(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】LEDモジュール、LEDディスプレイモジュール、および当該モジュールを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20241216BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20241216BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2021563192
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 EP2020058124
(87)【国際公開番号】W WO2020216549
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】102019110500.5
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019125875.8
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/052191
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ルース ボス
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン ヴィットマン
(72)【発明者】
【氏名】コアビニアン ペアツルマイアー
(72)【発明者】
【氏名】フランク ジンガー
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0280086(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0114878(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLEDモジュールを製造する方法であって、
キャリア上に、第1の層と、前記第1の層上に施与された活性層と、前記活性層上に形成された第2の層とを有する、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップと、
前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域を露出させるステップと、
前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域に第1のコンタクトを形成するステップと、
前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域に第2のコンタクトを形成するステップと、
複数のベースモジュールから、前記第1の層を介して、特に前記第2の層の側から
、パターニングによって、少なくとも1つのLEDモジュールを形成するステップと、
パターニング部に隣り合って延びる前記活性層の領域に量子井戸インターミキシングを発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2のコンタクトを形成するステップが、
前記活性層および前記第2の層の部分領域を覆うように電気絶縁性の誘電体を形成するステップと、
前記第2のコンタクトを、反対側の前記第1の層の表面領域に電気的に接触しつつ前記誘電体を介して前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域まで広がっている導電性材料で形成するステップと
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記少なくとも1つの層スタック
のパターニングによって、特に前記第2の層の側から、前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域を露出させ、特に、それぞれの層スタックの周囲を延在す
るトレンチを作製するステップを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、複数のベースモジュールを、X-Y平面上で少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とに沿ったマトリクスとして作製し、それぞれの行のベースモジュールは同じ向きにするステップを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
隣り合う2つの行のベースモジュールを反対向きにすることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトが互いに隣り合って配置される、
請求項
1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、2つの隣り合っている互いに反対向きのベースモジュールの共通の層スタックを作製するステップを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、
複数のベースモジュールを、少なくとも1つのLEDモジュール、特にX-Y平面に沿った長方形または正方形のLEDモジュールに組分けするステッ
プ
を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記ベースモジュールが、
前記キャリアとは別のキャリア上に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、
レーザーリフトオフにより前記ベースモジュールまたはLEDモジュールを前記キャリアから引き離すステップと、
機械的な方法で前記ベースモジュールまたはLEDモジュールを前記キャリアから引き離すステップ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、前記LEDモジュールの前記コンタクトを、特にフリップチップ技術を用いて、交換用キャリアまたはエンドキャリアに接触させるステップ
を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
隣り合う反対向きの前記LEDモジュールのベースモジュールのコンタクト用に共通のコンタクト領域が作製される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第1の層がn型ドープされており、前記第2の層がp型ドープされており、前記活性層は、特に青色または緑色の光を放出するように構成されており、かつ/または
前記第1の層がp型ドープされており、前記第2の層がn型ドープされており、前記活性層は、特に赤色の光を放出するように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの層スタックがエピタキシによって作られ、かつ/または
露出および/または組分けがエッチングによって実行される、
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
複数のベースモジュールを提供する層スタックを有するLEDモジュールであって、前記層スタックは、キャリア上に形成された第1の層と、活性層と、第2の層とを有し、ここで、第1のコンタクトが、前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域内または表面領域上に形成されており、第2のコンタクトが、前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域内または表面領域上に形成されており、前記第1のコンタクトと前記第2のコンタクトとが互いに離間しており、
前記複数のベースモジュールのうち少なくともいくつかが
、パターニング部によって互いに分離されており
、パターニング部に隣り合って延びる前記活性層の領域が、特に量子井戸インターミキシングによって生成された増大したバンド構造を有している、
LEDモジュール。
【請求項15】
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトに面していない前記層スタックの側に光出射面が形成されている、請求項14記載のLEDモジュール。
【請求項16】
前記第2のコンタクトが、誘電体によって
前記活性層と前記第2の層とに対して電気的に絶縁されており、前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域上に延在するように形成されている、請求項14記載のLEDモジュール。
【請求項17】
前記LEDモジュールが、少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とからなるマトリクス状に配置された複数のベースモジュールを含んでいる、請求項16記載のLEDモジュール。
【請求項18】
隣り合う2つの行の前記ベースモジュールが反対向きにされていることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトが互いに隣り合って配置されている、請求項14から17までのいずれか1項記載のLEDモジュール。
【請求項19】
前記
LEDモジュールが、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法によって作製されている、請求項14から18までのいずれか1項記載の
LEDモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、以下の独国出願:2019年4月23日付け独国特許出願公開第102019110500.5号明細書の優先権、2019年9月25日付け独国特許出願公開第102019125875.8号明細書の優先権、および2020年1月29日付け国際出願PCT/EP2020/052191号明細書の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景技術
本発明は、電子構造素子、特に横型の発光ダイオード、すなわち基板またはキャリア上に水平方向に接触している構造素子に関するものである。
【0003】
光電子構造素子に限らず、一般的に他の電子構造素子も広範な用途に使用されている。光電子構造素子の分野では、民生用、業務用あるいはオートモーティブ用の分野におけるディスプレイ用途以外にも、例えばビデオウォールや照明ユニットなどの更なる使用可能性がある。これらの用途は、電気的パラメータが類似していても、構造素子の形状およびサイズの点で異なる。このために、光電子構造素子は、大抵の場合、個別の構造素子またはモジュールとして構築され、さらに処理される。したがって、それらに適した光電子構造素子は、これまではそれぞれの用途に合わせて特別に製造および最適化されていることが多く、そのため、これらを他の用途で使用するにはコストがかかるなど、欠点を受け入れざるを得なかった。
【0004】
近年さらに、特にオートモーティブおよび民生分野では、光電子構造素子に加えてセンサも搭載し、そうすることで、例えばユーザーのバイオパラメータまたはバイタルパラメータを検出できるようにすることが求められていた。これまで、これらは別個の構造素子として民生製品に搭載されてきた。しかしながら、そのために必要な、例えばハウジング内の追加のオリフィスまたは追加のアパーチャはもはや望ましいものとされていない。
