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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】サービス管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241216BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021000573
(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公開番号】P2022105932
(43)【公開日】2022-07-15
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一郎
(72)【発明者】
【氏名】村田 龍俊
(72)【発明者】
【氏名】陶山 修司
(72)【発明者】
【氏名】山木田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲司
(72)【発明者】
【氏名】豊田 兼司
(72)【発明者】
【氏名】山崎 崇生
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-109576(JP,A)
【文献】特開2005-301465(JP,A)
【文献】特開2005-250635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の契約単位で契約される一又は二以上の所定のサービスに関するライセンスの契約及び購入の適正化を管理するシステムであって、
契約されている前記ライセンスを特定するための、各ライセンスの利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報を含む所定のライセンス情報と、一又は二以上の類似するライセンスを示す所定の類似ライセンス情報を記憶した記憶手段と、
ユーザからのライセンスの契約申請があった場合に、前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報に基づいて、当該ライセンスを購入すべきか否かを判定する所定のライセンス購入最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて所定のライセンス購入処理を実行するライセンス購入最適化部と、
前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報、購入情報、購入条件情報、及び類似ライセンス情報のいずれかに基づいて、当該ライセンスと切替すべき類似ライセンスの有無を判定するライセンス切替シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当する類似ライセンスを示す切替リスト情報を生成するライセンス切替情報生成部と、を備え
前記ライセンス切替情報生成部は、
前記記憶手段を参照し、前記各ライセンスに係る現在のサービスと類似するサービスのデータを抽出し、サービスの切替を行った場合の料金を比較するシミュレーションを実行し、現在のサービスと一又は二以上の類似のサービスの名称と料金を対比可能に表示したリストを生成する
ことを特徴とするサービス管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報と、各ライセンスに対する所定のログイン/ログアウト情報とに基づいて、当該ライセンスを休止すべきか否かを判定するライセンス棚卸最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当するライセンスの休止処理を実行するライセンス棚卸最適化部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のサービス管理システム。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報と、各ライセンスに対する所定のログイン/ログアウト情報とに基づいて、当該ライセンスを廃止すべきか否かを判定するライセンス更新最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当するライセンスの廃止処理を実行するライセンス更新最適化部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサービス管理システム。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記購入情報と、各ライセンスに対する所定のアカウント廃止情報とに基づいて、該当する廃止すべきライセンスを示す解約リスト情報を生成するライセンス解約情報生成部を備える
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のサービス管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば企業や団体,組織等で社員や従業員等に支給・貸与される、例えば携帯電話やスマートフォン,有償・無償のソフトウェアアプリケーションなど、各種のサービスについて、その購入や契約の締結,更新,廃止等の管理・運用業務を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業や団体,組織等では、そこに所属する社員や従業員等の業務遂行に必要となる各種のサービス、例えば携帯電話やスマートフォン,有償・無償のソフトウェアアプリケーションなどを、企業等の負担において社員や従業員等に支給・貸与することが行われている。
例えば、古くは固定電話回線の加入権の管理と月額利用料の資産と支払いの管理、最近では、各種クラウドサービスの機器レンタル費用と年額や月額での利用料、携帯電話会社のスマートフォンの割賦払いと月額通信料の管理、また、各契約が年単位で更新されるのでそれらの管理など、複雑な利用料等の管理が存在している。
【0003】
このような業務遂行や福利厚生等の一環として社員等に与えられる各種のサービスは、その種類や内容、数量、支払うべき費用などが膨大となることもあり、企業や組織等にとっては、それら各種サービスの購入や契約の締結,更新,廃止等が適正に管理・運用されることが極めて重要であり、不必要・不効率なサービスの重複契約などは可能な限り排除する必要がある。
ところが、これまでは、このような各種サービスの管理は、例えば企業の管理部や総務部といった管理部門の担当者等が、長年の経験と勘に基づく人手・手作業によって行っており、担当者の負担も大きく、また、適切な管理・運用が行われているとは言い難い場合も少なくなかった。
【0004】
そこで、そのような企業・組織等における各種サービスの管理や運用について、担当者の負担を軽減しつつ、効率的な管理・運用業務を行えるようにすることを目的とした支援技術等が提案されている。
例えば、特許文献1には、会社等の組織内で保有するソフトウェアのライセンス数と、組織内で実際に使用されているソフトウェアの数をコンピュータにより管理し、ライセンス数が不足するソフトウェアがあるかをチェックして、不足する場合には担当者に通知することにより、組織内におけるライセンスの不正使用を防ぎつつ、効率の良い正確なライセンス管理を実現することができ、ライセンス管理における作業負荷も軽減することができるとする「ライセンス管理方法」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4121344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術を含めて、これまでのサービス管理の支援技術には、更なる改良の余地があった。
例えば、特許文献1のライセンス管理方法は、契約すべきソフトウェアの不足や不正使用を防止することのみを目的としており、例えば不必要なサービスや重複したサービスを抽出して、その契約の見直しや最適化を図るようなことはできなかった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために提案されたものであり、企業や団体等において契約される有償・無償の各種のサービスについて、その購入や契約の締結,更新,休止,廃止等について動的に監視・判定を行うことにより、不必要なサービスや不効率な運用、重複する契約等を自動的に抽出し、契約・購入の実行や見直し,休止,廃止等の最適化を図ることができるサービス管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、所定の契約単位で契約される一又は二以上の所定のサービスに関するライセンスの契約及び購入の適正化を管理するシステムであって、契約されている前記ライセンスを特定するための、各ライセンスの利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報を含む所定のライセンス情報と、一又は二以上の類似するライセンスを示す所定の類似ライセンス情報を記憶した記憶手段と、ユーザからのライセンスの契約申請があった場合に、前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報に基づいて、当該ライセンスを購入すべきか否かを判定する所定のライセンス購入最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて所定のライセンス購入処理を実行するライセンス購入最適化部と、前記記憶手段に記憶された各ライセンスの前記利用状況情報、購入情報、購入条件情報、及び類似ライセンス情報のいずれかに基づいて、当該ライセンスと切替すべき類似ライセンスの有無を判定するライセンス切替シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当する類似ライセンスを示す切替リスト情報を生成するライセンス切替情報生成部と、を備え、前記ライセンス切替情報生成部は、前記記憶手段を参照し、前記各ライセンスに係る現在のサービスと類似するサービスのデータを抽出し、サービスの切替を行った場合の料金を比較するシミュレーションを実行し、現在のサービスと一又は二以上の類似のサービスの名称と料金を対比可能に表示したリストを生成する構成としてある。
