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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】保守支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241216BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021142255
(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公開番号】P2023035417
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】馮 益祥
(72)【発明者】
【氏名】室 啓朗
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-33901(JP,A)
【文献】特開2019-67044(JP,A)
【文献】特開2005-104710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ稼働現場に配置されている複数台の機械の保守支援システムであって,
演算処理を行う制御装置と,
前記制御装置の演算処理に必要なデータを記憶する記憶装置と,
通信装置とを備え,
前記制御装置は,
前記通信装置を介して取得した前記複数台の機械のそれぞれの稼働データに基づいて,各機械の状態を分析し,
前記分析によってある機械が異常と判定された場合に,前記記憶装置に記憶された第1情報に基づいて当該機械の故障を修理するために必要な対策部品とその数量を特定し,
前記対策部品を,倉庫および前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する部品調達に要する複数の調達時間を算出し,
前記複数の調達時間のうちの少なくとも1つの調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,
前記記憶装置に記憶された第2情報に基づいて前記対策部品を倉庫から調達する倉庫部品調達に要する第1調達時間を算出し,
前記記憶装置に記憶された第3情報に基づいて前記対策部品を前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場部品調達に要する第2調達時間を算出し,
前記第1調達時間および前記第2調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,更に,
前記記憶装置に記憶された第4情報に基づいて前記倉庫部品調達に要する第1調達費用を算出し,
前記第1調達時間と前記記憶装置に記憶された第5情報に基づいて前記倉庫部品調達を行う際の前記機械のダウンタイムによる第1稼働ロス費用を算出し,
前記第1調達費用と前記第1稼働ロス費用に基づいて前記倉庫部品調達に要する第1調達トータル費用を算出し,
前記第2調達時間と前記記憶装置に記憶された第6情報に基づいて前記現場部品調達を行う際の前記機械のダウンタイムによる第2稼働ロス費用を算出し,
前記第2稼働ロス費用に基づいて前記現場部品調達に要する第2調達トータル費用を算出し,
前記第1調達時間および前記第2調達時間と,前記第1調達トータル費用および前記第2調達トータル費用を前記通信装置を介して情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記第1調達時間と前記第2調達時間とを比較し,前記第1調達時間が前記第2調達時間以上の場合は,前記現場部品調達を部品調達時間から推奨される部品調達方法として決定し,前記第1調達時間が前記第2調達時間未満の場合は,前記倉庫部品調達を前記部品調達時間から推奨される部品調達方法として決定し,前記決定した推奨される部品調達方法を,前記通信装置を介して前記情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項5】
請求項3に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,
前記第1調達時間と前記第2調達時間とを比較し,前記第1調達時間が前記第2調達時間以上の場合は,前記現場部品調達を推奨される部品調達方法として決定し,前記第1調達時間が前記第2調達時間未満の場合は,前記倉庫部品調達を推奨される部品調達方法として決定し,前記決定した推奨される部品調達方法を前記通信装置を介して前記情報提示装置に送信するとともに,
前記第1調達トータル費用と前記第2調達トータル費用とを比較し,前記第1調達トータル費用が前記第2調達トータル費用以上の場合は,前記現場部品調達を推奨される部品調達方法として決定し,前記第1調達トータル費用が前記第2調達トータル費用未満の場合は,前記倉庫部品調達を推奨される部品調達方法として決定し,前記決定した推奨される部品調達方法を,前記通信装置を介して前記情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項6】
請求項に記載の保守支援システムにおいて,
前記情報提示装置は,前記保守支援システムの関係者が所持するスマートフォンであり,前記制御装置は,前記第1調達時間および前記第2調達時間を前記スマートフォンに表示させることを特徴とする保守支援システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記通信装置を介して取得した前記複数台の機械のそれぞれの稼働データに基づいて前記機械の健全性指標を算出し,前記健全性指標に基づいて前記機械の状態が正常か異常かを判定し,前記各機械の状態を分析することを特徴とする保守支援システム。
【請求項8】
請求項7記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記分析によってある機械が異常と判定された場合に,前記各機械の状態の分析に用いた前記健全性指標の値に基づいて故障モードを特定し,
前記制御装置は,前記第1情報として記憶された,前記故障モードごとの故障を修理するために必要な部品とその数量を含む情報に基づいて,前記故障モードを修理するために必要な前記対策部品とその数量を特定することを特徴とする保守支援システム。
【請求項9】
請求項3に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記記憶装置に前記第5情報として記憶された,故障および修理のケースごとの故障までの日数,修理所要時間を含む情報と前記第1調達時間に基づいて,前記異常と判定された機械の第1ダウンタイムを算出し,
前記第1ダウンタイムと,前記記憶装置に前記第5情報として記憶された,前記対策部品と互換性のある部品を使用する機械の単位時間の平均掘削量と,工事プロジェクトの期待収益および工事プロジェクトの全体掘削量を含む情報とに基づいて,前記第1稼働ロス費用を算出することを特徴とする保守支援システム。
【請求項10】
請求項3に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記記憶装置に前記第6情報として記憶された,故障および修理のケースごとの故障までの日数,修理所要時間を含む情報と前記第2調達時間に基づいて,前記異常と判定された機械の第2ダウンタイムを算出し,
前記第2ダウンタイムと,前記記憶装置に前記第6情報として記憶された,前記対策部品と互換性のある部品を使用する機械の単位時間の平均掘削量と,工事プロジェクトの期待収益および工事プロジェクトの全体掘削量を含む情報とに基づいて,前記第2稼働ロス費用を算出することを特徴とする保守支援システム。
【請求項11】
