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特許7604210移動体、インタラクション提供システム、インタラクション提供方法、及びインタラクション提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】移動体、インタラクション提供システム、インタラクション提供方法、及びインタラクション提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20241216BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20241216BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20241216BHJP
【FI】
B60R11/02 W
G06F3/0362 461
A63F13/90
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020206670
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093933
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 克真
(72)【発明者】
【氏名】安原 真也
(72)【発明者】
【氏名】深澤 香代子
(72)【発明者】
【氏名】井出 大介
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167091(JP,A)
【文献】中国実用新案第205524018(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第10308897(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第2012-0082752(KR,A)
【文献】特開2014-119279(JP,A)
【文献】特開昭61-082540(JP,A)
【文献】特開2008-230429(JP,A)
【文献】特開2001-038052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
G06F 3/0362
A63F 13/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による操作に応じて変位する操舵部と、
ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、
を備える移動体であって、
前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、
前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続される
移動体。
【請求項2】
表示器を有する前記端末装置を、前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を備える
請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記操作端末保持部は、1又は複数個の前記操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する
請求項1又は請求項2に記載の移動体。
【請求項4】
運転者による操作に応じて変位する操舵部と、ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するインタラクション提供システムであって、
前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、
前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続され、
前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、
前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、
を備えるインタラクション提供システム。
【請求項5】
前記操作端末は、表示器及びスピーカーを有する前記端末装置に着脱可能に装着されるコントローラであり、
前記移動体は、前記端末装置を前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を有し、
前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることを認識する端末装置保持認識部を備え、
前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識され、且つ前記端末装置保持認識部により前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることが認識されている場合に、前記表示器と前記スピーカーとのうちの少なくともいずれか一方を前記出力装置として、前記インタラクション制御を実行する
請求項4に記載のインタラクション提供システム。
【請求項6】
前記操作端末保持認識部、前記端末装置保持認識部、及び前記インタラクション制御部は、前記端末装置に備えられている
請求項5に記載のインタラクション提供システム。
【請求項7】
前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識されているときに、前記端末装置に所定のアプリケーションをインストールすることにより使用可能となるコンテンツの情報を、前記出力装置から出力するコンテンツ情報出力部を備える
請求項4に記載のインタラクション提供システム。
【請求項8】
前記操作端末保持部は、1又は複数個の前記操作端末を着脱可能に保持し、
前記操作端末保持認識部は、前記操作端末保持部に保持されている前記操作端末の個数を認識し、
前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により認識される前記操作端末の個数に応じて、前記インタラクション制御による処理内容を変更する
請求項4から請求項7のうちいずれか1項に記載のインタラクション提供システム。
【請求項9】
前記移動体の移動状態を認識する移動状態認識部を備え、
前記インタラクション制御部は、前記インタラクション制御において、前記姿勢変化検出部により検出される前記操作端末の姿勢変化、及び前記移動状態認識部により認識され前記移動体の移動状態に基づいて、前記出力装置から出力する情報を決定する
請求項4から請求項8のうちいずれか1項に記載のインタラクション提供システム。
【請求項10】
運転者による操作に応じて変位する操舵部と、ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するためにコンピュータにより実行されるインタラクション提供方法であって、
