(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20241216BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241216BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G21/00 384
G03G15/00 407
(21)【出願番号】P 2020173491
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】荒木 隆一
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-282355(JP,A)
【文献】特開2020-147432(JP,A)
【文献】特開2019-95486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/02
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置外に設けられ、シートを積載する第1積載手段と、
画像形成装置内に設けられ、シートを積載する第2積載手段と、
画像形成装
置に設けられ、前記第1積載手段に積載されたシートを給紙する給紙手段と、
画像形成装置内に設けられ、前記第1積載手段から前記給紙手段により給紙されたシートを搬送する搬送ローラ対と、
画像形成装置内に設けられ、シート特性を検知する検知手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、を備え、
前記検知手段は、シートが搬送される搬送方向において、前記搬送ローラ対よりも下流側、且つ前記第1積載手段から前記画像形成手段にシートを搬送する第1搬送路と、前記第2積載手段から前記画像形成手段にシートを搬送する第2搬送路との合流点よりも上流側に配置されることを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2搬送路には、前記第2積載手段から搬送されたシートの特性を検知する手段は配置されていないことを特徴とする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給紙手段は、前記第1積載手段からシートを引き込むピックアップローラを含み、
前記検知手段は、前記搬送方向で前記ピックアップローラの下流側に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知手段により検知した前記シート特性に基づいて、前記シートの搬送速度を決定する制御手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項1又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シート特性に基づいて、連続して搬送するシートの間隔を決定することを特徴とする、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送方向で前記画像形成手段よりも上流に設けられる第1ローラと、
前記搬送方向で前記第1ローラよりも上流に設けられ、前記第1ローラへ搬送されるシートを検知するセンサと、
前記搬送方向で前記センサよりも上流に設けられる第2ローラと、をさらに備え、
前記第2ローラは、前記第1ローラが回転を停止している状態でシートを搬送することで、前記第1ローラのニップ部に前記シートを突き当てて該シートにループを生じさせ、
前記制御手段は、前記シート特性に基づいて、前記センサが前記シートを検知してからの前記第2ローラによるシートの搬送時間を設定し、前記センサが前記シートを検知してから前記搬送時間が経過すると前記第1ローラに前記シートの搬送を開始させることを特徴とする、
請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記シートの表面性を検知する光学センサと、厚みを検知する厚み検知部と、を備え、前記光学センサで検知された表面性と前記厚み検知部で検知されたシートの厚みとに基づいて前記シート特性を検知することを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、電子写真複写機、LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等の電子写真プリンタ、電子写真ファクシミリ装置、電子写真ワードプロセッサ等がある。画像形成装置は、画像が形成されるシートが、給紙カセットや手差しトレイから給送される。手差しトレイは、一般的に、画像形成装置の前面または側面に設けられる。手差しトレイは、画像形成装置に開閉可能に取り付けられており、使用する際にユーザにより開放される。ユーザは、開放した手差しトレイ上にシートをセットすることになる。
【0003】
画像形成装置には、給紙カセットや手差しトレイから給送されるシートの斜行を補正する斜行補正機能を有するものがある。斜行補正は、例えば、搬送されるシートの先端を回転停止状態のレジストローラのニップ部に突き当て、シートにループを形成することで行われる。
【0004】
