(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】照射装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20241216BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241216BHJP
G02B 1/118 20150101ALI20241216BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20241216BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20241216BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241216BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20241216BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H01L33/48
F21S2/00 481
F21S2/00 482
F21S2/00 483
G02B1/118
G02B5/32
G02B5/20
G09F9/00 336F
G02B5/30
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2022519797
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 US2020053825
(87)【国際公開番号】W WO2021067612
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-09-22
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516384542
【氏名又は名称】リアルディー スパーク エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハロルド、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、マイケル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウッドゲート、グラハム ジェイ.
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-251359(JP,A)
【文献】特表2019-527465(JP,A)
【文献】特表2010-532089(JP,A)
【文献】特表2016-500161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0038150(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0257497(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0171215(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0325816(US,A1)
【文献】国際公開第2018/185476(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/185475(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0009742(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 33/00-33/46
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射装置を製造する方法であって、前記方法は、
発光素子の非モノリシックアレイを形成する段階と、
第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイを形成する段階と、
選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持するやり方で、前記第1のモノリシックアレイから前記複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去する段階であって、前記第1のモノリシックアレイから選択的に除去される前記複数の第1の受動光学ナノ構造が選択され、その結果、少なくとも一方向において、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造の少なくとも一対について、それぞれの一対ごとに、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造の前記少なくとも一対の間に、前記第1のモノリシックアレイ中に位置決めされた選択されていない少なくとも1つのそれぞれの第1の受動光学ナノ構造が存在する、選択的に除去する段階と、
前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造を有する第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイを形成する段階と、
前記第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイの前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、前記発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子と整列させる段階と、を含む、方法。
【請求項2】
前記発光素子の非モノリシックアレイが支持基板上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発光素子の非モノリシックアレイおよび前記第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイを、前記支持基板と前記支持基板に対向する別の基板との間に挟み、その結果、各第1の受動光学ナノ構造が、それぞれの発光素子と整列しているようにする段階、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記挟む段階の前に、前記第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイを他の基板上に移送する段階をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記挟む段階の前に、前記第1の非モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを前記発光素子のそれぞれの1つに移送する段階をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイの前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、前記発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子上に積み重ねる段階をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモノリシックアレイの少なくとも2つの領域について、前記第1の受動光学ナノ構造の光学的または電気的特性を測定する段階と、
各領域の前記光学的または電気的特性の前記測定を、前記光学的または電気的特性の所定の測定閾値より上または下に分類する段階と、
前記光学的または電気的特性の前記測定が前記所定の測定閾値より上または代替的に下である領域から、第1の受動光学ナノ構造を単に選択的に除去する段階と、をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
電磁波長帯域の光を透過させる基板を提供する段階と、
前記基板上に剥離層を形成する段階であって、前記剥離層は、前記電磁波長帯域の光に曝されたときに、前記基板から少なくとも部分的に分離するように構成されている、形成する段階と、
前記剥離層上に前記第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイを形成する段階と、をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去する段階は、
前記選択された複数の第1の受動光学ナノ構造が形成される前記剥離層の領域を、前記基板を通して前記電磁波長帯域の光で照射し、それにより、前記選択された複数の第1の受動光学ナノ構造を前記基板から少なくとも部分的に分離する段階、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記照射は、前記選択された複数の第1の受動光学ナノ構造を、前記第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイの残りの部分から少なくとも部分的に分離する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択された複数の第1の受動光学ナノ構造は、エッチング、スクライビング、またはアブレーションによって、前記第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイの残りの部分から少なくとも部分的に分離される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記照射は複数の成形されたレーザビームを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記電磁波長帯域は紫外線波長帯域である、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記照射は前記剥離層の材料を解離してガスを形成する、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記電磁波長帯域の前記光は、前記第1の受動光学ナノ構造を形成する材料の層を解離する、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造を移送部材上に移送する段階と、
前記選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、前記移送部材からそれぞれの発光素子上に移送する段階と、を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
第1の基板上に前記第1の受動光学ナノ構造のモノリシックアレイを形成する段階であって、前記第1の基板は、電磁波長帯域の光を遮断する、形成する段階と、
前記第1の受動光学ナノ構造のモノリシックアレイを第2の基板上に移送する段階であって、前記第2の基板は前記電磁波長帯域の光を透過させる、移送する段階と、
前記電磁波長帯域の光で前記第2の基板を通して前記複数の第1の受動光学ナノ構造を照射し、それにより、前記複数の第1の受動光学ナノ構造を前記第2の基板から少なくとも部分的に分離する段階と、を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去する段階は、前記第1の受動光学ナノ構造の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記複数の第1の受動光学ナノ構造を第1の接着基板に接着する段階を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記発光素子の
相対的な空間位置を維持するやり方で、前記除去された複数の第1の受動光学ナノ構造を前記第1の接着基板から第2の接着基板に移送する段階と、
前記発光素子の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記第1の受動光学ナノ構造を前記第2の接着基板から支持基板に移送する段階と、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれは、第1の表面および前記第1の表面に対向する第2の表面を含み、前記第1の受動光学ナノ構造は、それらの第1の表面が前記第1の接着基板と接触し、それらの第2の表面が露出するように、前記第1の接着基板に接着される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の受動光学ナノ構造は、それらの第2の表面が前記第2の接着基板と接触し、それらの第1の表面が露出するように、前記第2の接着基板に移送される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の受動光学ナノ構造は、それらの第1の表面が前記支持基板と接触し、それらの第2の表面が露出するように、前記支持基板に移送される、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の受動光学ナノ構造と前記第2の接着基板との間の接着力は、第1の受動光学ナノ構造と前記第1の接着基板との間の接着力よりも大きい、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の受動光学ナノ構造と前記支持基板との間の接着力は、前記第1の受動光学ナノ構造と前記第2の接着基板との間の接着力よりも大きい、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記支持基板は平面基板である、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記発光素子のそれぞれは、最大で300マイクロメート
