(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241216BHJP
A43D 1/02 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G06Q50/10
A43D1/02
(21)【出願番号】P 2021026540
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】木下 泰宏
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-185328(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049913(WO,A1)
【文献】特開2017-127490(JP,A)
【文献】特開2017-097563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A43D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関する画像情報を取得する第1の取得部と、
前記第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する推定部と、
前記第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、評価対象の靴に関する靴測定情報を取得する第2の取得部と、
前記推定部により推定されたユーザの骨格に関する骨格情報と、前記第2の取得部により取得された靴測定情報とに基づいて前記評価対象の靴の評価点を算出する評価部と、
前記評価部により算出された評価点に基づいて、推奨する靴を選定する選定部と、
前記選定部により選定された靴のレコメンド情報を出力する出力部と、
を備え
、
前記評価部は、靴底が床面に接している時点での足首からかかとまでの骨格情報と靴底が床から離れた時点での足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、靴底が床面に接している時点でのひざから足首までの骨格情報と足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、骨格情報と複数の靴に関する靴測定情報に基づいて、前記複数の靴の評価点を算出し、
前記選定部は、前記評価部により算出された前記評価対象の靴の評価点と前記複数の靴の評価点に基づいて推奨する靴を選定する、
請求項1又は
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザに関する画像情報を取得するセンシングデバイスと、
情報処理装置と、
情報処理端末と、を備える情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記センシングデバイスにより取得されたユーザに関する画像情報を取得する第1の取得部と、
前記第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する推定部と、
前記第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、評価対象の靴に関する靴測定情報を取得する第2の取得部と、
前記推定部により推定されたユーザの骨格に関する骨格情報と、前記第2の取得部により取得された靴測定情報とに基づいて前記評価対象の靴の評価点を算出する評価部と、
前記評価部により算出された評価点に基づいて、推奨する靴を選定する選定部と、
前記選定部により選定された靴のレコメンド情報を出力する出力部と、
を備え、
前記評価部は、靴底が床面に接している時点での足首からかかとまでの骨格情報と靴底が床から離れた時点での足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出し、
前記情報処理端末は、
前記情報処理装置の前記出力部により出力されたレコメンド情報を表示する表示制御部を備える、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、足の形状を測定した足の形状データと靴の形状データと比較することにより、最適な靴を推薦するサービスが提供されている。また、立った状態の足裏にかかる圧力分布から、個人に最適な中敷きを作成するサービスも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、足の形状データと靴の形状データだけでは、実際の履いた状態での靴の安定性や歩きやすさを評価することが難しい。また、圧力分布からでは、つま先とかかとで高さの変わらない平らな靴底形状のスニーカータイプの靴について評価することは可能であるが、かかとに高さのあるハイヒールタイプの靴について評価することが難しい。
