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特許7604334コンクリート締固め管理システム、及びコンクリート締固め管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】コンクリート締固め管理システム、及びコンクリート締固め管理方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/06 20060101AFI20241216BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20241216BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20241216BHJP
【FI】
E04G21/06 ESW
G01H17/00 Z
G01M99/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021116157
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2023012625
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】508036743
【氏名又は名称】株式会社横河ブリッジ
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】結城 洋一
(72)【発明者】
【氏名】笹嶋 純司
【審査官】眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-322812(JP,A)
【文献】特開2021-71354(JP,A)
【文献】特開2016-121499(JP,A)
【文献】特開2019-124110(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111305576(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108952173(CN,A)
【文献】特開2014-218852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/00 - 21/10
G01H 1/00 - 17/00
G01M 13/00 - 13/045
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動バイブレータによるコンクリートの締固め状況を管理するシステムであって、
前記振動バイブレータに装着され、測定可能な周波数が該振動バイブレータの周波数の2倍未満である振動センサと、
前記振動センサによって得られるエイリアシングが生じた疑似波形に対して高速フーリエ変換を実行し、該疑似波形の疑似周波数と疑似振幅を算出する振動特性算出手段と、
前記疑似周波数とあらかじめ定めた周波数閾値とを照らし合わせ、及び/又は前記疑似振幅とあらかじめ定めた振幅閾値とを照らし合わせ、前記振動バイブレータの状況を判定する状況判定手段と、を備え、
前記状況判定手段は、前記疑似周波数が前記周波数閾値を下回り及び/又は前記疑似振幅が前記振幅閾値を下回るときに該振動バイブレータがコンクリート内にある作動状況と判定し、該疑似周波数が該周波数閾値を上回り及び/又は該疑似振幅が該振幅閾値を上回るときに該振動バイブレータが気中にある移設状況と判定する、
ことを特徴とするコンクリート締固め管理システム。
【請求項2】
前記振動特性算出手段は、定期的に前記疑似周波数と前記疑似振幅を算出するとともに、前記状況判定手段は、定期的に前記振動バイブレータの状況を判定し、
前記状況判定手段は、前記疑似周波数が前記周波数閾値を下回りかつ前記疑似振幅が前記振幅閾値を下回るときに前記作動状況と判定し、該疑似周波数が該周波数閾値を上回りかつ該疑似振幅が該振幅閾値を上回るときに前記移設状況と判定し、
さらに前記状況判定手段は、前記疑似周波数が前記周波数閾値を下回りかつ前記疑似振幅が前記振幅閾値を上回るとの判定があらかじめ定めた所定回数のうち一定回数だけ出力されたときに前記作動状況と判定し、前記疑似周波数が前記周波数閾値を上回りかつ前記疑似振幅が前記振幅閾値を下回るとの判定があらかじめ定めた所定回数のうち一定回数だけ出力されたときに前記移設状況と判定する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート締固め管理システム。
【請求項3】
前記状況判定手段は、前記疑似周波数とあらかじめ定めた停止周波数閾値とを照らし合わせ、及び/又は前記疑似振幅とあらかじめ定めた停止振幅閾値とを照らし合わせ、
さらに前記状況判定手段は、前記疑似周波数が前記停止周波数閾値を下回り及び/又は前記疑似振幅が前記停止振幅閾値を下回るときに前記振動バイブレータが停止したと判定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート締固め管理システム。
【請求項4】
前記振動センサよりも上方で、前記振動バイブレータを操作する作業者又は該振動バイブレータに装着され、距離を計測し得る測距手段を、さらに備え、
前記測距手段は、コンクリート表面までの第1距離を計測するとともに、前記振動センサまでの第2距離を計測し、
前記状況判定手段は、前記振動センサから前記振動バイブレータまでの第3距離と前記第2距離との和が前記第1距離よりも長く、かつ前記周波数閾値及び/又は前記疑似振幅に基づく判定が前記作動状況であるときに、該作動状況と判定し、
さらに前記状況判定手段は、前記第3距離と前記第2距離との和が前記第1距離よりも短く、かつ前記周波数閾値及び/又は前記疑似振幅に基づく判定が前記移設状況であるときに、該移設状況と判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート締固め管理システム。
【請求項5】
時刻とともに前記振動バイブレータの位置を計測し得る測位手段と、
コンクリートの計画範囲を小領域で区分した作業状況図を表示する表示手段と、
前記小領域における締固め作業が完了したと判断する完了判断手段と、をさらに備え、
前記完了判断手段は、前記測位手段が計測した前記振動バイブレータの位置と時刻に基づいて前記小領域における該振動バイブレータの滞在時間を算出するとともに、前記状況判定手段による前記作動状況の判定が該滞在時間中にあらかじめ定めた作業時間閾値だけ継続するときに該小領域における締固め作業が完了したと判断し、
前記表示手段は、締固め作業が完了したと判断された完了小領域と、締固め作業が完了したと判断されていない未完小領域と、を区別した前記作業状況図を表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート締固め管理システム。
【請求項6】
2以上の前記振動バイブレータによってコンクリートの締固めが行われ、それぞれの該振動バイブレータに前記振動センサが装着され、
前記測位手段は、それぞれの前記振動バイブレータの位置を計測し、
前記完了判断手段は、それぞれの前記振動バイブレータに係る前記小領域に対して判断し、
前記表示手段は、2以上の前記振動バイブレータに基づいて判断された前記完了小領域と前記未完小領域とを区別した前記作業状況図を表示する、
ことを特徴とする請求項5記載のコンクリート締固め管理システム。
【請求項7】
