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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】カートゲート
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20241216BHJP
   B62B 3/14 20060101ALI20241216BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20241216BHJP
【FI】
H02J50/10
B62B3/14
H02J50/90
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020194466
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083174
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅一
(72)【発明者】
【氏名】大石 禎利
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-061266(JP,A)
【文献】特開2006-101577(JP,A)
【文献】特開2020-018069(JP,A)
【文献】特開2020-066267(JP,A)
【文献】特開2020-066270(JP,A)
【文献】特開2020-068553(JP,A)
【文献】特開2020-068649(JP,A)
【文献】特開2020-156258(JP,A)
【文献】特開2020-156297(JP,A)
【文献】特開2021-044928(JP,A)
【文献】登録実用新案第3201863(JP,U)
【文献】米国特許第5610584(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0222514(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0207427(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0291764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/00
H02J 7/00
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側部に受電装置を備えるカートの両側部に対向配置され、前記カートの走行方向に沿って配される一対のガイド部と、前記受電装置に給電する送電装置と、を備え、
一対の前記ガイド部は、前記カートの走行面から上方に離間した所定位置に配置され、前記カートの走行方向に延びる第1サイドロッドを備え、
前記一対のガイド部のいずれかまたは両方は、前記第1サイドロッドよりも内側において前記走行方向に延びる第2サイドロッドをさらに備え、
一対の前記ガイド部の間の距離は間に配される前記カートの幅寸法よりも大きく、前記カートの幅寸法との差が、前記受電装置と前記送電装置の給電可能距離以下である、カートゲート。
【請求項2】
前記カートの走行面上に配置され、前記カートの走行方向に延びる一対のサイドフレームを有するベース部を備える、請求項1に記載のカートゲート。
【請求項3】
前記ガイド部は前記ベース部に支持され、
前記ベース部に支持され前記走行方向に沿って配列される複数の前記送電装置を備える、請求項2に記載のカートゲート。
【請求項4】
側部に受電装置を備えるカートの両側部に対向配置され、前記カートの走行面上に配置され、前記カートの走行方向に延びる一対のサイドフレームを有するベース部と、前記カートの走行方向に沿って配される一対のガイド部と、前記受電装置に給電する送電装置と、を備え、
一対の前記ガイド部は、前記カートの走行面から上方に離間した所定位置に配置され、前記カートの走行方向に延びるロッドであり、
一対の前記ガイド部の間の距離は間に配される前記カートの幅寸法よりも大きく、前記カートの幅寸法との差が、前記受電装置と前記送電装置の給電可能距離以下であり、
前記ベース部は、先頭に配される前記カートの前輪の位置を規制する前輪ガイドを備え、
一対の前記サイドフレームの内側に、前記カートの後輪の第1方向における位置を規制する後輪ガイドが設けられる、カートゲート。
【請求項5】
前記ガイド部の内側に回転可能なローラが設けられる、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカートゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、給電システム用のカートゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が操作するショッピングカートなどのカート(移動台車)に電子機器を搭載して様々なサービスを提供するシステムが考案されている。カートには、電子機器に電力を供給するバッテリが搭載されている。カートに搭載されたバッテリの充電システムとして、収納位置に収納したカートに非接触で給電する非接触電力伝送技術が採用される。例えば給電システムにおいて、カートに受電コイルを設け、収納位置に収納したカートの受電コイルに電力を供給する送電コイルが収納位置に搭載されている。例えば、カートの先端部下側に受電コイルを設け、収納位置の床面に送電コイルを設けて給電を行う、カートへの給電装置がある。