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特許7604152通信装置、通信装置の制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241216BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20241216BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241216BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241216BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/66
H04N7/18 E
G03B17/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020160152
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053356
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】溝渕 泰大
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-174347(JP,A)
【文献】特開2018-037810(JP,A)
【文献】特開2016-076891(JP,A)
【文献】特開2018-180307(JP,A)
【文献】特開2019-083378(JP,A)
【文献】特開2015-127920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/66
H04N 7/18
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と無線通信する第一の通信手段と、
前記撮像装置と無線通信する第二の通信手段と、
前記撮像装置から通知を受信する受信手段と、
前記通知が、前記第一の通信手段および前記第二の通信手段のうち、どちらを介して受信されたかに応じて、前記撮像装置から受信する画像の少なくとも一部を伴う通知を出力するか前記撮像装置から受信する画像を伴わない通知を出力するかを異ならせるよう制御する制御手段と、
前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態と前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態とを切り替える切り替え手段と、を有し、
前記切り替え手段により前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態から前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態に切り替わった場合、前記制御手段は、前記撮像装置に通知の履歴に関する情報を要求する、
通信装置。
【請求項2】
前記画像を特定するための情報を含む通知を前記第二の通信手段を介して受信した場合、前記制御手段は、前記第二の通信手段を介して前記画像を前記撮像装置に要求し、前記要求した画像を受信したことに応じて、前記撮像装置から受信する画像の少なくとも一部を伴う通知を出力するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記画像を特定するための情報を含む通知を前記第一の通信手段を介して受信した場合、前記撮像装置から受信する画像を伴わない通知を出力するよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、要求に応じて取得された前記通知の履歴に関する情報に、画像の識別情報が含まれている場合、当該識別情報に対応する画像を取得し、当該画像の少なくとも一部を伴う通知を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記撮像装置に記録されている画像を削除する削除手段をさらに有し、
前記削除手段により削除された画像に対応する通知は、前記通知の履歴に関する情報に含まれないことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
撮像装置と無線通信する第一の通信手段と、前記撮像装置と無線通信する第二の通信手段と、を有する通信装置の制御方法であって、
前記撮像装置から通知を受信する受信ステップと、
前記通知が、前記第一の通信手段および前記第二の通信手段のうち、どちらを介して受信されたかに応じて、前記撮像装置から受信する画像の少なくとも一部を伴う通知を出力するか前記撮像装置から受信する画像を伴わない通知を出力するかを異ならせるよう制御する制御ステップとを有し
前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態と前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態とを切り替える切り替えステップをさらに有し、
