(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ユニキャスト用のタイムスロットをアロケーションするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20241216BHJP
H04L 49/201 20220101ALI20241216BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20241216BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20241216BHJP
H04W 40/02 20090101ALI20241216BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20241216BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04L49/201
H04W4/06
H04W4/38
H04W40/02
H04W84/18
(21)【出願番号】P 2022506021
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2020044340
(87)【国際公開番号】W WO2021022086
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-28
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】3151 East Imperial Highway,Brea,California 92821,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バタチャルジー、サスミット
(72)【発明者】
【氏名】ルメール、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ラシード、ティンク
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06788702(US,B1)
【文献】特表2014-500653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0197838(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L49/201
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおけるリンク層ユニキャスト送信を用いたエンドツーエンドレイテンシを低減させるための方法であって、
プロセッサとメモリとを有するルータを提供する工程であって、前記ルータの役割は、ネットワークトポロジの一部である任意のモートによって引き受けられることが可能である、工程と、
モートAから1組のモートへの送信用に時分割多元接続(TDMA)スーパーフレームの第1タイムスロット、第2タイムスロットおよび第3タイムスロットを、前記モートの各々への送信が別個のタイムスロットにアロケーションされるように、動的にアロケーションする工程であって、前記1組のモートは、第1モート、第2モート、および第3モートを備え、
前記第1モート、前記第2モートおよび前記第3モートは、各々、第1マルチキャストグループのメンバであり、
モートAは、前記第1モートへの送信用に前記第1タイムスロットにアロケーションされる、工程と、
前記ルータが、前記第2モートの前記第1マルチキャストグループに対するメンバシップに基づいて、モートAから前記第2モートへの送信用に前記第2タイムスロットをリアロケーションする工程であって、前記第2タイムスロットが前記第1タイムスロットに隣接するように、リアロケーションされた前記第2タイムスロットがシフトされる、工程と、
前記ルータが、前記第3モートの前記第1マルチキャストグループに対するメンバシップに基づいて、モートAから前記第3モートへの送信用に前記第3タイムスロットをリアロケーションする工程であって、前記第3タイムスロットが前記第2タイムスロットに隣接するように、リアロケーションされた前記第3タイムスロットがシフトされる、工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記ルータは、TDMA(時分割多元接続)ベースのプロトコルを用いて無線通信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルータは、前記第1タイムスロット、前記第2タイムスロットおよび前記第3タイムスロットを動的にアロケーションし、前記第2タイムスロットおよび前記第3タイムスロットをリアロケーションする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ルータは、低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを通じて無線通信する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ルータがパケットを受信する工程と、
前記パケットが、好ましい親であるマルチキャストグループアドレスを有するかを、前記プロセッサを用いて決定する工程と、
送信元が前記好ましい親である場合、前記ルータが、前記マルチキャストグループアドレスが前記ルータのルーティングテーブルに掲載されているかを照合する工程と、
前記送信元が前記好ましい親でない場合、前記パケットをドロップする工程と、
