(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】車両用信号灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/237 20180101AFI20241216BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20241216BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20241216BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20241216BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241216BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241216BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20241216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241216BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/14
F21V8/00 310
F21S2/00 439
F21W103:00
F21W103:35
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2021047267
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2024-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】今関 規文
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英隆
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129148(JP,A)
【文献】特開2008-053235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/237
F21S 43/245
F21S 43/14
F21V 8/00
F21S 2/00
F21W 103/00
F21W 103/35
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、第2光源と、前記第1光源が発光する第1の光及び前記第2光源が発光する第2の光を導光する導光部材と、を備えた車両用信号灯具であって、
前記導光部材は、当該導光部材により導光される前記第1の光及び前記第2の光が出光する同一の発光面を含み、
前記第1光源は、
テールランプ用光源であり、かつ、ドミナント波長が第1の波長である赤色光を発光する半導体発光素子であり、
前記第2光源は、
ストップランプ用光源であり、かつ、ドミナント波長が前記第1の波長と異なる第2の波長である赤色光を発光する半導体発光素子であ
り、
前記第2の波長は、前記第1の波長よりも、明るい所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている555nm及び暗い所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている507nmに近い波長である車両用信号灯具。
【請求項2】
前記導光部材は、所定方向に延び、一端部側から入光した前記第1の光及び前記第2の光を他端部側に向けて導光する導光棒であり、
前記導光棒の外周面は、正面側に配置される前記同一の発光面と、その反対側の背面側に配置される反射面と、を含み、
前記反射面は、前記導光棒内を導光され当該反射面に入射する前記第1の光及び前記第2の光を反射して前記同一の発光面から出光させる複数の光学素子を含む請求項
1に記載の車両用信号灯具。
【請求項3】
複数の第1光源及び複数の第2光源を有する光源ユニットと、前記複数の第1光源が発光する第1の光及び前記複数の第2光源が発光する第2の光を導光する導光部材と、を備えた車両用信号灯具であって、
前記導光部材は、所定方向に延び、一端部側から入光した前記第1の光及び前記第2の光を他端部側に向けて導光する導光棒であり、
前記導光部材は、前記一端部側に位置し前記第1の光及び前記第2の光が入光する入光面と、当該導光部材により導光される前記第1の光及び前記第2の光が出光する同一の発光面を含み、
前記光源ユニットは、前記複数の第1光源および前記複数の第2光源が前面側に実装された基板を含み、当該光源ユニットの光軸と前記導光棒の光軸とが一致するように前記入光面に対向して配置されており、
前記複数の第1光源は、テールランプ用光源であり、かつ、ドミナント波長が第1の波長である赤色光を発光する半導体発光素子であり、
前記複数の第2光源は、ストップランプ用光源であり、かつ、ドミナント波長が前記第1の波長と異なる第2の波長である赤色光を発光する半導体発光素子であり、
前記複数の第2光源の夫々は、前記複数の第1光源よりも大きな発光面とされ、
前記第1光源は、前記第2光源の間に配置されており、
前記第1の波長は、前記第2の波長より長い、車両用信号灯具。
【請求項4】
各々の前記第2光源の間隔は、各々の前記第1光源と各第1光源に隣接する第2光源の間隔よりも大きくなるように配置されている、請求項3に記載の車両用信号灯具。
