(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】シート収納装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/04 20060101AFI20241216BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B65H1/04 320A
B65H1/04 324
G03G15/00 401
(21)【出願番号】P 2020157201
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村山 重雄
(72)【発明者】
【氏名】松島 彰
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-128147(JP,A)
【文献】特開2014-159310(JP,A)
【文献】特開2018-122994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/04
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納する収納部と、
前記収納部に対して移動方向に移動可能に支持される移動ユニットと、を備え、
前記移動ユニットは、前記収納部に収納されたシートの前記移動方向における位置を規制する規制面と、前記移動方向に沿って延びる第1接合面と、を有する規制部材と、前記第1接合面に平行に延びる第2接合面を有し、前記移動方向に延びる延出部材と、を有し、
前記第1接合面及び前記第2接合面は、接着剤によって接合さ
れ、
前記規制部材は、前記第1接合面から前記第1接合面の法線方向に突出し、前記移動方向に沿って延びる壁部を有する、
ことを特徴とするシート収納装置。
【請求項2】
シートを収納する収納部と、
前記収納部に対して移動方向に移動可能に支持される移動ユニットと、を備え、
前記移動ユニットは、前記収納部に収納されたシートの前記移動方向における位置を規制する規制面と、前記移動方向に沿って延びる第1接合面と、を有する規制部材と、前記第1接合面に平行に延びる第2接合面を有し、前記移動方向に延びる延出部材と、を有し、
前記第1接合面及び前記第2接合面は、両面テープによって接合さ
れ、
前記規制部材は、前記第1接合面から前記第1接合面の法線方向に突出し、前記移動方向に沿って延びる壁部を有する、
ことを特徴とするシート収納装置。
【請求項3】
前記第1接合面及び前記第2接合面は、前記移動方向に平行に延びている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート収納装置。
【請求項4】
前記規制部材及び前記延出部材のいずれか一方は、第1係合部を有し、
前記規制部材及び前記延出部材のいずれか他方は、前記第1係合部に係合することで、前記第1接合面及び前記第2接合面の法線方向における前記規制部材及び前記延出部材の位置を規制する第2係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート収納装置。
【請求項5】
前記規制部材及び前記延出部材のいずれか一方は、第3係合部を有し、
前記規制部材及び前記延出部材のいずれか他方は、前記第3係合部に係合することで、前記第1接合面及び前記第2接合面に平行な方向における前記規制部材及び前記延出部材の位置を規制する第4係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート収納装置。
【請求項6】
前記規制部材は、樹脂材料から形成され、
前記延出部材は、金属材料から形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のシート収納装置。
【請求項7】
前記移動ユニット、前記規制部材及び前記延出部材は、それぞれ第1移動ユニット、第1規制部材及び第1延出部材であり、
前記収納部に対して移動方向に移動可能に支持される第2移動ユニットと、
前記収納部に回転可能に支持されるギヤ部材と、を更に備え、
前記第2移動ユニットは、前記収納部に収納されたシートの前記移動方向における位置を規制する第2規制部材と、前記移動方向に延びる第2延出部材と、を有し、
前記第1延出部材及び前記第2延出部材は、それぞれ前記ギヤ部材に噛合するラック部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のシート収納装置。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のシート収納装置と、
シートに画像を形成する画像形成部を有し、前記シート収納装置を前記移動方向に平行な方向に装着及び引き出し可能に支持する装置本体と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記装置本体は、前記シート収納装置に収納されたシートを前記移動方向に直交する方向に給送可能な給送部を有する、
ことを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを収納するシート収納装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ等の画像形成装置は、装置の下部にシートを収納可能なカセットを有し、カセットから給送されたシートに画像を形成する。カセットは、画像形成装置の装置本体に対して装着及び引き出し可能に設けられており、カセットには、収納されたシートの側端位置を規制する1対のカーソルが移動可能に設けられている。
