(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】照明器具のためのデュアルディストリビューションレンズ
(51)【国際特許分類】
F21V 5/00 20180101AFI20241216BHJP
F21V 7/10 20060101ALI20241216BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20241216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241216BHJP
【FI】
F21V5/00 200
F21V7/10
F21V5/00 320
F21V5/02 100
F21V5/02 300
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022506300
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2020071232
(87)【国際公開番号】W WO2021018876
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】セイエルス ウィルストン ナイジェル クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】マンジャッパ プラヴェーラ
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-062187(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187902(JP,U)
【文献】特開2009-048920(JP,A)
【文献】特開2013-008620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0298071(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106678726(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 5/00
F21V 7/10
F21V 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される発光ダイオード光源と、
前記ハウジング内に配置され、前記発光ダイオード光源からの光の一部を反射するように配向されるリフレクタと、
前記ハウジング内に配置されるレンズと、
を含む、照明器具であって、
前記レンズは、第1の側部及び第2の側部を有し、前記第1の側部及び前記第2の側部の少なくとも一方は、光学的特徴のパターンを含み、前記レンズは、前記レンズを前記リフレクタに取り付けるアタッチメント機能を含み、前記アタッチメント機能は、前記第1の側部が前記発光ダイオード光源に面する第1の位置及び前記第2の側部が前記発光ダイオード光源に面する第2の位置で前記レンズを当該照明器具に取り付けるように構成され
、
前記アタッチメント機能は、
前記レンズのリムの第1のエッジの近位にある第1の複数のタブであって、前記レンズが前記第1の位置で当該照明器具に取り付けられる場合、前記第1の複数のタブは前記リフレクタの対応する凹部にはまる、第1の複数のタブと、
前記レンズの前記リムの第2のエッジの近位にある第2の複数のタブであって、前記レンズが前記第2の位置で当該照明器具に取り付けられる場合、前記第2の複数のタブは前記リフレクタの前記対応する凹部にはまる、第2の複数のタブと、
を含む、照明器具。
【請求項2】
前記レンズが前記第1の位置で取り付けられる場合、前記レンズは、前記発光ダイオード光源からの光の大部分を前記レンズを通過する際に発散させる、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記リフレクタは、前記ハウジングと一体的である、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記アタッチメント機能は、前記レンズの
前記リムに配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記アタッチメント機能は、前記レンズの前記リムの内面に配置される、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記アタッチメント機能は、前記レンズの前記リムの外面に配置される、請求項4に記載の照明器具。
【請求項7】
前記アタッチメント機能は