前記切り替えステップにより前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態から前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態に切り替わった場合、前記撮像装置に通知の履歴に関する情報を要求する通信装置の制御方法。
【請求項7】
前記画像を特定するための情報を含む通知を前記第二の通信手段を介して受信した場合、前記制御ステップでは、前記第二の通信手段を介して前記画像を前記撮像装置に要求し、前記要求した画像を受信したことに応じて、前記撮像装置から受信する画像の少なくとも一部を伴う通知を出力するよう制御することを特徴とする請求項6に記載の通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記画像を特定するための情報を含む通知を前記第一の通信手段を介して受信した場合、前記撮像装置から受信する画像を伴わない通知を出力するよう制御することを特徴とする請求項6または7に記載の通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記撮像装置に記録されている画像を削除する削除ステップをさらに有し、
前記削除ステップにより削除された画像に対応する通知は、前記通知の履歴に関する情報に含まれないことを特徴とする請求項7または8に記載の通信装置の制御方法
【請求項10】
コンピュータを請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるための、コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置と無線通信することができる通信装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが撮影指示を与えることなく定期的および継続的に撮影を行う自動撮影カメラが知られている。例えば特許文献1には、パンチルト機構を備え、被写体を自動探索して自動的に撮影する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-92354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1のような装置では、カメラの判断によって自動的に撮影されるため、撮影されたことをユーザが外部からリアルタイムに把握することが難しい。そこで、例えば無線接続した際にどのような撮影が行われたのかを通知することが考えられる。
【0005】
しかしながら、その通知が送信される経路に応じて、適切な通知でなければ、通知自体を表示させるまでに時間がかかりすぎたり、不要な情報の提示になってしまったりする可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、送信経路に応じてより適切な情報で通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための、本発明の通信装置は、撮像装置と無線通信する第一の通信手段と、前記撮像装置と無線通信する第二の通信手段と、前記撮像装置から通知を受信する受信手段と、前記通知が、前記第一の通信手段および前記第二の通信手段のうち、どちらを介して受信されたかに応じて、前記撮像装置から受信する画像の少なくとも一部を伴う通知を出力するか前記撮像装置から受信する画像を伴わない通知を出力するかを異ならせるよう制御する制御手段と、前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態と前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態とを切り替える切り替え手段と、を有し、前記切り替え手段により前記第一の通信手段で前記撮像装置と接続している状態から前記第二の通信手段で前記撮像装置と接続している状態に切り替わった場合、前記制御手段は、前記撮像装置に通知の履歴に関する情報を要求する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、送信経路に応じてより適切な情報で通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置および通信装置の模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る通信装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の通知送信時の処理を説明するフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態に係る通信装置の通知表示を説明するフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態に係る通知履歴を説明するための図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る通知のBLE伝文を説明するための図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る通知のWi-Fi伝文を説明するための図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る通知文字列解決を説明するための図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係るBLEで送信された通知の表示を説明するための図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係るWi-Fiで送信された通知の表示を説明するための図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る通知履歴画面を説明するための図である。
