(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ポンプ装置およびポンプシステム
(51)【国際特許分類】
F04B 49/00 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
F04B49/00 Z
(21)【出願番号】P 2020200188
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大悟
(72)【発明者】
【氏名】行方 重樹
(72)【発明者】
【氏名】澤田 暢介
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223153(JP,A)
【文献】特開平06-323259(JP,A)
【文献】特開2000-038997(JP,A)
【文献】特開2009-052532(JP,A)
【文献】実開平04-129889(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流通する配管(P)の所定位置に前記配管(P)から分岐するように吸入管(11c)が接続され、前記配管(P)の前記所定位置よりも下流の位置に合流するように吐出管(11d)が接続されたポンプ装置であって、
前記吸入管(11c)から供給された液体を前記吐出管(11d)に送出するポンプ(11)と、
前記ポンプ(11)を動作させるように構成された動力装置(12)と、
前記動力装置(12)の駆動を制御するように構成された制御ユニット(13)と、
前記液体の温度を検出し、検出された温度の情報を前記制御ユニット(13)に出力するように構成されたセンサ(15a)と、を備え、
前記制御ユニット(13)は、通信ネットワーク(N)を介して外部管理装置(30)に接続し、前記外部管理装置(30)から取得された情報に基づいて前記動力装置(12)の制御を行い、
前記制御ユニット(13)は、前記センサ(15a)によって検出された温度の情報を前記外部管理装置(30)に送信し、
前記センサ(15a)は、
前記吸入管(11c)に接続され前記吸入管(11c)内の前記液体の温度を検出する第1温度センサ(15a1)と、
前記吐出管(11d)に接続され前記吐出管(11d)内の前記液体の温度を検出する第2温度センサ(15a2)と、を含
み、
前記ポンプ(11)、前記動力装置(12)、前記制御ユニット(13)及び前記センサ(15a)は、一つの筐体(16)内に収容されており、
前記吸入管(11c)及び前記吐出管(11d)における前記ポンプ(11)との接続端とは逆側の端部は、前記筐体(16)から露出しており、前記ポンプ(11)と前記配管(P)との間を前記液体が循環可能となるように前記配管(P)に接続されている、ポンプ装置。
【請求項2】
ポンプ装置(10)と、前記ポンプ装置(10)に通信ネットワーク(N)を介して接続された外部管理装置(30)と、を含むポンプシステムであって、
前記ポンプ装置(10)は、
液体が流通する配管(P)の所定位置に前記配管(P)から分岐するように接続された吸入管(11c)から供給された前記液体を前記配管(P)の前記所定位置よりも下流の位置に合流するように接続された吐出管(11d)に送出するポンプ(11)と、
前記ポンプ(11)を動作させるように構成された動力装置(12)と、
前記動力装置(12)の駆動を制御するように構成された制御ユニット(13)と、
前記ポンプ(11)の状態を検出して、検出結果を前記制御ユニット(13)に出力する状態検出装置(15)と、を備え、
前記外部管理装置(30)は、前記動力装置(12)の制御を行うための情報を前記制御ユニット(13)に送信し、
前記状態検出装置(15)は、前記液体の温度を検出し、前記検出結果として温度データを出力する温度センサ(15a)を含み、
前記温度センサ(15a)は、前記吸入管(11c)に接続され前記吸入管(11c)内の前記液体の温度を検出する第1温度センサ(15a1)と、前記吐出管(11d)に接続され前記吐出管(11d)内の前記液体の温度を検出する第2温度センサ(15a2)と、を含
み、
前記ポンプ(11)、前記動力装置(12)、前記制御ユニット(13)及び前記センサ(15a)は、一つの筐体(16)内に収容されており、
前記吸入管(11c)及び前記吐出管(11d)における前記ポンプ(11)との接続端とは逆側の端部は、前記筐体(16)から露出しており、前記ポンプ(11)と前記配管(P)との間を前記液体が循環可能となるように前記配管(P)に接続されている、ポンプシステム。
【請求項3】
前記制御ユニット(13)は、前記状態検出装置(15)から出力される前記検出結果が所定の条件を満たす場合に前記ポンプ(11)を停止し、前記検出結果に基づいて前記ポンプ(11)を停止した場合に、異常検知情報を前記外部管理装置(30)に送信し、
前記外部管理装置(30)は、前記異常検知情報を取得した場合に、異常があった前記ポンプ装置(10)に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知する、請求項2に記載のポンプシステム。
【請求項4】
前記制御ユニット(13)は、前記検出結果を前記外部管理装置(30)にリアルタイムで送信する、請求項3に記載のポンプシステム。
【請求項5】
前記外部管理装置(30)は、前記制御ユニット(13)から送信された前記検出結果をグラフとして、前記通信ネットワーク(N)を介して前記外部管理装置(30)に接続されたユーザ端末に出力する、請求項4に記載のポンプシステム。
【請求項6】
前記制御ユニット(13)は、前記温度データが設定された閾値以上のときに前記ポンプ(11)を停止するように前記動力装置(12)を制御する、請求項2~5のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項7】
