(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ねじ付き髄内釘保持エンドキャップ用のドライバ及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20241216BHJP
B25B 15/00 20060101ALI20241216BHJP
B25B 23/16 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
A61B17/88
B25B15/00 630Z
B25B23/16 A
(21)【出願番号】P 2022516084
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 IB2020058427
(87)【国際公開番号】W WO2021048789
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-08
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デフォッセ・ヘンリ
(72)【発明者】
【氏名】スプライター・グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】ワンフラー・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】シェラー・サイモン
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06033405(US,A)
【文献】特表2015-513979(JP,A)
【文献】特開2004-249081(JP,A)
【文献】特表2011-500215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/88
B25B 15/00
B25B 23/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
髄内釘のエンドキャップに係合するためのドライバであって、
前記ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有する、ハンドルと、
前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで前記ハンドルチャネルを通って延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有する、シャフトであって、前記シャフトの前記遠位端は、前記ハンドルから遠位に延在し、前記シャフトの前記遠位端は、前記エンドキャップのヘッド部分に挿入されるように構成された駆動要素を形成する、シャフトと、
前記シャフトチャネルに摺動可能に受容され、かつ前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する、保持ピンであって、前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトを前記エンドキャップの前記ヘッド部分に可逆的にロックするように構成されている、保持ピンと、を備
え、
前記シャフト及び前記保持ピンは、可撓性であり、前記シャフト及び前記保持ピンが前記長手方向軸に沿って位置する弛緩構成と、前記シャフト及び前記保持ピンが弾性的に変形して、前記エンドキャップへの曲線経路に沿って延在する変形構成との間で可逆的に移動可能であり、
前記シャフトは、前記シャフトに可撓性を付与するために、前記シャフトの外部表面の周りを囲む複数の整列された溝を備え、
前記複数の整列された溝は、前記長手方向軸に沿った平面に対して角度付けられている、ドライバ。
【請求項2】
前記ハンドルは、エラストマー材料から形成されている、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
クランプを更に備え、前記クランプは、前記ハンドルの前記長手方向軸を横切る平面に沿って延在し、前記ハンドルに加えられたトルクを前記クランプを介して前記シャフトに伝達するために、前記シャフトに固定的に締め付けられている、請求項2に記載のドライバ。
【請求項4】
前記シャフトの前記近位端に回転可能に接続されたノブを更に備え、前記長手方向軸を中心とした前記ノブの回転は、前記保持ピンを回転させて、前記エンドキャ
ップの前記ヘッド部分をロックし、かつそれからロック解除する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項5】
前記保持ピンは、内部を通って長手方向に延在する管腔を含み、前記管腔は、内部を通してガイドワイヤを摺動可能に受容するようにサイズ決定及び形状決定されている、請求項1に記載のドライバ。
【請求項6】
前記保持ピンの前記遠位端は、前記エンドキャップの前記ヘッド部分の対応するねじ山に螺合係合するように構成されたねじ山を備える、請求項4に記載のドライバ。
【請求項7】
前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトの前記遠位端を越えて遠位に延在する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項8】
前記シャフトは、前記ハンドルの回転が前記シャフトを介してトルクを前記駆動要素に伝達するように、前記ハンドルチャネル内に回転可能に固定されており、前記駆動要素は、前記ハンドルに加えられたトルクが、前記エンドキャップを回転可能に駆動して、前記エンドキャップを前記髄内釘に結合させるように、前記エンドキャップと回転不能に係合するように構成されている、請求項1に記載のドライバ。
【請求項9】
前記シャフトの前記可撓性は、前記シャフトの長さに沿って変化する、請求項
1に記載のドライバ。
【請求項10】
前記保持ピンの壁は
、0.45mm
~1.15mmの厚さを有する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項11】
前記保持ピンは
、3mm
~4mmの外径を有する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項12】