図13】本発明の第2の実施形態に係る通知履歴画面表示を説明するフローチャートである。
図14】本発明の第3の実施形態に係る通知履歴削除を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では画像付き通知の送信と表示を行う撮像装置100としてのカメラと通信装置110としてのスマートフォンによる通信システムについて説明する。また、第一の通信経路と第二の通信経路を切り替える前後の通信手順についても説明する。
【0012】
図1は、撮像装置100、および通信装置110の模式図である。撮像装置100と通信装置110はそれぞれBluetooth通信モジュールおよび無線LAN通信モジュールを含み、後述の無線通信システムで接続して通信を行う。なお、ここでは撮像装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが撮像装置はこれに限られない。例えば撮像装置は携帯型のメディアプレーヤや、いわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。また、ここでは通信装置の一例としてスマートフォンについて述べるが、通信装置はこれに限られない。例えば通信装置は携帯型のメディアプレーヤや、いわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0013】
図2は、撮像装置100の構成を示す図である。第一の通信経路としてのBLE用のBLE通信部201、及び、第二の通信経路としてのIEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LAN(以下、Wi-Fiと呼ぶ。)用の無線LAN通信部202を有し、通信装置110と通信を行う。
【0014】
記憶部203は、制御部205が実行する制御プログラムや通信に必要なパラメータ等の各種情報を記憶している。また、撮像部204から出力されたデジタル画像データは制御部205によってJPEG形式やMPEG形式等の記録用フォーマットに変換され、記憶部203に記録される。
【0015】
撮像部204は、撮像素子がレンズ群を通して入射する光を受け、その光量に応じた電荷の情報をデジタル画像データとして制御部205に出力する。撮像素子としては、一般的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が利用される。
【0016】
制御部205は、記憶部203に記憶される制御プログラムを実行することにより、撮像装置100全体を制御する制御部であり、例えばCentral Processing Unit(CPU)で実装される。後述する撮像装置100の各種動作は、記憶部203に記憶された制御プログラムを制御部205が実行することにより実現される。なお、制御部205が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0017】
通知は、制御部205によって送信すべき通知が決定された後、通知送信手段としてのBLE通信部201、および、無線LAN通信部202を用いて通信装置110に送信される。
【0018】
図3は通信装置110の構成を示す図である。通信装置110のBLE通信部301、および、無線LAN通信部302は、撮像装置100のBLE通信部201、および、無線LAN通信部202と同等の物であり、撮像装置100と通信装置110はこれらの通信手段を用いて通信を行う。
【0019】
記憶部303は、制御部306が実行する制御プログラムや通信に必要なパラメータ等の各種情報を記憶している。
【0020】
表示部304は、例えば、LCDやLEDのように視覚で認知可能な情報の出力、又はスピーカー等の音出力が可能な機能を有し、各種情報の表示を行う。
【0021】
操作部305は、例えばユーザによる通信装置110の操作を受け付けるボタン等である。なお、本実施形態では表示部304及び操作部305は、タッチパネルで構成されるため、共通する部材として構成される。
【0022】
制御部306は、記憶部303に記憶される制御プログラムを実行することにより、通信装置110全体を制御する制御部であり、例えばCentral Processing Unit(CPU)で実装される。後述する通信装置110の各種動作は、記憶部303に記憶された制御プログラムを制御部306が実行することにより実現される。なお、制御部306が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0023】