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ユーザに適した靴を推奨することを可能にする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報処理装置は、第1の取得部と、推定部と、第2の取得部と、評価部と、選定部と、出力部と、を備える。第1の取得部は、ユーザに関する画像情報を取得する。推定部は、第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する。第2の取得部は、第1の取得部により取得された画像情報に基づいて、評価対象の靴に関する靴測定情報を取得する。評価部は、推定部により推定されたユーザの骨格に関する骨格情報は、第2の取得部により取得された靴測定情報と、に基づいて評価対象の靴の評価点を算出する。選定部は、評価部により算出された評価点に基づいて、推奨する靴を選定する。出力部は、選定部により選定された靴のレコメンド情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムを例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る靴情報の測定の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバによる情報処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る骨格情報の推定の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る骨格情報の推定の別の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る骨格情報の推定の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態について説明する。各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、実施形態に係る情報処理システム100を例示するブロック図である。
情報処理システム100は、サーバ1、センサ2、及び端末3を含む。サーバ1、センサ2、及び端末3は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークは、インターネットである。センサ2及び端末3は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークは、LAN(Local Area Network)である。ネットワークは、無線ネットワークでもよいし、有線ネットワークでもよい。なお、情報処理システム100は、サーバ1、センサ2、及び端末3のうちの少なくとも2つの機器を含むシステムを指すこともある。
【0009】
サーバ1は、データを収集し、収集したデータを処理する電子機器である。サーバ1は、ネットワークを介して、センサ2及び端末3と通信自在に接続する。センサ2及び端末3は、例えば、店舗等の商業施設において用いられる。サーバ1は、センサ2又は端末3から種々のデータを受け取り、端末3にデータ処理結果を出力する。サーバ1は、情報処理装置の一例である。サーバ1の構成例については後述する。
【0010】
センサ2は、例えば店舗内の天井又は壁面に取着され、検出範囲で取得したデータを出力する。センサ2は、取得した画像データをサーバ1又は端末3に出力する。例えば、センサ2は、客の全身の画像から骨格を検出するためのセンサの一例である。客は、ユーザ又は人と読み替えてもよい。センサ2は、カメラでもよいし、赤外線センサ、深度センサ等のセンサでもよい。また、センサ2は、その他のセンサでもよい。センサ2は、センシングデバイスの一例である。
【0011】
端末3は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。端末3は、例えば、店舗の管理者が使用する機器である。例えば、端末3は、スマートフォン、タブレット端末又はPC等である。管理者は、店員又は人と読み替えてもよい。端末3は、情報処理端末の一例である。端末3の構成例については後述する。
【0012】
サーバ1の構成例について説明する。
サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を含む電子機器である。サーバ1を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
図1では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0013】
プロセッサ11は、サーバ1の中枢部分に相当する。例えば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されているプログラムをメインメモリ12に展開する。プログラムは、サーバ1のプロセッサ11に後述する各部を実現または実行させるプログラムである。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開されるプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0014】
メインメモリ12は、サーバ1の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ12は、プログラムを記憶する。
【0015】
補助記憶デバイス13は、サーバ1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス13は、上述のプログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11での処理によって生成されるデータを記憶する。補助記憶デバイス13は、上述のプログラムを記憶する。
【0016】
補助記憶デバイス13は、ユーザ情報データベース(DB)131、及び靴情報DB132を記憶する。