前記マルチキャストグループアドレスが前記ルーティングテーブルに掲載されている場合にだけ、前記ルータが、子の数に基づいてリンク層ユニキャスト送信またはブロードキャスト送信を用いて前記パケットを下りに転送する工程と、
前記マルチキャストグループアドレスが前記ルーティングテーブルに掲載されているかを決定した後、前記ルータが、前記第1モートが前記第1マルチキャストグループのメンバであるかを照合する工程と、
前記ルータが、前記第1モートが前記第1マルチキャストグループの前記メンバであると決定した場合、前記パケットを上りに送達する工程と、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記送信元が前記好ましい親でない場合、前記ルータが、前記パケットが下から受信されたかを照合する工程と、
前記ルータが、前記パケットが下から受信されたと決定した場合、前記ルータが、前記マルチキャストグループアドレスが前記ルーティングテーブルに掲載されているかを決定する工程と、
前記ルータが、前記パケットが下から受信されなかったと決定した場合、前記パケットをドロップする工程と、
前記マルチキャストグループアドレスが前記ルーティングテーブルに掲載されている場合、前記ルータがリンク層ユニキャスト送信を用いて前記パケットを下りに転送し、ただし、前記パケットがそこから受信された子には前記パケットを転送しない工程と、をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ルータであって、
プロセッサと、
非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された制御スレッドと、を備え、
前記プロセッサは、第1プロトコルを用いたリンク層ユニキャスト送信用に、モートAから1組のモートの各々への送信用の時分割多元接続(TDMA)スーパーフレームのタイムスロットを、前記モートの各々への送信が別個のタイムスロットにアロケーションされるように、動的にアロケーションし、
前記プロセッサは、前記1組のモートの各々が第1マルチキャストグループのメンバであるかを決定し、
前記第1マルチキャストグループの前記メンバのうちの1つへの送信用のアロケーションされた各タイムスロットが、アロケーションされた前記タイムスロットのうちの別のタイムスロットに隣接するように、前記ルータが、前記第1マルチキャストグループのメンバである前記1組のモートの各々への送信用のアロケーションされた前記タイムスロットのうちの1つまたは複数をシフトする、ルータ。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記1組のモートの各々が第2マルチキャストグループのメンバであるかを決定し、
前記ルータが、前記第2マルチキャストグループのメンバである前記1組のモートの各々への送信用のアロケーションされた前記タイムスロットを、前記第2マルチキャストグループの前記メンバの各々への送信用の各タイムスロットが、前記第2マルチキャストグループのメンバへの送信用にアロケーションされた前記タイムスロットのうちの別のタイムスロットに隣接するべくシフトされるように、シフトする、請求項7に記載のルータ。
【請求項9】
前記第1プロトコルは、IEEE802.15.4プロトコルを含む、請求項7に記載のルータ。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記1組のモートを備えるワイヤレスセンサネットワークのトポロジに従ってIEEE802.15.4に基づいて前記TDMAスーパーフレームの構造を定める、請求項7に記載のルータ。
【請求項11】
前記ルータは、低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを通じて無線通信する、請求項7に記載のルータ。
【請求項12】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムであって、ルータの1つまたは複数のプロセッサによる実行時、IPネットワークを通じたマルチキャスト通信用に、
第1モートから第2モートへのおよび前記第1モートから第3モートへの送信用に時分割多元接続(TDMA)スーパーフレームの第1タイムスロットおよび第2タイムスロットをそれぞれ動的にアロケーションする工程であって、各送信は別個のタイムスロットにアロケーションされ、
前記第1モートから前記第2モートへの送信は、前記第1タイムスロットにアロケーションされ、前記第2モートは第1マルチキャストグループのメンバであり、
前記第1モートから前記第3モートへの送信は、前記第2タイムスロットにアロケーションされる、工程と、
前記第3モートが前記第1マルチキャストグループのメンバであるかを決定する工程と、
前記第3モートが前記第1マルチキャストグループの前記メンバである場合、前記第3モートへの送信用にアロケーションされた前記第2タイムスロットを、前記第3モートの前記第1マルチキャストグループに対するメンバシップに基づいてリアロケーションする工程であって、リアロケーションされた前記第2タイムスロットは、前記第2タイムスロットが前記第1タイムスロットに隣接するようにシフトされる、工程と、を備える動作を実行する、プログラム。
【請求項13】
前記動作は、
前記第1モートから第4モートへの送信用にTDMAスーパーフレームの第3タイムスロットを動的にアロケーションする工程と、
前記第4モートが前記第1マルチキャストグループのメンバであるかを決定する工程と、
前記第4モートが前記第1マルチキャストグループの前記メンバである場合、前記第3タイムスロットを、前記第4モートの前記第1マルチキャストグループに対するメンバシップに基づいてリアロケーションする工程であって、リアロケーションされた前記第3タイムスロットは、前記第3タイムスロットが前記第2タイムスロットに隣接するようにシフトされる、工程と、をさらに備える、請求項
