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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241216BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G03G21/00 538
G03G21/16 104
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020207100
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022094204
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】能島 浩史
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-076864(JP,U)
【文献】特開2002-132121(JP,A)
【文献】特開2018-081217(JP,A)
【文献】特開2011-128344(JP,A)
【文献】特開2011-112782(JP,A)
【文献】特開平10-240086(JP,A)
【文献】特開2017-083650(JP,A)
【文献】特開2020-047779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 15/02
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナ放電によって感光体を帯電させる帯電ユニットと、
前記帯電ユニットによって帯電された前記感光体に静電潜像を形成する露光ユニットと、
前記感光体に形成された静電潜像をトナーによって現像し、前記感光体にトナー像を形成する現像ユニットと、
前記トナー像をシートに転写する転写ユニットと、
前記感光体に残留したトナーを清掃する清掃ユニットと、
前記清掃ユニットによって回収されたトナーを搬送して回収する回収経路を有する回収ユニットと、
前記現像ユニットの近傍の空気を排気するための第1エアフローを形成する第1ダクトと、
前記回収経路の近傍の空気を排気するための第2エアフローを形成する第2ダクトと、
前記帯電ユニットの近傍の空気を排気するための第3エアフローを形成する第3ダクトと、
前記第1エアフローと前記第2エアフローを合流させるように前記第1ダクトと前記第2ダクトとを連結する第1連結部と、
前記第1エアフローと前記第2エアフローとの合流エアフローに対して前記第3エアフローを合流させるように前記第3ダクトと前記第1連結部とを連結する第2連結部と、
前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトに空気を取り込む吸気ファンと
前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトから空気を排出する排気ファンと、を備え、
前記吸気ファンの風量と前記排気ファンの風量との差によって、前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトの内部の圧力を、装置外部に対して負圧にする、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2連結部によって合流した合流エアフローを前記画像形成装置の外部へ排気する排気口と、
前記合流エアフローにおいて前記排気口よりも上流側に設けられるフィルタと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記合流エアフローにおいて前記フィルタと前記排気口の間に設けられる排気ファンをさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記感光体と異なる他の感光体と、
前記現像ユニットと異なる色のトナーによって前記他の感光体の静電潜像を現像する他の現像ユニットと、を備え、
前記第1ダクトは、前記現像ユニットの近傍の空気を吸気するための第1の吸気口と、前記他の現像ユニットの近傍の空気を吸気するための第2の吸気口とを備え、
前記第1ダクトは、前記第1エアフローにおいて、前記第1の吸気口及び前記第2の吸気口よりも下流側に、前記第1エアフローを鉛直方向下向きに導く第1の案内形状部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電ユニットと異なる他の帯電ユニットであって、前記感光体の回転方向において前記清掃ユニットと前記現像ユニットの間に設けられ、コロナ放電によって感光体を帯電させる他の帯電ユニットと、をさらに備え、
前記第2ダクトは、前記回収経路の近傍の空気を当該第2ダクトの内部へ導入するための第1の開口と、前記他の帯電ユニットの近傍の空気を当該第2ダクトの内部へ導入するための第2の開口と、を有し、
前記第2ダクトの内部のエアフローにおいて前記第2の開口は前記第1の開口よりも上流側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2ダクトは、前記第2エアフローにおいて前記第2の開口よりも下流側に、前記第2エアフローを鉛直方向下向きに導く第2の案内形状を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3ダクトは、前記帯電ユニットの近傍の空気を吸気するための第3の吸気口と、前記第3エアフローの経路において前記第3の吸気口よりも下流側に、前記第3エアフローを鉛直方向下向きに導く第3の案内形状部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1ダクト、前記第2ダクト及び前記第1連結部は樹脂により一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、
前記帯電ユニットと、前記露光ユニットと、前記現像ユニットと、前記転写ユニットと、前記清掃ユニットと、前記回収ユニットを有する第1筐体と、
前記転写ユニットによってトナー像が転写されたシートを加熱し、シートにトナー像を定着させる定着ユニットを有し、前記第1筐体と隣接して配置される第2筐体と、を備え、
前記第1ダクト、前記第2ダクト及び前記第3ダクトは、前記第1筐体に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1ダクトと前記第2ダクトとの間に配された封止部材を備える
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
コロナ放電によって感光体を帯電させる帯電ユニットと、
前記帯電ユニットによって帯電された前記感光体に静電潜像を形成する露光ユニットと、
前記感光体に形成された静電潜像をトナーによって現像し、前記感光体にトナー像を形成する現像ユニットと、
前記トナー像をシートに転写する転写ユニットと、
前記感光体に残留したトナーを清掃する清掃ユニットと、
前記清掃ユニットによって回収されたトナーを搬送して回収する回収経路を有する回収ユニットと、
前記現像ユニットの近傍の空気を排気するための第1エアフローを形成する第1ダクトと、
前記回収経路の近傍の空気を排気するための第2エアフローを形成する第2ダクトと、
前記帯電ユニットの近傍の空気を排気するための第3エアフローを形成する第3ダクトと、
前記第1エアフローと前記第2エアフローを合流させるように前記第1ダクトと前記第2ダクトとを連結する第1連結部と、
前記第1エアフローと前記第2エアフローとの合流エアフローに対して前記第3エアフローを合流させるように前記第3ダクトと前記第1連結部とを連結する第2連結部と、
前記帯電ユニットと異なる他の帯電ユニットであって、前記感光体の回転方向において前記清掃ユニットと前記現像ユニットの間に設けられ、コロナ放電によって感光体を帯電させる他の帯電ユニットと、備え、
前記第2ダクトは、前記回収経路の近傍の空気を当該第2ダクトの内部へ導入するための第1の開口と、前記他の帯電ユニットの近傍の空気を当該第2ダクトの内部へ導入するための第2の開口と、を有し、
