(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理の制御方法、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241216BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241216BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38
G06F3/12 322
G06F3/12 336
G06F3/12 338
(21)【出願番号】P 2020183169
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】栗原 主計
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129299(JP,A)
【文献】特開2013-191056(JP,A)
【文献】特開2009-042964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログイン処理を行う画像処理装置と通信を行う情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであり、
前記制御方法は、
前記情報処理装置が有する表示部と、前記画像処理装置の有する表示部とに表示する画面が互いに連携するように表示制御された画面を表示する表示工程と、
前記画像処理装置からログアウトするための第一ボタンと前記表示制御を停止するための第二ボタンとを表示し、前記第二ボタンに対する操作を受け付けると、前記画像処理装置からユーザーをログアウトさせるための指示を前記画像処理装置に対して送信する送信工程と
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記表示制御を停止するとは、前記表示制御を行うための通信の切断である
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記表示制御された画面を表示するアプリケーションが動作している
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記アプリケーションは前記画像処理装置に対して印刷指示又はスキャン指示を行うためのアプリケーションである
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御は前記画像処理装置の有する表示部に表示する画面と同一の画面を、前記情報処理装置が有する表示部に表示する制御である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置と前記画像処理装置はVNC(Virtual Network Computing)接続を行い、前記表示制御はVNCを用いた制御である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
情報処理装置と画像処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置が有する表示部と、前記画像処理装置の有する表示部とに表示する画面が互いに連携するように表示制御する表示制御部と、
ユーザー情報に基づいてユーザーを前記画像処理装置にログインさせるログイン処理部と、
前記画像処理装置からログアウトするための第一ボタンと前記表示制御を停止するための第二ボタンとを表示制御する第二表示制御部と、
前記ログイン処理部でユーザーをログインさせた状態で、前記第二ボタンに対する操作を前記情報処理装置で受け付けると、当該ログインさせた状態のユーザーをログアウトさせるように前記画像処理装置を制御する制御部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
前記第二ボタンに対する操作を前記情報処理装置で受け付けると、前記画像処理装置がログアウト処理を実行させる指示が前記情報処理装置から前記画像処理装置に送信される
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第二ボタンに対する操作を前記情報処理装置で受け付けると、
前記第二
ボタンに対する操作があったことに対応するイベントを示す情報が前記情報処理装置から前記画像処理装置へ送信され、前記制御部は前記イベントを示す情報に基づいてユーザーをログアウトさせる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
ログイン処理を行う画像処理装置と通信を行う情報処理装置であって、
前記情報処理装置が有する表示部と、前記画像処理装置の有する表示部とに表示する画面が互いに連携するように表示制御された画面を表示する表示手段と、
