(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ケース構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/323 20060101AFI20241216BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
E06B9/323
E06B9/17 W
E06B9/17 Z
(21)【出願番号】P 2020207854
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 功
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-126992(JP,A)
【文献】特開2020-051178(JP,A)
【文献】特開2016-121468(JP,A)
【文献】特開平10-153063(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01674653(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となって
おり、
前記第2部材は、前記第1部材に対して前方にスライド移動した位置で仮固定可能となっている、
ケース構造。
【請求項2】
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっており、
前記第1部材は、前記上面部の前端から下方に延びる上側正面部を備えており、
前記上側正面部の下側には、前記左右の第1側面部間に位置して開口が形成されており、
前記第2部材を前記第1部材に連結した状態において、
前記正面部が前記開口を塞ぎ、前記上側正面部が前記正面部の上側に位置するようになっている、
ケース構造。
【請求項3】
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっており、
前記第1部材は、前記上面部の前端から下方に延びる上側正面部を備えており、
前記第2部材を前記第1部材に連結した状態において、前記上側正面部が前記正面部の上側に位置するようになっており、
前記第2部材の前記正面部の上端部位と、前記第1部材の前記上側正面部の下端部位と、は重なり部を形成しており、
前記第1部材の内部には、前記第1部材の左右の第1側面部の上方部位に沿う左右のブラケットと、前記上側正面部の内面に沿う正面アングルと、を備えた補強部材が設けてあり、
前記重なり部と前記補強部材の前記正面アングルが螺子で固定されている、
ケース構造。
【請求項4】
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっており、
前記第1側面部は下端に第1下片を備え、前記第2側面部は下端に第2下片を備え、
前記第2下片は、前記第1下片に近接ないし当接した状態で、前記第1下片に対してスライド可能となっている、
ケース構造。
【請求項5】
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっている、ケース構造であって、
前記ケース構造は、ブラインドシャッターのケース構造であり、
開口部左右の縦枠は、躯体に固定されたガイドレール下地枠と、前記ガイドレール下地枠に脱着可能なガイドレールと、からなり、
前記第1部材及び前記第2部材は、前記ガイドレール下地枠の上方部位に固定されており、
前記ガイドレールには、ブラインドシャッターの作動機構が設けてあり、
前記第2部材と、前記第1部材及び前記ガイドレール下地枠と、の連結を解除させて、前記第2部材を前方にスライドさせることで、ケース下方に当該ケース内から前記ガイドレールの上端側部位を取り外すことを許容する空間が形成される、
ケース構造。
【請求項6】
前記第1部材の左右の第1側面部には、前後方向に延びるスライド支持部が形成されており、
前記第2部材の左右の第2側面部には、前記スライド支持部に対して前後方向にスライド可能なスライド部が形成されている、
請求項1
~5いずれか1項に記載のケース構造。
【請求項7】
前記スライド支持部は、前記第1側面部の前後方向に延びる凹溝の下面を含み、
前記スライド部は、前記凹溝の下面に摺動可能に載置される摺動片を含む、
請求項
6に記載のケース構造。
【請求項8】
前記第1側面部は、前記スライド支持部の上側に位置する第1部分と、前記スライド支持部の下側に位置する第2部分と、を備え、
前記第2側面部は、前記第1側面部の第2部分に重なるようになっており、前記スライド部は、前記第2側面部の上端に形成されている、
請求項
6、7いずれか1項に記載のケース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース構造に係り、1つの好ましい態様では、ブラインドシャッターのケース構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラインドタイプの窓シャッター(いわゆるブラインドシャッター)が知られている(特許文献1~4)。ブラインドシャッターは、複数枚のスラットを備え、スラットは昇降機構によって上昇して開口部を開放し、下降して開口部の閉鎖し、開口部閉鎖状態において、チルト機構によってスラットを傾動させることで、採光や視界の制御が可能となっている。
【0003】
ブラインドシャッターにおいて、昇降機構やチルト機構を構成するリンク機構は、ガイドレールの内部空間に設けてあり、また、リンク機構を作動させる駆動機構(電動モータやギア機構等)は、ガイドレールの上端に設けてある。本明細書において、リンク機構(昇降機構、チルト機構)や駆動機構(電動モータ、ギア機構)をまとめて作動機構と称する。
【0004】
ブラインドシャッターのメンテナンス時には、作動機構とガイドレールを一体で取り外すことが行われるが、作動機構(特に、駆動機構)が搭載されたガイドレールをケースから取り外すためには、正面ケース等を取り外す必要があった。一方、ケースを屋外側に向かって長くし、ケース下側のスペースを大きくしてガイドレールを取り外し易くすることも検討されたが、ケースの突出寸法が大きくなって外観を損ねることから採用することが難しい。
【文献】特開平10-153063
【文献】特開2002-1870768
【文献】特開2007-77801
【文献】特開2015-68020