前記第2ダクトの内部のエアフローにおいて前記第2の開口は前記第1の開口よりも上流側に設けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記第2連結部によって合流した合流エアフローを前記画像形成装置の外部へ排気する排気口と、
前記合流エアフローにおいて前記排気口よりも上流側に設けられるフィルタと、
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記合流エアフローにおいて前記フィルタと前記排気口の間に設けられる排気ファンをさらに備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記感光体と異なる他の感光体と、
前記現像ユニットと異なる色のトナーによって前記他の感光体の静電潜像を現像する他の現像ユニットと、を備え、
前記第1ダクトは、前記現像ユニットの近傍の空気を吸気するための第1の吸気口と、前記他の現像ユニットの近傍の空気を吸気するための第2の吸気口とを備え、
前記第1ダクトは、前記第1のエアフローにおいて、前記第1の吸気口及び前記第2の吸気口よりも下流側に、前記第1のエアフローを鉛直方向下向きに導く第1の案内形状部を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第2ダクトは、前記第2エアフローにおいて前記第2の開口よりも下流側に、前記第2のエアフローを鉛直方向下向きに導く第2の案内形状を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第3ダクトは、前記帯電ユニットの近傍の空気を吸気するための第3の吸気口と、前記第3のエアフローの経路において前記第3の吸気口よりも下流側に、前記第3のエアフローを鉛直方向下向きに導く第3の案内形状部を有する、
ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記第1ダクト、前記第2ダクト及び前記第1連結部は樹脂により一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成装置は、
前記帯電ユニットと、前記露光ユニットと、前記現像ユニットと、前記転写ユニットと、前記清掃ユニットと、前記回収ユニットを有する第1筐体と、
前記転写ユニットによってトナー像が転写されたシートを加熱し、シートにトナー像を定着させる定着ユニットを有し、前記第1筐体と隣接して配置される第2筐体と、を備え、
前記第1ダクト、前記第2ダクト及び前記第3ダクトは、前記第1筐体に設けられる、
ことを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備える複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備える複合機等の画像形成装置は、ファンを設けてエアフローを形成することで、装置内部における温度上昇を抑制したり、装置内のオゾンやトナー等を捕集する構成を用いている。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の感光体に対応する複数の換気ダクトを設け、それらを合流させてから、フィルタを通して画像形成装置の外部へ排気する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-324687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、複数の換気ダクトが合流する合流部において複数のエアフローが同時に合流するため、合流後の排気ダクトからの排気効率が低下する虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数のエアフローを合流させて排気する排気構成において排気効率が低下することを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、コロナ放電によって感光体を帯電させる帯電ユニットと、前記帯電器によって帯電された前記感光体に静電潜像を形成する露光ユニットと、前記感光体に形成された静電潜像をトナーによって現像し、前記感光体にトナー像を形成する現像ユニットと、前記トナー像をシートに転写する転写ユニットと、前記感光体に残留したトナーを清掃する清掃ユニットと、前記清掃ユニットによって回収されたトナーを搬送して回収する回収経路を有する回収ユニットと、前記現像ユニットの近傍の空気を排気するための第1エアフローを形成する第1ダクトと、前記回収経路の近傍の空気を排気するための第2エアフローを形成する第2ダクトと、前記帯電ユニットの近傍の空気を排気するための第3エアフローを形成する第3ダクトと、前記第1エアフローと前記第2エアフローを合流させるように前記第1ダクトと前記第2ダクトとを連結する第1連結部と、前記第1エアフローと前記第2エアフローとの合流エアフローに対して前記第3エアフローを合流させるように前記第3ダクトと前記第1連結部とを連結する第2連結部と、前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトに空気を取り込む吸気ファンと、前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトから空気を排出する排気ファンと、を備え、前記吸気ファンの風量と前記排気ファンの風量との差によって、前記第1ダクト、前記第2ダクト、及び前記第3ダクトの内部の圧力を、装置外部に対して負圧にする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のエアフローを合流させて排気する排気構成において排気効率が低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの概略断面図。
図2】本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の概略断面図。
図3】本実施形態に係る画像形成装置の定着搬送部の概略断面図。
図4】本実施形態に係る画像形成装置のエアフロー配置の背面図。
図5】本実施形態に係る画像形成装置のファン風量のブロック図。
図6】(a)本実施形態に係る画像形成装置の外観を示す正面図。(b)本実施形態に係る画像形成装置の外観を示す右側面図。
図7】本実施形態に係るダクトユニットの背面側斜視図。
図8】本実施形態に係るダクトユニットの正面側斜視図。
図9】本実施形態に係る現像排気ダクトのエアフローを示す説明図。
図10】本実施形態に係る現像排気ダクトのエアフローとオゾン排気ダクトのエアフローを示す説明図。
図11】(a)現像排気ダクトとオゾン排気ダクトが結合した状態を示す斜視図。(b)現像排気ダクトとオゾン排気ダクトとを分解した状態を示す斜視図。
図12】(a)現像排気ダクトとオゾン排気ダクトが結合部を説明する斜視図。(b)現像排気ダクトの穴形状部近傍を示した斜視図。
図13】オゾン排気ダクト側の結合部近傍の斜視図。
図14】穴形状部近傍の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
<実施形態1>
(画像形成システム)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置101を含む画像形成システム100の概略断面図である。図1に示す画像形成装置101は、給送されたシートSにトナー画像を転写する画像形成部102と、転写されたトナー画像をシートSに定着する定着搬送部103により構成される。画像形成部102と定着搬送部103は、各々独立した筐体であり、それぞれに設けられた複数のキャスターによって移動可能となっている。この構成により、大型な装置であっても、筐体毎に分離した状態での梱包や輸送を行うことが可能となり、設置に至るまでの物流時の作業性を改善することができる。
【0012】
画像形成部102の上部には、原稿画像を読み取る原稿読取装置104、及び積載した複数枚の原稿を原稿読取装置104に1枚ずつ給送する原稿給送装置105が選択式に接続される。
【0013】
