(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】電子レンジ食品の包装に組み込むための2つの部分からなるRFIDタグ
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20241216BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20241216BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B65D77/04 C
B65D81/34 U
B65D25/20 P
(21)【出願番号】P 2022540461
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020067168
(87)【国際公開番号】W WO2021134066
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-04
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン ジェイ.
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163643(JP,A)
【文献】特開2010-212853(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008054711(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0299583(US,A1)
【文献】特開2005-323019(JP,A)
【文献】特表2012-520517(JP,A)
【文献】特開2010-263404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
B65D 81/34
B65D 25/20
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジで調理されるように構成された第1パッケージ部材と、
前記第1パッケージ部材を包装するように構成され、かつ、前記第1パッケージ部材を電子レンジで調理する前に前記第1パッケージ部材から分離されるように構成された第2パッケージ部材と、
前記第1パッケージ部材に設けられた反応性ストラップ、及び、前記第2パッケージ部材に設けられ、前記反応性ストラップから分離された遠方界アンテナを含むRFIDタグと、
を含む電子レンジ食品の包装であって、
前記反応性ストラップは、前記第2パッケージ部材が前記第1パッケージ部材を包装するとき、前記遠方界アンテナに結合されるように構成され、
前記反応性ストラップは、前記第2パッケージ部材が前記第1パッケージ部材から分離されるとき、前記遠方界アンテナから切り離されるように構成され、
前記RFIDタグは、前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナに結合されると、遠方界通信が行え、
前記反応性ストラップは、前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナから切り離されると、近傍界通信のみが行える、包装。
【請求項2】
前記電子レンジ食品を含む前記包装は、前記第1パッケージ部材が前記第2パッケージ部材に包装されることによって前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナに結合された状態で構成され、
前記第2パッケージ部材が前記第1パッケージ部材から分離されることによって前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナから切り離された状態で、前記近傍界通信が、前記反応性ストラップと、前記電子レンジ食品の支払いのためのPOS端末との間で行われる、
請求項1に記載の包装。
【請求項3】
前記第2パッケージ部材は、グラフィック、調理方法、および/またはバーコードを含む、請求項1に記載の包装。
【請求項4】
前記第1パッケージ部材は、電子レンジ食品の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトレイを含む、請求項1に記載の包装。
【請求項5】
前記第2パッケージ部材は、前記第1パッケージ部材の少なくとも一部を受け入れるエンクロージャを含む、請求項1に記載の包装。
【請求項6】
前記反応性ストラップは、導電性リングに結合されたRFIDチップを含む、請求項1に記載の包装。
【請求項7】
前記遠方界アンテナは、ダイポールアンテナとして構成される、請求項1に記載の包装。
【請求項8】
前記第1パッケージ部材は、電子レンジ食品の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトレイを含み、
前記第2パッケージ部材は、前記第1パッケージ部材の少なくとも一部を受け入れるエンクロージャを含み、
前記反応性ストラップは、
導電性リングに結合されたRFIDチップを含み、
前記遠方界アンテナは、ダイポールアンテナとして構成される、請求項1に記載の包装。
【請求項9】