次に、撮像装置100と通信装置110によるシステムにおける画像付き通知の送受信からユーザに通知を表示するまでのフローを、図4図5を用いて説明する。ここで、撮像装置100と通信装置110はあらかじめ電源が投入され、さらにBLEによる通信が確立している状態とする。
【0024】
図4は撮像装置100が通知を送信する際のフローであり、図5(a)は通信装置110が通知を受信する際のフローであり、図5(b)は通信装置110がBLEからWi-Fiに通信経路を切り替えた際の処理フローである。
【0025】
まず、図4のフローチャートから説明する。本フローチャートの各ステップは、制御部205が撮像装置100の各部を制御することで実行される。ただし、以下の説明では、わかりやすさを優先し、各ステップの実行主体を撮像装置100として述べる。また、本フローチャートは撮像装置100と通信装置110とがBLEまたは無線LANを介して接続している状態で開始される。
【0026】
まず、撮像装置100は撮影の状況や筐体の状態についてユーザに通知すべき事象があるかを判定する(S401)。通知すべき事象がある場合、通知伝文を作成し、通信装置110に通知を送信する(S402)。通知はあらかじめいくつかの種類が定められていて、その中のいずれかが送信される。また、通知の種類ごとに画像が付与されるかどうかが定められている。送信する通知が、画像付き通知である場合、記憶部203に保存された画像を一意に識別するための画像識別情報である画像IDを通知の伝文に含める。ここで、画像IDは任意の数値を用いる方法や、カメラファイルシステム規格に則ったディレクトリ番号およびファイル番号を用いる方法、画像毎に割り当てたUUID(Universally Unique Identifier)を用いる方法などがある。
【0027】
撮像装置100は送信した通知の情報を通知履歴記録手段としての記録部203に記録する(S403)。ここで記録した情報を通知履歴と呼ぶ。通知履歴は過去に発生した一件以上の任意の数の通知の情報を保持する。
【0028】
続いて図5(a)のフローチャートについて説明する。本フローチャートの各ステップは、制御部306が通信装置110の各部を制御することで実行される。ただし、以下の説明では、わかりやすさを優先し、各ステップの実行主体を通信装置110として述べる。また、本フローチャートは撮像装置100と通信装置110とがBLEまたは無線LANを介して接続している状態で開始される。
【0029】
まず、通信装置110は撮像装置100から通知が送信されるのを待ち受けており(S501)、通知を受信する(S502)。通知を受信したのち、通信経路の状態を確認し(S503)、BLEで接続されている場合は文字列のみの通知を表示部304に表示する(S504)。通知に表示する文字列は通知伝文から通知内容識別としての通知番号を取り出し、図9に示す通知文字列テーブルを参照して表示すべき文字列を取得する。また、この時、受信した通知が画像付き通知であった場合でも画像は表示せず、通知情報に含まれる通知番号に対応した通知文字列のみを表示する。
【0030】
一方、Wi-Fiで接続されていた場合は受信した通知伝文に含まれる画像IDを用いて画像取得手段によって画像を受信し(S505)、画像付きの通知を表示する(S506)。画像取得手段は制御部306によって提供され、撮像装置100から受信した画像IDを用いて撮像装置100に問い合わせることで、無線LAN通信部302を介して該当画像を取得する。
【0031】
続いて図5(b)のフローチャートについて説明する。本フローチャートの各ステップは、制御部306が通信装置110の各部を制御することで実行される。ただし、以下の説明では、わかりやすさを優先し、各ステップの実行主体を通信装置110として述べる。また、本フローチャートは撮像装置100と通信装置110とがBLEを介して接続している状態で開始される。
【0032】
通信装置110は、BLEで接続している場合、通信経路をWi-Fiに切り替えるタイミングを待ち受けている(S510)。通信経路をWi-Fiに切り替える条件を満たした場合、制御部306が提供する通信経路切り替え手段によって通信経路をBLEからWi-Fiに切り替える(S511)。ここで、通信経路をWi-Fiに切り替えるタイミング(通信経路をWi-Fiに切り替える条件)は、撮像装置100を操作するための専用アプリケーションがユーザ操作によって起動され、通信装置110のフォアグラウンドで動作を開始したときである。
【0033】
この通信経路の切り替えは、いわゆるハンドオーバーによって実現される。具体的には、撮像装置100を操作するための専用アプリケーションが通信装置110のフォアグラウンドでの動作を開始した場合、通信装置110はBLEを介して撮像装置100に対してWi-Fiに切り替えることを要求する。この要求を受信した撮像装置100は、通信装置110に、BLEを介して、Wi-Fiのネットワークパラメータを送信する。ここでいうネットワークパラメータはSSIDとパスワードを含む。また、撮像装置100は、併せてWi-Fiのネットワークを生成する。具体的には、BLEを介して通信装置110に送信したSSIDを含むビーコンのブロードキャストを開始し、通信装置110からのネットワークへの参加の要求を待つ。一方、SSIDとパスワードを含むネットワークパラメータを受信した通信装置110は、撮像装置100が生成しているWi-Fiのネットワークへの参加を要求する。これを撮像装置100が許可することによって、Wi-Fiをかいして撮像装置100と通信装置110とが接続を確立することになり、BLEからWi-Fiへの通信経路の切り替えが完了する。
