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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】移植機の整地装置
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
A01C11/02 341
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021008632
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112725
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】大森 圭輔
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-075067(JP,A)
【文献】特開2001-299019(JP,A)
【文献】特開昭51-003917(JP,A)
【文献】実開昭53-023731(JP,U)
【文献】特開2000-125623(JP,A)
【文献】特開2019-176745(JP,A)
【文献】特開2011-036140(JP,A)
【文献】特開2009-118778(JP,A)
【文献】特開2006-141333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪跡(D)上を滑走するフロート(18a)を備えた植付作業機(3)を後方に連結し、該植付作業機(3)の前方に、整地体(52)を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材(50)からなる整地ロータ(5)を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ(5)の上面と背面を覆う泥除けカバー(38)を設けた移植機において、上記ロータ(5)がロータ軸(5a)に嵌合固定されるデスク(51)の外周に複数枚の短冊状の板部材からなる整地体(52)を軸方向に沿って配置した多数の篭状のロータ部材(50)からなり、上記整地体(52)の泥掻き面をロータ軸(5a)に対して傾斜させることにより、上記整地体(52)をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡(D)に向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪(7)とフロート(18a)間の上記泥除けカバー(38)の後方下部位置に泥除けカバー(38)内の泥と水を車輪跡(D)上に案内排出する排水部(53)を設けてなる移植機の整地装置。
【請求項2】
車輪跡(D)上を滑走するフロート(18a)を備えた植付作業機(3)を後方に連結し、該植付作業機(3)の前方に、整地体(52)を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材(50)からなる整地ロータ(5)を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ(5)の上面と背面を覆う泥除けカバー(38)を設けた移植機において、上記整地体(52)をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡(D)に向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪(7)とフロート(18a)間の上記泥除けカバー(38)の後方下部位置に泥除けカバー(38)内の泥と水を車輪跡(D)上に案内排出する排水部(53)を設け、上記排水部(53)が泥除けカバー(38)に形成した複数の上下方向の長孔である移植機の整地装置。
【請求項3】
車輪跡(D)上を滑走するフロート(18a)を備えた植付作業機(3)を後方に連結し、該植付作業機(3)の前方に、整地体(52)を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材(50)からなる整地ロータ(5)を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ(5)の上面と背面を覆う泥除けカバー(38)を設けた移植機において、上記整地体(52)をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡(D)に向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪(7)とフロート(18a)間の上記泥除けカバー(38)の後方下部位置に泥除けカバー(38)内の泥と水を車輪跡(D)上に案内排出する排水部(53)を設け、上記排水部(53)が泥除けカバー(38)下端を切欠き形成した切欠部である移植機の整地装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は主として水田で水稲苗等の移植を行う際の泥掻きを行う移植機の整地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