510dにある面(第1力受け面)4510fが当接し、規制部材4510は、
図34(b)に示すL2方向に回転する。回転すると規制部材4510の面4510gとバネクラッチ180の制御部180hが当接する。これによってクラッチが連結され、本体側の駆動が伝達可能になる。
図33を用いて前述したように、この状態では規制部材4510が、第3の付勢手段としてのトグルバネ4601の作用によって、規制部材4510の面4510nが現像カバー部材4533の面4533nに当接し、姿勢が保持される。その後、
図34(c)のように駆動制御部材540がW52方向に移動し、駆動制御部材540がホーム位置に戻る。この状態では、駆動制御部材540は、規制部材4510とT46の隙間があるため、駆動制御部材540は、規制部材4510に力を作用しない。よって規制部材4510は
図33の姿勢のままであり、駆動は安定的に連結される。
【0088】
[駆動連結部の遮断動作]
図35を用いて、画像形成装置本体502の内部における駆動制御部材540の動作によって、プロセスカートリッジPが本体からの駆動を連結した状態から遮断させるまでの動作について説明する。
図35(a)は、駆動制御部材540が駆動が連結されてホーム位置にいる状態、
図35(b)は、
図35(a)から駆動制御部材540がw52方向に移動し、第二位置にいる状態、
図35(c)は、
図35(b)から駆動制御部材540がw51方向に移動し、駆動が遮断されてホーム位置にいる状態を表している。実施例1と同様の詳細や記号の説明は省略する。
【0089】
駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cと規制部材4510の足部4510cにある面(第2力受け面)4510eが当接し、規制部材4510は、
図33(b)に示すL1方向に回転する。回転すると規制部材4510の面4510gがバネクラッチ180の制御部180hから離間する。これによってクラッチが遮断され、本体側の駆動が伝達不可能になる。
図32を用いて前述したように、この状態では規制部材4510がトグルバネ4601の作用によって、規制部材4510の面4510mが現像カバー部材4533のボス4533mに当接することで姿勢が保持される。その後、
図35(c)のように、駆動制御部材540がW51方向に移動し、駆動制御部材540がホーム位置に戻る。この状態では、駆動制御部材540は、規制部材4510とT47の隙間があるため、駆動制御部材540は、規制部材4510に力を作用しない。よって規制部材4510は
図32の姿勢のままであり、駆動は安定的に遮断される。
【0090】
以上説明したように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540の動作に連動して、規制部材4510の当接/離間の切り替えがトグル機構によって安定的に行われるので、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに安定的な駆動の切り替えが可能となる。
【0091】
(実施例5)
図36~
図39を用いて、本開示の実施例5に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。本構成は係合部をギアの噛み合いとした構成である。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0092】
[駆動連結部の構成]
図36は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、駆動側カートリッジカバー部材6520、および、現像カバー部材6533を取り外した状態を示している。駆動側軸受526と、駆動側カートリッジカバー部材6520の間には、現像カップリングギア6801、現像カバー部材6533が設けられている。この現像カップリングギア6801の端部には、カップリング部6801aが設けられ、駆動側カートリッジカバー部材6520から露出して、画像形成装置本体502からの駆動力を受け取る構成となっている。また、現像カップリングギア6801と噛みあい、軸間距離が一定に保たれる位置にアイドラギア6803が設けられる。アイドラギア6803は、現像ローラギア802に駆動を伝達するアイドラギア6804と、支持部材としての規制部材6510によって連結されている。規制部材6510は、アイドラギア6803とアイドラギア6804のそれぞれの回転軸である6510a、6510bを有している。つまり、アイドラギア6803は、回転軸6510aに回転可能に保持されており、アイドラギア6504は、回転軸6510bに回転可能に保持されている。そして、抜け止めとして板材6511と規制部材6510で挟まれている。
【0093】
規制部材6510は、アイドラギア6803の回転軸6510aを駆動側カートリッジカバー部材6520の保持部6520aに回転可能に保持されている。つまり、この規制
部材6510は、アイドラギア6803の回転軸6510aを回転中心として、駆動側カートリッジカバー部材6520に対して揺動可能な構成となっている。言い換えると、アイドラギア6804は、駆動側カートリッジカバー部材6520に対してアイドラギア6803中心に揺動可能な構成である。なお、規制部材6510は、他の部品、例えばドラムユニット8に保持されていても構わない。その場合は、アイドラギア6804はドラムユニット8に対して、アイドラギア6803中心に揺動可能となる。
【0094】
[駆動遮断動作]
図37を用いて、駆動伝達状態から駆動遮断状態に切り替える動作について説明する。
図37(a)は、現像ローラギア802への駆動伝達時のギアと規制部材の状態のみを示し、
図37(b)は、現像ローラギア802への駆動遮断時のギアと規制部材の状態のみを示している。
【0095】
現像カップリングギア6801は、カップリング部6801aが画像形成装置本体502から駆動力を受け、V2方向に回転する。駆動力は、アイドラギア6803、6804を介し、現像ローラギア802へ駆動力を伝達する。このとき、規制部材6510は、アイドラギア6803とアイドラギア6804からの噛み合いにより、回転軸6510aを中心に矢印V3方向にモーメントが発生する。また、アイドラギア6804は、現像ローラギア802との噛み合いで圧力角方向F6に力を受けるため、矢印V3方向に引き込まれる。これは、アイドラギア6804の揺動支点(回転軸6510a)を、現像カップリングギア6801と現像ローラギア802を結んだ線よりW52側に配置したため、規制部材6510に逃げ方向(矢印V4方向)の力がかからないからである。このため、規制部材6510は矢印V3方向のモーメントが常に働き、アイドラギア6804と現像ローラギア802が噛み合い続ける状態では駆動伝達が維持される(
図37(a))。このときの規制部材6510の位置を第一位置と称する(
図37(b))。
【0096】
駆動伝達の遮断は、規制部材6510をW52方向に移動させることで、アイドラギア6804を矢印V4方向に移動させ、アイドラギア6804と現像ローラギア802との駆動を遮断させる構成となっている。このときの規制部材6510の位置を第二位置と称する。
【0097】
[駆動連結遮断動作]
図38を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材6510の第一位置から第二位置への移動動作、つまり、前述した駆動遮断の動作について説明する。
図38は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材6520は省略して示す。そして、
図38(a)に、規制部材6510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。
図38(b)に、規制部材6510が第一位置から第二位置に移動した状態を示す。
図38(c)に、規制部材6510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置に位置する状態を示す。実施例1と同様の詳細や記号の説明は省略する。
【0098】
駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cと規制部材6510の足部6510cにある面(第2力受け面)6510eが当接し、規制部材6510は、回転軸6510aを中心に
図38(b)中矢印V4方向に回転する。つまり、規制部材6510は、第1のギア(一方のギア)としての現像ローラギア802と、第2のギア(他方のギア)としてのアイドラギア6804とを、互いに噛合位置にさせる第一位置から、噛み合わせない非噛合位置に位置させる第二位置方向へ移動する。第二位置では、アイドラギア6804も、規制部材6510とともにV4方向に回転し、前述したように現像ローラギア802との駆動を遮断される(
図37(b)、63(b))。
【0099】
さらに、駆動制御部材540が、
図38(b)中矢印W51方向に移動して、ホーム位置に戻る。この時、前述したように規制部材6510は、第3のギアとしてのアイドラギア6803からV3方向のモーメントを受け第一位置に戻ろうとするが、引っ張りバネ6530によってV4方向に付勢されている。第4の付勢手段としての引っ張りバネ6530のバネ圧は、規制部材6510を第二位置に維持し、第一位置にいるときは規制部材6510を第二位置に移動させないように設定されている。
【0100】
ここで、アイドラギア6803、6804の噛み合い力によるモーメントをモーメントM1、アイドラギア6804と現像ローラギア802の噛み合い力によるモーメントをモーメントM2、引っ張りバネ6530によるモーメントをモーメントM3とする。第二位置において回転軸6510a周りのモーメントは、
M3>M1
となる。
【0101】
すなわち、駆動連結状態は、「M3<M1+M2」で維持されている。例えば、駆動制御部材540から付与される力によって発生するモーメントをモーメントM4(規制部材6510の切り替えに必要なモーメント)とすると、「M3+M4>M1+M2」になることで駆動連結が解除される。よって、駆動連結の解除によりモーメントM2=0となり、「M3+M4>M1」となる。駆動制御部材540がホームポジションに戻ることでモーメントM4=0となり、「M3>M1」となる。
【0102】
つまり、引っ張りバネ6530のバネ圧によるV4方向のモーメントは、アイドラギア6803、6804の噛み合い力によるV3方向のモーメントより大きい。したがって規制部材6510は、V4方向に付勢され第二位置を維持する。
【0103】
よって、制御部540aの第二力付与面540cは、規制部材6510の足部6510cにある面6510eと隙間T60を有し、当接しない(
図38(c))。また、第一力付与面540bは、規制部材6510の足部6510dにある面(第1力受け面)6510fと隙間T61を有する。よって、規制部材6510は、駆動制御部材540と接触しない状態で第二位置に位置し、駆動解除状態が維持される(
図37(b))。
【0104】
[駆動連結動作]
図38、
図39を用いて、画像形成装置本体502の内部における、規制部材6510の第二位置から第一位置への移動動作、つまり、駆動を連結する動作について説明する。
図39は、画像形成装置本体502の内部で第二内側位置に位置するプロセスカートリッジPを駆動側から見た図である。説明のため、駆動側カートリッジカバー部材6520は省略して示す。
図39に、規制部材6510が第二位置から第一位置に移動した状態を示す。
【0105】
駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bと規制部材6510の足部1510dにある面6510fが当接し、規制部材6510は、
図39中矢印V3方向に回転する。つまり、規制部材6510は、第二位置から第一位置方向へ移動する。そして、前述したようにアイドラギア6804が現像ローラギア802と噛み合うことで駆動が連結される(
図37(a))。
【0106】
駆動制御部材540が矢印W52方向に移動して、ホーム位置に戻っても(
図38(a))、制御部540aは規制部材6510の足部6510dにある面6510fと隙間T62を有し、当接しない。また、第二力付与面540cは、規制部材6510の足部6510cにある面6510eと隙間T63を有する。よって、規制部材6510は、駆動制
御部材540と接触しない状態で第一位置に位置し、駆動連結状態が維持される(
図37(a))。第一位置において回転軸6510a周りのモーメントは、
M1+M2>M3
となる。つまり、第一位置において、アイドラギア6803、6804の噛み合い力と、アイドラギア6804と現像ローラギア802の噛み合い力によるV3方向のモーメントは引っ張りバネ6530のバネ圧によるV4方向のモーメントよりも大きい。したがって、規制部材6510は、V3方向に付勢され、第一位置を維持する。
【0107】
以上説明したように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540が規制部材6510を第一位置と第二位置に移動させることで、アイドラギア6804と現像ローラギア802の駆動伝達状態を切り替えることができる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる。
【0108】
(実施例6)
図40~
図45を用いて、本開示の実施例6に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。本構成は移動部材と、係合部をレーザシャッターユニット(またはシャッターユニット)に設けた構成である。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、移動部材としての規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0109】
また、本実施例では、プロセスカートリッジにレーザシャッターユニットを設ける事により、前述した電子写真画像形成プロセス動作として、電子写真画像形成装置から画像信号に応じて照射されたレーザ光が、感光体ドラムに到達可能(レーザシャッターユニットがレーザ光を遮らない)または、到達不可能(レーザシャッターユニットがレーザ光を遮る)を切替えが可能となる。これにより、他の実施例で示された感光ドラムと現像ローラの接離動作や、駆動連結部の連結解除動作などの構成によらず画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。他の実施例では、感光ドラムと現像ローラの接離状態や、駆動連結部の連結状態を安定的に操作できないと、画像形成に問題が生じる可能性がある。例えば、当接加圧起因の画像濃度不良や駆動連結部起因のバンディング等の画像問題が出る可能性がある。しかし、本実施例では、プロセスカートリッジの外部である電子写真画像形成装置からのレーザ光の到達可能と到達不可能を切換えるため、プロセスカートリッジの内部の画像形成手段に関する部品(感光ドラムや現像ローラやギア等)に影響を及ぼしにくい。これにより安定的に電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。
【0110】
[レーザシャッターユニットを有するプロセスカートリッジの全体構成]
図40、
図41を用いて、プロセスカートリッジPの全体構成について説明する。