12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記モート同士は、米国電気電子学会(IEEE)802.15.4プロトコルを用いて無線通信するか、前記モート同士は、低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを通じて無線通信するか、またはその両方である、請求項
12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、例えば、機内ワイヤレスセンサネットワーク、IoT(Internet of Things)、ホームオートメーション、および低電力デバイスに使用するためなどのマルチキャスト通信である。
【背景技術】
【0002】
以下の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれも先行技術であるか本特許請求の範囲に記載の発明に関連する、または、特にもしくは暗に参照されるいずれの刊行物も先行技術である、と認められるものではない。
【0003】
現在、ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)の新たな用途の需要が増加している。用途の1つの例示的な領域は、特に航空機用の機内通信に関する。航空機システムがますます接続されるようになるにつれて、座席、電子機器、および他のコンポーネントの状態および正常性を決定するように、追加のセンサが航空機において利用されている。これらの増加する新たな用途の需要に伴い、すべてのIP通信を達成するように、したがって相互運用性を達成するように、WSNを、インターネットプロトコル(IP)アドレッシングにより、また特にインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)および将来のプロトコルにより、インターネットに接続することが有用である。
【0004】
しかしながら、米国電気電子学会(IEEE)802.15.4を含む現在の標準は、元々マルチキャストをサポートしていない。代わりに、IPマルチキャストを達成するようにリンク層ユニキャスト送信またはリンク層ブロードキャスト送信を利用するアルゴリズムが開発されている。リンク層ユニキャスト送信は、肯定応答に基づく再送に起因する高い信頼性を提供する一方、個々の送信がマルチキャストサブスクライバの各々に対し必要とされるとともに大きいエネルギー消費を必要とするため、エンドツーエンドレイテンシが良好でない。対照的に、ブロードキャスト送信は、すべてのマルチキャストサブスクライバに対する単一の送信に起因して、エンドツーエンドレイテンシが小さく、またエネルギー消費が小さい。しかしながら、再送および肯定応答がないため、信頼性は低い。
【0005】
したがって、上記において特定される問題に対処しようとするように、様々な技法が開発されているが、各々が自身の問題を抱える。
例えば、IEEE802.11aa標準は、マルチキャスト送信用の様々な機構を識別する。標準の研究は、2017年第8回コンピュータ、通信およびネットワーク技術の国際学会(ICCCNT)、デリー、2017年、において出版されたB.T.ビジャ(B.T.Vijay)およびB.マラルコディ(B.Malarkodi)による「IEEE802.11aa」において見られる。その標準は、マルチキャスト通信によるストリーム(例えば、ボイス、オーディオ、およびビデオ)の送信の方法を扱う。
【0006】
この標準を用いると、新たな制御メッセージおよび機構を追加することによって、複数のアクセスポイント間の関係が向上し得る。これに加えて、ワイヤレスネットワーク性能が、より良いチャネル選択により避けられやすい干渉により、より良く評価されることが可能である。ロードシェアもまた、AP間のブロードキャスト送信機会をスケジューリングするおよび追加するための追加の手法により、AP間において達成されることが可能である。リトライを伴うグループキャスト(GCR)のサービスを用いて、送達可能性を増加させる肯定応答を待つことなくマルチキャストフレームが数回送られる。
【0007】
しかしながら、802.11aa標準は、CSMAに基づく非決定的スキームである。GCRサービスは、リトライの数に応じてオーバーヘッドを追加し、リンク品質が良好であるときは非効率かつ不要となる。
【0008】
別の例として、TRM-MACプロトコルは、現在のノード密度に対し利用可能なスロットを管理するように用いられることが可能である。ノード密度が小さい場合、最小のスロットが用いられることが可能である。大きいノード密度では、追加のスロットが追加されることが可能である。TRM-MACプロトコルは、エネルギーとレイテンシとの間のトレードオフを提供することによって、最小の遅延を伴ったより高い成功送信レートを得る。プロトコルに関する追加の詳細は、コンピュータネットワークにおいて2016年に出版された、バティア(Bhatia)およびハンスダー(Hansdah)による「TRM-MAC:レイテンシと信頼性との間のトレードオフに対するフレキシビリティを有するWSN用のTDMAベースの信頼性のあるマルチキャストMACプロトコル(TRM-MAC:A TDMA-based reliable multicast MAC protocol for WSNs with flexibility to trade-off between latency and reliability)」に見られる。