また、カートの側面に、受電コイルを設け、送電コイルを、受電コイルに対向して、床面から直立する形で配置する構成も検討されている。非接触電力伝送において、電力を効率良く伝送するために、コイル等の受電側のアンテナと送電側のアンテナとの位置合わせが重要である。たとえば、受電側のアンテナと送電側のアンテナとの位置合わせをするために、カートを配置する収容部の床面に、カートの車輪を配置するガイドレールを設け、カートの位置を規定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-101577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で電力を効率良く伝送できるカートゲートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態にかかるカートゲートは、側部に受電装置を備えるカートの両側部に対向配置され、前記カートの走行方向に沿って配される一対のガイド部と、前記受電装置に給電する送電装置と、を備え、一対の前記ガイド部は、前記カートの走行面から上方に離間した所定位置に配置され、前記カートの走行方向に延びる第1サイドロッドを備え、前記一対のガイド部のいずれかまたは両方は、前記第1サイドロッドよりも内側において前記走行方向に延びる第2サイドロッドをさらに備え、一対の前記ガイド部の間の距離は間に配される前記カートの幅寸法よりも大きく、前記カートの幅寸法との差が、前記受電装置と前記送電装置の給電可能距離以下である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る給電システムの構成を示す斜視図。
図2】同給電システムの構成を示す背面図。
図3】同給電システムの構成を示す上面図。
図4】同給電システムのカートの構成を示す斜視図。
図5】給電システムの制御系の構成を示すブロック図。
図6】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す斜視図。
図7】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す背面図。
図8】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す斜視図。
図9】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す背面図。
図10】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す斜視図。
図11】同実施形態にかかる給電システムの構成を示す背面図。
図12】他の実施形態にかかる給電システムの構成を示す斜視図。
図13】同実施形態にかかる給電システムの構成を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、第1実施形態に係る給電システムについて図1乃至図5を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る給電システムの構成を示す斜視図であり、図2は給電システムを後方から見た背面図、図3は上面図である。図4はカートの構成を示す斜視図であり、図5は給電システムの制御系の構成を示すブロック図である。一例として、カート2の前後方向が第1方向に、カート2の幅方向が第2方向に沿って配され、上下方向が第3方向に沿って配置される例を説明する。
給電システム1は、受電装置23を備えるカート2と、カート2を設置するとともに送電装置35を備えるカートゲート3と、を備える。給電システム1は、複数の送電装置35を第1方向に並べて備えるカートゲート3において、受電装置23をそれぞれ備える複数のカート2が、第1方向に並べて収納され、複数の送電装置35と複数の受電装置23が所定の間隔で対向配置される。
【0008】
図4に示すように、カート2は、移動体であり、例えばショッピングカートである。カート2は、フレーム11と、かご部12と、キャスタ151、152と、電子機器21と、バッテリ22が内部に設けられたバッテリボックス223と、受電装置23と、を備える。
【0009】
フレーム11は、異なる複数の方向に延びる複数のフレーム部材が組みつけられて構成される。フレーム11は、所定箇所にかご部12、複数のキャスタ151、152、各種の電子機器21、及び受電装置23をそれぞれ所定箇所に支持する。
【0010】
フレーム11は、左右一対の縦フレーム部111と、下フレーム部112と、横フレーム部113と、ハンドル部114と、取付フレーム115と、を備える。縦フレーム部111と、下フレーム部112と、横フレーム部113とは、互いに交差する方向に延びる。
【0011】
縦フレーム部111は、後輪キャスタ152から上方に延びる一対のメインフレーム1111と、メインフレーム1111の後ろ側に設けられた一対のサブフレーム1112と、メインフレーム1111の前側に設けられた一対のサブフレーム1113と、を備える。縦フレーム部111は、かご部12の後方において上下方向に延び、下端部に後輪キャスタ152が配置される。
【0012】
メインフレーム1111は例えば屈曲していてもよい。サブフレーム1112、1113は、メインフレーム1111に固定される。サブフレーム1112は、上下方向である第3方向に延び、メインフレーム1111の屈曲部の後ろ側において、屈曲部の一方側と他方側とを連結する。サブフレーム1113は、上下方向である第3方向に延びる。サブフレーム1113は上端がメインフレーム1111の前側に接続され、下端が下フレーム部112のメインフレーム1121の上側に接続されている。