さらに、デテント及びスレッドのいずれかを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光学的特徴のパターンは、前記レンズの前記第1の側部上に配置され、前記レンズの前記第2の側部は滑らかである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記レンズが前記第1の位置で当該照明器具に取り付けられる場合、前記レンズは、前記発光ダイオード光源からの光の大部分を前記レンズを通過する際に発散させる、請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
前記光学的特徴のパターンの各光学的特徴は、ピラミッド、円錐、四面体、及び六角形
体からなる群から選択される形状を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項11】
前記レンズの前記第1の側部は、第1の光学的特徴のパターンを含み、前記レンズの前記第2の側部は、第2の光学的特徴のパターンを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項12】
当該照明器具は開口部を含み、前記発光ダイオード光源からの光は、前記レンズを通過した後に前記開口部を介して当該照明器具を出る、請求項1に記載の照明器具。
【請求項13】
前記レンズは、前記開口部と前記発光ダイオード光源との間に配置される、請求項1
2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術の実施形態は、一般的に照明器具に関し、とりわけ、照明器具のためのデュアルディストリビューションレンズ(dual distribution lens)に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具(又はライトフィクスチャ)は、ハウジング、光源、リフレクタ、レンズ、トリム等、複数の構成要素を含むことが多い。照明器具の様々な構成要素の中で、販売者は、様々な構成要素のオプションを顧客に提供することができる。例えば、照明器具の販売者は、異なる外観を提供する異なるタイプのトリムを顧客に提供することができる。また、照明器具の販売者は、異なる配光を提供する異なるタイプのレンズを提供することができる。例えば、販売者は、照明器具からの広い配光を広く提供する第1のタイプのレンズを顧客に提供することができる。しかしながら、顧客がより狭い配光を望む場合、又は特定の環境がより狭い配光を必要とする場合、販売者は、より狭い配光を実現するために照明器具を出る光を修正する第2のタイプのレンズを提供することができる。場合によっては、販売者は、様々な異なる分布を提供するために各照明器具と一緒に様々なレンズを提供する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、照明器具と一緒に様々な異なるレンズを販売することは、製造者が各様々なレンズを作るための工具を作成しなければならないため、費用が増える。さらに、照明器具と一緒に様々なレンズを販売することは、販売者が各様々なレンズを在庫しておかなければならないため、サプライチェーンのコスト及び課題が増える。したがって、顧客が異なる配光を選択できる一方、顧客に販売するために製造及び在庫される必要がある異なるレンズの数を最小限に抑えることができるソリューションを提供することが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一般的に照明器具に関し、とりわけ、照明器具のための2つの異なる配光を提供するレンズに関する。一例示的実施形態では、照明器具は、ハウジングと、ハウジング内に配置される発光ダイオード光源と、ハウジング内に配置されるリフレクタと、ハウジング内に配置されるレンズとを含む。リフレクタは、発光ダイオード光源から発せられる光の一部を反射するようにハウジング内で配向される(oriented)。レンズは、第1の側部(first side)及び第2の側部(second side)を有し、第1の側部及び第2の側部の少なくとも一方は、光学的特徴のパターン(pattern of optical features)を含む。さらに、レンズは、第1の側部が発光ダイオード光源に面する第1の位置及び第2の側部が発光ダイオード光源に面する第2の位置のいずれかでレンズを照明器具に取り付けるように構成されるアタッチメント機能(attachment feature)を含む。
【0005】
他の例示的実施形態では、照明器具は、ハウジングと、ハウジング内に配置される発光ダイオード光源と、ハウジング内に配置されるレンズとを含む。レンズは、第1の側部及び第2の側部を有し、第1の側部及び第2の側部の少なくとも一方は、光学的特徴のパターンを含む。さらに、レンズは、第1の側部が発光ダイオード光源に面する第1の位置及び第2の側部が発光ダイオード光源に面する第2の位置のいずれかでレンズを照明器具に取り付けるように構成されるアタッチメント機能を含む。
【0006】
これらの及び他の態様、目的、特徴及び実施形態は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