【請求項5】
前記光源ユニットは、前記基板の後面側に設けたヒートシンクと、ソケットボディとを備えたソケット型の光源ユニットである、請求項3又は4に記載の車両用信号灯具。
【請求項6】
前記第1の波長は、635nm±5nm、
前記第2の波長は、615nm±5nmである請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用信号灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用信号灯具に関し、特に、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで同一の発光面を発光させることができ、かつ、ストップランプ点灯時の被視認性を向上させることができる車両用信号灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
テールランプとストップランプとが互いに隣接した状態で配置され、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで互いに異なる発光面が発光する車両用信号灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、両ランプを識別しやすくする観点から、テールランプ用光源としてピーク波長が615nm程度の光源(白熱電球)が用いられ、ストップランプ用光源としてピーク波長が615nm程度のLEDが用いられている。
【0003】
これに対して、本発明者らは、部品点数削減等の観点から、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで同一の発光面を発光させることができる車両用信号灯具を構成することを検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで同一の発光面を発光させることについては全く提案されていない。また、特許文献1においては、ストップランプ点灯時の被視認性を向上させることについては全く提案されていない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで同一の発光面を発光させることができ、かつ、ストップランプ点灯時の被視認性を向上させることができる車両用信号灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる車両用信号灯具は、第1光源と、第2光源と、前記第1光源が発光する第1の光及び前記第2光源が発光する第2の光を導光する導光部材と、を備えた車両用信号灯具であって、前記導光部材は、当該導光部材により導光される前記第1の光及び前記第2の光が出光する同一の発光面を含み、前記第1光源は、ドミナント波長が第1の波長である赤色光を発光する半導体発光素子であり、前記第2光源は、ドミナント波長が前記第1の波長と異なる第2の波長である赤色光を発光する半導体発光素子である。
【0008】
このような構成により、第1光源点灯時と第2光源点灯時とで同一の発光面を発光させることができ、かつ、第2光源点灯時の被視認性を向上させることができる。
【0009】
第1光源点灯時と第2光源点灯時とで同一の発光面を発光させることができるのは、第1光源が発光する第1の光及び第2光源が発光する第2の光を導光する導光部材が、当該導光部材により導光される第1の光及び第2の光が出光する同一の発光面を含んでいることによるものである。
【0010】
第2光源点灯時の被視認性を向上させることができるのは、発光面が、第2光源点灯時、人間の眼が最も強く感じる色(波長)に近い赤色(第2光源のドミナント波長(第2の波長))で発光することによるものである。
【0011】
また、上記車両用信号灯具において、前記第1光源は、テールランプ用光源であり、前記第2光源は、ストップランプ用光源であってもよい。
【0012】
また、上記車両用信号灯具において、前記第1の波長は、前記第2の波長より長くてもい。
【0013】
また、上記車両用信号灯具において、前記第1の波長は、635nm±5nm、前記第2の波長は、615nm±5nmであってもよい。
【0014】
また、上記車両用信号灯具において、前記導光部材は、所定方向に延び、一端部側から入光した前記第1の光及び前記第2の光を他端部側に向けて導光する導光棒であり、前記導光棒の外周面は、正面側に配置される前記同一の発光面と、その反対側の背面側に配置される反射面と、を含み、前記反射面は、前記導光棒内を導光され当該反射面に入射する前記第1の光及び前記第2の光を反射して前記同一の発光面から出光させる複数の光学素子を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、テールランプ点灯時とストップランプ点灯時とで同一の発光面を発光させることができ、かつ、ストップランプ点灯時の被視認性を向上させることができる車両用信号灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】車両用信号灯具10の斜視図である(アウターレンズ40、ハウジング50省略)。車両用信号灯具10の斜視図である。
【
図5A】テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21bの配置の一例である。
【