図40は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図である。
図40に示すように、プロセスカートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット9とレーザシャッターユニット77が、駆動側カートリッジカバー部材7520と非駆動側カートリッジカバー部材7521とで挟まれ固定保持される構成である。
図41は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た図であり、構成説明のため、
図40に示される駆動側カートリッジカバー部材7520を表示していない図である。また、
図41は、ドラムユニット8の一部を表示せず感光ドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード7、ドラム枠体7015を示している。現像ユニット9は、遮蔽部材としてのレーザシャッターユニット77が取り付けられた状態を示している。レーザシャッターユニット77は、シャッター移動部材7510(または移動部材)と、遮蔽部としてのレーザシャッター7511と、で構成されている。シャッター移動部材7510のシャッター側回転支持部7510aは、現像ユニット9に設けられた現像カバー部材7533のカバー側回転支持部7533aに回転可能に支持される。シャッター側回転支持部7510aとカバー側回転支持部7533aの回転中心
は、現像ユニット9および現像カップリングギア7801の回転中心である揺動軸Kと同じである。つまりレーザシャッターユニット77は、揺動軸Kを中心に、シャッター開方向K71と、シャッター閉方向K72に回動可能に支持されている。
【0111】
図40(a)、
図41(a)は、レーザシャッターユニット77がレーザ光Uを遮る位置で固定されている状態を示している。
図40(b)、
図41(b)は、レーザシャッターユニット77がレーザ光Uを遮らず開放している位置で固定されている状態を示している。各位置でレーザシャッターユニット77が固定される詳細構成については後述する。シャッター移動部材7510は、レーザシャッターユニット77の位置を固定するため2つの位相固定穴として、閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dを有している。2つの位相固定穴に、現像ユニット9に設けられたシャッター位置規制ピン7512の先端が挿抜される事で、レーザシャッターユニット77を任意の位相で固定することが出来る。ここで、閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dは、揺動軸Kを中心とする同一円周上Krに配置されている。これによりレーザシャッターユニット77が、揺動軸K中心に任意の位相に回転した際、シャッター位置規制ピン7512の先端がそれぞれの穴に挿抜できる。
【0112】
図41(a)は、レーザシャッターユニット77がレーザ光Uを遮る位置で固定されている状態であり、すなわち閉鎖位相穴7510cにシャッター位置規制ピン7512の先端が入り、シャッター移動部材7510の位置を固定している状態である。このときの移動部材の位置を、第二位置と称する。
【0113】
図41(b)は、レーザシャッターユニット77がレーザ光Uを遮らず開放している位置で固定されている状態であり、すなわち開放位相穴7510dにシャッター位置規制ピン7512の先端が入り、シャッター移動部材7510の位置を固定している状態である。このときの移動部材の位置を、第一位置と称する。
【0114】
シャッター位置規制ピン7512の構成および動作についての詳細は後述する。さらにシャッター移動部材7510は、揺動軸Kを中心に回動するための外力受け面として、開方向被押圧面(第1力受け面)7510fと閉方向被押圧面(第2力受け面)7510eを有している。レーザシャッターユニット77は、開方向被押圧面7510fに回転力を受ける事でシャッター開方向K71に回動し、閉方向被押圧面7510eに回転力を受ける事でシャッター閉方向K72に回動することが出来る。これにより感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らず、感光ドラム4と現像ローラ6が常に当接した状態においても、感光体ドラムにレーザ光Uが到達可能、到達不可能を切換える事で、電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。
【0115】
なお、第二位置としては、レーザシャッターユニット77が、感光ドラム4のカートリッジ外部に対する露出を略完全に遮るように、感光ドラム4を覆う位置に限られるものではない。例えば、レーザ光Uの露光を十分に遮ることができる程度に、カートリッジ外部に対して感光ドラム4を部分的に覆うような位置としてもよい(露出部分がある程度残っていても良い)。また、第一位置としては、レーザシャッターユニット77が、感光ドラム4に対するレーザ光Uの露光を可能とするように、第二位置よりも感光ドラム4を露出させた位置であれば、その露出の程度は任意である。
【0116】
[レーザシャッターユニットを有するプロセスカートリッジ詳細の構成]
図42を用いて、プロセスカートリッジPの詳細構成について説明する。
図42は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た分解斜視図である。駆動側カートリッジカバー部材7520、非駆動側カートリッジカバー部材7521、ドラムユニット8、現像ユニット9、レーザシャッターユニット77を取り外した状態を示している。
【0117】
ドラムユニット8に設けられたドラム枠体7015は、レーザシャッターユニット77が回動した際に、その動きを阻害することなく、レーザシャッター7511と干渉しない様に構成される。レーザ光Uの入射角度や入射光の幅に応じて、レーザシャッターユニット77に設けられたレーザシャッター7511の形状およびドラム枠体7015の形状を変更すれば良い。現像ユニット9に設けられた現像容器7025は、ドラム枠体7015と同様にレーザシャッターユニット77が回動した際に、その動きを阻害することなく、レーザシャッター7511と干渉しない様に構成される。現像容器7025に取り付けられた駆動側軸受7526と現像カバー部材7533によって、現像カップリングギア7801は回転可能に保持され、シャッター位置規制ピン7512とシャッター位置規制バネ7513も保持される。シャッター位置規制ピン7512とシャッター位置規制バネ7513の保持構成についての詳細は後述する。レーザシャッターユニット77は、シャッター移動部材7510とレーザシャッター7511で構成される。レーザシャッターユニット77は、シャッター移動部材ビス穴7510bとレーザシャッタービス穴7511aがビスB71で締結されることで、一体化される。前述した様に、レーザシャッターユニット77の駆動側において、シャッター側回転支持部7510aは、現像ユニット9に設けられた現像カバー部材7533のカバー側回転支持部7533aに回転可能に支持される。一方、レーザシャッターユニット77の非駆動側において、現像ユニット9の非駆動側に設けられた非駆動側軸受7527の軸受側回転支持部7527aがレーザシャッター回転支持部7511bおよび非駆動側カートリッジカバー部材7521の非駆動側カートリッジカバー部材回転支持穴7521aに嵌合支持される。これによりレーザシャッター回転支持部7511bは回転可能に支持される。
【0118】
[光路の開放および遮断の切換え動作]
図43~
図45を用いて、レーザシャッターユニット77の動作によるレーザ光による露光のための光路の開放および遮断の切換え動作について説明する。
図43は、レーザ光遮断状態から、レーザ光開放状態(光路開放状態)になるまでのレーザシャッターユニット77の動作を示している。
図44は、レーザ光開放状態から、レーザ光遮断状態になるまでのレーザシャッターユニット77の動作を示している。
図45は、レーザ光遮断状態から、レーザ光開放状態になるまでのシャッター移動部材7510およびシャッター位置規制ピン7512の動作を示している。
図43、
図44は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た図であり、構成説明のため、
図40に示される駆動側カートリッジカバー部材7520を表示していない図であり、画像形成装置本体の駆動制御部材540を表示している図である。
【0119】
図43(a)に示すように、レーザシャッターユニット77のレーザシャッター7511は、レーザ光Uを遮る第二位置にあり、感光体ドラムを照射できない状態すなわちレーザ光遮断状態を示している。この時、駆動制御部材540はホーム位置に位置しており駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と接触しない。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには隙間T71を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fには隙間T72を有する状態である。
【0120】
図45(a)は、
図43(a)の閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dを通るDA-DA断面図である。前述した様に、シャッター位置規制ピン7512と、付勢手段としての圧縮コイルバネであるシャッター位置規制バネ7513は、現像カバー部材7533と駆動側軸受7526によって両端を保持される。シャッター位置規制ピン7512は、カバー側規制ピン支持穴7533bと規制ピン支持穴7526cに嵌合支持される。シャッター位置規制バネ7513は、圧縮コイルバネであり、両端部がピン側規制バネ支持部7512aと軸受側規制バネ支持部7526bに入り保持される。また、シャッター
位置規制ピン7512は、S71方向とS72方向(揺動軸Kに平行)に移動可能である。シャッター位置規制バネ7513は、軸受側規制バネ力受け面7526aとピン側規制バネ力受け面7512bに当接しており、シャッター位置規制ピン7512をS71方向に付勢する。シャッター位置規制ピン7512の規制ピン突き当て面7512cは、現像カバー部材7533と突き当り、S71方向の移動が規制される。ここで、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の閉鎖位相穴7510cに入った状態となり、シャッター移動部材7510の回転移動を規制し固定することが可能である。これによりレーザシャッターユニット77は、レーザ光Uを遮る第二位置で固定される。
【0121】
図43(b)は、レーザシャッターユニット77をシャッター開方向K71に回動させ、レーザ光Uを遮る第二位置から遮らない第一位置に移動させる途中状態を示している。この時、駆動制御部材540は、ホーム位置からW52方向に移動している状態であり、駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510をW52方向に押している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには、隙間T73を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fには、隙間が無い状態である。
【0122】
図45(b)は、
図43(b)の閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dを通るDB-DB断面図である。この時、シャッター位置規制ピン7512は、閉鎖位相穴7510cに入っていた状態から開放位相穴7510dに移動している途中の状態であり、
図45(a)に対してF72方向に移動した状態である。シャッター移動部材7510がW52方向に移動する際、
図43(a)に示すようにシャッター位置規制ピン7512は、シャッター移動部材7510の回動に伴って、F71方向に外力を受ける。シャッター位置規制ピン7512の先端形状は、F72方向およびF73方向に分力発生する形状となっている。これによりシャッター位置規制ピン7512は、F71方向に力を受けることで、S72方向に移動し
図45(a)から
図45(b)の状態となる。この時、シャッター位置規制バネ7513は圧縮された状態となる。
【0123】
図43(c)に示すように、レーザシャッターユニット77のレーザシャッター7511は、レーザ光Uを遮らない第一位置にあり、感光体ドラムを照射できる状態すなわちレーザ光開放状態を示している。この時、駆動制御部材540は、
図43(b)よりさらにW52方向に移動している状態であり駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と当接した状態で停止している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには隙間T74を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間は無い状態である。
【0124】
図45(c)は、
図43(c)の閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dを通るDC-DC断面図である。
図45(c)に示すように、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の開放位相穴7510dに入った状態となり、シャッター移動部材7510の回転移動を規制し固定することが可能である。これによりレーザシャッターユニット77は、レーザ光Uを遮らない第一位置で固定される。
【0125】
図44(a)は、画像形成動作が行われる状態のプロセスカートリッジPの位置を示している。
図44(a)に示すように、レーザシャッターユニット77のレーザシャッター7511は、
図45(c)と同様に第一位置にある。この時、駆動制御部材540は、
図43(c)の位置からホーム位置に移動している。この時、駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と接触しない。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには
隙間T75を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fには隙間T76を有する状態である。また、シャッター位置規制ピン7512は前述した
図45(c)の状態である。
【0126】
図44(b)は、画像形成動作が終了した後、レーザシャッターユニット77をシャッター閉方向K72に回動させ、レーザ光Uを遮らない第一位置から、遮る第二位置に移動させる途中状態を示している。
図44(b)に示すように、レーザシャッターユニット77のシャッター移動部材7510とレーザシャッター7511は、
図43(b)と同様に第一位置にある。この時、駆動制御部材540はホーム位置からW51方向に移動している状態であり駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510をW51方向に押している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eは、隙間が無い状態であり、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間T77を有する状態である。また、シャッター位置規制ピン7512は前述した