ユーザ情報DB131は、ユーザ識別情報とユーザデータを関連付けたデータを構成するレコードを含む。ユーザ情報DB131に含まれる各レコードは、ユーザ情報に相当する。ユーザ識別情報は、ユーザを個々に識別するためにユーザ毎に割り当てられた固有の識別情報である。ユーザデータは、ユーザの氏名、ユーザの骨格情報、靴のサイズ、ユーザが購入した靴の履歴等を含む。ユーザの氏名は、実名である必要はなく、ユーザが識別できればよく、ユーザのニックネーム、ユーザ名等でもよい。ユーザの骨格情報は、後述する推定部112により推定されるユーザの骨格を示す情報である。ユーザの骨格情報は、ユーザが靴を履いた際の姿勢の安定性を反映し得る情報である。
【0017】
靴情報DB132は、靴識別情報と靴測定情報を関連付けたデータを構成するレコードを含む。靴情報DB132に含まれる各レコードは、靴情報に対応する。靴識別情報は、靴を個々に識別するために靴毎に割り当てられた固有の識別情報である。靴識別情報は、例えば、靴の製品番号等を含む。靴識別情報により、各靴の種類、色、サイズ(足長、足幅等)を特定することができる。靴測定情報は、靴のかかと接地面における幅の中点と靴の外寸の幅の中点とを結ぶ線の鉛直面に射影したときの鉛直軸との角度(以下、角度θ1という)を含む。靴測定情報は、角度θ1等の靴の形状を特定するパラメータを含む情報である。パラメータは、ユーザが靴を履いた際の姿勢の安定性に影響を与え得るパラメータである。靴のかかと接地面は、靴底のかかと部分であって、床と接する面である。靴の外寸は、靴の輪郭の幅方向の長さである。靴測定情報の詳細については後述する。
【0018】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、サーバ1を他の電子機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0019】
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0020】
上述のプロセッサ11に実装される各部について説明する。
プロセッサ11は、第1の取得部110、第2の取得部111、推定部112、評価部113、選定部114、及び出力部115を実装する。プロセッサ11に実装される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ11に実装される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実装されるということもできる。
以下の説明において、「応答して」は、「基づいて」と読み替えてもよい。
【0021】
第1の取得部110は、センサ2又は端末3から通信インタフェース14を介して、センサ2により取得されたユーザに関する画像情報を取得する。例えば、第1の取得部110は、靴を履いていない状態のユーザの画像情報を取得する。第1の取得部110は、少なくともユーザの背面の画像情報を取得する。ユーザの画像情報は、ユーザの全身を撮像した画像情報を含む。ユーザの画像情報は、少なくともユーザのひざ下を撮像した画像情報を含む。ユーザの画像情報は、ユーザの重心が計測できる画像情報を含んでもよい。第1の取得部110は、ユーザの評価対象の靴の画像情報を取得する。ユーザの評価対象の靴は、ユーザが履いていた靴、ユーザが選んだ靴等、評価部113による評価の対象となる靴である。第1の取得部110は、靴を履いていない状態のユーザの画像情報と評価対象の靴の画像情報を別々に取得する。ユーザに関する画像情報は、ユーザの画像情報と評価対象の靴の画像情報を含む。
【0022】
第2の取得部111は、評価対象の靴に関する靴測定情報を取得する。ここで、「取得」は、測定、解析、算出の意味を含む。
【0023】
推定部112は、第1の取得部110により取得された画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する。
【0024】
評価部113は、推定部112により推定されたユーザの骨格情報と、第2の取得部111により取得された靴測定情報とに基づいて評価対象の靴の評価点を算出する。評価点は、ユーザの骨格と靴とのフィット度合いを数値化した値である。フィット度合いは、例えば、ユーザが靴を履いた際に、姿勢が安定する度合いである。評価部113は、複数の靴に関する靴測定情報を靴情報DB132から取得する。評価部113は、推定部112により推定されたユーザの骨格情報と、複数の靴に関する靴測定情報とに基づいて、複数の靴の評価点を算出する。
【0025】
選定部114は、評価部113により算出された評価点に基づいて、推奨する靴を選定する。推奨する靴は、例えば、評価対象の靴の評価点に比べ、評価点が高い靴である。
【0026】
出力部115は、通信インタフェース14を介して、選定部114により選定された靴のレコメンド情報を端末3に出力する。レコメンド情報は、推奨する靴を識別できる情報である。靴を識別できる情報は、靴情報に含まれる靴識別情報に対応する。以下の説明において、「出力」するは、「送信」と読み替えてもよい。
【0027】
なお、第1の取得部110、第2の取得部111、推定部112、評価部113、選定部114、及び出力部115は、プログラムを実行することでプロセッサ11に実装されるものとして説明したが、これに限定されない。
【0028】
端末3の構成例について説明する。