ルの最大寸法を含むマイクロLEDである、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれは、最大で400マイクロメート
ルの最大寸法を有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれの最大寸法は、前記第1の受動光学ナノ構造のそれぞれと整列した発光素子の発光領域の最大寸法より大きいかそれに等しい、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の受動光学ナノ構造は、最大で5マイクロメート
ルの最大寸法を有する1つまたは複数の副特徴を含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の受動光学ナノ構造は、
ワイヤグリッド偏光子、
形状複屈折リターダ、
量子ドットまたは量子ロッド色変換構造、
分布ブラッグ反射器、
メタマテリアル、
ファブリペロー共振器構造、
ダイクロイックスタック、
ホログラム、
モスアイ構造、
ナノブラック材料、
ナノコリメータ、
ナノコラムを囲むエアギャップ、
フォトニック結晶、のタイプのいずれか1つを含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の受動光学ナノ構造はワイヤグリッド偏光子である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ワイヤグリッド偏光子の少なくとも1つは、第1の配向でそれぞれの発光素子と整列され、少なくとも1つの他のワイヤグリッド偏光子は、第2の配向でそれぞれの発光素子と整列され、前記第2の配向は前記第1の配向と直交している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の受動光学ナノ構造は、量子ドットまたは量子ロッド色変換構造である、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記発光素子の非モノリシックアレイの前記発光素子の少なくとも1つは、それに整列された量子ドットまたは量子ロッド色変換構造を有さない、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第2の受動光学ナノ構造の第2のモノリシックアレイを形成する段階と、
選択的に除去された複数の第2の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持するやり方で、前記第2のモノリシックアレイから前記複数の第2の受動光学ナノ構造を選択的に除去する段階であって、前記第2のモノリシックアレイから選択的に除去される前記複数の第2の受動光学ナノ構造が選択され、その結果、少なくとも一方向において、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の第2の受動光学ナノ構造の少なくとも一対について、それぞれの一対ごとに、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の第2の受動光学ナノ構造の前記少なくとも一対の間に、前記第2のモノリシックアレイ中に位置決めされた選択されていない少なくとも1つのそれぞれの第2の受動光学ナノ構造が存在する、選択的に除去する段階と、
前記選択的に除去された複数の第2の受動光学ナノ構造の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記選択的に除去された複数の第2の受動光学ナノ構造を有する第2の受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイを形成する段階と、
前記第2の受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイの前記第2の受動光学ナノ構造のそれぞれを、前記発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子と整列させる段階と、をさらに含む、請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の受動光学ナノ構造は、前記第2の受動光学ナノ構造とは異なるタイプの受動光学ナノ構造である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイは、前記第2の受動光学ナノ構造の第2のモノリシックアレイとは別に形成される、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイの各第2の受動光学ナノ構造を、それぞれの発光素子またはそれぞれの第1の受動光学ナノ構造のいずれかに積み重ねる段階をさらに含む、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
それに整列された第1の受動光学ナノ構造を有する前記発光素子の少なくとも1つは、それに整列された第2の受動光学ナノ構造を有さない、および/または、
それに整列された第2の受動光学ナノ構造を有する前記発光素子の少なくとも1つは、それに整列された第1の受動光学ナノ構造を有さない、請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記発光素子の非モノリシックアレイは、
発光素子のモノリシックアレイを形成することと、
選択的に除去された複数の発光素子の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記モノリシックアレイから前記複数の発光素子を選択的に除去することであって、前記第1のモノリシックアレイから選択的に除去される前記複数の発光素子が選択され、その結果、少なくとも一方向において、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の発光素子の少なくとも一対について、それぞれの一対ごとに、前記少なくとも一方向の前記選択的に除去された複数の発光素子の前記少なくとも一対の間に、前記第1のモノリシックアレイ中に位置決めされた選択されていない少なくとも1つのそれぞれの発光素子が存在する、選択的に除去することと、
前記選択的に除去された複数の発光素子の前記相対的な空間位置を維持するやり方で、前記選択的に除去された複数の発光素子を有する前記発光素子の非モノリシックアレイを形成することと、によって形成される、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記整列された第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイおよび前記発光素子の非モノリシックアレイを有する照射装置を形成する段階をさらに含む、請求項1から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記照射装置を有するディスプレイ装置を形成する段階をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、照射デバイスからの光出力の変更、および受動光学ナノ構造を含むディスプレイ装置を含む照射装置を製造する方法に関する。照射装置は、環境照射などの用途または画像ディスプレイのために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
照射装置では、受動光学構造(例えば、偏光素子、色変換素子など)が、照射装置が光を提供する方法を制御するために組み込まれることが多い。照射装置の1つのタイプは、発光素子としてマイクロLEDを使用する照射装置である。マイクロLEDのサイズの発光素子で良好に機能する適切な受動光学構造を製造することは難しい傾向がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示によれば、照射装置を製造する方法が提供され、方法は、発光素子の非モノリシックアレイを形成することと、第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイを形成することと、選択的に除去された第1の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で、第1のモノリシックアレイから複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去することであって、第1のモノリシックアレイから選択的に除去される複数の第1の受動光学ナノ構造が選択され、その結果、少なくとも一方向において、少なくとも一方向の選択的に除去された第1の受動光学ナノ構造の少なくとも一対について、それぞれの一対ごとに、少なくとも一方向の一対の選択的に除去された第1の受動光学ナノ構造の間に、第1のモノリシックアレイに配置された選択されていない少なくとも1つのそれぞれの第1の受動光学ナノ構造が存在する、選択的に除去することと、選択的に除去された第1の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で、選択的に除去された第1の受動光学ナノ構造を有する第1の非モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造を形成することと、第1の非モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造の第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子と整列させることと、を含む。
【0004】
有利には、発光素子のアレイの少なくともいくつかの発光素子は、整列された受動光学ナノ構造を備えていてもよい。非常に薄いスタックでは、光学機能が向上することがある。整列は、少数のステップで多くの発光素子および受動光学素子に対して達成でき、コストおよび複雑さを軽減する。モノリシックアレイのサイズは、照射装置のサイズよりも小さくてもよい。モノリシックウェーハを提供するための機器のコストを削減することができる。整列された受動光学素子間のモノリシックウェーハの領域は、さらなる整列ステップのために使用され得、歩留まりを向上させ、コストを低減する。
【0005】
発光素子の非モノリシックアレイは、支持基板上に形成することができる。有利なことに、寸法安定性を維持し、制御電極および電子機器を低コストで提供するために、発光素子を提供することができる。
【0006】
方法は、発光素子の非モノリシックアレイおよび第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイを、支持基板と支持基板に対向する別の基板との間にサンドイッチ状に挟み、その結果、各第1の受動光学ナノ構造は、それぞれの発光素子と整列していることをさらに含んでもよい。有利なことに、受動光学ナノ構造のアレイおよび発光素子のアレイは、それぞれ、高い寸法安定性を備えていてもよい。
【0007】
方法は、サンドイッチ状に挟むことの前に、第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイを他の基板上に移送することをさらに含み得る。有利なことに、少数のステップで多くの発光素子および受動光学素子に対して整列を達成することができ、コストおよび複雑さを低減する。
【0008】
方法は、サンドイッチ状に挟むことの前に、第1の非モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを発光素子のそれぞれの1つに移送することをさらに含み得る。発光素子と受動光学ナノ構造の整列は、異なる熱膨張を持つ基板に対して維持され得る。発光素子と受動光学ナノ構造との間の間隔を狭めることができ、発光素子から受動光学ナノ構造への光の結合効率を高めることができる。
【0009】
方法は、受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子上に積み重ねることをさらに含み得る。有利には、ナノ構造は、発光素子からの光を受け取るように配置され得る。