【0009】
また、本発明は、上記のような本発明に係るサービス管理システムで実行されるプログラムとして構成することができる。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係るサービス管理システム及びプログラムによって実施可能な方法として実施することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、企業や団体等において契約される有償・無償の各種のサービスについて、その購入や契約の締結,更新,休止,廃止等について動的に監視・判定を行うことにより、不必要なサービスや不効率な運用、重複する契約等を自動的に抽出し、契約・購入の実行や見直し,休止,廃止等の最適化を図ることができる。
これによって、例えば企業や団体,組織等で社員や従業員等に支給・貸与される、携帯電話やスマートフォン,有償・無償のソフトウェアアプリケーションなど、各種のサービスについての購入や契約の管理・運用などに好適なサービス管理システム及びプログラム・方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るサービス管理システムの全体構成を模式的に示す説明図である。
図2】サービス管理システムにおける各部の構成を示す機能ブロック図である。
図3】サービス管理システムのデータベースに格納されるデータ構成を示す説明図であり、(a)はライセンス利用状況DB、(b)はサービス解約情報DB、(c)はサービス解約リストDBの各データ構成を示している。
図4】サービス管理システムのデータベースに格納されるデータ構成を示す説明図であり、(a)は購入ライセンスDB、(b)は購入条件DB、(c)は類似ライセンスDBの各データ構成を示している。
図5】ライセンス購入最適化部における処理動作の概要を示すフローチャートである。
図6】有償ライセンスの申請書の入力画面イメージを示す説明図である。
図7】ライセンス購入最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図8】ライセンス購入最適化シミュレーションの出力イメージを示す説明図であり、(a)は購入シミュレーションリスト、(b)は購入条件の表示の一例である。
図9】ライセンス棚卸最適化部における処理動作の概要を示すフローチャートである。
図10】ライセンス棚卸最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図11】ライセンス棚卸最適化シミュレーションの出力イメージを示す説明図であり、(a)は利用状況出力指示画面、(b)は利用状況出力、(c)は利用状況の表示の一例である。
図12】ライセンス更新最適化部における処理動作の概要を示すフローチャートである。
図13】ライセンス更新最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図14】ライセンス更新最適化シミュレーションの出力イメージを示す説明図であり、(a)は更新対象者利用状況出力指示画面、(b)は更新対象者利用状況出力、(c)は更新対象者利用状況の表示の一例である。
図15】ライセンス切替情報生成部における処理動作の概要を示すフローチャートである。
図16】ライセンス切替シミュレーションにおける処理動作の詳細を示すフローチャートである。
図17】ライセンス切替シミュレーションの出力イメージを示す説明図であり、(a)はライセンス切替シミュレーション出力指示画面、(b)はライセンス切替シミュレーション出力、(c)は類似ライセンスの利用状況の表示の一例である。
図18】ライセンス解約情報生成部における処理動作の概要を示すフローチャートである。
図19】ライセンス解約情報生成部によるサービス解約リスト出力処理の詳細を示すフローチャートである。
図20】外部システムにおけるアカウントの無効・休止作業/サービス解約データ作成指示の入力画面イメージを示す説明図である。
図21】サービス解約リストの出力イメージを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るサービス管理システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明のサービス管理システム(本システム)は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0013】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
また、本システムは、単一の情報処理装置(例えば一台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0014】
また、本システムのハードウェア構成は、特に図示しないが、CPU,RAM,ROM,HDD,入力装置,表示装置等を含む情報処理装置によって構成される。これらの構成要素はシステムバスで接続され、システムバスを介してデータのやり取りが行われる。CPU(Central Processing Unit)は、中央処理装置とも呼ばれ、コンピュータの中心的な処理を行う部位であり、各装置の制御やデータの計算/加工を行う。RAM(Random Access Memory)は、メモリ装置の一種で、データの消去・書き換えが可能なものであり、ROM(Read Only Memory)は、半導体などを用いたメモリ装置の一種で、データ書き込みは製造時1回のみで、利用時には記録されたデータの読み出しのみできるものである。HDD(Hard Disk Drive)は、磁性体の性質を利用し、情報を記録し読み出す補助記憶装置である。入力装置は、ユーザがコンピュータに対して操作指示を行うため、あるいは、文字等を入力するために使用され、具体的には、キーボード,マウス等で構成される。表示装置は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、タッチパネル機能を有するものであってもよい。その他、他の端末や情報処理装置等との通信が可能となる通信機能を備えることもできる。
【0015】
[システム構成]
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るサービス管理システム1(以下「本システム1」という)は、サービス管理サーバ10と、一又は二以上の申請者端末30(30a~30n)とを備えて構成されている。
そして、これらサービス管理サーバ10・申請者端末30は、LAN・WAN等のネットワークを含むインターネット100を介して接続され、それぞれ相互にデータ通信が可能となっている。
また、サービス管理サーバ10は、インターネット100を介して、外部(国内外)に設置されている所定の外部システム50とも通信可能に接続されるようになっている。
【0016】
ここで、サービス管理サーバ10と申請者端末30は、例えば同一の組織・企業等に設置される情報処理装置によって構成することができる。この場合には、本システム1はサービス管理サーバ10及び申請者端末30によって構成されることになり、本システム1を、例えば同一の組織・企業単位で運用される社内システムとして機能させることができる。
また、サービス管理サーバ10と申請者端末30は、それぞれ異なる組織・企業等に設置される情報処理装置によって構成することができる。この場合には、例えば、サービス管理サーバ10は、本システム1をサービスとして顧客に提供する企業が運用する情報処理装置、申請者端末30は、本システム1を介してライセンス管理のサービス提供を受ける一又は二以の各企業や組織・団体等に備えられる情報処理装置によって構成することもできる。この場合には、申請者端末30は、本システム1にネットワークを介して接続される外部装置として機能することになり、本システム1はサービス管理サーバ10のみによって構成されることになる。
【0017】
[サービス管理サーバ]
サービス管理サーバ10は、各企業や組織等において、所定の契約単位で契約される一又は二以上の所定のサービスに関するライセンスの契約及び購入の適正化を管理・支援するための、本システム1の中核となる情報処理装置であり、本発明のサービス管理システムを構成している。
ここで、本システム1で対象とする一又は二以上のサービスに関するライセンスの契約・購入についての所定の契約単位としては、例えば当該サービスを利用するユーザごとのユーザ単位、当該サービスを実行するための端末単位・装置単位・ソフトウェア単位などがある。