前記ガイドワイヤは
、1.6mm
~2.0mmの直径を有する、請求項
5に記載のドライバ。
【請求項13】
髄内釘の近位端に係合するためのシステムであって、
(i)ドライバであって、
前記ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有する、ハンドルと、
前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで前記ハンドルチャネルを通って延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有する、シャフトであって、前記シャフトの前記遠位端は、前記ハンドルから遠位に延在し、前記シャフトの前記遠位端は、駆動要素を形成する、シャフトと、
前記シャフトチャネルに摺動可能に受容され、前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する保持ピンであって、前記保持ピンの前記遠位端は、ねじ山を備え、前記保持ピンは、内部を通って長手方向に延在する管腔を含む、保持ピンと、を備える、ドライバと、
(ii)内部を通って延在する管腔を有するエンドキャップであって、
前記髄内釘のチャネルに係合するように構成された本体と、
ヘッド部分であって、前記駆動要素を受容するように、かつ前記ヘッド部分を前記シャフトに可逆的にロックするように構成されており、前記保持ピンの対応するねじ山と螺合係合するように構成されたねじ山を備える、ヘッド部分と、を備える、エンドキャップと、
(iii)前記駆動要素を前記エンドキャップの前記ヘッド部分に整列させるように、前記保持ピンの前記管腔及び前記エンドキャップの前記管腔を通して摺動可能に挿入されたガイドワイヤと、を備
え、
前記シャフト及び前記保持ピンは、可撓性であり、前記シャフト及び前記保持ピンが前記長手方向軸に沿って位置する弛緩構成と、前記シャフト及び前記保持ピンが弾性的に変形して、前記エンドキャップへの曲線経路に沿って延在する変形構成との間で可逆的に移動可能であり、
前記シャフトは、前記シャフトに可撓性を付与するために、前記シャフトの外部表面の周りを囲む複数の整列された溝を備え、
前記複数の整列された溝は、前記長手方向軸に沿った平面に対して角度付けられている、システム。
【請求項14】
前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトの前記遠位端を越えて遠位に延在する、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記シャフトは、前記ハンドルの回転が前記シャフトを介してトルクを前記駆動要素に伝達するように、前記ハンドルチャネル内に回転可能に固定されており、前記駆動要素は、前記ハンドルに加えられたトルクが、前記エンドキャップを回転可能に駆動して、前記エンドキャップを前記髄内釘に結合させるように、前記エンドキャップに回転不能に係合するように構成されている、請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、骨折した骨の2つ以上の部分を固定するためのドライバ及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、大腿骨などの長骨の内部固定用の髄内釘のチャネルに挿入するためのエンドキャップに係合するドライバ及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
大腿骨の骨折は、大腿骨頸部と転子間領域で発生することがよくある。そのような骨折は、骨の異なる部分が矯正的に整列された後に、それらの互いに対する位置を安定させかつ固定するために、骨の中に又は骨を通して挿入されるねじ又は他の固定デバイスで治療することができる。転子骨固定治療は、通常、髄内釘を骨の髄腔に挿入し、続いて、髄内釘に対して角度をつけて(即ち、転子の軸に沿って)骨固定釘を骨の顆状部分に挿入することを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願の1つの例示的な実施形態は、髄内釘のエンドキャップに係合するためのドライバである。ドライバは、ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有するハンドルを含む。ドライバは、長手方向軸に沿って近位端から遠位端までハンドルチャネルを通って延在し、内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有するシャフトを含む。シャフトの遠位端は、ハンドルから遠位に延在する。シャフトの遠位端は、エンドキャップのヘッド部分に挿入されるように構成された駆動要素を形成する。ドライバは、シャフトチャネルに摺動可能に受容され、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する保持ピンを更に含む。保持ピンの遠位端は、シャフトをエンドキャップのヘッド部分に可逆的にロックするように構成されている。
【0004】
本出願の別の態様では、髄内釘の近位端に係合するためのシステムが提供される。システムはドライバを含み、ドライバは、ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有するハンドルを含む。ドライバはまた、長手方向軸に沿って近位端から遠位端までハンドルチャネルを通って延在し、内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有するシャフトを含む。シャフトの遠位端は、ハンドルから遠位に延在する。シャフトの遠位端は、駆動要素を形成する。ドライバは、シャフトチャネルに摺動可能に受容され、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する保持ピンを更に含む。保持ピンの遠位端は、ねじ山を含む。保持ピンはまた、それを通って長手方向に延在する管腔を含む。システムはまた、内部を通って延在する管腔を有するエンドキャップを含む。エンドキャップは、髄内釘のチャネルに係合するように構成された本体と、
