(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】組織を締結するためのシステム、装置及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2021551550
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 US2020020375
(87)【国際公開番号】W WO2020180678
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-24
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エステベス、ラモン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンスルード、アリン ナルシス
(72)【発明者】
【氏名】クリスタキス、ローラ
(72)【発明者】
【氏名】オルロフスキー、アレック
(72)【発明者】
【氏名】シュー、ミンシャン
(72)【発明者】
【氏名】レイビン、サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデン、ジョン ビー.
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0204120(US,A1)
【文献】特開2007-216012(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096625(WO,A1)
【文献】特表2011-528576(JP,A)
【文献】米国特許第07506791(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0178712(US,A1)
【文献】特表2013-514827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのアクチュエータを含むハンドル組立体を備え、
前記ハンドル組立体から遠位側に延び、且つ長手方向軸及びルーメンを画定する第1本体を備え、
前記第1本体の遠位端部に結合された締結装置を備え、該締結装置は、
チャネルを含む長手方向本体と、
複数のファスナを含むように構成されたカートリッジと、
組織を切断するための装置を受け入れるように構成された長手方向チャネルと、
前記カートリッジに対して相対回転可能なアンビルと、
前記少なくとも2つのアクチュエータのうちの1つのアクチュエータに結合され、且つ前記複数のファスナを前記カートリッジから留置するために前記カートリッジに対して相対的に近位側に移動するように構成されたファスナアクチュエータと
を備え、
第2本体であって、前記締結装置は、前記第2本体の遠位端部に結合され、前記第2本体は、前記ルーメンに配置され、前記ルーメン内で可動であり、且つ前記ルーメンから延びる、第2本体を備え、
第1構成において、前記第2本体の遠位部は、前記第1本体の前記長手方向軸に対して第1角度を有し、第2構成において、前記第2本体の前記遠位部は、前記第1本体の前記長手方向軸に対して第2角度を有する、組織締結装置。
【請求項2】
前記締結装置は、当該締結装置の側面から延び、且つ組織採取ツールを受け入れるように構成されたルーメンを画定する突出部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記締結装置は、組織を切断するための装置を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ファスナアクチュエータは、当該ファスナアクチュエータから前記第2本体を通して前記ハンドル組立体に延びる作動ワイヤに結合され、前記作動ワイヤは、前記少なくとも2つのアクチュエータのうちの1つのアクチュエータに結合され、前記ファスナアクチュエータは、前記1つのアクチュエータが作動されるとき、前記カートリッジ及び前記アンビルに対して相対的に近位側に移動するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2本体の遠位部は、前記締結装置の長手方向軸が前記第2本体の近位部の長手方向軸に対して横切るように湾曲部分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記アンビルは、第1凹部を含み、前記長手方向本体は、前記第1凹部に対
向する第2凹部を含み、且つ前記第1及び第2凹部は、組織採取ツールを受け入れるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ファスナアクチュエータ及び前記組織を切断するための装置は、前記締結装置から前記第2本体を通して前記ハンドル組立体の第1アクチュエータに延びる作動ワイヤに結合され、前記第1アクチュエータは、前記ファスナアクチュエータ及び前記組織を切断するための装置の両方を近位側に移動させるように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記締結装置は、前記第1本体に回転可能に結合される、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ファスナアクチュエータは、傾斜部を含み、前記複数のファスナを留置するためにピストン又はスペーサに接触する前記傾斜部の表面は、前記長手方向本体の長手方向軸に対して30度以下の角度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記締結装置は、前記第2本体に固定して結合される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記
第1本体の遠位端部を前記締結装置に結合するカプラをさらに備え、前記締結装置は、前記第2本体が近位側又は遠位側に移動されるとき、前記カプラを中心として揺動可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1本体は、当該第1本体の側壁において開口を画定し、前記開口を通して前記第2本体が延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1本体は、前記締結装置の前記長手方向軸が前記第1本体の長手方向軸に平行であるとき、前記第2本体の一部を受け入れるように構成された凹部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ハンドル組立体は、近位方向及び遠位方向において長手方向に移動するように構成された第1アクチュエータと、前記ハンドル組立体の本体に対して相対的に揺動するように構成された第2アクチュエータとを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記カプラは、前記複数のファスナの近位側に配置される、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示の様々な態様は、概して、組織を可視化、格納及び結合することを含む組織締結に関する。より具体的には、本発明の少なくとも特定の実施形態は、とりわけ、組織をステープルで止めるためのシステム、装置及び関連する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
技術発展により、医療システム、装置及び方法のユーザは、施術対象に対して一層複雑な手術を行うことができるようになってきた。例えば、施術対象の消化管における組織の結合は、困難が生じ得るタイプの手術である。対向するジョー構造間で組織を把持又は挟持し、次いで外科用ファスナにより組織を接合する外科用装置が知られている。ファスナは、外科用ステープルを含む。いくつかの手術では、切断器具は、ファスナにより接合された組織を切断するために提供される。しかしながら、患者の身体から腫瘍組織を取り除くために組織をステープルで止め且つ切断するときに問題が生じる。
【0003】