画像形成部102のシート搬送方向上流側には、複数のシート収納部を有する大容量給送装置106、もしくは不図示の手差し給送装置、もしくは長尺シートを収容可能な不図示の長尺給送装置のいずれかの給送装置を選択的に接続することができる。大容量給送装置106の更に上流側には、不図示の大容量給送装置、手差し給送装置、長尺給送装置のいずれかの給送装置を選択的に重連接続することができる。
【0014】
定着搬送部103のシート搬送方向下流側には、シートSの片面、もしくは両面に形成された定着後のトナー画像を読み取り、画像濃度や画像位置のずれを検出し、画像形成部102に伝送される画像信号に対してフィードバック補正を行うためのセンシング装置107が選択的に接続される。
【0015】
定着搬送部103、もしくはセンシング装置107の更に下流側には、インサータ、パンチャ、くるみ製本機、大容量スタッカ、折り機、フィニッシャ、トリマ等、不図示の様々なシート処理装置を1つ、もしくは複数組み合わせて、選択的に接続することができる。
【0016】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置101は、シート搬送方向の上下流に多様なオプション装置が選択的に接続されることで、多様なマテリアルに対して、多様な後処理加工を施した成果物をインライン出力することが可能となり、高生産、高画質、高安定、高機能に優れた画像形成システム100を提供することができる。尚、本実施形態では、図中に示す矢印X方向が画像形成システム100の幅方向(左右方向)であり、矢印Y方向が前後方向であり、矢印Z方向が鉛直方向(上下方向)である。
【0017】
(画像形成装置:画像形成部102)
図2は、本実施形態の画像形成装置101における画像形成部102の概略断面図である。図2に示す画像形成部102は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色別に異なるトナー画像を形成する複数の作像ステーション200を備える。図2(a)は、画像形成部102全体の概略断面図である。図2(b)は、作像ステーション200Y,M,Cの概略断面図である。図2(c)は、作像ステーション200Kの概略断面図である。
【0018】
図2(a)に示すように、各作像ステーション200における感光ドラム201は、一次帯電器202により表面を一様に帯電された後、伝送される画像情報の信号に基づき駆動されるレーザスキャナ203により静電潜像が形成される。ここで形成された潜像は、現像器204によりトナー画像として現像される。本実施形態における観光ドラム201は感光体の一例であり、レーザスキャナ203は露光ユニットの一例であり、現像器204は現像ユニットの一例である。
【0019】
そして、現像により消費されたトナーは、トナーボトル205からトナー補給経路206を介して各現像器204に適宜補給される。各作像ステーション200Y,M,Cは、用いるトナーの色が異なるのみであり、構成は全て共通となっている。以下では、共通の構成に関してY,M,C,Kの符号を省略して説明をする。尚、作像ステーション200Kは、一部の構成が作像ステーション200Y,M,Cと異なる機能を有する構成となっているため、異なる箇所については後述する。
【0020】
感光ドラム201上のトナー画像は、一次転写ローラ207により所定の加圧力、及び静電的負荷バイアスが付与されて、中間転写ベルト208上に順次転写される。ここで、本実施形態における中間転写ベルト208は、転写ユニットの一例である。転写後の感光ドラム201上に残った僅かな残留トナーは、感光ドラムクリーナ209により除去され、次の画像形成に備える。除去された残トナーは、トナー回収経路210を介して回収トナー容器211に収容される。ここで、感光ドラムクリーナ209は感光ドラム201の残留トナーを清掃するための清掃ユニットの一例であり、回収トナー容器211は回収ユニットの一例である。
【0021】
一方、画像形成部102内部のシート収納部212、もしくは前述した画像形成装置101の外部に接続されるいずれかの給紙装置により1枚ずつ給送されたシートSは、レジストローラ213のニップ部に先端を倣わせてループを形成することで斜行修正が行われる。その後、レジストローラ213は、中間転写ベルト208上のトナー画像と同期をとって、シートSを二次転写部へ搬送する。
【0022】
中間転写ベルト208上のトナー画像は、二次転写内ローラ214、及び二次転写外ローラ215から成る二次転写ニップで、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを付与することでシートSに転写される。転写後、中間転写ベルト208上に残った僅かな残トナーは、中間転写ベルトクリーナ216によって除去され、次の画像形成に備える。除去された残トナーは、トナー回収経路210を介して回収トナー容器211に収容される。トナー画像が転写されたシートSは、定着前搬送ベルト217a,bにより下流の定着搬送部103に搬送される。
【0023】
(画像形成装置:白黒画像形成)
本実施形態の画像形成装置101は、前述したY、M、C、K全ての作像ステーション200を使用したフルカラー画像形成の他に、Kの作像ステーション200Kのみを使用した白黒画像形成を行うことができる。
【0024】
白黒画像形成時には、一次転写ローラ207、一次転写補助ローラ218、中間転写ベルト208を、不図示の離間機構により、図2(a)の破線で示す位置に変位させる。この離間機構により、中間転写ベルト208から離間されたY、M、Cの作像ステーション200Y、200M、750は、回転駆動を停止することができる。即ち、Y、M、Cの作像ステーション200Y、200M、750において、不用な回転駆動に伴う不用な部品摩耗を防止でき、高寿命化を図ることができる。
【0025】
一方、感光ドラム201Kは、感光ドラム201Y、201M、201Cよりも高寿命に適した大径で構成される。また、図2(c)に示すように、一次帯電器202Kは、一次帯電器202Y、202M、202Cのローラ帯電器による接触方式よりも高寿命に適したコロナ帯電器による非接触方式で構成される。更には、トナーボトル205Kは、トナーボトル205Y、205M、205Cよりも高寿命に適した大容量で構成される。
【0026】
以上の構成により、白黒画像形成を多用するユーザにおいても、使用頻度の低いY、M、Cの作像ステーション200Y、200M、750に対して、使用頻度の高いKの作像ステーション200Kのメンテナンス間隔が短くなることを防止できる。
【0027】
また、コロナ帯電器202Kを用いた大径ドラム構成は、ローラ帯電器202Y、202M、202Cを用いた小径ドラム構成よりも、帯電幅が広く高速化に適した構成であるため、白黒画像形成時の生産性を向上することもできる。
【0028】
なお、このような作像ステーション200間で異なる条件を有する画像形成部102においては、形状や摩耗量の差から感光ドラム201上のトナー帯電量に差が生じる場合がある。トナー帯電量に差が生じると、二次転写工程において、シートSへのトナー画像の転写が均一に行われずに画像不良を生じる場合がある。そこで、Kの感光ドラム201Kには、Y、M、Cの感光ドラム201Y、201M、201Cとトナー帯電量を揃えるためのコロナ帯電器からなる転写前帯電器219が配設される。ここで、転写前帯電器219は、感光ドラム201の回転方向において現像器204Kと感光ドラムクリーナ209Kの間に設けられる他の帯電ユニットの一例である。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、フルカラー画像形成のみならず白黒画像形成においても、高生産、高画質、高安定、高寿命に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0030】
(画像形成装置:定着搬送部103)
図3は、本実施形態の画像形成装置101における定着搬送部103の概略断面図である。図3に示す定着ユニット301は、画像形成部102より搬送されるシートS上のトナー画像を加熱加圧することによりシートS上に定着する。
【0031】