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シャッター装置、特に、ブラインドシャッターにおいて、メンテナンス作業性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
上面部と上面部の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部と、を備えた第1部材と、
正面部と正面部の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部と、を備えた第2部材と、
からなり、
前記第1部材は躯体に固定されており、
前記第2部材は、左右の第2側面部が前記第1部材の左右の第1側面部に少なくとも部分的に重なった状態で、前記第1部材に連結されて当該第1部材と一体化されてケースを構成し、
前記第2部材は、前記第1部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっている、
ケース構造、である。
【0007】
1つの態様では、前記第2部材は、前記第1部材に対して前方にスライド移動した位置で仮固定可能となっている。
1つの態様では、前記第2部材は、前記第1部材に対して前方にスライド移動した位置で、前記第2側面部が前記第1部材の第1側面部に仮固定可能となっている。
1つの態様では、前記第1部材の第1側面部には、仮固定孔が形成されており、
前記第2部材には、仮固定位置で前記仮固定孔に一致する挿通孔が形成されている。
【0008】
1つの態様では、前記第1部材の左右の第1側面部には、前後方向に延びるスライド支持部が形成されており、
前記第2部材の左右の第2側面部には、前記スライド支持部に対して前後方向にスライド可能なスライド部が形成されている。
1つの態様では、前記スライド支持部は、前記第1側面部の前後方向に延びる凹溝の下面を含み、
前記スライド部は、前記凹溝の下面に摺動可能に載置される摺動片を含む。
【0009】
1つの態様では、前記第1側面部は、前記スライド支持部の上側に位置する第1部分と、前記スライド支持部の下側に位置する第2部分と、を備え、
前記第2側面部は、前記第1側面部の第2部分に重なるようになっており、前記スライド部は、前記第2側面部の上端に形成されている。
【0010】
1つの態様では、前記第1部材は、前記上面部の前端から下方に延びる上側正面部を備えており、
前記第2部材を前記第1部材に連結した状態において、前記上側正面部が前記正面部の上側に位置するようになっている。
1つの態様では、前記第2部材の前記正面部の上端部位と、前記第1部材の前記上側正面部の下端部位と、は重なり部を形成しており、
前記第1部材の内部には、前記第1部材の左右の第1側面部の上方部位に沿う左右のブラケットと、前記上側正面部の内面に沿う正面アングルと、を備えた補強部材が設けてあり、
前記重なり部と前記補強部材の前記正面アングルが螺子で固定されている。
1つの態様では、前記補強部材は躯体に固定されている。
1つの態様では、前記第1部材の前記上面部の幅方向両端部位は止着部材(リベット等)によって前記補強部材のブラケットの上片に固定されている。
1つの態様では、前記重なり部はケース正面部に見付方向に水平に延びる凹部を係止しており、前記凹部は、ケース側面部の凹部と連続している。
【0011】
1つの態様では、前記第1側面部は下端に第1下片を備え、前記第2側面部は下端に第2下片を備え、
前記第2下片は、前記第1下片に近接ないし当接した状態で、前記第1下片に対してスライド可能となっている。
1つの態様では、前記第1下片は第1下面と第1立ち上がり片とを備え、前記第2下片は第2下面と第2立ち上がり片とを備えている。
【0012】
1つの態様では、前記ケース構造は、ブラインドシャッターのケース構造であり、
開口部左右の縦枠は、躯体に固定されたガイドレール下地枠と、前記ガイドレール下地枠に脱着可能なガイドレールと、からなり、
前記第1部材及び前記第2部材は、前記ガイドレール下地枠の上方部位に固定されており、
前記ガイドレールには、ブラインドシャッターの作動機構が設けてあり、
前記第2部材と、前記第1部材及び前記ガイドレール下地枠と、の連結を解除させて、前記第2部材を前方にスライドさせることで、ケース下方に当該ケース内から前記ガイドレールの上端側部位を取り外すことを許容する空間が形成される。
1つの態様では、前記作動機構は、リンク機構と駆動機構を含み、ガイドレール内部空間には前記リンク機構が設けられ、ガイドレール上端には前記駆動機構が設けられている。
1つの態様では、前記ガイドレール下地枠の上方部位には、ケース支持部材が設けてあり、前記第1部材及び前記第2部材は、前記ケース支持部材に対して取り付けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、躯体及び前記ケース支持部材(及び前記下側ケース支持部材)に固定された第1部材と、前記第1部材及び前記ケース支持部材(及び前記下側ケース支持部材)に連結された第2部材とからケースを構成し、前記第2部材は、前記第1部材及び前記ケース支持部材(及び前記下側ケース支持部材)との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっており、前記第2部材を前方にスライドさせることで、ケース下方に当該ケース内から前記ガイドレールの上端側部位を取り外すことを許容する空間が形成されるので、シャッター装置、特に、ブラインドシャッターにおいて、メンテナンス作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係るブラインドシャッターの正面図及び側面図である。
【
図2】本実施形態に係るブラインドシャッターの縦断面図である。
【
図3】本実施形態に係るブラインドシャッターの横断面図であり、左右で異なる高さ位置の横断面図を示している。
【
図4】本実施形態に係るブラインドシャッターの分解斜視図である。なお、
図4において、
図1~
図3に示す態様に比べて、ケース側面図の全体の見込幅に対するケースの第2部材の第2側面部の見込幅の割合が大きい点に留意されたい。
【
図5】左図は、本実施形態に係るケースが取り付けられた状態を示す側面図、右図は、同ケースの幅方向一端側の正面図である。
【
図8】本実施形態に係るケースの斜視図及び分解斜視図である。
【