前記動力装置(12)の制御を行うための前記情報は、前記ポンプ(11)の停止制御を判定するための前記温度データについての前記閾値を含む、請求項6に記載のポンプシステム。
【請求項8】
前記ポンプ装置(10)は、前記外部管理装置(30)に前記ポンプ(11)の動作状況を送信し、
前記外部管理装置(30)は、前記ポンプ装置(10)の動作スケジュールを記憶しており、前記ポンプ装置(10)から送信される前記ポンプ(11)の動作状況が前記動作スケジュールと乖離している場合に、前記ポンプ装置(10)に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知する、請求項2~7のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置およびポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポンプ装置が開示されている。このポンプ装置は、ポンプと、当該ポンプを運転制御する制御手段とを備えている。制御手段は、外部からのポンプ制御信号を受信する送受信部を備える。制御手段は、携帯端末から発信された制御信号を送受信部によって受信して、受信した制御信号に基づいてポンプを運転制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のポンプ装置は赤外線通信等によって携帯端末と直接接続されるため、携帯端末を所持したユーザは、ポンプ装置に接続可能な限られた範囲で所定の操作を実行する必要がある。また、ユーザが複数のポンプ装置を管理している場合、ユーザは、携帯端末と複数のポンプ装置のそれぞれとを接続する必要がある。
【0005】
本発明は、ポンプの動作を遠隔地から簡便に管理できるポンプ装置およびポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一例のポンプ装置(10)は、吸入管(11c)から供給された液体を吐出管(11d)に送出するポンプ(11)と、ポンプ(11)を動作させるように構成された動力装置(12)と、動力装置(12)の駆動を制御するように構成された制御ユニット(13)と、を備え、制御ユニット(13)は、通信ネットワーク(N)を介して外部管理装置(30)に接続し、外部管理装置(30)から取得された情報に基づいて動力装置(12)の制御を行う。
【0007】
一例のポンプシステム(1)は、ポンプ装置(10)、及び、ポンプ装置(10)に通信ネットワーク(N)を介して接続された外部管理装置(30)を含み、ポンプ装置(10)は、吸入管(11c)から供給された液体を吐出管(11d)に送出するポンプ(11)と、ポンプ(11)を動作させるように構成された動力装置(12)と、動力装置(12)の駆動を制御するように構成された制御ユニット(13)と、を備え、外部管理装置(30)は、動力装置(12)の制御を行うための情報を制御ユニット(13)に送信する。
【0008】
上記ポンプ装置(10)及びポンプシステム(1)では、制御ユニット(13)に通信ネットワーク(N)を介して外部管理装置(30)が接続されており、制御ユニット(13)は外部管理装置(30)から取得された情報に基づいて動力装置(12)を制御するため、ユーザは外部管理装置(30)にアクセスすることにより、遠隔地からポンプ装置(10)を簡便に管理できる。
【0009】
一例のポンプ装置(10)では、液体の温度を検出し、検出された温度の情報を制御ユニット(13)に出力するように構成されたセンサ(15)を更に含み、制御ユニット(13)は、センサ(15)によって検出された温度の情報を外部管理装置(30)に送信してもよい。この構成では、遠隔地から外部管理装置(30)を介してポンプ装置(10)を流通する液体の温度情報を取得することができる。
【0010】
一例のポンプ装置(10)は、ポンプ装置(10)は、ポンプ(11)の状態を検出して、検出結果を制御ユニット(13)に出力する状態検出装置(15)を含み、制御ユニット(13)は、状態検出装置(15)から出力される検出結果が所定の条件を満たす場合にポンプ(11)を停止し、検出結果に基づいてポンプ(11)を停止した場合に、異常検知情報を外部管理装置(30)に送信し、外部管理装置(30)は、異常検知情報を取得した場合に、異常があったポンプ装置(10)に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知してもよい。この構成では、ポンプ(11)が自動停止した場合にユーザに異常検知の通知があるため、例えば、ポンプ装置(10)の復旧にかかる時間が短縮され得る。
【0011】
一例の制御ユニット(13)は、検出結果を外部管理装置(30)にリアルタイムで送信してもよい。この構成において、リアルタイムで送信とは、制御ユニット(13)によって取得された検出結果が外部管理装置(30)に逐次送信されることであってよく、制御ユニット(13)が検出結果を取得してから外部管理装置(30)に送信するまでのタイムラグが実質的にないことであってよい。なお、タイムラグが実質的にない、とは、演算、制御、通信等の技術的な遅延を許容するものであり、例えば、数秒程度のタイムラグを許容し得る。この構成では、ユーザが遠隔地にいる場合であっても、ユーザは、ポンプ装置(10)の設置場所にいるときと同様に、遅滞なく情報を取得することができる。
【0012】
一例の外部管理装置(30)は、制御ユニット(13)から送信された検出結果をグラフとして、通信ネットワーク(N)を介して外部管理装置(30)に接続されたユーザ端末に出力してもよい。この構成では、現在を含む所定の時間におけるポンプの状況を把握が容易な表示方法によってユーザに提供できる。