振動バイブレータによるコンクリートの締固め状況を管理する方法であって、
前記振動バイブレータに装着され、測定可能な周波数が該振動バイブレータの周波数の2倍未満である振動センサによって、該振動バイブレータの振動を測定する測定工程と、
前記振動センサによって得られるエイリアシングが生じた疑似波形に対して高速フーリエ変換を実行し、該疑似波形の疑似周波数と疑似振幅を算出する振動特性算出工程と、
前記疑似周波数とあらかじめ定めた周波数閾値とを照らし合わせ、及び/又は前記疑似振幅とあらかじめ定めた振幅閾値とを照らし合わせ、前記振動バイブレータの状況を判定する状況判定工程と、を備え、
前記状況判定工程では、前記疑似周波数が前記周波数閾値を下回り及び/又は前記疑似振幅が前記振幅閾値を下回るときに該振動バイブレータがコンクリート内にある作動状況と判定し、該疑似周波数が該周波数閾値を上回り及び/又は該疑似振幅が該振幅閾値を上回るときに該振動バイブレータが気中にある移設状況と判定する、
ことを特徴とするコンクリート締固め管理方法。
【請求項8】
気中で振動する前記振動バイブレータの振動を前記振動センサによって測定するとともに、前記周波数閾値及び/又は振幅閾値を定めるキャリブレーション工程を、さらに備え、
前記キャリブレーション工程では、前記振動センサによって得られる前記疑似周波数及び/又は前記疑似振幅を統計処理することによって前記周波数閾値及び/又は振幅閾値を定める、
ことを特徴とする請求項7記載のコンクリート締固め管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリートの締固めに関する技術であり、より具体的には、振動センサから得られる情報に基づいて締固め作業の状況を判定することができるコンクリート締固め管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁の上部工や下部工、トンネルの覆工、ダムの堤体、擁壁、あるいはオフィスビルなど様々な構造物がコンクリートによって構築される。そしてこれらコンクリート構造物は、概ね次のような工程を経て施工される。すなわち、鉄筋を組んで型枠を設置し、次に型枠内にコンクリートを打ち込み、その後コンクリートを所定の期間で養生し、コンクリートが十分硬化すると型枠を外してコンクリート構造物を完成させる。
【0003】
コンクリートを型枠内に投入するには、トラックミキサーからシュートを介して流し込んだり、コンクリートポンプ車によって圧送し、ホースから吐出させたり、場合によっては作業者がスコップではねるなど、種々の方法が用いられている。コンクリートは、セメント、水、骨材など複数の材料からなり、型枠内に投入されただけでは材料分離(特に骨材の分離)を生じるおそれがあるため、型枠内に打ち込まれたコンクリートに対して振動機(例えば、振動バイブレータ)による攪拌(締固め)を行うのが一般的である。また、一般的に使用されるコンクリートには自己流動性がないので、コンクリートを型枠の隅々に行き渡らせるためにも振動機は利用されている。
【0004】
例えば、橋梁の床版コンクリートの締固め作業は、50cm程度の間隔で振動バイブレータを挿入していき、1個所当たりの振動時間は10~15秒程度が望ましいとされている。コンクリートの締固めが不十分であれば、コンクリート表面に材料が分離した状態(通称、ジャンカ)や、一部未充填による凹み箇所が現れることもあり、その結果、完成したコンクリート構造物が設計上期待していた強度等を発揮せず、外力による変状やひび割れなどが生じるおそれもある。
【0005】
ところで、従来のコンクリートの締固め作業は、作業者の経験や感覚に委ねられることが多く、したがって所々で不十分な締固め箇所が生じたとしても、それを把握することは困難であった。例えば、作業者自身は振動バイブレータで10秒間程度の振動をコンクリートに与えたつもりでも、実際には10秒未満となることもあり得る。管理者などが監視して指摘することも考えられるが、通常、締固め作業は複数の作業者によって行われるため第三者による監視も現実的とは言えない。
【0006】
そこで、作業者の経験や感覚によるいわば定性的な判断ではなく、何らかの現象を測定した結果に基づくいわば定量的な判断を可能とする技術が望まれていた。実際、これまでにもこの定量的判断に関する種々の技術が提案されており、例えば特許文献1ではバイブレータの振動を検出し、その検出結果を利用してコンクリートの締固め完了を判定する技術について提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-198933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示される技術は、3軸加速度計を有するコンクリート締固め判定装置をコンクリートに差し込み、この3軸加速度計が検知した振動バイブレータの3軸方向の振動に基づいてコンクリートの締固め完了を判定するものである。この技術によれば、作業者の経験や感覚に頼ることなく定量的に締固め完了を判定することができるが、コンクリート締固め判定装置は振動バイブレータとは異なる位置に配置されることから、必ずしも振動バイブレータの位置における締固めの程度を判定するものではない。そのため、従来技術と同様、所々で不十分な締固め箇所が生じたとしてもそれを把握することは難しい。
【0009】
ところで、コンクリートの締固め作業を行う際、ある個所を十分振動すると、振動バイブレータを一旦抜き取り、次の場所に移動して再びコンクリート内に挿入する。つまり、締固め作業中の振動バイブレータは、コンクリート内か気中のいずれかの状況にあり、そして通常はいずれの状況にあっても継続して振動している。つまり、振動バイブレータがコンクリート内にある状況、あるいは気中にある状況を判別することができれば、すなわちコンクリート振動中か否かを判別することができ、これにより振動バイブレータの位置におけるコンクリートの締固めの状況を判定することも可能となる。
【0010】
振動バイブレータの状況(コンクリート内あるいは気中)を判別するには振動バイブレータの振動を利用することが考えられる。すなわち、振動センサ(例えば、加速度センサ)を用いて振動バイブレータの振動(信号)を取得し、その振動を分析することによって振動バイブレータの状況を判別するわけである。ここで、振動センサによってサンプリングされた信号に基づいて生成(再現)することができる波形は、そのサンプリング周波数の1/2の周波数(ナイキスト周波数)までの波形であることが知られている。そして、一般的な振動バイブレータ(例えば、高周波バイブレータ)の周波数は200~250Hzである。すなわち、振動バイブレータの振動波形を生成するためには、その2倍以上の周波数(つまり、400~500Hz以上)でサンプリングすることができる振動センサを用意しなければならない。しかしながら、このように高い周波数でのサンプリングが可能である振動センサは高価であり、何よりサンプリング数が膨大であるためそのデータ処理に係る時間が増大し、しかも演算処理能力が高い計算機(コンピュータ)を必要とし計算コストが嵩むこととなる。
【0011】
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、高周波数でのサンプリングが可能な振動センサを用意することなく、振動バイブレータの状況を判定することができるコンクリート締固め管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、比較的低周波でサンプリングする振動センサを用い、この振動センサによって得られるエイリアシングが生じた「疑似波形」を積極的に利用して、振動バイブレータの状況(コンクリート内あるいは気中)を判定する、という点に着目してなされたものであり、従来にはない発想に基づいて行われた発明である。