このサービス管理サーバ10は、例えば、1又は2以上のサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等、所定のプログラム(ソフトウェア)が実装された情報処理装置によって構成することができる。
【0018】
また、サービス管理サーバ10には、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
そして、サービス管理サーバ10には、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアが実装されるようになっている。
このソフトウェアは、1又は2以上の申請者端末30に対して、インターネット100等のネットワークを介して、例えばAPI(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを公開、提供する。
これにより、各申請者端末30では、サービス管理サーバ10から提供・提案される、例えば所望するライセンス購入の申請処理や、ライセンス休止・廃止等の通知受信などのサービスが提供されるために運用される専用のアプリケーションプログラムやウェブブラウザ等を呼び出してログインすることにより、本発明に係るサービス管理システムの機能を実行させ使用することができるようになる。
【0019】
また、サービス管理サーバ10には、データベース等として実装される後述する所定のサービス管理DB(データベース)20を備えるとともに、本発明に係るサービス管理システムの運用に必要となる所定の情報を取得・蓄積する記憶手段が備えられる。
記憶手段には、各種の情報リソースとして、本システム1における管理対象となる契約されている各種サービス・ライセンスを特定するための所定情報、例えば各ライセンスの利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報を含む所定のライセンス情報が記憶されるとともに、後述する各申請者端末30から入力・送信される所定の情報、例えばライセンス購入の申請情報やライセンスの利用情報などが記憶され、本システム1の運用に伴って随時必要な情報が読み出されて、記憶され更新されるようになっている。
【0020】
そして、本実施形態に係るサービス管理サーバ10は、図2に示すように、ライセンス購入最適化部11,ライセンス棚卸最適化部12,ライセンス更新最適化部13,ライセンス切替情報生成部14,ライセンス解約情報生成部15の各部として機能するように構成される。
また、サービス管理サーバ10には、上述した記憶手段によって構成されるサービス管理DB20が構築されており、具体的には、サービス管理DB20は、ライセンス利用状況DB21,サービス解約情報DB22,サービス解約リストDB23,購入ライセンスDB24,購入条件DB25,類似ライセンスDB26が備えられており、本システム1におけるサービス管理処理に必要な所定のデータがデータベースとして記憶・管理されるようになっている。
【0021】
ここで、本システム1において管理対象となるサービス・ライセンスとしては、各企業等で業務に使用される各種の通信機器や電子機器の使用契約やリース契約、ソフトウェアアプリケーションの利用契約などがある。
例えば、固定電話回線の加入権の管理と月額利用料の資産と支払い管理、各種クラウドサービスの機器レンタル費用と年額や月額での利用料、携帯電話会社のスマートフォンの割賦払いと月額通信料の管理、ソフトウェアアプリケーションの利用契約と月額利用料の管理などがある。
また、それらの契約の更新の管理、例えば年単位での更新の管理なども対象となる。
このような各種サービスの契約や利用料などの管理は、企業規模や契約数に比例して複雑なものとなり、料金の支払い等が最適化されずに無駄に支払われていることも少なくなかった。
【0022】
そこで、本システム1では、サービス管理DB20で記憶・管理されている所定のライセンス情報に基づいて、サービス管理サーバ10のライセンス購入最適化部11・ライセンス棚卸最適化部12・ライセンス更新最適化部13・ライセンス切替情報生成部14・ライセンス解約情報生成部15による5つのサブシステムの各処理動作が実行されることで、上記のような従来の課題を解決するようになっている。
すなわち、本システム1によれば、従来は例えば総務部や情報システム部といった管理部門の人間が勘と経験で行っていた多数のサービス・ライセンスの管理を、5つのサブシステムと各種DBのデータに基づいて、人間の勘や経験なしで、必要なサービスを最適な利用料で無駄なく効率的に利用できるようにするものである。
さらに、本システム1では、SSO(IDaaS)のアカウントの停止に連動して、解約すべきサービスの一覧(サービス解約リスト)を出力し、途中解約すべき不要・無用なライセンスを積極的に抽出して、解約(又は休止管理)に向けた提案・支援も行えるようになっている。
【0023】
ここで、SSO(シングルサインオン)とは、一度のユーザ認証処理によって独立した複数のソフトウェアシステム上のリソースが利用可能になる特性である。この特性によって、ユーザはシステムごとにユーザIDとパスワードの組を入力する必要がなくなる。また、IDaaSとは「Identity as a Service」の略であり、クラウド経由でID認証及びIDパスワード管理,SSO,アクセス制御などを提供するサービスである。
このようなSSO,IDaaSのサービスは、インターネット100等のネットワークを介して外部システム50から提供されるようになっている。
本システム1では、これらの機能を活用して、利用されていないサービスを休止・廃止・解約すべきものとして抽出・判定できるようになっている。
【0024】
[サービス管理DB]
サービス管理DB20は、本システム1の管理対象となるサービス・ライセンスに関する所定のデータ・情報がデータベースとして管理される記憶手段である。
このサービス管理DB20には、管理対象となる企業単位・組織単位で、当該企業や組織等が既に契約しているライセンスを特定するための所定のライセンス情報が予め記憶されており、また、ライセンスの新規購入・休止・廃止・切替等に応じて、データが随時格納・更新される。
また、サービス管理DBには、インターネット100等のネットワークを介して各申請者端末30や外部システム50から所定の情報が入力・送信されて、それらの情報に応じてもデータが随時格納・更新される。
【0025】
サービス管理DB20に格納・管理される所定の情報としては、本システム1の管理対象となる、上記のような各サービスのライセンス契約に関する情報であり、例えば、図2に示すように、ライセンス利用状況DB21,サービス解約情報DB22,サービス解約リストDB23,購入ライセンスDB24,購入条件DB25,類似ライセンスDB26などの各種情報・データがある。
なお、以下に示すサービス管理DB20に記憶される情報は、本システム1において処理対象となる情報の一例であって、特に以下の情報のみに限定されるものではなく、本システム1として必要な情報を追加・削除・変更等することができることは言うまでもない。
【0026】
具体的には、サービス管理DB20のライセンス利用状況DB21,サービス解約情報DB22,サービス解約リストDB23,購入ライセンスDB24,購入条件DB25,類似ライセンスDB26を構成する情報・データとしては、図3及び図4に示すように、例えば以下のようなものがある(各データのサンプル・内容・備考については図3,4参照)。
【0027】
[ライセンス利用状況DB]
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.利用者ID
3.申請者ID
4.申請者組織CD
5.課金先ユニット
6.ライセンス種別
7.状態ステータス
8.年度
9.申請年月日
10.変更年月日
11.利用開始予定年月日
12.利用終了予定年月日
13.利用開始年月日
14.利用終了年月日
15.休止年月日
16.廃止年月日
【0028】
[サービス解約情報DB]
1.利用者ID
2.退職年月日
3.休職年月日
【0029】
[サービス解約リストDB]
1.ライセンス
2.利用者ID
3.申請者ID
4.ライセンス種別
5.状態ステータス
6.利用開始年月日
7.利用終了年月日
8.休止年月日
9.廃止年月日
10.退職年月日
11.休職年月日
【0030】
[購入ライセンスDB]
1.ライセンス
2.ライセンス種別
3.ライセンス数
4.利用開始年月日
5.利用終了年月日
6.購入年月日
【0031】
[購入条件DB]
1.ライセンス
2.ライセンス種別
3.見積コメント
4.利用開始年月日
5.利用終了年月日
6.利用期限
7.単価
8.ライセンス数
9.条件など
10.見積年月日
11.見積有効年月日
12.休止後再割り当て可能日数
【0032】
[類似ライセンス]
1.ライセンス
2.ライセンス種別
3.類似ライセンス
4.類似ライセンス種別
5.特記事項
【0033】
以上のようなサービス管理DB20で記憶・管理されるデータに基づいて、サービス管理サーバ10のライセンス購入最適化部11・ライセンス棚卸最適化部12・ライセンス更新最適化部13・ライセンス切替情報生成部14・ライセンス解約情報生成部15における各処理動作が実行されることで、対象となる一又は二以上のサービスの適正な運用と最適化が図られるようになる。
