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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】発光基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20241216BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241216BHJP
【FI】
H05K3/34 502A
H01L33/62
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021559775
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021119741
(87)【国際公開番号】W WO2023035323
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2021-11-19
【審判番号】
【審判請求日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】202111051467.5
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陸 ▲カ▼俊
(72)【発明者】
【氏名】趙 斌
(72)【発明者】
【氏名】肖 軍城
【合議体】
【審判長】馬場 慎
【審判官】丸山 高政
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-209612(JP,A)
【文献】特開昭61-110490(JP,A)
【文献】特開2012-156389(JP,A)
【文献】特開2019-62064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光基板の製造方法であって、
底板と、前記底板の取付面に取り付けられるパッドアセンブリとを含む第1基板を提供するステップと、
前記パッドアセンブリの外側に位置するように前記底板の前記取付面に溝を形成するステップと、
前記底板の前記取付面における前記溝の外側に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布することにより、前記溝の外側に位置する第1インキ層と前記溝内に位置する第2インキ層とが含まれるソルダーレジストインキ層を形成するステップと、
LEDチップを提供し、前記LEDチップと前記パッドアセンブリとを接続するステップと、
を含み、
前記溝の幅は、30μm~60μmであり、前記溝の深さは、15μm~45μmである発光基板の製造方法。
【請求項2】
前記底板の前記取付面に前記溝を形成するステップは、前記底板の前記取付面に前記溝が形成されるように、前記底板の前記取付面にレーザを照射するステップを含む、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1基板は、前記底板の前記取付面に設けられる導線をさらに含み、
前記導線は、前記パッドアセンブリに接続され、
前記溝は、前記導線の位置で遮断される、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項4】
前記パッドアセンブリは、間隔をあけて設けられる第1パッドと第2パッドとを含み、
前記溝の内縁と前記第1パッドの外縁との間の距離は、5μm~15μmであり、
前記溝の内縁と前記第2パッドの外縁との間の距離は、5μm~15μmである、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項5】
前記底板の前記取付面における前記溝の外側に位置する箇所に前記ソルダーレジストインキを塗布するステップは、前記取付面における前記溝の外縁から0を超えかつ5μm未満の範囲内に位置する箇所に前記ソルダーレジストインキを塗布するステップを含む、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項6】
前記LEDチップと前記パッドアセンブリとを接続するステップは、溶接により前記LEDチップと前記パッドアセンブリとを接続するステップを含む、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項7】
前記底板の前記取付面における前記溝の外側に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布するステップは、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により前記溝の外側から前記ソルダーレジストインキを塗布するステップを含む、請求項1に記載の発光基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1パッド及び前記第2パッドの材料は、いずれも金属である、請求項4に記載の発光基板の製造方法。
【請求項9】
取付面を有する底板と、
前記底板の前記取付面に取り付けられるパッドアセンブリと、
前記底板の前記取付面に設けられるソルダーレジストインキ層と、
前記パッドアセンブリの外側に位置するように前記底板の前記取付面に形成される溝と、
前記パッドアセンブリに接続されるLEDチップと、
を含み、
前記ソルダーレジストインキ層は、前記溝の外側に位置する第1インキ層と、前記溝内に位置する第2インキ層とを含み、
前記溝の幅は、30μm~60μmであり、前記溝の深さは、15μm~45μmである、発光基板。
【請求項10】
前記発光基板は、前記底板の前記取付面に設けられる導線をさらに含み、
前記導線は、前記パッドアセンブリに接続され、