駆動要素を受容し、ヘッド部分をシャフトに可逆的にロックするように構成されたヘッド部分と、を含む。エンドキャップのヘッド部分は、保持ピンの対応するねじ山と螺合係合するように構成されたねじ山を含む。システムは、駆動要素をエンドキャップのヘッド部分に整列させるために、保持ピンの管腔及びエンドキャップの管腔を通して摺動可能に挿入されたガイドワイヤを更に含む。
本発明のこれら及び他の態様は、図面及び添付の特許請求の範囲を含む、本発明の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1a】髄内釘のチャネルに挿入するためのエンドキャップに係合するための本発明の一実施形態によるドライバを示す。
【
図1b】
図1aのドライバのハンドルの側面図を示す。
【
図1c】
図1aのドライバのハンドルの別の側面図を示す。
【
図1e】本発明の一実施形態による、
図1aのドライバのシャフトの一部分と、ハンドルを介して加えられたトルクをシャフトに伝達するための開放構成にあるクランプとを示す。
【
図1f】
図1eのシャフト及びロック構成にあるクランプの部分を示す。
【
図2】髄内釘のチャネルに挿入するためのエンドキャップに係合する
図1aのドライバの最遠位部分の詳細図を示す。
【
図3】
図1aのドライバの遠位端からの近位方向の図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態によるエンドキャップの側面図を示す。
【
図5】
図4のエンドキャップに係合し、髄内釘のチャネルの近位開口部に挿入するために、エンドキャップをガイドワイヤの上で案内する
図1aのドライバを含む、本発明の一実施形態による大腿骨用システムの斜視図を示す。
【
図6】大腿骨の髄内釘のチャネルの近位開口部に挿入するための
図4のエンドキャップに係合するドライバの代替実施形態による大腿骨用システムの斜視図を示す。
【
図7】ドライバが、ドライバの長手方向軸から離れて曲線経路に沿って延在する弾性変形構成にある状態での
図6のシステムの斜視図を示す。
【
図8a】
図4のエンドキャップに係合する可撓性ドライバの一実施形態の斜視図を示す。
【
図8b】シャフトに増加した可撓性を付与するためにシャフトの長さに沿って延在する複数の溝を有する
図8aの可撓性ドライバのシャフトの側面図を示す。
【
図8c】複数の溝を有する
図8bのシャフトの一部分の詳細図を示す。
【
図8d】複数の溝を有する
図8bのシャフトの一部分の別の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、以下の説明及び添付の図面を参照して更に理解することができ、添付の図面において、同様の要素は同じ参照番号で参照される。本明細書で使用される場合、「近位」及び「遠位」という用語は、デバイスのユーザに向かう方向(近位)、及びユーザから離れる方向(遠位)を指すことを意図することに留意されたい。
【0007】
図1a~
図1c及び
図3は、髄内釘10の近位端12に結合可能なエンドキャップ200に係合するためのドライバ100を示す。ドライバ100は、長手方向軸L1に沿って近位端104から遠位端106まで延在するハンドル102を含む。ハンドル102は、長手方向軸L1に沿って近位端104から遠位端106までハンドル102を通って長手方向に延在するハンドルチャネル108を有する。ハンドル102は、ユーザが手のひら内に保持してハンドル102を手動で操作するための任意の好適なサイズ及び形状を有することができる。好ましくは、ハンドル102は、ユーザが自分の手のひら内に保持し、ドライバ100を手で回転させるための人間工学的形状を提供するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。
【0008】
例示的な実施形態では、ハンドル102は、細長い形状を有する。
図1aに示されるように、ハンドル102は、ハンドル102の直径が拡大部分110(遠位端106の近位に位置する)から遠位端106に向かって減少するようにテーパ状の細長い形状を有する。特に、ハンドル102は、球状である。具体的には、ハンドル102は、近位端104における第1の直径から拡大部分110における最大直径まで増加し、遠位端106に隣接するテーパ部分112を含み、テーパ部分112は、ユーザの手におけるハンドル102の人間工学的使用を支援するように形成されている。
【0009】
ドライバ100はまた、長手方向軸L1に沿って近位端122から遠位端124までハンドルチャネル108を通って延在するシャフト120を含む。シャフト120は、長手方向軸L1に沿ってハンドル102と同軸である。一部の実施態様では、シャフト120は、近位端122と遠位端124に位置する駆動要素128に近位の部分との間の長手方向軸L1に直交する平面において(例えば、
図1aに示されるような平面A-A’に沿って)、約7.5mm~約14mmまでの断面直径を有する。シャフト120は、長手方向軸L1に沿って近位端122から遠位端124までシャフト120を通って長手方向に延在するシャフトチャネル126を有する。シャフトチャネル126は、シャフト120と同軸であり、シャフトチャネル126の内面の内径を画定する。一部の実施態様では、シャフト120の内径は、約4.15mm~約4.5mmである。
図1aに示されるように、シャフト120はハンドル102よりも長く、その結果、シャフト120の遠位端124はハンドル102の遠位端106よりも遠位に延在する。例えば、シャフト120は、ハンドルの遠位端106よりも遠位に約166cm~約328cm延在する。シャフト120の近位端122は、ハンドルチャネル108の長さに沿って任意の場所に固定することができる。例えば、
図1aに示されるように、シャフト120の近位端122は、ハンドル102の近位端104に配置される。別の例では、シャフト120の近位端122は、ハンドル102の近位端104と遠位端106との間のハンドルチャネル108内に配置される。
【0010】
一実施態様では、ハンドル102aは、例えば、
図1b~