従来は、サービス・ライセンスは必要なのでその都度購入するが、その後は、それらを見直す(棚卸)ようなことは行われず、例えば、購入先のキャリアやベンダーからの継続の案内等を受領したタイミングで不要か否かを判断する、といった対応であったため、ライセンス契約の最適化を行うことができなかった。
【0034】
例えば、従来はライセンス契約に関する各種情報は、紙や担当者の頭で管理したり、場合によってはサービス提供ベンダーの請求書や契約更新連絡で管理することも多かった。
また、最近では上述したSSO(IDaaS)の機能を利用することで、各サービスの利用履歴(Login-Logout履歴)が取り易くなったこともあり、契約しているサービスが使われている否かの突き合わせはし易い環境にある。
また、例えばクラウド等のサービスやスマートフォンなど通信キャリアとの契約は、年間契約が多い一方、企業側ではサービスの契約情報と支払いについては月単位で管理しており、契約更新単位と支払い単位とにずれがある。
【0035】
また、業務用に契約・購入している各種サービスは、正社員の他に契約社員やアルバイトスタッフ等も使うことがあり、その利用は月ごとで流動的である。また、経費の管理は組織(部署)ごとに実施することも必要となる。
例えば、X部署のA社員が前月で退職した場合には、A社員が使用していたサービスは直ちに止めるのか、あるいは、Y部署のB社員に割り当てて継続した方が効率的なのか、といった判断が行えることが望ましい。
さらに、サービスによっては、複数のオプションが存在する場合があり、そのようなオプションはきめ細かく管理できることが望ましく、場合によっては、請求書等と突き合わせた管理・判断が行えることが好ましい。
【0036】
そこで、本システム1では、上述のようにサービス管理DB20において、購入済の情報を管理するデータベース(購入ライセンスDB24)と購入する条件を管理するデータベース(購入条件DB25)を構築するとともに、それらと、新規に申し込みのあったサービスに関する情報を、購入申し込みのタイミングで突き合わせを行うことで、無利用者やテストユーザの棚卸を含む、購入単位に応じた最適なシミュレーションを実行することで、ライセンス購入を最適化できるようにするものである。
具体的には、以下のようなライセンス購入最適化部11・ライセンス棚卸最適化部12・ライセンス更新最適化部13・ライセンス切替情報生成部14・ライセンス解約情報生成部15の5つのサブシステムによる各処理動作が実行されることにより、本発明に係るライセンス契約の最適化が実現できるになっている。
【0037】
[ライセンス購入最適化部]
ライセンス購入最適化部11は、ユーザからのライセンスの契約申請があった場合に、記憶手段(サービス管理DB20)に記憶された各ライセンスの利用状況情報、購入情報、及び購入条件情報に基づいて、当該ライセンスを購入すべきか否かを判定する所定のライセンス購入最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて所定のライセンス購入処理を実行する。
具体的には、ライセンス購入最適化部11は、後述するように「ライセンス購入最適化シミュレーション+購入プロセス自動化」の処理を実行することにより(図5図8を参照)、これまで担当者の勘と経験で購入していたサービスを、購入ライセンスDB24(利用情報入り)、購入条件DB25のデータに基づいて、最適な購入シミュレーション案を作成・提案し、選択されたシミュレーション案に従って、購入プロセスを自動で実施するものである。
このようなライセンス購入最適化部11の具体的な処理動作(ライセンス購入最適化シミュレーション)については、図5図8を参照しつつ後述する。
【0038】
[ライセンス棚卸最適化部]
ライセンス棚卸最適化部12は、記憶手段(サービス管理DB20)に記憶された各ライセンスの利用状況情報と、各ライセンスに対する所定のログイン/ログアウト情報とに基づいて、当該ライセンスを休止すべきか否かを判定するライセンス棚卸最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当するライセンスの休止処理を実行する。
このようなライセンス棚卸最適化部12の具体的な処理動作(ライセンス棚卸最適化シミュレーション)については、図9図11を参照しつつ後述する。
【0039】
[ライセンス更新最適化部]
ライセンス更新最適化部13は、記憶手段(サービス管理DB20)に記憶された各ライセンスの利用状況情報と、各ライセンスに対する所定のログイン/ログアウト情報とに基づいて、当該ライセンスを廃止すべきか否かを判定するライセンス更新最適化シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当するライセンスの廃止処理を実行する。
このようなライセンス更新最適化部13の具体的な処理動作(ライセンス更新最適化シミュレーション)については、図12図14を参照しつつ後述する。
【0040】
[ライセンス切替情報生成部]
ライセンス切替情報生成部14は、記憶手段(サービス管理DB20)に記憶された各ライセンスの利用状況情報、購入情報、購入条件情報、及び類似ライセンス情報に基づいて、当該ライセンスと切替すべき類似ライセンスの有無を判定するライセンス切替シミュレーションを実行するとともに、当該シミュレーションの結果に基づいて該当する類似ライセンスを示す切替リスト情報を生成する。
このようなライセンス切替情報生成部14の具体的な処理動作(ライセンス切替シミュレーション)については、図15図17を参照しつつ後述する。
【0041】
[ライセンス解約情報生成部]
ライセンス解約情報生成部15は、記憶手段(サービス管理DB20)に記憶された各ライセンスの購入情報と、各ライセンスに対する所定のアカウント廃止情報とに基づいて、該当する廃止すべきライセンスを示す解約リスト情報を生成する。
このようなライセンス解約情報生成部15の具体的な処理動作(サービス解約リスト出力)については、図18図21を参照しつつ後述する。
【0042】
[申請者端末]
申請者端末30(30a~30n)は、社内のLANやWAN等のネットワークやインターネット100を介してサービス管理サーバ10に接続可能な、本システム1の管理対象となる企業や団体等で使用される例えばPC,タブレット端末,スマートフォンなど、一又は二以上の情報処理装置によって構成することができる。
このような申請者端末30を介して、申請者端末30を使用する例えば当該企業や組織に所属する役員,社員,従業員,スタッフ等は、インターネット100を介して、サービス管理サーバ10にアクセスして必要な各種情報を送信/受信でき、出力・表示させることができるようになる。
【0043】
[外部システム]
外部システム50は、インターネット100を介してサービス管理サーバ10に接続された、本システム1において管理対象となるサービス、例えば各種の通信機器や電子機器や、ソフトウェアアプリケーションなどを提供する事業者側のオフィスやデータセンタ等に設置されるPCやサーバ群等によって構成される情報処理装置である。この外部システム50に対してサービス管理サーバ10からアクセスすることにより、その外部システム50の事業者等が提供する各種サービスについての新規契約・購入・休止・廃止・解約等の処理をオンラインで行えるようになる。
【0044】
また、外部システム50は、上述したSSO・IDaaSなど、インターネット100等のネットワークを介してオンライン利用可能な各種情報・サービスを公開・提供しているWebサーバなども該当する。
このような外部システム50にアクセスすることで、本システム1において、SSO・IDaaSの機能を活用して、利用されていない不要・非効率なサービス契約を抽出・判定できるようになる。
【0045】
[動作]
次に、以上のような本システム1における具体的な処理・動作(サービス管理方法の実施)について、図5図21を参照して説明する。
本システム1では、上述したサービス管理サーバ10のライセンス購入最適化部11,ライセンス棚卸最適化部12,ライセンス更新最適化部13,ライセンス切替情報生成部14,ライセンス解約情報生成部15における一連の処理動作を自動実行することにより、企業等における各種のサービスについて、新規の購入や契約の締結,更新,休止,廃止等について動的に監視・判定を行い、不要なサービスや不効率な運用、重複契約等を自動抽出し、契約・購入の実行や見直し,休止,廃止等の最適化を図ることができるものである。
【0046】
[ライセンス購入最適化シミュレーション]
まず、図5図8を参照しつつ、ライセンス購入最適化部11による動作(ライセンス購入最適化シミュレーション)を説明する。
図5に、ライセンス購入最適化部11における処理動作の概要を示す。
同図に示すように、ライセンス購入最適化部11では、これまで担当者等の勘と経験で購入していた各種サービス・ライセンスを、ライセンス利用状況DB21・購入条件DB25を使って最適な購入シミュレーション案を生成するとともに、選択されたシミュレーション案に従った購入プロセスを自動で実行するようになっている。
具体的には、ライセンス購入最適化部11では、まず、第一機能として「ライセンス申し込み」が行われる(ステップ501)。ラインセンス申し込みは、申請者端末30から本システム1にアクセス・ログインすることにより、所定の入力画面に沿って入力操作して所定のデータをサービス管理サーバ10に送信することができる。