ここで、必ずしも縮尺通りではない、添付の図を参照する。
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるデュアルディストリビューションレンズを含む照明器具を示す。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態による
図1の照明器具の断面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の例示的な実施形態による
図1の照明器具の別の断面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の例示的な実施形態による広い配光を示すレイトレース図である。
【
図5】
図5は、本開示の例示的な実施形態による狭い配光を示すレイトレース図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は、例示的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと考えられるべきではない。図面に示される要素及び特徴は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、例示的な実施形態の原理を明確に例示することに重点が置かれている。さらに、特定の寸法又は配置は、そのような原理を視覚的に伝えるのに役立つように誇張されている場合がある。図面において、異なる図で用いられる同様の参照番号は、類似又は対応する要素を示すが、必ずしも同一の要素を示さない。
【0009】
以下の段落において、例示的な実施形態が、例として、図を参照してさらに詳細に説明される。説明において、よく知られた構成要素、方法、及び/又は処理技術は、省略されるか、又は簡単に述べられる。さらに、実施形態の様々な特徴への参照は、すべての実施形態が参照された特徴を含まなければならないことを示唆するものではない。
【0010】
本明細書で述べられる例示的な実施形態は、ハウジングと、ハウジング内に配置されるレンズとを有する、照明器具に関する。レンズは、2つの異なる広い表面を有する。レンズは、第1の広い表面が光源に面するように照明器具のハウジング内で配向される場合、第1の分布を有する光を発する。しかしながら、レンズが取り外され、裏返され、反対側の第2の広い表面が照明器具の光源に面してレンズが配向されるように照明器具のハウジングに再び挿入される場合、レンズは、第1の分布とは異なる第2の分布を有する光を発する。添付の図に示されている例示的な実施形態は、埋込型照明器具(recessed luminaire)に関する。しかしながら、本明細書で述べられる例示的な実施形態は代表的なものであり、本開示は、限定されるものではないが、表面取り付けライトフィクスチャ(surface mounted light fixture)、ペンダントライトフィクスチャ(pendant light fixture)、トロファライトフィクスチャ(troffer light fixture)、ハイベイライトフィクスチャ(highbay light fixture)、屋外ライトフィクスチャ(outdoor light fixture)、及びフラッドライトフィクスチャ(flood light fixture)を含む、他のタイプのライトフィクスチャにも適用されることができることを理解されたい。
【0011】
特定の例示的な実施形態では、例示的なライトフィクスチャは、特定の規格及び/又は要件を満たすことが条件となる。例えば、全米電気工業規格(NEC:National Electric Code)、全米電気工業会(NEMA:National Electrical Manufacturers Association)、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)、連邦通信委員会(FCC:Federal Communication Commission)、及び電気電子技術者協会(IEEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)は、電気的エンクロージャ(例えば、ライトフィクスチャ)、配線、及び電気的接続に関する規格を定めている。別の例として、Underwriters Laboratories(UL)は、放熱に関する規格を含む、ライトフィクスチャに関する様々な規格を定めている。本明細書で述べられる例示的な実施形態の使用は、必要に応じてそのような規格を満たす(及び/又は対応するデバイスがそのような規格を満たすことを可能にする)。
【0012】
