(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】細胞ベースのクロストリジウム神経毒アッセイ
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/02 20060101AFI20241216BHJP
C12Q 1/37 20060101ALI20241216BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241216BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20241216BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20241216BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20241216BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20241216BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20241216BHJP
C12N 5/0797 20100101ALN20241216BHJP
C07K 14/705 20060101ALN20241216BHJP
C07K 14/47 20060101ALN20241216BHJP
【FI】
C12Q1/02 ZNA
C12Q1/37
C12N5/10
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K19/00
C12N15/113 Z
C12N5/0797
C07K14/705
C07K14/47
(21)【出願番号】P 2021517583
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 GB2019052734
(87)【国際公開番号】W WO2020065338
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-05-10
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(73)【特許権者】
【識別番号】505377371
【氏名又は名称】インスティチュート オブ モレキュラー アンド セル バイオロジー,バイオメディカル サイエンシーズ インスティチューツ
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF MOLECULAR AND CELL BIOLOGY,BIOMEDICAL SCIENCES INSTITUTES
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォスター,キース
(72)【発明者】
【氏名】ビアード,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヨ チャンギュ,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】バード,フレデリック アンドレ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】テイ,ペイ リン フェリシア
【審査官】松村 真里
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-535274(JP,A)
【文献】特表2013-534415(JP,A)
【文献】特表2006-502378(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204235(WO,A1)
【文献】特表2014-528724(JP,A)
【文献】特表2015-532105(JP,A)
【文献】TOXICON,米国,2018年12月,VOL:156,NR:SUPPLEMENT 1,PAGE(S):S118-S119,https://doi.org/10.1016/j.toxicon.2018.11.283
【文献】INTERNATIONAL JOURNAL OF MICROBIOLOGY,2013年,VOL:2013, ARTICLE ID: 593219,PAGE(S):1-7,http://dx.doi.org/10.1155/2013/593219
【文献】PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES,NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES,2004年,VOL:101, NR:41,PAGE(S):14701-14706,http://dx.doi.org/10.1073/pnas.0404107101
【文献】TRENDS IN MICROBIOLOGY,英国,2010年04月,VOL:18, NR:4,PAGE(S):164-172,http://dx.doi.org/10.1016/j.tim.2010.02.001
【文献】PLOS Pathogens,2013年,Vol.9, No.5,e1003369, p.1-17,S1-3
【文献】PNAS,2017年,Vol.114, No.26,E5158-E5166
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C12Q
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロストリジウム神経毒活性を制御する遺伝子を同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
a. 試料中のヒト神経細胞の標的遺伝子の発現を変更する工程、
ここで、前記細胞は
、C末端側検出可能標識を含
み且つクロストリジウム神経毒によって切断可能である
ポリペプチドを発現する;
b. 前記細胞を前記クロストリジウム神経毒と接触させる工程;
c. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程; 及び
d. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、前記標的遺伝子をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程、又は
e. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程。
【請求項2】
発現が前記標的遺伝子の発現を下方制御することによって変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも小さい場合に、前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも大きい場合に、前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子として同定される、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
ヒト神経細胞の複数の試料の各試料において異なる標的遺伝子の発現が変更される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
異なる標的遺伝子の前記発現が、ヒトRNAiライブラリを用い
て各試料において変更される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性の直接的な制御因子であるのかクロストリジウム神経毒活性の間接的な制御因子であるのかを決定する工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記直接的な制御因子は以下のレベルにおいてクロストリジウム神経毒活性を制御する、請求項7に記載の方法:
i. クロストリジウム神経毒の細胞への結合;
ii. クロストリジウム神経毒の内在化;
iii. クロストリジウム神経毒のL鎖のエンドソーム外への転位置;
iv. 触媒作用; 及び/又は
v. 細胞の細胞質内のL鎖活性の持続。
【請求項9】
前記間接的な制御因子は、クロストリジウム神経毒受容体の細胞輸送を制御する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記決定する工程は、前記標的遺伝子の発現が変更された場合の前記細胞のクロストリジウム神経毒受容体の有無を検出する工程を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記標的遺伝子の発現が変更された場合に、前記標的遺伝子の発現が未変更であるクロストリジウム神経毒と接触された同等細胞と比較して、前記細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の減少された量を検出することが、前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御することを示し、又は
前記標的遺伝子の発現が変更された場合に、前記標的遺伝子の発現が未変更であるクロストリジウム神経毒と接触された同等細胞と比較して、前記細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の同等又はより多くの量を検出することが、前記標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性を直接的に制御することを示す、
請求項7~10のいずれか1項に記載の方法:
ここで、用語「同等細胞」は、C末端側検出可能標識を含み且つクロストリジウム神経毒によって切断可能であるポリペプチドを発現するヒト神経細胞を意味する。
【請求項12】
前記クロストリジウム神経毒受容体はシナプス小胞糖タンパク質2A(SV2)である、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
クロストリジウム神経毒活性を制御する剤を同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
a. 試料中のヒト神経細胞をクロストリジウム神経毒及び剤と接触させる工程、
ここで、その接触は順次的に又は同時であり、前記細胞は
、C末端側検出可能標識を含
み且つクロストリジウム神経毒によって切断可能である
ポリペプチドを発現する;
b. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程; 及び
c. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、前記剤をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程、又は
d. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、前記剤がクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程、
ここで、前記方法は、前記細胞を、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、細胞浸透性の環状アデノシン一リン酸(cAMP)、CaCl
2、及びKClと接触させる工程を含む。
【請求項14】
クロストリジウム神経毒活性を制御する剤を同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
a. 試料中のヒト神経細胞をクロストリジウム神経毒及び剤と接触させる工程、
ここで、その接触は順次的に又は同時であり、前記細胞は
、C末端側検出可能標識を含
み且つクロストリジウム神経毒によって切断可能である
ポリペプチドを発現する;
b. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程;
c. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、前記剤をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程; 及び
d. 前記剤がクロストリジウム神経毒活性の直接的な制御因子であるかクロストリジウム神経毒活性の間接的な制御因子であるかを決定する工程。
【請求項15】
その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも小さい場合に、前記剤がクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子として同定される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも大きい場合に、前記剤がクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定される、請求項
13又は14に記載の方法。
【請求項17】
前記剤がクロストリジウム神経毒活性の直接的な制御因子であるかクロストリジウム神経毒活性の間接的な制御因子であるかを決定する工程をさらに含む、請求項13又は15~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記直接的な制御因子は以下のレベルにおいてクロストリジウム神経毒活性を制御する、請求項14又は17に記載の方法:
i. クロストリジウム神経毒の細胞への結合;
ii. クロストリジウム神経毒の内在化;
iii. クロストリジウム神経毒のL鎖のエンドソーム外への転位置;
iv. 触媒作用; 及び/又は
v. 細胞の細胞質内のL鎖活性の持続。
【請求項19】
前記間接的な制御因子は、クロストリジウム神経毒受容体の細胞輸送を制御する、請求項14又は17~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記決定する工程は、前記細胞が前記剤により標的化された場合の前記細胞のクロストリジウム神経毒受容体の有無を検出する工程を含む、請求項14又は17~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞が前記剤と接触された場合に、前記剤と接触され
ておらずクロストリジウム神経毒と接触された同等細胞と比較して、前記細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の減少された量を検出することが、前記剤がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御することを示し、又は
前記細胞が前記剤と接触された場合に、前記剤と接触され
ておらずクロストリジウム神経毒と接触された同等細胞と比較して、前記細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の同等又はより多くの量を検出することが、前記剤がクロストリジウム神経毒活性を直接的に制御することを示す、
請求項14又は17~20のいずれか1項に記載の方法:
ここで、用語「同等細胞」は、C末端側検出可能標識を含み且つクロストリジウム神経毒によって切断可能であるポリペプチドを発現するヒト神経細胞を意味する。
【請求項22】
前記クロストリジウム神経毒受容体がシナプス小胞糖タンパク質2A(SV2)である、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒト神経細胞は非癌細胞である、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記ヒト神経細胞は不死化されたヒト神経前駆細胞である又は前記ヒト神経細胞は不死化されたヒト神経前駆細胞から誘導されている、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ヒト神経細胞は不死化されたヒト神経前駆細胞から分化されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリペプチドは
、前記C末端側検出可能標識とは異なるN末端側検出可能標識をさらに含
む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記検出可能標識のうちの1つは赤色蛍光タンパク質(RFP)であり、
且つ前記検出可能標識のうちの1つは緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、及び黄色蛍光タンパク質(YFP)から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリペプチドはN末端側RFP及びC末端側GFPを含む、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
請求項1~
28のいずれか1項に記載の方法: ここで、
a. 前記ポリペプチドは以下を含むヌクレオチド配列によってコードされ、
i. 配列番号3に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、
ii. 配列番号9に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、及び/若しくは
iii. 配列番号11に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列; 又は
b. 前記ポリペプチドは配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされ; 又は
c. 前記ポリペプチドは以下を含むポリペプチド配列を含み、
i. 配列番号4に対して少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
ii. 配列番号10に対して少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチド配列、及び/若しくは
iii. 配列番号12に対して少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチド配列; 又は
d. 前記ポリペプチドは 配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
【請求項30】
請求項1~
29のいずれか1項に記載の方法: ここで、
a. 前記ポリペプチドは以下を含むヌクレオチド配列によってコードされ、
i. 配列番号3、
ii. 配列番号9、及び
iii. 配列番号11; 又は
b. 前記ポリペプチドは配列番号1を含むヌクレオチド配列によってコードされ; 又は
c. 前記ポリペプチドは以下
のポリペプチド配列を含み、
i. 配列番号4、
ii. 配列番号10、及び
iii. 配列番号12; 又は
d. 前記ポリペプチドは配列番号2
のポリペプチド配列を含む。
【請求項31】
前記ポリペプチ
ドは配列番号2
のポリペプチド配列からなる、請求項1~
30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、前記細胞を、GDNF、cAMP、CaCl
2、及びKClと接触させる工程を含む、請求項1~12又は14~
31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記GDNFは1~100ng/mlの濃度で存在し、cAMPは0.1~5mMの濃度で存在し、CaCl
2は0.1~7mMの濃度で存在し、及び/又はKClは1~100mMの濃度で存在する、請求項
32に記載の方法。
【請求項34】
キットであって、
(a
) グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、細胞浸透性の環状アデノシン一リン酸(cAMP)、CaCl
2、及びKCl、
及び
(b
-1) ポリペプチドを発現できるヒト神経細胞、
ここで、前記ポリペプチドは