本実施形態では、定着ユニット301の鉛直方向上側に、不図示のヒータによって加熱される加熱ローラ301aを有し、鉛直方向下側に、加熱ローラ301aに対してシートを加圧する加圧ローラ301bを有している。トナー像が形成されたシートSは、加熱ローラ301aと加圧ローラ301bによって形成される定着ニップにて加熱及び加圧されることでトナー画像が定着される。そして、加熱ローラ301aと加圧ローラ301bは、シートを加熱加圧しながらシート搬送方向下流側へシートを挟持搬送する。ここでは、ローラ対からなる定着ユニット301を例に説明したが、搬送ベルトによって定着ニップを形成する定着ユニット301であってもよい。
【0032】
定着ユニット301により加熱されたシートSは、冷却ユニット302の搬送ベルト30aの内面に接触するヒートシンク303の吸熱により冷却されながら搬送ベルト302a,bによって搬送され、排紙搬送パス304を経由して、前述したセンシング装置107、もしくは不図示の後処理装置に排出される。
【0033】
シートSの表裏を反転して排出する場合は、排紙反転部305でスイッチバック搬送を行い、シートSの先後端を入れ替えて表裏を反転した状態で排紙搬送パス304を経由して排出する。
【0034】
シートSの両面に画像形成を行う場合は、1面目の画像が形成されたシートSを、両面反転部306でスイッチバック搬送を行い、シートSの先後端を入れ替えて表裏を反転した状態で両面搬送パス307に搬送する。その後、画像形成部102内部のシート収納部212、もしくは前述した外部に接続されるいずれかの給紙装置により給送される後続シートSとのタイミングを合わせてレジストローラ213に再合流させ、2面目に対して1面目と同様なプロセスで画像形成を行い、排紙搬送パス304を経由して排出する。
【0035】
(画像形成装置:エアフロー配置)
図4は、本実施形態の画像形成装置101におけるエアフロー配置を示す図であり、画像形成装置101を背面側から見た図である。ここで、画像形成装置101の正面側とは、シート収納部212にシートを補充する際等にシート収納部212を画像形成装置101に対して引き出す側面であり、画像形成装置101を操作するユーザが立つ位置である。そして、画像形成装置101の背面側とは、前後方向(シート収納部212の挿抜方向)において正面側と反対側の側面である。
【0036】
図4に示すように、画像形成装置101は、作像エアフロー401、定着前搬送エアフロー402、電源エアフロー403を備える。定着搬送部103は、定着エアフロー404、冷却ユニットエアフロー405、電源エアフロー406、電装エアフロー407を備える。
【0037】
画像形成部102の作像エアフロー401は、一次帯電器吸気ファン408、現像器吸気ファン409Y、409M、409C、作像排気ファン410を備える。
【0038】
一次帯電器吸気ファン408は、作像ステーション200Kの一次帯電器202Kに対して、換気のための外気を供給する。一次帯電器吸気ファン408の上流側には、外気に浮遊する粉塵を捕集し、清浄化した空気をKの一次帯電器202Kに供給するための一次帯電器吸気フィルタ411が配設される。
【0039】
現像器吸気ファン409Y、409M、409Cは、現像器204Y、204M、204Cに対して、冷却のための外気を供給する。
【0040】
作像排気ファン410は、Kの一次帯電器202K、及び転写前帯電器219が、コロナ放電により放出したオゾンをKの作像ステーション200Kから排出させる。また、作像排気ファン410は、回転駆動時の摩擦により各現像器204が放出した熱を各作像ステーション200から排出させる。また、作像排気ファン410は、トナー回収経路210から内部に滞留した熱を排出させる。更には、作像排気ファン410は、トナー画像形成の各工程において放出された微量の浮遊トナーを、各作像ステーション200から排出させる。作像排気ファン410の上流側には、各作像ステーション200から排出されたオゾン、及びトナーを含む粉塵を捕集し、清浄化した空気を装置101の外部に排気するための作像排気フィルタ412が配設される。
【0041】
以上で説明した作像エアフロー401の構成によれば、作像工程で放出されるオゾン、熱及び粉塵を、各作像ステーション200内に滞留させることなく効率よく排出し、作像排気フィルタ412にて捕集することができる。
【0042】
即ち、オゾンや粉塵が感光ドラム201や一次帯電器202に付着することにより生じる帯電ムラ等の帯電画像不良、トナーが過昇温して流動性が悪化することにより生じる現像画像不良、及びトナー搬送経路詰まり等の動作不良及びオゾンや粉塵が転写前帯電器219に付着することにより生じる転写画像不良等を防止できる。
【0043】
よって、高画質、高安定、高寿命に優れた画像形成装置101を提供することができる。また、画像形成装置101の外部へのオゾン、粉塵の排出量を削減した環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。作像エアフロー401の詳細な構成については、後述する。
【0044】
また、定着前搬送ベルト217a,bの内周部には、定着前搬送ベルト217a,bに設けられた不図示の吸引口を介して、シートSを定着前搬送ベルト217a,bの外周面に吸着するための定着前搬送吸着ファン413が設けられている。定着前搬送吸着ファン413は、各定着搬送ベルト217a,bに対して前後2個ずつ、合計4つ備えられている。このように、定着前搬送吸着ファン413によって、画像形成部102の定着前搬送エアフロー402が構成されている。
【0045】
定着前搬送吸着ファン413は、不図示の制御回路により、搬送されるシートSの材質や形状に応じて最適な風量に調整される。この構成によれば、シートS上の未定着トナー画像を乱すことなく、多様なマテリアルに対して安定した搬送を行うことができる。よって、高画質、高安定及び高機能に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0046】
なお、定着前搬送吸着ファン413は、隣接する定着ユニット301で放出される熱、VOC、粉塵及びUFPを吸引する可能性がある。そこで、定着前搬送エアフロー402は、後述する定着下部排気フィルタ422でVOC、粉塵及びUFPの捕集を行い、清浄化した空気を装置101の外部に排気する。この構成により、装置101の外部へのVOC、粉塵及びUFPの排出量を削減した環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0047】
画像形成部102の電源エアフロー403は、電源基板414が放出した熱を画像形成装置101の外部に排出する電源排気ファン415を備える。電源排気ファン415による排気に伴い、電源吸気口416から冷却のための外気が供給され、電源基板424を効率よく冷却することができる。この構成により、電源基板414が過昇温して出力が低下することに伴う画像形成装置101の動作不良や故障を防止することができる。よって、高生産、高安定、高寿命に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0048】
定着搬送部103の定着エアフロー404は、定着排熱ファン417、定着加圧吸気ファン418、定着加圧排気ファン419、湿気排気ファン420を備える。
【0049】
定着排熱ファン417は、主に、定着ユニット301の加熱側となる上部から放出される熱を装置101の外部に排出する。定着ユニット301を構成する部品、もしくはトナーに含まれる離型剤(ワックス)が加熱されると、熱と共にVOC、粉塵及びUFP等が放出される可能性がある。よって、定着排熱ファン417によって発生する気流の下流側には、VOC、粉塵、UFPを捕集するための定着上部排気フィルタ421が配設される。
【0050】
定着加圧吸気ファン418は、定着ユニット301の加圧側となる下部に対して、冷却のための外気を供給する。定着加圧排気ファン419は、定着ユニット301の加圧側となる下部から放出される熱を画像形成装置101の外部に排出する。湿気排気ファン420は、定着ユニット301で加熱されたシートSから放出される水蒸気を装置101の外部に排出する。
【0051】
