(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】電気装置、電気装置を含む中間層プライ、および当該電気装置および中間層プライを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20241216BHJP
C03C 27/12 20060101ALI20241216BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20241216BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20241216BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20241216BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H05K3/00 A
C03C27/12 N
H05K3/46 Q
H05K1/14 E
H05K3/28 G
H05K1/18 Z
(21)【出願番号】P 2021512387
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 GB2019052455
(87)【国際公開番号】W WO2020049292
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-04
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】591229107
【氏名又は名称】ピルキントン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195556
【氏名又は名称】柿沼 公二
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ローランド デイ
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-222550(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187075(WO,A1)
【文献】特表2010-519614(JP,A)
【文献】特表2016-502279(JP,A)
【文献】特開平10-284630(JP,A)
【文献】特表2005-533737(JP,A)
【文献】国際公開第2017/203132(WO,A1)
【文献】特表2017-507873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 3/28
H05K 3/00
H05K 1/18
H05K 3/46
B32B 17/10
C03C 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気装置を製造する方法であって、
(i)第1の主表面と第2の対向する主表面とを有する中間層材料の層を提供するステップと、
(ii)中間層材料の前
記層の前記第1の主表面上に少なくとも第1の電気的に動作可能な構成要素を配置し、前記第1の電気的に動作可能な構成要素は第1の回路板上に取り付けられる、ステップと、
(iii)前記中間層材料の層の前記第1の主表面の少なくとも一部および前記第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または前記第1の回路板の少なくとも一部を覆うための接着材料の層を提供する、ステップと、を含み、
その結果、ステップ(iii)に続いて、前記第1の電気的に動作可能な構成要素は、前記接着材料の層の少なくとも一部によって前記中間層材料の層に固定され、
ここで、ステップ(iii)の前に、可撓性回路が前記中間層材料の層または前記第1の回路板上に配置され、前記可撓性回路は、第1の主表面および対向する第2の主表面を有する基板を備え、前記可撓性回路の基板の前記第1または第2の主表面は、その上に導電性トラックによって前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通する第1の電気コネクタ領域を備え、ここで、前記可撓性回路は、前記可撓性回路の前記基板上の前記第2の電気コネクタ領域が前記第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域と電気的に連通し、および好ましくは機械的に連通するように配置される、方法。
【請求項2】
ステップ(ii)において、前記第1の回路板は、前記第1の回路板が前記中間層材料の層と前記第1の電気的に動作可能な構成要素との間にあるように、前記中間層材料の層の前記第1の主表面上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(iii)において、前記接着材料は、液体として提供され、好ましくは注入または噴霧によって、接着材料の層を提供する、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(iii)に続いて凝固ステップを経て、好ましくはここで、前記液体の凝固ステップは固化ステップおよび/または硬化ステップを含み、好ましくは前記液体の凝固ステップは加熱ステップおよび/または照射ステップを含み、好ましくは紫外線照射ステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記液体は、前記中間層材料の第1の層に対して均一な厚さを達成するように、より好ましくは、前記中間層材料の第1の層の第1の主表面および/または第2の主表面に対して均一な厚さを達成するように水平化される、請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記中間層材料の第1の層に面していない前記接着材料の固化層の表面はテクスチャ加工され、および/またはコーティングが設けられる、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記液体は、少なくとも第1の成分および第2の成分を備える2成分系を備え、好ましくは、ここで前記第1の成分が、ステップ(iii)に供される前または後に前記第2の成分と混合される、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記接着材料の層は、0.3mm~3.0mmの厚さを有し、および/または前記中間層材料の層は、0.3mm~2.0mmの厚さを有し、および/または前記接着材料の層は、前記電気的に動作可能な構成要素全体および/または前記第1の回路板全体を覆う、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(i)の後、第1のバリアは、前記中間層材料の層の前記第1の主表面上または前記中間層材料の層の辺縁の周囲に設けられ、ステップ(ii)に続いて、前記第1の回路板の少なくとも一部は、前記第1のバリアの内側にあり、好ましくは、前記第1の回路板全体が前記第1のバリアの内側にあるように、前記第1のバリアが前記第1の回路板を取り囲む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(ii)に続いて、少なくとも第2の電気的に動作可能な構成要素が前記中間層材料の層上に配置され、前記第2の電気的に動作可能な構成要素は、第2の回路板上に取り付けられ、さらに前記第2の電気的に動作可能な構成要素は、前記第1の電気的に動作可能な装置から離間され、および/または前記第1の回路板は、前記第2の回路板から離間されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(iii)の間に、前記接着材料の層はまた、前記第2の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または前記第2の回路板の少なくとも一部をも覆い、好ましくはここで、前記接着材料の層はまた、前記第2の電気的に動作可能な構成要素全体および/または前記第2の回路板全体をも覆い、もしくはステップ(iii)に続いて、前記第2の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または前記第2の回路板の少なくとも一部を覆う接着材料の第2の層が提供され、前記接着材料の第2の層が液体として提供されることが好ましい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(iii)に続いて、その上に取り付けられた前記第1の電気的に動作可能な構成要素を有する前記第1の回路板の少なくとも一部は、好ましくは切断ステップまたは打ち抜きステップによって、中間層材料の前記層から除去され、子電気装置である電気装置を製造する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記可撓性回路の基板は、その第1または第2の主表面上に、導電性トラックによって前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面上の第4の電気コネクタ領域と電気的に連通する第3の電気コネクタ領域を備え、ここで、前記可撓性回路は、前記可撓性回路の基板上の前記第4の電気コネクタ領域が第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通し、および好ましくは機械的に連通するように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(iii)の後に、前記電気装置を別の中間層材料のシートの開口部に組み込むステップを含み、ここで前記電気装置を別の中間層材料のシートの開口部に組み込むステップは、第1の主表面および第2の対向する主表面を有する中間層材料のシートを提供するステップと;中間層材料のシートの少なくとも第1の部分を除去して、中間層材料のシートに開口部を作り、前記中間層材料のシートの開口部が中間層材料のシートの第1および第2の主表面の間に少なくとも第1の壁を有するステップと;電気装置の少なくとも一部を開口部に配置するステップと;結合手段を使用して、電気装置を中間層材料のシートの第1および/または第2の主表面の少なくとも一部および/または中間層材料のシートの開口部の第1の壁の少なくとも一部に固定するステップと、を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記電気装置全体が前記開口部内にある、および/または前記結合手段が融着ステップおよび/または接着剤を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(i)において、前記中間層材料の層は、中間層材料のシートとして提供される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記中間層材料は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備え、および/または接着材料は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第1の回路板は第1の主表面および第2の対向する主表面を有し、第1の回路板に取り付けられた少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素と、
外側主表面を有する少なくとも1つの中間層材料層と、
外側主表面を有する少なくとも1つの接着材料の層と、
を備える電気装置であって、
ここで、前記少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素が取り付けられた前記第1の回路板は、中間層材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面と接着材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面との間にあり、
