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特許7604388低電力デバイスによるポイントツーポイント通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】低電力デバイスによるポイントツーポイント通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20241216BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20241216BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241216BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20241216BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20241216BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W84/18
H04W4/38
H04W52/02 111
H04W76/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021557926
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 US2020025213
(87)【国際公開番号】W WO2020205515
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】62/826,370
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】デシュムク,プシュペシュ クマール
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-142190(JP,A)
【文献】特開2015-149640(JP,A)
【文献】特表2018-527651(JP,A)
【文献】特開2012-235515(JP,A)
【文献】国際公開第2017/184702(WO,A1)
【文献】特開2000-261360(JP,A)
【文献】特表2005-518113(JP,A)
【文献】特表2018-506195(JP,A)
【文献】国際公開第2014/073098(WO,A1)
【文献】特表2019-522391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信リンク確立方法であって、
診断ツールにより、ウェイク無線チャネルで無線ウェイク信号を計測メッシュネットワーク内の低電力エンドポイントに送信するステップであって、前記ウェイク無線チャネルは、前記低電力エンドポイントの一意の識別子を用いて選択される、送信するステップと、
前記診断ツールにて、前記低電力エンドポイントから、前記無線ウェイク信号が前記低電力エンドポイントで受信されたことを示す確認メッセージを受信するステップと、
前記診断ツールにより、前記ウェイク無線チャネルとは異なる無線通信チャネルにて前記診断ツールと前記低電力エンドポイントとの間の通信リンクを確立するステップと、及び、
前記診断ツールにより、前記低電力エンドポイントの診断動作を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
更に、
前記診断ツールが前記低電力エンドポイントと相互作用する権限を有することを検証するために、前記低電力エンドポイントと前記診断ツールとの間で認証プロセスを実行するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線ウェイク信号を送信するステップは、前記低電力エンドポイントのウェイク及びスリープサイクルよりも長い送信期間、前記無線ウェイク信号を送信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線通信チャネルにて前記診断ツールと前記低電力エンドポイントとの間の前記通信リンクを確立するステップは、前記低電力エンドポイントと前記診断ツールとの間の周波数ホッピングパターンを同期させるステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記診断動作は、前記低電力エンドポイントにおける、無線診断動作、計測診断動作、又は、それらの組み合わせを、含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に、
前記診断動作の完了時に、前記低電力エンドポイントと前記診断ツールとの間の前記通信リンクを解放するステップを
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記低電力エンドポイントの前記一意の識別子は、前記低電力エンドポイントのLAN ID(ローカルエリアネットワーク識別)又はシリアル番号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記低電力エンドポイントの前記一意の識別子がLAN ID(ローカルエリアネットワーク識別)を含み、
前記低電力エンドポイントのための前記ウェイク無線チャネルが前記LAN IDの低次バイトから決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記通信リンクは、RF(無線周波数)メッシュ、RFメッシュIP(インターネットプロトコル)、又は、無線スマートユーティリティネットワーク(Wi-SUN)規格を使用して確立される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ネットワーク化システムのノードであって、
コンピュータ読取可能命令を実行するように構成されたプロセッサと、
前記コンピュータ読取可能命令を格納するように構成されたメモリと
を含み、
前記コンピュータ読取可能命令は、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