本明細書で述べられる、任意のライトフィクスチャ構成要素(例えば、ハウジング、リフレクタ、レンズ、トリムアセンブリ)は、単一のピース(例えば、モールド、射出成形、ダイキャスト、3D印刷プロセス、押出プロセス、スタンピングプロセス、又は他のプロトタイプ方法からのもの等)から作られることができる。さらに、又は代替的に、照明器具(又はその構成要素)は、互いに機械的に結合される複数のピースから作られることができる。このような場合、複数のピースは、限定されるものではないが、エポキシ、溶接、締結デバイス、圧縮嵌め、メイティングスレッド、及びスロット嵌め(slotted fitting)を含む、多くの結合方法のうちの1つ以上を使用して互いに機械的に結合されることができる。互いに機械的に結合される1つ以上のピースは、限定されるものではないが、固定的に、ヒンジ式に、取り外し可能に、スライド可能に、及びネジ式にを含む、多くの方法のうちの1つ以上で互いに結合されることができる。
【0013】
本明細書で述べられる(相補的なアタッチメント機能を含む)アタッチメント機能は、ライトフィクスチャの例示的なレンズ、リフレクタ、ハウジング、又は他の構成要素の1つ以上の構成要素及び/又は部分が、直接的又は間接的に、ライトフィクスチャの別の部分又は他の構成要素に結合されることを可能にすることができる。アタッチメント機能には、フランジ、スナップ、ベルクロ、クランプ、ヒンジの一部、開口部、凹部、突部、スロット、スプリングクリップ、タブ、デテント、及びメイティングスレッドが含まれることができるが、これらに限定されるものではない。例示的なレンズのある部分は、1つ以上のアタッチメント機能の直接使用によりライトフィクスチャに結合されることができる。
【0014】
さらに、又は代替的に、ライトフィクスチャのある部分は、レンズの構成要素、ライトフィクスチャ、又はライトフィクスチャの他の構成要素に配置される1つ以上のアタッチメント機能と相互作用する1つ以上の独立したデバイスを使用して結合されることができる。そのようなデバイスの例には、ピン、ヒンジ、締結デバイス(例えば、ボルト、ネジ、リベット)、エポキシ、接着剤、粘着剤、テープ、及びバネが含まれることができるが、これらに限定されるものではない。本明細書で述べられるあるアタッチメント機能は、本明細書で述べられる1つ以上の他のアタッチメント機能と同じものであってもよく、又は異なるものであってもよい。本明細書で述べられる(対応するアタッチメント機能と呼ばれることもある)相補的なアタッチメント機能は、別のアタッチメント機能と、直接的又は間接的に、機械的に結合する結合機能(coupling feature)であることができる。
【0015】
「第1」、「第2」、「上部」、「下部」、「側部」、「遠位」、「近位」、及び「内」等の用語は、ある構成要素(又は構成要素の一部又は構成要素の状態)を別の構成要素から単に区別するために使用される。このような用語は、好み又は特定の向き(orientation)を示すことは意図されておらず、本明細書で述べられる実施形態を限定することは意図されていない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が述べられている。しかしながら、これらの特定の詳細なしに本発明が実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。他の例では、不必要に説明を複雑にすることを避けるために、よく知られた特徴は詳細に述べられていない。
【0016】
ここで、
図1~3を参照して、デュアルディストリビューションレンズ(dual distribution lens)を含む例示的な照明器具100が示されている。
図1は、発光開口部112の中を見上げた状態の照明器具100の斜視図を示している。
図2は、照明器具100を通る垂直面に沿って断面がとられた状態の照明器具100の断面図を示している。
図3は、照明器具100を通る別の垂直面に沿って断面がとられた状態の照明器具100の別の断面図を示している。例示的な照明器具100は、天井に設置するための埋込型照明器具である。
図1~3には示されていないが、埋込型照明器具100は、限定されるものではないが、ファスナ、トーションスプリング、フリクションクリップ、及び取付ブラケットを含む様々な既知の方法のいずれかを使用して取り付けられることができる。
【0017】
例示的な照明器具100の主要な構成要素は、ハウジング102、光源125、リフレクタ130、及びレンズ106を含む。ハウジング102は、内面114に入射した光を反射するように反射可能である、内面114を有する。内面114の下側エッジは、発光開口部112を画定する。さらに、ハウジング102は、ハウジング102の内面114の下側エッジから延びるハウジングフランジ118を含む。ハウジングフランジ118は、照明器具100と、照明器具100が取り付けられる表面(例えば、天井)との間に存在し得るギャップを覆うことができる。また、例示的な照明器具100のハウジング102は、任意選択的なサービス開口部104を含む。サービス開口部104は、ハウジング102の内部へのアクセスを提供し、例えば、照明器具100の設置時に配線接続を行うために使用されることができる。