画像形成装置は、シートの厚みや表面性といったシート特性が画像形成条件を決定する上で重要である。シート特性に応じて画像形成条件を調整することで、最適な画像の定着温度やシートの搬送速度を実現することができ、画質が安定する。シート特性は、操作部やドライバ画面を用いてユーザにより設定されることが多い。近年は、シート特性を検知するセンサを備える画像形成装置が提案されている。このようなセンサを用いることで、ユーザによる設定が不要となり利便性が高まる。特許文献1、2には、画像形成装置内にシートの表面性を検知するセンサを設け、センサの検知結果に基づいてシートの種類を判定し、シートの種類に応じた画像形成条件を決定する画像形成装置が開示される。このセンサは、シートの表面を撮像した結果に基づいて、シートの表面性を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-182518号公報
【文献】特開2004-38879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
手差しトレイは、給紙カセットよりも自由なサイズのシートを載置することが可能である。また、手差しトレイにより、一度印刷したシートを裏紙として用いることが可能となる。このように手差しトレイは、ユーザが使用するシートの種類を多くする。そのために画像形成装置は、ユーザが設定を行わずに手差しトレイを用いて給紙したシートに画像形成を行う際に、画像形成条件であるシート搬送条件が適切に制御されておらず、紙詰まり等の搬送不良を起こす可能性があった。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、手差しトレイを用いてシートを給送する場合であっても搬送不良を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置外に設けられ、シートを積載する第1積載手段と、画像形成装置内に設けられ、シートを積載する第2積載手段と、画像形成装置に設けられ、前記第1積載手段に積載されたシートを給紙する給紙手段と、画像形成装置内に設けられ、前記第1積載手段から前記給紙手段により給紙されたシートを搬送する搬送ローラ対と、画像形成装置内に設けられ、シート特性を検知する検知手段と、シートに画像を形成する画像形成手段と、を備え、前記検知手段は、シートが搬送される搬送方向において、前記搬送ローラ対よりも下流側、且つ前記第1積載手段から前記画像形成手段にシートを搬送する第1搬送路と、前記第2積載手段から前記画像形成手段にシートを搬送する第2搬送路との合流点よりも上流側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、手差しトレイを用いてシートを給送する場合であっても搬送不良を抑制ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】(a)、(b)は、メディアセンサの説明図。
【
図4】(a)~(c)は、メディアセンサの検知結果とシート特性との関係説明図。
【
図5】メディアセンサの検知結果からシート種類を判定する方法の説明図。
【
図7】(a)~(c)は、シート搬送条件の説明図。
【
図8】シート搬送条件の決定方法を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(画像形成装置の構成)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。画像形成装置100は、複数の画像形成ユニット120a~120d、レーザスキャナ122a~122d、一次転写部123a~123d、中間転写ベルト130、二次転写部140、及び定着器170を備える。画像形成装置100は、給紙カセット220及び手差しトレイ244から画像が形成されるシートを給送することができる。
【0013】
画像形成ユニット120a~120dは、帯電ローラ124a~124d、感光ドラム121a~121d、及び現像器125a~125dを備える。画像形成ユニット120a~120dは、ユーザにより画像形成装置100の本体から取り外しできる構成となっている。感光ドラム121a~121dは、帯電ローラ124a~124dにより表面が帯電され、対応するレーザスキャナ122a~122dによりレーザ光を照射されることで、表面に静電潜像が形成される。現像器125a~125dは、対応する色のトナーにより静電潜像を現像することで、感光ドラム121a~121dにトナー像を形成する。画像形成ユニット120a~120dは、1つがブラックのトナー像を形成し、他が有彩色のトナー像を形成する。本実施形態では、画像形成ユニット120aの感光ドラム121aにはイエローのトナー像が形成される。画像形成ユニット120bの感光ドラム121bにはマゼンタのトナー像が形成される。画像形成ユニット120cの感光ドラム121cにはシアンのトナー像が形成される。画像形成ユニット120dの感光ドラム121dにはブラックのトナー像が形成される。
【0014】