図5B】テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21bの配置の他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である車両用信号灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0018】
図1は、車両用信号灯具10の斜視図である(アウターレンズ40、ハウジング50省略)。
図2Aは車両用信号灯具10の正面図、
図2Bは横断面図である。
【0019】
本実施形態の車両用信号灯具10は、テールランプ及びストップランプとして機能する車両用信号灯具で、自動車等の車両(図示せず)の後端部の左右両側にそれぞれ搭載される。左右両側に搭載される車両用信号灯具10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の後端部の左側(車両前方に向かって左側)に搭載される車両用信号灯具10について説明する。
【0020】
図1、
図2Bに示すように、車両用信号灯具10は、光源ユニット20、光源ユニット20が発光する光を導光する導光棒30(本発明の導光部材の一例)を備えている。車両用信号灯具10は、アウターレンズ40とハウジング50とによって構成される灯室60内に配置され、ハウジング50等に取り付けられている。
【0021】
導光棒30は、一端部31側の一端面31a(
図2B参照)から入光した光を他端部32側に向けて導光する長尺の導光棒である。一端部31側の一端面31a(以下、入光面31aと呼ぶ)は、例えば、長手方向(導光棒30が延びている方向)に対して直交する平面である。
図2Bに示すように、導光棒30は、一端部31側から車両後方に向かって延び、さらに、湾曲部C1を介して車両後端部に回り込み車両後方かつ車両内側に向かって延びている。なお、導光棒30として、長手方向に直交する平面による断面形状が銀杏型の導光棒を用いてもよい。断面形状が銀杏型の導光棒は、例えば、特開2017-41368号公報に記載されている。
【0022】
導光棒30の外周面は、正面側(車両後方側)に配置される発光面33(出光面)と、その反対側の背面側に配置される反射面34と、を含む。この反射面34は、導光棒30内を導光され当該反射面34に入射する光を反射(拡散反射)して発光面33から出光させる複数の光学素子(図示せず)を含む。この光学素子は、例えば、レンズカット(例えば、V溝)で、
図1中の符号L0が示す範囲に設けられている。V溝の角度は、発光面33から出光する光が、テールランプ及びストップランプに関する法規を満たすように考慮された角度である。
【0023】
光源ユニット20は、ソケット型の光源ユニットである。
【0024】
図3は、光源ユニット20の縦断面図である。
図4は、光源ユニット20の分解斜視図である。
【0025】
図3、
図4に示すように、光源ユニット20は、光源21及び電子部品群22が実装面に実装された基板23、ヒートシンク24、ソケットボディ25、端子26aを保持する端子ベース26、シール剤27、熱伝導性接着剤28、Oリング29を備えている。
【0026】
光源21は、外形が円形の基板23の実装面の中央に実装されている。電子部品群22は、光源21の周囲に実装されている。
【0027】
図5に示すように、光源21は、テールランプ用光源21a(本発明の第1光源の一例)、ストップランプ用光源21b(本発明の第2光源の一例)を含む。
【0028】
テールランプ用光源21aは、ドミナント波長が第1の波長である赤色光を発光する半導体発光素子(例えば、LED)である。テールランプ用光源21aは、発光面(例えば、0.5mm角の矩形の発光面)を備える。第1の波長は、例えば、635nm±5nm程度が好ましい。
【0029】
ストップランプ用光源21bは、ドミナント波長が第1の波長と異なる第2の波長である赤色光を発光する半導体発光素子(例えば、LED)である。ストップランプ用光源21bは、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備える。第2の波長は、例えば、615nm±5nm程度が好ましい。
【0030】
以上のように、テールランプ用光源21aのドミナント波長(第1の波長)は、ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長)より長い。
【0031】
すなわち、ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長)は、明るい所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている555nm(及び暗い所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている507nm)に近く、テールランプ用光源21aのドミナント波長(第1の波長)は、555nm(及び507nm)から遠い。
【0032】
これにより、ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長)が555nm(及び507nm)から遠く、テールランプ用光源21aのドミナント波長(第1の波長)が555nm(及び507nm)に近い場合と比べ、ストップランプ(ストップランプ用光源21b点灯時)の被視認性を向上させることができる。
【0033】
なお、明るい所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている波長が555nm(及び暗い所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている波長が507nm)であることは、国際照明委員会(CIE)により規定されている(明所視標準比視感度、暗所視標準比視感度)。