前記溝は、前記導線の位置で遮断される、請求項9に記載の発光基板。
【請求項11】
前記パッドアセンブリは、間隔をあけて設けられる第1パッドと第2パッドとを含み、
前記溝の内縁と前記第1パッドの外縁との間の距離は、5μm~15μmであり、
前記溝の内縁と前記第2パッドの外縁との間の距離は、5μm~15μmである、請求項9に記載の発光基板。
【請求項12】
前記第1インキ層の厚さは、15μm~45μmである、請求項9に記載の発光基板。
【請求項13】
前記第2インキ層の厚さは、15μm~45μmである、請求項9に記載の発光基板。
【請求項14】
前記LEDチップと前記パッドアセンブリとは、溶接により接続される、請求項9に記載の発光基板。
【請求項15】
前記第1パッド及び前記第2パッドの材料は、いずれも金属である、請求項11に記載の発光基板。
【請求項16】
前記底板の材料は、樹脂又はガラスである、請求項9に記載の発光基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ技術分野に関し、特に発光基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MLED(Mini-LED)技術の主な発展方向は、バックライト及びダイレクト表示の2つの部分に分けられている。ダイレクト表示製品又はバックライト製品にもかかわらず、MLEDパッケージ構造の表面はソルダーレジストインキで被覆される必要がある。
【0003】
現在、MLED製品は、ソルダーレジストインキの塗布精度に対する要求がますます高くなっており、即ち、ソルダーレジストインキとパッドとの間の距離を小さくする必要がある。しかし、従来のインキ塗布プロセスによりソルダーレジストインキの塗布精度を向上してみたところ、ソルダーレジストインキがパッドに溢れる現象、即ち、パッドの表面の一部又は全部にソルダーレジストインキが被覆される現象が発生することが多い。パッドにソルダーレジストインキが被覆されると、LEDチップと溶接する過程中に溶接不良又は溶接不能が発生する場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例によれば、ソルダーレジストインキがパッドに溢れることによる溶接不良又は溶接失効を回避できる発光基板及びその製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様によれば、
底板と、前記底板の取付面に取り付けられるパッドアセンブリとを含む第1基板を提供するステップと、
前記パッドアセンブリの外側に位置するように前記底板の前記取付面に溝を形成するステップと、
前記底板の前記取付面における前記溝の外側に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布することにより、前記溝外側に位置する第1インキ層と前記溝内に位置する第2インキ層とが含まれるソルダーレジストインキ層を形成するステップと、
LEDチップを提供し、前記LEDチップと前記パッドアセンブリとを接続するステップと、
を含む発光基板の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の第2態様によれば、
取付面を有する底板と、
前記底板の前記取付面に取り付けられるパッドアセンブリと、
前記底板の前記取付面に設けられるソルダーレジストインキ層と、
前記パッドアセンブリの外側に位置するように前記底板の前記取付面に形成される溝と、
前記パッドアセンブリに接続されるLEDチップと、
を含み、
前記ソルダーレジストインキ層は、前記溝の外側に位置する第1インキ層と、前記溝内に位置する第2インキ層とを含む発光基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施例に係るTFTバックプレーンは、感圧トランジスタを設けることにより、第1感圧材料層が圧力を受けると、第1感圧材料層の片側に位置する第2導電層に低電位が形成され、第1感圧材料層の他側に位置する第2グリッドに高電位が形成され、感圧トランジスタがオンにされて電流が産生され、圧力信号が電気信号に変換され、電気信号の大きさを監視することで、LED転移圧着過程でTFTバックプレーンが受ける圧力変化をリアルタイムで監視することができ、バックプレーンが受かる圧力が高すぎることによる内部回路の短絡が回避され、転移効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下に示される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、これらの図面に基づいて創造的努力なしに他の図面を得ることができる。
【0009】
本発明及びその有益な効果をより完全に理解するために、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、同じ符号で同じ部分を表す。
【0010】
図1】本発明の実施例に係る発光基板の製造方法のフローチャートである。
図2図1の製造方法のステップ100の模式図である。
図3図2における構造のA-A方向に沿う断面模式図である。
図4図1の製造方法のステップ200の模式図である。
図5図4における構造のB-B方向に沿う断面模式図である。
図6図1の製造方法のステップ300の模式図である。
図7図6における構造のC-C方向に沿う断面模式図である。
図8図1の製造方法のステップ400の模式図、及び本発明の実施例に係る発光基板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例に関する図面により本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明する。以下の実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに得られる他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る発光基板の製造方法のフローチャートである。本発明の実施例によれば、以下のステップ100からステップ400を含む発光基板の製造方法が提供される。