【0013】
下フレーム部112は、床面に沿って配される複数のフレーム部材を備える。下フレーム部112は、例えば一対のメインフレーム1121と、一対のサブフレーム1122と、サポートフレーム1123と、前連結部1124と、を備える。メインフレーム1121は、後輪キャスタ152から前輪キャスタ151に向けて前方に延びる。サブフレーム1122は、メインフレーム1121の下側にそれぞれ配される。サポートフレーム1123は、メインフレーム1121の内側において床面に沿うバスケット置場を構成する。前連結部1124は、カート2の下端の前端部において幅方向に延び、一対のメインフレーム1121の前端を連結する。
【0014】
横フレーム部113は、左右の縦フレーム部111間に渡されて幅方向に延びる複数本のリンクフレーム1131、1132、1133を備える。
【0015】
ハンドル部114はカート2の後端部の上方に配置される。ハンドル部114は縦フレーム部111の上端部に連続して配される。一例としてハンドル部114は幅方向に延びている。
【0016】
取付フレーム115は、縦フレーム部111に接続される。例えば取付フレーム115は、一方の縦フレーム部111の上方に延び、各種電子機器21を支持する。
【0017】
フレーム11において、縦フレーム部111にかご部12が支持され、かご部12の下方に配される下フレーム部112の前端部及び後端部に、前輪キャスタ151及び後輪キャスタ152がそれぞれ設けられる。また、フレーム11において、縦フレーム部111の下端部と下フレーム部112の後端部とで構成されるコーナー部分に、受電装置23が設けられる。また、縦フレーム部111にバッテリボックス223が設けられる。例えば縦フレーム部111の一対のサブフレーム1112にバッテリボックス223が支持される。
【0018】
また、下フレーム部112において一対のメインフレーム1121、及び一対のサブフレーム1122は、前側の幅方向の間隔が狭くなるように、前方が中央に向けて斜めに延びている。したがって、フレーム11は、カート2の前進方向において前側の幅が狭く、後方の幅が広く、形成される。
【0019】
かご部12は、例えば有孔のパネル部材やメッシュ状のワイヤ部材により、上方に開口する箱状に構成される。かご部12は、各種商品や商品を収容したバスケットが配置される収容部を構成する。かご部12は、縦フレーム部111の前方において、床面から上方に離間した高さに配される。かご部12は、その後端部の左右両側が縦フレーム部111に支持される。かご部12は、カート2の前進方向において前側が狭く、後方が広く形成される。かご部12は、左右のメインフレーム1111及びメインフレーム1111間に渡されたリンクフレーム1131に支持され、下端を自由端として開閉可能な開閉パネル121を有し、後方が開閉可能に構成されている。
【0020】
前輪キャスタ151及び後輪キャスタ152は、移動方向に回転する車輪153と、車輪153を回転可能に軸支するブラケット部154と、をそれぞれ備える。ブラケット部154はフレーム11に対して回動可能に取り付けられている。キャスタ151,152の車輪153が床面上で回転することによりカート2が移動する。また、キャスタ151,152のブラケット部154が回転することにより、カート2の走行方向が変更可能である。
【0021】
フレーム11及びかご部12の形状と同様に、前方の前輪キャスタ151は後方の後輪キャスタ152よりも左右の幅が狭くなるように配置されている。したがって、カート2は、例えば複数のカート2を前後に連ねて収納する場合に、後ろのカート2のフレーム11が、前のカート2のフレーム11に沿って重なるように収納可能である。前後にカート2を重ねる際、後方のカート2のかご部12の先頭が、開閉パネル121を前方に押して持ち上げ、前方のかご部12の後面を開放することで、後方のカート2のかご部12が前方のかご部12内に挿入され、複数のカート2がスタックして収納される。また、カート2は複数台が重ねて配置された際に、例えば前後のカート2のフレーム11が互いに所定の位置関係を保って係合し、一定のピッチで受電装置23が位置決めされて並ぶように構成されている。
【0022】
電子機器21は、利用者に情報を提供するためのタブレット端末などの情報端末、あるいは、利用者が選択した商品の情報を取得する商品リーダである。電子機器21は、例えばバッテリ22に接続され、電子機器21はバッテリ22からの電力によって駆動される。電子機器21は、バッテリ22からの電力によって利用者が所持する携帯端末(例えば、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラなど)の電子機器を充電するための充電装置などであっても良い。
【0023】
本実施形態において、例えば電子機器21として、タブレット端末211および商品リーダ212を備える例を示す。タブレット端末211は、タッチパネルを設けた表示部を有するコンピュータである。タブレット端末211は、ハンドル部114側に位置する利用者に表示部を向けて設置される。例えば、タブレット端末211は、商品リーダ212によって読み取った商品の情報を表示する。また、タブレット端末211は、商品リーダ212により読取った商品に対する精算処理を行うものであっても良い。
【0024】
商品リーダ212は、商品の情報を読取る装置である。また、商品リーダ212は、読取った商品の情報を表示する表示部を有するものであっても良い。例えば、商品リーダ212は、かご部12に出し入れする商品に添付されたRFIDタグなどを読み取るRFIDタグリーダである。また、商品リーダ212は、商品に添付されたバーコードなどの商品識別情報を読み取るスキャナであっても良い。