図1に示されるように、MACフレームは、3つの部分、すなわち、コンテンションフリー期間1(CFP1)、コンテンションフリー期間2(CFP2)、およびコンテンションアクセス期間(CAP)へとさらに分割される。
【0009】
MACフレームのCFP1において用いられるチャネルアクセス機構はTDMAであり、TDMAは、マルチキャストデータを中継するように内部ノードによって用いられる。この部分におけるスロットサイズは、典型的には、マルチキャストデータを送信する(現在のデータレート、tdata)のに必要とされる時間に等しい。CFP1部分におけるスロットの数は、マルチキャストスパニングツリー(MST)における内部ノードの数と、内部ノード用にTDMAスロットスケジューリングを行うのに用いられるアルゴリズムとに依存する。
【0010】
MACフレームのCFP2において用いられるチャネルアクセス機構もTDMAであり、自身の肯定応答(ACK)メッセージを送信するためのACKベースのアプローチを用いたリーフノードによって用いられる。この部分におけるスロットサイズは、典型的には、ACKメッセージ(tack)を送信するのに必要とされる時間に等しく、通常はCFP1におけるスロットサイズよりも小さい。この部分のスロットの数は、MSTにおけるACKベースのアプローチを用いたリーフノードの数と、TDMAスロットスケジューリングを行うのに用いられるアルゴリズムとに依存する。
【0011】
MACフレームのCAP部分において用いられるチャネルアクセス機構は、(a)j-1-nRouters-nACK)*tccaによって定められる期間、チャネルが使用されていないことが分かった場合、および(b)データを受信していない場合、NACKベースのアプローチを用いる、ローカルidであるjを有する子ノードが、MACフレームのCAP部分においてNACKメッセージを送信する、優先順位付けされたCSMAである。tccaは、すでに送信している他のノードがないことを保証するように、任意のセンサノードによるクリアチャネル評価(CCA)を行うのに必要とされる時間である。nRoutersは、自身の親の内部子ノードの数である。tccaの値は、通常tdata,tackおよびtnackよりも小さい。この機構を優先順位付けされたCSMAと呼ぶ理由は、より小さいローカルID値を有するノードが、より大きいローカルID値を有するノードと比較して、チャネルにアクセスするためのより高い優先順位を有するためである。この部分の長さは、(α-1)*tcca+tnackとなり、ここでαは、ネットワークにおいて、任意の内部ノードにてNACKベースのアプローチを用いたリーフ子ノードの最大数である。
【0012】
TRM-MACは、CFPにおけるスロットアロケーションを最適化する手法を提供しないため、不利であり得る。これに加えて、CCA動作は、隠れたノードの存在があると失敗し得る。したがって、提案された優先順位付けされたCSMAチャネルアクセス機構は、NACKメッセージ間のコリジョンを完全には避けない。
【0013】
別の例として、TDMAベースのワイヤレスメッシュネットワークにおける最適化ベースのレートアロケーションおよびスケジューリングが用いられることが可能である。これは、ネットワークプロトコルの2008年IEEE国際学会において出版された、ワン(Wang)、ムトカ(Mutka)、およびトーング(Torng)による記事「TDMAベースのワイヤレスメッシュネットワークにおける最適化ベースのレートアロケーションおよびスケジューリング(Optimization based rate allocation and scheduling in TDMA based wireless mesh networks)」にさらに記載される。この記事では、著者らは、遅延およびスループットを考慮して、TDMAプロトコルのマルチキャストおよびユニキャスト通信を最適化するように研究した。この結果を達成するように、著者らは、パーフェクトグラフの構成に基づいて、マルチ転送レートスケジューリングアルゴリズムを導入した。そのアルゴリズムは、ゲートウェイにてルーティングされたまずスパニングツリーを構成し、次いで、パーフェクトグラフを達成するべくすべてのセッションに対応するようにツリーを切り落とす。
【0014】
不運にも、アルゴリズムは、自身のマルチキャスト送信用にブロードキャストスロットを用いる。これは、信頼性がないこれは集中制御を必要とし、スペシャルリユースを減少させることが可能である。これに加えて、アルゴリズムは、実施するには非常に複雑であるとともに、いくらかの計算能力を必要とする。アルゴリズムは、スロットフレーム全体にレイテンシを追加する、より大きいタイムスロットも必要とし得る。
【0015】
本明細書において特定されるすべての出版物は、各個々の出版物または特許出願が参照により組み込まれるように詳細にまた個々に示された場合と同程度に、参照により組み込まれる。組み込まれた参照における用語の定義および使用が本明細書に提供される用語の定義と一貫しないまたは対照をなす場合、本明細書において提供される用語の定義が適用され、参照におけるその用語の定義は適用されない。
【0016】
したがって、ユニキャスト送信においてエンドツーエンドレイテンシを低減させる必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0017】
本発明の主題は、リンク層ユニキャストモードを用いた低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを(6LoWPAN)におけるエンドツーエンドレイテンシを低減させるための装置、システムおよび方法を提供する。そうしたネットワークでは、リンク層(L2)におけるプロトコルは、典型的にはIEEE802.15.4であり、ネットワーク層(L3)におけるプロトコルはIPv6を採用する。