図1dに示されるように、シャフト120上にエラストマー(例えば、シリコーン)成形品として形成することができる。エラストマー成形品は、ハンドルチャネル108はシャフト120の周りにエラストマー成形品の中に画定されるように、シャフト120の上に形成されている。エラストマー成形品は、ユーザが手のひら内に保持するための人間工学的形状を提供するために可逆的に変形する柔らかい材料を提供する。更に、エラストマー成形品は、ハンドル102aの表面とユーザの手のひらとの間の摩擦を増大させて、ユーザの手で保持するのに容易かつ快適であるハンドル102aを提供する。
図1bは、シャフト120の一部分の上のエラストマー成形ハンドル102aの側面図を示し、
図1cは、
図1bに示される側と反対の側からのエラストマー成形ハンドル102aの側面図を示す。
図1b及び
図1cに見られるように、ハンドル102aは、シャフト120の上に、ハンドル102の幅が近位端104における第1の直径からハンドル102aの拡大部分110aにおける最大幅まで増加するテーパ形状に成形され、遠位端106に隣接するより狭い幅を有するテーパ部分112aを含む。
図1dは、長手方向軸L1に沿った平面に沿った(例えば、
図1bに示されるような平面B-B’に沿った)
図1b及び
図1cの実施形態の断面図を示す。
図1dに見られるように、この例示的な実施形態における、
図1b及び
図1cに示される対向する側の間のハンドル102aの高さは、ハンドル102aの長さに沿って一定である。
【0011】
シャフト120は、ハンドル102の拡大部分110又はその近傍に配置された1つ又は2つ以上のクランプ114を含み、それらは長手方向軸L1を横切る平面に沿って延在する。クランプ114は、ユーザがシリコーン成形ハンドル102を回転させると、トルクがシャフト120に伝達されるように、シャフト120上に締め付け、かつ長手方向軸L1を横切って延在する任意の好適な構造を含むことができる。
図1e及び
図1fの実施形態に示されるように、クランプ114は、シャフト120上に配置され、その後、シャフト120及びクランプ114の両方の上にエラストマー成形品を用いて成形され、ハンドル120を形成する。クランプ114は、
図1eに示される開放構成と、
図1fに示されるロック構成との間で移動可能である。クランプ114は、それらの間にスロット117を画定する互いに摺動可能に係合する第1の部分115及び第2の部分116を含む。
図1eに示される開放構成では、スロット117は、シャフト120をその中に摺動可能に受容するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。第1の部分115及び第2の部分116は、スロット117のサイズを小さくするために、
図1fに示されるロック構成へと互いに向かって(
図1eの矢印によって示されるように)移動するように構成されており、その結果、第1の部分115及び第2の部分116を互いに向かって押すことによって、スロット117はシャフト120とロックして係合して、シャフト120の外部に対してしっかりと締め付けられる。ハンドル102は、ユーザによるハンドル102の把持を強化するように構成された追加の表面特徴部(図示せず)を更に含むことができる。
【0012】
シャフト120の遠位端124は、エンドキャップ200のヘッド部分208に挿入されるのに好適にサイズ決定及び形状決定されている駆動要素128を形成する。特に、駆動要素128は、エンドキャップ200のヘッド部分208の凹部216と回転不能に係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。一実施形態では、駆動要素128は、凹部216と回転不能に係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されており、その結果、駆動要素128が凹部216と係合している間にハンドル120を操作すると、エンドキャップ200の本体部分206が髄内釘10のチャネル16内に駆動する。ハンドル102の回転がシャフト120を介して駆動要素128にトルクを伝達するように、駆動要素128は、エンドキャップ200のヘッド部分208と回転不能に係合するように構成されている。ハンドル102に加えられたトルクは、エンドキャップ200を髄内釘10のチャネル16内に回転可能に駆動する。
【0013】
図1aに示される駆動要素128は、円周方向に間隔を置いて配置された一連の突起132を有する細長い円筒の形状である。
図1aに示されるように、突起132は、円筒の円周の周りに等間隔に配置されている。この実施形態における突起132は、丸形又は曲線形であり、駆動要素128の一部又は全長に沿って延在し、それらの間に駆動要素128の一部又は全長に沿って延在する長手方向溝130を画定する。突起132は、エンドキャップ200のヘッド部分208と回転不能に係合するために突出表面特徴部を形成する。代替的に、駆動要素は、多角形の断面又は実質的に多角形の断面、例えば、シャフト120の長手方向軸L1に直交する平面において実質的に六角形(例えば、六角棒スパナ)の断面を有する細長い形状を有することができる。
【0014】
ドライバ100は、長手方向軸L1に沿って近位端142から遠位端144までシャフトチャネル126を通って延在する保持ピン140を更に含む。保持ピン140は、長手方向軸L1に沿ってシャフト120と同軸である。保持ピン140は、シャフトチャネル126内で摺動可能及び/又は回転可能であるようにサイズ決定及び形状決定されている。一部の実施形態では、保持ピン140は、シャフトチャネル126のサイズ及び形状、例えば円筒形状に対応するようにサイズ決定及び形状決定されている。保持ピン140の円筒形状は、長手方向軸L1に直交する平面において、約3mm~約4mmの断面外径及び約1.7mm~約2.1mmの内径を有することができる。保持ピン140は、長手方向軸L1に沿って近位端142から遠位端144まで長手方向に延在する管腔146を画定する。この実施形態の管腔146は、保持ピン140と同軸であり、保持ピン140の外面から管腔146の内面までの厚さd(例えば、
図2及び
図3に示される)を画定する。一部の実施形態では、保持ピンの厚さdは、約0.45mm~約1.15mmである。
【0015】
