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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/16 147
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021073857
(22)【出願日】2021-04-26
(65)【公開番号】P2022168417
(43)【公開日】2022-11-08
【審査請求日】2024-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 雄一
(72)【発明者】
【氏名】黒須 友樹
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-165284(JP,A)
【文献】特開2011-095654(JP,A)
【文献】特開2005-031447(JP,A)
【文献】特開2001-267754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/00
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成装置において、
回転体を支持する支持フレームと、
駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記回転体に伝達する駆動ギヤと、前記駆動源を第一面で保持し、前記駆動ギヤを前記第一面と反対の第二面で回転可能に支持する第一支持部と、前記第一支持部と共に前記駆動ギヤを許容する空間を形成し、前記第一支持部と共に前記駆動ギヤを支持する第二支持部と、を有する駆動装置と、
前記駆動ギヤの回転軸線方向から見て前記第一支持部と重なるように配置された、電装基板を保持する基板保持部材と、
前記回転軸線方向において、前記第一支持部と前記基板保持部材との間に配置され、前記基板保持部材を支持する第三支持部であって、一端が前記第一支持部の前記第一面側に第一締結部材により固定され、他端が前記基板保持部材に第二締結部材により固定される第三支持部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第三支持部は、前記回転軸線方向から見て、前記基板保持部材を前記第二締結部材により固定した状態で前記第一締結部材にアクセスできないように、前記第一支持部の前記基板保持部材と重なる領域で前記第一締結部材により固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第三支持部は、前記第一支持部において前記駆動ギヤよりも重力方向の上方側で前記第一締結部材により固定されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記基板保持部材及び前記第三支持部の少なくともいずれか一方は、前記第二締結部材により固定されていない状態で、前記第三支持部に対し前記基板保持部材を一時的に仮保持させるために係止する係止部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動装置は、前記第二面が前記支持フレームと対向するように前記支持フレームに固定される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電装基板は、前記駆動源を制御する基板である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転体は、トナー像を担持して回転する感光ドラムである、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転体は、感光ドラムにトナー像を現像するためにトナーを担持して回転する現像スリーブである、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記回転体は、感光ドラムに形成されたトナー像を一次転写した中間転写ベルトから、記録材にトナー像を二次転写するニップ部を形成する二転ローラである、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機など、電子写真技術を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ、またそれらを一体的に組み合わせた複合機などの画像形成装置は回転体として、例えば感光ドラムや現像スリーブ、中間転写ベルトを回転させるための駆動ローラなどが装置本体に設けられている。そして、それら回転体を駆動するために、モータや駆動ギヤを集約した駆動装置が画像形成装置の後側板に取り付けられている。また、画像形成装置の小型化を図るため、例えば電力を供給する電源制御基板や画像形成動作に係る各種制御処理を行う主制御基板などの電装基板が、駆動装置に重ねて配設されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の装置のように、従来では、電装基板を駆動装置に重ねて配設すべく、電装基板が駆動伝達機構を支持する金属製の支持板の平坦部から切り起こされた突片に螺子により締結されている。