1つのそのような困難は、病変部を組織から除去することに伴う。病変部を取り除くために、ユーザは、病変部の外縁の周りの組織をステープルで止め得る。病変部の伝染性が高い場合、伝染性組織を広げることを回避するために病変部を含まない領域で組織を切断することが重要である。この困難に対処するステープル止め及び切断の両方の特性を含むステープラ器具が必要とされている。
【0004】
外科用ステープラは、複数のステープルを収納するためのステープルカートリッジを含むことが多い。アンビルは、ステープルがステープルカートリッジから駆動される際にステープル脚部を形成するための表面を画定する。ステープル止め作業は、ステープルに作用するアクチュエータによりもたらされ得、カートリッジからステープルを駆動するために遠位端方向にアクチュエータを押すことを伴うことが多い。このような構成では、ステープラの、その近位端及び遠位端部を接続する部分における曲線を原因としてアクチュエータを押すときに問題が生じ、ステープラが長手方向に直線の位置から回転しているか又は角度が付けられている場合、ユーザは、ステープラを作動させることが困難であると感じ得る。
【0005】
別の困難は、病変部の外周をステープルで止め、且つ組織から病変部を切除することにより病変部を組織から除去することに伴う。病変部を除去するために、ユーザは、病変部の周りで組織をステープルで止め得る。ステープルで止めるとき、ユーザは、病変部の外縁を明確に見る必要があり得るが、しかしながら、ユーザの視界は、ステープラの遠位端部が長手方向に剛性であるか又は固定されており、器具が湾曲してユーザの視界から出ることを防ぐ場合、ステープラによって遮られ得る。例えば、内視鏡手術中、内視鏡の光学系は、多くの場合、組織に直接隣接して配置され、結果として体管腔又はより大きい腫瘍の残りの部分に対する内視鏡の位置の認識が低下する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、とりわけ、組織を締結するためのシステム、装置及び方法に関する。本明細書において開示された態様の各々は、他の開示された態様の任意のものとの関連で説明された特徴の1つ以上を含み得る。
【0007】
一態様によると、組織締結装置は、少なくとも2つのアクチュエータを含むハンドル組立体を含み得る。組織締結装置は、ハンドル組立体から遠位側に延び、且つ長手方向軸を画定する第1本体も含み得る。組織締結装置は、第1本体の遠位端部に結合された締結装置も含み得る。締結装置は、チャネルを含む長手方向本体と、複数のファスナを含むように構成されたカートリッジと、組織を切断するための装置を受け入れるように構成された長手方向チャネルと、カートリッジに対して回転可能なアンビルと、ファスナアクチュエータとを含み得る。ファスナアクチュエータは、少なくとも2つのアクチュエータのうちの1つのアクチュエータに結合され得るとともに、複数のファスナをカートリッジから留置するためにカートリッジに対して近位側に移動するように構成され得る。
【0008】
本発明の他の態様において、組織締結装置は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。組織締結装置は、締結装置の側面から延び、且つ組織採取ツールを受け入れるように構成されたルーメンを画定する突出部を含み得る。締結装置は、組織を切断するための装置を含み得る。ファスナアクチュエータは、当該ファスナアクチュエータから長尺状本体を通してハンドル組立体に延びる作動ワイヤに結合され得、作動ワイヤは、少なくとも2つのアクチュエータのうちの第1アクチュエータに結合され得る。ファスナアクチュエータは、第1アクチュエータが作動されるとき、カートリッジ及びアンビルに対して相対的に近位側に移動するように構成され得る。第1本体の遠位部は、締結装置の長手方向軸が第1本体の近位部の長手方向軸に対して横切るように剛性湾曲部分を含み得る。アンビルは、第1凹部を含み得、長手方向本体は、第1凹部に対向する第2凹部を含み得、第1及び第2凹部は、組織採取ツールを受け入れるように構成され得る。ファスナアクチュエータ及び組織を切断するための装置は、締結装置から第1本体を通してハンドル組立体の第1アクチュエータに延びる作動ワイヤに結合され得、第1アクチュエータは、ファスナアクチュエータ及び組織を切断するための装置の両方を近位側に移動させるように構成され得る。締結装置は、第1本体に回転可能に結合され得る。ファスナアクチュエータは、傾斜部を含み得、複数のファスナと接触する傾斜部の表面は、長手方向本体の長手方向軸に対して30度以下の角度を有し得る。締結装置は、第1本体に固定して結合され得、締結装置の長手方向軸は、第1本体の長手方向軸に対して横方向であり得る。
【0009】
他の態様において、組織締結装置は、少なくとも2つのアクチュエータを含むハンドル組立体を含み得る。組織締結装置は、ハンドル組立体から遠位側に延び、且つ長手方向軸を画定する第1本体も含み得る。組織締結装置は、第1本体の遠位端部に結合された締結装置をさらに含み得る。締結装置は、チャネルを含む長手方向本体を含み得る。締結装置は、複数のファスナを含むカートリッジも含み得る。締結装置は、カートリッジに隣接して取り付けられたアンビルをさらに含み得る。組織締結装置は、ルーメンを含む第2本体も含み得る。第1本体は、ルーメンに配置され得、ルーメン内で可動であり得るとともに、ルーメンから延びる。組織締結装置は、第2本体の遠位端部を締結装置に結合するカプラも含み得る。締結装置は、第1本体が近位側又は遠位側に移動されるとき、カプラを中心として揺動可能であり得る。
【0010】
本発明の他の態様において、組織締結装置は、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。第2本体は、第2本体の側壁における開口を画定し得、その開口を通して第1本体が延びる。第2本体は、締結装置の長手方向軸が第2本体の長手方向軸に平行であるとき、第1本体の一部を受け入れるように構成された凹部を含み得る。ハンドル組立体は、近位方向及び遠位方向において長手方向に移動するように構成された第1アクチュエータと、ハンドル組立体の本体に対して相対的に揺動するように構成された第2アクチュエータとを含み得る。
【0011】
本発明の他の態様において、システムは、組織締結装置と、組織締結装置に可動に結合された組織採取ツールとを含み得る。システムは、遠位端部開口と、少なくとも2つの遠位部とを含むオーバーシースも含み得る。オーバーシースは、組織締結装置及び組織採取ツールの周りに配置され得る。オーバーシースは、近位側に移動するように構成され得、少なくとも2つの遠位部は、組織締結装置及び組織採取ツールを露出させるために半径方向に外向きに移動するように構成され得る。
【0012】
他の態様において、システムは以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。チャネルと案内突出部とを含む長手方向本体である。案内突出部は、組織採取ツールを受け入れるように構成されたルーメンを含み得る。組織締結装置は、複数のファスナを含むカートリッジと、カートリッジに隣接して取り付けられたアンビルとをさらに含み得る。組織採取ツールは、案内突出部のルーメン内に配置され得る。オーバーシースの近位部は、内視鏡の周りに配置され得、内視鏡は、画像センサと少なくとも2つの作業チャネルとを含み得る。少なくとも2つの遠位部は、半径方向に内側に付勢され得るとともに、締結装置及び組織採取ツールを部分的に囲むように構成され得る。
【0013】
前述の概要及び以下の詳細な説明は、両方とも例示的であり、且つ専ら説明のためのものであり、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解され得る。
本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な態様を示し、説明と合わせて本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図2】本発明の態様による例示的な外科用システムの斜視図。
【