請求項1に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,
前記対策部品の一部を前記倉庫から調達する倉庫調達と,前記対策部品の残りを前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場調達とを組み合わせた組み合わせ調達において,前記複数の調達時間のうちの最小の調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項12】
請求項11に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記組み合わせ調達の全てに対し前記複数の調達時間を算出することを特徴とする保守支援システム。
【請求項13】
請求項11に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,更に,
前記対策部品を,前記倉庫および前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する部品調達に要する複数の調達費用を算出し,
前記複数の調達費用のうちの最小の調達費用を前記最小の調達時間とともに,前記通信装置を介して情報提示装置に送信することを特徴とする保守支援システム。
【請求項14】
請求項13に記載の保守支援システムにおいて,
前記制御装置は,前記組み合わせ調達の全てに対し前記複数の調達費用を算出することを特徴とする保守支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,同じ稼働現場に設置されている複数台の機械の保守支援システムに係わり,特に、機械が異常と判定された場合に適切な保守支援情報を提示する保守支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械や風車など長時間に亘って運転し続ける機械においては,顧客(機械のオーナー,ユーザー,代理店または営業所)の収益が最大になるようにするため,稼働率の向上が重要である。そのため,故障が起きる前に適切かつ迅速な部品交換や修理を実施できる,または,故障が起きても迅速に機械を修理して再稼働できるような保守支援システムが望まれる。
【0003】
そのような保守支援システムを実現するため,機械にセンサを装備し,センサデータを収集して分析することで,機械の状態を常時監視しながら適切な保守指示を送る「保守支援システム」が必要である。
【0004】
例えば,特許文献1では,部品の故障予兆から故障時間を想定し,当該部品の新規生産に要する時間と比較することで,想定故障時点までの期間が生産所要時間より長い場合は部品生産を指示し,想定故障時点までの期間が生産所要時間以下であると判定した場合は,在庫部品の手配を指示する仕組みが提案されている。
【0005】
一方,建設機械や風車などの機械は,同じ稼働現場に複数台が設置されることが多い故,複数機械を資産として管理するシステムが提案されている。例えば,特許文献2では,工事現場の情報データベースと,機械の情報データベースと,機械の稼働情報データベースとが備えられた建設機械の資産管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-2660号公報
【文献】特開2003-186949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように,機械に異常が検知された場合,その異常を早期に対応することが要望されている。そして,例えば1つのコア部品が在庫切れ,または輸送に時間を要するといった事象が発生すると,部品調達の期間によっては,機械が長期間に亘って休止しなければならない恐れがある。このような観点から,機械の保守または修理に必要な部品が迅速に調達できることが要望されている。
【0008】
上記特許文献1に開示されている技術では,故障予兆検知による部品調達の迅速化を図ったものの,部品調達の所要時間により機械の停止時間が増加する恐れがある。特に建設機械や風車などの場合は,遠隔地で稼働している場合が多く,交換部品を倉庫から機械の稼働現場までに輸送する際に日数を要することが多いので,部品調達の長期化による機械停止時間増加が懸念される。
【0009】
一方,同じ稼働現場に機械が複数台ある場合は,故障した機械と同じまたは類似の機種が設置されていることがあり,これら機械が故障した機械の交換部品と同じ部品または互換性のある部品(以下両者を総称して「互換性のある部品」と言う)を持っている場合がある。このような互換性のある部品を持っているほかの機械が停止している,或いは稼働計画の変更により停止する予定であれば,そのような稼働現場の機械から部品を「調達」することが部品調達の迅速化に繋がり,機械の稼働率向上に貢献できる。
【0010】
しかしながら,上記特許文献2は,同じ稼働現場に設置されている複数の機械を資産として管理する技術の開示にとどまり,同じ(または類似の)機種の機械間で互換性のある部品の供給を融通する仕組みについては言及されていない。
【0011】
本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,同じ稼働現場に複数台の機械が設置されている場合,機械の修理に必要な部品を倉庫から調達するか或いは稼動現場のほかの機械から調達するかの両方を考慮して,最適な部品調整を行うことで,部品調達の迅速化を図る保守支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため,本発明は,同じ稼働現場に配置されている複数台の機械の保守支援システムであって,演算処理を行う制御装置と,前記制御装置の演算処理に必要なデータを記憶する記憶装置と,通信装置とを備え,前記制御装置は,前記通信装置を介して取得した前記複数台の機械のそれぞれの稼働データに基づいて,各機械の状態を分析し,前記分析によってある機械が異常と判定された場合に,前記記憶装置に記憶された第1情報に基づいて当該機械の故障を修理するために必要な対策部品とその数量を特定し,前記対策部品を,倉庫および前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する部品調達に要する複数の調達時間を算出し,前記複数の調達時間のうちの少なくとも1つの調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信するものとする。
【0013】
好ましくは,前記制御装置は、前記記憶装置に記憶された第2情報に基づいて前記対策部品を倉庫から調達する倉庫部品調達に要する第1調達時間を算出し,前記記憶装置に記憶された第3情報に基づいて前記対策部品を前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場部品調達に要する第2調達時間を算出し,前記第1調達時間および前記第2調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信する。
【0014】
前記制御装置は,前記対策部品の一部を前記倉庫から調達する倉庫調達と,前記対策部品の残りを前記同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場調達とを組み合わせた組み合わせ調達において,前記複数の調達時間のうちの最小の調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば,対策部品を,倉庫だけでなく、同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する部品調達に要する複数の調達時間を算出し,その少なくとも1つの調達時間を情報提示装置に送信するので,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間の両方を考慮して部品調達を行うことが可能となり,部品調達の迅速化が図れる。これにより故障による機械の非稼働時間を最小化し,機械の稼働率が向上し,機械の稼働による収益の最大化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施例における保守支援システムと,この保守支援システムと情報のやり取りを行う機械群,部品倉庫および情報提示装置を含むネットワーク構成を示す図である。