【0003】
従来、カセット本体の前側壁に溝を形成すると共に、1対のカーソルのそれぞれに突起を設けた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。カセットが装置本体に装着されると、1対のカーソルを支持する移動台が移動し、1対のカーソルに設けられた突起がカセット本体の前側壁の溝に係合する。これにより、1対のカーソルの、幅方向における外力に対する強度が増し、カセットを装置本体に強く押し入れたとしても、カーソルがその衝撃に耐えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像形成装置は、カセットの着脱と移動台とを連動させる機構が必要となり、部品点数及び組立工数が増加してしまう。このため、コストアップしてしまっていた。
【0006】
そこで、本発明は、移動ユニットを低コストかつ高強度に構成可能なシート収納装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート収納装置において、シートを収納する収納部と、前記収納部に対して移動方向に移動可能に支持される移動ユニットと、を備え、前記移動ユニットは、前記収納部に収納されたシートの前記移動方向における位置を規制する規制面と、前記移動方向に沿って延びる第1接合面と、を有する規制部材と、前記第1接合面に平行に延びる第2接合面を有し、前記移動方向に延びる延出部材と、を有し、前記第1接合面及び前記第2接合面は、接着剤によって接合され、前記規制部材は、前記第1接合面から前記第1接合面の法線方向に突出し、前記移動方向に沿って延びる壁部を有する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、シート収納装置において、シートを収納する収納部と、前記収納部に対して移動方向に移動可能に支持される移動ユニットと、を備え、前記移動ユニットは、前記収納部に収納されたシートの前記移動方向における位置を規制する規制面と、前記移動方向に沿って延びる第1接合面と、を有する規制部材と、前記第1接合面に平行に延びる第2接合面を有し、前記移動方向に延びる延出部材と、を有し、前記第1接合面及び前記第2接合面は、両面テープによって接合され、前記規制部材は、前記第1接合面から前記第1接合面の法線方向に突出し、前記移動方向に沿って延びる壁部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、低コストかつ高強度な移動ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
【
図2】装置本体からカセットを引き出した様子を示す斜視図。
【
図5】規制部材の接合部分の詳細構成を示す斜視図。
【
図6】ラック部材の接合部分の詳細構成を示す斜視図。
【
図7】(a)は接着剤を塗布した状態の規制部材を示す斜視図、(b)はラック部材を規制部材に差し込む様子を示す斜視図。
【
図8】(a)はフック部を角孔に挿通した様子を示す斜視図、(b)はラック部材を規制部材に対してスライドさせた様子を示す斜視図。
【
図9】(a)はシートをカセットに補充する様子を示す断面図、(b)はカセットを装置本体に装着する様子を示す断面図、(c)は規制部材がカセット本体に当接した様子を示す断面図。
【
図10】第2の実施の形態に係る規制部材の接合部分の詳細構成を示す斜視図。
【
図11】ラック部材の接合部分の詳細構成を示す斜視図。
【
図12】(a)は両面テープが貼り付けられた状態の規制部材を示す斜視図、(b)はラック部材を規制部材に差し込む様子を示す斜視図、(c)はボス部を位置決め孔に係合させた様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1は、電子写真方式のレーザビームプリンタである。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
プリンタ1は、
図1に示すように、シートPに画像を形成する画像形成部100と、給送ユニット15と、定着部20と、排出ローラ対23と、反転ローラ対25と、を有している。画像形成部100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジ90Y,90M,90C,90Kと、スキャナユニット4と、を備えている。
【0014】
なお、4つのプロセスカートリッジ90Y,90M,90C,90Kは、形成する画像の色が異なること以外は同じ構成である。そのため、プロセスカートリッジ90Yの構成及び画像形成プロセスのみを説明し、プロセスカートリッジ90M,90C,90Kの説明は省略する。
【0015】
プロセスカートリッジ90Yは、感光ドラム2と、帯電ローラ3と、現像ローラ5と、クリーニングブレード6と、を有している。感光ドラム2は、アルミシリンダの外周に有機光導電層を塗布して構成され、不図示の駆動モータによって回転する。また、画像形成部100には、駆動ローラ9及びテンションローラ10に巻き掛けられた中間転写ベルト8が設けられ、中間転写ベルト8の内側には、一次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kが設けられている。また、中間転写ベルト8を挟むように、駆動ローラ9に対向して二次転写ローラ11が設けられており、中間転写ベルト8及び二次転写ローラ11は、搬送されるシートPに画像を転写する転写ニップN1を形成している。