図9】本実施形態に係るケースの第1部材(内部に補強部材を備えた状態)の正面図である。
【
図10】本実施形態に係るケースの第1部材(内部に補強部材を備えた状態)の側面図である。
【
図11】本実施形態に係るケースの第2部材を示し、左図は側面図、右図は正面図である。
【
図12】本実施形態に係るケースの補強部材を示し、左図は右図の側断面図、右図は正面図である。
【
図13】本実施形態に係る縦枠及び縦枠に取り付けられたケース支持部材を示し、(A)は縦枠の上面図、(B)は縦枠の上方部位の側面図、(C)は正面から見た部分図、(D)はケース支持部材を示す断面図である。
【
図14】縦枠の上方部位に対するケースの取り付けを説明する図である。
【
図16】ブラインドシャッターが設置された状態において、ケースの第2部材を前方にスライドさせた状態を示す側面図である。
【
図17】
図16の状態における作動機構が搭載されたガイドレールの取り外しについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[A]ブラインドシャッターの概要
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るブラインドシャッターの正面図及び側面図、
図2は、本実施形態に係るブラインドシャッターの縦断面図、
図3は、本実施形態に係るブラインドシャッターの横断面図(左右で異なる高さ位置の横断面を示す)、
図4はブラインドシャッターの分解斜視図である。ブラインドシャッターは、窓開口部に取り付けられた窓サッシWSの屋外側に設置されるシャッター装置である。窓開口部の幅方向端部の外側に位置して左右の縦枠1が躯体Wから持ち出し状に設けてあり、窓開口部の下方には、左右の縦枠1間に亘って水切り16が設けてあり、窓開口部の屋外側に位置して、左右の縦枠1と水切り16で囲まれた開口部が形成されており、この開口部をブラインド(シャッターカーテン)2によって開閉するようになっている。開口部の上方には、ケース3が躯体Wから持ち出し状に取り付けられている。なお、
図1~
図3において、参照番号W1は仕上げ壁を示している。
【0016】
本実施形態において、縦枠1は、躯体Wに固定されたガイドレール下地枠4と、ガイドレール下地枠4に連結されたガイドレール5と、からなるガイドレール組立体である。シャッターカーテン2は、左右のガイドレール5間に亘って延びる複数枚のスラット6から構成されており、複数枚のスラット6は昇降可能かつ傾動可能であり、ブラインドとして機能する。ケース3は、窓開口部の上方に位置して躯体Wに固定された第1部材7と、第1部材7に連結された第2部材8と、からなり、第1部材7及び第2部材8は鋼板である。縦枠1(ガイドレール下地枠4)の外面の上方部位には、縦枠1に対するケース3の取り付けに用いられるケース支持部材9A、9Bが設けてある。これらの要素の詳細については後述する。
【0017】
左右のガイドレール5内には、複数枚のスラット6を昇降、傾動させるリンク機構(図示せず)が位置しており、左右のリンク機構は、ケース3内に位置して設けた電動モータMやギアボックス10を含む駆動機構により作動するようになっており、左右のリンク機構の上端に設けられた回転軸は、ケース3内に位置して設けたシャフト11(
図4参照)によって同期されている。シャフト11の一端側にはシャフトスプリング11aが設けられる。ケース3内に位置して、開閉信号を受信する受信器ユニット12(躯体Wに取り付けられている)、受信器ユニット12によって受信された信号に基づいて電動モータMを制御する制御ユニット13が設けてある。本実施形態において、電動モータMやギアボックス10を含む駆動機構及び制御ユニット13(本実施形態では、ギアボックス10に固定されている)は、ガイドレール5の上端部位に設けてあり、ケース3には取り付けられていない。本実施形態では、制御ユニット13は、ガイドレール下地枠4に固定されたカバー13Aによって屋外側及び下側が覆われており、ケース3下方からの雨水の吹込み等によって水滴が制御ユニット13にかかることを防止している。ケース3の下方の躯体側部位には、内まぐさ(ケース下面)14が設けてあり、躯体Wには、ケース3の後面となる裏面プレート15が設けてある。本実施形態において、ケース3における内まぐさ14の高さ位置が異なる複数の態様があり得る点に留意されたい(
図2、
図17参照)。本実施形態において、裏面プレート15の上端は縦枠1の上端よりも若干上方に位置しており、下端は内まぐさ14まで延びている。内まぐさ14及び受信器ユニット12は、螺子によって裏面プレート15および躯体Wに固定されている。内まぐさ14の長さ方向(開口幅方向)両端は、左右の縦枠1のガイドレール下地枠4に固定されている。ブラインドシャッター自体は公知であり、シャッター(スラット6)の作動機構(リンク機構や駆動機構を含む)や基本動作については、特許文献1~4を適宜参照することができる。
【0018】
[B]縦枠
ガイドレール下地枠4とガイドレール5からなる縦枠1について詳細に説明する。ガイドレール下地枠4は、高さ方向に延びる長尺部材であり、躯体Wに固定される基辺40と、横断面視において、基辺40から躯体Wから離間する方向に対向して平行状に延びる内側見込辺41と、外側見込辺42と、を備えており、内側見込辺41、外側見込辺42の先端部位に連結片410、420が形成されており、ガイドレール5が連結されている(
図13(A)参照)。
【0019】
ガイドレール5は、高さ方向に延びる長尺部材であり、後端側の基辺50と、基辺50から躯体W(ガイドレール下地枠4)から離間する方向に対向して平行状に延びる内側見込辺51と、外側見込辺52と、内側見込辺51と外側見込辺52の先端間を連結する見付面53を備えている。基辺50には、ガイドレール下地枠4の連結片410、420に連結される連結片500、501が形成されている。ガイドレール5の内側見込辺51には、高さ方向に延びるガイド溝510が設けてある(
図2、
図13(A)参照)。また、ガイドレール5の内側見込辺51の後端側には、目隠しフィン511が見付方向に突成されており、正面から見た時、窓サッシWSとガイドレール下地枠4の内側見込辺41との隙間を隠すようになっている(
図3、
図13(A))。
【0020】