図45(b)の状態である。
【0127】
図44(c)は、画像形成動作が終了した後、再びレーザシャッターユニット77のレーザシャッター7511を、レーザ光Uを遮る第二位置に移動させた状態を示している。
図44(c)に示すように、レーザシャッターユニット77のシャッター移動部材7510とレーザシャッター7511は、
図43(a)と同様に、レーザ光Uを遮る第二位置にある。
【0128】
この時、駆動制御部材540は、
図44(b)よりさらにW51方向に移動している状態であり駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と当接した状態で停止している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eは、隙間が無い状態であり、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間T78を有する状態である。また、シャッター位置規制ピン7512は前述した
図45(a)の状態である。
【0129】
以上説明したように本実施構成を用いればレーザシャッターユニット77を第一位置と第二位置と任意の位相で固定する事ができる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らず、感光ドラム4と現像ローラ6が常に当接した状態においても、感光体ドラムにレーザ光Uが到達可能、到達不可能を切換える事で、電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。なお、本実施例ではレーザシャッターユニット77は揺動軸Kを中心に回動する事でレーザ光Uが到達可能、到達不可能を切換える構成としたが、シャッター開閉の動きは、回転だけではなく、例えばスライドする構成や折りたためる構成であっても良い。また、本構成ではシャッター等を構成する部品は、現像ユニット側に支持する構成としたが、ドラムユニット側に支持する構成であっても良い。
【0130】
改めて説明するが、本実施例では、閉鎖位相穴7510cが、第1凹部として、シャッター移動部材7510の移動方向と直交する方向に凹み、開放位相穴7510dも、第2凹部として、シャッター移動部材7510の移動方向と直交する方向に凹んでいる。シャッター位置規制ピン7512は、第1凸部あるいは第2凸部として、シャッター移動部材7510の移動方向と直交する方向に進退可能に構成されている。シャッター移動部材7510の位置に応じて、シャッター位置規制ピン7512が閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dのいずれかに嵌合することで、シャッター移動部材7510を所定の位置に保持する係合部として機能する。シャッター位置規制ピン7512の先端面外周縁は、テーパ状に傾斜した面となっており、閉鎖位相穴7510cと開放位相穴7510dは、それぞれ開口部に近いほど拡径するすり鉢状の凹部形状を有している。すなわち、シャッター位置規制ピン7512と、閉鎖位相穴7510c、開放位相穴7510dとの当接
面は、シャッター移動部材7510の移動方向とシャッター位置規制ピン7512の進退方向のそれぞれに対して傾斜している。かかる構成が、シャッター移動部材7510が移動する際に、シャッター位置規制ピン7512を退避方向に移動させる力をシャッター位置規制ピン7512に付与する力付与部(第1力付与部、第2力付与部)として機能する。
【0131】
ここで、シャッター位置規制ピン7512、閉鎖位相穴7510c、開放位相穴7510dの構成としては、本実施例で説明した構成に限定されるものではない。すなわち、本実施例では、一つの凸部と、二つの凹部とを組合せた構成としているが、組合せは種々考えられるものである。例えば、凸部も二つとし、一方の凸部を、移動部材(遮蔽部材)が第1位置にあるときに第1凹部に嵌合する第1凸部、他方の凸部を、移動部材が第2位置にあるときに第2凹部に嵌合する第2凸部とする組合せ構成が挙げられる。あるいは、二つの凸部に対して凹部を一つとし、移動部材が第1位置にあるときに一方の凸部が共通の凹部に嵌合し、移動部材が第2位置にあるときに他方の凸部が共通の凹部に嵌合する構成でもよい。また、本実施例では、凸部としてのシャッター位置規制ピン7512をカートリッジ枠体側に設け、凹部としての閉鎖位相穴7510c、開放位相穴7510dを、移動部材側に設ける構成としたが、かかる構成に限定されない。すなわち、凸部を移動部材側に設け、凹部をカートリッジ枠体側に設ける構成としてもよい。さらに、移動部材が第1位置にあるときに嵌合する第1凸部をカートリッジ枠体側、第1凹部を移動部材側に夫々設け、移動部材が第2位置にあるときに嵌合する第2凸部を移動部材側、第2凹部をカートリッジ枠体側に設ける構成でもよい。あるいは、その逆の組合せでもよい。
【0132】
(実施例7)
図46~
図49を用いて、本開示の実施例7に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは、実施例6と同様とし、後述する接点シャッターユニット87とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0133】
また、本実施例では、プロセスカートリッジに接点シャッターユニット87を設ける事により、画像形成装置本体502の接点503(後述)から印加されるバイアス電圧が、プロセスカートリッジPに供給可能(接点シャッターユニットがバイアス電圧を遮らない)または、供給不可能(接点シャッターユニットがバイアス電圧を遮る)となることの切替えが可能となる。これにより、他の実施例で示された感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作や、駆動連結部の連結解除動作などの構成によらず画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。なお、本実施例は、実施例6と同様にレーザシャッターユニット77を設けた構成であるが、感光ドラム4にレーザ光が到達可能、到達不可能を切り替え可能な構成である必要はない。
【0134】
[接点シャッターユニットを有するプロセスカートリッジの全体構成]
図46用いて、プロセスカートリッジPの全体構成について説明する。
図46は、プロセスカートリッジPと、接点503を非駆動側から見た斜視図である。
図46に示すように、接点シャッターユニット87は、非駆動側カートリッジカバー部材8521と非駆動側軸受7527とで挟まれ固定保持される構成である。本体電極部としての接点503は、圧縮コイルバネであり、長手方向であるS81方向またはS82方向に収縮可能である。接点503は、S82方向端部が固定された状態で常に圧縮しているため、プロセスカートリッジPをS81方向に付勢している。画像形成装置本体502から印加されるバイアス電圧は、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bが接触することにより、プロセスカートリッジPに供給される。ここで、
図46(a)は、接点シャッターユニット87が、接点503から供給されるバイアス電圧を遮る状態を示している。
図46(a)の状態では、接点503は後述する接点シャッター8511と接しているため、プ
ロセスカートリッジPにバイアス電圧が供給されず、画像形成が不可能である。また、
図46(b)は、接点シャッターユニット87が、接点503から供給されるバイアス電圧を遮らず開放している位置を示している。
図46(b)の状態では、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bが接触しているため、プロセスカートリッジPにバイアス電圧が供給され、画像形成が可能である。
【0135】
図47を用いて、接点シャッターユニットの概要について図説明する。
図47は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図であり、構成説明のため、接点シャッターユニット87、非駆動側カートリッジカバー部材8521、接点503、レーザシャッター7511の一部のみを示している。また、接点シャッターユニット87の接点固定ピン8512(後述)を、非駆動側カートリッジカバー部材8521の支持穴8521cから取り外した状態で示している。接点シャッターユニット87は、ねじりコイルバネであるバネ8510、接点シャッター8511(移動部材の一例)、接点固定ピン8512で構成されている。バネ8510は、非駆動側カートリッジカバー部材8521の支持部8521aに固定されている。また、バネ8510の端部8510aは、非駆動側カートリッジカバー部材8521の規制面8521bによって、駆動側から見て時計回り方向の位置が規制されている。接点シャッター8511は、接点シャッターユニット87の位置を固定するための固定穴8511aを有している。接点シャッター8511の固定穴8511aには、接点固定ピン8512が挿通されており、さらに接点固定ピン8512の先端は、非駆動側カートリッジカバー部材8521の支持穴8521cに挿入し固定されている。これにより、接点シャッター8511は、接点固定ピン8512の軸である揺動軸Lを中心に、シャッター開方向K81と、シャッター閉方向K82に回動可能に支持されている。
【0136】
図47(a)は、接点シャッターユニット87が、接点503から供給されるバイアス電圧を遮る位置で固定されている。すなわち接点シャッター8511が、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bとの間で固定されている。このときの接点シャッター8511の位置を第二位置と称する。
【0137】
図47(b)は、接点シャッターユニット87が、接点503から供給されるバイアス電圧を遮らず開放している位置で固定されている。すなわち接点シャッター8511が、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bとの間に位置しない状態で固定されている。このときの接点シャッター8511の位置を第一位置と称する。
【0138】
接点シャッター8511は、揺動軸Lを中心としたK81方向に回動するための外力受け面として、アーム部8511bを有している。さらに、接点シャッター8511のアーム部8511bは、バネ8510の端部8510bと接している。接点シャッター8511は、可動部材としてのレーザシャッター7511がK81方向に回動し、アーム部8511bが力付与面7511cから回転力を受ける事でシャッター開方向K81に回動し、第一位置となる。また、このときの可動部材としてのレーザシャッター7511の位置は、第2保持位置になる。ここで、接点シャッター8511が第一位置のとき、バネ8510はコイル巻き方向に力を受けている。このため、レーザシャッター7511がK82方向に回動し、接点シャッター8511のアーム部8511bがレーザシャッター7511から受けていた外力がなくなると、バネ8510のねじり角が大きくなる方向の付勢力によってアーム部8511bが回転力を受け、接点シャッター8511はシャッター閉方向K82に回動し、第二位置となる。また、このときの可動部材としてのレーザシャッター7511の位置は、第1保持位置になる。レーザシャッター751の係合による第一位置と第二位置のそれぞれでの接点シャッター8511の保持は、実施例6で説明したシャッター移動部材7510の係合機構により実現されるものであり、説明は省略する。これにより感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らず、感光ドラム4と現像ローラ6が常
に当接した状態においても、バイアス電圧がプロセスカートリッジPに供給可能、供給不可能を切換える事で、電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成の可能、不可能を切換える事ができる。
【0139】
[バイアス電圧の供給および遮断の切換え動作]
図48~
図49を用いて、接点シャッターユニット87の動作による、バイアス電圧の供給および遮断の切換え動作について説明する。
図48は、バイアス電圧遮断状態から、バイアス電圧供給状態になるまでの接点シャッターユニット87の動作を示している。
図49は、バイアス電圧供給状態から、バイアス電圧遮断状態になるまでの接点シャッターユニット87の動作を示している。
図48、
図49は、プロセスカートリッジPを非駆動側から見た図であり、構成説明のため、
図46に示される非駆動側カートリッジカバー部材8521を表示していない図であり、画像形成装置本体の駆動制御部材540を表示している図である。
【0140】
図48(a)は、接点シャッターユニット87の接点シャッター8511が、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bとの間で固定された第二位置にあり、接点503から非駆動側軸受7527の電極部7527bにバイアス電圧を供給できない状態を示している。この時、駆動制御部材540は、ホーム位置に位置しており、駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と接触しない。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには隙間T71を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fには隙間T72を有する状態である。また、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の閉鎖位相穴7510cに入った状態となり、シャッター移動部材7510の回転移動を規制し固定している。
【0141】
図48(b)は、接点シャッター8511が、バイアス電圧を遮る第二位置から、遮らない第一位置に移動する途中状態を示している。
図48(b)に示すように、駆動制御部材540は、ホーム位置からW52方向に移動している状態であり、駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510をW52方向に押している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには隙間T73を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間は無い状態である。シャッター移動部材7510がW52方向に押され、レーザシャッターユニット77がK81方向に回動すると、レーザシャッター7511の力付与面7511cと接点シャッター8511のアーム部8511bが接触する。この状態から、さらにレーザシャッターユニット77がK81方向に回動することで、接点シャッター8511は、レーザシャッター7511から回転力を受け、シャッター開方向K81に回動する。また、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512は、シャッター移動部材7510の回動に伴って、F71方向(
図45)に外力を受ける。この時、シャッター位置規制バネ7513は圧縮された状態となる。
【0142】