【0005】
これに関連して、独国特許出願公開第102018119376号明細書は、光学情報を表示するためのディスプレイであって、キャリアを備え、当該キャリア上には複数の光電子構造素子が互いに相接して配置されており、当該キャリアの第1の側部から可視電磁放射を放出するように構造素子が形成されており、当該キャリア上には、当該キャリアの第1の側部に入射する電磁放射を受け取るために少なくとも1つの光学センサが設けられた、ディスプレイを示している。
【0006】
上記の要件および仕様から、上記の用途およびアプリケーションに合わせて、統一されたチップアーキテクチャと、同一のもしくは容易に変更可能な構造素子のサイズとが求められている。
【0007】
発明の概要
複数の光電子構造素子を備えた配置構造体の製造には、処理中に構造素子またはLEDのサブユニットを設け、これらを分離し、次いで後加工できることが好都合であると考えられる。これにより、一方では、サブユニットを個別にテストすることができる。サブユニットの構造素子またはLEDが故障しても、アプリケーション全体を交換する必要はなく、サブユニットのみが交換される。同じことが、複数のサブユニットを備えたディスプレイにも当てはまる。この場合も、欠陥のある構造素子を有するサブユニットだけを交換し、ディスプレイ全体を交換する必要はない。他方では、プロセスステップを調整することで、製造の自由度を高め、異なるサイズのものを製造することもできる。このアプローチは、特にLED用のモジュラーアーキテクチャとして適している。
【0008】
モジュラーアーキテクチャの一態様によれば、以下のステップ:
-キャリア上にベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップ;
-キャリアに面していない層スタックの表面領域に第1のコンタクトを適用するステップ;
-キャリアに面していない第1の層の表面領域に第2のコンタクトを適用するステップ
を含む、構造素子モジュール、特にLEDモジュールの製造方法が提案されている。
【0009】
このようにして、キャリア上に形成された第1の層を有し、第1の層上に活性遷移層が形成され、活性遷移層上に第2の層が形成された、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックが企図される。
【0010】
このために、以下のステップ:
-キャリアに面していない第1の層の表面領域を露出させるステップ;
-キャリアに面していない第2の層の表面領域に第1のコンタクトを接続するステップ;
-キャリアに面していない第1の層の表面領域に第2のコンタクトを接続するステップ
を行うことができる。
【0011】
したがって、構造素子モジュール、特にLEDモジュールは、キャリア上に形成された第1の層と、第1の層上に形成された活性遷移層と、活性遷移層上に形成された第2の層とを有するベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを含み、キャリアに面していない第2の層の表面領域には第1のコンタクトが接続されており、キャリアに面していない第1の層の表面領域には第2のコンタクトが接続されている。
【0012】
このようにして、構造素子モジュールの基本的要素として、特にコンタクトのコンタクト面を有するベースモジュールを作り出すことができる。構造素子モジュールとは、特に光電子構造素子モジュール、または発光ダイオードモジュールもしくはLEDモジュールを意味する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、さまざまな電子モジュールを使用することができる。
【0013】
ベースモジュールは、より大きなシステムの一部であるが、最も単純な形態ではLEDを含むことができる。一態様では、ベースモジュールは、複数の、少なくとも2つのLEDを含む。これらは個別に制御することもできるし、冗長性を持たせて構築されていてもよい。そのため、モジュラリティまたはモジュラーの原理によれば、全体をパーツに分けることができ、これらをモジュールと呼ぶ。長方形またはそれ以外の任意の形状と発光という共通の機能とともに、モジュールは簡単に組み立てることができる。
【0014】
その出発点となるのが、一態様では、横型のアーキテクチャを有するLEDである。この光電子構造素子のサイズは、例えば、発光面、電流搬送能力または温度安定性に関して、特に要求の厳しい使用要件を満たすように構成されている。それから、他のアプリケーションの要件も同様に満たすために、LEDアーキテクチャは、具体的には層スタックもしくはメサ構造体に異なるマスクを使用するという1つのプロセスステップを簡単に調整することで、この構造素子またはLEDの複数のサブユニットで構成される発光ダイオードを製造できるように構成されている。
【0015】
例えば、ベースモジュールの基本サイズは100μm×100μm~500μm×500μmである。正方形のサイズ以外にも、例えば長方形または六角形などの他の形状も使用することができる。このマスクと、適切なコンタクトまたは個片化とにより、同様に100μm×200μmまたは300μm×300μmの部品も簡単に製造することができ、これはまたさまざまな他の用途に適している。前述のように、部品は1つ以上のベースモジュールを含み、このベースモジュールはまた1つ以上の構造素子を含んでいてもよい。
【0016】
必要とされている超小型の構造素子をベースユニットまたはベースモジュールとし、これをわずかな調整だけでベースユニット(ベースモジュール)の数倍の寸法の大きさの部品に処理することができるモジュラー設計は、開発のためのリソースを節約し、このような部品の製造に一定の自由度をもたらす。例えば、輝度や画素ピッチが異なるLED領域の用途が必要になった場合、それに必要なチップを比較的容易に製造することができる。
【0017】
一態様では、メサ(層スタック)だけでなく、コンタクト面も別様にパターニングされる。このために2つのステップが変更されるが、すべてのコンタクトパッドが接続されているようにする必要はなくなる。横型のチップアーキテクチャを使用することで、ターゲット基板に組み立てた後の縦型のチップの場合のように、n型コンタクト接続のための更なるプロセスステップを回避することができる。これにより、他の製造技術に比べて製造が簡素化され、ひいてはコストを削減することができる。
【0018】
更なる態様によれば、第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層と第2の層とに対して電気的に絶縁されており、キャリアに面していない第2の層の表面領域上に延在するように形成することができる。
【0019】
用途の要件に応じて、ベースモジュールは、X-Y平面上で少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とに沿ったマトリクスとして構成され、それぞれの行のベースモジュールは同じ向きにされる。隣り合う2つの行のベースモジュールは、必要に応じて同じ向きにされる。このようにして、ベースモジュールの電気直列回路を容易に実現することができる。
【0020】
代替的に、隣り合う2つの行のベースモジュールの向きを逆にすることで、同じコンタクトを互いに隣り合って配置する。このようにして、ベースモジュールの電気並列回路が容易に実現される。n型およびp型のコンタクトはいずれも横型の構造素子の下側にあるため、チップを交互に並べるのが有効である。これにより、2×X構成のチップの場合、両方のベース素子のp側コンタクトがチップの中央に配置され、n型コンタクトがそれぞれ外側に配置されることで、潜在的な短絡のリスクが最小限に抑えられるようになる。
【0021】
いくつかの態様では、複数のベースモジュールからの少なくとも1つの発光ダイオードモジュールの引き離しは、第1の層を介して、特に第2の層の側から、深いフランクパターニングによって行われる。これは、特にモジュールに面していないキャリアの側から、レーザーリフトオフによって行うことができる。同様にエッチングプロセスも考えられる。
【0022】
他の態様では、このようなサブユニットにセンサを搭載できるかどうか、搭載できるとしたらどの程度できるかという問題が関係している。いくつかの用途、例えばディスプレイ用またはオートモーティブ用途では、ディスプレイの目の前でユーザーの反応または他のパラメータも検出するセンサを設けることが有効であり得る。このために、例えば、視線の方向または視線の方向の変化を検出するフォトセンサを使用することができる。同様に、光の量を検出して、例えば、画像を明るくしたり、暗くしたりすることもできる。例えば、検出された人に反応してディスプレイまたは他のアプリケーションを起動する近接センサを簡単に実装することができる。同じセンサをオートモーティブ用途のディスプレイに用いることもできる。同様に、運転者の注意を検出するセンサも可能で、眠気が検出された場合には必要に応じて措置を講じることができる。また、この方法では、ハウジングに追加のオリフィスを設けることなく、ユーザーのバイタルパラメータも突き止めることができる。
【0023】
本発明者らは、将来的なディスプレイはディスプレイの外側に配置されるセンサをもはや有することがないかもしれないと認識している。むしろ、これまでの別個の解決策に代わるものとして、全面的なディスプレイの背後または内部にセンサの機能を実現する必要がある。この場合、本明細書で開示されるベースモジュールに分割し、それらを組み合わせてより大きなユニットを作り出すことが利用される。この場合、構造素子の冗長な位置に、本来予定される構造素子の代わりにセンサを実装することができる。例えばディスプレイまたはビデオウォールに関しては、個々の画素またはサブ画素用の構造素子が省略されたり、センサで置き換えられたりすることを意味する。
【0024】
したがって、第1の態様によれば、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されたターゲットマトリクスを有する表示デバイスが提案される。この表示デバイスには、光電子構造素子またはLEDが占有できる場所がある。さらに、多数の構造素子、特にLEDを第2のキャリアもしくは交換用キャリア上に形成することで、ターゲットマトリクスに対して構造素子が占有できる場所を等間隔に配置したスタートマトリクスが得られる。それに続くステップでは、構造素子は第2のキャリア上で組分けされて多数のモジュールを形成し、これらのモジュールは第2のキャリアから分離され、第1のキャリア上に配置される。この配置は、ターゲットマトリクス内に構造素子で占有されていない多数の場所が残るように、モジュールが当該ターゲットマトリクス内で第1のキャリア上に位置決めされて電気的に接続されるように行われる。少なくともいくつかの占有されていない位置では、少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続されている。いくつかの態様では、ターゲットマトリクスが占有できる位置は、サブ画素の位置または画素の位置に対応している。
【0025】