定着加圧排気ファン419、及び湿気排気ファン420、及び前述した定着前搬送吸着ファン413によって発生する気流の下流側には、熱や水蒸気と共に放出されるVOC、粉塵、UFPを捕集するための定着下部排気フィルタ422が配設される。
【0052】
以上説明した定着エアフロー404の構成によれば、加熱工程で放出される熱、湿気、VOC、粉塵及びUFPを、画像形成装置101の内部に滞留させることなく効率よく排出することができる。即ち、熱が画像形成装置101に滞留してトナーや各ユニットの部品等が過昇温することによる画像不良、及び動作不良を防止できる。
【0053】
また、定着ユニット301の加圧側が過昇温することで、定着工程でトナーに与える熱量が過剰になることによる定着画像不良、及び定着分離不良等のシートの搬送不良を防止できる。また、水蒸気が付着することによる搬送ガイドの結露や、結露した水滴が搬送中のシートSに付着することによる搬送不良、及び画像不良を防止できる。更には、加熱により気化した離型剤(ワックス)が再び固化して部品等に付着することによる動作不良、シート搬送不良を防止できる。よって、高画質、高安定及び高寿命に優れた画像形成装置101を提供することができる。また、画像形成装置101の外部へのVOC、粉塵及びUFPの排出量を削減した環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0054】
定着搬送部103の冷却ユニットエアフロー405は、冷却ユニット302の内部に配設されるヒートシンク303が放出した熱を装置101の外部に排出するための冷却ユニット排気ファン423を備える。冷却ユニット302のヒートシンク303は、搬送ベルト302aを介して定着後のシートSから熱を吸収し、吸収した熱を放出する熱交換器である。この構成によれば、定着ユニット301で加熱されたシートSを効率よく冷却することができ、下流の搬送パスにおけるシートSからの放熱量を低減することができる。
【0055】
即ち、両面画像形成時のシートSからの放熱で画像形成部102のトナーが過昇温することによる画像不良、及び動作不良を防止できる。また、後処理装置で成果物を大量積載した際のシートS間のトナー画像の貼りつきを防止できる。よって、高画質及び高安定に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0056】
定着搬送部103の電源エアフロー406は、電源基板424が放出した熱を外部に排出する電源排気ファン425、426を備える。電源排気ファン425、426による排気に伴い、電源吸気口427から冷却のための空気が供給され、電源基板424を効率よく冷却することができる。この構成により、電源基板424が過昇温して出力が低下することに伴う動作不良や故障を防止することができる。よって、高生産及び高安定に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0057】
定着搬送部103の電装エアフロー407は、電装基板428、429が放出した熱を外部に排出する電装排気ファン430を備える。電装排気ファン430による排気に伴い、電装吸気口431から冷却のための空気が供給され、電装基板428、429を効率よく冷却することができる。この構成により、電装基板428、429が過昇温して出力が低下することに伴う動作不良や故障を防止することができる。よって、高生産及び高安定に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0058】
(画像形成装置:エアフロー収支)
図5は、本実施形態の画像形成装置101における吸気、及び排気ファンの風量を示したブロック図であり、(a)は画像形成部102の各ファンの風量を示し、(b)は定着搬送部103の各ファンの風量を示している。図5に示す数値は、一例として、厚紙に画像形成を行う際の各ファンの風量を示している。
【0059】
図5(a)の破線は、画像形成装置101の画像形成部102の内部に作用する吸気ファンの風量合計Q1、及び排気ファンの風量合計Q2の合計範囲を示す。ここで、電源エアフロー403は、画像形成部102及び定着搬送部103の内部と連通しない独立した風路で構成されており、外気に対して直接吸排気を行う構成としている。従って、電源エアフロー403は、画像形成部102の内部のエアフローに作用しないため、合計値から除外している。ここで、吸気ファンとは、画像形成装置101の外部の空気を装置内部へ取り入れるためのファンであり、画像形成部102に設けられるファンのうち、一次帯電器吸気ファン408と、3つの現像器吸気ファン409C,M,Yが該当する。また、排気ファンとは、画像形成装置101の内部の空気を装置外部へ排出するためのファンであり、画像形成部102に設けられるファンのうち、作像排気ファン410と4つの定着前搬送吸着ファン413が該当する。
【0060】
本実施形態では、以下のように画像形成装置101における画像形成部102の吸気ファンの風量合計Q1よりも排気ファンの風量合計Q2の方が大きくなるように構成される。
【0061】
Q1:0.60m/min<Q2:2.13m/min
この構成によれば、外気よりも画像形成部102の内部を相対的に負圧に保つことができる。よって、画像形成部102の内部のオゾンや粉塵が、外装カバーの合わせ目等の微小な隙間から画像形成装置101の外部に漏出することを防ぐことができる。即ち、画像形成部102のエアフロー排気口に設けた作像排気フィルタ412において、画像形成装置101内でオゾン及び粉塵の捕集が確実に行われ、環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0062】
図5(b)の破線は、画像形成装置101の定着搬送部103の内部に作用する吸気ファンの風量合計Q3、及び排気ファンの風量合計Q4の合計範囲を示す。ここで、吸気ファンとは、画像形成装置101の外部の空気を装置内部へ取り入れるためのファンであり、定着搬送部103に設けられるファンのうち、定着加圧吸気ファン418が該当する。また、排気ファンとは、画像形成装置101の内部の空気を装置外部へ排出するためのファンであり、定着搬送部103に設けられるファンのうち、3つの定着排熱ファン417、定着加圧排気ファン419、湿気排気ファン420、冷却ユニット排気ファン423、電源排気ファン425、426及び電装排気ファン430が該当する。
【0063】
本実施形態では、吸気ファンの風量合計Q3よりも排気ファンの風量合計Q4の方が大きくなるように構成される。
【0064】
Q3:1.74m/min<Q4:9.77m/min
この構成によれば、外気よりも定着搬送部103の内部を相対的に負圧に保つことができる。よって、定着搬送部103の内部のVOC、粉塵及びUFPが、外装カバーの合わせ目等の微小な隙間から、画像形成装置101の外部に漏出することを防ぐことができる。即ち、定着搬送部103のエアフロー排気口に設けた定着上部排気フィルタ421、及び定着下部排気フィルタ422において、画像形成装置101内のVOC、粉塵及びUFPの捕集が確実に行われ、環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0065】
更に、本実施形態では、画像形成部102における排気ファンの風量合計Q2と吸気ファンの風量合計Q1との差分風量よりも、定着搬送部103における排気ファンの風量合計Q4と吸気ファンの風量合計Q3との差分風量の方が大きくなるように構成される。
【0066】
(Q2-Q1):1.53m/min<(Q4-Q3):8.03m/min
この構成によれば、画像形成部102の内部よりも定着搬送部103の内部を相対的により負圧に保つことができる。よって、定着搬送部103の内部で放出された熱、VOC、粉塵、UFP及び水蒸気が、画像形成部102と定着搬送部103との連通部から画像形成部102の内部に流入することを防ぐことができる。即ち、定着ユニット301の近傍で発生しやすい熱、VOC、粉塵、UFP及び水蒸気が、定着搬送部103に隣接配置された画像形成部102の筐体内部に流入することを防ぐことができる。
【0067】