【0016】
給送ユニット15は、プリンタ1の下部に設けられ、シートPを収納するカセット16と、カセット16に支持されたシートPを給送可能な給送部としてのピックアップローラ17と、分離ローラ14と、を有している。定着部20は、シートに熱及び圧力を付与する定着ローラ及び加圧ローラを有している。
【0017】
次に、このように構成されたプリンタ1の画像形成動作について説明する。不図示のパソコン等から画像信号がスキャナユニット4に入力されると、スキャナユニット4から、画像信号に対応したレーザ光がプロセスカートリッジ90Yの感光ドラム2上に照射される。
【0018】
このとき感光ドラム2は、帯電ローラ3により表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナユニット4からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。感光ドラム2に形成された静電潜像は、現像ローラ5により現像され、感光ドラム2上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0019】
同様にして、プロセスカートリッジ90M,90C,90Kの各感光ドラムにもスキャナユニット4からレーザ光が照射され、各感光ドラムにマゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kにより中間転写ベルト8に転写され、駆動ローラ9によって回転する中間転写ベルト8により転写ニップN1まで搬送される。なお、各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト8上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。なお、一次転写ローラ7Yによってトナー像が転写された後に感光ドラム2に残ったトナーは、クリーニングブレード6によって回収される。
【0020】
この画像形成プロセスに並行して、給送ユニット15のカセット16に収納されたシートPは、ピックアップローラ17により送り出され、分離ローラ14により1枚ずつに分離される。そして、シートPは、搬送ローラ対18及びレジストレーションローラ対19によって斜行が補正され、レジストレーションローラ対19によって転写ニップN1での画像の転写タイミングに合わせて所定の搬送タイミングで搬送される。なお、プリンタ1は、シートPが載置される手差しトレイ13を有しており、手差しトレイ13に載置されたシートPを手差し給送ローラ13a及び分離ローラ13bによって給送してもよい。
【0021】
そして、シートPには、二次転写ローラ11に印加された二次転写バイアスによって、転写ニップN1において中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像が転写される。中間転写ベルト8に残存したトナーは、不図示のクリーニング装置によってクリーニングされる。トナー像が転写されたシートPは、定着部20において所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着部20を通過したシートPは、案内部材26によって排出ローラ対23に案内され、排出ローラ対23によって排出トレイ24に排出される。
【0022】
シートPの両面に画像を形成する両面印刷ジョブが入力された際には、転写ニップN1によって表面に画像が形成されたシートPは、案内部材26によって反転ローラ対25に案内される。そして、シートPは、反転ローラ対25によって反転され、両面搬送路27に搬送される。両面搬送路27に案内されたシートPは、レジストレーションローラ対19に再び搬送され、転写ニップN1によって裏面に画像が形成され、排出ローラ対23によって排出トレイ24に排出される。
【0023】
[シート収納装置]
次に、カセット16及びその内部構成を含むシート収納装置60について詳述する。シート収納装置60は、
図2乃至
図4に示すように、プリンタ1の装置本体1Aに対して装着及び引き出し可能に支持されるカセット16を有している。カセット16は、シートPを収納する収納部としてのカセット本体30と、カセット本体30に固定される1対のガイドレール35と、を有している。
【0024】
また、シート収納装置60は、カセット本体30に対して回動軸34aを中心に回動可能に支持され、シートPが積載されるリフト板34と、カセット本体30に対して移動方向MDに移動可能に支持される1対のサイド規制板31,131と、を有している。また、シート収納装置60は、リフト板34に積載されたシートPの後端部の位置を規制する後端規制板65と、カセット本体30に回転可能に支持されるギヤ部材としてのピニオンギヤ33と、を有している。なお、本実施の形態では、移動方向MDは、装置本体1Aに対するカセット16の装着方向及び引出し方向に平行な方向であり、かつシートの給送方向に直交する幅方向である。
【0025】
カセット16は、1対のガイドレール35が、装置本体1Aに設けられた不図示の本体側レールと摺動することで、スムーズに装置本体1Aに対して案内される。リフト板34は、画像形成ジョブが開始されると、リフト板34に積載された最上位のシートがピックアップローラ17に接触する位置まで上昇する。