前記画像処理装置からログアウトするための第一ボタンと前記表示制御を停止するための第二ボタンとを表示し、前記第二ボタンに対する操作を受け付けると、前記画像処理装置からユーザーをログアウトさせるための指示を前記画像処理装置に対して送信する送信手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
ログイン処理を行う画像処理装置と通信を行う情報処理装置が実行する制御方法であって、
前記情報処理装置が有する表示部と、前記画像処理装置の有する表示部とに表示する画面が互いに連携するように表示制御された画面を表示する表示工程と、
前記画像処理装置からログアウトするための第一ボタンと前記表示制御を停止するための第二ボタンとを表示し、前記第二ボタンに対する操作を受け付けると、前記画像処理装置からユーザーをログアウトさせるための指示を前記画像処理装置に対して送信する送信工程と
を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操作パネルの遠隔操作に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置における操作画面を遠隔から操作するため、RFB(Remote FrameBuffer)プロトコルを用いたVNC(Virtual Network Computing)を用いることで、画像形成装置の操作画面をPCや携帯端末などから操作できるようにする方法が開示されている。具体的にはVNCサーバー機能を有する画像形成装置が、VNCクライアント機能を有する端末に対して、操作画面の画面情報を送信する。端末は、受信した画面情報に基づき、画像形成装置の操作パネルに表示されている操作画面と同じ画面を表示する。ユーザーは端末に表示された画面上で操作を行なうことで、画像形成装置の操作パネルを操作せずとも、画像形成装置の提供する操作画面でログインを行なったり、画像形成装置に処理を実行させることができる。
【0003】
特許文献1には、VNCを用いて画像処理装置を遠隔から操作する場合、画像処理装置の本体操作部が操作を一定時間受け付けないと、画像処理装置が節電モードに移行するという方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、VNC等を用いて端末から画像処理装置を遠隔操作する場合、画像処理装置にログインした状態でVNC接続を切断しても、画像処理装置は当該ユーザーのログイン状態を継続する。例えば、ユーザーが端末から画像処理装置にVNC接続を行い、端末を操作することで画像処理装置にログイン、印刷処理を行った後、ログアウト処理を行わずに端末上でVNCの接続を切断し遠隔操作を終了した場合、画像処理装置はユーザーがログインした状態の画面表示を継続するためセキュリティ的に問題が有る。そこで本発明はログアウト処理を行わずに遠隔操作が停止された場合でも、セキュリティが担保される方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ログイン処理を行う画像処理装置と通信を行う情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであり、前記制御方法は、前記情報処理装置が有する表示部と、前記画像処理装置の有する表示部とに表示する画面が互いに連携するように表示制御された画面を表示する表示工程と、前記画像処理装置からログアウトするための第一ボタンと前記表示制御を停止するための第二ボタンとを表示し、前記第二ボタンに対する操作を受け付けると、前記画像処理装置からユーザーをログアウトさせるための指示を前記画像処理装置に対して送信する送信工程とを有することを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0007】
遠隔操作が停止されると自動でログアウト処理が行われるため、ログアウト処理を行わずに遠隔操作が停止された場合でも、セキュリティが担保される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】携帯端末100のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】携帯端末100のソフトウェア構成を示す図である。
【
図4】MFP110のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】MFP110のソフトウェア構成を示す図である。
【
図6】本実施形の携帯端末側の処理を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形の画像形成装置側の処理を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形の携帯端末100の操作パネルで表示されるUIを示す図である。
【
図9】本実施形のMFP110の操作パネルで表示されるUIを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
(第一の実施例)
<本実施例におけるシステム構成>
まず、