本実施形態では、ガイドレール下地枠4は螺子S5で躯体Wに固定されており、ガイドレール下地枠4に対してガイドレール5が螺子S6で着脱可能に連結されている。ガイドレール下地枠4の内側見込辺41とガイドレール5の内側見込辺51は縦枠1の内側見込面を形成し、ガイドレール下地枠4の外側見込辺42とガイドレール5の外側見込辺52は面一となって縦枠1の外側見込面を形成する。より具体的には、ガイドレール下地枠4の連結片420とガイドレール5の連結片501が係合しており、ガイドレール下地枠4の連結片410とガイドレール5の連結片500が重なった状態で螺子S6で固定されている。したがって、ブラインドシャッターが設置された状態において、高さ方向に亘って設けられた複数本の螺子S6を取り外すことで、ガイドレール下地枠4に対するガイドレール5の連結を解除して、縦枠1からガイドレール5を脱着することが可能となっている。
【0021】
[C]シャッターカーテン
シャッターカーテン2は、左右のガイドレール5間に亘って延びる複数枚のスラット6から構成されており、複数枚のスラット6が垂直姿勢で開口部を覆った状態で開口部全閉状態となり、開口部全閉状態において、各スラット6を傾動させることで傾きが可変となっており、採光や視界が制御可能である。また、全てのスラット6を上昇させることで開口部を開放させることができる。
【0022】
各スラット6の長さ方向両端部は、ガイドレール5の内側見込辺51に高さ方向に亘って形成されたガイド溝510の外側に位置して見込面から突出するスラットサポート60に連結されている。スラットサポート60は、ガイドレール5の内部空間において、昇降機構やチルト機構を構成するリンク機構(図示せず)に連結されている。リンク機構はモータMやギアボックス10を含む駆動機構によって作動するようになっている。リンク機構や駆動機構については、特許文献1~4を参照することができる。
【0023】
リンク機構(昇降機構)の作動によって、スラットサポート60が上昇することで当該スラットサポート60に支持されたスラット6が上昇し、スラットサポート60が下降することで当該スラットサポート60に支持されたスラット6が下降する。開口部全開時には、全てのスラット6が上昇して開口を開放した状態で、これらのスラット6は略水平姿勢で互いに重なり合ってケース3内に収納される。開口部全閉時には、最下位のスラット6(ボトムスラット6)が水切り16に当接ないし近接している(
図2参照)。また、リンク機構(チルト機構)の作動によって、スラットサポート60が傾動することで、当該スラットサポート60に支持されたスラット6が傾動する。
【0024】
本実施形態において、各スラット6の上端、及び、ボトムスラット6の上下端には、長さ方向に延びる緩衝ゴムが設けてあり、開口部全閉時に、緩衝ゴムの2つの突片が隣接するスラット6に接触し、ボトムスラット6の下端の緩衝ゴムが水切り16に接触することで、光漏れを低減するようになっている。また、スラット6の高さ寸法は、ガイドレール5の見込寸法よりも少し小さい寸法となっており、スラット6が水平姿勢にある時に、ガイドレール5の見込面内に納まるようになっている(
図2)。
【0025】
[D]ケースを構成する第1部材、第2部材
ケース3の構成部材である第1部材7と第2部材8について説明する。
図8~
図10に示すように、第1部材7は、上面部70と上面部70の幅方向の両端から下方に延びる左右の第1側面部71と、上面部70の前端から下方に延びる上側正面部72と、を備えている。第1側面部71には前後方向に水平に延びる横向きの凹溝73が形成されている。凹溝73は、水平状の下面730と、垂直状の底面731と、水平状の上面732と、から形成されている。
【0026】
第1側面部71は、凹溝73の上側に位置する第1部分710と、凹溝73の下側に位置する第2部分711と、凹溝73と、からなる。第1部分710の前端の高さは、上側正面部72の高さ寸法と一致しており、上側正面部72の幅方向両端と左右の第1部分710の前端は連続している。上側正面部72の下方側、すなわち、左右の第2部分711の前方は開口状となっている。
【0027】
図9に示すように、第1側面部71の下端、すなわち第2部分711の下端には、他方の第1側面部71に向かって延びる水平片712と、水平片712の先端から立ち上がる立ち上がり片713が一体形成されている。
図10に示すように、上面部70は前方に向って緩やかに下向きに傾斜しており、基端側には垂直状の立ち上がり片700が一体形成されている。
上側正面部72の下端には、後方に向かって延びる水平片720と、水平片720の先端(後端)から垂下する垂下片721が一体形成されている。
図9に示すように、垂下片721の幅方向両端部位には挿通孔722が形成されている。
【0028】
図10に示すように、第1側面部71の下側の第2部分711の後方側には、上側に位置して挿通孔74a、下側に位置して挿通孔74bが形成されており、挿通孔74a、74bの前側に離間した位置に上側の挿通孔75a、下側の挿通孔75bが形成されている。第1側面部71の後方部位は、挿通孔74a、74bにおいて螺子S2で上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bの後端側部位に連結される。挿通孔75a、挿通孔75bは、第2部材8の第2側面部81の挿通孔83a、83b(後述する)と一致させた状態で、第1側面部71と第2側面部81の重なり部が螺子S2で上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bの前端側部位に連結される。
【0029】
第1側面部71には、上側の挿通孔75a、下側の挿通孔75bのさらに前側に離間した位置に、上側の仮固定孔76a、下側の仮固定孔76bが形成されている。仮固定孔76a、76bの径は、挿通孔74a、74b、挿通孔75a、挿通孔75b、挿通孔83a、83bの径よりも僅かに小さく、挿通孔74a、74b、挿通孔75a、挿通孔75b、挿通孔83a、83bが螺子S2の軸部を挿通させるのに対して、仮固定孔76a、下側の仮固定孔76bには、螺子S2の軸部が仮固定可能(雌螺子を切っていなくても)となっている。
【0030】