【0018】
IEEE802.15.4は、低電力省エネルギープロトコルを提供する。IEEE802.15.4プロトコルは、例えば、ホームオートメーション、ファクトリオートメーション、予知保全およびライブモニタリングを含む広範囲の用途を有する。IEEE802.15.4はまた、時分割多元接続(TDMA)モードを用いたとき、決定性を有することも可能である。ここで、ノード間の通信は、タイムスロットへと分割され、スーパーフレーム(SF)においてスケジューリングされる。しかしながら、任意のTDMAベースのプロトコルが用いられることが可能である。
【0019】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、IEEE802.15.4プロトコルに関連して記載されるが、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、マルチキャストグループのサブスクライバに対する送信の再配置がエンドツーエンド遅延を低減させることが可能である、後に発展したプロトコルとともに用いられ得ることが想定されると理解される。
【0020】
そうしたネットワークにおけるレイテンシは、TDMAモードのうちの1つにおけるときにスーパーフレームにおけるタイムスロットをシフトすることによって低減されることが可能である。タイムスロットのリアロケーションは、グループのマルチキャストサブスクライバの各々への送信が隣接するタイムスロットを占有するように、好ましくは、マルチキャストグループに対するメンバシップに基づく。これによって、有利には、最適化されたタイムスロットのアロケーションおよびマルチキャスト通信についてのエンドツーエンドレイテンシの向上を得ることが可能である。
【0021】
本明細書に記載される発明の主題は、様々な用途を有する。航空機環境では、例えば、機内センサが別々のマルチキャストグループへと分割され得る。そうした環境では、ギャレーは第1マルチキャストグループを形成することが可能であり、各座席クラスは別々のマルチキャストグループを形成することが可能であり、機内ワゴン車は別々のマルチキャストグループとして形成されることが可能である。
【0022】
マルチキャストグループは、用途に基づいて形成されることも可能である。例えば、乗客サービスユニットにおける酸素マスク解放が別々のグループを形成することが可能である。
【0023】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な説明と、同様の符号が同様のコンポーネントを表す付属の図面とから、より明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】TRM-MACプロトコルを示す先行技術の図。
【
図2】スマートブロードキャスト転送アルゴリズムについてのフローチャート。
【
図3】スマートブロードキャスト転送アルゴリズムについての追加のフローチャート。
【
図4】スーパーフレームにおけるタイムスロットの動的なアロケーションを示す図。
【
図5】スーパーフレームにおけるタイムスロットのシフトを示す図。
【
図6】エンドツーエンドレイテンシを低減させるための方法の1つの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の記載を通して、アクセスポイント、ルータ、サーバ、サービス、インタフェース、ポータル、プラットフォーム、またはコンピュータデバイスから形成された他のシステムに関する参照がなされ得る。そうした用語の使用は、コンピュータ可読の有形な非一時的な媒体に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを有する1つまたは複数のコンピュータデバイスを表すと考えられることが認識される。例えば、アクセスポイントは、予めプログラムされた役割、責任、または機能を果たすように構成されることが可能である。
【0026】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、発明要素の単一の組合せを示すが、本発明の主題は、開示される要素のすべての可能な組合せを含むように考慮される。したがって、1つの実施形態が要素A,BおよびCを備え、第2の実施形態が要素BおよびDを備える場合、本発明の主題は、明白な開示がなくても、A,B,CまたはDの他の残る組合せも含むように考慮される。
【0027】
図2および
図3は、スマートブロードキャストアルゴリズムの1つの実施形態についてのフローチャートを示す。そうした概念は、2020年7月30日に出願された同時係属中の特許出願第PCT/US20/44318にさらに記載される。示されるように、アルゴリズムは、リンク層ユニキャスト送信とブロードキャスト送信との両方を利用し、マルチキャスト通信における双方向性を導入する。この手法では、マルチキャストパケットは、低電力ネットワーク用のルーティングプロトコルを示すRPLツリーの上下両方に横断することが可能であり、マルチキャストパケットはルート(根)までのすべての経路を横断する必要がない。
【0028】
図2は、パケットを転送するための例示的な処理を示す。示されるように、モートは、宛先がマルチキャストグループであるパケットを受信する。また、パケットが好ましい親から受信されたかが決定される。
【0029】