図48(c)は、接点シャッターユニット87の接点シャッター8511が、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bとの間に位置しない状態で固定された第一位置を示している。接点シャッター8511が第二位置から第一位置に移動したことによって、圧縮コイルバネである接点503が、
図48(b)の状態からS81方向(
図46)に伸び、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bが接触する。これにより、接点503から非駆動側軸受7527の電極部7527bにバイアス電圧を供給できる、つまり電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成が可能となる。この時、駆動制御部材540は、
図48(b)よりさらにW52方向に移動している状態であり駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と当接した状態で停止している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7
510の閉方向被押圧面7510eには隙間T74を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間は無い状態である。また、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の開放位相穴7510dに入った状態となり、シャッター移動部材7510の回転移動を規制し固定している。
【0143】
図49(a)は、画像形成動作が行われる状態のプロセスカートリッジPの位置を示している。
図49(a)に示すように、駆動制御部材540は、
図48(c)の位置からホーム位置に移動しており、制御部540aは、シャッター移動部材7510と接触しない位置にある。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eには隙間T75を有し、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fには隙間T76を有する状態である。
図49(a)の状態においても、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の開放位相穴7510dに入った状態であるため、レーザシャッター7511は、
図48(c)と同じ位置で固定されている。すなわち、接点シャッター8511は、
図48(c)と同様に第一位置にある。
【0144】
図49(b)は、画像形成動作が終了した後、接点シャッター8511が、バイアス電圧を遮らない第一位置から、遮る第二位置に移動する途中状態を示している。
図49(b)に示すように、駆動制御部材540はホーム位置からW51方向に移動している状態であり、駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510をW51方向に押している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eは、隙間が無い状態であり、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間T77を有する状態である。シャッター移動部材7510がW51方向に押され、レーザシャッターユニット77がK82方向に回動すると、レーザシャッター7511の力付与面7511cと接点シャッター8511のアーム部8511bが離間する。この時、バネ8510のねじり角が大きくなる方向の付勢力によって、接点シャッター8511のアーム部8511bが回転力を受け、接点シャッター8511は、シャッター閉方向K82に回動する。また、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512は、シャッター移動部材7510の回動に伴って、F71逆方向(
図45)に外力を受ける。この時、シャッター位置規制バネ7513は圧縮された状態となる。
【0145】
図49(c)は、画像形成動作が終了した後、接点シャッターユニット87の接点シャッター8511が、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bとの間に位置して固定された第二位置を示している。接点シャッター8511が第一位置から第二位置に移動することによって、圧縮コイルバネである接点503が、
図48(b)の状態からS82方向(
図46)に縮み、接点503の先端が接点シャッター8511に乗り上げる。つまり、接点503と非駆動側軸受7527の電極部7527bが離間する。これにより、接点503から非駆動側軸受7527の電極部7527bにバイアス電圧を供給できない、つまり電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成が不可能となる。この時、駆動制御部材540は、
図49(b)よりさらにW51方向に移動している状態であり駆動制御部材540の制御部540aは、シャッター移動部材7510と当接した状態で停止している。すなわち、駆動制御部材540の第一力付与面540bとシャッター移動部材7510の閉方向被押圧面7510eは、隙間が無い状態であり、第二力付与面540cと開方向被押圧面7510fに隙間T78を有する状態である。また、実施例6で前述したように、シャッター位置規制ピン7512の先端は、シャッター移動部材7510の閉鎖位相穴7510cに入った状態となり、シャッター移動部材7510の回転移動を規制し固定している。
【0146】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540がホーム位置から移動することで、接点シャッター8511の第一位置と第二位置と任意の位相で切り替えることができる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らず、感光ドラム4と現像ローラ6が常に当接した状態においても、バイアス電圧の供給可能、供給不可能を切換える事で、電子写真画像形成プロセス動作としての画像形成の可能、不可能を切換える事が可能となる。
【0147】
なお、本実施例では、電極カバー部材として接点シャッター8511が電極部7527bを覆い且つ接点503を電極部7527bから退避させる構成としていたが、かかる構成に限定されるものではない。また、接点シャッター8511は、バイアス電圧を遮る位置にある時、必ずしも電極部7527bを覆う構成でなくても良い。例えば、接点シャッター8511が電極部7527bを電極面の法線方向に移動(退避)させる構成としてもよい。すなわち、電極部7527bを、画像形成装置本体502の接点503と電気的に接続される所定位置と、所定位置よりも接点503から離間、退避した退避位置と、の間を移動可能な退避機構(退避部)を設ける。そして、移動部材としての接点シャッター8511が、電極部7527bを上記所定位置に位置させる第一位置と、電極部7527bを上記退避位置に位置させる第二位置と、に移動可能に構成する。接点シャッター8511を第一位置、第二位置にそれぞれ保持させる構成は、上記実施例と同様でよい。あるいは、本体電極部としての接点503と、カートリッジ側電極部としての電極部7527bのそれぞれが進退移動可能に構成してもよい。
【0148】
また、電気接続の経路を遮断する構成としては、上述した本実施例の構成に限定されるものではない。画像形成装置本体の接点とカートリッジの接点との間だけに限られるものではなく、例えば、カートリッジ内部における電極部7527bから現像ローラ6までの間の電気経路の途中に、接触及び離間可能な2つの内部電極部(電極部7527bと電気的に接続された第1電極部と現像ローラ6と電気的に接続された第2電極部)を設ける。そして、本実施例と同様の経路遮断構成によって、第1電極部と第2電極部との接触と離間を切り替えてもよい。また、上述した電極部の退避構成も、カートリッジ側の電極部を進退可能にする構成に限定されず、画像形成装置本体側の電極部を進退可能に構成してもよいし、両者をそれぞれ進退可能に構成してもよい。
【0149】
(実施例8)
図50~
図54を用いて、本開示の実施例8に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0150】
[規制部材の構成]
図50は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図である。
図51(a)は、前ドア111が開いた状態のプロセスカートリッジの側面図である。
図51(b)は、規制部材9510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。
図51(c)は、規制部材9510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置に位置する状態を示す。説明のため、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。また、現像カップリング部材74と回転部材75の駆動連結動作、駆動連結解除動作、駆動制御部材540の動作は、実施例1と同様のため省略する。
【0151】
図50に示すように、規制部材9510は、被支持穴9510aが駆動側軸受9526の支持部9526aと嵌合し、支持部9526aを中心に揺動可能である。また、引っ張りバネ9511は、駆動側軸受9526の支持部9526aと規制部材9510の支持部9510bに嵌合する。
図51に示すように、引っ張りバネ9511は、規制部材951
0を
図51(a)中Z1方向に付勢している。規制部材9510は、現像ユニット9からZ2方向に突出可能な足部9510e、9510gを有する。足部9510eには駆動制御部材540から力を受ける第一力受け部(挿入力受け部)(第2力受け面)9510fが、足部9510gには駆動制御部材540から力を受ける第二力受け部(退避力受け部)(第1力受け面)9510hが設けられている。
【0152】
規制部材9510は、前ドア111を閉めることで装置本体内のカートリッジ押圧部材(不図示)が
図51(b)中Z2方向に下降し、被押圧部9510cを押圧することで規制部材9510はZ2方向に移動する。そして、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hで挟まれた空間Q9内に駆動制御部材540の制御部540aが侵入する。このとき足部9510eの第一力受け部9510fと第二力付与面540cとの間に隙間T93があり、足部9510gの第二力受け部9510fと第一力付与面540bとの間に隙間T92を有する。また、規制レバー部9510dは、現像カップリング部材74とスライド部材80とは接触しない位置にある。この規制部材9510の位置を第一位置と称す。このとき規制部材9510は第一位置を維持されたまま、駆動連結状態が維持される。
【0153】
駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cが規制部材9510の第一力受け部9510fに当接し、規制部材9510は支持部9526a中心に
図51(b)中矢印V91方向に回転する。そして、規制部材9510の規制レバー部9510dが現像カップリング部材74の面74bとスライド部材80の面80bの間に位置した状態となる。この規制部材9510の位置を、第二位置と称す。したがって、駆動連結は解除された状態が維持される。
【0154】
駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bが規制部材9510の第二力受け部9510hに当接し、規制部材9510は支持部9526a中心に
図51(b)中矢印V92方向に回転する。そして、規制レバー部9510dは、現像カップリング部材74とスライド部材80から離れ、駆動連結される。
【0155】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540が移動することで、規制部材9510の第二位置と第一位置を切り替え、駆動連結状態を切り替えることが可能となる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる。
【0156】
[配置詳細-その1]
図52を用いて、規制部材9510の配置について詳細に説明する。
図52は、プロセスカートリッジPを感光ドラム4の回転軸線の方向に沿って駆動側から見た図である。規制部材9510は、第一位置に位置している。また、説明のために、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。
【0157】
図52に示すように、感光ドラム4の回転軸線(回転中心)をM1とし、現像ローラ6の回転軸線(回転中心)をM2とし、感光ドラム4の回転軸線M1と現像カップリング部材74の回転軸線(回転中心)Kを結ぶ直線を線N1とする。なお、本実施例においては感光体カップリング部材43の回転軸線は回転軸線M1と同軸である。線N1を境に領域を分けた場合、現像ローラ6の回転軸線M2と第一力受け部9510fと第二力受け部9510hは、線N1を境に同じ領域に配置される。また、現像カップリング部材74の回転軸線Kと現像ローラ6の回転軸線M2の距離を距離e1とし、現像カップリング部材74の回転軸線Kと第一力受け部9510fまで距離を距離e2、回転軸線Kと第二力受け部9510hまで距離を距離e3とする。この場合、距離e2、e3が距離e1よりも大きくなるように第一力受け部9510f、第二力受け部9510hが配置される。このよ
うに第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置することで、規制部材9510を第一位置と第二位置に移動させる力を小さくすることができる。
【0158】
[配置詳細-その2]
図53を用いて、規制部材9510の配置について詳細に説明する。
図53は、プロセスカートリッジPを感光ドラム4の回転軸線M1又は現像ローラの回転軸線M2の方向に沿って駆動側から見た図である。規制部材9510は、第一位置に位置している。また、説明のために、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。
【0159】
図53に示すように、感光ドラム4の回転軸線M1と現像ローラ6の回転軸線M2とを結ぶ仮想直線を仮想線N2とする。仮想線N2を境に領域を分けた場合(上側を領域AU1、下側を領域AD1とする)、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hの少なくとも一部は、仮想線N2を境に現像カップリング部材74の回転軸線Kと反対の領域AD1に配置される。実施例1で説明したように、領域AU1には現像ユニット9が備える部材を駆動するための駆動部材が配置されている。このため、領域AU1よりも領域AD1に第一力受け部9510fと第二力受け部9510hの少なくとも一部を配置する方が、部材同士の干渉を避けた効率的なレイアウトとすることができる。これによってプロセスカートリッジP、画像形成装置本体502の小型化に繋がる。
【0160】