図3A】ユーザにより装置に挿入されている部品を含む、本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図3B】部品がユーザにより装置に挿入されている、本発明の態様による例示的な医療装置の一部の斜視図。
【
図4A】本発明の態様による例示的な医療装置の一部の断面図。
【
図4B】本発明の態様による例示的な作動スレッドの側面図。
【
図5A】本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図5B】本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図6A】本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図6B】本発明の態様による例示的な医療装置の斜視図。
【
図7A】本発明の態様による例示的な内視鏡システムの例示的な視界の斜視図。
【
図7B】本発明の態様による例示的な内視鏡システムの例示的な視界の斜視図。
【
図8】本発明の態様による例示的な外科用ステープラシステムの斜視図。
【
図9】本発明の態様による例示的な外科用ステープラシステムの斜視図。
【
図10A】本発明の態様による例示的な内視鏡オーバーシースの正面図。
【
図10B】本発明の態様による例示的な内視鏡オーバーシースの側面斜視図。
【
図11】本発明の態様による、内視鏡オーバーシースを含む内視鏡システムの正面図。
【
図12】本発明の態様による、内視鏡オーバーシースを含む内視鏡システムの正面図。
【
図13】本発明の態様による例示的な内視鏡オーバーシースの側面斜視図。
【
図14】本発明の態様による例示的な内視鏡オーバーシースの別の側面斜視図。
【
図15】本発明の態様による、断面で示されているオーバーシースを含む例示的な内視鏡システムの側面斜視図。
【
図16】本発明の態様による、
図15に示されたオーバーシースの正面図。
【
図17】本発明の態様による、内視鏡と例示的な医療装置とを含む外科用システムの斜視図。
【
図18】本発明の態様による、
図17に示された医療装置の斜視図。
【
図19】本発明の態様による、
図17に示された医療装置の側面図。
【
図20】本発明の態様による、
図17に示された医療装置の上面図。
【
図21】本発明の態様による、
図17に示された医療装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、他の態様の中でも組織を結合、切断及び切除するためのシステム、装置及び方法をもたらす。本発明の態様が詳細に言及され、その例が添付図面において示されている。可能な場合には常に、図面を通して同じ又は類似した部分に言及するために同じ又は同様の参照符号が使用される。「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときにユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を患者内に配置するときにユーザに最も近い部分を指す。「組織を一緒に結合する」という用語は、例えば、組織の2つの部分を一緒にステープルで止めること、固定すること、取り付けること、締結すること又は他の方法で接合することを指し得る。「ファスナ」という用語は、当技術分野において既知のステープル、クリップ、輪ゴム、縫合又は他の任意のファスナを含み得る。本明細書で使用する際、「備える/からなる」、「備えている/からなる」という用語又は他の任意のバリエーションは、要素のリストを含むプロセス、方法、物品又は装置が必ずしもそれらの要素のみを含む必要はなく、明確に挙げられていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品若しくは装置に固有の他の要素も含み得るように非排他的包含を網羅することを意図されている。「例示的な」という用語は、「理想的な」というよりもむしろ「例」の意味で使用される。
【0016】
本発明の実施形態は、管腔内空間(endo-luminal space)における標的組織を可視化し、切断し、切除し、且つ/又は一緒に結合するか、又はそのプロセスを円滑にするために使用され得る。特に、いくつかの実施形態は、組織切除装置を組織ステープル止め装置と組み合わせる。組織ステープル止め装置は、切除又は切断機構(例えば、一体化されたナイフ)とステープルで止め機構(ステープラ)とを含み得る。ステープル止め装置は、内視鏡作業チャネルを通して標的組織部位へと標的組織に送達され得る。システム全体は、組織を組織ステープル止め装置に向かって引くために格納機構、例えば組織クリップを含み得る。組織ステープル止め装置及び格納機構の全て又は一部は、金属、プラスチックであり得るか、又は形状記憶金属(例えば、ニチノール)、形状記憶ポリマー、ポリマー若しくは材料の任意の組合せを含み得る。
【0017】
図1は、本発明の実施形態による外科用装置100を示す。装置100は、低侵襲外科用手術、例えば腹腔鏡下又は内視鏡手術中に本体組織に係合し、複数の外科用ファスナをそれに適用し、締結された身体組織において切込みを形成するように構成された外科用ステープル止め装置である。装置100は、外科用クリップ又は他のファスナを適用するために使用され得るが、装置の本体、例えば装填ユニットの一部に配置されたステープルカートリッジからステープルを適用することに関連して主に検討される。
【0018】
図1に示されるとおり、装置100は、遠位セッション101と近位セッション102とを含む。外科用装置100はまた、ハンドル組立体103、長尺状本体104及びステープラ装置105をも含む。長尺状本体104は、内視鏡又は腹腔鏡下手術にとって好適な任意の長さに延び得るとともに、内視鏡の作業チャネル内に配置されるように構成され得る。長尺状本体104は、例えば、本体104を作業チャネル内にバックロードすることにより、内視鏡の作業チャネル又は別の装置のチャネルへの長尺状本体104の挿入を円滑にするためにハンドル組立体103から着脱可能であり得る。いくつかの例において、長尺状本体は、可撓性であり得るとともに、/又はその軸を中心として回転可能であり得る。長尺状本体104は、装置100のハンドル組立体103又は作動している他の任意の部分を介してステープラ装置105を作動させるための作動ワイヤを中に配置するためのルーメンを含み得る。長尺状本体104は、複数の作動ワイヤ又は単一の作動ワイヤ(例えば、作動ワイヤ118)を受け入れるように構成され得る。いくつかの例において、長尺状本体104は、ステープラ装置105に固定して結合され得、他の例において、長尺状本体104は、ステープラ装置105に取り外し可能又は解放可能に結合され得る。
【0019】
ハンドル組立体103は、ハンドル106と本体115とを含み得る。ハンドル106は、固定部107とアクチュエータ部分108とを含み得る。ハンドル106の固定部107は、本体115に固定して結合され得、固定部107は、ユーザの指を中に配置するための円形若しくは楕円形部分又はリングを含み得、これは、ユーザがハンドル組立体103を保持することを支援し得る。いくつかの例において、ハンドル106のアクチュエータ部分108は、本体115に揺動可能に結合され得るとともに、ハンドル106の固定部107に対して相対的に動き得るアクチュエータであり得る。アクチュエータ部分108は、ユーザの指を中に配置するための円形又は楕円形部分を含み得、これは、外科用装置100を作動させることを支援し得る。いくつかの例において、ハンドル106のアクチュエータ部分108は、作動ワイヤの近位部、例えば作動ワイヤ118に、調整カプラ116を介して結合され得、ステープラ装置105とハンドル組立体103との間に延びる作動ワイヤ118を介してステープラ装置105のアンビルを作動させるように構成され得る。他の例において、ハンドル106のアクチュエータ部分108は、装置100の他の任意の機構、例えばステープラ装置105からステープルを留置させる作動を制御するように構成され得る。
【0020】
いくつかの例において、ハンドル組立体103は、揺動ポイント112aでハウジング115に揺動可能に結合された可動カバー112を含み得る。