【0034】
通信経路をWi-Fiに切り替えた後、通信装置110は通知履歴取得手段によって撮像装置100から通知履歴を受信する(S512)。通知履歴取得手段は制御部306によって提供され、撮像装置100に対して通知履歴要求を出して撮像装置100の記憶部203に記録された通知履歴を受信する。
【0035】
ここで、撮像装置100が送信する通知履歴は、記録しているすべての履歴を送付してもよいが、後述するように、本第1の実施形態においては使用する情報は最新の一件のみであるため、最新の一件の履歴のみを送信する方が好ましい。
【0036】
通信装置110は通知履歴を受信した後、通知伝文中に画像IDが含まれている場合は画像取得手段によって撮像装置100から該当画像を取得する(S513)。最後に、通信装置110は受信した画像の少なくとも一部を用いて画像付きの通知を表示する(S514)。
【0037】
図6は撮像装置100が通知を送信する際に保存する(S403)通知履歴を説明する図である。一つの通知は一行で表され、新たに通知が送信されるたびに先頭に一行追加し、情報を記録する。通知番号は通知の種類を一意に識別するための番号である。発生日時はその通知が発生した日時である。これは文字列、あるいは日時を表す数値を用いて記録する。次に、画像IDは本実施形態における通知に付与する画像を表す画像識別情報である。画像IDは撮像装置100に記録されている画像を一意に識別するための識別子であり、画像を一意に特定する数値、もしくは当該画像の所在を表すファイルパスやアドレスを用いて記録する。
【0038】
画像IDは必ずしもすべての通知に対して記録する必要はなく、画像を含まない通知は対応する画像が無いため画像IDを記録しない。図6の通知番号1の行はその場合を表している。他方、通知番号2および3については画像を含む通知であることが読み取れる。
【0039】
通知の情報にはこれら以外に通知情報として保持するべき情報を適宜含めてもよい。例えば、特定の人物、特定の期間、エラー情報などを識別する識別子がある。また、これらの情報はすべての通知に必ず含める必要はなく、必要な情報のみを組み合わせて含めてよい。
【0040】
図7はBLEで送信される1件の通知の伝文を説明する図である。伝文には通知番号、発生日時、画像IDとしてのディレクトリ番号とファイル番号を含む。通知番号および発生日時は図6で説明した通りである。ディレクトリ番号とファイル番号はカメラファイルシステム規格に則っており、これらを合わせて一意の画像ファイルを識別することができる。例えば、図7に記載のディレクトリ番号「100」、ファイル番号「1」の場合は“DCIM/100xxxxx/yyyy0001.zzz”となる。ここで、xxxxx、yyyyは任意の文字列であり撮像装置100の設計によって決定される。またzzzはファイル拡張子である。
【0041】
ここで、図7に記載の伝文はあくまで一例であり、必ずしもこの形態をとる必要はなく、例えば、発生日時は必ずしも伝文に含める必要はない。また、画像IDの表し方として、何らかの数値や文字列で表してもよい。しかし、BLEで送信可能な伝文はデータ量に限りがあるため、可能な限りデータ量を少なくする方がよい。したがって画像IDは文字列ではなく数値で表す方法がより好適である。
【0042】
図8はWi-Fiで送信される1件の通知の伝文を説明する図である。伝文はJSON形式で表され、通知番号としてのnotifyno変数、日時としてのdate変数、画像IDとしてのimageid変数を含む。notifyno変数は数値によって通知番号を表す。date変数は文字列によって日時情報を表す。imageid変数は文字列によって画像ファイルの所在を表すファイルパスを表している。
【0043】
ここで、図8に記載の伝文はあくまで一例であり、必ずしもこの形態をとる必要はなく、JSON以外のフォーマットを用いてもよいし、数値列としてもよい。また、発生日時は必ずしも伝文に含める必要はない。また、例えば、imageid変数はBLEの伝文と同様の表現方法を用いてもよい。
【0044】
また、本実施形態ではBLEとWi-Fiで表現形式は異なるものの、同内容の情報を送信する例を示したが、必ずしもBLEとWi-Fiで同内容の情報を送信する必要はない。例えば、BLEでの通知情報において、画像IDであるところのディレクトリ番号およびファイル番号は通知の表示に使用されないため省略してもよい。
【0045】
次に、通信装置110に表示する通知について、図10および図11を用いて説明する。図10図5のS504で表示する通知を示しており、図11はS506およびS514で表示する通知を示している。
【0046】
本実施形態においてはS504で通知が表示される場合、専用アプリケーションは起動しておらず、通知はスマートフォンのオペレーティングシステムが提供する通知機能を利用して表示される。図10において、1001は通知が表示される通知領域であり、1002は通知文字列である。
