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特許7604490着陸中に無人航空機の横方向制御を保持するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】着陸中に無人航空機の横方向制御を保持するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B64C 11/46 20060101AFI20241216BHJP
   B64C 3/16 20060101ALI20241216BHJP
   B64C 25/04 20060101ALI20241216BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241216BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20241216BHJP
   B64U 50/13 20230101ALI20241216BHJP
   B64U 50/19 20230101ALI20241216BHJP
【FI】
B64C11/46
B64C3/16
B64C25/04
B64C39/02
B64D27/24
B64U50/13
B64U50/19
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022534168
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 US2020063640
(87)【国際公開番号】W WO2021118937
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】62/945,815
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517211229
【氏名又は名称】エアロバイロメント,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AeroVironment,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヒブス,バート,ディーン
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0008857(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144969(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 11/00
B64C 3/16, 3/32
B64C 39/02
B64D 27/30,27/72
B64U 10/25
B64U 50/13,50/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機(UAV)と、
UAVの1または複数の内側翼パネルと、
前記1または複数の内側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1のインボードプロペラと、
前記1または複数の内側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラであって、
前記少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を割り出し、
前記少なくとも1のインボードプロペラが着陸時に地面に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されるように、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信するように構成された少なくとも1のマイクロコントローラと
を備え、
UAVが地上にあるときに前記少なくとも1のインボードプロペラの回転中に前記少なくとも1のインボードプロペラが地面に当たり得
さらに、UAVの1または複数の外側翼パネルであって、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルの両側に配置され、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対して上向きの角度で配置されている、1または複数の外側翼パネルと、
前記1または複数の外側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1の先端プロペラとを備え、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、着陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、
前記少なくとも1の先端プロペラが、着陸中にUAVの横方向の制御を保持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢にある間に、離陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、前記少なくとも1の先端プロペラが離陸中にUAVの横方向の制御を維持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、前記少なくとも1のインボードプロペラが回転を開始するように、離陸後に前記少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムが、さらに、
UAVの1または複数の着陸ポッドをさらに備え、
前記1または複数の着陸ポッドが、UAVの着陸を支援するためにUAVの前記1または複数の内側翼パネルに取り付けられており、
プロペラハブの中心から前記少なくとも1のインボードプロペラの先端までの距離が、前記1または複数の着陸ポッドの高さよりも大きく
少なくとも1のアウトボードプロペラが、前記少なくとも1のインボードプロペラと同一であり、前記少なくとも1のアウトボードプロペラは、UAVが地上にあるときに自由に回転することができることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記UAVが、高空域長期滞空航空機であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムが、さらに、