一次転写部123a~123dは、一次転写電圧が印加されることで、対応する画像形成ユニット120a~120dの感光ドラム121a~121dに形成されたトナー像を、中間転写ベルト130に重畳して転写する。中間転写ベルト130は、図中時計回りに回転しており、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に転写されるトナー像を担持する像担持体である。中間転写ベルト130は、転写されたトナー像を、回転することで二次転写部140に搬送する。
【0015】
給紙カセット220は、画像が形成されるシートを収容する。給紙カセット220には、通常、同じ種類のシートが収容される。
図1では1つの給紙カセット220が設けられているが、画像形成装置100は、複数の給紙カセットが設けられてもよい。手差しトレイ244は、ユーザにより画像が形成されるシートが載置される。手差しトレイ244は、材質や厚さの種類が異なる様々なシートが載置可能である。
【0016】
シートは、給紙カセット220や手差しトレイ244から給紙されて、搬送経路を二次転写部140の転写ニップ部141へ搬送される。二次転写部140は、転写ニップ部141で中間転写ベルト130からシートへ画像を転写する。給紙カセット220から二次転写部140までの搬送経路には、シートの搬送方向の上流側から順に、ピックアップローラ151、搬送ローラ154、搬送ローラ155、及びレジストローラ161が設けられる。シートの搬送方向で搬送ローラ154の上流側にはピックアップセンサ152が設けられる。搬送ローラ155とレジストローラ161との間にはレジストセンサ160が設けられる。
【0017】
給紙カセット220に収納されるシートは、ピックアップローラ151により給紙カセット220から搬送経路に給紙される。搬送経路に給紙されたシートは、公知の技術により1枚ずつに分離されて、搬送ローラ154及び搬送ローラ155によりレジストローラ161へ搬送される。レジストローラ161は、シートが搬送されてくるタイミングでは回転を停止している。そのためにシートは、レジストローラ161のニップ部に先端が突き当てられる。先端が突き当てられたシートは、搬送ローラ155により引き続き搬送されることで、先端側にループを形成する。ループの形成によりシートの斜行が補正される。レジストローラ161は、中間転写ベルト130に担持されるトナー像が二次転写部140へ搬送されるタイミングに合わせて、二次転写部140の転写ニップ部141へシートを搬送する。
【0018】
ピックアップセンサ152及びレジストセンサ160は、搬送経路を搬送されるシートを検知する。ピックアップセンサ152及びレジストセンサ160の検知結果により、搬送経路上のシートの位置が検知される。レジストセンサ160がシートの先端を検知したタイミングに応じて、シートと中間転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部140の転写ニップ部141で一致するように、シートの搬送タイミングが制御される。例えば、トナー像に対してシートの斜行補正が早く終了した場合、シートは、レジストローラ161で所定時間停止された後に、搬送が再開されて二次転写部140の転写ニップ部141へ搬送される。
【0019】
手差しトレイ244に載置されるシートは、手差し給紙部240により搬送ローラ155へ給送される。手差し給紙部240は、ピックアップローラ241、分離ローラ242、及びメディアセンサ250を備える。手差し給紙部240は、給紙カセット220から給送されるシートの搬送経路との合流位置よりも、シートの搬送方向で上流側に配置される。手差しトレイ244に載置されるシートは、ピックアップローラ241により手差し給紙部240へ引き込まれる。手差し給紙部240に引き込まれたシートは、分離ローラ242により、公知の分離技術により1枚ずつ分離されて搬送ローラ155へ搬送される。
【0020】
シートは、搬送ローラ155に先端が到達する前に、メディアセンサ250によりシートの材質(厚さ、表面性)等のシート特性が検知される。シート特性に応じて、シート搬送条件等の画像形成条件が決定される。例えば、シートの搬送速度がシート特性に応じた搬送速度に変更される。具体的には、メディアセンサ250の検知結果からシートが厚紙と判断された場合、搬送速度は、シートが普通紙や薄紙の場合の搬送速度に対して、1/3の搬送速度(1/3速)に変更される。本実施形態では、さらに手差しトレイ244を用いた場合に特有のシート搬送条件の調整が行われる。ここで、普通紙とは、坪量が60[g/m2]以上200[g/m2]未満のシートである。薄紙とは、坪量が60[g/m2]未満のシートである。厚紙とは、坪量が200[g/m2]以上のシートである。
【0021】
メディアセンサ250の構成によっては、検知精度の向上のために、シートをメディアセンサ250の検知位置で一時停止或いは搬送速度を低下させる必要がある。本実施形態では、メディアセンサ250が手差し給紙部240に内蔵されているため、シート検知時の搬送条件が一定になるように、メディアセンサ250による検知時にシートの搬送を一時停止する。
【0022】
メディアセンサ250によるシート特性の検知結果に応じて決定された画像形成条件で、手差し給紙部240はシートの搬送を再開し、シートを搬送ローラ155へ搬送する。搬送ローラ155から二次転写部140の転写ニップ部141までのシートの搬送は、給紙カセット220から給送される場合と同じである。すなわち、シートは、搬送ローラ155からレジストローラ161へ搬送され、レジストローラ161で斜行補正が行われる。シートは、斜行補正後に、シートと中間転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部140で一致するようなタイミングで二次転写部140の転写ニップ部141へ搬送される。