【0013】
一例の状態検出装置(15)は、液体の温度を検出し、検出結果として温度データを出力する温度センサ(15a)を含み、一例の制御ユニット(13)は、温度データが設定された閾値以上のときにポンプ(11)を停止するように動力装置(12)を制御してもよい。この構成では、高温の液体がポンプ(11)に流入することによるポンプ(11)の損傷等が抑制される。
【0014】
一例において、動力装置(12)の制御を行うための情報は、ポンプ(11)の停止制御を判定するための温度データについての閾値を含んでもよい。この構成では、外部管理装置(30)を介して温度データの閾値を設定できる。
【0015】
一例において、ポンプ装置(10)の吸入管(11c)は、液体が流通する配管(P)の所定位置に接続され、ポンプ装置(10)の吐出管(11d)は、配管(P)の所定位置よりも下流の位置に接続されていてもよい。この構成では、配管(P)内の液体が上流から下流に流通している場合には、吐出管(11d)から吐出された液体が配管(P)内を下流に流通する。一方、配管(P)内の液体が滞留している場合には、吐出管(11d)から吐出された液体は吸入管(11c)から再びポンプ(11)内に流通され得る。すなわち、液体は、ポンプ装置(10)と配管(P)とを循環し得る。
【0016】
一例の温度センサ(15a)は、吸入管(11c)に接続され吸入管(11c)内の液体の温度を検出する第1温度センサ(15a1)と、吐出管(11d)に接続され吐出管(11d)内の液体の温度を検出する第2温度センサ(15b1)と、を含んでもよい。この構成では、ポンプ(11)に流入する液体の温度とポンプ(11)から流出する液体の温度とをそれぞれ検出できる。
【0017】
一例のポンプ装置(10)は、外部管理装置(30)にポンプ(11)の動作状況を送信し、外部管理装置(30)は、ポンプ装置(10)の動作スケジュールを記憶しており、ポンプ装置(10)から送信されるポンプ(11)の動作状況が動作スケジュールと乖離している場合に、ポンプ装置(10)に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知してもよい。この構成では、システムトラブル等によるポンプ装置(30)の異常動作がユーザに早期に通知される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ポンプの動作を遠隔地から簡便に管理できるポンプ装置およびポンプシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一例に係るポンプシステムを説明するための概略図である。
【
図2】一例に係るポンプ装置の構造を示す概略図である。
【
図3】一例に係るポンプ装置の構成を示す概略図である。
【
図5】ポンプ装置の動作フローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、一例に係るポンプシステム1を示す概略図である。ポンプシステム1は、ポンプ装置10と、ポンプ装置10に通信ネットワークNを介して接続された外部管理装置30とを含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット等の広域ネットワーク、又は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)であってよい。また、通信ネットワークNは、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又は、有線ネットワークと無線ネットワークとの組合せであってよい。
【0022】
図2は、一例に係るポンプ装置10の構造を示す概略図である。
図3は、一例に係るポンプ装置10の構成を示すブロック図である。ポンプ装置10は、ポンプ11と、モータ12(動力装置)と、制御ユニット13と、状態検出装置15と、を含む。ポンプ11と、モータ12と、制御ユニット13とは、筐体16に収容されている。図示例のポンプ11は、モータ式のプランジャポンプである。ポンプ11は、例えば、3列のプランジャが水平方向に並設された横型3連プランジャポンプである。すなわち、ポンプ11は、クランクケース11aと、クランクケース11aに接続されたマニホルド11bと、マニホルド11bの吸入部および吐出部にそれぞれ接続された吸入管11cおよび吐出管11dと、を備える。ポンプ11は、吸入管11cから供給された水(液体)を吐出管11dに圧送する。吸入管11c及び吐出管11dの先端は、筐体16から露出している。
【0023】
一例のポンプ装置10において、吸入管11cは、水が流通する配管Pにおける上流位置(所定位置)に接続され得る。また、吐出管11dは、吸入管11cが接続された配管Pの上流位置よりも下流の位置に接続され得る。例えば、ポンプ装置10が接続される配管Pは、トイレ便器に洗浄水を供給する洗浄水供給配管であってもよい。すなわち、配管Pの上流は水道管等に接続されており、配管Pの下流はトイレ便器に接続されていてよい。
【0024】
モータ12は、ポンプ11を動作させるように構成されている。すなわち、モータ12の出力軸はクランクケース11aに接続されており、モータ12の出力はクランクケース11a内のクランク軸に伝達される。モータ12が駆動することによって、ポンプ11は吸入管11cに供給される水を吐出管11dから吐出する。モータ12は、外部電源3(
図3参照)を動力として動作可能となっており、外部電源3からの電力供給が制御されることにより動作制御され得る
【0025】
状態検出装置15は、ポンプ11の状態を検出し、検出結果を制御ユニット13に出力する。ポンプ11の状態とは、単にポンプ11そのものの状態のみを意味するのではなく、ポンプ11を適切に動作させるために確認するべきポンプ11周辺の状態を含む。一例の状態検出装置15は、温度センサ15aと、漏水センサ15bとを含む。