前記反応性ストラップは、前記第1パッケージ部材の側面または基面に固定されている、請求項1に記載の包装。
【請求項10】
前記遠方界アンテナは、前記第2パッケージ部材の内面または外面に固定されている、請求項1に記載の包装。
【請求項11】
関連する反応性ストラップを含む第1パッケージ部材に電子レンジ食品の少なくとも一部を関連させるステップと、
近傍界通信を介して前記反応性ストラップと通信するステップと、
前記第1パッケージ部材を、前記反応性ストラップを遠方界アンテナに結合させてRFIDタグを規定するように関連する遠方界アンテナを含む第2パッケージ部材で包装するステップと、
遠方界通信を介して前記RFIDタグと通信するステップと、を含む、電子レンジ食品の包装方法。
【請求項12】
前記電子レンジ食品を含む前記包装は、前記第1パッケージ部材が前記第2パッケージ部材に包装されることによって前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナに結合された状態で構成され、
前記第2パッケージ部材が前記第1パッケージ部材から分離されることによって前記反応性ストラップが前記遠方界アンテナから切り離された状態で、前記近傍界通信が、前記反応性ストラップと、前記電子レンジ食品の支払いのためのPOS端末との間で行われる、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2パッケージ部材は、グラフィック、調理方法、および/またはバーコードを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1パッケージ部材は、電子レンジ食品の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトレイを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2パッケージ部材は、前記第1パッケージ部材の少なくとも一部を受け入れるエンクロージャを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記反応性ストラップは、導電性リングに結合されたRFIDチップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記遠方界アンテナは、ダイポールアンテナとして構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1パッケージ部材は、電子レンジ食品の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトレイを含み、
前記第2パッケージ部材は、前記第1パッケージ部材の少なくとも一部を受け入れるエンクロージャを含み、
前記反応性ストラップは、導電性リングに結合されたRFIDチップを含み、
前記遠方界アンテナは、ダイポールアンテナとして構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記反応性ストラップは、前記第1パッケージ部材の側面または基面に固定されている、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記遠方界アンテナは、前記第2パッケージ部材の内面または外面に固定されている、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2019年12月28日に出願された米国仮特許出願第62/954,454号の利益を主張し、その全体が本願に参考として組み込まれている。
【0002】
本発明は、電子レンジ食品の包装に関する。より具体的には、本発明は、電子レンジ食品の包装に組み込まれた2つの部分からなる無線周波数識別(「RFID」)タグに関する。
【背景技術】
【0003】
電子レンジ食品の包装は、調理/加熱中に食品と共に電子レンジに配置されることを目的とした調理補助具を含み得る。例えば、冷凍パイ又は調理パン等のパン皮のある食品は、電子レンジで調理する際に、食品を少なくとも部分的に囲む紙製品である「クリスピングスリーブ(crisping sleeve)」が有用であり得る。通常、「クリスピングスリーブ」は、「クリスピングスリーブ」の内面に組み込まれ、食品に面し、好ましくは接触するサセプタを備えた紙基板を有する。金属化フィルムであり得るサセプタは、マイクロ波エネルギーを吸収し、それを熱に変換して食品の皮又は表面をカリカリにし、及び/又は褐色にし、従って、食品の外観及び質感が改善される。サセプタとして用いられるフィルムの吸収特性により、フィルムの隣接する部分の間に高い差動電圧が発生してアークを生じさせないように比較的低いレベルのエネルギーが反射され、これと異なる場合には、包装に火がつく可能性がある。
【0004】
他の電子レンジ食品(特に、関連するソース又は液体成分を有する食品)は、フィルムで密封されたプラスチックトレイに入った状態で提供され得る。フィルムは、食品を電子レンジで調理する前に取り除かれるか、又は食品を電子レンジで調理する間、トレイに(完全に又はフィルムに1つ以上のスリットを切り込んで)保持される。
【0005】