図1には、カバー112が開位置に示されており、ハウジング115の内側部分を露出させている。カバー112は、ハウジング115の近位部に結合され得るとともに、カバー112の最遠位端112bがハウジング115の表面115bに面するようにハウジング115に長手方向に平行に配置されると、カバー112は、ハンドル組立体103の内部部品を覆い得る。カバー112は、カバー112を適所に保持し、且つハウジング115に対するカバー112の移動を防ぐために、カバー112の遠位部及びハンドル組立体103の遠位部の結合機構、例えばスナップ係止機構を介してハウジング115の内部部品を覆う所定の位置に一時的に固定して結合され得る。適所に保持されると、カバー112は、ハウジング115におけるスロットの対を形成し得る(図示せず)。カバー112の遠位部がハウジングの遠位部に対して非結合状態になると、ユーザは、ハンドル組立体103の内部部品へアクセスするためにカバー112を揺動ポイント112aまわりに回動(すなわち揺動)させ得る。
【0021】
ハンドル組立体103は、長尺状本体104をハンドル組立体103に接続し得る回転可能な長尺状コネクタ114をさらに含み得る。いくつかの例において、回転可能な長尺状コネクタ114は、長尺状本体104をハンドル組立体103に固定して結合するべく長尺状本体104上に締め付けるため、又は長尺状本体104をハンドル組立体103から外すべく回転させるためのいずれかの場合に、ハウジング115に対して相対回転し得る。本体115内において、1つ以上の調整カプラ116、119は、回転可能な長尺状コネクタ114と長手方向に整合して、又は、回転可能な長尺状コネクタ114に長手方向に平行になって、配置され得、作動ワイヤ、例えば作動ワイヤ118の一部を受け入れるように構成され得る。調整カプラ116、119のいずれも作動ワイヤを挟持するために移動可能であり、且つ作動ワイヤを調整カプラ116、119に固定して結合するバイスであり得る。いくつかの例において、調整カプラ116、119は、カプラ116、119を調整し、作動ワイヤをカプラ116、119に結合するために、又は、作動ワイヤをカプラ116、119から外すために、ねじを介して移動可能であり得る。
【0022】
調整カプラ119は、長手方向アクチュエータ110に結合され得るとともに、ハウジング115内で動く長手方向アクチュエータ110によって、長手方向に移動可能であり得る。長手方向アクチュエータ110は、ハウジング115内に部分的に配置され得るとともに、カバー112がハンドル組立体103の内部部品に被さって配置されたときに形成される2つのスロット内で長手方向に摺動可能であり得る。長手方向アクチュエータ110は、対向する円形若しくは楕円形部分又はリングの対を含み得、各円形部分は、ユーザがその指を中に配置するためのアパーチャを画定する。いくつかの例において、長手方向アクチュエータ110は、例えば、調整カプラ119を介して又はハウジング115内の異なるカプラを介して作動ワイヤ(図示せず)に結合され得るとともに、ステープラ装置105からのステープルの留置を制御するように構成され得る。他の例において、長手方向アクチュエータ110は、装置100の他の任意の機構、例えばステープラ装置105のアンビルの作動を制御するように構成され得る。
【0023】
装置100の遠位セッション101は、長尺状本体104の遠位部に結合されたステープラ装置105を含む。ステープラ装置105のコネクタ125は、長尺状本体104をステープラ装置105に結合し得る。いくつかの例において、コネクタ125は、ステープラ装置105の本体121の長手方向軸からオフセットされ得る。ステープラ装置105の本体121は、本体121のチャネル内に配置されたカートリッジ122を含み得る。カートリッジ122は、本体121に固定して結合され得るか、又は本体121から取り外し可能であり得る。いくつかの例において、カートリッジ122は、本体121と体的に形成され得る。本体121の近位部において、アンビル120は、揺動軸120aによって本体121に回転可能すなわち揺動可能に結合され得るとともに、ステープラ装置105の遠位端部に向かって遠位側に延び得る。いくつかの例において、アンビル120は、回転可能且つ開放構成に付勢され得る。すなわちアンビル120は、本体121及びカートリッジ122から離反するように付勢され得、アンビル120の遠位部と、本体121及びカートリッジ122の遠位部との間に空間を作り出す。アンビル120は、本体121に接触するために軸120aを中心として回転可能であり得るか、又はアンビル120と本体121との間の組織を挟持し、ステープルがカートリッジ122から取り出されるときに駆動され得る表面を提供し得る。
【0024】
いくつかの例において、本体121は、カートリッジ122を支持するチャネルを含み得る。カートリッジ122は、複数の外科用ファスナ、例えばステープルを含み得る。ファスナは、作動スレッド、例えば
図3Aに示された作動スレッド341によってかけられた駆動力の影響下にあるときにカートリッジ122から留置され得る。カートリッジ122における複数の間隔を空けて配された長手方向スロット123は、ステープルがカートリッジ122を通過して組織に穿孔することを可能にする。いくつかの例において、作動スレッドは、作動されると、カートリッジ122及び/又は本体121の遠位端部から長手方向において近位側に移動し、カートリッジ122内のファスナに接触し、且つファスナを組織に結合するために、ファスナを、長手方向スロット123を通るように押す。いくつかの例において、単一のファスナが各スロット123を通るように延び得る。各ファスナは、ファスナのスロット123との整合を支援するために、留置前に部分的にスロット123内にあり得る。いくつかの例において、カートリッジ122におけるファスナの2つの異なる長手方向列を作動させるために2つの作動スレッド341、380が必要とされ得る(
図3Aに示されている)。
【0025】
カートリッジ122は、長尺状長手方向スロット124も含み得る。長尺状長手方向スロット124は、切除ツール、例えばナイフの刃身(図示せず)を受け入れ、且つ/又は、支持するように構成され得る。長尺状長手方向スロット124はカートリッジ122の側面に配置され得るとともに、カートリッジ122の近位端部から遠位端部に長手方向に延び得る。いくつかの例において、間隔を空けて配された長手方向スロット123の各々は、長尺状長手方向スロット124の一方の側に配置され得る。アンビル120は、長手方向に配置された溝(図示せず)を含み得る。該溝は、アンビル120が閉位置にある(すなわち、アンビル120が、アンビル120の遠位部が本体121及び/又はカートリッジ122と接触するように回動される、又は組織をアンビル120と本体121との間に挟む)とき、長尺状長手方向スロット124と整合し得る長手方向に配置され得る。そのような溝は、切除ツール、例えばナイフ又は他の鋭い切削ツールを長尺状長手方向スロット124内に受け入れるように構成され得る。切削ツールは、追加的な個別の作動ワイヤを介して作動スレッドを動かした作動ワイヤから駆動され得るか、又は作動スレッド及び切削ツールの両方を同時に動かすために作動スレッドと同じ作動ワイヤを介して駆動され得る。
【0026】
ユーザは、第1に、組織をステープラ装置105の作動領域内すなわち本体121とアンビル120との間に配置することにより、1つ以上のファスナを組織に結合するために装置100を使用し得る。組織がステープラ装置105の作動領域に配置されると、ユーザは、ハンドル106のアクチュエータ部分108を作動させ得る。次いで、作動ワイヤを近位側に動かし、且つアンビル120がステープラ装置の作動領域内に配置された組織上に閉じられるようにし得る。ユーザがアクチュエータ部分108を係合位置に保持し、そのようにステープラ装置の留め金を組織上に維持する間、ユーザは、ステープラ装置内の作動スレッドに結合された作動ワイヤを動かすために、長手方向アクチュエータ110を近位側に引き得る(又は作動させ得る)。作動スレッドが長手方向アクチュエータ110に結合された作動ワイヤを介して近位側に動かされると、作動スレッドの傾斜部は、カートリッジ122内のファスナに係合し得るとともに、ファスナを、組織を穿孔するように長手方向スロット123を通るように押し得る。ファスナが作動スレッドにより留置されるとき、ファスナは、続いてアンビル120に係合し得るとともに、組織の層を一緒に結合し得る。いくつかの例において、長手方向アクチュエータ110は、作動スレッド及び切削ツールの両方に結合された作動ワイヤを作動し得、組織を穿孔し且つ組織を1つ以上のファスナと締結させ、組織を切断するために作動スレッド及び切削ツールの両方を同時に動かし得る。