【0026】
一例の温度センサ15aは、温度を検出して、検出された温度を示す情報(電圧値、信号、データ等)を制御ユニット13に出力するように構成されている。
図3に示すように、一例のポンプ装置10は、第1温度センサ15a1と第2温度センサ15a2とを有している。第1温度センサ15a1は、吸入管11c内を流通する水の温度を検出する。例えば、第1温度センサ15a1は、吸入管11cに固定されている。第2温度センサ15a2は、吐出管11d内を流通する水の温度を検出する。例えば、第2温度センサ15a2は、吐出管11dに固定されている。一例において、吸入管11c及び吐出管11dは金属管によって形成されており、温度センサ15aは、金属管の温度を検出することによって、金属管内の水の温度を取得する。
【0027】
一例の漏水センサ15bは、ポンプ11からの漏水を検出して、検出結果を制御ユニット13に出力するように構成されている。一例の漏水センサ15bは、筐体16内において、ポンプ11の下方(例えば、吸入管11cと吐出管11dとを接続するジョイント等の下方)に配置されている。漏水センサ15bは、センシング部に形成された所定の電極間の電圧値を検出することによって漏水の有無を判定し得る。一例の漏水センサ15bでは、所定の閾値以上の電圧値を検出している状態では漏水がないと判定し、電圧値が所定の閾値を下回ると漏水していると判定し得る。なお、本例の漏水センサ15bは、検出された電圧値と漏水の有無を示す信号とを制御ユニット13に出力するように構成されていてよい。
【0028】
制御ユニット13は、モータ12の駆動を制御するように構成されている。制御ユニット13は、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続し、外部管理装置30との間で各種情報の送受信を行う。一例の制御ユニット13は、制御装置21及び通信機22を含む。制御装置21は、モータ12の駆動制御を行うための演算装置23を含む。演算装置23は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入出力回路等を含んでいる。演算装置23は、記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで、ポンプ装置10の動作を制御する。通信機22は、通信ネットワークNに接続してデータの送受信を実行可能な通信インターフェースである。通信機22は、例えば無線通信機であり、通信ネットワークNに接続された無線ルータ等のネットワーク機器4に接続されている。ネットワーク機器4は、通信ネットワークNを構成する移動体通信ネットワークに無線で接続されていてもよいし、通信ネットワークに有線接続されていてもよい。制御ユニット13において、制御装置21は、通信機22を介して通信ネットワークNに接続し、外部管理装置30とデータの送受信を行う。制御装置21は、ポンプ装置10に割り振られた固有のIDを記憶しており、当該IDを含む設定情報を利用して、外部管理装置30に接続される。例えば、ポンプシステム1では、ポンプ装置10が起動されると、所定の初期設定が実行される。初期設定が実行されることによって、ポンプ装置10は、無線通信端末を介して通信ネットワークNに接続される。
【0029】
一例の演算装置23は、機能部として、ポンプ動作処理部25と、状態管理部26と、異常検知管理部27とを含んでいる。ポンプ動作処理部25は、モータ12の駆動を制御することによって、ポンプ11の動作を制御する。一例において、ポンプ動作処理部25は、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続し、モータ12を制御するための情報を外部管理装置30から取得する。ポンプ動作処理部25は、取得された情報に基づいてモータ12の制御を行う。
【0030】
ポンプ動作処理部25は、状態検出装置15から出力される検出結果が所定の条件を満たす場合に、ポンプ11を停止するようにモータ12を制御する。例えば、ポンプ動作処理部25は、温度センサ15aから取得される温度データが設定された閾値以上のときに、ポンプ11を停止するようにモータ12を制御する。すなわち、上述したモータ12を制御するための情報は、ポンプ11の停止制御を判定するための温度データについての閾値を含み得る。なお、初期状態において、ポンプ動作処理部25は、所定の閾値のデータを有していてもよい。この場合、ポンプ動作処理部25は、外部管理装置30から閾値のデータを取得したときに、初期設定として有していた閾値を取得した閾値に書き換える。ポンプ動作処理部25は、第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2によって取得された温度データを閾値と比較し、温度データが閾値未満のときにモータ12の動作を許可し、温度データが閾値以上のときにモータ12の動作を停止する。
【0031】
また、ポンプ動作処理部25は、漏水センサ15bから取得される漏水の有無を示す情報に基づいて、モータ12の動作を制御する。例えば、ポンプ動作処理部25は、漏水センサ15bから漏水がないことを示す信号が取得されたときにモータ12の動作を許可し、漏水があることを示す信号が取得されたときにモータ12を停止する。
【0032】
