(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】非接触給電装置および非接触給電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/70 20160101AFI20241216BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20241216BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20241216BHJP
【FI】
H02J50/70
H02J50/90
H02J50/10
(21)【出願番号】P 2021049582
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】安保 豊和
(72)【発明者】
【氏名】岡田 行史
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-280801(JP,A)
【文献】特開2020-036389(JP,A)
【文献】特開2008-295274(JP,A)
【文献】特開2015-029387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0057365(US,A1)
【文献】特開2015-216489(JP,A)
【文献】登録実用新案第3020902(JP,U)
【文献】特開2015-139257(JP,A)
【文献】特開2004-32945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/70
H02J 50/90
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触トランスを用い、前記非接触トランスの二次側トランスを設けた回転体上に、前記非接触トランスを介して伝送された電力で回転駆動を行なう電動機を含む構造物を搭載する非接触給電装置において、
前記非接触トランスで発生する漏れ磁束の量と分布を検出する検出部と、
前記検出部で検出した漏れ磁束の量と分布に応じて前記非接触トランスの一次側トランスおよび二次側トランスの相対的な距離と傾きとを演算する演算部と、
前記演算部で算出した距離と傾きに応じて、前記一次側トランスおよび二次側トランスの少なくとも一方の姿勢位置を制御する制御部と、
を備える非接触給電装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記非接触トランスの一次側トランスを配置した側に設置する、
請求項1記載の非接触給電装置。
【請求項3】
前記回転体上で回転する前記構造物の回転軸の回転角度の情報と前記電動機の駆動軸の回転角度の情報とを検出する回転角検出部をさらに備え、
前記演算部は、前記構造物の回転軸の回転角度の情報と前記電動機の駆動軸の回転角度の情報との差から前記電動機の駆動軸で生じている塑性変形を推定する推定演算を実行し、
前記制御部は、前記算出した塑性変形に対応して前記一次側トランスおよび二次側トランスの少なくとも一方の姿勢位置を制御する、
請求項1または2記載の非接触給電装置。
【請求項4】
非接触トランスを用い、前記非接触トランスの二次側トランスを設けた回転体上に、前記非接触トランスを介して伝送された電力で回転駆動を行なう電動機を含む構造物を搭載する装置での非接触給電方法において、
前記非接触トランスで発生する漏れ磁束の量と分布を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出した漏れ磁束の量と分布に応じて前記非接触トランスの一次側トランスおよび二次側トランスの相対的な距離と傾きとを演算する演算工程と、
前記演算工程で算出した距離と傾きに応じて、前記一次側トランスおよび二次側トランスの少なくとも一方の姿勢位置を制御させる制御工程と、
を有する非接触給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、非接触給電装置および非接触給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触給電を行う装置として非接触トランスを使用する場合、特に大電力を給電する必要がある場合には、非接触トランスにも相応のサイズのものが必要となる。そして、大型の非接触トランスでは、一次側と二次側のトランス間の距離と傾きが変化することによって漏れ磁束が変化する。
【0003】
二次側トランスが重量のある構造物を載置した回転体である場合、当該構造物の回転に伴う揺動や、屋外であればさらに構造物が風などの外乱要因を受けることで、一次側と二次側のトランス間の距離と傾きが変動する事態が生じうる。
このような非接触トランスを用いた給電装置として、例えば回転体がアンテナを含む構造体である場合に、二次側トランス側は非接触給電による電力で回転駆動されるアンテナの駆動状態の解析精度を向上させるために、アンテナの駆動軸とアンテナ軸の各回転角度に対して時間方向にシフトさせる量の相関を推定して、より相関値が高くなるように制御する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非接触トランスで一時側と回転体の一部である二次側の各トランス間の距離と傾きが相対的に変化する場合、漏れ磁束が変化することは不可避となる。そして、この漏れ磁束の変化により誘起電圧が変動すると、伝送効率が低下する不具合を生じるものとなる。