【0013】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、振動バイブレータによるコンクリートの締固め状況を管理するシステムであって振動センサと振動特性算出手段、状況判定手段を備えたものである。このうち振動センサは、測定可能な周波数が振動バイブレータの周波数の2倍未満であり、振動バイブレータに装着される。振動特性算出手段は、振動センサによって得られる疑似波形(エイリアシングが生じた波形)に対して高速フーリエ変換を実行し、疑似波形の疑似周波数と疑似振幅を算出する手段である。状況判定手段は、疑似周波数とあらかじめ定めた周波数閾値とを照らし合わせ(あるいは疑似振幅とあらかじめ定めた振幅閾値とを照らし合わせ)ることで、振動バイブレータの状況を判定する手段である。なお、状況判定手段は、疑似周波数が周波数閾値を下回る(あるいは疑似振幅が振幅閾値を下回る)ときに振動バイブレータがコンクリート内にある「作動状況」と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回る(あるいは疑似振幅が振幅閾値を上回る)ときに振動バイブレータが気中にある「移設状況」と判定する。
【0014】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、定期的に振動特性算出手段が疑似周波数と疑似振幅を算出するとともに、定期的に状況判定手段が振動バイブレータの状況を判定するものとすることもできる。この場合、状況判定手段は、疑似周波数が周波数閾値を下回りかつ疑似振幅が振幅閾値を下回るときに作動状況と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回りかつ疑似振幅が振幅閾値を上回るときに移設状況と判定する。さらに状況判定手段は、疑似周波数が周波数閾値を下回りかつ疑似振幅が振幅閾値を上回るとの判定があらかじめ定めた所定回数のうち一定回数(例えば、5回中に3回以上や、2回中2回とも等)だけ出力されたときに作動状況と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回りかつ疑似振幅が振幅閾値を下回るとの判定があらかじめ定めた所定回数のうち一定回数だけ出力されたときに移設状況と判定する。
【0015】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、振動バイブレータの停止を判定するものとすることもできる。この場合、状況判定手段は、疑似周波数とあらかじめ定めた停止周波数閾値とを照らし合わせ(あるいは疑似振幅とあらかじめ定めた停止振幅閾値とを照らし合わせ)、疑似周波数が停止周波数閾値を下回る(あるいは疑似振幅が停止振幅閾値を下回る)ときに振動バイブレータが停止したと判定する。
【0016】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、測距手段をさらに備えたものとすることもできる。この測距手段は、距離を計測することができるものであり、振動センサよりも上方で振動バイブレータを操作する作業者(あるいは振動バイブレータ)に装着される。また測距手段は、コンクリート表面までの第1距離を計測するとともに、振動センサまでの第2距離を計測する。この場合、状況判定手段は、第3距離(あらかじめ把握された振動センサから振動バイブレータまでの距離)と第2距離との和が第1距離よりも長く、かつ周波数閾値や疑似振幅に基づく判定が作動状況であるときに、作動状況と判定し、第3距離と第2距離との和が第1距離よりも短く、かつ周波数閾値や疑似振幅に基づく判定が移設状況であるときに、移設状況と判定する。
【0017】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、測位手段と表示手段、完了判断手段をさらに備えたものとすることもできる。この測位手段は、時刻とともに振動バイブレータの位置を計測し得るものであり、表示手段は、コンクリートの計画範囲を小領域で区分した作業状況図を表示するものであり、また完了判断手段は、小領域における締固め作業が完了したと判断する手段である。なお完了判断手段は、測位手段が計測した振動バイブレータの位置と時刻に基づいて小領域における振動バイブレータの滞在時間を算出するとともに、状況判定手段による作動状況の判定が滞在時間中にあらかじめ定めた作業時間閾値だけ継続するときに小領域における締固め作業が完了したと判断する。そして表示手段は、締固め作業が完了したと判断された「完了小領域」と、締固め作業が完了したと判断されていない「未完小領域」を区別した作業状況図を表示する。
【0018】
本願発明のコンクリート締固め管理システムは、2以上の振動バイブレータによってコンクリートの締固めが行われ、それぞれの振動バイブレータに記振動センサが装着されたものとすることもできる。この場合、測位手段は、それぞれの振動バイブレータの位置を計測し、完了判断手段は、それぞれの振動バイブレータに係る小領域に対して判断する。そして、表示手段は、2以上の振動バイブレータに基づいて判断された完了小領域と未完小領域を区別した作業状況図を表示する。
【0019】
本願発明のコンクリート締固め管理方法は、振動バイブレータによるコンクリートの締固め状況を管理する方法であって、測定工程と振動特性算出工程、状況判定工程を備えた方法である。このうち測定工程では、本願発明のコンクリート締固め管理システムが具備する振動センサによって振動バイブレータの振動信号を測定し、振動特性算出工程では、疑似波形に対して高速フーリエ変換を実行して疑似波形の疑似周波数と疑似振幅を算出する。また状況判定工程では、疑似周波数と周波数閾値を照らし合わせ(あるいは疑似振幅と振幅閾値とを照らし合わせ)、振動バイブレータの状況を判定する。なお、状況判定工程では、疑似周波数が周波数閾値を下回る(あるいは疑似振幅が振幅閾値を下回る)ときに振動バイブレータがコンクリート内にある作動状況と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回る(あるいは疑似振幅が振幅閾値を上回る)ときに振動バイブレータが気中にある移設状況と判定する。
【0020】
本願発明のコンクリート締固め管理方法は、キャリブレーション工程をさらに備えた方法とすることもできる。このキャリブレーション工程では、気中で振動する振動バイブレータの振動信号を振動センサによって測定するとともに、その測定結果に基づいて周波数閾値や振幅閾値を定める。なお、キャリブレーション工程では、振動センサによって得られる疑似周波数や疑似振幅を統計処理することによって周波数閾値や振幅閾値を定める、
【発明の効果】
【0021】
本願発明のコンクリート締固め管理システム、及びコンクリート締固め管理方法には、次のような効果がある。
(1)作業者の経験や感覚に頼ることなく定量的に締固め完了を判定することができ、すなわち、熟練者に限らず多くの作業者に締固め作業を依頼することができる。
(2)高周波数でサンプリングする振動センサを用意する必要がないため、比較的低いコストで調達することができ、しかも適量のサンプリング数をデータ処理することから計算コストを抑制することができ、さらにスマートフォンのような携帯端末程度の低い演算処理能力でも演算することができる。