前記1または複数の内側翼パネルの少なくとも一部分を覆う太陽電池アレイを備えることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムが、さらに
前記マイクロコントローラと通信する位置センサを備え、前記位置センサが、前記少なくとも1のインボードプロペラの位置を検出することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記位置センサが、ホール効果回転位置センサであることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、
前記UAVの高度を割り出し、
割り出した高度が閾値高度を下回る場合に、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信し、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地面に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、前記少なくとも1のアウトボードプロペラの回転を調整する信号を送信するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、
前記UAVの高度を割り出し、
割り出した高度が閾値高度を上回る場合に、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転を開始させる信号を送信するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項9】
無人航空機(UAV)の少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラによって、前記少なくとも1のエンジンに接続された少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を特定するステップであって、前記少なくとも1のインボードプロペラが1または複数の内側翼パネルに配置されている、ステップと、
前記少なくとも1のインボードプロペラが着陸時に地面に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されるように、前記少なくとも1のマイクロコントローラによって、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信するステップと、を含み、
前記少なくとも1のインボードプロペラは、UAVが地上にあるときに前記少なくとも1のインボードプロペラの回転中に地面に当たり得
前記UAVは、UAVの1または複数の外側翼パネルであって、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルの両側に配置され、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対して上向きの角度で配置されている、1または複数の外側翼パネルと、
前記1または複数の外側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1の先端プロペラと、を備え、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、着陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、
前記少なくとも1の先端プロペラが、着陸中にUAVの横方向の制御を保持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢にある間に、離陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、前記少なくとも1の先端プロペラが離陸中にUAVの横方向の制御を維持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、前記少なくとも1のインボードプロペラが回転を開始するように、離陸後に前記少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法が、さらに、
前記少なくとも1のマイクロコントローラによって、UAVの高度を特定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
特定した高度が閾値高度を下回る場合に、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号が送信されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法が、さらに、
前記少なくとも1のインボードプロペラが着陸時に地面に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されている間、前記少なくとも1のマイクロコントローラによって、少なくとも1のエンジンに接続された少なくとも1のアウトボードプロペラの回転を調整する信号を送信するステップを含み、
前記少なくとも1のアウトボードプロペラが、1または複数の外側翼パネルに配置されており、
前記少なくとも1のアウトボードプロペラが、前記少なくとも1のインボードプロペラと同一であり、前記少なくとも1のアウトボードプロペラが、UAVが地上にあるときに自由に回転することができることを特徴とする方法。
【請求項13】
システムにおいて、
無人航空機(UAV)の少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラを備え、
少なくとも1のインボードプロペラが、UAVの前記少なくとも1のエンジンに取り付けられており、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、