端末3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インタフェース34、入力デバイス35、表示デバイス36及び読取デバイス37を含む電子機器である。端末3を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
【0029】
プロセッサ31は、端末3の中枢部分に相当する。プロセッサ31は、上述のプロセッサ11と同様のハードウェア構成である。プロセッサ31は、メインメモリ32または補助記憶デバイス33に予め記憶されているプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。プロセッサ31は、表示制御部310を実装する。プロセッサ31に実装される表示制御部は、表示制御機能ということもできる。プロセッサ31に実装される表示制御部は、プロセッサ31及びメインメモリ32を含む制御部に実装されるということもできる。
【0030】
表示制御部310は、各種データを表示デバイス36に表示する。例えば、表示制御部310は、サーバ1の出力部115により出力されたレコメンド情報を表示デバイス36に表示する。
【0031】
メインメモリ32は、端末3の主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、上述のメインメモリ12と同様のハードウェア構成である。メインメモリ32は、プログラムを記憶する。
【0032】
補助記憶デバイス33は、端末3の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス33は、上述の補助記憶デバイス13と同様のハードウェア構成である。補助記憶デバイス33は、上述のプログラムを記憶する。
【0033】
通信インタフェース34は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、端末3を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0034】
入力デバイス35は、端末3へデータまたは指示を入力可能なデバイスである。例えば、入力デバイス35は、キーボードまたはタッチパネル等である。入力デバイス35は、音声入力を可能にするマイクを含んでもよい。
【0035】
表示デバイス36は、プロセッサ31の制御により種々の画面を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス36は、液晶ディスプレイまたはEL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0036】
読取デバイス37は、種々のデータを読取可能なデバイスである。例えば、読取デバイス37は、コードシンボルからデータを読取可能なスキャナを含む。コードシンボルは、バーコードシンボル及びQRコード(登録商標)等の二次元コードシンボル等である。読取デバイス37は、コードシンボルからデータを読取可能なカメラ等の撮像デバイスを含む。カメラは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0037】
なお、端末3のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。端末3は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0038】
靴測定情報について説明する。
図2は、実施形態に係る靴情報の測定の一例を示す図である。
【0039】
図2において、左上の図は靴の平面図であり、A-A’線は切断位置を示す。右上の図はA-A’線断面図である。点Bは、靴の外寸の幅の中点を示し、点Cは、靴のかかと接地面における幅の中点を示す。左下の図は靴の側面図である。右下の図は靴の背面図であり、点Cは、靴のかかと接地面における幅の中点を示す。
【0040】
靴測定情報は、靴のかかと接地面における幅の中点(
図2における点C)と靴の外寸の幅の中点(
図2における点B)とを結ぶ線の鉛直面に射影したときの鉛直軸との角度θ1を含む。靴測定情報は、
図2で示されるような靴を特定するパラメータを含む情報である。
【0041】
情報処理システム100による処理の手順について説明する。
なお、以下のサーバ1を主体とする説明では、サーバ1をプロセッサ11と読み替えてもよい。同様に、端末3を主体とする説明では、端末3をプロセッサ31と読み替えてもよい。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0042】
ここでは、ユーザXが、A店において、靴を試着する場合を想定する。ユーザXは、客Xとも称する。この例では、ユーザXは、A店と提携するサーバ1が提供するサービスの会員であり、ユーザ識別情報により特定される。センサ2及び端末3は、A店に設置されているものとする。
【0043】
サーバ1は、センサ2によりユーザXの画像情報が取得されたことに応答して、以下の情報処理を行う。
【0044】
サーバ1による情報処理の手順について説明する。
図3は、実施形態に係るサーバ1による情報処理の手順を例示するフローチャートである。