【0025】
なお、電子機器21は、タブレット端末211に代えて利用者が所持する携帯端末(スマートフォン、タブレット端末など)を接続するためのインターフェース機器であっても良い。電子機器21としてのインターフェース機器に接続する携帯端末は、上述したタブレット端末211と同様な処理を行うようにしても良い。また、電子機器21としてのインターフェース機器は、携帯端末が具備するバッテリを充電するものであっても良い。なお、電子機器21としてのインターフェース機器は、バッテリ22を内蔵するものであっても良いし、別途設けたバッテリ22に接続するものであっても良い。
【0026】
バッテリボックス223は、フレーム11に設けられる。バッテリボックス223は、例えばかご部12の開閉パネル121の下方に配された一対のサブフレーム1112に固定され、支持される。バッテリ22は、カート2に搭載される電子機器21に電力を供給する電源装置であり、充電回路221及び二次電池222を備える。バッテリ22は、受電装置23に接続され、受電装置23によって充電される。
【0027】
充電回路221は、受電装置23の受電回路232から供給される電力を充電用の電力(充電電力)として二次電池222へ供給する。例えば、充電回路221は、受電回路232から供給された電力を二次電池222の充電に用いる直流電流(充電電力)に変換する。即ち、充電回路221は、受電回路232からの電力を、二次電池222を充電するための所定の電流値及び電圧値の充電電力に変換して二次電池222に供給する。充電回路221は、受電装置23からの電力によって二次電池を充電する。
【0028】
二次電池222は、充電回路221から供給される充電電力により充電される。また、二次電池222は、電子機器21に接続され、電子機器21へ電力を供給する。なお、バッテリ22は、電子機器21とは別に設けた電源装置(外部電源)とした構成であっても良い。
【0029】
図5に示すように、受電装置23は、ケーシング230と、受電コイル231と、受電回路232と、制御回路233と、表示部234と、を備える。例えば受電装置23において、ケーシング230内に受電コイル231と回路基板とが配されており、回路基板に受電回路232及び制御回路233を含む各種処理回路が搭載されている。
【0030】
受電装置23はカート2の側部であって、縦フレーム部111の下端部と下フレーム部112の後端部で構成されるコーナー部分に設けられている。受電装置23は、カート2の側部において後輪キャスタ152の上部に設けられ、受電コイル231の受電面2311をカート2が支持される床面である支持面に対して垂直または略垂直の状態に向けて配置される。受電装置23は、複数のカート2がスタックされて連なって収納された場合に、前後に隣接するカート2の受電装置23が互いに接触しないサイズに構成され、前後に隣接するカート2の受電装置23が互いに接触しない位置に配置される。
【0031】
ケーシング230は、受電コイル231及び各種回路が搭載された回路基板を収容する。ケーシング230はフレーム11を保持する保持部を備え、フレーム11に保持される。
【0032】
受電コイル231は、ケーシング230内に配置される。例えば、受電コイル231は、絶縁された電線が巻かれた巻線構造として構成されていても良いし、プリント基板上にコイルパターンが形成されて構成されていても良い。受電コイル231は、電力を受電する受電面2311が平面状に形成される。受電コイル231の受電面2311は、床面に対して垂直となる状態でフレーム11の側部において外側に向けて配置される。
【0033】
受電コイル231は、受電した交流電力を受電回路232に供給する。具体的には、受電コイル231は、送電コイル353からの送電電力を受電し、受電した電力を受電回路232へ供給する。
【0034】
受電コイル231は、受電用の共振用コンデンサ235と直列あるいは並列接続されることにより、受電共振回路を構成する。受電共振回路としての受電コイル231は、送電装置35の送電コイル353に近接すると、受電コイル231が送電コイル353と電磁結合する。受電コイル231では、送電装置35の送電コイル353から出力された磁界によって誘導電流が発生する。言換えると、受電コイル231は、送電装置35からの交流電力を受電している間、交流電源として機能する。また、電力伝送に磁界共振方式を利用する場合、受電コイル231としての受電共振回路の自己共振周波数は、送電装置35が送電する周波数と略同一となるように構成されている。このため、受電コイル231と送電コイル353とが電磁結合した場合の電力の伝送効率が向上する。
【0035】
受電回路232は、受電コイル231から供給される受電電力をバッテリ22又は電子機器21へ供給可能な電力に変換する。例えば、受電回路232は、受電コイル231から供給される受電電力を整流し、直流に変換する。受電回路232は、例えば、複数のダイオードにより構成する整流ブリッジを含む回路により実現される。この場合、整流ブリッジの一対の入力端子は、受電コイル231と共振用コンデンサ235から成る受電共振回路に接続される。受電回路232は、受電コイル231から供給された受電電力を全波整流することにより、直流電力を一対の出力端子から出力する。
【0036】