来水田用移植機の移植作業中に、植付作業機前方に横設された整地ロータの回転により、移植圃場(田面)を整地すると共に、整地ロータの作用で泥水が側方に押出されて隣接する既植苗の押倒しや損傷を防止するための手段として、ロータの泥除けカバーの後端に排水口を設けたものが特許文献1等によって公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-10493号公報(図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の整地装置は、整地ロータによって側方に押し流されていた泥や泥水(以下「泥水等」と称する)を、泥除けカバー後方の排水口よりフロート間に流すことにより、ロータ側方への流水量を少なくして既植苗の押倒しや損傷等を防止することはできるものの、泥水は後方のフロート間に集中して排出されるため、車輪跡の幅と深さに対応した泥の埋め戻しによる整地が不十分である他、フロート後方で植付けられる植付苗の条間に多量の水が集中するため、苗の植付姿勢の保持が妨げられる等の欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の装置は、第1に車輪跡D上を滑走するフロート18aを備えた植付作業機3を後方に連結し、該植付作業機3の前方に、整地体52を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材50からなる整地ロータ5を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ5の上面と背面を覆う泥除けカバー38を設けた移植機において、上記ロータ5がロータ軸5aに嵌合固定されるデスク51の外周に複数枚の短冊状の板部材からなる整地体52を軸方向に沿って配置した多数の篭状のロータ部材50からなり、上記整地体52の泥掻き面をロータ軸5aに対して傾斜させることにより、上記整地体52をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡Dに向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪7とフロート18a間の上記泥除けカバー38の後方下部位置に泥除けカバー38内の泥と水を車輪跡D上に案内排出する排水部53を設けてなることを特徴としている。
【0006】
に、車輪跡D上を滑走するフロート18aを備えた植付作業機3を後方に連結し、該植付作業機3の前方に、整地体52を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材50からなる整地ロータ5を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ5の上面と背面を覆う泥除けカバー38を設けた移植機において、上記整地体52をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡Dに向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪7とフロート18a間の上記泥除けカバー38の後方下部位置に泥除けカバー38内の泥と水を車輪跡D上に案内排出する排水部53を設け、上記排水部53が泥除けカバー38に形成した複数の上下方向の長孔であることを特徴としている。
【0007】
に、車輪跡D上を滑走するフロート18aを備えた植付作業機3を後方に連結し、該植付作業機3の前方に、整地体52を外装して田面に転接することにより整地を行う複数のロータ部材50からなる整地ロータ5を機体幅方向に軸支し、該整地ロータ5の上面と背面を覆う泥除けカバー38を設けた移植機において、上記整地体52をロータの回転によって田面の整地と共に前面の泥と水を車輪跡Dに向かって泥寄せする泥寄せ手段として構成し、車輪7とフロート18a間の上記泥除けカバー38の後方下部位置に泥除けカバー38内の泥と水を車輪跡D上に案内排出する排水部53を設け、上記排水部53が泥除けカバー38下端を切欠き形成した切欠部であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように構成される本発明の装置により、整地ロータ後方への排水性を向上させて側方の既植苗の押倒し等の不都合を解消しながら、泥や泥水の流れに指向性を持たせて車輪跡への十分な泥の埋め戻し及びフロートによる田面の確実な均平化が実現できる他、泥除けカバー内の水は後方のフロートに向って排出されるため、排水流がフロートの左右両側に分散され、側方の既植苗や後方での苗植付に対する流水の悪影響が防止できる。
【0009】
また排水部を上下方向の長孔とすることにより、泥除けカバー後方への排水の流れが和らげられ、既植苗や苗植付けに対する波や流水の悪影響が防止できる。排水部を切欠にすることにより後方への排水性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の装置を装備した移植機の全体側面図である。
図2】整地ロータの取付状態を示す全体正面図である。