、クロストリジウム神経毒によって切断可能であり且つC末端側検出可能標識を含
む、又は
(b-2) ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、
ここで、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能であり並びにN末端側赤色蛍光タンパク質(RFP)及びC末端側緑色蛍光タンパク質(GFP)を含み、前記ヌクレオチド配列は、
i. 配列番号3に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、
ii. 配列番号9に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、及び
iii. 配列番号11に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、
を含
む、又は
(b-3) ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むベクター、
ここで、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能であり且つN末端側RFP及びC末端側GFPを含み、前記ヌクレオチド配列は、
i. 配列番号3に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、
ii. 配列番号9に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、及び
iii. 配列番号11に対して少なくとも
90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、
を含
む、
及び
(c) 随意によりそれらの使用のための指示
書、
を含む、キット。
【請求項35】
前記GDNFは1~100ng/mlの濃度で存在し、cAMPは0.1~5mMの濃度で存在し、CaCl
2は0.1~7mMの濃度で存在し、且つKClは1~100mMの濃度で存在する、請求項
34に記載のキット。
【請求項36】
組成物であって、
a. クロストリジウム神経毒と
b. グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、細胞浸透性の環状アデノシン一リン酸(cAMP)、CaCl
2、及びKClと、
を含む、組成物。
【請求項37】
前記GDNFは1~100ng/mlの濃度で存在し、cAMPは0.1~5mMの濃度で存在し、CaCl
2は0.1~7mMの濃度で存在し、及びKClは1~100mMの濃度で存在する、請求項
36に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細胞ベースのクロストリジウム神経毒アッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
クロストリジウム属の細菌は、それらが送達されたニューロン及び他の細胞を毒し得る極めて強力な及び特異的なタンパク質毒を生成する。このようなクロストリジウム神経毒の例としては、クロストリジウム・テタニ(TeNT)によって及びクロストリジウム・ボツリヌス(BoNT)血清型A~G及びXによって産生される神経毒(WO 2018/009903 A2参照)、並びにクロストリジウム・バラティ及びクロストリジウム・ブチリカムによって産生される神経毒が挙げられる。
【0003】
クロストリジウム神経毒は既知の最も強力な毒の一つである。例えば、ボツリヌス神経毒は、その血清型によって0.5~5ng/kgの範囲のマウスの半致死量(LD50)の値を示す。破傷風及びボツリヌス毒は共に、冒されたニューロンの機能、具体的には神経伝達物質の放出を阻害することによって作用する。ボツリヌス毒は神経筋接合部で作用し、末梢神経系においてコリン作用性伝達を阻害するが、破傷風毒は中枢神経系において作用する。
【0004】
本来、クロストリジウム神経毒は1本鎖ポリペプチドとして合成され、この1本鎖ポリペプチドがタンパク質切断事象により翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって結合される2本のポリペプチド鎖を形成する。切断は、鎖間ジスルフィド結合を提供する複数のシステイン残基間に位置する、活性化部位と呼ばれることの多い特異的な切断部位において起こる。この二本鎖形態がこの毒の活性形態である。この二本鎖は、重鎖(H鎖)(およそ100kDaの分子質量を有する)及び軽鎖(L鎖)(およそ50kDaの分子質量を有する)と呼ばれる。H鎖は、N末端側転位置成分(HNドメイン)及びC末端側標的化成分(HCドメイン)を含む。切断部位はL鎖と転位置ドメイン成分との間に位置する。HCドメインのその標的ニューロンに対する結合及びその結合された毒のエンドソームを介した細胞内への内在化に続き、HNドメインはL鎖を、エンドソームの膜を横切り細胞質ゾル内へと転位置させ、そしてL鎖がプロテアーゼ機能(非細胞毒性プロテアーゼとしても知られる)を提供する。
【0005】
非細胞毒性プロテアーゼは、SNAREタンパク質群として知られる細胞内輸送タンパク質(例えばSNAP-25、VAMP、又はシンタキシン)をタンパク分解的に切断することによって作用する(Gerald K(2002) "Cells and Molecular Biology”(4th edition) John Wiley & Sons, Inc.)。頭文字SNAREはSoluble NSF Attachment Receptor(可溶性NSF付着受容体)に由来し、NSFはN-ethylmaleimide-Sensitive Factor(N-エチルマレイミド感受性因子)を意味する。SNAREタンパク質群は、細胞内小胞融合にとって不可欠であり、ひいては細胞からの小胞輸送を介した分子の分泌にとって不可欠である。このプロテアーゼ機能は亜鉛依存性のエンドペプチダーゼ活性であり、及びSNAREタンパク質群に対して高い基質特異性を示す。したがって、一旦所望の標的細胞に送達されると、非細胞毒性プロテアーゼはその標的細胞からの細胞分泌を阻害することができる。クロストリジウム神経毒のL鎖プロテアーゼは、SNAREタンパク質群を切断する非細胞毒性プロテアーゼである。
【0006】
マウスLD50アッセイは現在、ボツリヌス毒の放出についてのFDAによって承認された唯一のアッセイである。このアッセイは、ボツリヌス神経毒の3つのドメイン全て(即ち結合、転位置、及びプロテアーゼ)の作用を同時に試験する。より詳細には、このアッセイは、投与後通常2~4日の規定された時点での、その毒の腹腔内半致死量を規定する(活性はマウスLD50単位で表される)。しかし残念ながら、LD50アッセイは多数の動物を使用する。さらに、LD50単位は生物学的な定数ではなく、そのためアッセイ条件に対する依存性が高いため、絶対的な測定値とは言えない。特に、このアッセイに伴う異なる試験施設間での誤差は、60%にもなる場合がある(Sesardic et al. 2003; Biologicals 31(4):265-276)。
【0007】
「マウス内臓下垂アッセイ」としても知られるマウス弛緩性麻痺アッセイは、ボツリヌス毒の活性を、その毒をマウスの鼠経大腿部に皮下注射した後に見られる腹部膨隆の程度に関係付けるアッセイであり、麻痺の大きさは用量依存的である。この手法は、人道的なエンドポイントに頼るものであるため、マウスLD50試験の改良法として提案されてきた。このアッセイは、LD50アッセイに比べおよそ10倍の感度を示し、毒の亜致死量を使用し、及び典型的なLD50アッセイの72~96時間と比較し24~48時間で結果が得られるため、LD50試験よりも迅速である。このアッセイから得られる結果は、LD50値との一致性に優れる(Sesardic et al.,1996; Pharmacol Toxicol:78(5): 283-8)。このアッセイに使用される動物はLD50アッセイに使用される動物の20%であるものの、なおも動物の使用を必要とする。
【0008】
(生体外筋標本の使用に基づく)マウス/ラット横隔膜神経片側横隔膜アッセイのようなアッセイは、ボツリヌス神経毒の活性を、維持培地に適用された後のその標本の攣縮反応の振幅の減少に関係付ける。このアッセイの通常のエンドポイントは、振幅における50%の減少が観測されるまでに要する時間である。しかし残念ながら、片側横隔膜アッセイは(LD50アッセイと同様に)多数の動物の使用につながる。また、このアッセイは、精巧で高価な装置の使用において訓練された高度に熟練した人材を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Sesardic et al. 2003; Biologicals 31(4):265-276
【文献】Sesardic et al.,1996; Pharmacol Toxicol:78(5): 283-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のアッセイの全ては、特定の欠点、とりわけ動物愛護の問題を有している。さらに、上述したアッセイはいずれも、例えばクロストリジウム神経毒の遺伝的な又は化学的な制御因子を検出するための、ハイスループット試験には適していない。したがって、代替的な及び/又は改良されたクロストリジウム神経毒アッセイが当該技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上述した課題の1つ以上を克服する。
【0012】
一態様において本発明は、クロストリジウム神経毒活性を制御する遺伝子を同定する方法であって、
a. C末端側検出可能標識を含むポリペプチドを発現するヒト神経細胞の試料を提供する工程であって、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能である工程と、
b. 前記細胞の標的遺伝子の発現を変更する工程と、
c. 前記細胞を前記クロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
d. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程と、
e. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、前記標的遺伝子をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程と、
を含む方法を提供する。
【0013】
あるいは、前記方法は、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、前記標的遺伝子はクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程を含んでもよい。
【0014】
一実施形態では、前記標的遺伝子の発現を変更する前に、前記細胞をクロストリジウム神経毒と接触させてもよい。
【0015】
関連の態様において本発明は、クロストリジウム神経毒活性を制御する剤を同定する方法であって、
a. C末端側検出可能標識を含むポリペプチドを発現するヒト神経細胞の試料を提供する工程であって、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能である工程と、
b. 前記細胞を前記クロストリジウム神経毒及び剤と接触させる工程であって、その接触は順次的に又は同時である工程と、
c. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程と、
d. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、前記剤をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程と、
を含む方法を提供する。
【0016】
あるいは、前記方法は、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、前記剤がクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程を含んでいてもよい。
【0017】
その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも小さい場合に、剤がクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子として同定されてもよい。あるいは、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、前記剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性よりも大きい場合に、剤がクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明はヒト神経細胞の使用を採用しており、マウス細胞の使用を採用するアッセイのような従来の細胞ベースのアッセイには存在しない数々の利点を伴う。ヒト神経細胞は、ヒト遺伝子サイレンシングライブラリ(例えばヒトsiRNAライブラリ)又は剤ライブラリ(例えばヒト薬物化合物ライブラリ)の使用を可能にする。このため本発明は、従来の細胞ベースのアッセイよりも高い予測力を有し、及び改善されたヒト治療関連性を有する。
【0019】
このため、一態様において本発明は、クロストリジウム神経毒によって切断可能であり且つC末端側検出可能標識を含むポリペプチドを発現するヒト神経細胞を提供する。前記細胞は好ましくは本発明のヌクレオチド配列又はベクターを含む安定な細胞株である。
【0020】
本発明のヒト神経細胞は好ましくは、非癌細胞である。好ましくは本発明のヒト神経細胞は、不死化されたヒト神経前駆細胞又はそれと同等の(例えば、それと機能的に同等の)細胞である。例えば、前記細胞は、本発明のポリペプチドを発現するReNcell(登録商標) Human Neural Progenitor(Sigma-Aldrichにより市販)であってよい。有利なことに、非癌細胞は癌細胞株(例えば神経芽腫細胞)と比較してネイティブなヒトニューロンに遺伝子的に近く、及びこのため、本明細書に記載のアッセイにおける使用のための改善された神経細胞モデルとなる。
【0021】
前記ヒト神経前駆細胞は好ましくは、本発明の方法における使用に先立ち分化される。このように一実施形態では、本発明の又は本発明の方法において使用するためのヒト神経細胞(例えばヒトニューロン又はその前駆体)はヒト神経前駆細胞から誘導される。より好ましくは本発明の又は本発明の方法において使用するためのヒト神経細胞は、ヒトニューロン又はそれと同等の(例えばそれと機能的に同等の)細胞である。
【0022】
本明細書に記載されるヒト神経細胞によって発現されるポリペプチドは、N末端側検出可能標識及びC末端側検出可能標識の両方を含み得る。一実施形態では、N末端側検出可能標識とC末端側検出可能標識とは異なる。
【0023】
検出可能標識は好ましくは蛍光標識である。幾つかの実施形態では、本発明のポリペプチドはさらなる非蛍光標識を含まない。
【0024】
一実施形態では、N末端側検出可能標識又はC末端側検出可能標識のいずれかは赤色蛍光タンパク質(RFP)である。より好ましくは、前記タンパク質の一方の末端はRFP検出可能標識を有し、及びこのタンパク質の他方の末端は緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、及び黄色蛍光タンパク質(YFP)から選択される検出可能標識を有する。有利なことに、RFPは、GFP、CFP、及びYFPから抗原的に識別可能であり、そのため本発明の方法は、ウエスタンブロッティング等の(第二の/確証的な)免疫原生の検出技術の使用を可能にする。両方の標識がGFP、CFP、及びYFPから選択されるポリペプチドは典型的には、抗体交差反応性の点でかかる免疫原生の検出技術とともに使用するには適さない。好ましくは本明細書に記載されるポリペプチドは、N末端側RFP検出可能標識とC末端側GFP検出可能標識とを含む。
【0025】
本発明のポリペプチドは固定化及び/又は精製のためのタグを含まないことが好ましい。このアッセイは細胞ベースであるため、そのようなタグは必要ない。一実施形態では、本発明のポリペプチドはHisタグ(例えば6-Hisタグ等のポリヒスチジンタグ)、FLAGタグ、プロテインAタグ、マルトース結合タンパク質タグ、及び/又はMycタグを含まなくてよい。
【0026】
このように一態様において本発明は、クロストリジウム神経毒によって切断可能であり及びN末端側RFP検出可能標識とC末端側GFP検出可能標識とを含むポリペプチドを提供する。関連の態様において本発明は、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、並びにプロモータに作動可能に連結された本発明のヌクレオチド配列を含むベクター(例えばプラスミド)を提供する。CMVプロモータなどの、ヒト神経細胞における発現に好適な任意のプロモータを使用し得る。
【0027】
前記ポリペプチドは、クロストリジウム神経毒の基質又はその一部を含む。前記基質(又はその一部)は、アッセイされるクロストリジウム神経毒に基づいて好適に選択される。
【0028】
一実施形態では、前記ポリペプチドは、SNAREタンパク質等の、ボツリヌス神経毒の基質(又はその一部)を含む。したがって前記ポリペプチドは、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、又はBoNT/X等の基質(又はその一部)を含み得る。好ましくは前記ポリペプチドはBoNT/Aの基質(又はその一部)を含む。
【0029】
本発明のポリペプチドは、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)、シナプトプレビン/小胞結合膜タンパク質(VAMP、例えばVAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、若しくはVAMP5)、シンタキシン(例えばシンタキシン1、シンタキシン2、若しくはシンタキシン3)、Ykt6、又はその一部を含み得る。
【0030】
好ましくは本発明のポリペプチドはSNAP-25又はその一部、より好ましくは全長SNAP-25を含む。
【0031】
BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、及びBoNT/Gは、シナプトプレビン/小胞結合膜タンパク質(VAMP)を切断し、BoNT/C1、BoNT/A、及びBoNT/Eは25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)を切断し、及びBoNT/C1はシンタキシン1、シンタキシン2、及びシンタキシン3を切断する。BoNT/Xは、SNAP-25、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5、Ykt6、及びシンタキシン1を切断することが分かっている。
【0032】
クロストリジウム神経毒の基質に関連する用語「その一部」は、そのクロストリジウム神経毒が切断する部位を含み、及び、例えば前記部位を包囲する幾つかのアミノ酸残基が基質のクロストリジウム神経毒切断による切断のために必要であるならば、それらのアミノ酸残基をさらに含み得る。例えば、断片は、クロストリジウム神経毒基質の、≦50、≦25、又は≦15のアミノ酸であってよい。
【0033】
本発明のポリペプチドは配列番号4、6、8、10、及び/又は12に対して少なくとも70%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含み得る。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、及び/又は12に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有する1つ以上のポリペプチドを含む。好ましくは本発明のポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、及び/又は12として示される1つ以上のポリペプチドを含む。