第1の取得部110は、センサ2又は端末3から通信インタフェース14を介してユーザに関する画像情報を取得する(ACT1)。ACT1では、例えば、第1の取得部110は、靴を履いていない状態のユーザの画像情報を取得する。第1の取得部110は、静止状態のユーザの画像情報を取得する。第1の取得部110は、静止状態のユーザの画像情報に加えて、歩行時のユーザの画像情報を取得してもよい。第1の取得部110は、評価対象の靴の画像情報を取得する。第1の取得部110は、靴を履いていない状態のユーザの画像と靴の画像を別々に取得する。なお、第1の取得部110は、評価対象の靴を履いた状態のユーザの画像情報を取得してもよい。第1の取得部110は、評価対象の靴を履いた状態の静止状態のユーザの画像情報を取得してもよい。第1の取得部110は、評価対象の靴を履いた状態の歩行時のユーザの画像情報を取得してもよい。
【0045】
推定部112は、第1の取得部110により取得された画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する(ACT2)。ACT2では、例えば、推定部112は、靴を履いていない状態のユーザの画像情報に基づいて、ユーザの骨格を推定する。推定部112は、少なくともユーザのひざ下の骨格を推定する。推定部112は、ユーザの重心位置を用いた骨格推定を行ってもよい。推定部112は、公知の骨格推定方法を用いて、ユーザの骨格を推定してもよい。なお、第1の取得部110により、評価対象の靴を履いた状態のユーザの画像を取得した場合は、推定部112は、靴を履いた状態のユーザの骨格を推定してもよい。推定部112は、静止時のユーザの骨格を推定してもよい。推定部112は、歩行時のユーザの骨格を推定してもよい。
【0046】
第2の取得部111は、第1の取得部110により取得された画像情報に基づいて、評価対象の靴に関する靴測定情報を取得する(ACT3)。ACT3では、例えば、第2の取得部111は、評価対象の靴の画像情報を取得する。第2の取得部111は、評価対象の靴の画像情報から靴測定情報を算出する。第2の取得部111は、評価対象の靴を履いた状態のユーザの画像情報から靴測定情報を算出してもよい。第2の取得部111は、評価対象の靴の靴測定情報を靴情報DB132から取得してもよい。第2の取得部111は、靴測定情報を算出する毎に、靴測定情報を靴情報DB132に記憶させる。靴情報DB132は、第2の取得部111により靴測定情報が算出させる毎に更新される。
【0047】
評価部113は、推定部112により推定された骨格推定の精度に応じて異なる手法で評価点を算出する。評価部113は、推定部112により推定された骨格推定の精度が閾値以上であるか否かを判断する(ACT4)。評価部113が、骨格推定の精度が閾値以上であると判断した場合(ACT4:YES)、処理は、ACT4からACT5へ遷移する。評価部113が、骨格推定の精度が閾値以上でないと判断した場合(ACT4:NO)、処理は、ACT4からACT6へ遷移する。評価部113が、骨格推定の精度が閾値以上でないと判断したことは、評価部113が、骨格推定の精度が閾値未満であると判断したことに対応する。
【0048】
評価部113により骨格推定の精度が閾値以上であると判断された場合、評価部113は、ひざ下の骨格推定結果と評価対象の靴の靴測定情報とに基づいて、角度θ2を推定する(ACT5)。ACT5では、例えば、評価部113は、静止時におけるひざのポイントから足首のポイントまでの骨格線と足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線との間の角度θ2を推定する。ひざのポイントは、ひざの幅の中点に対応する。ひざのポイントは、単に「ひざ」ともいう。足首のポイントは、足首の幅の中点に対応する。足首のポイントは、単に「足首」ともいう。静止時は、靴底が床面に接している時点に対応する。床面は、水平面に対応する。骨格線は、骨格情報の一例である。ひざのポイントから足首のポイントまでの骨格線は、ひざから足首までの骨格情報に対応する。足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線は、足首からかかとまでの骨格情報に対応する。足首からかかとまでの骨格情報は、足首から靴底までの骨格情報と読み替えてもよい。評価部113による角度θ2の推定は、公知のシミュレーション技術により行われてもよい。以下では、角度θ2を用いた評価を第1の手法による評価ともいう。
【0049】
以下、
図4を用いて角度θ2について説明する。
図4は、実施形態に係る骨格情報の推定の一例を示す図である。
図4において、太い実線は、推定部112により推定されたひざのポイントから足首のポイントまでの骨格線を示す。点AKは、足首のポイントを示す。破線は、足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を示す。点HPaは、靴のかかと接地面における幅の中点を示す。点HPaは、靴のかかとの中点ともいう。評価部113は、推定部112により推定されたひざのポイントから足首のポイント(点AK)までの骨格線と、評価対象の靴の靴測定情報とを組み合わせ、足首のポイント(点AK)から靴のかかとの中点(点HPa)を結ぶ線を推定する。評価部113は、ひざのポイントから足首のポイント(点AK)までの骨格線と足首のポイント(点AK)から靴のかかとの中点(点HPa)を結ぶ線との間の角度θ2を推定する。
【0050】