【0010】
方法は、第1のモノリシックアレイの少なくとも2つの領域について、第1の受動光学ナノ構造の光学的または電気的特性を測定することと、各領域の光学的または電気的特性の測定を、光学的または電気的特性の所定の測定閾値より上または下に分類することと、光学的または電気的特性の測定が所定の測定閾値より上または代替的に下である領域から、第1の受動光学ナノ構造を単に選択的に除去することと、をさらに含み得る。有利なことに、移送された各受動光学ナノ構造の性能は、所定の閾値を上回っている。デバイスの均一性が向上し、リワークコストが削減される。モノリシックウェーハの均一性の許容誤差が緩和されるように、適切な受動光学素子を含むモノリシックウェーハの領域のみを使用することができる。処理歩留まりが向上し、デバイスのコストが削減される。照射装置の出力の均一性を高めることができる。
【0011】
方法は、電磁波長帯域の光に対して透明である基板を提供することと、第1の基板上に剥離層を形成することであって、剥離層は、電磁波長帯域の光に曝されたときに、基板から少なくとも部分的に分離するように構成されている、形成することと、剥離層上に第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイを形成することと、をさらに含み得る。有利には、移送中の光アドレス指定に適した基板を提供することができる。
【0012】
複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去することは、選択された複数の第1の受動光学ナノ構造が形成される剥離層の領域を、基板を通して電磁波長帯域の光で、照射し、それにより、選択された複数の第1の受動光学ナノ構造を基板から少なくとも部分的に分離することを含み得る。制御可能な光学照射システムを提供して、どの受動光学ナノ構造を分離するかを選択することができる。移送された受動光学ナノ構造の有利に制御可能な選択が達成され得る。
【0013】
照射は、選択された複数の第1の受動光学ナノ構造を、第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイの残りの部分から少なくとも部分的に分離することができる。除去移送ステップでは、削除された望ましい素子のみが分離される。有利に移送された受動光学ナノ構造は、高い均一性を有し得る。移送された受動光学ナノ構造のコストが削減され、歩留まりが向上する。
【0014】
選択された複数の第1の受動光学ナノ構造は、エッチング、スクライビング、またはアブレーションによって、第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイの残りの部分から少なくとも部分的に分離され得る。有利なことに、受動光学ナノ構造は、適切な形成された形状および縁部品質を備えて提供され得る。
【0015】
照射は、複数の成形されたレーザビームを含み得る。有利なことに、複数の受動光学ナノ構造を、高い処理速度、精度、および効率で抽出することができる。コストが削減されることがある。
【0016】
電磁波長帯域は、紫外線波長帯域であり得る。剥離層の結合は、受動光学ナノ構造に損傷を与えることなく有利に破壊され得る。
【0017】
照射は、剥離層の材料を解離してガスを形成することができる。電磁波長帯域の光は、第1の受動光学ナノ構造を形成する材料の層を解離することがある。受動光学ナノ構造の均一な剥離を達成することができ、抽出の信頼性を有利に高め、コストを削減する。
【0018】
方法は、選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造を移送部材に移送することと、選択的に除去された複数の第1の受動光学ナノ構造のそれぞれを、移送部材からそれぞれの発光素子に移送することと、を含み得る。有利には、移送ステップ中の発光素子のアレイへの損傷が減少し、歩留まりが増加する可能性がある。移送部材は、モノリシックアレイの第1の受動光学ナノ構造およびそれぞれの発光素子の支持基板とは異なる剛性を有し得る。移送部材は、発光素子とそれぞれの受動光学素子との整列の最適化を達成するための材料を備えていてもよい。
【0019】
方法は、第1の基板上に受動光学ナノ構造のモノリシックアレイを形成することであって、第1の基板は、電磁波長帯域の光に対して不透明である、形成することと、モノリシックアレイの受動光学ナノ構造を第2の基板上に移送することであって、第2の基板は電磁波長帯域の光に対して透明である、移送することと、電磁波長帯域の光で第2の基板を通して複数の第1の受動光学ナノ構造を照射し、それにより、複数の受動光学ナノ構造を第2の基板から少なくとも部分的に分離することと、を含み得る。高性能受動光学ナノ構造を形成するのに適した基板を提供することができ、選択的移送に適した別個の基板を提供することができる。受動光学ナノ構造の成長またはパターニングと移送の性能を個別に調整し、受動光学ナノ構造の性能を向上させることができる。歩留まりが向上し、コストが削減され得る。
【0020】
複数の第1の受動光学ナノ構造を選択的に除去することは、第1の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で、複数の第1の受動光学ナノ構造を第1の接着剤基板に接着することを含み得る。方法は、選択的に除去された発光素子の相対的な空間位置を維持する方法で、除去された複数の第1の受動光学ナノ構造を第1の接着剤基板から第2の接着剤基板に移送することと、選択的に除去された発光素子の相対的な空間位置を維持する方法で、第1の受動光学ナノ構造を第2の接着剤基板から支持基板に移送することと、をさらに含み得る。有利なことに、受動光学ナノ構造と発光素子との間の均一な整列は、移送および整列ステップの間維持され得る。
【0021】
第1の受動光学ナノ構造のそれぞれは、第1の表面および第1の表面に対向する第2の表面を含み得、第1の受動光学ナノ構造は、それらの第1の表面が第1の接着剤基板に接着され、それらの第2の表面が露出するように、第1の接着剤基板に接着される。第1の受動光学ナノ構造は、それらの第2の表面が第2の接着剤基板と接触し、それらの第1の表面が露出されるように、第2の接着剤基板に移送され得る。第1の受動光学ナノ構造は、それらの第1の表面が支持基板と接触し、それらの第2の表面が露出されるように、支持基板に移送され得る。第1の受動光学ナノ構造と第2の接着剤基板との間の接着力は、第1の受動光学ナノ構造と第1の接着剤基板との間の接着力よりも大きくてもよい。受動光学ナノ構造は、それぞれの整列された発光素子からの光を受け取るように構成された光学入力側を設けられてもよい。第1の受動光学ナノ構造と支持基板との間の接着力は、第1の受動光学ナノ構造と第2の接着剤基板との間の接着力よりも大きくてもよい。有利なことに、光学性能が向上する可能性がある。
【0022】
支持基板は、平面基板であり得る。有利には、均一な光出力を達成することができる。基板は、半導体処理機器での取り扱いに適していてもよい。基板は柔軟であり得る。
【0023】
発光素子のそれぞれは、最大で300マイクロメートル、好ましくは最大で200マイクロメートル、最も好ましくは最大で100マイクロメートルの最大寸法を含むマイクロLEDであり得る。有利には、高解像度アレイが提供され得る。
【0024】
第1の受動光学ナノ構造のそれぞれは、最大で400マイクロメートル、好ましくは最大で250マイクロメートル、最も好ましくは最大で150マイクロメートルの最大寸法を有し得る。第1の受動光学ナノ構造のそれぞれの最大寸法は、その第1の受動光学ナノ構造と整列した発光素子の発光領域の最大寸法以上であり得る。有利には、発光素子からの光は、受動光学ナノ構造に入力され得る。受動光学ナノ構造の範囲を減らすことができる。隣接する素子間のクロストークを減らすことができる。
【0025】
第1の受動光学ナノ構造は、最大で5マイクロメートル、好ましくは最大で1マイクロメートル、最も好ましくは最大で0.5マイクロメートルの最大寸法を有する1つまたは複数の副特徴を含む。有利なことに、拡散性のアーチファクトを低減または排除することができる。
【0026】
第1の受動光学ナノ構造は、ワイヤグリッド偏光子、形状複屈折リターダ、量子ドットまたは量子ロッド色変換構造、分布ブラッグ反射器、メタマテリアル、ダイクロイックスタック、ホログラム、モスアイ構造、ナノブラック材料、ナノコリメータ、ナノコラムを囲むエアギャップ、フォトニック結晶、のタイプのいずれか1つを含む。
【0027】
第1の受動光学ナノ構造は、ワイヤグリッド偏光子である可能性がある。有利には、発光素子の出力は、第1の電気ベクトル透過方向を有する偏光状態で偏光され得る。直交偏光状態の光は、発光素子および/または他の受動光学ナノ構造内で散乱され得、第1の偏光状態を有する光として再循環され得る。有利なことに、効率が向上することがある。このようなデバイスは、液晶ディスプレイなどの入力偏光子を備えたディスプレイに高効率の照射を提供するために使用することができる。
【0028】
ワイヤグリッド偏光子の少なくとも1つは、第1の配向でそれぞれの発光素子と整列され得、少なくとも1つの他のワイヤグリッド偏光子は、第2の配向でそれぞれの発光素子と整列され得、第2の配向は、第1の配向と直交している。有利には、立体視ディスプレイが提供され得る。
【0029】
第1の受動光学ナノ構造は、形状複屈折リターダを含み得る。有利には、偏光出力の変更を提供するために光学リターダンスを達成することができる。偏光出力デバイスにおいて、再循環効率が向上することがある。円形アナライザアイウェアを使用するユーザに頭部後屈を提供するために、立体視ディスプレイに円形出力偏光を提供することができる。
【0030】
第1の受動光学ナノ構造は、分布ブラッグ反射器を含み得る。有利には、照射装置のスペクトル出力を変更することができる。
【0031】
第1の受動光学ナノ構造は、メタマテリアルを含み得る。有利には、照射装置の屈折率特性を変更することができる。
【0032】
第1の受動光学ナノ構造は、ダイクロイックスタックを含み得る。有利には、照射装置のスペクトル出力特性を変更することができる。
【0033】
第1の受動光学ナノ構造は、ホログラムを含み得る。有利には、照射装置の指向性出力特性を変更することができる。
【0034】
第1の受動光学ナノ構造は、モスアイ構造を含み得る。第1の受動光学ナノ構造は、ナノブラック材料を含み得る。有利には、照射装置の反射率を低下させ、コントラストを改善することができる。
【0035】
第1の受動光学ナノ構造は、ナノコリメータを含み得る。有利には、光出力の指向性を変更することができる。プライバシー照射装置を提供することができる。
【0036】
第1の受動光学ナノ構造は、ナノコラムを取り囲むエアギャップを含み得る。有利には、照射装置を別の基板に結合して、寸法安定性を高めることができる。出力は、臨界角内で光学装置に結合され、結合効率を高め、迷光を減らすことができる。
【0037】
第1の受動光学ナノ構造は、フォトニック結晶を含み得る。有利なことに、スペクトルおよび/または指向性出力を変更して、機能を向上させることができる。
【0038】
色変換構造は、フォトルミネッセンスであり得る。第1の受動光学ナノ構造は、量子ドットまたは量子ロッド色変換構造であり得る。有利なことに、高い色変換効率が達成され得る。スペクトル帯域幅を制御できる。
【0039】
発光素子の非モノリシックアレイの発光素子の少なくとも1つは、それに整列された量子ドットまたは量子ロッド色変換構造を有していないことがある。有利なことに、出力効率は、少なくとも1つの波長帯域で増加する。
【0040】
方法は、第2の受動光学ナノ構造の第2のモノリシックアレイを形成することと、選択的に除去された第2の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で、第2のモノリシックアレイから複数の第2の受動光学ナノ構造を選択的に除去することであって、第2のモノリシックアレイから選択的に除去される複数の第2の受動光学ナノ構造が選択され、その結果、少なくとも一方向において、少なくとも一方向の少なくとも一対の選択的に除去された第2の受動光学ナノ構造について、それぞれの一対ごとに、少なくとも一方向の一対の選択的に除去された第2の受動光学ナノ構造の間に、第2のモノリシックアレイに配置された選択されていない少なくとも1つのそれぞれの第2の受動光学ナノ構造が存在する、選択的に除去することと、選択的に除去された第2の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で、選択的に除去された第2の受動光学ナノ構造を有する第2の受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイを形成することと、第2の受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイの第2の受動光学ナノ構造のそれぞれを、発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子と整列させることと、をさらに含む。有利には、発光素子の光出力のさらなる変更および整列された受動光学ナノ構造を達成することができる。