【0023】
二次転写部140は、二次転写電圧が印加されることで、中間転写ベルト130に形成されたトナー像をシートに転写する。トナー像が転写されたシートは、定着器170へ搬送される。定着器170は、シートにトナー像を熱定着させる。定着器170は、熱定着するための温度(定着温度)が、メディアセンサ250の検知結果に応じて制御される。すなわち、メディアセンサ250の検知結果から得られたシート特性に応じて、画像形成条件である定着温度が決定される。定着器170は、熱定着の際に、決定した定着温度に温度制御される。
【0024】
定着器170の後段には、定着器170を通過したシートを検知する搬送センサ171が設けられる。定着器170でトナー像が定着したシートは、両面印刷の場合に両面搬送経路230に搬送され、画像形成が終了した場合に排紙搬送経路231に搬送される。搬送フラッパ172は、搬送センサ171によるシートの検知を契機にして動作し、シートを両面搬送経路230及び排紙搬送経路231のいずれかに振り分ける。
【0025】
両面搬送経路230に搬送されたシートは、画像が形成された面が反転されて、搬送ローラ155へ搬送される。その後、該シートは二次転写部140の転写ニップ部141へ搬送されて、反転された面に画像が形成される。
排紙搬送経路231は、搬送経路180と搬送経路181とに分岐する。フラッパ190は、排紙搬送経路231に搬送されたシートを搬送経路180と搬送経路181とのいずれかに振り分ける。搬送経路180に搬送されたシートは、排紙トレイ200へ排出される。搬送経路181に搬送されたシートは、排紙トレイ196へ排出される。
【0026】
(制御部)
図2は、画像形成装置100の動作を制御する制御部の構成図である。制御部20は、画像形成装置100に内蔵される。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、及び記憶部15を備える情報処理装置である。制御部20は、画像形成部17、操作部13、メディアセンサ250、給送モータ150、定着器170、及びレジストセンサ160が接続される。
【0027】
操作部13は、ディスプレイ及びタッチパッドにより構成されるタッチパネル、キーボタン等を備える入出力デバイスである。ユーザは、操作部13を用いて画像形成処理に関する各種情報(枚数、画質、両面/片面印刷、白黒印刷、カラー印刷等)、画像形成処理の開始指示等を入力することができる。
【0028】
CPU10は、ROM11からコンピュータプログラムを読み込み、RAM12を作業領域に用いて実行することで画像形成装置100の動作を制御する。本実施形態では、CPU10は、シートのシート特性をメディアセンサ250の検知結果から検知し、このシート特性に応じた画像形成条件により画像形成動作を制御する。例えば、CPU10は、メディアセンサ250を含む各種センサの検知結果、及びユーザによる操作部13からの各種情報、指示の入力に応じて、画像形成部17、給送モータ150、及び定着器170の動作を制御して、画像形成処理を行う。
【0029】
画像形成部17は、制御部20の制御により、画像形成ユニット120a~120d、レーザスキャナ122a~122d、中間転写ベルト130、一次転写部123a~123d、及び二次転写部140の動作を制御する。画像形成部17は、画像形成ユニット120a~120d、レーザスキャナ122a~122d、及び中間転写ベルト130の駆動制御を行う。画像形成部17は、一次転写部123a~123d及び二次転写部140に高電圧(一次転写電圧、二次転写電圧)を供給する。給送モータ150は、搬送経路上に設けられるシートを搬送するための各種ローラの駆動源である。給送モータ150は、制御部20の制御により動作する。制御部20は、定着器170の動作や定着温度を制御する。
【0030】
以上のような構成の制御部20は、操作部13や不図示の外部装置から画像形成動作の開始指示を受け付けると、各部の動作を制御して画像形成を行う。制御部20は、画像形成動作の開始指示に応じて、まず、給送モータ150によりピックアップローラ151或いはピックアップローラ241を回転駆動する。ピックアップローラ151は、給紙カセット220からシートを1枚ずつ給送する。ピックアップローラ241は、手差しトレイ244からシートを1枚ずつ給送する。ピックアップローラ241により搬送されるシートは、メディアセンサ250により検知される。制御部20は、メディアセンサ250の検知結果に基づいて、搬送中のシートのシート特性を検知する。制御部20は、シート特性に応じて、画像形成速度や定着器170の定着温度等の画像形成条件を決定する。例えば、制御部20は、シート特性に応じた感光ドラム121の回転速度、レーザスキャナ122a~122dの走査速度、中間転写ベルト130の回転速度、シートの搬送速度、及び定着温度等を決定する。制御部20は、決定した画像形成条件に基づいて給送モータ150等の駆動部や画像形成部17、定着器170の動作を制御する。
【0031】