さらに、本願で開示されている光電子構造素子のモジュールもしくはサブユニットが提供される。その大きさと間隔とは、ターゲットマトリクスの占有可能な場所の対応するパラメータに対応している。サブユニットはモジュールにまとめられ、ターゲットマトリクス上に、構造素子で占有されていない多数の場所が残るように位置決めされて電気的に接触している。これらの場所には、少なくとも部分的にそれぞれ少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続されている。このようにして、モジュールもしくはサブユニットをディスプレイモジュールまたはディスプレイ上に位置決めすることで、いくつかの場所を空けることができ、そこにセンサを実装することができる。これにより、センサが表示デバイスの一部になる。これにはいくつかの利点がある。例えば、ディスプレイに当たる光を直接測定し、次いで位置に応じてモジュールや個々のLEDの照度も調整することができる。
【0026】
他の態様によれば、表示デバイスを製造する方法が提案される。これは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されかつ行と列とに配置された構造素子が占有できる場所を有するターゲットマトリクスを有している。表示デバイスの場合、占有可能な場所はサブ画素に対応し得る。さらに、その場所は、本明細書で開示されているモジュールに実質的に対応する大きさと間隔とを示している。言い換えれば、ターゲットマトリクスは、行と列とに配置されかつ光電子構造素子のモジュールが占有できる場所を含んでいる。
【0027】
こうして、モジュールの製造は、本明細書で開示されているように、例えば浅いメサエッチングおよび深いメサエッチングを行い、モジュールに組分けすることで行われる。このようにして製造されたモジュールは、交換用キャリアから取り外され、エンドキャリア上のターゲットマトリクスの空いている箇所に配置されて、エンドキャリアに電気的に接合される。しかしながら、このプロセスでは、前で定義した場所は空いた状態になる。これらの場所は、それぞれ少なくとも1つのセンサ素子によって占有され、位置決めされて電気的に接続される。
【0028】
エンドキャリアは、モジュールと構造素子および例えば個々のLEDとの配線接続を有している場合がある。さらに、いくつかの態様では、エンドキャリアは、適用されたモジュールもしくは構造素子のための少なくとも1つの電源および/または駆動制御電子回路を含む。別の態様では、エンドキャリアは、少なくとも1つのセンサ素子を読み取るための電子機器もさらに含む。少なくとも1つのセンサ素子は、フォトセンサを含み得る。更なる例は以下の記載に見出すことができる。
【0029】
準備されたLEDのモジュールもしくはサブユニットと、エンドキャリア上のターゲットマトリクスの関連する領域とは、同じようにラスタライズされているか、または同じサイズと、場合によっては同じ周期性とを有していなければならない。特に、複数の行または列を有する大きなモジュールを転写し、エンドキャリア上に適用する場合は、同じ間隔であることが望ましい。
【0030】
一態様では、モジュールもしくはサブユニットの1つ以上のコンタクト領域が、エンドキャリア上の占有可能な場所の関連するコンタクト領域と一致している。このように、モジュールはエンドキャリア上のターゲットマトリクスに組み込むことができる。そうして、モジュールはエンドキャリア上のターゲットマトリクスに挿入もしくは統合することができる。
【0031】
これにより、モジュール、特にLEDモジュールが、すべての構造素子において互いに等間隔で配置された表示デバイスを構成することが可能である。そうして、一態様では、表示デバイスのターゲットマトリクスは、占有可能な場所の間に非常に小さな間隔で実装される。この態様では、占有可能な各場所に、製造すべき超小型のモジュールを実装することができる。これにより、画素のサイズが小さく、間隔も狭いため、非常に高い解像度が可能となり、ユーザーの目に非常に近い位置に設置することができる表示デバイスが得られる。
【0032】
あるいはターゲットマトリクスの占有可能な場所をさらに互いに間隔を空けて配置することも可能である。同様に、いくつかの態様では、本明細書で開示されている複数のサブユニットが、かかる占有可能な場所に配置されていてもよい。いくつかの態様では、行および/または列に配置されたターゲットマトリクスの場所は、それぞれ互いに距離bだけ離れていてもよい。構造素子を備えたモジュールは、それぞれサイズが同じであり、互いに距離aを有している。距離aは距離bと同じであってもよく、これは上記の構成に実質的に対応している。ただし、距離bが距離aの数倍になることもある。占有可能な場所は、LEDモジュールまたはサブユニットのコンタクト面でもあるため、占有可能な場所同士の距離bが大きければ大きいほど、利用可能なスペースも大きくなる。このようにして、より大きなモジュールを使用したり、複数のモジュールを組み合わせたりすることができる。例えば、距離bが距離aの2.5倍であれば、4つの個々のモジュールから構成された1つのモジュールを占有可能な場所に置くことができ、隣り合う場所に設けられたモジュールの間には距離が依然として残る。
【0033】
本構成によって、さまざまな用途を考慮することができる。表示デバイスの場合、距離a,bが小さければ小さいほど解像度は高くなり、見る人の目の感度が低下する可能性がある。そのため、同じモジュールを用いて、画素サイズもしくはサブ画素サイズや画素ピッチの異なる表示デバイスを実現することができる。これは、このような構造素子のモジュールを、ターゲットマトリクス、そのキャリアおよびその配線とは独立して製造できるという点で有利であると考えられる。
【0034】
既に開示されている浅いメサエッチングは、画素の電気的接触やモジュールおよびターゲットマトリクスの形成に用いられ、グリッドでエッチングが行われるが、これをいわゆる深いエッチングと組み合わせることで、チップグリッドおよびモジュールを規定することができる。このチップグリッドは、用途に応じて画素チップのグリッドとは異なる場合がある。例えば、4つのサブ画素を有する2×2の大きなチップ(4つのベースユニット)を表示デバイス用に製造することができる。ベースユニットは、それぞれ光電子構造素子またはLEDである。同様に、2回目のメサエッチングのマスクを巧みに構成することで、それぞれベースユニットが1つ少ない画素を作り出すこともできる。これらの画素を並べると、ベースユニット単位の大きさやその倍数の大きさの「穴」を有するディスプレイが形成される。そして、この「穴」または「欠落サブ画素」の下に、例えば各種センサを格納することができる。これらを組み合わせることで、冗長性のあるサブ画素が可能となり、冗長性のあるサブ画素のいくつかがセンサに置き換えられる。
【0035】
このために、光電子構造素子または発光ダイオードに、均一なチップアーキテクチャと、サイズが同じであるか容易に変更可能なチップのサイズとをディスプレイ製造のために提供することが適切である。このために、本明細書に記載されている技術を使用することができる。例えば、開示されているタイプのモジュールを製造する際に、光量を高めるために、本願で開示されているカバー電極や周回構造を利用することも可能である。いくつかの態様では、モジュールは、その後、例えば光電構造を適用することで、さらに処理することができる。しかしながら、モジュールに、その製造プロセスの時点で、かかる構造が備わっていてよいこともここで述べておく。
【0036】
いくつかの態様では、構造素子は長方形または正方形のモジュールにまとめられ、これらはまた、任意の方法で、特に行に組み合わせることが可能である。浅いエッチングと深いエッチングとを用いた製造により、このようなモジュールからウェハを準備し、必要に応じてターゲットマトリクスに合わせて個片化することができる。このようにして、さまざまなサイズのモジュールを実現することができる。自由な位置決めでは、特定の場所を空けたままにしておくことができる。同様に、セル群あるいは行または列全体も空いたままのこともある。最後に、これらのモジュールを用いて、ターゲットマトリクスが、占有可能な場所の異なる配置を有し、つまり、例えば行と列とにはない、表示デバイスまたは他のアプリケーションを実現することができる。
【0037】
表示デバイスの一構成によれば、少なくとも1つのモジュールは、2行×2列の4つの画素素子を有していてもよい。各画素素子は、1個以上のサブ画素を含んでいてもよい。他の構成では、1つのモジュールが4つのサブ画素素子を有し、これらも同様に2×2のマトリクス状に配置されている。これは管理しやすい構成である。更なる構成によれば、少なくとも1つのモジュールは、2行×2列を有していてもよいが、3つの構造素子のみを有していてもよい。これは、占有されていない場所が既にモジュールで準備されている管理しやすい構成である。
【0038】
表示デバイスの更なる構成では、それぞれ4つの画素素子を有する少なくとも7つのモジュールと、それぞれ3つの画素素子を有する少なくとも2つのモジュールとが、エンドキャリア上のターゲットマトリクスに位置決めされて電気的に接続され、画素素子が占有していない少なくとも2つの場所が作り出され、そのそれぞれに少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続されるようにしてもよい。ここでも、モジュールを任意に構成し、特定の占有されていない場所を作り出すようにエンドキャリア上で互いに連結させたり互いに位置決めしたりすることができる。ここでも、画素素子は、複数のサブ画素素子とそれに対応するLEDとを含んでいるか、各画素素子自体がLEDとなっているかのいずれかである。
【0039】
更なる構成によれば、センサ素子が占有している場所を構造素子で囲ってもよい。このようにして、明確に定義された位置、つまり構造素子が占有していない場所を、センサ素子のために明示的に利用することができる。いくつかの態様では、モジュールはサブ画素に配置されるように作製することができる。異なる色で発光するモジュールは、異なる第2のキャリアもしくは交換用キャリアで提供することができる。
【0040】
さまざまな構成によれば、複数のセンサ素子は、第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されたセンサ装置の一部として形成されていてもよい。このようにして、用途に応じて異なる光線スペクトルを検出することができる。更なる構成によれば、センサ素子は、フォトダイオードとして、フォトトランジスタの形態で、フォトレジスタの形態で、環境光センサの形態で、赤外線センサの形態で、紫外線センサの形態で、近接センサの形態で、または赤外線構造素子の形態をとっていてもよい。同様に、センサは、バイタルパラメータを検出するバイタルセンサであってもよい。このように、表示デバイスはさまざまな使い方ができる。例えば、バイタルサインは体温であってもよい。
【0041】
更なる構成では、バイタルサイン監視センサは、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイ画面の背面の背後に配置されていてもよく、センサは、ユーザーの1つ以上のパラメータを測定するようにセットされている。これらのパラメータには、体温以外にも、例えば、視線の方向、瞳孔の大きさ、皮膚の抵抗などが含まれる。
【0042】
更なる構成によれば、構造素子は、キャリア上に形成された第1の層と、第1の層上に形成された活性遷移層と、活性遷移層上に形成された第2の層とをそれぞれ有することができる。第1のコンタクトは、キャリアに面していない第2の層の表面領域に接続され、第2のコンタクトは、キャリアに面していない第1の層の表面領域に接続されている。この構成は、縦型LEDに対応している。このようにして、片側からのみ構造素子を接触させることができる。これに関する別の態様では、第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層と第2の層とに対して電気的に絶縁されており、キャリアに面していない第2の層の表面領域上に延在している。