また、上述したモータ12を制御するための情報は、ポンプ11の動作日時を決定するための動作スケジュールを含み得る。一例の動作スケジュールは、「Sun:OFF、Mon:8:30ON-12:00OFF・12:30ON-17:30OFF、…、Fri:8:30ON-12:00OFF・12:30ON-17:30OFF、Sat:OFF」のように、曜日を特定する情報と、曜日ごとの動作時間帯を特定する情報とを含み得る。ポンプ動作処理部25は、動作スケジュールと現在の日時とを比較し、現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯に含まれるときにモータ12の動作を許可し、現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯から外れるときにモータ12の動作を停止する。上記の動作スケジュールの場合、例えば、日曜日はモータ12の動作を終日停止し、月曜日は8時30分から12時までの間と12時30分から17時30分までの間のみモータ12を動作させることになる。
【0033】
状態管理部26は、ポンプ装置10の状態を示すデータを取得し、取得されたデータを外部管理装置30に送信する。取得されたデータは、外部管理装置30にリアルタイムで送信され得る。例えば、状態管理部26は、ポンプステータス、ポンプ停止回数、状態管理部動作時間、ポンプ動作時間、及び、アワーメータ値をポンプ装置10のIDに紐付けて外部管理装置30に送信する。
【0034】
ポンプステータスは、ポンプ装置10の状態を示す情報であり、例えば、ポンプ装置10が動作中か否かを示す情報であってもよい。状態管理部26は、ポンプステータスをポンプ動作処理部25から取得してもよい。ポンプ停止回数は、現在までにポンプ11が異常検知に基づいて停止された回数であってよい。状態管理部26は、ポンプ11が異常検知に基づいて停止したことをポンプ動作処理部25から取得し、ポンプ停止回数をカウントし得る。状態管理部動作時間は、状態管理部26が動作している時間の合計であってよい。ポンプ動作時間は、モータ12によってポンプ11が動作されている時間の合計であってよい。状態管理部26は、ポンプステータスに基づいてポンプ動作時間を算出してもよい。アワーメータ値は、ポンプ装置10の起動から現在までの経過時間であってよい。
【0035】
状態管理部26は、状態検出装置15による検出結果を逐次的に外部管理装置30に送信する。すなわち、状態管理部26は、温度センサ15aによって検出された温度の情報を温度センサ15aから取得し、取得された温度の情報を外部管理装置30に送信する。また、状態管理部26は、漏水センサ15bによって検出された電圧の情報を漏水センサ15bから取得し、取得された電圧の情報を外部管理装置30に送信する。
【0036】
異常検知管理部27は、状態検出装置15による検出結果に基づいてポンプ11が停止された場合に、異常検知情報を外部管理装置30に送信する。例えば、異常検知管理部27は、温度センサ15aによって検出された温度が閾値以上となりモータ12が停止された場合に、温度異常を示すデータとモータ12が停止されたことを示すデータとを含む異常検知情報を外部管理装置30に送信する。また、異常検知管理部27は、漏水センサ15bによって漏水が検出されモータ12が停止された場合に、漏水発生を示すデータとモータ12が停止されたことを示すデータとを含む異常検知情報を外部管理装置30に送信する。
【0037】
外部管理装置30は、プロセッサ、記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース等を含むサーバ装置等のコンピュータによって構成されている。外部管理装置30は、通信ネットワークNを介して制御ユニット13に接続し、各種情報の送受信を行う。また、外部管理装置30は、通信ネットワークNを介して、ポンプ装置10のユーザが所持する通信端末装置5(ユーザ端末)と接続し、各種情報の送受信を行う。通信端末装置5は、通信ネットワークNに接続可能な情報端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ等であってよい。
【0038】
図1に示すように、外部管理装置30は、機能部として、管理部31と、異常検知処理部35と、状態表示部36とを有している。管理部31は、ポンプ装置10の動作を管理するための機能部であり、例えば、温度閾値管理部32とスケジュール管理部33とを含む。一例の管理部31は、モータ12の制御を行うための情報を管理し、当該情報を制御ユニット13に送信する。また、管理部31は、ユーザ端末からの求めに応じて、モータ12の制御を行うための情報を更新する。
【0039】
温度閾値管理部32は、ポンプ動作処理部25で利用される温度センサ15aの閾値を示すデータを管理する。一例において、温度閾値管理部32は、ポンプ装置10のIDに紐付けられた閾値のデータを当該ポンプ装置10に送信する。例えば、ポンプ動作処理部25は、所定の時刻に温度閾値管理部32に対してデータ送信の要求をしてもよい。また、温度閾値管理部32は、ポンプ装置10のIDに紐付けられた閾値のデータの更新を制御する。一例において、温度閾値管理部32における閾値データの更新は、通信ネットワークNに接続された通信端末装置5から実行可能である。例えば、ポンプ装置10のユーザは、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続された通信端末装置5を用いて、外部管理装置30に保存された温度の閾値を変更(設定)することができる。例えば、第1温度センサ15a1に対応する閾値と、第2温度センサ15a2に対応する閾値とは、別々に変更可能であってよい。通信端末装置5から新しい閾値のデータが外部管理装置30に送信されると、温度閾値管理部32は、それまで保存していた閾値のデータを新しく取得されたデータに更新する。データが更新された場合、温度閾値管理部32は、更新されたデータをポンプ装置10に送信し得る。
【0040】