スリープモードに移行するステップと、
診断ツールからのウェイク信号をリッスンするウェイクモードに移行するステップと、
前記ウェイクモードにて、前記診断ツールからの前記ウェイク信号をウェイク無線チャネルで受信するステップであって、前記ウェイク無線チャネルは、前記ノードの一意の識別子を用いて選択される、受信するステップと、
前記ウェイク無線チャネルとは異なる通信チャネルで前記診断ツールとの通信リンクを確立するステップと、及び、
前記通信チャネルにおいて前記診断ツールにより診断動作を行うステップと
を含む動作を行わせる、
ノード。
【請求項11】
前記コンピュータ読取可能命令は、更に、前記プロセッサに、
前記診断ツールが前記ノードと相互作用する権限を有することを検証するために、前記診断ツールにより認証プロセスを実行するステップ
を含む動作を行わせる、請求項10に記載のノード。
【請求項12】
前記認証プロセスを実行するステップは、前記診断ツールからモバイル認証トークンを受信するステップを含む、
請求項11に記載のノード。
【請求項13】
前記診断動作は、前記ノードにおける、無線診断動作、計測診断動作、又は、それらの組み合わせを、含む、
請求項10に記載のノード。
【請求項14】
更に、
前記診断ツールと通信するように構成された無線機と、
前記無線機と通信する計測デバイスと、並びに、
前記プロセッサ、前記メモリ、前記無線機、及び、前記計測デバイスに電力を供給するように構成されたバッテリと
を含む、請求項10に記載のノード。
【請求項15】
前記計測デバイスは、電気、水、又は天然ガスの消費量を計測するように構成されている、請求項14に記載のノード。
【請求項16】
内部に命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、
スリープモードに移行するように、低電力エンドポイントを制御するステップと、
診断ツールからのウェイク信号をリッスンするウェイクモードに移行するように、前記低電力エンドポイントを制御するステップと、
低電力エンドポイントにおいて、前記診断ツールからの前記ウェイク信号をウェイク無線チャネルで受信するステップであって、前記ウェイク無線チャネルは、前記低電力エンドポイントの一意の識別子から決定される、受信するステップと、
前記低電力エンドポイントと前記診断ツールとの間の通信リンクを、前記ウェイク無線チャネルとは異なる通信チャネルで確立するように、前記低電力エンドポイントを制御するステップと、並びに、
前記通信チャネルにおいて前記診断ツールにより診断動作を行うように、前記低電力エンドポイントを制御するステップと
を含む、動作を行うために、処理デバイスによって実行可能である、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記命令は、更に、
前記診断ツールが前記低電力エンドポイントと相互作用する権限を有することを検証するために、前記診断ツールにより認証プロセスを実行するステップ
を含む動作を行うために前記処理デバイスによって実行可能である、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記低電力エンドポイントの前記一意の識別子は、前記低電力エンドポイントのLAN ID(ローカルエリアネットワーク識別)又はシリアル番号を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記診断ツールからの前記ウェイク信号をリッスンするウェイクモードは、メッシュネットワークで通信するための前記低電力エンドポイントの通信ウェイクモードとは異なる、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記通信リンクは、RF(無線周波数)メッシュ、RFメッシュIP(インターネットプロトコル)、又は、無線スマートユーティリティネットワーク(Wi-SUN)規格を用いて確立される、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日出願の、発明の名称「POINT TO POINT COMMUNICATION WITH LOW-POWER DEVICE」である米国仮出願第62/826370号の利益及び優先権を主張するものであり、その全内容はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示の主旨の例は、デバイス間の通信に関する。特に、本開示の主旨は、診断ツールと、低電力若しくはバッテリ動作のデバイスとの間の、通信に関する。
【背景技術】
【0003】
高度メータリングインフラストラクチャ(AMI)技術は、メータリングインフラストラクチャをスマート通信のデバイス及び技術のシステムに移行させている。AMI内の低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントは、バッテリ交換前に数十年間動作するように設計されている。バッテリの寿命を延ばしながら、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントで利用できる電力が限られているため、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントには動作上の制限が、内在する。例えば、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントは、完全に機能する親エンドポイントと定期的に通信することができる。低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントが、親電気エンドポイントと通信していないとき、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントは、電力消費を制限するためにスリープモードで動作し得る。
【0004】