【0026】
移動ユニット及び第1移動ユニットとしてのサイド規制板31は、
図4に示すように、第1規制部材としての規制部材31Aと、延出部材及び第1延出部材としてのラック部材32と、によって構成されている。規制部材31Aは、カセット本体30に収納されたシートの移動方向MDにおける位置を規制する規制面31Bを有している。第2移動ユニットとしてのサイド規制板131も、同様に、第2規制部材としての規制部材131Aと、第2延出部材としてのラック部材132と、によって構成されている。規制部材131Aは、カセット本体30に収納されたシートの移動方向MDにおける位置を規制する規制面131Bを有している。カセット本体30及び規制部材31A,131Aは、樹脂材料から形成されており、ラック部材32,132は、板金等の金属材料から形成されている。
【0027】
ラック部材32,132は、それぞれピニオンギヤ33に噛合可能なラック部42,142を有しており、これらラック部42,142は、ピニオンギヤ33を挟んで互いに対向するように配置されている。そして、ユーザによってサイド規制板31,131のいずれか一方が移動方向MDに移動されると、ラック部42,142及びピニオンギヤ133の作用によって、サイド規制板31,131のいずれか他方が移動方向MDに移動するように構成されている。この時、サイド規制板31,131は、移動方向MDにおいて互いに反対方向に移動する。例えば、サイド規制板31が移動方向MDの内の所定方向に移動すると、サイド規制板131は所定方向とは反対方向に移動する。
【0028】
以下、サイド規制板31,131は、ほぼ同一構成であるため、サイド規制板31のみを詳しく説明し、サイド規制板131の説明を省略する。
【0029】
[サイド規制板の接合部分の詳細構成]
後述するように、サイド規制板31を構成する規制部材31A及びラック部材32は、接着剤によって互いに接合される。まず、
図5を用いて、規制部材31Aの接合部分61について詳述する。接合部分61は、
図5に示すように、移動方向MDに平行に延びる第1接合面としての接合面36と、接合面36から上方に突出する1対のガイドリブ31G,31Gと、ガイドリブ31G,31Gを接続するように設けられる規制リブ31Fと、を有している。接合面36は、接着剤塗布機41によって接着剤40が塗布される接着剤塗布面36A,36Bを含む。
【0030】
壁部としての1対のガイドリブ31G,31Gは、移動方向MDに直交する直交方向ODにおいて、接着剤塗布面36A,36Bを挟んで互いに対向するように設けられており、かつ移動方向MDに沿って延びている。規制リブ31Fは、1対のガイドリブ31G,31Gを接続するように直交方向ODに延びている。このため、これらガイドリブ31G,31G及び規制リブ31Fは、ラック部材32が容易に位置決め可能となるように、略コ字状に形成されている。
【0031】
規制リブ31Fの下部には、ラック部材32の先端部32C(
図6参照)を挿入可能な孔部31Cが形成されている。また、接合面36には、接合面36から上方に突出し、断面L字状のフック部31Dと、接合面36から上方に突出するスナップフィット31Eと、が形成されている。スナップフィット31Eの周りには、コ字状に溝31Hが形成されているため、スナップフィット31Eは、容易に高さ方向に弾性変形可能に構成される。
【0032】
[ラック部材の接合部分の詳細構成]
次に、
図6を用いて、ラック部材32の接合部分62について詳述する。接合部分62は、
図6に示すように、先端部32Cを有する第1部分43と、ラック部42を有する第2部分44と、第1部分43及び第2部分44を接続する段部45と、を有している。段部45は、第1部分43の一端部と第2部分44の一端部とを高さ方向に接続している。
【0033】
第2部分44には、プレス加工等によって上方に突出した凸部44aが形成されており、凸部44aは、移動方向MDにおける第2部分44のほぼ全長に亘って長大に形成されている。これら段部45及び凸部44aによって、ラック部材32は、強度が向上されている。
【0034】
ラック部材32は、規制部材31Aの接合面36に接着剤40によって接合され、第1接合面36に平行に延びる第2接合面としての接合面37を有している。接合面37は、第2部分44に形成され、規制部材31Aの接着剤塗布面36Aに接着可能な第1被接着面37Aと、第1部分43に形成され、規制部材31Aの接着剤塗布面36Bに接着可能な第2被接着面37Bと、を含む。第2部分44の凸部44aには、角孔32Dが形成されており、第1部分43には、スナップフィット孔32Eが形成されている。
【0035】
[規制部材とラック部材との接合方法]
次に、
図7(a)乃至
図8(b)を用いて、規制部材31Aとラック部材32との接合方法について説明する。まず、
図7(a)に示すように、組立作業者(以下、単に作業者とする)は、規制部材31Aの接着剤塗布面36A,36Bに、接着剤塗布機41によって接着剤40を塗布する。なお、本実施の形態における組立工程は、人による手作業に限らず、機械によって行われてもよい。
【0036】
そして、作業者は、
図7(b)に示すように、ラック部材32が接着剤塗布面36A,36Bに接触しないように、ラック部材32の姿勢を規制部材31Aに対して斜めにして、先端部32Cを孔部31Cに挿入する。次に、作業者は、