それ故、支持板において突片の根元には貫通孔があいている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-102885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の突片には螺子を締結するための締結孔が形成されているが、突片に締結孔を形成したときの金属粉が削り粉として締結孔に残っていることがある。上述の特許文献1に記載の装置の場合、締結孔に螺子を挿入し締結する際に、螺子によって締結孔から押し出された金属粉が上記した支持板の貫通孔を通って駆動装置内に侵入し、駆動ギヤなどに付着し得る。金属粉が駆動ギヤに付着すると、駆動装置により駆動される回転体に回転変動が生じ、記録材に形成される画像に周期的な帯状の濃淡ムラ(バンディングなどと呼ぶ)などの画像不良が生じる虞がある。また、駆動ギヤに付着した異物が駆動ギヤに噛み込まれて、異音を生じさせる原因となる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、電装基板を螺子により駆動装置に重ねて配設する際に、螺子の締結に伴って生じる異物の駆動ギヤへの付着による画像不良や異音の発生を抑制可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成装置において、回転体を支持する支持フレームと、駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記回転体に伝達する駆動ギヤと、前記駆動源を第一面で保持し、前記駆動ギヤを前記第一面と反対の第二面で回転可能に支持する第一支持部と、前記第一支持部と共に前記駆動ギヤを許容する空間を形成し、前記第一支持部と共に前記駆動ギヤを支持する第二支持部と、を有する駆動装置と、前記駆動ギヤの回転軸線方向から見て前記第一支持部と重なるように配置された、電装基板を保持する基板保持部材と、前記回転軸線方向において、前記第一支持部と前記基板保持部材との間に配置され、前記基板保持部材を支持する第三支持部であって、一端が前記第一支持部の前記第一面側に第一締結部材により固定され、他端が前記基板保持部材に第二締結部材により固定される第三支持部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電装基板を締結部材により駆動装置に重ねて配設する際に、締結部材の締結に伴って生じる異物の駆動ギヤへの付着による画像不良や異音の発生を抑制することが簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の画像形成装置を示す概略図。
図2】画像形成装置の背面側を示す概略図。
図3】駆動装置を示す斜視図。
図4】駆動装置をメイン支持体側から見た図。
図5】駆動装置を示す分解斜視図。
図6】駆動装置をサブ支持体側から見た図。
図7】(a)駆動装置に配設された駆動制御基板を上方側から見た斜視図、(b)駆動装置に配設された駆動制御基板を下方側から見た斜視図。
図8】駆動制御基板の配設手順を説明するための図であり、(a)第一手順、(b)第二手順、(c)第三手順、(d)第四手順。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置について、図1及び図2を用いて説明する。図1に示す画像形成装置101は、中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成装置101は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する画像形成部PY、PM、PC、PKを有する。画像形成装置101は、鉛直方向において上方に設けられた原稿読取装置102あるいはパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)からの画像信号に応じて、トナー像を記録材Sに形成する。記録材Sとしては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。なお、本明細書においては、使用者が画像形成装置101を動作させるために、操作パネル(不図示)を操作する際に立つ側を「正面」と呼び、その反対側を「背面」と呼ぶ。
【0011】
図1に示す画像形成装置101では、画像形成部PY、PM、PC、PKが中間転写ベルト116の移動方向(矢印R2方向)に沿って並べて配設されている。中間転写ベルト116は、各画像形成部PY、PM、PC、PKの感光ドラム112Y、112M、112C、112Kから一次転写されたトナー像を担持して搬送する無端状のベルト部材である。中間転写ベルト116は、二次転写内ローラ116a、テンションローラ116b、二転前ローラ116c、張架ローラ116dの各回転体に張架されている。そして、後述する駆動装置90(図3参照)により回転駆動される二次転写内ローラ116a(回転体、二転ローラ)により、中間転写ベルト116は移動方向へと移動される。即ち、本実施形態では、二次転写内ローラ116aが中間転写ベルト116を駆動する駆動ローラを兼ねている。
【0012】
画像形成装置101は、上記の感光ドラム112Y~112Kや二次転写内ローラ116a、テンションローラ116b、二転前ローラ116c、張架ローラ116dなどのユニットを支持する支持枠体101Aを有している。支持枠体101Aは、画像形成装置101の正面側に設けられる前側板、背面側に設けられて前側板とともに各ユニットを支持する後側板、前側板と後側板とを連結するステイ、前側板を支持する支柱などの複数の板金などから構成されており、画像形成装置101の外観を構成する外装カバー(不図示)によって覆われている。