【0034】
本発明のポリペプチドは、配列番号4、配列番号10、及び配列番号12に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含み得る。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号4、配列番号10、及び配列番号12に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。好ましくは本発明のポリペプチドは、配列番号4、配列番号10、及び配列番号12として示されるポリペプチドを含む。
【0035】
本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。好ましくは本発明のポリペプチドは、配列番号2として示されるポリペプチド配列を含む(より好ましくは、それからなる)。
【0036】
(例えば本発明のポリペプチド配列をコードする)本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、及び/又は11に対して少なくとも70%の配列同一性を有する1つ以上のヌクレオチド配列を含み得る。一実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、及び/又は11に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有する1つ以上のヌクレオチド配列を含む。好ましくは本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、及び/又は11として示される1つ以上のヌクレオチド配列を含む。
【0037】
本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、9、及び/又は11に対して少なくとも70%の配列同一性を有する1つ以上のヌクレオチド配列を含み得る。一実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、9、及び/又は11に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有する1つ以上のヌクレオチド配列を含む。好ましくは本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3、9、及び/又は11として示される1つ以上のヌクレオチド配列を含む。
【0038】
本発明のヌクレオチド配列は、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含み得る。一実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、配列番号1に対して少なくとも80%又は90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。好ましくは本発明のヌクレオチド配列は、配列番号1として示されるヌクレオチド配列を含む(より好ましくはそれからなる)。
【0039】
上記したように、本発明は、クロストリジウム神経毒活性の制御因子(例えば遺伝子又は剤)を同定する方法を提供する。クロストリジウム神経毒活性の制御は、クロストリジウム神経毒活性の、上方制御/正の制御(例えばクロストリジウム神経毒活性の増加)であっても下方制御/負の制御(例えばクロストリジウム神経毒活性の減少)であってもよい。例えば、クロストリジウム神経毒活性の制御は、
i. クロストリジウム神経毒の細胞への結合、
ii. クロストリジウム神経毒の内在化、
iii. クロストリジウム神経毒L鎖のエンドソーム外への転位置(L鎖とH鎖との間のジスルフィド結合の還元を含む)、
iv. 触媒作用(例えば、SNARE切断の阻害若しくは活性化)、又は
v. 効果(例えば、細胞の細胞質内のL鎖活性の持続)の持続時間
のレベルの直接的制御であり得る。
【0040】
他の実施形態では、クロストリジウム神経毒活性の制御は、間接的制御であり得る。間接的制御は、クロストリジウム神経毒活性に必要とされる経路の制御を含み得る。間接的制御の一例として、シナプス小胞糖タンパク質2A(SV2)等のクロストリジウム神経毒受容体の細胞輸送の制御が挙げられる。
【0041】
好ましくは、クロストリジウム神経毒活性の制御は直接的制御である。
【0042】
間接的な制御因子の知識を利用して、本発明の方法によって同定されたいずれかの遺伝子又は剤をさらに検証することができる。一実施形態では、クロストリジウム神経毒受容体(好ましくはSV2)を利用して、遺伝子又は剤が、クロストリジウム神経毒活性を直接的に(例えばクロストリジウム神経毒の輸送により)制御するというよりむしろ、クロストリジウム神経毒受容体の輸送を間接的に制御するのか、ということを判断することができる。
【0043】
このように一実施形態では、本発明の方法は、本発明の方法において同定された遺伝子又は剤をさらに検証する工程を含み、この検証は、標的遺伝子の発現が細胞中で変更された場合又は細胞が剤と接触された場合の、前記細胞のクロストリジウム神経毒受容体の有無を検出する工程をさらに含む。好適な検証方法は本明細書の実施例5において提供される。
【0044】
検出されたクロストリジウム神経毒受容体の量を、標的遺伝子の発現が変更されなかった又は細胞が剤と接触されなかった、負の対照と比較してもよい。あるいは又は加えて、負の対照は、クロストリジウム神経毒と接触されなかった細胞を含み得る。細胞がクロストリジウム神経毒と接触されなかった場合、クロストリジウム神経毒受容体の内在化及びその後の細胞表面への再循環が起こる。それに対して、細胞がクロストリジウム神経毒と接触された場合、SNAREタンパク質が前記クロストリジウム神経毒により切断されることによって受容体の細胞表面への有効な再循環が防げられる。
【0045】
このため一実施形態では、検出されるクロストリジウム神経毒受容体の量は、クロストリジウム神経毒と接触されなかった細胞の表面上で検出される量よりも少ない。
【0046】
一実施形態では、a)標的遺伝子の発現が変更され、且つb)クロストリジウム神経毒と接触された、細胞の表面上で、クロストリジウム神経毒受容体の減少量を検出することが、その標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御するということを示し得る。
【0047】
上記で言及した減少は、標的遺伝子の発現が未変更の同等の細胞と比較した場合であり得る。
【0048】
クロストリジウム神経毒活性の既知の直接的阻害物質の使用をさらに採用することにより、標的遺伝子が、クロストリジウム神経毒受容体輸送のレベルにおいてクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御するということを確認することができる。例えば、間接的制御は、阻害物質の存在下で検出される細胞表面受容体の量が、同様にクロストリジウム神経毒及び阻害物質と接触された同等の細胞(標的遺伝子の発現が未変更である)において検出される受容体の量よりも少ない場合に、確認され得る(及び逆もまた同じ)。
【0049】
一実施形態では、a)標的遺伝子の発現が変更され、且つb)クロストリジウム神経毒と接触された細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の同等又はより多くの量を検出することが、その標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御しないということを示し得る。
【0050】
上記で言及された同等又はより多くの量とは、標的遺伝子の発現が未変更の同等細胞と比較した場合であり得る。
【0051】
同様に、一実施形態では、a)クロストリジウム神経毒及びb)剤と接触された細胞においてクロストリジウム神経毒受容体の減少量を検出することが、その剤がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御するということを示し得る。
【0052】
上記で言及された減少された量とは、その剤の非存在下での同等細胞と比較した場合であり得る。
【0053】
クロストリジウム神経毒活性の既知の直接的阻害物質の使用をさらに採用することによって、その剤が、クロストリジウム神経毒受容体の輸送のレベルにおいてクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御するということを確認することができる。例えば、間接的制御は、阻害物質の存在下で検出される受容体の量が、同様にクロストリジウム神経毒及び阻害物質と接触されたがその剤とは接触されなかった同等細胞において検出される受容体の量よりも少ない場合に、確認され得る(及びその逆)。
【0054】
一実施形態では、a)クロストリジウム神経毒、及びb)剤、と接触された細胞の表面上でクロストリジウム神経毒受容体の同等又はより多くの量を検出することが、その剤がクロストリジウム神経毒活性を間接的に制御しないということを示し得る。
【0055】
上記で言及された同等又はより多くの量とは、その剤の非存在下での同等細胞と比較した場合であり得る。
【0056】
好ましくは、前記クロストリジウム神経毒受容体はSV2である。
【0057】
本発明は、多くの細胞型において、細胞表面SV2の通常レベルが低くて検出が困難であり、及びそのため標的遺伝子の発現が変更された場合又は剤の存在下で細胞表面SV2のレベルが変化したかどうか判定することが実行し難い/困難であるという先行のアッセイの制限を克服する。
【0058】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒活性の既知の直接的阻害物質は、チオレドキシン還元酵素の発現を下方制御するsiRNA又はshRNAである。
【0059】
本発明の方法は、ハイスループットのスクリーニングに特に適している。この点では、本方法は、好ましくは細胞の各試料において異なる標的遺伝子の発現が変更される、複数の細胞試料の使用を含み得る。RNAiライブラリ(又は同等の遺伝子サイレンシングライブラリ)は、こうしたハイスループットの方法において使用するのに特に適しており、薬物ライブラリについても同様である。
【0060】
このため、一実施形態では、本発明の方法は、
a. C末端側検出可能標識を含むポリペプチドを発現するヒト神経細胞の複数の試料を提供する工程であって、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能である工程と、
b. 前記複数の試料の各々において異なる標的遺伝子の発現を変更する工程であって、前記標的遺伝子が細胞の各試料において異なる工程と、
c. 前記細胞をクロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
d. C末端側検出可能標識の量を測定することによって、クロストリジウム神経毒活性を定量する工程と、
e. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、1つ以上の標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、その1つ以上の標的遺伝子をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程、又は
f. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、1つ以上の標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、その1つ以上の標的遺伝子がクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程と、
を含む。
【0061】
別の実施形態では、前記方法は、
a. C末端側検出可能標識を含むポリペプチドを発現するヒト神経細胞の複数の試料を提供する工程であって、前記ポリペプチドはクロストリジウム神経毒によって切断可能である工程と、
b. 前記細胞をクロストリジウム神経毒及び剤と接触させる工程であって、その接触は順次的に又は同時であり、及び前記試料の各々は異なる剤と接触される工程と、
c. C末端側検出可能標識の量を測定し、それによってクロストリジウム神経毒活性を定量する工程と、
d. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、1つ以上の剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と異なる場合に、その1つ以上の剤をクロストリジウム神経毒活性の制御因子として同定する工程、又は
e. その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、1つ以上の剤の非存在下で定量されたクロストリジウム神経毒活性と同等である場合に、その1つ以上の剤はクロストリジウム神経毒活性の制御因子ではないと同定する工程と、
を含む。
【0062】
用語「複数」は、本明細書で使用するとき、2以上を意味する。好ましくは用語「複数」は2よりも多く、例えば≧50、≧100、≧150、≧200、≧250、又は≧300を意味する。
【0063】
前記方法は、各ウェルが複数の試料の1つを含有するマルチウェルプレートの使用を含み得る。本発明の方法の感度及び高い信号雑音比は、≧150のウェルを含むマルチウェルプレート(好ましくは≧300のウェル、例えば384ウェルプレート)の使用を可能にする。有利なことに、このことは、<150のウェルプレート(例えば96ウェルプレート)を採用する方法と比較した場合に、スループットの改善を可能にする。
【0064】
本発明の方法に従いC末端側検出可能標識の量を測定することによってクロストリジウム神経毒活性を定量することは、自動化された及び/又はハイスループットの手段(例えば自動化分析ソフトウェアと連結された顕微鏡)を用いた容易且つ迅速な画像化及び定量に特に適している。さらに、本発明のヒト神経細胞はクロストリジウム神経毒に対して極めて感度がよく、このため検出のための十分な信号を生成しつつもより短い暴露時間を可能にする。これは、例えば≧150のウェルを含む、より小さなマルチウェルプレートフォーマット(例えば384ウェルプレート)を用いる自動化スクリーニングにおける使用にとりわけ適しているが、それはより短いインキュベーション時間によって、本方法における自動化工程のスケジューリングのロジスティクスの複雑さが減少されるためである。幾つかの段階は数分で終了するが他は数時間から数日かかるというような、(スクリーニング走査における)ある段階から次の段階への一連の多重プレートの進行におけるボトルネックの厳しさが減少され、必要とされる保持工程がより少なく及びより短くなり、及び装置の占有時間はより短くなる。
【0065】
クロストリジウム神経毒活性を制御する遺伝子を同定するための本方法は、標的遺伝子の発現を変更する工程を含む。この変更は、発現の上方制御であっても下方制御であってもよい(発現が変更されなかった、即ち標的遺伝子発現が「未変更」である同等細胞における発現レベルと比較して)。標的遺伝子の発現を変更することは当該技術分野で既知の任意の方法を用いて、例えば、遺伝子編集、過剰発現、又は遺伝子サイレンシングによって達成されてよい。
【0066】
一実施形態では、標的遺伝子の発現を下方制御することによって(例えば遺伝子サイレンシングによって)発現が変更される。標的遺伝子の発現を下方制御するための好ましい方法は、例えば短干渉又は低分子ヘアピン型RNA(siRNA又はshRNA)を用いる、RNA干渉(RNAi)による方法である。
【0067】
標的遺伝子の発現を下方制御することによって発現が変更される実施形態では、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒よりも小さい場合に、その標的遺伝子はクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定され得る。あるいは、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒よりも大きい場合に、その標的遺伝子はクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子として同定され得る。
【0068】
それに対して、標的遺伝子の発現を上方制御することによって発現が変更される実施形態では、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒よりも小さい場合に、その標的遺伝子はクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子として同定され得る。あるいは、その定量されたクロストリジウム神経毒活性が、標的遺伝子の発現が未変更のときに定量されたクロストリジウム神経毒よりも大きい場合に、その標的遺伝子はクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定され得る。
【0069】
クロストリジウム神経毒活性を制御する剤を同定する方法は、細胞をクロストリジウム神経毒及び剤と接触させる工程であって、その接触が順次的(例えばクロストリジウム神経毒と接触させ、次いで剤と接触させる、又は剤と接触させ、次いでクロストリジウム神経毒と接触させる)又は同時である工程を含む。好ましくはその接触は順次的である。
【0070】
一実施形態では、細胞を、クロストリジウム神経毒と接触させる前に剤と接触させる。このような方法は、クロストリジウム神経毒による中毒を防ぐことができる剤を特定するために特に好適である。中毒を防ぐことができる剤は、治療において予防薬として使用するために好適であり得る。
【0071】
あるいは、細胞を、クロストリジウム神経毒と接触させた後で剤と接触させてもよい。こうした方法は、中毒後のクロストリジウム神経毒活性を阻害することができる剤を特定するために特に好適であり、及び治療において中毒後治療薬として使用するために好適であり得る。
【0072】
クロストリジウム神経毒活性の正の制御因子として同定される剤は、クロストリジウム神経毒増感剤であってよい。かかる剤は治療において、クロストリジウム神経毒の局所活性を調節する(例えば減少された用量を可能にし及び他の組織への広がりを最小限に抑える)ために、クロストリジウム神経毒と併用され得る。
【0073】
クロストリジウム神経毒活性は、C末端側検出可能標識の量を測定することによって定量することができる。好ましくはクロストリジウム神経毒活性は、C末端側検出可能標識及びN末端側検出可能標識の量を測定することによって定量することができる。
【0074】
細胞をクロストリジウム神経毒と接触させた後のC末端側検出可能標識の量は、クロストリジウム神経毒の非存在下で測定されたC末端側検出可能標識の量と比較され得る。例えば、C末端側検出可能標識の量は、同じ細胞の試料中で、クロストリジウム神経毒と接触させる前後に測定され得る。あるいは、C末端側検出可能標識の量は、クロストリジウム神経毒と接触させた後で測定されて、クロストリジウム神経毒と接触されなかった同等の条件下の細胞の同等試料中に存在する、C末端側検出可能標識の量と比較され得る。
【0075】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒と接触されなかった同等細胞と比較した場合の、又はクロストリジウム神経毒と接触させる前の同じ細胞と比較した場合の、C末端側検出可能標識の(例えば経時的な)喪失は、クロストリジウム神経毒活性の存在を示す。あるいは、一実施形態では、クロストリジウム神経毒と接触させなかった同等細胞と比較した場合の、又はクロストリジウム神経毒と接触させる前の同じ細胞と比較した場合の、C末端側検出可能標識の(例えば経時的な)未喪失(又は同等な量の検出)は、クロストリジウム神経毒活性の非存在を示す。一実施形態では、クロストリジウム神経毒と接触させなかった同等細胞と比較した場合の、又はクロストリジウム神経毒と接触させる前の同じ細胞と比較した場合の、C末端側検出可能標識の(例えば経時的な)部分的喪失は、減少されたクロストリジウム神経毒活性の存在を示し得る(及びその逆)。