前記少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を割り出し、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されるように、前記少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信する、ように構成され、
UAVが地表に位置するときに、前記少なくとも1のインボードプロペラの回転中に前記少なくとも1のインボードプロペラの少なくとも一部分が地表に接触し得
UAVが、さらに、UAVの少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1の先端プロペラを備え、
UAVが地表に位置するときに、前記少なくとも1の先端プロペラは、当該少なくとも1の先端プロペラの回転中に、地表に接触することなく自由に回転することができ、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、着陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、
前記少なくとも1の先端プロペラが、着陸中にUAVの横方向の制御を保持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、
前記少なくとも1のインボードプロペラが地表に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢にある間に、離陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を前記少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、前記少なくとも1の先端プロペラが離陸中にUAVの横方向の制御を維持し、
前記少なくとも1のマイクロコントローラが、前記少なくとも1のインボードプロペラが回転を開始するように、離陸後に前記少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
地表でのUAVの安全な着陸を補助する1または複数の着陸ポッドをさらに備え、プロペラハブの中心から前記少なくとも1のインボードプロペラの先端までの距離が、前記1または複数の着陸ポッドの高さよりも大きく、前記プロペラハブの中心から前記少なくとも1の先端プロペラの先端までの距離が、前記少なくとも1の先端プロペラのプロペラハブの中心から前記1または複数の着陸ポッドの下端までの高さより大きいか等しいことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムが、さらに、
UAVの1または複数の内側翼パネルであって、前記少なくとも1のインボードプロペラが取り付けられる1または複数の内側翼パネルと、
UAVの1または複数の外側翼パネルであって、前記少なくとも1の先端プロペラが前記1または複数の外側翼パネルに取り付けられ、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルの両側に配置され、前記1または複数の外側翼パネルが、前記1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対して上向きの角度で配置されている、1または複数の外側翼パネルと、
前記マイクロコントローラと通信する位置センサであって、前記少なくとも1のインボードプロペラの位置を検出する位置センサと、備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、概して無人航空機(UAV)に関し、より詳細には、インボードプロペラを水平にした状態で着陸中にUAVの横方向制御を保持することに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/945,815号の優先権および利益を主張するものであり、その内容はあらゆる目的のために引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
高空域長期滞空航空機などの無人航空機(UAV)は、制御された持続的な飛行が可能な軽量の飛行機である。UAVは、双方向通信のために、地上のオペレータと関連付けられる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、インボードプロペラを水平にした状態で、離陸および着陸の間、無人航空機(UAV)の横方向の制御を保持するためのシステムを含むことができる。一実施形態では、UAVが、高空域長期滞空太陽電池式航空機である。
【0005】
システムの実施形態は、無人航空機(UAV)と、UAVの1または複数の内側翼パネルと、UAVの1または複数の外側翼パネルであって、1または複数の外側翼パネルが、1または複数の内側翼パネルの両側に配置され、1または複数の外側翼パネルが、1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対して上向きの角度で配置されている、1または複数の外側翼パネルと、1または複数の内側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1のインボードプロペラと、1または複数の外側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1の先端プロペラと、1または複数の内側翼パネルに配置された少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラであって、少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を割り出し、少なくとも1のインボードプロペラが着陸時にプロペラブレードの地上クリアランスを提供する姿勢で保持されるように、少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信するように構成された少なくとも1のマイクロコントローラとを含むことができる。
【0006】