図1aに示されるように、保持ピン140の近位端142は、シャフト120の近位端122を越えて近位に延在する。保持ピン140は、シャフトチャネル126内で摺動可能に移動可能であるか、又は長手方向に固定することができる。一部の実施形態では、保持ピン140の遠位端144は、シャフト120の遠位端124を越えて遠位に延在する。他の実施形態では、保持ピン140の遠位端144は、遠位端144がシャフトチャネル126内に配置されている後退構成と、保持ピン140がエンドキャップ200のヘッド部分208と係合することができるように、シャフト120の遠位端124を越えて遠位に延在する拡張構成との間で摺動可能に移動可能である。保持ピン140の遠位端144は、シャフト120をエンドキャップ200のヘッド部分208に可逆的にロックするように構成された表面特徴部を含む。特に、表面特徴部は、エンドキャップ200のヘッド部分208内の対応する特徴部と可逆的に係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。表面特徴部がヘッド部分208と係合すると、エンドキャップ200は、保持ピン140の遠位端144にロックして結合される。例えば、この実施形態における表面特徴部は、エンドキャップ200のヘッド部分208内の対応するねじ山220に係合するためのねじ山146を含む。
【0016】
ドライバ100は、シャフト120の近位端122に回転可能に接続されたノブ160を更に含む。長手方向軸L1を中心にノブ160を回転させると、保持ピン140が回転して、保持ピン140がエンドキャプ200のヘッド部分208からロック及びロック解除される。この実施形態では、ノブ160は、シャフト120の近位部分に固定的に取り付けられた軸機構162を介してシャフト120に回転可能に接続されている。
図1aに示されるように、軸機構162は、シャフトチャネル126の近位部分に挿入され、その中に回転可能に固定されている。軸機構162は、保持ピン140を受容するために軸機構162を通って長手方向に延在する軸チャネル164を含む。軸機構162は、ノブ160に回転可能に接続されている。ノブ160はまた、保持ピン140の近位端142に回転不能に接続され、その結果、長手方向軸L1を中心にノブ160を所望の方向に回転させると、保持ピン140が同じ方向に回転する。
【0017】
例えば、
図1aは、保持ピン140の近位端142がノブ160内に埋め込まれていることを示す。ノブ160は、保持ピン140の管腔146と整列されたノブチャネル166を更に含み、ガイドワイヤ300がノブチャネル162を通って保持ピン140の管腔146内に延在することを可能にする。ノブ160は、ノブ160の手動操作を容易にするために、ユーザの手の指先の間に保持するのに好適な任意のサイズ及び形状を有することができる。好ましくは、ノブ160は、ユーザが人差し指と親指の間をつまんでノブ160を手で操作し又は回転させるための人間工学的形状を提供するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。ノブ160は、当業者によって理解されるように、ユーザの指先によるノブ160の把持を強化するように構成された追加の表面特徴部(図示せず)を含むことができる。
【0018】
図4は、髄内釘10内のチャネル16の近位開口部14に挿入されてチャネル16の近位開口部14を閉じて、チャネル16内への骨の内方成長を防止するように構成されたエンドキャップ200を示す。エンドキャップ200は、例えば、チャネル16の内面内の対応するねじ山に係合するように構成されたねじ山212などの任意の好適な係合構造を介して、髄内釘10内のチャネル16の内面に可逆的に係合及び係合解除するように構成されている。エンドキャップ200は、近位端202から遠位端204まで延在し、本体部分206と、本体部分206の近位にあるヘッド部分208とを含む。本体部分206は、その近位端210からエンドキャップ100の遠位端204まで延在する。ヘッド部分208は、本体部分206の近位端210から近位に延在する。エンドキャップ200は、その長手方向軸L2に沿って近位端202から遠位端204まで延在する管腔214を更に含む。管腔214は、それを通してガイドワイヤ300を受容するように構成されている。
【0019】
エンドキャップ200の本体部分206は、髄内釘10のチャネル16に挿入されかつそれと係合するように構成されている。特に、遠位端204は、髄内釘10内のチャネル16の近位開口部14に挿入され、髄内釘10のチャネル16の内部に固定的に係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。本体部分106は、エンドキャップ200を髄内釘10のチャネル16に取り付けるための任意の好適な係合構造、例えば、ねじ山212、スナップファスナ、接着剤、又はねじを含むことができる。一部の実施形態では、本体部分206は、髄内釘10のチャネル16の内部と螺合係合するように構成されたねじ山212を有する少なくとも一部分を含む。ねじ山212は、本体部分206の長手方向の長さの一部又は全体に沿って延在することができる。ねじ山212は、エンドキャップ200が髄内釘10のチャネル16内に駆動されるときに、髄内釘10のチャネル16の内部の対応するねじ山と嵌合して、エンドキャップ200を髄内釘10の近位端12に固定するように構成されている。
【0020】
エンドキャップ200のヘッド部分208は、ドライバ100、特にシャフト120の駆動要素128に係合するための凹部216を含む。例えば、凹部216は、駆動要素128を受容して係合するために、駆動要素128のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状を有する。凹部216は、駆動要素128と係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されており、その結果、駆動要素128が凹部216と係合している間にハンドル100を操作すると、エンドキャップ200が髄内釘10のチャネル16内又は外に駆動される。より具体的には、凹部216は、駆動要素128と回転不能に係合するように構成されており、その結果、シャフト120の回転により、シャフト120からヘッド部分208を介してトルクが伝達され、エンドキャップ200の本体部分206がチャネル16内に駆動される。