【0006】
そこで、目的は、漏れ磁束の変化を最小限に抑えて電力の伝送効率を高い状態で維持することが可能な非接触給電装置および非接触給電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の非接触給電装置は、非接触トランスを用い、前記非接触トランスの二次側トランスを設けた回転体上に、前記非接触トランスを介して伝送された電力で回転駆動を行なう電動機を含む構造物を搭載する非接触給電装置において、前記非接触トランスで発生する漏れ磁束の量と分布を検出する検出部と、前記検出部で検出した漏れ磁束の量と分布に応じて前記非接触トランスの一次側トランスおよび二次側トランスの相対的な距離と傾きとを演算する演算部と、前記演算部で算出した距離と傾きに応じて、前記一次側トランスおよび二次側トランスの少なくとも一方の姿勢位置を制御する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る非接触給電装置の制御系の回路構成を示すブロック図。
【
図2】同実施形態に係る非接触トランスの概要構造を示す部分断面図。
【
図3】同実施形態に係る非接触トランスの相対位置を制御する処理内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照して、アンテナを含む回転体構造物に非接触で給電する非接触給電装置に適用した実施形態について説明する。
[構成]
図1は、一実施形態に係る非接触給電装置の制御系の回路構成を示すブロック図である。非接触給電装置は、制御装置10と、一次側位置制御機構18と、一次側トランス19と、駆動部21と、駆動軸22と、伝達軸23と、アンテナ軸24と、アンテナ25と、二次側位置制御機構26と、二次側トランス27と、検出コイル31とを備える。
【0010】
制御装置10は、第1検出部11と、第2検出部12と、記録部13と、演算部14ととを備える。演算部14は、回転角度演算部15と、制御姿勢演算部16と、出力部17とを備える。
【0011】
駆動部21は、二次側トランス27を介して伝送されてきた電力を平滑化した電力により回転駆動される、例えばサーボモータなどの電動機である。駆動軸22は、電動機の回転軸である。駆動軸22での回転が、伝達軸23を介してアンテナ軸24に伝達される。伝達軸23は、駆動軸22によりどのように回転駆動されても良く、特定の回転に限定されない。例えば、駆動軸22は、伝達軸23を周期的に回転させる。また、駆動軸22は、伝達軸23を間欠的に回転させても良い。また、駆動軸22は、正回転と逆回転とを交互に繰り返すように伝達軸23を回転させても良い。また、駆動軸22は、所定の目標物の位置に応じて伝達軸23を回転させても良い。また、駆動軸22や伝達軸23は、回転方向に応じて複数用いても良い。以下では、駆動軸22が予め定められた定周期で伝達軸23を一定方向に回転させるものとして説明する。
【0012】
駆動軸22は、伝達軸23とアンテナ軸24とを介して、アンテナ25のエレベーション(Elevetion:仰角)方向の姿勢を変更する。また、駆動軸22は、伝達軸23とアンテナ軸24とを介して、アンテナ25のアジマス(Azimuth:方位角)方向の姿勢を変更しても良い。以下では、駆動軸22は伝達軸23とアンテナ軸24を介して、アジマス方向にアンテナ25の姿勢を変更するものとして説明する。
【0013】
アンテナ軸24は、伝達軸23によって駆動される軸である。アンテナ25は、アンテナ軸24によってアジマス方向およびエレベーション方向の姿勢を変更する。
【0014】
アンテナ25は、アンテナ25の姿勢により定まる方向に、所定の周波数の電波を送信する。また、アンテナ25は、所定の目標物から反射された電波を受信する。
【0015】
第1検出部11は、駆動軸22の回転角度(以下「第1角度」と称する)を、予め定められた周期でサンプリングする。第1検出部11は、サンプリングによって検出した第1角度情報を記録部13に記録させる。
【0016】
第2検出部12は、第1検出部11が実行するサンプリングとは非同期に、アンテナ軸24の回転角度(以下「第2角度」と称する)を、予め定められた周期でサンプリングする。第2検出部12は、サンプリングによって検出した第2角度情報を記録部13に記録させる。
【0017】
検出コイル31は、非接触トランスを構成する一次側トランス19と二次側トランス27間の間隙の距離と傾きとによって変動する漏れ磁束を検出するためのコイルである。検出コイル31は、例えば一次側トランス19と二次側トランス27の外周近傍に沿って複数N個(例えばN=4)が均等に分散するように配置される。検出コイル31が検出した漏れ磁束情報は、第1検出部11および第2検出部12が実行するサンプリングとは非同期に、予め定められた周期でサンプリングされる。検出コイル31は、サンプリングによって検出した漏れ磁束情報を記録部13に記録させる。
【0018】