低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントをウェイクアップするために(例えば、エンドポイントの通常の動作パラメータ外の、診断動作または他の通信動作を実行するために)、マグネットバスティング技術が実行されてもよい。マグネットバスティング技術は、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントをスリープモードからウェイクすることを含む。マグネットティング技術を用いて低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントをウェイクすると、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントの通常動作時の消費電力と比較して、消費電力が増加する。更に、マグネットバスティング技術では、技術者が低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントに物理的に近接して、診断動作を行う必要がある。一例として、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントは、地下数フィート又は建物の地下内に位置することができる。このような例では、技術者は、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントをスリープモードから動作モードに制御するために、地下の場所にて又は建物の地下内にて、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイントの磁石レセプタの近くに磁石を配置しなければならず、地下の場所では掘削が必要になる場合があり、また、建物の地下では、建物の居住者に迷惑が掛かる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
低電力デバイスでポイントツーポイント通信を提供するシステムおよび方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の様々な態様によれば、通信リンク確立方法が提供される。本方法は、診断ツールにより、ウェイク無線チャネルで無線ウェイク信号を計測メッシュネットワーク内の低電力エンドポイントに送信するステップを含む。ウェイク無線チャネルは、低電力エンドポイントの一意の識別子を用いて選択される。また、本方法は、診断ツールにて、低電力エンドポイントから、無線ウェイク信号が低電力エンドポイントで受信されたことを示す確認メッセージを受信するステップを含む。更に、本方法は、診断ツールにより、ウェイク無線チャネルとは異なる無線通信チャネルにて診断ツールと低電力エンドポイントとの間の通信リンクを確立するステップを含む。更に、本方法は、診断ツールにより、低電力エンドポイントの診断動作を実行するステップを含む。
【0007】
更なる例では、ネットワーク化システムのノードは、コンピュータ読取可能命令を実行するプロセッサと、プロセッサにより実行されるとプロセッサに動作を行わせるコンピュータ読取可能命令を格納するメモリとを含む。動作は、スリープモードに移行するステップと、及び、診断ツールからのウェイク信号をリッスンするウェイクモードに移行するステップとを、含む。動作は、また、ウェイクモードにて、診断ツールからのウェイク信号をウェイク無線チャネルで受信するステップも、含む。ウェイク無線チャネルは、ノードの一意の識別子を使用して選択される。更に、動作は、ウェイク無線チャネルとは異なる通信チャネルにて診断ツールとの通信リンクを確立するステップと、及び、通信チャネルにおいて診断ツールにより診断動作を行うステップとを、含む。
【0008】
更なる例では、内部に命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。命令は、スリープモードに移行するように、低電力エンドポイントを制御するステップと、診断ツールからのウェイク信号をリッスンすることウェイクモードに移行するように、低電力エンドポイントを制御するステップとを含む、動作を実行するために、処理デバイスによって実行可能である。動作は、更に、低電力エンドポイントにおいて、診断ツールからのウェイク信号をウェイク無線チャネルで受信するステップを含む。ウェイク無線チャネルは、低電力エンドポイントの一意の識別子から決定される。更に、動作は、低電力エンドポイントと診断ツールとの間の通信リンクを、ウェイク無線チャネルとは異なる通信チャネルで確立するように、低電力エンドポイントを制御するステップを含む。更に、動作は、通信チャネルにおいて診断ツールにより診断動作を行うように、低電力エンドポイントを制御するステップを、含む。
【0009】
これらの例示的な態様及び特徴は、本開示の主旨を限定若しくは規定するためではなく、本出願で説明する概念の理解を助ける例を提供するために、言及されている。本開示の主旨の、他の態様、利点、及び特徴は、本願全体を検討した後に明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
様々な実施例の態様及び特徴は、添付の図面を参照して実施例を説明することにより、より明らかになるであろう。
【0011】
図1図1は、一つ又は複数の実施例に係る、ネットワーク化システム、及びスマートデバイスのメッシュネットワークのブロック図である。
図2図2は、一つ又は複数の実施例に係る、診断ツール110とバッテリ動作のエンドポイントとの間でポイントツーポイント通信リンクを確立するためのプロセスのフローチャートである。
図3A図3A及び図3Bは、一つ又は複数の実施例に係る、バッテリ動作のエンドポイントと通信ツールとの間のポイントツーポイント通信を確立するためのワークフローの例を含む。
図3B図3A及び図3Bは、一つ又は複数の実施例に係る、バッテリ動作のエンドポイントと通信ツールとの間のポイントツーポイント通信を確立するためのワークフローの例を含む。
図4図4は、一つ又は複数の実施例に係る、図1のネットワーク化システムのノードのブロック図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では特定の実施例が説明されているが、これらの実施例は例示としてのみ提示されており、保護の範囲を限定することを意図されていない。本明細書で説明する装置、方法、及びシステムは、様々な他の形態で具現化することができる。更に、本明細書に記載する例示の方法及びシステムの形態における様々な省略、置換、及び変更は、保護の範囲から逸脱することなく為すことができる。