図3】整地ロータと泥除けカバーの取付状態を示す全体背面図である。
図4】泥除けカバーに設けた排水用ガイドカバーの取付姿勢を示す部分背面図である。
図5】車輪と整地ロータ、泥除けカバー及びフロートの配置位置関係を示す要部平面図である。
図6】車輪跡と整地ロータ、泥除けカバー及びフロートの配置位置関係を示す部分平面図である。
図7】整地ロータの一部正面斜視図である。
図8】整地ロータの左半部正面図である。
図9】(a)はロータ部材の側面図、(b)は同じく正面図、(c)は斜視図である。
図10】排水部の他の実施形態を示す部分背面図である。
図11】排水部の他の実施形態のものと車輪、整地ロータ及びフロートの配置位置関係を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図示する本発明の実施形態につき詳述すると、図1図9は移植機の1例である6条植え乗用田植機の実施形態を示し、図1は移植機の全体側面図である。移植機は走行機体1の後方に左右の平行リンクからなる昇降リンク2の後端のリンクホルダ10(図1図2参照)を介して植付作業機3が昇降駆動可能に連結され、植付作業機3の前方には田面に接地回転して車輪跡等の凹凸を整地する整地ロータ5が連結して設けられている。
【0012】
走行機体1は機体フレーム4に対して前後の車輪6,7が軸支され、機体フレーム4の前端側にはエンジンを内蔵するボンネット8を備え、後部には運転席9を搭載している。ボンネット8の後端の運転席前方には各種モニタを表示する操作パネル11や操向用のハンドル12を備え、運転席9の周囲の機体フレーム4上にはステップ13が形成され、右側後方には作業機操作部14が設置されている。
【0013】
植付作業機3は、下部前方に横設される角筒状の植付フレーム16に植付伝動機構を内蔵した前後方向の植付作動用の伝動ケース17がこの例では左右方向に3台並設され、各伝動ケース17の下部には田面に接地して滑走するフロート18a,18b(図2図3参照)が取付けられており、中央のフロート18bは接地高さ制御用のセンサーフロートを構成している。上記伝動ケース17の前端側には、走行機体1側から伸びる植付PTO軸15の後端が接続され、3台が同時に植付駆動入力される。
【0014】
さらに各伝動ケース17の後端両サイドには伝動ケース17内より伝動されて回転し、植付部となるロータリーケース19が、それぞれ回転可能に軸支されており、各ロータリーケース19の先端には植付爪21が突設されていて、上記回転により、後述する苗載台上に載置された図示しないマット苗の下端を、機体走行と連動して順次1条ずつ掻き取って田面に植付ける機構となっている。図5のPはその植付位置を示す。
【0015】
植付フレーム16の左右両端側にはへ字状の前傾屈曲した左右一対の苗載台支持ステー22が立設され、該苗載台支持ステー22にはその前傾姿勢に沿って苗載台23が左右往復スライド可能に取付けられ、苗載台23は上記苗載台支持ステー22の背面と、伝動ケース17上に横設されたL字形断面の苗受部(エプロン)24とに支持されて取付けられている。
【0016】
植付作業機3は、昇降リンク2の各リンク後端を連結するリンクホルダー10(図2図3参照)と植付フレーム16の中央でローリング軸26を中心にしてローリング可能に連結されており、走行機体1側から伸びる植付PTO軸27(図2参照)により、植付伝動ケース17に植付作動入力される。
【0017】
左右の苗載台支持ステー22の上端間には横杆28が横設されてゲート状のフレームとして構成され、左右の苗載台支持ステー22間の下端側背面には、図7図3に示すようにブラケット29を介して左右方向の駆動軸31が軸支されている。この駆動軸31の両端には前向きの吊りアーム32が突設され、両吊りアーム32の先端に下向きに連結された吊りリンク33が設けられ、吊りリンク33の下端には、整地ロータ5のロータ軸5aが軸受部34を介して回転自在に軸支されている。吊りアーム32の下方にはこれと平行に補助アームが36が、吊りリンク33と苗載台支持ステー22との間に連結配置され、整地ロータ5はこの平行リンクによって昇降する。
【0018】
上記左右の吊りアーム32の揺動端(前端)は、コイルスプリングよりなる吊りスプリング37により前記横杆28に連結されており、整地ロータ5は植付フレーム16側に弾力的に吊り下げ支持され、田面に対して弾力的に接地する機構となっている。上記整地ロータ5にはその上面及び背面側を覆う泥除けカバー38が整地ロータ5と共に左右に分割形成され、吊りリンク33にブラケット39を介して着脱自在に取付けられている。
【0019】
また整地ロータ5の左右方向中心位置(分割位置)には、ロータPTO軸27の入力伝動用のギアボックス41が設けられ、このギアボックス41と泥除けカバー38に前端がそれぞれ連結された前方向きのレバー42,43の他方の端部が連結され、その連結支点には上向きのロータ接地姿勢保持用のコイルスプリングよりなる吊りスプリング44の下端が連結されている。この吊りスプリング44により、整地ロータ5と泥除けカバー38の後方が接地方向に回動付勢されており、田面の整地効果と泥水等の流路制御の効果を高める機構となっている。
【0020】