【0076】
前記方法は、N末端側検出可能標識の量を測定する工程をさらに含み得る。C末端側標識と同様に、細胞をクロストリジウム神経毒と接触させた後のN末端側検出可能標識の量は、クロストリジウム神経毒の非存在下で測定されたN末端側検出可能標識の量と比較され得る。例えば、N末端側検出可能標識の量は、同じ細胞の試料中で、クロストリジウム神経毒と接触させる前後に測定され得る。あるいは、N末端側検出可能標識の量は、クロストリジウム神経毒と接触させた後で測定されて、クロストリジウム神経毒と接触されなかった同等の条件下の細胞の同等試料中に存在するN末端側検出可能標識の量と比較され得る。
【0077】
好ましくはクロストリジウム神経毒活性は、N末端側標識及びC末端側標識の量を比較することによって決定される。好ましくは、C末端側標識に対してN末端側標識の量がより多いことが、ポリペプチドがクロストリジウム神経毒によって切断されたということを示す。
【0078】
本発明の検出可能標識は、細胞をクロストリジウム神経毒と接触させた後の1つ以上の時点で測定されてよい。そうすることにより、クロストリジウム神経毒活性率が算出され得る。
【0079】
一実施形態では、検出可能標識は、細胞をクロストリジウム神経毒と少なくとも2、5、10、15、20、30、40、50、60、又は70時間接触させた後で測定されてよい。他の実施形態では、検出可能標識は、細胞をクロストリジウム神経毒と100、80、70、60、又は50時間未満に渡り接触させた後で測定されてよい。好ましくは、検出可能標識は、細胞をクロストリジウム神経毒と72時間未満、より好ましくは50時間未満に渡り接触させた後で測定されてよい。したがって、検出可能標識は、細胞をクロストリジウム神経毒と20~60時間、好ましくは40~55時間(例えば約48時間)接触させた後で測定されてよい。前記細胞は、検出可能標識の量を測定するのに先立ち固定されてよい。
【0080】
本発明の方法の細胞を対照(例えば、標的遺伝子の発現が未変更の若しくは本発明の剤と接触されていない同等細胞又は上記で言及した別の対照)と比較する場合、その測定は同じ方法(例えば、細胞をクロストリジウム神経毒と接触させた後の同じ時点で)で行われることが想定される。これによって、クロストリジウム神経毒活性における差異の有無を同定するための、定量された本方法の細胞のクロストリジウム神経毒活性と対照との比較が可能となる。
【0081】
本発明の測定又は検出工程は、当業者に既知の任意の好適な手段を用いて行われ得る。一実施形態では、ポリペプチド上に存在する(又はクロストリジウム神経毒受容体に結合する抗体上に存在する)蛍光標識が好適な波長の光で励起され、結果として生ずる蛍光が検出される。このため本発明は、蛍光顕微鏡の使用を採用する。好ましい実施形態では、この測定又は検出工程はハイスループットスクリーニングシステムの使用を含む。好適なシステムの例として、PerkinElmerにより市販されているOpera Phenix(商標) High-Content Screening System及び/又はColumbus(商標)ソフトウェア(PerkinElmerにより市販)等の好適なイメージングソフトウェアの使用が挙げられる。 幾つかの実施形態では、本発明の測定又は検出工程は自動化され、及びロボット工学の使用を採用してもよい。
【0082】
本発明の方法は好ましくは、本明細書に記載される検出可能標識間の電子カップリングの使用を採用しない。特にこれらの標識が、ドナー標識(例えばN末端側標識)がエネルギーをアクセプター標識(例えばC末端側標識)に双極子-双極子結合機構などによって移行させることができるように位置づけされないことが好ましい。好ましくは本発明は蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の使用を採用しない。
【0083】
本発明の方法は、本方法において検出された定量されたクロストリジウム神経毒活性を正の対照と比較する検証工程を含み得る。正の検証は、検出された定量されたクロストリジウム神経毒活性が正の対照と同等である場合に起こり得る。
【0084】
本発明の方法は、制御因子が確かに正の制御因子であることをさらに検証する工程を含み得る。一実施形態では、本方法は、細胞を既知のクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子と接触させる工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。一実施形態では、本方法は、既知のクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子の発現を上方制御する工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。好ましくは、本方法は、既知のクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子の発現を下方制御する工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。
【0085】
本発明の方法は、制御因子が確かに負の制御因子であることをさらに検証する工程を含み得る。一実施形態では、本方法は、細胞を既知のクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子と接触させる工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。一実施形態では、本方法は、既知のクロストリジウム神経毒活性の負の制御因子の発現を下方制御する工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。一実施形態では、本方法は、既知のクロストリジウム神経毒活性の正の制御因子の発現を上方制御する工程と、クロストリジウム神経毒活性に対する効果が反転され得ることを示す工程と、を含む。
【0086】
クロストリジウム神経毒活性の既知の(正の)制御因子として、チオレドキシン還元酵素がある。一実施形態では、チオレドキシン還元酵素の発現が上方制御される。好ましくはチオレドキシン還元酵素の発現が下方制御される。
【0087】
用語「同等の(equivalent)」は、本明細書で使用するとき、比較されている2つ以上の値が統計的に有意に異ならないことを意味し得る。好ましくは、用語「同等の」は、本明細書で使用するとき、当該2つ以上の値が同一であること意味する。同様に、用語「未変更の」は、本明細書で使用するとき、比較されている2つ以上の値が統計的に有意に異ならないことを意味し得る。好ましくは、用語「未変更の」は、本明細書で使用するとき、当該2つ以上の値が同一であることを意味する。
【0088】
本明細書において言及される差異(異なること)(difference)又は変更(alteration)(例えば増加又は減少)は好ましくは、統計的に有意な差異又は変更(例えば、統計的に有意な増加又は減少)を意味する。このため、定量されたクロストリジウム神経毒活性における差異は好ましくは、定量されたクロストリジウム神経毒活性における統計的に有意な差異である。一実施形態では、定量されたクロストリジウム神経毒活性における差異は、負の対照(例えば、標的遺伝子の発現が未変更である若しくは本発明の剤と接触されていない同等細胞又は上記で言及した別の対照)の定量されたクロストリジウム神経毒活性と比較したとき、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、又は50%の差異である。
【0089】
本発明の方法はインビトロ法である。
【0090】
一実施形態では、本発明の方法は生細胞法であり、及び随意により本方法は、標的遺伝子の発現が変更された場合及び/又は細胞を剤と接触させた場合の、クロストリジウム神経毒活性のリアルタイムモニタリングを採用する。
【0091】
好ましくは、用語「細胞をクロストリジウム神経毒と接触させること」とは、細胞の表面がクロストリジウム神経毒と接触されることを意味する。好適には、クロストリジウム神経毒は、細胞が存在する培地、例えば、細胞培養培地に加えられてよい。用語「細胞をクロストリジウム神経毒と接触させること」には好ましくは、細胞中でクロストリジウム神経毒を発現させることによって接触させること(この技術はクロストリジウム神経毒の結合、内在化、及び/又は転位置に関する情報を何ら提供しない)は含まれない。
【0092】
本発明の方法は典型的に、細胞を1500nM未満のクロストリジウム神経毒と接触させる工程を含む。一実施形態では、細胞は1000nM未満、例えば500nM、250nM、又は100nM未満のクロストリジウム神経毒と接触される。
【0093】
本発明の方法は、細胞を少なくとも1nM、5nM、10nM、20nM、又は50nMのクロストリジウム神経毒と接触させる工程を含み得る。
【0094】
一実施形態では、本発明の方法は、細胞を、1~1000nMのクロストリジウム神経毒、例えば1~500nM又は1~200nMのクロストリジウム神経毒と接触させる工程を含み得る。
【0095】
本発明者らは意外にも、細胞を、GDNF及び細胞浸透性のcAMPを含む(及び随意により、さらにCaCl2及びKClを含む)バッファと接触させることにより、本発明の方法の感度を改善することができることを見出した。前記バッファの存在下では、細胞は、100nM未満、好ましくは50nM未満、より好ましくは5~15nM(例えば約10nM)の濃度のクロストリジウム神経毒に対して高感受性となる。
【0096】
前記バッファは、GDNF、d-cAMP、CaCl2、及びKClを含み得る。GDNFは、1~100ng/ml、好ましくは10ng/mlで存在し得る。d-cAMPは0.1~5mM、好ましくは1mMで存在し得る。CaCl2は0.1~7mM、好ましくは2mMで存在し得る。KClは、1~100mM、好ましくは56mMで存在し得る。
【0097】
前記バッファは、本発明のキットの構成要素であり得る。
【0098】
したがって一態様において、本発明は、
a. クロストリジウム神経毒と、
b. GDNF、細胞浸透性の環状アデノシン一リン酸(cAMP)、CaCl2、及びKClを含む、バッファと、
を含む、組成物を提供する。
【0099】
一実施形態では、前記組成物は、1~100ng/mlで存在するGDNFと、0.1~5mMで存在するd-cAMPと、0.1~7mMで存在するCaCl2と、1~100mMで存在するKClと、を含む。好ましくは前記バッファは、10ng/mlで存在するGDNFと、1mMで存在するd-cAMPと、2mMで存在するCaCl2と、56mMで存在するKClと、を含む。
【0100】
本明細書における「cAMP」への言及は好ましくは、d-cAMPと交換可能である。
【0101】
前記組成物は、1500nM未満のクロストリジウム神経毒を含み得る。一実施形態では、前記組成物は、1000nM未満、例えば500nM、250nM、又は100nM未満のクロストリジウム神経毒を含む。幾つかの実施形態では、前記組成物は、少なくとも1nM、5nM、10nM、20nM、又は50nMのクロストリジウム神経毒を含み得る。一実施形態では、前記組成物は、1~1000nMのクロストリジウム神経毒、例えば1~500nM、又は1~200nMのクロストリジウム神経毒を含み得る。好ましくは、前記組成物は、100nM未満、好ましくは50nM未満、より好ましくは5~15nM(例えば約10nM)の濃度でクロストリジウム神経毒を含む。
【0102】
幾つかの実施形態では、前記組成物は、細胞、例えば本明細書に記載されるヒト神経細胞をさらに含む。
【0103】
前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に任意の好適な時間に渡りインキュベートされ得る。一実施形態では、前記細胞はクロストリジウム神経毒と共に少なくとも2、5、10、15、20、30、40、50、60、又は70時間、インキュベートされ得る。他の実施形態では、前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に、100、80、70、60、又は50時間未満に渡りインキュベートされ得る。好ましくは、前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に72時間未満、より好ましくは50時間未満に渡りインキュベートされる。したがって前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に、20~60時間、好ましくは40~55時間(例えば約48時間)インキュベートされ得る。有利なことに、本発明のヒト神経細胞はクロストリジウム神経毒に対して高度に感受性であり、それによってクロストリジウム神経毒による、72時間未満(約48時間)の短いインキュベーション時間を可能にし、このため本アッセイを行うのに必要な時間は短縮される。
【0104】
前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に、任意の好適な温度でインキュベートされ得る。一実施形態では、前記細胞は、クロストリジウム神経毒と共に、30~40℃、好ましくは37℃でインキュベートされる。
【0105】
本発明の方法によって同定される標的遺伝子又は剤は、障害を治療するための方法において使用され得る。このため一態様において、本発明は、本発明の方法によって同定された剤を被験者に投与する工程を含む障害を治療するための方法を提供する。別の態様において本発明は、被験者において、本発明の方法によって同定された遺伝子の発現を変更する工程を含む、障害を治療するための方法を提供する。
【0106】
一態様において本発明は、本発明による細胞、及び随意により、(例えば本明細書に記載される方法における)その使用のための指示、を含むキットを提供する。関連の態様では本発明は、本発明によるヌクレオチド配列、及び随意により、(例えば本明細書に記載される方法における)その使用のための指示、を含むキットを提供する。関連の態様では本発明は、本発明によるベクター、及び随意により、(例えば本明細書に記載される方法における)その使用のための指示、を含むキットを提供する。一実施形態では、キットは、細胞(好ましくは本発明の細胞型と同一であるが、本発明のヌクレオチド配列を含まず及び本発明のポリペプチドを発現しない細胞)、本発明のヌクレオチド配列又はベクター、及び随意により、(例えば本明細書に記載される方法における)その使用のための指示を含む。前記キットが1つ以上の別個の容器を含み、その容器のそれぞれがキットの列挙された構成物を含有してもよい。
【0107】
本発明は、多種多様なクロストリジウム神経毒への適用に好適である。このため、本発明の文脈において、用語「クロストリジウム神経毒」は、クロストリジウム・ボツリヌス(ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、F、G、H、及びX)、クロストリジウム・テタニ(破傷風神経毒)、クロストリジウム・ブチリカム(ボツリヌス神経毒血清型E)、及びクロストリジウム・バラティ(ボツリヌス神経毒血清型F)により産生される毒、並びに前述の何れかから誘導される、修飾クロストリジウム神経毒又は誘導体を包含する。用語「クロストリジウム神経毒」は、ボツリヌス神経毒血清型Hもまた包含する。
【0108】
ボツリヌス神経毒(BoNT)は、クロストリジウム・ボツリヌスによりBoNT自体とそれに複合化された数々のアクセサリータンパク質からなる大型のタンパク質複合体の形態で産生される。現在、ボツリヌス神経毒の9つの異なる部類、すなわち、ボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、F、G、H、及びXが存在し、それらの全てが類似した構造及び作用様式を共有する。異なるBoNT血清型は、特異的な中和抗血清による不活化に基づいて区別することができ、このような血清型による分類はアミノ酸レベルでの配列同一性のパーセンテージと相関関係を有する。所与の血清型のBoNTタンパク質はさらに、アミノ酸のパーセント配列同一性に基づいて異なる亜型に分けられる。
【0109】
BoNTは消化管において吸収され、そして全身循環に入った後、コリン作用性神経末端のシナプス前膜に結合して、それらの神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を妨げる。
【0110】
破傷風毒は、クロストリジウム・テタニにより単一の血清型で産生される。クロストリジウム・ブチリカムはBoNT/Eを産生し、クロストリジウム・バラティはBoNT/Fを産生する。
【0111】
用語「クロストリジウム神経毒」は、前述したものを含むがそれらに限定されない修飾クロストリジウム神経毒及びその誘導体も包含することが意図される。修飾クロストリジウム神経毒又は誘導体は、クロストリジウム神経毒のネイティブな(未修飾)形態と比較して修飾された1つ以上のアミノ酸を含有し得るか、又はクロストリジウム神経毒のネイティブな(未修飾)形態には存在しない1つ以上の挿入アミノ酸を含有し得る。例えば、修飾クロストリジウム神経毒は、ネイティブな(未修飾)クロストリジウム神経毒配列に対して、1つ以上のドメインにおいて修飾アミノ酸配列を有し得る。このような修飾はその毒の機能的側面、例えば、生物活性又は持続性を改変し得る。このように一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、修飾クロストリジウム神経毒、又は修飾クロストリジウム神経毒誘導体、又はクロストリジウム神経毒誘導体である。
【0112】
修飾クロストリジウム神経毒は、重鎖のアミノ酸配列において1つ以上の修飾を有してよく(例えば修飾HCドメイン)、前記修飾重鎖は、ネイティブな(未修飾)クロストリジウム神経毒よりも高い又は低い親和性をもって標的神経細胞に結合する。HCドメインにおけるかかる修飾は、標的神経細胞のガングリオシド受容体及び/又はタンパク質受容体への結合を変更する、HCドメインのガングリオシド結合部位において又はタンパク質(SV2又はシナプトタグミン)結合部位において、残基を修飾することを含み得る。かかる修飾クロストリジウム神経毒の例は、WO 2006/027207及びWO 2006/114308に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
修飾クロストリジウム神経毒は、軽鎖のアミノ酸配列における1つ以上の修飾、例えば、修飾L鎖のSNAREタンパク質特異性を変更若しくは改変し得る基質結合若しくは触媒ドメインにおける修飾、を有し得る。かかる修飾クロストリジウム神経毒の例はWO 2010/120766及びUS 2011/0318385に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
修飾クロストリジウム神経毒は、修飾クロストリジウム神経毒の生物活性及び/又は生物学的持続性を増大又は減少させる1つ以上の修飾を含み得る。例えば、修飾クロストリジウム神経毒は、修飾クロストリジウム神経毒の生物活性及び/又は生物学的持続性を増大又は減少させる、ロイシン系又はチロシン系モチーフを含み得る。好適なロイシン系モチーフとしては、xDxxxLL(配列番号22)、xExxxLL(配列番号23)、xExxxIL(配列番号24)、及びxExxxLM(配列番号25)(xは任意のアミノ酸)が挙げられる。好適なチロシン系モチーフとしてはY-x-x-Hy(配列番号26)(Hyは疎水性アミノ酸)が挙げられる。ロイシン系及びチロシン系モチーフを含む修飾クロストリジウム神経毒の例はWO 2002/08268に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0115】