【0013】
二次転写内ローラ116aと中間転写ベルト116を挟むように、二次転写外ローラ117が配置され、中間転写ベルト116上のトナー像を記録材Sに転写する二次転写ニップ部T2を形成している。二次転写ニップ部T2では、二次転写内ローラ116aと二次転写外ローラ117とが回転して記録材Sが挟持搬送される。
【0014】
画像形成装置101の下方には、記録材Sが収容された1乃至複数のカセット131が配置されている。カセット131に収容されている記録材Sは、給送ローラ151により画像形成タイミングにあわせてカセット131から1枚ずつ搬送路60に供給される。記録材Sは搬送路60に配置されたレジストレーションローラ170へ搬送され、レジストレーションローラ170により斜行補正やタイミング補正が行われて、二次転写ニップ部T2へ向けて搬送される。カセット131は、支持枠体101Aに対してスライド移動可能に支持されている。ユーザは、画像形成装置101の正面側へカセット131を引き出すことで、カセット131に記録材Sを補充することが可能となっている。
【0015】
画像形成装置101が備える4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、各々が有する現像装置114で用いるトナーの色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、ここでは代表してイエローの画像形成部PYについて説明し、その他の画像形成部PM、PC、PKについては説明を省略する。
【0016】
画像形成部PYには、回転体の1つとして感光ドラム112Yが配設されている。感光ドラム112Yは、後述する駆動装置90(図3参照)により回転駆動される。感光ドラム112Yの周囲には帯電装置113、現像装置114、一次転写ローラ119が配置されている。
【0017】
画像形成動作が開始された場合、まず回転する感光ドラム112Yの表面が帯電装置113によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム112Yは、画像形成部PY~PKにて共用する露光装置110から発せられるレーザ光により走査露光される。これにより、感光ドラム112Y上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム112Y上の静電潜像が、現像装置114内のトナー(現像剤)によって現像され、感光ドラム112Yにトナー像が形成される。現像装置114は、現像容器内で現像剤を循環搬送する搬送スクリュー(不図示)や、現像剤を担持して回転することで感光ドラム112Yに現像剤を供給する現像スリーブ114a(回転体)などを有する。現像スリーブ114aは、後述する駆動装置90(図3参照)により駆動される。
【0018】
感光ドラム112Yに形成されたトナー像は、中間転写ベルト116を挟んで配置される一次転写ローラ119との間で形成される一次転写部にて、感光ドラム112Yから中間転写ベルト116へ一次転写される。この際に、回転する一次転写ローラ119には一次転写電圧が印加される。こうして中間転写ベルト116は、感光ドラム112Yから転写されたトナー像を担持して回転する。
【0019】
上記したような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部PY~PKで順次行うことで、中間転写ベルト116上にトナー像を形成し得る。例えば単色のトナー像を形成したり、4色のうちいくつかを適宜に重ね合わせて所望の色のトナー像を形成したりすることができる。こうしたトナー像の形成タイミングにあわせ、カセット131から供給された記録材Sがレジストレーションローラ170を介し二次転写ニップ部T2へ搬送される。そして、例えば二次転写外ローラ117に不図示の高圧電源によって二次転写電圧が印加されることにより、記録材Sが二次転写ニップ部T2を通過する際に、中間転写ベルト116上のトナー像が記録材Sに二次転写される。
【0020】
中間転写ベルト116からトナー像が転写された記録材Sは、定着装置120に搬送される。定着装置120では、記録材Sを挟持搬送しながら記録材Sに熱及び圧力を加えることにより、トナー像を記録材Sに定着させる。記録材Sの片面だけにトナー像を形成する片面印刷モードの場合、定着装置120によりトナー像が定着された記録材Sは記録材排出部123へ排出される。他方、記録材Sの両面にトナー像を形成する両面印刷モードの場合、定着装置120によりトナー像が一方の面に定着された後、記録材Sはスイッチバック搬送により表裏反転されて、両面搬送路61を通ってレジストレーションローラ170へ向け搬送される。以後、記録材Sは片面印刷モードの場合と同様の過程を経て、定着装置120により他方の面にもトナー像が形成され、その後、記録材排出部123へ排出される。
【0021】
本実施形態の場合、上記した中間転写ベルト116、二次転写内ローラ116a、テンションローラ116b、二転前ローラ116c、張架ローラ116d、複数の一次転写ローラ119は中間転写ユニット300を形成している。
【0022】
なお、画像形成装置101はマルチカラーの画像を形成できるだけでなく、画像形成部PKのみを用いてブラック単色の画像を形成することも可能である。ブラック単色の画像を形成する場合には、後述する駆動装置90(図3参照)に駆動される一次転写ローラ離間機構(不図示)によって、ブラック以外の一次転写ローラ119が中間転写ベルト116から離間される。