【0013】
本開示の特定の態様及び実施例は、バッテリ動作のエンドポイント(BEP)と通信するのに使用されるシステム及び方法に関する。BEPは、リソースメータリングに関連するメッシュネットワークのコンポーネントであってもよい。そのような例では、BEPは、リソースメータリング情報又はBEPステータス情報を、追加のメータリングエンドポイント、若しくはメッシュネットワークのヘッドエンドシステムなどの、メッシュネットワーク内の他のデバイスに提供するのに使用されてもよい。
【0014】
BEPの診断サービスを実行するために、技術者がポイントツーポイント通信技術を実施してもよい。例えば、ポイントツーポイント通信技術は、技術者によって、マグネットバスティング動作に依存することなく、診断通信ツールをBEPと通信可能にリンクするように使用され得る。磁石バスティング動作を回避することにより、BEPは、バッテリ電力をセーブでき、BEPに電力を供給するバッテリの寿命を延ばすことができる。更に、ポイントツーポイント通信技術は、技術者がBEPと物理的に近接すべきという要件を回避することができる。
【0015】
一例では、診断ツールで実行される外部ソフトウェアアプリケーション(例えば、診断アプリケーション又はフィールドアプリケーション)は、中央システム(例えば、高度メータリングインフラストラクチャ(AMI)のヘッドエンドシステム)から認証を受信することができる。診断ツールのユーザは、外部ソフトウェアアプリケーションを実行しているデバイスと、ローカル無線機(例えば、通信アダプタ)との間の接続を開始する。 通信アダプタは、BEPにデータを送信し、BEPからデータを受信する機能を提供する。
【0016】
動作において、通信アダプタは、バッテリ動作のエンドポイントの一意の識別子(例えば、シリアル番号またはLAN ID)に基づく特定の周波数チャネルを使用して、バッテリ動作のエンドポイントに接続コマンド(例えば、ウェイクアップメッセージ)を送信する。バッテリ動作のエンドポイントは、親エンドポイント若しくは他のデバイスからのウェイクアップメッセージを定期的にリッスンする。一例では、バッテリ動作のエンドポイントは、バッテリ動作のエンドポイントの一意の識別子に基づいて、特定の周波数チャネルでウェイクアップメッセージをリッスンする。バッテリ動作のエンドポイントが接続コマンドを受信すると、バッテリ動作のエンドポイントは、接続コマンドを受信した旨の表示を通信アダプタに提供する。
【0017】
通信アダプタでバッテリ動作のエンドポイントから応答が受信されると、外部ソフトウェアアプリケーションを実行する診断ツールは、通信アダプタを介してバッテリ動作のエンドポイントに通信接続することができる。この接続は、外部ソフトウェアアプリケーションを実行しているデバイスが、バッテリ動作のエンドポイントの制限された電子データにアクセスする権限を有していることを検証する認証プロセスの完了時に、発生し得る。 接続が完了すると、診断ツールは、外部ソフトウェアアプリケーションを使用して、バッテリ動作のエンドポイントの無線動作に関連する診断プロセス、バッテリ動作のエンドポイントと通信する計測デバイスに関連する診断プロセス、又は、それらの組み合わせを、開始することができる。
【0018】
説明される実施例は、診断デバイスとバッテリ動作のエンドポイントとの間の通信を可能にする、ポイントツーポイント通信技術を提供する。ポイントツーポイント通信技術は、一般的に、リソースメータリング機能を提供するバッテリ動作のエンドポイントでの使用のために説明しているが、決してそのように限定されるものではない。 むしろ、ポイントツーポイント通信技術の実施例は、任意のタイプの低電力デバイスなど、所望に応じて、使用することができる。 例えば、ポイントツーポイント通信技術は、バッテリ動作のエンドポイント、電源へのアクセスが制限されているエンドポイント、又は、主電源に接続されていないエンドポイントなど、任意の低電力エンドポイントで使用され得る。
【0019】
図1は、ネットワーク化システム100とメッシュネットワーク101の実施例を示すブロック図である。ネットワーク化システム100及びメッシュネットワーク101は、スマートデバイス(例えば、通信技術を含むリソース消費量メータ、車両、家電製品など)が、ノード(すなわち、他のスマートデバイス)のネットワーク、インターネット、及び/又はイントラネットを介して通信するための、ネットワークインフラストラクチャを提供する。ネットワーク化システム100は、ヘッドエンドシステム102を含み、このヘッドエンドシステム102は、ネットワーク104からデータのストリームを受信する中央処理システムとして機能し得る。ネットワーク104は、インターネット、イントラネット、又は任意の他のデータ通信ネットワークであってもよい。メッシュネットワーク101は、ルートノード106及び他のノード108a~ノード108hに関連するデータを収集する、該ルートノード106及び該他のノード108a~ノード108hを含み得、ルートノード106は、収集したデータをネットワーク104に送信し、最終的にネットワーク化システム100のヘッドエンドシステム102に送信する。ルートノード106は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ、インターネットゲートウェイ、又は、ネットワーク104に接続可能な任意の他のデバイスであってもよい。
【0020】
ルートノード106は、ルートノード106の下のノード層(例えば、層1)に位置するノード108a及びノード108bとのデータリンクにより、一般に親ノードと呼ばれることがある。例えば、ルートノード106は、ネットワーク104と直接通信しているように図示されている。図示するように、ノード108a及びノード108bは、ノード108a及びノード108bの下のノード層(例えば、層2)に位置するノード108c、ノード108d、ノード108e、及びノード108gとのデータリンクにより、親ノードと呼ばれることもある。更に、ノード108e及びノード108gは、ノード108e及びノード108gの下のノード層(例えば、層3)に位置するノード108f及びノード108hとのデータリンクにより、親ノードと呼ばれることがある。ノード108a~ノード108hは全て、ノード層を介してルートノード106に、最終的にはヘッドエンドシステム102に、情報を集め得る。