【0047】
次に、ユーザが通知領域1001または専用アプリケーションのアイコンを押下して専用アプリケーションを起動すると、図11のように専用アプリケーション内に通知が表示される。図11において、1101は専用アプリケーション内に設けられた通知表示領域である。通知文字列1002は前記図10で説明した文言がそのまま表示される。また、1103は通知に添付された画像IDによって取得した(S505,513)画像である。
【0048】
また、通知領域1101もしくは添付画像1103はボタンとしてユーザによって押下でき、押下すると添付画像1103を拡大して表示する機能や、その他の優れた写真の一覧表示する画面に遷移する機能を有してもよい。
【0049】
ここで、通知履歴を記録するタイミングとして、撮像装置100が通信装置110に通知を送信した後に記録する方法について説明したがその限りではない。例えば、BLEもWi-Fiも接続されていない状態で通知すべき事象が発生することもありうる。そのような場合、通知すべき事象が発生したことをきっかけとして通知履歴に記録を行う方法を用いてもよい。
【0050】
また、送信した通知はすべて通知履歴に記録する方法について説明したが、通知の種類やその他の状態に応じて通知履歴に記録する通知を選択する方法を用いてもよい。
【0051】
また、Wi-Fiでの通知履歴および通知に紐づく画像の取得において、通知履歴を受信したのち、そこに含まれる画像識別情報を用いて改めて画像を取得する方法について説明したが、通知履歴の情報に画像情報を直接添付して送受信する方法を用いてもよい。その場合、記憶部203に記録する通知履歴に直接画像情報を記録する方法と、記憶部203に記録する通知履歴には画像識別情報を記録しておき通知履歴を送信する際に対応する画像を記憶部203から読みだして添付する方法がある。
【0052】
本実施形態において、低速なBLEで通信を行っている状態においては、ユーザはスマートフォンで他のアプリケーションを操作していることを想定している。その多くの場合、スマートフォンは他の対象と何らかの通信を行ってサービスを提供する。したがって、バックグラウンドで動作するアプリケーションが強制的に通信経路を変更することはユーザの操作を妨げる原因になりうる。そこで、本実施形態では通知システムがバックグラウンドで動作している間はユーザの操作を妨げない最低限の通信のみを行うこととした。さらに、ユーザの意思によって当該通知システムがフォアグラウンドに移行した際に、より高速な通信経路に切り替えて、履歴情報をもとにユーザに提示するべき情報を不足することなく受信し提示するシステムについて説明した。
【0053】
以上、本実施の形態によれば、画像付き通知の表示機能において、通信経路の切り替えによってユーザの操作を妨げることなく、画像付きの通知をユーザに適切に提示可能な通信システムを提供できる。
【0054】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では通信装置110の専用アプリケーションが起動し、Wi-Fiに接続した際に最新の1件の通知を再表示する方法について示したが、記録されている通知履歴を遡って確認したい場合もある。
【0055】
第2の実施形態では通信装置110の専用アプリケーションが起動し、Wi-Fiに接続した際に撮像装置100の通知履歴に記録されているすべての通知を再表示する方法について説明する。また、通知履歴表示に伴うデータの送受信方法についても説明する。
【0056】
第2の実施形態におけるシステム構成は、第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分について以下に説明する。
【0057】
図12は履歴表示手段としての履歴画面を説明する図である。履歴画面は通信装置110の表示部304に表示される画面であり、過去に発生した通知を一覧表示する。図12図6で示した通知履歴を表示した場合の画面の表示を表しており、上から古い順に通知を表示している。また、各通知領域1201,1211,1101はそれぞれの通知の発生日時(1204,1214,1224)を表示する。
【0058】
1201は最も古い通知の通知領域であり、このタイミングで逆光であったことを表す文言1202とその時の撮像部204の画角の様子を記録した画像1203を表示している。
【0059】
1211は2番目に発生した通知であり、バッテリーが低下したことを表す文言1212を表示している。1211のように画像が付かない通知の場合は画像が無く、文字列だけを表示する。
【0060】
ここで、履歴画面に表示する通知履歴の数は3つに限定されるものではなく、撮像装置100に記録されている通知履歴すべてを表示する。また、履歴画面はユーザ操作によってスクロールし、履歴を遡る機能を持っていてもよい。
【0061】
また、通知発生日時の表示について、年月日時の表記の例を示したがその限りではなく、例えば、発生からの経過時間を表示してもよく、さらにその場合、「1分前」、「2日前」などのように時間を丸めて表示してもよい。
【0062】
図13は通知履歴に複数の通知の履歴が存在する場合に履歴画面を表示する際の通信装置110のふるまいを説明する図である。図5と類似する点が多いため、差分について説明する。
【0063】