【0027】
いくつかの例において、ユーザは、内視鏡の作業チャネルの遠位端部を通して、内視鏡の本体を通して、且つ長尺状本体104をハンドル組立体103に結合する前に内視鏡の近位端部を出るように、長尺状本体104をバックロードし得る。ステープラ装置105が内視鏡の遠位端部にある状態で長尺状本体104が内視鏡の作業チャネル内に配置されると、ユーザは、長尺状本体104の近位端部を回転可能な長尺状コネクタ114に挿入し、次いで長尺状本体104をハンドル組立体103に固定するために回転可能な長尺状コネクタ114を回転させることにより、ハンドル組立体103を長尺状本体104に結合し得る。ユーザは、次いで、長尺状本体内に配置された作動ワイヤ(例えば、作動ワイヤ118)の近位端部を調整カプラ116、119に結合し得る。長尺状本体104がハンドル組立体103に結合され、作動ワイヤ(例えば、作動ワイヤ118)が調整カプラ116、119に結合されると、ユーザは、カバー112の最遠位端112bがハウジング115の表面115bに面するように、可動カバー112を閉鎖し得る。装置100の使用中にカバー112を適所に保持するために、カバー112は、カバー112の遠位部の結合機構及びハンドル組立体103の遠位部、例えばスナップ係止機構を介してハウジング115の内部部品を覆う位置に一時的に固定して結合され得る。
【0028】
図2は、本発明の実施形態による内視鏡250の遠位セッションと、内視鏡250の作業チャネル256内に配置された組織採取ツール252と、内視鏡250の別の作業チャネル257内に配置された外科用装置200とを示す。外科用装置200は、外科用装置100と概ね同様であるとともに、ファスナ留置のための長手方向スロット223と、ナイフを受け入れるための長尺状長手方向スロット224と、アンビル220を備えたステープラ装置201とを含む。カートリッジ225は、ステープラ装置201の本体222に一体的に形成される。ユーザは、ステープラ装置201のアクチュエータ部分分、すなわちステープル止めのための本体222とアンビル220との間への組織の把持及び組織の配置を円滑にするために、ステープラ装置、例えばステープラ装置201との組合せにおいて組織採取ツール252を使用し得る。組織採取ツール252は、遠位部254に長手方向に延びる長尺状本体253を含み得る。いくつかの例において、組織採取ツール252の遠位部254は、閉鎖構成と開放構成との間で可動な回転可能なジョー256、257の対を含み得る。ユーザは、組織の把持及び解放を円滑にするためにジョー256、257を開閉するために、組織採取ツール252の近位部に存在するアクチュエータ(図示せず)を使用してジョー256、257を作動させ得る。ユーザは、外科用装置200が中に配置された作業チャネル257から離れた、
図2に示された、作業チャネル256内に組織採取ツール252を配置し得る。他の例において、ユーザは、アンビル220と本体222との間での組織の配置を円滑にするために、外科用装置200と同じ作業チャネル内に組織採取ツール252を配置し得る(図示せず)。
【0029】
図3Aは、取り外し可能なカートリッジ323を受けるように構成されたステープラ装置301を含む外科用装置300の実施形態の遠位部を示す。取り外し可能なカートリッジ323が本体321から除去されると、作動スレッド341及びナイフ342が見えるようになり得る(
図3Aに示されている)。いくつかの例において、カートリッジ323が本体321のチャネル327内に配置されると、作動スレッド341及びナイフ342は、カートリッジ323内に受け入れられ得るとともに、見えなくなり得る。他の例において、作動スレッド341及びナイフ342はカートリッジ323に受け入れられ得るとともに、例えばカートリッジ323におけるチャネルから出るように延びることにより、カートリッジ323が本体321内に配置されると見えるようになり得る。作動スレッド341及びナイフ342は、作動されると、作動スレッド341及びナイフ342が一致して近位側に移動するように外科用装置300の近位部に延びる単一の作動ワイヤに結合され得る。他の例において、作動スレッド341及びナイフ342は、作動スレッド341又はナイフ342のいずれかが独立して作動され得るように、作動スレッド341又はナイフ342のいずれかの近位部から外科用装置300の近位部、例えばハンドル組立体103に延びる個別の作動ワイヤに結合され得る。作動スレッド341は、ファスナ、例えばカートリッジ323内のステープルをカートリッジにおけるスロット345から出すように押して組織を一緒に固定するために近位側に動かされるように構成され得る。作動スレッド341及びナイフ342は、カートリッジ323が第1に本体321内に配置されると、ユーザによりカートリッジ323の遠位端ポケット内に押し込まれ得る。
【0030】
作動スレッド341は、組織を結合するためにファスナを留置するために、カートリッジ323内からスロット345を通してステープル又は他のファスナに直接的又は間接的に係合するように構成された傾斜部346を含み得る。いくつかの例において、傾斜部346は、本体321の長手方向軸に対して45度、40度、35度、30度、25度又は他の任意の角度で角度を付けられ得る。傾斜部346は、カートリッジ323におけるファスナを留置するためにより長い距離を近位側に動かすために作動スレッド341を必要とするように浅い角度であり得る。浅い角度の長い傾斜部346を備えた作動スレッド341を提供することにより、ユーザは、作動スレッド341を近位側に引くときに複数のファスナに同時に係合することができ、従って、いくつかの例において、複数のステープルが組織を同時に留置及び穿孔することを可能にする。さらに、例えば、およそ30度以下の角度の浅い角度の傾斜部346は、カートリッジ323におけるファスナに連続的に係合することにより、次のファスナに係合する前にファスナから解放する作動スレッド341を原因として、断続的な力がハンドル組立体におけるアクチュエータにかけられることを防ぐことができ、従ってより連続的な力がアクチュエータにかけられるようにすることで手術中のエラーを防ぎ得る。いくつかの例において、作動スレッド341の傾斜部346は、2つ、3つ、4つ又はそれより多くのカートリッジ323におけるファスナに同時に係合し得る。作動スレッド341は、ファスナを留置するために近位側に引かれるため、ユーザは、ファスナを留置するために引く機構に比べて、可撓性ワイヤ、例えば
図1に示された作動ワイヤ118を引くときにより高い負荷を生じさせ得る。作動本体343は傾斜部346の近位部から近位側に延び得、作動スレッド341はファスナを留置するために作動本体343から引かれ得る。例えば、作動本体343は、外科用装置300の近位部に延びる作動ワイヤに結合され得る。いくつかの例において、装置300は、カートリッジ323におけるファスナの2つの個別の列を係合及び留置させるために、同じ作動ワイヤに結合された2つの作動スレッド341と2つの作動本体343とを含み得る。
【0031】
ナイフ342は作動スレッド341と同様の構造を有し得るとともに、組織を切断するための鋭い縁を含むフック状遠位部344を含み得る。ナイフ342は、カートリッジ323の長尺状長手方向スロット内を長手方向に移動するように構成され得る。いくつかの例において、ナイフ342の一部はアンビル320の溝、例えば
図3Bに示された溝370内に延び、且つユーザがナイフ342を作動させると溝内をアンビル320の遠位端部から近位端部に長手方向に移動し、従ってナイフ342を、組織を切断するためにカートリッジ323を横切って長手方向に動かす。