図2】制御装置の処理内容を示す機能ブロック図である。
図3】記憶装置に収納されているデータベースの構成を示す図である。
図4】ある機械の異常度の分布および状態判定に用いる閾値の一例を示す図である。
図5】故障・修理履歴データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図6】対策部品データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図7】倉庫データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図8】現場データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図9】倉庫部品調達時間算出部の処理手順を示す図である。
図10】機械情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図11】部品互換性データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図12】現場部品調達時間算出部の処理手順を示す図である。
図13】倉庫部品調達費用算出部の処理手順を示す図である。
図14】現場部品調達費用算出部の処理手順を示す図である。
図15】出力部の表示指令により情報提示装置の画面に表示される表示例を示す図である。
図16】本発明の第2の実施例における制御装置の処理内容を示す機能ブロック図である。
図17】本発明の第2の実施例における部品調達組合せ作成部の結果である部品調達組合せのデータ構造の一例を示す図である。
図18】本発明の第2の実施例における部品調達時間算出部と部品調達費用算出の計算結果のデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,本発明の実施例を,保守支援システムの対象である機械が建設機械の代表例である油圧ショベルである場合について,図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
~全体構成~
図1は,本発明の第1の実施例における保守支援システムと,この保守支援システムと情報のやり取りを行う機械群,部品倉庫および情報提示装置を含むネットワーク構成を示す図である。図中,保守支援システムは符号1で,機械群は符号10で,部品倉庫は符号40で,情報提示装置は符号50でそれぞれ示されている。以下において,部品倉庫は単に倉庫と言うことがある。
【0019】
図1において,保守支援システム1は,機械群10の機械10a,10b,10c・・・の状態を監視して機械群10の保守作業を支援するシステムであり,サーバ100と記憶装置200とを備えている。サーバ100は,演算処理を行う制御装置100aと通信装置100bとを有している。記憶装置200には制御装置100aの演算処理に必要なデータが記憶されている。保守支援システム1は,例えばメーカの管理事務所にサービス営業所に配置されている。
【0020】
制御装置100aは,電源,CPU(Central Processing Unit),メモリ,入出力装置等を備える1台または複数台のコンピューターで構成されている。制御装置100aは,通信装置100bを介して,LAN(Local Area Network)やインターネット等で構成されたネットワーク20に接続されている。
【0021】
記憶装置200は,例えば1つまたは複数のハードディスクで構成されている。記憶装置200はサーバ100内に設置してもよいし,ネットワーク20を介してサーバ100と接続してもよい。記憶装置200は,制御装置100aの処理に係わるデータを,電子ファイル形式またはリレーショナル・データベースなどのデータベース形式で記憶している。
【0022】
機械群10の機械10a,10b,10c・・・は,同じ稼働現場に配置された複数台の機械であり,それぞれ,複数のサブユニットまたは部品から構成されている。また,機械10a,10b,10c・・・は,それぞれ,圧力や温度等を計測する各種のセンサ11と,制御装置12と,通信装置13とを備え,制御装置12は,センサ11で計測した圧力や温度等の情報(稼働データ)を,通信装置13を介して保守支援システム1に送信することができる。機械10a,10b,10c・・・は,それぞれ,稼働計画と保守計画を持っており,その計画に基づいて稼働,停止,保守が行われる。
【0023】
なお,図1において,機械群10の機械10a,10b,10c・・・として建設機械の代表例である油圧ショベルを例示しているが,機械10a,10b,10c・・・は建設機械に限られず,風車等のほかの機械であってもよい。
【0024】
部品倉庫40は,機械群10が使用する部品を保管し,保管した部品の在庫管理や,部品の入荷および出荷を管理するものである。部品倉庫40は,図示しない制御装置および通信装置を備え,通信装置を介してネットワーク20に接続され,更に保守支援システム1のサーバ100に接続されている。
【0025】
情報提示装置50は,例えばスマートフォン(スマホ)に代表される携帯端末であり,入力機能と表示機能と撮影機能等の各種機能を備えている。情報提示装置50もネットワーク20を介して保守支援システム1のサーバ100に接続され,サーバ100から送信された調達情報を含む各種情報(後述)を表示し,顧客(機械のオーナー,ユーザー,代理店または営業所)を含む関係者に提示する。ユーザーは,例えば,稼動現場の点検員,営業所のサービス員などである。顧客以外の関係者は,例えばメーカの保守点検員である。
【0026】
~制御装置および記憶装置~
図2は,制御装置100aの処理内容を示す機能ブロック図である。制御装置100aは,機械状態分析部102と,対策部品推定部103と,倉庫部品調達時間算出部104と,現場部品調達時間算出部105と,倉庫部品調達費用算出部106と,現場部品調達費用算出部107,部品調達方法決定部108と,出力部109とから構成され,図示矢印の順序で処理が実行される。
【0027】
図3は,記憶装置200に収納されているデータベースの構成を示す図である。記憶装置200は,故障・修理履歴データベースD001,対策部品データベースD002,倉庫データベースD003,現場データベースD004,機械情報データベースD005,部品互換性データベースD006を有している。これらデータベースD001~D006のデータ構造は後述する。
【0028】
~制御装置の処理内容~
制御装置100aは,その特徴として,通信装置100bを介して取得した複数台の機械のそれぞれの稼働データに基づいて,各機械の状態を分析し,分析によってある機械が異常と判定された場合に,記憶装置200に記憶された第1情報(後述)に基づいて機械の故障を修理するために必要な対策部品とその数量を特定し,対策部品を,倉庫40および同じ稼働現場に配置されているほかの機械10a,10b,10c・・・から調達する部品調達に要する複数の調達時間を算出し,複数の調達時間のうちの少なくとも1つの調達時間を通信装置100bを介して情報提示装置に送信する。
【0029】
制御装置100aは上記のような処理を実行するため,図2に示した処理部102~109を備えている。
【0030】