通信装置110は通知履歴を受信(S512)した後、通知履歴に含まれるすべての通知に対して、画像IDが添付されているかどうかを判断し(S1302)、添付されている場合は画像要求(S513)を行う(S1301)。
【0064】
すべての通知の画像を取得したのち、履歴画面を表示する(S1303)。
【0065】
図12のような通知履歴画面を表示する場合、一般的には受信した通知を通信装置110が記録し、画面表示の際にその情報を使用することが多い。しかしながら、低速な通信経路での取得が難しいデータを含む通知を送受信する場合、そのような手法ではデータ取得までに時間がかかるか、データの欠落を許容する必要があり現実的でない。本実施形態では通知の発生履歴を撮像装置100に持たせることで、高速な通信経路が使用できるようになってから大容量のデータを送受信する方法を説明した。
【0066】
ここで、本実施形態では通信装置110の専用アプリケーションが起動し、Wi-Fiで接続した際に撮像装置100に記録されているすべての通知履歴を再表示する方法について説明したが、通知履歴画面を表示するタイミングはこれに限るものではない。例えば、専用アプリケーションが起動した後、ユーザの操作によって通知履歴画面を呼び出す方法を用いてもよい。
【0067】
以上、本実施の形態によれば、画像付き通知の履歴表示機能において、過去に発生した通知についても、画像付きの通知履歴をユーザに適切に提示可能な通信システムを提供できる。
【0068】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では通知履歴を送信する際に、通知履歴に含まれる画像識別情報が示す画像が既に削除されている場合、通知履歴を変更する撮像装置100について説明する。
【0069】
撮像装置100は記憶部203に保存した画像を削除する画像削除手段を持つ。それは、例えばユーザによって選択的に削除する機能や、記憶部203の記録情報をすべて削除する機能、自動撮影を継続するために写真として質の悪い画像を自動的に削除する機能などである。例えばユーザは、通信装置にインストールされた専用アプリケーションの機能によって、撮像装置100に保存された画像を一覧表示することができ、そのうちユーザが選択した画像を削除する指示を入力することができる。このようにした場合、画像を削除する指示を受け付けた専用アプリケーションは、撮像装置に指示することで撮像装置100が当該画像を削除する。また、画像削除手段は、第1の実施形態、および第2の実施形態で説明した画像付き通知に添付される画像も削除の対象とすることがある。
【0070】
その場合、通知の表示に使用する画像が存在しない状態となることがあり、本来画像と併せて表示するべき通知に画像が表示されないなど、不完全な状態となることがある。本実施形態はそのような問題を解決するための方法である。
【0071】
第3の実施形態におけるシステム構成は、第1の実施形態、および第2の実施形態と同じであるため説明を省略する。第1の実施形態、および第2の実施形態と異なる部分について以下に説明する。
【0072】
図14は撮像装置100が通知履歴を要求されてから送信するまでを説明するフローである。撮像装置100は通信装置110からの通知履歴要求を待ち受けている(S1401)。通知履歴要求を受け付けた後、記憶部203に記録されている通知履歴を読み出し、履歴内の各通知の通知情報に含まれる画像IDを用いて記憶部203に該当画像が存在するかどうかをチェックする(S1402、S1403)。この時、通知履歴に含まれるすべての通知に対して画像の存在チェックを行う方法で発明は完成するが、好ましくは各通知の通知番号を確認し、画像付き通知の場合のみ該当画像の存在をチェックするのが良い。
【0073】
画像IDが示す画像がない場合、つまり何らかの手段によって画像が削除されている場合は、通知履歴から当該通知の項目を削除する(S1404)。通知履歴に記録されている全通知について、画像IDを含むものはその画像が存在するかをチェックしたのち、残った通知履歴の情報を通信装置110に送信する(S1405)。
【0074】
本実施形態においては画像付き通知の画像が存在しないときの表示方法について、履歴画面の表示の場合について説明したが、第1の実施形態で示したような通知表示画面についても同様の方法を用いることができる。その際、最新の通知の履歴を削除することとなった場合、さらにもう一つ前の通知を最新の通知として表示する方法のほか、表示する通知がない場合の表示を行ってもよい。
【0075】
以上、本実施の形態によれば、画像付き通知の表示機能において、当該画像が存在しない場合に、表示の不整合を防ぐ機能をユーザに提供できる。
【0076】
最後に、第1~3の実施形態において、通知に添付するデータとして画像を用いる例を示したが、例えば音声や動画、その他のデータなどを添付する場合にも適用できる。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0078】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
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図11
図12
図13
図14