本実施形態に係る第1部材7は、上面部70、左右の第1側面部71の第1部分710、上側正面部72からなる上側要素と、左右の第1側面部71の第2部分711からなる2つの下側要素と、の3つの要素を組み立てることで構成されている。上側要素の左右の第1部分710の下端には水平片と水平片から垂下する垂直片からなる連結片が形成されており、下側要素である第2部分711の上端には水平片と水平片から立ち上がる垂直片からなる連結片が形成されており、第1部分710の連結片の垂直片と第2部分711の連結片の垂直片を重ね合わせてリベットRで連結されており、第2部分711の連結片の水平片が凹溝73の下面730、第1部分710の連結片の水平片が凹溝73の上面732、重ね合わせた垂直片が凹溝73の底面731となっている。なお、第1部材7を構成する板材の枚数は限定されず、例えば、1つの板材から形成してもよい。
【0031】
本実施形態に係る第1部材7は、補強部材17によって補強されている。
図12に示すように、補強部材17は、左右のブラケット170と、左右のブラケット170、170の前端に左右のブラケット170間に亘って設けた上側のアングル材171と、下側のアングル材172と、を備えている。
【0032】
左右のブラケット170は、第1部材7の第1側面部71の第1部分710の形状に対応する台形状の側面部1700と、側面部1700の後端の後片1701と、側面部1700の前端の前面1702と、側面部1700の上縁の上片1703と、を備えている。
【0033】
下側のアングル材172の下端には後方に向かって延びる水平片1720と、水平片1720の先端(後端)から垂下する垂直片1721が一体形成されており、水平片1720は、左右のブラケット170の下端と同じ高さに位置しており、垂直片1721は、左右のブラケット170の前面1702に対して後側に位置して、左右のブラケット170の下端から下方に延びている。下側のアングル材172の垂直片1721の幅方向両端部位には、螺子孔1722が形成されている。
【0034】
補強部材17は、左右のブラケット170の後片1701の上方部位を、第1部材7の上面部70の基端の立ち上がり片700の幅方向の両端部位に重ねた状態で、螺子S4で躯体Wに固定されており、左右のブラケット170の上片1703が第1部材7の上面部70の幅方向両端部位の下面にリベットRで固定されており、左右のブラケット170の側面部1700が第1部材7の第1部分710の内面に当接ないし近接し、左右のブラケット170の前面1702及びアングル材171、172が第1部材7の上側正面部72の内面に当接ないし近接した状態で、第1部材7の上側要素の内部空間に位置している。
【0035】
図8、
図11に示すように、第2部材8は、正面部80と正面部80の幅方向の両端から後方に延びる左右の第2側面部81と、を備えている。正面部80と第2側面部81は同じ高さ寸法を備えており、この高さ寸法は、第1部材7の第1側面部71の第2部分711の高さ寸法と略同じである。
【0036】
正面部80の上端には、後方に向かって延びる水平片800と、水平片800から立ち上がる立ち上がり片801が一体形成されている。第2部材8の正面部80の上側の垂直状の立ち上がり片801の幅方向両端部位には挿通孔8010が形成されている。正面部80の下端には、後方に向かって延びる水平片802と、水平片802の先端(後端)から立ち上がる立ち上がり片803が一体形成されている。
【0037】
第2側面部81の上端には、他方の第2側面部81に向かって延びる水平片810と、水平片810の先端から立ち上がる立ち上がり片811が一体形成されている。立ち上がり片811の所定位置(図示の態様では、略中間位置)には丸孔8110が形成されている。丸孔8110の径は、第1部材7の上側要素と下側要素を連結するリベットRの径よりも僅かに大きい。第2側面部81の下端には、他方の第2側面部81に向かって延びる水平片812と、水平片812の先端から立ち上がる立ち上がり片813が一体形成されている。
【0038】
正面部80の上側の水平片800と左右の第2側面部81の上側の水平片810の端部が近接ないし当接しており、正面部80の上側の立ち上がり片801と左右の第2側面部81の立ち上がり片811の端部が近接ないし当接しており、第2部材8の上端に段部状の連結部が形成されている。
【0039】
正面部80の下側の水平片802と左右の第2側面部81の下側の水平片812の端部が近接ないし当接しており、正面部80の下側の立ち上がり片803と左右の第2側面部81の立ち上がり片813の端部が近接ないし当接している。
図11右図に示すように、正面部80の上側の立ち上がり片801の見付幅寸法は、下側の立ち上がり片803の見付幅寸法よりも長く、第2側面部81の上側の水平片810の見付幅寸法は、第2側面部81の下側の水平片812の見付幅寸法よりも小さい。
【0040】
図8に示すように、第1部材7に対して正面から第2部材8をスライドさせて連結することでケース3が組み立てられる。第2部材8は、左右の第2側面部81が第1部材7の左右の第1側面部71に少なくとも部分的に重なった状態で、第1部材7に連結されて第1部材7と一体化されてケース3を構成し、第2部材8は、第1部材7との連結を解除した状態で第1部材7に対して前方にスライド可能となっている(
図16参照)。
【0041】
[E]ケース支持部材
ケース3の取り付けに用いられるケース支持部材9A、9Bは、共通のケース支持部材9から形成されており、姿勢(向き)を変えてガイドレール下地枠4に取り付けられている。
図13、
図14に示すように、ケース支持部材9A、9Bは、ガイドレール下地枠4の外側見込辺42の外面の上方部位に固定された状態で、前後方向に水平に延びる長尺状のピースである。
図15に示すように、ケース支持部材9は、垂直に延びるベース90と、垂直状のベース90から立ち上がるように水平に延びる立ち上がり片(中間片)91と、立ち上がり片91の先端から垂直に延びる垂直片92と、からなる。本実施形態では、ベース90は立ち上がり片91及び垂直片92に比べて前後方向(見込方向)において短尺であるが、これには限定されない。本実施形態において、ケース支持部材9の垂直片92は、第1部材7と第2部材8を位置決め固定する際の連結ガイド片として機能すると共に、第1部材7をスライド移動させる際のガイド支持片としても機能する。
【0042】
ケース支持部材9のベース90には、長さ方向(前後方向)に間隔を存して2つの挿通孔900が形成されており、ケース支持部材9はベース90をガイドレール下地枠4の外側見込辺42の上方部位に当接させて挿通孔900を挿通する螺子S1によってガイドレール下地枠4の外側見込辺42に固定される。上側ケース支持部材9Aは、垂直片92が水平状の立ち上がり片91から垂直に立ち上がるような向きで固定されており、垂直片92は立ち上がり片である。下側ケース支持部材9Bは、垂直片92が水平状の立ち上がり片91から垂直に立ち下がるような向きで固定されており、垂直片92は立ち下がり片である。
