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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】タイヤ用RFIDシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20241216BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20241216BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20241216BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G06K19/077 232
B60C19/00 G
G06K19/077 216
G06K19/077 280
G06K19/077 296
H01Q1/22 Z
H01Q9/16
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022540468
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 US2020067143
(87)【国際公開番号】W WO2021134062
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】62/954,475
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン ジェイ.
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-027777(JP,A)
【文献】特開2005-096423(JP,A)
【文献】特開2002-264617(JP,A)
【文献】特開2002-214060(JP,A)
【文献】特開2001-013042(JP,A)
【文献】特開2005-216077(JP,A)
【文献】特開2005-316596(JP,A)
【文献】特開2017-132292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0206446(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0217562(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
B60C 19/00
H01Q 1/22
H01Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部分を含むタイヤ用の無線周波数識別(RFID)システムであって、
近傍界通信(near field communication)のためのスタッドを含む第1の部分であって、前記スタッドは、RFIDチップとコンダクタとを含む反応性ストラップを含み、更に、前記スタッドは、前記RFIDチップ及び前記コンダクタをカプセル化し、前記タイヤのトレッド領域又は側壁内に挿入されるように構成された本体を含む、第1の部分と、
前記第1の部分から分離された第2の部分であって、前記タイヤの内面又は外面に配置されるか又は前記タイヤに埋め込まれるアンテナ構造体を含む第2の部分と、を備え、
前記アンテナ構造体は、磁場、電場、又は磁場と電場との組み合わせを介して前記スタッドと結合することによって遠方界(far field)RFIDタグを形成し、
前記アンテナ構造体は、適応型遠方界アンテナを更に含み、
前記適応型遠方界アンテナは、互いに平行に延びる第1の並列要素及び第2の並列要素を含み、
前記スタッドは、前記第1の並列要素と前記第2の並列要素との間に配置され、前記第1の並列要素に向かう前記スタッドの相対移動は、前記第1の並列要素との結合を増加させ、前記第2の並列要素から離れる前記スタッドの移動、及び前記第2の並列要素との結合の減少をもたらし、前記相対移動に伴う前記アンテナ構造体との結合の変化を抑制する、
RFIDシステム。
【請求項2】
前記適応型遠方界アンテナの前記第1の並列要素及び前記第2の並列要素と平行な前記スタッドの相対移動の間、前記アンテナ構造体と前記スタッドとの結合は、前記第1の並列要素及び前記第2の並列要素が前記相対移動の長さに亘って対称的に配置されていることによって一定に保たれる、請求項に記載のRFIDシステム。
【請求項3】
前記アンテナ構造体は、前記第1の並列要素及び前記第2の並列要素と平行に、これらを超えて延びる第3の並列要素を含むバイパス要素を有するチューニングループを更に含む、請求項またはに記載のRFIDシステム。
【請求項4】
2つの部分を含むタイヤ用の無線周波数識別(RFID)システムであって、