追加のシステムの実施形態では、UAVが高空域長期滞空航空機であってもよい。追加のシステムの実施形態では、太陽電池アレイが、1または複数の内側翼パネルおよび1または複数の外側翼パネルの少なくとも一部分を覆うことができる。追加のシステムの実施形態は、UAVの1または複数の着陸ポッドをさらに含むことができ、1または複数の着陸ポッドを、UAVの着陸を支援するためにUAVの1または複数の内側翼パネルに取り付けることができる。追加のシステムの実施形態では、プロペラハブの中心から少なくとも1のインボードプロペラの先端までの距離(d)が、1または複数の着陸ポッドの高さよりも大きく、少なくとも1のインボードプロペラは、UAVが地上にあるときに、少なくとも1のインボードプロペラの回転中に地面に当たり得る。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のアウトボードプロペラが、少なくとも1のインボードプロペラと同一であってもよく、UAVが地上にあるときに、少なくとも1のアウトボードプロペラが自由に回転することができる。
【0007】
追加のシステムの実施形態は、マイクロコントローラと通信する位置センサをさらに含むことができ、この位置センサが、少なくとも1のインボードプロペラの位置を検出する。追加のシステムの実施形態では、位置センサが、ホール効果回転位置センサであってもよい。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、UAVの高度を割り出し、割り出した高度が閾値高度を下回る場合に、少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信するように構成され得る。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、少なくとも1のインボードプロペラがプロペラブレードの地上クリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、少なくとも1のアウトボードプロペラの回転を調整する信号を送信するように構成され得る。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、UAVの高度を割り出し、割り出した高度が閾値高度を上回る場合に、少なくとも1のインボードプロペラの回転を開始させる信号を送信するように構成され得る。
【0008】
方法の実施形態は、少なくとも1のマイクロコントローラによって、無人航空機(UAV)の高度を特定するステップと、UAVの少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラによって、少なくとも1のエンジンに接続された少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を特定するステップであって、少なくとも1のインボードプロペラが1または複数の内側翼パネルに配置される、ステップと、特定した高度が閾値高度を下回る場合に、少なくとも1のインボードプロペラがプロペラブレードの地上クリアランスを提供する姿勢で保持されるように、少なくとも1のマイクロコントローラによって、少なくとも1のインボードプロペラの回転を停止させる信号を送信するステップとを含むことができ、少なくとも1のインボードプロペラが、UAVが地上にあるときに、少なくとも1のインボードプロペラの回転中に地面に当たり得る。
【0009】
追加の方法の実施形態は、少なくとも1のインボードプロペラが着陸時にプロペラブレードと地面のクリアランスを提供する姿勢で保持されている間、少なくとも1のマイクロコントローラによって、少なくとも1のエンジンに接続された少なくとも1のアウトボードプロペラの回転を調整する信号を送信するステップをさらに含むことができ、少なくとも1のアウトボードプロペラが、1または複数の外側翼パネルに配置されている。追加の方法の実施形態では、少なくとも1のアウトボードプロペラが、少なくとも1のインボードプロペラと同一であり、少なくとも1のアウトボードプロペラが、UAVが地上にあるときに自由に回転することができる。
【0010】
別のシステムの実施形態は、無人航空機(UAV)と、UAVの少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1のインボードプロペラであって、UAVが地表に位置するときに、当該少なくとも1のインボードプロペラの回転中に当該少なくとも1のインボードプロペラの少なくとも一部分が地表に接触し得る、少なくとも1のインボードプロペラと、UAVの少なくとも1のエンジンに取り付けられた少なくとも1の先端プロペラであって、UAVが地表に位置するときに、当該少なくとも1の先端プロペラの回転中に、表面に接触することなく自由に回転することができる少なくとも1の先端プロペラと、少なくとも1のエンジンと通信する少なくとも1のマイクロコントローラであって、少なくとも1のインボードプロペラの角度位置を割り出し、少なくとも1のインボードプロペラがプロペラブレードと地表のクリアランスを提供する姿勢で保持されるように、少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信するように構成された少なくとも1のマイクロコントローラとを含むことができる。
【0011】
追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、少なくとも1のインボードプロペラがプロペラブレードの地上クリアランスを提供する姿勢で保持されている間に、着陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、少なくとも1の先端プロペラが、着陸中にUAVの横方向の制御を保持する。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、少なくとも1のインボードプロペラがプロペラブレードの地上クリアランスを提供する姿勢にある間に、離陸のためにUAVを誘導するための推力を調整する信号を少なくとも1の先端プロペラに送信するように構成され、少なくとも1の先端プロペラが離陸中にUAVの横方向の制御を維持し、少なくとも1のマイクロコントローラが、さらに、少なくとも1のインボードプロペラが回転を開始するように、離陸後に少なくとも1のインボードプロペラに信号を送信するように構成されている。
【0012】