(メディアセンサ)
図3は、メディアセンサ250の説明図である。
図3(a)に示すように、メディアセンサ250は、シートの表面性を検知する光学センサ部251と、シートの厚みを検知する厚み検知部252と、を備える。
【0032】
光学センサ部251は、光源255とラインセンサ256とを備える。光源255は、例えばLED(Light Emitting Diode)により構成される。ラインセンサ256は、直線上に並ぶ複数の受光素子により構成される。受光素子の並ぶ方向が主走査方向である。
図3(b)に示すように、ラインセンサ256は、n個の受光素子P1~Pnを備える。1つの受光素子が1画素に対応する。ラインセンサ256は、各受光素子P1~Pnの画素毎に、受光量に基づく出力電圧を出力する。
【0033】
光学センサ部251は、手差しトレイ244から引き込まれたシート253の表面に対して、手差し給紙部240内の搬送経路254上で、光源255により光を照射する。照射された光は、シート253により反射されてラインセンサ256の各受光素子P1~Pnに受光される。各受光素子P1~Pnは、受光した反射光の光量に応じた出力信号(出力電圧)を出力する。CPU10は、ラインセンサ256の各受光素子P1~Pnから、出力信号(出力電圧)を取得する。シート253の表面が平滑であれば各受光素子P1~Pnの出力電圧の差は小さい。CPU10は、隣接する受光素子(画素)から出力される出力電圧の差に基づいて、シート253の表面の凹凸を検知することができる。また、シート253からの反射光量が大きいほど出力電圧は大きくなる。そこで、CPU10は、取得した出力電圧の総和に基づいて、シート253の光沢性を検知することができる。
【0034】
厚み検知部252は、シート253の表面に接触するローラ257と、エンコーダセンサ258と、を備える。厚み検知部252は、シート253がメディアセンサ250の検知領域を通過する際のローラ257の押し込まれ量を、エンコーダセンサ258により検知する。エンコーダセンサ258は、ローラ257の押し込まれ量の検知結果に対応したパルス数のパルス信号を出力する。厚み検知部252は、パルス信号に基づいて出力電圧を出力する。CPU10は、ローラ257の押し込まれ量を表す出力信号(出力電圧)を厚み検知部252から取得する。CPU10は、押し込まれ量に基づいてシート253の厚みを検知することができる。
【0035】
図4は、メディアセンサ250の検知結果とシート特性との関係説明図である。
図4(a)は、シート253の表面の粗さ(凹凸度)と隣接する画素間の出力電圧の差分の総和(差分総和A)との関係を表す。
図4(b)は、シート253の厚み(紙厚)と押し込まれ量を表す出力信号(厚み検知値B)との関係を表す。
図4(c)は、シート253の光沢度と出力電圧(輝度値)の総和(輝度総和C)との関係を表す。メディアセンサ250の検知結果の値の増加に応じて、いずれのシート特性(凹凸度、紙厚、光沢度)も線形に増加する。
【0036】
差分総和Aについて説明する(
図4(a))。差分総和Aは、ラインセンサ256の各受光素子P1~Pnによる各画素の出力電圧(輝度値)をP1、P2…Pnとすると、以下の式1で表される。シート253の表面の凹凸が大きく粗いほど差分総和Aが大きくなるため、表面性の凹凸度が出力電圧(輝度値)の差分総和Aとして検知可能である。表面が滑らかなシート253ほど、差分総和Aが小さい値となる。
A=(P2-P1)+(P3-P2)+…(Pn-P(n-1)) …(式1)
【0037】
厚み検知値Bについて説明する(
図4(b))。ローラ257は、シート253の厚みが大きいほど大きく押し込まれる。そのためにローラ257の押し込まれ量は、シート253の厚みが大きいほど大きくなる。厚み検知値Bがローラ257の押し込まれ量を表すために、CPU10により検知されるシートの厚みは、
図4(b)に示すような傾向となる。
【0038】
輝度総和Cについて説明する(
図4(c))。輝度総和Cは、ラインセンサ256の各受光素子P1~Pnによる各画素の出力電圧(輝度値)をP1、P2…Pnとすると、以下の式2で表される。輝度総和Cは、シート253の表面の光沢度が高いほど大きな値となり、再生紙のように光沢度が低いほど低い値となる。このように輝度総和Cは、シート253の光沢度を表す。
C=P1+P2+P3+…+Pn …(式2)
【0039】
図5は、メディアセンサ250の検知結果からシート種類を判定する方法の説明図である。メディアセンサ250の検知結果から得られる差分総和Aと厚み検知値Bとにより、手差しトレイ244から給送されるシートのシート種別が判定可能である。
【0040】
厚紙光沢紙の場合、シートは、表面が滑らかで且つ厚みが大きな材質である。このようなシートは、差分総和Aが小さく且つ厚み検知値Bが大きくなるために、
図5のG1群にプロットされる。エンボス紙のような厚紙で且つ表面に凹凸がある種類のシートは、差分総和Aが大きく且つ厚み検知値Bが大きくなるために、
図5のG2群にプロットされる。このように、差分総和A及び厚み検知値Bに基づいて、シート種類が判定される。
【0041】