図8(a)に示すように、ラック部材32を回転させて、規制部材31Aの接合面36にラック部材32の接合面37を合わせる。なお、この時、規制部材31Aのスナップフィット31Eは、ラック部材32によって押圧されることで、下方に弾性変形する。
【0037】
規制部材31Aには、1対のガイドリブ31G,31Gが形成されているため、これらガイドリブ31G,31Gの間にラック部材32を回転させることで、ラック部材32を容易に位置合わせすることができる。また、接着剤塗布面36A,36Bを囲うようにガイドリブ31G,31Gを設けたので、粘度の低い接着剤40が接着剤塗布面36A,36Bに塗布されたとしても、接合面36から他の領域に接着剤40が流れ出ることを低減できる。また、ガイドリブ31G,31Gによって、接合面36と他の領域とが区画されるので、接着剤40の塗布位置を明確にすることができる。このため、組立性を向上できる。
【0038】
そして、接合面36と接合面37とを合わせる際に、規制部材31Aのフック部31Dがラック部材32の角孔32Dに挿通される。次に、作業者は、ラック部材32を先端部32C側にスライド移動させることによって、スナップフィット31Eとスナップフィット孔32Eとを位置合わせする。これにより、スナップフィット31Eは、上方に揺動し、スナップフィット孔32Eに係合する。なお、以上のような組立方法及び位置決め方法は、サイド規制板131についても同様である。
【0039】
ラック部材32が規制部材31Aに組付けられた状態では、フック部31D及び規制リブ31Fによって、接合面36,37のはく離方向、すなわち接合面36,37の法線方向NDにおける規制部材31A及びラック部材32の相対移動が規制される。より詳しくは、規制部材31Aのフック部31D及び規制リブ31Fが、ラック部材32に形成された角孔32Dの縁部32Da及び先端部32Cにそれぞれ係合する。言い換えれば、フック部31D及び規制リブ31Fは、法線方向NDに視て、縁部32Da及び先端部32Cにそれぞれ重なる位置に位置している。なお、フック部31D及び規制リブ31Fは、第1係合部を構成し、縁部32Da及び先端部32Cは、第1係合部に係合する第2係合部を構成する。
【0040】
このため、接着剤40のはく離方向(法線方向ND)の強度を補うことができ、規制部材31A及びラック部材32の法線方向NDにおける相対位置精度を向上することができる。
【0041】
また、スナップフィット31E及びスナップフィット孔32Eの係合によって、接合面36,37のせん断方向、すなわち接合面36,37に平行な方向における規制部材31A及びラック部材32の相対移動が規制される。このため、接着剤40によって接合面36,37が接合された後、接着剤40が実用せん断強度まで硬化する間、クランプ工具等で規制部材31A及びラック部材32を固定する必要が無い。例えば、接着剤40の実用せん断強度が23kgf移動である場合、接着剤40の硬化までには約8分かかる。なお、スナップフィット31Eは、第3係合部を構成し、スナップフィット孔32Eは、第3係合部に係合する第4係合部を構成する。
【0042】
このように、スナップフィット31E及びスナップフィット孔32Eの係合により規制部材31A及びラック部材32を仮固定することによって、特別な工具を必要とせず、安価且つ容易に規制部材31Aとラック部材32とを組み立てることができる。また、仮固定した状態の規制部材31A及びラック部材32に対して外力を与えなければ、次の組立工程への移動やカセット16への組付けも可能である。
【0043】
[カセットへのシート補充]
次に、カセット16へのシート補充動作について説明する。ユーザは、カセット16へシートPを補充する際に、
図9(a)に示すように、まずカセット16を装置本体1Aから引き出す。そして、ユーザは、シートPをカセット16にセットし、サイド規制板31,131をシートPの側端部に合わせる。
【0044】
その後、ユーザは、
図9(b)に示すように、カセット16を装置本体1Aに対して装着させる。この時、カセット16に設けられたガイドレール35によって、カセット16は装置本体1Aに対してスムーズに装着される。そして、カセット16又はガイドレール35に設けられた位置決め部が、装置本体1Aに設けられた突き当て部に突き当たることで、カセット16は装着位置で位置決めされる。
【0045】
ここで、カセット16を勢いよく装置本体1Aに挿入した場合を考える。カセット16が装着位置で装置本体1Aに対して突き当たると、シートPは、慣性の法則によってサイド規制板31を移動方向MD(装着方向)に押圧する。
【0046】
ここで、本実施の形態では、移動方向MDに平行に延びる接合面36,37が接着剤40によって接着されることで、規制部材31A及びラック部材32が接合されている。このため、シートPからサイド規制板31の規制部材31Aに作用する荷重は、規制部材31Aとラック部材32との間の接合面36,37に対してせん断力として作用する。
【0047】
しかしながら、接着剤40はせん断強度が強いため、上記荷重がかかっても接合面36,37の接合は維持され、規制部材31A及びラック部材32の破損を低減できる。また、接着剤40による接合面36,37の接合は、ビス等の締結部材によって締結されることなく、安価に行うことができ、サイド規制板31を低コストかつ高強度に構成することができる。よって、規制部材31Aとラック部材32とのガタツキを抑制でき、印字制度のばらつきを低減できる。また、カセット16と装置本体1Aとの間にダンパ等の減衰部材を設ける必要が無く、コストダウン及び装置を小型化することができる。