(3)振動バイブレータの現在位置における状況(作動状況/移設状況)を判定することができ、その結果、不十分な締固め箇所が生じた個所を管理者等が指摘することもできる。特に、表示手段に作業状況図を表示することで、締固め漏れの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ナイキスト周波数の2倍以上の入力信号を測定して生成した波形と実際の波形を示すグラフ図。
図2】入力周波数と疑似周波数、ナイキスト周波数の関係を模式的に示すモデル図。
図3】図中の計算式によって得られた入力周波数と疑似周波数からなる座標をプロットしたグラフ図。
図4】実際の測定と解析による再現それぞれのケースについて、振動バイブレータの入力周波数と疑似周波数をプロットしたグラフ図。
図5】周波数220Hzで振動する振動バイブレータを周波数50Hzの振動センサで測定して得られた周波数と振幅を座標系にプロットしたグラフ図。
図6】本願発明のコンクリート締固め管理システムの主な構成を示すブロック図。
図7】測距手段によって測定される2種類の距離を模式的に示すモデル図。
図8】状況判定手段が振動機状況を判定する基準を模式的に示すモデル図。
図9】締固め作業が計画されたコンクリート範囲を小領域で区分した作業状況図を模式的に示すモデル図。
図10】本願発明のコンクリート締固め管理システムの主な処理の流れを示すフロー図。
図11】状況判定手段が振動機状況を判定する主な処理の流れを示すフロー図。
図12】状況判定手段が振動機状況を判定する主な処理の流れを示すフロー図。
図13】本願発明のコンクリート締固め管理方法の主な工程の流れを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願発明の移動式防護装置、及びコンクリート締固め管理方法の実施の例を、図に基づいて説明する。
【0024】
1.定義
本願発明の実施形態の例を説明するにあたって、はじめにここで用いる用語の定義を示しておく。なお、本願発明はコンクリートの締固めに関する技術であり、ここでいうコンクリートは特段の説明がない限り型枠などに打ち込まれたフレッシュ(まだ固まらない)コンクリートのことである。
【0025】
(振動機状況)
本願発明では、振動バイブレータ(例えば、高周波バイブレータ)でコンクリートの締固め作業(以下、「締固め作業」という。)を行っている間は、作業者が振動バイブレータをコンクリート内に挿入している状況か、次の締固め地点に移るため振動バイブレータをコンクリートから抜き取って気中で動かしている(つまり、移設している)状況のいずれかに大別できることに注目している。便宜上ここでは、振動バイブレータをコンクリート内に挿入している状況を「作動状況」、振動バイブレータを気中で動かしている状況を「移設状況」ということとし、さらに作動状況と移設状況を総称して「振動機状況」ということとする。
【0026】
(疑似波形)
本願発明では、振動機状況を判定するため、例えば加速度センサのような振動センサによって振動バイブレータの振動を測定(つまり、サンプリング)する。ところで、対象とする波形を測定して生成(標本化)する場合、対象波形の最大周波数の2倍以上の周波数(つまり、解像度)でサンプリングしなければならないとする「サンプリング定理」が知られている。既述したとおり、高周波バイブレータといった振動バイブレータの振動に伴う振動波の標準的な周波数(以下、単に「振動バイブレータの標準周波数」という。)は200~250Hzである。すなわちサンプリング定理に従えば、振動バイブレータの振動波を生成(いわば再現)するには、その2倍以上の周波数(つまり、400~500Hz以上)でサンプリングすることができる振動センサを用意しなければならない。しかしながら、このように高周波数でのサンプリングが可能である振動センサは高価であり、何よりサンプリング数が膨大であるためそのデータ処理に係る時間が増大し、しかも演算処理能力が高いコンピュータを必要とし計算コストが嵩むこととなる。そこで本願発明では、振動バイブレータの標準周波数の2倍未満(振動バイブレータの標準周波数未満も含む)の周波数でサンプリングする振動センサを利用することとし、サンプリング定理にあえて従わないこととした。便宜上ここでは、振動バイブレータの標準周波数の2倍未満(振動バイブレータの標準周波数未満も含む)の周波数でサンプリングする振動センサのことを特に「低周波振動センサ」ということとする。
【0027】
低周波振動センサによって振動バイブレータの振動を測定するなどサンプリング定理に従わない場合、生成した波形には「エイリアシング(折り返し)」という現象が生じることが知られている。図1は、対象波形(入力信号)の周波数の2倍未満の周波数でサンプリングし、換言すればナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2周波数)の2倍以上の入力信号を測定して生成した波形と実際の波形(入力信号)を示すグラフ図である。この図に示すように、ナイキスト周波数の2倍以上の周波数の波形(入力信号)を測定すると、その結果に基づいて生成された波形にはエイリアシングが生じ、実際の波形(入力信号)よりも小さい周波数(振動数)で長波長(長周期)の波形が生成される。便宜上ここでは、このようにエイリアシングが生じた波形のことを「疑似波形」ということとし、さらに、疑似波形の周波数のことを「疑似周波数」、疑似波形の振幅のことを「疑似振幅」ということとする。なお従来の振動計測においては、実在しない「疑似波形」が誤った事象の把握に誘導することから有害なものとして取り扱われており、疑似波形の発生を防ぐべく「アンチエイリアシングフィルタ」といった対策が講じられることさえあった。これに対して本願発明は、むしろ積極的にエイリアシングを受入れ、「疑似波形」を有効活用するものであり、この点においても従来技術とは技術思想が異なる発明といえる。
【0028】
エイリアシングが生じた波形においては、図2に示すように入力周波数Finと疑似周波数Fは、ナイキスト周波数(サンプリング周波数Fsの1/2)を境界として対称位置にあることが知られており、この図の式1に示すように疑似周波数Fはサンプリング周波数Fsと入力周波数Finとの差で与えられる。ただし、この式1が成立するのはサンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも大きいときに限られる。他方、サンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも小さいケースに関しては、これまでサンプリング周波数Fsと入力周波数Finとの関係が示される例は見当たらない。
【0029】
サンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも大きいケースでは、図2の式1を用いることで、サンプリング周波数Fsと入力周波数Finから疑似周波数Fを得ることができる。換言すれば、サンプリング周波数Fsと疑似周波数Fが得られると入力周波数Finを推定することができる。しかしながら、サンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも小さいケースでは、上記したように疑似周波数Fとサンプリング周波数Fs、入力周波数Finの関係がこれまで示されることがなかったため、サンプリング周波数Fsと疑似周波数Fが得られたとしても入力周波数Finを推定する例は見当たらない。