【0043】
以下では、構成例を用いた複数の図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】コンセプト案のいくつかの観点に従った、発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの構成例を表した図である。
【
図2】更なる態様による交換用キャリア上の
図1に記載の構成例を示す図である。
【
図3】ベースモジュールをさらに加えた、
図2に記載の構成例を示す図である。
【
図4】コンタクトの接点を別々にした、
図3に記載の構成例を示す図である。
【
図5】第1のコンタクトを共通に接触させた、
図4に記載の構成例を示す図である。
【
図6】提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、2行×2列のベースモジュールを有する発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの更なる構成例を示す図である。
【
図7】
図7のA~Dは、隣り合う2つの行の2つの対向するベースモジュールの4つの横断面図を示す。
【
図8】2行×3列のベースモジュールを有する発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの更なる構成例を示す図である。
【
図9】
図9のA~Dは、隣り合う2つの行の2つの対向するベースモジュールの4つの横断面図を示す。
【
図10】更なる態様を説明するための、組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
【
図11】さらに組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
【
図12】さらに可能な限り組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
【
図13】さらに可能な限り組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
【
図14A】追加のフォトニック構造体を有するLEDモジュールの更なる構成を示す横断面図である。
【
図14B】提案されたモジュールが、本願に記載されている転写スタンプによってリフトアップされる仕方の一例を示す図である。
【
図15】提案されたモジュールの製造方法の一構成例のいくつかのステップを示す図である。
【
図16】提案された原理のいくつかの態様に従ったモジュールの更なる製造方法を示す概略図である。
【
図17B】さまざまな観点を説明するための、
図16に提示された方法の更なるステップを表した図である。
【
図17C】複数の全体的に平面なターゲットマトリクスの配置構造を表した図である。
【
図17D】提案されたLEDモジュールを接触させるのに適したさまざまなコンタクト面の概略図を例示したものである。
【
図17E】コンタクト領域といくつかのモジュールとを備えたディスプレイの断面図である。
【
図18】提案されたモジュールを用いた二重転写プロセスの一構成形態を示す図である。
【0045】
詳細な説明
以下の構成は、主に表示デバイスおよびディスプレイ、ひいては光電子構造素子からなるベースユニットおよびモジュールに関するものである。しかしながら、本発明は、この用途または記載されている構造素子に限定されるものではない。むしろ、ここで提示される原理および構成は、スケーリング、すなわち同一の構造素子の組み合わせが必要な多数の電子的な用途およびアプリケーションに適したものとなるように一般化することができる。
【0046】
図1は、光電子構造素子またはLEDを使った同一タイプの構造素子のモジュラーアーキテクチャを示している。
図1は、さまざまな横型LEDを、LEDモジュールを提供するためのベースモジュールと呼ばれるものに統合したものを示している。ベースモジュールは、キャリアもしくは交換用キャリア1上に形成された第1の層3を有し、第1の層3の上に活性層7が形成され、さらに活性層7の上に第2の層5が形成された層スタックを含んでいる。キャリア1に面していない第2の層5の表面領域には第1のコンタクト9が施与されており、キャリア1に面していない第1の層3の表面領域には第2のコンタクト11が接続されている。第2のコンタクト11は、誘電体10によって活性層7と第2の層5とに対して電気的に絶縁されており、キャリア1に面していない第2の層5の表面領域に延在するように形成されている。
【0047】
ベースモジュールの製造時には、キャリア1に面していない第1の層3の表面領域を、層スタックの作製後に露出させる必要がある。すなわち、第2の層5、活性層7および第1の層3の一部が、層スタックの縁部領域で再び除去される。
【0048】
これは、例えば、少なくとも1つの層スタックのフランクパターニング(Flankenstrukturierung)によって、特に第2の層5の側部から行うことができ、少なくとも1つの層スタックの周囲に延在するトレンチが、特にフランクパターニング領域13に作製される。このトレンチはメサトレンチとも呼ばれている。それに伴い、層スタックのフランク部はメサフランクと呼ばれている。このパターニングは、対応するマスクを用いて行われる。
【0049】
フランクパターニングの場合、特に誘導結合プラズマICPまたは反応性イオンエッチングRIEによってエッチング除去された領域に、引き続き、化学気相成長法(気相からの化学蒸着)によって絶縁層または誘電体10をコーティングすることができる。誘電体として、SiOあるいはZnOが使用される。第2のコンタクト11は、ITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよく、スパッタリングまたは物理気相成長法(気相からの物理蒸着)によって作製される。
【0050】
このようにして、複数のベースモジュールを、X-Y平面に沿って、すなわち、キャリア1上の少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とに沿ったマトリクスとして作製する。このために、右側の縁部領域では、浅いフランクパターニングに加えて、更なる深いフランクパターニングもキャリア1と第1の層3を貫通して行われている。領域15は、深いフランクパターニングに対応している。
【0051】
深いフランクパターニングによって、多数のベースモジュールのマトリクスから1つのモジュールをキャリア1へと切り離すことができる。深いフランクパターニングは、エッチング、特にケミカルドライエッチングまたはプラズマエッチングによって行うことができる。
【0052】
図2は、
図1に記載のベースモジュールBを、更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上に反転させて配置した構成例を示している。更なるキャリアもしくはエンドキャリア2は、光電子構造素子から放出された光を透過させるものであってもよい。さらに、キャリア1の材料は除去されている。これは、例えば、研削除去またはいわゆるレーザーリフトオフ(LLO)によって行うことができる。ベースモジュールBは、このように更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上にフリップチップとして配置され、そこで接触している。
【0053】
図3は、キャリア1がないフランク領域15’を有する更なるベースモジュールBを備えた
図2に記載の構成例を示している。両ベースモジュールBは互いに反対方向に向いており、同一のコンタクト、特に第1のコンタクト9が互いに隣り合って配置されている。両ベースモジュールBは、最初からキャリア1上にマトリクスの隣り合う2行で形成されていてもよい。キャリア1を除去した後、ベースモジュールBは、更なるキャリアまたはエンドキャリア2上に反転させて配置されている。ここでは、互いに反応方向に向いた隣り合う2つのベースモジュールBは、共通の層スタックとして作製されている。この場合、
図3の破線17’は、2つのベースモジュールの中間にある第2の層5の表面領域となる。しかしながら、クロストークを防ぐために、中間の層5はパターニングによって材料除去されている。このような、活性層も切断するパターニングを行った後、実線17は第1の層3の表面領域を示している。
【0054】
図4は、
図3に記載の構成例を、コンタクトを別々に接触させた状態で示したものである。第1のコンタクト9と第2のコンタクト11とは、エンドキャリア2の対応するコンタクトに電気的に別個に接続されている。各モジュールの第1のコンタクト9には第1の接点19が電気的に接合され、第2のコンタクト11には第2の接点21が電気的に接合されている。コンタクト21と19とは、前のステップでエンドキャリア2に作られている。次いで、ベースモジュールをエンドキャリア2上に置き、電気的な接続が行われる。
【0055】
前述の構成と同様に、ここでも追加のパターニングによって中央領域が部分的に除去されている。あるいは当該領域は除去されないままの状態であってもよい。
【0056】
図5は、
図3に記載の構成例を、第1のコンタクトを共通接触させた状態で示したものである。第2のコンタクト11は、エンドキャリア2のコンタクトに電気的に別個に接続されている。エンドキャリア2の表面に施与された第1の接点19は、2つの第1のコンタクト9に電気的に接続されている。第2の接点21は、別個に第2のコンタクト11に電気的に接続されている。前述の構成と同様に、ここでも追加のパターニングによって中央領域が部分的に除去されている。あるいは当該領域は除去されないままの状態であってもよい。
【0057】
原則的には、
図3~
図5では、2つのベースモジュールBの間で深いフランクパターニングを行った結果、第1の層3、遷移層7および第2の層5を完全に除去することができる。2つのベースモジュールBは、フリップチップ技術を用いて、更なるキャリアまたはエンドキャリア2に接触させることができる。
図6の上図は、下図に示す2行×2列のベースモジュールBを有するモジュールを提供するための、単一のLEDのベースモジュールB案の更なる構成例を描写したものである。上図に示したベースモジュールBは、ここではキャリア1上に提供されているが、キャリアなしで提供されていてもよい。この平面図では、第1のコンタクト9と第2のコンタクト11とが見えており、さらに第1の層3、遷移層7および第2の層5が示されている。
【0058】
図6の下図によれば、4つのベースモジュールBがモジュールに組分けされている。既にキャリア1の上にあるこのマトリクスは、X-Y平面に2行×2列で選択されていてもよい。キャリア1上で隣り合う行を製造する場合、行のベースモジュールBは同じ方向を向いていてもよい。ここでは、下の行は、上のベースモジュールBとは逆向きに配置されているベースモジュールBを有している。
図6の下図に示すモジュールは、浅いフランクパターニングの後、図示しないキャリア1上になおも配置されていてよい。引き続き、分離領域を選択することで、長方形の発光ダイオードモジュールへの組分けが行われる。これは、モジュールを囲む長方形に沿って、深いフランクパターニングにより引き離される。このようにして得られた2×2(2行×2列)のモジュールは、例えば、幅が約400マイクロメートル、長さが約600マイクロメートルである。