RFIDタグは、在庫管理及び盗難防止等、多様な目的で製品包装に組み込むことが提案されている。例えば、RFIDタグは、電子レンジ食品の包装のエンクロージャ(通常、紙、板紙のスリーブ、又はボックス)に固定されるか、又はこれに設けられ得る。包装全体が電子レンジで調理することを意図したものではなく、食品(及び選択的に「クリスピングスリーブ」又はトレイ等)がエンクロージャから取り除かれ、電子レンジに挿入されて加熱/調理される。
【0006】
RFIDタグは、RFIDリーダに情報を送信する及び/又はRFIDリーダから情報を受信するための関連するアンテナを有するRFIDチップを含む。RFIDチップは、2つの導体パッド領域間のアンテナによって規定されたギャップを介してアンテナに電気的に結合される。そのようなRFIDタグは、本質的に、ある時点で、リーダ装置のフィールド内にあるときに、意図された動作周波数で電圧を有するRFIDチップが配置されるギャップを有しなければならない。RFIDチップに必要な電力入射は、10マイクロワットと低いが、一般に電子レンジは、ギャップ及び関連するRFIDチップに非常に高い電圧を発生させることができる800ワットを超える電力レベルで動作し得る。
【0007】
アンテナは、例えば、約860MHz~930MHzの範囲の第1周波数で動作するように設計され、アンテナは、RFIDリーダから第1周波数で入射電力を取り、これをRFIDチップにかかる電圧に変換して動作させる。
【0008】
電子レンジによって印加される通常約2450MHz程度の第2周波数も、RFIDタグが電子レンジに配置された際にアンテナに入射し得る。第2周波数で入射する非常に高い電力レベルは、アンテナに高電圧を発生させるので、アンテナは、第2周波数で動作するようには設計されない。そのような高電圧は、アンテナの様々な位置に現れ得るが、アンテナ素子と制御された半径との間に大きなギャップを導入する等の方法により、高電圧ブレークダウンを生成してアークを発生させる、素子にかかる電圧が防止され得る。しかしながら、RFIDチップによって埋められるギャップは、必然的に比較的小さいため、第2周波数でブレークダウンを引き起こしてアークを生じさせ得る高電圧が発生する。
【0009】
このような特性の問題を回避するために、通常、RFIDタグは、エンクロージャを電子レンジで調理しないようにする指示を含み得る、包装のエンクロージャに固定する等して、食品から取り外しやすく又は分離しやすく構成される。しかしながら、使用者が適切な注意を怠ると、(RFIDタグを含む)包装全体を食品と共に電子レンジに配置して、食品からRFIDタグを分離し損なう場合がある。
【0010】
食品を電子レンジで調理する前に、RFIDタグが食品から適切に分離されたとしても、RFIDタグには一定の制限がある。例えば、RFIDタグが包装のエンクロージャに固定されている場合、食品をエンクロージャ内に配置する前に、RFIDリーダを用いて食品を追跡することは不可能である。しかしながら、成分、用いる機械等のトレーサビリティを提供するために、食品をエンクロージャに配置する前に、RFIDタグの読み取り及び/又は書き込みできることが有利であり得る。同様に、エンクロージャから取り除かれた後の食品を追跡することは不可能になる。これは、キャッシュレジスター又は同様のPOS端末装置での価格設定及び/又は在庫管理のために、RFIDタグと通信することを含み得る食品をエンクロージャから取り除き、電子レンジで加熱してから支払いを行う場合には不利になる。
【発明の概要】
【0011】
以下に説明及び請求される装置及びシステムにおいて、個別に又は共に実施できる様々な態様の本発明が存在する。これらの態様は、単独で、又は本明細書に記載の発明の他の態様と組み合わせて用いることができ、これらの態様を共に説明することは、これらの態様を個別に使用したり、又はこのような態様を本明細書に添付の特許請求の範囲に記載しているように個別に又は異なる組み合わせで請求することを排除することを意図するものではない。
【0012】
本明細書において、電子レンジ食品の包装について説明する。一部の実施形態において、包装は、電子レンジで調理されるように構成された第1パッケージ部材と、第1パッケージ部材に関連付けられる第2パッケージ部材とを含み、第2パッケージ部材は、第1パッケージ部材を電子レンジで調理する前に、第1パッケージ部材から分離されるように構成される。一部の実施形態において、上記に加えて、包装は、反応性ストラップ及び遠方界アンテナを含むRFIDタグをさらに含む。
【0013】
一部の実施形態において、包装は、上述の通りであり、反応性ストラップは、第1パッケージ部材に設けられる。一方、遠方界アンテナは、第2パッケージ部材に設けられ、反応性ストラップから分離される。一部の実施形態において、反応性ストラップは、第2パッケージ部材が第1パッケージ部材に取り付けられると、遠方界アンテナに結合し、第2パッケージ部材が第1パッケージ部材から分離されると、遠方界アンテナから切り離されるように構成される。
【0014】
一部の実施形態において、反応性ストラップ及び遠方界アンテナは、上述の通りであり、RFIDタグは、反応性ストラップが遠方界アンテナに結合すると、遠方界通信が行える。一方、反応性ストラップは、遠方界アンテナから切り離されると、近傍界通信のみ行える。
【0015】