【0018】
図2に示される光源は、ハウジング102の内部上面に取り付けられている、チップオンボードLED光源125である。代替的な実施形態では、限定されるものではないが、単一のLED、LEDのアレイ、及び1つ以上の有機LEDを含む、他のタイプの光源が実装されることができることを理解されたい。さらに、代替的な実施形態では、光源は、照明器具内の他の位置に位置することができる。
【0019】
図1~3の例では、リフレクタ130は、ハウジング102内で内部上面の近く且つ光源125の近くに取り付けられている。リフレクタ130は、一般的に円錐形であり、光源125の近位にある入口開口と、光源125から遠位にある出口開口とを有する。リフレクタ130は、光源125によって発せられる光の一部を受け、入射光を発光開口部112に向かって下方に反射する。
図1~3の例では、ハウジング102及びリフレクタ130は別々の構成要素として示されているが、デュアルディストリビューションレンズは、異なるハウジングを有してもよく、リフレクタを含んでも又は含まなくてもよい、様々な照明器具に実装されることができることを理解されたい。一例として、代替的な実施形態では、別個のリフレクタは省略されることができ、ハウジングの内部が反射表面を有することができる。さらに他の代替的な実施形態では、照明器具内の反射表面は不要であってもよい。
【0020】
図1~3に示される例示的な照明器具100では、リフレクタ130は、リフレクタ130の下部エッジから外方に延びるリフレクタフランジ131を含む。リフレクタフランジ131は、デュアルディストリビューションレンズ106をハウジング102内に保持する。
図2に示されるように、デュアルディストリビューションレンズ106は、第1の広い表面(又は第1の側部)122と、第2の広い表面(又は第2の側部)120と、レンズ106の外周についてのリム107とを含む。レンズ106のリム107は、レンズ106をハウジング102内に固定するための1つ以上のアタッチメント機能を含む。
図1~3の例では、アタッチメント機能は、リム107の内面に沿って配置されるタブ110及び111である。
【0021】
図3に示されるように、リフレクタフランジ131は、タブ110又はタブ111が通ることができる1つ以上のギャップ132を含む。第1の向きにおいて、リム107のタブ111がリフレクタフランジ131のギャップ132に挿入され、レンズ106が、タブ111がリフレクタフランジ131の上側に載る(rest on)ように回転される。レンズ106が、タブ111がギャップ132を通過するように位置決めされ、レンズ106が回転されると、レンズ106は、第1の向きで照明器具内にリフレクタフランジ131によって固定される。
【0022】
レンズの第1の広い表面122は、第1の広い表面122を第2の広い表面120とは異なるものにする光学的特徴のパターンを含む。このように、第1の向きでは、レンズ106は、光源125からの光がレンズ106を通過する前に第1の広い表面122上の光学的特徴のパターンに遭遇することによって生じる第1の配光を提供する。レンズ106は、第1の広い表面122及び第2の広い表面120の一方又は両方に、レンズ106の向きに関連する配光のタイプを示す、「ワイド(WIDE)」という単語等、インジケータ108を含むことができる。
【0023】
照明器具100によって発せられる配光は、別のレンズを必要とすることなく同じレンズ106を再配向する(reorient)又は裏返す(flip over)ことによって変えられることができる。言い換えれば、配光の異なる2つのレンズを用意する代わりに、レンズの対向する広い表面に異なる表面を有する単一のレンズで、2つの異なる配光が実現されることができる。前の段落で述べられた第1の向きのレンズ106から続けて、レンズ106は、タブ111がリフレクタフランジ131のギャップ132を通過して戻るように、及び、レンズ106がハウジング102から取り外されることができるように回転されることができる。取り外されると、レンズ106は、第2の広い表面120が光源125に向かって上向きになるように裏返されることができる。その後、レンズ106は、レンズ106の第2の側部のタブ110がリフレクタフランジ131のギャップ132に挿入されるようにハウジング102に再び挿入されることができる。タブ110がギャップ132に挿入されると、レンズ106は、タブ110がリフレクタフランジ131の上部に載るように回転され、レンズ106は照明器具100内に第2の向きで所定位置に保持される。第2の広い表面120は、レンズ106が第2の向きにある場合に異なる配光が照明器具100によって発せられるように第1の広い表面122とは異なる。
【0024】