さらに、仮想線N2に直交し、現像ローラ6と感光ドラム4との接触点(現像ローラ6と感光ドラム4が非接触の構成においては、現像ローラ6と感光ドラム4との間の隙間)を通る仮想直線を仮想線N3とする。仮想線N3を境に領域を分けた場合、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hの少なくとも一部は、仮想線N3を境に感光ドラム4の回転軸線M1と反対の領域に配置される。なお、上記説明において領域AU1、領域AD1は、回転軸線M2に沿う方向から見て、仮想線N2で境界を分けた時に、回転軸線K又は現像カップリング部材74が配置された領域、配置されていない領域として定義した。しかし、他の定義として、領域AU1、領域AD1は、回転軸線M2に沿う方向から見て、仮想線N2で境界を分けた時に、帯電ローラ5又は帯電ローラ5の回転軸線M5が、配置された領域と配置されていない領域として定義しても良い。
【0161】
更に他の定義として、領域AU1、領域AD1は、回転軸線M2に沿う方向から見て、仮想線N2で境界を分けた時に、現像ブレード30や近接点30d(
図54参照)、攪拌部材31(
図54参照)の回転軸線M7(
図54参照)が、配置された領域と配置されていない領域として定義しても良い。近接点30dは現像ブレード30の現像ローラ6の表面に最も近接した位置とする。一般的な電子写真用カートリッジ、特にインラインレイアウトの画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいては、領域AD1にはプロセスカートリッジの他の部材が比較的配置されにくい。また、領域AD1に第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置すると、画像形成装置本体502においても次に示すようなメリットがある。つまり、画像形成装置本体502の駆動制御部材540を、プロセスカートリッジPの下側に配置し、略水平方向(本実施例ではW51、W52方向であり、感光ドラム4又はプロセスカートリッジPの配列方向)に移動させて第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを押圧する。このような構成により、駆動制御部材540及びその駆動機構を比較的簡易な構成又は小型な構成にすることができる。これは特にインラインレイアウトの画像形成装置では顕著である。このように、領域AD1に第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置することが、画像形成装置本体502の小型化やコストダウン等へ寄与することも期待できる。
【0162】
以上、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hの配置については、規制部材9510が第一位置のプロセスカートリッジPを示す
図53を用いて説明したが、第二位
置のプロセスカートリッジPにおいても同様の関係となっていることは他の図からも明らかである。また、仮想線N2と直交する方向をVD1方向とすると、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hは、現像ユニット9から少なくともVD1方向に突出した位置に配置される。このため、駆動制御部材540の第一力付与面540bを第二力受け部9510hに、第二力付与面540cを第一力受け部9510fにそれぞれ当接可能に、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置することができる。
【0163】
また、本構成の現像ローラ6の直径は感光ドラム4の直径よりも小さくなっている。このように第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置することで、現像カップリング部材74から現像ローラ6に駆動力を伝達するためのギア列等で構成される駆動伝達部(不図示)を感光ドラム4を避けて省スペースに配置することができる。こにより、プロセスカートリッジPを小型化することができる。
【0164】
[配置詳細-その3]
図54を用いて、上述したような、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hのそれぞれの少なくとも一部を領域AD1へ配置するという概念に類似の概念について説明する。
図54は、プロセスカートリッジPを現像ユニット9の回転軸線M1、回転軸線K又は回転軸線M2に沿って駆動側から見た図である。尚、以降に説明する規制部材9510の配置に関しては、第一位置と第二位置でもほぼ同じであるので、第一についてのみ説明し、第二位置における説明は省略する。トナー供給ローラ(現像剤供給部材)32の回転軸線を回転軸線(回転中心)M6とする。また、プロセスカートリッジPは、現像ユニット9に収容する現像剤を回転して攪拌する攪拌部材31を有し、その回転軸線を回転軸線(回転中心)M7とする。
【0165】
感光ドラム4の回転軸線M1と、帯電部材としての帯電ローラ5の回転軸線M5と、を結ぶ仮想直線を仮想線N10とする。仮想線N10と感光ドラム4の表面との交点のうち回転軸線M5から遠い方の交点を交点MX1とする。交点MX1を通る感光ドラム4の表面への仮想接線を接線(所定接線)N11とする。接線N11を境に領域を分けて、回転軸線M1、帯電ローラ5、回転軸線M5、現像カップリング部材74、回転軸線K、現像ブレード30、近接点30d、トナー供給ローラ32、回転軸線M6、攪拌部材31、回転軸線M7、又は被押圧部9510cが、配置された領域を領域AU2、配置されていない領域を領域(所定領域)AD2とする。また、領域AU2、AD2は次のような別の言い方で定義しても良い。即ち、回転軸線M5から回転軸線M1に向かう方向と平行で且つ同じ向きを向く方向を方向VD10とすると、方向VD10に関して感光ドラム4の最下流部が交点MX1である。そして、方向VD10に関して、最下流部MX1よりも上流側の領域を領域AU2、下流側の領域を領域(所定領域)AD2とする。いずれの表現であっても定義される領域AU2、AD2は同じである。
【0166】
そして、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hの少なくとも一部は領域AD2に配置されている。このように、領域AD2に第一力受け部9510fと第二力受け部9510hのそれぞれの少なくとも一部を配置することは、プロセスカートリッジPや画像形成装置本体502の小型化やコストダウン等へ寄与することも期待できる。これは、領域AD1に第一力受け部9510fと第二力受け部9510hのそれぞれの少なくとも一部を配置する場合と同様の理由からである。また、規制部材9510及び第一力受け部9510fと第二力受け部9510hは、Z1、Z2方向の移動によって、少なくともVD10方向に関して変位する。このようなVD10方向に関する変位によって、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿抜する際に、規制部材9510及び第一力受け部9510fと第二力受け部9510hが駆動制御部材540と干渉して挿抜できなくなることを回避することができる。
【0167】
また、接線N11と直交する方向をVD10方向とすると、規制部材9510が第一位置にある時、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hは、現像ユニット9から少なくともVD10方向に突出した位置に配置される。このため、駆動制御部材540の第一力付与面540bを第二力受け部9510hに、第二力付与面540cを第一力受け部9510fにそれぞれ当接可能に、第一力受け部9510fと第二力受け部9510hを配置することができる。以上で説明した各力受け部の配置関係は、以降で説明する全ての実施例においても同様の関係となっている。
【0168】
(実施例9)
、
図55~
図58を用いて、本開示の実施例9に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、規制部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0169】
[規制部材の構成]
図55は、規制部材10510の分解組付けを説明する図である。
図56(a)は、規制部材10510と駆動側軸受け10526のみの斜視図である。
図56(b)は、規制部材10510と駆動側軸受け10526のみの側面図である。
図56(c)は、規制部材10510と駆動側軸受け10526のみのカートリッジ押圧部材に押圧された状態の側面図ある。
【0170】
本実施例9では、実施例8における規制部材10510を2分割し、連結した構成としている。具体的には、
図55で示すように、規制部材10510を、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dの2分割構成としている。下部規制部材10510Dには、軸10510Daが設けられている。また、
図56(a)に示すように、下部規制部材10510Dは、現像ユニットからZ2方向に突出可能な足部10510De、10510gを備えている。足部10510Deには、第一力受け部(挿入力受け部)(第2力受け面)10510Df、足部10510Dgには、第二力受け部(退避力受け部)(第1力受け面)10510Dhが設けられ、駆動制御部材540から力を受ける。上部規制部材10510Uには、下部規制部材10510Dとの対向面に開放部10510Ujを有している。
【0171】
また、開放部10510Ujを挟んで、一対の長丸穴10510Ukが設けられている。下部規制部材10510Dには、ばね保持部10510Djが設けられている。ばね保持部0510Djに、圧縮ばね10512の一端を嵌合させ、他端を開放部10510Ujより挿入し、その奥の保持部(不図示)に支持し、その後各々の長丸穴10510Ukに各々の軸10510Daが嵌合するように組付ける。その際に開放部10510Ujを広げながら組付ける為、規制部材10510はプラスチック材料が良い。尚、硬い材質にする場合には、軸10510Daを別体で構成しても良い。例えば、軸10510Daを平行ピンとし、圧入して組付けても良い。
【0172】
上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは、長丸穴10510Ukと一対の軸10510Daによって連結され、かつ圧縮ばね10512によって上部規制部材10510Uは、下部規制部材10510Dから離れる方向に付勢される構成となっている。さらに、上部規制部材10510Uに対して、下部規制部材10510Dは、軸10510Daを中心に回転自在に構成されている。また、上部規制部材10510Uに対して長丸穴10510Ukに沿う方向に相対的に移動可能に構成されている。以上のように構成された、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dとを連結する連結部は、弾性変形が許容される第1の状態と、弾性変形が規制される第2の状態とをとりえるように構成される。詳細は後述する。
【0173】
[規制部材の動作説明]
図56(a)~(c)を用いて、規制部材10510の動作について説明する。実施例8で説明したように、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿入完了した後、前ドア111を閉じる動作と連動し、カートリッジ押圧部材(不図示)により規制部材10510が押圧される。
図56(a)、(b)は、規制部材10510がカートリッジ押圧部材によって押されていない状態(フリーの状態)を示し、
図56(c)は、規制部材10510がカートリッジ押圧部材によって押されている状態(ロック状態)を示している。
【0174】
図56(a)で示すように、下部規制部材10510Dは駆動側軸受10526に設けられた、支持部10526aを中心とする円弧状のガイド溝10526bが形成され、軸10510Daが嵌合する。下部規制部材10510Dは先に説明したように上部規制部材10510Uに対して支持部10526aを中心に揺動可能である。また、上部規制部材10510Uは駆動側軸受10526の支持部10526aを中心に揺動可能かつ、Z1、Z2方向に移動可能である。
【0175】
図56(b)で示すように、以上の構成により、規制部材10510がカートリッジ押圧部材によって押されていない状態(フリーの状態)においては、下部規制部材10510Dは、軸部10510Daを回転中心とし回転可能である。従って、下部規制部材10510Dが駆動制御部材540から力を受けて回転しても上部規制部材10510Uへ力は伝達されない。
【0176】
図56(c)を用いて、規制部材10510がカートリッジ押圧部材によって押されている状態(ロック状態)の動作について説明する。上部規制部材10510Uは、カートリッジ押圧部材で押し下げることにより、ばね10512の付勢力に抗してZ2方向に移動する。
図56(a)に示すように、係合部(角軸部)10510Dkが被係合部(角穴部)10510Umに嵌合し、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは一体となる。つまり、上部規制部材10510Uに対して下部規制部材10510Dは軸部10510Daを中心とした揺動が規制された状態となる。この状態で、一体となった規制部材10510は、支持部10526aを回転中心とし、かつ
図56(a)で示す円弧状のガイド溝10526bを軸10510Daが移動しながら揺動可能となる。よって、カートリッジ押圧部材にZ2方向に押された状態においては、規制部材10510は実施例8における規制部材9510と同一の動きをとる事が可能になる。
【0177】
[プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着]
図57(a)、
図57(b)を用いて、実施例9におけるプロセスカートリッジ挿入時の規制部材10510の動作について説明する。
図57(a)は、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿入する途中の状態を表している。
図57(b)は、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502から取出す途中の状態を表している。また、説明のために、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。さて、前述のように上部規制部材10510Uがカートリッジ押圧部材に押されていない状態(フリーの状態)においては、下部規制部材10510Dは軸部10510Daを回転中心として回転可能である。本実施例において、下部規制部材10510Dは実施例8における規制部材9510の第一位置(
図51(b)参照)と同じ位置にある。従って、実施例8と同様に不図示のトレイ110に装着されたプロセスカートリッジPを画像形成装置本体502内に矢印X1方向に挿入する際に、駆動制御部材540と下部規制部材10510Dは干渉する。しかし、前述の構成により、
図57(a)で示すように、下部規制部材10510Dは軸部10510Daを回転中心として回転し、駆動制御部材540と下部規制部材10510Dが干渉して画像形成装置本体内502に挿入でき
なくなることを回避することができる。
【0178】
次に画像形成装置本体502内にプロセスカートリッジPが挿入され前ドア111が閉められると、前述の如く上部規制部材10510Uはカートリッジ押圧部材によってZ2方向に押し下げられる。そして、