近傍界通信(near field communication)のためのスタッドを含む第1の部分であって、前記スタッドは、RFIDチップとコンダクタとを含む反応性ストラップを含み、更に、前記スタッドは、前記RFIDチップ及び前記コンダクタをカプセル化し、前記タイヤのトレッド領域又は側壁内に挿入されるように構成された本体を含む、第1の部分と、
前記第1の部分から分離された第2の部分であって、前記タイヤの内面又は外面に配置されるか又は前記タイヤに埋め込まれるアンテナ構造体を含む第2の部分と、を備え、
前記アンテナ構造体は、磁場、電場、又は磁場と電場との組み合わせを介して前記スタッドと結合することによって遠方界(far field)RFIDタグを形成し、
前記第2の部分は、前記アンテナ構造体を含むラベルであり、前記アンテナ構造体は、前記ラベルを前記タイヤから除去することによって前記タイヤから除去可能である
RFIDシステム。
【請求項5】
2つの部分を含むタイヤ用の無線周波数識別(RFID)システムであって、
近傍界通信(near field communication)のためのスタッドを含む第1の部分であって、前記スタッドは、RFIDチップとコンダクタとを含む反応性ストラップを含み、更に、前記スタッドは、前記RFIDチップ及び前記コンダクタをカプセル化し、前記タイヤのトレッド領域又は側壁内に挿入されるように構成された本体を含む、第1の部分と、
前記第1の部分から分離された第2の部分であって、前記タイヤの内面又は外面に配置されるか又は前記タイヤに埋め込まれるアンテナ構造体を含む第2の部分と、を備え、
前記アンテナ構造体は、磁場、電場、又は磁場と電場との組み合わせを介して前記スタッドと結合することによって遠方界(far field)RFIDタグを形成し、
前記アンテナ構造体は、複数のアンテナを含むマルチアンテナラベルを更に含み、前記スタッドと前記マルチアンテナラベルとの結合によって形成された前記遠方界RFIDタグの特性は、前記スタッドに対する前記マルチアンテナラベル内の前記複数のアンテナの位置に応じて決定される
RFIDシステム。
【請求項6】
前記スタッドは、タイヤの表面に接続されるように構成された接着構成要素を含み、前記RFIDチップと前記コンダクタは、前記接着構成要素の材料の薄層の間に位置し、前記薄層のうちの1つの外面は接着剤を更に含む、請求項1~5の何れか1項に記載のRFIDシステム。
【請求項7】
エポキシ又はアクリル材料が前記RFIDチップと前記コンダクタをカプセル化するために使用される、請求項1~6の何れか1項に記載のRFIDシステム。
【請求項8】
前記スタッドは、接着剤を使用してタイヤの内面又は外面に貼り付けられるように構成されたラベルに組み込まれる、請求項1~の何れか1項に記載のRFIDシステム。
【請求項9】
前記スタッドは、タイヤ内に加硫処理されることによってタイヤの内面に貼り付けられるように構成されたラベルに組み込まれる、請求項1~の何れか1項に記載のRFIDシステム。
【請求項10】
前記アンテナ構造体は、前記タイヤの内面又は外面に接続するための接着剤を更に含む、請求項1~の何れか1項に記載のRFIDシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月28日に出願された米国仮特許出願第62/954,475号の利益を主張し、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、概括的には、タイヤに取り付けられた無線通信装置に関する。より具体的に、本発明は、タイヤ用無線周波数識別(「RFID」)システムに関する。システムは近距離無線通信(近傍界無線通信:near field communication)のための反応性ストラップを有するスタッドを含む。
【背景技術】
【0003】
無線周波数識別(RFID)技術を含む無線通信アプローチを組み込む装置は、追跡及びセキュリティの目的のための商品ラベル又はタグへの組み込みを含む様々な用途に広く用いられている。このような装置を含むシステムは、在庫管理及びセキュリティ(例えば、紛失防止)で知られている。
【0004】
タイヤRFID装置タグ付けする従来の技術方法は、一般に、RFIDストラップとアンテナを結合する単一の部品で製造されるRFIDラベルを含む。RFIDシステムは、他のRFID装置、例えば、RFIDリーダシステムに信号を伝送及び/又は受信できる。単一の部品は、タイヤの内面又は外面に取り付けられる。残念ながら、単一の部品構造は、単一のタイヤ製品に関連付けられるように設計されなければならないという欠点がある。これは、様々なモデルやサイズ等の異なる特性を有するタイヤにタグ付けする場合、必要な部品の体積及びコストを増加させる。また、タイヤは、RFIDタグシステムを提供しようとする際に解決が難しいことがある、挑戦的且つ動的な環境をもたらす
【発明の概要】
【0005】
以下に記載及び請求される無線通信装置及びシステムにおいて個別に又は共に具現化し得る本主題の様々な態様がある。これらの態様は、単独で、又は本明細書に記載の主題の他の態様と組み合わせて使用され得る。これらの態様を共に記載することは、これらの態様を個別に使用したり、又は本明細書に添付の請求範囲に明示されているように個別に、又は異なる組合わせで請求することを排除することを意図するものではない。