【0030】
そこで本願発明の発明者は検討を重ね、サンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも小さいケースであっても、図3に示す式2が成立することを究明した。式2に示す数式の条件を満たす整数nを検索し、検出された整数nとサンプリング周波数Fs、入力周波数Finによって疑似周波数Fを得ることができる。図3では、式2を用いて得られた入力周波数Finと疑似周波数Fからなる座標を、横軸を入力周波数Fin、縦軸を疑似周波数Fとした座標系にプロットしている。なおこの図では、3種類のサンプリング周波数Fs(50Hz、70Hz、100Hz)についてそれぞれ計算した結果を示しており、入力周波数Finが130Hzとなるケースでそれぞれサンプリング周波数Fsの値を例示している。この図からも分かるように、式2は図2の式1にも対応しており、つまりこの式2はサンプリング周波数Fsと入力周波数Finの大小にかかわらず用いることができる。
【0031】
ここまで説明したように、サンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも大きいケースでも、またサンプリング周波数Fsが入力周波数Finよりも小さいケースであっても、疑似周波数Fと入力周波数Finには相当の因果関係がある。つまり、低周波振動センサを用いて振動バイブレータの振動を測定した結果得られる周波数(つまり、疑似周波数)を利用すれば、振動バイブレータの周波数変化に基づく作動状況(移設状況や振動機状況)も判定することも可能になる。
【0032】
そこで本願発明の発明者は、低周波振動センサを用いて、移設状況にある振動バイブレータと作動状況ある振動バイブレータそれぞれの振動波を測定する実験を行った。具体的には、周波数(サンプリング周波数Fs)が50Hzの低周波振動センサを使用して、周波数(入力周波数Fin)が200~250Hzの振動バイブレータを、それぞれ気中にある環境(つまり移設状況)とコンクリート内にある環境(つまり作動状況)で測定した。図4は、振動バイブレータの入力周波数Finと疑似周波数Fをプロットしたグラフ図であり、実際に測定した値と解析によって再現した値を示している。図4から分かるように、移設状況、作動状況ともに実測値と再現値は理論線形と概ね合致するとともに、移設状況と作動状況では明らかに分布が異なる。したがって、疑似周波数Fに基づいて振動バイブレータの作動状況を判定することが可能となるわけである。また発明者は、同様に疑似振幅に基づいて振動バイブレータの作動状況を判定することが可能であることも確認している。
【0033】
低周波振動センサを用いて得られたサンプル(信号)から疑似周波数と疑似振幅を求めるには、次のような解析手順を例示することができる。まず、振動バイブレータの振動を低周波振動センサで測定した結果に対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行う。そして、各周波数成分に分けられた波形のうち最も大きな振幅(ピーク振幅)を与える波形を疑似波形とし、この疑似波形に係る周波数を疑似周波数、振幅(つまりピーク振幅)を疑似振幅とする。例えば図5では、周波数220Hz(入力周波数Fin)で振動する振動バイブレータを、周波数50Hz(サンプリング周波数Fs)の低周波振動センサで測定した結果を示している。具体的には、測定結果についてFFT処理によって得られた周波数ごとの応答値(振幅)からなる座標を、横軸を周波数、縦軸を振幅とした座標系にプロットしたものである。なおこの図5では、ピーク振幅が193.87であり、すなわちこのピーク振幅が疑似振幅であって、これに対応する周波数が疑似周波数(一般的には、卓越振動数あるいは固有振動数といわれる数値)であり、これらに係る波形が疑似波形である。
【0034】
2.コンクリート締固め管理システム
次に、本願発明のコンクリート締固め管理システムについて説明する。図6は、本願発明のコンクリート締固め管理システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本願発明のコンクリート締固め管理システム100は、低周波振動センサ112と振動特性算出手段121、状況判定手段122を含んで構成され、さらに振動バイブレータ111(例えば、高周波バイブレータ)や測距手段113、作業側表示手段114、完了判断手段123、管理側表示手段124、測位手段130などを含んで構成することもできる。
【0035】
この図に示すように、振動バイブレータ111と低周波振動センサ112、測距手段113、作業側表示手段114は締固め作業を行う作業者側に配置し、一方、振動特性算出手段121と状況判定手段122、完了判断手段123、管理側表示手段124は締固め作業を実施する場所(以下、「施工現場」という。)とは異なる場所(例えば、管理事務所など)に配置することもできる。ただしその場合、施工現場の作業者と管理事務所とは、コンクリート締固め管理システムが取り扱う各種情報(振動センサ信号や振動機状況など)の送受信が可能な通信手段(無線や有線を含む)を設置する必要がある。もちろん振動特性算出手段121~管理側表示手段124に関しても締固め作業を行う施工現場に配置することもできるし、例えば施工を監督する者(以下、単に「監督者」という。)に管理側表示手段124を携帯させるなど一部の手段を施工現場に配置することもできる。またこの図では、作業者Aと作業者B、作業者Cの3人が施工現場で締固め作業を行っており、それぞれの作業者に振動バイブレータ111~作業側表示手段114が配置されているが、もちろん一人の作業者(例えば、作業者Aのみ)で締固め作業を行うこととしその作業者に振動バイブレータ111~作業側表示手段114を配置することもできるし、2人又は4人以上の作業者で締固め作業を行うこととしそれぞれの作業者に振動バイブレータ111~作業側表示手段114を配置することもできる。
【0036】
コンクリート締固め管理システム100を構成する振動特性算出手段121と状況判定手段122、完了判断手段123は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、CPU等のプロセッサと、ROMやRAMといったストレージやメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもあり、タブレット型コンピュータ(iPad(登録商標)など)やスマートフォンといった携帯型端末機器、あるいはパーソナルコンピュータ(PC)やサーバーなどを例示することができる。
【0037】
以下、コンクリート締固め管理システム100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
【0038】
(低周波振動センサ)
低周波振動センサ112は、既述したとおり振動バイブレータの標準周波数の2倍未満(振動バイブレータの標準周波数未満も含む)の周波数でサンプリングする振動センサであり、例えば加速度センサを利用することができ、振動バイブレータ111に装着される。なお、振動バイブレータ111のうちの金属部分にまた低周波振動センサ112を設置すると振幅が極端に大きくなり、レンジオーバーなど振動の検出に不具合がでる可能性のあることから、例えば振動バイブレータ111のうちの比較的やわらかい部分(例えば、ゴム材質の部分)に設置することが望ましく、また振動バイブレータ111の先端から一定距離(例えば、500mm程度)だけ離れた位置に低周波振動センサ112設置するとよい。低周波振動センサ112が振動バイブレータの振動を測定(つまり、サンプリング)した結果(以下、「振動センサ信号」という。)は、連続して(あるいは定期的、断続的に)振動特性算出手段121に渡される。