また、本明細書において、食品を電子レンジで調理するために記載の包装を用いる方法について説明する。一部の実施形態において、上記方法は、関連する反応性ストラップを含む第1パッケージ部材に電子レンジ食品の少なくとも一部を設けることを含む。一部の実施形態において、反応性ストラップは、近傍界通信を介して通信される。一部の実施形態において、第1パッケージ部材は、反応性ストラップを遠方界アンテナに結合してRFIDタグを規定するため、関連する遠方界アンテナを含む第2パッケージ部材に関連付けられる。一部の実施形態において、RFIDタグは、遠方界通信を介して通信する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一態様による電子レンジ食品の例示的な包装の側面図である。
【
図2】
図1の包装の第1パッケージ部材及び関連する反応性ストラップの側面図である。
【
図3】
図1の包装の第2パッケージ部材及び関連する遠方界アンテナの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示された実施形態は、多様な形態で実施され得る本発明の例示に過ぎないことが理解されるべきである。従って、本明細書に開示されている特定の詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基準として、且つ事実上任意の適切な方法で本発明を様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基準として解釈されるべきである。
【0018】
図1は、電子レンジ食品12の包装10を示す。包装10は、第1パッケージ部材14(
図2にも示す)と、第2パッケージ部材16(
図3にも示す)とを含む。包装10は、RFIDタグ18をさらに含み、その1つの構成要素20は、第1パッケージ部材14
に設けられ、その第2構成要素22は、第2パッケージ部材16
に設けられる。
【0019】
第1パッケージ部材14は、電子レンジ食品12と共に電子レンジで調理されるように構成され、本発明の範囲から逸脱することなく多様に構成され得る。図示される実施形態において、第1パッケージ部材14は、電子レンジ食品12の少なくとも一部を受け入れるように構成されたトレイ24(通常、黒色又は透明のプラスチックで形成される)として提供され、取り除き可能なフィルム26が上記トレイ24の開放上部を覆っている。他の例示的な実施形態において、第1パッケージ部材14は、「クリスピングスリーブ」として提供される。他の例示的な第1パッケージ部材は、プレート、ボウル、カップ、又は他の任意の形状若しくは部材を含むが、これらに限定されない。
【0020】
第1パッケージ部材14の特定の構成に関係なく、RFIDタグ18の反応性ストラップ20は、第1パッケージ部材14に設けられる。一部の実施形態において、反応性ストラップ20を電子レンジ食品12から分離させるために、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の外面に設けられることが有利であり得る。代わりに、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の内面又は第1パッケージ部材14の両面に設けられることも本発明の範囲内である。一部の実施形態において、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の内面に設けられる場合、反応性ストラップ20が電子レンジ食品12から離隔して位置すること(例えば、電子レンジ食品12がトレイ24の底部又は基部上にある一方で、トレイ24の上端に隣接して位置すること)が有利であり得る。しかしながら、反応性ストラップ20は、電子レンジ食品12と接触していてもよいと考えられる。
【0021】
図示
される実施形態において、反応性ストラップ20は、トレイ24の側面28
に設けられている。他の実施形態において、反応性ストラップ20は、底面若しくは基面30又は上部若しくは上面32を含む、第1パッケージ部材14の他の面
に設けられていてもよい。
図1に示すように(且つ、本明細書でより詳細に説明するように)、反応性ストラップ20は、RFIDタグ18の他の構成要素22に隣接
する位置に配置され得る。従って、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14
に設けられる位置は、RFIDタグ18の他の構成要素22が第2パッケージ部材16
に設けられる位置に
基づいて決定され得
るし、逆もまた同様である。
【0022】
反応性ストラップ20は、第1パッケージ部材14に対して位置する箇所に関係なく、任意の適切なアプローチによって第1パッケージ部材14に設けられ得る。例えば、一実施形態において、反応性ストラップ20は、接着剤若しくは機械的留め具によって、又はクランプすることによって第1パッケージ部材14に固定され得る。他の例示的な実施形態において、第1パッケージ部材14は、反応性ストラップ20が少なくとも部分的に受け入れられ得るポケット又は空洞を規定し得る。第1パッケージ部材14と反応性ストラップ20とを関連付けるための他のアプローチが、本発明の範囲から逸脱することなく用い得る。
【0023】
反応性ストラップ20の構造に関しては、本発明の範囲から逸脱することなく多様に構成し得る。図示