スケジュール管理部33は、ポンプ装置10で利用される動作スケジュールのデータを管理する。一例において、スケジュール管理部33は、ポンプ装置10に紐付けられた動作スケジュールのデータを当該ポンプ装置10に送信する。例えば、ポンプ動作処理部25は、所定の時刻にスケジュール管理部33に対してデータ送信の要求をしてもよい。スケジュール管理部33は、ポンプ装置10に紐付けられた動作スケジュールのデータの更新を制御する。一例において、スケジュール管理部33における動作スケジュールデータの更新は、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続された通信端末装置5から実行可能である。例えば、ポンプ装置10のユーザは、外部管理装置30に接続された通信端末装置5によって、外部管理装置30に保存された動作スケジュールのデータを変更することができる。データが更新された場合、スケジュール管理部33は、更新されたデータをポンプ装置10に送信し得る。
【0041】
異常検知処理部35は、異常検知管理部27から送信された異常検知情報を取得した場合に、異常が発生したポンプ装置10のIDに紐付けられて管理されている連絡先に異常検知があったことを通知する。例えば、異常検知処理部35は、異常が発生したポンプ装置10のID、発生した異常の内容、異常発生時刻、対応方法等について、定型文を組み合わせた通知文をユーザの連絡先に通知してもよい。発生した異常の内容は、水漏れ又は温度異常である。温度異常が発生した場合、第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2のいずれに異常が発生したかを通知してもよい。また、温度異常が発生した場合には、温度異常が回復した際にポンプの動作が復旧することを通知し、漏水異常が発生した場合には、ポンプ装置が再起動されるまでポンプの動作が復旧しないことを通知してもよい。
【0042】
また、異常検知処理部35は、状態管理部26から送信されたポンプ装置10の状態を示すデータを取得した場合に、スケジュール管理部33がもつ動作スケジュールのデータとポンプ装置10の動作状況(例えばポンプステータス)とを比較する。例えば、ポンプ装置10からポンプ11が動作中であることを示すデータが送信されている場合、異常検知処理部35は、現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯であるか否かを判定する。また、ポンプ装置10からポンプ11が停止中であることを示すデータが送信されている場合、異常検知処理部35は、現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯から外れているか否かを判定する。ポンプ11の動作状況と異常検知処理部35が保持する動作スケジュールとの間に乖離がある場合、異常検知処理部35は、ポンプ装置10のIDに紐付けられて管理されている連絡先に異常検知があったことを通知する。
【0043】
また、異常検知処理部35は、状態管理部26から送信されるはずのポンプ装置10の状態を示すデータが取得できない場合に、ポンプ装置10のIDに紐付けられて管理されている連絡先に異常検知があったことを通知する。例えば、ポンプ装置10と通信ネットワークNとの間の回線トラブル、ポンプ装置10の故障等が合った場合、早期にユーザにトラブルが通知される。
【0044】
ユーザの連絡先は、外部管理装置30に接続された通信端末装置5からユーザによって事前に登録されていてよい。連絡先は、電子メールアドレス等であってよく、通知は電子メールによって実行されてよい。また、連絡先は、ファクシミリの番号等であってもよい。
【0045】
状態表示部36は、状態管理部26から取得したポンプ装置10の状態を示すデータを、ユーザからの要求に応じて通信端末装置5に表示させる。
図4は、状態表示部36によって通信端末装置5に表示される画面Dの一例を示す。一例の状態表示部36は、ユーザによって指定されたポンプ装置10のIDとともに、ポンプステータス、ポンプ停止回数、状態管理部動作時間(図示例では、「監視装置動作時間」)、ポンプ動作時間、及び、アワーメータ値を通信端末装置5に表示する。また、状態表示部36は、状態管理部26から送信される状態検出装置15の検出結果を通信端末装置5に表示する。図示例の状態表示部36は、温度センサ15aによって検出された温度の情報を通信端末装置5に表示する。第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2で検出されたそれぞれの温度の情報は、横軸を時間とし縦軸を温度としたグラフでリアルタイムに表示される。第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2による温度の情報は、数値としても表示されている。図示例では、第1温度センサ15a1がch1に対応し、第2温度センサ15a2がch2に対応している。
【0046】
また、状態表示部36は、漏水センサ15bによって検出された電圧の情報を通信端末装置5に表示する。図示例では、漏水センサ15bで検出された電圧の情報が横軸を時間とし縦軸を電圧としたグラフでリアルタイムに表示されている。漏水センサ15bで検出された電圧の情報は、数値としても表示されている。漏水センサ15bのデータを示すグラフには、漏水であると判定される電圧値を示す範囲が示されている。
【0047】
続いて、ポンプシステム1の動作について説明する。