【0043】
ケース支持部材9の連結ガイド片としての垂直片92には、長さ方向(前後方向ないし見込方向)に間隔を存して2つの螺子孔920が形成されており、後側の螺子孔920は、ケース3の第1部材7の第1側面部71をケース支持部材9に連結する螺子S2が螺着され、前側の螺子孔920には、ケース3の第1側面部71及び第2部材8の第2側面部81をケース支持部材9に連結する螺子S2が螺着されるようになっている。
【0044】
図13に示すように、本実施形態では、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bの前端部位は、ガイドレール下地枠4の外側見込面(外側見込辺42)を越えて、ガイドレール5の外側見込面(外側見込辺52)まで延びており、ガイドレール5の外側見込面(外側見込辺52)に離間対向する前端部位に前側の螺子孔920が形成されている。また、本実施形態では、ガイドレール5の外側見込辺52の上方部位には、リミットスイッチの固定部材18が設けてある。ケース支持部材9の立ち上がり片91の立ち上がり寸法(縦枠1の外側見込面からの突出寸法)は、固定部材18のガイドレール5の外側見込辺52からの突出寸法よりも大きく、固定部材18が、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに対するケース3の取り付けの妨げになることがない。
【0045】
[F]ケースの組立構造及び組み立て
ケース3の組立構造及び組み立てについて詳細に説明する。第1部材7の左右の第1側面部71の凹溝73の下面730がスライド支持部を形成しており、第2部材8の左右の第2側面部81の上端の水平片810が下面730に載置ないし支持されて摺動するスライド部となっている。本実施形態において、スライド支持部には、凹溝73の底面731、第1側面部71の第2部分711の上方部位を含むものとし、スライド部には、第2部材8の左右の第2側面部81の上端の立ち上がり片811、第2部材8の第2側面部81の上方部位を含むものとしてもよい。
【0046】
第2部材8は、水平片(摺動片、スライド部)810が下面(スライド支持部)730に載った状態で、かつ、立ち上がり片811が凹溝73の底面731に近接ないし摺接し、第2側面部81の内面が第1側面部71の外面に近接ないし摺接し、第2側面部81の下側の水平片812が第1側面部71の下側の水平片712に近接ないし摺接し、第2側面部81の下側の垂直片713が第1側面部7の下側の垂直状の立ち上がり片813に近接ないし摺接した状態で、第1部材7に対して前後方向にスライド可能となっている。
【0047】
第1部材7に対して第2部材8を第1部材7の後端に向かってスライド移動させていくと、第1部材7の第1側面部71の第2部分711の外面に第2部材8の第2側面部81が部分的に重なった状態で、第2部材8の正面部80の上端の垂直状の立ち上がり片801が第1部材7の上側正面部72の下端の垂下片721に当接し、この時、第2部材8の第2側面部81の挿通孔83a、83bが、第1部材7の第1側面部71の前側の挿通孔75a、75bに一致している。この位置関係において、第2部材8を第1部材7に連結することでケース3が構成される。また、第2部材8の第2側面部81の上側の立ち上がり片811に形成した丸孔8110内に前側に位置するリベットRが入り込むようになっている(
図5参照)。
【0048】
第2部材8の正面部80の上側の垂状の立ち上がり片801に形成した挿通孔8010は、第1部材7の上側正面部72の下端の垂下片721に形成した挿通孔722に一致しており、さらに、これらの挿通孔8010、722は、補強部材17の下側のアングル材172の幅方向両端に形成した螺子孔1722に一致している。正面から螺子S3を取り付けることで、第1部材7の上側正面部72の下端部位と、第2部材8の正面部80の上端部位と、補強部材17(アングル材172)と、を連結する。また、本実施形態では、第1部材7の第1側面部71と第2部材8の第2側面部81は、第1部材7及び第2部材8をケース支持部材9A、9Bに取り付ける螺子S2によって連結される。
【0049】
ケースが組み立てられた状態を
図5、
図8に示す。第1部材7と第2部材8からケース3が組み立てられた状態において、第1部材7の上側正面部72と第2部材8の正面部80からケース正面部が形成されており、ケース正面部は、幅方向に水平に延びる凹部30を備えている。第1部材7の第1側面部71の上側の第1部分710と、第1部材7の第1側面部71の下側の第2部分711の後側部位と、第1部材7の第1側面部71の下側の第2部分711の前側部位に重なった第2部材8の第2側面部81と、からケース側面部が形成されており、ケース側面部は見込方向に水平に延びる凹部31を備えている。ケース正面部の凹部30とケース側面部の凹部31は連続しており、スッキリした外観となっている。
【0050】
[G]ケースの取付構造及び取り付け
縦枠1に対するケース3の取付構造及び取り付けについて説明する。ケース3(第1部材7、第2部材8)のケース側面部は、ガイドレール下地枠4の上方部位に取り付けられた上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに正面から取り付けるようになっている。ケース3は、上側ケース支持部材9Aに載置された状態で、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに沿ってスライド可能となっており、左右のケース側面部は、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに対して所定位置までスライド移動させた状態で、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに固定される(
図14、
図5~
図7参照)。
【0051】
上側ケース支持部材9Aは、縦枠(ガイドレール下地枠4)1の外側見込面から離間して位置する支持部(ガイド支持片としての垂直片92)を備え、ケース側面部は、ガイド支持片としての垂直片92に載置されてスライド可能な上側スライド部を備えている。