前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、
前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続され、
前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識ステップと、
前記操作端末保持認識ステップにより、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御ステップと、
を含むインタラクション提供方法。
【請求項11】
姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有するコントローラが着脱可能に装着される、ゲーム機本体である端末装置に実装された、端末装置プロセッサにより実行されるインタラクション提供プログラムであって、
前記コントローラは操作端末コネクタを有して、前記コントローラが前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、
前記プログラムは、前記端末装置プロセッサを、
前記コントローラが、移動体の操舵部に備えられて前記コントローラを着脱自在に保持する操作端末保持部に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部が有する操作端末保持部コネクタに接続されて保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、
前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記コントローラが保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記コントローラの姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、
して機能させるインタラクション提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体、インタラクション提供システム、インタラクション提供方法、及びインタラクション提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の乗員に関する情報及び車両の外部の情報を検出し、これらの情報に基づいて、音声と仮想画像を同期させて出力することにより、乗員を楽しませるためのインタラクションを提供するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記システムは、車内カメラ、車内マイク、着座センサ等により、乗員に関する情報を取得し、車外カメラ、ナビゲーション装置等により、車両の外部の情報を取得する。そして、上記システムは、乗員の状況に応じて、仮想像と音声を同期させて出力するインタラクションを乗員に対して提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-75720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシステムのように、車両等の移動体において、搭乗者の状況に応じたインタラクションを提供するためには、移動体における搭乗者の状況を簡易な構成によって認識することが望ましい。
本発明はかかる背景に鑑みてなされものであり、移動体の搭乗者の状況を簡易な構成によって認識することができる移動体、インタラクション提供システム、インタラクション提供方法、及びインタラクション提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、運転者による操作に応じて変位する操舵部と、ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体であって、前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続される移動体が挙げられる。
【0006】
上記移動体において、表示器を有する前記端末装置を、前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を備える構成としてもよい。
【0007】
上記移動体において、前記操作端末保持部は、1又は複数個の前記操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する構成としてもよい。
【0008】
上記目的を達成するための第2態様として、運転者による操作に応じて変位する操舵部と、ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するインタラクション提供システムであって、前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続され、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、を備えるインタラクション提供システムが挙げられる。
【0009】
上記インタラクション提供システムにおいて、前記操作端末は、表示器及びスピーカーを有する前記端末装置に着脱可能に装着されるコントローラであり、前記移動体は、前記端末装置を前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を有し、前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることを認識する端末装置保持認識部を備え、前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識され、且つ前記端末装置保持認識部により前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることが認識されている場合に、前記表示器と前記スピーカーとのうちの少なくともいずれか一方を前記出力装置として、前記インタラクション制御を実行する構成としてもよい。
【0010】
上記インタラクション提供システムにおいて、前記操作端末保持認識部、前記端末装置保持認識部、及び前記インタラクション制御部は、前記端末装置に備えられている構成としてもよい。
【0011】
上記インタラクション提供システムにおいて、前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識されているときに、前記端末装置に所定のアプリケーションをインストールすることにより使用可能となるコンテンツの情報を、前記出力装置から出力するコンテンツ情報出力部を備える構成としてもよい。
【0012】
上記インタラクション提供システムにおいて、前記操作端末保持部は、1又は複数個の前記操作端末を着脱可能に保持し、前記操作端末保持認識部は、前記操作端末保持部に保持されている前記操作端末の個数を認識し、前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により認識される前記操作端末の個数に応じて、前記インタラクション制御による処理内容を変更する構成としてもよい。