図1を用いて、本実施例に係るシステム構成を説明する。ここでは情報処理装置の一例として携帯端末100とMFP110を例に説明を行うが、情報処理システムに含まれる装置はこれに限らない。携帯端末100とMFP110は、LAN(Local Area Network)に接続されており、互いに情報をやり取りすることが可能である。携帯端末100はアクセスポイント120を介してLANに接続している。
【0011】
携帯端末100はMFP110を遠隔操作するためのVNC(Vertual Network Computing)クライアント機能を持っている。具体的には、携帯端末100はRFB(Remote Frame Buffer)プロトコルに対応したVNCクライアントソフトを有する。携帯端末100は、MFP110に対してVNC接続を行い、MFP110の操作パネルに表示された画面を携帯端末100上に表示する。MFP110はVNCサーバー機能を有していて、携帯端末100からVNC接続されると、画面情報をVNCクライアントである携帯端末100に送信する。携帯端末100は送信された画面情報に基づいて画面を描画する。描画された画面上で受け付けた操作、MFP110上で受け付けた操作に応じて携帯端末100、MFP110の表示部に表示される画面が変更されるように画面の連携が行われる。
【0012】
次に
図2を用いて、携帯端末100のハードウェア構成を説明する。なお、本実施形態の携帯端末100はスマートフォンやタブレットPC等の装置を想定しているが、MFP110と通信可能な情報処理装置であれば他の装置であってもよい。
【0013】
CPU201はROM202が記憶している制御プログラムを読み出して、携帯端末100の動作を制御するための様々な処理を実行する。ROM202は、制御プログラムを記憶している。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ストレージ204は、例えばeMMC、SSD、HDD等で写真や電子文書等の様々なデータを記憶する。また、後述するOS(Operating System)350やMFPアプリケーション300もストレージ204に記憶されている。RTC(Real Time Clock)205は、時間を計時する。
【0014】
なお、携帯端末100の場合、1つのCPU201が後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUが協働して後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
【0015】
操作パネル206は、ユーザーのタッチ操作を検出可能なタッチパネル機能を備え、OS350やMFPアプリケーション300が提供する各種画面を表示する。ユーザーは操作パネル206にタッチ操作を入力することで、携帯端末100に所望の操作指示を入力することができる。
【0016】
スピーカー207とマイク208は、ユーザーが例えば他の携帯端末や固定電話と電話をする際に使用される。カメラ209はユーザーの撮像指示に応じて撮像を行う。カメラ209によって撮像された写真は、ストレージ204の所定の領域に記憶される。無線通信部211は、無線通信LAN等の無線通信を実行する。
【0017】
次に
図3を用いて、携帯端末100のソフトウェア構成を説明する。
図3は、CPU201がROM202やストレージ204に記憶されている制御プログラムを読み出すことで実現されるソフトウェアの機能ブロック図である。
【0018】
OS350は、携帯端末100全体の動作を制御するためのソフトウェアである。携帯端末100には、後述するMFPアプリケーション300を含め、様々なアプリケーションをインストールすることができる。OS350はこれらのアプリケーションとの間で情報をやり取りし、アプリケーションから受けた指示に従って、操作パネル206に表示する画面を変更行う。また、OS350は、各種ハードウェアを制御するためのデバイスドライバ群を備えており、OS上で動作するアプリケーションに対して各種ハードウェアを利用する為のAPIを提供する。デバイスドライバ群として本実施例では、例えば無線LAN制御部351が相当する。無線LAN制御部351は無線通信部211を制御するためのデバイスドライバである。
【0019】
MFPアプリケーション300は、携帯端末100にインストールされたアプリケーションである。MFPアプリケーションからMFP110に対して印刷指示やスキャン指示を行うことができる。さらに上述したようにVNCクライアントとして動作し、MFP110の操作画面を表示し、MFP110を遠隔操作する機能も有する。携帯端末100には、MFPアプリケーション300の他に様々なアプリケーションがインストールされていてもよいが、ここでは説明を省略する。
【0020】
MFPアプリケーション300の構成についてさらに詳しく説明する。画面制御部301は、OS350を介して操作パネル206に表示する画面を制御する。画面制御部301によって、MFPアプリケーションの画面が操作パネル206に表示される。また、画面制御部301は、操作パネル206を介してユーザーが入力した操作指示を受け付ける。通信部302は、OS350を介して、無線通信部211による無線通信を制御し、MFP110等の外部装置と情報の送受信などを行う。