よって、画像形成部102へ定着ユニット301の熱が流入してトナーの流動性を悪化させることによる画像不良や動作不良や、VOC、粉塵またはUFPが流入して部品に付着することによる画像不良、搬送不良及び動作不良、及び、水蒸気が流入して部品に結露することによる画像不良や搬送不良等を防止することができる。
【0068】
以上のことから、定着搬送部103の内部で放出された熱は、画像形成部102の内部に滞留することなく定着搬送部103のエアフロー排気口から効率よく排出され、VOC、粉塵及びUFPは、排気口に設けた定着上部排気フィルタ421、及び定着下部排気フィルタ422において確実に捕集されるため、高画質、高安定及び高寿命に優れ、且つ環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0069】
(画像形成部:作像エアフロー401)
次に、作像エアフロー401の詳細な構成について説明をする。本実施形態では、上述したようにオゾンや粉塵が感光ドラム201や一次帯電器202に付着することにより生じる帯電ムラ等の帯電画像不良、トナーが過昇温して流動性が悪化することにより生じる現像画像不良、及び回収経路210の詰まり等の動作不良及びオゾンや粉塵が転写前帯電器219に付着することにより生じる転写画像不良等を防止するために作像エアフロー401を設けている。
【0070】
本実施形態では、トナーのバインダ樹脂としてポリエステル樹脂を用いており、現像器204近傍の温度が40℃以上となってしまうと画像不良が生じる恐れがあり、回収経路210近傍の温度が45℃以上となってしまうと、トナーの詰まりが生じる恐れがある。そこで、本実施形態の作像エアフロー401では、現像器204近傍の温度が40℃以下となり、回収経路210近傍の温度が45℃以下となるように吸排気を行っている。
【0071】
図6は、画像形成装置101の画像形成部102の外観を示す図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
【0072】
図6(a)に示すように、画像形成部102の正面側に設けられるフロントカバー60aには、吸気口61が設けられている。また、図6(b)に示すように、画像形成部102の右側面に設けられる側面カバー60bには、吸気口62が設けられている。
【0073】
前述した現像吸気ファン409Y,M,Cは、各現像器204を冷却し、所定温度以下に保つために、フロントカバー60aの吸気口61を介して画像形成部102の外部から空気を吸気するファンである。
【0074】
また、一次帯電器吸気ファン408は、吸気口62から吸気した画像形成部102の外部の空気を一次帯電器202Kの上方から感光ドラム201Kへ向かって吹き付けるためのファンである。
【0075】
図7は、作像エアフロー401を構成するダクトユニット700である。本実施形態におけるダクトユニット700は、各現像器204の冷却するエアフロー、一次帯電器202K及び転写前帯電器219のコロナ放電により放出されたオゾンの捕集をするためのエアフロー、及びトナー回収経路210で滞留する熱の排出を行うエアフローを形成するためエアフロー等、複数のエアフローを合流させ、1つの排気口から空気を排出するダクトユニットである。つまり、複数の吸気口から空気を吸気し、エアフローを合流させた後に画像形成部102の装置外へ空気を排気するダクトユニットである。
【0076】
このように、複数のエアフローを合流させる場合、複数のエアフローの合流地点が重なり圧力損失が大きくなると、全体の排気効率が低下してしまう虞があった。そこで、本実施形態のダクトユニット700では、複数のエアフローを合流させつつ排気効率の低下を抑制した構成を提供している。以下では、図7図10を用いてダクトユニット700の詳細について説明をする。
【0077】
図7に示すように、ダクトユニット700は、画像形成部102の支持枠体の一部である後側板501及び底板502に固定されている。ここで、画像形成部102の支持枠体とは、底板502に固定され鉛直方向に延びる複数の支柱(不図示)と、画像形成装置101の正面側で支柱に固定される前側板(不図示)と、画像形成装置101の背面側で底板502に固定される後側板501と、各支柱と後側板501を連結する複数のステー等で構成されている。上述した作像ステーション200等の各ユニットは、不図示の前側板と後側板501によって支持されている。また、底板502は、前述した画像形成部102の複数のキャスターが取り付けられる部分であり、画像形成装置101の設置面と対向する板状の部材である。
【0078】
図7に示すように、ダクトユニット700は、画像形成部102において後側板501よりも背面側位置している。つまり、ダクトユニット700は、後側板501に対して作像ユニットが位置する面(正面側)と反対側の面(背面側)に取り付けられている。
【0079】
本実施形態では、ダクトユニット700は、現像排気ダクト701、オゾン排気ダクト702、作像排気ダクト703、機外排気ダクト704を備えている。以下では、各ダクトが構成するエアフローについて説明をする。
【0080】
図8は、ダクトユニット700を正面側から視た斜視図である。尚、図8では後側板501を省略している。図9は、現像排気ダクト701のエアフローを示す背面側から見たダクトユニット700の断面図である。図10は、現像排気ダクト701のエアフローとオゾン排気ダクト703のエアフローを示す右側から見たダクトユニット700の断面図である。
【0081】
図8に示すように、現像排気ダクト701には、現像排気部701aと冷却排気部701bが樹脂により一体的に設けられている。現像排気部701aには、現像排気口71Y,M、Cが設けられている。これらの現像排気口71Y,M,Cは、前述した現像吸気ファン409Y,M,Cによって吸気され、現像器204Y,M,Cの近傍を通過した空気を排気するように、それぞれの現像器204Y,M,Cに対応する位置に設けられている。また、後側板501には、現像排気口71Y,M,Cに対応する開口が設けられており、現像排気ダクト701は開口を通じて現像排気口71Y,M、Cから現像器204Y,M,C近傍の空気を排気する。尚、本実施形態において現像器204Y,M,Cの近傍とは、現像吸気ファン409Y,M,Cの吸気によって形成されるエアフローが流れる現像器204Y,M,Cの周囲の領域のことである。これにより、各現像器204Y,M,Cの周囲温度が所定温度以上となることで、現像器内のトナーが過昇温してトナーの流動性が悪化することにより生じる現像画像不良を抑制することができる。
【0082】
尚、現像排気ダクト701の現像排気部701aの内部では、現像排気口71Yから吸気した空気のエアフロー、現像排気口71Mから吸気した空気のエアフローと、現像排気口71Cから吸気した空気のエアフローが合流する。
【0083】
ここで、現像排気ダクト701の現像排気部701a内部において、現像排気口71Yから吸気したエアフローと、現像吸気口71Mから吸気したエアフローの合流地点が、現像吸気口71Cから吸気したエアフローとの合流地点よりも上流側に設けられている。
【0084】
つまり、現像排気ダクト701の現像排気部701aでは、エアフローの上流側から順に、まず現像排気口71Yから吸気した空気のエアフローと現像排気口71Mから吸気した空気のエアフローが合流し、その下流で現像排気口71Cから吸気した空気のエアフローが合流する構成になっている。
【0085】
これにより、同時にエアフローを合流させる構成よりもエアフローの損失を抑制することができる構成となっている。これら各現像吸気口71Y,M,Cから吸気した空気が合流した現像排気ダクト701内のエアフローをW1として図9に示す。ここで、現像吸気口71Yは第1の吸気口の一例であり、現像吸気口71Mは第2の吸気口の一例であり、エアフローW1は第1のエアフローの一例である。
【0086】