【0041】
第1の受動光学ナノ構造は、第2の受動光学ナノ構造とは異なるタイプの受動光学ナノ構造であり得る。第1の受動光学ナノ構造の第1のモノリシックアレイは、第2の受動光学ナノ構造の第2のモノリシックアレイとは別に形成され得る。方法は、受動光学ナノ構造の第2の非モノリシックアレイの各第2の受動光学ナノ構造を、それぞれの発光素子またはそれぞれの第1の受動光学ナノ構造のいずれかに積み重ねることをさらに含み得る。有利なことに、複数の光学的修正は、非常に薄い光学的厚さおよび低コストで達成され得る。
【0042】
それに整列された第1の受動光学ナノ構造を有する発光素子の少なくとも1つは、それに整列された第2の受動光学ナノ構造を有さない、および/または、それに整列された第2の受動光学ナノ構造を有する発光素子の少なくとも1つは、それに整列された第1の受動光学ナノ構造を有していなくてもよい。有利には、発光素子のアレイ全体の出力を変更して、異なる発光素子に対して異なる性能、例えば、色、偏光状態、および発光円錐立体角を提供することができる。
【0043】
発光素子の非モノリシックアレイは、発光素子のモノリシックアレイを形成することと、選択的に除去された発光素子の相対的な空間位置を維持する方法で、モノリシックアレイから複数の発光素子を選択的に除去することであって、第1のモノリシックアレイから選択的に除去される複数の発光素子が選択され、その結果、少なくとも一方向において、少なくとも一方向の選択的に除去された発光素子の少なくとも一対について、それぞれの一対ごとに、少なくとも一方向の選択的に除去された発光素子の一対の間に、第1のモノリシックアレイに配置された選択されていない少なくとも1つのそれぞれの発光素子が存在する、選択的に除去することと、選択的に除去された発光素子の相対的な空間位置を維持する方法で、選択的に除去された発光素子を有する非モノリシックアレイの発光素子を形成することと、によって形成され得る。有利には、疎に分離された発光素子の低コストのアレイが、低コストおよび高効率で提供され得る。
【0044】
方法は、整列された第1の受動光学ナノ構造の第1の非モノリシックアレイおよび発光素子の非モノリシックアレイを有する照射装置を形成することをさらに含み得る。有利なことに、照射装置の光学的機能は、発光素子のアレイのみによって達成され得るものよりも大きく、薄い構造において高い効率および均一性を備えている。
【0045】
方法は、照射装置を備えたディスプレイ装置を形成することをさらに含み得る。有利なことに、高効率、低コスト、および薄厚のディスプレイは、カラーディスプレイ、立体視ディスプレイ、プライバシーディスプレイ、低迷光ディスプレイの少なくとも一部を達成するように配置され得る光出力を備え得る。ディスプレイは柔軟で曲げることができる。
【0046】
本開示の第2の態様によれば、発光素子の非モノリシックアレイと、受動光学ナノ構造のモノリシックアレイからの受動光学ナノ構造の非モノリシックアレイとを含み得る照射装置が提供され、受動光学ナノ構造のそれぞれは、発光素子の非モノリシックアレイのそれぞれの発光素子と整列しており、受動光学ナノ構造の非モノリシックアレイの受動光学ナノ構造は、それらの元の位置がモノリシックアレイ内で互いに対して保持された状態で配置されており、少なくとも一方向において、少なくとも一方向の非モノリシックアレイの少なくとも一対の受動光学ナノ構造について、それぞれの一対ごとに、少なくとも一方向の一対の受動光学ナノ構造の間に受動光学ナノ構造のモノリシックアレイ中に配置された、および受動光学ナノ構造の非モノリシックアレイ中のそれらの間に配置されていない、受動光学ナノ構造のモノリシックアレイ中に少なくとも1つのそれぞれの受動光学ナノ構造があった。
【0047】
照射装置は、透過型空間光変調器用のバックライトであり得る。有利には、プライバシーバックライトを達成することができる。ナノ構造は、青色光を複数のスペクトル帯域に変換して白色光を提供するように配置することができる。バックライトは効率が高く、薄いパッケージに配置されていることがある。プライバシーディスプレイ照射が提供されることがある。
【0048】
照射装置は、発光素子に画像データを提供するように配置された制御システムをさらに備え得る。発光素子は、アドレス指定可能であり、ピクセルとして駆動され得る。照射装置がバックライトで使用するように配置されている場合、有利なことに、高ダイナミックレンジ動作を達成することができる。
【0049】
本開示の第3の態様によれば、第2の態様の照射装置を含むディスプレイ装置が提供される。有利なことに、非常に薄い厚さは、高品質の光出力および低コストで達成され得る。
【0050】
本開示の任意の態様は、任意の組み合わせで適用し得る。
【0051】
本開示の実施形態は、様々な光学システムにおいて使用することができる。本実施形態は、様々な投影機、投影システム、光学構成要素、ディスプレイ、マイクロディスプレイ、コンピュータシステム、プロセッサ、自己完結型投影システム、視覚的および/または視聴覚システム、ならびに電気的および/または光学的デバイスを含み得、またはそれらとともに動作し得る。本開示の態様は、光学および電気デバイス、光学システム、プレゼンテーションシステム、または任意のタイプの光学システムを含み得る任意の装置に関連する実質的に任意の装置を伴って使用することができる。よって、本開示の実施形態は、光学システム、視覚的および/または光学的プレゼンテーションにおいて使用されるデバイス、視覚的周辺機器など、ならびに多数のコンピューティング環境において使用することができる。
【0052】
開示された実施形態の詳細に進む前に、開示は他の実施形態が可能であるため、開示は、その適用または作成において、示された特定の配置の詳細に限定されないことを理解されたい。さらに、本開示の態様は、それ自体で固有の実施形態を定義するために、異なる組み合わせおよび配置で説明され得る。また、本明細書で使用される用語は、説明を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。
【0053】
本開示のこれらおよび他の利点および特徴は、本開示全体を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
実施形態は、添付の図に例として示され、同様の参照番号は、同様の部分を示す。
【
図2】LED上に積み重ねることができる異なるタイプの受動光学ナノ構造の組み合わせの例を示す概略図である。
【
図3】受動光学ナノ構造を製造する方法のステップを示すフローチャートである。
【
図4】基準に合格または不合格となる受動光学ナノ構造の識別を示す概略図である。
【
図5】基準に合格または不合格となる受動光学ナノ構造の識別を示す概略図である。
【
図6A】受動光学ナノ構造のアレイの完成を示す概略図である。
【
図6B】受動光学ナノ構造のアレイの完成を示す概略図である。
【
図6C】受動光学ナノ構造のアレイの完成を示す概略図である。
【
図7A】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7B】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7C】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7D】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7E】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7F】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7G】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7H】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図7I】
図3の受動光学ナノ構造を製造する方法の様々なステップを示す概略図である。
【
図8A】受動光学ナノ構造を製造する方法のさらなるステップを示す概略図である。
【
図8B】受動光学ナノ構造を製造する方法のさらなるステップを示す概略図である。
【
図9】受動光学ナノ構造を製造する方法のさらなるステップを示す概略図である。
【
図10A】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのモスアイ構造を示す概略図である。
【
図10B】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのモスアイ構造を示す概略図である。
【
図10C】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのモスアイ構造を示す概略図である。
【
図10D】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのモスアイ構造を示す概略図である。
【
図10E】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのモスアイ構造を示す概略図である。
【
図11A】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11B】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11C】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11D】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11E】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11F】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図11G】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としての量子ロッドを示す概略図である。
【
図12A】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのワイヤグリッド偏光子を示す概略図である。
【
図12B】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのワイヤグリッド偏光子を示す概略図である。
【
図12C】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのワイヤグリッド偏光子を示す概略図である。
【
図12D】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのワイヤグリッド偏光子を示す概略図である。
【
図12E】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのワイヤグリッド偏光子を示す概略図である。
【
図13A】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのコリメートナノ構造を示す概略図である。
【
図13B】1つのタイプの受動光学ナノ構造の例としてのコリメートナノ構造を示す概略図である。
【
図14A】一種の受動光学ナノ構造の例として、ナノコラムを取り囲むエアギャップを示す概略図である。
【
図14B】一種の受動光学ナノ構造の例として、ナノコラムを取り囲むエアギャップを示す概略図である。
【
図15A】LEDを取り囲むためのナノブラック構造の使用を示す概略図である。
【
図15B】LEDを取り囲むためのナノブラック構造の使用を示す概略図である。
【
図15C】LEDを取り囲むためのナノブラック構造の使用を示す概略図である。
【
図16A】LEDを囲むためのウェルの使用を示す概略図である。
【
図16B】LEDを囲むためのウェルの使用を示す概略図である。
【
図16C】LEDを囲むためのウェルの使用を示す概略図である。
【
図16D】LEDを囲むためのウェルの使用を示す概略図である。
【
図16E】LEDを囲むためのウェルの使用を示す概略図である。
【
図17A】照射装置の製造中に光学構造を支持基板に取り付ける方法の断面図を示す概略図である。
【
図17B】照射装置の製造中に光学構造を支持基板に取り付ける方法の断面図を示す概略図である。
【
図18A】照射装置の製造中に光学構造を支持基板に取り付ける別の方法の断面図を示す。
【
図18B】照射装置の製造中に光学構造を支持基板に取り付ける別の方法の断面図を示す。
【
図19A】照射装置を製造する方法の断面図を示す。
【
図19B】照射装置を製造する方法の断面図を示す。
【
図19C】照射装置を製造する方法の断面図を示す。
【
図20A】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示す。