さらに、前記第1の回路板は、少なくとも前記接着材料の層によって前記中間層材料の層に固定されており、
前記電気装置は、第1の外面および第2の対向する外面を有し、
(a)前記電気装置の前記第1の外面は、前記中間層材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面を備え、前記電気装置の前記第2の対向する外面は、前記接着材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面を備える、
または
(b)前記電気装置の前記第1の外面は、前記接着材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面を備え、前記電気装置の前記第2の対向する外面は、前記中間層材料の少なくとも1つの層の前記外側主表面を備え、
ここで、前記電気的に動作可能な構成要素は、それに電力を供給するための第1および第2の入力端子を有し、ここで第1の回路板は第1の電気コネクタ領域を備え、前記第1の回路板の第1の電気コネクタ領域は前記電気的に動作可能な装置の前記第1の入力端子と電気的に連通しており、さらに前記電気装置は可撓性回路を備え、前記可撓性回路は第1の主表面および対向する第2の主表面を有する基板とを備え、前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面は導電性トラックによって前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通する第1の電気コネクタ領域をその上に備え、前記可撓性回路の前記基板上の前記第1の電気コネクタ領域は前記第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域と電気的および機械的に連通しており、その結果、前記少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の前記第2の入力端子を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および前記可撓性回路の前記第2の電気コネクタ領域を適切な電源
の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力は、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に供給され、好ましくはここで、前記可撓性回路の前記第1の電気コネクタ領域および前記可撓性回路の前記第2の電気コネクタ領域は前記可撓性回路の前記基板の第2の主表面上にあり、および好ましくは、前記可撓性回路の第1の電気コネクタ領域は、前記可撓性回路の基板の前記第2の主表面上の導電性トラックによって可撓性回路の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通している、
ことを特徴とする、電気装置。
【請求項19】
前記可撓性回路の前記基板は、導電性トラックによって前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面上の第4の電気コネクタ領域と電気的に連通している前記可撓性回路の前記基板の前記第1または第2の主表面上の第3の電気コネクタ領域を備え、前記可撓性回路の前記基板上の前記第3の電気コネクタ領域は、前記第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域と電気的および機械的に連通しており、前記第1の回路板上の前記第2の電気コネクタ領域は少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子と電気的に連通し、ここで前記可撓性回路の前記第4の電気コネクタ領域を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および前記可撓性回路の前記第2の電気コネクタ領域を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力は、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に提供され、好ましくは、前記可撓性回路の第3の電気コネクタ領域および前記可撓性回路の前記第4の電気コネクタ領域は、前記可撓性回路の前記基板の前記第2の主表面上にあり、好ましくは前記可撓性回路の前記第3の電気コネクタ領域は、前記可撓性回路の前記基板の前記第2の主表面上の導電性トラックによって前記可撓性回路の前記第4の電気コネクタ領域と電気的に連通している、請求項18に記載の電気装置。
【請求項20】
前記可撓性回路の前記基板の前記第2の主表面は、前記第1の回路板の前記第1の主表面に面し、好ましくは前記可撓性回路の前記基板の前記第2の主表面が、前記第1の回路板の前記第1の主表面の少なくとも一部と直接接触しおよび/または一時的な接着手段が前記第1の回路板の前記第1の主表面の少なくとも一部と前記可撓性回路の前記基板の第2の主表面との間にあり、好ましくは前記一時的な接着手段が再粘着可能な接着剤である、請求項18または請求項19に記載の電気装置。
【請求項21】
前記電気装置は、中間層プライの一部であり、前記中間層プライは2枚のガラスシートを一緒に接合するのに適しており、前記中間層プライは、第1の主表面および第2の対向する主表面を有する中間層材料のシートを備え、前記中間層材料のシートに開口部があり、前記開口部は前記中間層材料の前記シートの前記第1および第2の主表面の間に延在する壁を有し、前記電気装置は、前記中間層材料のシートの前記開口部に配置され、前記開口部の前記壁の少なくとも一部および/または前記中間層材料のシートの前記第1および/または第2の主表面の少なくとも一部に結合され、好ましくは前記中間層材料のシートがポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える、請求項18から20のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項22】
前記中間層材料の少なくとも1つの層および前記接着材料の少なくとも1つの層のうちの少なくとも1つは、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える、請求項18から21のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項23】
少なくとも1枚のグレージング材料、好ましくはガラス、および請求項18から22のいずれか一項に記載の電気装置を備える、積層グレージングであって、ここで前記電気装置は、前記少なくとも1枚の中間層材料または前記少なくとも1層の接着材料によって、前記少なくとも1枚のグレージング材料に接合されている、積層グレージング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置、積層グレージングを作製するのに有用な電気装置を組み込んだ中間層プライ、ならびにそのような電気装置および中間層プライを製造するための方法に関する。
【0002】
積層グレージングの2枚のガラス板の間に電気部品を組み込むことが知られている。
【0003】
米国特許出願公開第2016/0313587号明細書(US2016/0313587A1)は、電気的に供給される機能アセンブリが挿入される積層自動車グレージングについて記載している。国際公開第2018/025051号(WO2018/025051A1)は、少なくとも1枚の接着中間層材料、第1の電気作動装置、および第1の電気作動装置と電気的に連通する第1の受信コイルをその間に有する第1および第2のグレージング材料のシートを備える積層グレージングについて記載している。このような積層グレージングを作成する方法もまた、WO2018/025051A1に記載されている。
【0004】
欧州特許第1534513号明細書(EP1534513B1)には、2つのガラスプライ、プラスチックプライ、およびガラスプライの間に積層された回路板に取り付けられた1つ以上の発光ダイオードを備える積層グレージングパネルが記載されている。そのような積層グレージングは、積層プロセスの前に、回路板を受け入れるためにプラスチックプライに切り欠き領域を準備するステップを含むプロセスを使用して製造され得る。回路板およびまたはより多くの発光ダイオードは、プラスチックプライの材料と適合性のある材料で少なくとも部分的にコーティングされ得る。回路板は、プラスチックプライの切り欠き領域に配置される。
【0005】
積層グレージングを製造するための別のプロセスもEP1534513B1に記載されており、当該プロセスは、2つのプラスチックプライを対にするステップと、1つ以上の発光ダイオードが取り付けられた回路板を受け入れるために上部プラスチックプライにカットアウト領域を準備するステップと、当該回路板を切り欠き領域に配置するステップと、さらなるプラスチックプライを対になったプラスチックプライに接合し、それによって複合プライを作成するステップと、複合プライを2つのガラスプライの間に交互に配置するステップと、プライを積層するするステップと、を含む。回路板および1つ以上の発光ダイオードは、共にプラスチックプライの材料と適合性のある材料で少なくとも部分的にコーティングされ得、1つ以上の発光ダイオードが取り付けられるコーティングされた回路板の全体の厚さは、それが配置されているプラスチックプライの厚さと同等であることが好ましい。
【0006】
このような製造プロセスの問題は、切り欠き領域を有するプラスチックプライを第1のガラスシート上に配置するとき、切り欠き領域を伸ばすリスクおよびプラスチックプライを伸ばすリスクなしに回路板を開口部に挿入することが困難であり得る。この問題は、自動車のグレージングの分野でしばしばあるように、第1のガラスシートが湾曲しているときにさらに顕著になり得る。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明は、第1の態様から、
(i)第1の主表面と第2の対向する主表面とを有する中間層材料の層を提供するステップと、
(ii)中間層材料の第1の層の第1の主表面上に少なくとも第1の電気的に動作可能な構成要素を配置し、第1の電気的に動作可能な構成要素は第1の回路板上に取り付けられる、ステップと、
(iii)中間層材料の第1の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または第1の回路板の少なくとも一部を覆うための接着材料の層を提供するステップと、
を含む電気装置を製造する方法を提供する。
【0008】
誤解を避けるために記すと、ステップ(iii)の間における接着材料の層の供給は、(a)中間層材料の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部を覆い得、または(b)中間層材料の第1の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および第1の回路板の少なくとも一部を覆い得、または(c)中間層材料の第1の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の回路板の少なくとも一部を覆い得る。
【0009】
ステップ(iii)で提供される接着材料の層は、ステップ(iii)に続いて中間層材料の層上に第1の電気的に動作可能な構成要素を固定するために使用される。すなわち、ステップ(iii)に続いて、第1の電気的に動作可能な構成要素は、接着材料の層の少なくとも一部によって中間層材料の第1の層に固定される。
【0010】
第1の電気的に動作可能な構成要素は、第1および第2の出力端子を有する適切な電源に接続するための第1および第2の電気入力端子を有し、その結果、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および第1の電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力が少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に提供される。