【0013】
ステップ100において、底板と、底板の取付面に取り付けられるパッドアセンブリとを含む第1基板を提供する。
【0014】
図2及び図3を参照されたい。図2は、図1の製造方法のステップ100の模式図である。図3は、図2における構造のA-A方向に沿う断面模式図である。パッドアセンブリ12は、間隔をあけて設けられる第1パッド121と第2パッド122とを含んでもよい。理解できるように、第1パッド121及び第2パッド122のうちの一方は、LEDチップ30の正極に溶接することができ、第1パッド121及び第2パッド122のうちの他方は、LEDチップ30の負極に溶接することができる。
【0015】
図2に示すように、第1基板20は、底板11の取付面に設けられる導線14をさらに含んでもよい。導線14はパッドアセンブリ12に接続される。具体的には、パッドアセンブリ12における第1パッド121及び第2パッド122は、それぞれ異なる2本の導線14に接続される。
【0016】
例示的には、底板11の材料は、樹脂又はガラスなどであってもよい。第1パッド121及び第2パッド122の材料はいずれも金属、例えば、銅(Cu)であってもよい。
【0017】
ステップ200において、パッドアセンブリの外側に位置するように底板の取付面に溝を形成する。
【0018】
例示的には、「底板11の取付面に溝115を形成するステップ」は、具体的には、底板11の取付面に溝115が形成されるように底板11の取付面にレーザを照射するステップを含んでもよい。
【0019】
図4及び図5を参照されたい。図4は、図1の製造方法のステップ200の模式図である。図5は、図4における構造のB-B方向に沿う断面模式図である。パッドアセンブリ12が間隔をあけて設けられる第1パッド121と第2パッド122とを含む場合、溝115の内縁と第1パッド121の外縁との間の距離aは5μm~15μm(例えば、5μm、7μm、9μm、10μm、12μm、14μm、15μmなど)に設定され、溝115の内縁と第2パッド122の外縁との間の距離bは5μm~15μm(例えば、5μm、7μm、9μm、10μm、12μm、14μm、15μmなど)に設定されてもよい。理解できるように、レーザ加工の精度が高いため、溝115をパッドアセンブリ12から近い位置に形成することができる。
【0020】
図4から分かるように、溝115は、導線14を逃げるために導線14の位置で遮断される。つまり、溝115は非閉鎖構造である。
【0021】
例示的には、溝115は全体として矩形であってもよい。
【0022】
例示的には、導線14の材料は金属、例えば、銅(Cu)であってもよい。
【0023】
ステップ300において、底板の取付面における溝の外側に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布することにより、溝の外側に位置する第1インキ層と溝内に位置する第2インキ層とが含まれるソルダーレジストインキ層を形成する。
【0024】
図6及び図7を参照されたい。図6は、図1の製造方法のステップ300の模式図である。図7は、図6における構造のC-C方向に沿う断面模式図である。「底板の取付面における溝の外側に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布するステップ」は、具体的には取付面における溝115の外縁から0を超えかつ5μm未満の範囲内(例えば、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μmなど)に位置する箇所にソルダーレジストインキを塗布するステップを含んでもよい。理解できるように、インキが流動性を有するため、溝115の外側に塗布されるソルダーレジストインキは、溝115が位置する方向へ自動的に流動し、溝115内に入り、硬化して溝115内に位置する第2インキ層132を形成し、溝115の外側における底板11の表面に位置するソルダーレジストインキは硬化して第1インキ層131を形成する。
【0025】
理解できるように、第2インキ層132によって溝115が完全に満たされてもよい。即ち、第2インキ層132の厚さは溝115の深さと等しい(図7)。或いは、第2インキ層132によって溝115が完全に充填されなくてもよい。即ち、第2インキ層132の厚さは溝115の深さよりも小さい。
【0026】
例示的には、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により溝115の外側からソルダーレジストインキを塗布することができる。
【0027】
理解できるように、ソルダーレジストインキの作用は以下の通りである。
1、ソルダーレジスト層として溶接プロセスにおけるブリッジングによる短絡を防止する。
2、保護層として底板11における回路を保護するとともに絶縁の作用を奏する。
3、ソルダーレジストインキ層13に顔料を添加してもよい。異なる顔料の添加による作用が異なる。例えば、ソルダーレジストインキ層13に白色顔料を添加することにより、ソルダーレジストインキ層13に白色インキ層が形成される。白色インキ層は、反射能力が高いため、バックライト製品に適用されることで液晶表示装置の光源利用率が向上される。或いは、ソルダーレジストインキ層13に黒色顔料を添加することにより、ソルダーレジストインキ層13に黒色インキ層が形成される。黒色インキ層は、コントラストが高いため、ダイレクト表示製品に適用されることでLED表示製品のコントラストと表示効果が向上される。