表示部234は、種々の情報を表示する表示装置である。例えば、表示部234は、受電装置23の状態を示すインジケータである。表示部234は、制御回路233の制御に応じて表示を切り替える。例えば、表示部234は受電装置23の動作状態に応じて点灯、消灯、あるいは表示色を切り替えるLEDである。あるいは表示部234は、動作状態をメッセージで表示する表示画面であってもよい。
【0037】
制御回路233は、受電回路232及び表示部234の動作を制御する。制御回路233は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータ等を記憶する。制御回路233は、マイコン、及び/または発振回路等により構成されていてもよい。例えば、制御回路233は、受電装置23の状態に応じて表示部234の表示を切り替える。
【0038】
受電装置23は、非接触で伝送される電力を受電し、受電した電力を電子機器21またはバッテリ22へ供給する。なお、受電装置23は、電子機器21に電力を供給する出力端子を備える構成としても良い。この場合、バッテリ22は、電子機器21を介して供給される電力によって充電される構成としても良い。
【0039】
カート2は、図1図2に示すように、所定の収納位置に設けられたカートゲート3に収納される。図1及び図2では、カートゲート3には、1台のカートあるいは複数台以上のカート2が入れ子状に連なって収納される。
【0040】
カート2を収納する収納装置としてのカートゲート3は、ベース部としてのガイドベース31と、ガイドゲート32と、複数の送電装置35と、を備える。
【0041】
ガイドベース31は所定の収納位置に敷設される。ガイドベース31は一対のサイドフレーム311と、フロントフレーム312と、前輪ガイド313と、リアフレーム314と、を有する。サイドフレーム311は例えば第1方向に延び、車輪の走行方向を第1方向に案内する。一方のサイドフレーム311は、複数の送電装置35を第1方向に等間隔に配される。一対のサイドフレーム311の間の寸法WOは、カート2の下端部の幅寸法よりも大きく構成されている。
フロントフレーム312は第2方向に延び、両端が一対のサイドフレーム311の前端部に接続される。フロントフレーム312は、先頭のカート2の前輪キャスタ151の第1方向の位置を規制し、カート2の前端位置を規定する。前輪ガイド313は、フロントフレーム312の所定位置から後方に延びるレール部材であり、最前部のカート2の前輪キャスタ151の車輪153の位置を規制する。前輪ガイド313は、例えば第1方向の寸法が前輪キャスタ151の車輪153の第1方向の寸法と同等であり、入り口側となる後方の第2方向内側縁が、第2方向外側に拡大するように傾斜するテーパ状部を有する。一対の前輪ガイド313は、先頭のカートの前輪キャスタ151の車輪153が配される位置の僅かに外側に配置されることで、前輪キャスタ151の車輪153の幅方向の位置を規定する。リアフレーム314は、第2方向に延び、一対のサイドフレーム311間を連結する。リアフレーム314は、サイドフレーム311やフロントフレーム312よりも高さが低く、薄いフレーム材で構成され、走行を妨げない厚さに構成されている。
【0042】
ガイドゲート32は、ガイドベース31の前方部両端から立設される一対のフロントポール321と、ガイドベース31の後方部両端に配される一対のリアポール322と、ガイドベース31の両側縁において所定高さに配されるサイドバー323と、ガイドベース31の前方部において所定高さに配されるフロントバー324とを備える。フロントポール321、リアポール322、及びサイドバー323は、それぞれパイプ材または棒材で構成される。本実施形態において、フロントポール321とリアポール322はそれぞれサイドフレーム311の両端から上方に立設される。
【0043】
一対のサイドバー323はそれぞれ、ガイドベース31のサイドフレーム311の上方において第1方向に延びる第1サイドロッド3231と、各第1サイドロッド3231に支持されるとともに第1サイドロッド3231よりも内側において第1方向に延びる第2サイドロッド3232と、を備える。具体的には、第2サイドロッド3232の第1方向の両端部及び中央部からそれぞれ外方に延びる複数の接続部材3233によって、第1サイドロッド3231に接合されている。一対の第1サイドロッド3231と一対の第2サイドロッド3232はそれぞれカート2の走行方向に沿って水平に延びる。各サイドバー323において、第1サイドロッド3231と第2サイドロッド3232と複数の接続部材3233とが一体に連続して構成される。一対の第1サイドロッド3231は、フロントポール321とリアポール322の間に架け渡されて支持される。フロントバー324は一対のフロントポール321間に架け渡されて支持される。フロントバー324は、幅方向である第2方向に延びる。ガイドゲート32は、ガイドベース31上に置かれた複数台のカート2の前方及び両側部に対向配置され、カート2が配される領域を囲むように配置される。
【0044】
サイドバー323は、第2サイドロッド3232同士の間隔WPが、カート2の同高さ位置における幅寸法WCよりわずかに大きく構成される。たとえばサイドバー323はカート2に対して給電可能範囲内、例えば20mm以内の位置に配されるように、カート2の幅寸法WCと第2サイドロッド3232同士の間隔WPとの差が、受電装置23と送電装置35の給電可能範囲の最大値である給電可能距離以下に配置される。例えば、カート2の幅寸法WCと第2サイドロッド3232同士の間隔WPとの差は20mm以下に構成される。また受電装置23と送電装置35のギャップの狙い値がある場合には、給電可能距離からギャップの狙い値を差し引いた値を、カート2の幅寸法WCと第2サイドロッド3232同士の間隔WPとの差の最大値としてもよい。