【0011】
本発明の第1の態様による方法を使用して製造された電気装置は、そのように製造された形態で使用され得、またはそこから子電気装置を製造するための親電気装置として使用され得、親装置および子装置はそれぞれ、それぞれの第1の主表面および対抗する第2の主表面を有し、子電気装置の第1および第2の主表面の少なくとも1つは、親電気装置の第1または第2の主表面よりも小さい面積を有する。
【0012】
好ましくは、中間層材料の層はシートとして提供される。
【0013】
好ましくは、中間層材料の層は、モノリシックシートまたは多層シートを備える。
【0014】
好ましくは、中間層材料は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える。
【0015】
好ましくは、中間層材料の層は、ポリビニルブチラール(PVB)のシート、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマーのシート、またはポリウレタンのシート、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)のシートを備える。
【0016】
好ましくは、第1の回路板は、第1の主表面および第2の対向する主表面を有する基板を備え、ここでステップ(ii)の間に、基板の第2の主表面は、中間層材料の層に面し、ここで好ましくは、電気的に動作可能な構成要素は、基板の第1の主表面に取り付けられる。
【0017】
好ましくは、ステップ(ii)において、第1の回路板は、第1の回路板が中間層材料の層と第1の電気的に動作可能な構成要素との間にあるように、中間層材料の層の第1の主表面上に配置される。
【0018】
好ましくは、ステップ(iii)に続いて、接着材料の層は、中間層材料の層の第1の主表面と第1の電気的に動作可能な構成要素および/または第1の回路板と直接接触する。
【0019】
好ましくは、接着材料はプラスチック材料である。
【0020】
好ましくは、接着材料は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える。
【0021】
好ましくは、ステップ(iii)において、接着材料の層は、液体として(すなわち、液体の形態で)提供される。接着材料の層を液体の形で提供することにより、接着材料は、中間層材料の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または第1の回路板の少なくとも一部を覆うように注がれるかまたは噴霧され得る。
【0022】
接着材料の層が最初に液体の形で(すなわち液体として)提供されるとき、液体は、中間層材料の層の第1の主表面の少なくとも一部および第1の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または第1の回路板の少なくとも一部を覆い、その後、液体は固化ステップを経ることが好ましい。好ましくは、液体の凝固ステップは、固化ステップおよび/または硬化ステップを含む。好ましくは、液体の凝固ステップは、加熱ステップおよび/または照射ステップ、好ましくは紫外線照射ステップを含む。
【0023】
接着材料の層が最初に液体として提供され、次に凝固ステップを経るとき、中間層材料の層に面していない接着材料の凝固層の表面は、好ましくはテクスチャ加工されおよび/または好ましくはコーティングが提供される。
【0024】
接着材料の層が最初に液体として提供されるとき、好ましくは、液体は、少なくとも第1の成分および第2の成分を備える2成分系を備え、好ましくは、第1の成分は、ステップ(iii)の間に提供される前または後に、第2の成分と混合される。
【0025】
接着材料の層が最初に液体として提供されるとき、好ましくは、液体は、中間層材料の第1の層に対して均一な厚さを達成するように、より好ましくは、中間層材料の第1の層の第1の主表面および/または第2の主表面に対して均一な厚さを達成するように、水平にされる。
【0026】
いくつかの実施形態では、接着材料の層は、0.3mm~3.0mm、好ましくは0.3mm~2.0mm、より好ましくは0.3mm~1.6mmの厚さを有する。好ましくは、プラスチック材料の層は、0.38mm、または0.76mm、または1.14mmまたは1.52mmの厚さを有する。
【0027】
好ましくは、接着材料の層は均一な厚さを有する。
【0028】
好ましくは、接着材料の層は、光学的に透明であるか、または着色されている。
【0029】
好ましくは、接着材料の層は、電気的に動作可能な構成要素全体および/または第1の回路板全体を覆う。
【0030】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の後、第1のバリアが、中間層材料の層の第1の主表面上または中間層材料の層の辺縁の周りに提供され、ステップ(ii)に続いて、第1の回路板の少なくとも一部が第1のバリアの内側にある。
【0031】
好ましくは、第1の回路板全体が第1のバリアの内側にあるように、第1のバリアが第1の回路板を取り囲む。
【0032】
好ましくは、第2のバリアはまた、中間層材料の層の第1の主表面上に提供され、第2のバリアは、第1のバリアと連通して、第1の回路板の少なくとも一部がステップ(ii)に従って配置される空間を画定する。
【0033】
ステップ(ii)に続くいくつかの実施形態では、少なくとも第2の電気的に動作可能な構成要素は、中間層材料の層上に配置され、第2の電気的に動作可能な構成要素は、第1の回路板上に取り付けられ、第1の電気的に動作可能な装置から離間される。
【0034】
ステップ(ii)に続くいくつかの実施形態では、少なくとも第2の電気的に動作可能な構成要素は、中間層材料の層上に配置され、第2の電気的に動作可能な構成要素は、第2の回路板上に取り付けられ、第2の電気的に動作可能な構成要素は、第1の電気的に動作可能な装置から離間され、および/または第1の回路板は、第2の回路板から離間されている。
【0035】
好ましくは、第1の電気的に動作可能な構成要素は第1の回路板に取り付けられ、第2の電気的に動作可能な構成要素は第2の回路板に取り付けられ、第1および第2の電気的に動作可能な構成要素が中間層材料の第1の層に配置されるとき、第1の回路板は第2の回路板から離間している。
【0036】
第1の電気的に動作可能な構成要素が第1の回路板に取り付けられ、第2の回路板に取り付けられた第2の電気的に動作可能な構成要素がある実施形態において、好ましくは第1のバリアおよび第2のバリアが中間層材料の層の第1の主表面に提供され、ステップ(iii)に続いて第1の回路板は第1のバリアの内側にあり、第2の回路板は第2のバリアの内側にある。第2のバリアは、第1のバリアによって画定された周囲の内部にないことが好ましい。
【0037】
第1の電気的に動作可能な構成要素が第1の回路板に取り付けられ、第2の電気的に動作可能な構成要素が第2の回路板に取り付けられる実施形態では、好ましくは、第1のバリアが、中間層材料の層の第1の主表面上または中間層材料の層の辺縁の周りに提供され、ステップ(iii)に続いて、第1および第2の回路板が第1のバリアの内側にある。
【0038】
第1の電気的に動作可能な構成要素が第1の回路板に取り付けられ、第2の電気的に動作可能な構成要素が第2の回路板に取り付けられる実施形態では、好ましくはステップ(iii)の間に、接着材料の層はまた、第2の電気的に動作可能な構成要素の少なくとも一部および/または第2の回路板の少なくとも一部を覆い、より好ましくは、接着材料の層はまた、第2の電気的に動作可能な構成要素全体および/または第2の回路板全体を覆う。
【0039】
第1の電気的に動作可能な構成要素が第1の回路板に取り付けられ、第2の電気的に動作可能な構成要素が第2の回路板に取り付けられる実施形態では、好ましくはステップ(iii)に続いて、接着材料の第2の層が提供され、第2の電気的に作動する装置の少なくとも一部および/または第2の回路板の少なくとも一部を覆う。好ましくは、接着材料の第2の層は、液体として提供され、好ましくは注入または噴霧によって提供される。第2の層が最初に液体として提供されるとき、接着材料の第2の層の液体は、好ましくは、その後の凝固ステップを経る。好ましくは、接着材料の第2の層の液体のその後の凝固ステップは、固化ステップおよび/または硬化ステップを含む。好ましくは、接着材料の第2の層の液体のその後の凝固ステップは、加熱ステップおよび/または照射ステップ、好ましくは紫外線照射ステップを含む。
【0040】
好ましくは、接着材料の第2の層の液体は、中間層材料の第1の層に対して均一な厚さ、より好ましくは、中間層材料の第1の層の第1の主表面および/または第2の主表面に対して均一な厚さを達成するように水平にされる。
【0041】
接着材料の第2の層は最初に液体として提供され、次にその後の凝固ステップを経た実施形態では、中間層材料の第1の層に面していない接着材料の第2の層の表面は、テクスチャ加工および/またはコーティングが提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、ステップ(iii)に続いて、第1の電気的に動作可能な構成要素が取り付けられた第1の回路板が、中間層材料の層から除去され、好ましくは切断ステップまたは打ち抜きステップによって除去され、それによって子電気装置が製造される。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1の電気的に動作可能な構成要素が取り付けられた第1の回路板が中間層材料の層から除去されるとき、第1の回路板の少なくとも一部は、接着材料の層の一部と中間層材料の層の一部との間にあり、および中間層材料の層の少なくとも一部は、接着材料の層の少なくとも一部に接合されている。
【0044】
第1の回路板に取り付けられた第1の電気的に動作可能な構成要素と第2の回路板に取り付けられた第2の電気的に動作可能な構成要素とを有するいくつかの実施形態では、ステップ(iii)に続いて、第1の回路板は、中間層の第1の層によって片側が覆われ、接着材料の層の少なくとも一部によって反対側が覆われ、第2の回路板は、片側が中間層材料の第1の層で覆われ、反対側が層の少なくとも接着材料の層の少なくとも一部で覆われるとき、ここで接着材料の層の少なくとも一部は、第1および第2の回路板を中間層材料に固定する中間層材料の層の第1の主表面と接触し、ここで、第1の回路板は、第2の回路板から離間されており、好ましくは、この方法は、ステップ(iii)の後に中間層材料の層からの第1の電気的に動作可能な構成要素および/または第2の電気的に動作可能な構成要素を分離するための分離ステップを含み、それによって少なくとも1つの子電気装置を製造する。
【0045】
分離ステップ中、それぞれの第1および第2の電気的に動作可能な構成要素が取り付けられた第1および/または第2の回路板全体が、中間層材料の層から分離されることが好ましい。
【0046】
好ましくは、分離ステップ中に、第1の回路板に取り付けられた第1の電気的に動作可能な構成要素および/または第2の回路板に取り付けられた第2の電気的に動作可能な構成要素は、中間層材料の層から分離され、それによって第1の子電気装置および/または第2の娘(daughter)電気装置を製造する。
【0047】
好ましくは、分離ステップは、切断ステップまたは打ち抜きステップを含む。
【0048】
分離ステップが切断ステップを含むとき、好ましくは、切断ステップは、レーザー切断ステップ、熱切断ステップ、および機械的切断ステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
他の実施形態では、接着材料の第1の層が接着材料のシートとして提供され、ステップ(iii)に続いて、接着材料のシートが加熱されて、接着材料のシートが中間層材料の層の第1の主表面の部分および第1の電気的に動作可能な装置の部分および/または第1の回路板の部分に融着する。