【0013】
上記インタラクション提供システムにおいて、前記移動体の移動状態を認識する移動状態認識部を備え、前記インタラクション制御部は、前記インタラクション制御において、前記姿勢変化検出部により検出される前記操作端末の姿勢変化、及び前記移動状態認識部により認識される前記移動体の移動状態に基づいて、前記出力装置から出力する情報を決定する構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するための第3態様として、運転者による操作に応じて変位する操舵部と、ゲーム機本体である端末装置のコントローラであって、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有して前記端末装置に着脱可能に装着される操作端末を前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するためにコンピュータにより実行されるインタラクション提供方法であって、前記操作端末は操作端末コネクタを有して、前記操作端末が前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、前記操作端末保持部は操作端末保持部コネクタを有して、前記操作端末が前記操作端末保持部に保持される際に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部コネクタと接続され、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識ステップと、前記操作端末保持認識ステップにより、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御ステップと、を含むインタラクション提供方法が挙げられる。
【0015】
上記目的を達成するための第4態様として、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有するコントローラが着脱可能に装着される、ゲーム機本体である端末装置に実装された、端末装置プロセッサにより実行されるインタラクション提供プログラムであって、前記コントローラは操作端末コネクタを有して、前記コントローラが前記端末装置に装着される際に、前記操作端末コネクタが、前記端末装置が有する端末装置コネクタと接続され、前記プログラムは、前記端末装置プロセッサを、前記コントローラが、移動体の操舵部に備えられて前記コントローラを着脱自在に保持する操作端末保持部に、前記操作端末コネクタが、前記操作端末保持部が有する操作端末保持部コネクタに接続されて保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記コントローラが保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記コントローラの姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、して機能させるインタラクション提供プログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
上記移動体によれば、移動体の操舵部に操作端末保持部を設けて、操作端末保持部に保持された操作端末の姿勢変化検出部により、移動体の運転者による操舵部の操作状況の認識を可能にするという簡易な構成により、移動体の運転者の状況を認識してインタラクションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、車両にゲーム機を着脱自在に取り付けるための構成の説明図である。
図2図2は、車両にゲーム機本体と1個のコントローラを取り付けた状態の説明図である。
図3図3は、車両にゲーム機本体と2個のコントローラを取り付けた状態の説明図である。
図4図4は、ゲーム機本体の構成図である。
図5図5は、コントローラの構成と、コントローラとゲーム機本体及び車両との接続態様の説明図である。
図6図6は、インタラクション制御を実行するか否かの判断処理のフローチャートである。
図7図7は、インタラクション制御の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1.車両にゲーム機を着脱自在に取り付ける態様]
図1図3を参照して、車両1にゲーム機100を着脱可能に取り付ける態様について説明する。車両1は、本開示の移動体に相当し、ゲーム機本体100は本開示の端末装置に相当する。図1を参照して、ゲーム機100は、ゲーム機本体110と、ゲーム機本体110を操作するための左コントローラ170a及び右コントローラ170bとを備えている。左コントローラ170a及び右コントローラ170bは、本開示の操作端末に相当する。ゲーム機本体110は、表示器141とスピーカー142を備えている。
【0019】
左コントローラ170aは、ゲーム機本体110の左側面に設けられた保持部(図示しない)により、ゲーム機本体110の左側面に着脱可能に保持される。また、右コントローラ170bは、ゲーム機本体110の右側面に設けられた保持部(図示しない)により、ゲーム機本体110の右側面に着脱可能に保持される。
【0020】
左コントローラ170aがゲーム機本体110に取り付けられたときに、コネクタ185aがゲーム機本体110の左側コネクタ152aと接続され、これにより、左コントローラ170aとゲーム機本体110との間の有線通信が可能となる。同様に、右コントローラ170bがゲーム機本体110に取り付けられたときに、コネクタ185bがゲーム機本体110の右側コネクタ152bと接続され、これにより、右コントローラ170bとゲーム機本体110との間の有線通信が可能となる。有線通信の仕様としては、例えばUSB(登録商標)が採用される。
【0021】
図1のA1は、ゲーム機本体110に左コントローラ170a及び右コントローラ170bが取り付けられた状態を示している。この状態では、ゲーム機100の使用者は、左手で左コントローラ170aのボタン174aとスティック175aを操作し、右手で右コントローラ170bのボタン174bとスティック175bを操作して、ゲームをすることができる。
【0022】
図1のA2は、左コントローラ170aと右コントローラ170bが、ゲーム機本体110から取り外された状態を示している。この状態では、左コントローラ170a及び右コントローラ170bは、ゲーム機本体110との間で無線通信を行う。無線通信の仕様としては、例えばBluetooth(登録商標)が採用される。使用者は、ゲーム機本体110から離れた場所から、左コントローラ170a又は右コントローラ170bを操作して、ゲームをすることができる。
【0023】