される実施形態において、反応性ストラップ20は、導体36の導電性リング又はループに結合されたRFIDチップ34を含む。より詳細に説明すると、反応性ストラップ20は、RFIDタグ18が遠方界通信できるようにするために、RFIDタグ18の他の構成要素22と協働する。しかしながら、(
図2のように)RFIDタグ18の他の構成要素22から
離隔された反応性ストラップ20は、近傍界通信(即ち、約300mmほどの範囲での通信)のみが可能である。そのような構成により、反応性ストラップ20は、2つのパッケージ部材14及び16が互いに
関連付けられる前、及び2つのパッケージ部材14及び16が分離した後、(例えば、電子レンジ食品12を製造するために用いられる操作及び/又は材料及び/又は電子レンジ食品12の価格に関する)情報の交換を可能にする。そのために、一部の実施形態において、反応性ストラップ20は、第1パッケージ部材14が製造された直後、及び第1パッケージ部材14に電子レンジ食品12を導入する前等の製造工程の初期に、第1パッケージ部材14
に設けられることが有利であり得る。しかしながら、電子レンジ食品12が第1パッケージ部材14
に設けられた後を含む製造工程の後期に、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14
に設けられることも本発明の範囲内である。
【0024】
反応性ストラップ20の特定の構成に関係なく、反応性ストラップ20は、(電子レンジ食品12と共に電子レンジで調理されることが意図されている)第1パッケージ部材14に設けられるので、電子レンジの調理に安全なように構成される。そのような構成により、使用者は、最初に第1パッケージ部材14から反応性ストラップ20を取り除くことなく、第1パッケージ部材14を電子レンジに安全に配置して、電子レンジ食品12を加熱することができる。反応性ストラップ20を電子レンジで調理することにより、過熱して第1パッケージ部材14を損傷したり、及び/又は火花(例えばアーク)を生成することはない。好ましくは、反応性ストラップ20は、マイクロ波に耐えるように構成され、電子レンジ食品12及び第1パッケージ部材14が加熱された後、反応性ストラップ20の継続的な使用を可能にする。これは、電子レンジ食品12及び第1パッケージ部材14が加熱され、その後、電子レンジ食品12の価格を示すために、及び/又は在庫追跡の目的で1つが売れたことを示すために、近距離で反応性ストラップ20が読み取られることを含み得る、電子レンジ食品12の支払いのためにキャッシュレジスター又は同様のPOS端末装置に持って行くことを意図する場合に特に有利であり得る。しかしながら、反応性ストラップ20がマイクロ波に耐えることが有利であり得るが、電子レンジで調理される際に、それが過熱して第1パッケージ部材14に損傷を与えたり、火花を発生させたり、それ以外の危険な状態を引き起こしたりしないことを条件として、反応性ストラップ20がマイクロ波によって動作不能になることも本発明の範囲内である。
【0025】
次に、第2パッケージ部材16について見ると、電子レンジ食品12と共に必ずしも電子レンジで調理されるように構成される必要はなく、むしろ第1パッケージ部材14及び電子レンジ食品12を電子レンジで調理する前に第1パッケージ部材14から分離されるように構成される。第2パッケージ部材16は、本発明の範囲から逸脱することなく、多様に構成され得る。図示される実施形態において、第2パッケージ部材16は、第1パッケージ部材14の少なくとも一部を受け入れるように構成された(通常、紙又は板紙で形成される)エンクロージャ、ボックス又はスリーブ38として提供される。第2パッケージ部材16は、グラフィック、調理方法、バーコード等を含み得る。
【0026】
第2パッケージ部材16の特定の構成に関係なく、RFIDタグ18の第2構成要素22は、第2パッケージ部材16に設けられる。一部の実施形態において、反応性ストラップ20のより近くに位置することを可能にするために、(図示される実施形態のように)RFIDタグ18の第2構成要素22が第2パッケージ部材16の内面に設けられることが好ましい。代わりに、RFIDタグ18の第2構成要素22が第2パッケージ部材16の外面に設けられることも本発明の範囲内である。
【0027】
上述のように、一部の実施形態において、第2パッケージ部材16が第1パッケージ部材14に設けられる場合、RFIDタグ18の第2構成要素22は、反応性ストラップ20に隣接して位置することが有利であり得る。従って、図示される実施形態において、RFIDタグ18の第2構成要素22は、反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の側面28に設けられる位置と同様の位置で、第2パッケージ部材16の側面40に設けられる。別の実施形態において、RFIDタグ18の第2構成要素22は、第2パッケージ部材16の他の表面に設けられ得る。そのような表面は、底面又は基面42(好ましくは反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の底面又は基面30に設けられる場合)、或いは上部面又は上面44(好ましくは反応性ストラップ20が第1パッケージ部材14の上部面又は上面32に設けられる場合)を含み得る。
【0028】