【0032】
図3Bは、取り外し可能なカートリッジ363を受けるように構成されたステープラ装置356を含む外科用装置355の代替的実施形態の遠位部を示す。ステープラ装置356において、本体361は、遠位端前面362を備えた遠位端部を含み、該遠位端部は、本体361内にカートリッジ363を囲繞しており、カートリッジ363の上部分のみ、すなわち、カートリッジ363のアンビル360の底面に対向する部分のみを露出させている。遠位端前面362は、ステープラ装置356を移動させるときにカートリッジ363の遠位端部又はいくつかの例において作動スレッド及び/又はナイフが組織に接触することを防ぐ。アンビル360は、アンビル360が閉位置にあるときにナイフを受けるように構成されたカートリッジ363に対向する表面内に溝370を含む。
【0033】
図4Aは、本体421、アンビル420、ファスナ445を備えたカートリッジ423及び作動本体443を備えた作動スレッド441を含む例示的なステープラ装置401の拡大断面図を示す。
図4Aにおけるステープラ装置401は、ファスナ445を組織449上に留置している状態で示されている。作動スレッド441は、ピストン又はスペーサ451に係合し、ピストン又はスペーサ451は、次いで、ファスナ445を留置するためにファスタ445に係合する。
図4Aに示されるとおり、作動スレッド441は、作動スレッド441が近位端方向Pに移動する際にピストン又はスペーサ451に係合する。各ピストン又はスペーサ451は、カートリッジ423内で動くように構成され得るとともに、1つのみのファスナに係合するような大きさにされ得る。他の例において、各ピストン又はスペーサ451は、複数のファスナに係合するような大きさにされ得るか、又は1つ以上のピストン若しくはスペーサ451は、1つ以上の他のピストン若しくはスペーサ451が1つのみのファスナに係合するような大きさにされ得ると同時に、複数のファスナに係合するような大きさにされ得る。作動スレッド441は、各ピストン又はスペーサ451を本体421の長手方向軸に対して横方向に移動させるように構成され得る。例えば、作動スレッド441及び作動本体443は、作動ワイヤを介して近位側に引かれ得、これは、傾斜部442(
図4Bに示されている)を1つ以上のピストン又はスペーサ451に接触するように移動させ得るとともに、1つ以上のファスナ445をカートリッジ423から留置させるために1つ以上のピストン又はスペーサ451を押し得る。ピストン又はスペーサ451の各々は、それぞれの各ファスナ445の一部と整合し、且つ/又は同一平面上にある上面を有し得る。例えば、各ファスナ445は、ステープルであり得るとともに、3つの概ね平らな部分を含み得るものであり、中間の概ね平らな部分は、各スペーサ451の頂面と整合する。各ピストン又はスペーサ451は、作動スレッドの傾斜部442がピストン又はスペーサ451の角に係合するとき、一様に上向きに移動するのに十分な剛性を有し得る。いくつかの例において、各ピストン又はスペーサ451は、カートリッジ423の長手方向軸に直角な方向における移動を可能にする一方、カートリッジ423の長手方向軸に沿った又は
図4Aに示される近位P若しくは遠位D方向の移動が防がれるように、カートリッジ423に結合され得る。カートリッジ423におけるピストン又はスペーサ451は、ファスナ445、例えばステープルが部分的に留置することを防ぎ得るとともに、ステープルの近位部が移動しないときにステープルの遠位部が上向きに移動することにより引き起こされる不適切なステープル止めを回避し得る。ファスナ445と整合する平らな上面を備えたスペーサ451を提供することにより、作動スレッド441の傾斜部442は、各スペーサに係合することにより近位側に移動することができ、且つ各ファスナ445を一様に上向きに押し得る。
【0034】
図4Bは、傾斜部442、幅475、高さ477及び作動本体443を含む例示的な作動スレッド441を示す。傾斜部442は、第1近位セッション444と第2遠位セッション446とを含み得る。いくつかの例において、第1近位セッション444は、第2遠位セッション446の傾斜角度471と異なる傾斜角度473を有し得る。例えば、第1近位セッション446は、30度の傾斜角度を有し得、第2遠位セッションは、20度の傾斜角度を有し得る。傾斜部442の様々な傾きにより、作動スレッド441は、近位側に移動する際にスペーサ451を様々な圧力レベルで押すことができる。他の例において、第1近位セッション446及び第2遠位セッション446は、同じ傾斜角度471、473を有し得るか、又は0~90度の他の任意の角度を有し得る。いくつかの例において、作動スレッド441は、12.7mm(.50インチ)の長さ475及び5.461mm(.215インチ)の高さを有し得る。作動本体443は、傾斜部442の底部から延び得るとともに、いくつかの例においてまた作動スレッド441の長さ475を伸ばし得る。いくつかの例において、作動本体は、直径が0.2032mm(.008インチ)のステンレス鋼ワイヤであり得る。
【0035】
図4Bは、例示的な作動スレッド441、カートリッジ423に面するアンビルの表面に凹部450を含むアンビル420の一部、カートリッジ423の一部、ファスナ445及びカートリッジ423とアンビル420との間に配置された組織449の部分断面図を示す。作動スレッド441が作動されると、例えば作動機構、例えばハンドル組立体103におけるアクチュエータを介してその近位端部443から近位側に引かれると、傾斜部442は、ファスナ445に係合し、且つファスナを組織449に向かって動かして、作動スレッド441が近位端方向において移動する際に組織449を穿孔する。他の例において、ピンがファスナ445と作動スレッド441との間に配置され得、傾斜部442がファスナ445の代わりにピンに係合し得、このピンがファスナ445を組織449に向かって付勢する。ファスナ445が作動スレッド441との係合を介して組織449を通して動かされると、ファスナ445の部分は、凹部450との係合を介して互いに向かって押され得るとともに、ファスナが組織449に止まるようにし得る。
【0036】
図5Aは、内視鏡550の長手方向軸560に対して角度が付けられ、且つ内視鏡の長手方向軸560から半径方向に変位された例示的なステープラ装置501を示す。長尺状本体555は、内視鏡から露出された遠位端部を含み得、遠位端部は、湾曲した向き(
図5Aに示されている)に付勢され得、それによって、ステープラ装置501の長手方向軸561が、長尺状本体555の一部が中に配置されている内視鏡550の長手方向軸560と交差する。いくつかの例において、ステープラ装置501の長手方向軸561と、内視鏡550の長手方向軸560との間に形成される角度は、15度、30度、45度、60度又は他の任意の角度であり得る。代替的に、本体555の遠位端部は、遠位端部を
図5Aに示された剛性又は概ね剛性の構成にするリンク又は他の構造を含み得る。
図5Bはステープラ装置501の代替的な図を示す。ステープラ装置501における長尺状本体555は、ステープラ装置501を配置するために90度回転されており、それによって、長尺状本体555が、ステープラ装置501の長手方向軸561が内視鏡550の長手方向軸560から離れるように角度が付けられる。軸562は、長手方向軸560に直角な軸を示す。内視鏡550の長手方向軸560に対してステープラ装置501の長手方向軸561に角度を付けるために、剛性をもって湾曲しているか又は他の方法で付勢されて湾曲している長尺状本体555を有することにより、ユーザの作業空間は、例えば、内視鏡550の遠位端部に配置されたカメラを通した可視化など、より大きい可視化を可能にするように修正され得る。内視鏡550の長手方向軸に対してステープラ装置501に角度を付けることの他の利点には、組織採取ツールとの整合を円滑にすること及びアンビルとステープラ装置501の本体との間に組織を配置する際に支援することが含まれ得る。いくつかの例において、長尺状本体555は、ステープラ装置501に角度を付け、且つ半径方向にオフセットするために関節式に連結され得る。本体は、内視鏡550の近位端部で作動される関節リンクを介して関節式に連結され得る。