【0050】
ステップ(iii)後のいくつかの実施形態では、方法は、中間層材料のシートの開口部に電気装置を組み込むことを含み、ここで中間層材料のシートの開口部に電気装置を組み込むことは、第1の主表面と第2の対向する主表面とを有する中間層材料のシートを提供するステップと、中間層材料のシートの少なくとも第1の部分を除去して、中間層材料のシートに開口部を作り、中間層材料のシートの開口部は、中間層材料のシートの第1および第2の主表面の間に少なくとも第1の壁を有する、ステップと、電気装置の少なくとも一部を開口部に配置するステップと、結合手段を使用して、電気装置を中間層材料のシートの第1および/または第2の主表面の少なくとも一部および/または中間層材料のシートの開口部の第1の壁の少なくとも一部に固定するステップと、を含む。誤解を避けるために記載すると、ステップ(i)の中間層材料の層が中間層材料のシートとして提供されるそのような実施形態では、このシートは、中間層材料の第1のシートと呼ばれ得、電気装置を組み込むために開口部が形成される中間層材料のシートは、中間層材料の第2のシートと呼ばれ得る。
【0051】
これらの実施形態では、続く積層グレージングの製造に使用され得る、中間層材料のシートと本発明の一態様による電気装置とを備える中間層プライが製造され、積層グレージングは、少なくとも1枚のグレージング材料を備え、中間層プライが接合された、ガラス、特にソーダ石灰シリカガラスが好ましい。
【0052】
電気装置は、親電気装置、または親電気装置から製造された、すなわち切断によって親電気装置から取り外すことによって製造された子電気装置であり得る。
【0053】
電気装置を中間層材料のプライの開口部の第1の壁および/または中間層材料のシートの第1および/または第2の主表面に結合することにより、グレージング材料のシートとのその後の積層プロセスを単純化する。
【0054】
好ましくは、第1の電気的に動作可能な構成要素は、中間層材料のプライの開口部に少なくとも部分的に配置される。
【0055】
好ましくは、結合手段は、電気装置の第1の回路板を、中間層材料のプライの第1の主表面および/または中間層材料のプライの開口部の第1の壁に取り付けるための接着剤を備える。
【0056】
好ましくは、結合手段は、中間層材料のプライの第1の主表面および/または中間層材料のプライの開口部の第1の壁に電気装置を取り付けるための接着剤を備える。
【0057】
好ましくは、接着結合手段は、最初は液体として提供され、その後、固化または硬化する。
【0058】
好ましくは、接着結合手段は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える。
【0059】
電気装置の第1の回路板は、第1の主表面および対向する第2の主表面を有し、好ましくは、第1の回路板の第1および/または第2の主表面全体が接着結合手段の層で覆われている。
【0060】
他の実施形態では、結合手段は、電気装置の中間層材料の層の少なくとも一部を、中間層材料のプライの開口部の壁および/または中間層材料のプライの第1および/または第2の主表面に融着するための融着ステップを備える。好ましくは、融着ステップは、熱融着ステップを備える。好ましくは、熱融着ステップは、レーザー加熱ステップを備える。
【0061】
ステップ(iii)の前のいくつかの実施形態では、可撓性回路は、中間層材料の層または第1の回路板上に配置され、可撓性回路は、第1の主表面および対向する第2の主表面を有する基盤を備え、可撓性回路の基板の第1または第2の主表面は、導電性トラックによって可撓性回路の基板の第1または第2の主表面上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通している第1の電気コネクタ領域をその上に備え、ここで、可撓性回路は、可撓性回路の基板上の第2の電気コネクタ領域が、第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域と電気的に連通するように配置されている。
【0062】
好ましくは、可撓性回路は、可撓性回路の基板上の第2の電気コネクタ領域が、第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域と機械的に連通するように配置される。
【0063】
好ましくは、可撓性回路の基板は、その第1または第2の主表面上に、導電性トラックによって可撓性回路の基板の第1または第2の主表面上の第4の電気コネクタ領域と電気的に連通する第3の電気コネクタ領域を備え、ここで、可撓性回路は、可撓性回路の基板上の第4の電気コネクタ領域が第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通するように配置される。
【0064】
好ましくは、可撓性回路は、可撓性回路の基板上の第4の電気コネクタ領域が、第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域と機械的に連通するように配置される。
【0065】
第1の電気的に動作可能な構成要素は、第1および第2の出力端子を有する適切な電源に接続するための第1および第2の電気入力端子を有し、その結果、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子を、適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させるとき、および第1の電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させるとき、電力が少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に提供される。
【0066】
第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域は、第1の電気的に動作可能な装置の第1の入力端子と電気的に連通しており、存在する場合、第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域は、第1の電気的に動作可能な装置の第2の入力端子と電気的に連通している。第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および第1の電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると(存在する場合、第2の電気コネクタ領域を介してもよい)、電力は、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に提供される。
【0067】
本発明はまた、第2の態様から、第1の回路板は第1の主表面および第2の対向する主表面を有し、第1の回路板に取り付けられた少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素と;外側主表面を有する少なくとも1つの中間層材料層と;外側主表面を有する少なくとも1つの接着材料の層と;を備える電気装置であって、ここで、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素が取り付けられた第1の回路板は、中間層材料の少なくとも1つの層の外側主表面と接着材料の少なくとも1つの層の外側主表面との間にあり;さらに、第1の回路板は、少なくとも接着材料の層によって中間層材料の層に固定されており;電気装置は、第1の外面および第2の対向する外面を有し、(a)電気装置の当該第1の外面は、中間層材料の少なくとも1つの層の外側主表面を備え、電気装置の当該第2の外面は、接着材料の少なくとも1つの層の外側主表面を備える、または(b)電気装置の当該第1の外面は、接着材料の少なくとも1つの層の外側主表面を備え、電気装置の第2の外面は、中間層材料の少なくとも1つの層の外側主表面を備える、ことを特徴とする、電気装置を提供する。
【0068】
好ましくは、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素は、第1の回路板と接着材料の少なくとも1つの層との間にある。
【0069】
第1の回路板は辺縁を有し、好ましくは接着材料の少なくとも1つの層が第1の回路板を覆い、その辺縁を越えて延在して、第1の回路板を少なくとも1つの中間層材料に固定するための中間層材料の少なくとも1つの層に接触し、より好ましくは、接着材料の少なくとも1つの層が第1の回路板全体を覆い、その辺縁を越えて延在して、第1の回路板を少なくとも中間層材料の1つの層に固定するための中間層材料の少なくとも1つの層に接触する。
【0070】
少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素は、第1および第2の出力端子を有する適切な電源に接続するための第1および第2の電気入力端子を有し、その結果、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力が少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に供給される。
【0071】
好ましくは、第1の回路板は、好ましくは第1の回路板上の第1の導電性トラックによって、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子と電気的に連通する第1の電気コネクタ領域を備える。
【0072】
好ましくは、第1の回路板は、好ましくは第1の回路板上の第2の導電性トラックによって、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子と電気的に連通する第2の電気コネクタ領域を備える。
【0073】
好ましくは、第1の回路板は、基板、特にポリエチレンテレフタレートを備える基板を備え、基板は、第1の主表面および第2の対向する主表面を有し、ここで、好ましくは、第1の回路板は、基板の第1の主表面上に第1および第2の電気コネクタ領域を備え、基板上の第1の電気コネクタ領域は、少なくとも一部の基板の第1または第2の主表面上の第1の導電性トラックまたは第1の導電性コーティングによって、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子と電気的に連通しており、基板上の第2の電気コネクタ領域は、基板の第1または第2の主表面の少なくとも一部の上の第2の導電性トラックまたは第2の導電性コーティングによって、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子と電気的に連通している。
【0074】
少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子と電気的に連通する第1の回路板上に第1の電気コネクタ領域を有するいくつかの実施形態では、好ましくは、電気装置は可撓性回路を備え、可撓性回路は第1の主表面および対向する第2の主表面を有する基板を備え、可撓性回路の基板の第1または第2の主表面は、その上に導電性トラックによって可撓性回路の基板の第1または第2の主表面上の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通しする第1の電気コネクタ領域を備え、可撓性回路の基板上の第1の電気コネクタ領域は、第1の回路板上の第1の電気コネクタ領域と電気的および機械的に連通しており、その結果、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および可撓性回路の第2の電気コネクタ領域を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力は、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に供給される。
【0075】