【0047】
図6に、有償ライセンスの申請書の入力画面イメージを示す。
同図に示すように、申請者端末30には、ライセンス申し込み用の申請書の入力画面が生成・表示され、必要な情報が入力されるようになっている。
図6に示す例では、例えば、以下のような申請・申し込みが行えるようになっている。
(1)新規
(2)会計ユニット変更
(3)年度末廃止
(4)即時廃止(ライセンスによる)
(5)テストアカウント新規
(6)テストアカウント廃止
【0048】
また、同図に示すように、申請書を介して入力・管理される情報としては、「申請者・承認者・利用組織・ライセンス数・課金ユニット・利用者」等の各項目について必要な情報が入力され管理されるようになっている。
「利用者」情報に関しては、例えばライセンスの管理は、購入数と氏名,アカウントで1レコードとして、申請者情報,承認者情報,利用組織情報が管理される。
「アカウント状況」としては、例えば「1:利用中,2:停止,3:テストアカウント利用」等については、申請日,利用開始年月日,利用終了年月日,アカウント廃止年月日等の情報に基づいて管理される。
「終了状況」としては、例えば「1:ユニット変更済,2:年度末廃止未到達,3:年度末廃止新規割り当て済み,4:テストアカウント廃止」等について所定情報が管理される。
【0049】
このような所定の情報が申請書を介して入力・管理されることで、例えば、申請されたライセンスの新規購入の際に、「2:年度末廃止未到達」からアカウントを割り当てて「3:年度末廃止新規割り当て済み」に変更し、また「アカウント廃止年月日」に日付情報を登録して、当該ラインセンスは新規では購入せず、「テストアカウント」を利用するようにして、その旨を申請者の申請者端末30に連絡する、といった状況に応じた動的で臨機応変な対応が可能となる。
【0050】
以上のような申請者端末30を介した申請書による「ライセンス申し込み」として、例えばオンライン会議用のソフトウェアアプリケーション「WebMeeting」の有償ライセンス3件の申し込みがあったとする(ステップ501)。
なお、このような新規ライセンスの申し込みは、上述のとおり、「新規・会計ユニット変更・廃止(ライセンスにより年度末のみ)・即時廃止(ライセンスによる)・テストアカウント新規・テストアカウント廃止」などの例えば6つのいずれかで申請が行えるようになっている。これによって、例えば、「基本年度末で廃止だが、システム上は休止/休眠を付けておいて、新規があれば、そちらにユニット変更する」といった機動的な対応が可能となる。
【0051】
ライセンス申し込み(ステップ501)の情報が入力されると、ライセンス購入最適化部11では、申請に係るライセンスについての所定のライセンス購入最適化シミュレーションが実行される(ステップ502)。
このライセンス購入最適化シミュレーションでは、ライセンス利用状況DB21・購入条件DB25・購入ライセンスDB24に格納されている各データ(図3及び図4参照)に基づいて、申請に係るライセンスの購入についての所定のシミュレーションが行われる。
【0052】
ライセンス利用状況DB21には、例えば休止・休眠ライセンスを含む利用・管理状況を示すデータが格納されている。
購入条件DB25には、例えば申請に係る該当ライセンスは「1ライセンスずつ購入」か、「10ライセンス単位で購入」など、所定の購入条件についてのデータが保存されている。
購入ライセンスDB24には、既に契約・購入されたライセンスについての利用ユーザ情報として、例えば「テストユーザ」や「利用の少ないユーザ」等を示すフラグが設定され、これらの情報により、申請に係るライセンスを購入しないと判定される場合に、サービスを停止するユーザの候補として抽出することできる。
【0053】
図5に示す例では、ライセンス利用状況DB21から「休眠アカウント:0・今月末でアカウント休止:2・テストユーザ:2有り」のデータが抽出され、購入条件DB25から「10又は100アカウント単位で購入,2020年11月に1年分全量更新」のデータが抽出され、購入ライセンスDB24から当該ライセンスの「購入済数確認」データが抽出されたとする。
これらのデータに基づいてシミュレーションが実行され、「案1:購入0。今月末休止アカウント2を使い、さらに利用率の低いAさんのライセンスを返却できないか連絡。」と、「案2:購入10。そのまま購入、来月割り当て後、10-3=7と休止の2で9未割当アカウントとなる。」の2つの提案結果が生成され、最終的なシミュレーション結果として「案2」が採用されたとする。
【0054】
ライセンス購入最適化シミュレーション結果が生成・出力されると、ライセンス購入最適化部11では、第二機能として「ライセンスの購入」が行われる(ステップ503)。
ライセンス購入処理では、第一機能(ライセンス購入最適化シミュレーション)の処理で確定した購入案の選択が本システム1に入力され、購入処理が実行・確定する。
図5の例では、「案2:購入数10」のシミュレーション結果が、例えば当該企業の総務部の担当者等に対して、サービス管理サーバ10を介して最適ライセンス購入数案として出力・提示される。
【0055】
シミュレーション結果を受領した担当者は、ライセンス購入案を確認し、最適な購入計画(又は購入しないで未利用者やテストユーザからライセンスの剥奪)等の計画を行い、サービス管理サーバ10を介して、当該ライセンスを提供・販売するベンダーが運用する外部システム50に対して、ライセンス購入の自動発注を行うことができる。
また、ライセンス購入が行われると、購入ライセンスDB24のデータに格納されているデータが更新され、購入情報が変更される。
また、ライセンス購入が実行されると、当該ライセンスの申し込みを行った申請者の申請者端末30に対して、その旨を伝える返信データ(例えば電子メール等)が送信され、また、ライセンス購入の代わりにテストユーザ等のライセンス剥奪が選択された場合には、利用者にその旨が電子メール等で通知される。
【0056】
図7に、以上のようなライセンス購入最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示す。
同図に示すように、ライセンス購入最適化シミュレーションでは、利用部署から申請者端末30を介して「ライセンス申し込み」が行われると(ステップ701)、それをトリガーとして本システム1での処理が実行され、まず「ライセンス購入申込登録(申請受付&受付日、利用開始予定&終了予定年月日を登録)」(ステップ702)が行われる。
この「ライセンス購入申込登録」処理に伴って、ライセンス利用状況DB21にデータが登録・更新される。
次いで、「ライセンス購入必要集計処理」(ステップ703)が実行され、処理に必要ンなデータがライセンス利用状況DB21及び購入ライセンスDB24から参照・抽出される。
【0057】
次に、「ライセンス利用数+申込数=<購入(済)ライセンス」(ステップ704)の判定が実行される。なお、例えばスマートフォンなど、1台ずつでの契約が必須のサービスの場合には、必ず「No」に分岐することになるので、この処理を省略して直ちに次のステップ(ステップ707)に移行しても良い。
ステップ704での判定が「Yes」の場合には、「ライセンス利用開始登録(1)」として、「利用中&変更年月日、利用開始&終了年月日」のデータがライセンス利用状況DB21に登録される(ステップ705)。この場合にはシミュレーション結果の出力は行われず、「ライセンス利用開始連絡」が利用部署や申請者端末30に通知される(ステップ706)。
【0058】
一方、ステップ704での判定が「No」の場合には、「ライセンス購入シミュレーションリスト作成」処理が実行され(ステップ707)、所定の「シミュレーション用リスト」が生成される。このリストに基づいて、例えば「休止ライセンスを増やすか、ライセンスを効率よく購入するか」等が解析・判定される。
その結果、「休止ライセンスを購入必要数以上に増加させる」と判定された場合には(ステップ708)、ライセンス利用状況DB21の休止数データが増加更新される。
また、「ライセンス購入」と判定された場合には(ステップ709)、購入ライセンスDB24の購入数が増加更新されるとともに、システムを調査して、ベンダー(外部システム50)への自動発注等が検討・実行されるようになる。
【0059】
その後は、「ライセンス利用開始登録(2)」として、「利用中&変更年月日、利用開始&終了年月日」や「休止→廃止」のデータがライセンス利用状況DB21に登録・更新される(ステップ710)。
そして、この場合にはシミュレーション結果の出力が必要な場合であり、利用部署や申請者端末30に、所定の「ライセンス利用開始連絡」が通知されるとともに(ステップ711)、生成・出力されたシミュレーション結果が提示されるようになる。
【0060】
図8に、以上のようなライセンス購入最適化シミュレーションの出力イメージを示す。
図8(a)は購入シミュレーションリストの一例であり、以下のような情報がシミュレーションの出力結果として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.ライセンス種別
3.残りライセンス(購入ライセンス-(利用中+テスト利用))
4.申請受付数
5.休止数
6.申請受付数-(残りライセンス+休止数+テスト利用数)
【0061】