【0037】
図6A及び6Bは、内視鏡650の遠位端部のカメラの視界の中心線660の例を示す。
図6Aにおいて、ステープラ装置601の長手方向軸661は、中心線660に平行であり、従って、ステープラ装置601は、視界の一方側に配置される。
図6Bは、カメラの視界の中心線660に対して角度が付けられているステープラ装置601を示す。
図6Bにおいて、ステープラ装置601を遠位側に押し、且つそれに取り付けられた長尺状本体を関節式に連結することにより、長手方向軸661は、中心線660と交差し、且つステープラ装置601の遠位部を内視鏡650のカメラの視界の中心内に直接的に配置する。
【0038】
図7A及び7Bは、内視鏡の遠位端部でのカメラの視界を示し、ステープラ装置701及び組織採取ツール754は、組織770を操り、結合するために用いられる。ステープラ装置701は、内視鏡の長手方向軸に対して角度が付けられているため、視界は、アンビルとステープラ装置701の本体との間の空間の見え方を含み、ステープル止めのためのアンビルと本体との間での組織770の配置を円滑にする。
【0039】
図8は、案内突出部840を含むステープラ装置801の代替的実施形態の例を示す。案内突出部840は、組織採取ツール844を受けるように構成されたルーメン842を含み得る。組織採取ツール844は、内視鏡843を患者の身体に挿入する前に案内突出部840のルーメン842内に配置され得る。ツール844及びステープラ装置801は、内視鏡843の1つ以上のルーメン内にバックロードされ得る。組織採取ツール844を案内突出部のルーメン842内に予め整合させることは、組織採取ツール844をステープラ装置801のアンビルと本体との間の空間846(すなわちステープラ装置の作動領域)内に配置することを円滑にし得るとともに、動かされるときに組織採取ツール844をステープラ装置801に向かって案内し得る。ルーメン842は、組織採取ツール844をステープラ装置801に向かって曲げるために、ステープラ装置801に向かって湾曲しているか又は他の方法で角度が付けられ得る。例えば、ルーメン842の遠位端開口の平面は、ステープラ装置の作動領域に面するように角度が付けられ得る。案内突出部840は、ステープラ装置801の、ステープラ装置801のアンビル又は空間846に対して近位側にある部分から離れるように半径方向に延び得る。案内突出部840は、ステープラ装置801に固定され得る。いくつかの例において、案内突出部840は、剛性であり得るか又は半剛性であり得る。案内突出部840は、ステープラ装置801の長手方向軸から離間した中央長手方向軸を含むルーメン842を含み得る。
【0040】
図9は、ステープラ装置901であって、アンビル920、本体922、アンビル920における凹部946及び本体922における凹部947を含むステープラ装置901の例示的な実施形態を示す。凹部946、947は、互い対向してアンビル920及び本体922それぞれの半径方向に内側に面する表面に配置され得るとともに、ルーメンがステープラ装置901の長手方向軸を横断する閉位置にアンビル920及び本体922があるとき、アンビル920と本体922との間にルーメンを形成し得る。組織採取ツール944の長尺状本体943が近位に動かされる場合に組織採取ツール944の遠位端部がアンビル920と本体922との間の空間内に移動されるように、組織採取ツール944は、ステープラ装置901が閉位置にあるときにルーメン凹部946、947内に配置され得る。組織採取ツール944をアンビル920と本体922との間の空間内又はステープラ装置901のアクチュエータ部分分内に予め配置することは、ユーザが組織採取ツール944の遠位端部及び組織をステープラ装置901のアクチュエータ部分分内により容易に配置することを可能にし得る。組織採取ツール944は、患者の身体への挿入前に凹部946、947により形成されたルーメンに事前に組み込まれ得る。
【0041】
図10A及び10Bは、シャフト1051、遠位部1053、ルーメン1052、1054及び1056を含む例示的なマルチルーメンオーバーシース1050の正面及び側面斜視図を示す。オーバーシース1050は、ユーザに組織採取ツール、ステープル止め装置及び操縦可能な可視化ツール、例えばカメラを含む内視鏡を用いるための手段を提供し得る。
図11は、内視鏡1140がルーメン1052内に配置されたオーバーシース1050の正面図を示す。内視鏡1140が単一の作業チャネル1142を含むことから、オーバーシース1050は、ユーザに全部で3つの作業チャネル、すなわちルーメン1054、1056及び作業チャネル1142を提供する。
図12は、内視鏡1240がルーメン1252内に配置された2つのルーメン1252、1254を含むオーバーシース1250の別の例示的な実施形態を示す。内視鏡1240が作業チャネル1242を含むため、オーバーシース1250は、ユーザが用いるための追加的な作業チャネル(すなわちルーメン1254)を提供する。オーバーシース1050及び1250の各々は、内視鏡1140、1240の長さ全体に沿って延び得る。他の例において、オーバーシース1050、1250は、内視鏡1140、1240の一部のみに沿って延び得る。例えば、
図13及び14は、ルーメン1352、1354、1356、1452、1456を備えたオーバーシース1350、1450の代替的実施形態を示す。オーバーシース1350、1450は、それらが上に配置されている内視鏡の遠位端部の一部のみ、例えば
図13及び14に示されている内視鏡1340又は内視鏡1440の遠位端部に沿って延びる。ステープラ装置又は組織採取ツールのいずれかをオーバーシースのルーメン内に配置することは、装置又はツールを内視鏡の遠位端部のカメラの視界の中心からさらに半径方向に離れるように移動させることができ、ユーザがステープラの作動領域において配置しようとする標的組織の見え方をあまり遮らないことができる。
【0042】
いくつかの例において、内視鏡が患者の身体を通して移動する間に患者の組織を内視鏡の遠位端部での装置との望ましくない接触から保護するためにオーバーシースが使用され得る。
図15は、内視鏡1540に被さって配置された例示的なオーバーシース1552を示す。内視鏡1540の遠位端部から遠位側に延びているのは、ステープラ装置1501及び組織採取ツール1543であり、
図8において示された装置に似ているが、オーバーシース1552とともに任意のツールが使用され得る。オーバーシース1552は、ステープラ装置1501及び組織採取ツール1543に被さって配置され、且つ内視鏡1540が患者の身体を通して移動するときにステープラ装置1501及び組織採取ツール1543が組織に接触すること及び/又は内視鏡1540の長手方向軸から半径方向に外向きに移動することを防止し得る。オーバーシース1552の遠位端部における開口1570は、内視鏡1540及びオーバーシース1552が患者の身体を通して移動する間にユーザに内視鏡1540の前を見る能力を提供し得る。開口1570は、1つ以上の近位側に延びるスロット1570a(
図16において4つ示されている)を含み得る。オーバーシース1552の遠位部1555、1556は、開口1570を拡張させ、且つ収縮させるために可動及び可撓性であり得る。開口1570の例示的な拡張状態が開口1571として示されており、点線1557、1558は、半径方向に外向きに移動された後の遠位部1555、1556を表す。遠位部1555、1556は、ユーザがステープラ装置1501及び組織採取ツール1543で標的領域にアクセスすることを可能にするために拡張状態を形成するために半径方向に外向きに移動し得る。遠位部1555、1556の半径方向に外向きの移動を支援するために、オーバーシース1552は、引裂かれ得る長手方向スリット1567を含み得る。例えば、引裂き可能なスリット1567は、(例えば、内視鏡1540の遠位面までの)部分1555、1556の分離を可能にするのに十分な距離だけスロット1570aの各々から近位側に延び得る。他の例において、遠位部1555、1556は、ユーザがオーバーシース1550を近位側に引き、且つステープラ装置1501及び組織採取ツール1543を標的領域内に配置することを可能にするために可動であり得る。