【
図20B】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示す。
【
図20C】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示す。
【
図21A】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示している。
【
図21B】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示している。
【
図21C】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示している。
【
図21D】受動光学ナノ構造をそれぞれの発光素子に移送するさらなる方法の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0055】
この明細書では(「パッケージ化された」という用語で修飾されている場合を除く)、「LED」または「マイクロLED」は、モノリシックウェーハ、つまり半導体素子から直接抽出されたパッケージ化されていないLEDダイチップを指す。マイクロLEDは、複数のLEDがモノリシックエピタキシャルウェーハから並列に除去されるアレイ抽出方法によって形成され得、5マイクロメートル未満の位置公差で配置され得る。これは、パッケージ化されたLEDとは異なる。パッケージ化されたLEDは通常、標準の表面実装PCB(プリント回路基板)アセンブリに適したはんだ端子を備えたリードフレームとプラスチックまたはセラミックのパッケージを備えている。パッケージ化されたLEDのサイズとPCB組立技術の限界は、パッケージ化されたLEDから形成されたディスプレイは約1mm未満のピクセルピッチで組み立てることが難しいことを意味する。このような組立機によって配置される構成要素の精度は、通常、約プラスマイナス30マイクロメートルである。このようなサイズおよび許容誤差は、非常に高解像度のディスプレイへの適用を妨げる。
【0056】
ここで、様々な指向性ディスプレイデバイスの構造および動作を説明する。本記載では、共通の素子は共通の参照番号を有する。任意の素子に関する開示は、同じまたは対応する素子が提供される各デバイスに適用されることに留意されたい。よって、簡潔にするために、そのような開示は繰り返されない。
【0057】
図1は、一実施形態による照射装置100の構造の一部を示す概略図である。照射装置100は、任意のタイプの照射装置、例えば、発光変調器、透過型空間光変調器用のバックライト、または環境照射装置であり得る。照射装置100は、コンピュータモニタ、テレビ、または他のタイプのディスプレイなどのディスプレイ装置の一部を形成することができる。
【0058】
照射装置100は、平面支持基板200を備える。支持基板は、平面基板であり得、可撓性または剛性であり得る。
【0059】
非モノリシックアレイのLED110と、複数の異なるタイプの受動光学ナノ構造300、400、500、600、800が、支持基板200上に配置されている。支持基板200は、LED110が取り付けられるバックプレーンを構成する。LED110は、マイクロLED、すなわち、最大寸法が最大300マイクロメートルのLEDである(ただし、好ましくは、各LED110の最大寸法は、最大200マイクロメートル、最も好ましくは、最大100マイクロメートルである)。LED上記の寸法の各LED110は、単一の発光領域を含み得るか、または電極配置によって提供される複数の発光領域を含み得るか、またはナノエミッタのアレイ、例えば量子ロッドエミッタを含み得る。
【0060】
各受動光学ナノ構造300、400、500、600、800は、各LED110がその上に積み重ねられた複数の異なるタイプの受動光学ナノ構造を有するように、それぞれのLED110と整列され、積み重ねられる。このようにして、各タイプの非モノリシックアレイの受動光学ナノ構造300、400、500、600、800が、非モノリシックアレイのLED110の上に形成される。受動光学ナノ構造300、400、500、600、800はそれぞれ、最大400マイクロメートルの最大寸法を有する(ただし、好ましくは、各受動光学ナノ構造の最大寸法は、最大250マイクロメートル、最も好ましくは最大150マイクロメートルである)。受動光学ナノ構造300、400、500、600、800のそれぞれの最大寸法は、各LED110の発光領域の最大寸法以上である。
【0061】
受動光学ナノ構造はそれぞれ、最大寸法が最大5マイクロメートルの1つまたは複数の副特徴を含むことができる(ただし、各副特徴の最大寸法は最大1マイクロメートル、最も好ましくは最大0.5マイクロメートルであることが好ましい)。副特徴の例には、導電性リッジ、量子ロッド、量子ドット、柱状誘電体構造、細長い誘電体構造、柱状ナノブラック構造、およびホログラフィック屈折率パターン化構造が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
LED110の少なくとも1つは、LED110の別の1つに積み重ねられたタイプの受動光学ナノ構造の同じ組み合わせを有する。しかしながら、すべてのLED110が、その上に積み重ねられた同じタイプの受動光学ナノ構造の組み合わせを有するわけではない。言い換えれば、LED110の少なくとも1つは、LED110の少なくとも別の1つに積み重ねられたタイプの受動光学ナノ構造の異なる組み合わせを有する。受動光学ナノ構造300、400、500、600、800は、LED110によって出力される光の特性を操作および/または変更するように作用し、その結果、各LED110によって出力される光は、LED110上に積み重ねられた受動光学ナノ構造を通過した後に特定の所望の特性を有する。特に望ましい特性は、光が通過した受動光学ナノ構造のタイプの組み合わせによって異なる。例えば、参照番号934BL、934BR、934GR、934GL、934RL、および934RRで示されているように、通過した受動光学ナノ構造隊のタイプの組み合わせに応じて、光は、異なる状態の円形偏光(つまり、右回りまたは左回り)および色(例えば、赤、青、または緑)の状態が異なる。LED110のいくつかは、他の可視光波長帯域を提供し得るか、または赤外線(IR)または紫外線(UV)エミッタであり得る。
【0063】
異なるタイプの受動光学ナノ構造300、400、500、600、800には、モスアイ構造300、量子ロッド構造400、ワイヤグリッド偏光子500、形状複屈折リターダ600、および、コリメートナノ構造800が含まれ、これは
図2を参照して以下に詳細に説明する。
【0064】
図示されていないが、照射装置は、画像データを使用してLEDをピクセルとしてアドレス指定および駆動するための制御システムなどの他の構成要素を備え得ることが理解されよう。そのような制御システムは、基板200の縁部またはLEDのアレイ内の回路、あるいは2つの組み合わせを含み得る。
【0065】
図2は、
図1の照射装置100内のLED110上に積み重ねることができる異なるタイプの受動光学ナノ構造の組み合わせの例を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図2の実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0066】
この例では、下から順に、スタックは、LED110、モスアイ構造300、量子ロッド構造400、コリメートナノ構造800、ワイヤグリッド偏光子500、および形状複屈折リターダ600を含む。LED110は、モスアイ構造300に向けて光922(例えば、偏光されていないランバート青色光)を放射するように構成される。
【0067】
モスアイ構造300は、LED110によって放射された光922を受け取るように構成される。モスアイ構造は、LEDの出力で屈折率勾配を提供し、LED110からの光の抽出を有利に改善する。
【0068】
モスアイ構造300は、量子ロッド構造400に向けて光924を出力するように構成される。量子ロッド構造400は、モスアイ構造300から光924を受け取り、(例えば、フォトルミネッセンス色変換機構によって)光924の色を変換するように構成される。量子ロッド構造400は、色変換された光926をコリメートナノ構造800に向けて出力するように構成される。コリメートナノ構造800は、量子ロッド構造400から色変換された光926を受け取り、色変換された光926の少なくとも一部をコリメートするように構成される。コリメートナノ構造800によって受け取られた光の少なくとも一部は、例えばマイクロプリズムであり得る光学コリメート設計によって、量子ロッド構造400に向かって反射され、再利用される。有利なことに、光出力の効率が向上する。
【0069】
コリメートナノ構造800は、コリメートされた光930をワイヤグリッド偏光子500に向けて出力するように構成される。ワイヤグリッド偏光子500は、コリメートナノ構造800からコリメートされた光930を受け取り、特定の偏光状態で光を直線的に偏光するように構成される。ワイヤグリッド偏光子500は、直線偏光932を形状複屈折リターダ600の形に向けて出力するように構成される。形状複屈折リターダ600は、ワイヤグリッド偏光子500から直線偏光932を受け取り、直線偏光を円偏光に変換するように構成される。円偏光の状態は、ワイヤグリッド偏光子500によって引き起こされる直線偏光の方向に依存する。形状複屈折リターダ600は、照射のために照射装置100によって使用されるために円偏光を出力するように構成される。
【0070】
図1および2によって示される受動光学ナノ構造は、想定される唯一のタイプではないことが理解されよう。量子ドット色変換構造、選択的色反射用のIGZO層を含むファブリペロー共振器構造、分布ブラッグ反射器、メタマテリアル、ダイクロイックスタック、ホログラム、ナノブラック材料、ナノコラムを囲むエアギャップなどの、他のタイプの受動光学ナノ構造
図1および
図2を参照して説明したもののいずれかに加えて、またはその代わりに、フォトニック結晶をLED110上に積み重ねることができる。
【0071】
本実施形態との比較として、モノリシックLEDウェーハ上のマイクロLED上に直接成長したナノ構造層のスタックの成長がここで考慮される。各ナノ構造のプロセス成長条件は、互換性がないか、すでに堆積された層に損傷を与える可能性がある。さらに、各ナノ構造の成長は、優れたデバイスの歩留まりをもたらす。様々なナノ構造成長プロセスが完了すると、全体的な歩留まり損失は個々の歩留まり損失の合計になるため、照射デバイス自体では非常に低くなる可能性がある。
【0072】
本実施形態では、各ナノ構造層の成長および製造は、個別に最適化することができる。良好なナノ構造素子のみが移送されるため、デバイス全体の歩留まりが向上し、光学性能が向上する。
【0073】
各ナノ構造基板からの移送は並列である可能性があり、その結果、多くの素子が単一のステップで整列され得る。ミクロンスケールでの位置合わせが必要であるため、位置合わせステップのこの削減は、実質的なコスト削減を有利に達成する。
【0074】
さらに、マイクロLEDを使用する照射装置の場合、マイクロLEDのサイズが小さいためにマイクロLEDを従来のものと組み合わせることが困難であるため、受動光学ナノ構造のスタックが従来の大規模光学構造と比較して望ましい傾向がある。ただし、受動光学ナノ構造のスタックは製造が難しい傾向がある。例えば、ナノ構造のスタックの成長は、過成長、十分なシード基板表面品質の欠如、およびウェーハの均一性の低さの問題に悩まされる傾向があり、その結果、歩留まりが非常に低くなる傾向がある。次に、上記の問題を回避および/または対処することができる受動光学ナノ構造のスタックを製造する方法を説明する。
【0075】
図3は、
図1の照射装置100などの照射装置で使用するための受動光学ナノ構造を製造する方法のステップを示すフローチャートである。
【0076】
ステップS1では、モノリシックアレイの単一タイプの受動光学ナノ構造が成長基板上に成長する。受動光学ナノ構造は、任意の適切なタイプの受動光学ナノ構造であってもよく、ワイヤグリッド偏光子、形状複屈折リターダ、量子ドットまたは量子ロッド色変換構造、分布ブラッグ反射器、メタマテリアル、ダイクロイックスタック、ホログラム、モスアイ構造、ナノブラック材料、ナノコリメータ、ナノコラムを囲むエアギャップ、フォトニック結晶を含むが、これらに限定されない。成長基板は、光学ナノ構造の個々のサイズを定義するために、エッチングなどのさらなる処理を受けることができる。
【0077】
ステップS2では、モノリシックアレイが検査される。例えば、受動光学ナノ構造の光学的または電気的特性は、検査の一部として、受動光学ナノ構造のモノリシックアレイの複数の異なる領域について測定され得る。光学特性には、反射率、透過率、スペクトル特性、リターダンス、フォトルミネッセンス、および偏光消光が含まれるが、これらに限定されない。電気的特性には、導電率が含まれるが、これに限定されない。