図6に示すように、上側ケース支持部材9Aの垂直片92の上端920Aに、第1部材7の凹溝73の下面730が載っており、垂直片92の外面に、第1部材7の第1側面部71の第2部分711の上方部位の内面が近接ないし摺接している。すなわち、ケース側面部の前記上側スライド部は、ガイド支持片としての垂直片92の上端920Aに摺動可能に載置された第1部分(下面730)と、ガイド支持片としての垂直片92の外面に摺接ないし近接する第2部分(第1側面部71の第2部分711の上方部位)と、を備えている。
【0052】
下側ケース支持部材9Bは、縦枠(ガイドレール下地枠4)1の外側見込面から離間して位置する支持部(ガイド支持片としての垂直片92)を備え、ケース側面部は、ガイド支持片としての垂直片92に沿ってスライド可能な下側スライド部を備えている。
図7に示すように、下側ケース支持部材9Bの垂直片92の下端920Bは、第1部材7の第1側面部71の下端の水平片712に近接しており、ガイド支持片としての垂直片92の外面に、第1部材7の第1側面部71の第2部分711の下方部位の内面が近接ないし摺接している。すなわち、ケース側面部の前記下側スライド部は、ガイド支持片としての垂直片92の下端920Bに摺接ないし近接する第1部分(水平片712)と、ガイド支持片としての垂直片92の外面に摺接ないし近接する第2部分(第1側面部71の第2部分711の下方部位)と、を備えている。
【0053】
ケース3は、上側ケース支持部材9Aに載置された状態で、上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに沿ってスライド可能となっており、この時、ケース3は、上側ケース支持部材9Aに載置された状態であることから、ケース3の重量は上側ケース支持部材9Aによって支持され、下側ケース支持部材9Bを設けたことで、ケース3が前側に倒れ難くなっており(ケース3の前端部位が下方に下がると、下側ケース支持部材9Bのガイド支持片としての垂直片92の下端920Bに水平片712が当接する)、ケース3のズレ落ちが防止され、取り付け作業性が向上する。ケース3の取り付け作業性が向上された結果として、一人での取付作業も可能である。また、下側ケース支持部材9Bを設けたことで、吹き上げ荷重に対するケース3の強度も向上する。
【0054】
ケース3を上下のケース支持部材9A、9Bに対して躯体側へ向かってスライド移動させ、第2部材8の第2側面部81の挿通孔83a、第1部材7の第1側面部71の挿通孔75aを、上側ケース支持部材9Aの前側の螺子孔920に一致させて螺子S2で固定し、第2部材8の第2側面部81の挿通孔83b、第1部材7の第1側面部71の挿通孔75bを、下側ケース支持部材9Bの前側の螺子孔920に一致させて螺子S2で固定する。螺子S2によるケース3の上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bへの取り付けと同時に、第2部材8の第2側面部81と第1部材7の第1側面部71が連結される。第1部材7の第1側面部71の後端側の挿通孔74aを上側ケース支持部材9Aの後側の螺子孔920に一致させて螺子S2で固定し、第1部材7の第1側面部71の後端側の挿通孔74bを下側ケース支持部材9Bの後側の螺子孔920に一致させて螺子S2で固定する。本実施形態では、上下のケース支持部材9A、9Bに前後に離間して形成した螺子孔920に、ケース3側の挿通孔75a、75b、83a、83b、74a、74bを一致させることで自動的にケース3の位置決めが行われるため、ケース3の取り付け作業性が向上する。
【0055】
図14では、第1部材7と第2部材8を連結して組み立てられたケース3を、縦枠1の上方部位の上側ケース支持部材9A、下側ケース支持部材9Bに取り付けることを示しているが、ケース支持部材9を用いたケース3の取り付けにおいて、第1部材7の後側部位をケース支持部材9A、9Bの後側部位に取り付けた後に、第2部材8を第1部材7の前側部位及びケース支持部材9A、9Bの前側部位に取り付けてもよい。
【0056】
[H]ブラインドシャッターのメンテナンス作業
本実施形態に係るブラインドシャッターにおいて、スラット6を作動させるリンク機構はガイドレール5の内部空間内に設けてあり、電動モータMを含む駆動機構10及び制御ユニット13は、縦枠1の上端部位に設けてある。したがって、ブラインドシャッターのメンテナンス時には、ガイドレール下地枠4からガイドレール5を取り外し、リンク機構や電動モータMを含む駆動機構10(これらをまとめて作動機構と呼ぶ)をガイドレール5と一体で取り外す必要がある。本実施形態に係るケース3では、第1部材7と第2部材8の連結を解除することで、躯体Wに取り付けられた第1部材7に対して、第2部材8を前方にスライド移動可能となっており、前方に所定距離だけスライドイドさせた状態で第2部材8が仮固定可能となっている。第2部材8を仮固定した状態において、作動機構が搭載されたガイドレール5の取り外しが可能となっている。
【0057】
より具体的に説明すると、第2部材8の正面部80の上端部位を第1部材7の上側正面部72の下端部位に連結している螺子S3を取り外し、第2部材8の第2側面部81を第1部材7の第1側面部71の第2部分711に連結している螺子S2を取り外す。この状態において、第2部材8は、第1部材7に対して前方にスライド移動可能となっている。
【0058】
図16に示すように、第2部材8を、第2部材8の第2側面部81の挿通孔83a、83bが、第1部材7の第1側面部71の第2部分711に形成された仮固定孔76a、76bに一致させるようにスライド移動させ、取り外した螺子S2を挿通孔83a、83bから仮固定孔76a、76bに差し込むことで、第2部材8を前側にスライド移動した位置で仮固定する。第2部材8のスライド距離dを
図17に示す。この距離dは、挿通孔75a、75bと仮固定孔76a、76bの水平方向の間隔によって決定される。
【0059】
この時、ケース3の下方部位において、ガイドレール下地枠4と第2部材8の正面部80の下端部位との間には見込寸法D(
図16参照)の空間が形成される。
図17に示すように、この空間は、ケース3の下方部位から、作動機構が搭載されたガイドレール5の上端部位を取り外すことを許容する寸法を備えている。
【0060】