用語「クロストリジウム神経毒」は、ハイブリッド型及びキメラ型クロストリジウム神経毒を包含することが意図されている。ハイブリッド型クロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒又はその亜型からの軽鎖の少なくとも一部と、別のクロストリジウム神経毒又はクロストリジウム神経毒亜型からの重鎖の少なくとも一部とを含む。一実施形態では、前記ハイブリッド型クロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒亜型からの軽鎖の軽鎖全体と、別のクロストリジウム神経毒亜型からの重鎖とを含有し得る。別の実施形態では、キメラ型クロストリジウム神経毒は、あるクロストリジウム神経毒亜型の重鎖のタンパク質(例えば結合ドメイン)を含有し、重鎖の別の部分は別のクロストリジウム神経毒亜型由来であり得る。同様に又はあるいは、その治療要素は、異なるクロストリジウム神経毒からの軽鎖タンパク質を含み得る。かかるハイブリッド又はキメラ型クロストリジウム神経毒は、例えば、かかるクロストリジウム神経毒の治療的利点を、所与のクロストリジウム神経毒亜型に対して免疫学的に耐性を有する患者、所与のクロストリジウム神経毒重鎖結合ドメインに対する受容体の平均濃度よりも低い受容体濃度を有し得る患者、又は膜若しくは小胞毒基質(例えば、SNAP-25、VAMP、及びシンタキシン)のプロテアーゼ耐性変異株を有し得る患者に、送達する手段として有用である。ハイブリッド型及びキメラ型クロストリジウム神経毒はUS 8,071,110に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。このように一実施形態では、本発明のクロストリジウム神経毒は、ハイブリッド型クロストリジウム神経毒又はキメラ型クロストリジウム神経毒である。
【0116】
用語「クロストリジウム神経毒」は、BoNT/Xに最も近い配列同一性を有するエンテロコッカスにコードされる毒、VAMP2をW89~W90において切断するBoNT/Woと呼ばれるワイセラオリゼにコードされる毒(NCBI参照配列、WP_027699549.1)、VAMP2及びSNAP25を切断するエンテロコッカスフェシウムにコードされる毒(ジェンバンク(GenBank)、OTO22244.1)、及びクリセオバクテリウムピペロにコードされる毒(NCBI参照配列、WP_034687872.1)等の、非クロストリジウム微生物によって発現される新たに発見されたボツリヌス神経毒タンパク質ファミリーメンバーも包含し得る。
【0117】
好ましい実施形態では、クロストリジウム神経毒はボツリヌス神経毒、より好ましくはBoNT/Aである。
【0118】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Aであり得る。参照BoNT/A配列は配列番号13として示される。
【0119】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Bであり得る。参照BoNT/B配列は配列番号14として示される。
【0120】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Cであり得る。参照BoNT/C1配列は配列番号15として示される。
【0121】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Dであり得る。参照BoNT/D配列は配列番号16として示される。
【0122】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Eであり得る。参照BoNT/E配列は配列番号17として示される。
【0123】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Fであり得る。参照BoNT/F配列は配列番号18として示される。
【0124】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Gであり得る。参照BoNT/G配列は配列番号19として示される。
【0125】
一実施形態では、クロストリジウム神経毒はBoNT/Xであり得る。参照BoNT/X配列は配列番号20として示される。
【0126】
別の実施形態では、クロストリジウム神経毒はTeNTであり得る。参照TeNT配列は配列番号21として示される。
【0127】
本発明の種々の方法に関連する実施形態は、本発明の他の方法、細胞、ポリペプチド、ヌクレオチド配列、キット、及び組成物にも同等に適用されることが意図されており、及びその逆も成り立つ。
【0128】
配列同一性
【0129】
パーセント同一性を決定するために、包括的な方法、局所的な方法、及び複合的な方法、例えば、セグメントアプローチ法が挙げられるが限定されない様々な配列アラインメント方法のいずれかを使用することができる。パーセント同一性を決定するためのプロトコルは、当業者の範囲内で習慣的な手順である。包括的な方法は、分子の始めから終わりまでの配列アラインメントを行い、個々の残基対のスコアを足し合わせてギャップペナルティを課することによって、最良のアラインメントを決定する。非限定的な方法として、例えば、CLUSTAL W(例えば、Julie D, Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position-Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680(1994)参照)及び反復改良法(例えば、Osamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein. Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. MoI. Biol. 823-838(1996)参照)が挙げられる。局所的方法は、インプット配列の全てによって共有された1以上の保存モチーフを同定することによって配列アラインメントを行う。非限定的な方法としては、例えば、マッチボックス(Match-box)(例えば、Eric Depiereux and Ernest Feytmans, Match-Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501-509(1992)参照)、ギブスサンプリング(Gibbs Sampling)(例えば、C. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131) Science 208-214(1993)参照)、アラインM(Align-M)(例えば、Ivo Van WaIIe et al., Align-M - A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinformatics:1428-1435(2004)参照)が挙げられる。
【0130】
このように、パーセント配列同一性は従来の方法によって決定される。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-16, 1986及びHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-19, 1992を参照のこと。簡単に言うと、下記に示すように、2つのアミノ酸配列をアラインメントして、ギャップオープニングペナルティ10、ギャップエクステンションペナルティ1、及びHenikoff及びHenikoffの「blosum 62」スコアリングマトリクス(同書)を用いてアラインメントスコアを最適化する(アミノ酸は標準の1文字コードによって同定する)。
【0131】
2つ以上の核酸又はアミノ酸配列間の「パーセント配列同一性」は、それらの配列によって共有される同一の位置の数の関数である。このため%同一性は、同一のヌクレオチド/アミノ酸の数をヌクレオチド/アミノ酸の総数によって除し、100を掛けた値として計算され得る。%配列同一性の計算はまた、ギャップの数、及び2つ以上の配列のアラインメントを最適化するために導入される必要のある各ギャップの長さを考慮に入れてもよい。2つ以上の配列の配列比較及びパーセント同一性の決定は、当業者は精通しているであろうBLAST等の特殊な数学的アルゴリズムを用いて行うことができる。
【0132】
配列同一性を決定するためのアラインメントスコア
【数1】
次いで、パーセント同一性が、以下のように計算される:
同一性の一致の総数
__________________________________________ x 100
[長い方の配列の長さ+2つの配列をアラインメントするために長い方の配列に導入されたギャップの数]
【0133】
実質的に相同なポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、又は追加を有することを特徴とする。これらの変化は好ましくは小さな性格のもの、即ち、保存的なアミノ酸置換(下記参照)及びポリペプチドのフォールディング又は活性に有意に影響しない他の置換、典型的に1~約30個のアミノ酸の小さな欠失、及びアミノ末端メチオニン残基、約20~25残基までの小さなリンカーペプチド、又はアフィニティタグ等の小さなアミノ又はカルボキシ末端延長である。
【0134】
保存的なアミノ酸置換
【0135】
塩基性:
アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性:
グルタミン酸
アスパラギン酸
極性:
グルタミン
アスパラギン
疎水性:
ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族:
フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小:
グリシン
アラニン
セリン
トレオニン
メチオニン
【0136】
20の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソブチル酸、イソバリン、及びα-メチルセリン)が本発明のポリペプチドのアミノ酸残基を置換してもよい。限定数の非保存的なアミノ酸、遺伝子コードによってコードされないアミノ酸、及び非天然(unnatural)アミノ酸が、ポリペプチドアミノ酸残基を置換してもよい。本発明のポリペプチドはまた、非自然発生(non-naturally occurring)アミノ酸残基を含むこともできる。
【0137】
非自然発生アミノ酸としては、限定されないが、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノ-プロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシ-プロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチル-トレオニン、ヒドロキシ-エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ-システイン、ニトロ-グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニル-アラニン、4-アザフェニル-アラニン、及び4-フルオロフェニルアラニンが挙げられる。非自然発生アミノ酸残基をタンパク質中に導入するための幾つかの方法が当該技術分野で既知である。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサtRNAを用いてナンセンス変異が抑制されるインビトロシステムを採用することができる。アミノ酸を合成してtRNAをアミノアシル化するための方法は、当該技術分野で既知である。ナンセンス変異を含有するプラスミドの転写及び翻訳は、大腸菌S30抽出物及び市販の酵素類を含む細胞フリーシステムやその他の試薬中で行われる。タンパク質はクロマトグラフィによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991、Ellman et al., Methods Enzymol. 202:301, 1991、Chung et al., Science 259:806-9, 1993、及びChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993を参照のこと。第2の方法では、翻訳はアフリカツメガエル卵母細胞において変異mRNA及び化学的にアミノアシル化されたサプレッサtRNAの微量注入によって行われる(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方法では、置換されるべき天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在下及び所望の非自然発生アミノ酸(類)(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、又は4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で、大腸菌細胞を培養する。前記非自然発生アミノ酸は、その天然の対応物の代わりにポリペプチドに導入される。Koide et al., Biochem. 33:7470-6, 1994を参照のこと。インビトロ化学修飾によって自然発生型のアミノ酸残基を非自然発生種に変換することができる。化学修飾を部位特異的変異誘発と組み合わせて、置換の範囲をさらに拡張することができる(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
【0138】
限定数の非保存的なアミノ酸、遺伝子コードによってコードされないアミノ酸、非自然発生アミノ酸、及び非天然アミノ酸が、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基を置換し得る。
【0139】
本発明のポリペプチドにおいて必須のアミノ酸は、部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニング変異誘発(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989)等の当該技術分野で既知の手順に従って同定することができる。生物学的相互作用の部位もまた、推定上の接触部位のアミノ酸の変異と併せた、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又はフォトアフィニティ標識などの技術によって決定されるような、構造の物理解析によって決定することができる。例えば、de Vos et al., Science 255:306-12, 1992、Smith et al., J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992、Wlodaver et al., FEBS Lett. 309:59-64, 1992を参照のこと。必須のアミノ酸の同定はまた、本発明のポリペプチドの関連成分(例えば転位置又はプロテアーゼ成分)を用いた相同性の解析から推定することもできる。
【0140】
複数のアミノ酸置換は、Reidhaar-Olson and Sauer(Science 241:53-7, 1988)又はBowie and Sauer(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-6, 1989)によって開示されるような変異誘発及びスクリーニングの既知の方法を用いて行い及び試験することができる。簡単に言うと、これらの著者は、ポリペプチドの2つ以上の位置を同時に無作為化して、機能的ポリペプチドについて選択を行い、その後変異誘発されたポリペプチドを配列決定して各位置において許容される置換のスペクトルを決定する方法を開示している。使用可能な他の方法としては、ファージ提示法(例えば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-7, 1991、Ladner et al., U.S. Patent No. 5,223,409、Huse, WIPO Publication WO 92/06204)及び領域特異的変異導入(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986、Ner et al., DNA 7:127, 1988)が挙げられる。
【0141】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通して理解される意味と同じ意味を有する。Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 20 ED., John Wiley and Sons, New York(1994)、及びHale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY(1991)は、当業者に、本開示において使用される用語の多くについての一般的な辞書を提供する。
【0142】
本開示は、本明細書に開示される例示的な方法及び材料によって限定されず、及び本明細書に記載される方法及び材料と類似の又は同等の任意の方法及び材料を本開示の実施形態の実行又は試験において使用することができる。数値範囲は範囲を規定する数字を包含する。別途指示しない限り、任意の核酸配列は左から右に向かって5'から3'の向きで記述され、アミノ酸配列は左から右に向かってアミノからカルボキシの向きに記述される。
【0143】
本明細書において提供される見出しは本開示の種々の態様又は実施形態の限定ではない。
【0144】
アミノ酸は本明細書において、そのアミノ酸の名称、3文字省略形、又は1文字省略形を用いて言及される。用語「タンパク質」は、本明細書で使用するとき、タンパク質、ポリペプチド、及びペプチドを包含する。本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義である。幾つかの例では、用語「アミノ酸配列」は用語「ペプチド」と同義である。幾つかの例では、用語「アミノ酸配列」は用語「酵素」と同義である。用語「タンパク質」及び「ポリペプチド」は、本明細書では交換可能に使用される。本開示及び特許請求の範囲において、アミノ酸残基についての従来の1文字及び3文字コードが使用され得る。アミノ酸に対する3文字コードは、IUPACIUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に準拠して規定される。ポリペプチドが遺伝子コードの縮重に起因して2つ以上のヌクレオチド配列によってコードされ得ることもまた理解される。
【0145】
本明細書を通じて用語の他の定義が示される場合もある。例示的な実施形態をより詳細に述べる前に、本開示は記載された特定の実施形態に限定されず、そのため変化し得ることが理解されるべきである。本開示の範囲は添付特許請求の範囲によってのみ規定されることとなるため、本明細書で使用される用語法は特定の実施形態のみを記載することを目的とし、及び限定することを意図しないこともまた理解されるべきである。
【0146】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在する値もまた、文脈が別途明確に記述しない限りその下限の単位の10分の1まで、具体的に開示されていると理解される。記述された範囲中の任意の記述された値又は介在する値とその記述された範囲中の任意の他の記述された又は介在する値との間のより小さな各範囲は、本開示に包含される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は独立に、その範囲に含まれても含まれていなくてもよく、及び上限と下限のいずれか又は両方がそのより小さな範囲に含まれるかどちらも含まれない各範囲もまた、前記記述された範囲中の任意の具体的に除外された限界値が適用される条件で、本開示に包含される。前記記述された範囲がその限界値の一方又は両方を含む場合には、それらの包含された限界値のいずれか又は両方を除外した範囲もまた本開示に包含される。
【0147】
本明細書及び添付特許請求の範囲において使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に記述しない限り、複数の指示対象を包含することに留意しなければならない。このため、例えば、「a clostridial neurotoxin」への言及は複数のこのような候補剤を包含し、及び「the clostridial neurotoxin」への言及は当業者に既知の1つ以上のclostridial neurotoxins及びそれらの同等物への言及を包含する、等々。