以下に,制御装置100aの各部の処理内容を説明する。
【0031】
<機械状態分析部102>
機械状態分析部102は,機械群10の全ての機械10a,10b,10c・・・から,累積稼働時間などの稼働情報およびセンサ11で計測した圧力や温度等の計測情報を含む稼働データを通信装置100bを介して取得し,その稼働データに基づいて各機械の状態を分析する。
【0032】
また,機械状態分析部102は,機械10a,10b,10c・・・のそれぞれの稼働データに基づいて各機械の健全性指標を算出し,健全性指標に基づいて各機械が正常か異常かを分類することで,各機械の状態を分析する。
【0033】
具体的には,機械状態分析部102は,各機械から取得した稼働データから,データマイニングまたは機械学習,余寿命診断等のアルゴリズムを用いて健全性指標を算出する。本実施例では,異常検知アルゴリズムを用いた場合の状態分析方法について説明する。
【0034】
異常検知アルゴリズムでは,各機械の稼働データから「特徴量」と呼ばれる物理量を作成し,正常な機械で得られた特徴量から正常モデルを作成する。特徴量は,各機械の稼働データから抽出した複数の物理量の組合せであり,ベクトル形式で記述される。以下,ベクトル形式で記述した複数の特徴量の組合せを特徴量ベクトルと称す。特徴量ベクトルに対応する正常モデルは,正常な機械で得られた特徴量ベクトルの平均(以下,平均ベクトル)および分散で記述することができる。各機械の異常度は,新たに得られた物理量に対し,その特徴量ベクトルと平均ベクトルとの距離を定量化して異常度として算出する。例えばマハラノビス・タグチ法という統計的アルゴリズムによれば,各機械の異常度を以下の式(1)で計算することができる。
【0035】
【数1】
【0036】
ここで,aは異常度であり,xは新たに得られた特徴量ベクトルであり,μは平均ベクトルであり,σは正常な機械で得られた特徴量ベクトルxの標準偏差(分散の平方根)である。式(1)の右辺の分子は,新たな特徴量ベクトルxから平均ベクトルμまでの距離の二乗を示し,右辺の分母は,平均ベクトルμの算出に用いた特徴量ベクトルxの分散を示す。
【0037】
異常度の大きさである異常度aを機械の健全性指標として用いることにより,それに応じて機械の状態が正常または異常かについて判断することができる。良く利用される手法では,異常度aの閾値を設定し,異常度aが閾値を超える場合は「異常」と判定し,閾値を超えていない場合は「正常」と判定する。
【0038】
図4は,ある機械の異常度aの分布および状態判定に用いる閾値の一例を示す図である。図中の閾値は,機械の異常度aから算出される異常と正常の境界線である。異常度aと閾値を用いて,機械の異常を判定するアルゴリズムを次のような擬似コードで記述することができる。
【0039】
【数2】
【0040】
<対策部品推定部103>
対策部品推定部103は,機械状態分析部102において,ある機械の稼動データの異常度aが閾値を超え,異常と判定された(以下において「異常が検出された」と言うことがある)場合,記憶装置200の故障・修理履歴データベースD001と対策部品データベースD002に記憶された情報(第1情報)に基づいて当該機械の故障を修理するために必要な対策部品とその数量を特定する。
【0041】
図5は,故障・修理履歴データベースD001のデータ構造の一例を示す図である。故障・修理履歴データベースD001は,故障・修理のケースごとに分析時の健全性指標の値を記憶し,分析時の健全性指標の値ごとに,故障モードと,故障までの日数,修理に使われる交換部品リスト,修理所要時間,修理費用等を記憶している。
【0042】
図6は,対策部品データベースD002のデータ構造の一例を示す図である。対策部品データベースD002は,故障モードごとに,故障を修理するために必要な対策部品の部品番号と対策部品の名前と対策部品の数量を記憶している。
【0043】
まず,対策部品推定部103は,ある機械の稼動データの異常度a(健全性指標)が閾値を超え,その機械が異常であると判定されたとき,当該機械の状態の分析に用いた異常度a(健全性指標)の値に基づいて故障モードを特定し,この故障モードを修理するために必要な対策部品とその数量を含む対策部品のリストを生成する。
【0044】
具体的には,対策部品推定部103は,故障・修理履歴データベースD001に記憶されている故障モードのうち,分析時の健全性指標の値に対応する故障モードを選択し,この選択した故障モードを,機械状態分析部102において異常が検出されたときの故障モードであると推定する。
【0045】
また,対策部品推定部103は,対策部品データベースD002に記憶されている情報を用い,対策部品データベースD002に記憶されている,故障モードごとの故障を修理するために必要な部品とその数量の情報に基づいて,特定した故障モードを修理するために必要な対策部品とその数量を取得して特定する。
【0046】
ここで,故障モードは,健全性指標を計算する前に,機械の知識と故障履歴から,当該機械に起こり得る故障の形態として予め定められている。故障モードの例としては,例えばバッテリーの劣化,バケットのツースの損傷などがある。バッテリーの劣化はバッテリーの充電状態(SOC)の劣化によって生じる故障であり,バッテリーの充電状態に関する計測情報を分析することで健全性指標を算出することができる。バケットのツースの損傷はツースの摩耗によって生じる故障であり,累積稼働時間の稼働情報を分析することで健全性指標を算出することができる。
【0047】
<倉庫部品調達時間算出部104>
倉庫部品調達時間算出部104は,記憶装置200の倉庫データベースD003と現場データベースD004に記憶された情報(第2情報)に基づいて,上述した対策部品を部品倉庫40から調達する倉庫部品調達に要する倉庫部品調達時間(第1調達時間)Tを算出する。
【0048】
倉庫部品調達時間Tとは,健全性指標が閾値を超え,機械の異常が検出された時点から対策部品の全てが稼働現場(以下単に現場と言うことがある)に到着するまでの時間を意味する。
【0049】
図7は,倉庫データベースD003のデータ構造の一例を示す図である。倉庫データベースD003は,倉庫の基本情報および当該倉庫に保管されている全ての部品のリストを記憶している。倉庫の基本情報には,少なくとも倉庫名,倉庫の住所,倉庫の連絡先などが含まれる。部品リストには,倉庫に保管されている全ての部品について,少なくとも部品の部品番号,部品名,重量,寸法,単価,在庫数量,輸送手段などが含まれる。
【0050】
図8は,現場データベースD004のデータ構造の一例を示す図である。現場データベースD004は,少なくとも,現場の名称と,現場の住所と,現場に実施されているプロジェクトの期間と,当該プロジェクトの期待収益と,当該プロジェクト掘削計画と,当該現場に所有される機械のリストを記憶している。
【0051】
図9は倉庫部品調達時間算出部104の処理手順を示す図である。
【0052】
倉庫部品調達時間算出部104は,ステップS4401において,倉庫データベースD003から,対策部品の重量,寸法,在庫数量,輸送手段,倉庫の住所等の情報を取得し,現場データベースD004から稼働現場の住所を取得する。
【0053】
次いで,ステップS4402において,ステップS4401で取得した対策部品の重量,寸法,在庫数量,輸送手段,倉庫の住所,稼働現場の住所の情報に基づいて,部品を倉庫40から現場の機械まで調達する際の倉庫部品調達時間Tを算出する。具体的には,在庫数量が十分にある場合は,対策部品の重量,寸法,倉庫の住所,現場の住所,輸送手段の情報から対策部品を輸送するための輸送手段を特定し,この輸送手段と倉庫の住所および現場の住所に基づいて,対策部品を倉庫40から現場まで輸送するのに要する想定輸送時間を倉庫部品調達時間Tとして算出する。在庫数量が不足する場合は,不足する数量の部品を外部から調達する時間を含めて倉庫部品調達時間Tとする。