車両1は、運転者により操作されるステアリングホイール2を備え、車両1のダッシュボード3には、表示器4とスピーカー5a,5bが設けられている。ステアリングホイール2は、本開示の操舵部に相当し、運転者による操作に応じて左右に回転して変位する。ステアリングホイール2には、右コントローラ170bを着脱可能に取り付けるための操作端末保持部50が設けられている。また、ダッシュボード3には、ゲーム機本体110を、運転者及び他の搭乗者により視認可能な所定箇所に着脱自在に取り付けるためのゲーム機本体保持部60が設けられている。ゲーム機本体保持部60は、本開示の端末装置保持部に相当する。
【0024】
操作端末保持部50は、右コントローラ170bの外形に合わせた凹部形状となっている。図1では、右コントローラ170bを操作端末保持部50に取り付ける状況を矢印R1で示しており、運転者等の搭乗者が、右コントローラ170bを操作端末保持部50の凹部にはめ込むことにより、右コントローラ170bが操作端末保持部50により保持されてステアリングホイール2に固定される。
【0025】
このとき、右コントローラ170bのコネクタ185bが、操作端末保持部50のコネクタ51と接続される。操作端末保持部50のコネクタ51は、車両ECU(Electronic Control Unit)10と接続されているため、操作端末保持部50に右コントローラ170bを取り付けることによって、車両ECU10と右コントローラ170bとの有線通信が可能となる。
【0026】
なお、操作端末保持部50が、右コントローラ170bではなく左コントローラ170aを保持する構成としてもよい。或いは、操作端末保持部50が、左コントローラ170aと右コントローラ170bのいずれが一方を保持可能な構成としてもよい。左コントローラ170aが操作端末保持部50に取り付けられた場合は、左コントローラ170aのコネクタ185aが操作端末保持部50のコネクタ51に接続されて、車両ECU10と左コントローラ170aとの有線通信が可能となる。
【0027】
ゲーム機本体保持部60は、ゲーム機本体110の外形に合わせた凹部形状となっている。図1では、ゲーム機本体110をゲーム機本体保持部60に取り付ける状況を矢印R2で示しており、運転者等の搭乗者が、ゲーム機本体110をゲーム機本体保持部60の凹部にはめ込むことにより、ゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60により保持されて固定される。このとき、ゲーム機本体110の下側コネクタ151が、ゲーム機本体保持部60のコネクタ61と接続される。ゲーム機本体保持部60のコネクタ61は車両ECU10と接続されているため、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体110を取り付けることによって、車両ECU10とゲーム機本体110との有線通信が可能となる。
【0028】
図2は、操作端末保持部50に、右コントローラ170bが取り付けられている状態を示している。この状態では、運転者によるステアリングホイール2の操作に応じて、右コントローラ170bの姿勢が変化する。この状態で、車両1の運転者は、右コントローラ170bを操作して、ゲーム機本体110及び車両ECU10に対する指示を行うことができ、運転者以外の搭乗者は、左コントローラ170aを操作して、ゲーム機本体110及び車両ECU10に対する指示を行うことができる。また、搭乗者は、ゲーム機本体110の表示器141に表示される画像とスピーカー142から出力される音を視聴することができる。
【0029】
なお、左コントローラ170a及び右コントローラ170bは、操作端末保持部50に取り付けられた状態でも、ゲーム機本体110との間で無線通信を行うことができる。また、左コントローラ170a、右コントローラ170b、及びゲーム機本体110と、車両ECU10との間での無線通信が可能な構成としてもよい。
【0030】
次に、図3は、操作端末保持部として、左コントローラ170aを取り付けるための操作端末保持部50aと、右コントローラ170bを取り付けるための操作端末保持部50bを、ステアリングホイール2に設けた別構成を示している。操作端末保持部50aと操作端末保持部50bの構成は、図1,2に示した操作端末保持部50と同様である。
【0031】
左コントローラ170aが操作端末保持部50aに取り付けられたときに、左コントローラ170aのコネクタ185a(図1参照)が操作端末保持部50aのコネクタ51aに接続されて、左コントローラ170aとゲーム機本体110及び車両ECU10との有線通信が可能となる。同様に、右コントローラ170bが操作端末保持部50bに取り付けられたときに、右コントローラ170bのコネクタ185b(図1参照)が操作端末保持部50bのコネクタ51bに接続されて、右コントローラ170bとゲーム機本体110及び車両ECU10との有線通信が可能となる。
【0032】
図3の構成では、運転者によるステアリングホイール2の操作に応じて、左コントローラ170aと右コントローラ170bの姿勢が変化する。ゲーム機本体110及び車両ECU10は、左コントローラ170aとの通信により左コントローラ170aの姿勢変化を認識することができ、右コントローラ170bとの通信により右コントローラ170bの姿勢変化を認識することができる。
【0033】
[2.ゲーム機本体の構成]
図4を参照して、ゲーム機本体110の構成について説明する。ゲーム機本体110は、端末装置プロセッサ120と、端末装置プロセッサ120に接続された、メモリ130、通信ユニット140、表示器141、スピーカー142、マイク143、加速度センサ144、及び角速度センサ145を備えている。さらに、ゲーム機本体110は、端末装置プロセッサ120に接続された、カードスロット150、下側コネクタ151、左側コネクタ152a、及び右側コネクタ152bを備えている。
【0034】
通信ユニット140は、左コントローラ170a、右コントローラ170b等との間で無線通信を行い、また、通信ネットワーク500(図5参照)を介してサポートサーバー510(図5参照)との間で無線通信を行う。表示器141は、LCD等のフラットタイプの表示デバイスの表面にタッチセンサが配置されたタッチパネルであり、端末装置プロセッサ120から出力される画像制御信号に応じた画面表示を行うと共に、使用者のタッチ操作に応じた操作信号を端末装置プロセッサ120に入力する。
【0035】
スピーカー142は、端末装置プロセッサ120から出力される音響信号に応じた音(音声、注意喚起音、音楽等)を出力する。マイク143は、使用者の発声等の音を検出して音検出信号を端末装置プロセッサ120に入力する。加速度センサ144は、ゲーム機本体110の加速度を検出して、加速度検出信号を端末装置プロセッサ120に入力する。角速度センサ145は、ゲーム機本体110の角速度を検出して、角速度検出信号を端末装置プロセッサ120に入力する。
【0036】