【0059】
図7のA~
図7のDは、対向する2つのベースモジュールBの4つの横断面図を示しており、これらのベースモジュールBは、反転させて、すなわち、フリップチップとして、更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上に配置されている。ベースモジュールBは、約200マイクロメートルの幅と約300マイクロメートルの長さとを有することができる。メサエッチング時のマスキング、特に浅いフランクパターニング部を提供するためのメサエッチング時のマスキングに応じて、構造素子モジュールの前駆体を作り出すことができ、その後、特に深いフランクパターニングによって、キャリア、特にキャリア1から発光ダイオードモジュールへと、または発光ダイオードモジュールとして引き離すことができる。参照符号10は誘電体を示している。
【0060】
図7のAによれば、2つの対向する単一のベースモジュールBが互いに隣り合って配置されている。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は、相並んでいるが、接触はしていない。
図7のAに記載の横断面図は、第2の層5の側部から浅いフランクパターニング部が導き出されたことを示している。この結果、それぞれのベースモジュールBもしくは層スタックの周囲に延在する浅いトレンチが作り出される。個々のベースモジュールが分離するように、第1の層3の側部から深いフランクパターニングを行った。この結果、互いにまだ接続されている複数のベースモジュールが、まずエンドキャリア2上に配置され、次いでフランクパターニングによって側部3から分離される。元々あったキャリア1は除去した。
【0061】
図7のBによれば、2つの対向する単一のベースモジュールBが、同様に互いに隣り合って配置されている。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は、相並んでいるが、接触はしていない。
図7のBに記載の横断面図は、層スタックの浅いフランクパターニングを第2の層5の側部から行ったことを示している。ここでは、
図7のAとは対照的に、層スタックの深いフランクパターニングも、第2の層5の側部から、つまり、深くないフランクパターニングと同じ側から行った。元々あったキャリア1は除去した。
【0062】
図7のCは、中間的なステップを示している。その後、2つの対向するベースモジュールBが配置され、これらは互いに一体となって作製される。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は互いに隣り合っている。隣り合う2つの互いに対向するベースモジュールの共通の層スタックが作製され、ここでは、第1の層3、遷移層7および第2の層5のそれぞれがエンドキャリア2に沿った1つのユニットとして作製されている。
図7のCに記載の横断面図も同様に、層スタックの深くないフランクパターニングが第2の層5の側部から行われたことを示しており、それによって2つの第2のコンタクト11の縁部領域のみが浅いフランクパターニング部を有している。2つの第1のコンタクト9の間の領域は、フランクパターニングされておらず、すなわち、そこでの第2の層5は未処理のままである。接触後、ここでは
図7のAのように第1の層3の側部から層スタックの深いフランクパターニングが実施され、モジュールが分離される(図示せず)。元々あったキャリア1は除去した。
【0063】
図7のDによれば、2つの対向するベースモジュールBが同様に配置されており、これらは互いに一体となって作製された。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は互いに隣り合っている。隣り合う2つの対向するベースモジュールの共通の層スタックが作製され、ここでは、第1の層3がエンドキャリア2に沿った1つのユニットとして作製された。
図7のDに記載の横断面図は、層スタックの浅いフランクパターニングが第2の層5の側部から行われ、それによって浅いトレンチがそれぞれのベースモジュールBの周りに作製されたことを示している。特に、2つの第1のコンタクト9の間の領域は、フランクパターニングされており、すなわち、そこでの第2の層5および遷移層7ならびに第1の層3の一部も、第2のコンタクト11の縁部領域と同様に、そこでは除去されている。層スタックの深いフランクパターニングは、ここでは
図7のBと同じように第2の層5の側部から行われた。図には小さなウェブのみが残っているが、これは必要に応じてさらに分離することができる。
【0064】
図8は、下図に示す2行×3列(2×3)のベースモジュールBを有する構造素子モジュールを提供するためのベースモジュールB案の更なる構成例を描写したものである。上図のベースモジュールBは、ここではキャリア1上に提供されているが、キャリアなしで提供されていてもよい。この平面図では、第1のコンタクト9および第2のコンタクト11、ならびに第1の層3、遷移層7および第2の層5が確認できる。
【0065】
図8の下図によれば、6つのベースモジュールBが構造素子モジュールに組分けされている。既にキャリア1の上にあるこのマトリクスは、X-Y平面に2行×3列で選択されている。キャリア1上で隣り合う行を製造する場合、行のベースモジュールBは同じ方向を向いている。ここでは、下の行は、上のベースモジュールBとは逆向きに配置されているベースモジュールBを有している。
図8の下図に示す構造素子モジュールは、浅いフランクパターニングの後、キャリア1上になおも配置されていてよい。分離領域を選択することで、下図に示す長方形の発光ダイオードモジュールへの組分けが行われる。これは、モジュールを囲む長方形に沿って、深いフランクパターニングにより引き離すことができる。このようにして得られた2×3(X-Y平面で2行×3列)の構造素子モジュールは、幅が約500マイクロメートル、長さが約500マイクロメートルである。この方法により、ベースモジュールからマトリクスの任意の組み合わせを引き離し、モジュールとして製造することができる。
【0066】
図9のA~
図9のDは、
図8の下図の描写による構造素子モジュールの2つの対向するベースモジュールBの4つの横断面図を示している。
【0067】
図9のCは、
図7のCとは対照的に、第1のコンタクト9が、エンドキャリア2上に作り出された共通の第1の接点19によって電気的に接続され、接触していることを示している。第2のコンタクト11は、エンドキャリアの第2の接点21に個別に電気的に接続されている。
【0068】
図9のDは、
図7のDとは対照的に、第1のコンタクト9がエンドキャリア2の第1の接点19に個別に電気的に接続され、第2のコンタクト11が第2の接点21に個別に電気的に接合されていることを示している。
【0069】
図10は、キャリア(ウェハまたはキャリア1)のベースモジュールBを有するマトリクスを、X-Y平面に組分けした状態で示す平面図である。ベースモジュールBは、最初からキャリア(特にキャリア1)上に同じ向きで作製されている。ベースモジュールBの回転または方向転換は行わなかった。このようにして構築されたそれぞれのモジュールは、ここではベースモジュールBをY方向に1つだけ有し、そのため1行になっている。X方向には、任意の数のベースモジュールを提供することができる。
図10では、ベースモジュールBが4つのLEDアレイまたはLEDモジュールMに組分けされている。
【0070】
図11は、キャリア(ウェハまたはキャリア1)のベースモジュールBを有するマトリクスを、別様に組分けした状態で示す平面図である。ここでは、隣り合う2つの行のベースモジュールBは、これらの行のうちの1つの行のベースモジュールBを回転させることによって、互いに反対方向に向いている。点線は、まだ個片化されていないモジュールMの長方形を表している。
図11は、Y方向に沿って1行または2行の構造素子モジュールMを示しており、X方向の列数は任意であり得る。
【0071】
図12は、キャリア、特にキャリア1またはウェハのベースモジュールBを有するマトリクスを、さらに別様に組分けした状態で示す平面図である。この組分けにより、X-Y平面に3行×5列を有する長方形のLEDモジュールの形態の構造素子モジュールMが作り出される。したがって、LEDモジュールMは、長方形に均一に分配された15個のベースモジュールBを有している。ベースモジュールBは、1行に互いに等間隔で置かれている。同様に、各行も互いに等間隔に置かれている。ここでは、すべてのベースモジュールBが同じ向きになっている。
【0072】
図13は、キャリア、特にキャリア1またはウェハのベースモジュールBを有するマトリクスを、さらに別様に組分けした状態で示す平面図である。この組分けにより、X-Y平面に4行×3列の長方形のLEDモジュールMが作り出される。したがって、ここでのLEDモジュールMは、12個のベースモジュールBを有し、それらは長方形の中に均一に分配されている。ベースモジュールBは、1行に互いに等間隔で置かれている。ベースモジュールBは、2つのペアの行を含んでおり、1つのペアの行では、両行のベースモジュールBは互いに反対方向に向いており、互いに等間隔で置かれている。各ペアの行の互いの間隔は、1つのペアの行の各行の間隔と異なっていてもよい。このようにして、キャリア1またはウェハ上に光電子構造素子もしくはLEDのチップ集団を形成することができる。その結果、さまざまな用途に使用することができるモジュラー型のアーキテクチャが得られる。
【0073】
製造されたモジュールMは、例えば、フリップチップ技術を用いて電気的に接触させ、例えば、表示デバイスまたは照明ユニットの壁またはパネルに組み込むことができる。ベースモジュールBは、電気的に直列に接続したり、電気的に並列に接続したりすることも可能である。
【0074】
図14Aは、中間転写ステップの後または既に前に、構造素子モジュールが発光側にパターニングされた構成を示している。この場合、発光側の半導体層には、周期的に配置された複数の穴がエッチングされており、これらはいわゆるネガ型のピラーまたはカラムと呼ぶことができる。これにより、空気で満たされた穴よりも周囲の半導体材料の方が屈折率が大きくなるため、屈折率が周期的に変化する。本構成形態では、周期構造体の深さはほぼ活性領域にまで及んでいるが、少なくとも放出された光の波長のオーダーではある。本構成の場合、半導体材料の穴は埋められていない。しかしながら、一方では所望の光学的特性を得るために、他方では平坦な表面を得るために、異なる屈折率を有する材料を充填することが好都合であり得る。
【0075】
構造素子モジュールは、深いフランクパターニングの後と完全なエッチングの後とに、バックプレーン上に転写される。この場合、組み合わされたベースモジュールの構造素子のサイズが定義されていることは、これにより間隔が確定的に定義されるため、特に適している。さらに、異なるサイズのモジュールを転写するために、場合によってはある部類のスタンプを使用することも可能である。
図14Bは、本願明細書で後ほど詳しく説明するように、スタンプを用いた、かかる転写プロセスの例を示している。スタンプ20は、確定された間隔を空けて配置された複数のパッド21および22を有しており、これらのパッドの各々は、本願に記載されているように、表面張力もしくは表面電荷を受けることができる。パッドの間隔は、各ベースモジュールの個々のベースモジュールのサイズに対応している。
【0076】