評価部113により骨格推定の精度が閾値以上でないと判断された場合、評価部113は、静止時と歩行時の推定部112による骨格推定結果と評価対象の靴の靴測定情報とに基づいて、角度θ3を推定する(ACT6)。ACT6では、例えば、評価部113は、静止時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を推定する。次に、評価部113は、歩行時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を推定する。歩行時は、靴底が床から離れた時点に対応する。靴底が床から離れた時点は、靴のかかとが床から離れた時点に対応する。評価部113は、静止時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線と、歩行時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線との間の角度θ3を推定する。評価部113による角度θ3の推定は、公知のシミュレーション技術により行われてもよい。以下では、角度θ3を用いた評価を第2の手法による評価ともいう。
【0051】
以下、
図5及び
図6を用いて角度θ3について説明する。
図5及び
図6は、実施形態に係る骨格情報の推定の別の例を示す図である。
図5は、静止時における骨格情報の推定の例を示す図である。
図6は、歩行時における骨格情報の推定の例を示す図である。
【0052】
図5において、破線は、静止時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を示す。点AKは、足首のポイントを示す。点HPbは、靴のかかと接地面における幅の中点を示す。点HPbは、靴のかかとの中点ともいう。評価部113は、静止時における推定部112による骨格推定結果と評価対象の靴の靴測定情報とに基づいて、静止時における足首のポイント(点AK)から靴のかかと接地面における幅の中点(点FPb)を結ぶ線を推定する。
【0053】
図6において、破線は、歩行時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を示す。点AKは、足首のポイントを示す。点HPcは、靴のかかと接地面における幅の中点を示す。点HPcは、靴のかかとの中点ともいう。太い実線は、静止時における足首のポイントから靴のかかと接地面における幅の中点を結ぶ線を示す。太い実線は、
図5における破線と同一の線を示す。評価部113は、歩行時における推定部112による骨格推定結果と評価対象の靴の靴測定情報とに基づいて、歩行時における足首のポイント(点AK)から靴のかかと接地面における幅の中点(点FPc)を結ぶ線を推定する。推定部112は、静止時における足首のポイント(点AK)から靴のかかとの中点を結ぶ線と歩行時における足首のポイント(点AK)から靴のかかとの中点(点FPc)を結ぶ線との間の角度θ3を推定する。
【0054】
評価部113は、推定部112により推定されたユーザの骨格情報と、第2の取得部111により取得された靴測定情報とに基づいて評価対象の靴の評価点を算出する(ACT7)。第1の手法による評価を用いる場合について説明する。ACT7では、例えば、評価部113は、靴底が床面に接している時点でのひざから足首までの骨格情報と足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出する。評価部113は、ユーザの骨格情報と靴測定情報とに基づいて推定した角度θ2を用いて評価点を算出する。第1の手法による評価の評価点は、ユーザが評価対象の靴を履いた時の姿勢の安定度合いを表す指標である。そのため、第1の手法による評価の評価点は、角度θ2が180度の場合に最も高くなり、角度θ2が180度から離れるにつれて小さくなる。第1の手法による評価の評価点は、角度θ2自体でもよいし、角度θ2を変数とする算出式によって算出されてもよい。算出式は、角度θ2が180度の場合に評価点を最も高くし、角度θ2が180度から離れるにつれて評価点を小さくする式である。
【0055】
第2の手法による評価を用いる場合について説明する。評価部113は、靴底が床面に接している時点での足首からかかとまでの骨格情報と靴底が床から離れた時点での足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出する。評価部113は、ユーザの骨格情報と靴測定情報とに基づいて推定した角度θ3を用いて評価点を算出する。第2の手法による評価の評価点は、ユーザが評価対象の靴を履いた時の姿勢の安定度合いを表す指標である。そのため、第2の手法による評価の評価点は、角度θ3が0度の場合に最も高くなり、角度θ3が0度から離れるにつれて小さくなる。第2の手法による評価の評価点は、角度θ3自体でもよいし、角度θ3を変数とする算出式によって算出されてもよい。算出式は、角度θ3が0度の場合に評価点を最も高くし、角度θ3が0度から離れるにつれて評価点を小さくする式である。
【0056】
評価部113は、評価点を算出する毎に、評価点をユーザ情報DB131に記憶させる。ユーザ情報DB131は、評価部113により評価点が算出させる毎に更新される。
【0057】
評価部113は、複数の靴に関する靴測定情報を靴情報DB132から取得する(ACT8)。ACT8では、例えば、評価対象の靴以外の複数の靴に関する靴測定情報を靴情報DB132から取得する。複数の靴に関する靴測定情報は、複数の靴についての角度θ1等の各靴の形状を特定するパラメータを含む情報である。
【0058】