【0048】
また、カセット16を勢いよく装置本体1Aに挿入した場合、
図9(c)に示すように、サイド規制板31の規制部材31Aが、シートPに押されてカセット本体30に当接することがある。この時、サイド規制板31に連動するサイド規制板131は、シートPから離れる方向に移動する。サイド規制板31,131のラック部材32,132とピニオンギヤ33との噛合い抵抗と、サイド規制板31,131が移動する際の摺動抵抗によって、サイド規制板31の規制部材31Aは多少のブレーキが掛かりながらカセット本体30に当接する。
【0049】
また、カセット16に収納されたシートPも剛体ではないため、規制部材31Aとカセット本体30との当接時の衝撃を、シートPは変形しながら吸収する。更に、規制部材31A及びカセット本体30は、樹脂材料から形成されるので、それぞれ弾性変形することで衝撃を吸収できる。また、規制部材31Aが樹脂材料から形成されているため、カセット本体30に衝突しても、板金のように塑性変形して曲がってしまうことが無く、精度良くシートの位置を規制することができる。
【0050】
このように、シートPから規制部材31Aに作用する荷重は、多少緩和された状態で規制部材31Aに掛かるため、上述した接着剤40のせん断強度の高さと相まって、規制部材31Aとラック部材32の変形や位置ずれを低減できる。また、ラック部材32は金属材料から形成されているので、たわみを抑え、ピニオンギヤ33に対する歯飛びを低減することができる。
【0051】
[せん断強度]
次いで、本実施の形態における接合面36,37に塗布された接着剤40のせん断強度について説明する。例えば、カセット16内にA4サイズかつ坪量80g/m2のシートを500枚積載した場合、これらシートの重量は約2.5kgとなる。以下、カセット16を装置本体1Aに勢いよく装着する場合、通常のカセット装着速度約1.5m/secの約1.5倍のカセット装着速度2.2m/secでカセット16が装着されると想定する。
【0052】
カセット16がこの速度で装置本体1Aの突き当て部に当接すると、カセット16内に収納されたシートPが規制部材31Aに与える衝撃(荷重)Wは、運動エネルギーに関する式(1)に従って、以下のようになる。
W=1/2mv2 (W:仕事(J)、m:質量(kg)、v:速度(m/s))
=6.05 ・・・・(1)
【0053】
規制部材31Aは、A4サイズのシートに対応する位置から数mmスライドして、カセット本体30に衝突する。この時の衝撃力Fは、運動方程式である式(2)、等か速度直線運動式である式(3)、及び仕事に関する式(4)より、求まる。
F=ma ・・・・(2)
(F:力(N)、m:質量(kg)、a:加速度(m/s2))
as=1/2v2 ・・・・(3)
(a:加速度(m/s2)、s:制動距離(m)、v:速度(m/s))
W=Fs ・・・・(4)
(W:仕事(J)、F:力(N)、s:制動距離(m))
よって、
W=(ma)s=m(as)=m(1/2v2)
F=(1/2mv2)/s
=(6.05)/s(N)
【0054】
実際の衝撃は、計算式に対してシートPの弾性による衝撃吸収や、ラック部材32とピニオンギヤ33による摺動抵抗、規制部材31Aのたわみや変形、カセット本体30のたわみや変形等で衝撃吸収されるため、制動距離は約10mmと推測される。
S=0.01mとすると、
F=6.05/0.01=605(N)=62(kgf)
となる。よって規制部材31Aとラック部材32の接合面36,37に掛かる衝撃力(せん断力)は、62kgfと推測される。
【0055】
なお、本実施例で使用する接着剤40は、アクリル系2液性構造用接着剤(例えば(株)スリーボンド製3921/3926、またはセメダイン(株)製Y611黒S、Y612BLACK等)である。その単位面積当たり強度は、0.38kgf/mm2である。
【0056】
規制部材31Aの接着剤塗布面36A,36Bの合計面積は327mm2であるため、せん断強度は125kgfとなる。そのため計算上の衝撃力62kgfに対して約2倍の強度マージンがあることになる。ちなみに、規制部材31Aとラック部材32をM3ビスで固定した場合、1本のM3ビスは約16kgfのせん断強度でビスずれをするため、計算上の衝撃強度62kgfでは耐えられないため複数のビス固定が必要となる。
【0057】
また、通常のカセット装着速度1.5m/sec.においては、衝撃力は約25kgfであり、これは接着剤のせん断強度125kgfに対して約20%である。このため、接着剤の繰返し破断強度の推測によると約10万回の衝撃に耐えることができるので、製品寿命を考慮しても充分耐えるマージンがある。
【0058】
以上のように、接着剤40による接合面36,37の接合は、安価に行うことができ、サイド規制板31を低コストかつ高強度に構成することができる。
【0059】
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の接着剤40に代えて、両面テープ50を適用して構成したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0060】
[サイド規制板の接合部分の詳細構成]
後述するように、本実施の形態に係る第1規制部材としての規制部材231A及び延出部材及び第1延出部材としてのラック部材232は、両面テープ50によって互いに接合される。まず、