【0054】
<現場部品調達時間算出部105>
現場部品調達時間算出部105は,記憶装置200の機械情報データベースD005と部品互換性データベースD006に記憶された情報(第3情報)に基づいて,上述した対策部品を同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場部品調達に要する現場部品調達時間(第2調達時間)Tを算出する。
【0055】
現場部品調達時間Tとは,健全性指標が閾値を超え,機械の異常が検出された時点から対策部品の全てが同じ稼働現場に配置されているほかの機械から提供可能となるまでの時間を意味する。
【0056】
図10は,機械情報データベースD005のデータ構造の一例を示す図である。機械情報データベースD005は,機械群10の全ての機械について,少なくとも,各機械の機種情報,稼働計画,修理履歴,部品リスト,部品互換性情報,および単位時間内の平均掘削量を保存している。機種情報は,当該機械の機種・モデル名,型式,製造番号,製造年月日などの基本情報を記憶している。稼働計画は,対象の稼働現場において当該機械の稼働時間,操作モードといった稼働予定に関する情報を含む。修理履歴は,当該機械の過去における修理と部品交換に関する情報を含み,これらの情報は故障・修理履歴データベースD001から取得してもよい。部品リストは,当該機械が所有している全ての部品を含む。部品互換性情報は,当該機械の各部品について,ほかの機種の部品との間に互換性がある部品(以下,互換部品と言うこともある)の情報を含む。互換性のある部品間では,片方の部品が故障した場合,ほかの部品を代替品として使用することが可能である。単位時間内の平均掘削量は,油圧ショベルが掘削した土砂の重量の過去の時間当たりの平均値である。
【0057】
図11は,部品互換性データベースD006のデータ構造の一例を示す図である。部品互換性データベースD006は,機械群10の全ての機械が備える全ての部品について,当該部品と互換できる部品のリストを記憶している。
【0058】
図12は現場部品調達時間算出部105の処理手順を示す図である。
【0059】
現場部品調達時間算出部105は,ステップS5501において,機械情報データベースD005から,稼働現場に配置されている機械に関する情報として,対策部品と互換性のある部品を提供できる機械のリスト(以下「互換部品機械リスト」と言う)と,当該機械の稼働計画,部品リストおよび部品互換性情報を含む情報を取得する。上述したように,部品リストは各機械を構成する部品のリストであり,部品互換性情報は,各部品について互換可能な部品のリストである。部品互換性情報は,部品互換性データベースD006から取得してもよいし,部品互換性データベースD006を併用して取得してもよい。
【0060】
次いで,ステップS5502において,ステップS5501で取得した互換部品機械リストと部品リストおよび部品互換性情報に基づいて,対策部品推定部103において特定した対策部品のそれぞれに対し,互換部品の情報を取得する。
【0061】
現場部品調達時間算出部105は,ステップS5503において,ステップS5501で取得した互換部品機械のリストについて,それぞれの機械の「稼働計画」と照合し,それぞれの機械の互換部品を提供可能な日を予測し,この互換部品提供日の情報に基づいて現場部品調達時間Tを算出する。互換部品を提供できる機械が複数台存在する場合は,機械の互換部品の調達時間を全て計算し,互換部品の提供日の最も早い機械を選択し,その機械の互換部品の調達時間を現場部品調達時間Tとする。
【0062】
<倉庫部品調達費用算出部106>
倉庫部品調達費用算出部106は,機械のダウンタイムDによる機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKを含めて,対策部品を部品倉庫40から調達するのに要するトータル費用を算出する。
【0063】
図13は,倉庫部品調達費用算出部106の処理手順を示す図である。
【0064】
倉庫部品調達費用算出部106は,まず,ステップS401,S402において,記憶装置200の図7に示した倉庫データベースD003と図8に示した現場データベースD004に記憶された情報(第4情報)に基づいて必要な数量の対策部品を倉庫40から調達する倉庫部品調達に要する倉庫部品調達費用(第1調達費用)Cを算出する。
【0065】
まず,倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS401において,図9のステップS4401と同様に,倉庫データベースD003から,対策部品の重量,寸法,在庫数量,輸送手段,倉庫の住所等の情報を取得し,現場データベースD004から稼働現場の住所を取得する。また,ステップS401では,倉庫データベースD003から,対策部品の価格に関する情報を取得する。
【0066】
倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS402において,倉庫データベースD003および現場データベースD004から取得した情報に基づいて,部品を部品倉庫40から稼働現場の機械まで調達するのに要する倉庫部品調達費用Cを算出する。
【0067】
具体的には,倉庫部品調達費用算出部106は,倉庫データベースD003から各部品の単価Pを取得し,対策部品推定部103で生成した対策部品リストから各部品の数量Mを取得する。また,倉庫部品調達費用算出部106は,倉庫データベースD003から取得される輸送手段の情報から調達部品の輸送費用Tを算出する。ただし,複数の部品をまとめて輸送する場合は,まとめ輸送の費用を使う。
【0068】
そして,以下の式(3)を用いて倉庫部品調達費用Cを算出する。
【0069】
【数3】
【0070】
倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS403において,図9のステップS4402と同様に,対策部品の重量,寸法,倉庫の住所,現場の住所,輸送手段の情報に基づいて,対策部品を倉庫40から現場まで輸送するのに要する倉庫部品調達時間(第1調達時間)Tを算出する。倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS403の処理を省略し,図9のステップS4402で算出した倉庫部品調達時間を用いてもよい。
【0071】
倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS404,S405において,倉庫部品調達時間(第1調達時間)Tと,記憶装置200の図5に示した故障・修理履歴データベースD001と図8に示した現場データベースD004と図10に示した機械情報データベースD005に記憶された情報(第5情報)に基づいて,対策部品を倉庫40から調達する倉庫部品調達を行う際の機械のダウンタイムDSKによる機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKを算出する。
【0072】
まず,倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS404において,倉庫部品調達時間(第1調達時間)Tと記憶装置200の故障・修理履歴データベースD001に記憶された情報に基づいて対策部品を倉庫40から調達する倉庫部品調達を行う際の機械のダウンタイムDSKを算出し,次いで,ステップS405において,記憶装置200の現場データベースD004と機械情報データベースD005に記憶された情報に基づいて機械のダウンタイムDSKによる機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKを算出する。