【0148】
本明細書において議論された刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書中のいずれも、かかる刊行物が本明細書に添付される特許請求の範囲に対する先行技術を構成することの容認として解釈されるべきではない。
【0149】
ここに、本発明の実施形態を、ほんの一例として、下記の図面及び実施例を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【
図1】TagRFPT-SNAP25-TagGFPを安定的に発現するReNcell VMを生成するための方法を示す図である。画像(下)は赤色蛍光(右)及び緑色蛍光(右)を示す。
【
図2】構築物のC末端側断片のBoNT/A誘導分解を示す。ReD SNAPR細胞を成長因子なしで14日間分化させた後、100nMのBoNT/Aを前記細胞に加えて48時間中毒させた。(A)蛍光顕微鏡を用いて細胞を画像化した。対応するGFP、RFP、及びGFP/RFP混合チャネルは図示の通りである。(B)可溶化物をウェスタンブロット解析のためにSDS-PAGEに供した。ウェスタンブロットにはtagRFPT及びtagGFPに対するウサギ抗体を用いた。
【
図3】BoNT/Aによる構築物の分解を要約する図を示す。
【
図4】分化及び刺激増強バッファが、ReD SNAPR細胞をBoNT/Aに対して増感させたことを示す図である。(A)ReD SNAPR細胞を、分化の間はGDNF及びd-cAMPを補充した及び補充していないReNcell分化培地に、及び中毒化の間は高カリウムバッファに、供した。得られる改変培地はReDS(ReNcell増強分化及び刺激)培地として知られる。二重タグ付きのSNAP25構築物の切断時のtagGFPの蛍光の喪失が、用量依存的に観察された。ReDS培地中のReD SNAPR細胞は、共焦点顕微鏡を用いて検出したとき、通常のReNcell培地と比較して、BoNT/Aに対する増強された感受性を示した。(B)両条件におけるBoNT/A媒介切断の定量は、ReDS培地に暴露されたReD SNAPRにおいて、EC
50が43nMから6nMに改善されたことを示した。(C)通常の及びReDS培地中のReD SNAPR細胞におけるBoNT/A媒介SNAP25構築物切断のウェスタンブロット検出。上方のブロットはtRFP抗体でプローブされた細胞可溶化物を示し、及び下方のブロットはtGFP抗体でプローブされた細胞可溶化物を示す。
【
図5】TrxRに対するsiRNAがBoNT/A媒介構築物切断をレスキューすることを示す図である。TrxR1ノックダウンレベル及び構築物切断のグラフが示されている。上方のパネル(ReD SNAPR)は、緑色及び赤色蛍光(siNT3、-BoNT/A)、赤色蛍光のみ(siNR3、+BoNT/A)、緑色及び赤色蛍光(siTrxR、-BoNT/A)、及び緑色及び赤色蛍光(siTrxR、-BoNT/A)を示す。下方のパネルは、siNT3の存在下でのTrxR1に対する染色(-BoNT/A及び+BoNT/条件の両方)と、siTrxRの存在下でのTrxR1に対する染色の非存在(-BoNT/A及び+BoNT/A条件の両方について)とを示している。
【
図6】BoNT/A中毒がSV2の細胞表面への輸送を妨げることを示す図である。A)ReNcell VM細胞をsiNT3、siVAMP2、及びsiTrxR1で72時間処理した後、BoNT/Aを加えた。細胞を固定し、SV2Aに対する一次抗体で染色した(透過処理なし)。前記一次抗体に対してAlexa-488二次抗体を使用した。(B)BoNT/Aが介在して減少された、SV2の細胞表面への輸送の図解。
【
図7】本発明の細胞株を用いてゲノムワイドなsiRNAスクリーニングを行うための概略を示す図である。
【0151】
配列リスト
【0152】
最初のMetアミノ酸残基又は対応する最初のコドンが下記の配列番号のいずれかにおいて示される場合、前記残基/コドンは随意であり得る。
【0153】
配列番号1 (核酸配列, コンストラクトTagRFPT-SNAP25-TagGFP)
ATGGTGTCTAAGGGCGAAGAGCTGATTAAGGAGAACATGCACATGAAGCTGTACATGGAGGGCACCGTGAACAACCACCACTTCAAGTGCACATCCGAGGGCGAAGGCAAGCCCTACGAGGGCACCCAGACCATGAGAATCAAGGTGGTCGAGGGCGGCCCTCTCCCCTTCGCCTTCGACATCCTGGCTACCAGCTTCATGTACGGCAGCAGAACCTTCATCAACCACACCCAGGGCATCCCCGACTTCTTTAAGCAGTCCTTCCCTGAGGGCTTCACATGGGAGAGAGTCACCACATACGAAGACGGGGGCGTGCTGACCGCTACCCAGGACACCAGCCTCCAGGACGGCTGCCTCATCTACAACGTCAAGATCAGAGGGGTGAACTTCCCATCCAACGGCCCTGTGATGCAGAAGAAAACACTCGGCTGGGAGGCCAACACCGAGATGCTGTACCCCGCTGACGGCGGCCTGGAAGGCAGAACCGACATGGCCCTGAAGCTCGTGGGCGGGGGCCACCTGATCTGCAACTTCAAGACCACATACAGATCCAAGAAACCCGCTAAGAACCTCAAGATGCCCGGCGTCTACTATGTGGACCACAGACTGGAAAGAATCAAGGAGGCCGACAAAGAGACCTACGTCGAGCAGCACGAGGTGGCTGTGGCCAGATACTGCGACCTCCCTAGCAAACTGGGGCACAAACTTAATGGCATGGACGAGCTGTACAAGGGCTCGGGCTCGGGCTCGGGCGTGGCCGAAGACGCAGACATGCGCAATGAGCTGGAGGAGATGCAGCGAAGGGCTGACCAGTTGGCTGATGAGTCGCTGGAAAGCACCCGTCGTATGCTGCAACTGGTTGAAGAGAGTAAAGATGCTGGTATCAGGACTTTGGTTATGTTGGATGAACAAGGAGAACAACTCGATCGTGTCGAAGAAGGCATGAACCATATCAACCAAGACATGAAGGAGGCTGAGAAAAATTTAAAAGATTTAGGGAAATGCTGTGGCCTTTTCATATGTCCTTGTAACAAGCTTAAATCAAGTGATGCTTACAAAAAAGCCTGGGGCAATAATCAGGACGGAGTGGTGGCCAGCCAGCCTGCTCGTGTAGTGGACGAACGGGAGCAGATGGCCATCAGTGGCGGCTTCATCCGCAGGGTAACAAATGATGCCCGAGAAAATGAAATGGATGAAAACCTAGAGCAGGTGAGCGGCATCATCGGGAACCTCCGTCACATGGCCCTGGATATGGGCAATGAGATCGATACACAGAATCGCCAGATCGACAGGATCATGGAGAAGGCTGATTCCAACAAAACCAGAATTGATGAGGCCAACCAACGTGCAACAAAGATGCTGGGAAGTGGTTACGGCGGCTCGGGCTCGGGCGTGAGCGGGGGCGAGGAGCTGTTCGCCGGCATCGTGCCCGTGCTGATCGAGCTGGACGGCGACGTGCACGGCCACAAGTTCAGCGTGCGCGGCGAGGGCGAGGGCGACGCCGACTACGGCAAGCTGGAGATCAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTGGTGACCACCCTCTGCTACGGCATCCAGTGCTTCGCCCGCTACCCCGAGCACATGAAGATGAACGACTTCTTCAAGAGCGCCATGCCCGAGGGCTACATCCAGGAGCGCACCATCCAGTTCCAGGACGACGGCAAGTACAAGACCCGCGGCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCAAGGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGCCACAAGCTGGAGTACAGCTTCAACAGCCACAACGTGTACATCCGCCCCGACAAGGCCAACAACGGCCTGGAGGCTAACTTCAAGACCCGCCACAACATCGAGGGCGGCGGCGTGCAGCTGGCCGACCACTACCAGACCAACGTGCCCCTGGGCGACGGCCCCGTGCTGATCCCCATCAACCACTACCTGAGCACTCAGACCAAGATCAGCAAGGACCGCAACGAGGCCCGCGACCACATGGTGCTCCTGGAGTCCTTCAGCGCCTGCTGCCACACCCACGGCATGGACGAGCTGTACAGGTAA
【0154】
配列番号2 (ポリペプチド配列, コンストラクトTagRFPT-SNAP25-TagGFP)
MVSKGEELIKENMHMKLYMEGTVNNHHFKCTSEGEGKPYEGTQTMRIKVVEGGPLPFAFDILATSFMYGSRTFINHTQGIPDFFKQSFPEGFTWERVTTYEDGGVLTATQDTSLQDGCLIYNVKIRGVNFPSNGPVMQKKTLGWEANTEMLYPADGGLEGRTDMALKLVGGGHLICNFKTTYRSKKPAKNLKMPGVYYVDHRLERIKEADKETYVEQHEVAVARYCDLPSKLGHKLNGMDELYKGSGSGSGVAEDADMRNELEEMQRRADQLADESLESTRRMLQLVEESKDAGIRTLVMLDEQGEQLDRVEEGMNHINQDMKEAEKNLKDLGKCCGLFICPCNKLKSSDAYKKAWGNNQDGVVASQPARVVDEREQMAISGGFIRRVTNDARENEMDENLEQVSGIIGNLRHMALDMGNEIDTQNRQIDRIMEKADSNKTRIDEANQRATKMLGSGYGGSGSGVSGGEELFAGIVPVLIELDGDVHGHKFSVRGEGEGDADYGKLEIKFICTTGKLPVPWPTLVTTLCYGIQCFARYPEHMKMNDFFKSAMPEGYIQERTIQFQDDGKYKTRGEVKFEGDTLVNRIELKGKDFKEDGNILGHKLEYSFNSHNVYIRPDKANNGLEANFKTRHNIEGGGVQLADHYQTNVPLGDGPVLIPINHYLSTQTKISKDRNEARDHMVLLESFSACCHTHGMDELYR*
【0155】
配列番号3 (核酸配列, TagRFPT)
ATGGTGTCTAAGGGCGAAGAGCTGATTAAGGAGAACATGCACATGAAGCTGTACATGGAGGGCACCGTGAACAACCACCACTTCAAGTGCACATCCGAGGGCGAAGGCAAGCCCTACGAGGGCACCCAGACCATGAGAATCAAGGTGGTCGAGGGCGGCCCTCTCCCCTTCGCCTTCGACATCCTGGCTACCAGCTTCATGTACGGCAGCAGAACCTTCATCAACCACACCCAGGGCATCCCCGACTTCTTTAAGCAGTCCTTCCCTGAGGGCTTCACATGGGAGAGAGTCACCACATACGAAGACGGGGGCGTGCTGACCGCTACCCAGGACACCAGCCTCCAGGACGGCTGCCTCATCTACAACGTCAAGATCAGAGGGGTGAACTTCCCATCCAACGGCCCTGTGATGCAGAAGAAAACACTCGGCTGGGAGGCCAACACCGAGATGCTGTACCCCGCTGACGGCGGCCTGGAAGGCAGAACCGACATGGCCCTGAAGCTCGTGGGCGGGGGCCACCTGATCTGCAACTTCAAGACCACATACAGATCCAAGAAACCCGCTAAGAACCTCAAGATGCCCGGCGTCTACTATGTGGACCACAGACTGGAAAGAATCAAGGAGGCCGACAAAGAGACCTACGTCGAGCAGCACGAGGTGGCTGTGGCCAGATACTGCGACCTCCCTAGCAAACTGGGGCACAAACTTAATGGCATGGACGAGCTGTACAAG
【0156】
配列番号4 (ポリペプチド配列, TagRFPT)
MVSKGEELIKENMHMKLYMEGTVNNHHFKCTSEGEGKPYEGTQTMRIKVVEGGPLPFAFDILATSFMYGSRTFINHTQGIPDFFKQSFPEGFTWERVTTYEDGGVLTATQDTSLQDGCLIYNVKIRGVNFPSNGPVMQKKTLGWEANTEMLYPADGGLEGRTDMALKLVGGGHLICNFKTTYRSKKPAKNLKMPGVYYVDHRLERIKEADKETYVEQHEVAVARYCDLPSKLGHKLNGMDELYK
【0157】
配列番号5 (核酸配列, Glycine-Serine rich linker 1)
GGCTCGGGCTCGGGCTCGGGC
【0158】
配列番号6 (ポリペプチド配列, Glycine-Serine rich linker 1)
GSGSGSG
【0159】
配列番号7 (核酸配列, Glycine-Serine rich linker 2)
GGCGGCTCGGGCTCGGGC
【0160】
配列番号8 (ポリペプチド配列, Glycine-Serine rich linker 2)
GGSGSG
【0161】
配列番号9 (核酸配列, SNAP25)
GTGGCCGAAGACGCAGACATGCGCAATGAGCTGGAGGAGATGCAGCGAAGGGCTGACCAGTTGGCTGATGAGTCGCTGGAAAGCACCCGTCGTATGCTGCAACTGGTTGAAGAGAGTAAAGATGCTGGTATCAGGACTTTGGTTATGTTGGATGAACAAGGAGAACAACTCGATCGTGTCGAAGAAGGCATGAACCATATCAACCAAGACATGAAGGAGGCTGAGAAAAATTTAAAAGATTTAGGGAAATGCTGTGGCCTTTTCATATGTCCTTGTAACAAGCTTAAATCAAGTGATGCTTACAAAAAAGCCTGGGGCAATAATCAGGACGGAGTGGTGGCCAGCCAGCCTGCTCGTGTAGTGGACGAACGGGAGCAGATGGCCATCAGTGGCGGCTTCATCCGCAGGGTAACAAATGATGCCCGAGAAAATGAAATGGATGAAAACCTAGAGCAGGTGAGCGGCATCATCGGGAACCTCCGTCACATGGCCCTGGATATGGGCAATGAGATCGATACACAGAATCGCCAGATCGACAGGATCATGGAGAAGGCTGATTCCAACAAAACCAGAATTGATGAGGCCAACCAACGTGCAACAAAGATGCTGGGAAGTGGTTAC
【0162】
配列番号10 (ポリペプチド配列, SNAP25)
VAEDADMRNELEEMQRRADQLADESLESTRRMLQLVEESKDAGIRTLVMLDEQGEQLDRVEEGMNHINQDMKEAEKNLKDLGKCCGLFICPCNKLKSSDAYKKAWGNNQDGVVASQPARVVDEREQMAISGGFIRRVTNDARENEMDENLEQVSGIIGNLRHMALDMGNEIDTQNRQIDRIMEKADSNKTRIDEANQRATKMLGSGY
【0163】
配列番号11 (核酸配列, TagGFP)
GTGAGCGGGGGCGAGGAGCTGTTCGCCGGCATCGTGCCCGTGCTGATCGAGCTGGACGGCGACGTGCACGGCCACAAGTTCAGCGTGCGCGGCGAGGGCGAGGGCGACGCCGACTACGGCAAGCTGGAGATCAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTGGTGACCACCCTCTGCTACGGCATCCAGTGCTTCGCCCGCTACCCCGAGCACATGAAGATGAACGACTTCTTCAAGAGCGCCATGCCCGAGGGCTACATCCAGGAGCGCACCATCCAGTTCCAGGACGACGGCAAGTACAAGACCCGCGGCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCAAGGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGCCACAAGCTGGAGTACAGCTTCAACAGCCACAACGTGTACATCCGCCCCGACAAGGCCAACAACGGCCTGGAGGCTAACTTCAAGACCCGCCACAACATCGAGGGCGGCGGCGTGCAGCTGGCCGACCACTACCAGACCAACGTGCCCCTGGGCGACGGCCCCGTGCTGATCCCCATCAACCACTACCTGAGCACTCAGACCAAGATCAGCAAGGACCGCAACGAGGCCCGCGACCACATGGTGCTCCTGGAGTCCTTCAGCGCCTGCTGCCACACCCACGGCATGGACGAGCTGTACAGGTAA
【0164】
配列番号12 (ポリペプチド配列, TagGFP)
VSGGEELFAGIVPVLIELDGDVHGHKFSVRGEGEGDADYGKLEIKFICTTGKLPVPWPTLVTTLCYGIQCFARYPEHMKMNDFFKSAMPEGYIQERTIQFQDDGKYKTRGEVKFEGDTLVNRIELKGKDFKEDGNILGHKLEYSFNSHNVYIRPDKANNGLEANFKTRHNIEGGGVQLADHYQTNVPLGDGPVLIPINHYLSTQTKISKDRNEARDHMVLLESFSACCHTHGMDELYR*
【0165】
配列番号13 (BoNT/A - UniProt P10845)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNVGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0166】
配列番号14 (BoNT/B - UniProt P10844)
MPVTINNFNYNDPIDNNNIIMMEPPFARGTGRYYKAFKITDRIWIIPERYTFGYKPEDFNKSSGIFNRDVCEYYDPDYLNTNDKKNIFLQTMIKLFNRIKSKPLGEKLLEMIINGIPYLGDRRVPLEEFNTNIASVTVNKLISNPGEVERKKGIFANLIIFGPGPVLNENETIDIGIQNHFASREGFGGIMQMKFCPEYVSVFNNVQENKGASIFNRRGYFSDPALILMHELIHVLHGLYGIKVDDLPIVPNEKKFFMQSTDAIQAEELYTFGGQDPSIITPSTDKSIYDKVLQNFRGIVDRLNKVLVCISDPNININIYKNKFKDKYKFVEDSEGKYSIDVESFDKLYKSLMFGFTETNIAENYKIKTRASYFSDSLPPVKIKNLLDNEIYTIEEGFNISDKDMEKEYRGQNKAINKQAYEEISKEHLAVYKIQMCKSVKAPGICIDVDNEDLFFIADKNSFSDDLSKNERIEYNTQSNYIENDFPINELILDTDLISKIELPSENTESLTDFNVDVPVYEKQPAIKKIFTDENTIFQYLYSQTFPLDIRDISLTSSFDDALLFSNKVYSFFSMDYIKTANKVVEAGLFAGWVKQIVNDFVIEANKSNTMDKIADISLIVPYIGLALNVGNETAKGNFENAFEIAGASILLEFIPELLIPVVGAFLLESYIDNKNKIIKTIDNALTKRNEKWSDMYGLIVAQWLSTVNTQFYTIKEGMYKALNYQAQALEEIIKYRYNIYSEKEKSNINIDFNDINSKLNEGINQAIDNINNFINGCSVSYLMKKMIPLAVEKLLDFDNTLKKNLLNYIDENKLYLIGSAEYEKSKVNKYLKTIMPFDLSIYTNDTILIEMFNKYNSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0167】