【0021】
動作において、より少ない又はより多くのノード108が、メッシュネットワーク101に含まれてもよく、また、より多くのルートノード106が、ネットワーク化システム100に含まれてもよい。更に、図1に描かれるメッシュネットワーク101は、ルートノード層(即ち、ルートノード106)、層1(即ち、ノード108a及びノード108b)、層2(即ち、ノード108c、ノード108d、ノード108e、及びノード108g)、並びに層3(即ち、ノード108f及びノード108h)を含むが、より少ない又はより多いノード層も企図される。更に、図1は、特定のネットワークトポロジ(例えば、DODAGツリートポロジ)を描いているが、他のネットワークトポロジ(例えば、リングトポロジ、メッシュトポロジ、スタートポロジなど)も可能である。
【0022】
ヘッドエンドシステム102は、動作中および非動作中のノード106及びノード108a~ノード108hを追跡することができる。ノード106及び108a~ノード108hのステータスを追跡するために、ノード106及びノード108a~ノード108hは、ノード106とノード108a~ノード108hとの間の定期的通信を追跡し、メッシュネットワーク101を介してアップする中断された通信をヘッドエンドシステム102に報告し得る。報告される通信は、ノード106及びノード108a~ノード108hのうちの一つ又は複数がもはや動作していないことをヘッドエンドシステム102に示し得る。また、他の技術を用いても、ノード106及びノード108a~ノード108hの動作ステータスを追跡し得る。
【0023】
ヘッドエンドシステム102が一つ若しくは複数の非動作のノード106及びノード108a~ノード108hの表示を受信すると、ヘッドエンドシステム102は技術者に問題を通知し、技術者に非動作のノード106及びノード108a~ノード108hの診断を行うよう指示し得る。別の例では、技術者は、動作ステータスに関わらず、ノード106及びノード108a~ノード108hに対して日常的な予防的診断を実施するように配置され得る。例えば、技術者は、停止中であると識別された、又は、定期的な保守であると識別された、ノード106及びノード108a~ノード108hを、診断、修理、又は交換するように配備され得る。本明細書で用いられるように、ノード106及びノード108a~ノード108hは、ノード106及びノード108a~ノード108hが一つ若しくは複数の指定された性能閾値を満たしていないとき、「停止中」と見なされてもよい。 一つの例では、指定された性能閾値は、指定された時間の間、特定のノード106又はノード108a~ノード108hからの検出された通信欠如を含み得る。別の例では、指定された性能閾値は、特定のノード106又はノード108a~ノード108hから受信した計測データの品質を含み得る。
【0024】
技術者は、ノード108dが非動作である、又は、定期的なメンテナンスが予定されている、という表示を受け取り得る。図示されているように、ノード108dは、バッテリ動作のエンドポイントである。ノード108dは、バッテリ動作のエンドポイントであるので、ノード108dは、バッテリ電力を節約するために、通常の動作中にスリープステータスに移行したり、スリープステータスから離脱したりする。ノード108dをスリープステータスからウェイクしてノード108dの診断を行うために、診断ツール110は、通信アダプタ114を用いてウェイク信号112を送信し得る。ウェイク信号112は、ノード108dの、シリアル番号、LAN ID、若しくは他の識別ソースに基づく、特定の周波数又はチャネルであってよい。例えば、ノード108dのLAN IDがAABBCCDDである場合、LAN IDの最後のバイト若しくは最終のバイトが用いられて、ノード108dのウェイクアップチャネル若しくは周波数を決定し得る。ノード108dのウェイクアップチャネル若しくは周波数は、メッシュネットワーク101で使用されていないチャネル若しくは周波数であってもよい。ウェイクアップチャネル若しくは周波数でウェイク信号112を受信すると、ノード108dは、スリープモードからウェイクアップし得る。
【0025】
一例では、ノード108dは、他のノード(例えば、ノード108a)からの標準的な通信をリッスンするために、設定された間隔でスリープモードからウェイクアップし得る。また、ノード108dは、ウェイク信号112を設定された間隔でリッスンし得る。一例では、ウェイク信号112をリッスンするための設定された間隔は、標準的な通信間隔よりも頻度が低い。ウェイク信号112が受信されると、次に、図2及び図3に関して以下でより詳細に説明するように、診断ツール110とノード108dとの間の通信リンクが確立され得る。
【0026】
診断ツール110は、ウェイク信号112を無線信号としてノード108dに提供するので、通信アダプタ114のみがノード108dの無線範囲内に在る必要がある。幾つかの例では、通信アダプタ114は、ノード108dの構内でインターネットと通信している無線通信装置であってもよく、診断ツール110は、診断ツール110が通信アダプタ114を制御するためのアクセス権を有するような、同じくインターネットと通信しているコンピューティングデバイスであってもよい。このような例では、診断ツール110は、通信アダプタ114から遠隔して配置され得る。他の例では、診断ツール110及び通信アダプタ114は、ノード108dの構内で技術者が使用する単一のデバイスに統合され得る。
【0027】
図2は、診断ツール110と、ノード108dなどのバッテリ動作のエンドポイントとの間で、ポイントツーポイント通信リンクを確立するためのプロセス200のフローチャートである。ブロック202において、プロセス200は、ノード108dなどの、非動作の、バッテリ動作のエンドポイントの表示を受信すること、又は、バッテリ動作のエンドポイントのスケジュールされたメンテナンスの表示を受信することを、含む。非動作の、バッテリ動作のエンドポイントの表示、又は、スケジュールされたメンテナンスの表示を受信すると、バッテリ動作のエンドポイントの構内に技術者が派遣され得る。