【0021】
デバイス検索制御部311は、携帯端末100が接続する外部装置を探索する探索用データを生成し、無線通信部211によってLAN10上の装置に送信される。そして該当探索に応答する外部装置からのレスポンスを受信する。探索用データは、LAN10上のすべての外部装置に対してブロードキャストする場合もあるし、1台の外部装置に対して、アドレスを指定して送信する場合もある。
【0022】
印刷ジョブ生成部305は、印刷ジョブを生成する。印刷ジョブ生成部305によって生成された印刷ジョブは、無線通信部211によってMFP110に送信され、MFP110は受信した印刷ジョブに応じて印刷を実行する。
【0023】
スキャンジョブ制御部307は、無線通信部211を介してMFP110にスキャン指示を送信し、MFP110は当該指示に基づいてスキャンを実行し、スキャンして生成したデータ(スキャンデータ)を携帯端末100に送信する。携帯端末100は受信したスキャンデータを表示する。スキャンデータを保存する場合は、記憶部306に記憶される。記憶されたスキャンデータは、ドキュメント管理部308によって管理される。
【0024】
遠隔操作部313は、VNC接続しているMFP110から取得した画面情報を基に画面表示し、表示した画面上での操作を受け付ける。つまりVNCクライアントとして動作する。具体的にはVNCサーバーから受信した画面情報を基に画面を表示し、表示した画面上で受け付けた操作の位置や操作の種類等を含む操作情報をMFP110に送信する。MFP110は受信した操作情報を基に、MFP110に表示する画面、携帯端末100が表示している画面を変更する。アプリ記憶部306は、MFPアプリケーション300で生成した様々な情報を一時的に記憶する。計時部304は、時間を計時する。
【0025】
図4は、MFP110のハードウェア構成の一例を示したものである。MFP110は、ROM3030あるいは、例えばハードディスクなどの大規模記憶装置3110に記憶されたプログラムを実行するCPU3020を備え、CPU3020はシステムバス3010に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0026】
3040はRAMで、CPU3020の主メモリ、ワークエリア等として機能する。3060は外部入力コントローラー(PANELC)で、複合機に備えられた各種ハードキー3120あるいはタッチパネル(PANEL)3070から等からの指示入力を制御する。3080はディスプレイコントローラー(DISPC)で、例えば液晶ディスプレイなどで構成される表示モジュール(DISPLAY)3090の表示を制御する。3110はディスクコントローラー(DKC)で、大規模記憶装置(HD)3110を制御する。
【0027】
図9の900を用いてMFP110の操作部に関する説明を行う。DISPLAY3090に画面が表示され、 DISPLAY3090の隣にハードキー3120が配置される。DISPLAY3090上のタッチパネル3070、ハードキー3120の両方でユーザー操作を受付可能である。ハードキー3120であるログアウトキー901は、ユーザーがMFP110にログインしている状態で押下すると、MFP110に対してログアウト処理の指示を行うためのボタンである。
【0028】
3050はネットワークインタフェースカード(NIC)で、ネットワーク10を介して、外部装置(例えば携帯端末100)あるいはファイルサーバ等と双方向にデータをやりとりする。3400は無線通信モジュールであり、アクセスポイントと接続することや、またはアクセスポイントモードで動作することで、MFP110をアクセスポイントとして動作させ、携帯端末100と直接無線通信接続することができる。3200はプリンターであり、電子写真方式で実現される紙への印字部である。印字方式は、特に電子写真方式でなくてもよい。3300はスキャナーであり、紙に印字された画像を読み込むための画像読み取り部である。多くの場合、画像読み取り部3300にはオプションとしてADF(オートドキュメントフィーダ)(不図示)が装着されており、複数枚の原稿を自動的に読み込むことができる。なお、大規模記憶装置3110は、場合によっては画像の一時記憶場所としても使われることがある。
【0029】
図5はMFP110のソフトウェア構成を示すブロック図である。本ソフトウェアは、例えばROM3030に格納され、CPU3020によって実行される。
【0030】
UI処理部510は、外部入力コントローラー3060からの入力、または後述する操作情報受信部522から受け取った操作情報を解析し、画面変更が必要である場合には、画面データを生成して、DISPLAY3090に表示する。
【0031】
DISPLAY3090には、
図9に示すように種々の画面が表示される。例えばIDカードログイン画面920、キーボードログイン画面910や、ほかにもログイン中に表示されるメニュー画面930、エラー発生時に表示されるエラー画面(不図示)、カウンタ情報などを表示するカウンタ画面(不図示)などが表示される。MFP110がスリープ中にはDISPLAY3090は非表示状態となる。