好ましくは、可撓性回路の第1の電気コネクタ領域および可撓性回路の第2の電気コネクタ領域は、可撓性回路の基板の第2の主表面上にあり、好ましくは、可撓性回路の第1の電気コネクタ領域は、可撓性回路の基板の第2の主表面上の導電性トラックによって可撓性回路の第2の電気コネクタ領域と電気的に連通する。
【0076】
好ましくは、可撓性回路の基板は、導電性トラックによって可撓性回路の基板の第1または第2の主表面上の第4の電気コネクタ領域と電気的に連通する、可撓性回路の基板の第1または第2の主表面上の第3の電気コネクタ領域を備え、可撓性回路の基板上の第3の電気コネクタ領域は、第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域と電気的および機械的に連通し、第1の回路板上の第2の電気コネクタ領域は少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子との電気的に連通し、ここで、可撓性回路の第4の電気コネクタ領域を適切な電源の第1の出力端子と電気的に連通させると、および可撓性回路の第2の電気コネクタ領域を適切な電源の第2の出力端子と電気的に連通させると、電力は、少なくとも1つの電気的に動作可能な構成要素に供給される。
【0077】
好ましくは、可撓性回路の第3の電気コネクタ領域および可撓性回路の第4の電気コネクタ領域は、可撓性回路の基板の第2の主表面上にあり、好ましくは、可撓性回路の第3の電気コネクタ領域は、可撓性回路の基板の第2の主表面上の導電性トラックによって可撓性回路の第4の電気コネクタ領域と電気的に連通する。
【0078】
好ましくは、可撓性回路の基板の第2の主表面は、第1の回路板の第1の主表面に面している。
【0079】
好ましくは、可撓性回路の基板の第2の主表面は、第1の回路板の第1の主表面の少なくとも一部と直接接触している。
【0080】
好ましくは、一時的な接着手段は、第1の回路板の第1の主表面の少なくとも一部と可撓性回路の基板の第2の主表面との間にあり、好ましくは、一時的な接着手段は再粘着可能な接着剤である。
【0081】
いくつかの実施形態では、電気装置は中間層プライの一部であり、中間層プライは2枚のガラスシートを一緒に接合するのに適しており、中間層プライは、第1の主表面および第2の対向する主表面を有する中間層材料のシートと、中間層材料のシート中の開口部と、中間層材料のシートの第1および第2の主表面の間に延在する壁を有する開口部と、中間層材料のシートの開口部に配置され、少なくとも一部の開口部の壁および/または少なくとも一部の中間層材料のシートの第1および/または第2の主表面に結合される電気装置と、を備える。
【0082】
好ましくは、中間層材料のシートは、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)などのエチレンのコポリマー、またはポリウレタン、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU)を備える。
【0083】
電気装置が中間層プライの一部であるとき、中間層プライは、当技術分野でよく知られているような高温高圧の積層条件を適切に使用することにより、中間層プライがガラスなどのグレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間にあるように、積層グレージングに組み込まれ得る。電気装置とグレージング材料の第1および/または第2のシートとの間に、(その中の開口部中に組み込まれた電気装置を有する、または有しない)中間層材料の1つ以上の他のプライがあり得る。
【0084】
電気装置が中間層プライの一部であるとき、中間層プライは、続いて窓で使用するためのガラスなどの単一のグレージング材料のシートに積層され得、これは、ガラスなどの第2のガラス材料のシートに積層された中間層プライの電気装置を必要とし得、またはそこに積層された中間層プライを有する単一のグレージング材料のシートは、窓ガラス、例えば、断熱グレージングユニットなどの1つのまたは2つ以上の窓ガラスを有する窓ガラスとして使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0085】
次に、本発明は、以下の図(原寸に比例していない)を参照して説明される。
【
図1】本発明において有用な電気的に動作可能な装置の概略等角図を示す。
【
図2】
図1に示す電気的に動作可能な装置の平面図を示す。
【
図3a】中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略側面図を示す。
【
図3b】
図3aに示されるような中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略平面図を示す。
【
図4a】液体プラスチックの層で覆われた中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略側面図を示す。
【
図4b】
図4aに示されるような液体プラスチックの層で覆われた中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略平面図を示す。
【
図5a】プラスチックの均一な層で覆われた中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略側面図を示す。
【
図5b】
図5aに示されるような液体プラスチックの均一な層で覆われた中間層材料のシート上の電気的に動作可能な装置の概略平面図を示す。
【
図6a】より大きな親電気装置から切り取られた子電気装置の概略側面図を示す。
【
図6b】
図6aに示されるようなより大きな親電気装置から切り取られた子電気装置の概略平面図を示す。
【
図7】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図8】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図9】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図10】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図11】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図12】中間層材料のシート上の複数の電気的に動作可能な装置を示し、子の電気装置をそこから切り取り得る親の電気装置を製造するための製造ステップを示す。
【
図13a】プラスチックの層に封入された16個の電気的に動作可能な装置とその後のそこからの除去の概略平面図である。
【
図13b】プラスチックの層に封入された16個の電気的に動作可能な装置とその後のそこからの除去の概略平面図である。
【
図13c】プラスチックの層に封入された16個の電気的に動作可能な装置とその後のそこからの除去の概略平面図である。
【
図14】電気装置が中間層材料のシートの開口部にどのように配置されるかを示す。
【
図15】本発明の一態様による中間層プライを作製するために、中間層材料のシートの開口部に電気装置を固定し得る方法を示す。
【
図16】本発明の一態様による中間層プライを作製するために、中間層材料のシートの開口部に電気装置を固定し得る方法を示す。
【
図17】本発明の一態様による中間層プライを作製するために、中間層材料のシートの開口部に電気装置を固定し得る方法を示す。
【
図18】本発明の一態様による、2枚のガラスシートおよび中間層プライを組み込んだ異なる積層グレージングの概略側面図および分解側面図を示す。
【
図19】本発明の一態様による、2枚のガラスシートおよび中間層プライを組み込んだ異なる積層グレージングの概略側面図および分解側面図を示す。
【
図20】本発明の一態様による、2枚のガラスシートおよび中間層プライを組み込んだ異なる積層グレージングの概略側面図および分解側面図を示す。
【
図21】中間層材料のシートと電気的に動作可能な装置に電力を供給するのに有用な可撓性回路との間の電気的に動作可能な装置の概略分解等角図である。
【
図23】電気的に動作可能な装置が中間層材料のシート上にあり、可撓性回路が電気的に動作可能な装置上にある、
図21の概略的な側面図である。
【
図24】電気的に動作可能な装置および回路板の周りの中間層材料のシートにバリアが設けられ、液体プラスチックがバリアによって囲まれた領域に注がれていることを除いて、
図23と同様である。
【
図25a】本発明の一態様による電気装置の概略側面図を示す。
【
図26a】中間層材料のシートの開口部に組み込まれた、
図25aおよび25bに示される電気装置からなる中間層プライの概略側面図を示す。
【
図27】積層グレージングに組み込まれた
図26aの中間層プライの概略側面図を示す。
【
図29】電気的に動作可能な構成要素に電力を供給するために可撓性回路をどのように使用され得るかを示す、
図27に示される積層グレージングの端部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、本発明において有用な電気的に動作可能な装置1の概略等角図を示す。
図2は、矢印2の方向から見たときの電気的に動作可能な装置1の平面図である。
【0087】
電気的に動作可能な装置1は、第1の主表面5および対向する第2の主表面7を有する基板3を備える。基板3の第1の主表面5上には、発光ダイオードまたはセンサなどの電気的に動作可能な構成要素9がある。また、基板3の第1の主表面5には、第1および第2の電気コネクタ領域11、13がある。第1の電気コネクタ領域11は、第1の導電性トラック15を介して、電気的に動作可能な構成要素9の第1の入力端子19と電気的に連通している。第2の電気コネクタ領域13は、第2の導電性トラック17を介して、電気的に動作可能な構成要素9の第2の入力端子21と電気的に連通している。
【0088】
第1の電気コネクタ領域11および第2の電気コネクタ領域13を適切な電源の出力端子に接続すると、電力が電気的に動作可能な構成要素9に提供され得、それによって電気的に動作可能な構成要素が非通電状態から通電状態に切り替わる。例えば、電気的に動作可能な構成要素9が発光ダイオードであり、第1の電気コネクタ領域11が適切な電源の正端子に接続され、第2の電気コネクタ領域13が適切な電源の負端子に接続されるとき、電力は発光ダイオード9に供給され、そこから光が放出される。適切な電源から切断されると、発光ダイオードから光が放出されなくなる。適切なスイッチング手段は、電気的に動作可能な装置1の一部として含まれ得るか、またはそれとは分離され、適切な電源のスイッチングを可能にし得る。
【0089】
基板3に取り付けられた1つ以上の電気的に動作可能な構成要素9があり得る。
【0090】
その主表面上に少なくとも1つの導電性トラックを有する基板3は、回路板である。例えば、基板3の第1の主表面5上に第1および第2の電気コネクタ領域11、13、ならびに第1および第2の導電性トラック15、17を有する基板3は、回路板である。
【0091】
【0092】
基板3は、通常光学的に透明であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料であり得る。
図1と
図2に示す例では、基板は厚さ約0.2mmのPETであり、比較的柔軟性がある。
【0093】
第1の電気的に動作可能な構成要素9は、適切な接着剤によって基板3の第1の主表面5に取り付けられ得る。第1および第2の電気コネクタ領域11、13ならびに第1および第2の導電性トラック15、17は、スクリーン印刷プロセスなどによって第1の主表面5に提供された導電性インクの形態であり得る。
【0094】
電気的に動作可能な構成要素9は、基板3の第2の主表面7に取り付けられ得、導電性トラック15、17および/または電気コネクタ領域11、13の少なくとも1つもまた、第2の主表面7上にあり得る。例えば、電気的に動作可能な構成要素9が基板3の第2の主表面7上にあり、第1の電気コネクタ領域11が基板3の第1の主表面5上にある場合、第1の導電性トラック15は、基板3の第1および第2の主表面5、7の間を、その中の適切な開口部を通して通過する。
【0095】