【0034】
テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21bの配置の一例について説明する。
【0035】
図5Aは、テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21bの配置の一例である。
【0036】
図5Aに示すように、ストップランプ用光源21bは、矩形B1の四隅それぞれに配置されている。
【0037】
テールランプ用光源21aは、ストップランプ用光源21b間に等間隔で一列に配置されている。
【0038】
各々のストップランプ用光源21bの間隔L1は、例えば、1mmである。また、テールランプ用光源21aとストップランプ用光源21bの間隔L2は、例えば、0.25mmである。
【0039】
図5Bは、テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21bの配置の他の一例である。
【0040】
図5Bに示すように、ストップランプ用光源21bを矩形B2の四隅それぞれに配置し、ストップランプ用光源21b間に4つのテールランプ用光源21aを配置してもよい。
図5B中、各々のストップランプ用光源21bの間隔L3は、例えば、1.4mmである。また、各々のテールランプ用光源21aの間隔L4は例えば1.4mm、間隔L5は例えば0.95mmである。
【0041】
なお、法規(テールランプ及びストップランプに関する法規)が求める光度を満たすことができるのであれば、テールランプ用光源21aの個数及び配置、ストップランプ用光源21bの個数及び配置は、上記
図5A及び
図5Bに示す個数及び配置に限定されない。
【0042】
なお、ストップランプの場合、欧州規格においては中心光度(ストップランプ用配光パターンの中心光度)が60~260cd、北米においては中心光度(ストップランプ用配光パターン(一灯)の中心光度)が80cd~300cdであることが求められている。
それに対し、テールランプの場合、欧州規格においては中心光度(テールランプ用配光パターンの中心光度)が4~17cd、北米においては中心光度(テールランプ用配光パターン(一灯)の中心光度)が2~25cdであることが求められている。すなわち、欧州規格及び北米のいずれにおいても、テールランプの5~15倍の光度でストップランプが点灯することが求められている。
【0043】
上記構成のソケット型の光源ユニット20は、ハウジング50に形成された貫通穴H1(
図2参照)に挿入され、その光源21(テールランプ用光源21a、ストップランプ用光源21b)が導光棒30の一端部31側(入光面31a)に対向した状態でハウジング50に取り付けられている。その際、光源ユニット20(光源21)の光軸と導光棒30の光軸とは一致(略一致)している。
【0044】
上記構成の車両用信号灯具10においては、テールランプ用光源21aを点灯し、ストップランプ用光源21bを消灯することで、テールランプを実現することができる。
【0045】
テールランプ用光源21aが点灯されると、テールランプ用光源21aが発光した第1の光は、導光棒30の一端部31側(入光面31a)から導光棒30に入光し、導光棒30内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ他端部32側に向けて導光棒30内を導光される。そして、導光棒30内を導光される第1の光は、反射面34(光学素子)で内面反射(拡散反射)され導光棒30の発光面33から出光する。この発光面33から出光する第1の光により、テールランプが実現される。その際、発光面33は、当該発光面33から出光する第1の光により赤色に発光(均一又は略均一発光)する。その際、第1の光の波長、すなわち、テールランプ用光源21aのドミナント波長(第1の波長)は、ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長)より長いため、発光面33は、ストップランプ用光源21b点灯時より濃い赤色で発光する。これにより、テールランプ用光源21a点灯時、高級感のある発光見栄えを実現することができる。これにより、商品性が向上する。また、点灯フィーリングが向上する。
【0046】
また、上記構成の車両用信号灯具10においては、テールランプ用光源21aを消灯し、ストップランプ用光源21bを点灯することで、ストップランプを実現することができる。
【0047】
ストップランプ用光源21bが点灯されると、ストップランプ用光源21bが発光した第2の光は、導光棒30の一端部31側(入光面31a)から導光棒30に入光し、導光棒30内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ他端部32側に向けて導光棒30内を導光される。そして、導光棒30内を導光される第2の光は、反射面34(光学素子)で内面反射(拡散反射)され導光棒30の発光面33から出光する。この発光面33から出光する第2の光により、ストップランプが実現される。その際、発光面33は、当該発光面33から出光する第2の光により赤色に発光(均一又は略均一発光)する。