【0045】
送電装置35は、サイドフレーム311に第1方向に並べて配置されることにより、カートゲート3内の収納位置(カート置場)にあるカート2の受電装置23に対して対向配置される。送電装置35は、受電装置23に対して非接触で電力を伝送する。
【0046】
送電装置35は、ケーシング350と、電源回路351と、送電回路352と、送電コイル353と、制御回路354と、表示部355と、共振用コンデンサ356と、を備える。例えば送電装置35において、ケーシング350内に、送電コイル及び回路基板が収容され、回路基板に電源回路351、送電回路352、及び制御回路354を含む各種回路が形成される。
例えば送電装置35はベースフレームの内側に向けて配置され、受電装置23との間が10~20mm程度の狭い間隔で近接して配置される。
【0047】
複数の送電装置35は例えばカートが重ねられた際に受電装置23が配列されるピッチに並び位置決めされる。一例として、複数の送電装置35がサイドフレーム311の内側に配される例を示すが、これに限られず、例えばサイドフレーム311上やサイドフレーム311の外側に配されていてもよい。
【0048】
電源回路351は例えば商用電源に接続するACアダプタなどを介して直流電力を送電回路352に供給する。例えば、電源回路351は、外部からの直流電源の電圧を各回路の動作に適した電圧に変換し、送電回路352に送電を行わせる為の電力を生成し、送電回路352に供給する。また、電源回路351は、制御回路354を動作させる為の電力を生成し、制御回路354に供給する。
【0049】
送電回路352は、送電電力を生成し、生成した送電電力を送電コイル353に供給する。例えば、送電回路352は、制御回路354の制御に基づき、電源回路351から供給される直流電力をスイッチングすることにより送電電力としての交流電力を生成する。送電コイル353は、送電回路352から供給される送電電力に応じて受電装置23が受電可能な電力を出力する。
【0050】
送電コイル353は、たとえば絶縁された電線が巻かれた巻線構造として構成されている。あるいは送電コイル353は、たとえばプリント基板上にコイルパターンが形成されて構成されていても良い。送電コイル353は、電力を送電する送電面3511が平面状に形成される。送電コイル353の送電面3511は、床面に対して垂直になる状態で、受電装置23の受電コイル231の受電面2311に対して所定の間隔で対向するように配置される。たとえば複数の送電コイル353が、収納位置に収納される状態の各カート2に設けられた複数の受電装置23の表面に沿って配される受電コイル231の受電面2311に対向する位置に設けられる。
【0051】
例えば、送電コイル353は、共振用コンデンサ356と直列あるいは並列接続されることにより送電共振回路を構成する。送電共振回路としての送電コイル353は、送電回路352から交流電力が供給されると、供給された交流電力に応じた磁界を発生させる。
【0052】
制御回路354は、送電回路352及び表示部355の動作を制御する。制御回路354は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータ等を記憶する。制御回路354は、マイコン、及び/または発振回路等により構成されていてもよい。
【0053】
例えば、制御回路354は、送電装置35の状態に応じて表示部355の表示を切り替える。また、制御回路354は、送電回路352から出力する交流電力の周波数の制御、及び送電回路352の動作のオンオフを制御する。例えば、制御回路354は、送電回路352を制御することにより、送電コイル353に磁界を発生させる状態(送電状態)と送電コイル353に磁界を発生させない状態(待機状態)とを切り替える。また、制御回路354は、送電コイル353に間欠的に磁界を発生させて、送電するタイミングを変更する制御を行うようにしても良い。
【0054】
表示部355は、送電装置35の状態を示すインジケータである。表示部355は、制御回路354の制御に応じて表示を切り替える。例えば、表示部355はLEDであり、送電装置35の動作状態に応じて点灯、消灯、あるいは表示色を切り替える。また、表示部355は液晶画面で、動作状態をメッセージで表示するようにしてもよい。
【0055】
以上のように構成されたカートゲート3に、カート2を収容する場合、例えばユーザがハンドル部114を把持して、カートゲート3の後方の開口から、カート2を前方に向かって押し進める。この時、カートゲート3のサイドバー323によって、カート2の位置が、規定され、前方に案内される。具体的には、サイドバー323の高さにおいてサイドバー323間のカート2の幅寸法WCが、サイドバー323間の寸法と僅か10mm程度のギャップで配置されることになる。このため、カートゲート3側とカート2側の幅方向の位置が高精度に規定され、カートゲート3側に設けられた送電装置35とカート2の側部に設けられた受電装置23が近接する。さらに、先頭のカート2をカートゲート3の前端部まで推し進めると、前輪ガイド313によってカート2の前輪キャスタ151の車輪153の第2方向の位置が規定され、フロントフレーム312によってカート2の前輪キャスタ151の車輪153の第1方向の位置が規定される。二台目以降のカート2は、前方に既に収容され位置決めされているカート2に重ねて入れ子状に配置されることから、第1方向及び第2方向に位置決めされる。
【0056】