【0078】
検査により、欠陥粒子、引っかき傷、およびモノリシックアレイ全体の特性の均一性がさらに識別される場合がある。
【0079】
ステップS3では、ステップS2で実行された検査に基づいて、所定の基準に合格および/または不合格となる受動光学ナノ構造が識別される。より詳細には、光学的または電気的特性の所定の測定閾値を超える受動光学ナノ構造は、基準に合格するものとして分類され、光学的または電気的特性の所定の測定閾値を下回る受動光学ナノ構造は、基準を満たしていないとして分類される、またはその逆も成り立つ。検査の目的は、その後の移送の前に、正常なデバイスを識別することである。
【0080】
ステップS4では、基準に合格する受動光学ナノ構造の選択が、モノリシックアレイから抽出/除去される。抽出/除去は、基準に合格する1つまたは複数の受動光学ナノ構造が抽出/除去のために選択されないという意味で選択的である。基準に合格するが抽出/除去のために選択されない1つまたは複数の受動光学ナノ構造は、抽出/除去のために選択される受動光学ナノ構造の間に配置され得る。選択された受動光学ナノ構造は、相対的な空間位置を維持する方法でモノリシックアレイから抽出/除去される。このようにして、選択された受動光学ナノ構造は、それらの相対的な間隔が変わらないように抽出/除去される。スパースアレイは、LED110に一致するピッチで抽出され得る。選択されたナノ構造のLED110への整列は、単一のステップで提供され得る。
【0081】
ステップS5では、除去された受動光学ナノ構造は、支持基板に移送される。より具体的には、除去された受動光学ナノ構造のそれぞれは、支持基板上のそれぞれのLEDに移送される。除去された受動光学ナノ構造は、除去された受動光学ナノ構造の相対的な空間位置を維持する方法で移送される。このようにして、初期モノリシックアレイ内の受動光学ナノ構造の相対的な空間位置は、受動光学構造が支持基板上にある後でも維持される。この空間位置の保存は、支持基板上に高精度で受動光学ナノ構造を配置することを可能にする傾向がある。
【0082】
ステップS6では、受動光学ナノ構造の所望の非モノリシックアレイが完成したかどうかが決定される。所望のアレイが完全でない場合、方法はステップS4に戻り、基準に合格するより多くの受動光学ナノ構造を抽出し、それらを支持基板に移送する。所望の非モノリシックアレイの受動光学ナノ構造が完成した場合、方法はステップS1に戻り、異なるタイプの受動光学ナノ構造を用いて繰り返す。
【0083】
方法ステップS1~S6は、すべての所望の非モノリシックアレイの異なるタイプの受動光学ナノ構造が形成され、支持基板上に積み重ねられるまで、異なるタイプの受動光学ナノ構造で連続的に繰り返される。このようにして、例えば
図1および2に示すように、様々なタイプの受動光学ナノ構造のスタックが各LEDに対して作成される。同じまたは異なるタイプの組み合わせの受動光学ナノ構造を異なるLED上に積み重ねることができ、一般に、各LEDは、所望に応じて任意の順序で積み重ねられる任意のタイプの組み合わせの受動光学ナノ構造を有することができることが理解されよう。
【0084】
図4~5は、
図3の方法のステップS2およびS3をさらに示す概略図である。
図4は、受動光学ナノ構造のモノリシックアレイ900の受動光学ナノ構造938の領域950の例を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図4および
図5の実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0085】
図4は、ウェーハ900全体にわたる測定された特性の変化を示している。受動光学ナノ構造30は、モノリシックアレイ900内で成長または堆積される。ウェーハ900全体にわたるプロセス条件の変化は、
図4に示されるように、個々の性能領域に分割され得る光学的または電気的特性の変化を提供し得る。ウェーハの異なる領域は、異なる特性群に含まれる場合がある。例えば、輪郭950内のそれらのすべてのアイテムは、第1の目標特性群内にあり得、領域940内のすべてのアイテムは、目標特性群外であり得る。各特性群950内で、受動光学ナノ構造は、性能のビンに分割され得る。例示的な例では、受動光学ナノ構造(PON)は、反射ワイヤグリッド偏光子受動光学ナノ構造であり得る。輪郭950の外側の特性群は、20:1未満の偏光消光比を有し得、受動光学ナノ構造938は、拒否され、移送されない可能性がある。輪郭950内で、素子は、輪郭によって、例えば、20:1~25:1、および25:1~30:1の消光比でビンに分割され得る。有利なことに、パフォーマンスを下回るPON938は移送されず、デバイスのパフォーマンスが向上する。
【0086】
本実施形態との比較として、モノリシック移送方式では、能動LEDウェーハと受動光学ナノ構造ウェーハの両方の全体が輪郭950の外側で失われる。有利なことに、本実施形態は、コストの削減を達成する。
【0087】
欠陥および引っかき傷ならびに動作不能な受動光学ナノ構造の領域において受動光学ナノ構造を移送しないことがさらに望ましい場合がある。
【0088】
図5は、モノリシックアレイ900の複数の受動光学ナノ構造を示す概略図である。この場合、四角942で示されているものは基準を満たしておらず、これは、例えば、特定の閾値を超える光の透過である可能性がある。他の受動光学ナノ構造938は、この基準に合格している。故障したデバイスが識別され、既知の良好なダイのみが移送される。有利には、最終照射デバイスの歩留まりを改善することができる。
【0089】
図6A~
図6Cは、
図3のステップS6をさらに説明する概略図である。より具体的には、これらの図は、受動光学ナノ構造が望まれるがモノリシックアレイから移送されなかったギャップを埋めることによって、所望の受動光学ナノ構造の非モノリシックアレイを完成させるプロセスを示している。さらに詳細に論じられていない
図6A~
図6Cの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0090】
図6Aは、
図4の特性群950内の合格した光学素子のアレイおよび
図5の合格した受動光学ナノ構造938が第1の移送ステップで移送される支持基板200を示している。ウェーハ配置境界903Aは、受動光学ナノ構造のモノリシックウェーハの範囲を示し、欠落している素子951は、移送されていない位置を示している。
【0091】
図6Bは、ウェーハ配置境界903B、903Cおよび903Dによって示される複数のウェーハ配置からの少なくとも1つの後続の移送ステップにおける移送された受動光学ナノ構造938を示している。有利には、支持基板200はデバイスで満たされている。
【0092】
図6Cは、完全なセットの合格した受動光学ナノ構造938を備えた組み立てられた支持基板200を示している。有利なことに、高い均一性および信頼性が達成され得る。
【0093】
次に、受動光学ナノ構造938のアレイの抽出について説明する。
【0094】
図7A~
図7Iは、
図3の方法のステップS1、S4およびS5を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図7A~
図7Iの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0095】
最初に、
図7Aに示されるように、成長基板900が提供される。成長基板900は、特定の電磁波長帯域の光に対して透明である。成長基板900は、例えば、サファイアから形成され、UV光に対して透明であり得る。
【0096】
次に、
図7Bに示されるように、剥離層901が成長基板900上に形成される。剥離層901は、ドープされていない窒化ガリウム(例えば、U-GaN)から形成することができる。剥離プロセスは、隣接する材料に熱的損傷を引き起こすことなく切除プロセスを促進するために、短時間のレーザパルスの使用を含み得る。あるいは、ポリイミドなどの光剥離層特性を備えた別の材料であってもよい。あるいは、層は、エッチングまたは熱処理によって除去することができる剥離層であり得る。
【0097】
次に、
図7Cに示されるように、受動光学ナノ構造938のモノリシックアレイが、剥離層901上に形成される(例えば、成長する)。
【0098】
次に、
図7Dに示されるように、上に接着層904が形成された移送部材902が提供される。
【0099】
次に、
図7Eに示されるように、移送部材902は、接着層904を使用して、受動光学ナノ構造938のモノリシックアレイに接着される。さらに、選択された合格した受動光学ナノ構造938に対応する剥離層901の領域912は、成長基板900を通して、成長基板900が透明である特定の電磁波長帯域の光で照射される。照射は、複数の成形されたレーザビームを含み得る。
【0100】
図7Fに示されるように、照射は、選択された受動光学ナノ構造938を、選択された受動光学ナノ構造938に取り付けられた剥離層901の部分とともに、受動光学ナノ構造938の残りの部分および成長基板900のモノリシックアレイから少なくとも部分的に分離する。これは、剥離層901を形成する材料の層を解離してガスを形成する照射によって少なくとも部分的に達成され得る。選択された受動光学ナノ構造938は、接着層904を介して移送部材902に接着されたままであり、これにより、移送部材902とともにそれらを持ち上げることによってそれらを除去することができる。照射に加えて、エッチングおよび/またはスクライビングを使用して、選択された受動光学ナノ構造をモノリシックアレイの残りの部分から分離するのを助けることもできる。
【0101】
図7Gに示されるように、次に、除去された受動光学ナノ構造938にまだ付着している剥離層部分は、例えば、エッチングまたは洗浄によって除去される。
【0102】
次に、
図7Hおよび
図7Iに示されるように、除去された受動光学ナノ構造938は、移送部材902から、支持基板200上のそれぞれのLED110に移送される。移送は、受動光学ナノ構造938を光910で照射してそれらをキャリア基板から分離すること、および/または受動光学ナノ構造938を接着剤906でLED110に接着することを含み得る。あるいは、熱プロセスまたは差異結合接着を使用することができる。次に、受動光学ナノ構造938を洗浄して、余分な材料を除去することができる。本例示的な実施形態では、受動光学ナノ構造938のいくつかは、LED110と同じサイズとして示されているが、それらは大きくても小さくてもよい。
【0103】
図8A~
図8Bは、受動光学ナノ構造938を
図7A~
図7Cに示されるものに成長させる代替の方法を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図8A~
図8Bの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0104】
図8Aに示されるように、電磁波長帯域の光に対して透明である基板上で成長する代わりに、受動光学ナノ構造938のモノリシックアレイは、電磁波長帯域の光に対して不透明である基板900a上で成長する。次に、
図8Bに示されるように、受動光学ナノ構造938のモノリシックアレイは、電磁波長帯域の光に対して透明である基板900bに移送される。次に、
図7D~
図7Iに示されるステップを実行することができる。移送は、剥離層(図示せず)を使用することができ、エッチングされた基板900a(図示せず)上の層を使用することができる。
【0105】
図9は、ステップ7Gとステップ7Hとの間で実行され得る追加のステップを示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図9の実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0106】
図9に示されるように、除去された受動光学ナノ構造938は、選択的に除去された発光素子の相対的な空間位置を維持する方法で、移送部材902から別の移送部材902aに移送される。これは、受動光学ナノ構造が依然として移送部材902の接着層904に接着されている間に、受動光学ナノ構造938を他の移送部材902aの接着層904aに接着し、2つのキャリア基板902、902aを引き離すことによって達成される。受動光学ナノ構造に対する接着層904aの接着力は、接着層904の接着力よりも大きいため、受動光学ナノ構造は、接着層904から分離し、接着層904aに接着する。このようにして、受動光学ナノ構造のそれぞれの異なる対向する表面が露出されるように、受動光学ナノ構造が反転される。接着層904の強度は、例えば、熱および/またはUV光によって変更され得る。
【0107】
図10A~
図10Eは、
図3~
図9を参照して上記の方法に従って製造することができる1つのタイプの受動光学ナノ構造としてのモスアイ構造300を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図10A~
図10Eの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0108】