【0006】
本明細書において、RFID反応性ストラップを組み込むスタッドを含む装置、前記装置を含むシステム、及びこれを製造して使用する方法が記載されている。一部の実施形態において、前記スタッドは、タイヤの外部トレッド内に挿入されるか、又はタイヤの外面又は内面に装着されるように設計される。前記スタッドは、近距離無線通信を提供するか、又はラベルに組み込まれて、タイヤの外面又は内面に適用できる等のアンテナ構造体と関連して結合され得る。
【0007】
一部の実施形態において、ラベルは、アンテナ構造体及び/又はスタッドの相対配置又は相対位置を変えることによってスタッドの近くに配置されて形成されたRFIDタグの特性が変更されるアンテナを含み得る。好ましくは、一部の実施形態において、前記ラベルは適応性を有する単一のアンテナ又は複数のアンテナを含み得る。反応性ストラップを組み込み、タイヤメーカーによってタイヤの表面に挿入又は取り付け可能なスタッドに対する単一の共通デザインを使用したRFIDタグの特性を変更できる機能は、金属及び誘電体の3次元構造からなるタイヤの非常に様々な特性を保障できる。前記スタッドは、顧客のニーズに応じて、タイヤのサプライチェーンの様々な領域で使用され得る。例えば、スタッドは、メーカーが生産を通じてタイヤを追跡するのに使用され得、必要な場合、熱や圧力に耐えることができる頑丈な構造が使用され得る。
【0008】
前記スタッドの反応性ストラップに結合されるアンテナを備えたラベルを追加することによって、RFIDタグが形成され得、完成したタイヤの在庫管理のための長距離RFID性能を提供し得、自動車販売業者の短期識別のために、タイヤが車両に取り付けられた後に使用され得、ここで、前記ラベルは通常除去される。しかし、道路での使用に耐えるように要求され設計されている場合、RFIDタグが車両の所有者、例えば、個人使用者、フリート使用者、タクシー又はレンタカー会社に追跡及びトレーサビリティを提供するために、前記ラベルをそのままに残り得る。
【0009】
一部の実施形態において、タイヤ用RFIDシステムが提供される。一部の実施形態において、システムは、RFIDチップとコンダクタとを含む反応性ストラップを含むスタッドを含む。スタッドは、タイヤに接続され、近距離無線通信が可能に構成される。
【0010】
他の実施形態において、アンテナ構造体は、タイヤの内面若しくは外面又はタイヤの内部に配置され、アンテナ構造体は、磁場、電場、又は磁場と電場との組み合わせを介してスタッドと結合して、遠距離(遠方界: far field)RFIDタグを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一態様によるRFIDタグの2つの構造の概略図である。
図2】本発明の別の態様によるRFIDシステムの他の実施形態の概略図である。
図3】適応型遠方界アンテナと結合して提供されるスタッドを示す概略図である。
図4図4A及び図4Bは、本発明により提供されるRFIDシステムのアンテナの様々な可能な配置を示す概略図である。
図5】本発明の一態様によるRFIDシステムの他の実施形態の概略図である。
図6】スタッドとマルチアンテナラベルの組み合わせを採用したRFIDシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
必要に応じて、ここに本発明の詳細な実施形態を開示するが、開示の実施形態は多様な形態で実現可能な本発明の例示であるだけであることを理解されたい。従って、本明細書に開示する特定の細部事項は限定されて解釈されてはならず、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ実質的に任意の適切な方法で本発明を多様に採用するように当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されなければならない。
【0013】
図1は、タイヤ12用に構成された2つの構造のRFIDシステム10を示す概略図である。RFIDシステム10は、RFIDチップとコンダクタとを含む反応性ストラップを有するスタッド14形態の第1の部分を含む。スタッド14は、選択された装着位置でのタイヤとの接続に適合するように構成される。この実施例において、装着位置はトレッド溝16にあり、スタッド14は、RFIDチップとコンダクタをカプセル化する本体を含み、タイヤ12のトレッド領域内に、或いはタイヤ12の側壁内に挿入されるように構成される。一部の実施形態において、スタッド14は、頑丈な構造からなり、RFIDチップとコンダクタをカプセル化するエポキシ又はアクリル材料を使用して構成される。
【0014】