メモリ130には、ゲーム機本体110の全体的な作動を制御するための制御用プログラム131、後述するインタラクション制御を実行するためのインタラクション提供プログラム132、及びゲームを実行するためのゲームアプリプログラム133が保存されている。カードスロット150は、挿入されたメモリカード155に対して、データの読み出しと書き込みを行う。
【0037】
下側コネクタ151は、上述したように、ゲーム機本体保持部60のコネクタ61に接続される。左側コネクタ152aは、上述したように、左コントローラ170a、或いは操作端末保持部50のコネクタ51又は操作端末保持部50aのコネクタ51aに接続される。右側コネクタ152bは、上述したように、右コントローラ170b、或いは操作端末保持部50のコネクタ51又は操作端末保持部50bのコネクタ51bに接続される。
【0038】
インタラクション提供プログラム132は、端末装置プロセッサ120により、メモリカード155から読み出されてメモリ130に保存されてもよく、通信ユニット140によりサポートサーバー510からダウンロードされてメモリ130に保存されてもよい。
【0039】
端末装置プロセッサ120は、制御用プログラム131を読み込んで実行することにより、ゲーム機本体110の全体的な作動を制御し、ゲームアプリプログラム133を読み込んで実行することにより、ゲームの処理を実行する。また、端末装置プロセッサ120は、インタラクション提供プログラム132を読み込んで実行することにより、操作端末保持認識部121、端末装置保持認識部122、インタラクション制御部123、及びコンテンツ情報出力部124として機能する。
【0040】
操作端末保持認識部121は、左コントローラ170aと車両ECU10との間で有線通信が確立されていることを、車両ECU10との通信により認識したときに、左コントローラ170aが操作端末保持部50(図1,2の構成)又は操作端末保持部50a(図3の場合)に保持されていると認識する。同様に、操作端末保持認識部121は、右コントローラ170bと車両ECU10との間で有線通信が確立されていることを、車両ECU10との通信により認識したときに、右コントローラ170bが操作端末保持部50(図1,2の構成)又は操作端末保持部50b(図3の構成)に保持されていると認識する。
【0041】
端末装置保持認識部122は、ゲーム機本体110と車両ECU10との間で有線通信が確立されていることを認識したときに、ゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60に保持されていると認識する。インタラクション制御部123は、操作端末保持認識部121により、左コントローラ170aと右コントローラ170bとのうちの少なくともいずれか一方が、操作端末保持部50,50a,50bに接続されていることが認識され、且つ、端末装置保持認識部122により、ゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60に保持されていることが認識されているときに、インタラクション制御を実行する。インタラクション制御の詳細については後述する。
【0042】
コンテンツ情報出力部124は、操作端末保持認識部121により、左コントローラ170aと右コントローラ170bとのうちの少なくともいずれか一方が、操作端末保持部50,50a,50bに接続されていることが認識され、且つ、端末装置保持認識部122により、ゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60に保持されていることが認識されているときに、所定のコンテンツの情報を、ゲーム機本体110の表示器141、スピーカー142等から出力する。所定のコンテンツは、ゲーム機本体110に所定のアプリケーションをインストールすることによって使用可能となるコンテンツであり、例えば、ゲームアプリプログラム133により実行されるゲームで使用可能な追加アイテム、ゲームアプリプログラム133により実行されるゲームと関連した他のゲーム等である。
【0043】
[3.コントローラの構成と接続態様]
図5を参照して、左コントローラ170a及び右コントローラ170bの構成と、左コントローラ170a及び右コントローラ170bと、車両1及びゲーム機本体110との接続態様について説明する。
【0044】
左コントローラ170aは、コントローラプロセッサ171aと、コントローラプロセッサ171aに接続された、通信ユニット172a、メモリ173a、ボタン174a、スティック175a、加速度センサ176a、角速度センサ177a、LED178a、振動子179a、及びコネクタ185aを備えている。加速度センサ176aと角速度センサ177aは、本開示の姿勢変化検出部に相当する。
【0045】
コントローラプロセッサ171aは、メモリ173aに保存された制御用プログラムを実行することにより、左コントローラ170aの全体的な作動を制御する。コントローラプロセッサ171aは、通信ユニット172aを介して、ゲーム機本体110との間で無線通信を行う。また、コントローラプロセッサ171aは、ボタン174aの操作信号、スティック175aの操作信号、加速度センサ176aの加速度検出信号、及び角速度センサ177aの角速度検出信号を、ゲーム機本体110に送信する。
【0046】
さらに、コントローラプロセッサ171aは、ゲーム機本体110から送信される左コントローラ170aに対する制御信号に応じて、LED178aの作動(点灯、消灯、点滅)と、振動子179aの作動(振動オン、振動オフ、振動の強弱)を制御する。
【0047】
右コントローラ170bは、左コントローラ170aと同様に、コントローラプロセッサ171bと、コントローラプロセッサ171bに接続された、通信ユニット172b、メモリ173b、ボタン174b、スティック175b、加速度センサ176b、角速度センサ177b、LED178b、振動子179b、及びコネクタ185bを備えており、左コントローラ170aと同様に作動する。さらに、右コントローラ170bは、カメラ180を備えており、カメラ180による撮影画像をゲーム機本体110に送信する。
【0048】
車両1には、車両ECU10とCAN(Controller Area Network)205により接続された、表示器4、スピーカー5a,5b、センサ類25、通信ユニット26、及びカーナビ20が備えられている。センサ類25には、車両1の走行速度を検出する速度センサ、車両1に備えられたアクセルペダル(図示しない)の操作量を検出するアクセルペダルセンサ、車両1に備えられたブレーキペダル(図示しない)の操作量を検出するブレーキペダルセンサ、車外の照度を検出する照度センサ等が含まれる。通信ユニット26は、スマートフォン300等の通信端末との間で無線通信を行い、また、通信ネットワーク500を介してサポートサーバー510との間で無線通信を行う。カーナビ20には、車両1の現在位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ21と地図データ22が備えられている。
【0049】