【0039】
(測距手段)
測距手段113は、距離を測定し得る手段であり、レーザーを利用した測距装置のほか、音波や電波などを利用した測距装置、写真測量技術を利用した測距装置などを利用することができ、これらを搭載したタブレット型コンピュータやスマートフォンなどを利用することができる。この測距手段113は、図7に示すように低周波振動センサ112よりも上方の位置で、作業者あるいは振動バイブレータ111に装着される。また測距手段113は、図7に示すように少なくとも2種類の距離を測定する。具体的には、測距手段113からコンクリート表面までの距離(以下、「第1距離L1」という。)と、測距手段113から低周波振動センサ112までの距離(以下、「第2距離L2」という。)を測定する。なお、周波振動センサ112から振動バイブレータ111の先端までの距離(以下、「第3距離L3」という。)や低周波振動センサ112の寸法(特に長さ)は、事前に計測することで既知としておくとよい。測距手段113は、連続して(あるいは定期的、断続的に)第1距離L1と第2距離L2を測定し、測定された第1距離L1と第2距離L2は連続して(あるいは定期的、断続的に)振動特性算出手段121に渡される。
【0040】
(振動特性算出手段)
振動特性算出手段121は、低周波振動センサ112から受け取った振動センサ信号に基づいて、例えば図5を参照して説明したな解析手順によって疑似波形に係る疑似周波数と疑似振幅を求める手段である。
【0041】
(状況判定手段)
状況判定手段122は、振動特性算出手段121によって算出された疑似周波数や疑似振幅に基づいて振動バイブレータ111の振動機状況(作動状況、移設状況)を判定する手段である。以下、状況判定手段122が振動機状況を判定する手順について説明する。
【0042】
まず、疑似周波数とあらかじめ定めた数閾値(以下、「周波数閾値」という。)を照らし合わせるとともに、疑似振幅とあらかじめ定めた閾値(以下、「振幅閾値」という。)を照らし合わせる。疑似周波数が周波数閾値を下回り、かつ疑似振幅が振幅閾値を下回るときに「作動状況」と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回り、かつ疑似振幅が振幅閾値を上回るときに「移設状況」と判定する。あるいは、疑似周波数と疑似振幅のうちいずれか一方に基づいて振動機状況を判定することもできる。例えば、疑似周波数とあらかじめ定めた周波数閾値を照らし合わせ、疑似周波数が周波数閾値を下回るときに「作動状況」と判定し、疑似周波数が周波数閾値を上回るときに「移設状況」と判定することができる。また、疑似振幅とあらかじめ定めた振幅閾値を照らし合わせ、疑似振幅が振幅閾値を下回るときに「作動状況」と判定し、疑似振幅が振幅閾値を上回るときに「移設状況」と判定することもできる。
【0043】
状況判定手段122は、図8に示す基準を表した図(以下、「基準領域図」という。)に従って振動機状況を判定することもできる。この図では、横軸を疑似周波数、縦軸を疑似振幅とした座標系に、各種基準となる値を示している。すなわち、疑似周波数に関しては、最大疑似周波数FMaxと、疑似周波数閾値でもある境界疑似周波数FLim、停止疑似周波数FStopを示し、疑似振幅に関しては、最大疑似振幅AMaxと、振幅閾値でもある境界疑似振幅ALim、停止疑似振幅AStopを示している。そして、疑似周波数が境界疑似周波数FLimを下回るとともに疑似振幅が境界疑似振幅ALimを下回る領域(以下、「作動領域」という。)と、疑似周波数が境界疑似周波数FLimを下回るとともに疑似振幅が最大疑似振幅AMax~境界疑似振幅ALimとなる領域(以下、「暫定作動領域」という。)、疑似周波数が最大疑似周波数FMax~境界疑似周波数FLimであって疑似振幅が境界疑似振幅ALimを下回る領域(以下、「暫定移設領域」という。)、疑似周波数が最大疑似周波数FMax~境界疑似周波数FLimであって疑似振幅が最大疑似振幅AMax~境界疑似振幅ALimとなる領域(以下、「移設領域」という。)の4領域に分類される。さらに、疑似周波数が停止疑似周波数FStopを下回るとともに疑似振幅が停止疑似振幅AStopを下回る領域(以下、「停止領域」という。)に分類することもできる(ただしこの場合は、作動領域から停止領域が除かれる。
【0044】
図8に示す作動状況と暫定作動状況、暫定移設状況、移設状況、停止状況を決定する疑似周波数FMaxや境界疑似周波数FLim、停止疑似周波数FStop、最大疑似振幅AMax、境界疑似振幅ALim、停止疑似振幅AStopは、あらかじ実施される試験測定によって設定することができる。すなわち、気中で振動する振動バイブレータ111を低周波振動センサ112で一定期間(例えば5秒間)だけ測定し、その結果得られる複数(例えば5回分)の疑似周波数と疑似振幅の統計処理を行うことで各種基準値を設定するわけである。例えば、疑似周波数FMaxは低周波振動センサ112のサンプリング周波数の1/2とし、境界疑似周波数FLimは試験測定で得られた疑似周波数の平均値(あるいは、平均値から標準偏差のn倍を差し引いた値)、停止疑似周波数FStopは境界疑似周波数FLimから所定値(0を含む)を差し引いた値とすることができる。同様に、疑似振幅AMaxは低周波振動センサ112が観測した最大振幅とし、境界疑似振幅ALimは試験測定で得られた疑似振幅の平均値(あるいは、平均値から標準偏差のn倍を差し引いた値)、停止疑似振幅AStopは振幅が加速度の場合、1G(9.8m/s)とすることができる。
【0045】
さらに状況判定手段122は、第1距離L1と第2距離L2に基づいて振動機状況を判定することもできる。以下、その判定手順について説明する。まず状況判定手段122は、測距手段113から受け取った第2距離L2と既知である第3距離L3との和を求め、すなわち図7に示すように測距手段113から振動バイブレータ111の先端までの距離(以下、「第4距離L4」という。)を求める。次いで、この第4距離L4と第1距離L1を照らし合わせるとともに、状況判定手段122が疑似周波数と疑似振幅に基づいて判定した状況(以下、「1次判定状況」)と照らし合わせる。すなわち、状況判定手段122が1次判定状況として「作動状況」と判定し、しかも第4距離L4が第1距離L1よりも長いときは「作動状況」と判定する。一方、状況判定手段122が1次判定状況として「移設状況」と判定し、しかも第4距離L4が第1距離L1よりも短いときは「移設状況」と判定する。また、状況判定手段122が1次判定状況として「作動状況」と判定し第4距離L4が第1距離L1よりも短いときは「暫定作動状況」と判定し、状況判定手段122が1次判定状況として「移設状況」と判定し第4距離L4が第1距離L1よりも長いときは「暫定移設状況」と判定することもできる。
【0046】
(測位手段)