【0023】
図2は、本実施形態の画像形成装置101の背面側を示す概略図である。画像形成装置101には、正面側に使用者が操作しやすいように操作パネル(不図示)が配設され、背面側に駆動装置90が配設されている。本実施形態の場合、駆動装置90は、上記の図1に示した感光ドラム112、二次転写内ローラ116a、一次転写ローラ離間機構(不図示)、現像装置114(詳しくは現像スリーブ114a)を駆動することができる。駆動装置90は、後側板10に取り付けられている。
【0024】
また、画像形成装置101の背面側には、各種の電装基板(電装系ユニット)が配設されている。電装基板は、例えばCPUやメモリ、電子部品、電気部品、コネクタ等が実装された基板である。電装基板としては、例えばモータ等を駆動する駆動制御基板200、画像形成ジョブなどのプログラムの実行に応じて各種の制御信号(電気信号)を送受する主制御基板210、外部電源から電力供給を受けて電圧調整などを行う電源制御基板220などがある。主制御基板210は、駆動制御基板200や電源制御基板220などとワイヤーハーネス202により電気信号を送受可能に接続されている。なお、電装基板は上記したものに限られない。
【0025】
本実施形態では、画像形成装置101の小型化を図るべく、それら電装基板の少なくとも1つが駆動装置90と重ね合わされるように配設されている。図2に示した例では、駆動制御基板200が駆動装置90と重なるように駆動装置90に配設されている。こうした本実施形態における駆動装置90への電装基板の配設構成については後述する(図7(a)乃至図8(d)参照)。
【0026】
<駆動装置の概要>
上記の駆動装置90について、図1を参照しながら図3乃至図6を用いて説明する。なお、図3乃至図6では、説明を理解しやすくするために、後述する駆動装置90への電装基板の配設構成(図7(a)及び図7(b)参照)の一部又は全部について図示を省略している。
【0027】
駆動装置90は、例えば金属の薄板により形成される駆動支持部としてのメイン支持体20と、金属製のサブ支持体25(図5参照)とを有している。本実施形態では、駆動装置90が画像形成装置101の支持枠体101Aの内側ではなく、支持枠体101Aの外側に固定されている。ここで、支持枠体101Aの外側とは、上述した外装カバーによって覆われる側面のことである。したがって、駆動装置90は、画像形成装置101の外装カバーを取り外すことでアクセス可能となるため、支持枠体101Aの内側に固定される構成よりもメンテナンスがしやすい構成となっている。
【0028】
図3図4に示すように、駆動装置90は支持枠体101A(図1参照)の後側板10に取り付けられている。駆動装置90は、サブ支持体25を後側板10側にして、メイン支持体20の外周に形成された複数の固定部55a~55hを介して、螺子41により後側板10に固定される。固定部55a~55hには、本体締結用の螺子41を取り付けるための取付孔が形成されている。
【0029】
メイン支持体20には、図3に示すように、駆動ギヤ(図5参照)が配置されている駆動装置90内に外部から埃などの異物が侵入しないように、外周を囲むように外周壁15が後側板10に向かって立設されている。上記した固定部55a~55hは、外周壁15の先端が後側板10に当接して螺子41により後側板10に固定できるように、外周壁15の壁面に対しL字状に曲げられることにより形成されている。なお、板金の加工上、外周壁15を連続的に設ける構成が難しく開口が形成される場合は、シート材等で開口を塞いでもよい。
【0030】
そして、図3及び図4に示すように、メイン支持体20の第一面側には、後側板10に回転可能に支持された回転体を駆動するための駆動源として、複数のモータ(30CL、30K、30S、30Ga~30Gd)が保持されている。ここでは、イエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラム112Y、112M、112Cを駆動するための1個のモータ30CL、ブラックの感光ドラム112K及び二次転写内ローラ116aを駆動するための1個のモータ30Kが保持されている。また、上記した一次転写ローラ離間機構(不図示)を駆動するための1個のモータ30S、さらにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像装置114(詳しくは現像スリーブ114a)をそれぞれ個別に駆動するための4個のモータ30Ga、30Gb、30Gc、30Gdが保持されている。
【0031】
他方、メイン支持体20の上記した第一面と反対の第二面側には、図5に示すように、モータ(30CL、30K、30S、30Ga~30Gd、図4参照)の駆動力を、支持枠体101Aの回転体に伝達する駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)が設けられる。駆動ギヤ35CLa~35CLcは、モータ30CLの駆動力をイエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラム112Y、112M、112Cに伝達する。駆動ギヤ35Ka~35Keは、モータ30Kの駆動力をブラックの感光ドラム112K及び二次転写内ローラ216aに伝達する。また、駆動ギヤ35Sa~35Scはモータ30Sの駆動力を一次転写ローラ離間機構(不図示)に伝達し、駆動ギヤ35Ga~35Gdは4個のモータ30Ga~30Gdの駆動力をそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像装置114(詳しくは現像スリーブ114a)に伝達するために設けられている。これら駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)のギヤ歯面には、回転時の潤滑性あるいは静音性を確保するために、粘性のあるグリスが塗布されている。