追加のシステムの実施形態は、地表でのUAVの安全な着陸を補助する1または複数の着陸ポッドをさらに含むことができ、プロペラハブの中心から少なくとも1のインボードプロペラの先端までの距離(d)が、1または複数の着陸ポッドの高さ(d)よりも大きく、プロペラハブの中心から少なくとも1の先端プロペラの先端までの距離(d)が、少なくとも1の先端プロペラのプロペラハブの中心から1または複数の着陸ポッドの下端までの高さ(d)より大きいか等しい。追加のシステムの実施形態は、UAVの1または複数の内側翼パネルであって、少なくとも1のインボードプロペラが取り付けられる1または複数の内側翼パネルと、UAVの1または複数の外側翼パネルであって、少なくとも1の先端プロペラが1または複数の外側翼パネルに取り付けられ、1または複数の外側翼パネルが、1または複数の内側翼パネルの両側に配置され、1または複数の外側翼パネルが、1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対して上向きの角度で配置されている、1または複数の外側翼パネルとをさらに含むことができる。追加のシステムの実施形態は、マイクロコントローラと通信する位置センサをさらに含むことができ、この位置センサが、少なくとも1のインボードプロペラの位置を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。同様の符号は、様々な図面を通して対応する部分を指している。実施形態は、例示として説明されるものであり、添付の図面の形態に限定されるものではない。
図1図1は、一実施形態に係る、インボードプロペラが水平にされた状態で着陸中に無人航空機の横方向制御を保持するためのシステムを示している。
図2図2は、図1の無人航空機の上面斜視図を示している。
図3図3Aは、図1の無人航空機の翼パネルおよび関連するプロペラの概略図を示している。図3Bは、翼パネル、および翼パネルに対して保持されている2枚羽根プロペラの概略図を示している。図3Cは、翼パネル、および翼パネルに対して保持されている3枚羽根プロペラの概略図を示している。
図4図4は、コンピューティングデバイスの実施形態の例示的な最上階層の機能ブロック図を示している。
図5図5は、UAVの着陸のためにマイクロコントローラによって実行されるステップのフローチャートを示している。
図6図6は、UAVの離陸のためにマイクロコントローラによって実行されるステップのフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、インボードプロペラが水平にされた状態で着陸中に無人航空機(UAV)101の横方向制御を保持するためのシステム100が示されている。UAVは、機内パイロットのいない航空機であり、自律的または遠隔的に飛行することができる。大型のUAVは、安全な着陸のために着陸ポッドを使用することができ、これにより、余分な重量および抗力が発生する可能性がある。UAVは、離陸および着陸を含むいくつかの飛行状態において、横方向の制御のために、UAVの推進システムからの差動推力を使用することができる。一実施形態では、UAV101が、高空域長期滞空航空機である。一実施形態では、UAV101が、3以上のモータ、例えば、3~40のモータを有し、100フィート~400フィートの翼幅を有することができる。一実施形態では、UAV101が、約260フィートの翼幅を有することができ、翼の表面を覆う太陽電池アレイによって駆動される複数のモータ、例えば、10個の電気モータによって推進することができ、それによりゼロエミッションを実現することができる。UAV101は、海抜約65,000フィートの高度で雲の上を飛行し、着陸せずに最大数ヶ月間の連続的な長期ミッションを行うように設計されている。
【0015】
UAV101は、高高度で最適に機能し、着陸に頼ることなく、かなりの期間の持続的な飛行が可能である。一実施形態では、UAV101が、約3,000ポンドの重量を有し得る。
【0016】
UAV101は、UAV101の推進のためにUAV101に結合された少なくとも1のモータ110をさらに含む。一実施形態では、モータ110が、改良された電機子の周りのY構成の巻線と電気的に接続されたインランナロータを含む従来の構成のブラシレスDCモータである。モータ110は、モータを囲んで保護するために、鋼または他の高強度材料で形成されたケーシングを有することができる。ステータは、ロータの外周の周りに配置され、ステータは、ステータの磁場を封じ込めるための背鉄を有する。ロータは、ネオジムやプラセオジムなどの永久磁石や、電磁石を含む任意の適切な磁石で形成することができる。ステータは、誘導されるリング電流を低減し、モータ110の効率を高めるために、ケイ素鋼などの積層された電気鋼の層から構築された電機子を有することができ、各鋼層間に酸化膜が配置されている。他の電機子材料として、鉄またはアモルファス鋼を含むことができる。
【0017】
一実施形態では、モータ110が、鉄の歯の周りに巻かれた巻線を有するように構成されている。さらに、モータ110の外側には、約-80℃に下がるまでモータ110に付いたままの磁石の層が存在し得る。これは、UAV108が夜間や高高度において-80℃に近い温度で飛行することが多いため、有利である。
【0018】
当技術分野の一部のモータは、エネルギーが熱の形で無駄になるヒステリシス損失および渦電流損失を回避するために、鉄を含まない場合がある。一実施形態では、モータ110が、Hiperco(登録商標)などのパーメンジュール(鉄とコバルトが同量のコバルト-鉄軟磁性合金)を組み込むことができる。パーメンジュールは、ヒステリシス損失および渦電流損失が非常に小さく、多くの場合、鉄を含まないモータよりも優れた性能を発揮する。さらに、鉄には、(1)巻線を機械的に支え、(2)インダクタンスを提供し、よって外部インダクタを必要とすることはなく、(3)モータから熱を逃がす手段を与え、(4)非常に薄いエアギャップを提供するため、磁場を形成するために必要な磁性材料が遥かに少なくて済み、(5)磁場が銅を通過すると、銅で多くのエネルギー損失が発生するが、そのような銅から磁場を避けることができるといった、鉄を含まないモータにはない非常に重要な性質がある。
【0019】