測位手段130は、振動バイブレータ111の位置を測位する手段である。この測位手段130は、例えば衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を採用したり、レーザー計測を採用したり、無線LANのアクセスポイントを利用する測位方法を採用したり、超広帯域無線通信(UWB:Ultra Wide Band)を利用する測位方法を採用したり、SLAM(Simultaneous Location and Mapping)による自己位置推定技術を採用したり、SfM (Structure from Motion)による測位技術を採用したり、そのほかトータルステーション(Total Station)による計測などを採用したりすることができる。測位手段130は、連続して(あるいは定期的、断続的に)振動バイブレータ111の位置を測位するとともに、その測位時刻も取得し、測定された振動バイブレータ111の位置情報と測位時刻は連続して(あるいは定期的、断続的に)完了判断手段123に渡される。
【0047】
(完了判断手段)
完了判断手段123は、測位手段130から受け取った振動バイブレータ111の位置情報と測位時刻に基づいて、締固め作業の状態(以下、単に「作業状態」という。)を判断する手段であり、具体的には、締固め作業が十分行われた状態(以下、「完了状態」という。)か、あるいは締固め作業が十分行われていない状態(以下、「未完状態」という。)に分類する。図9は、締固め作業が計画されたコンクリート範囲を小領域MSで区分した平面図(以下、「作業状況図」という。)を模式的に示すモデル図である。この平面図は、作業者側に配置された作業側表示手段114(図6)や施工現場の監督者が携帯する管理側表示手段124(図6)、管理事務所などに配置された管理側表示手段124(図6)に表示される。この作業側表示手段114は、タブレット型コンピュータやスマートフォンなどのディスプレイを利用することができ、管理側表示手段124も、やはりタブレット型コンピュータやスマートフォン、あるいはPCなどのディスプレイを利用することができる。図9に示す作業状況図では、完了状態に囲まれた未完状態の小領域MSが2個所あるが、これらが締固め忘れであることは容易に想定することができる。すなわち、作業状況図を利用すれば、締固めの漏れを回避することができて好適となるわけである。
【0048】
以下、完了判断手段123が作業状態を判断する手順について説明する。まず、測位手段130から受け取った振動バイブレータ111の位置情報と測位時刻に基づいて、振動バイブレータの滞在時間を算出する。この滞在時間は、振動バイブレータ111が同じ小領域MSに置かれた時間であり、前回受け取った位置情報と今回受け取った位置情報が略一致する(同じ小領域MS内にある)とき、前回の測位時刻と今回の測位時刻の差分をそれまで滞在時間に累積することで求められる。すなわち、前回受け取った位置情報と今回受け取った位置情報が一致しない(同じ小領域MS内にない)ときは、それまで累積された滞在時間はキャンセルされる(0に戻る)。ただし、完了判断手段123によって滞在時間があらかじめ定めた閾値(以下、「作業時間閾値」という。)だけ継続したと判断されたときは、そのときの滞在時間が維持される。
【0049】
完了判断手段123は、上記したように滞在時間が作業時間閾値を超えるとき、その個所における作業状態を「完了状態」と判断するとともに、その領域MSを「完了小領域」とする。また、振動バイブレータ111がその領域MSにあるものの、未だ滞在時間が作業時間閾値を超えないときはその個所における作業状態を「作業中状態」と判断するとともに、その領域MSを「作業小領域」とし、振動バイブレータ111が未だ訪れていない領域MSは「未完小領域」とする。そして完了判断手段123は、図9に示すように、振動バイブレータ111の位置とともに、完了小領域と作業中状態、未完小領域がそれぞれ区別されるように作業状況図を表示する。なお図9では、3つの振動バイブレータ111によってコンクリートの締固めが行われており、それぞれの振動バイブレータ111が即位されて、それぞれの振動バイブレータ111に対応する領域MSに対して作業状態が判断されているが、もちろん一人の作業者で締固め作業を行うこととしその作業者に係る領域MSに対して作業状態を判断することもできるし、2人又は4人以上の作業者で締固め作業を行うこととしそれぞれの作業者に係る領域MSに対して作業状態を判断することもできる。
【0050】
(処理の流れ)
続いて、図10を参照しながら本願発明のコンクリート締固め管理システム100を使用するときの主な処理の流れについて説明する。図10は、コンクリート締固め管理システム100の主な処理の流れを示すフロー図である。なおこのフロー図では、中央の列に実施する処理を示し、左列にはその処理に必要な入力情報を、右列にはその処理から生ずる出力情報を示している。
【0051】
作業者が締固め作業を開始すると、低周波振動センサ112が振動センサ信号を取得していく(図10のStep210)。そして、振動センサ信号を受け取った振動特性算出手段121がその振動センサ信号に基づいてFFTを実行するとともに(図10のStep220)、疑似周波数と疑似振幅(疑似波特性値)を算出する(図10のStep230)。疑似周波数と疑似振幅が算出されると、状況判定手段122が振動機状況を判定する(図10のStep240)。以下、図11を参照しながら、状況判定手段122が振動機状況を判定する処理について詳しく説明する。
【0052】
まず、実際の締固め作業(いわゆる本施工)を開始する前に、あらかじめ試験測定を行う(図11のStep201)。すなわち、気中で振動する振動バイブレータ111を低周波振動センサ112で一定期間(例えば5秒間)だけ測定する。そして、その試験で得られた振動センサ信号に基づいて、振幅閾値(例えば、境界疑似振幅ALim)と周波数閾値(例えば、境界疑似周波数FLim)を設定し(図11のStep203)、あるいは既述した統計処理を行う(図11のStep202)ことで最大疑似周波数FMaxと境界疑似周波数FLim、停止疑似周波数FStop、最大疑似振幅AMax、境界疑似振幅ALim、停止疑似振幅AStopを設定する(図11のStep203)とともに図8に示す基準領域図を設定する。
【0053】
基準領域図(あるいは、周波数閾値と振幅閾値)が設定され、さらに疑似周波数と疑似振幅が算出されると、状況判定手段122が疑似周波数と疑似振幅の組み合わせを基準領域図に照らし合わせ(図11のStep241)、1次判定状況の判定を行う(図11のStep242)。そして、状況判定手段122による1次判定状況が「作動状況」や「移設状況」であればその1次判定状況を確定し(図11のStep243のYes)、測距手段113によって測定された距離を利用する場合(図11のStep248のYes)は測距手段113による第4距離L4と第1距離L1を照らし合わせる処理(図11のStep247)に進み、一方、測距手段113によって測定された距離を利用しない場合(図11のStep248のNo)は状況判定手段122による状況の決定処理(図11のStep245)に進む。
【0054】