パケットが好ましい親から受信された場合、マルチキャストグループがルーティングテーブルに掲載されているかが照合される。掲載されている場合、パケットは、子の数に基づいてリンク層ユニキャスト送信またはブロードキャスト送信を用いて、下りに転送される。次いで、ノード(ノードおよびモートはワイヤレスセンサネットワークにおけるデバイスを表すように本明細書において互換に用いられる)がマルチキャストグループのメンバであるかが照合される。マルチキャストグループがルーティングテーブルに掲載されていない場合、パケットは転送されず、モートがマルチキャストグループのメンバであるかが照合される。
【0030】
モートがマルチキャストグループのメンバである場合、パケットはネットワークスタックに送達され、パケットが受け入れられる。そうでない場合、パケットはドロップされる。
【0031】
パケットが好ましい親から受信されなかった場合、パケットがRPLツリーにおいて下から到達したか(すなわち、リンク層ユニキャスト送信から受信したか)が照合される。そうである場合、マルチキャストグループがルーティングテーブルに掲載されているかが照合される。掲載されていない場合、パケットはドロップされる。
【0032】
マルチキャストグループがルーティングテーブルに掲載されている場合、パケットは、子(パケットがその子から受信された)を除いて、リンク層ユニキャストを用いて下りに転送される。次いで、モートがRPLルートであるかが照合される。そうである場合、モートがマルチキャストグループのメンバであるかが照合される。メンバでない場合、パケットは好ましい親へと上りに転送される。
【0033】
モートがマルチキャストグループのメンバである場合、パケットはネットワークスタックに送達され、パケットが受け入れられる。掲載されていない場合、パケットはドロップされる。
【0034】
ネットワークにおけるすべてのモート(センサ)がトポロジを認識しているため、マルチキャスト送信元はネットワーク内のどこにあることも可能である。プロセッサは、関係する子の数とデューティサイクル比とに基づいて、リンク層におけるユニキャストまたはブロードキャストを利用するかを決定することが可能である。
【0035】
ブロードキャスト送信中に受信されるメッセージの信頼性を向上させるため、時間同期チャネルホッピング(TSCH)が、ブロードキャスト再送を提供するように用いられることが可能である。
図3に示されるように、パケットは、所定の回数再送されることが可能である。肯定応答が受信されないため、この再送は常に行われる。ブロードキャスト再送を送受信するためのタイムスロットが存在するように、TSCHにおけるタイムスロットは、機能に従って分類されることが可能である。これらの再送中の受信者のエネルギーの必要を低減させるように、パケットが成功裏に受信されると、ブロードキャスト再送が受信され得る任意の残りのタイムスロットがスリープモードに設定される。したがって、受信者モートは、パケットを受信した後にスリープモードに入り、後続の再送が無視される。したがって、受信者のエネルギーの必要を低減させながら、パケットが受信される確率が増加することが可能である。
【0036】
ユニキャスト送信では、サブスクライバの数が増加するにつれて、すべてのサブスクライバに対するパケットの個々の送信と送り返される肯定応答とに起因して、無線送信の数が増加する。マルチキャスト通信用のタイムスロットは、スーパーフレームにわたって広がり、エンドツーエンドレイテンシが増加し得る。
【0037】
これは、少なくとも部分的には、TDMAモードに起因する固有の遅延によって生じる。例えば、
図4は、モートBにおける例示的なタイムスロットスケジュールを示す。第1スーパーフレーム(SF1)に示されるように、モートBからサブスクライバ1への送信用のタイムスロットには、サブスクライバ1からの受信用のタイムスロット、モートBからその親モートAへの送信用のタイムスロット、モートAからの受信用のタイムスロット、およびモートBからサブスクライバ2へのタイムスロットが続く。各タイムスロットの期間が10ミリ秒であるとすると、サブスクライバ2への送信は、サブスクライバ1への送信後の3つのタイムスロット、または第1の送信後30ミリ秒にて行われる。これらの30ミリ秒は、エンドツーエンドレイテンシへと追加される。したがって、サブスクライバの数が増加するにつれて、エンドツーエンドレイテンシも増加し得る。
【0038】
そうしたレイテンシを低減させるように、好ましいシステムおよび方法は、マルチキャストグループに対するメンバシップに基づいてスーパーフレームにおけるタイムスロットをシフトする。このようにして、すべてのマルチキャストサブスクライバが隣接するタイムスロットを占有することが可能である。これによって、スロットのアロケーションを最適化し、マルチキャスト通信用のエンドツーエンドレイテンシを低減させる。
【0039】
この一例が
図5に示される。図に示されるように、スーパーフレームにおけるタイムスロットは、マルチキャストグループに対するサブスクライバ(モート)のメンバシップに基づいて、シフト(リアロケーション)されることが可能であるため、マルチキャストサブスクライバへの送信は隣接するタイムスロットを占有する。この例では、モート1および2は、マルチキャストグループに対するサブスクライバである。したがって、スロット5の送信は、モートBからの送信に隣接するようにスロット2へとシフトされる。これは、エンドツーエンドレイテンシにおいて最低30ミリ秒節約されることとなる。サブスクライバの数が、航空機のような現実世界環境におけるなど大きいところでは、エンドツーエンドレイテンシは劇的に低減されることが可能である。
【0040】
図6は、IEEE802.15.4プロトコルを用いたリンク層ユニキャスト送信におけるエンドツーエンドレイテンシを低減させるための、開示される実施形態に従う例示的な方法600を示す。工程610では、プロセッサとメモリとを有するルータが提供されることが可能である。いくつかの実施形態では、ルータは、ネットワークにおけるアクセスポイント(AP)のコンポーネントである。