【0073】
ここで,倉庫部品調達費用算出部106は,故障・修理履歴データベースD001に記憶されている情報であり,該当する故障および修理のケースごと或いは該当する健全性指標ごとの「故障までの日数」および「修理所要時間」の情報を用いて機械のダウンタイムDを算出する。「故障までの日数」は,機械状態分析部102において計算された健全性指標が閾値を超え,機械の異常が検出された時点から故障が発生した時点までの日数である。
【0074】
更に説明すると,倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS404において,機械状態分析部102で機械の異常が検出された時点を倉庫部品調達時間Tの起点として,倉庫部品調達時間Tから稼働現場への部品到着予定日を推定し,機械の修理開始日を予測する。機械の修理開始日は,全ての対策部品が現場に到着した日を起点として算出する。次いで,「修理所要時間」の情報から当該故障の想定修理時間を見積もり,機械の修理終了日を予測する。具体的には,当該故障と同じ故障モードの「修理所要時間」の平均を算出して故障の想定修理時間を予測する。そして,この想定修理時間に倉庫部品調達時間Tを加算して修理終了日を予測する。更にステップS404において,当該故障と同じ故障モードの「故障までの日数」の平均を算出して想定故障日を予測する。予測した修理終了日と想定故障日とを比較し,その差分(想定故障日-修理終了日)の日数を機械のダウンタイムDとする。なお,当該差分が負の値である場合は,機械のダウンタイムDはゼロであるとする。
【0075】
また,倉庫部品調達費用算出部106は,図8に示した現場データベースD004に記憶されている「工事プロジェクトの期待収益」Pおよび「工事プロジェクトの全体掘削量」Aと,図10に示した機械情報データベースD005に記憶されている情報である,対策部品と互換性のある部品を使用する機械の「単位時間の平均掘削量」Wの情報を用いて,機械のダウンタイムDによる機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKを算出する。
【0076】
具体的には,倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS405において,上記機械のダウンタイムDSKと,「工事プロジェクトの期待収益」Pと,「工事プロジェクトの全体掘削量」Aと,機械の「時間単位の平均掘削量」Wとから,下記の式(4)により当該機械の機械稼働ロス費用CSKを算出する。
SK=(Pr/A)×DSK×W (4)
【0077】
次いで,倉庫部品調達費用算出部106は,ステップS406において,倉庫部品調達費用(第1調達費用)Cと機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKに基づいて,必要な数量の対策部品を倉庫40から調達する倉庫部品調達に要する倉庫調達トータル費用(第1調達トータル費用)CS_totalを算出する。
【0078】
このとき倉庫部品調達費用算出部106は,図5に示した故障・修理履歴データベースD001に記憶されている情報である,該当するケース(健全性指標)の「修理費用」Cを用いて倉庫調達トータル費用(第1調達トータル費用)CS_totalを算出する。「修理費用」Cは部品交換を含む故障の修理作業に要する費用である。
【0079】
具体的には,倉庫部品調達費用算出部106は,倉庫部品調達費用Cおよび稼働ロス費用CSKと「修理費用」Cを,下記の式(5)のように合計し,倉庫調達トータル費用CS_totalを算出する。
S_total=C+CSK+C (5)
【0080】
<現場部品調達費用算出部107>
現場部品調達費用算出部107は,機械のダウンタイムによる機械稼働ロス費用(第2稼働ロス費用)CGKを含めて,対策部品を稼働現場に設置されているほかの機械から調達するのに要するトータル費用を算出する。
【0081】
図14は,現場部品調達費用算出部107の処理手順を示す図である。
【0082】
図14において,ステップS501,S502,S503の処理は,図12に示したステップS5501,S5502,S5503の処理と実質的に同じである。現場部品調達の場合,ステップS402の倉庫部品調達費用のような部品調達費用は発生しないので,図13のステップS402に相当する処理は行う必要はない。
【0083】
現場部品調達費用算出部107は,ステップS501において,機械情報データベースD005から稼働現場に配置されている機械に関する情報を取得し,ステップS502において,対策部品推定部103において特定した対策部品のそれぞれに対し,互換部品の情報を取得し,ステップS503において,現場部品調達時間Tを算出する。
【0084】
図14において,ステップS501,S502,S503の処理を省略し,ステップS503において,図12のステップS5503で算出した現場部品調達時間Tを用いてもよい。
【0085】
図14において,ステップS504,S505の処理は,図13に示したステップS404,S405の処理と扱うパラメータを除いて同じである。
【0086】
現場部品調達費用算出部107は,ステップS504,S505において,現場部品調達時間(第2調達時間)Tと記憶装置200の故障・修理履歴データベースD001,現場データベースD004および機械情報データベースD005に記憶された情報(第6情報)に基づいて対策部品(互換部品)を同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場部品調達を行う際の機械のダウンタイムによる機械稼働ロス費用(第2稼働ロス費用)CGKを算出する。
【0087】
このとき,機械稼働ロス費用CGK(第2稼働ロス費用)は,倉庫部品調達費用算出部106のステップS404,405における機械稼働ロス費用(第1稼働ロス費用)CSKの算出の場合と同様,ステップS504において故障機械のダウンタイムDGKを予測し,ステップS505において,上述した式(4)と同様の以下の式(6)を用いて機械のダウンタイムDGKによる機械稼働ロス費用CGKを算出する。
GK=(Pr/A)×DGK×W (6)
【0088】
現場部品調達費用算出部107は,ステップS506において,上記のように算出した機械稼働ロス費用(第2稼働ロス費用)CGKに基づいて必要な数量の対策部品を同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場部品調達に要する現場調達トータル費用(第2調達トータル費用)CG_totalを算出する。
【0089】
具体的には,現場部品調達費用算出部107は,故障・修理履歴データベースD001から部品交換と故障修理にかかる「修理費用」Cを取得し,機械のダウンタイムによる稼働ロス費用CDKと「修理費用」Cを下記の式(7)のように合計し,現場調達トータル費用CG_totalを算出する。
G_total=CDK+C (7)
【0090】
<部品調達方法決定部108>
部品調達方法決定部108は,異常が検出された場合の故障を修理するために推奨される部品調達方法を決定する。
【0091】
具体的には,部品調達方法決定部108は,倉庫部品調達時間算出部104で算出された倉庫部品調達時間(第1調達時間)Tと現場部品調達時間算出部105で算出された現場部品調達時間(第2調達時間)Tとを比較し,T≧Tの場合は,現場部品調達が部品調達時間から推奨される部品調達方法であると決定し,T<Tの場合は,倉庫部品調達が部品調達時間から推奨される部品調達方法であると決定する。
【0092】