【0028】
現在、LEDバックライト製品は、反射率に対する要求がますます高くなっている。LEDバックライト製品では、外側の白色ソルダーレジストインキ層13の反射率を90%以上に確保するために、白色ソルダーレジストインキ層13の内縁とパッドの外縁との距離を50μm未満にする必要がある。つまり、白色ソルダーレジストインキ層13がパッドの周りの全ての領域をできるだけカバーするようにパッドの位置に近いほどよい。しかしながら、従来のインキ印刷プロセスの制限によって、現在達成可能な最大インキ塗布精度は75μmであり、ソルダーレジストインキ層の内縁とパッドの外縁との距離を75μm未満にすると、パッド表面へのインキの溢出(即ち、ソルダーレジストインキがパッドに溢れる)現象が発生し、その結果、パッドとLEDチップとを溶接する際に溶接不良又は溶接困難が発生し、現在のインキ塗布精度に対するLEDバックライト製品の要求が満たされない。理解できるように、インキ塗布精度が高いほど、インキの内縁とパッドの外縁との間の距離は小さくなり、白色ソルダーレジストインキ層13を有するLEDバックライト製品の反射率は高くなり、ハイエンド製品の仕様設計のニーズを満たすことができる。本発明の実施例では、パッドアセンブリ12の外側に位置する底板11の箇所に溝115を形成することによって、溝115の外側に塗布されるソルダーレジストインキが溝115によりガイドされて自動的に溝115内に流れ込むことでパッドアセンブリ12に近い第2インキ層132が形成される。レーザ加工などのプロセスの製造精度が高いため、溝115をできるだけパッドアセンブリ12に近く形成することは可能である。現在、溝115の内縁とパッドアセンブリ12の外縁との間の距離を5μm~15μmにすることができる。溝115内に第2インキ層132が設けられているため、溝115の内縁はソルダーレジストインキ層13の内縁となり、つまり、ソルダーレジストインキ層13の内縁とパッドアセンブリ12の外縁との間の距離(インキ塗布精度)は5μm~15μmになる。これによって、LEDバックライト製品のインキ塗布精度は大幅に高くなり、LEDバックライト製品の反射率を90%以上にすることは可能となる。また、溝115は高い収容能力を有し、塗布位置からパッドアセンブリ12へ流れるソルダーレジストインキを受けることができるため、ソルダーレジストインキがパッドアセンブリ12に溢れることによる溶接不良又は溶接失効の発生は回避される。
【0029】
さらに、目前LEDダイレクト表示製品のピッチ(Pitch;画素間の距離)は小さくなっている。これは、ソルダーレジストインキの塗布精度に対する要求は高くなり、ソルダーレジストインキとパッドとの距離は近くなることを意味する。LEDダイレクト表示製品のピッチが0.6mm以下である場合、現在の黒色ソルダーレジストインキの印刷プロセスは精度の要求を満たすことができないため、その代わりにBM(ブラックマトリックス)を使用するしかない。本発明の実施例に係る発光基板の製造方法では、パッドアセンブリ12の外側に位置する底板11の箇所に溝115を形成することによって、ソルダーレジストインキに対する溝115のガイド効果、及び溝115を形成するプロセス自体の精度が高いという利点を利用してソルダーレジストインキ層13の内縁とパッドアセンブリ12の外縁との間の距離を大幅に短縮することができ(5μm~15μmにすることができ)、高いインキ塗布精度を実現することができる。黒色ソルダーレジストインキ層13を有するLEDダイレクト表示製品では、LEDダイレクト表示製品のコントラストは大幅に向上するため、その表示効果は向上する。また、溝115により溢出したソルダーレジストインキを収容することにより、ソルダーレジストインキがパッドアセンブリ12に溢れることによる溶接不良又は溶接失効は回避される。
【0030】
例示的には、溝115の幅wは、30μm~60μm(例えば、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μmなど)であってもよく、溝115の深さhは、15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)であってもよい。
【0031】
例示的には、第1インキ層131の厚さは、15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)であってもよく、第2インキ層132の厚さは、15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)であってもよい。
【0032】
ステップ400において、LEDチップを提供し、LEDチップとパッドアセンブリとを接続する。
【0033】
図8は、図1の製造方法のステップ400の模式図及び本発明の実施例に係る発光基板の模式図である。LEDチップ30とパッドアセンブリ12とは溶接により接続することができる。
【0034】
例示的には、LEDチップ30は正極と負極を有し、正極は第1パッド121に接続され、負極は第2パッド122に接続されてもよい。
【0035】
以上より、本発明の実施例に係る発光基板の製造方法では、底板11に溝115を形成することにより、溝115の外側に塗布されるソルダーレジストインキは溝115によってガイドされて自動的に溝115内に流れ込むことでソルダーレジストインキ層13とパッドアセンブリ12との間の距離が短縮され、ソルダーレジストインキ層の塗布精度が向上する。また、ソルダーレジストインキ層13が高い塗布精度を有することが保証されるとともに、溝115が溢出するインキを収容する能力を有するため、ソルダーレジストインキがパッドアセンブリ12に溢れることによる溶接不良又は溶接失効の発生が回避される。さらに、本発明の製造方法は簡単で、実現されやすく、生産コストが低い。
【0036】