他方、状況判定手段122による1次判定状況が「暫定作動状況」や「暫定移設状況」であればその1次判定状況を確定することなく(図11のStep243のNo)、繰り返し状況判定手段122が1次判定状況の判定を行う。そして状況判定手段122によって、あらかじめ定めた回数以上(例えば、2回以上)連続して「暫定作動状況」や「暫定移設状況」が判定されると(図11のStep244のYes)、その1次判定状況を「作動状況(暫定作動状況が連続するとき)」や「移設状況(暫定移設状況が連続するとき)」にするとともに、測距手段113によって測定された距離を利用する場合(図11のStep248のYes)は測距手段113による第4距離L4と第1距離L1を照らし合わせる処理(図11のStep247)に進み、測距手段113によって測定された距離を利用しない場合(図11のStep248のNo)は状況判定手段122による状況の決定処理(図11のStep245)に進む。一方、必要回数以上連続して「暫定作動状況」や「暫定移設状況」が判定されないときは(図11のStep244のNo)、1次判定状況を保留したうえで(図11のStep246)引き続き状況判定手段122が1次判定状況の判定を行う。なお、必要回数以上連続して「暫定作動状況」や「暫定移設状況」と判定される場合に限らず、直近の所定回数のうち一定の回数(例えば、5回中に3回や、3回中に3回など)だけ「暫定作動状況」や「暫定移設状況」が判定されたときに、その1次判定状況を確定したうえで次の処理(図11のStep248)に進む仕様とすることもできる。
【0055】
「作動状況」や「移設状況」が確定すると、状況判定手段122が測距手段113による第4距離L4と第1距離L1を照らし合わせる。そして、1次判定状況が「作動状況」であって第4距離L4が第1距離L1よりも長いとき(図11のStep247のYes)は「作動状況」と決定する(図11のStep245)。また、1次判定状況が「移設状況」であって第4距離L4が第1距離L1よりも短いとき(図11のStep247のYes)は「移設状況」と決定する(図11のStep245)。なお、第4距離L4と第1距離L1の照合処理(図11のStep247)を省略する仕様とすることもでき、その場合は状況判定手段122が確定した1次判定状況(作動状況、移設状況)がそのまま決定される(図11のStep245)。
【0056】
振動機状況(作動状況、移設状況)が決定すると、完了判断手段123がその小領域MSにおける作業状況を判断する(図10のStep260)。以下、図12を参照しながら、状況判定手段122が振動機状況を判定する処理について詳しく説明する。
【0057】
まず、測位手段130が振動バイブレータ111の位置情報と測位時刻を取得する(図12のStep251)。そして、位置情報と測位時刻を受け取った完了判断手段123が、前回受け取った位置情報と今回受け取った位置情報を照らし合わせ、これらが略一致するとき(図12のStep252のYes)は滞在時間を算出し(図12のStep253)、他方、これらが略一致しないとき(図12のStep252のNo)はひとまずその小領域MSを「未完小領域」としたうえで(図12のStep257)、継続して位置情報と測位時刻を取得し(Step251)、連続する位置情報どうしを照らし合わせる(Step252)。
【0058】
滞在時間が算出されると、完了判断手段123がその滞在時間と作業時間閾値(例えば、10秒間)を照らし合わせる(図12のStep254)。そして、滞在時間が作業時間閾値を上回る(継続している)ときは(図12のStep254のYes)その小領域MSを「完了小領域」とし、他方、滞在時間が作業時間閾値を下回る(継続していない)ときは(図12のStep254のNo)ひとまずその小領域MSを「作業小領域」としたうえで(図12のStep256)、継続してStep251~Step254の処理を行う。
【0059】
完了判断手段123によってその小領域MSが「完了小領域」とされると、当該小領域MSは図9に示すように完了小領域用の表示に変更され(図10のStep260)、作業者はその表示変更を確認したうえで次の作業箇所(小領域MS)に振動バイブレータ111を移設する(図10のStep270)。そして、すべての小領域MSが「完了小領域」となるまで、振動センサの測定処理(図10のStep210)から振動バイブレータ111の移設(図10のStep270)までの一連の処理を繰り返し実行する。
【0060】
3.コンクリート締固め管理方法
続いて、本願発明のコンクリート締固め管理方法ついて図13を参照しながら説明する。なお、本願発明のコンクリート締固め管理方法は、ここまで説明したコンクリート締固め管理システム100を用いて締固め作業を行う方法である。したがって、コンクリート締固め管理システム100について説明した内容と重複する説明は避け、本願発明のコンクリート締固め管理方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.定義」を含め「2.コンクリート締固め管理システム」で説明したものと同様である。
【0061】
図13は、本願発明のコンクリート締固め管理方法の主な工程の流れを示すフロー図である。この図に示すように、まずは実際の締固め作業(いわゆる本施工)を開始する前にキャリブレーション工程(図13のStep301)を実施する。すなわち、気中で振動する振動バイブレータ111を低周波振動センサ112で一定期間(例えば5秒間)だけ測定する。そして、その試験で得られた振動センサ信号に基づいて、振幅閾値(例えば、境界疑似振幅ALim)と周波数閾値(例えば、境界疑似周波数FLim)を設定し、あるいは既述した統計処理を行うことで最大疑似周波数FMaxと境界疑似周波数FLim、停止疑似周波数FStop、最大疑似振幅AMax、境界疑似振幅ALim、停止疑似振幅AStopを設定するとともに図8に示す基準領域図を設定する。
【0062】
続いて、1又は2以上の作業者によって本施工としての締固め作業を実施していく(図13のStep302)。同時に、低周波振動センサ112が振動バイブレータ111の振動に係るが振動センサ信号を取得し(図13のStep303)、振動センサ信号を受け取った振動特性算出手段121がその振動センサ信号に基づいて疑似周波数と疑似振幅(疑似波特性値)を算出する(図13のStep304)。疑似波特性値が算出されると、状況判定手段122が振動機状況の判定を行い(図13のStep305)、その判定が「作動状況」であれば、完了判断手段123がその小領域MSにおける作業状況を判断する(図13のStep306)。そして、完了判断手段123によってその小領域MSが「完了小領域」とされると、基準領域図(図9)における当該小領域MSは完了小領域用の表示に変更され、作業者はその表示変更を確認したうえで次の作業箇所(小領域MS)に振動バイブレータ111を移設する(図13のStep307)。そして、すべての小領域MSが「完了小領域」となるまで、締固め作業(図13のStep302)から振動バイブレータ111の移設(図13のStep307)までの一連の工程を繰り返し行う。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本願発明のコンクリート締固め管理システム、及びコンクリート締固め管理方法は、橋梁の上部工や下部工、トンネルの覆工、ダムの堤体、擁壁、あるいはオフィスビルなど様々なコンクリート構造物に利用することができる。本願発明が、良好な品質のコンクリート構造物を提供し、いわば高品質な社会資本(インフラストラクチャー)を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
【符号の説明】
【0064】
100 本願発明のコンクリート締固め管理システム
111 振動バイブレータ
112 低周波振動センサ
113 測距手段
114 作業側表示手段
121 振動特性算出手段
122 状況判定手段
123 完了判断手段
124 管理側表示手段
130 測位手段
L1 第1距離
L2 第2距離
L3 第3距離
L4 第4距離
MS 小領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13