導電性トラック15、17の代わりに、電気的に絶縁されたコーティングされた領域は、電気コネクタ領域および電気的に動作可能な構成要素9の入力端子と電気的に連通し得る。例えば、基板3は、例えば、第1の主表面5上に導電性コーティングを有するコーティングされた基板であり得る。そのような例では、第1の主表面5上の導電性コーティングは、2つの電気的に絶縁された領域、電気的に動作可能な構成要素の第1の入力端子19と電気的に連通する第1の電気的に絶縁された領域、および電気的に動作可能な構成要素の第2の入力端子21と電気的に連通する第2の電気的に絶縁された領域を有し得る。コーティングの各電気的に絶縁された領域は、それぞれの電気コネクタ領域と電気的に連通し得る。
【0096】
図3~6は、本発明の一態様による電気装置の製造に含まれるステップを説明するために使用される。
図3~6のそれぞれにおいて、それぞれの図「a」は側面図であり、それぞれの図「b」はその平面図、すなわち線Z-Z’に沿った断面図である。
【0097】
図3aは、中間層材料22のシート(この例では厚さは約0.2mmのエチレン酢酸ビニル(EVA)のシート)の主表面22’上に配置された
図1および2に示されるタイプの電気的に動作可能な装置1aの概略図を示す。
図3bは、
図3aの平面図、すなわち、矢印2aの方向の図を示しており、当該矢印は、主表面22’に垂直である。
図3aでは、電気的に動作可能な装置1aはまだEVA22のシートに固定されていない。しかしながら、電気的に動作可能な装置1aは、適切な接着剤を使用することによってEVA22のシートに固定され得る。
【0098】
図4は、本発明の一態様による電気装置の製造における別のステップを説明するために使用される。電気的に動作可能な装置1aをその上に有するEVA22のシートのアセンブリが提供され、この例ではEVAである液体接着剤の層24が、電気的に動作可能な装置1a上に堆積(すなわち、注ぐことによって)され、それによって電気的に動作可能な装置1aを覆い、また、EVA22のシートの主表面22’の一部に接触する。層24のための他の適切な材料は、適切な樹脂または多成分エポキシ材料であり得るエポキシ材料を含む。
【0099】
この例では、液体EVAの層24は、ホットグルーガンまたは同様のものを使用して塗布され得、EVAは、最初は固体形態であり、次いで、上記のように電気的に動作可能な装置1aへのその後の堆積のために溶融される。
【0100】
EVAの粘度のために、層24は、EVA22のシート(またはEVA22のシートの主表面22’)に対して均一な厚さではなく、代わりに、層は凸面を有し、当技術分野では「ブロブ」、すなわち電気的に動作可能な装置1aを覆う液体EVAのブロブと呼ばれ得る。
図4bに示される平面図では、液体EVAのブロブは円形の辺縁を有するように示されているが、液体EVAのブロブの辺縁の形状は非円形であり得る。
【0101】
図5は、本発明の一態様による電気装置の製造における後続のステップを説明するために使用される。液体EVAの層24を凝固させる前に、水平化手段を適用して層24を平らにし、EVA22のシートに対して均一な(または実質的に均一な)厚さを有する液体EVAの層24aを提供する。この例では、層24aは、厚さ27が約0.76mmであるように、0.56mmの厚さを有する。
【0102】
液体EVAの層24aは硬化されて、EVAの固体層を形成する。固体EVAの層24aは、電気的に動作可能な装置1aをEVA22のシートに接着および固定する。すなわち、電気的に動作可能な装置をEVA22のシート上に封入する。
【0103】
図5aに示される形態では、層24aが固体EVAの層であるとき、固体EVAの層24aによってそれに固定された電気的に動作可能な装置1aを備えたEVA22のシートのアセンブリは、本発明の一態様による電気装置28として使用され得る。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、その後の使用のために電気装置28の寸法を縮小するために追加の処理ステップを使用することが好ましい。このように、電気装置28は、そこから子電気装置を製造し得る親電気装置である。
【0104】
図6は、本発明の一態様による電気装置の製造における別のステップを説明するために使用される。
【0105】
図5および
図6を参照すると、電気装置28(親電気装置である)から始めて、より小さな電気装置30(子電気装置)を、切断、打ち抜きなどによってそこから取り外し得る。
【0106】
この例では、ナイフを使用して、電気装置30を親電気装置28から切り取って、EVA24aの凝固層およびEVA22のシートを通って延在する穴(または開口部)23を残した。電気的に動作可能な装置1aが取り外されているとすると、EVA22のシートの部分22aとそれに結合されたEVA24aの凝固層の部分24cとからなる部分29は、もはや電気装置として機能することが不可能であり、余剰であり、廃棄され得る。
【0107】
元の電気装置28から取り外された電気装置30は、電気的に動作可能な装置1aを覆い、それに結合されたEVA24aの凝固層の部分24bからなる。部分24bはまた、EVA22のシートの部分22cに結合されている。電気装置30の厚さは矢印27で示され、この例では約0.76mm(電気装置28と同じ)である。
【0108】
電気装置30は、電気装置28よりも小さい外形寸法を有し、したがって、子電気装置である。
【0109】
図3~6では、EVA22のシート上に配置された1つの電気的に動作可能な装置1aのみが示されているが、EVA22のシート上に配置された2つ以上のそのような装置が存在し得る。そのような例では、液体の層24は、すべての電気的に動作可能な装置上に延在し得、または各電気的に動作可能な装置を覆う1つ以上のそのような液体の層があり得る。すなわち、各電気的に動作可能な装置は、それぞれの液体の層によって覆われ得、液体のそれぞれの層のうちの2つ以上は、互いに分離され得る。
【0110】
図7~9は、複数の電気的に動作可能な装置1b(
図1および2を参照して示されているタイプ)がEVAなどの適切な中間層材料のシート上に配置されている例を示している。この例では、16個の電気的に動作可能な装置1bがある。
【0111】
図7を参照すると、
図7aは、適切なトレイ33の底部に配置されたEVA32のシートの概略平面図を示している。EVA32のシート上に配置されているのは、16個の電気的に動作可能な装置で、そのうち4個だけが1bとラベル付けされており、
図1および2を参照して説明したタイプである。EVA32のシートには、多かれ少なかれ電気的に動作可能な装置があり得る。電気的に動作可能な装置は、同じタイプであっても異なっていてもよい。この例では、電気的に動作可能な装置は、格子様手法でEVA32のシート上に配置されるが、電気的に動作可能な装置は、ランダムであり得る他の任意の構成においてEVA32のシート上に配置され得る。
【0112】
図7bは、
図7aに示したアセンブリの線A-A’の断面図を示している。EVA32のシートは、約0.2mmの厚さを有し、トレイ33の底部に対して平らに置かれる。
【0113】
トレイ33は、トレイの基部から約0.76mm上向きに延在する周壁33aを有する。
【0114】
図8は、電気的に動作可能な装置1bおよびEVA32のシートの露出部分(すなわち、電気的に動作可能な装置を有しないEVA32のシートのそれらの部分)を覆うために一定量の液体プラスチックがトレイに堆積されたときの
図7bに示されるアセンブリの概略図を示す。液体プラスチックの体積は層34を形成し、その粘度のために、層34の厚さは、EVA32のシートに対して均一ではない可能性がある。
図9に示されるように、適切な水平化手段を使用して、液体をトレイ33の周壁33aの高さまで水平にされ得る。次に、液体プラスチックを硬化させて、電気的に動作可能な装置1bを封入するプラスチック34’の固体層を形成することができる。この例では、EVA32のシートと固体層34’との合計の厚さは約0.76mmであり、実質的に、トレイ33の周壁33aの高さによって設定される。
【0115】
図9は、層34を形成する液体が水平化されると
図8のアセンブリを説明するために使用され得るが、同じ図は、層34’を形成する液体が比較的低い粘度を有するアセンブリを描写するために使用され得、結果、液体が電気的に動作可能な装置1bおよびEVA32のシートを覆うためにトレイに堆積される(すなわち、注ぐことによって)と、液体は、トレイ33の周壁33aの高さまでおのずと水平化する。
【0116】
次に、各電気的に動作可能な装置1bは、適切な切断、打ち抜きなどによって、
図9に示されるアセンブリから取り外され得る。このようにして製造された電気装置から、トレイ33のベースの一部を取り外すことができない場合があり得る。また、トレイの周壁33aの領域内の凝固した液体層は、それに付着し、そこからの分離を困難にする。
【0117】
図10は、本発明の一態様を実行する代替方法のステップを示している。
【0118】
図10では、EVA32のシートは、適切な支持体、つまりテーブル(図示せず)に配置されている。次に、電気的に動作可能な装置1c(そのうちの2つだけがラベル付けされている)が、EVA32のシート上の所望の位置に配置される。
【0119】
次に、適切なバリア36は、EVA32のシート上に配置された電気的に動作可能な装置の周りのEVA32のシート上に配置される。バリア36は、電気的に動作可能な装置がその上に配置される前に、EVA32のシート上に配置され得、その場合、電気的に動作可能な装置は、バリア36の内側のEVA32のシート上に配置される。
【0120】
バリア36は、任意の適切な材料、すなわちプラスチック、ポリエチレン、ポリカーボネートで形成され得、EVA32のシートの上面に適切に結合され、好ましくはそれとシールを形成する。バリア36は、単一構造のものであってもよく、または一緒に接合された適切な2つ以上のセグメントから形成されてもよい。
【0121】
図11は、適切な液体接着剤がバリア36によって囲まれた領域に注がれたときの、
図10に示されるアセンブリを示している。液体接着剤は、電気的に動作可能な装置1cおよびEVA32のシートを覆う層34aを形成する。液体接着剤形成層34aの粘度に応じて、
図12に示されるように、均一な厚さの層34a’を形成するために、当該液体を水平化することが必要とされる場合がある。続いて、層34aは硬化して、EVA32のシート上に配置された電気的に動作可能な装置1cを密封する固体層34a’を形成する。あるいは、液体の粘度が低い場合があり得、その場合、追加の水平化ステップは必要ない。必要に応じて、層34aは、凝固する前に水平にされなくてもよく、凝固した後、層34aは、適切な研磨手段または切断を使用することによって均一な厚さにされる。
【0122】
図12は、固体層34a’によって密封され、バリア36によって囲まれた16個の電気的に動作可能な装置1cを有するEVA32のシートのアセンブリ38を示している。アセンブリ38は、本発明の実施形態による電気装置として使用され得る。しかしながら、以下に説明するように、その後の使用のために、電気的に動作可能な装置1cの1つ以上をアセンブリ38から取り外すことが好ましい。すなわち、電気装置38は、そこから子電気装置をその後製造するための親電気装置である。
【0123】
図13aは、
図12に示されるアセンブリ38の平面図を示す。アセンブリ38は、16個の子電気装置を準備するための親電気装置として使用され、各子電気装置は、
図6に示される電気装置30と同様である。
【0124】
16個の密封された電気的に動作可能な装置1c(そのうちの1つのみが
図13aにラベル付けされている)は、アセンブリ38の中央領域38aのバリア36の内側にある。中央領域38aは、バリア36のすぐ内側であるが電気的に動作可能な装置1cから離間された線38bに沿って切断することによって、アセンブリ38から除去される。
図13bに示されるように、適切な切断ステップ(レーザー切断、機械的切断または熱切断など)を使用して、アセンブリ38の中央領域38aを除去して、電気的に動作可能な装置を含有しない部分39を残すことができる。