また,部品調達方法決定部108は,倉庫部品調達費用算出部106で算出された倉庫調達トータル費用(第1調達トータル費用)CS_totalと,現場部品調達費用算出部107で算出された現場調達トータル費用(第2調達トータル費用)CG_totalとを比較し,CS_total≧CG_totalの場合は,現場部品調達が部品調達費用から推奨される部品調達方法であると決定し,CS_total<CG_totalの場合は,倉庫部品調達が部品調達費用から推奨される部品調達方法であると決定する。
【0093】
<出力部109>
出力部109は,上記のように機械状態分析部102~部品調達方法決定部108から得られた各種情報を,通信装置100bを介して顧客(機械のオーナー,ユーザー,代理店または営業所)を含む関係者が所持する情報提示装置50,例えばスマートフォンに送信する。
【0094】
出力部109は情報提示装置50に以下の情報を送信する。
【0095】
・故障検出時刻:機械状態分析部102において,健全性指標が所定の閾値を超えたとき(異常と判定されたとき)の時刻
・故障モード:機械状態分析部102において,健全性指標が所定の閾値を超えたときの故障モード
・対策部品リスト:対策部品推定部103で特定された対策部品のリスト
・倉庫から対策部品を調達するのに要する予測時間:倉庫部品調達時間算出部104で算出された倉庫部品調達時間T
・倉庫から対策部品を調達するのに要する予測費用:倉庫部品調達費用算出部106で算出された倉庫調達トータル費用CS_total
・現場から対策部品を調達するのに要する予測時間:現場部品調達時間算出部105で算出された現場部品調達時間T
・現場から対策部品を調達するのに要する予測費用:現場部品調達費用算出部107で算出された現場調達トータル費用CG_total
・部品調達時間から推奨される部品調達方法:部品調達方法決定部108において、部品調達時間から決められた部品調達方法
・部品調達費用から推奨される部品調達方法:部品調達方法決定部108において、部品調達費用から決められた部品調達方法
また,出力部109は情報提示装置50に更に以下の情報を送信してもよい。
【0096】
・倉庫部品調達費用C
・機械のダウンタイムDSK,DGK
・機械のダウンタイムDSK,DGKによる機械稼働ロス費用CSK,CGK
これらの情報は情報提示装置に表示されることで,ユーザーを始めとする関係者は,情報の内容を確認することができる。
【0097】
また,出力部109は,情報提示装置50に上記の各種情報を関係者に分かりやすく表示するための表示指令を出力する。
【0098】
図15は,出力部109の表示指令により情報提示装置50の画面に表示される表示例を示す図である。
【0099】
図15において,符号300は情報提示装置50の画面に表示される調達情報の表示領域であり,表示領域300には,「故障検出時刻」と「故障モード」を含む故障情報リスト301と,対策部品リストのタブ302と,調達関連情報のタブ303とが表示される。
【0100】
表示領域300において,対策部品リストのタブ302を指でタッチすると画面表示は対策部品リストの表示領域304に切り換わり,対策部品リストの部品名称と必要数量を含む対策部品リストが表示され,調達関連情報のタブ303を指でタッチすると画面表示は調達関連情報の表示領域305に切り換わり,倉庫のタブ305a,現場のタブ305b,倉庫と現場のタブ305c,推奨調達方法のタブ305dが表示される。なお,対策部品リストの表示領域304に含まれる部品が複数である場合、部品ごとに「倉庫」または「現場」のいずれが時間・費用面で優位かが異なることもありうる。そのため、部品名称、必要数量に加えて、推奨調達方法の情報を表示してもよい。この情報は電話番号やメールアドレスなど調達先への依頼連絡を含み、「倉庫」または「現場」の表示を選択することで、直接部品発注がなされる。
【0101】
また,表示領域305において,倉庫のタブ305aを指でタッチすると画面表示は倉庫調達に関する表示領域306Aに切り換わり,調達時間のタブ306aと調達費用のタブ306bが表示される。更に,表示領域306Aにおいて,調達時間のタブ306aを指でタッチすると表示画面は倉庫調達時間の表示領域307aに切り換わり,倉庫部品調達時間算出部104で算出された倉庫部品調達時間Tが表示され,調達費用のタブ306bを指でタッチすると表示画面は倉庫調達費用の表示領域307bに切り換わり,倉庫部品調達費用算出部106で算出された倉庫部品調達費用CS_totalが表示される。
【0102】
同様に,表示領域305において,現場のタブ305bを指でタッチすると表示画面は現場調達に関する表示領域306Bに切り換わり,調達時間のタブ306cと調達費用のタブ306dが表示される。更に,表示領域306Bにおいて,調達時間のタブ306cを指でタッチすると表示画面は現場調達時間の表示領域307cに切り換わり,現場部品調達時間算出部105で算出された現場部品調達時間Tが表示され,調達費用のタブ306dを指でタッチすると表示画面は現場調達費用の表示領域307dに切り換わり,現場部品調達費用算出部107で算出された現場部品調達費用CG_totalが表示される。
【0103】
表示領域305において,倉庫と現場のタブ305cを指でタッチすると表示画面は倉庫調達と現場調達に関する表示領域308aに切り換わり,倉庫部品調達時間Tおよび倉庫部品調達費用CS_totalと現場部品調達時間Tおよび現場部品調達費用CG_totalが対比して表示される。表示領域305において,推奨調達方法のタブ305dを指でタッチすると表示画面は推奨調達方法に関する表示領域308bに切り換わり,部品調達時間から推奨される部品調達方法およびその調達時間と部品調達費用から推奨される部品調達方法およびその調達費用が対比して表示される。
【0104】
なお,上記表示領域300から表示領域308bまでの表示の遷移は,階層表示,並列表示のいずれであってもよいし,それらの組合せであってもよい。また部品の在庫状況は変動しうるので、更新タブを設けておき、表示後に時間が経過した場合そのタブを押下することで最新の在庫に更新することができることとしてもよい。その際、履歴タブをさらに設けておき、そのタブを押下することで、前回の表示結果を参照する構成としてもよい。
【0105】
また,表示項目および表示方法は,情報提示装置50で動作するアプリケーションソフトに応じて適宜変更可能である。
【0106】
~効果~
本実施例によれば,同じ稼働現場に複数台の機械10a,10b,10c・・・が設置されている場合,機械の修理に必要な部品を倉庫40から調達する場合の倉庫部品調達時間と,稼動現場のほかの機械から調達する場合の現場部品調達時間を算出し,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間をその他の関連する情報とともに情報提示装置50に送信するので,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間の両方を考慮して部品調達を行うことが可能となり,部品調達の迅速化が図れる。これにより故障による機械の非稼働時間を最小化し,機械の稼働率が向上し,機械の稼働による収益の最大化が期待できる。
【0107】
また,本実施例では,機械の修理に必要な部品を倉庫40から調達する場合の倉庫部品調達費用と,稼動現場のほかの機械から調達する場合の現場部品調達費用を算出し,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間に加えて倉庫部品調達費用と現場部品調達費用を情報提示装置50に送信するので,部品調達費用をも考慮した部品調達を行うことが可能となり,部品調達の迅速化に加えて費用面での部品調達の最適化が図れ,機械の稼働による収益の最大化が期待できる。
【0108】