タブ110、111及びリフレクタフランジ131は、照明器具100内にレンズ106を固定するためのアタッチメント機能の単なる一例であることを理解されたい。一例として、代替的な実施形態では、レンズ106の第1の側部122の近位にある複数のタブ111及び第2の側部120の近位にある複数のタブ110の代わりに、レンズの各側部に単一のアタッチメント機能のみがあってもよい。別の代替的な実施形態では、タブは、リム107の外面に位置することができ、タブは、ハウジング102の内面のレッジに取り付けることができる。さらに別の例では、リフレクタの下部は、内方に延びるリフレクタフランジを備えるようにレンズよりも広くすることができ、タブは、内方に延びるリフレクタフランジ上に載るようにリム107の外面に位置することができる。さらに他の例では、タブは、レンズが第1の向きから第2の向きに容易に裏返されることができるようにレンズが照明器具に容易に取り付けられる及び照明器具から取り外されることを可能にするスレッド(thread)、デテント(detent)、又は様々な他のタイプのアタッチメント機能で置き換えられることができる。また、代替的な実施形態及び代替的なタイプのライトフィクスチャでは、レンズは、照明器具に対して異なる位置に位置することができることを理解されたい。例えば、
図1~3の例は、ハウジング102に埋め込まれている(recessed in)レンズ106を示しているが、他の実施形態では、レンズは、発光開口部112においてハウジングフランジ118に隣接して位置することができる。
【0025】
ここで、
図4及び5を参照して、レンズ106を第1の向きから第2の向きに再配向することによって実現されることができる異なる配光を示す2つのレイトレース図が提供されている。明確にするために、
図4及び
図5に示されるレイトレース図は、ハウジング102、リフレクタ130、及びレンズリム107が示されていない点、光源125が点光源に簡略化されている点、及び光線の一部分のみが示されている点で、
図1~3の例示的な照明器具から簡略化されている。
図4は、第1の広い表面122が光源125に面し、第2の広い表面120が光源125から離れた方向を向いているレンズ106を示している。レンズ106の中心を通る軸140が示されている。第1の広い表面122上の光学的特徴のパターンは、光源125から発せられる光線のかなりの部分を発散させる。
図4に示される例では、発散する光線144が光線の大部分(majority)を構成し、収束する光線142は光線の少数(minority)を構成し、これにより、比較的広い配光が得られる。
【0026】
対照的に、
図5は、第1の広い表面122が光源125から離れた方向を向き、第2の広い表面120が光源125に面するように、上述したように再配向又は裏返された後のレンズ106を示している。
図5に示される第2の向きでは、光源125から発せられる光線は、光線がレンズ106を通過した後まで第1の面122上の光学的特徴のパターンに遭遇しない。この第2の向きの結果、発散する光線144よりも収束する光線142の方が多く、レンズ106は、
図4に示される第1の向きと比較してより狭い配光を提供する。
【0027】
図1~5に示される例示的なデュアルディストリビューションレンズ106は、第1の広い表面122上の光学的特徴のパターン及び第2の広い表面120上の滑らかな表面(smooth surface)を有する。第1の広い表面122上の光学的特徴のパターンは、4面のピラミッドの形状を有する特徴を有する。しかしながら、他の配光を実現するために、特徴は、限定されるものではないが、円錐、四面体、又は六角形を含む、他の形状を有することができる。さらに、他の例示的な実施形態では、滑らかな表面の代わりに、レンズ106の第2の広い表面120は、第1の広い表面122上の光学的特徴のパターンとは異なる光学的特徴のパターンを有することができる。レンズの対向する側部上の光学的特徴のパターンを異ならしめることも、異なる配光を実現するために使用されることができる。第1の広い表面122上の光学特徴のパターンは、レンズ106から延びるように示されているが、他の実施形態では、配光に影響を与える他のタイプの特徴が、レンズの第1の側部及び第2の側部の一方又は両方の近位にレンズ内に埋設されることができることを理解されたい。
【0028】
特定の実施形態が本明細書で詳細に述べられてきたが、その記述は例示のためのものである。本明細書で述べられる例示的な実施形態の特徴は代表的なものであり、代替的な実施形態では、特定の特徴、要素、及び/又はステップが追加又は省略されてもよい。さらに、本明細書で述べられる例示的な実施形態の態様に対する修正は、以下の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者であれば行うことができ、その範囲は、修正及び同等の構造を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。