図5は、ポンプシステム1の通常時の動作を示すフロー図である。通常時、ポンプ装置10は、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続された状態でポンプ11を動作させていてよい。通常時の動作において、ポンプ装置10の制御装置21では、漏水センサ15bによって漏水が検知されているか否かが判定される(ステップS01)。漏水が検知されていると判定されると、ポンプ動作処理部25によってモータ12の動作が停止され、ポンプ11が停止状態となる(ステップS02)。続いて、異常検知管理部27によって現在の状態を示す情報が外部管理装置30に送信される(ステップS03)。すなわち、異常検知管理部27は、漏水発生を示すデータとモータ12が停止されたことを示すデータとを含む異常検知情報を外部管理装置30に送信する。一例のポンプ装置10では、漏水の検知に基づいてモータ12の動作が停止された場合、ポンプ装置10が再起動されるまで停止状態が維持される。そのため、漏水が発生した場合には、ユーザ等が漏水を解消した後に、ポンプ装置10を再起動する必要がある。
【0048】
ステップS01において、漏水が検知されていないと判定された場合、温度センサ15aの温度が正常か否か判定される(ステップS04)。すなわち、ステップS04では、ポンプ動作処理部25が、第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2によって取得された温度データをそれぞれの閾値と比較する。温度が正常ではないと判定された場合、すなわち、第1温度センサ15a1及び第2温度センサ15a2の少なくとも一方によって検出された温度が閾値以上の場合、ポンプ動作処理部25は、モータ12の動作を停止し、ポンプ11を停止状態にする(ステップS05)。続いて、異常検知管理部27によって現在の状態を示す情報が外部管理装置30に送信される(ステップS06)。すなわち、異常検知管理部27は、温度異常を示すデータと、モータ12が停止されたことを示すデータとを含む異常検知情報を外部管理装置30に送信する。
【0049】
ステップS05においてモータ12が停止された場合、時間の経過にともなって水温が低下し、温度異常が解消されることがある。例えば、吐出管11dから送出された水が吸入管11cから供給される場合のように、水の循環によって温度が上昇している場合には、ポンプ11が停止されることで水温が低下する。そこで、一例においては、温度センサ15aの計測温度が正常か否かの判定が継続される(ステップS07)。この場合、漏水センサ15bによる漏水の監視も同時に実行されてよい。
【0050】
ステップS04又はステップS07において温度が正常であると判定されると、ポンプ動作処理部25は、現在の日時が動作期間内であるかを判定する(ステップS08)。現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯に含まれる場合、ポンプ動作処理部25はモータ12の動作を許可して、ポンプ11を動作させ(ステップS09)、現在の日時が動作スケジュールにおいてONの曜日及び時間帯から外れる場合、ポンプ動作処理部25はモータ12の動作を停止して、ポンプ11を停止させる(ステップS10)。
【0051】
なお、ポンプシステム1の通常時の動作において、状態管理部26は、ポンプ装置10の状態を示すデータを常時取得し、取得されたデータをリアルタイムで外部管理装置30に送信していてよい。また、状態管理部26は、温度センサ15aによって検出された温度の情報、及び、漏水センサ15bによって検出された電圧の情報を常時取得し、取得されたデータをリアルタイムで外部管理装置30に送信していてよい。
【0052】
以上説明のとおり、ポンプ装置10は、吸入管11cから供給された液体を吐出管11dに送出するポンプ11と、ポンプ11を動作させるように構成されたモータ12と、モータ12の駆動を制御するように構成された制御ユニット13と、を備える。制御ユニット13は、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続し、外部管理装置30から取得された情報に基づいてモータ12の制御を行う。
【0053】
また、一例のポンプシステム1は、ポンプ装置10、及び、ポンプ装置10に通信ネットワークNを介して接続された外部管理装置30を含む。ポンプ装置10は、吸入管11cから供給された液体を吐出管11dに送出するポンプ11と、ポンプ11を動作させるように構成されたモータ12と、モータ12の駆動を制御するように構成された制御ユニット13と、を備える。外部管理装置30は、モータ12の制御を行うための情報を制御ユニット13に送信する。
【0054】
上記ポンプ装置10及びポンプシステム1では、制御ユニット13に通信ネットワークNを介して外部管理装置30が接続されており、制御ユニット13は外部管理装置30から取得された情報に基づいてモータ12を制御する。そのため、ユーザは、通信端末装置5を利用して外部管理装置30にアクセスすることにより、遠隔地からポンプ装置10を簡便に管理できる。
【0055】
一例のポンプ装置10では、水の温度を検出し、検出された温度の情報を制御ユニット13に出力するように構成された温度センサ15aを更に含み、制御ユニット13は、温度センサ15aによって検出された温度の情報を外部管理装置30に送信する。この構成では、遠隔地から外部管理装置30を介してポンプ装置10を流通する水の温度情報を取得することができる。
【0056】
一例のポンプ装置10は、ポンプ11の状態を検出し、検出結果を制御ユニット13に出力する状態検出装置15を含む。一例の制御ユニット13は、状態検出装置15から出力される検出結果が所定の条件を満たす場合に、ポンプ11を停止するようにモータ12を制御する。この構成では、ポンプ装置10のユーザがポンプ装置10の設置場所に赴くことなく、所定の条件を満たす場合に自動でポンプ11を停止することができる。
【0057】
一例の制御ユニット13は、状態検出装置15による検出結果に基づいてポンプ11を停止した場合に、異常検知情報を外部管理装置30に送信する。一例の外部管理装置30は、異常検知情報を取得した場合に、異常があったポンプ装置10に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知する。この構成では、ポンプ11が自動停止した場合にユーザに異常検知の通知があるため、例えば、ポンプ装置10の復旧にかかる時間が短縮され得る。