評価部113は、骨格情報と複数の靴に関する靴測定情報に基づいて、複数の靴の評価点を算出する(ACT9)。ACT9では、例えば、評価部113は、推定部112により推定されたユーザの骨格情報と、複数の靴に関する靴測定情報とに基づいて、複数の靴の各々について評価点を算出する。評価部113は、第1の手法による評価を用いる場合、ひざ下の骨格推定結果と複数の靴の靴測定情報とに基づいて、複数の靴の各々について角度θ2を推定する。角度θ2の推定方法は、ACT5と同様である。評価部113は、複数の靴の各々について、角度θ2を用いて評価点を算出する。評価部113は、第2の手法による評価を用いる場合、静止時と歩行時の推定部112による骨格推定結果と、複数の靴の靴測定情報とに基づいて、複数の靴の各々について角度θ3を推定する。角度θ3の推定方法は、ACT6と同様である。評価部113は、複数の靴の各々について、角度θ3を用いて評価点を算出する。評価部113は、複数の靴の各々についての評価点を算出する毎に、評価点をユーザ情報DB131に記憶させてもよい。ユーザ情報DB131は、評価部113により複数の靴の各々についての評価点が算出させる毎に更新されてもよい。
【0059】
選定部114は、評価部113により算出された評価対象の靴の評価点と複数の靴の評価点に基づいて、推奨する靴を選定する(ACT10)。ACT10では、例えば、選定部114は、評価部113により算出された評価対象の靴の評価点と複数の靴の各々についての評価点を比較する。選定部114は、比較結果に基づいて、評価対象の靴の評価点より高い評価点を有する靴を推奨する靴として選定する。一例では、選定部114は、第1の手法による評価を用いる場合、高い評価点を有する靴として、角度θ2が180度を中心とした決められた閾値内に収まるような靴を選定する。例えば、閾値内は、180度±α度である。別の例では、選定部114は、第2の手法による評価を用いる場合、高い評価点を有する靴として、角度θ3が決められた閾値内に収まるような靴を選定する。例えば、閾値内は、±β度である。選定部114は、少なくとも一つの推奨する靴を選定する。選定部114は、評価対象の靴の評価点が他の複数の靴の評価点より高い場合は、評価対象の靴を推奨する靴として選定してもよい。
【0060】
出力部115は、通信インタフェース14を介して、選定部114により選定された靴のレコメンド情報を端末3に出力する(ACT11)。ACT11では、例えば、出力部115は、推奨する靴の識別情報を靴情報DB132から取得する。出力部115は、推奨する靴の識別情報をレコメンド情報として端末3に出力する。端末3は、通信インタフェース34を介してレコメンド情報を受け取る。表示制御部310は、レコメンド情報を表示デバイス36に表示する。
【0061】
なお、ACT5とACT6の処理は、骨格推定の精度に関わらず、選択的に実行されてもよい。
【0062】
本実施形態によれば、サーバ1は、ユーザの骨格情報と靴測定情報に基づいて、靴の評価点を算出することができる。ユーザの骨格情報及び靴測定情報はユーザの姿勢に影響を与える情報であるので、サーバ1は、ユーザの姿勢の安定性に基づく評価点の算出精度を向上させることができる。そのため、サーバ1は、ユーザの姿勢が安定する靴を推奨する靴として選定することができる。また、評価部113は、靴底が床面に接している時点でのひざから足首までの骨格情報と足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出することができる。例えば、評価部113は、角度θ2を用いて評価点を算出することができる。評価部113は、靴底が床面に接している時点での足首からかかとまでの骨格情報と靴底が床から離れた時点での足首からかかとまでの骨格情報に基づいて評価点を算出することができる。例えば、評価部113は、角度θ3を用いて評価点を算出することができる。そのため、サーバ1は、ユーザの姿勢の安定性に基づく評価点を算出し、推奨する靴を選定することができる。また、サーバ1は、推定部112により推定されたユーザの骨格情報の精度が高くない場合においても、靴の評価点を算出し、推奨する靴を選定することができる。さらに、サーバ1は、評価対象の靴についての評価点の算出処理を他の複数の靴について適用させることができる。そのため、評価点の算出に係る処理量を削減することができる。ユーザは、すべての靴について実際に履かなくても評価点を得ることにより、最適な靴を見つけることができる。
【0063】
なお、情報処理装置は、サーバ1を例に説明したように1つの装置で実現されてもよいし、複数の装置に機能を分散させたシステムによって実現されてもよい。
【0064】
プログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、電子機器可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつ電子機器で読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0065】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…サーバ、2…センサ、3…端末、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶デバイス、34…通信インタフェース、35…入力デバイス、36…表示デバイス、37…読取デバイス、100…情報処理システム、110…第1の取得部、111…第2の取得部、112…推定部、113…評価部、114…選定部、115…出力部、310…表示制御部、131…ユーザ情報データベース、132…靴情報データベース。