【0032】
駆動ギヤ35CLa~35CLcはイエロー、マゼンタ、シアンの感光ドラム112Y~112Cに駆動を伝達するカップリングを有している。駆動ギヤ35Ka~35Keは、ブラックの感光ドラム112K及び二次転写内ローラ216aに駆動を伝達するカップリングを有している。これら各カップリングは、サブ支持体25の第二支持部25aに設けられた貫通孔から露出し、それぞれのユニットへ駆動力を伝達することが可能となっている。一方、駆動ギヤ35CLa~35CLc及び駆動ギヤ35Ka~35Keにおいて駆動を伝達する歯面を有する部分については、メイン支持体29とサブ支持体25とによって覆われる空間内に配置されている。駆動ギヤ35Ga~35Gdは、メイン支持体20とサブ支持体25とによって覆われる空間内に配置され、駆動ギヤ35Ga~35Gdから駆動力が伝達される他のギヤとこの他のギヤから駆動力が伝達されるカップリングをサブ支持体25の外側に設けることで、4つの現像装置114に駆動力を伝達する構成となっている。これらのカップリングは、支持枠体101Aの後側板10に設けられた貫通孔から支持枠体101Aの内側へ突出することで、支持枠体101Aによって支持される各ユニットへ駆動力を伝達することが可能となっている。
【0033】
メイン支持体20とサブ支持体25は、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)の回転軸線方向の両端部に配置され、それぞれが駆動ギヤの回転軸を回転可能に支持している。メイン支持体20は、駆動ギヤの回転軸の一端を支持する第一支持部20aを有し、サブ支持体25は駆動ギヤの回転軸の他端を支持する第二支持部25aを有している。本実施形態は、第一支持部20a及び第二支持部25aにおいて駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)を支持する面が同一平面であるが、第一支持部20a及び第二支持部25aのいずれか一方もしくは両方に凹凸や段差などがある構成であってもよい。
【0034】
これらメイン支持体20とサブ支持体25とは、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)を挟むように配置され連結されている。本実施形態の場合、メイン支持体20はサブ支持体25よりも面積が大きく、またサブ支持体25よりも剛性が高い。それ故、本実施形態では、メイン支持体20とサブ支持体25とを連結するために、サブ支持体25が螺子40(本体締結用の螺子41と区別する、図6参照)によってメイン支持体20に締結されるようにしている。サブ支持体25は、メイン支持体20に対し螺子40を締結する締結方向(挿入方向、図5の矢印X方向)の上流側に配置されている。
【0035】
メイン支持体20には、螺子40を締結するための面外締結孔560と面内締結孔570が第一支持部20aに形成されている。他方、サブ支持体25には、螺子40を挿入して取り付けるための面外取付部260a~260dと面内取付部270a~270cが形成されている。
【0036】
駆動装置90におけるメイン支持体20とサブ支持体25との螺子40による締結構成について、説明する。メイン支持体20の第一支持部20aには螺子40を締結するための面内締結孔570が形成され、サブ支持体25には螺子40を挿入して取り付けるための面内取付部270a~270cが形成されている。メイン支持体20の面内締結孔570は、第一支持部20aにおいて駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd、図5参照)の回転軸線方向にサブ支持体25の第二支持部25aを投影した投影面内に形成されている。第二支持部25aの投影面とは、第二支持部25aの駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)を支持している面の最も外側の縁を結んで表される外周を投影した投影面であり、図5及び図6において破線で示す領域である。
【0037】
一方、サブ支持体25の面内取付部270a~270cは、図5に示すように、投影面内において第一支持部20aに当接するように、第二支持部25aから螺子40の締結方向の下流側(第一支持部20a側)に向けて延設されている。そして、面内取付部270a~270cは、第一支持部20aに当接する当接部においてメイン支持体20の面内締結孔570と重なる位置に、螺子40を挿入して取り付けるための面内取付孔27が形成されている。これら面内取付部270a~270cは、第二支持部25aの一部が切り込まれメイン支持体20側(第一支持体側)に折り曲げられるようにして形成されている。
【0038】