ベースモジュールまたは複数のベースモジュールで構成されたモジュールを複合品から取り出して転写する場合、スタンプはモジュールに面している側に電位を発生させ、この電位がパッドに付着する。ここでの付着力は、パッドの電荷または電圧で決まる。そのため、この点において、パッドにより発生する静電気力が十分であれば、より大きなモジュールの転写も可能である。
【0077】
図15は、例えば光電子構造素子から形成されていてもよいこのような構造素子モジュールを製造するための提案された方法の一構成例を示している。第1のステップS1では、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックが作製される。これは、キャリア1上に形成された第1の層を有し、第1の層の上に活性層が施与され、さらに活性層の上に第2の層が施与される。活性層は、量子井戸などを含んでいてもよい。第2のステップS2では、キャリア1に面していない第1の層の表面領域を露出させる。最後に、第3のステップでは、キャリア1に面していない第2の層の表面領域に第1のコンタクトを施与する。さらに、キャリア1に面しておらず露出した第1の層の表面領域に第2のコンタクトが作製される。第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層と第2の層とに対して電気的に絶縁されており、キャリア1に面していない第2の層の表面領域まで広がっている。
【0078】
このようにして、任意の数のベースモジュールをウェハまたはキャリア1上にマトリクスとして作製し、ベースモジュールを組み合わされたLEDモジュールに組分けし、次いでこれらを個片化することができる。光電子構造素子を備えたこのようなモジュールは、マトリクスのX-Y平面において、好ましくは長方形または正方形の形状を有している。この形状において、ベースモジュールは互いに行と列とに等間隔で規則的に配置されていてもよい。ベースモジュールは、マトリクスに沿って、好ましくはウェハ、キャリアまたは交換用キャリア1上に均一に分配して作製および配置されている。
【0079】
ここで示す製造方法は非常に単純化されている。むしろ、ここに記載されているさまざまな技術を使用することもできる。例えば、各ベースモジュールは、バンド構造の変化に対応したドーピングにより、電流狭窄部を有していてもよい。ベースモジュールは場合によっては個片化されるため、さらに、量子井戸インターミキシングなどの措置によって、可能性としてあり得る所定の破断点で材料系および活性層のバンドギャップを変化させることが好都合である。これにより、バンド構造の電位が変化して電荷キャリアが反発するため、可能性としてあり得る縁部欠陥箇所での非放射再結合が減少する。さらに、製造されたモジュールは、放射パターンを改善するために表面にパターニングを施すことができる。そのため、より大きなモジュールまたは異なる色のモジュールにフォトニック結晶または変換層を施与することが可能である。加えて、各LEDモジュールには独自の駆動制御機能を持たせることができるが、これは既にエンドキャリア2に実装されている。
【0080】
他の態様では、このようなサブユニットにセンサを搭載できるかどうか、搭載できるとしたらどの程度できるかという問題が関係している。前述のように、製造され組分けされたモジュールは、例えばバックプレーンなどのターゲットマトリクスに転写される。
図16は、ここで提示されるモジュールを用いて作製される、このようなセンサを備えた表示デバイスの提案された製造方法のステップS1~S5を示している。この方法はあくまでも例示的なものであって、この方法で他のデバイスを作製することも可能である。
【0081】
この方法では、第1のキャリア3もしくはエンドキャリア上に行と列とに並置された構造素子、特にLED5の全体的に平面のターゲットマトリクスを用いて、表示デバイスが製造される。光電子構造素子自体はベースモジュールまたは組み合わされたモジュールの一部となる。
【0082】
第1のステップS1では、スタートマトリクス7のキャリアもしくは交換用キャリア17上に多数の構造素子、例えばLED5が形成される。スタートマトリクス7におけるLED5の間隔とサイズは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3上のその後のターゲットマトリクス1の空所の間隔とサイズに対して、一定の、特に整数の比率になっている。特に、モジュール構造を得るために、深いメサエッチング用のウェハが準備される。個々のLEDは、その後にターゲットマトリクス上のサブ画素あるいは画素を形成する。この点において、スタートマトリクス7は、ターゲットマトリクス1の少なくとも一部と一致することができる。このようにして、構造素子5の群を、この部分に関して交換用キャリア17からエンドキャリア3に移すことができる。したがって、LEDがその上に形成された交換用キャリアは、LEDのサイズおよび間隔に関して、エンドキャリアと少なくとも部分的に一致することができる。
【0083】
第2のステップS2では、交換用キャリア17上で、特に深いメサエッチングによって、LED5を組分けして多数のモジュール9が形成される。S2に続くステップS3では、このようにしてパターニングされたモジュール9が、特にレーザーリフトオフまたは機械的もしくは化学的なプロセスによって交換用キャリア17からリフトアップされ、次いでモジュールとしてエンドキャリア3ひいてはターゲットマトリクス1上に転写される。LED5に接触するモジュールのコンタクト領域は、転写後のターゲットマトリクスのコンタクト領域に対応するように構成されている。言い換えれば、エンドキャリア3ひいてはターゲットマトリクス1の少なくとも一部の領域について、モジュールと、交換用キャリア17上にコンタクト領域を有するLEDとは、交換用キャリア17上のLED5の間の距離がエンドキャリア3のターゲットマトリクス1上のLED5の間の距離と同じになるように、行と列とに並置されている。
【0084】
第4のステップS4では、モジュール9は、ターゲットマトリクス1の一次エンドキャリア3上に、多数の占有されていない場所11がこのターゲットマトリクス1に残るように位置決めされて電気的に接続される。このために、モジュール自体を不均等に構成して、例えば1つのモジュールが欠けるように構成してもよい。あるいはモジュールを、一部の位置、例えば行または列が空いたままとなるように、ターゲットマトリクスに転写してもよい。第5のステップS5では、占有されていない場所11に、少なくとも部分的にそれぞれ少なくとも1つのセンサ素子13が位置決めされて電気的に接続される。
【0085】
図17Aは、個々の構造素子、モジュールおよび交換用キャリアの間のさまざまな態様と違いを表したものである。交換用キャリア17は、本願に開示されている複数のステップで、少なくとも1つの活性層を含むさまざまな半導体層が堆積されたサファイア基板を含んでいる。交換用キャリア17上には、浅いエッチングによってLEDのスタートマトリクス7が作り出される。構造素子5、例えばLED5は、まだ互いに接続されており、浅いエッチングによって生じた互いに電気的に絶縁された領域のみを有しているので、個別に応答可能である。
【0086】
一態様では、縦型LEDが、基板に面している第1のコンタクトと、基板に面していない第2のコンタクトとで形成される。しかしながら、本構成以外にも、コンタクトが同一面で隣り合っているフリップチップ型のLEDまたは構造素子を作製することも可能である。この例では、LED5をフリップチップとして構成しており、そのため、2つのコンタクトは基板に面しておらず、互いに電気的に絶縁されている。LED5は、立方体型の素子を形成している。LED5はベースとなる素子で、例えば幅が100μm×150μm~300μm×450μmの範囲である。他のサイズまたは形状、例えば六角形の形状も可能である。
図17Aの左側には、ベースユニットとしての構造素子5が示されている。
【0087】
追加で行われる、今度は深いメサエッチング(これは
図16の第2ステップS2に相当)によって、LED5はモジュール9に組分けされる。
図17Aの真ん中には、12個の構造素子5のスタートマトリクス7が、浅いエッチングによって交換用キャリア17上に作製されており、LED5は共通の側部15に沿って4行×3列で並置されている。
図17Aの中央にある太い縁は、このようにして組分けされたモジュール9の周囲を延在しており、複数の構造素子5をまとめることができる。このようにして、2つのモジュール9aが作製され、モジュール9aはそれぞれが3つのLED5をまとめている。さらに、2つのLEDを備えた2つのモジュール9bだけでなく、1つのLEDを備えた2つのモジュール9cも作製されている。
【0088】
図17Bは、エンドキャリア3に転写された後のモジュールとLEDとを表したものである。エンドキャリア3上には、合計6つの列と行とを見ることができるが、その数はもちろん任意に選択されていてもよい。モジュールの配置は、モジュール間の距離がなくなるように、すなわち、構造素子が互いに近くなるように選択されている。しかしながら、このマトリクスに完全には当てはまらないモジュールも選択される。例えば、2×2のモジュールは、ここに示されているエンドキャリアを完全に覆うことができる。しかしながら、2つのモジュールは、2×2のマトリクスとしてではなく、2×1のマトリクスとして構成されるように、すなわち、LEDを3つだけ有し、そのため1つの場所11が空いたままとなるように構成されている。このように、上述のタイプの位置決めの場合、2つの場所11が空いたままとなり、これらの位置はそれぞれのモジュールの配置に依存することになる。空いている2つの位置のうち、左の位置にはセンサ素子13が置かれている。図示されている構成では、1つの場所だけが既に占有されている。しかしながら、いくつかの構成では、センサ素子は、2つ以上の個々の素子からなっていてもよく、その場合は、占有されていない場所に分割される。
【0089】
したがって、
図17Bは、モジュール9の形でまとめられ、エンドキャリア3上に配置された多数のLED5を示している。このようにして、一枚の全体的に平面なターゲットマトリクス1が実装されている。ディスプレイやビデオウォールなどの表示デバイスの場合、モジュール9がサブ画素として形成され、まとめられる。このために、赤色、緑色および青色の3つの異なる色のモジュール9を使用し、サブ画素として一緒に画素(画像素子)を発生させるように並置する。次いで、画像素子をターゲットマトリクス1に沿って行と列とに配置する。冗長なLEDを使用することで、冗長なサブ画素の代わりに、センサ素子をいくつかの場所に位置決めすることもできる。
【0090】
図17Cは、多数の全体的に平面なターゲットマトリクス1の配置構造を表したものである。
図17Bとは対照的に、多数の全体的に平面な個々のターゲットマトリクス1が使用され、それぞれが、
図17Bに記載のとおり、多数のモジュール9も有することができる。
図17Cの明確な説明のために、それぞれの個々の全体的に平面なターゲットマトリクス1は、2つの行と2つの列のみを有している。ここでのターゲットマトリクス1は、領域内で一様に等しい大きさを有している。あるいはターゲットマトリクス1は、異なる大きさの領域を作り出してもよい。このようにして、表示デバイスをそれぞれの用途に柔軟に合わせることができる。
【0091】