記録部13は、RAM(Random Access Memory)やレジスタ等の揮発性メモリでも良いし、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の不揮発性メモリでも良い。記録部13は、第1角度情報と、第2角度情報と、漏れ磁束情報とを記録する。記録部13は、CPU等のプロセッサを動作させるためのプログラムや各種固定データ等を記録しても良い。
【0019】
演算部14の回転角度演算部15と回転角度演算部15の一部または全部は、例えばCPU(Central Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサを含むハードウェア機能部で構成しても良い。
【0020】
回転角度演算部15は、第1角度情報と第2角度情報とを記録部13から読出して取得する。回転角度演算部15は、例えば第1角度情報を時間軸方向に複数のシフト量でシフトさせて、それぞれの相関を示す値、例えば相関係数をシフト量毎に算出する。回転角度演算部15は、第1角度情報と第2角度情報との相関係数を相対的に高くするシフト量を推定し、推定したシフト量に基づいて第1角度情報と第2角度情報を同期させる。回転角度演算部15は、同期した第1角度情報と第2角度情報を例えば周波数解析により解析し、アンテナ25の駆動状態を推定する。回転角度演算部15は、解析結果として駆動軸22の駆動状態の情報を駆動部21に出力して、駆動部21による駆動軸22の駆動状態を制御する。回転角度演算部15は、解析結果である駆動軸22の駆動状態の情報を制御姿勢演算部16へも出力する。
【0021】
制御姿勢演算部16は、漏れ磁束情報を記録部13から読出して取得する。制御姿勢演算部16は、時間軸に対応した漏れ磁束情報の量と分布から、非接触トランスを構成する一次側トランス19と二次側トランス27の間隙の相対的な距離と傾きとの変化を演算する。制御姿勢演算部16は、算出した一次側トランス19と二次側トランス27の間隙の相対的な距離と傾きとの変化に基づいて、漏れ磁束がより小さく、かつ変化する量が少なくなるように、一次側トランス19および二次側トランス27の少なくとも一方の位置を制御する情報を演算する。本実施形態では、制御姿勢演算部16は、一次側トランス19および二次側トランス27の双方に対して、その位置を制御するものとする。制御姿勢演算部16は、算出した一次側トランス19の位置制御情報を出力部17により一次側位置制御機構18へ出力させる。制御姿勢演算部16は、算出した二次側トランス27の位置制御情報を出力部17により二次側位置制御機構26へ出力させる。
【0022】
一次側位置制御機構18は、例えば一次側トランス19の傾きを制御する2機のモータと一次側トランス19の二次側トランス27に対する距離を制御する1機のモータの計3機のモータとそれらの各ドライバ回路、伝達機構および油圧アクチュエータなどの機構を含む。一次側位置制御機構18は、出力部17を介して制御姿勢演算部16から与えられる位置制御信号に基づいて、一次側トランス19の姿勢角度を変更させる。
【0023】
二次側位置制御機構26は、例えば二次側トランス27の傾きを制御する2機のモータと二次側トランス27の一次側トランス19に対する距離を制御する1機のモータの計3機のモータとそれらの各ドライバ回路、伝達機構および油圧アクチュエータなどの機構を含む。二次側位置制御機構26は、出力部17を介して制御姿勢演算部16から与えられる位置制御信号に基づいて、二次側トランス27の姿勢角度を変更させる。
【0024】
図2は、一次側トランス19と二次側トランス27である非接触トランスの基本構造を例示する部分断面図である。
図2では平板リング状の非接触トランスを例にとって基本構造を説明する。
【0025】
図中、下側の一次側トランス19において、断面コ字状の上方が開口となったリング状の上のケース19Aに対し、当該開口を覆うように平板状のキャップ19Bが配設される。ケース19Aおよびキャップ19Bで閉鎖されたリング状の空間内で、二次側トランス27寄りに同心円状の2本のコイル19C、19Dが配される。同空間内で、コイル19C、19D以外を充填してコイル19C、19Dの位置を固定するべく、フェライトコア19Eが配される。換言すると、ケース19Aおよびキャップ19Bで形成された空間内にフェライトコア19Eが配置され、フェライトコア19Eの上面側に形成された2条の同心リング形状の溝部に嵌合するように、コイル19C、19Dが配置される。
【0026】
一次側トランス19上に対向して設置される二次側トランス27は、一次側トランス19とその上下で対称となるように、ケース27A、キャップ27B、コイル27C、27D、およびフェライトコア27Eが配置される。
【0027】
二次側トランス27は、駆動部21、駆動軸22、伝達軸23、アンテナ軸24、およびアンテナ25を含んで回転する構造物の基部の一部を構成するため、一次側トランス19と二次側トランス27の間の間隙の距離、および一次側トランス19に対する二次側トランス27の傾きが変動する。
【0028】
本実施形態に係る非接触給電装置が、例えば回転体に搭載された構造物の一部をアンテナで構成するような機材を備えた移動車両である移動アンテナ車両と、この移動アンテナ車両の電源となる移動電源車両とで実現される場合を考える。その場合、移動アンテナ車両は、駆動部21、第2検出部12、伝達軸23、アンテナ軸24、アンテナ25、二次側位置制御機構26、および二次側トランス27を備える。
【0029】