図13cに示される除去された部分40は、16個の密封された電気的に動作可能な装置1cを含む(そのうちの1つのみがこの図においてラベル付けされている)。
【0125】
この例では、
図13cに示すように、電気的に動作可能な装置は線形の行と列に配置されている。4つの行a、b、c、dと4つの列i、ii、iii、ivが存在する。各電気的に動作可能な装置1cは、
図13cに示される点線に沿って切断することによって部分40から取り外し得、例えば、列aは、点線C-C’に沿って切断することによって部分40から取り外し得る。
【0126】
この例では、行aおよびdは同じ高さであり、行bおよびcは同じ高さである。列i、ii、iii、およびivはそれぞれ同じ幅を有するが、異なっていてもよい。行a、b、c、dはそれぞれ同じ高さであり得る。
【0127】
図13cに示されている点線に沿って切断することにより、
図6で30とラベル付けされたタイプの16個の電気装置が、その後の使用のために製造される。そのようにして得られた各電気装置は、アセンブリ38(親電気装置である)から製造されたため、子電気装置である。
【0128】
図14は、本発明の一態様による、
図6に示されるタイプの電気装置30を使用して、電気装置30と中間層材料50のシートとを備える中間層プライを形成する方法を説明するために使用される。
図14aは平面図であり、
図14bは線D-D’に沿った断面図である。上記から明らかなように、電気装置30は、
図13に示されるタイプのアセンブリから製造された子電気装置であり得る。
【0129】
その中に空隙を残すために中間層材料50のシートに開口部52を作製する。この例では、空隙は、中間層材料50のシートの両方の主表面の間に延在するが、空隙は、中間層材料50のシートの両方の主表面の間に延在しなくてもよい。開口部52は、中間層材料50のシートの主要な表面の間に延びる壁52aを有する。
【0130】
その中に開口部52を有する中間層材料50のシートは、適切な支持体、すなわちテーブル(図示せず)上に配置される。次に、電気装置30は、開口部52内に配置される。電気装置の外形寸法は、電気装置が開口部52内に固定されないように、開口部52の主要な寸法よりもわずかに小さい。
【0131】
電気装置30は、その厚さ(
図6のラベル27を参照)が、中間材料50のシートの厚さと同じか、または実質的に同じであり、0.38mmから0.76mmの間であり得るように作られている。
【0132】
本発明の一態様によれば、電気装置30は、適切な結合手段を使用して、中間層材料50のシートの開口部52に固定されている。
【0133】
図15に示される実施形態では、局所加熱源は、開口部52および/または電気装置30の上端、すなわち、ラベル53、54によって示される領域に適用される。局所的な加熱により、中間層材料50が局所的に軟化および/または溶融し、それにより、電気装置30の上部が開口部52の壁52aに結合されることが可能になる。領域53、54に加えられた局所的な加熱はまた、接着剤24bの層を局所的に軟化および/または溶融させ得る。
【0134】
同様に、局所的な加熱は、開口部52および/または電気装置30の下端、すなわち、ラベル55、56によって示される領域に適用され得る。そのような局所的な加熱は、中間層材料50および/または中間層材料22cを局所的に軟化および/または溶融させて、開口部52内の電気装置を結合させ得る。
【0135】
図16に示されるような代替の実施形態では、接着剤を使用して、中間層材料50のシートの開口部52内の電気装置30を結合する。電気装置30が中間層材料50のシートの開口部52に配置されている場合、接着剤57、58を中間層材料50のシートの上面に塗布して、電気装置30の少なくとも一部に接触させ、電気装置を開口部52に結合し得る。同様に、接着剤59、60は、中間層材料50のシートの下面に塗布され得る。
【0136】
接着剤57、58は、中間層材料50のシートを電気装置30に接続する結合帯(すなわち、接着テープ)として適用され得る。そのような実施形態では、結合帯は、電気装置30の主表面全体にわたって延在する必要はない。しかしながら、代替の実施形態では、その主表面に接触接着剤を有するシートを使用して、中間層材料50のシートを電気装置30に接続することができ、その場合、その上に接触接着剤を有するシートは、電気装置30を開口部52に固定するための片側の電気装置30全体を覆い得る。
【0137】
図16に示されるように、接着剤59、60は、開口部52の壁52aと電気装置30の外壁との間の任意のギャップ内に延在して、それらの間の結合を提供し得る。開口部52の壁52aと電気装置30の外壁との間の任意のギャップに延在する接着剤59、60の量は、接着剤59、60の粘度に依存し得る。
【0138】
図17は、接着剤61、62の層が中間層材料50のシートの開口部52内の電気装置30を結合するために使用される、別の実施形態を示す。電気装置が開口部52に配置される前に、接着剤61、62が電気装置30の外壁に塗布される。その後、接着剤61、62は、開口部52の壁52aに接触して、電気装置30をそれに結合する。
【0139】
図14~17に示されるように、目的は、結合手段を使用して、電気装置30を中間層材料50のシートの開口部52に固定して、電気装置および中間層材料のシートを備える中間層プライを作製することである。電気装置30を中間層材料のシートの開口部52に固定するために接着剤などの結合手段を使用することが好ましいが、接着剤は、電気装置30が開口部52に取り外し可能に固定されるように、再粘着可能な接着剤であり得る。
【0140】
上記のように中間層材料のシートの開口部52に固定された電気装置30を有する中間層プライを使用して、
図18、19および20に示されるような積層グレージングが構築され得る。
図18~20のそれぞれは、グレージングの概略的な側面図である。
【0141】
図18aには、
図15、16、または17に示されるタイプの中間層プライ70が、ガラス72、74の第1のシートと第2のシートとの間に示されている。中間層プライ70は、ガラス72の第1のシートをガラス74の第2のシートに接合する。従来の積層条件、例えば、高温および高圧を使用して、積層グレージング76を製造し得る。中間層プライ70は、電気装置30の主表面が中間層プライ70の主表面と比較して小さいことも一因であるために、第1および第2のガラスシート72、74のそれぞれに十分な接着結合を提供する。さらに、電気装置30の主要な表面を形成する材料は、それ自体が接着性である。
【0142】
ガラス72、74の第1および第2のシートに適したガラスには、ソーダ石灰シリカガラス(しばしば「ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス」と呼ばれる)が含まれる。典型的なソーダライムシリカガラスの組成は(重量で)、SiO2 69~74%;Al2O3 0~3%;Na2O 10~16%;K2O 0~5%;MgO 0~6%;CaO 5~14%;SO3 0~2%およびFe2O3 0.005~2%である。ガラス組成物はまた、他の添加剤、例えば、精製助剤および他の着色剤を含有し得、これらは、通常、最大2%の量で存在するであろう。透過ガラスの色は、BS EN410などの認められた規格に基づいて測定され得る。
【0143】
明確にするために、積層グレージング76の分解表現が
図18bに示されている。
【0144】
図19aには、ガラス72、74の第1のシートと第2のシートとの間に、
図15、16または17に示されるタイプの中間層プライ70が示されている。さらに、中間層材料80の別のプライ、すなわち、PVB、EVAなどのプライ(またはシート)が存在する。中間層プライ80は、ガラスの第1のシート72と中間層プライ70との間にある。中間層プライ70は、ガラス74の第2のシートと中間層プライ80との間にある。
【0145】
ガラス72の第1のシートは、本発明に従って作製された中間層プライ70および中間層材料80の従来のプライからなる中間層構造によって、ガラス74の第2のシートに接合される。従来の積層条件、例えば、高温高圧を使用して、積層グレージング76’を製造し得る。
【0146】
わかりやすくするために、積層グレージング76’の分解図を
図19bに示す。
【0147】
図20aには、
図15、16、または17に示されるタイプの中間層プライ70が、ガラス72、74の第1のシートと第2のシートとの間に示されている。さらに、中間層材料80の第1のプライと、ガラス72、74の第1のシートと第2のシートとの間に中間層材料80’の第2のプライとが存在する。
【0148】
第1の中間層プライ80は、ガラスの第1のシート72と中間層プライ70との間にある。中間層プライ70は、中間層材料80、80’の第1および第2の従来のプライの間にある。第2の中間層プライ80’は、中間層プライ70と第2のガラスシート74との間にある。
【0149】
ガラス72の第1のシートは、上記のように配置された本発明に従って作製された中間層プライ70、中間層材料80の第1のプライ、および中間層材料80’の第2のプライからなる中間層構造によってガラス74の第2のシートに接合される。従来の積層条件、例えば、高温高圧を使用して、積層グレージング76’’を製造することができる。
【0150】
わかりやすくするために、積層グレージング76’’の分解図を
図20bに示す。
【0151】
図19において、中間層材料80のプライは、本発明の一態様に従って作製された別のプライ70によって置き換えられ得る。
【0152】
図20では、中間層材料80、80’のいずれかまたは両方のプライを、本発明の一態様に従って作製された中間層プライで置き換え得る。
【0153】
必要に応じて、積層グレージングの構築において、中間層材料の追加のプライ(従来型または本発明に従って作製されたもの)を使用し得る。
【0154】
図21~23は、例えば、
図1および
図2に示されるタイプの電気的に動作可能な装置のように、基板に取り付けられた電気的に動作可能な構成要素への電気的接続を行うのを助けるために追加のフレキシブル回路90がどのように提供され得るかを説明するために使用される。
【0155】
図21には、
図1および2に示され、その関連する説明に記載されている、電気的に動作可能な装置1の概略等角図が示されている。
図22は、
図21の概略側面図であり、すなわち、矢印82の方向に見たものである。
【0156】
図21および22を参照すると、電気的に動作可能な装置1の下に位置するのは、EVA22のシートである。EVA22のシートは、上部の主面22’と反対側の下部の主面(ラベルなし)とを有する。電気的に動作可能な装置1は、電気的に動作可能な装置1がEVAのシート上の点線1’によって示される位置にあるように、電気的に動作可能な装置1を矢印84の方向に動かすことによって、EVA22のシート上に配置されるべきである。
図3bも参照されたい。
【0157】
電気的に動作可能な装置1がEVA22のシート上に配置された後、可撓性回路90を矢印86の方向に動かすことによって、電気的に動作可能な装置1上に可撓性回路90が配置される。
【0158】
可撓性回路90は、第1の主表面92aと対向する第2の主表面92bとを有する基板92を備える。電気的に動作可能な装置1上に可撓性回路90を配置する場合、基板92の第2の主表面92bは、基板3の第1の主表面5に面する。
【0159】
その第2の主表面92b上の基板92の一端には、第1および第2の電気コネクタ領域94、96がある。その第2の主表面92b上の基板92の反対側の端部には、第3および第4の電気コネクタ領域98、100がある。
【0160】
第1の電気コネクタ領域94は、可撓性回路90の基板92の第2の主表面92b上の導電性トラック102を介して第3の電気コネクタ領域98と電気的に連通している。第2の電気コネクタ領域96は、可撓性回路90の基板92の第2の主表面92b上の導電性トラック104を介して第3の電気コネクタ領域100と電気的に連通している。
【0161】