次に、現像排気ダクト701の冷却排気部701bの内部のエアフローについて説明をする。現像排気ダクト701の冷却排気部701bは、図8に示すように転写前帯電排気口72と、作像冷却口73とを有している。転写前帯電排気口72は、転写前帯電器219によって発生した放電性物質であるオゾンを含む空気を転写前帯電器219近傍から現像排気ダクト701の冷却排気部701bの内部へ吸気するための吸気口である。また、作像冷却口73は、トナー回収経路210の近傍の空気を現像排気ダクト701の冷却排気部701bの内部へ給気するための吸気口である。ここで、本実施形態において、冷却排気口73は、トナー回収経路210の近傍の空気を冷却排気部701bの内部へ導入するための第1の開口の一例である。また、転写前帯電排気口72は、転写前帯電器219の近傍の空気を冷却排気部701bの内部へ導入するための第2の開口の一例である。
【0087】
本実施形態では、前述した作像排気ファン410によって転写前帯電排気口72及び作像冷却口73から空気を吸気するようにエアフローが形成される。ここで、本実施形態において転写前帯電器219の近傍とは、作像排気ファン410によって空気が吸気される転写前帯電器219の周囲の領域であり、トナー回収経路210の近傍とは、作像排気ファン410によって空気が吸気されるトナー回収経路210の周囲の領域である。
【0088】
これにより、現像排気ダクト701の冷却排気部701bの内部に形成されるエアフローにより、転写前帯電器219によって発生したオゾンを含む空気を吸気し、後述する作像排気フィルタ412で捕集することができる。また、現像排気ダクト701の冷却排気部701bの内部に形成されるエアフローにより、トナー回収経路210の内部に滞留した熱を放出することができる。
【0089】
ここで、現像排気ダクト701の冷却排気部701bは、図9に示すように、エアフローにおいて作像冷却口73よりも上流側に転写前帯電排気口72が設けられている。従って、作像排気ファン40が回転することにより、転写前帯電排気口72から吸気された空気によって形成されるエアフローW2は、作像冷却口73が設けられる位置で作像冷却口73から吸気された空気によって形成されるエアフローW3と合流し、作像冷却口73の下流でエアフローW23となる。ここで、エアフローW23は、第2のエアフローの一例である。
【0090】
現像排気ダクト701の冷却排気部701bは、図10に示すように、転写前帯電排気口72及び作像冷却口73から吸気したエアフローが滑らかに鉛直方向下向きになるように、案内形状部701bR1、702bR2を有している。
【0091】
ここで、案内形状部701bR1は、転写前帯電排気口72から吸気された空気のエアフローW2を鉛直方向下向きにガイドし、エアフローW3へ合流させる。
【0092】
そして、エアフローW23は、作像排気ファン240によって吸引され、現像排気ダクト701の冷却排気部701bの背面側に沿って流れる。つまり案内形状部702R2の曲面形状に沿って鉛直方向下向きに流れる。
【0093】
尚、本実施形態では、転写前帯電器219の周囲の空気を排気するため転写前帯電排気口72は作像冷却口73より高い位置にあるが、転写前帯電器219以外の空気を排気するための吸気口であってもよく、作像冷却口72より低い位置に設ける場合であっても同様の合流構成とさせればよい。
【0094】
そして、図9に示すように、現像排気ダクト701において、前述した現像排気部701aのエアフローW1と冷却排気部701bのエアフローW23とが合流し、エアフローW123となる。ここで、エアフローW2とエアフローW3との合流地点である作像冷却口73が設けられる位置は、エアフローW1とエアフローW23との合流地点よりも上流側に設けられている。これにより、エアフローW1、W2、W3が同時に合流することがないため、エアフローW1,W2,W3を合流させる際のエアフローの圧力損失を抑制することができる。
【0095】
また、現像排気ダクト701のエアフローW1について、エアフローW1が横向き(矢印-X方向)から鉛直方向下向き(矢印-Z方向)へなめらかに変化するように、現像排気ダクト701の現像排気部791aには、下方向案内形状部701aRが設けられている。また、現像排気部701aの下方向案内形状部701aRの下端部701aRlを現像排気ダクト701の左右方向横断部下面の701alより下側に配置している。またエアフローW1とエアフローW23とは遮蔽壁701cで遮られており、遮蔽壁701cの下端部701clを下方向案内形状部701aRの下端部701aRlより鉛直方向下側に位置することで、エアフローW1を下向き方向に偏向してから、エアフローW23と合流させている。
【0096】
つまり、エアフローW23は、前述したように案内形状部702bR2の曲面形状に沿って鉛直方向下向きに案内された位置よりも下流側で、エアフローW1と合流する。よって、エアフローW1とエアフローW23との合流地点において、エアフローW1の向きとエアフローW23の向きとが同じ方向である鉛直方向下向きとなるように、現像排気ダクト701を形成している。これにより、現像排気ダクト701の現像排気部701aのエアフローW1の向きが横方向(矢印-X方向)の状態でエアフローW23と合流させる構成よりも、圧力損失の増加を抑制することができる。
【0097】
ここで、現像排気ダクト701の現像排気部701aが第1ダクトの一例であり、冷却排気部701bが第2ダクトの一例である。また、現像排気ダクト701におけるエアフローW1とエアフローW23とが合流してエアフローW123となる領域は、第1連結部の一例である。つまり、現像排気ダクト701において、遮蔽壁701cの下端部701clよりもエアフローの下流側の部分が第1連結部の一例である。
【0098】
次に、現像排気ダクト701内のエアフローW123とオゾン排気ダクト702内のエアフローW4の合流構成について説明をする。図8及び図10に示すように、帯電排気口74は、鉛直方向において最も上方に設けられており、一次帯電器202Kによって発生したオゾンを含む一次帯電器202Kの近傍の空気をオゾン排気ダクト702の内部に吸気する。
【0099】
本実施形態では、前述した作像排気ファン410によって帯電排気口74から空気を吸気するようにエアフローが形成される。ここで、本実施形態における一次帯電器202Kの近傍とは、作像排気ファン410によって空気が吸気される一次帯電器202Kの周囲の領域である。
【0100】
そして、オゾン排気ダクト702の内部に形成されるエアフローにより、一次帯電器202Kによって発生したオゾンを含む空気を吸気し、後述する作像排気フィルタ412で捕集することができる。
【0101】
前述した一次帯電器吸気ファン408によって作像ステーション200Kの一次帯電器202Kに対して吸気された空気は、このオゾン排気ダクト703を通って作像排気フィルタ412を介して画像形成部102の外部へと排気される。
【0102】
ここで、オゾン排気ダクト702は、本実施形態の画像形成装置101において現像排気ダクト701よりも背面側に設けられている。そのため、オゾン排気ダクト702の内部に形成されるエアフローW4は、図10に示すように画像形成装置の背面側を通過し、前述したエアフローW123と合流して合流エアフローWtとなる。ここで、本実施形態におけるエアフローW4は、第3のエアフローの一例である。
【0103】
オゾン排気ダクト702も、他のダクト形状と同様に、エアフローの向きが鉛直方向下向きとなるように湾曲した案内形状部702Rを備えている。これにより、エアフローW4は、エアフローW123と同じ鉛直方向下向きのエアフローとなってから、エアフローW123と合流する構成としている。これにより、圧力損失の増加を抑えることができる。
【0104】
また、オゾン排気ダクト702のエアフローW4は、オゾン排気ダクトの下端702lによって、エアフローW1とエアフローW23との合流地点よりも下流側でエアフローW123と合流する構成となっている。つまり、案内形状部701bR2とオゾン排気ダクト702との交点は、遮蔽壁701cの下端部701clよりも鉛直方向下側に位置するように配置されている。
【0105】
これにより、それぞれのエアフローW1~W4が同時に合流することなく複数のエアフローを1つずつ合流させることができるため、エアフローの干渉による損失を抑え、作像排気ファン410の性能を最大限に活用することができる。
【0106】
その後、合流エアフローWtは、作像排気ダクト703の内部に設けられる作像排気フィルタ412を通過し、機外排気ダクト704を通じて底板502に設けられた排気口から排気される。
【0107】