【0041】
工程620では、時分割多元接続(TDMA)スーパーフレームのタイムスロットが、ルータによって、1組のモートへの送信および1組のモートからの肯定応答用に動的にアロケーションされることが可能である。その1組のモートは、第1モート、第2モート、および第3モートを含む複数のモートを含むことが可能である。モートAからのモートの各々への送信は、それによって、別個のタイムスロットにアロケーションされることが可能である。
【0042】
工程630では、ルータまたは他のコンポーネントが、1組のモートのうちのいずれかがマルチキャストグループのメンバであるかを決定することが可能である。
第2モートが第1モートと同一のマルチキャストグループのメンバである場合、第2モートへの送信用にアロケーションされたタイムスロットは、工程640において、第1および第2モートへの送信用のタイムスロット同士が隣接するように、シフトされるまたはリアロケーションされることが可能である。
【0043】
第3モートも第1モートと同一のマルチキャストグループのメンバであると決定された場合、第3モートへの送信用に割り当てられたタイムスロットは、工程650において、第2および第3モートへの送信用のタイムスロット同士が隣接するように、シフトされるまたはリアロケーションされることが可能である。
【0044】
1つの態様では、IEEE802.15.4プロトコルを用いたリンク層ユニキャスト送信におけるエンドツーエンドレイテンシを低減させるためのシステムは、プロセッサと非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された制御スレッドとを有するルータを備える。プロセッサおよび制御スレッドは、TDMAスーパーフレームのタイムスロットの開始にてトランシーバモジュールを動作可能にすることができる。IEEE802.15.4プロトコルは上述されたが、任意のTDMAベースのプロトコルが用いられることが可能である。
【0045】
プロセッサは、1組のモートの各々に対する送信用のタイムスロットに動的にアロケーションするように構成されることが可能である。プロセッサは、次いで、その1組のモートの各々が第1マルチキャストグループのメンバであるかを決定することが可能である。その1組のうちのモートが第1マルチキャストグループのメンバである場合、ルータは、シフトされたタイムスロットが、第1マルチキャストグループのサブスクライバへの送信用にアロケーションされたタイムスロットのうちの別のタイムスロットに隣接するように、送信用のタイムスロットをそのモートへとシフトすることが可能である。この処理は、第1マルチキャストグループのメンバであるその1組のうちのすべてのモートへの送信用にアロケーションされたタイムスロットが、それらのタイムスロットのうちの別のタイムスロットに隣接するまで、続くことが可能である。
【0046】
いくつかの想定される実施形態では、プロセッサは、その1組のモートの各々が第2マルチキャストグループのメンバであるかを決定するように構成されることが可能である。プロセッサは、次いで、第2マルチキャストグループのメンバである各モートへの送信用にコロケーションされたタイムスロットをシフトすることが可能である。その結果、第2マルチキャストグループのメンバの各々への送信用の各タイムスロットは、第2マルチキャストグループのメンバへの送信用にアロケーションされたタイムスロットのうちの別のタイムスロットに隣接するようにシフトされる。
【0047】
好ましくは、プロセッサは、その1組のモートを備えるワイヤレスセンサネットワークのトポロジに従うIEEE802.15.4に基づくスーパーフレームの構造を定める。
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムによりさらに実施されることが可能である。好ましいプログラムは、プログラムがルータの1つまたは複数のプロセッサにより実行された時、IPネットワークを通じたマルチキャスト通信用の1組の動作を実行するように構成される。
【0048】
想定された動作は、第1モートから第2モートへのおよび第1モートから第3モートへの送信用にTDMAスーパーフレームのタイムスロットを動的にアロケーションすることを含む。ここで、各送信は、別個のタイムスロットにアロケーションされる。例えば、第1モートから第2モートへの送信は、第1タイムスロットにアロケーションされることが可能である。
【0049】
別の動作は、第3モートが第2モートと同一のマルチキャストグループのメンバであるかを決定することが可能である。そうである場合、第3モートへの送信用にアロケーションされたタイムスロットは、リアロケーションされた第2タイムスロットが第1タイムスロットに隣接するように、マルチキャストグループに対する第3モートのメンバシップに基づいてリロケーションまたはシフトされることが可能である。
【0050】
同様に、TDMAスーパーフレームの第3タイムスロットは、第1モートから第4モートへの送信用に、動的にアロケーションされることが可能である。
別の動作は、第4モートが第2モートと同一のマルチキャストグループのメンバであるかを決定することが可能である。そうである場合、第4モートへの送信用にアロケーションされたタイムスロットは、リアロケーションされた第3タイムスロットが第2タイムスロットに隣接するように、マルチキャストグループに対する第4モートのメンバシップに基づいてリロケーションまたはシフトされることが可能である。
【0051】