図8(b)は購入条件の表示の一例であり、以下のような「購入条件:1~5」について、それぞれ「利用開始年月日・利用終了年月日・利用期限(日数)・単価・ライセンス数・金額・条件など・見積年月日・見積有効年月日」の各項目についての該当内容が出力・生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.期末セール価格100ライセンス
2.期末セール価格10ライセンス
3.通常価格100ライセンス
4.通常価格10ライセンス
5.通常価格1ライセンス
なお、以上のようなライセンス購入最適化シミュレーションの出力イメージはあくまでも一例であり、これら以外の情報を出力・表示できることは言うまでもない。
【0062】
[ライセンス棚卸最適化シミュレーション]
次に、図9図11を参照しつつ、ライセンス棚卸最適化部12による動作(ライセンス棚卸最適化シミュレーション)を説明する。
図9に、ライセンス棚卸最適化部12における処理動作の概要を示す。
同図に示すように、ライセンス棚卸最適化部12では、外部システム50等の機能を利用しつつ未利用ユーザ情報を抽出するとともに、未利用者に対して解約等を促す通知を自動で実行し、希望等に応じて休眠アカウント(年度中解約可能なアカウントは解約)への変更処理を自動で実行するようになっている。
【0063】
具体的には、ライセンス棚卸最適化部12では、まず、例えばSSO(IDaaS)等の外部システム50から、対象となるサービス(例えばオンライン会議用のソフトウェア「WebMeeting」)に対するLogin-Logoutの記録データが取得され(ステップ901)、そのデータに基づいて所定のライセンス棚卸最適化シミュレーションが実行される(ステップ902)。
【0064】
このライセンス棚卸最適化シミュレーションでは、外部システム50から都度抽出され取得されるアカウント別の購入ライセンス利用状況を示すデータと、ライセンス利用状況DB21に格納されているデータ(図3参照)に基づいて、該当するアカウント別に契約を見直すべきか否かの棚卸についての所定のシミュレーションが行われる。
図9に示す例では、ライセンス利用状況DB21から「休眠アカウント:10・休止可能なテストアカウント:20」のデータが抽出され、外部システム50から取得されたデータから「3か月未利用:5・2か月未利用:3・1か月未利用1」のアカウントが抽出されたとする。
これらのデータに基づいてシミュレーションが実行され、その結果が例えば本システム1の管理者に通知される(ステップ903)。
【0065】
最適化シミュレーションを受領した管理者は、例えば、リストアップされた未利用アカウントのうち特に休止したい利用者をピックアップして、その利用状況(未利用状況)のデータ等を添付して、該当するサービス・契約を管理する申請者の申請者端末30などに電子メール等で通知・連絡することができる。
管理者から通知を受領した申請者は、申請者が状況を確認し、未利用者の有償ライセンスを休止等にすることができる(ステップ904)。
これによって、例えば本来は更新まで月額課金を支払わなければならないところ、本システム1により休止可能な利用者が抽出されることによって、申請者側・企業側としては、翌月から無駄な課金が不要になる、といったメリットが得られるようになる。
【0066】
なお、以上のように使用状況に応じて該当するライセンス(アカウント)を直ちに休止させる構成の他、同じサービス・製品等でもライセンスに種類があることを考慮して、例えば使用状況に応じて、同じライセンスについて「種類A」から「種類B」への変更・切替を通知・提案可能な構成とすることもできる。
例えばオンライン会議用のソフトウェア「WebMeeting」には無償ライセンスと有償ライセンスがある場合に、あるユーザが直近でも使用実績があるが、全ての使用状況が無償利用時間内(例えば30分以内)であれば、有償ライセンスから無償ライセンスへの切り替えを通知・提案することができる。
逆に、使用状況が常に無料利用時間を超える(1時間以上)であれば、無償ライセンスから有償ライセンスへの切り替えを通知・提案することができる。なお、この場合には利用時間をログ等のデータから算出・取得する必要がある。
【0067】
図10に、以上のようなライセンス棚卸最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示す。
同図に示すように、ライセンス棚卸最適化シミュレーションでは、まず、本システム1の管理者等により「利用状況出力指示(1)」が行われると(ステップ1001)、例えばSSO(IDaaS)等の外部システム50に対して「システムアクセス記録取得指示」が送信され(ステップ1002)、外部システム50からは、例えばオンライン会議用のソフトウェア「WebMeeting」について、過去3か月の日毎の「Login-Logout」の記録データが抽出され(ステップ1003)、本システム1に送信される。
【0068】
なお、サービス毎にシステムアクセスの記録は異なるが、例えば「WebMeeting」のようなソフトウェアアプリケーションであれば、例えばSSO(IDaaS)等の外部システム50であれば、ログイン/ログアウトのデータで利用状況が正しく取得することができる。
また、ファイルサーバサービスであれば、例えば「Splunk(登録商標)」などのログ収集解析サービスを行う外部システム50において、何等かのファイルのアクセス記録がその日にあるというログの存在によって確認することができる。
【0069】
外部システム50から利用状況データが送信・取得されると、本システム1では、当該利用状況データ及びライセンス利用状況DB21のデータが参照され、「入力データが集まり次第自動実行される利用状況出力指示(2)」が出力され(ステップ1004)、所定の「利用状況出力」が生成される(ステップ1005)。
この「利用状況出力」は、例えば「利用日数の少ないユーザ一覧」として出力されるもので、本システム1のシステム管理者等に、例えば「利用状況出力が完了しました」等の通知が電子メール等で送信・通知される(ステップ1006)。
そして、生成された「利用状況出力」に基づいて、所定の「休止シミュレーション(利用状況の少ない人に休止するか検討)」が実行され(ステップ1007)、そのシミュレーション結果が、システム管理者から当該サービスの申請者の申請者端末30などに、「利用の少ない方に対して休止するかの確認メール」などともに通知・送信される(ステップ1008)。
【0070】
休止シミュレーション結果を受領した申請者側では、該当するライセンスを休止すべきか否かの「休止検討」を行うことができる(ステップ1009)。なお、この「休止検討」が行われる場合は、該当するライセンについての利用申請(申込)が行われており、かつ、有償ライセンスが不足している場合が該当するので、通知を受けたライセンスを休止にすれば、更新期限まで利用されないライセンスに対して無駄な料金が支払われることを回避できる等のメリットがある。
そして、申請者側で「休止OK」と判断されれば(ステップ1010)、本システム1に対してその旨が通知・送信され、本システム1では「ライセンス利用休止登録」が実行され、「利用中→休止&休止年月日」等の登録が行われ(ステップ1011)、ライセンス利用状況DB21のデータが「利用中→休止」等に変更・更新される。
【0071】
図11に、以上のようなライセンス棚卸最適化シミュレーションの出力イメージを示す。
図11(a)は利用状況出力指示画面の一例であり、以下のような情報が利用状況出力指示として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.ライセンス種別
3.出力人数
【0072】
図11(b)は利用状況出力の一例であり、以下のような情報が利用状況の出力結果として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.ライセンス種別
3.購入ライセンス数
4.利用ライセンス数
5.残りライセンス(購入ライセンス-(利用中+テスト利用))
6.申請受付数(受付済,未処理分)
7.休止数
8.テスト利用数
9.申請受付数-(残りライセンス+休止数+テスト利用数)
【0073】
図11(c)は利用状況の表示の一例であり、以下のような「利用状況(少ない人)社員CD」について、それぞれ「氏名・テスト利用・今月利用日数・先月利用日数・先々月利用日数・3ヶ月前利用日数・申請者ID・氏名」の各項目についての該当内容が出力・生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
この例では、テスト利用者の全員と利用の少ない人を指定人数だけ出力した場合となっている。
【0074】
[ライセンス更新最適化シミュレーション]
次に、図12図14を参照しつつ、ライセンス更新最適化部13による動作(ライセンス更新最適化シミュレーション)を説明する。
図12に、ライセンス更新最適化部13における処理動作の概要を示す。
同図に示すように、ライセンス更新最適化部13では、外部システム50等の機能を利用しつつ未利用ユーザ情報を抽出するとともに、未利用者に対して更新の有無や見直し等を促す通知を自動で実行し、希望等に応じて更新・解約処理を自動で実行するようになっている。
【0075】
具体的には、ライセンス更新最適化部13では、まず、例えばSSO(IDaaS)等の外部システム50から、対象となるサービス(例えばオンライン会議用のソフトウェア「WebMeeting」)に対するLogin-Logoutの記録データが取得され(ステップ1201)、そのデータに基づいて所定のライセンス更新最適化シミュレーションが実行される(ステップ1202)。