図6から8を参照されたい。本発明の実施例によれば、発光基板100がさらに提供される。発光基板100は、上記のいずれかの実施例に係る発光基板100の製造方法により製造することができる。発光基板100は、底板11と、パッドアセンブリ12と、ソルダーレジストインキ層13と、LEDチップ30とを含んでもよい。底板11は、取付面を有し、パッドアセンブリ12は、底板11の取付面に取り付けられ、ソルダーレジストインキ層13は、底板11の取付面に設けられ、パッドアセンブリ12の外側に位置するように底板11の取付面に溝115が形成される。ソルダーレジストインキ層13は、溝115の外側に位置する第1インキ層131と溝115内に位置する第2インキ層132とを含む。LEDチップ30とパッドアセンブリ12とは接続される。
【0037】
図6及び図7に示すように、パッドアセンブリ12は、間隔をあけて設けられる第1パッド121と第2パッド122とを含んでもよい。溝115の内縁と第1パッド121の外縁との間の距離aは5μm~15μm(例えば、5μm、7μm、9μm、10μm、12μm、14μm、15μmなど)であり、溝115の内縁と第2パッド122の外縁との間の距離bは5μm~15μm(例えば、5μm、7μm、9μm、10μm、12μm、14μm、15μmなど)である。
【0038】
図4及び図6に示すように、発光基板100は、底板11の取付面に取り付けられる導線14をさらに含んでもよい。導線14とパッドアセンブリ12とは接続される。溝115は導線14を逃げるために導線14の位置で遮断される。具体的には、パッドアセンブリ12における第1パッド121及び第2パッド122は、それぞれ異なる2本の導線14に接続される。
【0039】
例示的には、溝115の幅wは30μm~60μm(例えば、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μmなど)、溝115の深さhは15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)であってもよい。
【0040】
例示的には、第1インキ層131の厚さは15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)、第2インキ層132の厚さは15μm~45μm(例えば、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μmなど)であってもよい。
【0041】
理解できるように、溝115は第2インキ層132によって完全に満たされてもよい。即ち、第2インキ層132の厚さは溝115の深さと等しい(図7)。或いは、溝115は第2インキ層132によって完全に満たされなくてもよい。即ち、第2インキ層132の厚さは溝115の深さよりも小さい。
【0042】
例示的には、底板11の材料は樹脂又はガラスなどであってもよい。第1パッド121及び第2パッド122の材料はいずれも金属、例えば、銅(Cu)であってもよい。導線14の材料は金属、例えば、銅(Cu)であってもよい。
【0043】
例示的には、溝115は全体として矩形であってもよい。
【0044】
例示的には、LEDチップ30とパッドアセンブリ12とは溶接により接続されてもよい。
【0045】
例示的には、LEDチップ30は正極と負極とを有し、正極は第1パッド121に接続され、負極は第2パッド122に接続されてもよい。
【0046】
発光基板100は、バックライト製品であってもよく、即ち、液晶表示装置に適用されて液晶パネルに光源を提供することができる。
【0047】
発光基板100は、ダイレクト表示製品であってもよく、即ち、表示装置として直接使用することができる。
【0048】
本発明の実施例に係る発光基板100では、パッドアセンブリ12の外側に位置する底板11の箇所に溝115を形成することによって、ソルダーレジストインキ層13の内縁は溝115の内縁まで延在することができる。溝115を形成するプロセスの精度が高く、即ち、溝115の内縁をできるだけパッドアセンブリ12に近くすることができるため、ソルダーレジストインキ層13の内縁とパッドアセンブリ12の外縁との間の距離は短縮され、ソルダーレジストインキ層13の塗布精度は向上する。さらに、ソルダーレジストインキ層13が高い塗布精度を有することが保証されるとともに、溝115が溢出するインキを収容する能力を有するため、ソルダーレジストインキがパッドアセンブリ12に溢れることによる溶接不良又は溶接失効の発生が回避される。また、この発光基板100は、構造が簡単で、製造が容易で、生産コストが低い。さらに、発光基板100におけるソルダーレジストインキ層13の塗布精度が高いため、発光基板100は、バックライト製品として使用される場合(即ち、ソルダーレジストインキ層13が白色インキである場合)、バックライト製品の反射率を向上させることができる。発光基板100は、ダイレクト表示製品として使用される場合(即ち、ソルダーレジストインキ層13が黒色インキである場合)、ダイレクト表示製品のコントラストを向上させ、その表示効果を向上させることができる。したがって、この発光基板100は、様々なハイエンド製品の仕様設計のニーズを満たすことができる。
【0049】
以上、本発明の実施例に係る発光基板及びその製造方法を詳しく説明した。本明細書では、具体的な例により本発明の原理及び実施形態を述べたが、以上の実施例の説明は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎない。また、当業者は、本発明の思想に基づいて具体的な実施形態及び使用範囲を変更することができる。したがって、本明細書の内容は、本発明に対する制限として理解されるべきではない。
図1
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図8