図2に示すように、UAV101は、1または複数の内側翼パネル107および1または複数の外側翼パネル109と、中央パネル108と、それぞれの内側翼パネル107に付随する複数のインボードプロペラ140と、それぞれの外側翼パネル109に付随する複数の先端プロペラ141とを含むことができる。UAV101は、着陸地点(102、図1)でのUAV101の安全な着陸を支援するための1または複数の着陸ポッド113をさらに含むことができる。1または複数の内側翼パネル107は、中央パネル108の何れかの側に配置され得る。いくつかの実施形態では、中央パネル108が存在せずに、内側翼パネル107のみが使用され得る。他の実施形態では、内側翼パネル107が、中央パネル107と同一であってもよい。1または複数の外側翼パネル109は、1または複数の内側翼パネル107および/または中央パネル108の何れかの側に配置され得る。1または複数の外側翼パネル109は、1または複数の内側翼パネル107および/または中央パネル108によって形成される平面に対してある角度で配置され得る。いくつかの実施形態では、1または複数の外側翼パネル109が、1または複数の内側翼パネル107および/または中央パネル108によって形成される平面に対して上向きに湾曲し得る。一実施形態では、UAV101が、約260フィートの翼幅を有し、各翼の表面を覆う太陽電池アレイによって駆動される複数のモータ、例えば、10個の電気モータによって推進され、結果としてゼロエミッションとなる。
【0020】
図3Aに関して、UAV101の1または複数の内側翼パネル107のインボードプロペラ140およびUAV101の1または複数の外側翼パネル109の先端プロペラ141はそれぞれ、プロペラハブ142、プロペラブレード144およびプロペラブレード先端146を含むことができる。一実施形態では、プロペラ140、141がそれぞれ2枚のブレード144を有することができる。別の実施形態では、プロペラ140、141がそれぞれ2枚より多いブレード144を有することができる。一実施形態では、プロペラ140、141が同一であってもよい。一実施形態では、プロペラハブ142の中心からプロペラブレード先端146までの距離がdである。内側翼パネル107に関して、関連するプロペラハブ142に近接する着陸ポッド113は、高さdを有している。
【0021】
一般に、着陸ポッド113の重量およびUAV101の着陸ポッド113によって誘発される抗力を減少させるために、着陸ポッド113の高さを減少させることが望まれ得る。しかしながら、着陸ポッド113の高さを減少させることは、距離dによって制限され得る。例えば、着陸ポッド113の高さdが低過ぎて、プロペラハブ142の中心からプロペラブレード先端146までの距離が着陸ポッドの高さd以上となる場合(例えば、d≦d)、離着陸時などUAV101が地面150にあるか又は地面150付近にあるときにインボードプロペラ140が回転するとブレード144が地面などの表面150に当たり、UAV101に損傷を与える可能性がある。
【0022】
一実施形態において、インボードプロペラ140は、UAV101の着陸時にブレード144が地面150に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢となるように、水平にされ得る。いくつかの実施形態では、地面150に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢が、2枚羽根プロペラのブレードが1または複数の内側翼パネルによって形成される平面とほぼ平行に維持される場合である。他の実施形態では、地面150に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢が、プロペラブレードが地面150に接触しないように、2枚羽根プロペラのブレードが、1または複数の内側翼パネルによって形成される平面に対してある角度で、例えば平面に対してある角度でかつ/または平面に対して実質的に垂直とならないように、維持される場合である。いくつかの実施形態では、地面150に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢が、プロペラの何れのブレードも地面150に接触しないように、かつ/または最上部のプロペラブレードが平面に対して実質的に垂直となるように、3枚羽根プロペラのブレードが維持される場合である。一実施形態では、インボードプロペラ140および先端プロペラ141がそれぞれ、マイクロコントローラ420を含むことができる。各マイクロコントローラ420は、各プロペラ140、141のためのそれぞれのモータと通信することができる。いくつかの実施形態では、1つのマイクロコントローラ420が、インボードプロペラ140のすべてなど、1または複数のプロペラを制御することができる。一実施形態では、各プロペラ140、141が、関連するマイクロコントローラ420を有する。別の実施形態では、単一のマイクロコントローラ420が、プロペラ140、141のすべてを制御する。別の実施形態では、あるマイクロコントローラ420が、先端プロペラ141を制御し、別のマイクロコントローラ420が、インボードプロペラ140を制御する。
【0023】
後述するように、先端プロペラ141は、着陸および離陸の間、推進および制御の目的で機能し続けることができるようにしてもよい。より具体的には、プロペラハブ142の中心からプロペラブレード先端146までの距離dが、プロペラハブ142の中心から着陸ポッド113の下端までの高さd以上となるように(例えば、d≦d)、着陸ポッド113の高さを設定するようにしてもよい。
【0024】
図3Bは、翼パネル107、および翼パネル107に対して保持される2枚羽根プロペラ140の概略図を示している。インボードプロペラ140はそれぞれ、プロペラハブ142、プロペラブレード144およびプロペラブレード先端146を含むことができる。一実施形態では、プロペラハブ142の中心からプロペラブレード先端146まで、距離dを有する。内側翼パネル107に関して、関連するプロペラハブ142に近接する着陸ポッド113は、高さdを有する。
【0025】