図10を用いて、規制部材231Aの接合部分261について詳述する。接合部分261は、
図10に示すように、移動方向MDに平行に延びる接合面36と、接合面36から上方に突出する1対のガイドリブ31G,31Gと、ガイドリブ31G,31Gを接続するように設けられる規制リブ31Fと、を有している。
【0061】
規制リブ31Fの下部には、ラック部材232の先端部32C(
図11参照)を挿入可能な孔部31Cが形成されている。また、接合面36には、接合面36から上方に突出し、断面円筒形状のボス部51が形成されている。
【0062】
[ラック部材の接合部分の詳細構成]
次に、
図11を用いて、ラック部材232の接合部分262について詳述する。接合部分262は、
図11に示すように、先端部32Cを有する第1部分243と、ラック部42を有する第2部分244と、第1部分243及び第2部分244を接続する段部245と、を有している。段部245は、第1部分243の一端部と第2部分244の一端部とを高さ方向に接続している。
【0063】
第2部分244には、プレス加工等によって上方に突出した凸部44aが形成されており、凸部44aは、移動方向MDにおける第2部分244のほぼ全長に亘って長大に形成されている。これら段部245及び凸部44aによって、ラック部材232は、強度が向上されている。
【0064】
ラック部材232は、規制部材231Aの接合面36に両面テープ50によって接合され、第1接合面36に平行に延びる接合面37を有している。第2部分244の凸部44aには、位置決め孔52が形成されている。
[規制部材とラック部材との接合方法]
【0065】
次に、
図12(a)乃至
図12(c)を用いて、規制部材231Aとラック部材232との接合方法について説明する。まず、
図12(a)に示すように、作業者は、規制部材231Aの接合面36に、両面テープ50を貼り付け、はく離紙を除去する。なお、本実施の形態における組立工程は、人による手作業に限らず、機械によって行われてもよい。
【0066】
そして、作業者は、
図12(b)に示すように、ラック部材232が両面テープ50に接触しないように、ラック部材232の姿勢を規制部材231Aに対して斜めにして、先端部32Cを孔部31Cに挿入する。次に、作業者は、
図12(c)に示すように、ラック部材232を回転させて、規制部材231Aの接合面36にラック部材232の接合面37を合わせる。
【0067】
規制部材231Aには、1対のガイドリブ31G,31Gが形成されているため、これらガイドリブ31G,31Gの間にラック部材232を回転させることで、ラック部材232を容易に位置合わせすることができる。また、ガイドリブ31G,31Gによって、接合面36と他の領域とが区画されるので、両面テープ50の貼り付け位置を明確にすることができる。このため、組立性を向上できる。
【0068】
そして、接合面36と接合面37とを合わせる際に、規制部材231Aのボス部51がラック部材232の位置決め孔52に係合される。これにより、接合面36,37のせん断方向、すなわち接合面36,37に平行な方向における規制部材231A及びラック部材232の相対移動が規制され、規制部材231Aとラック部材232とが互いに位置決めされる。なお、ボス部51は、第3係合部を構成し、位置決め孔52は、第3係合部に係合する第4係合部を構成する。また、以上のような組立方法及び位置決め方法は、サイド規制板131についても同様である。
【0069】
両面テープ50はせん断強度が強いため、第1の実施の形態で説明したように、シートPから規制部材231Aに荷重がかかっても接合面36,37の接合は維持され、規制部材231A及びラック部材232の破損を低減できる。また、両面テープ50による接合面36,37の接合は、ビス等の締結部材によって締結されることなく、特別な工具が不要であり安価に行うことができ、サイド規制板31を低コストかつ高強度に構成することができる。
【0070】
ラック部材232が規制部材231Aに組付けられた状態では、規制リブ31Fによって、接合面36,37のはく離方向、すなわち接合面36,37の法線方向NDにおける規制部材231A及びラック部材232の相対移動が規制される。このため、両面テープ50のはく離方向(法線方向ND)の強度を補うことができ、規制部材231A及びラック部材232の法線方向NDにおける相対位置精度を向上することができる。
【0071】
また、両面テープ50は、第1の実施の形態の接着剤40のように硬化時間が掛からないため、養生時間が必要ない。また、両面テープ50は、貼り付けミスをした場合には剥がして貼り直すことができ、組立性を向上できる。このため、より容易に規制部材231Aとラック部材232とを組み付けることができ、コストダウンできると共に組立性を向上できる。
【0072】
[せん断強度]
次いで、本実施の形態における接合面36,37に貼り付けられた両面テープ50のせん断強度について説明する。本実施例で使用する両面テープ50は、例えばDIC(株)製#8616CHであり、両面テープ50のせん断強度は0.09kgf/mm2である。このため、第1の実施の形態で計算したせん断強度62kgfを得るためには接着面積689mm2の面積が必要である。このため、両面テープ50での接着面積を出来るだけ大きくすることでせん断強度に対するマージンを得ることができる。
【0073】