車両ECU10は、通信線200によりゲーム機本体110と接続され、通信線201aにより左コントローラ170aと接続され、通信線201bにより右コントローラ170bと接続されている。これにより、車両ECU10は、ゲーム機本体110、左コントローラ170a、及び右コントローラ170bとの間で有線通信を行う。
【0050】
ゲーム機本体110は、車両ECU10との通信により、センサ類25の検出情報、GNSSセンサ21による車両の現在位置情報、地図データ22等を取得して、車両1の走行状況を認識する。また、ゲーム機本体110は、車両ECU10との通信により、車両1の表示器4の表示及びスピーカー5a,5bからの音出力を制御することができる。
【0051】
また、別の構成として、ゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60に保持されていることの認識、左コントローラ170a又は右コントローラ170bが操作端末保持部50,50a,50bに保持されていることの認識を、車両ECU10との有線通信の確立ではなく、リミットスイッチ、近接センサ、磁気センサ等により、ゲーム機本体110側と、左コントローラ170a及び右コントローラ170b側で行う構成としてもよい。
【0052】
この構成による場合は、ゲーム機本体110と左コントローラ170a及び右コントローラ170bを、車両ECU10に接続する必要がなく、ゲーム機本体110と左コントローラ170a及び右コントローラ170bを、通信線202a,202bにより直接接続して、ゲーム機本体110のみにより、本開示のインタラクション提供システムを構成することができる。また、ゲーム機本体110と左コントローラ170a及び右コントローラ170b間の通信を無線通信により行ってもよく、この場合は、通信線202a,202bによる接続も不要となる。
【0053】
[4.インタラクション制御を実行するか否かの判断処理]
図6に示したフローチャートに従って、操作端末保持認識部121、端末装置保持認識部122、及びインタラクション制御部123により実行される、インタラクション制御を実行するか否かの判断処理について説明する。以下では、図1,2を参照して上述したように、ステアリングホイール2に右コントローラ170bを着脱自在に保持する操作端末保持部50が設けられている構成を対象とした処理について説明する。
【0054】
図6のステップS1で、端末装置保持認識部122は、車両ECU10との有線通信の状況に応じて、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体110が保持されているか否かを認識する。端末装置保持認識部122は、ゲーム機本体110と車両ECU10との間で有線通信が確立されているときに、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体110が保持されていると判断する。
【0055】
続くステップS2で、インタラクション制御部123は、端末装置保持認識部122により、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体110が保持されていると認識されているときはステップS3に処理を進める。一方、端末装置保持認識部122により、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体110が保持されていると認識されていないときには、インタラクション制御部123は、ステップS1に処理を進める。
【0056】
ステップS3で、操作端末保持認識部121は、車両ECU10との通信により、右コントローラ170bと車両ECUとの間の有線通信の状況を認識して、操作端末保持部50に右コントローラ170bが保持されているか否かを判断する。操作端末保持認識部121は、車両ECU10とコントローラ170との間で有線通信が確立されている場合に、操作端末保持部50にコントローラ170が保持されていると認識する。
【0057】
続くステップS4で、インタラクション制御部123は、操作端末保持認識部121により、操作端末保持部50に右コントローラ170bが保持されていると認識されているときは、ステップS5に処理を進めて、インタラクション制御を実行する。一方、操作端末保持認識部121により、操作端末保持部50に右コントローラ170bが保持されていると認識されていないときには、インタラクション制御部123は、ステップS1に処理を進める。この場合は、インタラクション制御は実行されない。
【0058】
[5.インタラクション制御]
図7に示したフローチャートに従って、インタラクション制御部123によるインタラクション制御の実行手順について説明する。以下では、図1,2を参照して上述したように、ステアリングホイール2に右コントローラ170bを着脱自在に保持する操作端末保持部50が設けられている構成を対象とした処理について説明する。
【0059】
図7のステップS10で、インタラクション制御部123は、操作端末保持部50に保持されている右コントローラ170bから送信される加速度センサ176b及び角速度センサ177bの検出信号を受信する。続くステップS11で、インタラクション制御部123は、加速度センサ176b及び角速度センサ177bの検出信号に基づいて、右コントローラ170bの姿勢変化の状況を認識する。姿勢変化の状況には、姿勢の変化量、変化方向、変化速度等が含まれる。
【0060】
続くステップS12で、インタラクション制御部123は、車両ECU10から車両1の走行情報を受信する。走行情報には、車両1の走行速度、走行地点、走行ルート、目的地等が含まれる。次のステップS13で、インタラクション制御部123は、走行情報から車両1の走行状態を認識する。
【0061】
次のステップS13で、インタラクション制御部123は、右コントローラ170bの姿勢変位の状況と車両1の走行状態に基づいて、車両1で使用される出力装置から出力する情報を決定する。インタラクション制御部123は、出力装置として、ゲーム機本体110の表示器141及びスピーカー142、車両1の表示器4及びスピーカー5a,5b等を使用する。
【0062】
インタラクション制御部123は、出力装置から出力する情報を、例えば以下のように決定する。
・右コントローラ170bの姿勢変化量、変化速度に応じて、スピーカーから出力する音楽の種類、テンポ、音量を変更する。この場合、スピーカーから出力する音楽を、ゲームアプリプログラム133により実行されるゲームで使用される音楽としてもよい。
・車両1の走行速度、走行地点、目的地に応じて、スピーカー出力する音楽、表示器に表示する画像を変更する。この場合も、スピーカーから出力する音楽を、ゲームアプリプログラム133により実行されるゲームで使用される音楽としてもよく、表示器に表示する画像をゲームの場面の画像としてもよい。
【0063】
[6.他の実施形態]
上記実施形態では、本開示の移動体として車両1を例示したが、地上を走行する車両の他、空中を移動する飛行体、水上を航行する船舶等の種々の移動体について、本開示の構成を適用することが可能である。
【0064】