シート種類の判定は、差分総和値A及び厚め検知値Bのそれぞれに閾値Ath、Bth、Bth2を設定して行われる。差分総和値A<閾値Ath且つ厚み検知値B>閾値Bthの場合、シートはG1群に分類される厚紙光沢紙に判定される。差分総和値A>閾値Ath且つ厚み検知値B>閾値Bthの場合、シートはG2群に分類されるエンボス紙に判定される。厚み検知値B<閾値Bth2の場合、シートは、差分総和Aに関係なくG3群の薄紙に判定される。なお、閾値Bth2は閾値Bthよりも小さい値である。
【0042】
以上のような本実施形態のメディアセンサ250は、光学センサ部251及び厚み検知部252を備えた構成に限定されない。例えば、メディアセンサ250には、圧電素子等の超音波センサと光学センサとを備えた構成であってもよい。超音波センサを備える場合、超音波センサの検知結果からシート特性として坪量が検知可能となる。シートの厚さと坪量には相関があるために、坪量が薄紙閾値より小さい場合にCPU10はシートを薄紙と判定し、坪量が厚紙閾値より大きい場合にCPU10はシートを厚紙と判定する。さらに、より高精度にシートの種類を判定するため、メディアセンサ250は、光学センサ部251、厚み検知部252、及び超音波センサをすべて備えた構成であってもよい。
【0043】
図6は、メディアセンサ250の配置の説明図である。上記の通り本実施形態のメディアセンサ250は、手差し給紙部240内に配置される。メディアセンサ250は、シートの搬送方向で分離ローラ242の下流側に隣接する。また、メディアセンサ250は、給紙カセット220から給送されるシートの搬送経路との合流位置よりも上流側に配置される。
【0044】
シートは、手差しトレイ244から取り込まれて、搬送方向の先端が搬送ローラ155に到達する前で一旦搬送が停止される。メディアセンサ250は、この状態でシート特性を検知する。このタイミングでシートの種類が判定されることで、その後のシート給送時のシート搬送条件や定着温度等の画像形成条件に、該シート特性の検知結果を反映させることができる。手差しトレイ244からシートを給送する場合、シートの種類(サイズ、表面性、厚み)は、給紙カセット220からシートを給送する場合よりも多岐に渡る。そのために手差しトレイ244からシートを給送する場合は、給紙カセット220からシートを給送する場合よりも画像形成条件の変化が多い。
【0045】
例えば、シートが厚紙光沢紙の場合、厚紙光沢紙は、給紙カセット220からの搬送経路が屈曲しているために給送が困難であり、手差しトレイ244から給送される。しかし厚紙光沢紙は、表面の摩擦が小さく、ピックアップローラ241及び分離ローラ242がスリップを起こすことでシートの搬送が遅延することがある。この場合、普通紙と同じ紙間距離(連続して搬送するシートの間隔)で2枚目のシートの給送を開始すると、1枚目のシートの後端に2枚目のシートの先端が衝突して紙詰まり等の搬送不良が発生する可能性がある。
【0046】
シートが薄紙の場合、薄紙は、給紙カセット220からの搬送経路が屈曲しているために、皺が生じて搬送が困難である。しかし手差しトレイ244から給送される場合、薄紙は、搬送経路が直線状となるために搬送が容易である。薄紙を給送する場合、搬送されるシートの斜行の補正が困難になる可能性がある。斜行補正は、上記の通り、レジストローラ161の停止中にシートをレジストローラ161のニップ部に衝突させ且つ搬送ローラ155がシートを所定の搬送量だけ搬送して、シートにループを形成することで行われる。シートが薄紙の場合、このループ量が大きくなりシートに皺が生じる。薄紙は、皺が生じることでダメージを受け、成果物の品質が低下し、ユーザビリティも低下する。厚紙の場合にはスリップを考慮して搬送量を調整することで、ループ量を調整して斜行補正が行われるために、薄紙とは最適なシート搬送条件が異なる。
【0047】
斜行補正の際のシートのループ量は、シートの種類に応じて最適に設定される。そのためにメディアセンサ250は、レジストセンサ160よりもシートの搬送方向で上流側に配置される必要がある。また、搬送ローラ155とレジストセンサ160との間の搬送経路は、給紙カセット220からシートを給送する搬送経路と、手差しトレイ244からシートを給送する搬送経路のとの合流点の下流側に位置する。この位置は、斜行補正時にシートがループを形成する領域である。そのためにメディアセンサ250は、この位置でシート特性を正確に検知することができない。したがって、手差しトレイ244から給送されるシートのシート特性を検知するメディアセンサ250は、レジストセンサ160及び搬送ローラ155よりもシートの搬送方向で上流側に配置される。
【0048】
(シート搬送条件)
画像形成条件として、シート搬送条件が調整される場合について説明する。
図7は、メディアセンサ250の検知結果から特定されたシートの種類に基づくシート搬送条件の説明図である。ここではシート搬送条件として紙間距離、斜行補正時のループ量、及びジャム発生の判定基準について説明する。
図7(a)は、紙間設定の説明図である。
図7(b)は、斜行補正時のループ制御の説明図である。
図7(c)は、紙詰まりを判定する時間(ジャムマージン)の設定変更の説明図である。
【0049】