導電性トラック102、104は、スクリーン印刷された導電性インクであり得る。第1、第2、第3および第4の電気コネクタ領域94、96、98、100のいずれかまたはすべては、スクリーン印刷された導電性インクであり得る。
【0162】
可撓性回路90の基板92は、電気的に動作可能な装置1の基板3と同様である。しかしながら、基板92は、基板3よりも機械的に堅牢であることが好ましい。例えば、同じ材料が基板3および基板92に使用される場合、基板92は、通常、基板3よりも厚い。
【0163】
あるいは、または同様に、基板3および基板92は、異なる材料、例えば、異なるプラスチック材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、基板92の有用な特性は、第2の主表面92b上の導電性トラック102、104を破壊することなく曲がる能力である。
【0164】
可撓性回路90は、電気的に動作可能な装置1の電気的に動作可能な構成要素9への電力の供給を助けるための一体型電気コネクタとして使用される。
【0165】
可撓性回路90の基板92上の第1の電気コネクタ領域94は、電気的に動作可能な装置1の基板3上の第1の電気コネクタ領域11と整列するように配置されている。可撓性回路90の基板92上の第2の電気コネクタ領域96は、電気的に動作可能な装置1の基板3上の第2の電気コネクタ領域13と整列するように配置される(
図21では、それらの間に延びる点線で示される)。可撓性回路90が前述のように電気的に動作可能な装置1上に配置されるとき、可撓性回路90の基板92上の第3および第4の電気コネクタ領域98、100に電力を供給することにより、電気的に動作可能な構成要素9に電力が供給される。なぜなら、基板92上の第1および第2の電気コネクタ領域94、96は、基板3上のそれぞれの第1および第2の電気コネクタ領域11、13と電気的におよび機械的に連通しているからである。
【0166】
第3および第4の電気コネクタ領域98、100は、第1および第2の電気コネクタ領域94、96から離間されている。第3および第4の電気コネクタ領域98、100もまた、基板92の辺縁から離間されており、その結果、基板92の端部と第3および第4の電気コネクタ領域98、100との間の線(線M-M’として示される)に沿って切断することによって基板92の一部を除去することが可能である。第3および第4の電気コネクタ領域98、100もまた、基板3の第1の主表面上に導電性領域またはトラックがない領域の基板3上に配置される。
【0167】
可撓性回路の基板3上の第1の電気コネクタ領域94と電気的に動作可能な装置1の基板5上の第1の電気コネクタ領域11との間の接続は、導電性接着剤の局所スポット、異方性導電性接着剤の局所塗布などの既知の電気接合法、またはデクセリアルズ社製のCP923CM25ACなどの異方性導電性接着剤フィルムの使用によって強化され得る(http://www.dexerials.jp/en/products/)。
【0168】
EVA22のシート上にある電気的に動作可能な装置1上の可撓性回路90の概略側面図が
図23に示されている。この図では、可撓性回路90と電気的に動作可能な装置1との間に空間105が示されている。上記を参照すると、空間105は、可撓性回路90の基板92の第2の主表面92bと、電気的に動作可能な装置1の基板3の第1の主表面5との間にある。代替の実施形態では、可撓性回路90の基板92の第2の主表面92bまたは電気的に動作可能な装置1の基板3の第1の主表面5は、基板92が基板3に取り外し可能に接着されるように、その上に再粘着可能な接着剤を有し得る。別の代替の実施形態では、可撓性回路90の基板92の第2の主表面92bと、電気的に動作可能な装置1の基板3の第1の主表面5との間に空間がない場合があり得る。
【0169】
図23では、可撓性回路90は、一端が基板3の辺縁と位置積層されているが、可撓性回路は、電気的に動作可能な装置1の基板3の辺縁を超えて延在し得る。
【0170】
図24は、本発明の一態様による電気装置がどのように製造されるかを説明するために使用される。
図24は、前述の
図12と同様である。
【0171】
プラスチックバリア106は、EVA22のシート上に配置されている。バリア106の基部とEVA22のシートの第1の主表面22’との間に気密シールが作られる。
図10に示されるのと同様の方法で、平面図で見られるとき、バリア106は、その上に可撓性回路90を備えた電気的に動作可能な装置1を完全に取り囲む。
【0172】
適切な液体プラスチックはバリア106によって囲まれた領域に注がれ、可撓性回路90をその上に有する電気的に動作可能な装置1を完全に覆う。液体プラスチック108の層は、水平化ステップによって、または液体を沈降させることによって、バリア106の高さまで水平化される。
【0173】
液体プラスチック108の層は、適切に硬化されて、可撓性回路90を有する電気的に動作可能な装置1を封入するプラスチック108の固体層を形成する。すなわち、可撓性回路90をその上に有する電気的に動作可能な装置1は、プラスチックの固体層108とEVA22のシートとの間に封入される。プラスチック108の固体層はまた、EVA22のシートの第1の主要な表面22’に結合されている。容易にわかるように、液体プラスチックは接着剤である。
【0174】
上記のように、
図23および24では、可撓性回路90が電気的に動作可能な装置1上にあるとき、基板92の第2の主表面92bと基板3のシートの第1の主表面5との間にわずかなギャップ105が示されている。当該ギャップ105の厚さは、液体プラスチックがバリア106によって囲まれた領域に注がれるとき、液体プラスチックの粘度のために液体プラスチックがギャップに流れ込むことができないように、十分に薄くあり得る。あるいは、可撓性回路90は、可撓性回路板90が電気的に動作可能な装置1上にあるときに、基板92の第2の主表面92bと基板3の第1の主表面5との間にギャップがないように構成され得る。代替的に、または追加的に、第2の主表面92bの1つ以上の領域は、可撓性回路90が電気的に動作可能な装置1上にあるときに基板92が基板3および/またはEVA22のシートに取り外し可能に取り付けられるように、適切な再粘着可能接着剤を設け得る。適切な再粘着可能接着剤は、液体プラスチックが電気的に動作可能な装置1に注がれるときにシールを形成するのを助ける。
【0175】
可撓性回路90をその上に有する密封された電気的に動作可能な装置1は、子電気装置の製造のための親電気装置として使用される。電気的に動作可能な装置1は、固体層プラスチック108によってEVA22のシート上に固定され、バリア106の内側の線に沿って、すなわち
図24に示される線F-F’およびG-G’に沿って切断することによって、そこから除去される。そのように製造された電気装置110を
図25aに示す。ここで、実質的に電気的に動作可能な装置1が、凝固したプラスチック層108の部分108’とEVA22のシートの部分22’’との間に封入されていることを理解できる。子電気装置が、線F-F’に沿って切断する代わりに線H-H’に沿って切断することによって製造される場合、可撓性回路90にアクセスするためにその後の切断ステップ、すなわち実質的に線F-F’に沿って切断するステップが必要となる。
【0176】
この例では、電気装置110の厚さ107は約0.76mmである。電気装置110の概略等角図が
図25bに示されている。
【0177】
本発明の一態様によれば、電気装置110は、
図14~17に関連して説明したものと同様の方法で、約0.76mmの厚さを有する適切な中間層材料112の大きなシートに組み込み得る。そのように生成された中間層プライ114の概略断面図が
図26aに示され、中間層プライ114の概略等角図が
図26bに示されている。
図26bでは、明確にするために、電気装置110が、適切な中間層材料112の大きなシートの開口部116から取り外されて示されている。
【0178】
電気装置110は、前述のような適切な接着手段を使用することによって、例えば、接着剤のスポットまたは帯を使用することによって、開口部に結合され得る。
【0179】
図26aおよび26bでは、適切な中間層材料112のシートに組み込まれた1つの電気装置110のみが示されているが、適切な中間層材料112のシートに組み込まれた2つ以上のそのような電気装置が存在し得る。
【0180】
中間層114は、
図18~20に示されるタイプの積層グレージングの構築に使用され得る。追加の可撓性回路90の利点を説明するのに役立つ特定の例が
図27に示されている。
【0181】
図26aおよび26bから明らかなように、電気装置110が適切な中間層材料112のシートに組み込まれるとき、電気装置110は、
図24に示される線F-F’の代わりに線H-H’に沿って切断することによって製造され得る。そのように製造される電気装置は、開口部116内にあるとき、中間層材料112によって完全に囲まれているためである。
【0182】
図27は、積層グレージング120の概略断面図を示している。積層グレージングは、厚さ2.1mmのソーダ石灰シリカガラス122の第1のシートと、同じく厚さ2.1mmのソーダ石灰シリカガラス124の第2のシートとを備える。ソーダ石灰シリカガラス122の第1のシートは、中間層プライ114によってソーダ石灰シリカガラスの第2のシートに接合され、当該中間層プライは、適切な中間層材料112のシートの開口部116に固定された電気装置110を含む。
【0183】
積層グレージング120の一端の拡大図を
図28に示す。中間層プライ114の部分114’は、ソーダ石灰シリカガラス122、124の第1および第2のシートの辺縁を越えて延在する。部分114’は、第3および第4の電気コネクタ領域98、100がソーダライムシリカガラス122、124の第1のシートと第2のシートとの間にないように、第3および第4の電気コネクタ領域98、100をその上に有する可撓性回路90の基板92の端部を含む。第1および第2の電気コネクタ領域94、96は、電気的に動作可能な構成要素9と同様に、ソーダ石灰シリカガラス122、124の第1および第2のシートの間にある。部分114’の一部は、線J-J’に沿って切断することによって除去され、それにより、可撓性回路90へのアクセスを提供する。
【0184】
基板3と基板92との間の結合が弱いため、例えば、基板92の第2の主表面92bおよび/または基板3の第1の主表面5に再粘着可能な接着剤を提供するために、前述のように(またはそれらの間に結合がなくてもよい)電気的に動作可能な装置では、電気装置の下部の端部が下向きに(すなわち矢印117の方向に)折りたたまれ得、それによって可撓性回路90の基板92の部分92’上の第3および第4の電気コネクタ領域98、100へのアクセスが可能になる。
【0185】
基板92は、基板3よりも機械的に剛性であり、および/または機械的に強く、および/または機械的/化学的に堅牢であるため、可撓性回路90の追加により、電気的に動作可能な構成要素9に電力を供給するためのより信頼性の高い電気接続を行うことが可能になり得る。例えば、追加の可撓性回路が使用されず、代わりに、第1および/または第2の電気コネクタ領域11、13が、ソーダ石灰シリカガラス122、124の第1および第2のシートの辺縁を超えて延在するとき、基板3上の第1および/または第2の導電性トラック15、17は、当該トラックが適切に機械的に堅牢でない限り、損傷を受け得る。さらに、追加の可撓性回路90を提供することなく、基板3の一部が露出され得、その結果その上の導電性トラックを破壊するリスクを有する損傷が発生し得る。可撓性回路90の提供は、可撓性回路90の基板92が基板3よりも機械的に剛性であり、および/または機械的に強く、および/または機械的/化学的に堅牢であるため、そのような損傷の発生を低減し得る。
【0186】
本発明は、電気装置および電気装置を製造するための方法を提供する。電気装置は、中間層材料のシートに組み込まれ得、こうして生成された中間層プライは、積層グレージングの製造に使用され得る。そのような積層グレージングは、平らであってもまたは湾曲していてもよく、車両および/または建物の窓として特定の用途が見出される。