本実施形態の場合、メイン支持体20は、サブ支持体25を支持枠体101A(図1参照)の後側板10(支持フレーム)に対向させた状態で後側板10に固定される。そして、メイン支持体20とサブ支持体25とが連結された状態では、面内締結孔570の締結方向下流側から螺子40の先端(詳しくは、ねじ部の先端)が突出する。ただし、本実施形態の場合、メイン支持体20とサブ支持体25とが連結された状態で、重力方向から見て、面内締結孔570の締結方向下流端(締結部裏側)が、第一支持部20aと第二支持部25aで挟まれた空間に重ならない位置にある。即ち、第一支持部20aと第二支持部25aの間に配置された各駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)と重ならない、駆動装置90の外側に位置している。
【0039】
また、本実施形態の場合、メイン支持体20には、図6に示すようにして、第一支持部20aの投影面外に螺子40を締結するための面外締結孔560が形成されている。他方、サブ支持体25には、投影面外において第一支持部20aに当接するように、第二支持部25aから螺子40の締結方向の下流側(第一支持部20a側)に向けて面外取付部260a~260dが延設されている。面外取付部260a~260dには、螺子40を挿入して取り付けるための面外取付孔261が形成されている。即ち、本実施形態では、サブ支持体25をメイン支持体20に対し、より強固に固定するために、面内取付部270a~270cとは別の箇所に設けられた面外取付部260a~260dでも固定できるようにしている。これら面外取付部260a~260d及び面内取付部270a~270cは、メイン支持体20の第一支持部20aに当接するように、第一支持部20aの外周よりも内側に配置される。
【0040】
<駆動装置への制御基板の配設構成>
本実施形態では、上記した駆動装置90に電装基板(一例として駆動制御基板200)が重ねて配設される(図2参照)。そこで、本実施形態における駆動装置90への電装基板の配設構成について、駆動制御基板200を例に、図4図5を参照しながら図7(a)乃至図8(d)を用いて説明する。
【0041】
図7(a)及び図7(b)に示すように、駆動制御基板200は駆動装置90の背面側に配設される。一例として挙げた駆動制御基板200は、例えば駆動装置90のモータ(30CL、30K、30S、30Ga~30Gd、図4参照)、不図示のファンモータや搬送モータなどの動作を制御する基板である。駆動制御基板200は複数のコネクタ201を有し、コネクタ201に挿抜可能なワイヤーハーネス202を介して例えば主制御基板210(図2参照)や上記した各モータに接続されて、主制御基板210の制御に従って各モータの動作を制御する。コネクタ201は、ワイヤーハーネス202の挿抜の作業性の観点から、駆動制御基板200の実装面内において可能な限り分散して配置されている。こうすると、ワイヤーハーネス202同士の重なりあいが軽減され、ワイヤーハーネス202の挿抜の作業性が向上するので好ましい。
【0042】
ところで、駆動制御基板200を含め全ての電装基板(主制御基板210、電源制御基板220)のそれぞれに専用の設置スペースを設けると、画像形成装置101を大型化せざるを得ず、昨今の小型化の要望に反する。そこで、図7(a)及び図7(b)に示すように、複数の電装基板のうち少なくとも1つ(ここでは駆動制御基板200)を駆動装置90に重ねて配設することにより、画像形成装置101を大型化せずとも現状のスペースを考慮した電装基板の配設を実現できる。本実施形態では、駆動制御基板200が、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd、図5参照)の回転軸線方向(矢印Y方向)から見て駆動装置90に重なるように配設されている。
【0043】
なお、駆動装置90には駆動制御基板200以外の他の電装基板(主制御基板210、電源制御基板220)が配設されてもよいし、駆動装置90に複数の電装基板を配設できるスペースがあれば、複数の電装基板を駆動装置90に配設してもよい。その場合、駆動装置90の面積と複数の電装基板それぞれの面積を考慮して、電装基板を適宜に組み合わせて駆動装置90に配設してもよい。
【0044】
ただし、特には駆動装置90に設けられたモータ(30CL、30K、30S、30Ga~30Gd、図4参照)等を制御する駆動制御基板200が、駆動装置90に配設されるのが好ましい。即ち、駆動制御基板200には複数のモータ等を制御するために、他の電装基板に比較して数多くのワイヤーハーネス202が接続されるので、駆動制御基板200は支持枠体101Aの中段位置に配置される駆動装置90(図2参照)に配設されるのが好ましい。そうすると、数多くのワイヤーハーネス202の長さを短くすることができ、またそれらワイヤーハーネス202の配線処理を簡素化することができる。ワイヤーハーネス202を短くできれば、ワイヤーハーネス202を通じて送受される信号に対する外部ノイズによる影響を抑制できるし、またコストダウンを実現できる。
【0045】
本実施形態の場合、駆動制御基板200は、基板保持部材としての基板保持板203に予め組み付けられ保持された状態で駆動装置90に配設される。こうすると、駆動制御基板200は電装基板に比較して剛性の高い基板保持板203に保持された状態のままで駆動装置90に着脱されることから、作業者による着脱を容易にできる。また、着脱の際に用いる工具が駆動制御基板200に当たり難くなるので、着脱の際に工具が当たることによる駆動制御基板200の破損を抑制できる。なお、複数の電装基板を駆動装置90に配設する場合、それら複数の電装基板を1つの基板保持板203に保持させるのが好ましいが、複数の電装基板のそれぞれを別の基板保持板203に保持させてもよい。また、駆動制御基板200などの電装基板は、基板保持板203に着脱可能に保持されていてよい。