【0021】
凹部216はまた、エンドキャップ200のヘッド部分208がシャフト120に可逆的にロックされるように、保持ピン140の遠位端144において表面特徴部と可逆的に係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定された対応する表面特徴部を含む。例えば、凹部216は、長手方向軸L2に沿って凹部216から遠位に延在する窪み218を含む。一部の実施形態では、窪み218は、保持ピン140がシャフト120の遠位端124を越えて遠位に延在し、窪み218内に駆動されるとき、保持ピン140の遠位端144でねじ山146と嵌合して、エンドキャップ200を保持ピン140の遠位端144に固定するように構成された対応するねじ山220を有する円筒形チャネルである。窪み218は、保持ピン140の遠位端144と係合するのに好適にサイズ決定及び形状決定されており、その結果、ノブ160の回転により保持ピン140が回転し、保持ピン140の遠位端144に位置するねじ山146を駆動して対応するねじ山220とロックして係合する。
【0022】
保持ピン140のねじ山146がヘッド部分208の対応するねじ山220にロックされると、エンドキャップ200は、シャフト120の操作によってヘッド部分208がドライバ100から偶発的に外れないように、保持ピン140の遠位端144にロックして結合される。これにより、エンドキャップ200が埋め込み中に誤って落下するリスクが最小限に抑えられる。エンドキャップ200が髄内釘10のチャネル16内の所望の位置に駆動された後に、保持ピン140のねじ山146は、ノブ160を逆方向に回転させて保持ピン140の遠位端144を窪み218から回転可能に引き抜いて保持ピン140をヘッド部分208からロック解除することによって対応するねじ山220から外れるのに好適にサイズ決定及び形状決定されている。
【0023】
上記のドライバ100及びエンドキャップ200は、髄内釘16の近位端に係合するためのシステム400の一部としてガイドワイヤ300と共に提供することができる。
図5に示される例示的な実施形態に見られるように、エンドキャップ200は、ガイドワイヤ300を髄内釘10のチャネル16に挿入し、管腔214を介して、エンドキャップ200をガイドワイヤ300の上で髄内釘10の近位端12の上の所望の位置に向かって摺動させることによって、髄内釘10の近位端12に設置することができる。ドライバ100はまた、それを通してガイドワイヤ300を受容し、所定の位置に摺動してエンドキャップ200のヘッド部分208と係合するように構成されている。具体的には、システムが使用されているとき、ガイドワイヤ300を、ドライバ100の近位端からノブチャネル162及び管腔146を通って保持ピン140の遠位端144まで、また、エンドキャップ200の凹部216及び管腔214を通って摺動可能に挿入する。ドライバ100及びエンドキャップ200をガイドワイヤ300に沿って所定位置に摺動させて、ドライバ100とエンドキャップ200とを係合させ、その結果、ドライバ100の長手方向軸L1及びエンドキャップ200の長手方向軸L2が実質的に整列されているか、又は所定の許容角度範囲内で整列されている。
【0024】
ドライバ100が、ヘッド部分208と係合するためにエンドキャップ200の凹部216に挿入されると、ノブ160が回転して、保持ピン140のねじ山146をヘッド部分208の対応するねじ山220内に駆動して、保持ピン140の遠位端144をエンドキャップ200にロックして係合させる。エンドキャップ200がドライバ100にしっかりとロックされると、ハンドル102の操作(例えば、回転)により、加えられた力及び/又はトルクがエンドキャップ200に伝達される。特に、ドライバ100を操作して、エンドキャップ200の本体部分206を髄内釘10のチャネル16内に駆動することができる。エンドキャップ200を髄内釘10のチャネル16内に駆動することができ、その結果、エンドキャップ200の本体部分206の長手方向の長さの一部分又は全体が、エンドキャップが完全に挿入されたときにチャネル16内に位置する。一部の実施形態では、本体部分206の長さの一部分のみが挿入され、チャネル16と係合し、それにより、エンドキャップ200は髄内釘10への近位延長部を提供する。
【0025】
特定の実施形態では、シャフト102及び/又は保持ピン140は、使用中のシャフトの変形に抵抗するのに十分な剛性を有する材料で形成されている。例えば、シャフト102は、エンドキャップ200の本体部分206を髄内釘10のチャネル16内に駆動するためにハンドル102を介して予想される大きさの力及び/又はトルクが加えられたとき、ねじれ及び/又は曲げに抵抗するのに十分な剛性を有する。追加的に又は代替的に、保持ピン140は、ノブ160が回転して保持ピン140のねじ山146をヘッド部分206の対応するねじ山220内に駆動するとき、ねじれ及び/又は曲げに抵抗するのに十分な剛性を有する。シャフト102及び/又は保持ピン140の剛性は、加えられた力及び/又はトルクに対して押し戻されないため、シャフト102の遠位端124及び/又は保持ピン140の遠位端144は、デバイスの使用時に、エンドキャップ200のヘッド部分208と係合するように、特に、保持ピン140のねじ山146をヘッド部分208の対応するねじ山220と係合させるように容易に実質的に整列される。シャフト102及び/又は保持ピン140は、例えばステンレス鋼(例えば、1.4301ステンレス鋼、1.4542ステンレス鋼、カスタム465ステンレス鋼、1.4123ステンレス鋼又は1.4109ステンレス鋼)のような所望の剛性を提供する任意の好適な材料から形成することができる。
【0026】
他の実施形態では、ドライバ500は、可撓性であり、かつ弛緩構成と変形構成との間で可逆的に移動可能なシャフト520及び保持ピン540を含むことができる。
図6及び
図7に示されるドライバ500は、
図1a~図c及び
図3のドライバ100と実質的に同様であり、同様の要素は同様の参照番号で参照される。この代替実施形態では、シャフト520及び保持ピン520は、シャフト520及び保持ピン540が長手方向軸L3に沿って位置する弛緩構成(