このライセンス更新最適化シミュレーションでは、外部システム50から取得されるアカウント別の購入ライセンス利用状況を示すデータと、(休止・休眠ライセンスの管理データを含む)購入ライセンスDB24に格納されているデータ(図4参照)に基づいて、該当するアカウント別に更新すべきか否かについての所定のシミュレーションが行われる。
【0076】
図12に示す例では、ライセンス利用状況DB21から「利用部署:デジタルワークプレイス三部」のオンライン会議用ソフトウェア「WebMeeting:ライセンス状況」として「ライセンス:50」のデータと、「休眠アカウント(無割り当て):10・休止可能なテストアカウント:5・3か月未利用:5」が「廃止可能」データとして抽出され、外部システム50から取得されたデータから、アカウント情報として「利用中」,「最近n3か月で1回、2月で0回、1月で0回利用」等のアカウントが抽出されたとする。
【0077】
これらのデータに基づいてシミュレーションが実行され、その結果として「合計20ライセンス廃止可能と思われますが、廃止者はマイナスのライセンス購入申請してください。」等の通知が生成され、例えば当該ライセンスの申請者や利用者の申請者端末30に通知され、「マイナスのライセンス申請」が依頼されるようになる(ステップ1203)。
これによって、例えば本来は自動的に年次更新されていたサービス等が、本システム1により更新不要・廃止可能なライセンスとして抽出されることによって、無駄な契約の更新とそれに対する支払を回避できる、といったメリットが得られるようになる。
【0078】
図13に、以上のようなライセンス更新最適化シミュレーションにおける処理動作の詳細を示す。
同図に示すように、ライセンス更新最適化シミュレーションでは、まず、本システム1の管理者等により「更新対象者利用状況出力指示(1)(ライセンス)」が行われると(ステップ1301)、SSO(IDaaS)等の外部システム50に対して「システムアクセス記録取得指示」が送信され(ステップ1302)、外部システム50からは、例えばソフトウェア「WebMeeting」について、過去3か月の日毎の「Login-Logout」の記録データが抽出され(ステップ1303)、本システム1に送信される。
【0079】
外部システム50から利用状況データが送信・取得されると、本システム1では、当該利用状況データ及びライセンス利用状況DB21のデータが参照され、「入力データが集まり次第自動実行される更新対象者利用状況出力指示(2)」が出力され(ステップ1304)、所定の「更新対象者利用状況」が生成・出力される(ステップ1005)。また、この「更新対象者利用状況」を示すデータがライセンス利用状況DB21に格納され、「翌年度レコード更新受付中」等の情報が生成・記憶される。
この「更新対象者利用状況」は、例えば「ライセンス>申請者単位」で出力され、本システム1のシステム管理者等に、例えば「更新対象者利用状況出力が完了しました」等の通知が電子メール等で送信・通知される(ステップ1306)。
そして、生成された「更新対象者利用状況」は、システム管理者から当該サービスの申請者の申請者端末30などに「更新確認メール」などの形式で通知・送信される(ステップ1307)。
【0080】
更新確認メールを受領した申請者側では、該当するライセンスを更新すべきか否かの「更新検討」を行うことができる(ステップ1308)。
そして、申請者側で更新の要否/有無が決定されると、その結果を示す「更新予定」が申請者端末30等を介して入力され(ステップ1309)、本システム1に対してその旨が通知・送信され、本システム1では「ライセンス継続利用登録」が実行され、「利用中→次年度継続、次年度廃止、休止中→廃止」等の登録が行われ(ステップ1310)、ライセンス利用状況DB21のデータが「翌年度レコード更新受付中」の情報が「次年度利用中、廃止」等に変更・更新される。
【0081】
図14に、以上のようなライセンス更新最適化シミュレーションの出力イメージを示す。
図14(a)は更新対象者利用状況出力指示画面の一例であり、以下のような情報が利用状況出力指示として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.年度
2.ライセンス(ライセンスの名称等)
3.ライセンス種別
4.申請者(未入力の場合は全申請出力)
5.利用者(未入力可能)
【0082】
図14(b)は更新対象者利用状況出力の一例であり、以下のような情報が利用状況の出力結果として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.年度
2.ライセンス(ライセンスの名称等)
3.ライセンス種別
4.申請者
5.利用者(未入力可能)
6.購入ライセンス数(申請者単位)
7.利用ライセンス数
8.休止数
9.テスト利用数
【0083】
図14(c)は更新対象者利用状況の表示の一例であり、以下のような「利用状況(少ない人)社員CD」について、それぞれ「氏名・利用・今月利用日数・先月利用日数・先々月利用日数・3ヶ月前利用日数・申請者ID・氏名」の各項目についての該当内容が出力・生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
この例では、テスト利用者の全員と利用の少ない人を指定人数だけ出力した場合となっている。
【0084】
[ライセンス切替シミュレーション]
次に、図15図17を参照しつつ、ライセンス切替情報生成部14による動作(ライセンス切替シミュレーション)を説明する。
図15に、ライセンス切替情報生成部14における処理動作の概要を示す。
同図に示すように、ライセンス切替情報生成部14では、現在契約・利用しているサービスと同等のサービスがある場合に、例えばSSOやストレージサービス,サーバサービス,コンテナサービス等の条件や費用を登録しておき、サービスの切替を行った場合の料金シミュレーションを実行するようになっている。
【0085】
具体的には、ライセンス切替情報生成部14では、本システム1に備えられるライセンス利用状況DB21・購入ライセンスDB24・購入条件DB25・類似ライセンスDB26に格納・登録されているデータを参照し、現在契約されているサービスと同等・同一の類似サービスのデータを検索・抽出し、サービスの切替を行った場合の料金を比較する所定のシミュレーションが実行される(ステップ1501)。
図15に示す例では、現在利用しているサービスに対して、同等・類似のサービスとして、A社,B社・・・のサービスが検索・抽出された場合に、それらのサービス名称と料金(価格)を対比可能に一覧表示したリストが生成・出力されるようになっている。
これによって、現在利用しているサービスについて、ほぼ同様の内容で、かつ、料金面で安価となる他の類似サービスへの変更・見直しを行うことで、料金面での低価格化・低コスト化を図ることができる、といったメリットが得られるようになる。
【0086】
図16に、以上のようなライセンス切替シミュレーションにおける処理動作の詳細を示す。
同図に示すように、ライセンス切替シミュレーションでは、まず、本システム1の管理者等により「ライセンス切替シミュレーションリスト出力指示」が行われると(ステップ1601)、ライセンス利用状況DB21・購入ライセンスDB24・購入条件DB25・類似ライセンスDB26の各データが参照され、切替判定対象となっている現在のライセンス及びそれと類似するライセンスについて「ライセンス>ライセンス種別を入力してリスト」とした、所定の「ライセンス切替シミュレーションリスト」が生成・出力される(ステップ1602)。
なお、類似ライセンスDB26では、例えば同一の「WebMeeting」ソフトウェアに有償/無償の複数種類のライセンスがある場合には、他社(例えばA社,B社,C社・・・)の対応する有償/無償のライセンスなど、同等の類似ライセンスが登録されるようになっており、該当する同等のライセンスがピックアップされるようになっている。
【0087】
図17に、以上のようなライセンス切替シミュレーションの出力イメージを示す。
図17(a)はライセンス切替シミュレーション出力指示画面の一例であり、以下のような情報が利用状況出力指示として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.ライセンス種別
3.申請者(空白の場合は全申請出力)
【0088】
図17(b)はライセンス切替シミュレーション出力の一例であり、以下のような情報が利用状況の出力結果として生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
1.ライセンス(ライセンスの名称等)
2.ライセンス種別
3.購入ライセンス数
4.利用ライセンス数
5.残りライセンス(購入ライセンス-(利用中+テスト利用))
6.申請受付数(受付済,未処理分)
7.休止数
8.テスト利用数
9.申請受付数-(残りライセンス+休止数+テスト利用数)
【0089】