図56(a)で示す係合部(角軸部)10510Dkが被係合部(角穴部)10510Umに嵌合する。つまり上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは一体となり、実施例8の規制部材9510と実質的に同一の役割を担うことになる。
【0179】
[プロセスカートリッジの画像形成装置本体からの取り外し]
また、これとは逆に、
図57(b)に示すように、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502から取り出す(X2方向)際にも、駆動制御部材540と下部規制部材10510Dは干渉する。しかし、前述のように下部規制部材10510Dはフリーの状態であるため、上部規制部材10510Uと一体ではないため軸部10510Daを回転中心として回転する。このため、駆動制御部材540と下部規制部材10510Dが干渉して画像形成装置本体内502から取り外しできなくなることを回避することができる。尚、本実施例では、カラー画像形成装置に使用するプロセスカートリッジについての説明である。したがって4個のプロセスカートリッジ及び4個の駆動制御部材が存在する。その為ステーションによっては
図57で示される動作が最大4回繰り返されることになる。
【0180】
尚、下部規制部材10510Dは圧縮ばね10512の復元力により、例えば
図57(b)の位置から
図56(b)で示す中立位置(
図57(b)上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dとのなす角度θt=0°となる位置)に戻るように構成されている。
【0181】
[駆動連結、連結解除の規制部材の動作]
図58を用いて、駆動連結、連結解除時の規制部材10510の動作について説明する。
図58(a)は、規制部材10510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。
図58(b)は、規制部材10510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置に位置する状態を示す。説明のため、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。また、現像カップリング部材74と回転部材75の駆動連結動作、駆動連結解除動作、駆動制御部材540の動作は実施例1と同様のため省略する。前述したように、画像形成装置本体502内にプロセスカートリッジPが挿入され前ドア111が閉められると、上部規制部材10510Uはカートリッジ押圧部材によってZ2方向に押し下げられる。そして、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは一体となる。
【0182】
このとき足部10510Deの第一力受け部10510Dfと第二力付与面540cとの間に隙間T103があり、足部10510Dgの第二力受け部10510Dhと第一力付与面540bとの間に隙間T102を有する。また、移動部としての規制レバー部10510Udは、現像カップリング部材74とスライド部材80とは接触しない位置にある。この規制部材10510の位置を第一位置と称す。このとき規制部材10510は第一位置を維持されたまま、駆動連結状態が維持される。
【0183】
また、駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cが下部規制部材10510Dの第一力受け部10510Dfに当接し、規制部材10510は支持部10526a中心に
図58(a)中矢印V101方向に回転する。そして、上部規制部材10510Uの規制レバー部10510Udが現像カップリング部材74の面74bとスライド部材80の面80bの間に位置した状態となる。したがって、駆動連結は解除された状態が維持される。この規制部材10510の位置を、第二位置と称す。このとき、
下部規制部材10510Dは、第一力受け部10510Dfと第二力付与面540cとの間に隙間T104があり、足部10510Dgの第二力受け部10510Dhと第一力付与面540bとの間に隙間T105を有する。駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bが下部規制部材10510Dの第二力受け部10510Dhに当接し、規制部材10510は支持部10526a中心に
図58(b)中矢印V102方向に回転する。そして、規制レバー部10510Udは現像カップリング部材74とスライド部材80から離れ、駆動連結される。
【0184】
以上説明した本実施例の構成によれば、実施例8と同様の効果を得ることができる。本実施例では、第一力受け部10510Dfと第二力受け部10510Dhを備える下部規制部材10510Dを、上部規制部材10510U及びプロセスカートリッジPの他の部分に対して移動可能とした。本実施例においては、その移動によって、第一力受け部10510Dfと第二力受け部10510Dhは、Z2方向に変位し、これによって方向VD1(
図53等)、方向VD10(
図54等)、に少なくとも変位する。そして、下部規制部材10510Dが、単独で移動可能な状態(フリーの状態)と上部規制部材10510Uに対して固定された状態(ロック状態)を、上部規制部材10510Uの位置によって切り替え可能とした。これにより、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502内への挿入又は抜き出す際に、下部規制部材10510Dと画像形成装置本体502、特に駆動制御部材540とが干渉して挿入又は抜き出しができなくなることを回避することができる。
【0185】
(実施例10)
図59~
図63を用いて、本開示の実施例10について説明する。本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について主に説明し、同様の構成、動作については説明を省略する。また、前述した実施例と対応する構成については同じ符号もしくは前半部の数字を変更し後半部の数字及び英字が同じとなるように符号を付す。
【0186】
[規制部材の構成]
図59(a)は、上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dの組付け前の状態を示す。
図59(b)は、上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dの組付け後の状態を示す。本実施例10では、実施例8における規制部材9510に相当する規制部材が
図59に示すようにプロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿抜する過程で駆動制御部材540と長手方向(
図60(d)Y1、Y2方向)で回避する構成となっている。Y1、Y2方向は実施例1の感光ドラム4の回転軸線M1及び現像ローラ6の回転軸線M2に平行な方向である。規制部材11510が駆動制御部材540を回避しながらの挿抜に関しては後述する。
【0187】
図59で示すように、具体的な規制部材11510の構成は、上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dの2分割構成である。上部規制部材11510Uには、下部規制部材11510Dとプロセスカートリッジを画像形成装置本体に挿抜する方向(X1、X2方向
図57参照)で重なる部分に、X1、X2方向で向かい合うように一対の長丸穴11510Ukが設けられている。下部規制部材11510Dには、軸11510Daが設けられている。また
図59(a)に示すように、下部規制部材11510Dは、現像ユニット9からZ2方向に突出可能な足部11510De、11510Dgを備えている。足部11510Deには、第一力受け部(挿入力受け部)(第2力受け面)11510Df、足部11510Dgには、第二力受け部(退避力受け部)(第1力受け面)11510Dhが設けられ、駆動制御部材540から力を受ける。上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dの間には、圧縮ばね11512が設けられている。圧縮ばね11512は、一端を上部規制部材11510Uの保持部(不図示)に支持され、他端を下部規制部材11510Dの保持部11510Djに嵌合させ、その後長丸穴1151
0Ukに軸11510Daが嵌合するように組付ける(
図59(b))。
【0188】
このように組付けを行う規制部材11510は、長丸穴11510Ukに軸11510Daが嵌合するように組付ける際、上部規制部材11510Uの先端部11510Ujを広げながら組付ける為、プラスチック材料が良い。尚、規制部材11510を硬い材質にする場合には、軸11510Daと下部規制部材11510Dを別体で構成しても良い。例えば、軸11510Daを最後に下部規制部材11510Dに圧入して組付けても良い。
【0189】
[規制部材の動作説明]
図60(a)~(e)を用いて、規制部材11510の動作について説明する。
図60(a)は、画像形成装置本体内においては上部規制部材11510Uがカートリッジ押圧部材によって押されていない状態(フリーの状態)を示す。
図60(b)は、
図60(a)をドラムユニット側から見た規制部材11510のみを示す。
図60(c)は
図60(b)の下部規制部材11510Dを示す拡大図を示す。
図60(d)は、画像形成装置本体内においては上部規制部材11510Uがカートリッジ押圧部材によって押されている状態(ロック状態)を示す。
図60(e)は、
図60(d)をドラムユニット側から見た規制部材11510のみを示す。
【0190】
図59(a)、(b)を用いて、規制部材11510がカートリッジ押圧部材によって押されていない状態(フリーの状態)を説明する。上部規制部材11510Uは、駆動側軸受11526の支持部11526Uaに長丸穴11510Uaが嵌合することにより、長丸穴11510Uaの長手方向及びZ1、Z2方向に移動可能かつ、支持部11510Uaを中心に揺動可能である。カートリッジ押圧部材に押圧されていない状態では、上部規制部材11510Uに対して、下部規制部材11510Dは、軸11510Daを支持され、軸11510Daを中心に矢印Y3、Y4方向に揺動可能である(フリーの状態)。このフリーの状態は、例えば、前述の圧縮ばね11512の力により、上部規制部材11510Uに対して、下部規制部材11510Dは、軸11510Daを支持し揺動可能に保たれる。フリーの状態において、下部規制部材11510Dは、後述する画像形成装置本体へ挿抜する際、駆動制御部材540との干渉を回避する必要がある。例えば、
図60(c)に示すように、下部規制部材11510Dのばね着座面11510Dnが圧縮ばね11512の付勢力を受けることで、上部規制部材11510Uに対してY4方向に揺動した状態を保持して回避する。そのために、上部規制部材11510Uの着座面11510Uqに対して、下部規制部材11510DがY4方向に揺動した状態で下部規制部材11510Dの着座面11510Dnが正対する面とする。これにより、上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dの間に設けられた圧縮ばね11512の弾性力によって、下部規制部材11510Dは、軸部11510Daを中心にしてY4方向にモーメントが働くことで揺動した状態を維持する。
【0191】
図59(b)、
図60(d)、(e)を用いて、規制部材11510がカートリッジ押圧部材によって押されている状態(ロック状態)の動作について説明する。上部規制部材11510Uは、カートリッジ押圧部材で押し下げることにより、ばね11512の付勢力に抗してZ2方向に移動する。上部規制部材11510Uがカートリッジ押圧部材に押されている状態では、
図59(b)に示す上部規制部材11510Uの先端部11510Upが、下部規制部材11510Dの角穴部11510Dmに嵌合する。そして、上部規制部材11510Uと下部規制部材11510Dは一体となり、上部規制部材10510Uに対して、下部規制部材10510Dは、軸部10510Daを中心とした揺動が規制された状態となる(ロックの状態)。この状態で、一体となった規制部材11510は、支持部11526aを回転中心とし、V111、V112方向に揺動可能となる。よって、カートリッジ押圧部材にZ2方向に押された状態においては、規制部材11510は、
実施例8における規制部材9510と同一の動きをとる事が可能になる。
【0192】
[プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着]
図61(a)、(b)、(c)を用いて、実施例10におけるプロセスカートリッジ挿入時の規制部材11510の動作について説明する。
図61(a)は、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿入する途中の状態を表している。
図61(b)は、
図61(a)を現像ユニット側から見た状態を表している。
図61(c)は、
図61(a)からさらにプロセスカートリッジを挿入した状態を表している。また、説明のために、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。
【0193】
前述のように上部規制部材11510Uがカートリッジ押圧部材に押されていない状態(フリーの状態)においては、
図60(b)で示すように、下部規制部材11510Dは、軸部11510Daを回転中心として回転可能である。カートリッジトレイ(不図示)に装着されたプロセスカートリッジPを、画像形成装置本体502内に矢印X1方向に挿入、あるいは矢印X2方向に取り出す際に、駆動制御部材540に対して下部規制部材11510Dは、長手方向(Y2方向)にさらに退避した状態で挿入される。これは、前述した圧縮ばね11512の作用によって、下部規制部材11510Dは、
図60(b)に示す状態で保持されているからである。また、下部規制部材11510Dには、斜面11510Dpが設けてあり、駆動制御部材540に衝突すると下部規制規制部材11510DはY2方向へ退避する。よって、駆動制御部材540と下部規制部材11510Dが干渉して画像形成装置本体内502に挿入できなくなることを回避することができる。
【0194】
次に、画像形成装置本体502内にプロセスカートリッジPが挿入され、前ドア111が閉められると、前述の如く上部規制部材11510Uは、カートリッジ押圧部材によってZ2方向に押し下げられる。そして、
図59(b)で示す上部規制部材11510Uの先端部11510Upが、下部規制部材11510Dの角穴部11510Dmに嵌合する。つまり、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは一体となり、実施例8の規制部材9510と実質的に同一の役割を担うことになる。
【0195】
[プロセスカートリッジの画像形成装置本体からの取り外し]
図62(a)、(b)、(c)を用いて、プロセスカートリッジ取り出し時の規制部材11510の動作について説明する。
図62(a)は、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に取り出す途中の状態を表している。
図62(b)は、
図62(a)をドラムユニット側から見た状態を表している。
図62(c)は、
図62(a)、(b)からさらにプロセスカートリッジを取り出した状態を表している。また、説明のために、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。