【0046】
そして、本実施形態では、基板保持板203を駆動装置90に螺子により取り付けるために、メイン支持体20に複数の保持板締結部204a、204b、204c、204d、204eが形成されている(図4図7(a)、図7(b)参照)。作業者が基板保持板203を着脱し易いように、保持板締結部204a~204eは基板保持板203に重ならない基板保持板203の外側に形成されている(図8(d)参照)。
【0047】
ところで、駆動制御基板200が駆動装置90に重ねて配設される場合、モータ(30CL、30K、30S、30Ga~30Gd、図4参照)などに接触しないように間隔をあける必要がある。従来では、既に述べている通り、第一支持部20aの一部が切り込まれ基板保持板203側に折り曲げられることにより、第一支持部20aから基板保持板203に向けて突出する突片が形成されていた。この場合には、第一支持部20aにおいて突片の根元に貫通孔が形成される。そのため、突片に形成された締結孔に螺子を挿入し基板保持板203を締結する際に、螺子によって締結孔から押し出された金属粉が貫通孔を通って駆動装置90内に侵入して、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd、図5参照)などに付着し得る。駆動ギヤに付着した金属粉は、記録材に形成される画像に濃淡ムラなどの画像不良や異音を生じさせる原因となるので好ましくない。
【0048】
この点に鑑み、本実施形態では、図7(a)に示すように、駆動ギヤよりも重力方向の上方側の保持板締結部204a~204cにおいては、駆動装置90と基板保持板203とを複数(ここでは3つ)の支柱205を介して取り付けるようにしている。支持部材としての支柱205は、駆動装置90と基板保持板203とは独立して設けられた別体の部材であり、上記の保持板締結部204a~204cの位置において、駆動装置90(詳しくは第一支持部20a)と基板保持板203との間に挟まれている。それぞれの支柱205は、一端が上記の保持板締結部204a~204cに第一締結部材としての螺子45によって固定される(図7(a)参照)。そして、支柱205は、他端が基板保持板203の固定部207a~207cに第二締結部材としての螺子46(図8(d)参照)によって固定される。こうした別体の支柱205を設けることで、上方側の保持板締結部204a~204cにおいては、第一支持部20aに従来のような貫通孔が形成されることなく、基板保持板203をメイン支持体20に固定できる。
【0049】
他方、図7(b)に示すように、駆動ギヤよりも重力方向の下方側の保持板締結部204d、204eは、メイン支持体20の下面111c(言い換えれば、メイン支持体20における下面側の外周壁15)の一部が切り込まれ基板保持板203側に折り曲げられることにより形成されている。そして、基板保持板203には、保持板締結部204d、204eに向けて突出し螺子により固定するための固定部207d、207eが設けられている。保持板締結部204d、204eを形成すると、下面111cには貫通孔111dが形成されるが、下面111cからは貫通孔111dが形成されていても、重力方向において保持板締結部204d、204eが駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd、図5参照)よりも下側に位置する。したがって、貫通孔111dから異物(金属粉)が駆動装置90内に侵入する虞がない。そのため、保持板締結部204d、204eにおいては、上記した支柱205を用いることなく、基板保持板203をメイン支持体20に螺子により固定できるようにしている。
【0050】
なお、上記のようにメイン支持体20に貫通孔をあけることなしに、基板保持板203とメイン支持体20とを固定箇所すべてで支柱205を用いて固定するようにしてもよい。しかし、上記したように貫通孔から異物が駆動装置90内に侵入する虞がなければ、上記したような保持板締結部204d、204eを形成して、支柱205を用いずに固定できるようにした方が、部品点数の削減によるコスト低減が見込める利点がある。
【0051】
また、図7(a)及び図7(b)に示すように、基板保持板203には支柱205に引っ掛けて、基板保持板203を支柱205に一時的に仮保持させるための係止部240が設けられていてよい。あるいは、支柱205に係止部240が設けられていてもよい。これにより、メンテナンスなどの作業時に、作業者が基板保持板203を支柱205に締結する際に、基板保持板203を仮保持できるため、作業性が向上する。なお、基板保持板203が支柱205に螺子46により固定された状態では、作業者が支柱205とメイン支持体20とを固定する螺子45にアクセスできないように、基板保持板203はメイン支持体20の基板保持板203と重なる領域で螺子45により固定されている。つまり、作業者は支柱205から基板保持板203を先に取り外さないと、メイン支持体20から支柱205を取り外すことができないようにしている。こうすると、作業者がメンテナンスなどの作業時に、誤ってメイン支持体20から支柱205を取り外すことがないので、螺子の締結に伴う金属粉が生じず、金属粉が駆動装置90内に侵入することがない。