<その他の実施形態>
既述のいずれの形態においても、シート収納装置60は、互いに近づく方向又は離れる方向に移動可能な一対のサイド規制板を有していたが、これに限定されない。例えば、一方のサイド規制板は移動不能に設け、他方のサイド規制板のみを移動可能に構成してもよい。
【0074】
また、既述のいずれの形態においても、サイド規制板は、シートの移動方向MDにおける位置を規制する規制部材と、ピニオンギヤ33に噛合するラック部材と、によって構成されていたが、これに限定されない。例えば、ラック部材に代えて、サイド規制板がカセット本体30に対して移動方向MDに案内されるための案内部材を適用してもよい。案内部材には、ラック部が設けられなくてもよい。
【0075】
また、既述のいずれの形態においても、接合面36,37は、移動方向MDに平行に設けられていたが、これに限定されない。例えば、接合面36,37は、移動方向MDに沿った方向に延びていればよい。言い換えれば、接合面36,37は、移動方向MDの成分を有する方向に延びていればよい。また、移動方向MDは、カセット16の着脱方向に平行な方向であったが、これに限定されない。
【0076】
また、既述のいずれの形態においても、規制部材31A,231Aは樹脂材料から形成され、ラック部材32,232は金属材料から形成されていたが、これに限定されない。例えば、規制部材及びラック部材の両方を樹脂材料から形成してもよく、規制部材及びラック部材の両方を金属材料から形成してもよい。
【0077】
また、既述の実施の形態では、接着剤40又は両面テープ50によって接合面36,37を接合していたが、これに限定されない。例えば、接着剤40及び両面テープ50の両方を用いて接合面36,37を接合してもよい。また、これら接着剤40及び両面テープ50とは異なる方法で接合面36,37を接合してもよい。例えば、溶着やインサート成形によって接合面36,37を接合してもよく、ビス等の締結部材以外の方法で、移動方向MDに沿って延びる接合面同士が接合していればよい。
【0078】
また、第1の実施形態では、フック部31D及び規制リブ31Fが縁部32Da及び先端部32Cにそれぞれ係合することで、法線方向NDにおける規制部材31A及びラック部材32の相対移動を規制していたが、これに限定されない。例えば、フック部31D及び縁部32Daの係合と、規制リブ31F及び先端部32Cの係合と、のいずれか一方の身を設けてもよく、これら2つの係合が両方なくてもよい。また、これらフック部31D、縁部32Da、規制リブ31F及び先端部32Cの形状は限定されない。
【0079】
また第1の実施の形態では、規制部材31Aにフック部31D及び規制リブ31Fを設け、ラック部材32に縁部32Da及び先端部32Cを設けていたが、これに限定されない。例えば、規制部材31Aに縁部32Da及び先端部32Cを設け、ラック部材32にフック部31D及び規制リブ31Fを設けてもよい。すなわち、規制部材31A及びラック部材32のいずれか一方に、フック部31D及び規制リブ31Fを設け、規制部材31A及びラック部材32のいずれか他方に、縁部32Da及び先端部32Cを設ければよい。
【0080】
また、第1の実施の形態では、規制部材31Aにスナップフィット31Eを設け、ラック部材32にスナップフィット孔32Eを設けていたが、これに限定されない。例えば、規制部材31Aにスナップフィット孔32Eを設け、ラック部材32にスナップフィット31Eを設けてもよい。すなわち、規制部材31A及びラック部材32のいずれか一方に、スナップフィット31Eを設け、規制部材31A及びラック部材32のいずれか他方に、スナップフィット孔32Eを設ければよい。また、スナップフィット31E及びスナップフィット孔32Eの形状は限定されない。
【0081】
また、第2の実施の形態では、規制部材231Aにボス部51を設け、ラック部材232に位置決め孔52を設けていたが、これに限定されない。例えば、規制部材231Aに位置決め孔52を設け、ラック部材232にボス部51を設けてもよい。すなわち、規制部材231A及びラック部材232のいずれか一方に、ボス部51を設け、規制部材231A及びラック部材232のいずれか他方に、位置決め孔52を設ければよい。また、ボス部51及び位置決め孔52の形状は限定されない。また、ボス部51及び位置決め孔52を省いてもよい。
【0082】
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式のプリンタ1を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1:画像形成装置(プリンタ)/1A:装置本体/17:給送部(ピックアップローラ)/30:収納部(カセット本体)/31:移動ユニット、第1移動ユニット(サイド規制板)/31A,231A:規制部材、第1規制部材/31B:規制面/31E:第1係合部(フック部)/31F:第1係合部(規制リブ)/31G:壁部(ガイドリブ)/32,232:延出部材、第1延出部材(ラック部材)/32C:第2係合部(先端部)/32Da:第2係合部(縁部)/33:ギヤ部材(ピニオンギヤ)/36:第1接合面(接合面)/37:第2接合面(接合面)/40:接着剤/42,142:ラック部/50:両面テープ/60:シート収納装置/100:画像形成部/131:第2移動ユニット(サイド規制板)/131A:第2規制部材/132:第2延出部材(ラック部材)/MD:移動方向/ND:法線方向