【0028】
ブロック204において、プロセス200は、バッテリ動作のエンドポイントの無線範囲内で、通信アダプタ114からウェイク信号112を送信することを含む。バッテリ動作のエンドポイントは、ウェイク信号112を確認するために定期的にウェイクするので、通信アダプタは、バッテリ動作のエンドポイントの、一つ若しくは複数のウェイク期間中に、ウェイク信号112が確実に送信されるように、設定された期間中に一定の信号を送信し得る。バッテリ動作のエンドポイントが5秒毎に短期間、ウェイク信号112をリッスンする例では、通信アダプタ114は、バッテリ動作のエンドポイントがウェイク信号112を確実に受信するように、5秒以上にわたってウェイク信号112を送信してもよい。
【0029】
ブロック206において、プロセス200は、ウェイク信号112を認証するために、認証プロセスを実行することを含む。幾つかの例では、認証プロセスは、診断ツール110がバッテリ動作のエンドポイントとの通信が承認されたデバイスであることを保証する任意のステップであってもよい。例えば、診断ツール110は、通信アダプタ114を介してモバイル認証トークン(MAT)をバッテリ動作のエンドポイントに提供してもよく、バッテリ動作のエンドポイントは、MATが受け入れられ、安全な接続が確立されたことを示すメッセージで応答することもできる。
【0030】
ブロック208において、プロセス200は、診断ツール110とバッテリ動作のエンドポイントとの間の通信リンクを確立することを含む。一例では、通信リンクを確立することは、バッテリ動作のエンドポイントと診断ツール110との間の通信チャネルを同期させることを含み得る。例えば、バッテリ動作のエンドポイントは、更なる診断通信のために使用される通信チャネルを示すメッセージを診断ツール110に提供し得る。幾つかの例では、バッテリ動作のエンドポイント及び診断ツール110は、周波数ホッピングパターンを使用して通信し得る。
【0031】
ブロック210において、プロセス200は、バッテリ動作のエンドポイントに関する診断活動を行うことを含む。診断活動は、バッテリ動作のエンドポイントの無線動作に関する診断プロセス、バッテリ動作のエンドポイントの計測動作に関する診断プロセス、又は、それらの組み合わせを含み得る。診断活動は、適切に機能している、又は機能していない、バッテリ動作のエンドポイントのシステムに関する情報を技術者に提供し得る。
【0032】
ブロック212において、プロセス200は、診断プロセスの完了時に通信リンクをリリースすることを含む。通信リンクがリリースされると、バッテリ動作のエンドポイントは、メッシュネットワーク101の他のノード108との標準的なスリープ及びウェイクパターンを再開することができる。一つ若しくは複数の例では、診断ツール110とバッテリ動作のエンドポイントとの間の通信リンクを生成することは、バッテリ動作のエンドポイントをメッシュネットワーク101上の通信から除去することを、含み得る。診断動作の完了後に通信リンクをリリースすると、バッテリ動作のエンドポイントは、メッシュネットワーク101上の通信を再開するために、メッシュネットワーク101に再参加し得る。
【0033】
図3A及び図3Bは、診断ツール110上で動作する外部ソフトウェアアプリケーションとノード108d(例えば、低電力若しくはバッテリ動作のエンドポイント)との間のポイントツーポイント通信を確立するためのワークフロー300の一例を含む。ワークフロー300を使用することにより、技術者は、ノード108dの一定の物理的な近傍の範囲内にいる必要はない。即ち、技術者は、ノード108dに物理的に接触する必要はない。更に、マグネットバスティング動作に関連するウェイクアッププロセスに起因する過剰な電力消費が、回避される。一例では、診断ツール110上で動作する外部ソフトウェアアプリケーションは、最初にマグネットバスティング動作を実行すること無く、無線通信を用いてノード108dとの通信リンクを確立することができる。図3A及び図3Bの例では、ノード108dは、水道メータ304と通信する水道通信モジュール302(例えば、無線機)によって表される。電気計測システムなどの、他の計測システム及びデバイスも、同様の方法で、ポイントツーポイント通信技術を実行することができる。一例では、ワークフロー300は、顧客構内に配備された水道モジュールから診断情報を受信するために現場で実行することができ、又は、ワークフロー300は、水道モジュールが計測位置に配備されていない(例えば、テストラボ内部に配備されていない)テスト環境で実行することができる。
【0034】
ワークフロー300は、RFメッシュ環境で、又はRFメッシュIP環境で、使用することができる。例示の目的で、ワークフロー300は、外部診断ソフトウェアアプリケーションを実行している診断ツール110と、水道モジュール302及び水道メータ304を含むエンドポイント108dとの間の、相互作用として描かれている。しかしながら、他のソフトウェアアプリケーション及びエンドポイントの構成も、本開示の範囲内で企図される。図3Aに示すように、エンドポイント108dは、エンドポイント108dがメッシュネットワーク101を介してヘッドエンドシステム102から通信を受信することができるように、ヘッドエンドシステム102に初期登録してもよい。ヘッドエンドシステム102との登録に成功した後、エンドポイント108dのウェイク及びスリープサイクルモードは、バッテリを節約するために無効化されてもよい。ウェイク及びスリープサイクルモードを有効にするために、ヘッドエンドシステム102は、技術者がエンドポイント108dに対して診断動作を行うという表示を受信したときに、「Enable Tool Mode」コマンドを送信してもよい。「Enable Tool Mode」コマンドは、エンドポイント108dが通信アダプタ114からのウェイク信号をリッスンすることができるように技術者が予想される期間、ウェイク及びスリープサイクルを開始するべく水道モジュール302に指示する。
【0035】