好ましくは、モート同士は、IEEE802.15.4プロトコルを用いて、低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワークを通じて無線で通信する。
中央のエンティティは、決定性を向上させるように、固定のスケジュール(すなわち、スーパーフレームのタイムスロットのリスト)をネットワーク内の各ノードへと分配することが可能であるが、本明細書に記載される発明の概念は、タイムスロットがノードによって互いの間の距離に基づいて動的にアロケーションされる環境における、タイムスロットアロケーションを扱う。そうした環境では、タイムスロットは、無作為にアロケーションされてよく、エンドツーエンド通信用に、より詳細には、ノードがマルチキャストパケットを送るために802.15.4ユニキャスト送信を用いるマルチキャスト通信用に、最適化されなくてよい。
【0052】
本明細書において用いられる際には、文脈が別段の指示をしない限り、用語「に対し結合される」は、直接的な結合(互いに結合されている2つの要素が互いに接触する)と間接的な結合(1つ以上の追加の要素が、2つの要素間に位置する)との両方を含むことを意図する。したがって、用語「に対し結合される」および「と結合される」は、同義語として用いられる。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を説明および請求するように用いられる、成分の量、濃度、反応条件などの特性を表す数字は、場合によっては用語「約」によって変更されると理解される。したがって、いくつかの実施形態では、明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、特定の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らして、また通常の端数処理技法を適用することによって解される。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、実施可能な限り正確に報告される。本発明のいくつかの実施形態において提示された数値は、それぞれの試験測定にて見出された標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含み得る。
【0054】
文脈が反対のことを示さない限り、本明細書において説明されるすべての範囲が、それらの端点を含むと解され、無制限の範囲は、商業的に実行可能な値しか含まないように解される。同様に、値のすべてのリスとは、文脈が反対のことを示さない限り、中間値を含むように考慮される。
【0055】
本明細書における記載においておよび以下の特許請求の範囲を通じて用いる際には、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明示しない限り、複数の参照を含む。また、本明細書における記載において用いる際には、「において(in)」は、文脈が明示しない限り、「中に(in)」および「上に(on)」を含む。
【0056】
本明細書における値の範囲の記載は、範囲内に入る各別々の値を個々に参照する簡単な方法として機能することを意図するに過ぎない。本明細書において示されない限り、範囲を伴う各個々の値は、本明細書において個々に記載されるように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書において示されない限り、または文脈によって明確にされない限り、任意の適切な順序にて行われることが可能である。本明細書における特定の実施形態に対し提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、より良く本発明を示すように意図されるに過ぎず、他の請求される本発明の範囲を限定するように述べるものではない。本明細書の言語は、本発明の実施に必要な任意の請求されない要素を示すものと解されない。
【0057】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ分けは、限定として解されるものではない。各グループの部材は、個別にまたはグループの他の部材または本明細書に見られる他の要素との任意の組み合わせにて参照され請求されることが可能である。グループの1つまたは複数の部材は、利便性および/または特許性の理由のため、グループに含めるか、グループから削除することが可能である。そうした包含または削除が生じるとき、本明細書では、変更されたグループを含むとみなし、したがって、添付の特許請求の範囲にて用いられるすべてのマーカッシュ形式のグループの記載を充足する。
【0058】
本明細書における本発明の概念から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外のさらに多くの修正が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除いて限定されるものではない。さらに、明細書と特許請求の範囲との両方を解釈する際には、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り広い方法により解釈される。特に、用語「備える(comprises)」および「備える(comprising)」は、非排他的に、要素、コンポーネント、または工程を参照すると解され、参照される要素、コンポーネント、または工程が存在するか、利用されるか、明示的に参照されていない他の要素、コンポーネント、または工程と組み合わされる場合があることを示す。明細書の特許請求の範囲が、A、B、C....およびNからなるグループから選択されたもののうちの1つ以上を参照する場合、その文章は、AとN、またはBとNなどではなく、グループから1つの要素のみを必要とするように解される。