【0032】
IDカードログイン画面920は、ユーザー情報が紐付いたIDカードでMFP110にログインするための画面であり、当該画面を表示中にMFP110のIDカードリーダーにIDカードをかざすことで、ユーザー情報が読み込まれログイン処理が行われる。キーボードログイン画面切り替えボタン921を押下すると、キーボードログイン画面910に表示が切り替わる。
【0033】
キーボードログイン画面910は、ユーザー情報をキーボードで入力することでMFP110にログインするための画面である。ハードキー3120または、ソフトキーボード(不図示)を使用して、ユーザー名入力欄911、パスワード入力欄912を入力し、ログインボタン913を押下することでログイン処理を行う。IDカードログイン切り替えボタン914を押下すると、IDカードログイン画面920に表示が切り替わる。
【0034】
メニュー画面930は、キーボードログイン画面910やIDカードログイン画面920を介してMFP110にログインした後に表示されるメニュー画面である。ユーザーが用途に応じて、コピーボタン931、スキャンボタン932、またはプリントボタン933を押下することでMFP110の各種機能を利用できる。ユーザがログアウトボタン934を押下すると、ログアウト処理が行われる。
【0035】
遠隔操作処理部520は、接続処理部523、操作情報受信部522、画面送信部521の各モジュールを含む。遠隔操作処理部520は、RFBプロトコルによる通信をおこなうVNCサーバーモジュールであり、VNCクライアントとして動作する携帯端末100とネットワークを介して通信するソフトウェアモジュールである。接続処理部523は、MFP110やVNCクライアントである携帯端末100からの接続要求を受け付けた場合に接続処理を行い、接続の切断要求を受け付けた場合に切断処理を行う。
【0036】
操作情報受信部522は、携帯端末100、MFP110から画面の操作情報を受信し、UI処理部510に通知する。画面送信部521は、UI処理部510が生成した画面データをRAM3040から読み取って、VNCクライアントである携帯端末100に送信するなどして画面の表示制御を行う表示制御部である。
【0037】
ログイン処理部530は、MFP110のログイン処理を行うモジュールであり、UI処理部から受け付けたユーザー情報等に基づいて、ユーザー認証を行い、ユーザー認証に成功するとログインを行う。また、UI処理部510等からログアウトの指示を受け付けた場合は、ログアウト処理を行う。ネットワーク制御部500はネットワークI/F3050を制御するためのモジュールである。その他に図示していないが、プリンター3200を制御するプリンタモジュール、スキャナー3300を制御するスキャナモジュールも存在する。
【0038】
図8は、携帯端末100の操作パネル206に表示する画面の一例である。携帯端末110を起動すると、ホーム画面810が表示される。MFPアプリケーションアイコン811はMFPアプリケーション300を起動するためのアイコンであり、MFPアプリケーションアイコン811が操作されると、MFPアプリケーション300が起動する。
【0039】
MFPアプリケーション300が起動されると、アプリホーム画面(デバイス未選択)820が表示される。選択デバイスアイコン821は、現在MFPアプリケーション300が通信しているMFP、ジョブの送信対象としているMFP(以降、対象MFP)の情報が表示される。対象MFPが設定されていない場合は、「No Printer」と表示されている。デバイス検索ボタン823は、対象MFPを検索するボタンである。リモートオペレーションボタン822は、対象MFPとVNC接続し対象MFPを遠隔操作するためのボタンである。ホーム画面810には、これら以外にも対象MFPに印刷ジョブを送信するためのプリントボタン824や、スキャン指示するためのボタンが表示されていても良い。
【0040】
デバイス検索ボタン823が押下されると、ネットワーク内に存在するMFPの検索が実行され、検索結果としてデバイス検索画面830が表示される。デバイス検索画面830には、検索に応答したMFPの一覧が表示される。例えば検索結果の1つである検索結果831を選択することで、対象MFPが選択される。
【0041】
対象MFPが選択されると、アプリホーム画面(デバイス選択済)840が表示される。選択デバイスアイコン821には、デバイス検索画面830で選択されたMFPに関する情報が表示されている。対象MFPが選択された状態で、ユーザーがリモートオペレーションボタン822をタップすると、対象MFPの遠隔操作機能が開始される。ここで、対象MFPはMFP110であるとして以下の説明を行う。
【0042】
遠隔操作機能が開始されると、デバイス接続中画面850が表示される。ハードキー表示ボタン851は、押下されると、MFP110のハードキー3120を操作するためのUIを表示する。詳細は後述する。