上記駆動軸31の途中は、植付フレーム16上に取付けた軸受部46によっても軸支されており、該軸受部46の近傍には吊りリンク33を整地ロータ5を吊り上げる方向に吊りアーム31を揺動させるべく駆動軸31を付勢し又は回動させる軸駆動部47が設けられている。
【0021】
整地ロータ5は図2図9(詳細は図9)に示すように、ロータ軸5aに嵌合固定される左右一対の菊座金状のデスク51の突起部間に、複数枚(本例では6枚)の短冊状の板部材からなる整地体52を軸方向に配置して外装した多数の篭状のロータ部材50をロータ軸5aに挿通固定している。
【0022】
このロータ部材50は、図示する例では左右と中央の各フロート18a,18b間に各3個、サイドフロート18aの外側位置にそれぞれ2個配置され、各フロート18a,18b上では、前述した軸受部34とギアボックス41を設けるためのスペースS,Sが確保され、このうち両サイドのスペースSは後述するように泥水等を合流案内させるスペースとなる。
【0023】
上記各ロータ部材50は、図示するように整地ロータ5の前進時の整地作動回転(図1で反時計方向回転)時に、ロータ幅内で押し寄せる泥水等を左右のスペースS内に流入案内するように、整地体52が正面視でロータ軸心に対して所定角度傾斜し、側面視で回転方向に向かって(迎角方向)に前傾して取付けられている。換言すると、一対のデスク51はその周面の突起部が互いにねじり方向に一定角度位相をずらして配置固定されている。
【0024】
即ち、各ロータ部材50の整地体52の泥掻き面のロータ軸心に対する傾斜角は、図2図7図8に示すように、フロート18a,18bとの関係でその配置部位によって傾斜方向が異なり、左右両サイドの部位では正面視でそれぞれ軸心に対し内側に向かって上向き傾斜し、センターフロート18bの両側の部位では正面視でそれぞれ外側に向かって上向きに傾斜している。これらの他例えば一部の整地体52をらせん羽根状に配置形成し又はデスク状の回転体の外周の突起部を傾斜羽根状にする等により左右のスペースSに泥水等を導く機構にすることも可能である。
【0025】
尚、図5図6に示すように車輪7が通過することにより、田面には車輪7が嵌った溝部Dと、上記溝部Dの形成時に車輪側方に押し寄せられて盛り上がる隆起部Dよりなる車輪跡Dが形成される。整地ロータ5の回転しながらの通過により、隆起部Dは掻き取られて溝部Dの中央(スペースS)に向かって掻き寄せられる。
【0026】
次に上記整地ロータ5の上面と背面側を覆う泥除けカバー38について説明する。泥除けカバー38は側面視アングル状断面に形成されているが、後部を覆う垂れ下り部分の下端側の前記スペースSの後方位置には、左右のロータ部材50によって掻き寄せられた泥水を後方側に逃がすように排出する複数の縦方向の長孔からなる排水部53が設けられている。
【0027】
さらに、上記泥除けカバー38の後部を覆う垂れ下り部の後面には、上記排水部53を覆う背面視で後方に向って傾斜する末広がりに山形断面の庇状のガイドカバー54が取付けられ、排水部53より排出された泥水等の流れが排水部53の側方や上方に拡散せずフロート18aの中心に向かって案内排出される機構になっている。
【0028】
図1中の48は植付作業機3の側方に上下回動可能に軸支された側方ガードを兼ねたスタンドで、下向きに回動した姿勢で植付作業機3を床面上に支持するスタンドとし、横向きの回動姿勢で植付作業機3のガードに、上向き姿勢で格納状態に姿勢変更される。49は折り畳み出し入れ可能に取付けられた植付マーカである。
【0029】
上記機構により機体走行(植付作動)中に整地ロータ5によって掻き寄せられた泥水等の大部分は、整地ロータ5の側方に押し流されることなく且つ上方に跳ね上げられることなく両サイドのスペースSに向かって案内され(図8中の矢印参照)、泥除けカバー38内に流入する。そしてスペースSに案内された泥水と泥除けカバー38内に流入した泥水等は上記排水部53から進行方向に沿って整流されながら後方のサイドフロート18aの略中心に向かって排出されるとともに、カバー後面に設置されたガイドカバー54により上方及び側方に拡散、乱流することなくフロート18a方向に案内排出される。
【0030】
その結果、右側方の既植苗が泥水流によって損傷したり押し流されたりする不都合が改善されるとともに、泥水等は左右の後輪7の車輪跡Dに案内されて流入し、直後に滑走するサイドフロート18aによって田面は均平化又は整地され、各フロート18a,18bの後方両サイドの各植付位置Pでは、流水や波、泥水等に妨げられることなく確実な植付が行われる。
【0031】
図10図11は泥除けカバー38の排水部53を、前述した複数個の長孔(スリット)に代えて、カバー後辺の下端を切欠いたコ字状又はU字状等の切欠部として形成した例を示し、このように切欠くことにより泥水等の排出量は多くなるので、水量の多い水田等に適している。尚、排水部53以外の形状、構造等は既述の実施形態のものと共通し、共通の符号は共通の部材等を示す。
【符号の説明】
【0032】
1 走行機体
3 植付作業機
5 整地ロータ5
6,7 車輪
18a,18b フロート
50 ロータ部材
53 排水部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11