その際、第2の光の波長、すなわち、ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長)は、明るい所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている555nm(及び暗い所で人間の眼が最も強く感じることができるとされている507nm)に近く、テールランプ用光源21aのドミナント波長(第1の波長)は、555nm(及び507nm)から遠い。つまり、発光面33は、ストップランプ点灯時、人間の眼が最も強く感じる色(波長)に近い赤色(ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長))で発光する。これにより、ストップランプ用光源21b点灯時の被視認性を向上させることができる(例えば、薄暮時、濃霧時、雨天時)。これにより、安全性が向上する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、テールランプ(テールランプ用光源21a)点灯時とストップランプ(ストップランプ用光源21b)点灯時とで同一の発光面33を発光させることができ、かつ、ストップランプ(ストップランプ用光源21b)点灯時の被視認性を向上させることができる。
【0049】
テールランプ(テールランプ用光源21a)点灯時とストップランプ(ストップランプ用光源21b)点灯時とで同一の発光面33を発光させることができるのは、テールランプ用光源21aが発光する第1の光及びストップランプ用光源21bが発光する第2の光を導光する導光棒30が、当該導光棒30により導光される第1の光及び第2の光が出光する同一の発光面33を含んでいることによるものである。
【0050】
ストップランプ(ストップランプ用光源21b)点灯時の被視認性を向上させることができるのは、発光面33が、ストップランプ点灯時、人間の眼が最も強く感じる色(波長)に近い赤色(ストップランプ用光源21bのドミナント波長(第2の波長))で発光することによるものである。
【0051】
また、本実施形態によれば、ドミナント波長が互いに異なるテールランプ用光源21a及びストップランプ用光源21bを用いているため、テールランプ(テールランプ用光源21a)点灯時とストップランプ(ストップランプ用光源21b点灯時)とで、互いに異なる色合いの赤色で同一の発光面33を発光(均一又は略均一発光)させることができる。
【0052】
次に、変形例について説明する。
【0053】
【0054】
上記実施形態では、テールランプ用光源21a及びストップランプ用光源21bが導光棒30の一端部31側(入光面31a)に対向した状態で配置されており、テールランプ用光源21aが発光する第1の光及びストップランプ用光源21bが発光する第2の光が導光棒30の一端部31側(入光面31a)から入光する例について説明したが、これに限らない。
【0055】
例えば、
図6Aに示すように、テールランプ用光源21aを導光棒30の一端部31側(入光面31a)に対向した状態で配置し、かつ、ストップランプ用光源21bを導光棒30の他端部32側(入光面32a)に対向した状態で配置し、テールランプ用光源21aが発光する第1の光を導光棒30の一端部31側(入光面31a)から入光させ、かつ、ストップランプ用光源21bが発光する第2の光を導光棒30の他端部32側(入光面32a)から入光させてもよい。
【0056】
本変形例によっても上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0057】
【0058】
上記実施形態では、導光部材として、導光棒30を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0059】
例えば、
図6Bに示すように、導光部材として、導光板30Aを用いてもよい。
【0060】
図6Bは、導光板30Aの4辺(4つの端面)のうち、互いに対向する一対の辺(端面)にテールランプ用光源21a(複数)を配置し、互いに対向する他の一対の辺(端面)にストップランプ用光源21b(複数)を配置し、互いに対向する一対の主面のうち一方の主面を発光面(出光面)とし他方の主面を反射面(導光板30A内を導光され当該反射面に入射する光を反射(拡散反射)して発光面から出光させる複数の光学素子(例えば、V溝等のレンズカット。図示せず))とした例である。
【0061】
本変形例によっても上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0062】
また上記実施形態では、本発明の車両用信号灯具をテールランプ及びストップランプとして機能する車両用信号灯具に適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、車両(四輪又は二輪)用リアコンビネーションランプに本発明の車両用信号灯具を適用してもよい。
【0063】
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0064】
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
10…車両用信号灯具、20…光源ユニット、21…光源、21a…テールランプ用光源、21b…ストップランプ用光源、22…電子部品群、23…基板、24…ヒートシンク、25…ソケットボディ、26…端子ベース、26a…端子、27…シール剤、28…熱伝導性接着剤、29…Oリング、30…導光棒、30A…導光板、31…一端部、31a…一端面(入光面)、32…他端部、32a…入光面、33…発光面、34…反射面、40…アウターレンズ、50…ハウジング、60…灯室、B1、B2…矩形、C1…湾曲部、H1…貫通穴