このように、左上のターゲットマトリクス1では、モジュール9がターゲットマトリクス1の占有可能な場所をすべてカバーしている。その右側では、1つの構造素子5を備えた1つのモジュール9のみがターゲットマトリクス1に形成されており、3つの場所11は空いたままとなっている。その下には、2つの構造素子5がモジュール9を形成しており、2つの場所11は空いたままとなっている。左下のターゲットマトリクス1には、3つの構造素子5からなるモジュール9が位置決めされており、1つの場所11のみが空いたままとなっている。占有されていない場所11には、例えば、少なくとも部分的にセンサ素子13が形成されていてもよい。前述の4つのターゲットマトリクス1のうち、3つのターゲットマトリクス1は、それぞれ赤色、緑色および青色の各色の構造素子5を有し、それらが一緒になって1つの画像素子を形成してもよい。この画像素子を、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3に沿って縦横に繰り返すことで、表示機能を持たせることができる。原則的にサブ画素の均一な放射が所望されていることから、各色のサブ画素に同じモジュール9を実装することが好ましい。あるいは第4のターゲットマトリクス1には、センサ素子13が完全に実装される形で構成されていてもよい。
【0092】
行のターゲットマトリクス1のそれぞれの距離を表す距離aとc、および列のターゲットマトリクス1の距離を表す一例としての距離bは、表示部の所望の解像度に応じて選択することができる。これは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3の縁部までの距離にも当てはまる。距離aとb、またはaとc、またはbとc、またはaとbとcは同じであってもよい。同様に、距離aとbとcは、構造素子5の空間的な広がりもしくは構造素子5の相互の間隔の整数倍とすることができる。
【0093】
図17Dは、バックプレーンまたは他の基板上のLEDモジュールを電気的に接触させるための異なるコンタクトオプションを例示している。M1は、特に2つの個別のベースモジュールに適した2つの領域KB1およびKB2を有するコンタクトパネルM1を示している。ベースモジュールは、単独でも組み合わせても表面に配置することができる。コンタクトパネルM1’は、より大きなコンタクト領域KB3を有している。これにより、浅いメサエッチングを施した2つの連続するベースモジュールからなるLEDモジュールを配置し、一緒に駆動制御することができる。パネルM1’’は、パネルM1’と同様に、1つのベースモジュール用のコンタクト領域のみが設けられている。パネルM2には、コンタクト領域の上に配置されたLEDモジュールが示されている。パネルM1’’’は、共通の端子が設けられている領域を示している。
【0094】
図17Eは、部分的に実装された平坦面または平面のセクションを、これに関するいくつかの態様を説明するために示している。前述のように、LEDは、行と列のアレイとして製造することができる。これにより、複数のLEDモジュールや異なる色のモジュールを実装することができる。これを
図17Eに示す。このセクションは、赤色のモジュールrMを真上から見たものである。提案している原理により6×1のモジュールで製造されており、平面上で施与して接触させられる。赤色のモジュールには、青色のモジュールbMが隣り合っており、さまざまなコンタクトを説明するために一種の横断面図で示されている。共通接続されたコンタクトにはKのマークを付けている。この文脈での「共通」という用語は、これらのコンタクトが、少なくともいくつかの他の隣り合うコンタクトと同じ可能性を有していると理解されるべきである。したがって、平面には共通のコンタクト領域AB4が施与されている。図に示すように、コンタクト領域AB4は、常に複数のベースモジュールのコンタクトKに接触している。更なるコンタクトKbは、各ベースモジュールを個別に駆動制御する役割を果たす。そのため、4つのベースモジュールを個別に駆動制御し得るためには、シート面に合計5つのコンタクト領域を形成する必要がある。したがって、図に示すように、異なる色のLEDモジュールでも、共有コンタクト領域を使用することができる。
【0095】
最後に、
図18は転写プロセスのさらに別の態様を示している。ベースモジュール内のLEDモジュールの周期的な配置および編成により、LEDモジュールを所望の方法で個片化した後、本願に提示しているデュアル転写プロセスによってモジュールを移すことができる。
図18は、その大きさがベースモジュールの間隔に対応する2つのパッド22を備えた転写配置構造20を示している。
種々の方法、LEDモジュールおよびLEDディスプレイモジュールが以下の対象の一部となっている。
[対象1]
LEDのモジュールを製造する方法であって、
キャリア上に、第1の層と、前記第1の層上に施与された活性層と、前記活性層上に形成された第2の層とを有する、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップと、
前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域を露出させるステップと、
前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域に第1のコンタクトを形成するステップと、
前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域に第2のコンタクトを形成するステップと
を含む、方法。
[対象2]
前記第2のコンタクトを形成するステップが、
前記活性層および前記第2の層の部分領域を覆うように電気絶縁性の誘電体を形成するステップと、
前記第2のコンタクトを、反対側の前記第1の層の表面領域に電気的に接触しつつ前記誘電体を介して前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域まで広がっている導電性材料で形成するステップと
を含む、対象1記載の方法。
[対象3]
前記方法が、前記少なくとも1つの層スタックの浅いフランクパターニングによって、特に前記第2の層の側から、前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域を露出させ、特に、それぞれの層スタックの周囲を延在する浅いトレンチを作製するステップを含む、対象1または2記載の方法。
[対象4]
前記方法が、複数のベースモジュールを、X-Y平面上で少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とに沿ったマトリクスとして作製し、それぞれの行のベースモジュールは同じ向きにするステップを含む、対象1から3までのいずれか1項記載の方法。
[対象5]
隣り合う2つの行のベースモジュールが同じ向きとされるか、または
隣り合う2つの行のベースモジュールを反対向きにすることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトが互いに隣り合って配置される、
対象4記載の方法。
[対象6]
前記方法が、2つの隣り合っている互いに反対向きのベースモジュールの共通の層スタックを作製するステップを含む、対象5記載の方法。
[対象7]
前記方法が、
複数のベースモジュールを、少なくとも1つのLEDモジュール、特にX-Y平面に沿った長方形または正方形のLEDモジュールに組分けするステップであって、特に複数の行の場合には、各行がベースモジュールによって占められる同じ列を有している、ステップ、および
複数のベースモジュールから、前記第1の層を介して、特に前記第2の層の側から、深いフランクパターニングによって、少なくとも1つのLEDモジュールを形成するステップ
のうちの少なくとも1つを含む、対象1から6までのいずれか1項記載の方法。
[対象8]
前記ベースモジュールが、フランク部を深くパターニングする際に、前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトを露出させるのとは異なり、別のキャリア上に配置されている、対象1から7までのいずれか1項記載の方法。
[対象9]
前記方法が、
レーザーリフトオフにより前記ベースモジュールまたはLEDモジュールを前記キャリアから引き離すステップと、
機械的な方法で前記ベースモジュールまたはLEDモジュールを前記キャリアから引き離すステップ
のうちの少なくとも1つを含む、対象1から8までのいずれか1項記載の方法。
[対象10]
前記方法が、前記LEDモジュールの前記コンタクトを、特にフリップチップ技術を用いて、交換用キャリアまたはエンドキャリアに接触させるステップ
を含む、対象1から9までのいずれか1項記載の方法。
[対象11]
隣り合う反対向きの前記LEDモジュールのベースモジュールのコンタクト用に共通のコンタクト領域が作製される、対象10記載の方法。
[対象12]
前記第1の層がn型ドープされており、前記第2の層がp型ドープされており、前記活性層は、特に青色または緑色の光を放出するように構成されており、かつ/または
前記第1の層がp型ドープされており、前記第2の層がn型ドープされており、前記活性層は、特に赤色の光を放出するように構成されている、
対象1から11までのいずれか1項記載の方法。
[対象13]
前記少なくとも1つの層スタックがエピタキシによって作られ、かつ/または
露出および/または組分けがエッチングによって実行される、
対象1から12までのいずれか1項記載の方法。
[対象14]
前記方法が、さらに、
深いフランクパターニング部に隣り合って延びる前記活性層の領域に量子井戸インターミキシングを発生させるステップ
を含む、対象1から13までのいずれか1項記載の方法。
[対象15]
ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを有するLEDモジュールであって、前記層スタックは、キャリア上に形成された第1の層と、活性層と、第2の層とを有し、ここで、第1のコンタクトが、前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域内または表面領域上に形成されており、第2のコンタクトが、前記キャリアに面していない前記第1の層の表面領域内または表面領域上に形成されており、前記第1のコンタクトと前記第2のコンタクトとが互いに離間している、LEDモジュール。
[対象16]
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトに面していない前記層スタックの側に光出射面が形成されている、対象15記載のLEDモジュール。
[対象17]
前記第2のコンタクトが、誘電体によって遷移層と前記第2の層とに対して電気的に絶縁されており、前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域上に延在するように形成されている、対象15記載のLEDモジュール。
[対象18]
前記LEDモジュールが、少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とからなるマトリクス状に配置された複数のベースモジュールを含んでいる、対象17記載のLEDモジュール。
[対象19]
前記LEDモジュールに隣り合うLEDが、深いフランクパターニング部によって分離されている、対象18記載のLEDモジュール。
[対象20]
深いフランクパターニング部に隣り合って延びる前記活性層の領域が、特に量子井戸インターミキシングによって生成された増大したバンド構造を有している、対象19記載のLEDモジュール。
[対象21]
隣り合う2つの行の前記ベースモジュールが反対向きにされていることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトが互いに隣り合って配置されている、対象15から20までのいずれか1項記載のLEDモジュール。