図6に示される)と、シャフト520及び保持ピン540が弾性的に変形して長手方向軸L3からエンドキャップ200までの曲線経路に沿って延在する変形構成(
図7に示される)との間で移動可能である。これにより、患者の特定の解剖学的構造又は外科的アプローチの幾何学的形状が、エンドキャップ200へのドライバ500の直線アプローチを得ることを困難又は不可能にする場合でも、ユーザが上記と同じ様式でエンドキャップ200を操作すること可能になる。
【0027】
この実施形態のシャフト520及び保持ピン540は、デバイス500を使用して大腿骨2を固定するためにエンドキャップ200を髄内釘10に挿入するときに変形することができる。シャフト520及び保持ピン540は、例えば使用中に腸骨稜4を回避するために、力を加えてシャフト520及び保持ピン540を押して曲線経路に沿って曲げると変形することができる。力がシャフト520及び保持ピン540から取り除かれると、シャフト520及び保持ピン540は弛緩構成に戻る。一例では、シャフト102及び/又は保持ピン140の可撓性は、その長さに沿って変化する。例えば、シャフト102及び/又は保持ピン140は、複数の領域を含むことができ、各領域は異なる程度の可撓性を有する。
【0028】
1つの例示的な実施形態では、ドライバ600は、シャフト620が弛緩構成と変形構成との間で移動可能であるように、シャフト620の可撓性を増大させる表面特徴部を含むシャフト620を含むことができる。
図8aに示されるドライバ600は、
図1a~図c及び
図3のドライバ100と実質的に同様であり、同様の要素は同様の参照番号で参照される。この例示的な実施形態では、シャフト620は、シャフト620に増加した可撓性を付与するためにシャフト620の外面の周りを囲み、かつシャフト620の少なくとも一部分に沿って延在する整列された溝622を含む。例えば、溝622は、シャフト620の長さ(例えば、シャフト620の200mm)に沿って延在することができ、その結果、
図8bに示されるように、シャフト620は、長手方向軸L1から離れて最大45°曲がるのに十分な可撓性を有する。
図8b及び
図8cに示されるように、溝622は、シャフト620の外面の周りを囲むレーザ切断巻線を含むことができる。レーザ切断巻線は、長手方向軸L1に沿った平面に対して角度付けることができ、互いに実質的に平行とすることができる。
【0029】
図8cに示される1つの例示的な実施形態では、溝622は、長手方向軸線L1に沿った平面から72°の角度で延在する。溝622は、任意の好適な形状及びパターンを有することができる。
図8b~
図8dに示されるように、溝622は、巻線の角度に対して横方向に延在する翼624を有するインターロックパターンに切断され、翼624は、広い部分626及び狭いネック部分628を含む。狭いネック部分628は、インターロックパターンの次の翼624の広い部分626とインターロックするように構成されている。広い部分626は幅x
1を有し、狭いネック部分628は幅x
2を有し、ここで、x
1>x
2である。例えば、広い部分626は約5.1mm~5.5mmの幅x
1を有し、狭いネック部分628は約2.6mm~3.0mmの幅x
2を有する。巻線は、
図8dに示されるように、各巻線の間で距離yだけ離間させることができる。距離yは、例えば、約2.6mm~約5.2mmである。1つの特定の実施形態(図示せず)では、シャフト620は複数の領域を有することができ、各領域は、巻線間の異なる距離yによって提供される異なる程度の可撓性を有し、距離yが小さいほどシャフト620の可撓性が増加する。
【0030】
シャフト520、620及び/又は保持ピン540は、所定のレベルの力が材料に加えられると変形し、外力が取り除かれると元の形状に戻る任意の材料から形成することができる。一実施形態では、シャフト620は、金属、特に生体適合性ステンレス鋼(例えば、1.4542ステンレス鋼)から形成されており、上述したように、シャフト620に増加した可撓性を付与するためにシャフト620の少なくとも一部分に沿って延在する整列された溝622を含む。別の実施形態では、シャフト520、620は弾性材料から形成することができる。弾性材料は、記憶金属合金、例えば、ニチノールとすることができる。特に、弾性材料は、45%<Ni<55%、45%Ti<55%及びx+y=100%のニッケル-チタン合金からなることができる。このような材料は、特に生体適合性及び高い弾性を有する。記憶金属合金は、約50℃を超える、より好ましくは約80℃を超える転移温度を有することができる。別の実施形態では、転移温度は、約100℃より高く、好ましくは約120℃より高くてもよい。
【0031】
本明細書に開示される特定の実施形態は、本発明のいくつかの態様を例示することを意図するため、本明細書に記載及び特許請求される本発明は、これらの実施形態によって範囲が限定されるものではない。いかなる同等の実施形態も、本発明の範囲内にあることが意図される。実際、本明細書に図示及び説明されたものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の説明から当業者には明らかになるであろう。このような修正はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図される。本明細書で引用されたすべての刊行物は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0032】
〔実施の態様〕
(1) 髄内釘のエンドキャップに係合するためのドライバであって、
前記ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有する、ハンドルと、
前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで前記ハンドルチャネルを通って延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有する、シャフトであって、前記シャフトの前記遠位端は、前記ハンドルから遠位に延在し、前記シャフトの前記遠位端は、前記エンドキャップのヘッド部分に挿入されるように構成された駆動要素を形成する、シャフトと、