RFIDシステム10の第2の部分は、アンテナ構造体20のような1つ以上のアンテナの形態を有する導電性構造体を含むラベル18である。ラベル18がスタッド14の近くに配置されると、アンテナ20はスタッド14の反応性ストラップと結合し、まとめてRFIDタグを形成する。アンテナ構造体20は、タイヤの内面又は外面に配置されるか、又はタイヤに埋め込まれ得る。アンテナ構造体20は、磁場、電場、又は磁場と電場との組み合わせを介してスタッド14と結合して、遠距離(遠方界:far field)RFIDタグを形成する。
【0015】
本明細書に使用される「スタッド」は、反応性ストラップをタイヤに接着、取り付け、又は貼り付けるための構造体を言う。一部の実施形態において、スタッドは、タイヤのトレッド内に挿入され、溝の縁により把持されるように設計される。しかし、タイヤに固定するために、扁平なディスク、線形ストリップ、ねじ構造体、及び発泡ポリウレタンフォーム等の機械的膨張及び/又は化学反応に基づく膨張構造等の代替構造体が好適であり得る。一般に、タイヤは、車両に装着される前の保管の際の転がりや落下等による応力、取り付け中の応力、及びタイヤ使用の段階でそのタイヤが取り付けられる車両の動きに伴う応力を受けるため、使用される構造体は頑丈である必要がある。スタッドは、別の構造であってもよい。例えば、一部の実施形態において、スタッドはタイヤの表面に接続されるように構成された接着性を有する構成要素を含んでいてもよい。その場合、RFIDチップとコンダクタ(近距離導電性要素)は、接着性を有する構成要素の薄層(例えば、125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)又は他の好適なポリマー若しくは非ポリマー材料)の間に配置される。一部の実施形態において、薄層のうちの1つの外面は、スタッドがタイヤから除去可能なように、スタッドをタイヤの内面又は外面に接合するための接着剤を含み得る。他の代替的な構造として、接着剤等を使用することによって、タイヤの内面又は外面に貼り付けられるように構成されたラベルに組み込まれたスタッド(RFIDチップとコンダクタとを含む)を有することを含み得る。このようなラベルの形態のスタッドは、代案としてタイヤの製造中にタイヤ内に加硫処理されることによってタイヤの内面に貼り付けられるように構成されてもよい
【0016】
図2は、タイヤ用の2つの構造体を有する例示的なRFIDシステム110の概略図である。近距離無線通信のために単独で使用され得る反応性ストラップを有するスタッド114は、アンテナ構造体120の近くに配置され得る。アンテナ構造体は、タイヤの内面又は外面に位置してもよい。アンテナ構造体120とスタッド114の近接結合のための位置は、磁場、電場、又はこれらの場の組み合わせを介した結合を達成するように調整されて、遠距離(遠方界)RFIDタグを形成することができる。
【0017】
図3に示すRFIDシステムは、タイヤと接続するためのスタッド214形態を有する第1の部分と、アンテナ構造体220形態を有する第2の部分とを含む。図3にはその一部が示されている。アンテナ構造体220は、適応型遠方界アンテナ222を含む。適応型遠方界アンテナ222は、アンテナ222に対するスタッド214の配置関係が意図せず変化したとき、スタッド214形態の近距離(近傍界)要素(near field element)と適応型遠方界アンテナ222との間に比較的一定の結合を提供するように設計されている。これは、タイヤが経験する動的な環境で特に有用であり得る。
【0018】
適応型遠方界アンテナ222は、第1及び第2の並列要素224、224’を含む。スタッド214は、第1及び第2の並列要素224、224’の間に公称装着位置(nominal mounting position)を有する。このような構成により、第1の並列要素224に向かうスタッド214の相対移動+xは、第1の並列要素224との結合を増加させ、第2の並列要素224’から離れるスタッド214の移動-xに影響を与え第2の並列要素224’との結合を減少させる。これにより、アンテナ構造体220とスタッド214正味の結合(net coupling)は比較的一定になる
【0019】
また、スタッド214と適応型遠方界アンテナ222との結合は、スタッド214がy方向に、アンテナ構造体220の第1及び第2の並列要素224、224’と平行に延びる長さaに亘って移動する間にも発生する。この結合は、移動の長さaに亘って第1及び第2の並列要素224、224’が対称的に配置されていることにより比較的一定に保たれる。従って、全体として、正味の結合は比較的一定に保たれる。適応型遠方界アンテナ222は、基本的にアンテナ構造体220のチューニングループの一部であり、チューニングループは、第1及び第2の並列要素224、224’と平行これを超えて延びる第3の並列要素228を含むバイパス要素226を有する。
【0020】