RFIDタグ18の第2構成要素22は、第2パッケージ部材16に対して位置する箇所に関係なく、任意の適切なアプローチによって第2パッケージ部材16に設けられ得る。例えば、一実施形態において、RFIDタグ18の第2構成要素22は、接着剤又は機械的留め具によって、若しくはクランプすることによって第2パッケージ部材16に固定され得る。他の例示的な実施形態において、第2パッケージ部材16は、RFIDタグ18の第2構成要素22が少なくとも部分的に受け入れられ得るポケット又は空洞を規定し得る。第2パッケージ部材16とRFIDタグ18の第2構成要素22とを関連付けるための他のアプローチ(例えば、RFIDタグ18の第2構成要素22を第2パッケージ部材16の表面に印刷すること)が本発明の範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0029】
RFIDタグ18の第2構成要素22の構造に関しては、反応性ストラップ20と協働してRFIDタグを遠方界通信可能に構成される限りにおいて、本発明の範囲から逸脱することなく多様に構成され得る。図示される実施形態において、RFIDタグ18の第2構成要素22は、ダイポールアンテナとして構成された遠方界アンテナとして提供される。そのような構成において、遠方界アンテナ22は、反応性ストラップ20から切り離されると(即ち、第1パッケージ部材14と第2パッケージ部材16が互いに分離されると)、機能を提供せず、遠方界アンテナ22が反応性ストラップ20と結合するとき(即ち、第2パッケージ部材16が第1パッケージ部材14に関連付けられるとき)にのみ、反応性ストラップ20(即ち、RFIDタグ18)の通信領域を増加又はブーストする役割を果たす。従って、上述のように、確実に遠方界アンテナ22が反応性ストラップ20に適切に結合されるようにするために、第2パッケージ部材16が第1パッケージ部材14に関連付けられるとき、遠方界アンテナ22が、反応性ストラップ20に隣接して配置される位置で第2パッケージ部材16に関連付けられることが有利であり得る。
【0030】
そのような構成により、RFIDタグ18の2つの構成要素20,22は、RFIDタグ18を工場から店舗へ輸送する間、包装10を追跡する及び/又は店舗の在庫を管理する等のロジスティックスに用いられるように結合する。従って、本発明による包装10は、異なる時間に異なる範囲での通信を可能にする。例えば、上述のように、反応性ストラップ20は、第1パッケージ部材14が形成された後ではあるが、電子レンジ食品12が第1パッケージ部材14に導入される前に、第1パッケージ部材14に設けられ得る。その際(即ち、第2パッケージ部材16が第1パッケージ部材14に関連付けられる前に)、反応性ストラップ20は、近傍界通信を介して通信できる。続いて、例えば、電子レンジ食品12が第1パッケージ部材14に導入された後や、第1パッケージ部材14が密封された後等、第2パッケージ部材16(及び関連する遠方界アンテナ22)が第1パッケージ部材14に関連付けられることにより、遠方界アンテナ22を反応性ストラップ20に結合し、RFIDタグ18を規定する。その後、RFIDタグ18は、遠方界通信を介して通信できる。最後に、電子レンジ食品12を電子レンジで調理する前に、(例えば、取り除いて廃棄又はリサイクルすることによって)第2パッケージ部材16が第1パッケージ部材14から分離され得、それにより、反応性ストラップ20から遠方界アンテナ22を切り離すことができる。その際、反応性ストラップ20は、金銭登録機等の近傍界通信を介して再び通信することができる。
【0031】
遠方界アンテナ22は、反応性ストラップ20に結合されたエネルギーを増加させ、且つ(例えば、反応性ストラップ20よりもさらに加熱されることによって)マイクロ波に反応する反応性ストラップ20とは異なる反応をし得るので、第2パッケージ部材16は、第1パッケージ部材14を電子レンジで調理する前に、第1パッケージ部材14(及び関連する反応性ストラップ20)から分離することが好ましい。しかしながら、使用者が第1パッケージ部材14から第2パッケージ部材16(及び関連する遠方界アンテナ22)を分離しない可能性があるので、遠方界アンテナ22は、組み立てられたRFIDタグ18を電子レンジで調理した場合に、確実に煙、火災、又は危険な状態を引き起こさないようにするよう構成され得る。これは、加熱される際に、第2パッケージ部材16とは異なる速度で膨張するように遠方界アンテナ22を構成することによって、遠方界アンテナ22が破壊される等、電子レンジで調理される際に破壊されるように構成された遠方界アンテナ22を含み得る任意の適切なアプローチに従って達成され得る。代案として、遠方界アンテナ22は、過熱して第2パッケージ部材16を損傷する可能性があるが、アーク、火災、又は煙を発生させないように構成され得る。
【0032】
上述の実施形態は、本発明の原理の一部が適用された例示であることが理解されるであろう。本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の変更が行われ得る。これらの理由により、本明細書の範囲は、上述の説明に限定されず、以下の特許請求の範囲に記載される通りであり、特許請求の範囲は、本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、本発明の特徴を対象とし得ることが理解される。