【0052】
<配設手順>
次に、駆動装置90への駆動制御基板200(詳しくは基板保持板203)の配設手順について、図8(a)乃至図8(d)を用いて順を追って説明する。なお、図8(a)乃至図8(d)では、説明を理解しやすくするために、螺子やモータ30Sなどの一部について図示を省略した。
【0053】
まず、図8(a)に示すように、第一手順として、サブ支持体25が取り付けられる前のメイン支持体20に対して、モータ(30CL、30K、30Ga~30Gd)と支柱205が第一支持部20aに固定される。このとき、支柱205は、一端側が上記した保持板締結部204a~204cに螺子により締結される。そして、図8(b)に示すように、第二手順として、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Ga~35Gd)が第一支持部20aにおいて上記モータと支柱205を締結した一面側と反対の二面側に取り付けられる。こうして、駆動ギヤを取り付けるより先に、モータと支柱205を螺子により締結するので、その際に金属粉が生じたとしても、駆動ギヤに付着することがない。
【0054】
それから、図8(c)に示すように、第三手順として、サブ支持体25がメイン支持体20に螺子を用いて締結される。ここで、上述したように、本実施形態の場合、メイン支持体20とサブ支持体25とが連結された状態では、面内締結孔570の締結方向下流側から螺子の先端が突出するようにしている。そのため、螺子による締結に伴い金属粉が生じたとしても、その金属粉は駆動装置90の外部へ押し出されるので、駆動ギヤに付着しない。
【0055】
次に、図8(d)に示すように、第四手順として、駆動制御基板200が基板保持板203に保持された状態で駆動装置90に取り付けられる。基板保持板203は支柱205の他端側に固定部207a~207cを介して螺子により締結されると共に、保持板締結部204d、204eに固定部207d、207eを介して螺子により締結される。このように、基板保持板203は上方側においてメイン支持体20とは別に用意された別体の支柱205を用いて締結され、下方側においてメイン支持体20を切り欠いて形成された保持板締結部204d、204eに締結される。
【0056】
以上のように、駆動装置90に電装基板を重ねて配設する場合に、電装基板を保持した基板保持板203がメイン支持体20とは別に用意された別体の支柱205を用いて螺子により締結される。本実施形態では、別体の支柱205を用いて、これに基板保持板203を螺子により締結することで、駆動ギヤ(35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd)を取り付ける前に支柱205を取り付けることができる。これにより、基板保持板203を駆動装置90に締結する際に、駆動ギヤを支持する第一支持部20aに対して螺子を直接締結する必要がない。また、従来のようなメイン支持体20から基板保持板203側に向けて切り起こした突片に螺子により締結する必要がない。それ故、螺子により基板保持板203を締結することに伴い例え金属粉が生じたとしても、メイン支持体20において基板保持板203を締結する箇所の近傍に貫通孔があいていないがため、金属粉が駆動装置90の内部に侵入することがない。したがって、螺子による締結に伴い生じる金属粉は駆動ギヤに付着し得ず、記録材に形成される画像に濃淡ムラなどの画像不良や異音は生じない。
【0057】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態では、支柱205を基板保持板203に対して螺子により締結する構成を例に説明したが、これに限らない。例えば、支柱205が基板保持板203と別体であれば、基板保持板203に対して支柱205を溶接によって固定する構成であってもよい。このような構成であっても、支柱205を基板保持板203に対して別体であるため、金属粉が駆動装置90の内部に侵入することがない。したがって、螺子による締結に伴い生じる金属粉は駆動ギヤに付着し得ず、記録材に形成される画像に濃淡ムラなどの画像不良や異音は生じない。
【0058】
なお、上述した実施形態では、各色の感光ドラム112Y~112Kから中間転写ベルト116にトナー像を一次転写した後に、中間転写ベルト116から記録材Sにトナー像を二次転写する中間転写方式の画像形成装置101を例に説明したがこれに限らない。上述した実施形態は、トナー像を担持して回転する各色の感光ドラム112Y~112Kから記録材Sにトナー像を直接転写する直接転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10…支持フレーム(後側板)、20…駆動支持部(メイン支持体)、30CL、30K、30S、30Ga~30Gd…駆動源(モータ)、35CLa~35CLc、35Ka~35Ke、35Sa~35Sc、35Ga~35Gd…駆動ギヤ、45…第一締結部材(螺子)、46…第二締結部材(螺子)、90…駆動装置、101…画像形成装置、112…回転体(感光ドラム)、114a…回転体(現像スリーブ)、116a…回転体(二転ローラ、二次転写内ローラ)、200…電装基板(駆動制御基板)、203…基板保持部材(基板保持板)、205…支持部材(支柱)、240…係止部、S…記録材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8