上述した実施形態のカートゲート3によれば、簡易な構成で電力を効率良く伝送できる。すなわち、カート2の走行面AAよりも上方の所定高さに配されるサイドバー323の間隔を当該高さのカート2の部位の幅寸法より大きく、サイドバー323の間隔とカート2の幅寸法との差を給電可能範囲内、例えば20mm以下とすることで、簡易な構成としながら、送電装置35と受電装置23との間隔を規定でき、カート2との位置決めが容易となる。すなわち、例えば床面に車輪が通る溝などのレールがなくても、カート2との間隔を高精度に規定できる。したがって、受電面2311と送電面3511との距離を一定に保つことができ、電力を効率良く伝送できる。また、ユーザがカート2を保持して走行操作するハンドル部114に近い位置でガイドすることにより、操作の妨げにならず、かつ、位置決めしやすい。例えば下端部の車輪153を溝に嵌めることで走行をガイドする場合には、ユーザは下端の車輪153の位置を確認しながらハンドル部114の位置を操作する必要があり、位置合わせの操作が煩雑となるが、ハンドル部114に近い部位の位置をガイドする構成としたことにより操作性が高い。
【0057】
また、ガイドベース31の前部分に、先頭のカート2の前輪キャスタ151の車輪153の位置を規定する前輪ガイド313を備えることにより、走行方向に沿って前輪の走行を案内する溝等のレールを設ける場合と比較して簡易な構成で、カート2の位置決めが可能となる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態において例示したものに限られず、適宜変更可能である。
例えばカート2やカートゲート3の形状や具体的な構成は上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態においてはカート2の図中進行方向右側となる一方側の側部に受電装置23が配される例を示したが、他方側に配置されていてもよく、両方に配置されていてもよい。例えばバッテリボックス223がかご部12の下側に配置されていてもよい。
【0059】
例えば上記実施形態においては一対のガイド部材としてのサイドバー323が、2本のサイドロッド3231、3232で構成される例を示したが、これに限られるものではない。たとえば一方のサイドバー323が第1サイドロッド3231のみで構成されていてもよい。例えば他の実施形態として図6及び図7に示すカートゲート103は、送電装置35が配される側に第2サイドロッド3232を備えず、第1サイドロッド3231に、カート2が対向配置される。本実施形態において、複数の送電装置35はサイドフレーム311上に支持され、送電装置35の一部はサイドフレーム311の外側に配される。本実施形態においては、互いに対向する一方の第1サイドロッド3231と他方の第2サイドロッド3232との間隔が、サイドバー323の内側の間隔となり、間に配されるカート2の幅方向寸法WCより僅かに大きく構成される。例えば、カート2の幅寸法WCとサイドバー323の間隔WPとの寸法差は給電可能範囲となる寸法の最大値である給電可能距離以下、例えば20mm以下である。
【0060】
また、両側のサイドバー323が第1サイドロッド3231のみで構成されていてもよい。例えば他の実施形態として図8及び図9に示すカートゲート203は、第2サイドロッド3232を備えず、第1サイドロッド3231に、カート2が対向配置される。本実施形態において一対のフロントポール321は、リアポール322の下端部よりも対向間隔が狭く配置され、例えばサイドフレーム311よりも内側のフロントフレーム312から立設される。このような構成とすることにより、カート2のキャスタ151,152などがリアポール322と干渉することがなく、容易にカート2の出し入れが可能となる。
【0061】
一対のリアポール322はそれぞれ、サイドフレーム311の後端部から上方に立設され、上方の対向距離が狭まるように、内側に傾斜して延びる。したがって、サイドバー323を構成する第1サイドロッド3231が、サイドフレーム311よりも内側に配され、第1サイドロッド3231の対向間隔とカート2との距離が給電可能範囲の寸法以下、例えば20mm以下、好ましくは10mm以下となるように、間隔が狭められている。本実施形態においては、対向する第1サイドロッド3231同士の間隔が、サイドバー323の内側の間隔となり、間に配されるカート2の幅方向寸法WCより僅かに大きく構成される。例えば、カート2の幅寸法WCとサイドバー323の間隔WPとの寸法差は給電可能範囲内となる寸法の最大値である給電可能距離以下、例えば20mm以下である。
【0062】
さらに、他の実施形態として図10に示すカートゲート303のように、後輪キャスタ152の車輪153の位置決め部材を設けてもよい。例えば他の実施形態として図10に示すカートゲート303は、複数の送電装置35はサイドフレーム311上に配置されている。カートゲート303は、送電装置35がサイドフレーム11の内側に配置される構成よりも幅寸法が狭く構成され、第1のサイドロッド3231と第2のサイドロッド3232の間隔が狭く構成される。本実施形態にかかるカートゲート303において、サイドフレーム311の内側に後輪キャスタ152の車輪153の外側の位置を規制するガイドレール315が設けられている。ガイドレール315は例えば入り口となる後ろ側の間隔が広がるように、内側縁が傾斜するフレーム部材である。例えばガイドレール315は、サイドフレーム311の、前端のフロントポール321の近傍から、後端のリアポール322の近傍に至って形成される。本実施形態にかかるカートゲート303は、幅を狭く構成することができるとともに、ガイドレール315によって後輪キャスタ152の車輪153を案内することで、カート2の姿勢を安定させることができる。