配列番号15 (BoNT/C - UniProt P18640)
MPITINNFNYSDPVDNKNILYLDTHLNTLANEPEKAFRITGNIWVIPDRFSRNSNPNLNKPPRVTSPKSGYYDPNYLSTDSDKDPFLKEIIKLFKRINSREIGEELIYRLSTDIPFPGNNNTPINTFDFDVDFNSVDVKTRQGNNWVKTGSINPSVIITGPRENIIDPETSTFKLTNNTFAAQEGFGALSIISISPRFMLTYSNATNDVGEGRFSKSEFCMDPILILMHELNHAMHNLYGIAIPNDQTISSVTSNIFYSQYNVKLEYAEIYAFGGPTIDLIPKSARKYFEEKALDYYRSIAKRLNSITTANPSSFNKYIGEYKQKLIRKYRFVVESSGEVTVNRNKFVELYNELTQIFTEFNYAKIYNVQNRKIYLSNVYTPVTANILDDNVYDIQNGFNIPKSNLNVLFMGQNLSRNPALRKVNPENMLYLFTKFCHKAIDGRSLYNKTLDCRELLVKNTDLPFIGDISDVKTDIFLRKDINEETEVIYYPDNVSVDQVILSKNTSEHGQLDLLYPSIDSESEILPGENQVFYDNRTQNVDYLNSYYYLESQKLSDNVEDFTFTRSIEEALDNSAKVYTYFPTLANKVNAGVQGGLFLMWANDVVEDFTTNILRKDTLDKISDVSAIIPYIGPALNISNSVRRGNFTEAFAVTGVTILLEAFPEFTIPALGAFVIYSKVQERNEIIKTIDNCLEQRIKRWKDSYEWMMGTWLSRIITQFNNISYQMYDSLNYQAGAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNEFDRNTKAKLINLIDSHNIILVGEVDKLKAKVNNSFQNTIPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNNINDSKILSLQNRKNTLVDTSGYNAEVSEEGDVQLNPIFPFDFKLGSSGEDRGKVIVTQNENIVYNSMYESFSISFWIRINKWVSNLPGYTIIDSVKNNSGWSIGIISNFLVFTLKQNEDSEQSINFSYDISNNAPGYNKWFFVTVTNNMMGNMKIYINGKLIDTIKVKELTGINFSKTITFEINKIPDTGLITSDSDNINMWIRDFYIFAKELDGKDINILFNSLQYTNVVKDYWGNDLRYNKEYYMVNIDYLNRYMYANSRQIVFNTRRNNNDFNEGYKIIIKRIRGNTNDTRVRGGDILYFDMTINNKAYNLFMKNETMYADNHSTEDIYAIGLREQTKDINDNIIFQIQPMNNTYYYASQIFKSNFNGENISGICSIGTYRFRLGGDWYRHNYLVPTVKQGNYASLLESTSTHWGFVPVSE
【0168】
配列番号16 (BoNT/D - UniProt P19321)
MTWPVKDFNYSDPVNDNDILYLRIPQNKLITTPVKAFMITQNIWVIPERFSSDTNPSLSKPPRPTSKYQSYYDPSYLSTDEQKDTFLKGIIKLFKRINERDIGKKLINYLVVGSPFMGDSSTPEDTFDFTRHTTNIAVEKFENGSWKVTNIITPSVLIFGPLPNILDYTASLTLQGQQSNPSFEGFGTLSILKVAPEFLLTFSDVTSNQSSAVLGKSIFCMDPVIALMHELTHSLHQLYGINIPSDKRIRPQVSEGFFSQDGPNVQFEELYTFGGLDVEIIPQIERSQLREKALGHYKDIAKRLNNINKTIPSSWISNIDKYKKIFSEKYNFDKDNTGNFVVNIDKFNSLYSDLTNVMSEVVYSSQYNVKNRTHYFSRHYLPVFANILDDNIYTIRDGFNLTNKGFNIENSGQNIERNPALQKLSSESVVDLFTKVCLRLTKNSRDDSTCIKVKNNRLPYVADKDSISQEIFENKIITDETNVQNYSDKFSLDESILDGQVPINPEIVDPLLPNVNMEPLNLPGEEIVFYDDITKYVDYLNSYYYLESQKLSNNVENITLTTSVEEALGYSNKIYTFLPSLAEKVNKGVQAGLFLNWANEVVEDFTTNIMKKDTLDKISDVSVIIPYIGPALNIGNSALRGNFNQAFATAGVAFLLEGFPEFTIPALGVFTFYSSIQEREKIIKTIENCLEQRVKRWKDSYQWMVSNWLSRITTQFNHINYQMYDSLSYQADAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNKFDLRTKTELINLIDSHNIILVGEVDRLKAKVNESFENTMPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNSINDSKILSLQNKKNALVDTSGYNAEVRVGDNVQLNTIYTNDFKLSSSGDKIIVNLNNNILYSAIYENSSVSFWIKISKDLTNSHNEYTIINSIEQNSGWKLCIRNGNIEWILQDVNRKYKSLIFDYSESLSHTGYTNKWFFVTITNNIMGYMKLYINGELKQSQKIEDLDEVKLDKTIVFGIDENIDENQMLWIRDFNIFSKELSNEDINIVYEGQILRNVIKDYWGNPLKFDTEYYIINDNYIDRYIAPESNVLVLVQYPDRSKLYTGNPITIKSVSDKNPYSRILNGDNIILHMLYNSRKYMIIRDTDTIYATQGGECSQNCVYALKLQSNLGNYGIGIFSIKNIVSKNKYCSQIFSSFRENTMLLADIYKPWRFSFKNAYTPVAVTNYETKLLSTSSFWKFISRDPGWVE
【0169】
配列番号17 (BoNT/E - UniProt Q00496)
MPKINSFNYNDPVNDRTILYIKPGGCQEFYKSFNIMKNIWIIPERNVIGTTPQDFHPPTSLKNGDSSYYDPNYLQSDEEKDRFLKIVTKIFNRINNNLSGGILLEELSKANPYLGNDNTPDNQFHIGDASAVEIKFSNGSQDILLPNVIIMGAEPDLFETNSSNISLRNNYMPSNHRFGSIAIVTFSPEYSFRFNDNCMNEFIQDPALTLMHELIHSLHGLYGAKGITTKYTITQKQNPLITNIRGTNIEEFLTFGGTDLNIITSAQSNDIYTNLLADYKKIASKLSKVQVSNPLLNPYKDVFEAKYGLDKDASGIYSVNINKFNDIFKKLYSFTEFDLRTKFQVKCRQTYIGQYKYFKLSNLLNDSIYNISEGYNINNLKVNFRGQNANLNPRIITPITGRGLVKKIIRFCKNIVSVKGIRKSICIEINNGELFFVASENSYNDDNINTPKEIDDTVTSNNNYENDLDQVILNFNSESAPGLSDEKLNLTIQNDAYIPKYDSNGTSDIEQHDVNELNVFFYLDAQKVPEGENNVNLTSSIDTALLEQPKIYTFFSSEFINNVNKPVQAALFVSWIQQVLVDFTTEANQKSTVDKIADISIVVPYIGLALNIGNEAQKGNFKDALELLGAGILLEFEPELLIPTILVFTIKSFLGSSDNKNKVIKAINNALKERDEKWKEVYSFIVSNWMTKINTQFNKRKEQMYQALQNQVNAIKTIIESKYNSYTLEEKNELTNKYDIKQIENELNQKVSIAMNNIDRFLTESSISYLMKIINEVKINKLREYDENVKTYLLNYIIQHGSILGESQQELNSMVTDTLNNSIPFKLSSYTDDKILISYFNKFFKRIKSSSVLNMRYKNDKYVDTSGYDSNININGDVYKYPTNKNQFGIYNDKLSEVNISQNDYIIYDNKYKNFSISFWVRIPNYDNKIVNVNNEYTIINCMRDNNSGWKVSLNHNEIIWTFEDNRGINQKLAFNYGNANGISDYINKWIFVTITNDRLGDSKLYINGNLIDQKSILNLGNIHVSDNILFKIVNCSYTRYIGIRYFNIFDKELDETEIQTLYSNEPNTNILKDFWGNYLLYDKEYYLLNVLKPNNFIDRRKDSTLSINNIRSTILLANRLYSGIKVKIQRVNNSSTNDNLVRKNDQVYINFVASKTHLFPLYADTATTNKEKTIKISSSGNRFNQVVVMNSVGNCTMNFKNNNGNNIGLLGFKADTVVASTWYYTHMRDHTNSNGCFWNFISEEHGWQEK
【0170】
配列番号18 (BoNT/F - UniProt A7GBG3)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQEN
【0171】
配列番号19 (BoNT/G - UniProt Q60393)
MPVNIKXFNYNDPINNDDIIMMEPFNDPGPGTYYKAFRIIDRIWIVPERFTYGFQPDQFNASTGVFSKDVYEYYDPTYLKTDAEKDKFLKTMIKLFNRINSKPSGQRLLDMIVDAIPYLGNASTPPDKFAANVANVSINKKIIQPGAEDQIKGLMTNLIIFGPGPVLSDNFTDSMIMNGHSPISEGFGARMMIRFCPSCLNVFNNVQENKDTSIFSRRAYFADPALTLMHELIHVLHGLYGIKISNLPITPNTKEFFMQHSDPVQAEELYTFGGHDPSVISPSTDMNIYNKALQNFQDIANRLNIVSSAQGSGIDISLYKQIYKNKYDFVEDPNGKYSVDKDKFDKLYKALMFGFTETNLAGEYGIKTRYSYFSEYLPPIKTEKLLDNTIYTQNEGFNIASKNLKTEFNGQNKAVNKEAYEEISLEHLVIYRIAMCKPVMYKNTGKSEQCIIVNNEDLFFIANKDSFSKDLAKAETIAYNTQNNTIENNFSIDQLILDNDLSSGIDLPNENTEPFTNFDDIDIPVYIKQSALKKIFVDGDSLFEYLHAQTFPSNIENLQLTNSLNDALRNNNKVYTFFSTNLVEKANTVVGASLFVNWVKGVIDDFTSESTQKSTIDKVSDVSIIIPYIGPALNVGNETAKENFKNAFEIGGAAILMEFIPELIVPIVGFFTLESYVGNKGHIIMTISNALKKRDQKWTDMYGLIVSQWLSTVNTQFYTIKERMYNALNNQSQAIEKIIEDQYNRYSEEDKMNINIDFNDIDFKLNQSINLAINNIDDFINQCSISYLMNRMIPLAVKKLKDFDDNLKRDLLEYIDTNELYLLDEVNILKSKVNRHLKDSIPFDLSLYTKDTILIQVFNNYISNISSNAILSLSYRGGRLIDSSGYGATMNVGSDVIFNDIGNGQFKLNNSENSNITAHQSKFVVYDSMFDNFSINFWVRTPKYNNNDIQTYLQNEYTIISCIKNDSGWKVSIKGNRIIWTLIDVNAKSKSIFFEYSIKDNISDYINKWFSITITNDRLGNANIYINGSLKKSEKILNLDRINSSNDIDFKLINCTDTTKFVWIKDFNIFGRELNATEVSSLYWIQSSTNTLKDFWGNPLRYDTQYYLFNQGMQNIYIKYFSKASMGETAPRTNFNNAAINYQNLYLGLRFIIKKASNSRNINNDNIVREGDYIYLNIDNISDESYRVYVLVNSKEIQTQLFLAPINDDPTFYDVLQIKKYYEKTTYNCQILCEKDTKTFGLFGIGKFVKDYGYVWDTYDNYFCISQWYLRRISENINKLRLGCNWQFIPVDEGWTE
【0172】
配列番号20 (ポリペプチド配列, BoNT/X)
MKLEINKFNYNDPIDGINVITMRPPRHSDKINKGKGPFKAFQVIKNIWIVPERYNFTNNTNDLNIPSEPIMEADAIYNPNYLNTPSEKDEFLQGVIKVLERIKSKPEGEKLLELISSSIPLPLVSNGALTLSDNETIAYQENNNIVSNLQANLVIYGPGPDIANNATYGLYSTPISNGEGTLSEVSFSPFYLKPFDESYGNYRSLVNIVNKFVKREFAPDPASTLMHELVHVTHNLYGISNRNFYYNFDTGKIETSRQQNSLIFEELLTFGGIDSKAISSLIIKKIIETAKNNYTTLISERLNTVTVENDLLKYIKNKIPVQGRLGNFKLDTAEFEKKLNTILFVLNESNLAQRFSILVRKHYLKERPIDPIYVNILDDNSYSTLEGFNISSQGSNDFQGQLLESSYFEKIESNALRAFIKICPRNGLLYNAIYRNSKNYLNNIDLEDKKTTSKTNVSYPCSLLNGCIEVENKDLFLISNKDSLNDINLSEEKIKPETTVFFKDKLPPQDITLSNYDFTEANSIPSISQQNILERNEELYEPIRNSLFEIKTIYVDKLTTFHFLEAQNIDESIDSSKIRVELTDSVDEALSNPNKVYSPFKNMSNTINSIETGITSTYIFYQWLRSIVKDFSDETGKIDVIDKSSDTLAIVPYIGPLLNIGNDIRHGDFVGAIELAGITALLEYVPEFTIPILVGLEVIGGELAREQVEAIVNNALDKRDQKWAEVYNITKAQWWGTIHLQINTRLAHTYKALSRQANAIKMNMEFQLANYKGNIDDKAKIKNAISETEILLNKSVEQAMKNTEKFMIKLSNSYLTKEMIPKVQDNLKNFDLETKKTLDKFIKEKEDILGTNLSSSLRRKVSIRLNKNIAFDINDIPFSEFDDLINQYKNEIEDYEVLNLGAEDGKIKDLSGTTSDINIGSDIELADGRENKAIKIKGSENSTIKIAMNKYLRFSATDNFSISFWIKHPKPTNLLNNGIEYTLVENFNQRGWKISIQDSKLIWYLRDHNNSIKIVTPDYIAFNGWNLITITNNRSKGSIVYVNGSKIEEKDISSIWNTEVDDPIIFRLKNNRDTQAFTLLDQFSIYRKELNQNEVVKLYNYYFNSNYIRDIWGNPLQYNKKYYLQTQDKPGKGLIREYWSSFGYDYVILSDSKTITFPNNIRYGALYNGSKVLIKNSKKLDGLVRNKDFIQLEIDGYNMGISADRFNEDTNYIGTTYGTTHDLTTDFEIIQRQEKYRNYCQLKTPYNIFHKSGLMSTETSKPTFHDYRDWVYSSAWYFQNYENLNLRKHTKTNWYFIPKDEGWDED
【0173】
配列番号21 (TeNT - UniProt P04958)
MPITINNFRYSDPVNNDTIIMMEPPYCKGLDIYYKAFKITDRIWIVPERYEFGTKPEDFNPPSSLIEGASEYYDPNYLRTDSDKDRFLQTMVKLFNRIKNNVAGEALLDKIINAIPYLGNSYSLLDKFDTNSNSVSFNLLEQDPSGATTKSAMLTNLIIFGPGPVLNKNEVRGIVLRVDNKNYFPCRDGFGSIMQMAFCPEYVPTFDNVIENITSLTIGKSKYFQDPALLLMHELIHVLHGLYGMQVSSHEIIPSKQEIYMQHTYPISAEELFTFGGQDANLISIDIKNDLYEKTLNDYKAIANKLSQVTSCNDPNIDIDSYKQIYQQKYQFDKDSNGQYIVNEDKFQILYNSIMYGFTEIELGKKFNIKTRLSYFSMNHDPVKIPNLLDDTIYNDTEGFNIESKDLKSEYKGQNMRVNTNAFRNVDGSGLVSKLIGLCKKIIPPTNIRENLYNRTASLTDLGGELCIKIKNEDLTFIAEKNSFSEEPFQDEIVSYNTKNKPLNFNYSLDKIIVDYNLQSKITLPNDRTTPVTKGIPYAPEYKSNAASTIEIHNIDDNTIYQYLYAQKSPTTLQRITMTNSVDDALINSTKIYSYFPSVISKVNQGAQGILFLQWVRDIIDDFTNESSQKTTIDKISDVSTIVPYIGPALNIVKQGYEGNFIGALETTGVVLLLEYIPEITLPVIAALSIAESSTQKEKIIKTIDNFLEKRYEKWIEVYKLVKAKWLGTVNTQFQKRSYQMYRSLEYQVDAIKKIIDYEYKIYSGPDKEQIADEINNLKNKLEEKANKAMININIFMRESSRSFLVNQMINEAKKQLLEFDTQSKNILMQYIKANSKFIGITELKKLESKINKVFSTPIPFSYSKNLDCWVDNEEDIDVILKKSTILNLDINNDIISDISGFNSSVITYPDAQLVPGINGKAIHLVNNESSEVIVHKAMDIEYNDMFNNFTVSFWLRVPKVSASHLEQYGTNEYSIISSMKKHSLSIGSGWSVSLKGNNLIWTLKDSAGEVRQITFRDLPDKFNAYLANKWVFITITNDRLSSANLYINGVLMGSAEITGLGAIREDNNITLKLDRCNNNNQYVSIDKFRIFCKALNPKEIEKLYTSYLSITFLRDFWGNPLRYDTEYYLIPVASSSKDVQLKNITDYMYLTNAPSYTNGKLNIYYRRLYNGLKFIIKRYTPNNEIDSFVKSGDFIKLYVSYNNNEHIVGYPKDGNAFNNLDRILRVGYNAPGIPLYKKMEAVKLRDLKTYSVQLKLYDDKNASLGLVGTHNGQIGNDPNRDILIASNWYFNHLKDKILGCDWYFVPTDEGWTND
【実施例】
【0174】
実施例1 - 安定な細胞株の生成
【0175】
遺伝子合成及びサブクローニング
【0176】
tagRFPT及びtagGFPのヌクレオチド配列をEvrogenから得て、GeneArt(Thermo Fisher Scientific)によって合成した。この遺伝子産物、tRFPT-SNAP25-tGFPを、Gateway(登録商標)クローニングのためにattB配列に隣接させた。合成された遺伝子産物を次いで、BPクロナーゼ酵素キット(Thermo Fisher)を用いてメーカーのプロトコルに従い、レンチウィルスベクター、pLenti6.3/V5-destにサブクローニングした。得られたベクター、pLenti6.3-tRFPT-SNAP25-tGFPを、大腸菌BL21細胞に形質転換し、アンピシリン抗生物質を用いて選択した。陽性のバクテリアクローンを、Machery-Nagelのエンドトキシンフリーマキシプレップキットを用いてメーカーのプロトコルに従いマキシプレップに供した。
【0177】
HEK293FT細胞からのレンチウィルスの生成
【0178】