【0043】
VNC接続が完了し、遠隔操作機能が確立すると、MFP110のDISPLAY3090に表示されている画面が操作パネル206に表示される。ここでは、キーボードログイン画面910と同一の画面、キーボードログイン画面860が表示される。ハードキー表示ボタン851が操作パネル206に表示されること以外に、画面内容はMFP110のキーボードログイン画面910と同一であるため説明は省略する。またMFP110がIDカードログイン画面920を表示していた場合は、IDカードログイン画面865が表示される。
【0044】
キーボードログイン画面860またはが行われると、メニュー画面930と同一のメニュー画面(ハードキー非表示)画面870が表示される(同様にDISPLAY3090にもメニュー画面930が表示される)。
【0045】
ハードキー表示ボタン851がタップされると、メニュー表示画面(ハードキー表示)875が表示される。つまりMFP110のハードキー3120の各キーの処理を割り当てたソフトウェアキーボードが表示される。ハードキーUI877は、MFP110のハードキー3120を操作するためのUIであり、ハードキーUI877に表示されているボタンをタップすると、押下したキー情報がMFP110に送信され、押下したキーに基づいてMFP110は処理を行う。MFP110のログアウトキー901に対応するログアウトキー879が押下されると、MFP110からログアウトする。またハードキーUI877上にある終了ボタン878がタップされると、遠隔操作機能を終了、つまりVNC接続を終了する。VNC接続を終了すると操作パネル206にはアプリホーム画面(デバイス選択済)840が表示される。また、VNC接続を終了された時は、DISPLAY3090にはVNC接続を終了する前に表示していた画面が表示され続ける。
【0046】
ログアウト処理を行わずにVNC接続だけ切断されるとセキュリティ的に問題が有る。例えば、ユーザーが遠隔操作機能を開始し、携帯端末100上からMFP110に印刷やスキャンといった処理を実行した後、ログアウトキー879を押下することを失念し、ログアウトキー879を押下せずにVNC接続を切断つまり終了ボタン878を押下する。そうするとDISPLAY3090にはVNC接続を切断前に表示していた画面が表示され続けるため、ユーザーがログイン状態の操作画面がDISPLAY3090に表示されて続けてしまう。この時、ユーザーは遠隔操作を行なっているので、MFP110の前にいるわけではなく、DISPLAY3090に表示されている画面を確認することができない。この問題を解消するため、遠隔操作機能の実行中にMFP101からログアウトすることなくVNC接続が切断、つまり終了ボタン878が押下された場合は、ログアウト処理も自動で行う例を説明する。
【0047】
図6は、携帯端末100が、MFP110とVNC接続し、遠隔操作を行なった後にVNC通信を切断するまでの処理を示すフローチャートである。
図6のフローチャートに示す各ステップは、CPU201がROM202等のメモリに格納された制御プログラムをRAM203に展開して実行することによって処理される。
【0048】
ステップS601では、ホーム画面810で、アイコン811がタップされたことを検知すると、MFPアプリケーション300が起動する。ステップS602では、アプリホーム画面820(デバイス未選択)でデバイス検索ボタン823がタップされたことを画面制御部301が検知してMFP検索を実行する。ステップS603では、デバイス検索画面830でMFPが選択されたかどうかを判別し、選択された場合は、アプリホーム画面(デバイス選択済)840に画面を遷移させ、ステップS604にすすむ。そうでない場合はS603に戻る。
【0049】
ステップS604では、アプリホーム画面(選択済)840で、リモートオペレーションボタン822が選択されたかどうかを判別し、選択された場合は、ステップS605に進み、そうでない場合はステップS604に戻る。
【0050】
ステップS605では、S604で選択されたMFPに対し、RFBプロトコルによる接続要求を行う。そして、ステップS606では、接続要求が受け付けられたかどうかを判別し、受け付けられた場合は、ステップS607に進み、受け付けられなかった場合はステップS614に進む。接続の受け付けの可否については、接続要求のレスポンスデータによって判断される。ステップS614では、接続拒否エラー画面880を画面制御部が表示し、処理を終了する。
【0051】
ステップS607では、RFBプロトコルにおける初期化処理を行う。初期化処理では、遠隔操作部313はVNCクライアント情報の送信と、VNCサーバー情報の受信を行う。
【0052】
ステップS608では、MFP110、つまりVNCサーバーから送信された画面情報基に遠隔操作部313は操作パネル206に画面を表示する。例えば、DISPLAY3090に表示されている画面がキーボードログイン画面910であれば、キーボードログイン画面860が操作パネル206に表示される。また、MFP110から画面情報が送信されるたびに逐次、S608で画面を表示するようにする。