さらに、後輪の第1方向における配列位置を規制する後輪ガイドを備えていてもよい。例えば他の実施形態として図11に示すカートゲート403において、サイドフレーム311の内側に後輪の配列位置を規制する後輪ガイドとしての規制レール316が複数設けられている。なお、規制レール316は、図11に示すカートゲート403のように、後輪キャスタ152の車輪153の後ろ側に配置される規制レール3161を備えてもよいし、例えば他の実施形態として図12に示すカートゲート503のように、後輪キャスタ152の車輪153の前後両方に規制レール3161,3162が設けられていてもよい。例えば規制レール3161、3162は後輪キャスタ152の車輪153の幅方向と同等の長さを有し、サイドフレーム311の第2方向内側で第1方向において所定の間隔で配列される。
また、サイドバー323の内側、すなわち、カート2に対向する側に、摩擦力を低下し、走行方向に案内するアシスト部材が設けられていてもよい。例えば他の実施形態として図13に示すカートゲート603において、サイドバー323の内側にアシスト部材として、回転可能なローラ318が複数配列されたローラ列319が設けられる。具体的には、サイドバー323は、外側に配される第1サイドロッド3231と、内側に配される第2サイドロッド3232を備え、第2サイドロッド3232の内側に、複数のローラ318が設けられる。複数のローラ318を備えるローラ列319は例えば上下に延びる軸を中心に回転可能に設けられ、カート2に対向する内側に露出する。第2サイドロッド3232はカート2がローラ318に当たると当接した部位のローラ318がカート2の移動方向に送られるように、回転することで、カート2を走行方向に低摩擦にて案内する。本実施形態においては、対向するローラ318の内側端部同士の間隔が、サイドバー323の内側の間隔となり、間に配されるカート2の幅方向寸法WCより僅かに大きく構成される。例えば、カート2の幅寸法WCとサイドバー323の間隔WPとの寸法差は給電可能範囲内となる寸法の最大値である給電可能距離以下、例えば20mm以下である。
【0063】
なお、各ロッドやポールは円柱状に限らず、角柱状であってもよいし、所定の幅を有するプレート形状としてもよい。
【0064】
以上述べた少なくともひとつの実施形態のカートゲートによれば、簡易な構成で電力を効率良く伝送できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
(1)
側部に受電装置を備えるカートの両側部に対向配置され、前記カートの走行方向に沿って配される一対のガイド部と、前記受電装置に給電する送電装置と、を備え、
一対の前記ガイド部の間の距離は間に配される前記カートの幅寸法よりも大きく、前記カートの幅寸法との差が、前記受電装置と前記送電装置の給電可能距離以下である、カートゲート。
(2)
一対の前記ガイド部は、前記カートの走行面から上方に離間した所定位置に配置され、前記カートの走行方向に延びるロッドであり、
前記カートの走行面上に配置され、前記カートの走行方向に延びる一対のサイドフレームを有するベース部を備える、(1)に記載のカートゲート。
(3)
前記ガイド部は前記ベース部に支持され、
前記ベース部に支持され前記走行方向に沿って配列される複数の前記送電装置を備える、(2)に記載のカートゲート。
(4)
前記ベース部は、先頭に配される前記カートの前輪の位置を規制する前輪ガイドを備え、
一対の前記サイドフレームの内側に、前記カートの後輪の第1方向における位置を規制する後輪ガイドが設けられ、(2)記載のカートゲート。
(5)
前記ガイド部の内側に回転可能なローラが設けられる、(1)乃至(4)のいずれかに記載のカートゲート。
【符号の説明】
【0066】
1…給電システム、2…カート、3、103、203、303、403、503、603…カートゲート、4…バスケット、11…フレーム、12…かご部、14…ハンドル、15…キャスタ、21…電子機器、22…バッテリ、23…受電装置、31…ガイドベース、32…ガイドゲート、35…送電装置、111…縦フレーム部、112…下フレーム部、113…横フレーム部、114…ハンドル、115…取付フレーム、121…開閉パネル、151…前輪キャスタ、152…後輪キャスタ、153…車輪、154…ブラケット部、211…タブレット端末、212…商品リーダ、221…充電回路、222…二次電池、223…バッテリボックス、230…ケーシング、231…受電コイル、232…受電回路、233…制御回路、234…表示部、235…共振用コンデンサ、311…サイドフレーム、312…フロントフレーム、313…前輪ガイド、314…リアフレーム、315…ガイドレール、316…規制レール(後輪ガイド)、3161…規制レール、3162…規制レール、318…ローラ、319…ローラ列、321…フロントポール、322…リアポール、323…サイドバー、3231…サイドロッド、3232…サイドロッド、3233…接続部材、324…フロントバー、350…ケーシング、351…電源回路、352…送電回路、353…送電コイル、354…制御回路、355…表示部、356…共振用コンデンサ、1111…メインフレーム、1112…サブフレーム、1113…サブフレーム、1121…メインフレーム、1122…サブフレーム、1123…サポートフレーム、1124…前連結部、1131…リンクフレーム、1132…リンクフレーム、1133…リンクフレーム、2311…受電面、3511…送電面。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13