[対象22]
前記モジュール、特に発光ダイオードモジュールが、対象1から14までのいずれか1項記載の方法によって作製されている、対象15から21までのいずれか1項記載のモジュール。
[対象23]
LEDディスプレイモジュールであって、
第1のキャリア上に形成された全体的に平面なターゲットマトリクスであって、占有可能な場所にLEDの行と列とを有している、ターゲットマトリクスと、
対象15から22までのいずれか1項記載の1つ以上のLEDモジュールであって、そのサイズが前記占有可能な場所に対応している1つ以上のベースモジュールを含む、LEDモジュールと
を有する、LEDディスプレイモジュールにおいて、
前記LEDモジュールは、前記ターゲットマトリクスにおいて、ベースモジュールによって占有されていない複数の場所が残るように、前記第1のキャリアに位置決めされて電気的に接続されており、前記場所には、少なくとも部分的にそのつど少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続されている
ことを特徴とする、LEDディスプレイモジュール。
[対象24]
前記第1のキャリア上に形成された、同じサイズまたは異なるサイズの全体的に平面な複数のターゲットマトリクスを、それぞれ互いに間隔を空けてターゲットマトリクスが占有できる場所を有する行と列とに沿って形成する、対象23記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象25]
前記ベースモジュールがマトリクス平面上に長方形を形成しており、それぞれ共通の辺に沿って互いに隣り合う任意の数のベースモジュールが組分けされてLEDモジュールを形成している、対象23または24記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象26]
少なくとも1つのLEDモジュールが、2行×2列の4つのベースモジュールを有している、対象23から25までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象27]
少なくとも1つのLEDモジュールが、2行×2列の3つのベースモジュールを有している、対象23から26までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象28]
それぞれ4つのベースモジュールを有する少なくとも7つのLEDモジュールと、それぞれ3つのベースモジュールを有する少なくとも2つのLEDモジュールとが、このようにターゲットマトリクス上に位置決めされて電気的に接続されている、対象23から27までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象29]
ベースモジュールが占有していない少なくとも2つの場所が作り出されており、前記場所にそれぞれ少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続されている、対象28記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象30]
センサ素子が占有している前記場所をベースモジュールが囲っている、対象29記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象31]
前記ベースモジュールが、前記第1のキャリアの第1の側部から電磁放射を放出するように形成されている、対象23から30までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象32]
前記LEDモジュールが、サブ画素として形成されたベースモジュールを有している、対象23から31までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象33]
前記ターゲットマトリクスの前記場所が、1つの画素のサブ画素として形成されている、対象23から32までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象34]
複数のセンサ素子が、前記第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、前記第1のキャリア上に形成されたセンサ装置の一部として形成されている、対象23から33までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象35]
少なくとも1つのセンサ素子が、バイタルサイン監視センサとして形成されている、対象23から34までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象36]
前記バイタルサイン監視センサが、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイ画面の背面の背後に配置されており、前記バイタルサイン監視センサは、前記バイタルサイン監視センサ上の前記ディスプレイ画面の前方主表面に身体の一部を当てたユーザーの1つ以上のバイタルサインパラメータを測定するように構成されている、対象35記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象37]
ベースモジュールが、それぞれ、第2のキャリア上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された活性遷移層と、前記活性遷移層上に形成された第2の層とから形成されており、ここで、第1のコンタクトが、前記第2のキャリアに面していない前記第2の層の表面領域に接続されており、第2のコンタクトが、前記第2のキャリアに面していない前記第1の層の表面領域に接続されている、
対象23から36までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象38]
前記第2のコンタクトが、誘電体によって遷移層と前記第2の層とに対して電気的に絶縁されており、前記第2のキャリアに面していない前記第2の層の表面領域上に延在するように形成されている、対象37記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象39]
それぞれの前記センサ素子が、フォトダイオードの形態、またはフォトトランジスタの形態、またはフォトレジスタの形態、または環境光センサの形態、または赤外線センサの形態、または紫外線センサの形態、または近接センサの形態、または赤外線構造素子の形態で形成されている、対象23から38までのいずれか1項記載のLEDディスプレイモジュール。
[対象40]
第1のキャリア上に形成された、ベースモジュールが占有可能な場所を有する全体的に平面なターゲットマトリクスの行と列とを備えた、LEDディスプレイモジュールを製造する方法であって、
第2のキャリア上の複数のベースモジュールが、ターゲットマトリクスに対してベースモジュールが占有可能な場所から等間隔を有するスタートマトリクスにおいて、特に浅いメサエッチングにより形成され、その箇所で、特に深いメサエッチングにより組分けされて複数のLEDモジュールとなり、これらのLEDモジュールは、特にレーザーリフトオフまたは機械的もしくは化学的なプロセスによって前記第2のキャリアから分離される、方法において、
前記LEDモジュールは、第1のキャリア上で、前記ターゲットマトリクスにおいて、ベースモジュールによって占有されていない複数の場所が前記ターゲットマトリクスに残るように位置決めされて電気的に接続され、前記場所には、少なくとも部分的に少なくとも1つのセンサ素子がそれぞれ位置決めされて電気的に接続される
ことを特徴とする、方法。
[対象41]
前記第1のキャリア上に形成される、互いに同じサイズまたは異なるサイズの全体的に平面な複数のターゲットマトリクスは、それぞれ互いに間隔を空けてターゲットマトリクスが占有できる場所を有する行と列とに沿って形成される、対象40記載の方法。
[対象42]
前記ベースモジュールがマトリクス平面上に長方形を形成し、共通の辺に沿って互いに隣り合う任意の数のベースモジュールが組分けされてLEDモジュールが形成される、対象40または41記載の方法。
[対象43]
4つのベースモジュールが2行×2列で組分けされて少なくとも1つのLEDモジュールが形成される、対象40から42までのいずれか1項記載の方法。
[対象44]
3つのベースモジュールが2行×2列で組分けされて少なくとも1つのLEDモジュールが形成される、対象40から43までのいずれか1項記載の方法。
[対象45]
それぞれ4つのベースモジュールを有する少なくとも7つのLEDモジュールと、それぞれ3つのベースモジュールを有する少なくとも2つのLEDモジュールとが、ベースモジュールが占有していない少なくとも2つの場所が作り出されるように、前記ターゲットマトリクス上に位置決めされて電気的に接続され、前記場所にはそれぞれ少なくとも1つのセンサ素子が位置決めされて電気的に接続される、対象40から44までのいずれか1項記載の方法。
[対象46]
センサ素子が占有している前記場所が、ベースモジュールで囲われる、対象40から45までのいずれか1項記載の方法。
[対象47]
前記ベースモジュールが、前記第1のキャリアの第1の側部から電磁放射を放出するように形成される、対象40から46までのいずれか1項記載の方法。
[対象48]
複数のセンサ素子が、前記第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、前記第1のキャリア上に形成されたセンサ装置の一部として形成される、対象40から47までのいずれか1項記載の方法。
[対象49]
1つのセンサ素子が、バイタルサイン監視センサとして形成される、対象40から48までのいずれか1項記載の方法。
[対象50]
前記バイタルサイン監視センサが、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイ画面の背面の背後に配置され、前記バイタルサイン監視センサは、前記バイタルサイン監視センサ上の前記ディスプレイ画面の前方主表面に身体の一部を当てたユーザーの1つ以上のバイタルサインパラメータを測定するように構成される、対象49記載の方法。
[対象51]
ベースモジュールは、それぞれ、第2のキャリア上に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成された活性遷移層と、前記活性遷移層上に形成された第2の層とから形成され、ここで、第1のコンタクトが、前記キャリアに面していない前記第2の層の表面領域に接続され、第2のコンタクトが、前記第2のキャリアに面していない前記第1の層の表面領域に接続される、対象40から50までのいずれか1項記載の方法。
[対象52]
前記第2のコンタクトが、誘電体によって遷移層と前記第2の層とに対して電気的に絶縁され、前記第2のキャリアに面していない前記第2の層の表面領域上に延在するように形成される、対象51記載の方法。
[対象53]
センサ素子が、それぞれ、フォトダイオードの形態、またはフォトトランジスタの形態、またはフォトレジスタの形態、または環境光センサの形態、または赤外線センサの形態、または紫外線センサの形態、または近接センサの形態、または赤外線構造素子の形態で形成される、対象40から52までのいずれか1項記載の方法。