【0053】
ステップS609では、遠隔操作部313は操作パネル206から入力操作を受け付けたかどうかを判別し、受け付けた場合は、ステップS610に進み、そうでない場合はS609の処理を繰り返す。ステップS610では、ステップS609で受け付けた操作情報をMFP110に送信する。操作情報は、例えばタップ、フリックといった操作の種類や、操作された画面上の位置情報、そしてハードキーUI877で操作されたキー情報などが送信される。
【0054】
ステップS611では、遠隔操作部313はVNC接続の終了操作を受け付けたかどうかを判別する。例えば、終了ボタン878が押下されたか否か判断する。終了操作を受け付けた場合は、ステップS612に進み、そうでない場合は、S609に戻る。
【0055】
ステップS612では、遠隔操作部313はログアウトキー879に対応する操作情報をMFP110に送信し、ステップS613に進む。ステップS613では、遠隔操作部313はVNCの切断処理を行い、処理を終了する。切断処理とは、たとえばMFP110に対して切断要求を送信することである。
【0056】
以上の処理により、ユーザーがMFPからログアウトせずに携帯端末上でVNC接続を切断した場合でも、MFPに対してログアウト指示を送信することができる。また以上のフローチャートでは、MFP110にログイン状態であるか否かに関わらず、終了ボタン878が押下されたらログアウトキー879に対応する操作情報をMFP110に送信していた。しかし、MFP110にログイン状態である場合のみ、終了ボタン878が押下されたらログアウトキー879に対応する操作情報を送信するようにしても良い。例えば、MFP110がユーザー非認証環境で動作する場合は、上述したようなVNC切断に応じてログアウト指示を送信することを行わないようにする。
【0057】
さらに以上のフローチャートでは、S612でログアウトキー879に対応する操作情報をMFP110に送信していた。しかし、ログアウトキー879が無いような場合は、MFP110のDISPLAY3090に表示されるログアウトボタンに対応する位置(例えばメニュー画面(ハードキー非表示)画面870のログアウトボタン934の位置)を押下したことを示す操作情報が携帯端末100からMFP110に送信されるようにしても良い。
【0058】
図7を用いてMFP110で実行される処理について説明する。
図7のフローチャートに示す各ステップは、CPU3020がROM3030等のメモリに格納された制御プログラムをRAM3040に展開して実行することによって処理される。
【0059】
ステップS701では、VNCクライアントである携帯端末100からVNC接続要求があるかどうかを接続判断部523が判別し、接続要求があった場合はステップS702に進む。接続要求がない場合は、ステップS701に戻る。ステップS702では、接続判断部523がネゴシエーション処理を行いVNCクライアントと接続を行う。ステップS703では、接続判断部523が初期化処理を行い、クライアント情報の受信とサーバー情報の送信を行う。
【0060】
ステップS704では、画面送信部521はDISPLAY3090に表示されている画面をVNCクライアントである携帯端末100に送信する。
【0061】
ステップS705では、操作情報受信部522は携帯端末100から操作情報を受信したかどうかを判別し、受信した場合は、ステップS706に進み、そうでない場合は、ステップS705に戻る。
【0062】
ステップS706では、S705で受信した操作情報に対応する処理を実行し、ステップS707に進む。この時、DISPLAY3090に表示される画面が変更された場合は、変更された画面情報がS704同様に携帯端末100に送信される。ステップS707では、操作情報受信部522がログイン指示を受け付けたかどうかを判別し、ログイン指示を受け付けた場合は、ステップS708に進みログイン処理を行ってからS709に進む。この時、DISPLAY3090に表示される画面が変更された場合は、変更された画面情報がS704同様に携帯端末100に送信される。例えば、操作情報が、キーボードログイン画面860のログインボタン913が押下された情報であった場合に、ログイン指示を受け付けたと判断する。ステップS707で、操作情報受信部522がログイン指示を受け付けていないと判断した場合は、ステップS709に進む。
【0063】
ステップS709では、操作情報受信部522がログアウト指示を受け付けたかどうかを判別し、ログアウト指示を受け付けた場合は、ステップS710に進む。ステップS709で、操作情報受信部522がログアウト指示を受け付けていないと判断した場合は、ステップS705に戻る。ここではステップS705に進む例を示すが、ログアウト指示を受け付けていない場合、ステップS711に処理を進めるようにしても良い。ログアウト処理の受付は、例えばログアウトキー879が押下されたという操作情報を受け付けたかどうかで判別することができる。またS612でログアウトキー879に対応する操作情報が送信された場合もログアウト処理を受付けたと判断する。