【0196】
図62(b)に示すように、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502から取り出す(X2方向)際も、下部規制部材10510Dは、長手方向(Y2方向)に退避した状態で取り出される。また、下部規制部材11510Dには斜面11510Dqが設けてあり、駆動制御部材540に衝突すると下部規制部材11510DはY2方向へさらに退避する。よって、駆動制御部材540と下部規制部材11510Dが干渉して画像形成装置本体内502から取り出しできなくなることを回避することができる。尚、本実施例では、カラー画像形成装置に使用するプロセスカートリッジについての説明である。したがって4個のプロセスカートリッジ及び4個の駆動制御部材が存在する。その為ステーションによっては、
図61、62で示される動作が最大4回繰り返されることになる。このように、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502に挿抜する際は、下部規制部材11510Dはフリーの状態である。
【0197】
[駆動連結、連結解除の規制部材の動作]
図63を用いて、駆動連結、連結解除時の規制部材11510の動作について説明する。
図63(a)は、規制部材11510が第一位置で駆動制御部材540がホーム位置の状態を示す。
図63(b)は、規制部材11510が第二位置で駆動制御部材540がホーム位置に位置する状態を示す。説明のため、駆動側カートリッジカバー9520と、現像カバー部材9533は省略して示す。また、現像カップリング部材74と回転部材75の駆動連結動作、駆動連結解除動作、駆動制御部材540の動作は実施例1と同様のため省略する。
【0198】
前述したように、画像形成装置本体502内にプロセスカートリッジPが挿入され前ドア111が閉められると、上部規制部材11510Uは、カートリッジ押圧部材によってZ2方向に押し下げられる。そして、上部規制部材10510Uと下部規制部材10510Dは一体となる(
図63(a))。このとき足部11510Deの第一力受け部11510Dfと第二力付与面540cとの間に、隙間T113があり、足部11510Dgの第二力受け部11510Dhと第一力付与面540bとの間に、隙間T112を有する。また、規制レバー部11510Udは、現像カップリング部材74とスライド部材80とは接触しない位置にある。この規制部材11510の位置を第一位置と称す。このとき規制部材11510は第一位置を維持されたまま、駆動連結状態が維持される。
【0199】
また、駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cが下部規制部材11510Dの第一力受け部11510Dfに当接し、規制部材11510は、支持部11526a中心に
図62(a)中矢印V111方向に回転する。そして、上部規制部材11510Uの規制レバー部11510Udが、現像カップリング部材74の面74bとスライド部材80の面80bの間に位置した状態となる。したがって、駆動連結は解除された状態が維持される。この規制部材10510の位置を、第二位置と称す。この時下部規制部材11510Dは、第一力受け部11510Dfと第二力付与面540cとの間に、隙間T115があり、足部11510Dgの第二力受け部11510Dhと第一力付与面540bとの間に、隙間T114を有する。駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bが下部規制部材11510Dの第二力受け部11510Dhに当接し、規制部材11510は支持部11526a中心に
図63(b)中矢印V112方向に回転する。そして、規制レバー部11510Udは現像カップリング部材74とスライド部材80から離れることで、駆動連結される。
【0200】
以上説明した本実施例の構成によれば、実施例8と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、第一力受け部(挿入力受け部)11510Dfと第二力受け部(退避力受け部)11510Dhを備える下部規制部材11510Dを、上部規制部材11510U及びプロセスカートリッジPの他の部分に対して移動可能とした。本実施例においてはその移動によって、第一力受け部11510fと第二力受け部11510hはY2方向(実施例8の回転軸線M1及び回転軸線M2に平行な方向)に少なくとも変位する。そして、下部規制部材11510Dが、単独で移動可能な状態(フリーの状態)と、上部規制部材11510Uに対して固定された状態(ロック状態)を上部規制部材11510Uの位置によって切り替え可能とした。これにより、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502内への挿入又は抜き出す際に、フリーの状態をとることで、下部規制部材11510Dと画像形成装置本体502、特に駆動制御部材540とが干渉して挿入又は抜き出しできなくなることを回避することができる。
【0201】
(実施例11)
図64~
図66を用いて、本開示の実施例11に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは実施例1と同様とし、後述するカートリッジカバー部材とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0202】
本実施例では、実施例1と同様に、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる構成であり、画像形成装置本体に設けられた駆動制御部材540や、プロセスカートリッジに設けられた規制部材510の部品構成や動作は実施例1と同じである。本実施例の構成によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。実施例1にて説明した動作に加えて、プロセスカートリッジまたは現像ユニットが画像形成時に至るまでの間に更に、垂直方向に移動動作を行う構成が付与されている。この動作によって、プロセスカートリッジを装置本体内に挿入する際や、取り出す際に、駆動制御部材と垂直方向の間隔を取ることが実施例1以上に可能となり、駆動制御部材と干渉して挿入又は取り出すことが出来なくなる恐れを、より回避することが容易となる。
【0203】
[現像ユニット移動部材を有するプロセスカートリッジ構成]
図64、65を用いて、プロセスカートリッジ化された現像ユニットが、ドラムユニットの感光ドラムの軸線に対して垂直方向に移動動作を行う構成について説明する。本実施例の垂直方向とは、実施例1で示したように、
図5中矢印X方向(X1、X2)に垂直かつ感光ドラム4の軸線と垂直な方向をZ方向(
図5中矢印Z1、Z2)のことである。すなわち、本実施例に係るプロセスカートリッジは、第1のユニットとしてのドラムユニットと、第2のユニットとしての現像ユニットとが、垂直方向に相対移動可能に構成されている。かかる相対移動の方向(Z1、Z2)は、
図53に示す仮想線N2と交わる方向である。
【0204】
図64に示すように、ドラムユニット8と現像ユニット9は、カートリッジカバー部材によって一体的に保持されプロセスカートリッジ化されている。
図64は、駆動側からみたプロセスカートリッジの側面図である。
【0205】
ここで、
図64(a)に示すように、本実施例では、実施例1に対し、現像ユニット9が矢印Z1方向に上昇した位置に保持されている。すなわち、実施例1にて前述した駆動制御部材540が、規制部材510に対して作動しない位置関係である。
図64(b)に示すように、本実施例では、実施例1に対して、現像ユニット9の垂直方向位置は同じである。すなわち、実施例1にて前述した駆動制御部材540が、規制部材510に対して作動可能な位置関係である。プロセスカートリッジに設けられた垂直方向移動部材である現像ユニット移動部材によって、現像ユニット9が垂直方向に移動可能に保持される詳細な構成(現像ユニット移動部材の構成)については後述する。
【0206】
垂直方向である矢印Z1、Z2方向に現像ユニット9が移動可能に保持される構成について詳細に説明する。
図65は、プロセスカートリッジを非駆動側から見た斜視図であり、現像ユニット移動部材の分解組立図である。ここでは説明のためにドラムユニットを非表示している。
図64、65に示すように、垂直方向移動部材である現像ユニット移動部材は、駆動側現像ユニット移動軸受1250、駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251B、駆動側カートリッジカバー部材1252から成る一体的なユニット部材である。
【0207】
駆動側現像ユニット移動軸受1250には、現像カバー部材の円筒部533bを軸支する駆動側現像ユニット円筒受部1250bを有し、嵌合支持を可能とする。さらに、駆動側現像ユニット移動軸受1250の駆動側外円筒部1250aは、駆動側カートリッジカバー部材の駆動側カートリッジカバー部材摺動部1252aによって嵌合可能に支持される。駆動側カートリッジカバー部材摺動部1252aの形状は、垂直方向(矢印Z1、Z2方向)に平行な長丸穴形状であり、これにより、駆動側現像ユニット移動軸受1250及び、現像ユニット9は垂直方向に移動可能となる。
【0208】
本実施例において、
図64(a)に示すように、駆動側現像ユニット移動軸受1250及び、現像ユニット9は、駆動側カートリッジカバー部材摺動部1252aの長丸穴上方側(Z1方向)に付き当たった状態で保持されている。
図65に示すように、駆動側現像ユニット移動軸受1250の駆動側移動バネ固定ボス部1250c、1250eに、駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251Bが取り付けられる。駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251Bは、押しバネであり、移動バネ接触面(移動軸受側)1251c、1251eが、駆動側移動バネ固定ボス部1250c、1250eに突き当り、移動バネ接触面(カバー側)1251d、1251fが、駆動側カバー部材移動バネ受け部1252d、1252fに突き当たる様に取り付けられる。これにより、駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251Bの加圧バネ力によって駆動側カートリッジカバー部材1252に対して、駆動側現像ユニット移動軸受1250及び、現像ユニット9は、Z1方向に付勢される。
【0209】
図64(b)に示すように、駆動側現像ユニット移動軸受1250及び、現像ユニット9は、駆動側カートリッジカバー部材摺動部1252aの長丸穴下方側(Z2方向)に付き当たった状態で保持されている。
図64(b)において、感光ドラム4を有するドラムユニット8と現像ユニット9の垂直方向位置は、実施例1と同じ位置である。すなわち現像ユニット9の現像カップリング部材74は揺動軸Kの軸線上に位置する。この状態において、駆動制御部材540と規制部材510は互いに動作可能な位置であり、画像形成が可能な位置である。
図64(a)から
図64(b)の現像ユニット9の垂直方向の位置に移動するには、画像形成装置本体からの付勢力である現像ユニット移動押圧力HF(垂直方向の付勢力ともいう)をZ2方向に加圧することによって、移動可能である。
【0210】
例えば、実施例1にて前述した前ドアを閉める動作に連動して、本体側垂直移動部材(不図示)が、駆動側現像ユニット移動軸受1250と接触押圧することで、垂直方向(Z2方向)の付勢力を発生することが可能である。この時、本体側垂直移動部材による付勢力が駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251Bの加圧バネ付勢力よりも大きくなるように設計することで、Z2方向に移動可能となり、
図64(b)の現像ユニット9位置に移動する。一方、前ドアを開く動作に連動して、本体側垂直移動部材と駆動側現像ユニット移動軸受1250との接触押圧を解除することで、前述した駆動側現像ユニット移動バネ1251A、1251Bの加圧バネ付勢力により、
図64(a)の状態に、現像ユニット9位置を戻すことが可能である。
【0211】
[カートリッジ移動部材を有するプロセスカートリッジ構成]
図66は、ドラムユニット8と現像ユニット9がカートリッジカバー部材によって一体的に保持されプロセスカートリッジ化され、トレイ及び画像形成装置本体内に装着される工程を示している。
図66は、駆動側の側面から見た図である。
【0212】
図66(a)は、トレイ及びトレイに設けられた駆動側トレイ部材1211を画像形成装置外に引き出し、プロセスカートリッジを装着する前の状態である。
図66(a)に示すように、ドラムユニット8と現像ユニット9をサイドカバー部材によって一体的に保持されたプロセスカートリッジは、トレイに設けられた駆動側トレイ部材1211に対して着脱可能であり、Z2方向に装着し、Z1方向に持ち上げることで取り外すことが可能である。ここで、駆動側カートリッジカバー部材1262には駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bが装着されており、カートリッジ移動バネ接触面(カートリッジ側)1262d、1262eに固定されている。ここで、駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bは押しバネである。駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bは、駆動側カートリッジカバー部材1262にもうけたボスに圧入嵌合する方法や接着する任意の方法で固定されている。
【0213】
図66(b)は、トレイに設けられた駆動側トレイ部材1211にプロセスカートリッジを装着した状態であり、トレイを画像形成装置内に挿入し、画像形成装置の前ドアを開いた状態である。
図66(b)に示すように、Z2方向に装着されたプロセスカートリッジは、駆動側カートリッジカバー部材1262に設けられた駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bが、駆動側カートリッジ移動バネ接触面(トレイ側)1211d、1211eと接触した状態で保持される。
図66(b)の状態において、画像形成装置に設けられた駆動制御部材540と、プロセスカートリッジに設けられた規制部材510は垂直方向において、互いに作用できない離れた位置にあるため、トレイ及びトレイに設けられた駆動側トレイ部材1211をトレイ挿抜方向であるX1、X2方向に移動させても、干渉することなく挿抜可能である。(駆動制御部材540は、駆動側トレイ部材1211に対して長手方向奥側にずれて配置されており、挿抜時に干渉しない位置関係である。)なお、
図66(b)の様に、駆動制御部材540と、規制部材510は垂直方向において、互いに作用できない離れた位置になるように前述した駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bのバネ力を設計する必要がある。
【0214】
図66(c)は、画像形成装置の前ドアを閉めて、プロセスカートリッジが画像形成位置に垂直移動した状態であり、
図66(b)の状態からプロセスカートリッジをさらに、Z2方向に移動させた状態である。ここでは、前述した方法と同様に、前ドアを閉める動作に伴って、本体側垂直移動部材(不図示)によってプロセスカートリッジをZ2方向に付勢している。