レンチウィルスの生成の準備をするために、HEK293FT細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco)を添加した4500mg/Lのグルコースを有する高グルコースダルベッコ改変イーグル培地中で培養した後、T75cm2フラスコ中に80%コンフルエンスで藩種し、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。次いで、この細胞に、Lipofactamine 3000試薬(Invitrogen)を用いて供給元によって提供されたマニュアルに従い、plenti6.3-tRFPT-SNAP25-tGFPプラスミド及びViraPowerレンチウィルスパッケージングミックス(Invitrogen Cat No.K497000)を同時トランスフェクションし、フラスコを37℃、5%CO2で6時間インキュベートした。トランスフェクション後6時間後に、脂質-DNA複合体を含有する培地をフラスコから注意深く除去して廃棄し、10mlの予め加温した培地で置換した。細胞を、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。トランスフェクション後24時間後に10mlの細胞上清(ウィルスの第1バッチ)を収集し、15mlの円錐管に4℃にて保存した。収集した培地を10mlの予め加温した培地で置換し、フラスコを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。トランスフェクション後48時間後にウィルスの第2バッチを収集した。両方のバッチの上清を室温で、2000rpmで10分間、遠心分離にかけて細胞デブリを除去した。遠心分離後、透明になったレンチウィルスの上清を収集し、0.45μm孔フィルターを用いてろ過して残存する細胞デブリを除去した。ウィルスを1mlに分け、-80℃で保管した。
【0179】
GFP選択によるレンチウィルス力価の測定
【0180】
HEK293FT細胞を、96ウェルプレート(Nunc)に、100μlの培養培地中10000細胞/ウェルの密度で藩種した。8mg/ml(終濃度)のポリブレン試薬(Sigmaカタログ番号H9268)を含む新鮮な培養培地を用いてウィルスの10-1~10-4の段階希釈を行った。既存の培地を除去することによって細胞にトランスダクションし、対応するウェルに対して調製した希釈液100μlで置き換えた。プレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。翌日、培養培地をポリブレンを有さない新鮮な培地に変えた。細胞をさらに3日間インキュベートした後、ウィルスの力価を計算した。適切な希釈係数を使用して、GFP陽性細胞のパーセンテージに基づき、1ml当たりのトランスダクションユニット(TU)において力価を計算した。所望されるトランスダクション範囲は1~20%であった。そこで、ウィルスの力価を、下記の式を用いて決定した。力価=(F×C/V)×D(式中、F=GFP陽性細胞の発生頻度(パーセントGFP陽性細胞/100)、C=トランスダクション時点でのウェル当たりの細胞数、V=mlで表される接種菌液の体積(0.1ml)、及びD=レンチウィルス希釈係数)。
【0181】
レンチウィルスからのReNcell VM安定細胞株の生成
【0182】
ReNcell VM(Millipore)細胞を、ラミニン(終濃度20μg/ml)でコーティングされた24ウェルに80%コンフルエンスで藩種し、及び37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。培地を除去し、ウェル当たり500μlのレンチウィルスを終濃度8mg/mlのポリブレン試薬と共に加えた。細胞を37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。翌日、培地をポリブレンを含まない新鮮な培地で置換した。トランスダクション後の細胞を増殖させ、GFP波長を用いてFACソーティングに供した。
【0183】
結果
【0184】
tagRFPT及びtagGFPによって隣接された全長SNAP25からなるアッセイ構築物をレンチウィルスベクター骨格にクローニングした。レンチウィルスパッケージングプラスミドを有する構築物のHEK293T細胞株へのリポフェクションからなる改変レンチウィルス生成プロトコルを用いて、安定な細胞株の生成が達成された。得られたレンチウィルスを精製してReNcell VM細胞に加え、これを最終的にFACSを用いてソーティングし(
図1参照)、安定な細胞株の生成を確認した。このv-myc不死化細胞株は、ヒト神経前駆細胞(NPC)から誘導され、この細胞は癌細胞株と比較して、ネイティブなヒトニューロンに対して遺伝子的により近く、そのため、本明細書に記載されるアッセイにおいて使用するためのより良好な神経細胞モデルである。
【0185】
実施例2 - 前記構築物はBoNT/A切断に対し感受性を有する
【0186】
材料及び方法
【0187】
Perkin Elmer CellCarrier 384 Ultra(商標)イメージングプレート及びNuncの24ウェル組織培養皿を、20μg/mLのラミニン(Invitrogen)と共に4℃で一晩インキュベートした。
【0188】
画像化
【0189】
本発明の安定な細胞株(ReD SNAPR細胞株と称する)をReNcell VM細胞メーカーのプロトコルに従って分化させた。簡単に言うと、細胞を、予めコーティングされたPerkin Elmer CellCarrier 384 Ultra(商標)イメージングプレートにウェル当たり3000細胞で藩種した。細胞を、成長因子(EGF及びFGF2)を含まないReNcell NSC維持培地(分化培地)中で、3日毎に培地を変えながら14日間維持した。細胞を、100nMのBoNT/Aと共に、分化培地中で48時間インキュベートした。細胞を固定液(4%パラホルムアルデヒド及び2%スクロース)を用いて固定した。固定された細胞を、Opera(商標) Phenixを用いて画像化した。
【0190】
ウェスタンブロット
【0191】
ReD SNAPR細胞をReNcell VM細胞メーカーのプロトコルに従って分化させた。簡単に言うと、細胞を、Nuncの24ウェル組織培養皿にウェル当たり30,000細胞で藩種した。細胞を成長因子(EGF及びFGF2)を含まないReNcell NSC維持培地(分化培地)中で、3日毎に培地を変えながら14日間維持した。細胞を、分化培地中で100nMのBoNT/Aと共に48時間インキュベートした。培地を吸引し、細胞をNP-40溶解バッファ(150mMのNaCl、1%のNP-40、50nMのTris-Cl、pH8.0)で溶解した。SDS-PAGEゲルに添加するための試料を調製するために、10%のDTT及び6X添加液(BioRad)を試料に加えて5分間沸騰させた。20μLの試料をNuPAGEビストリス4~12%ゲル(Thermo Fisher)の各レーンに加え、色素の先端が抜け切るまで120Vで走査した。ゲルをニトロセルロース膜に移して、抗tRFP及び抗tag(CGY)FP(Evrogen)で一晩プローブした。
【0192】
結果
【0193】
図2は、アッセイの構築物がBoNT/Aによる分解に対して感受性を有することを示している。従来の細胞ベースのアッセイは、細胞可溶化物における切断SNAP25の、FRET相互作用又は直接ウェスタンブロット検出に重点を置いており、それらはハイスループットスクリーニング(HTS)用途には好適ではない。通常の状況では、全長SNAP25のBoNT/A切断されたC末端側断片は、小さな分子量に起因してほとんど検出できず、故にその行く末は通常は解明されない。これまで認識されなかったというこの観察結果は、C末端側断片がそれに付着されたフルオロフォアとともに分解されてしまうということを示している。本方法論の相対的な容易性は、ロースループット用途からハイスループット用途に至るまで極めて好適である。
【0194】
図3は、SNAP25構築物のC末端のBoNT/A媒介分解を示す概略図を提供する。ReD SNAPR細胞中にBoNT/Aが内在化されると、BoNT/Aの軽鎖は細胞質に入り、(ReD SNAPR細胞において安定的に発現される)tagRFPT-SNAP25-tagGFPを切断する。これは、C末端側断片の分解をもたらす一方で、N末端側構築物は保持する。この分解は蛍光顕微鏡及びウェスタンブロットを用いて検出することができる。
【0195】
実施例3 - ReD SNAPR細胞のBoNT/Aに対する感受性の改善
【0196】
ReD SNAPR細胞を、上述したように384ウェルプレート上に藩種した。分化を増強するために、10ng/mLのGDNF及び1mMのd-cAMP(細胞透過性cAMP)を含む標準のReNcell培地中でReD SNAPR細胞を培養した。種々の濃度(0~1μM)のBoNT/Aを、標準の培地、及び10ng/mLのGDNF、1mMのd-cAMP、2mMのCaCl2、及び56mMのKClを含有するReDS培地に加えた。分化されたReD SNAPR細胞を、上述したようにBoNT/A含有培地を用いて中毒させ、固定し、及び画像化した。
【0197】
結果
【0198】
図4は、分化中のGDNF及びd-cAMPの添加、及び中毒中の高カリウム条件が、細胞株のBoNT/Aへの感受性を改善したことを示す図である。本アッセイにおける用量応答曲線及びBoNT/AのEC
50値を、細胞をReDS培地に暴露した場合の低nM値を用いて決定した(
図4B参照)。
【0199】
実施例4 - アッセイ対照としてのチオレドキシン還元酵素(TrxR1)
【0200】
ReD SNAPR細胞を、上述したように384ウェルプレートに藩種して分化させた。分化された細胞を、Lipofectamine RNAimaxを用いてメーカーのプロトコルに従い、siRNA非標的対照NT3、又はTrxR1に対するsiRNA、のいずれか25nmolで処理し、及び細胞を72時間放置した。10nMのBoNT/Aを含有するReDS培地を細胞に加え48時間後、上述したように固定して画像化した。簡単に言うと、細胞を固定し、TrxR1に対する抗体を用いてTrxR1を検出し、Opera Phenixを用いて蛍光を画像化した。GFP、RFP、及び近赤外チャネルの平均の蛍光強度レベルを捕捉して測定した。
【0201】
結果
【0202】
図5は、siTrxR処理細胞が対照と比較して、BoNT/A媒介切断に対してより耐性を有するということを示す図である。このため、TrxR1は、BoNT/Aの細胞内輸送に関連する遺伝子を同定するための好適な正の対照として使用することができる。特に、BoNT/A中毒がレスキュー可能であるということを示すためにTrXR1ノックダウンを使用することができるため、アッセイにおいて同定された遺伝子をさらに検証することができる。
【0203】
実施例5 - BoNT受容体SV2の使用
【0204】
ReNcell VM細胞を、前述したように、384ウェルプレートに藩種して分化させた。分化された細胞を、Lipofectamine RNAimaxを用いメーカーのプロトコルに従って、siNT3、siVAMP2、又はsiTrxRのいずれか25nmolで処理し、細胞を72時間放置した。10nMのBoNT/Aを含有するReDS培地を細胞に加え48時間後、固定した。免疫染色のために、細胞を0.5%のBSA/PBSで1時間ブロックし、及びSV2Aに対する抗体(Cell Signaling、#66724)を細胞に加えて少なくとも1時間インキュベートした。Alexa-488コンジュゲート二次抗体を細胞中に加え1時間後、Opera Phenixを用いて細胞を画像化した。次いで、Opera Phenixを用いて、GFP及びDAPIチャネルが示された状態で細胞を画像化した。
【0205】
結果
【0206】
SV2はBoNT/Aに対する主要な受容体であるが、細胞中におけるその中毒後の道筋についてのさらなる研究はこれまでなされてこなかった。
図6は、BoNT/A中毒が細胞表面におけるSV2の減少をもたらすということを示しており、このことはBoNT/Aが介在する細胞表面への不完全輸送の典型的な帰結であり得る。この場合、SV2が細胞表面に戻る循環がブロックされる。このため、SV2はBoNT/A中毒に関する読み出し情報として使用することができる。
【0207】
多くの遺伝子が細胞中のBoNT/A活性を制御し得る。間接的制御の一例は、(毒活性自体の改変ではなく)BoNT受容体SV2輸送のレベルで行われ得る。SV2輸送に関わる候補を選抜するために、表面SV2染色は理想的な選抜基準であり得る。本明細書に示される一例はVAMP2が枯渇した細胞であり、これはBoNT/A中毒時に表面SV2染色の低下をもたらした。これは、VAMP2の減少により細胞表面での小胞エキソサイトーシスをブロックすることとBoNT/A中毒との相乗作用に起因し得る。
【0208】
表面SV2は、TrxRの枯渇を介してレスキューされることができ、このことはTrxR自身は細胞表面でのSV2のエキソサイトーシスに影響しないが、BoNT/A活性を、その軽鎖(LC)の解放を介して直接改変することを示す。これは意図せず、細胞質におけるBoNT/A LCの減少に起因して表面SV2の修復をもたらす。
【0209】
このように、SV2は、BoNT/A受容体SV2の輸送を改変する遺伝子の中から、BoNT/A輸送に直接関与する遺伝子候補を選別するために使用することができるため、本発明のアッセイにおいて有用である。
【0210】
実施例6 - ゲノムワイドなsiRNAスクリーニング
【0211】
図7は、本発明の細胞株を用いてゲノムワイドなsiRNAスクリーニングを行うための方法を示す図を提供する。ReD SNAPR細胞を上述したようにしてプレートに蒔いて分化させる。siRNAライブラリを調製して、標準プロトコルを用いてLipofectamine(商標) RNAiMAXと複合化し、ReD SNAPR細胞にsiRNAをトランスフェクトする。細胞に刺激バッファ中BoNT/Aを加えた後、固定し、Opera(商標) Phenixを用いて画像化し、Columbus(商標)ソフトウェアを用いて定量する。
【0212】
正のヒットは、TrxR1に対するsiRNAの存在下での回復を評価することによってさらなる検証に供してもよい。遺伝子がBoNT活性を直接的に制御することの確認は、上述したようにSV2細胞表面染色によって行われる。
【0213】
実施例7 - 予防的抗ボツリヌス中毒治療剤の同定
【0214】
ReD SNAPR細胞を上述したようにプレートに蒔いて分化させ、剤(例えば小分子薬物)に暴露する。細胞に刺激バッファ中BoNT/Aを加えた後、固定し、Opera(商標)Phenixを用いて画像化してColumbus(商標)ソフトウェアを用いて定量する。
【0215】
構築物の切断が阻害される場合、剤を予防的抗ボツリヌス中毒治療剤として同定する。
【0216】
実施例8 - 中毒後抗ボツリヌス中毒治療剤の同定
【0217】
ReD SNAPR細胞を上述したようにプレートに蒔いて分化させ、細胞に刺激バッファ中BoNT/Aを加えて構築物の切断(GFPの喪失)を観察する。次に、細胞を剤(例えば小分子薬物)に暴露する。最後に、細胞を固定しOpera(商標) Phenixを用いて画像化してColumbus(商標)ソフトウェアを用いて定量する。
【0218】
GFPの回復が観察される場合、剤を中毒後抗ボツリヌス中毒治療剤として同定する。
【0219】
実施例9 - BoNT増感剤の同定
【0220】
ReD SNAPR細胞を上述したようにプレートに蒔いて分化させ、剤(例えば小分子薬物)に暴露する。細胞に刺激バッファ中BoNT/Aを加えた後、固定し、Opera(商標) Phenixを用いて画像化してColumbus(商標)ソフトウェアを用いて定量する。
【0221】
構築物の切断が改善される(例えばより速い又はより多い切断が明白である)場合、剤をBoNT増感剤として同定する。この増感剤について、クロストリジウム神経毒の局所的な活性を調節する(例えば用量の減少を可能にし及び他の組織への広がりを最小限に抑える)ための併用製品として使用するためのさらなる研究へと進める。
【0222】
上述の明細書中で言及された全ての刊行物は本明細書に参照として組み込まれる。本発明の記載された方法及びシステムの種々の変更及び変形形態が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかとなるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態とともに記載されたが、特許請求される本発明がかかる特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、生化学及び生物工学又は関連分野の当業者には明白である、本発明を実施するために記載された態様の種々の変更は、下記の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0223】
[
図1]
promoter: プロモータ
truncated: トランケート型
Linker: リンカー
Modified Lentivirus generation protocol: 改変レンチウィルス生成プロトコル
Fluorescence activated cell sorting: 蛍光活性化セルソーティング
[
図2]
No Toxin:毒なし
Merged:重ね合わせ
対照(毒なし)に対するGFP/RFP百分率
残存構築物百分率
[
図3]
Degradation: 分解
[
図4]
Normal media: 標準培地
ReDS media: ReDS培地
Merged:重ね合わせ
% GFP/RFP normalized to ctrl: 対照に対して標準化されたGFP/RFP百分率
Normal:標準
[
図5]
siRNA control: siRNA対照
% TrxR1 knockdown relative to NT3: NT3に対するTrxR1ノックダウン百分率
% GFP/RFP relative to ctrl (no tox): 対照(毒なし)に対するGFP/RFP百分率
[
図6]
Surface SV2A: 表面SV2A
Merged:重ね合わせ
Nornal: 標準
Surface SV2: 表面SV2
Internalized SV2: 内在化SV2
Low surface SV2: 低い表面SV2
Lower surface SV2: より低い表面SV2
Rescued surface SV2: レスキューされた表面SV2
[
図7]
Seed cells in laminin-coated Perkin Elmer CellCarrier 384 Ultra
TM imaging plate: 細胞をラミニンコーティングPerkin Elmer CellCarrier 384 Ultra(商標)イメージングプレートに播種する
Enhanced differentiation with withdrawal of EGF and FGF2, addition of GDNF and d-CAMP: EGF及びFGF2を断ち、GDNF及びd-CAMPを加えて分化を増強
Prepare siRNA assay library plates from stock plate using Agilent Bravo
TM Liquid handling platform: Agilent Bravo(商標)液体ハンドリングプラットフォームを用いてストックプレートからsiRNAアッセイライブラリプレートを調製する
Complex siRNA with Lipofectamine
TM RNAiMAX: siRNAをLipofectamine(商標) RNAiMAXと複合化する
siRNA forward transfection: transfer siRNA complexes into cell plate using Integra VIAFLO
TM 384: siRNAフォワードトランスフェクション:Integra VIAFLO(商標) 384を用いてsiRNA複合体をセルプレートへ移行する
Addition of BoNT/A prepared in stimulation buffer (+KCL, +CaCl
2): 刺激バッファ(+KCL、+CaCl
2)中で調製されたBoNT/Aを添加
Plates are fixed and imaged using Opera
TM Phenix High content screen microscope: プレートを固定し、Opera(商標) Phenixハイコンテントスクリーニング顕微鏡を用いて画像化する
Images are quantified using Columbus
TM software: Columbus(商標)ソフトウェアを用いて画像を定量する
【配列表】