【0064】
ステップS710では、ログアウト処理を実行し、ステップS711に進む。この時、DISPLAY3090に表示される画面が変更された場合は、変更された画面情報がS704同様に携帯端末100に送信される。ステップS711では、接続判断部523がVNCの切断要求があるかどうかを判別し、切断要求がある場合はステップS712にすすみ、そうでない場合はステップS705に戻る。ステップS712では、VNCの切断処理を行い、処理を終了する。以上の処理では携帯端末100上でユーザー操作を受け付けて、画面が変更されるたびに変更した画面情報がMFP110から携帯端末100に送信される例を示した。MFP110上でユーザー操作を受け付けた場合や、ユーザー操作を受け付けずに画面が変更された場合も同様に画面が変更されるたびに画面情報がMFP110から携帯端末100に送信される。
【0065】
以上の処理により、MFP110は携帯端末100上で受け付けた操作に応じてMFP110、携帯端末100に表示する画面を制御することができる。また、携帯端末100でログアウト操作を受け付けずに、VNC切断操作が行われた場合でも、ログアウト処理を行ってからVNC切断することができる。
【0066】
本実施例により、携帯端末上でMFPを遠隔操作する場合に、ログアウト処理を行うことなく当該遠隔処理を停止する操作をモバイルで受け付けると、遠隔処理を停止する前に自動でMFPのログアウト処理を行うことができる。このようにVNC接続の切断時に、MFPのログアウト処理も自動で行うことで、セキュリティを向上することができる。ここでは、遠隔処理を停止するボタン操作をモバイルで受け付けると自動でログアウト処理を行う例を説明したがこれに限らない。例えば、MFPアプリケーション300がユーザー操作等で閉じられた場合も自動でログアウト処理を行うようにしてもよい。この場合、MFPアプリケーション300は、自アプリケーションを閉じるときにMFPに対してログアウト指示を出す。
【0067】
なお、本実施例では、終了ボタン878にログアウトキー879に対応する操作情報を対応付けておき、終了ボタン878が押下されるとログアウトキー879に対応する操作情報が携帯端末100からMFP110に送信される例を示したが、これに限らない。終了ボタン878が押下されたら、ログアウトの指示を直接携帯端末100がMFP110に送信するようにしてもよい。また、終了ボタン878が押下された情報をMFPが携帯端末から受信したら、それに応じてMFPがログアウト処理を行うようにしても良い。
【0068】
さらに、モバイル端末上からVNC切断指示を行う場合だけでなく、MFP上でVNCの切断を受け付けたら、MFPは自動でログアウト処理を行うようにしても良いし、MFP上でVNCの切断を受けつけたらユーザーはMFPの前にいるということなので、ログアウト処理をおこなわないようにしても良い。
【0069】
(第二の実施例)
第一の実施例では携帯端末上でVNC接続を切断する操作を受け付けると自動でログアウト処理を行う例を示した。しかし、VNC接続を切断する操作を受け付けなくても、ユーザーの意図しないタイミングでVNC接続が切断される可能性もある。そこで本実施例では、ユーザーの意図しないタイミングでVNC接続が切断された場合でもログイン処理を行う例を説明する。ユーザーの意図しないタイミングとは例えば通信障害でVNC接続が切断された場合や、VNC接続中に携帯端末の電源が切れたことでVNC接続が切断された場合である。
【0070】
この場合は、VNCサーバーであるMFP側がVNC接続が切断されたことを検知して、当該検知に基づいて自動でログアウト処理を行う。以上の実施例により、ユーザーが意図しないタイミングで携帯端末とMFPがVNC接続を切断した場合でも、自動でMFPはログアウト処理を行うため、ログイン状態のMFPが他人に使用されるリスクは無くなる。
【0071】
(その他の実施例)
以上の実施例では、携帯端末上で遠隔操作を停止するイベント(終了ボタン878の押下、MFPアプリケーション300のシャットダウン等)を受け付けると自動でMFPがログアウト処理を行うようにした。しかし遠隔操作を停止するイベントを受け付けると、MFPは自動でオートクリア処理を行うようにしても良い。オートクリア処理とは表示されている画面を初期画面に設定されている画面に戻す処理である。
【0072】
また以上の実施例では、VNC接続でMFPが表示している画面と同一の画面を携帯端末に表示する例を示したが、これに限らない。例えばMFPの画面と同じ画面を表示するのではなく、MFPの画面を拡張した画面を携帯端末で表示するような場合でも以上の実施形態は適用可能である。
【0073】
さらに、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0074】
100 携帯端末
110 MFP
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 HDD
205 RTC
206 操作パネル
211 無線通信部
300 MFPアプリケーション