また,本実施例では,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間とを比較し,小さい方の調達時間に係わる倉庫部品調達或いは現場部品調達を部品調達時間から推奨される部品調達方法として決定するとともに,倉庫部品調達費用と現場部品調達費用とを比較し,小さい方の調達費用に係わる倉庫部品調達或いは現場部品調達を部品調達費用から推奨される部品調達方法として決定し,決定された調達方法を情報提示装置50に送信するので,ユーザーを含む関係者は,故障修理の部品調達を倉庫部品調達と現場部品調達のいずれにするかが決めやすくなる。
【実施例2】
【0109】
本発明の第2の実施例における保守支援システムを説明する。
【0110】
第1の実施例では,全ての部品を倉庫40か同じ稼働現場に配置されているほかの機械かのどちらか一方から調達することを前提として,倉庫部品調達時間と現場部品調達時間,或いは倉庫部品調達費用と現場部品調達費用を算出し,それらの調達時間および調達費用を関係者に提示する,或いは倉庫部品調達時間と現場部品調達時間の短い方或いは倉庫部品調達費用と現場部品調達費用の安い方を推奨される部品調達時間或いは部品調達費用として決定し,関係者に提示した。
【0111】
本実施例においても,制御装置が,対策部品を,倉庫40および同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する部品調達に要する調達時間および複数の調達費用を算出し、複数の調達時間のうちの少なくとも1つの調達時間、更には複数の調達費用のうちの少なくとも1つの調達費用を通信装置100bを介して情報提示装置に送信する点では,第1の実施例と同じである。
【0112】
本実施例で第1の実施例と異なるのは,前記制御装置は,対策部品の一部を倉庫40から調達する倉庫調達と,対策部品の残りを同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場調達とを組み合わせた組み合わせ調達において,前記複数の調達時間のうちの最小の調達時間を前記通信装置を介して情報提示装置に送信する点である。また、本実施例では、組み合わせ調達の全てに対し調達時間と調達費用を算出する。
【0113】
ここで,対策部品の一部を倉庫40から調達し,対策部品の残りを同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達するというような,倉庫40と現場に配置されているほかの機械を組み合わせて部品を調達する場合,対策部品の数に応じた組合せ数が発生する。
【0114】
例えば,対策部品がa,b,cの3つである場合,その組み合わせは6通りあり,本実施例ではそれら全ての組合せに対してデータベースD001~D006に記憶された種々の情報を用いて調達時間或いは調達費用を算出する。
【0115】
図16は,本実施例における制御装置100aの処理内容を示す機能ブロック図である。制御装置100aは,機械状態分析部102と,対策部品推定部103と,部品調達組合せ作成部210と,部品調達時間算出部211と,部品調達費用算出部212と,出力部109とから構成され,図示矢印の順序で処理が実行される。機械状態分析部102と,対策部品推定部103と,出力部109の処理内容は第1の実施例のものと同じである。
【0116】
制御装置100aの部品調達組合せ作成部210では、全ての対策部品の調達先の組合せについてリストを作成する。任意の対策部品jにとっては,調達先の選択肢が「倉庫」と「現場」の二通りがある。よって、部品調達先の組合せ数m=2である。
【0117】
図17は,部品調達組合せ作成部210の組合せのデータ構造を示す図である。
【0118】
部品調達時間算出部211では、全ての部品調達組合せに対して部品調達時間を算出する。具体的には,任意の部品調達組合せcomb(i)について、各対策部品の調達先に応じて、当該部品の調達時間を算出する。部品の調達先が「倉庫」の場合は、前記倉庫部品調達時間算出部104に記載の方法を用いて部品調達時間を算出する。部品の調達先が「現場」の場合は、前記現場部品調達時間算出部105に記載の方法を用いて部品調達時間を算出する。全対策部品の調達時間を算出した後に,全対策部品の調達時間の中で最大の調達時間を部品調達組合せcomb(i)の調達時間とする。即ち,
Tcomb(i)=Max{T,T2,T3,……,Tn} (8)
ただし,Tcomb(i)は部品調達組合せ(i)の調達時間であり、Tjは部品調達組合せ(i)における部品jの調達時間であり,「Max{}」は最大値を取得する演算子である。
【0119】
部品調達費用算出部212では、全ての部品調達組合せに対して部品調達費用を算出する。具体的には,任意の部品調達組合せcomb(i)について、各対策部品の調達先に応じて、当該部品の調達費用を算出する。部品の調達先が「倉庫」の場合は、前記倉庫部品調達費用算出部106に記載の方法を用いて部品調達費用を算出する。部品の調達先が「現場」の場合は、前記現場部品調達費用算出部107に記載の方法を用いて部品調達費用を算出する。全対策部品の調達費用を算出した後に,全対策部品の調達費用の合計を部品調達組合せcomb(i)の調達費用とする。即ち,
comb(i)=Σ{C,C2,C3,……,Cn} (9)
ただし,Ccomb(i)は部品調達組合せ(i)の調達時間であり、Cjは部品調達組合せ(i)における部品jの調達費用である。
【0120】
図18は,制御装置100aの部品調達時間算出部211と部品調達費用算出部212の計算結果の一部を示す図である。全ての部品調達組合せについて、それぞれの調達時間と調達費用を表示する。
【0121】
出力部109は,上記のように計算した複数の調達時間と複数の調達費用のうち,最小の調達時間,或いは,最小の調達時間と最小の調達費用を出力する。
【0122】
また、実施例2の場合、表示領域308bでは、全ての部品調達組合せの中で、調達時間が最小となる部品調達組合せおよび調達費用が最小となる部品調達組合せが対比して表示される。
【0123】
本実施例によれば,対策部品の一部を倉庫40から調達する倉庫調達と,対策部品の残りを同じ稼働現場に配置されているほかの機械から調達する現場調達とを組み合わせた組み合わせ調達において,組み合わせ調達の全てに対し調達時間と調達費用を算出するので,対策部品を部品ごとに分けて調達時間と調達費用を算出することが可能となり,調達時間と調達費用のそれぞれについて第1実施例よりも小さな調達時間或いは調達費用を算出することが可能となり,更なる部品調達の迅速化と最適化を図ることが可能となる。
【0124】
~その他~
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。また,建設機械を例として本発明の保守支援装置の実施例について説明したが,本発明は建設機械以外の機械へも適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0125】
1 保守支援システム
10 機械群
10a,10b,10c・・・ 機械
11 センサ
12 制御装置
13 通信装置
20 ネットワーク
40 倉庫
50 情報提示装置(スマートフォン)
100 サーバ
100a 制御装置
100b 通信装置
102 機械状態分析部
103 対策部品推定部
104 倉庫部品調達時間算出部
105 現場部品調達時間算出部
106 倉庫部品調達費用算出部
107 現場部品調達費用算出部
108 部品調達方法決定部
109 出力部
200 記憶装置
D001 故障・修理履歴データベース
D002 対策部品データベース
D003 倉庫データベース
D004 現場データベース
D005 機械情報データベース
D006 部品互換性データベース
210 部品調達組合せ作成部
211 部品調達時間算出部
212 部品調達費用算出部
図1
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