図10Aに示されるように、モスアイ構造300は、剥離層901の上のベース層301に取り付けられて成長する。
図10B~
図10Dは、上記の方法による、支持基板200上のLED110へのモスアイ構造300の除去および移送を示している。
図10Eは、非モノリシックアレイのLED38R、38G、38Bの上に形成された非モノリシックアレイのモスアイ構造300を示す概略図である。
【0109】
有利には、各LEDからの光抽出の効率を高めることができる。
【0110】
図11A~
図11Gは、
図3~
図9を参照して上記の方法に従って製造することができる1つのタイプの受動光学ナノ構造としての量子ロッド構造400を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図11A~
図11Gの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0111】
図11Aに示されるように、量子ロッド構造400は、成長基板401上に複数の量子ロッド402を含む。例示的な例では、各量子ロッド402は、nドープされた内部ロッド構造403、複数の量子ウェル404、およびpドープされた外層406を含む。材料は、例えば、GaN、InGaN、AlInGaPおよび他の既知の波長変換フォトルミネッセンス材料を含み得る。
【0112】
量子ロッド402は、LED110上に配置され、LED110からの光の波長を変換し、例えば、青色光を赤色光に変換するか、または紫外線放射を赤色緑色光に変換する。
【0113】
量子ドット材料をLED上にコーティングすることと比較して、ウェーハ上に成長する量子ロッドは、高精度に配置され得、LEDの発光領域の被覆を提供するために便利にパターン化され得る。有利なことに、効率が向上することがある。ナノロッドは、
図4のウェーハの領域952から選択されて、整列されたLEDの色出力に一致する色の変化を提供することができる。有利なことに、色変換の精度が向上する可能性がある。
【0114】
図11B~
図11Eは、上記の方法による、支持基板200上のLED110への量子ロッド構造400の除去および移送を示している。
図11Fは、青色光を赤色または緑色光に、またはUV光を青色、緑色または赤色光に変換する目的で、非モノリシックアレイのLED38B上に形成された非モノリシックアレイの量子ロッド構造400R、400Gを示す概略図である。図示のように、LED38Bのすべてが、その上に積み重ねられた量子ロッド構造400R、400Gを有するわけではない。
図11Gは、UV光を赤色、緑色、または青色光に変換する目的で、非モノリシックアレイのLED38UV上に形成された別の非モノリシックアレイの量子ロッド構造400R、400G、400Bを示す概略図である。図示のように、このアレイでは、すべてのLED38UVは、上に積み重ねられた量子ロッド構造400R、400G、400Bを有する。
【0115】
図12A~
図12Eは、
図3~
図9を参照して上記の方法に従って製造することができる1つのタイプの受動光学ナノ構造としてのワイヤグリッド偏光子500を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図12A~
図12Eの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0116】
図12Aに示されるように、ワイヤグリッド偏光子500は、剥離層901の上にあるベース層501に取り付けられて成長する。
図12B~
図12Dは、上記の方法による、ワイヤグリッド偏光子500の除去および支持基板200上のLED110への移送を示している。
図12Eは、非モノリシックアレイのLED110上に形成された非モノリシックアレイのワイヤグリッド偏光子500P、500Sを示す概略図である。図示のように、いくつかのワイヤグリッド偏光子500Pは、光を第1の方向に偏光し、いくつかのワイヤグリッド偏光子500Sは、第2の、第1の方向に直交する方向に光を偏光する。これは、必要な偏光方向に応じて、異なる、直交方向でLED110上にワイヤグリッド偏光子500S、500Pを配置することによって達成される。ワイヤグリッド偏光子500は、他の配向、例えば、+/-45度に配置することができる。
【0117】
図13A~
図13Bは、
図3~
図9を参照して上記の方法に従って製造することができる1つのタイプの受動光学ナノ構造としてのコリメートナノ構造800を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図13Aおよび
図13Bの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0118】
図13Aに示されるように、コリメートナノ構造800は、隣接するコリメートナノ構造800の間にギャップ802を有するベース層801に取り付けられて形成される。
図13Bに示されるように、LEDから放射された光は、コリメートナノ構造800によって受け取られる。一部の光923は、コリメートナノ構造800によって偏向されず、ギャップ802を通過し、一部の光925は、平行化されてLEDから離れて移動し続けるように、コリメートナノ構造800の傾斜側804によって偏向され、一部の光921は、コリメートナノ構造800によってLEDに向かって反射される。
【0119】
図14A~
図14Bは、
図3~
図9を参照して上記の方法に従って製造され得る1つのタイプの受動光学ナノ構造としてのナノコラム700を取り囲むエアギャップを示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図14A~
図14Bの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0120】
図14Aに示されるように、ナノコラム700を取り囲むエアギャップは、LED110と基板720との間にサンドイッチ状にされている。ナノコラム700を取り囲むエアギャップは、ベース層701から延びる複数のピラー702を含む。ピラー702は、基板720をLED110から分離し、LED110と基板720との間にエアギャップ704を画定するように作用する。
図14Bに示されるように、ピラー702は、接着層706によって基板720に結合されている。
【0121】
色変換層438は、ベース層701とLED110との間に配置されている。動作中、ベース層701とエアギャップ704との間の界面に到達するLED110からの光は、臨界角よりも大きい入射角で界面に当たると、完全に内部反射される。したがって、臨界角よりも小さい入射角で界面に当たる光のみが界面を通過する。光線740は、色変換層438によって色変換されていない光線であり、界面での入射角が臨界角よりも小さいため、エアギャップ704を通過する。光線722は、色変換層438によって色変換された光線であり、界面での入射角が臨界角よりも小さいため、エアギャップ704を通過する。光線724は、色変換層438によって色変換され、界面で全反射される光線である。これは、有利なことに、エアギャップを通って基板720に到達する光は、角度の範囲が制限され、したがって、散乱が少なく、集束され、基板層の1つ、例えば720内に誘導することによって伝播するモードに捕捉される可能性が低いことを意味する傾向がある。
【0122】
次に、550nmの公称波長に対する受動光学ナノ構造130の望ましい寸法特性について説明する。スペーサ132はそれぞれ、エアギャップ133を通過する光の波長λよりも大きい高さhを有する。スペーサ132の幅wおよびピッチpは、エアギャップ133を通過する光のスペーサ132からの拡散光散乱を最小化し、スペーサ132内の光の誘導を最小限にするように構成される。
【0123】
ピッチpは2λ未満であってもよく、好ましくはλ未満、より好ましくはλ/2未満、最も好ましくはλ/5未満であってもよい。比w/pは、0.5未満、好ましくは0.3未満、より好ましくは0.1未満であり得る。そのような素子は、高角度回折またはゼロ次回折を提供し得る。有利には、スペーサからの回折散乱およびスペーサ間のギャップを低減することができ、隣接する湾曲した反射器222A、222B間の光散乱を最小限に抑えることができる。そのような素子は、モノリシックウェーハ上でのリソグラフィ製造技術によって提供され得る。素子は、モノリシックウェーハから移送することができ、または本明細書の他の場所で説明するように複製ツールを提供するように構成することができる。
【0124】
受動光学ナノ構造との比較として、例えば、ピッチpが20ミクロンで幅wが5ミクロンの受動光微細構造を用いて、低い実効屈折率および小角度の回折散乱を達成することができる。そのようなスペーサは、スペーサ内の入射光を導き、光学構造220へのランバーシアン入力を提供する。反射器220A、220Bの間に望ましくないクロストークが提供される場合がある。
【0125】
ナノコラム700を囲むエアギャップは、次の式で与えられる有効屈折率n
1を有する:
【数1】
ここで、n1は実効屈折率、nはピラー702の屈折率、pは隣接するピラー702間の距離、wはコラムの幅である。
【0126】
外部基板によるLEDへの結合を実現しながら、制御された円錐角と高効率により光学素子に光を入力することができる。照射システムの光学的クロストークを減らし、機械的および熱的安定性を向上させることができる。
【0127】
LEDの周囲の領域に非常に低い光反射率を提供することが望ましいことがある。
【0128】
図15A~
図15Cは、上記の受動光学ナノ構造の製造および積み重ねに加えて実行され得るさらなるステップを示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図15A~
図15Cの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0129】
図15Aに示されるように、LED110が支持基板200上に配置される前に、LED110が配置される空間の周りの支持基板200上にナノブラック構造が形成される。ナノブラック構造850は、空間40を取り囲んでいるが、空間40には配置されていない。
【0130】
ナノブラック構造は、柱状の吸収面内での多重反射により、非常に高い割合の入射光を吸収する。有利なことに、迷光を大幅に減らすことができる。本明細書の他の場所で説明されている他の受動光学ナノ構造と共通して、高吸収ナノブラック材料は、ウェーハ上の半導体プロセス機器を使用して製造することができ、したがって、広い領域にわたって高価である。ナノブラック材料の使用の総面積を最小限に抑えることが望ましいであろう。
【0131】
図15Bに示されるように、次に、LED110は、ナノブラック構造850によって囲まれるように、空間40に配置される。
【0132】
図15Cに示されるように、次に、様々な受動光学ナノ構造300、400、500、600が、上記の方法のいずれかを使用して、LED110の上に順次積み重ねられる。ナノブラック構造850は、LED110から広角で放射される光を遮断するように作用して、より指向性のある光出力を提供するのを助ける。ナノブラック構造はまた、ディスプレイへの周囲光の入射光の反射を抑制し、ディスプレイのコントラストを向上させる。隣接するLED間のさらなるクロストークは大幅に減少し、ディスプレイアプリケーションでの画像の忠実度が向上する。
【0133】
図16A~
図16Eは、上記の受動光学ナノ構造の製造および積み重ねに加えて実行され得るさらなるステップを示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図16A~
図16Eの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0134】
図示のように、フォトレジストなどの材料を使用するウェル830は、LED110が支持基板200上に配置された後、支持基板200上のLED110の周りに形成され得る。次に、様々な受動光学ナノ構造300、400、500、600が、上記の方法のいずれかを使用して、LED110の上に順次積み重ねられる。ウェル830は、LED110から広角で放射される光を遮断するように作用して、より方向付けられ、制御された光出力を提供するのを助ける。ウェルはさらに、光をより効率的に前方に向けるために、傾斜した金属化された側面を有することができる。
【0135】
ウェルは、モノリシックウェーハ上に形成され、本明細書の他の場所に記載されている方法で移送され得る。
【0136】
次に、本実施形態のナノコラムを取り囲むエアギャップを含む発光素子110および受動光学素子を含む光学装置を製造する方法について説明する。
【0137】
図17A~
図17Bは、照射装置100の製造中に光学構造220を支持基板200に取り付ける方法の断面図を示す概略図である。さらに詳細に論じられていない
図17A~
図17Bの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0138】