一実施形態では、インボードプロペラ140が、地面150に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢に維持され得る。二枚羽根プロペラ140のブレードは、プロペラブレード144が地面150に接触しないように、1または複数の内側翼パネル107によって形成される平面に対して角度160で、例えば平面に対して角度160で、かつ/または平面に対して実質的に垂直とならないように、維持され得る。
【0026】
図3Cは、翼パネル107、および翼パネルに対して保持される3枚羽根プロペラ141の概略図を示している。インボードプロペラ141はそれぞれ、プロペラハブ142、プロペラブレード145およびプロペラブレード先端147を含むことができる。一実施形態では、プロペラハブ142の中心からプロペラブレード先端147までの距離がdである。内側翼パネル107に関して、関連するプロペラハブ142に近接する着陸ポッド113は、高さdを有する。
【0027】
一実施形態では、インボードプロペラ141が、各プロペラブレード145と地面150のクリアランスを提供する姿勢に維持され得る。3枚羽根プロペラ145のブレードは、プロペラブレード145が地面150に接触しないように、1または複数の内側翼パネル107によって形成される平面に対してある角度で維持され得る。一実施形態では、最上部のプロペラブレード(すなわち、地面150から最も遠いプロペラブレード先端147を有する3枚羽根プロペラ145のプロペラブレード145)が、内側翼パネル107によって形成される平面に対して実質的に垂直であってもよい。他の実施形態では、最上部のプロペラブレードが、内側翼パネル107によって形成される平面に対して実質的に垂直な角度で保持され得る。各プロペラブレード145と地面のクリアランスを提供するように、内側翼パネル107に対する3枚羽根プロペラ141の位置決めがなされる。
【0028】
図4は、コンピューティングデバイスの実施形態400の最上階層の機能ブロック図の一例を示している。例示的な動作環境は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ424、アドレス指定可能なメモリ427、外部デバイスインターフェース426、例えば、任意選択的なUSBポートおよび関連する処理、および/またはイーサネットポートおよび関連する処理、および任意選択的なユーザインターフェース429、例えば、ステータスライトのアレイおよび1または複数のトグルスイッチ、および/またはディスプレイ、および/またはキーボードおよび/またはポインタ-マウスシステムおよび/またはタッチスクリーンを含むマイクロコントローラ420などのコンピューティングデバイスとして示されている。任意選択的には、アドレス指定可能なメモリが、磁気ハードディスクドライブおよびフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気カセット、テープドライブ、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなど、マイクロコントローラ420によってアクセス可能なデータを格納できる任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含むことができる。実際に、LAN、WANまたはインターネットなどのネットワークへの接続ポートまたはネットワーク上のノードを含む、コンピュータ可読命令およびデータを格納または送信するための任意の媒体を採用することができる。これらの要素は、データバス428を介して互いに通信することができる。いくつかの実施形態では、ウェブブラウザ423およびアプリケーション422のサポート等を行うオペレーティングシステム425を介して、プロセッサ424は、通信チャネルを確立するプロセスのステップおよび上述した実施形態に係る処理のステップを実行するように構成されるものであってもよい。
【0029】
マイクロコントローラ420は、外部の角度位置センサなど、少なくとも1のセンサ152をさらに含むことができる。一実施形態では、センサ152が、ホール効果回転位置センサなどの磁気回転位置センサであってもよい。別の実施形態では、センサ152が、可変リラクタンスセンサである。別の実施形態では、センサ152が、光学センサであってもよい。別の実施形態では、センサ152が、磁気センサと光学センサの組合せであってもよい。一実施形態では、磁気センサと光学センサの組合せが、水平な位置などの特定の位置におけるブレード144の信号の検出のみではなく、ブレード144の現在の位置を検出することができる。
【0030】
磁気ホール効果センサの実施形態に関して、各ブレード144に磁石を取り付け、磁石ホール効果センサ152が、各磁石を検出するようにしてもよい。これにより、センサ152は、ブレード144の角度位置を検出することができ、プロセッサ424は、モータ110に取り付けられたブレード144の角度位置を継続的に制御するためのステップを実行することができる。より具体的には、UAV101が着陸のために地面150に近付いて、UAV101が閾値高度未満に降下すると、飛行制御コンピュータ(FCC)は、内側翼パネル107に関連する各モータ110にコマンド信号を送り、関連する1または複数のインボードプロペラ140のブレード144を水平にして保持し、ロックすることができる。マイクロコントローラ420は、モータ110の速度を制御し、それによりブレード144を水平にし、保持し、ロックする。さらに、先端プロペラ141に関連するマイクロコントローラ420は、インボードプロペラ140に関連するブレード144が水平にされてロックされている間、着陸および離陸のためにモータ110の速度を制御することができる。
【0031】
UAV101が着陸地点102に降下するときなど、インボードプロペラ140の回転が停止されるとき、先端プロペラ141は回転を続け、モータ110から先端プロペラ141への推力によって、先端プロペラ141が着陸のためにUAV101を誘導することができる。地面150またはその近傍において、距離dは、プロペラハブ142から地面150までの距離dよりも大きい。これは、外側翼109が上を向くことにより、先端プロペラ141と地面150との間に常に安全な距離が提供されるためである。このように構成することにより、着陸中に、水平にされていない先端プロペラ141はUAV101の横方向の制御を保持し、一方、インボードプロペラ140は水平な姿勢に保持される。