図7(a)では、連続して搬送されるシートの先端間の距離を紙間距離とする。普通紙等を給送する標準モードの紙間距離をD0、厚紙光沢紙を給送する厚紙光沢紙モードの紙間距離をD1とする。厚紙光沢紙の場合、スリップを考慮して紙間距離にマージンをもたせるために、D1がD0よりも大きい値になる。厚紙光沢紙は、上記の通り、表面の摩擦が小さいために普通紙よりも搬送が遅延する。CPU10は、手差しトレイ244から給送されるシートが厚紙光沢紙である場合に、紙間距離を厚紙光沢紙に応じた値(D1)に設定してシートの給送を制御する。CPU10は、手差しトレイ244から給紙したシートのシート特性をメディアセンサ250の検知結果から判断して、シートの種類を特定する。CPU10は、特定したシートの種類に基づいて紙間距離を設定する。CPU10は、ピックアップローラ241が給紙を開始してから紙間距離に応じた時間だけシートを搬送すると、次のシートの給紙を開始する。このように紙間距離が最適に設定される。
【0050】
斜行補正時のループ制御では、レジストローラ161のニップ部にシート253の先端が突き当てられてシート253が停止している状態で搬送ローラ155が所定の搬送量だけシート253を搬送することで、シート253のループが形成される。ループ量は、レジストセンサ160がシート253の先端を検知してから搬送ローラ155がシート253の搬送を継続する時間により決定される。すべての種類のシートに対してレジストローラ161が所定時間停止することで一定量のループが生じて斜行が補正されるが、厚紙光沢紙及び薄紙では、画像形成及びシートの状態に問題が生じる可能性がある。
【0051】
厚紙光沢紙の場合、シート253と搬送ローラ155とのスリップにより想定よりも搬送量が少なくなり、斜行補正のための時間を普通紙の場合よりも多く確保しなければ十分な斜行補正ができない可能性がある。薄紙の場合、普通紙と同等のループ量ではシートに皺が生じるために、斜行補正の時間を普通紙の場合よりも短くする必要がある。
【0052】
CPU10は、メディアセンサ250の検知結果から判断してシートの種類を特定する。
図7(b)に示すように、シートが普通紙等の場合、CPU10は、標準モードとしてレジストセンサ160がシートの先端を検知してからの搬送ローラ155の搬送時間をR0に設定する。シートが厚紙光沢紙の場合、CPU10は、厚紙光沢紙モードとしてレジストセンサ160がシートの先端を検知してからの搬送ローラ155の搬送時間をR1に設定する。R1はR0よりも長い時間となる。シートが薄紙の場合、CPU10は、薄紙モードとしてレジストセンサ160がシートの先端を検知してからの搬送ローラ155の搬送時間をR2に設定する。R2はR0よりも短い時間となる。このように斜行補正時の最適な搬送条件が設定される。搬送時間の経過後に、レジストローラ161はシートの搬送を再開する。
【0053】
ジャムマージンの設定変更では、シート搬送時の紙詰まりを判定する時間を設定するために、レジストセンサ160の検知結果が用いられる。
図7(c)では、レジストセンサ160は、シートを検知するとローレベルの信号を出力する。シートを検知していない場合、レジストセンサ160はハイレベルの信号を出力する。CPU10は、レジストセンサ160から取得する信号がハイレベルからローレベルに遷移するタイミングで、シートが搬送されてきたことを検知する。
【0054】
図7(c)では、手差しトレイ244からシートの給送を開始したタイミングを「0」として連続給紙した場合のレジストセンサ160の出力を例示する。ここでは、厚紙光沢紙モードで連続通紙しており、紙間距離がD1である。
標準モードの場合には、シートの給送開始から時間S0が経過したタイミングでレジストセンサ160の検知位置にシートが搬送される。CPU10は、公差α1を考慮して、時間S0にα1を加算した時間S1の経過までにシートがレジストセンサ160に検知されない場合に紙詰まり等の給送トラブルが発生したと判断する。
厚紙光沢紙モードの場合には、シートのスリップが発生する可能性があるために、CPU10は、公差を標準モード時よりも多くとる。CPU10は、時間S0に公差α1よりも大きな公差α2を加算した時間S2の経過までにシートがレジストセンサ160に検知されない場合に紙詰まり等の給送トラブルが発生したと判断する。
【0055】
つまりCPU10は、メディアセンサ250の検知結果からシートの種類を特定する。シートが普通紙等の場合、CPU10は、標準モードとして、シートの給送開始からレジストセンサ160がシートの先端を検知するまでの時間S1を設定する。CPU10は、時間S1経過までにレジストセンサ160がシートを検知しなければ給送トラブルが発生したと判断する。シートが厚紙光沢紙の場合、CPU10は、厚紙光沢紙モードとして、シートの給送開始からレジストセンサ160がシートの先端を検知するまでの時間S2を設定する。CPU10は、時間S2経過までにレジストセンサ160がシートを検知しなければ給送トラブルが発生したと判断する。時間S2は時間S1よりも長い時間である。
【0056】
なお、ジャム判定は、搬送経路に設けられる他のセンサの検知結果からも行われる。他のセンサの場合にも同様に、シートの種類に応じてシートの先端を検知するまでの時間が設定されて、給送トラブルの発生が判断される。
【0057】
(シート搬送条件の決定方法)
図8は、画像形成条件であるシート搬送条件の決定方法を表すフローチャートである。この処理は、ユーザが手差しトレイ244にシートを載置して操作部13により画像形成処理の開始指示を入力することで開始される。なお、定着温度等の他の画像形成条件も同様の処理で決定される。