図17(c)は類似ライセンスの利用状況の表示の一例であり、以下のような現在利用している「WebMeeting」と、類似する「A社」及び「B社」のライセンスについて、それぞれ「ライセンス種別・見積コメント・利用開始年月日・利用終了年月日・利用制限・単価(月額)・ライセンス数・金額・条件など・見積年月日・見積有効年月日・休止後再割り当て可能日数」の各項目についての該当内容が出力・生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
このような「利用状況」は、例えば基本的な使い方として、契約年度末まで利用つづけた後に、次年度で他のサービスを利用した場合の価格差などを確認することが可能となる。
【0090】
[サービス解約リスト出力]
最後に、図18図21を参照しつつ、ライセンス解約情報生成部15による動作(サービス解約リスト出力)を説明する。
図18に、ライセンス解約情報生成部15における処理動作の概要を示す。
同図に示すように、ライセンス解約情報生成部15では、外部システム50等の機能を利用しつつ、例えば各月末でアカウントが廃止される場合に、廃止されたアカウントで購入されているライセンスの一覧を出力するとともに、当該ライセンスについて廃止申請が出されていない場合にメール等で各サービスの廃止を促す処理を自動で実行するようになっている。
【0091】
具体的には、ライセンス解約情報生成部15では、まず、例えばSSO(IDaaS)等の外部システム50から、対象となるサービス(例えばオンライン会議用のソフトウェア「WebMeeting」)についてのアカウント廃止情報が取得され(ステップ1801)、その廃止情報と、(休止・休眠ライセンスの管理データを含む)購入ライセンスDB24に格納されているデータ(図4参照)に基づいて、所定のサービス解約リストの生成・出力が実行される(ステップ1802)。
【0092】
図18に示す例では、現在契約しているサービスのうち、アカウント廃止情報が所得された一又は二以上のサービスについて、サービス(システム)名称・契約期間・月額一覧表示したリストが生成・出力されるようになっている。
これによって、現在契約が存続しているにも関わらず、そのアカウントが廃止されているサービスを一目で確認・把握することができ、解約・廃止すべきサービス・ライセンスを確実に抽出して、無駄な契約の継続とそれ対する費用の支払を回避できる、といったメリットが得られるようになる。
【0093】
図19に、以上のようなライセンス解約情報生成部15によるサービス解約リスト出力処理の詳細を示す。
同図に示すように、サービス解約リスト出力処理では、まず、「退職・休職連絡」等が退職者本人や本人が所属していた企業・部署などから外部システム50に通知が行われると(ステップ1901)、外部システム50では、該当ユーザの「アカウントの無効・休止作業」(ステップ1902)が行われる。
【0094】
外部システム50では、「退職・休職者のアカウント無効(退職者はxxか月後削除)」処理が実行され(ステップ1903)、その後「サービス解約データ作成指示」(ステップ1904)、「利用者>サービス利用廃止・休止日データ作成」(ステップ1905)などが実行される。
本システム1では、上記のようなアカウント無効・サービス利用廃止の情報が外部システム50から送信・取得されると、当該情報と、(休止・休眠ライセンスの管理データを含む)購入ライセンスDB24に格納されているデータ(図4参照)に基づいて、「サービス解約リスト作成指示」が生成・出力され(ステップ1906)、所定の「サービス解約リスト」が生成・出力される。
【0095】
図20に、外部システム50におけるアカウントの無効・休止作業/サービス解約データ作成指示の入力画面イメージを示す。
同図に示すように、外部システム50におけるアカウントの無効・休止作業は、例えば「SSOシステム」画面として、該当するユーザの「社員コード」と「有効/無効」が入力され、「確定」処理によって、当該ユーザのアカウントの有効/無効処理が実行・確定されるようになっている。
また、外部システム50におけるサービス解約データ作成指示は、例えば「サービス解約リスト作成指示」画面として、対象となる「システム名」が選択されるとともに、その「ライセンス種別」と、該当ユーザの解約理由となる「退職/休職」が選択可能に入力され、「確定」処理によって、当該ユーザのサービス解約リストの作成が確定・実行されるようになっている。
【0096】
図21に、サービス解約リストの出力イメージを示す。
図21はサービス解約リストの表示の一例であり、現在契約が存在しているにも関わらずアカウント廃止情報が取得されたライセンスについて、その「ライセンス・利用者ID・利用者名・申請者ID・申請者名・ライセンス種別・月額・状態ステータス・利用開始年月日・利用終了年月日・休止年月日・廃止年月日・退職年月日・休職年月日」の各項目についての該当内容が出力・生成され、サービス管理サーバ10や申請者端末30のディスプレイなどに出力・表示される。
このような「サービス解約リスト」によって、契約が存続・残存しているにも関わらずアカウントが廃止されているサービスを一目で確認・把握でき、解約・廃止すべきサービス・ライセンスを確実に抽出することが可能となる。
【0097】
以上説明したように、本システム1によれば、企業や団体等において契約される有償・無償の各種のサービスについて、その購入や契約の締結,更新,休止,廃止等について動的に監視・判定を行うことができる。
これによって、不必要なサービスや不効率な運用、重複する契約等を自動的に抽出し、契約・購入の実行や見直し,休止,廃止等の最適化を図ることができる。
【0098】
例えば、クラウドサービスや通信キャリアなどのサービス提供事業者が自社に不利なために提供しない情報であっても、本システム1のシミュレーション結果を適切な利用・提案のレポートとしてタイムリーに出力・提示することができる。
また、例えば年間契約が切れる前に利用状況を確認することで、不要なサービスであれば直ちにキャセル・解約等することが可能となる。
また、複数の各契約について、毎月の利用状況を監視・確認することにより、その利用状況に応じてプランの変更や休止・廃止等の対応を取ることもできる。
さらに、携帯電話・スマートフォンのように複数年(2年)契約が前提のサービスであれば、当該期間(2年)が経過するタイミングで、機種やプラン,契約会社(キャリア)の変更や見直しを、利用状況や他の候補などを含めて適切なタイミングで検討することも可能となる。
【0099】
このように、本システム1によれば、各種サービスを利用するユーザ(社員・従業員等)と当該ユーザが所属する組織(部署等)を含む会社・企業全体を管理する担当者(経理担当者等)などに、適切なレポート・提案をタイムリーに提示することができる。
したがって、例えば企業や団体,組織等で社員や従業員等に支給・貸与される、携帯電話やスマートフォン,有償・無償のソフトウェアアプリケーションなど、各種のサービスについての購入や契約の管理・運用を適正に行う必要のなる企業や組織・団体などに好適なサービス管理システムを実現することができる。
【0100】
以上、本発明について好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本発明が対象とするサービスやライセンスとして、企業や団体等において契約・管理される各種サービスを例にとって説明したが、本発明を適用可能な対象としては、特に外企業や大規模団体,組織等における場合に限定されず、一又は二以上のサービスを購入・契約し、その契約内容等を日々見直す必要がある事業者等であれば、どのような規模や業態の企業や組織等でも対象とすることができ、特に限定されるものではない。
したがって、例えば中小企業や個人経営の会社,フリーランスの個人事業主などであっても、本発明を適用して不必要なサービスや重複した契約等を監視して最適な運用を行うことができるものである。
【0101】
また、上述した実施形態では、一例として、サービス管理サーバ10・申請者端末30が一の会社の社内ネットワークに設置され、相互に接続される構成を示したが、サービス管理サーバ10はシステム会社社内に設置し、システム会社の複数のクライアント企業の申請者端末30が外部からサービス管理サーバ10にアクセスしてサービス管理サーバ10のサービス機能の提供を受ける構成(SaaS構成)であってもよい。なお、SaaS構成であっても、サービス管理サーバ10の一部の機能をクライアント企業側にサーバ又はクライアントの機能として残存させる構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、例えば企業や団体,組織等で社員や従業員等に支給・貸与される、携帯電話やスマートフォン,有償・無償のソフトウェアアプリケーションなど、各種のサービスについての管理・運用業務を支援するためのサービス管理システムとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 サービス管理システム
10 サービス管理サーバ
11 ライセンス購入最適化部
12 ライセンス棚卸最適化部
13 ライセンス更新最適化部
14 ライセンス切替情報生成部
15 ライセンス解約情報生成部
20 サービス管理データベース
21 ライセンス利用状況データベース
22 サービス解約情報データベース
23 サービス解約リストデータベース
24 購入ライセンスデータベース
25 購入条件データベース
26 類似ライセンスデータベース
30 申請者端末
50 外部システム
図1
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