本実施形態に係るケース構造において、メンテナンス時等に作動機構が搭載されたガイドレール5を取り外す場合には、第2部材8を仮固定位置(挿通孔83a、83bと仮固定孔76a、76bが一致する位置)までスライドさせた状態で、仮固定すればよく、第2部材8のスライド距離を都度決定する必要がない。また、第2部材8を前方にスライドさせた仮固定位置で仮固定した状態でメンテナンス作業を行うことができるので、取り外したケースを仮置きする必要がなく、仮置きのためのスペースが不要であり、また、仮置きしたケースに不注意で傷が付く等の事故を防止できる。本実施形態に係るケース構造では、躯体Wに固定された第1部材7に対して、第2部材8を連結することでケース3を構成し、第1部材7に対する第2部材8の連結を解除することで、第1部材7に対して第2部材8を前方にスライド可能としたので、躯体Wにさらに仕上げ壁W1が設けられている現場であっても、メンテナンス時には、第2部材8のみを前方にスライドさせることで、作動機構が搭載されたガイドレール5をケース3の下方部位から取り外すことが可能である。
【0061】
[付記]
開口部左右の縦枠の側面の上方部位に対するケースの取付構造において、
前記縦枠の側面の上方部位にケース支持部材を設け、
前記ケース支持部材は、前記側面から離間して位置する支持部を備え、
ケースの左右の側面部は、前記支持部に載置されてスライド可能なスライド部を備えており、
前記ケースの左右の側面部は、前記スライド部を前記支持部に対して所定位置に位置決めした状態で前記縦枠に取り付けられている、
ケースの取付構造。
【0062】
1つの態様では、前記ケースの左右の側面部は、前記スライド部を前記支持部に対して所定位置で当該支持部に固定することで、前記ケース支持部材に取り付けられている。
なお、前記縦枠の側面の上方部位に、ケース支持部材とは別個にケース固定部材を設け、前記ケースの左右の側面部を前記ケース固定部材に固定するようにしてもよい。
1つの態様では、前記ケース支持部材は、前記側面に固定されたベースと、前記側面から離間するように延びる中間片と、を備え、
前記支持部は、前記中間片から立ち上がる立ち上がり片であり、
前記スライド部は、前記立ち上がり片の上端に摺動可能に載置された第1部分と、前記立ち上がり片の外面に摺接ないし近接する第2部分と、を備えている。
【0063】
1つの態様では、前記縦枠の側面には、前記ケース支持部材の下方に離間して位置して下側ケース支持部材が設けてあり、
前記下側ケース支持部材は、前記側面から離間して位置する下側支持部を備え、
前記ケースの左右の側面部は、前記スライド部の下方に離間して位置して、前記下側支持部に沿ってスライド可能な下側スライド部を備えており、
前記下側スライド部は、前記下側支持部に対して所定位置で当該下側支持部に固定されている。
1つの態様では、前記下側ケース支持部材は、前記側面に固定されたベースと、前記側面から離間するように延びる中間片と、を備え、
前記下側支持部は、前記中間片から立ち下がる立ち下り片であり、
前記下側スライド部は、前記立ち下り片の下端に摺接ないし近接する第1部分と、前記立ち下り片の外面に摺接ないし近接する第2部分と、を備えている。
【0064】
1つの態様では、前記ケース支持部材の前記支持部、前記下側ケース支持部材の前記下側支持部には、前記ケースの側面部の取付位置を決定する固定用孔が形成されており、
前記ケースの側面部には、前記固定用孔に一致させることで前記ケースの位置決めを行う挿通孔が形成されている。
【0065】
1つの態様では、前記ケースは、ブラインドシャッターのケースであり、
前記縦枠は、躯体に固定されたガイドレール下地枠と、前記ガイドレール下地枠に脱着可能なガイドレールと、からなり、
前記ガイドレールには、ブラインドシャッターの作動機構が設けてあり、
前記ケース支持部材及び前記下側ケース支持部材は、前記ガイドレール下地枠の側面の上方部位に設けてあり、
前記ケースは、前記ケース支持部材及び前記下側ケース支持部材を介して前記ガイドレール下地枠に固定されている。
【0066】
1つの態様では、前記ケースは、躯体及び前記ケース支持部材及び前記下側ケース支持部材に固定された第1部材と、前記第1部材、及び前記ケース支持部材及び前記下側ケース支持部材に連結された第2部材とからなり、
前記第2部材は、前記第1部材、及び前記ケース支持部材及び前記下側ケース支持部材との連結を解除した状態で前記第1部材に対して前方にスライド可能となっており、
前記第2部材を前方にスライドさせることで、ケース下方に当該ケース内から前記ガイドレールの上端側部位を取り外すことを許容する空間が形成される。
【0067】
1つの態様では、前記ケースは上面部を備え、前記上面部の後端部位の立ち上がり片が躯体に固定されている。
【符号の説明】
【0068】
1 縦枠
2 ブラインド(シャッターカーテン)
3 ケース
4 ガイドレール下地枠(縦枠)
5 ガイドレール(縦枠)
6 スラット
7 第1部材(ケース)
70 上面部
700 立ち上がり片
71 第1側面部
710 第1側面部の第1部分
711 第1側面部の第2部分(スライド部の第2部分)
712 水平片(第1下片、下側スライド部の第1部分)
713 立ち上がり片(第1下片)
72 上側正面部
720 水平片
721 垂下片(重なり部)
73 凹溝
730 凹溝の下面(スライド支持部、スライド部の第1部分)
74a、74b、75a、75b 挿通孔(螺子S2用)
76a、76b 仮固定孔(螺子S2用)
8 第2部材(ケース)
80 正面部
800 水平片
801 立ち上がり片(重なり部)
81 第2側面部
810 水平片(スライド部、摺動片)
812 水平片(第2下片)
813 立ち上がり片(第2下片)
83a、83b 挿通孔(螺子S2用)
9 ケース支持部材
9A 上側ケース支持部材(ケース支持部材)
9B 下側ケース支持部材
90 ベース
91 立ち上がり片(中間片)
92 垂直片(支持部、立ち上がり片、立ち上がり片)
920 螺子孔(固定用孔)
920A 上側ケース支持部材のガイド支持片の上端
920B 下側ケース支持部材のガイド支持片の下端
10 ギアボックス(駆動機構、作動機構)
17 補強部材
170 ブラケット
172 下側アングル材(正面アングル)
M 電動モータ(駆動機構、作動機構)
S2 螺子(ケースとケース支持部材の連結用、第1部材の第1側面部と第2部材の第2側面部の連結用)
S3 螺子(第1部材の上側正面部と第2部材の正面部と正面アングルの連結用)
S6 螺子(ガイドレールとガイドレール下地枠の連結用)
W 躯体