上記実施形態では、本開示の操作端末として、ゲーム機100の左コントローラ170a,右コントローラ170bを示したが、本開示の操作端末は、姿勢検出部を有するスマートフォン、携帯電話、携帯ゲーム機等であってもよい。
【0065】
図3に示したように、ステアリングホイール2に複数のコントローラを取り付けることができる場合に、取り付けられたコントローラの個数に応じて、インタラクション制御部123によるインタラクション制御の処理内容を変更するようにしてもよい。例えば、左コントローラ170aと右コントローラ170bが取り付けられている場合に、左コントローラ170aの加速度センサ176a及び角速度センサ177aと、右コントローラ170bの加速度センサ176b及び角速度センサ177bの各検出信号を組み合わせて用いることで、ステアリングホイール2の操作状況をより精度良く認識し、ステアリングホイール2の操作状況に基づいて、出力装置から出力する情報を決定するようにしてもうよい。或いは、右コントローラ170bに備えられたカメラ180の撮影画像を用いることで、運転者の操作を画像からも認識するようにしてもよい。
【0066】
上記実施形態では、ゲーム機本体110にコンテンツ情報出力部124を備えた例を示したが、コンテンツ情報出力部124を省略した構成としてもよい。
【0067】
上記実施形態では、図6に示したフローチャートによる処理により、端末装置保持認識部122により、ゲーム機本体保持部60にゲーム機本体が保持されていることが認識され、且つ、操作端末保持認識部121により、操作端末保持部50に右コントローラ170bが保持されていることが認識された場合に、インタラクション制御部123がインタラクション制御を実行する構成とした。他の構成として、ゲーム機本体保持部60、及び端末装置保持認識部122を省略して、操作端末保持認識部121により、操作端末保持部50に右コントローラ170bが保持されていることが認識された場合に、インタラクション制御部123がインタラクション制御を実行する構成としてもよい。
【0068】
上記実施形態では、ゲーム機本体110により、本開示のインタラクション提供システムを構成したが、車両ECU10により、インタラクション提供システムを構成してもよい。この場合は、車両ECU10に備えられるメモリに、インタラクション提供プログラム132を保存し、車両ECU10に備えられた車両プロセッサが、インタラクション提供プログラム132を実行することによって、操作端末保持認識部121、端末装置保持認識部122、インタラクション制御部123、及びコンテンツ情報出力部124として機能する。
【0069】
或いは、サポートサーバー510により、インタラクション提供システムを構成してもよい。サポートサーバー510を構成するコンピュータは、インタラクション提供プログラム132を実行することにより、操作端末保持認識部121、端末装置保持認識部122、インタラクション制御部123、及びコンテンツ情報出力部124として機能する。この場合、操作端末保持認識部121及び端末装置保持認識部122は、車両ECU10から通信ネットワーク500を経由して送信される車両ECU10とゲーム機本体110、左コントローラ170a、及び右コントローラ170bとの有線通信の確立情報に基づいて、操作端末保持部50に左コントローラ170a又は右コントローラ170bが保持されているか否か、及びゲーム機本体110がゲーム機本体保持部60に保持されているか否かを判断する。
【0070】
また、左コントローラ170a又は右コントローラ170bから送信される加速度検出信号及び角速度信号の情報が、車両ECU10を介してサポートサーバー510に送信され、インタラクション制御部123は、これらの情報に基づいて左コントローラ170a又は右コントローラ170bの姿勢変化の状況を認識して、出力装置から出力する情報を決定する。そして、インタラクション制御部123は、決定した情報を車両ECU10に送信して、決定した情報を車両1で使用される出力装置から出力する。
【0071】
上記実施形態では、本開示の端末装置としてゲーム機本体110を示したが、本開示の端末装置は、表示器を有してコントローラが着脱可能に装着される端末装置であればよく、ゲーム機本体以外の情報端末等であってもよい。
【0072】
なお、図4図5は、本願発明の理解を容易にするために、車両1、インタラクション提供システムの機能を含むゲーム機本体110、左コントローラ170a、及び右コントローラ170bの構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車両1、ゲーム機本体110、左コントローラ170a、及び右コントローラ170bの構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図6図7に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0073】
[7.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0074】
(第1項)運転者による操作に応じて変位する操舵部と、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有する操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体。
第1項の移動体によれば、移動体の操舵部に操作端末保持部を設けて、操作端末保持部に保持された操作端末の姿勢変化検出部により、操舵部の操作状況の認識を可能にするという簡易な構成により、運転者の状況を認識してインタラクションを提供することができる。
【0075】
(第2項)表示器を有し、前記操作端末がコントローラとして着脱可能に装着される端末装置を、前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を備える第1項に記載の移動体。
第2項の移動体によれば、端末装置を端末装置保持部に取り付けて、インタラクションを表示させる出力装置として使用することができる。
【0076】
(第3項)前記操作端末保持部は、コントローラとして端末装置に着脱可能に装着される1又は複数個の前記操作端末を、前記操舵部に着脱可能に保持する第1項又は第2項に記載の移動体。
第3項の移動体によれば、端末装置のコントローラを、操舵部の操作状況を認識するための手段に転用することができる。また、複数個のコントローラを操作端末保持部に取り付けることによって、操舵部の操作状況をより詳細に認識することが可能となる。
【0077】
(第4項)運転者による操作に応じて変位する操舵部と、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有する操作端末を前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するインタラクション提供システムであって、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、を備えるインタラクション提供システム。