前記シャフトチャネルに摺動可能に受容され、かつ前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する、保持ピンであって、前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトを前記エンドキャップの前記ヘッド部分に可逆的にロックするように構成されている、保持ピンと、を備える、ドライバ。
(2) 前記ハンドルは、エラストマー材料から形成されている、実施態様1に記載のドライバ。
(3) クランプを更に備え、前記クランプは、前記ハンドルの前記長手方向軸を横切る平面に沿って延在し、前記ハンドルに加えられたトルクを前記クランプを介して前記シャフトに伝達するために、前記シャフトに固定的に締め付けられている、実施態様2に記載のドライバ。
(4) 前記シャフトの前記近位端に回転可能に接続されたノブを更に備え、前記長手方向軸を中心とした前記ノブの回転は、前記保持ピンを回転させて、前記エンドキャプの前記ヘッド部分をロックし、かつそれからロック解除する、実施態様1に記載のドライバ。
(5) 前記保持ピンは、内部を通って長手方向に延在する管腔を含み、前記管腔は、内部を通してガイドワイヤを摺動可能に受容するようにサイズ決定及び形状決定されている、実施態様1に記載のドライバ。
【0033】
(6) 前記保持ピンの前記遠位端は、前記エンドキャップの前記ヘッド部分の対応するねじ山に螺合係合するように構成されたねじ山を備える、実施態様4に記載のドライバ。
(7) 前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトの前記遠位端を越えて遠位に延在する、実施態様1に記載のドライバ。
(8) 前記シャフトは、前記ハンドルの回転が前記シャフトを介してトルクを前記駆動要素に伝達するように、前記ハンドルチャネル内に回転可能に固定されており、前記駆動要素は、前記ハンドルに加えられたトルクが、前記エンドキャップを回転可能に駆動して、前記エンドキャップを前記髄内釘に結合させるように、前記エンドキャップと回転不能に係合するように構成されている、実施態様1に記載のドライバ。
(9) 前記シャフトは、使用中の前記シャフトの変形に抵抗するのに十分な剛性を有する材料で形成されている、実施態様8に記載のドライバ。
(10) 前記シャフト及び前記保持ピンは、可撓性であり、前記シャフト及び前記保持ピンが前記長手方向軸に沿って位置する弛緩構成と、前記シャフト及び前記保持ピンが弾性的に変形して、前記エンドキャップへの曲線経路に沿って延在する変形構成との間で可逆的に移動可能である、実施態様1に記載のドライバ。
【0034】
(11) 前記シャフトの前記可撓性は、前記シャフトの長さに沿って変化する、実施態様10に記載のドライバ。
(12) 前記シャフトは、前記シャフトに可撓性を付与するために、前記シャフトの外部表面の周りを囲む複数の整列された溝を備える、実施態様10に記載のドライバ。
(13) 前記保持ピンの壁は、約0.45mm~約1.15mmの厚さを有する、実施態様1に記載のドライバ。
(14) 前記保持ピンは、約3mm~約4mmの外径を有する、実施態様1に記載のドライバ。
(15) 前記ガイドワイヤは、約1.6mm~約2.0mmの直径を有する、実施態様14に記載のドライバ。
【0035】
(16) 髄内釘の近位端に係合するためのシステムであって、
(i)ドライバであって、
前記ドライバの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するハンドルチャネルを有する、ハンドルと、
前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで前記ハンドルチャネルを通って延在し、かつ内部を通って長手方向に延在するシャフトチャネルを有する、シャフトであって、前記シャフトの前記遠位端は、前記ハンドルから遠位に延在し、前記シャフトの前記遠位端は、駆動要素を形成する、シャフトと、
前記シャフトチャネルに摺動可能に受容され、前記長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する保持ピンであって、前記保持ピンの前記遠位端は、ねじ山を備え、前記保持ピンは、内部を通って長手方向に延在する管腔を含む、保持ピンと、を備える、ドライバと、
(ii)内部を通って延在する管腔を有するエンドキャップであって、
前記髄内釘のチャネルに係合するように構成された本体と、
ヘッド部分であって、前記駆動要素を受容するように、かつ前記ヘッド部分を前記シャフトに可逆的にロックするように構成されており、前記保持ピンの対応するねじ山と螺合係合するように構成されたねじ山を備える、ヘッド部分と、を備える、エンドキャップと、
(iii)前記駆動要素を前記エンドキャップの前記ヘッド部分に整列させるように、前記保持ピンの前記管腔及び前記エンドキャップの前記管腔を通して摺動可能に挿入されたガイドワイヤと、を備える、システム。
(17) 前記保持ピンの前記遠位端は、前記シャフトの前記遠位端を越えて遠位に延在する、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記シャフトは、前記ハンドルの回転が前記シャフトを介してトルクを前記駆動要素に伝達するように、前記ハンドルチャネル内に回転可能に固定されており、前記駆動要素は、前記ハンドルに加えられたトルクが、前記エンドキャップを回転可能に駆動して、前記エンドキャップを前記髄内釘に結合させるように、前記エンドキャップに回転不能に係合するように構成されている、実施態様16に記載のシステム。
(19) 前記シャフトは、使用中の前記シャフトの変形に抵抗するのに十分な剛性を有する材料で形成されている、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記シャフト及び前記保持ピンは、可撓性であり、前記シャフト及び前記保持ピンが前記長手方向軸に沿って位置する弛緩構成と、前記シャフト及び前記保持ピンが弾性的に変形して、前記エンドキャップへの曲線経路に沿って延在する変形構成との間で可逆的に移動可能である、実施態様18に記載のシステム。