【0058】
一例の制御ユニット13は、検出結果を外部管理装置30にリアルタイムで送信する。この構成では、ユーザが遠隔地にいる場合であっても、ユーザは、ポンプ装置10の設置場所にいるときと同様に、遅滞なく情報を取得することができる。
【0059】
一例の外部管理装置30は、制御ユニット13から送信された検出結果をグラフとして、通信ネットワークNを介して外部管理装置30に接続されたユーザ端末に出力することができる。この構成では、現在を含む所定の時間におけるポンプ11の状況を把握が容易な表示方法によってユーザに提供できる。なお、この構成において、グラフによって表示される時間は、ユーザによって適宜変更可能であってもよい。
【0060】
一例の状態検出装置15は、水の温度を検出し、検出結果として温度データを出力する温度センサ15aを含み、一例の制御ユニット13は、温度データが設定された閾値以上のときにポンプ11を停止するようにモータ12を制御する。この構成では、高温の水がポンプ11又は配管Pに流入することによる不具合が抑制される。
【0061】
一例において、モータ12の制御を行うための情報は、ポンプ11の停止制御を判定するための温度データについての閾値を含む。この構成では、外部管理装置30を介して温度データの閾値を設定できる。
【0062】
一例において、ポンプ装置10の吸入管11cは、配管Pの所定位置に接続され、ポンプ装置10の吐出管11dは、配管Pの所定位置よりも下流の位置に接続されている。この構成では、配管P内の水が上流から下流に流通している場合には、吐出管11dから吐出された液体が配管P内を下流に流通する。一方、配管P内の水が滞留している場合、吐出管11dから吐出された水は吸入管11cから再びポンプ11内に流通され得る。すなわち、水は、ポンプ装置10と配管Pとの間を循環し得る。
【0063】
一例の温度センサ15aは、吸入管11cに接続され吸入管11c内の水温を検出する第1温度センサ15a1と、吐出管11dに接続され吐出管11d内の水温を検出する第2温度センサ15a2と、を含む。この構成では、ポンプ11に流入する水の温度とポンプ11から流出する水の温度とをそれぞれ検出できる。
【0064】
一例において、制御ユニット13は、漏水センサ15bによって異常検知された場合には、ポンプ装置10が再起動されるまでモータ12の停止状態を維持し、温度センサ15aによって異常検知された場合には、温度センサ15aによる検知結果が正常になったときにモータ12の動作を再開させる。この構成では、ユーザは、異常検知の内容に応じて適切な処置を実行することができる。
【0065】
一例のポンプ装置10は、外部管理装置30にポンプ11の動作状況をリアルタイムに送信し、外部管理装置30は、ポンプ装置10の動作スケジュールを記憶しており、ポンプ装置10から送信されるポンプ11の動作状況が動作スケジュールと乖離している場合に、ポンプ装置10に紐付けられた連絡先に異常検知があったことを通知する。この構成では、システムトラブル等によるポンプ装置10の異常動作がユーザに早期に通知される。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的形態は上記の例に限定されない。例えば、ポンプを動作させるための動力装置は、エンジン等であってもよい。この場合、エンジンは、ポンプ動作処理部によって制御可能となるように、電気的に駆動制御される構成であってよい。
【0067】
ポンプ装置の吸入管及び吐出管がトイレ便器に洗浄水を供給する洗浄水供給配管に接続されている例を示したが、これに限定されない。吸入管及び吐出管は、同一の配管に接続されていてもよいし、別々の配管に接続されていてもよい。例えば、水道管に接続された配管を吸入管に接続しポンプ装置に水を供給し、吐出管をミスト発生器への給水管に接続してもよい。
【0068】
また、ポンプシステムでは、ユーザによって複数のポンプ装置が管理されていてよい。この場合、ポンプ装置のそれぞれにIDが付与されており、外部管理装置では、IDごとに各データが管理されている。また、ポンプ装置のIDは、ユーザに割り当てられたユーザIDに紐付けられて管理されていてよい。ユーザは、割り当てられたユーザIDを用いてユーザ端末を外部管理装置に接続し、ユーザIDに紐付けられたIDを有する複数のポンプ装置を一括又は個別に管理してもよい。
【0069】
また、
図4は、ユーザ端末に表示される画面の一例であり、表示内容はこれに限定されない。例えば、
図4の例では、グラフにおける時間を示す横軸が1分程度の時間幅(表示時間の合計)となっているが、グラフの時間幅はこれに限定されない。例えば、グラフの時間幅は、1分よりも長くてもよいし、短くてもよい。また、グラフの時間幅は、外部管理装置30に接続されたユーザ端末によって変更可能であってもよい。例えば、ユーザが過去1時間のグラフの変化を閲覧したい場合には、時間変更タグ等から表示時間を選択することにより、グラフの時間幅が変更されて表示されてもよい。また、外部管理装置30は、過去の任意の日時を含む時間帯(例えば、「2日前の9時から10時」など)におけるグラフを表示可能であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…ポンプシステム、10…ポンプ装置、11…ポンプ、11c…吸入管、11d…吐出管、12…モータ、13…制御ユニット、15…状態検出装置、15a…温度センサ、15a1…第1温度センサ、15a2…第2温度センサ、15b…漏水センサ、30…外部管理装置、N…通信ネットワーク。