【0058】
CPU10は、画像形成処理の開始指示を受け付けると、ピックアップローラ241及び分離ローラ242により手差しトレイ244に載置されたシートを手差し給紙部240に引き込む(S1000)。CPU10は、
図3(a)に例示するように、メディアセンサ250による検知位置までシートを引き込む。CPU10は、シートがメディアセンサ250の検知位置に到達するとシートの搬送を一時停止する(S1001)。CPU10は、例えばメディアセンサ250の光学センサ部251の出力信号の変化により、シートがメディアセンサ250の検知位置に到達したか否かを判断する。
【0059】
CPU10は、メディアセンサ250の検知結果に基づいて、シート特性を検知する(S1002)。CPU10は、シート特性としてシートの凹凸度(差分総和値A)、紙厚(厚み検知値B)、及び光沢度(輝度総和C)を検知する。CPU10は、検知したシート特性(差分総和値A、厚み検知値B、輝度総和C)をRAM12に保存する。CPU10は、RAM12に保存したシート特性に基づいて、給送するシートが厚紙光沢紙であるか否かを判定する(S1003)。CPU10は、
図5に例示するように、メディアセンサ250の検知結果が、差分総和値A<閾値Ath且つ厚み検知値B>閾値Bthの場合にシートを厚紙光沢紙に判定する。
【0060】
シートが厚紙光沢紙である場合(S1003:Y)、CPU10は、厚紙光沢紙時のシート搬送条件を設定する。つまりCPU10は、連続して給送する場合のシートの紙間距離としてD1(
図7(a)参照)を設定する(S1004)。CPU10は、斜行補正時のレジストセンサ160のシート検知タイミングからの搬送ローラ155の搬送時間としてR1(
図7(b)参照)を設定する(S1005)。CPU10は、シート給送開始からレジストセンサ160のシート検知タイミングまでの紙詰まり判定時間としてS2(
図7(c)参照)を設定する(S1006)。CPU10は、シートの搬送速度として普通紙の搬送速度の1/3(1/3速)を設定する(S1007)。
【0061】
CPU10は、このように設定したシート搬送条件に基づいてシートの搬送を再開する(S1017)。CPU10は、ユーザにより指示された画像形成処理を行い処理を終了する(S1018)。
【0062】
シートが厚紙光沢紙ではない場合(S1003:N)、CPU10は、RAM12に保存したシート特性に基づいて、給送するシートが薄紙であるか否かを判定する(S1008)。CPU10は、
図5に例示するように、メディアセンサ250の検知結果が、厚み検知値Bが閾値Bth2未満の場合にシートを薄紙に判定する。
【0063】
シートが薄紙である場合(S1008:Y)、CPU10は、薄紙時のシート搬送条件を設定する。つまりCPU10は、連続して給送する場合のシートの紙間距離としてD0(
図7(a)参照)を設定する(S1009)。CPU10は、斜行補正時のレジストセンサ160のシート検知タイミングからの搬送ローラ155の搬送時間としてR2(
図7(b)参照)を設定する(S1010)。CPU10は、シート給送開始からレジストセンサ160のシート検知タイミングまでの紙詰まり判定時間としてS1(
図7(c)参照)を設定する(S1011)。CPU10は、シートの搬送速度として普通紙の搬送速度(1速)を設定する(S1012)。
【0064】
CPU10は、このように設定したシート搬送条件に基づいてシートの搬送を再開する(S1017)。CPU10は、ユーザにより指示された画像形成処理を行い処理を終了する(S1018)。
【0065】
シートが薄紙ではない場合(S1008:N)、CPU10は、普通紙時のシート搬送条件(標準条件)を設定する。つまりCPU10は、連続して給送する場合のシートの紙間距離としてD0(
図7(a)参照)を設定する(S1013)。CPU10は、斜行補正時のレジストセンサ160のシート検知タイミングからの搬送ローラ155の搬送時間としてR0(
図7(b)参照)を設定する(S1014)。CPU10は、シート給送開始からレジストセンサ160のシート検知タイミングまでの紙詰まり判定時間としてS1(
図7(c)参照)を設定する(S1015)。CPU10は、シートの搬送速度として普通紙の搬送速度(1速)を設定する(S1016)。
【0066】
CPU10は、このように設定したシート搬送条件に基づいてシートの搬送を再開する(S1017)。CPU10は、ユーザにより指示された画像形成処理を行い処理を終了する(S1018)。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置100は、手差しトレイ244からシートを給送する場合に、該シートのシート特性を内部に備えるメディアセンサ250を用いて検知し、検知したシート特性に応じたシート搬送条件でシートを搬送する。シート搬送条件が適切に調整されるために、従来よりも多くの種類のシートを安定して給送することができる。そのために、画像形成に用いられるシートの種類が多くなり、ユーザビリティが向上する。また、シート搬送条件以外の画像形成条件についてもシート特性に応じて調整される。そのために画像形成に用いられるシートの種類に適した画像形成が行われ、安定した画質の成果物が提供可能となる。