図16に示されるとおり、オーバーシース1550は、可動であり得る4つの遠位部1555、1556、1565、1566を含み得る。いくつかの例において、オーバーシース1550の遠位部1555、1556、1565、1566の各々は、ユーザがステープラ装置1501及び組織採取ツール1543の覆いを外すか又はこれらを覆うことを可能にするために、内視鏡1540に対して近位側又は遠位側に移動するように構成され得る。いくつかの例において、遠位部1555、1556、1565、1566は、採取ツール1543及びステープラ装置1501が開口1570を通過することを可能にするために開口1570を拡張させるために、半径方向に外向きに移動し得る。例えば、オーバーシース1552が近位側に動かされる際にステープラ装置1501及び/又は採取ツール1543が接触すると、遠位部1555、1556、1565、1566は、半径方向に外向きに移動し得る。いくつかの例において、ユーザが内視鏡1540が患者の身体を通して移動する際にオーバーシース1550を通して見ることができるように、オーバーシース1550は、透明であり得る/透き通っていることができる。
【0043】
図17は、ステープラ装置1701、長尺状本体1704、ルーメン1772を含む長尺状ロッド1770及び回転可能なコネクタ1780を含む例示的な医療装置1700を示す。ステープラ装置1701及び長尺状本体1704は、上で検討された特性及び特徴の任意のものを含み得る。ロッド1770は、剛性であり得るとともに、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)又は他の好適な材料から製造され得る。長尺状本体1704は、非圧縮可能な部材、例えばボーデンケーブルであり得、作動ワイヤ及びステープラ装置1701の他の部品を受けるためのルーメン(図示せず)を含み得る。ロッド1770のルーメン1772はロッド1770の近位端部から遠位部に長手方向に延び得る。いくつかの例において、ルーメン1772は、長尺状本体1704を受け得るとともに、長尺状本体がルーメン1772を通して近位側及び遠位側に移動させることを可能にするように構成され得る。本体1704は、ロッド1770の側壁における開口1779を介してルーメン1772を出るように延び得る。回転可能なコネクタ1780は、ステープラ装置1701をロッド1770に結合し得るとともに、ステープラ装置1701の近位端部と遠位端部との間に配置され得る。いくつかの例において、ステープラ装置1701がステープラ装置1701の長手方向軸がロッド1770の長手方向軸と平行である位置と、ステープラ装置1701の長手方向軸がロッド1770の長手方向軸に対して横切る位置との間で移動し得るように、回転可能なコネクタ1780は、ロッド1770に対するステープラ装置1701の揺動を可能にする。実施形態において、回転可能なコネクタ1780は、長手方向軸間の角度がゼロ度より大きくなり、且つ最大で180度にもなるようにその揺動を認めることができ、ステープラ装置1701の長手方向軸は、ロッド1770の長手方向軸と平行である。
図18~21は、ステープラ装置1701がロッド1770に対して様々な角度で回転された医療装置1700の様々な図を示す。
図18及び19に示されるとおり、ルーメン開口1779は、楕円形であり得るとともに、長尺状本体1704がロッド1770を出入りするように滑らかに移行し、且つ長尺状本体1704がルーメン開口1779を通して移動するときにルーメン開口1779と長尺状本体1704との間の摩擦を最小化することが可能になるように、ロッド1770の長手方向において長尺状であり得る。ユーザは、(長尺状本体1704を近位側又は遠位側に移動させるために)長尺状本体1704を引く又は押すことによりステープラ装置1701を揺動させることができ、これは、次いで、ステープラ装置1701を押す又は引いて、ステープラ装置1701を回転可能なコネクタ1780を中心として回転させる。いくつかの実施形態において、回転可能なコネクタ1780は、ロッド1770の遠位端部で装置を通して延びるピンと、ステープラ装置1701から延びるフランジとを含み得る。ステープラ装置1701は、ピンのためのアパーチャを含むその本体の一部から延びるフランジの対を含むことができ、ロッド1770は、フランジの対のアパーチャと整合するように構成されたアパーチャを含むロッド1770の遠位端部から延びる装置を含むことができ、ピンは、回転可能なコネクタ1780を形成するためにフランジの対のアパーチャ及び装置のアパーチャがロッド1770の遠位端部から延びている状態で配置され得る。
【0044】
前述の装置及び装置の各々は、組織を可視化、結合及び/又は切断するために使用され得る。いくつかの例において、ユーザは、長尺状本体の一部を作業チャネル内に配置するために長尺状本体を内視鏡の遠位端部作業チャネルを通してバックフィードすることにより、ステープラ装置の長尺状本体を内視鏡の作業チャネルにロードし得る。長尺状本体が作業チャネル内に配置されると、ハンドル組立体が長尺状本体の近位端部に結合され得る。ユーザは、次いで、内視鏡を患者の身体に導入することができ、且つ内視鏡を標的領域に向かって移動させ得る。ユーザは、画像センサを使用して標的領域を直接的に可視化することにより内視鏡を使用して、対象の体管腔において存在する標的領域(例えば、腫瘍又は他の罹患組織)の場所を見つけることができる。ユーザが内視鏡の遠位端部を標的領域に近接して配置すると、ユーザは、組織採取ツールを、このようなツールが既に存在しない場合、内視鏡の作業チャネル内に配置することができる。いくつかの例において、患者の身体への内視鏡の挿入前にユーザが内視鏡の上にオーバーシースを配置した場合、ユーザは、ステープラ装置を露出させるために、ステープラ装置を標的領域及び/又はオーバーシースの引き剥がし部分に露出させるために、オーバーシースを近位側に移動させることができる。内視鏡の遠位端部が標的領域に配置されると、ユーザは、ステープラ装置を開位置に作動させ得、ステープラのアンビルと本体との間の空間を作り出す。ユーザは、次いで、組織採取ツールを標的領域に導入し得るとともに、組織採取ツールをステープラ装置のアクチュエータ部分分間又は近く、例えばステープラ装置のアンビルと本体との間の空間に配置し得る。ユーザは、次いで、組織採取ツールで組織を把持し得るとともに、組織をステープラ装置のアクチュエータ部分分内に移動させ得る。組織がステープラ装置のアクチュエータ部分分内に配置されると、ユーザは、ステープラ装置のアンビル及び本体を閉位置に移動することができ、且つステープラ装置で把持された組織を挟持し得る。ユーザは、次いで、作動ワイヤを引くためにアクチュエータを作動させることができ、従ってステープラ装置の作動スレッドを近位側に移動させる。アクチュエータを介して作動スレッドを近位側に移動させることにより、ユーザは、挟持された組織内に及びステープラ装置のアンビルに対してファスナを留置し得る。いくつかの例において、ユーザは、ファスナを介して組織を一緒に締結する前又は後のいずれかに標的組織の一部を切断するためにステープラ装置におけるナイフを作動させ得る。
【0045】
依然として効果的に組織をステープル止めすることができながら、可撓性本体を含むステープラ器具を提供することにより、ユーザは、標的組織の可視化を増すことができ得るとともに、望ましくないステープル止めエラー、例えば伝染性組織の部分内でのステープル止めを防ぎ得る。操作し易い、可撓性ステープラからの可視化の増大は、標的病変部のかなり又は全てが除去されることを確実にすることも支援し得る。
【0046】
開示された装置及び方法における様々な修正形態及び変更形態が本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者に明らかとなる。本発明の他の態様も、本明細書の検討及び本明細書において開示された特徴の実施から当業者に明らかとなる。本明細書及び例は、単に例とみなされることが意図されている。