図4A及び図4Bは、図1に示すシステム10と類似する2つの部分を含むRFIDシステム310の概略構成を示している。RFIDシステム310は、タイヤ312のトレッド領域への挿入等によってスタッド314形態の第1の部分がタイヤ312に位置することを可能にする一方で、アンテナ構造体320を含むラベル318形態の第2の部分は、スタッド314及びタイヤ312に対して2以上の向きでタイヤ312に接続され得る。2つの向きのうち一番目の向きが図4Aに示されている。図4Aにおいて、アンテナ構造体320は、タイヤ312及びトレッドの方向に平行である。二番目の向き図4Bに示されている。図4Bにおいて、アンテナ構造体320はタイヤ312に垂直であり、タイヤの幅を横切って延びる。タイヤは非常に様々な特性を有し、ダイポールアンテナである場合、アンテナがトレッドを横切るか(即ち、トレッドに垂直)、トレッドに沿って平行に延びることが有利な場合がある。スタッド314のような一般的な反応装置は、個々のタイヤに対して異なる向きで使用するために選択できる多数のアンテナ設計で動作し得る。
【0021】
本明細書に記載された実施例は、タイヤ用2つの部分を含むRFIDシステムまたはタグを使用するための一連のオプションを提供するということが理解される例示されている実施例では、近距離要素は、製造中にタイヤに適用され関連付けられ得るスタッドであり、その短距離機能が工場の生産ライン等の制御された環境に適しているため、生産追跡およびモニタリングを可能にする。タイヤが小売業者に渡されるとき、RFIDアンテナを備えたラベルがタイヤに取り付けられ、在庫管理用の棚等の制御されない環境におけるより長距離の読み取りを可能にする。タイヤにラベルが取り付けられ、反応性ストラップが含まれたラベルとスタッドが除去されると、材料に互換性がある場合、廃棄又はリサイクルされるか、回収され得る。スタッドが十分に頑丈な場合、リプログラミングを介して再使用できる。或いは、スタッド形態を有する反応装置は、販売業者が自動車、バン、及びトラックを一般に販売し、在庫管理及びトレーサビリティの目的でモニタリングを行いたい場合のように、短期間だけ保持されてもよい。或いは、当該装置は、サービス等の間、短距離の読み取りが使用され得る場合に保持され得るが、直接的なプライバシーの問題生じない。
【0022】
図5は、RFIDシステム410の代替的な構成を示す概略図である。この例では、スタッド414等の近距離装置がタイヤ412の内部に適用され、タイヤ412に外部から適用されるラベル418に組み込まれたアンテナ構造体に結合されている。スタッド414は、上述の目的のために保持され得る。遠距離RFIDタグを提供するために、反応性ストラップ及び近距離無線通信の能力を有するタイヤ412の内部のスタッドをラベル418と組み合わせて使用することは、既存の単一の遠距離RFIDタグを使用する以上の利点がある。概括すると、近距離装置はより小さく、より容易で頑丈に製造され、タイヤの使用中に、屈曲、伸展による応力をより少なくできるという点で利点がある
【0023】
図6は、タイヤ512用RFIDシステム510の概略図である。反応性近距離機能を有する第1の部分、内面若しくは外面に接続されるか、又はタイヤ512内に組み込まれるスタッド514の形態で提供される。第2の部分は、複数のアンテナ522a~522dを含むアンテナ構造体520を有するラベル518の形態で提供される。複数のアンテナ522a~522dは、スタッド514とアンテナ構造体520との間の相対位置が変化すると、スタッド514との結合が変化する。アンテナの1つの最適な選択、及びアンテナ構造体520の相対位置の最適な選択は、スタッド514に対するラベル518の相対配置を変更する実験によって決定され得るこれは顧客及び顧客が販売する各タイヤに対する特注の顧客固有のアンテナを設計するよりも複雑ではなく、且つ低コストである。最適なアンテナ構成が選択されると、単一のマルチアンテナラベル518が様々なタイヤ製品で使用され、持続的に使用され得る。あるいは、所定のタイヤに固有の選択されたアンテナのみを備えたラベルが使用され得る。従って、スタッド514の近くにアンテナ構造体520を配置することによって形成されるRFIDシステム510又はRFIDタグの特性は、アンテナ構造体520とスタッド514の相対配置を変えることによって変更され得る。これは異なる複数のタイヤグループに対して行なわれる。
【0024】
上述の実施形態は、本発明の原理の一部が適用された例示であることが理解されるであろう。本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、請求される発明の思想及び範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更を行うことができる。このような理由により、本明細書の範囲は、上記記載に限定されず、以下の請求範囲に記載されており、請求範囲は、本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、本明細書の特徴に関し得るものであることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6