図17Aに示されるように、最初に、光学構造220は、支持基板200の上に配置され、支持基板200は、ナノコラム700を囲むエアギャップと、発光素子110と、反射マスク35と、不透明領域151およびそれに取り付けられた開口領域152を含む出力マスク150とを含む受動光学ナノ構造を有する。
【0139】
出力マスク150の不透明な光吸収領域151は、例えば、黒色の材料を基板200上に印刷することによって、任意の適切な不透明な材料から形成することができる。不透明領域151は、代替的または追加的に、ナノ構造の黒色吸収体、「ナノブラック」、またはAcktar(イスラエル、Kiryat-Gat)によって販売されているものなどの他の同様の材料を含み得る。有利には、非常に低い反射率が、照射装置の正面から達成され得る。
【0140】
光学構造220は、複数の凹状の湾曲した反射面222A、222Bを含み、その湾曲した反射面222A、222Bのそれぞれが、光軸199を用いてそれぞれの発光素子110と整列するように配置される。
【0141】
光学構造220は、透明な本体と、湾曲した反射器222A、222Bを構成する上に配置された反射材料とから形成され得る。光学構造220の本体は、ガラスまたはポリマー材料であり得る。湾曲した反射器の表面レリーフ構造は、例えば、ポリマー材料の成形または鋳造プロセス材料によって提供され得る。反射層は、湾曲した反射器222A、222B、例えば、銀またはアルミニウム材料ならびに表面接着促進剤および保護層を含み得る堆積された金属コーティング上に形成され得る。
【0142】
次に、
図17Bに示されるように、接着層206が、光学構造220と支持基板200との間に形成されて、光学構造220を支持基板200に取り付ける。接着層206は、発光素子110および受動光学ナノ構造700の周りの空間を埋める。接着層206の接着剤は、液体形態で光学構造220と支持基板200との間の空間に注入され、次いで、例えば、UVおよび/または熱硬化によって光学構造220を支持基板200に結合するために固体形態に設定され得る。有利なことに、動作中の熱的および機械的変動が最小限に抑えられる。
【0143】
動作中、光線180は、発光素子110によって出力され、ナノコラムを囲むエアギャップを含む受動光学ナノ構造700に向けられる。ナノ構造700からの光出力は、光学構造220の材料の臨界角θc内で提供される。発光素子110からの光は、整列された湾曲した反射面222Bにのみ向けられ、湾曲した反射面222Aには向けられない。
【0144】
湾曲した反射面222Bでの反射後、光線180は、出力マスク150の開口部152に向けられ、不透明領域150に実質的に向けられない。光は、開口領域152を通って観察者に伝達される。反射マスク35は、湾曲した反射面222Bからの反射なしに、開口部152を通過する発光素子からの光線を遮断するように配置されている。有利なことに、光学基板220と支持基板200との間のギャップでのフレネル反射が低減され、光学効率が向上し、隣接するチャネル間のクロストークが低減される。
【0145】
光線180は、開口部152Aではなく、それぞれの整列された開口部152Bに向けられ、隣接するチャネル間のクロストークを有利に低減する。発光素子110は、画像データを備えていてもよく、照射装置は、ディスプレイ装置であってもよい。出力マスク150の不透明領域151からの反射は減少され得、そして有利には、明るく照らされた環境における画像コントラストは増加され得る。
【0146】
光学構造220上に受動光学素子700を設けることが望ましい場合がある。
【0147】
図18A~
図18Bは、照射装置100の製造中に光学構造150を支持基板200に取り付ける別の方法の断面図を示している。さらに詳細に論じられていない
図18A~
図18Bの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0148】
図18Aに示すように、方法では、光学構造220は、支持基板200の上に配置され、支持基板200は、発光素子110と、それに取り付けられた反射マスク35および出力マスク150とを有し、光学構造150は、それに取り付けられた受動光学ナノ構造700を有する。
【0149】
各受動光学ナノ構造700は、光学構造220のそれぞれの湾曲した反射面222A、222Bと整列するように光学構造220に取り付けられる。光学構造220は、その湾曲した反射面222A、222Bのそれぞれがそれぞれの発光素子110と整列するように配置される。
【0150】
次に、
図18Bに示されるように、接着層206が、光学構造220と支持基板200との間に形成されて、光学構造220を支持基板200に取り付ける。接着層206は、発光素子110および受動光学ナノ構造130の周りの空間を埋める。接着層206の接着剤は、光学構造150と支持基板200との間の空間に液体形態で注入され、次いで固体形態に設定されて、光学構造150を支持基板200に結合することができる。構造の動作は、
図17Bに示されているものと同様である。
【0151】
図17Bの配置と比較して、受動光学ナノ構造700は、発光素子上に形成されておらず、複雑さを有利に低減し、基板200の歩留まりを向上させる。受動光学ナノ構造700は、本明細書の他の場所に示されているように、高い均一性および低コストで提供される。有利なことに、デバイスの均一性を高めることができる。
【0152】
光学構造220上に光学素子を提供することが望ましい場合がある。
【0153】
図19A~
図19Cは、照射装置100を製造する方法の断面図を示している。さらに詳細に論じられていない
図19A~
図19Cの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0154】
図19Aおよび
図19Bに示されるように、方法では、受動光学ナノ構造700は、最初に、各受動光学ナノ構造700が光学構造220のそれぞれの湾曲した反射面222A、222Bと整列するように、光学構造220に取り付けられる。次に、発光素子110は、各発光素子110がそれぞれの受動光学ナノ構造700と整列するように、受動光学ナノ構造700に取り付けられる。次に、
図19Cに示されるように、反射マスク35を含むさらなる支持基板53が、例えば、
図17A~
図17Bおよび
図18A~
図18Bを参照して上記のように接着層206を用いて光学構造220に結合される。基板35は、任意選択で、駆動電極および回路(図示せず)をさらに含み得る。
【0155】
有利なことに、湾曲した反射面222A、222Bへの発光素子110の整列は、取り付けステップ中に達成され、整列の均一性を高める。
【0156】
図17A~
図19Cの実施形態では、受動光学素子は、本明細書の他の場所で説明されるように、光出力のさらなる修正を提供するために、他の受動光学素子をさらに含み得る。
【0157】
図19Bにさらに示されるように、受動光学素子1000A、1000Bは、本明細書の他の場所で説明される方法を使用して、開口領域152A、152Bに形成され得る。開口部152を透過する光の偏光、色および反射率を変更することができる。さらに、そのような受動光学素子は、発光素子110から離れているため、加熱による劣化が減少し、有利に寿命を延ばす。
【0158】
次に、移送基板を使用して受動光学ナノ構造を移送する方法についてさらに説明する。
【0159】
図20A~
図20Cは、受動光学ナノ構造938をそれぞれの発光素子110に移送するさらなる方法の断面図を示している。
【0160】
まず、
図20Aに示されるように、受動光学ナノ構造938のモノリシックアレイを上に有する成長基板900が、レシーバ基板975の上に配置される。次に、選択された受動光学ナノ構造938に対応する領域912は、選択された受動光学ナノ構造938を成長基板900から少なくとも部分的に分離するUV光などの光910で照射される。
【0161】
図20Bに示されるように、次に、照射領域912に対応する選択された受動光学ナノ構造938が、成長基板900から切り離され、レシーバ基板に接着される。レシーバ基板975は、選択された受動光学ナノ構造938がレシーバ基板975と接触したときにそれに付着するように接着剤であり得る。
【0162】
次に、
図20Cに示されるように、選択された受動光学ナノ構造を上に有するレシーバ基板975は、上に発光素子110を有する支持基板200の上に配置され、その結果、選択された各受動光学ナノ構造938は、それぞれの発光素子110と整列する。
【0163】
この実施形態では、発光素子110はそれぞれ、上に積み重ねられた異なるタイプのそれぞれの受動光学ナノ構造1000も有する。次に、レシーバ基板975上の選択された受動光学ナノ構造938は、選択された受動光学ナノ構造938がそれぞれスタックの最上部に取り付けられるように、レシーバ基板975からそれぞれの発光素子110に移送される。
【0164】
有利には、レシーバ基板975は、支持基板200とは異なる材料特性を有し得る移送基板である。例えば、レシーバ基板975は、受動光学ナノ構造のアレイ1000とz方向の発光素子110との間の整列を支援するための可撓性材料であり得る。さらに、複数のレシーバ基板975を各モノリシックウェーハ900から使用することができ、スループットを有利に増加させ、モノリシックウェーハから支持基板200への粒子汚染を低減する。歩留まりが向上し、コストが削減され得る。
【0165】
支持基板に移送する前に、受動光学ナノ構造のスタックを組み立てることが望ましい場合がある。
【0166】
図21A~
図21Dは、受動光学ナノ構造938をそれぞれの発光素子110に移送するさらなる方法の断面図を示している。方法は、
図20A~
図20Cに示される方法に類似しているが、方法では、
図21Aおよび
図21Bに示されるように、レシーバ基板975に移送された後、選択された受動光学ナノ構造938は、別のレシーバ基板977上にすでに構築されている受動光学ナノ構造1000の他のスタック上に移送される。次に、
図21Cおよび
図21Dに示されるように、選択された受動光学ナノ構造938を含むスタック全体が、それぞれの発光素子110と整列され、その上に移送される。
【0167】
受動光学ナノ構造1000のスタックは、発光素子110を含む基板200を劣化させることなく、
図20A~
図20Cの配置と比較して向上した歩留まりおよび均一性を有利に達成するために、広い領域にわたって高い均一性を提供され得る。
【0168】
さらに詳細に論じられていない
図20A~
図20Cおよび
図21A~
図21Dの実施形態の特徴は、特徴の潜在的な変化を含む、上記で論じた同等の参照番号を伴う特徴に対応すると想定され得る。
【0169】
本明細書で使用され得るように、「実質的に」および「ほぼ」という用語は、対応する用語および/またはアイテム間の相対性に対して業界で認められた公差を提供する。このような業界で認められた公差は、0パーセント~10パーセントの範囲であり、構成要素の値、角度などに対応するが、これらに限定されない。アイテム間のそのような相対性は、ほぼ0パーセント~10パーセントの範囲である。
【0170】
本明細書に開示された原理による様々な実施形態が上記で説明されたが、それらは単なる例として提示されたものであり、限定ではないことを理解されたい。よって、本開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、本開示から発行される請求項およびそれらの同等物に従ってのみ定義されるべきである。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されるが、上記の利点のいずれかまたはすべてを達成するプロセスおよび構造へのそのような発行された請求項の適用は制限されるべきではない。
【0171】
加えて、本書のセクションの見出しは、37CFR 1.77に基づく提案との一貫性を保つため、または組織的な手がかりを提供するために提供されている。これらの見出しは、本開示から発行され得る請求項に記載されている実施形態を制限または特徴付けるべきではない。具体的には、例として、見出しは「技術分野」に言及しているが、請求項は、いわゆる分野を説明するために、この見出しの下で、選択された言語によって制限されるべきではない。さらに、「背景」における技術の説明は、特定の技術が本開示における任意の実施形態の先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。また、「要約」は、発行された請求項において記載された実施形態の特徴と見なされるべきではない。さらに、本開示における単数形の「発明」への言及は、本開示における新規性の単一の点のみがあると主張するために使用されるべきではない。本開示から発行される複数の請求項の制限に従って複数の実施形態を説明することができ、よって、そのような請求項は、それによって保護される実施形態およびそれらの同等物を定義する。すべての場合において、そのような請求項の範囲は、この開示に照らしてそれ自体のメリットで考慮されるべきであるが、本書に記載された見出しによって制約されるべきではない。