診断ツール110は、Bluetooth若しくはシリアル通信リンクを使用して、通信アダプタ114と通信する。Bluetooth若しくはシリアル通信リンクを介して、診断ツール110は、通信アダプタ114にメッセージを送信して、通信アダプタ通信リンクの確立を開始する。これを受けて、通信アダプタ114は成功応答を提供する。成功応答が診断ツール110に返されると、診断ツール110は次に、ノード108dと(例えば、水道モジュール302、若しくはノード108dの他の無線部分を介して)接続(例えば、通信リンク)を確立する表示を通信アダプタ114に提供する。
【0036】
通信アダプタ114は、診断ツール110からメータへの接続表示を受信すると、ウェイクアップメッセージ(例えば、図1のウェイク信号112)を水道モジュール302に送信する。ウェイクアップメッセージは、メータの一意の識別子(例えば、シリアル番号やLAN ID)に関連付けられた周波数若しくはチャネルで送信される。例えば、通信アダプタ114及び水道モジュール302は、LAN IDの低次バイトに対応するチャネルを使用し得る。水道モジュール302が限られた時間、周期的なリスニングステータスにある間にウェイクアップメッセージが送信されることを保証するために、通信アダプタは、水道モジュール302が少なくとも一つのウェイク及びスリープサイクルを循環したことを保証するのに十分な時間、ウェイクアップメッセージを送信してもよい。例えば、水道モジュール302が5秒毎に1msの間ウェイクする場合、通信アダプタ114は、少なくとも10秒間、ウェイクアップメッセージを送信してもよい。水道モジュール302がウェイクアップメッセージを受信すると、水道モジュール302はスリープモードを終了し、通信アダプタ114にウェイクアップメッセージを受信した旨の確認応答を提供する。スリープモードを抜けると、水道モジュールは、水道モジュール302が動作していたメッシュネットワーク101の任意の親エンドポイント(例えば、図1のノード108a)から切断し得る。
【0037】
ウェイクアップメッセージが受信されたという水道モジュール302からの確認応答に対して、通信アダプタ114は、ウェイクアップメッセージが送信された周波数若しくはチャネルで、無線周波数構成メッセージを水道モジュールに提供する。無線周波数構成メッセージは、通信アダプタ114と水道モジュール302が通信できる異なるチャネルを確立し得る。水道モジュール302が新しいチャネルを承認すること、又は、水道モジュール302が異なる通信チャネルを提示することが、できる。このプロセスは、通信アダプタ114及び水道モジュール302によって通信チャネルが合意されるまで、続けることができる。
【0038】
通信アダプタ114と水道モジュール302との間の通信リンクを確立する他の方法も企図される。例えば、通信アダプタ114は、水道モジュール302の周波数ホッピングパターンに適合して、通信リンクを確立し得る。水道モジュール302が周波数ホッピングパターンで動作する場合、通信アダプタ114は、水道モジュール302の周波数ホッピングパターンを識別するために、多数の異なる周波数チャネルでRF構成メッセージを送信し得る。例えば、水道モジュール302は、水道モジュール302が現在動作している周波数チャネルで確認応答を返し得る。通信アダプタ114は、水道モジュール302のホッピングパターンを知り得、通信アダプタ114は、水道モジュール302の現在の周波数チャネルの表示に基づいてそのパターンに同期し得る。一例では、ホッピングパターンは、メッシュネットワーク101全体で一意であるモジュールのシリアル番号に基づいて開発され得る。チャネル若しくは周波数スペクトルは、国に基づくハードウェアおよびファームウェアの能力から導出され得る。例えば、米国では、902~928MHzのRFスペクトルが使用される。
【0039】
通信アダプタ114と水道モジュール302との間の通信チャネルが確立されると、通信アダプタ114は、認証プロセスが望まれる場合に診断ツール110とノード108dとの間の認証プロセスを開始するために、ノード108dに「暗号モード取得(get encryption mode)」コマンドを提供し得る。一例では、水道モジュール302が「暗号モード取得(get encryption mode)」コマンドを認識したという表示を受信すると、診断ツール110は、通信アダプタ114を介して水道モジュール302にモバイル認証トークン(MAT)を提供する。MATは、診断ツール110が水道モジュール302の電子的に制限されたデータにアクセスすることを許可されていることを示す表示を、水道モジュール302に提供する。図3Bに目を向けると、水道モジュール302は、MATが受け入れられ安全な接続が確立されたことを示す表示で、応答することができる。
【0040】
他のタイプのワークフローも使用されてもよく、通信アダプタ114及び水道モジュール302によって使用される通信のタイプに基づいてもよい。通信のタイプには、RFメッシュ、RFメッシュIP、無線スマートユーティリティネットワーク(Wi-SUN)、及び、他の標準ベースの通信が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実装では、水道モジュール302は、ウェイクアップし、チャネルホッピングを開始する。チャネルホッピングは、(例えば、メッシュネットワーク101上の)典型的なネットワーク通信に使用される任意のチャネルホッピングとは異なっていてもよい。この実装では、通信アダプタ114は、複数のチャネルでウェイクアップメッセージを水道モジュール302に送信してもよく、ワークフローは、通信アダプタ114と水道モジュール302との間の通信のためのチャネルの一つを決定することを含んでもよい。
【0041】
通信リンクを確立すると、診断ツール110は、通信アダプタ114を介して水道モジュール302に診断コマンドを提供することができる。診断コマンドは、水道モジュール302の無線パラメータ構成に対する診断要求を含む。水道モジュール302から成功した応答を受信すると、診断ツール110は、無線動作診断プロセス306、計測動作診断プロセス308、又はその両方を、開始することができる。無線動作診断プロセス306は、水道モジュール302の無線が適切に機能していることを確認するため、又は、水道モジュール302の無線がどのように動作しているかの問題点を特定するために、水道モジュール302の無線に対して診断動作を実行することを含むことができる。一例では、無線動作診断コマンドが、通信アダプタ114を介して水道モジュール302に送信される。