このように、作像エアフロー401において画像形成部102の内部で吸気された空気に含まれるオゾンやトナーは、作像排気フィルタ412によって捕集されるため、画像形成装置101の外部へ排出されるオゾンやトナーの量を低減することができ、環境配慮に優れた画像形成装置101を提供することができる。
【0108】
また、ダクトユニット700によって、作像エアフロー401を形成することで、トナーやオゾン等の捕集対象を合流エアフローWtとして1つのエアフローに集約した後に作像排気フィルタ412によって捕集することができるため、フィルタをエアフローごとに設ける構成と比べてフィルタの数を減らすことができる。
【0109】
次に、図11図14を用いて、現像排気ダクト701とオゾン排気ダクト702との結合構成について説明をする。
【0110】
図11は、現像排気ダクト701、封止シート260、オゾン排気ダクト702の関係を表した斜視図である。図11(a)は現像排気ダクト701とオゾン排気ダクト702が結合した状態を表した斜視図であり、図11(b)は現像排気ダクト701とオゾン排気ダクト702とを分解した状態を示した斜視図である。
【0111】
図11(a)に示すように、現像排気ダクト701のオゾン排気ダクト702との接触面には、開口幅Lbの穴形状部750が設けられている。穴形状750の開始位置は案内形状部701bR2とオゾン排気ダクト702との交点である。
【0112】
前述したエアフローW123は穴形状部750に到達するまでは案内形状部701bR2に沿って流れ、穴形状部750到達後はエアフローWtとしてオゾン排気ダクト703の外形(背面側の壁部)に沿って流れる。
【0113】
このエアフローWtに対して、案内形状部701bR2の壁の一部をなくすことで、開口断面積をダクトの肉厚分だけ大きくできる。これにより、損失が大きい曲面形状部のダクト断面積を減らさないことで、風量の損失を低減させることができる。この構成は、結合する二つのダクト間の位置関係から半径が小さい曲面形状になってしまう場合や、曲面形状の半径が大きい場合であっても二つのダクト間の距離が短く曲面形状の開始近くに対向ダクトとの交点が位置する場合に、効果がより大きくなる。
【0114】
尚、本実施形態において、オゾン排気ダクト702は第3ダクトの一例であり、ダクトユニット700においてエアフローW1~4が合流して合流エアフローWtとなる部分は第2連結部の一例である。つまり、ダクトユニット700において穴形状部750が設けられる位置が第2連結部の一例である。
【0115】
次に、封止シール260の構成について説明する。図12(a)は、オゾン排気ダクト702と現像排気ダクト701との結合部を示した斜視図であり、図11(b)を異なる角度から見た斜視図である。図12(b)は、穴形状部750近傍を示した斜視図である。図13は、オゾン排気ダクト702側の結合部近傍の斜視図である。図14は、穴形状部750近傍の断面図である。尚、図14において斜線部は封止シート260を表している。
【0116】
封止シート260は、現像排気ダクト701に設けられた穴形状部750とオゾン排気ダクト702の間の隙間を埋めるように設けられている。これは、ダクトの結合部にできる隙間から、排気ファン240によって空気を吸引することでエアフローの損失が増加しないようにするためである。
【0117】
本実施形態では、封止シート260は、現像排気ダクト70の穴形状部750とオゾン排気ダクト702の間で潰されて使用される。封止シート260は、オゾンによって劣化しにくい材質が望ましく、例えばEPDMゴムを主成分とした発砲シール材などが想定される。
【0118】
封止シート260は不図示の粘着テープでオゾン排気ダクト702側に接着されている。また、封止シート260は、オゾン排気ダクト702の下端部を基準に隙間なく貼られており、現像排気ダクト701の穴形状750の外側を封止した門構えの形状をしている。
【0119】
ここで、封止シート260間の距離Laと現像排気ダクト701の切り欠き部寸法LbはLa≧Lbの関係になっている。この関係が、Lb>Laになると、現像排気ダクト701側からはみ出した封止シート260が風路の一部を遮ってしまうためである。また、エアフローW123は現像排気ダクト701の外側面に沿って流れており、封止シート260のはみだし部分があると、オゾン排気ダクトのエアフローW4と干渉して圧力損失が生じてしまうためである。
【0120】
以上のことから、封止シート260間の距離Laと現像排気ダクト701の切り欠き部寸法LbがLa≧Lbの関係になるようにオゾン排気ダクト702側の開口を形成する両端部に封止シール260を貼り付ける縁形状702bが設けられている。本実施形態では、現像排気ダクト側の開口幅Lbに両面テープ2か所の幅2Ltと公差(部品とシート貼付)αを考慮したサイズより、オゾン排気ダクト外形幅Lwが小さいために縁形状702bを設けている。従って、縁形状702bが必要な条件をLb+2Lt+α≧Lwとしている。尚、縁の幅はLb+2Lt+α-Lw以上であればよい。この際にオゾンダクト幅Lw全体を大きくすることも考えられるが、縁形状702bを設けるほうが、スペース、材料費の観点からも望ましい。
【0121】
そして、現像排気ダクト701の両側面にリブ70bが設けられていて、この形状にオゾン排気ダクト702の縁端部702bの側面に設けられた爪形状70aが引っかかる構成となっている。爪形状70aとリブ70b間には部品公差を考慮した僅かな隙間があるが、これは現像排気ダクト701とオゾン排気ダクト702の間で潰された封止シート260の反力によって塞がれる程度の隙間である。また、ダクトユニット700の側面部は爪形状で抑えているのに対して、中央部に爪等の抑え形状を設けることは成型上の点から難しいため、左右方向(矢印X方向)に延びる2本の封止リブ750dを設けている。そして、この2本の封止リブ750dによって封止シート260を2重に潰すことでダクトユニット700に設けられる隙間の封止性能を向上させている。
【0122】
このようにして、ダクトユニット700を構成することにより、複数のエアフローを合流させて排気する排気構成において複数のエアフローが同時に干渉することによる圧力損失によって排気効率が低下することを抑制することができる。
【0123】
<他の実施形態>
上述した実施形態では、転写前帯電排気口72と作像冷却口73とをどちらも現像排気ダクト701の冷却排気部701bに設ける構成としたが、転写前帯電排気口72と作像冷却口73とを必ずしも同じダクト内に設ける必要はない。例えば、作像冷却口73のみを現像排気ダクト701の冷却排気部701bに設け、作像冷却口73から吸気した空気をエアフローW1と合流させる構成であってもよい。この場合、転写前帯電排気口72から吸気した空気を他のエアフローW1~3と合流させる場合に、前述したように他のエアフローの合流地点と重ならない位置で合流させる構成であればよい。
【0124】
また、上述した実施形態では、画像形成部102の筐体と定着搬送部103の筐体をそれぞれ有する画像形成装置101を一例に説明したが、筐体が1つの画像形成装置や、筐体が3つ以上に分かれている画像形成装置に適用してもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様の作像エアフロー401をダクトユニット700によって形成することで、複数のエアフローを合流させて排気する構成において排気効率が低下することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0125】
71 現像排気口
72 転写前帯電排気口
73 作像冷却口
74 帯電排気口
100 画像形成システム
101 画像形成装置
102 画像形成部
103 定着搬送部
200 作像ユニット
202K 一次帯電器
204 現像器
219 転写前帯電器
401 作像エアフロー
410 作像排気ファン
412 作像排気フィルタ
700 ダクトユニット
701 現像排気ダクト
702 作像排気ダクト
703 オゾン排気ダクト
704 排気ダクト
705 機外排気ダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14