一方の移動電源車両は、第1検出部11、第2検出部12、記録部13、演算部14、回転角度演算部15、制御姿勢演算部16、出力部17、一次側位置制御機構18、および一次側トランス19を備えられる。
【0030】
移動アンテナ車両では、荷台部のアンテナ回転部直下の下方が、二次側トランス27を上底面に露出するように配置した空間を有するものと考えられる。一方の移動電源車両は、当該空間に挿入して設置する端子ユニットの上面に、二次側トランス27と対向するように一次側トランス19を配置した構成となる。
【0031】
検出コイル31で検出する漏れ磁束情報を制御装置10に出力する情報伝達経路を考える。一次側トランス19や二次側トランス27の例えば外周近傍に複数の検出コイル31を配置することで、有線の信号線で情報を伝達でき、構成を簡略化できると共に、無線伝送時に生じるノイズの影響を回避できる点で有利となる。
【0032】
[動作]
図3は、非接触トランスを用いての給電動作中に、制御装置10の演算部14が繰り返し実行する一連の処理内容を説明するフローチャートである。
【0033】
その当初に制御姿勢演算部16が、記録部13から直近で記録された漏れ磁束情報を読出して取得する(ステップS101)。これと平行して回転角度演算部15が、記録部13から直近で記録された第1角度情報と第2角度情報とを読出して取得する(ステップS102)。
【0034】
回転角度演算部15は、例えば第1角度情報を時間軸方向に複数のシフト量でシフトさせて、それぞれの相関を示す相関係数をシフト量毎に算出する。回転角度演算部15は、第1角度情報と第2角度情報との相関係数を相対的に高くするシフト量を推定し、推定したシフト量に基づいて第1角度情報と第2角度情報を同期させる(ステップS103)。
【0035】
回転角度演算部15は、同期した第1角度情報と第2角度情報を解析によりアンテナ25の駆動状態を推定する。回転角度演算部15は、解析結果として駆動軸22の駆動状態の情報、具体的には駆動軸22の駆動電流を示す情報を駆動部21に出力して、駆動部21による駆動軸22の駆動状態を制御する。回転角度演算部15は、解析結果である駆動軸22の駆動状態の情報を制御姿勢演算部16へも出力する(ステップS104)。
【0036】
制御姿勢演算部16は、記録部13から取得した直近の漏れ磁束情報の時間軸に対応した量と分布から、一次側トランス19と二次側トランス27の間隙の距離と傾きにより両者の位置がどのように変化しているかを推定を示す情報を演算する(ステップS105)。
【0037】
制御姿勢演算部16は、算出した一次側トランス19と二次側トランス27の位置の変化を推定する情報に加えて、回転角度演算部15が駆動部21に出力した、駆動部21による駆動軸22の駆動状態を制御する情報も勘案する。制御姿勢演算部16は、統合的に非接触トランスで発生する漏れ磁束がより小さく、かつ変化する量が少なくなるように、一次側トランス19および二次側トランス27双方の位置を制御する情報を演算する(ステップS106)。
【0038】
制御姿勢演算部16は、算出した一次側トランス19の位置制御情報を出力部17により一次側位置制御機構18へ出力させる。制御姿勢演算部16は、算出した二次側トランス27の位置制御情報を出力部17により二次側位置制御機構26へ出力させる(ステップS107)。
【0039】
制御装置10の演算部14では、アンテナ25の運用を続けている間、ステップS101~S107の処理を繰り返し実行することで、非接触トランスで発生する漏れ磁束をより低く、かつ変化の少ないものとして、電力の伝送効率を高い状態で維持するよう制御を続行する。
【0040】
[実施形態の効果]
以上詳述した如く本実施形態によれば、漏れ磁束の変化を最小限に抑え、電力の伝送効率を高い状態で維持することが可能となる。
ことが可能となる。
【0041】
また、本実施形態においては、漏れ磁束による非接触トランスの一次側トランス19と二次側トランス27の位置推定だけでなく、駆動軸22の回転角とアンテナ軸24の回転角とにより回転量の差を求めて、駆動軸22で生じている物理的な塑性変形を推定する。そして、推定した結果に基づいて一次側トランス19、二次側トランス27の位置を一次側位置制御機構18、二次側位置制御機構26により制御させるものとした。これにより、駆動軸22とアンテナ軸24で発生する共振周波数のずれを抑制できる。
【0042】
なお、本実施形態では、二次側に設ける非接触の給電対象として、アンテナを含む回転体構造物である場合について説明したが、本発明は給電対象を制限するものではない。
【0043】
その他、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。こうした新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10…制御装置、11…第1検出部、12…第2検出部、13…記録部、
14…演算部、15…回転角度演算部、16…制御姿勢演算部、17…出力部、
18…一次側位置制御機構、19…一次側トランス、19A…ケース、
19B…キャップ、19C、19D…コイル、19E…フェライトコア、
21…駆動部、22…駆動軸、23…伝達軸、24…アンテナ軸、25…アンテナ、
26…二次側位置制御機構、27…二次側トランス、27A…ケース、
27B…キャップ、27C、27D…コイル、27E…フェライトコア、
31…検出コイル。