図66(c)に示すように、プロセスカートリッジに設けられた駆動側カートリッジカバー部材1262の駆動側カートリッジ位置決め部(カートリッジ側)1262a、1262bと、駆動側トレイ部材1211に設けられた駆動側カートリッジ位置決め部(トレイ側)1211a、1211bが当接することで、Z2方向の移動が規制されZ2方向の位置が固定される。また、駆動側カートリッジカバー部材1262の駆動側カートリッジ回転止め部(カートリッジ側)1262cは切りかかれた凹形状になっており、駆動側トレイ部材1211に設けられた駆動側カートリッジ回転止め部(トレイ側)1211cの凸形状が入り込むことで、X1、X2方向の回転移動が規制される構成となっている。
【0215】
また、
図66(c)に示すように、駆動制御部材540と、規制部材510は垂直方向において、互いに作用可能な位置になるように駆動側トレイ部材1211に設けられた駆動側カートリッジ位置決め部(トレイ側)1211a、1211b位置を設計しており、これにより、実施例1で述べた画像形成が安定的に動作することが可能となる。この時、駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bは、
図66(b)よりもさらに圧縮された状態であり、本体側の垂直移動部材による付勢力>駆動側カートリッジ移動バネ1270A、1270Bの加圧バネ付勢力となるように設計することで
図66(c)ように移動が可能である。
【0216】
本実施例では、駆動側に垂直方向移動部材を設けたが、同様の構成を非駆動側に設ける事で、現像ユニットは水平に垂直移動が可能である。また、コストを下げる観点から駆動側のみに現像ユニット移動部材を設ける構成でも良い。その場合、現像ユニットまたは、プロセスカートリッジは、駆動側のみZ1方向に持ち上げられた状態であり、傾いた状態となる。駆動側のみ設ける構成においても、画像形成装置の駆動側に設けられた駆動制御部材540と規制部材510の垂直方向の距離を離すことが出来るので、プロセスカートリッジを装置本体内に挿入する際や、取り出す際に、駆動制御部材と干渉して挿入又は取り出すことが出来なくなる恐れを回避することが容易となる。また、実施例1の画像形成時の動作に加えて、プロセスカートリッジまたは現像ユニットが更に移動動作を行う構成を説明したが、他の実施例の構成と本実施例の垂直方向移動部材構成を組み合わせても良い。
【0217】
(実施例12)
図67~
図72を用いて、本開示の実施例12に係るプロセスカートリッジ、画像形成装置について説明する。なお、本実施例のプロセスカートリッジは、実施例1と同様とし、規制部材13510とその周辺の構成のみが異なる。したがって、同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。また、駆動連結動作、駆動連結解除動作、駆動制御部材540の動作は、実施例1と同様のため省略する。本実施例では、規制部材13510が、
図71(a)に示すように、プロセスカートリッジPを、画像形成装置本体502に挿抜する過程で駆動制御部材540に対して長手方向(矢印Y2方向)に回避する構成である。さらに、装着完了時には、規制部材13510は駆動制御部材540と同一長手位置にあって、実施例1と同様に駆動連結解除動作が可能となる。
【0218】
[駆動側プロセスカートリッジ構成]
図67は、プロセスカートリッジPを駆動側から見た斜視図を示す。本実施例において、規制部材13510は、第一長丸穴13510xと第二長丸穴13510y(
図68(c)参照)を有し、現像カバー部材13533の第二支持部13533kの外径と第一長丸穴13510xおよび第二長丸穴13510yの内壁と篏合し、後述する二つの揺動軸に対して揺動可能に支持される。さらに、引っ張りバネ13511によって、規制部材13510と現像カバー部材13533は、互いに引き合うように付勢される。また、駆動側カートリッジカバー部材520の支持穴520aに、現像カバー部材13533の円筒部13533bの外径が篏合されている。
【0219】
[規制部材の構成及び動作説明]
図68~
図70を用いて、本実施例における駆動側の規制部材13510の構成について詳細に説明する。
図68(a)は、規制部材13510をプロセスカートリッジPの長手方向(
図67矢印Y1方向へ)から見た単品正面図であり、
図68(b)、
図68(c)は、規制部材13510の単品斜視図である。規制部材13510は、被押圧部13510c、規制レバー部13510d、足部13510e、足部13510g、長丸穴形状の第一長丸穴13510x、第二長丸穴13510yを有する。足部13510e、13510gは、それぞれ、駆動制御部材540から力を受ける面である面(第2力受け面、第1力受け面)13510f、13510hを有する。第一長丸穴13510x及び第二長丸穴13510yの長丸穴形状の長手方向LHは、同一であり、上方向(略Z1方向)を矢印LH1、下方向(略Z2方向)を矢印LH2とする。また、LH方向と直交し、かつ第一長丸穴13510xを形成する長丸穴の深さ方向(Y1方向)と直交する軸を軸HXとする。規制部材13510は、軸HXを軸とする円柱面13510zを有する。なお、Y1方向は、実施例1で説明した現像ローラ6や感光ドラム4の回転軸線と平行である。なお、本実施例では、第一長丸穴13510xと第二長丸穴13510yは、矢印LH1方向において頂点を同一として配置されている。さらに、第一長丸穴13510xと第二長丸穴13510yは連通しており、第一長丸穴13510xの径が第二長丸穴13510yに対して大きく設定されている。加えて、第一長丸穴13510xの長さは、第二長丸穴13510yの長さに対して長く設定されている。
【0220】
図69(a)は、現像カバー部材13533のみを、
図69(b)は、現像カバー部材13533と規制部材13510を示した斜視図である。現像カバー部材13533の第二支持部13533kは、第一円柱部13533kbと、球面からなる第二揺動部13533kaと、第一円柱部13533kbよりも径の小さい第二円柱部13533kcとで形成される。ここで、第一円柱部1923kb及び第二円柱部13533kcの中心を通る軸をHYとする。このHYと直交し第二揺動部13533kaの球面中心を通る軸が、前述のHXと同一である。本実施例では、第二揺動部13533kaを球面としたが、後述する規制部材13510の矢印YA、YB方向(
図70参照)の揺動と、矢印BA、B
B方向(
図70参照)の揺動を妨げない範囲で設定される面であれば良くこれに限るものではない。加えて、規制部材13510の第一長丸穴13510xと第二長丸穴13510yは、第一円柱部13533kbと第二円柱部13533kcに対して、同様に矢印YA、YB方向と矢印BA、BB方向(
図70参照)の揺動を妨げない範囲で設定されれば良く、長丸穴の径やLH方向の位置関係はこれに限るものではない。
【0221】
図70は、現像カバー部材13533に対して、規制部材13510と引っ張りバネ13511を組付けた状態を示す。
図70(a)は、プロセスカートリッジPの長手方向(
図67矢印Y2方向へ)から見た図である。プロセスカートリッジPの長手方向は、実施例1で説明した揺動軸Kと平行な方向である。規制部材13510は、現像カバー部材13533の第二支持部13533kに支持されることで、HY回りに矢印BA及びBB方向へ揺動可能に支持される。第二支持部13533kの中心(HY)を通り前述のLH方向と平行な直線で切り取った断面を、AA断面として
図70(b)に示す。規制部材13510は、第二揺動部13533kaと第一長丸穴13510xの内壁とが接触した状態で、引っ張りバネ13511によってF1方向に力を受けている。ここで、規制部材13510のバネ掛け部13510sは、第二揺動部13533kaと第一長丸穴13510xの接触点よりもY2方向に位置するため、バネ力によって軸HXを中心とした矢印YA方向のモーメントが発生し軸HX回りに揺動する。矢印YA方向へ揺動した規制部材13510は、現像カバー部材13533の移動部材規制部13533sと接触することで姿勢が決まり、足部13510e、13510gがY2方向へ突出する。この位置を、規制部材13510の待機位置とする。
【0222】
次に
図70(b)の状態から被押込み面(第2力受け面)13510fを矢印ZA方向へ押込むと、第二揺動部13533kaと第一長丸穴13510xの接触点よりもY2方向に位置するため、軸HXを中心とした矢印YB方向のモーメントが発生し軸HX回りに揺動する。これにより、規制部材13510の足部13510e、13510gは、
図70(c)に示す姿勢までY1方向へ移動する。この位置を、規制部材13510の稼働位置とする。なお、このZA方向への押込み量は、不図示の画像形成装置本体502が有する押圧部材130(
図71参照)のZA方向の移動量で決まる。なお、規制部材13510が軸HY及び軸HXに直交する軸HZ回りに回転することを規制するために、円柱面13510zは、駆動側軸受け526(
図67参照)と接触するよう配置されている。加えて、第二円柱部13533kcと第二長丸穴13510yが接触していることも同様の回転規制効果を有する。以上の構成により、規制部材13510は、軸HY及び軸HX回りの2方向に揺動可能に支持される。
【0223】
[プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着]
次に
図71を用いて、プロセスカートリッジPが不図示の画像形成装置本体502に装着される際の、プロセスカートリッジPの規制部材13510の動作について説明する。
図71(a)は、画像形成装置本体502の不図示のトレイ110に、プロセスカートリッジPを装着し、前ドア111を閉める前の状態を、前ドア側から見た図である。
図71(a)は、構成説明のため、プロセスカートリッジPと押圧部材130と駆動制御部材540以外を省略している。
図71(a)の状態では、規制部材13510の足部13510e、13510gは、トレイ110へ装着する際に、前述の通りYA方向へ揺動した待機位置に位置する。また、規制部材13510の足部13510e、13510gは、駆動制御部材540に対して矢印Y2方向へ回避した位置にある。
【0224】
図71(b)は、
図71(a)の状態から、前ドア111を閉めた状態を示している。実施例9と同様、前ドア111を閉めること画像形成装置本体502内の押圧部材130がZA方向に下降し、力付与部130aが規制部材13510の被押圧部13510cと当接する。これにより、規制部材13510の足部13510e、13510gが、前述
の揺動機構によりYB方向に揺動し、稼働位置へ到達する。この動作が完了すると、実施例1と同様に駆動制御部材540の第一力付与面540bと規制部材13510の面(第1力受け面)13510h(
図72参照)が対向し、第二力付与面540cと面13510f(
図72参照)が対向する。つまり矢印Y1、Y2方向において、規制部材13510の足部13510e、13510gと駆動制御部材540の制御部540aが重なるように配置されている。なお、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502から取り外す際は、上述した装着時の動作と逆の動作となり、前ドア111を開けることで、規制部材13510の足部13510e、13510gは、稼働位置から待機位置へ移動する。
【0225】
[駆動連結および解除の切替え動作]
図72を用いて、駆動連結および解除の切換え動作について説明する。
図72(a)は、
図71(b)の状態を駆動側からみた図であり、構成説明のため、駆動側カートリッジカバー部材520と現像カバー部材13533を非表示としている。
図72(a)の状態では、駆動制御部材540の第一力付与面540bと規制部材13510の面13510hとの間に、隙間T131を有し、第二力付与面540cと面13510fとの間に、隙間T132を有する。また、規制レバー部13510dは、不図示の現像カップリング部材74とスライド部材80とは接触しない位置にある。この規制部材13510の位置を、第一位置と称す。このとき規制部材13510は第一位置を維持されたまま、駆動連結状態が維持される。
【0226】
また、駆動制御部材540がW52方向に移動すると、第二力付与面540cが規制部材13510の面13510fに当接し、規制部材13510は、HYを回転中心にBA方向へ揺動する。そして、規制部材13510の規制レバー部13510dが、不図示の現像カップリング部材74の斜面74cとスライド部材80のカム面80aの間に位置した状態となる(
図72(b))。この規制部材13510の位置を、第二位置と称す。したがって、駆動連結は解除された状態が維持されるとなる。
図72(b)の状態から、駆動制御部材540がW51方向に移動すると、第一力付与面540bが規制部材13510の面13510hに当接し、規制部材13510は、HYを回転中心にBB方向へ揺動する。そして、規制レバー部13510dは現像カップリング部材74とスライド部材80から離れ、駆動連結される。
【0227】
以上のように本実施構成を用いれば、駆動制御部材540が移動することで、規制部材13510の第一位置と第二位置を切り替え、駆動連結状態を切り替えることが可能となる。これにより、感光ドラム4と現像ローラ6の接離動作に寄らずに駆動の切替が可能となる。
【0228】
また本実施例では、規制部材13510の足部13510e、13510gがYA方向に移動可能とした。これにより、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体502内への挿入又は抜き出す際に、足部13510e、13510gが、画像形成装置本体502、特に駆動制御部材540と干渉して挿入又は抜き出しできなくなることを回避するようにした。また、本実施例では規制部材13510の足部13510e、13510gが待機位置から稼働位置へ移動する際に、足部13510e、13510gが押圧部材130の押圧方向(ZA方向)へ移動する移動量が小さい。このため、規制部材13510の足部13510e、13510gが待機位置から稼働位置へ移動させるのに必要な押圧部材130の移動量を少なく設定することが可能であり、更なる画像形成装置本体502の小型化が実現できる。
【0229】
以上説明した各実施例は、技術的な矛盾がない限り、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0230】
4…感光ドラム、5…帯電ローラ、6…現像ローラ、7…クリーニングブレード、8…ドラムユニット、9…現像ユニット、43…感光体カップリング部材、70…バネ、74…現像カップリング部材、75…回転部材、80…スライド部材、110…カートリッジトレイ、111…前ドア、112…中間転写ベルトユニット、500…画像形成装置、502…画像形成装置本体、510…規制部材、510a…被支持穴、510b…規制レバー部、510c…足部、510d…足部、510e…力受け部(第一当接部)、510f…力受け部(第二当接部)、510g…カム面、510h…斜面、520…駆動側カートリッジカバー部材、520a…支持穴、520b…支持穴、521…非駆動側カートリッジカバー部材、526…駆動側軸受、526c…支持部、533…現像カバー部材、533b…円筒部、533c…嵌合穴、540…駆動制御部材、540a…制御部、540b…第一力付与面、540c…第二力付与面、801…ギア