【0042】
計測動作診断プロセス308は、水道モジュール302に関連付けられた水道メータ304に対して診断動作を実行して、水道メータ304が適切に機能していることを確認したり、水道メータ304がどのように動作しているかの問題点を特定したりすることを含んでもよい。一例では、計測動作診断コマンドが、通信アダプタ114を介して水道モジュール302に送信される。次に、水道モジュールは、診断メッセージを水道メータ304に送信し、水道メータ304からの応答を受信し、通信アダプタ114を介して診断ツール110に診断応答を送信する。
【0043】
診断プロセスが完了すると、診断ツール110は、通信リンクを切断するコマンドを水道モジュール302に送信する。水道モジュール302は、診断ツール110への応答で切断を確認し、メッシュネットワーク101内の親機(例えば、ノード108a)との再接続を試みる。例えば、水道モジュール302は、メッシュネットワーク101との通信リンクを生成するために、新規加入プロセスを開始し得る。水道モジュール302からの確認を受けて、診断ツール110は、通信アダプタ114にメッセージを送信して、診断ツール110と通信アダプタ114との間の通信リンクを切断し得る。そして、通信アダプタ114は、診断ツール110への応答で切断を確認する。
【0044】
図4は、メッシュネットワーク101のノード106又は108のコンポーネントのブロック図の一例である。コンピューティングシステム400のコンポーネントの一部又は全部は、図1のノード106又はノード108a~ノード108hのうちの一つ若しくは複数に属し得る。コンピューティングシステム400は、一つ若しくは複数のメモリデバイス414に通信可能に結合する一つ若しくは複数のプロセッサ402を含む。コンピューティングシステム400は、図1図3に関して上述した一つ若しくは複数の動作を実行するようにプロセッサ402を構成するプログラムコードを実行する。例えば、メモリデバイス414は、(例えば、水道メータ304を制御する)計測アプリケーション416と、(例えば、水道モジュール302を制御する)通信アプリケーション418とを含み得る。非一時的コンピュータ実行可能命令の形態とすることができる、計測アプリケーション416及び通信アプリケーション418のプログラムコードは、メモリデバイス414若しくは任意の適切なコンピュータ読取可能媒体に、常駐することができ、プロセッサ402によって実行することができる。そのようなプログラムコードの実行は、ノード106及びノード108a~ノード108hに関して本明細書に記載の動作を、プロセッサに構成させ、若しくは実行させる。図4は、メモリデバイス414内部に格納された計測アプリケーション416を描いているが、ノード106及びノード108a~ノード108hの他の動作に関連する他のアプリケーションは、ノード106及びノード108a~ノード108hの機能性に応じて、計測アプリケーション416を置き換えたり、計測アプリケーション416に追加したり、することができる。更に、通信アプリケーション418は、ノード106及びノード108a~ノード108hが、RFメッシュ又は任意の他の有線若しくは無線の通信規格を含む、複数の通信規格を実装する命令を提供し得る。
【0045】
コンピューティングシステム400はまた、入力デバイスから入力を受け取り、又は、出力デバイスに出力を提供できる入力/出力(「I/O」)インターフェース408を含んでもよい。インターフェース408は、メッシュネットワーク101内の他のノード106又は108から、及び診断ツール110から、RF通信を送受信できるRFアンテナを含んでもよい。また、コンピューティングシステム400は、インターフェース408を使用して、一つ若しくは複数の他のコンピューティングデバイスまたはコンピュータ読取可能データソースと通信することができてもよい。更に、バス406もコンピューティングシステム400に含めることができる。バス406は、コンピューティングシステム400の一つ若しくは複数のコンポーネントを通信可能に結合し、それらコンポーネント間の通信を可能にすることができる。
【0046】
本開示の実施例の主旨は、法令上の要件を満たすように本明細書で具体的に説明しているが、この説明は必ずしも本開示の主旨の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の主旨は、他の方法で具現化されてもよく、異なる要素若しくはステップを含んでもよく、又、他の既存の若しくは将来の技術と組み合わせて用いられてもよい。本説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、様々なステップ若しくは要素の間、又はそれらの間の、特定の順序若しくは配置を示唆する、と解釈されるべきではない。
【0047】
上述の内容は、様々な実施例を例示、説明、および記述する目的で提供されている。これらの例を説明したところで、当業者であれば、本開示の精神から逸脱することなく、様々な変更、代替的構成、及び等価物を使用することができることを認識するであろう。図面に描かれた、又は上述したコンポーネントの様々な配置、並びに、図示又は説明されていない追加のコンポーネント及びステップが、可能である。本明細書に開示の、特定の特徴、及び特定の特徴のサブコンビネーションは、有用であり、他の特徴及びサブコンビネーションを参照することなく、採用することができる。更に、実施例を不必要に不明瞭にすることを避けるために、多くの周知のプロセス及び要素は説明されていない。実施例は、制限的な目的ではなく例示の目的のために記載されており、代替の実施例は本特許の読者に明らかになるであろう。従って、実施例は、上述したものや図面に描かれたものに限定されるものではなく、本開示の主旨の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4