第4項のインタラクション提供システムによれば、移動体の操舵部に備えられた操作端末保持部に操作端末が保持されていることが認識されている場合に、姿勢変化検出部により認識される操作端末の姿勢変化に基づいて、運転者の状況に応じたインタラクションを提供することができる。
【0078】
(第5項)前記操作端末は、表示器及びスピーカーを有する端末装置に着脱可能に装着されるコントローラであり、前記移動体は、前記端末装置を前記移動体の所定箇所に着脱可能に保持する端末装置保持部を有し、前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることを認識する端末装置保持認識部を備え、前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識され、且つ前記端末装置保持認識部により前記端末装置が前記端末装置保持部に保持されていることが認識されている場合に、前記表示器と前記スピーカーとのうちの少なくともいずれか一方を前記出力装置として、前記インタラクション制御を実行する第4項に記載のインタラクション提供システム。
第5項のインタラクション提供システムによれば、端末装置保持部に保持された端末装置を、インタラクション制御により情報を出力する出力装置として転用することができる。
【0079】
(第6項)前記操作端末保持認識部、前記端末装置保持認識部、及び前記インタラクション制御部は、前記端末装置に備えられている第5項に記載のインタラクション提供システム。
第6項のインタラクション提供システムによれば、移動体による処理に依らずに、ゲーム機本体による処理によってインタラクション制御を実行することができる。
【0080】
(第7項)前記操作端末は、端末装置のコントローラであり、前記操作端末保持認識部により前記操作端末が前記操作端末保持部に保持されていることが認識されているときに、前記端末装置に所定のアプリケーションをインストールすることにより使用可能となるコンテンツの情報を、前記出力装置から出力するコンテンツ情報出力部を備える第4項に記載のインタラクション提供システム。
第7項のインタラクション提供システムによれば、インタラクション制御による情報の出力を享受している運転者或いは他の搭乗者に対して、使用可能なコンテンツの情報を提供することができる。
【0081】
(第8項)前記操作端末保持部は、1又は複数個の前記操作端末を着脱可能に保持し、前記操作端末保持認識部は、前記操作端末保持部に保持されている前記操作端末の個数を認識し、前記インタラクション制御部は、前記操作端末保持認識部により認識される前記操作端末の個数に応じて、前記インタラクション制御による処理内容を変更する第4項から第7項のうちいずれか1項に記載のインタラクション提供システム。
第8項のインタラクション提供システムによれば、操作端末保持部に保持されている操作端末の個数に応じて、インタラクション制御により出力される情報のバリエーションを変更することが可能となる。
【0082】
(第9項)前記移動体の移動状態を認識する移動状態認識部を備え、前記インタラクション制御部は、前記インタラクション制御において、前記姿勢変化検出部により検出される前記操作端末の姿勢変化、及び前記移動状態認識部により認識される前記移動体の移動状態に基づいて、前記出力装置から出力する情報を決定する第4項から第8項のうちいずれか1項に記載のインタラクション提供システム。
第9項のインタラクション提供システムによれば、移動体の移動状態をインタラクション制御により出力する情報の決定要素に加えることにより、インタラクション制御により出力される情報を、移動体の移動状態に応じて変化させることができる。
【0083】
(第10項)運転者による操作に応じて変位する操舵部と、姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有する操作端末を前記操舵部に着脱可能に保持する操作端末保持部と、を備える移動体において、インタラクションを提供するためにコンピュータにより実行されるインタラクション提供方法であって、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることを認識する操作端末保持認識ステップと、前記操作端末保持認識ステップにより、前記操作端末保持部に前記操作端末が保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記操作端末の姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御ステップと、を含むインタラクション提供方法。
第10項のインタラクション提供方法をコンピュータにより実行することにより、上記第4項のインタラクション提供システムの構成を実現することができる。
【0084】
(第11項)姿勢変化を検出する姿勢変化検出部を有するコントローラが着脱可能に装着される端末装置に実装された、端末装置プロセッサにより実行されるインタラクション提供プログラムであって、前記端末装置プロセッサを、前記コントローラが、移動体の操舵部に備えられて前記コントローラを着脱自在に保持する操作端末保持部に、保持されていることを認識する操作端末保持認識部と、前記操作端末保持認識部により、前記操作端末保持部に前記コントローラが保持されていることが認識されているときに、前記姿勢変化検出部による前記コントローラの姿勢変化の検出状況に基づいて、前記移動体で使用される出力装置から出力する情報を決定するインタラクション制御を実行するインタラクション制御部と、して機能させるインタラクション提供プログラム。
第11項のインタラクション提供プログラムを、端末装置に実装された端末装置プロセッサにより実行することによって、移動体による処理に依ることなく、端末装置とコントローラとによりインタラクション制御の処理を実行することができる。
【符号の説明】
【0085】
1…車両(移動体)、2…ステアリングホイール(操舵部)、3…ダッシュボード、4…表示器、5a,5b…スピーカー、10…車両ECU、50,50a,50b…操作端末保持部、60…ゲーム機本体保持部(端末装置保持部)、100…ゲーム機、110…ゲーム機本体(インタラクション提供システム)、120…端末装置プロセッサ、121…操作端末保持認識部、122…端末装置保持認識部、123…インタラクション制御部、124…コンテンツ情報出力部、130…メモリ、131…制御用プログラム、132…インタラクション提供プログラム、133…ゲームアプリプログラム、140…通信ユニット、141…表示器、142…スピーカー、143…マイク、144…加速度センサ、145…角速度センサ、170a…左コントローラ、170b…右コントローラ、171a,171b…コントローラプロセッサ、176a,176b…加速度センサ、177a,177b…角速度センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7