【0032】
UAV101の離陸中、インボードプロペラ140は、最初は、プロペラブレードと地面105のクリアランスを提供する姿勢に方向付けられ、一方、先端プロペラ141は、UAV101が離陸して閾値高度を超えて上昇することを可能にする十分な推力と制御機能の両方を提供することができる。その後、インボードプロペラ140は、UAV101が閾値高度を超えて上昇したときに、追加の推進力のために使用することができる。
【0033】
図5に関して、UAV101などのUAVの着陸のためにマイクロコントローラ420などのマイクロコントローラによって実行されるステップのフローチャート500が示されている。ステップ502で、センサが、UAVのプロペラのブレードの角度位置を検出することができる。ステップ504では、マイクロコントローラのプロセッサが、モータに取り付けられたブレードの角度位置を継続的に制御するためのステップを実行することができる。一実施形態では、各プロペラ(先端プロペラまたはインボードプロペラ)が、関連するマイクロコントローラを有する。別の実施形態では、1つのマイクロコントローラが、すべてのプロペラを制御する。別の実施形態では、あるマイクロコントローラが、先端プロペラを制御し、別のマイクロコントローラが、インボードプロペラを制御する。一実施形態では、UAVが、約260フィートの翼幅を有し、各翼の表面を覆う太陽電池アレイによって駆動される複数のモータ、例えば、10個の電気モータによって推進され、それによりゼロエミッションが実現される。
【0034】
UAVが着陸のために地面に近付いて、閾値高度未満に降下すると、飛行制御コンピュータ(FCC)は、UAVの内側翼パネルに関連する各モータにコマンド信号を送り、関連するプロペラのブレードを水平にすることができる。ステップ506では、モータがブレードの角度位置を受信し、着陸時に地面に対するプロペラブレードのクリアランスを提供する姿勢でプロペラの回転を停止させる。
【0035】
ステップ508では、UAVが着陸地点に降下する際にプロペラの回転が停止されるとき、先端プロペラは回転を続けることができ、モータから先端プロペラへの推力によって、先端プロペラがUAVを着陸のために誘導することができる。一実施形態では、プロペラハブの中心からプロペラブレード先端までの距離がdである。内側翼パネルに関して、関連するプロペラハブに近接する着陸ポッド113は、高さdを有する。着陸ポッドは十分に高く、プロペラハブの中心からプロペラブレード先端までの距離dが、着陸ポッドの高さd以上となる(例えば、d≦d)。地上または地上付近では、距離dが、プロペラハブ142から地面までの距離dよりも大きい。これは、外側翼が上に向くことにより、先端プロペラと地面との間の安全な距離が常に提供されるためである。そのように構成されることにより、ステップ510では、水平にされていない先端プロペラは、着陸中にUAVの横方向の制御を保持し、一方、プロペラは水平な位置に保持される。いくつかの実施形態では、回転を増加させることにより、回転を減少させることにより、または現在の回転を維持することにより、回転を調整するために、先端プロペラに信号を送信することができる。内側のプロペラが保持されているとき、同じ推力を維持することが望まれる場合、先端プロペラの速度を上げることができる。いくつかの実施形態では、制御のために、先端プロペラの回転を、必要に応じて、増加、同じまま、または減少させることができる。
【0036】
図6に関して、UAV101などのUAVの離陸のためにマイクロコントローラ420などのマイクロコントローラによって実行されるステップのフローチャート600が示されている。本方法600は、マイクロコントローラと通信するセンサによって、インボードプロペラブレードの角度位置を検出するステップを含むことができる(ステップ602)。本方法600は、その後、マイクロコントローラのプロセッサが、インボードブレードの角度位置をモータに継続的に伝達するステップを実行することを含むことができる(ステップ604)。本方法600は、その後、モータがマイクロコントローラでインボードブレードの角度位置を受信するステップを含むことができ、マイクロコントローラのプロセッサは、インボードプロペラブレードが適切な姿勢であることを確認することができる(ステップ606)。インボードプロペラブレードが回転中に適切な姿勢になっていない場合、すなわち、インボードプロペラブレードが定位置に保持されていない場合、離陸中に、回転するインボードプロペラブレードが地面に衝突する危険性がある。インボードプロペラブレードが内側翼パネルに対して適切な姿勢になっていない場合、マイクロコントローラのプロセッサは、離陸を停止させる信号を送ったり、またはプロペラブレードを適切な姿勢に保持する信号を送ったりするなどの修正措置をとることができる。その後、本方法600は、インボードプロペラが適切な姿勢に保持されている間、先端プロペラに離陸中のUAVの横方向制御を保持させるステップを含むことができる(ステップ610)。先端プロペラは、インボードプロペラが離陸中に地面に衝突するのを防止するために定位置に保持されている間に、UAVの離陸に必要な推力を提供することができる。次いで、本方法600は、マイクロコントローラが、UAVが離陸地点から上昇する際にインボードプロペラの回転を開始する間、先端プロペラが回転を継続するステップを含むことができる(ステップ608)。いくつかの実施形態では、先端プロペラおよびインボードプロペラのすべての合計によって生成される推力のバランスをとるために、インボードプロペラが回転を開始すると、先端プロペラによって生成される推力を減少させることができる。
【0037】
上記実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せおよび/または部分的組合せを行うことができ、それらも本発明の範囲内に入ることが企図されている。このため、開示の発明の様々なモードを形成するために、開示の実施形態の様々な特徴および態様を互いに組み合わせたり、互いに置き換えたりすることができることを理解されたい。さらに、本発明の範囲は、例によって本明細書に開示されているが、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6